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特許7548657移送システム、全体設備、及び商品移送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】移送システム、全体設備、及び商品移送方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240903BHJP
   B66F 9/18 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65G1/00 501F
B66F9/18 J
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020016704
(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公開番号】P2020128301
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】10 2019 201 595.6
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520042261
【氏名又は名称】ベーハーエス イントラロジスティクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】カール ルーラント
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フーバー
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-089358(JP,A)
【文献】特開昭63-082269(JP,A)
【文献】特開平10-095535(JP,A)
【文献】米国特許第05009563(US,A)
【文献】特開平02-048358(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1485259(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133;
1/14-1/20
B66F 9/00-11/04
B65H 19/00-19/30;
21/00-21/02
B66C 9/00-11/26;
17/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品(11)、特に材料ロールを移送するための移送システムであって、
商品(11)を移送エリア(31)における搬送キャリッジ(32)に移送するための移送装置(25)と、
前記移送エリア(31)において前記移送装置(25)から前記商品(11)を受容する搬送キャリッジ(32)と、
前記移送エリア(31)に配置された装置であって、移送すべき前記商品(11)を受容する際に前記搬送キャリッジ(32)を負荷から解放する搬送キャリッジ負荷解放装置(116)と、
前記移送装置(25)から前記移送エリア(31)に移送される前記商品(11)に対して前記搬送キャリッジ(32)を整列させるための整列装置と、を備え、
前記搬送キャリッジ負荷解放装置(116)は、移送すべき前記商品(11)を受容する際に前記搬送キャリッジ(32)を持ち上げるための持ち上げ装置を有し、
前記整列装置は、前記移送装置(25)から前記移送エリア(31)に移送される前記商品(11)の向きを感知するための商品向き感知センサ(120)を有する、移送システム。
【請求項2】
前記持ち上げ装置は、移送すべき前記商品(11)を受容する際に前記搬送キャリッジ(32)を下から持ち上げることができる、ことを特徴とする請求項1に記載の移送システム。
【請求項3】
前記持ち上げ装置は、その使用中は前記搬送キャリッジ(32)の商品容器(53)に係合する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の移送システム。
【請求項4】
前記持ち上げ装置は、前記搬送キャリッジ(32)のベースフレーム(52)から距離を置いて前記搬送キャリッジ(32)に係合する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の移送システム。
【請求項5】
前記持ち上げ装置は、ピーク負荷を補償するための補償ばねユニットを有する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の移送システム。
【請求項6】
前記商品向き感知センサ(120)と信号接続したユニットであって、前記商品向き感知センサ(120)から前記商品(11)の向きのために特徴的な商品向き情報を受信するよう意図された計算ユニット(121)を有する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の移送システム。
【請求項7】
前記計算ユニット(121)は、前記商品向き情報に依存して前記搬送キャリッジを整列するために前記搬送キャリッジ(32)に信号接続している、ことを特徴とする請求項6に記載の移送システム。
【請求項8】
前記移送装置(25)から移送される前記商品(11)を前記搬送キャリッジ(32)に対して軸方向に整列するための移送ステーションを有する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の移送システム。
【請求項9】
前記移送エリア(31)を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの保護要素(122)を有する、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の移送システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの移送システムと段ボールプラント(1)を有する全体設備。
【請求項11】
商品(11)、特に材料ロールを移送するための商品移送方法であって、
商品(11)を移送装置(25)から移送エリア(31)における搬送キャリッジ(32)に移送し、
前記搬送キャリッジ(32)によって、前記移送エリア(31)において前記移送装置(25)により搬送される前記商品(11)を受容し
前記移送エリア(31)に配置された搬送キャリッジ負荷解放装置(116)によって、移送すべき前記商品(11)を受容する際に前記搬送キャリッジ(32)を負荷から解放し、及び
整列装置によって前記移送装置(25)から前記移送エリア(31)に移送される前記商品(11)に対して前記搬送キャリッジ(32)を整列させる、ステップを有し、
前記搬送キャリッジ負荷解放装置(116)は、移送すべき前記商品(11)を受容する際に前記搬送キャリッジ(32)を持ち上げるための持ち上げ装置を有し、
前記整列装置は、前記移送装置(25)から前記移送エリア(31)に移送される前記商品(11)の向きを感知するための商品向き感知センサ(120)を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一ピースなどの商品(品物、貨物)、特に材料ロールを移送する移送システム(引き渡し装置)に関する。本発明はまた、少なくとも1つのこのような移送システム及び段ボールプラント(コルゲータ)を備えた全体設備に関する。本発明はまた、商品、特に材料ロールを移送する商品移送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、さらなる処理のために又はさらなる搬送のために、商品、特に材料ロールを移送することが既に知られている。これは一般的に手で行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、特に長い耐用寿命を有する商品を移送する移送システムを提供するという目的を基礎とする。さらに、それは特に機能的に信頼できることを意図する。対応する全体設備及び対応する商品移送方法も同様に提供されることを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本発明によれば、メイン請求項1,10及び11で特定される特徴によって達成される。本発明の本質は、特に自動化された又は無人の、特に完全に自動化された又は無人の移送装置、及び特に自動化された又は無人の、特に完全に自動化された又は無人の、移送装置からの商品を移送エリアで受容する(収容する)搬送キャリッジである。その際、移送装置は商品を放す。移送装置と搬送キャリッジの両方とも好ましくは独立して操作される。それらは商品を搬送することができる。移送システムは好ましくは完全に自動化された方法で作動する。実際の移送もまた好ましくは完全に自動化された方法で実施される。人員は必要でない。
請求項1に従う発展形態は、商品の移送中の搬送キャリッジの機械的な過負荷及びしたがって損傷を防ぐ。
【0005】
それに代えて、移送装置及び/又は搬送キャリッジは手動で又は手で制御可能である。
【0006】
本発明のさらなる有利な発展形態は従属請求項で特定される。
【0008】
従属請求項2に従う持ち上げ装置(raising device)は、床又は土台に配置され、それによりそれが使用されない時に、それが外側から見えないと有利である。それが使用されない時、持ち上げ装置の表面は有利には隣接する床又は土台と面一である。持ち上げ装置は例えば、少なくとも1つのスピンドル装置、油圧装置及び/又は空気圧装置などを有する。
【0009】
従属請求項3に従う発展形態は、搬送キャリッジの特に良好な保護をもたらす。ゆえに、商品の緩やかでない移送が搬送キャリッジの損傷をもたらさない。したがって、ピーク負荷が減少される。商品の受容の際の商品容器を介する持ち上げ装置への力の直接的な導入は、搬送キャリッジの他の構成要素又は構成部品には実質的に負荷がないままであることを意味する。好ましくは、商品容器だけが十分に安定的な又は耐荷構成を有し、それはコストの理由のため有利である。
【0010】
従属請求項5に従う補償ばねユニットは例えば、螺旋ばね又は皿ばねなどの機械ばね、空気圧ばね又は油圧ばねとして設計される。
【0011】
請求項1に従う整列装置は、商品を商品に移送する前に搬送キャリッジの、特に軸方向に平行な整列を可能にする。したがって、特に、商品の搬送キャリッジへの軸方向に平行な移送が可能である。よって、特に搬送キャリッジ又は商品への損傷が回避できる。整列装置は移送の前に移送すべき商品を測定すると好都合である。有利には、その軸方向長さ及び/又は幅又は直径が測定される。その時搬送キャリッジは、偏向される又は移動されるなど、適切に整列される。
【0012】
請求項1に従う発展形態はまた、搬送キャリッジの移送すべき商品への正確な整列を可能にする。請求項1に関する発展形態はここで実質的に同様に当てはまる。搬送キャリッジに対する商品の傾斜位置が確実にここで検知可能である。
【0013】
従属請求項に従う移送ステーションはまた、商品の商品への移送の前に搬送キャリッジの整列を可能にする。したがって、特に搬送キャリッジ及び商品への損傷が回避可能である。
【0014】
移送エリアでは、商品の可能な傾斜位置が好ましくは、搬送キャリッジへの移送の直前に検出され、特に中央の、計算ユニットに伝達される。特に、搬送キャリッジ又はその商品容器が、算出された値に一致して商品と(軸方向に)平行に整列される。整列が実行された後でのみ持ち上げ装置が作動されると好都合である。
【0015】
従属請求項に従う少なくとも1つの保護要素が、例えば光バリア(light barrier)又は光格子(light grid)として設計される。それは人が危険に晒されることを防止する。移送装置及び/又は搬送キャリッジは有利には、保護要素が移送エリアで人を検出すると停止される。
【0016】
従属請求項2~はまた、メイン請求項11に従う商品移送方法の好ましい実施形態を形成する。
【0017】
商品は有利には複数の材料ロール、特にペーパーロール又は厚紙ロール(ボール紙ロール)として設計され、段ボールを形成するための段ボールプラント(コルゲータ)で使用できる。それに代えて、商品は例えば複数のパレットであるか、パレットに配置される。
【0018】
商品又は材料ロールは、それらの横断寸法又は直径、軸方向伸長、材料などが互いに異なってもよい。貯蔵庫での商品又は材料ロールの横断寸法又は直径は、30cm~250cm、好ましくは100cm~200cmにある。軸方向伸長は有利には60cm~350cmにある。
【0019】
移送装置及び搬送キャリッジがそれぞれ、例えば、行程情報、目的地情報及び/又は環境情報である外部情報又は信号を受信する受信ユニットを備えたそれら自体の通信装置を有すると好都合である。
【0020】
移送装置及び搬送キャリッジは有利にはそれぞれ、それら自体の少なくとも1つの移動駆動部を、特にそれの少なくとも1つの駆動可能な走行ユニットの直接又は間接駆動のために有する。移送装置及び搬送キャリッジは好ましくは独立して作動可能である。それらは特に自走式である。移送装置及び/又は搬送キャリッジは好ましくは、レールなしで走る。
【0021】
移送装置及び搬送キャリッジがそれぞれ、例えばバッテリー又は蓄電池として設計される、それら自体のエネルギー貯蓄ユニットを有する。移送装置及び搬送キャリッジは好ましくは操縦可能である。それらが真っ直ぐ前に又はカーブして駆動可能であると好ましい。
【0022】
請求項で使用される不定冠詞は量の観点で限定を表さない。例えば、多数の移送装置及び搬送キャリッジがあることが好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施形態を以下で添付の図面に関連して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に従う全体設備の単純化された平面図を示す。
図2図1に示される全体設備の自動化された移送装置と配達車両を備えた配達装置の側面図を示す。
図3図2に示される配達装置の斜視図を示す。
図4】移送装置のアクティブな安全装置がさらに表された別な配達装置の平面図を示す。
図5図2及び3に示された配達装置の図4に似た平面図を示し、アクティブ状態の移送装置の材料ロール/対象物検出装置が示されている。
図6】下から斜めに移送装置の詳細な斜視図を示す。
図7】上から斜めに図6に示された移送装置の詳細な斜視図を示す。
図8A】移送すべき材料ロールと材料ロール感知装置とさらにコントローラと共に、図6及び7に示された移送装置の把持装置を通る断面図を示す。
図8B】把持装置の位置計算を示す、図8Aに対応する図を示す。
図8C】把持装置の位置計算を示す、図8Aに対応する図を示す。
図8D】把持装置の位置計算を示す、図8Aに対応する図を示す。
図9】持ち上げ装置を示すために、図7及び8Aに従う移送装置の単純化された側面図を示す。
図10】前から図1に従う全体設備の材料ロール貯蔵庫を示す図である。
図11図10に示される材料ロール貯蔵庫の平面図である。
図12図10及び11に示される材料ロール貯蔵庫の斜視図である。
図13】材料ロールを、図1に示される全体設備の移送装置に移送するための本発明に従う移送システムの平面図を示す。
図14図13に示される移送システムの側面図を示す。
図15図13及び14に示される移送システムのアクティブな負荷解放装置を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示される全体設備が、この好ましい実施形態によれば実質的に直線に延びる段ボールプラント(コルゲータ)1を有する。
【0026】
段ボールプラント1は、一方の側に積層された第1段ボールウェブを製造するための第1段ボール製造装置2を有する。
【0027】
第1段ボール製造装置2は、第1外側ライナー接合装置(第1上面ウェブ接合装置)3及び第1内側ライナー接合装置(第1中間ウェブ接合装置)4の後に配置される。第1外側ライナー接合装置3は、第1外側ライナーロールから有限の第1外側ライナーを展開する(広げる)第1展開ユニットと、第2外側ライナーロールから有限の第2外側ライナーを展開する(広げる)第2展開ユニットを有する。循環第1外側ライナー(無端第1外側ライナー)を調製するために、有限の第1外側ライナー及び第2外側ライナーが、第1外側ライナー接合装置3の接続・切断ユニットにより互いに接続される。
【0028】
第1内側ライナー接合装置4は、第1外側ライナー接合装置3と一致する方法で形成される。それは、第1内側ライナーロールから有限の第1内側ライナーを展開する(広げる)第3展開ユニットと、第2内側ライナーロールから有限の第2内側ライナーを展開する(広げる)第4展開ユニットを有する。循環第1内側ライナー(無端第1内側ライナー)を調製するために、有限の第1内側ライナー及び第2内側ライナーが、第1内側ライナー接合装置4の接続・切断ユニットにより互いに接続される。
【0029】
循環第1外側ライナー及び循環第1内側ライナーは、第1段ボール製造装置2に供給される。
【0030】
第1段ボール製造装置2は、循環第1内側ライナーから波形のしわを有する循環第1段ボールウェブを製造するために、第1溝付ローラ及び第2溝付ローラを備えた第1溝付ローラ装置を有する。それら溝付ローラは、循環第1内側ライナーを通過させて縦溝(波形)を付けるための第1ローラ隙間を形成する。
【0031】
一方の側に積層された循環第1段ボールウェブを形成するために循環第1外側ライナーを循環波形第1内側ライナー又は波形ウェブに接続するため、第1段ボール製造装置2は、好ましくは接着剤計量ローラ、接着剤コンテナ及び接着剤塗布ローラを有する第1接着剤塗布装置を有する。循環第1波形ウェブを通して接着するために、接着剤塗布ローラは第1溝付ローラと隙間を形成する。接着剤コンテナ内にある接着剤は、接着剤塗布ローラによって循環第1波形ウェブの波形のしわの先端に塗布される。接着剤計量ローラは、接着剤塗布ローラに当接し、接着剤塗布ローラ上に均一な接着剤層を形成する機能を有する。
【0032】
循環第1外側ライナーは次に、第1段ボール製造装置2における接着剤コンテナから接着剤を具備した循環第1波形ウェブと一緒に結合され、一方の側に積層された第1段ボールウェブが製造される。
【0033】
循環第1外側ライナーを、今度は第1溝付ローラに部分的に(ある領域で)当接する接着剤を具備した循環第1波形ウェブに押し付けるために、第1段ボール製造装置2は第1加圧モジュールを有する。第1加圧モジュールは有利には加圧バンドモジュールとして設計される。それは第1溝付ローラの上に配置される。第1加圧モジュールは、2つの第1偏向ローラと、2つの第1偏向ローラの周りに導かれる循環第1加圧バンドを有する。
【0034】
第1溝付ローラは、下から部分的に第1加圧モジュールの2つの第1偏向ローラの間のスペースに達し、それにより第1加圧バンドは第1溝付ローラによって偏向される。第1加圧バンドは、今度は接着剤を具備した、第1溝付ローラに当接する循環第1波形ウェブに当接する循環第1外側ライナーに押し当たる。
【0035】
一方の側に積層された循環第1段ボールウェブを中間地点で貯蔵し、緩衝するために、それは第1垂直搬送装置によって第1貯蔵装置に供給され、そこでそれは複数のループを形成する。
【0036】
段ボールプラント1はまた、第1段ボール製造装置2に対応する方法で形成された第2段ボール製造装置5を有する。
【0037】
第2段ボール製造装置5は、第1外側ライナー接合装置3及び第1内側ライナー接合装置4に対応する方法で形成される、第2外側ライナー接合装置(第2上面ウェブ接合装置)6及び第2内側ライナー接合装置(第2中間ウェブ接合装置)7の後に配置される。
【0038】
第2外側ライナー接合装置6は、第3外側ライナーロールから有限の第3外側ライナーを展開する(広げる)第5展開ユニットと、第4外側ライナーロールから有限の第4外側ライナーを展開する(広げる)第6展開ユニットを有する。循環第2外側ライナー(無端第2外側ライナー)を調製するために、有限の第3外側ライナー及び第4外側ライナーが、第2外側ライナー接合装置6の接続・切断ユニットにより互いに接続される。
【0039】
第2内側ライナー接合装置7は、第3内側ライナーロールから有限の第3内側ライナーを展開する(広げる)第7展開ユニットと、第4内側ライナーロールから有限の第4内側ライナーを展開する(広げる)第8展開ユニットを有する。循環第2内側ライナー(無端第2内側ライナー)を調製するために、有限の第3内側ライナー及び第4内側ライナーが、第2内側ライナー接合装置7の接続・切断ユニットにより互いに接続される。
【0040】
第2段ボール製造装置5は、循環第2外側ライナー及び内側ライナーから一方の側に積層された循環第2段ボールウェブを製造することができる。
【0041】
一方の側に積層された循環第2段ボールウェブは第2貯蔵装置に供給され、そこでそれは複数のループを形成する。
【0042】
段ボールプラント1はまた、第1積層ウェブロールから有限の第1積層ウェブを展開する(広げる)第9展開ユニットと、第2積層ウェブロールから有限の第2積層ウェブを展開する(広げる)第10展開ユニットとを有する積層ウェブ接合装置8を有する。循環積層ウェブ(無端積層ウェブ)を調製するために、有限の第1積層ウェブ及び有限の第2積層ウェブが、積層ウェブ接合装置8の接続・切断ユニットにより互いに接続される。
【0043】
貯蔵装置及び積層ウェブ接合装置8の下流側に、段ボールプラント1は、上下に配置された3つの予熱ローラを有する予熱装置(不図示)を有する。一方の側に積層された循環段ボールウェブ及び循環積層ウェブは予熱ローラに供給される。
【0044】
予熱装置の下流側に、段ボールプラント1は、それぞれの接着剤浴に部分的に浸った接着剤ローラを備えた接着ユニット(不図示)を有する。隣接する接着剤ローラ上に均一な接着剤層を形成するために、それぞれの接着剤ローラに当接しているのは接着剤計量ローラである。一方の側に積層された第1段ボールウェブはその波形ウェブにより第1接着剤ローラに接触しており、それによりこの波形ウェブの波形のしわは接着剤浴から接着剤を与えられる。一方の側に積層された第2段ボールウェブはその波形ウェブにより第2接着剤ローラに接触しており、それによりこの波形ウェブの波形のしわは関連する接着剤浴から接着剤を与えられる。
【0045】
接着ユニットの下流側に、段ボールプラント1は、加熱加圧装置として形成されていて、水平に延びる加熱テーブルを有する接続装置9を有する。加熱テーブルに隣接して配置されているのは、複数のガイドローラの周りに導かれた循環加圧ベルトである。加圧ベルトと加熱テーブルの間に形成されているのは、加圧隙間であり、そこを通って一方の側に積層された段ボールウェブ及び循環積層ウェブが導かれ、循環の、ここでは5層の、段ボールウェブを形成する。
【0046】
接続装置9の下流側に、段ボールプラント1は短横切り装置(short transverse cutting device)(不図示)を有する。
【0047】
短横切り装置の下流側に、段ボールプラント1は、長手切断装置/溝切り装置(不図示)を有する。
【0048】
長手切断装置/溝切り装置に関して下流側に、段ボールプラント1は、循環段ボールウェブから又はその部分ウェブから複数のシートを製造するために、横切り装置(transverse cutting device)(不図示)を有する。
【0049】
前記シートをさらに運ぶために、コンベヤベルト装置(不図示)が、横切り装置の後に配置されている。シートスタックを形成するため、堆積装置(不図示)が、コンベヤベルト装置の後に配置されている。
【0050】
段ボールプラント1から距離を置いて、全体設備は材料ロール貯蔵庫10を有し、そこに多数の材料ロール11が位置している。材料ロール11は接合装置3,4,6,7,8において使用できる。それらは、材料ロール貯蔵庫10において、互いから距離を置いて配置された複数のグループ12に組み分けされている。材料ロール11は例えば個々のグループ12において同一に配置される。
【0051】
材料ロール11は材料ロール貯蔵庫10において真っ直ぐに(直立に)配置される。それらはそのために、例えば工場床であって段ボールプラント1を支える床又は土台に対してそれらの端面で支持される。
【0052】
それぞれのグループ12は、複数の材料ロール11を備えた第1列13を有する。第1列13に隣接して、それぞれのグループ12には、複数の材料ロール11を備えた第2列14が延びている。第2列14に隣接して、それぞれのグループ12には、複数の材料ロール11を備えた第3列15が延びている。完全に貯蔵された材料ロール貯蔵庫10の場合、好ましくは、それぞれの列13,14,15には同じ数の材料ロール11がある。
【0053】
図示の好ましい実施形態の場合、1つの列13,14,15につき3つの材料ロール11がある。それに代えて、1つの列13,14,15につき異なる数の材料ロール11も可能である。それに代えて、列13,14,15毎の材料ロール11の数が異なる。
【0054】
複数の材料ロール11を備えた第1列13,14,15は互いに平行に延びる。それらは、段ボールプラント1の長手方向又は運搬方向16と垂直に延びる。したがって、それぞれの列13,14,15では、そこに配置された材料ロール11の中心軸又は長手軸が共通の垂直長手平面内にある。列13,14,15の垂直長手平面は、互いに平行に延び、且つ段ボールプラント1と垂直に延びる。
【0055】
異なる列13,14,15に配置された材料ロール11は、異なる垂直横断平面17,18,19内に位置する。垂直横断平面は互いに平行に延び、それぞれの列13,14,15に配置された材料ロール11の個々の中心軸又は長手軸を含み、長手平面と垂直に延びる。
【0056】
列13,14,15に配置された材料ロール11の互いからの水平距離は同一である。それに代えて、列13,14,15に配置される材料ロール11は互いに接触している。
【0057】
第1列13に配置された材料ロール11は、隣接する第2列14に配置された材料ロール11に関して、互いに隣接して配置された材料ロール11の最大直径範囲の間の第1最小距離A12を有する。したがって、最小距離A12は、第1及び第2列13,14における材料ロール11の外側又は周囲領域の間にある。最小距離A12の第1画定線が、第1列13に配置された材料ロール11の第1接線により形成される。最小距離A12の第2画定線が、第2列14に配置された材料ロール11の第2接線により形成される。
【0058】
第2列14に配置された材料ロール11は、隣接する第3列15に配置された材料ロール11に関して、互いに隣接して配置された材料ロール11の最大直径範囲の間の第1最小距離A23を有する。したがって、最小距離A23は、第2及び第3列14,15における材料ロール11の外側又は周囲領域の間にある。最小距離A23の第1画定線が、第2列14に配置された材料ロール11の第1接線により形成される。最小距離A23の第2画定線が、第3列15に配置された材料ロール11の第2接線により形成される。
【0059】
最小距離A12及びA23は、互いに顕著に異なる。最小距離A12は、最小距離A23よりかなり大きい。
【0060】
この実施形態によれば、最小距離A12は87.5cmである。それは好ましくは、50cm~90cmであり、特に人の逃避ルートを可能にする。最小距離A23は好ましくは、0cm~30cmである。材料ロール貯蔵庫10の表面積を最適に利用するためには、それは有利にはなるべく小さく、すなわち0cmである。ゆえに、最小距離A23は、材料ロール11を移送するための移送装置、その把持装置又はその第1把持アーム装置及び/又は第2把持アーム装置の幾何学的設計に特に依存する。把持装置は特に、1又は複数の材料ロール11を確実に受容できなければならない。例えば、把持すべき1又は複数の材料ロール11に確実に届き得るように、移送装置のフレームの幅(張り出し)が考慮されなければならない。
【0061】
それぞれのグループ12の材料ロール11は、列13,14,15と平行に延びる第1対称平面20に関して対称的に配置されている。それは、そこで互いに隣接して配置された2つの第3列15の間に延びる。
【0062】
さらに、それぞれのグループ12の材料ロール11は、中央横断平面18における第1対称平面20と垂直に延びる第2対称平面21に関して対称的に配置されている。
【0063】
図11及び12が示すように、それぞれの列13,14,15は、マーキングベース23及びマーキングベース23から延びる複数のマーキングディバイダー24を有する床マーキング22内に配置されている。マーキングベース23は互いに一直線になっている。マーキングディバイダー24は互いに平行に且つマーキングベース23と垂直に延びる。それらは、マーキングベース23から出発して同じ長さを有する。
【0064】
材料ロール11は、自動化された又は無人の移送装置25によって材料ロール貯蔵庫10から取り出される(例えば図6~9参照)。
【0065】
図1が示すように、それぞれのグループ12の対向する第1横断平面17に沿って延びる閉じた移送装置循環路26がある。移送装置循環路26は、互いに隣りに配置された2つの無端部分循環路を有する。それは、個々のグループ12の間で段ボールプラント1の長手方向又は運搬方向16と垂直に延びる経路であって、部分循環路の間に延びる移送装置主経路27に接続している。それに代えて、移送装置循環路26の代わりに、反対方向に沿って通行できる移送装置経路26がある。
【0066】
移送装置循環路26は、段ボールプラント1に面する側で、段ボールプラント1の長手方向又は運搬方向16と垂直に延びる2つの移送装置横断経路28と接続する。それぞれの移送装置横断経路28は移送システム29と接続している(図1)。
【0067】
移送装置循環路26及び移送装置主経路27並びに移送装置横断経路28は好ましくは純粋に理論的に、有利にはソフトウェアナビゲーションにより算出される。障害物や対向車(反対方向の通行)の場合、経路26,27,28から逸れる。
【0068】
移送システム29は同一に設計される。それぞれの移送システム29は、移送装置25から移送される材料ロール11が材料ロール11の段ボールプラント1へのさらなる搬送のために搬送キャリッジ32に移送され得る移送エリア31を有する(図1)。
【0069】
図1にやはり表されているのは、複数の搬送キャリッジ移動経路マーカー33であり、それらは段ボールプラント1における又はそれに隣接する搬送キャリッジ32の移動経路を示し、プリセットする(予め設定する)。有利には、搬送キャリッジ移動経路マーカー33は視認でき、段ボールプラント1を支える平坦な土台にペンキで塗られる。それらは搬送キャリッジ32によって検出される。通常操作で通行するとき、搬送キャリッジ32は、複数のカーブ、分岐、交差点及び直線部分を有する搬送キャリッジ移動経路マーカー33に追従する。
【0070】
それぞれの移送システム29にやはり接続しているのは、割り当て経路30である。
【0071】
それぞれの割り当て経路30は、さらなる加工/処理のために材料ロール11を調製するための材料ロール調製アセンブリ147に通じる。それぞれの材料ロール11の調製は、例えばそれを解くこと又は露出すること、材料ロール11の解けを防ぐために材料ウェブの自由部分を固定する少なくとも1つの固定手段の除去又は破壊、少なくとも1つのストラップ要素(strapping element)の除去、材料ロール11からの材料ウェブの損傷部分の除去、材料ウェブへのさらなる処理のために定められた端部輪郭又はエッジの作製、少なくとも1つの(接合)接着ピースの材料ウェブへの取り付け、及び/又は、材料ウェブの端部部分の材料ロール11への固定を有する。
【0072】
それぞれの材料ロール調製アセンブリ147は、調製すべき材料ロール11であってそれに巻き付けられた材料ウェブを有する材料ロール11を受容するための受容装置を有する。受容装置は、受容された材料ロール11をその中心軸周りに又はその周囲方向に回転駆動する又は回動するための回転装置を有する。
【0073】
それぞれの材料ロール調製アセンブリ147はまた、さらなる加工/処理のために受容された材料ロール11を調製するために、少なくとも1つの材料ロール調製装置、好ましくは多数の材料ロール調製装置を有する。
【0074】
それぞれの割り当て経路30は、それぞれの材料ロール調製アセンブリ147及びバイパスによって、巡回路として設計された分配経路34に接続している。分配経路34は、段ボールプラント1と材料ロール貯蔵庫10の間に延びる。それは段ボールプラント1と平行に延びる。
【0075】
分配経路34は第1外側ライナー経路35に接合している。第1外側ライナー経路35は、分配経路34の第1分配経路部分36及び第2分配経路部分37に接続(隣接)している。第1外側ライナー経路35はほとんど循環式であり、第1外側ライナー経路部分38及び第2外側ライナー経路部分39を有する。外側ライナー経路部分38,39は互いに平行に延在し、第1外側ライナー接合装置3の展開ユニットと一直線をなしている。外側ライナー経路部分38,39はそれぞれの展開ユニットのところで段ボールプラント1を通過し、段ボールプラント1の向こう側で互いに接続している。
【0076】
第1外側ライナー接合装置3に充填し、残留する材料ロールを除去するために、搬送キャリッジ32は、第1外側ライナー経路部分38上及び第2外側ライナー経路部分39上の両方を反対方向に移動可能である。第1外側ライナー経路35に沿う一方向の搬送キャリッジ32の循環搬送もまた、第1外側ライナー接合装置3に充填し、残留する材料ロールを除去するために可能である。
【0077】
分配経路34は第1内側ライナー経路40に接合している。第1分配経路部分36及び第2分配経路部分37は、第1内側ライナー経路40に接続(隣接)している。第1内側ライナー経路40はほとんど循環式であり、第1内側ライナー経路部分41及び第2内側ライナー経路部分42を有する。内側ライナー経路部分41,42は互いに平行に、また外側ライナー経路部分38,39と平行に延在する。それらは第1内側ライナー接合装置4の展開ユニットと一直線をなしている。第1及び第2内側ライナー経路部分41,42はそれぞれの展開ユニットのところで段ボールプラント1を通過し、段ボールプラント1の向こう側で互いに接続している。
【0078】
第1内側ライナー接合装置4に充填し、残留する材料ロールを除去するために、搬送キャリッジ32は、第1内側ライナー経路部分41上及び第2内側ライナー経路部分42上の両方を反対方向に移動可能である。第1内側ライナー経路40に沿う一方向の搬送キャリッジ32の循環搬送もまた、第1内側ライナー接合装置4に充填し、残留する材料ロールを除去するために可能である。
【0079】
分配経路34は第2外側ライナー経路43に接合している。第1分配経路部分36及び第2分配経路部分37は、第2外側ライナー経路43に接続(隣接)している。第2外側ライナー経路43はほとんど循環式であり、第1外側ライナー経路部分44及び第2外側ライナー経路部分45を有する。外側ライナー経路部分44,45は互いに平行に、また外側ライナー経路部分38,39と平行に延在する。それらは第2外側ライナー接合装置6の展開ユニットと一直線をなしている。第1及び第2外側ライナー経路部分44,45はそれぞれの展開ユニットのところで段ボールプラント1を通過し、段ボールプラント1の向こう側で互いに接続している。
【0080】
第2外側ライナー接合装置6に充填し、残留する材料ロールを除去するために、搬送キャリッジ32は、第1外側ライナー経路部分44上及び第2外側ライナー経路部分45上の両方を反対方向に移動可能である。第2外側ライナー経路43に沿う一方向の搬送キャリッジ32の循環搬送もまた、第2外側ライナー接合装置6に充填し、残留する材料ロールを除去するために可能である。
【0081】
分配経路34は第2内側ライナー経路46に接合している。第1分配経路部分36及び第2分配経路部分37は、第2内側ライナー経路46に接続(隣接)している。第2内側ライナー経路46はほとんど循環式であり、第1内側ライナー経路部分47及び第2内側ライナー経路部分48を有する。内側ライナー経路部分47,48は互いに平行に、また外側ライナー経路部分38,39と平行に延在する。それらは第2内側ライナー接合装置7の展開ユニットと一直線をなしている。第1及び第2内側ライナー経路部分47,48はそれぞれの展開ユニットのところで段ボールプラント1を通過し、段ボールプラント1の向こう側で互いに接続している。
【0082】
第2内側ライナー接合装置7に充填し、残留する材料ロールを除去するために、搬送キャリッジ32は、第1内側ライナー経路部分47上及び第2内側ライナー経路部分48上の両方を反対方向に移動可能である。第2内側ライナー経路46に沿う一方向の搬送キャリッジ32の循環搬送もまた、第2内側ライナー接合装置7に充填し、残留する材料ロールを除去するために可能である。
【0083】
分配経路34は積層ウェブ経路49に接合している。第1分配経路部分36及び第2分配経路部分37は、積層ウェブ経路49に接続(隣接)している。積層ウェブ経路49はほとんど循環式であり、第1積層ウェブ経路部分50及び第2積層ウェブ経路部分51を有する。積層ウェブ経路部分50,51は互いに平行に、また外側ライナー経路部分38,39と平行に延在する。それらは積層ウェブ接合装置8の展開ユニットと一直線をなしている。第1及び第2積層ウェブ経路部分50,51はそれぞれの展開ユニットのところで段ボールプラント1を通過し、段ボールプラント1の向こう側で互いに接続している。
【0084】
積層ウェブ接合装置8に充填し、残留する材料ロールを除去するために、搬送キャリッジ32は、第1積層ウェブ経路部分50上及び第2積層ウェブ経路部分51上の両方を反対方向に移動可能である。積層ウェブ経路49に沿う一方向の搬送キャリッジ32の循環搬送もまた、積層ウェブ接合装置8に充填し、残留する材料ロールを除去するために可能である。
【0085】
外側ライナー経路35,43、内側ライナー経路40,46及び積層ウェブ経路49は、互いから距離を置いて分配経路34に接続し、互いから距離を置いて延びる。
【0086】
複数の搬送キャリッジ32は同一に設計されている。それぞれの搬送キャリッジ32はフレーム又はシャーシの形態の固いベースフレーム52を有する(図13~15)。ベースフレーム52は、横たわっている材料ロール11のための材料ロール容器53及び搬送キャリッジ32を土台上で移動させるための多数の車輪ユニット54並びに通信装置(不図示)を支える。
【0087】
通信装置によって受信した信号又は情報に依存して、搬送キャリッジ32は移動を設定できる。対応的に、それらの経路又は目的地に関連する情報もまた搬送キャリッジ32に伝送される。搬送キャリッジ32は真っ直ぐに又はカーブ形状に移動できる。
【0088】
ベースフレーム52は2つの長手サイド55と2つの横断サイド56を有する。長手サイド55は互いに平行に延びる。それらは材料ロール容器53と平行に延びる。横断サイド56もまた互いに平行に延びる。長手サイド55及び横断サイド56は互いに直角に指向している。
【0089】
ベースフレーム52に配置されているのは、電気モータを有する自律の移動駆動部(不図示)である。
【0090】
それぞれの移動駆動部と駆動接続しているのは、回転可能に又は回転駆動可能に設置された動輪(不図示)である。複数の動輪の回転軸は互いに一直線をなしている。それらは長手サイド55と垂直に延びる。動輪は搬送キャリッジ32の長手方向に関して真ん中に位置している。それらは操縦できず、搬送キャリッジ32の移動中土台に対して支持されている。
【0091】
やはりベースフレーム52のそれぞれの角領域に配置されているのは、それぞれに二連車輪(twin wheels)を有するステアリングホイールユニット57である。二連車輪は回転可能に搭載されている。それぞれのステアリングホイールユニット57は垂直操縦車軸58の回りに独立して偏向できる。ステアリングホイールユニット57は、特に360°、自由に偏向できる。操縦車軸58は互いに平行に延びる。
【0092】
材料ロール容器53は、それぞれベースフレーム52に垂直に移動可能に設置された、上方に開口した少なくとも1つのチャネル部分(溝部分)59によって形成されている。前記少なくとも1つのチャネル部分59は、横断サイド56に隣接して長手サイド55の間に延びる。その最深受容地点は長手サイド55の間の中間に位置する。それは対照的に形成されている。前記少なくとも1つのチャネル部分59は、長手サイド55に隣接するその最高地点を有する。それは、ベースフレーム52の横断サイド56に隣接して又は長手方向に開口している。
【0093】
材料ロール容器53は、底部で、少なくとも1つの水平に延びる支持板60を支える。
【0094】
さらにベースフレーム52に配置されているのは、蓄電池(不図示)である。蓄電池は移動駆動部のための電気エネルギー用の再充電貯蔵部である。
【0095】
さらにベースフレーム52に配置されているのは、2つの移動駆動部を互いに独立的に作動させることができる搬送キャリッジコントローラ(不図示)である。搬送キャリッジコントローラもまた通信装置と信号接続している。
【0096】
搬送キャリッジ32の電子部品又は電気部品は適切な方法で互いに電気的に接続している。
【0097】
前方領域で、さらにベースフレーム52に配置されているのは、スキャナー、特にレーザースキャナーとして設計された安全装置(不図示)である。安全装置は搬送キャリッジコントローラと信号接続している。危険が検知された場合に、それは搬送キャリッジ32をすぐに停止させられる。
【0098】
移動中に前方にある搬送キャリッジ32の横断サイド56に隣接して、ベースフレーム52に前方に配置されているのは、センサとして設計された移動経路検出装置(不図示)である。移動経路検出装置は細長い形状を有し、水平に延びる。それは搬送キャリッジ32の長手方向と垂直に延びる。それは、プリセットされた移動経路を検出でき、搬送キャリッジコントローラと信号接続している。それに代えて、移動経路又は目的地がソフトウェアによって搬送キャリッジ32のためにプリセットされてもよい。
【0099】
さらに、搬送キャリッジ32は材料ロール検出センサ(不図示)を有する。材料ロール検出センサは、搬送キャリッジ32が荷物を積んでいるか積んでいないかを検出できる。材料ロール検出センサは材料ロール容器53内にあり、搬送キャリッジコントローラと信号接続している。
【0100】
搬送キャリッジ32は、少なくとも1つの移動駆動部に電力を供給することで移動できる。必要な電気エネルギーは蓄電池から得られる。移動駆動部は、移動経路検出装置を介して及び/又は通信装置を介して間接的に対応する走行信号(traveling signal)を受信する。
【0101】
2つの動輪が同じ量だけ反対方向に駆動される場合、搬送キャリッジ32はその場所で回転する。一方の動輪が他方の動輪よりも強力に駆動される場合、搬送キャリッジ32はカーブして走行する。そのとき、ステアリングホイールユニット57はそれぞれの操縦車軸58の周りに自動的にそれら自体を調節する。2つの動輪が同一に同じ方向に駆動される場合、搬送キャリッジ32は真っ直ぐ前に走行する。ステアリングホイールユニット57は、真っ直ぐ前に進むことに対応して自動的にそれら自体を設定する。
【0102】
移送装置主経路27は、セミトレーラユニット62を有する配達システム61において始まる(図1~5)。セミトレーラユニット62は新たな複数の材料ロール11を配達するために使用される。セミトレーラユニット62はセミトレーラ牽引車63及びセミトレーラ64を有する。
【0103】
今度は、セミトレーラ牽引車63はシャーシ、エンジン、変速機及びセミトレーラ64用の継手を有する。
【0104】
セミトレーラ64は、トレーラを形成し、床又は地面に対して支持された後車軸65を有する。それは、材料ロール11を担持するための平坦な荷積みエリア(loading area)66を有する。材料ロール11は、セミトレーラ64に沿う少なくとも1つの列で荷積みエリア66に立つ。それら材料ロールは、セミトレーラ64の長手方向に互いから距離を置いて水平に配置される。それに代えて、それらは周囲で互いに接触している。セミトレーラ64は、ターポーリン68を支え荷積みスペース(loading space)69を空間的に画定するターポーリンフレーム67を有する。ターポーリン68は、両側で、好ましくは後ろでも開けることができ、それが荷積みスペース69へのアクセスを可能にする。荷積みスペース69は荷積みエリア66によって下方で空間的に画定されている。
【0105】
床上の停止マーキング70がセミトレーラユニット62用の意図される停止位置をプリセットする。停止マーキング70は、セミトレーラユニット62の長手方向の意図される停止位置をその長手方向72に又は走行方向にプリセットする長手方向停止線71を有する。さらに、停止マーキング70は2つの平行な横断停止線73を有し、横断停止線は、互いから距離を置いて延び、セミトレーラユニット62の長手方向72又は走行方向と垂直に意図される横断停止位置をプリセットする。停止マーキング70は好ましくは、セミトレーラユニット62の底面積に実質的に一致する長方形輪郭を有する。
【0106】
図2,3,5に従う配達システム61はまた、安全光バリアとして設計される配達安全装置又は荷下ろし安全装置74を有し、当該安全装置は、意図される停止位置に駐車されたセミトレーラユニット62に隣接する配達又は荷下ろしエリア75に人が入ることを防止する。配達安全装置又は荷下ろし安全装置74は、セミトレーラユニット62の運転手又はオペレータ端末76を使用する他の人により作動される。オペレータ端末76はセミトレーラ牽引車63に隣接して位置している。運転手又は他の人はオペレータ端末76を使用して、ターポーリン68が取り外されたときに新たに配達される材料ロール11がセミトレーラユニット62から荷下ろしされるように、配達安全装置74を作動させる。配達安全装置74が作動されたときに初めて、移送装置25が配達エリア75に入る。
【0107】
移送装置25は自動化された又は無人の産業車両として形成される(図6~9)。産業車両25は、前輪77及び後輪78に支持されていて、運転席80及び前方の油圧持ち上げ装置81を支えるフレーム79を有する。前輪77及び後輪78は土台に対して支持されている。後輪78は偏向可能である。
【0108】
フレーム79はまた、バッテリー又は蓄電池(不図示)と、それに電気的に接続した、好ましくは後輪78と駆動接続した少なくとも1つの移動駆動部(不図示)を有する。
【0109】
フレーム79はまた油圧ユニット82を支える(図9)。一方で、油圧ユニット82は、油圧持ち上げ装置81に作動液(hydraulic fluid)を供給するために、フレーム79により支えられた油圧タンクに流体接続している。それは、油圧ポンプと、当該油圧ポンプ及び油圧持ち上げ装置81の少なくとも1つの持ち上げシリンダー83に流体接続した油圧制御装置とを有する。作動油(hydraulic oil)が特に使用される。
【0110】
運転席80に配置されているのは、運転手シート84aと、必要ならば、運転手のための産業車両25の操作要素である。
【0111】
油圧ユニット82はまた好ましくは、産業車両25の操縦装置を操作するよう機能する。運転席80には、操縦装置を作動させるハンドル84bもある。油圧制御装置はまた、操縦装置に流体接続している。それは、油圧ポンプ、特に前記少なくとも1つの持ち上げシリンダー83及び操縦装置を制御するよう機能する。産業車両25がカーブして走行できるように、操縦装置は後輪78を偏向するために使用できる。
【0112】
産業車両25はさらに、油圧制御装置に信号接続している電気産業車両制御ユニット85を有する。
【0113】
油圧持ち上げ装置81は、産業車両25の前方に配置された垂直に延在する持ち上げマスト86を有し、当該持ち上げマストは、材料ロール11の確実な把持及び持ち上げさらには保持のために上方に及び下方に移動できる把持装置87を有する。
【0114】
把持装置87は、図14において例示で示される結合装置88によって持ち上げマスト86に配置されている。結合装置88は、持ち上げマスト86に接続した接続装置89と、当該接続装置に可動に接続した担持装置90を有する。接続装置89は、持ち上げマスト86に沿って案内されて移動できる。それは例えばスライドとして設計される。担持装置90は、接続装置89に対して回動軸91の回りに回動できる。さらに、把持装置87全体が回転可能である。それは、板状の担持体92を有する。
【0115】
担持装置90は、板状の担持体92を有する。担持体92に(関節式に)連結しているのは、第1把持アーム装置93及び第2把持アーム装置94である。把持アーム装置93,94は、互いから距離を置いて担持体92に(関節式に)連結し、配置されている。それらは、互いに平行に延びる回動軸を有し、互いに対して相対的に回動可能である(図8A)。
【0116】
第1把持アーム装置93は、第1把持アーム95と、当該第1把持アーム95の自由端に自由に回動可能に配置された第1接触ジョー96を有する。第1把持アーム95は、長さ可変の第1調節シリンダユニット97によって回動できる。第1調節シリンダユニット97は、第1把持アーム95と担持体92の間に配置され、関節式にそれらに接続している。
【0117】
第2把持アーム装置94は、第2把持アーム98と、当該第2把持アーム98の自由端に自由に回動可能に配置された第2接触ジョー99を有する。第2把持アーム98は、長さ可変の第2調節シリンダユニット100によって回動できる。第2調節シリンダユニット100は、第2把持アーム98と担持体92の間に配置され、関節式にそれらに接続している。
【0118】
把持アーム95,98は湾曲しており、それにより実質的に部分的に円形の材料ロール受容スペースを画定する。接触ジョー96,99は有利には同一構造を有する。それらの接触面は互いに対向している。
【0119】
第2把持アーム98は第1把持アーム95よりもかなり長い。それは好ましくは、第1把持アーム95よりも、少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%長い。それは第1把持アーム95よりも、せいぜい120%、好ましくはせいぜい100%、好ましくはせいぜい80%長い。把持装置87は非対称的であり、それによりそれは非常に狭いスペースで使用できる。把持アーム装置93,94は異なる長さ又はサイズを有する。接触ジョー96,99の接触面は通常は、担持体92から異なる距離を有する。
【0120】
それぞれの調節シリンダユニット97,100は、産業車両25の油圧制御装置に接続しており、それを作動させる。
【0121】
結合装置88はさらに、第1材料ロール感知ユニット101と第2材料ロール感知ユニット102を有する材料ロール感知装置を担持する(特に図8A~8D)。材料ロール感知ユニット101,102は互いから距離を置いて横に配置されている。それらは、担持体92上の調節シリンダユニット97,100の関節の位置に隣接して配置されている。材料ロール感知ユニット101,102は、それらが移送すべき又は把持すべき材料ロール11を感知できるように指向されている。それらは、産業車両25に対して前方に向いている。それらはまた、互いに対して斜めに配置されている。材料ロール感知ユニット101,102は、互いに向かって傾斜して配置され、それでそれらの感知範囲が互いに重なる又は覆う。
【0122】
それぞれの材料ロール感知ユニット101,102は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。
【0123】
運転席80の頂部に配置されているのは、産業車両25を誘導するナビゲーションセンサ103である。ナビゲーションセンサ103は産業車両制御ユニット85に信号接続している。
【0124】
結合装置88は、産業車両25に対して前方に向いた対象物検出装置104を担持する。対象物検出装置104は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。
【0125】
持ち上げマスト86は、水平に延びる傾斜軸105の周りに底部でその傾斜を調節できる。それは運転席80に対して前及び後ろに回動できる。持ち上げマスト86に割り当てられているのは、持ち上げマスト86の現在の傾斜を感知できる、従って把持装置87の現在の傾斜をも感知できる傾斜センサ106である。傾斜センサ106はフレーム79に配置されている。傾斜センサ106は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。
【0126】
油圧持ち上げ装置81は、産業車両25の油圧ラインに配置された作動液圧力変化検出装置107を有する。作動液圧力変化検出装置107は、何らかの負荷の変化が生じたときに油圧持ち上げ装置81の作動液の圧力変化を検出できる(図9)。作動液圧力変化検出装置107は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。
【0127】
産業車両25はそのうえ、産業車両制御ユニット85に信号接続していて、危険が検出されると産業車両25を即座に停止できる多数の安全レーザー走査装置108を有する。第1安全レーザー走査装置108がフレーム79の後部に配置され、産業車両25に対して後ろに向いている。第2安全レーザー走査装置108が持ち上げマスト86の底部に配置され、産業車両25に対して前に向いている。さらにフレーム79に配置されているのは、それぞれ横に外側に向いた複数の第3安全レーザー走査装置108である。このように装備された産業車両25は、例えば、図4に示される配達システム61の場合に使用される。このような配達システム61はいかなる安全光バリア74を用いずに管理できる。安全レーザー走査装置108は、オペレータ端末76に信号接続した中央コントローラ123に信号接続している。
【0128】
産業車両25のそれぞれの駆動車軸109は、駆動車軸安全エンコーダ110に割り当てられており、駆動車軸安全エンコーダは、駆動部の回転数及び角度に関する情報又は対応する駆動車軸109の情報を供給することができる。駆動車軸安全エンコーダ110は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。こうして産業車両25は特に上手く操縦できる。
【0129】
産業車両25の操縦車軸111が、操縦車軸111の位置及び角度に関する情報を供給できる操縦車軸安全エンコーダ112に割り当てられている。操縦車軸安全エンコーダ112は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。こうして産業車両25は特に上手く操縦できる。
【0130】
結合装置88は、把持アーム装置93,94の位置及び角度に関する情報を供給できる把持アーム角度エンコーダ113に割り当てられている。それぞれの把持アーム角度エンコーダ113は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。こうして把持装置87は特に確実に使用でき、把持すべき材料ロール11に対して整列される。
【0131】
担持装置90はさらに、持ち上げマスト86に対する把持装置87の傾斜を感知できる傾斜センサ114を担持する。傾斜センサ114は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。こうして把持装置87は特に確実に使用でき、把持すべき材料ロール11に対して整列される。
【0132】
さらに、担持装置90は、垂直面に対する把持装置87の傾斜を検出するために、傾斜センサ115を担持する。傾斜センサ115は、産業車両制御ユニット85に信号接続している。こうして把持装置87は特に確実に使用でき、把持すべき材料ロール11に対して整列される。
【0133】
それぞれの移送システム29は、それぞれの移送エリア31において、高さにおいて移動可能な硬い上昇体117を有する搬送キャリッジ負荷解放装置116(図15)を有する。それが使用されない時、上昇体117は隣接する土台と面一である。それぞれの上昇体117は、クッション装置118によって案内されて高さにおいて移動可能である。クッション装置は、このために、アクチュエータ119により空気などの気体で膨らまされてもよい。それぞれの上昇体117は例えば、少なくとも1cm、好ましくは少なくとも3cm、好ましくは少なくとも5cm上昇されてもよい。それは好ましくは、せいぜい20cm、好ましくはせいぜい15cm、好ましくはせいぜい10cm上昇されてもよい。上昇体117を下降させるために、気体が、再び関連するアクチュエータ119により制御によってクッション装置118から放出されてもよい。クッション装置118に代えて、例えばスピンドル又は油圧装置が使用できる。
【0134】
それぞれの上昇体117は、例えば板状又はブロック状であり、長方形の上側係合面を有する。それぞれの係合面は、少なくとも1つのチャネル部分59の横寸法に略一致する第1寸法を有する。それは、全体の搬送キャリッジ32の横寸法よりも小さい。第1寸法と垂直な、係合面の第2寸法が、例えば少なくとも1つのチャネル部分59の縦寸法に一致する。
【0135】
それぞれの移送システム29はさらに、2つの材料ロール向き感知センサ120を有する。材料ロール向き感知センサ120は、それぞれの移送エリア31における又はそれに隣接する移送される材料ロール11の向きを感知することができる。材料ロール向き感知センサ120は、横に隔てて、好ましくは共通の高さで互いに隣接して配置される。使用中、それらは、材料ロール11の軸方向端部領域を感知する。したがって、特に、とりわけ水平面における、材料ロール11の傾斜位置が感知できる。それぞれの材料ロール向き感知センサ120は計算ユニット121と信号接続しており、計算ユニット121は今度は、必要な場合はこの材料ロール11に基づいてそれを整列するためのそれぞれの移送エリア31の搬送キャリッジ32と信号接続している。
【0136】
それぞれの移送エリア31は、材料ロール向き感知センサ120に沿って延びる保護フェンス122によって保護されている。危険が検出されると、移送がすぐに停止される。
【0137】
全体設備の操作を以下でより詳細に記載する。
【0138】
セミトレーラユニット62が運転手によってその意図される停止位置に運ばれて、セミトレーラユニット62から荷下ろしするための隙間が、ターポーリン68の対応する取り外し後に運転手又はオペレータ端末76を使用する他の人により付与されると、産業車両25は、荷積みスペース69から材料ロール11を自力で荷下ろしし始める。セミトレーラユニット62の荷下ろしは好ましくは外側から横に実施される。産業車両25は、無人で又は完全に自動的に操作できる(図1~5)。それはその通信装置によって対応的に作動されている。
【0139】
産業車両25の対象物検出装置104は、セミトレーラユニット62を検出できる。特に、対象物検出装置104は、荷積みエリア66、材料ロール11及びターポーリンフレーム67並びに場合によりターポーリン68を検出できる。
【0140】
材料ロール感知ユニット101,102は、把持すべき材料ロール11の様々な周囲部分を感知できる。感知される周囲部分は共通の高さに位置する。第1材料ロール感知ユニット101の第1感知範囲は、第2材料ロール感知ユニット102の第2感知範囲よりはるかに大きい。それは好ましくは、100°~150°の角度を含む材料ロール11の第1周囲部分を感知する。第2材料ロール感知ユニット102の第2感知範囲は好ましくは、10°~50°の角度を含む材料ロール11の第2周囲部分を感知する。第2感知範囲は完全に第1感知範囲内にある。
【0141】
第1材料ロール感知ユニット101は特に、把持すべき材料ロール11の実際の直径を感知することができる。第2材料ロール感知ユニット102は特に、材料ロール11の周囲に配置された識別ラベルを感知し又は読み取ることができる。それは好ましくは、バーコードを含み、把持すべき材料ロール11の独自の識別のために機能する。
【0142】
第2材料ロール感知ユニット102による材料ロール11の独自の識別によって、第1材料ロール感知ユニット101は、材料ロール11の実際に感知された直径を、データベースからの公知の直径値及び/又は識別ラベル上に特定された直径値と比較する。
【0143】
図2,3,5に従う実施形態の場合、配達安全装置74はアクティブ(活性)である。それに代えて又は加えて、安全レーザー走査装置108がアクティブ(活性)である。それらは、危険が検出されるとすぐに産業車両25を停止することができる。
【0144】
把持すべき材料ロール11を把持するために、先ず、把持装置87が開いており、第1把持アーム装置93が、その第1接触ジョー96によって把持すべき材料ロール11の周囲に接触させられる。第1把持アーム装置93はこの場合、把持すべき材料ロール11の直径に依存する所定の位置に有る。大きい直径(例えば、≧150cm)を有する材料ロール11の場合、第1把持アーム装置93は外側の又は広い位置を占める。小さい直径(例えば、≦150cm)を有する材料ロール11の場合、第1把持アーム装置93は内側の又は狭い位置を占める。第1接触ジョー96は把持すべき材料ロール11に周囲に当接する。これは、産業車両25の適切な配置と操縦によって行われる。把持装置87は、持ち上げマスト86に沿って適切な高さに移動されている。
【0145】
把持すべき直立した材料ロール11が把持装置87内にあるとき、実際の把持のために、第2把持アーム装置94は、第2調節シリンダユニット100を作動させることで固定された第1把持アーム装置93の方向に回動され、それにより把持装置87は閉じられる。次いで、第2把持アーム装置94は、その第2接触ジョー99により把持すべき材料ロール11に接触しながら、材料ロール受容スペースを減少させる。材料ロール11はクランプ式に(挟まれて)把持装置87によって保持される。接触ジョー96,99を通って延びる接触軸は、産業車両25の長手軸に関して水平面内で斜めに延びる。把持アーム装置93,94はこの場合、好ましくは共通の実質的に水平な平面内にある。持ち上げマスト86は垂直面に関して傾斜していない。
【0146】
把持装置87の、移動駆動部の及び/又は移送装置25の操縦装置の、作動は、把持すべき材料ロール11のそれぞれの直径に依存して実行される。把持すべき材料ロール11の直径は例えば、第1材料ロール感知センサ101によって又は第2材料ロール感知センサ102によるこの材料ロール11に配置されたラベルによって決定できる。第1把持アーム装置93の固定された又は予め位置決めされた位置及び把持すべき材料ロール11の直径に依存して、把持すべき材料ロール11の理論的な意図される中心軸が得られる。意図される中心軸は、第1及び第2材料ロール感知ユニット101,102によって、実際の把持すべき材料ロール11の実際の中心軸と比較される。意図される位置の中心軸は、把持装置87の非対称性及び把持アーム装置93,94の作動における非対称性のためにシフトする(ずれる)。これらの値に依存して、特に第2把持アーム装置93又は94、移動駆動部及び/又は移送装置25の操縦装置は、それらが材料ロール11を確実に把持し、実質的に材料ロール11の反対側の周囲領域で材料ロール11に係合するように作動される。
【0147】
材料ロール11の直径に依存して、材料ロール11の中心軸は、把持装置87の中央面125又は零点に関してシフトする。この場合材料ロール11の中心軸は、材料ロール11に近づく際に対応的に考慮されるべきであるカーブ又は機能上シフトする。図8Cが示すように、小さい直径を有する把持される材料ロール11の場合、把持装置87の中央面125と、材料ロール11の中心軸を含む材料ロール11の中央面126の間の横の水平なずれは比較的大きい(x値)。図8Dが示すように、大きい直径を有する把持される材料ロール11の場合、把持装置87の中央面125と、材料ロール11の中心軸を含む材料ロール11の中央面126の間の横の水平なずれは比較的小さい(x値)。把持される材料ロール11の直径が大きいほど、把持装置87の中央面125と、材料ロール11の中心軸を含む材料ロール11の中央面126の間の横の水平なずれは小さい。材料ロール11を把持するとき、第1把持アーム95は、実質的に同一の固定された又は予め位置決めされた位置又は偏向を有する。把持される材料ロール11の直径が小さいほど、第2把持アーム98は第1把持アーム95又は把持装置87の中央面125の方向にさらに回動される。把持される材料ロール11の直径が小さいほど、把持される材料ロール11は、基準平面124から又は担持体92上の把持アーム95,98の関節の位置からさらに遠ざかる。
【0148】
材料ロール11の持ち上げの間、作動液圧力変化検出装置107は油圧持ち上げ装置81の作動液の圧力変化を検出する。作動液の圧力上昇の最高点に達したとき、作動液圧力変化検出装置107は材料ロール11の完全に持ち上げられた状態を検出する。そのとき、材料ロール11は荷積みエリア66から完全に持ち上げられている。そのとき、確実な荷下ろしと、必要に応じて、セミトレーラユニット62の付属品、端部特徴、張力ベルト、荷積み土台などの持ち上げを保証するために、だがセミトレーラユニット62の天井への損傷を防ぐために、油圧持ち上げ装置81は材料ロール11をさらに20mm持ち上げる。この目的のために、それは産業車両制御ユニット85により適切に作動されている。
【0149】
材料ロール11を取り出すために、産業車両25は逆進し、それによりセミトレーラユニット62から離れて移動する。
【0150】
そのとき、産業車両25は把持される材料ロール11を材料ロール貯蔵庫10に直立位置に運ぶ。そうするために、それは移送装置主経路27上を移送装置循環経路26まで進み、次いでそれぞれのグループ12に進む。産業車両25は、材料ロール11を所定の位置に直立位置に置く。対象物検出装置104は所定の位置での配置を支援する。配置の間、把持装置87は材料ロール11と共に下げられる。作動液圧力変化検出装置107はまた、いつ材料ロール11が配置されたかを検出する。材料ロール11はそれらが必要とされるまで材料ロール貯蔵庫10に留まる。
【0151】
高レベル制御が、段ボールプラント1における段ボールの製造のために材料ロール貯蔵庫10から使用されるべき材料ロール11の取り出しを開始する。段ボールプラント1の操作に必要な複数の材料ロール11が、産業車両25によって材料ロール貯蔵庫10から取り出される。それらは、移送装置主経路27によって第1移送システム29に又は移送装置主経路27及び移送装置横断経路28によって第2移送システム29に供給される。
【0152】
それぞれの移送エリア31では、材料ロール11の移送が、個々のトラック25から、提供された搬送キャリッジ32へ実行される。そうする際、一方で、把持装置87はその先の位置から90°回転され、それにより把持される材料ロール11が横たわった、水平な位置を占める。さらに、担持装置90は回動軸91の周りに外に回動される。次に、把持装置87は下げられ、開かれる。
【0153】
材料ロール11を材料ロール容器53に配置する前に、クッション装置118はアクチュエータ119により膨らまされ、上昇体117の持ち上げ又は垂直移動を生じさせる。上昇体117は、少なくとも1つの支持板60又は少なくとも1つのチャネル部分59に下から係合し、搬送キャリッジ32が負荷・荷重から解放され、全ての車輪ユニット54が土台から持ち上げられる。そのとき、車輪ユニット54は吊り下げられる。負荷の導入が持ち上げられた上昇体117に直接生じる。クッション装置118は、硬い搬送キャリッジ32への負荷を和らげるために広い可撓性のあるピースである。
【0154】
材料ロール容器53内に配置された材料ロール11は材料ロール検出センサに載り、それは材料ロール11による負荷を検出する。それは水平に延びる。材料ロール11は少なくとも1つのチャネル部分59に載る。材料ロール11の部分的な周囲領域にわたって、少なくとも1つのチャネル部分59は底部で及び/又は横で(側面で)それに当接する。
【0155】
アクチュエータ119によって上昇体117を下降させた後、搬送キャリッジ32は次に必要ならば、隣接する材料ロール調製アセンブリ147に進み、そこで配達される材料ロール11が受容され、調製される。
【0156】
調製の完了後、調製された材料ロール11は次に、搬送キャリッジ32によってこの材料ロール11を必要とする対応する展開ユニットに進む。それに代えて、バイパスが使用され、材料ロール調製アセンブリ147が迂回される。
【0157】
中央制御装置は次に、荷を積んだ搬送キャリッジ32を、材料ロールを必要とする接合装置3,4,6,7,8に送る。
【0158】
搬送キャリッジ32は次に、対応する経路上を接合装置3,4,6,7,8まで進む。
【0159】
それぞれの産業車両25はまた手動で制御できる。全体設備において、多数の産業車両25及び搬送キャリッジ32が使用される。産業車両25の操縦シリンダーの手動操縦と自動操縦又は自動作動の間の切り替えが有利には可能である。移送すべき材料ロール11の操作の重大な又は異なる状況が有るとき、手動操作への切り替えが好ましくは実行される。
【0160】
信号接続は例えば無線又は結線として設計されてもよい。信号接続によって、信号が伝送される又は送信される。
【0161】
全体設備は、略完全に自動化によって操作できる。
【0162】
別な実施形態によれば、前述した段ボールとはその多数の層において異なる段ボールが製造される。この目的のために使用される段ボールプラント1は適切に改良される。
【0163】
個々の側面又は主題は独立した発明の一部である。
【符号の説明】
【0164】
11 商品
25 移送装置
31 移送エリア
32 搬送キャリッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15