(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電子デバイス画面制御方法、読取可能媒体、及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20240903BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20240903BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/04817
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
(21)【出願番号】P 2023552060
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 CN2022077977
(87)【国際公開番号】W WO2022183985
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】202110236124.X
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジィアウエン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,バイピン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ミンドン
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0351617(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110908496(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108369445(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
G06F 5/00-5/42
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスのための画面制御方法であって、前記電子デバイスは、画面、第1のプロセッサ、及び第2のプロセッサを含み、前記画面は、表示画面及びタッチパッドを含み、当該方法は、
前記電子デバイスの前記第2のプロセッサ
が、前記表示画面及び前記タッチパッドの関連情報を処理するステップと、
前記電子デバイス
が、ユーザ
の第1のタッチ操作
の開
始を検出したとき、前記表示画面の処理許可を前記第2のプロセッサから前記第1のプロセッサに切り替え、
継続して検出され
る前記第1のタッチ操作の第1のタッチデータを、前記第2のプロセッサを介して前記第1のプロセッサに送信するステップと、
前記電子デバイス
が、
継続している前記第1のタッチ操作
の終
了を検出したとき、前記タッチパッドの処理許可を前記第2のプロセッサから前記第1のプロセッサに切り替えるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記電子デバイスは仮想タッチドライバを含み、前記電子デバイスは、前記第1のタッチ操作の前記第1のタッチデータを、前記第2のプロセッサを介して前記仮想タッチドライバに送信し、前記第1のプロセッサは、前記仮想タッチドライバを介して前記第1のタッチデータを受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子デバイス
が、ユーザ
の第1のタッチ操作
の開
始を検出したとき、前記表示画面の処理許可を前記第2のプロセッサから前記第1のプロセッサに切り替えることは、
前記電子デバイス
が、前記ユーザ
の前記第1のタッチ操作
の前記開
始を検出したとき、前記第2のプロセッサを介して前記第1のプロセッサにウェイクアップ命令を送信することと、
前記第1のプロセッサ
が、前記ウェイクアップ命令を受信した後、前記ウェイクアップ命令に応答して前記第2のプロセッサに画面切り替え割り込み要求を送信することと、
前記第2のプロセッサ
が、前記画面切り替え割り込み要求を受信した後、前記画面切り替え割り込み要求に応答して前記表示画面の前記処理許可を前記第2のプロセッサから前記第1のプロセッサに切り替えることと、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記電子デバイスの前記第1のプロセッサ
が、前記表示画面及び前記タッチパッドの前記関連情報を処理するステップと、
前記電子デバイス
が、前記ユーザが前記電子デバイスの指定されたアプリケーション上で対話操作を実行したことを検出したとき、前記表示画面及び前記タッチパッドの前記処理許可を前記第1のプロセッサから前記第2のプロセッサに切り替え、前記電子デバイスの前記第2のプロセッサ
が、前記表示画面及び前記タッチパッドの前記関連情報を処理するステップと、
をさらに含む
、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記電子デバイス
が、前記ユーザが前記電子デバイスの指定されたアプリケーション上で対話操作を実行したことを検出したとき、前記表示画面及び前記タッチパッドの前記処理許可を前記第1のプロセッサから前記第2のプロセッサに切り替え、前記電子デバイスの前記第2のプロセッサ
が、前記表示画面及び前記タッチパッドの前記関連情報を処理することは、
前記電子デバイス
が、前記ユーザが前記電子デバイスの前記指定されたアプリケーション上で前記対話操作を実行したことを検出したとき、前記表示画面の前記処理許可を前記第1のプロセッサから前記第2のプロセッサに切り替えることと、
前記電子デバイス
が、前記表示画面の前記処理許可が前記第1のプロセッサから前記第2のプロセッサに切り替えられたと判
定した後、前記タッチパッドの前記処理許可を前記第1のプロセッサから前記第2のプロセッサに切り替えることと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電子デバイスの前記第1のプロセッサ
が、前記表示画面及び前記タッチパッドの前記関連情報を処理するステップと、
前記電子デバイス
が、前記ユーザが第2のタッチ操作を開始したことを検出したとき、前記検出された第2のタッチ操作の第2のタッチデータを前記第1のプロセッサに送信するステップと、
をさらに含む
、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記電子デバイスは表示画面切り替えスイッチを含み、前記表示画面切り替えスイッチは前記表示画面に電気的に接続され、
前記ユーザ
の前記第1のタッチ操作
の前記開
始を検出したとき、前記電子デバイスは、前記表示画面の前記処理許可を前記第2のプロセッサから前記第1のプロセッサに以下の方法、すなわち、
前記電子デバイス
が、前記ユーザ
の前記第1のタッチ操作
の前記開
始を検出したとき、前記第2のプロセッサから切断するように前記表示画面切り替えスイッチを制御し、前記第1のプロセッサと通信するように前記表示画面切り替えスイッチを制御することで、切り替える、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記電子デバイスはタッチパッド切り替えスイッチを含み、前記タッチパッド切り替えスイッチは前記タッチパッドに電気的に接続され、
前記第1のタッチ操作
の前記終
了を検出したとき、前記電子デバイスは、前記タッチパッドの前記処理許可を前記第2のプロセッサから前記第1のプロセッサに以下の方法、すなわち、
前記電子デバイス
が、前記第1のタッチ操作
の前記終
了を検出したとき、前記第2のプロセッサから切断するように前記タッチパッド切り替えスイッチを制御し、前記第1のプロセッサと通信するように前記タッチパッド切り替えスイッチを制御することで、切り替える、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
命令を記憶する読取可能媒体であって、前記命令が電子デバイス上で実行されたとき、前記電子デバイスは、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の画面制御方法を実行可能にされる、読取可能媒体。
【請求項10】
電子デバイスであって、
画面であり、表示画面及びタッチパッドを含む、画面と、
当該電子デバイスの1つ以上のプロセッサにより実行される命令を記憶するように構成されたメモリと、
当該電子デバイスの前記プロセッサのうちの1つである、第1のプロセッサと、
当該電子デバイスの前記プロセッサのうちの1つであり、
且つ前記第1のプロセッサと協働して請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の画面制御方法を実行するように構成された、第2のプロセッサと、
を含む
、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月3日に中国国家知識産権局に出願され「ELECTRONIC DEVICE SCREEN CONTROL METHOD, READABLE MEDIUM, AND ELECTRONIC DEVICE」と題された中国特許出願第202110236124.X号の優先権を主張し、該出願はその全体を参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は端末技術の分野に関し、特に、電子デバイス画面制御方法、読取可能媒体、及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒューマン・マシン・インタラクションの担い手として、電子デバイスタッチパッドは、様々なスマート電子デバイスにおいて広く使用されている。ユーザは、電子デバイス上で操作を実行するために、スマート電子デバイスのタッチパッドに指でタッチするだけでよく、それにより、より直感的で便利なヒューマン・マシン・インタラクションが実現される。
【0004】
より高いエネルギー効率比を達成するために、電子デバイスのハードウェアアーキテクチャにおいて、通常、デュアルプロセッサソリューションが使用される。具体的には、高性能メインプロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、多い計算量を必要とするタスク、例えば、地図、ナビゲーション、又は電話機能を処理することを担当する。低電力消費コプロセッサは、センサデータ収集及び処理などの、少ない計算量を必要とするいくつかのタスクを担当する。このようにして、高性能メインプロセッサと低電力消費コプロセッサが表示画面及びタッチパッドのセットを共有するため、システム間の切り替えの間、ユーザインターフェース上でのポイントロス及びフリーズなどの問題が容易に引き起こされる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施形態は、電子デバイス画面制御方法、読取可能媒体、及び電子デバイスを提供する。本出願では、画面切り替え処理の間、表示画面の処理許可が最初に切り替えられ、タッチパッドの処理許可は、表示画面切り替えが完了した後に切り替えられる。さらに、タッチパッドを切り替える処理において、第1のプロセッサが、第2のプロセッサを介してタッチデータを受信し、それにより、第1のプロセッサは、完全なタッチデータを受信して、完全なタッチデータに対応するユーザの現在の操作イベントを正確に解析し、次いで、ユーザの現在の操作イベントに正確に応答することができる。これは、電子デバイスにより生成され、ユーザ操作に対応するデータが、画面切り替え処理において失われることを防止して、ユーザにとって円滑でないスライド体験の問題を回避する。知覚できない切り替えが実装され、ユーザ体験が向上する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、以下を含む電子デバイス画面制御方法を提供する。
【0007】
電子デバイスの第2のプロセッサが、表示画面及びタッチパッドの関連情報を処理する。電子デバイスは、ユーザが第1のタッチ操作を開始したことを検出したとき、表示画面の処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに切り替え、検出された第1のタッチ操作の第1のタッチデータを、第2のプロセッサを介して第1のプロセッサに送信する。電子デバイスは、第1のタッチ操作が終了したことを検出したとき、タッチパッドの処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに切り替える。
【0008】
表示画面及びタッチパッドの関連情報は、これらに限られないが、1つ以上のタイプのデータ、例えば、ユーザタッチ操作に対応するタッチデータ;1つ以上のタイプの命令、例えば、
図5Aによる一実施形態において、コプロセッサアプリケーション層によりメインプロセッサに送信されるウェイクアップ(wake-up)命令;1つ以上のタイプのメッセージ、例えば、
図5Aによる一実施形態において、タッチチップによりコタッチドライバ(co-touch driver)に送信される割り込みメッセージ;1つ以上のタイプの通知、1つ以上のタイプの要求、1つ以上のタイプの応答、1つ以上のタイプの信号などを含む。
【0009】
例えば、いくつかの実施形態において、電子デバイスが休止(dormant)状態であるとき、第2のプロセッサが表示画面及びタッチパッドの関連情報を処理する。ユーザが画面上でスライドし始めたことを検出したとき、電子デバイスは、表示画面の処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに切り替え、検出された第1のタッチ操作の第1のタッチデータを、第2のプロセッサを介して第1のプロセッサに送信する。さらに、ユーザの指が画面を離れたことを検出したとき、電子デバイスは、ユーザの現在のタッチ操作が終了したと判断し、タッチパッドの処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに切り替える。さらに、タッチパッドを切り替える処理において、第1のプロセッサは、第2のプロセッサを介してタッチデータを受信し、それにより、第1のプロセッサは、完全なタッチデータを受信して、完全なタッチデータに対応するユーザの現在の操作イベントを正確に解析し、次いで、ユーザの現在の操作イベントに正確に応答することができる。知覚できない切り替えが実現され、ユーザ体験が向上する。
【0010】
本文献において、「表示画面の処理許可」は、表示画面に関連する情報の処理許可を指し、「タッチパッドの処理許可」は、タッチパッドに関連する情報の処理許可を指すことを理解されたい。
【0011】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。電子デバイスは仮想タッチドライバを含む。電子デバイスは、第1のタッチ操作の第1のタッチデータを、第2のプロセッサを介して仮想タッチドライバに送信し、第1のプロセッサは、仮想タッチドライバを介して第1のタッチデータを受信する。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1のプロセッサは、高性能オペレーティングシステムを実行し、低い使用頻度及び多い計算量を特徴とするタスクを処理し得るメインプロセッサである。例えば、メインプロセッサは、Harmony(登録商標)システムを実行し、ナビゲーション、電話呼び出し、地図、チャット、音楽再生などを含む機能をサポートする。
【0013】
いくつかの実施形態において、第2のプロセッサはコプロセッサであり、軽量かつ低電力消費のシステムを実行し、高い使用頻度及び少ない計算量を特徴とするタスクを処理し得る。例えば、コプロセッサは、軽量組み込みシステムを実行し、センサデータ収集及び処理を担当し、時間表示、電卓、タイマ、アラームクロック、心拍数測定、歩数カウント、高さ測定などの機能をサポートする。
【0014】
いくつかの実施形態において、仮想タッチドライバは、
図3による一実施形態におけるメイン仮想タッチドライバである。表示画面の処理許可がメインプロセッサに切り替えられており、タッチパッドの処理許可が依然としてコプロセッサにあるとき、メインプロセッサは、メイン仮想タッチドライバを介して、コプロセッサにより送信されたタッチデータを読み取る。
【0015】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。電子デバイスが、ユーザが第1のタッチ操作を開始したことを検出したとき、表示画面の処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに切り替えることは、以下をさらに含む。
【0016】
電子デバイスは、ユーザが第1のタッチ操作を開始したことを検出したとき、第2のプロセッサを介して第1のプロセッサにウェイクアップ命令を送信する。第1のプロセッサは、ウェイクアップ命令を受信した後、ウェイクアップ命令に応答して画面切り替え割り込み要求を第2のプロセッサに送信する。第2のプロセッサは、画面切り替え割り込み要求を受信した後、割り込み要求に応答して表示画面の処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに切り替える。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1のプロセッサはメインプロセッサであり、第2のプロセッサはコプロセッサであり、電子デバイスは、ウェイクアップ命令を、コプロセッサアプリケーション層を介してメインプロセッサに送信する。
【0018】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。
【0019】
電子デバイスの第1のプロセッサは、表示画面及びタッチパッドの関連情報を処理する。電子デバイスは、ユーザが電子デバイスの指定されたアプリケーション上で対話操作を実行したことを検出したとき、表示画面及びタッチパッドの処理許可を第1のプロセッサから第2のプロセッサに切り替え、電子デバイスの第2のプロセッサは、表示画面及びタッチパッドの関連情報を処理する。
【0020】
指定されたアプリケーションは、電卓、タイマ、アラームクロック、又は運動アプリケーションなどの、第2のプロセッサにより処理される必要があり、高い使用頻度及び少ない計算量を特徴とするアプリケーションを指す。第2のプロセッサは、第1のプロセッサに取って代わって、頻繁に使用され、長時間使用されるアプリケーションを処理し、それにより、電力消費を削減することができ、電子デバイスのバッテリ寿命を向上させることができる。
【0021】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。電子デバイスが、ユーザが電子デバイスの指定されたアプリケーション上で対話操作を実行したことを検出したとき、表示画面及びタッチパッドの処理許可を第1のプロセッサから第2のプロセッサに切り替え、電子デバイスの第2のプロセッサが、表示画面及びタッチパッドの関連情報を処理することは、以下を含む。
【0022】
電子デバイスは、ユーザが電子デバイスの指定されたアプリケーション上で対話操作を実行したことを検出したとき、表示画面の処理許可を第1のプロセッサから第2のプロセッサに切り替える。電子デバイスは、表示画面の処理許可が第1のプロセッサから第2のプロセッサに切り替えられたと判断した後、タッチパッドの処理許可を第1のプロセッサから第2のプロセッサに切り替える。
【0023】
このようにして、画面切り替え処理におけるユーザタッチデータのロスを回避して、知覚できない切り替えを実現し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0024】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。電子デバイスの第1のプロセッサは、表示画面及びタッチパッドの関連情報を処理する。電子デバイスは、ユーザが第2のタッチ操作を開始したことを検出したとき、検出された第2のタッチ操作の第2のタッチデータを第1のプロセッサに送信する。
【0025】
例えば、いくつかの実施形態において、電子デバイスを現在実行している第1のプロセッサは、表示画面及びタッチパッドを制御する。ユーザの指が電子デバイスの画面上をスライドしたとき、第1のプロセッサは、タッチチップにより生成され、ユーザの現在のタッチ操作に対応しているタッチデータを読み取る。
【0026】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。電子デバイスは表示画面切り替えスイッチを含む。表示画面切り替えスイッチは、表示画面に電気的に接続される。電子デバイスは、ユーザが第1のタッチ操作を開始したことを検出したとき、表示画面の処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに以下の方法で切り替える。
【0027】
電子デバイスは、ユーザが第1のタッチ操作を開始したことを検出したとき、第2のプロセッサから切断するように表示画面切り替えスイッチを制御し、第1のプロセッサと通信するように表示画面切り替えスイッチを制御する。
【0028】
例えば、いくつかの実施形態において、第1のプロセッサ及び第2のプロセッサのMIPIインターフェースが、スイッチS2を介して表示画面のMIPIインターフェースに接続される。電子デバイスは、ユーザが第1のタッチ操作を開始したことを検出したとき、第2のプロセッサから切断するようにスイッチS2を制御し、第1のプロセッサと通信するようにスイッチS2を制御する。
【0029】
第1の態様の可能な一実装において、当該方法は、以下をさらに含む。電子デバイスはタッチパッド切り替えスイッチを含む。タッチパッド切り替えスイッチは、タッチパッドに電気的に接続される。電子デバイスは、第1のタッチ操作が終了したことを検出したとき、タッチパッドの処理許可を第2のプロセッサから第1のプロセッサに以下の方法で切り替える。
【0030】
電子デバイスは、第1のタッチ操作が終了したことを検出したとき、第2のプロセッサから切断するようにタッチパッド切り替えスイッチを制御し、第1のプロセッサと通信するようにタッチパッド切り替えスイッチを制御する。
【0031】
例えば、いくつかの実施形態において、第1のプロセッサ及び第2のプロセッサのI2Cインターフェースが、スイッチS1を介してタッチパッドのI2Cインターフェースに接続される。第1のタッチ操作が終了したことを検出したとき、電子デバイスは、第2のプロセッサから切断するようにスイッチS1を制御し、第1のプロセッサと通信するようにスイッチS1を制御する。
【0032】
第2の態様によれば、本出願の一実施形態は読取可能媒体を提供し、当該読取可能媒体は命令を記憶し、命令は、電子デバイス上で実行されたときに、電子デバイスに第1の態様又は第1の態様の可能な実装のうちいずれか1つによる画面制御方法のうちいずれか1つを実行させる。
【0033】
第3の態様によれば、本出願の一実施形態は電子デバイスを提供し、当該電子デバイスは、
画面であり、表示画面及びタッチパッドを含む、画面と、
当該電子デバイスの1つ以上のプロセッサにより実行される命令を記憶するように構成されたメモリと、
当該電子デバイスのプロセッサのうちの1つである、第1のプロセッサと、
当該電子デバイスのプロセッサのうちの1つであり、第1のプロセッサと協働して第1の態様又は第1の態様の可能な実装のうちのいずれか1つによる画面制御方法のうちいずれか1つを実行するように構成された、第2のプロセッサと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1(a)】関連する技術的解決策における電子デバイスの1つの画面切り替えのシーケンス図である。
【
図1(b)】本出願のいくつかの実施形態による、電子デバイスが本出願において提供される画面切り替え制御方法を実行するときの電子デバイスの1つの画面切り替えのシーケンス図である。
【
図1(c)】本出願のいくつかの実施形態による、本出願において提供される画面切り替え制御方法の適用シナリオを示す。
【
図2】本出願のいくつかの実施形態による、
図1(c)に示されるスマートウォッチのハードウェア構造のブロック図である。
【
図3】本出願のいくつかの実施形態による、
図1(c)に示されるスマートウォッチのシステムアーキテクチャの図である。
【
図4】
図4(a)は、本出願のいくつかの実施形態による、画面オフ状態におけるスマートウォッチのインターフェースの図であり、
図4(b)は、本出願のいくつかの実施形態による、ユーザが手首を上げ又はボタンを押した後に画面がオンにされるスマートウォッチのインターフェースの図であり、
図4(c)は、本出願のいくつかの実施形態による、ユーザが画面をスライドした後にスマートウォッチにより表示されるデスクトップの図である。
【
図5A】本出願のいくつかの実施形態による、本出願において提供される画面切り替え制御方法の相互作用図である。
【
図5B】本出願のいくつかの実施形態による、本出願において提供される画面切り替え制御方法の相互作用図である。
【
図6】本出願のいくつかの実施形態による、コプロセッサにより表示画面を切り替える原理の図である。
【
図7】
図7の(a)は、本出願のいくつかの実施形態による、ユーザによりスマートウォッチデスクトップ上の運動アプリケーションをタップする概略図であり、
図7の(b)は、本出願のいくつかの実施形態による、ユーザがスマートウォッチデスクトップ上の運動アプリケーションをタップすることにより運動アプリケーションを入力した後に示されるインターフェースの図である。
【
図8】本出願のいくつかの実施形態による、本出願において提供される別の画面切り替え制御方法の相互作用図である。
【
図9】本出願のいくつかの実施形態による、システム相互作用方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施形態は、これらに限られないが、電子デバイス画面制御方法、読取可能媒体、及び電子デバイスを含む。
【0036】
デュアルプロセッサ電子デバイスが画面を切り替えるときのデータロス及び画面上のフリーズの問題を解決するために、本出願の一実施形態は、電子デバイスのための画面制御方法を提供する。具体的には、電子デバイスがいくつかのシナリオにおいてシステムを切り替えるとき、表示画面の処理許可が最初に切り替えられ、タッチパッドの処理許可は、表示画面切り替えが完了した後に切り替えられる。例えば、電子デバイスがメインプロセッサ及びコプロセッサを有するデュアルプロセッサデバイスであり、ユーザが電子デバイスを手首に装着していると仮定する。ユーザが、電子デバイスが装着された手首を有し上げると、電子デバイスのコプロセッサがウェイクアップされ(woken up)、コプロセッサは表示画面及びタッチパッドを制御する。ユーザの指が電子デバイスの画面上をスライドしたとき、電子デバイスは、最初に表示画面の処理許可をメインプロセッサに切り替え、ユーザの現在のスライド操作が完了した後、電子デバイスは、タッチパッドの処理許可をメインプロセッサに切り替える。
【0037】
関連する技術的解決策では、
図1(a)に示すように、時点t1において、画面オフ状態の電子デバイスがユーザのボタン押下操作を受け取った後、コプロセッサがウェイクアップされ、コプロセッサが表示画面及びタッチパッドを制御する。時点t2において、ユーザの指が電子デバイスの画面上でスライドし始めたとき、電子デバイスが、表示画面及びタッチパッドの双方の処理許可をメインプロセッサに同時に切り替え、メインプロセッサが表示画面及びタッチパッドを制御する。このようにして、ユーザの完全なタッチ操作が完了していないとき、電子デバイスがタッチパッドの関連情報の処理許可をコプロセッサからメインプロセッサに切り替える。結果として、ユーザのタッチデータは、タッチパッド切り替え処理において部分的に失われ、それにより、メインプロセッサは、タッチデータを完全に受信することができず、したがって、ユーザタッチデータに対応するユーザ操作イベントを正確に解析することができず、さらに、ユーザ操作イベントに正確に応答することができない。結果的に、画面切り替え処理において画面上のフリーズが発生し、ユーザ体験に影響を及ぼす。
【0038】
しかしながら、本出願のいくつかの実施形態では、
図1(b)に示すように、時点t1において、画面オフ状態の電子デバイスがユーザのボタン押下操作を受け取った後、コプロセッサがウェイクアップされ、コプロセッサが表示画面及びタッチパッドを制御する。時点t2において、ユーザの指が電子デバイスの画面上でスライドし始めたとき、メインプロセッサがウェイクアップされる。電子デバイスは、最初に表示画面の処理許可をメインプロセッサに切り替え、ゆえに、メインプロセッサが表示画面を制御し、タッチパッドの処理許可は依然としてコプロセッサ内にある。時点t3において、ユーザの指が電子デバイスの画面から上げられたとき、具体的には、現在のスライド操作が終了した後、電子デバイスは、タッチパッドの処理許可をメインプロセッサに切り替える。
【0039】
本出願のいくつかの実施形態において、表示画面の処理許可がメインプロセッサに切り替えられ、タッチパッドの処理許可がコプロセッサに残っているとき、電子デバイスは、メインプロセッサにおいてタッチパッドに対応する仮想ドライバを作成することに留意されたい。(説明を簡素化するために、以降ではメイン仮想タッチドライバと呼ばれ、)コプロセッサにより送信されたタッチデータを受信するためである。メインプロセッサがフレームごとに画像を表示するように表示画面を制御し始めたが、タッチパッドが切り替えを完了していないとき、メインプロセッサは、メイン仮想タッチドライバを介して、ユーザの現在のタッチ操作に対応する完全なタッチデータを受信してもよい。このようにして、メインプロセッサは、受信した完全なタッチデータに基づいて、完全なタッチデータに対応するユーザの現在の操作イベントを正確に解析し、次いで、ユーザの現在の操作イベントに正確に応答することができる。これは、電子デバイスにより生成され、ユーザ操作に対応するデータが、システム切り替え処理において失われることを防止して、ユーザにとって円滑でないスライド体験の問題を回避する。感知できない切り替えが実現され、ユーザ体験が向上する。
【0040】
タッチパッドの処理許可がメインプロセッサにあるとき、メインプロセッサが、電子デバイスにより生成され、ユーザのタッチ操作に対応するタッチデータを処理することを担当し、タッチパッドの処理許可がコプロセッサにあるとき、コプロセッサが、電子デバイスにより生成され、ユーザのタッチ操作に対応するタッチデータを処理することを担当することが理解され得る。
【0041】
本出願の実施形態は、さらに添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。
【0042】
図1(c)は、本出願のいくつかの実施形態による、画面制御方法の適用シナリオを示す。デュアルプロセッサスマートウォッチ100が、ユーザの左手首に装着される。スマートウォッチ100は、メインプロセッサ及びコプロセッサを含む。メインプロセッサとコプロセッサは、1つの画面を共有する。
【0043】
メインプロセッサは、高性能オペレーティングシステムを実行し、低い使用頻度及び多い計算量を特徴とするタスクを処理することができる。例えば、メインプロセッサは、Harmony(登録商標)システムを実行し、ナビゲーション、電話、地図、チャット、音楽再生などを含む機能をサポートする。第2のプロセッサは、コプロセッサであり、軽量かつ低電力消費のシステムを実行し、高い使用頻度及び少ない計算量を特徴とするタスクを処理することができる。例えば、コプロセッサは、軽量組み込みオペレーティングシステムを実行し、センサデータ収集及び処理を担当し、時間表示、電卓、タイマ、アラームクロック、心拍数測定、歩数カウント、高さ測定などの機能をサポートする。低電力消費コプロセッサは、メインプロセッサに取って代わり、高い使用頻度及び少ない計算量を特徴とするタスクを処理して、電力消費を削減し、スマートウォッチ100のバッテリ寿命を向上させる。
【0044】
さらに、メインプロセッサとコプロセッサは1つの画面を共有し、この画面は表示画面及びタッチパッドを含む。いくつかの実施形態において、画面は、一緒に積み重ねられたタッチパッド及び表示画面を含むことができる。デュアルプロセッサハードウェアアーキテクチャに基づいて、スマートウォッチ100が画面オフ状態であるとき、メインプロセッサ及びコプロセッサの双方が休止状態であり、コプロセッサが表示画面及びタッチパッドを制御する。休止状態におけるコプロセッサが、タッチパッド上でユーザにより実行されたタッチ操作又はユーザにより実行されたボタン押下操作を検出したとき、表示画面及びタッチパッドの処理許可はメインプロセッサに切り替えられる。メインプロセッサが表示画面及びタッチパッドを制御する処理において、コプロセッサにより処理される必要があるいくつかのアプリケーションをユーザがタップしたことをメインプロセッサが検出した場合、表示画面及びタッチパッドの処理許可はコプロセッサに切り替えられる。
【0045】
しかしながら、関連技術では、表示画面及びタッチパッドの処理許可がメインプロセッサとコプロセッサとの間で切り替えられる処理において、ユーザの一部タッチデータが欠落しており、ユーザによるタッチパッド上のスライドが円滑でなく、ユーザに表示されるインターフェースがフリーズする。
【0046】
前述の問題を解決するために、スマートウォッチ100の表示画面の処理許可及びタッチパッドの処理許可がメインプロセッサとコプロセッサとの間で切り替えられるとき、スマートウォッチ100は、最初に、本出願のこの実施形態において提供される画面切り替え制御方法に従って表示画面の処理許可を切り替える。表示画面の処理許可が最初に切り替えられ、タッチパッドの処理許可は、表示画面切り替えが完了した後に切り替えられる。例えば、表示画面及びタッチパッドの処理許可をコプロセッサからメインプロセッサに切り替える処理において、メインプロセッサは、メイン仮想タッチドライバを介して、コプロセッサにより送信されたタッチデータを受信する。したがって、表示画面及びタッチパッドを切り替える処理において、スマートウォッチ100は、タッチパッドにより生成され、ユーザのタッチ操作に対応する完全なデータを取得して、ユーザのタッチ操作に正確に応答し、対応するタスクを実行することができる。これは、マシンの全体的な電力消費を削減し、知覚できない切り替えを実現し、ユーザ体験を向上させる。
【0047】
本出願における技術的解決策は、デュアルプロセッサ、表示画面、及びタッチパッドを有する電子デバイスに適用され得ることが理解され得る。これは、これらに限られないが、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルフォン、サーバ、ウェアラブルデバイス、ヘッドマウントディスプレイ、モバイル電子メールデバイス、ポータブルゲームコンソール、ポータブル音楽プレーヤ、リーダ(reader)デバイス、1つ以上のプロセッサを組み込まれ又は1つ以上のプロセッサと結合されたテレビ、又はネットワークにアクセスすることができる別の電子デバイスを含む。
【0048】
以下の説明では、説明の簡素化のため、スマートウォッチ100を一例として使用して、本出願の技術的解決策について説明する。
【0049】
図2は、本出願のいくつかの実施形態による、
図1(c)に示されるスマートウォッチ100のハードウェア構造のブロック図である。
図2に示すように、スマートウォッチ100は、タッチパッド101、表示画面102、メインプロセッサ103、コプロセッサ104、メモリ105、通信モジュール106、センサモジュール107、電源108、タッチパッド101の切り替えスイッチS1、表示画面102の切り替えスイッチS2、電力管理システム109、タッチチップ110などを含む。
【0050】
タッチパッド101は、タッチパネルと呼ばれることもあり、画面上でのユーザのタップ及びスライドなどのタッチ操作を収集することができる。いくつかの実施形態において、タッチパッド101は、I2C(Inter-Integrated Circuit)バスを介してメインプロセッサ103及びコプロセッサ104と通信してもよい。タッチパッド101は、抵抗性タイプ、表面容量性タイプ、投影容量性タイプ、赤外線タイプ、表面音響波タイプ、屈曲波タイプ、アクティブデジタルスイッチャタイプ、又は光学撮像タイプでもよい。
【0051】
タッチチップ110は、タッチパッド101に電気的に接続される。タッチパッド101が動作したとき、タッチチップ110は、特定の走査頻度でタッチパッド101を走査して、ユーザのタッチデータ、例えば、タッチポイントの座標、圧力、面積、及び正接値などのデータを取得する。次いで、ユーザの取得されたタッチデータは、処理のためにメインプロセッサ103又はコプロセッサ104に報告される。タッチデータを処理した後、メインプロセッサ103又はコプロセッサ104は、ユーザのタッチ操作に対応する画像をフレームごとに表示する。
【0052】
表示画面102は、ユーザにより入力された情報、ユーザに提供されるプロンプト情報、スマートウォッチ100上の様々なメニュー、スマートウォッチ100の様々なアプリケーションプログラムの操作インターフェースなどを表示するように構成することができる。例えば、表示画面102は、現在の時間、健康モニタリングアプリケーションにより測定されたユーザの心拍数、ユーザが運動しているときに運動アプリケーションにより計算された歩数などを表示するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、表示画面102は、モバイル業界プロセッサインターフェース(Mobile Industry Processor Interface、MIPI)バスを介してメインプロセッサ103及びコプロセッサ104と通信することができる。表示画面102は表示パネルを含んでもよく、表示パネルは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-emitting Diode、OLED)、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(Active-matrix Organic Light-emitting Diode、AMOLED)、フレキシブル発光ダイオード(Flex Light-emitting Diode、FLED)、ミニLED、マイクロLED、マイクロOLED、量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light-emitting Diode、QLED)などでもよい。
【0053】
メインプロセッサ103は、複数の処理ユニットを含み、ナビゲーション、電話、地図、チャット、及び音楽再生などのアプリケーションに関連するタスクを処理する、スマートウォッチ100のタッチパッド101及び表示画面102の処理許可がメインプロセッサ103に切り替えられたときにユーザがタッチパッド101にタッチしたときに生成されるデータを処理する、等を行うように構成された、Android(登録商標)及びHarmony(登録商標)などのオペレーティングシステムを実行することができる。
【0054】
コプロセッサ104は、センサデータを収集及び処理する、時間表示、電卓、タイマ、アラームクロック、心拍数測定、歩数カウント、及び高さ測定などのアプリケーションに関連するタスクを処理する、スマートウォッチ100のタッチパッド101及び表示画面102の処理許可がコプロセッサ104に切り替えられたときにタッチパッド101にタッチしているユーザのデータを処理する、等を行うように構成された、軽量組み込みオペレーティングシステムを実行することができる。いくつかの実施形態において、コプロセッサ104は、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、マイクロコントローラユニット(Micro-controller Unit、MCU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、及び特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)などの処理モジュール又は処理回路を含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、メインプロセッサ103及びコプロセッサ104のI2Cインターフェースは、切り替えスイッチS1を介してタッチパッド101のI2Cインターフェースに接続される。メインプロセッサ103及びコプロセッサ104のMIPIインターフェースは、切り替えスイッチS2を介して表示画面102のMIPIインターフェースに接続される。さらに、メインプロセッサ103及びコプロセッサ104は、汎用入力/出力(General-purpose input/output、GPIO)インターフェース(図示せず)を介して切り替えスイッチS2に接続される。メインプロセッサ103は、GPIOインターフェースのレベルをプルアップ/ダウンして、表示画面102の切り替え要求をコプロセッサ104に送信し、表示画面102の処理許可が切り替えられた後、タッチパッド101の処理許可が切り替えられる。
【0056】
メモリ105は、ソフトウェアプログラム及びデータを記憶するように構成される。プロセッサ203は、メモリ105に記憶されたソフトウェアプログラム及びデータを実行して、スマートウォッチ100の様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実現する。例えば、本出願のいくつかの実施形態において、メモリ105は、ユーザの運動の間にセンサにより収集された大気圧及び温度などのデータを記憶することができ、睡眠データ及び心拍数データなどのユーザデータも記憶される。メモリ105は、登録情報及びログイン情報などのユーザ情報を記憶することもできる。
【0057】
通信モジュール106は、スマートウォッチ100が別の電子デバイスと通信し、この別の電子デバイスを介してネットワークに接続することを可能にするように構成することができる。例えば、スマートウォッチ100は、データ送信のために通信モジュール106を介してモバイルフォン又はサーバなどの電子デバイスに接続される。
【0058】
センサモジュール107は、光学近接センサ、圧力センサ、ジャイロスコープセンサ、気圧センサ、磁気センサ、加速度センサ、距離センサ、指紋センサ、温度センサ、タッチセンサ、環境光センサ、骨伝導センサなどを含んでもよい。
【0059】
電源108は、スマートウォッチ100の各コンポーネントに電力を供給するように構成される。電源108はバッテリでもよい。
【0060】
電力管理システム109は、電源108の充電及び電源108による別のモジュールへの電力の供給を管理するように構成される。
【0061】
図2に示されるスマートウォッチ100は、本出願の技術的解決策におけるスマートウォッチ100の機能を実現するための一例示的な構造にすぎず、スマートウォッチ100に対する特定の限定を構成しないことが理解され得る。本出願のいくつかの他の実施形態において、スマートウォッチ100は、
図2に示されるものより多くの又は少ないコンポーネントを含んでもよく、あるいはいくつかのコンポーネントが組み合わせられてもよく、あるいはいくつかのコンポーネントが分割されてもよく、あるいはコンポーネントは異なる方法で配置される。
図2に示されるコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実装されてもよい。
【0062】
図3は、本出願のいくつかの実施形態による、
図2に示されるスマートウォッチ100において実行されるメインプロセッサ103及びコプロセッサ104により制御される2つのオペレーティングシステム(例えば、Harmony(登録商標)システム及び軽量組み込みオペレーティングシステム)のアーキテクチャの図を示す。
図3に示されるように、スマートウォッチ100のメインプロセッサ103及びコプロセッサ104によりそれぞれ実行される2つのオペレーティングシステムは、双方とも、アプリケーション層302、ドライバ層301、及びデバイス層300を含む。したがって、本明細書において区別はなされないが、各層における特定のオリジナル(originals)が区別される。メインプロセッサ103及びコプロセッサ104は、表示画面102、タッチパッド101、及びタッチチップ110を共有する。
【0063】
図3に示すように、デバイス層300は、表示画面102、タッチパッド101、表示画面102の切り替えスイッチS2、タッチパッド101の切り替えスイッチS1、メインプロセッサ103、コプロセッサ104、タッチチップ110等を含む。デバイス層300内の各コンポーネントの機能については、
図2の前述のテキスト説明を参照する。詳細はここで再度説明されない。
【0064】
ドライバ層301は、デバイス層300における各コンポーネントを駆動して、各コンポーネントに対する読み取り/書き込みアクセス及び割り込み設定などの機能を実現する。
【0065】
図3に示すように、コプロセッサ104が実行する軽量組み込みオペレーティングシステムにおいて、ドライバ層301は、これらに限られないがコタッチドライバ301aを含む。コタッチドライバ301aは、コプロセッサ104により実行される軽量組み込みオペレーティングシステム内にあり、タッチパッド101を駆動するように構成され、タッチチップ110により生成されたタッチデータを読み取ることができるソフトウェアプログラムであってよい。
【0066】
例えば、
図1(b)に示されるいくつかの実施形態において、時点t1において、画面オフ状態におけるスマートウォッチ100がユーザのボタン押下操作を受け取った後、コプロセッサ104がウェイクアップされ、コプロセッサ104は、表示画面102及びタッチパッド101の関連情報を処理する。表示画面102及びタッチパッド101の関連情報は、これらに限られないが、1つ以上のタイプのデータ、例えば、ユーザタッチ操作に対応するタッチデータ;1つ以上のタイプの命令、例えば、
図5Aによるいくつかの実施形態において、コプロセッサアプリケーション層によりメインプロセッサ103に送信されるウェイクアップ命令;1つ以上のタイプのメッセージ、例えば、
図5Aによるいくつかの実施形態において、タッチチップ110によりコタッチドライバ301aに送信される割り込みメッセージ;及び、1つ以上のタイプの通知、1つ以上のタイプの要求、1つ以上のタイプの応答、1つ以上のタイプの信号などを含む。コプロセッサ104は、コタッチドライバ301aを介してタッチパッド101を駆動し、ユーザのタッチデータを読み取る。
【0067】
本明細書において、「表示画面102の処理許可」は、表示画面102の関連情報の処理許可を指し、「タッチパッド101の処理許可」は、タッチパッド101の関連情報の処理許可を指すことを理解されたい。
【0068】
メインプロセッサ103が実行するHarmony(登録商標)システムにおいて、ドライバ層301は、これらに限られないが、ユーザのタッチデータを受信及び送信するように構成されたメイン仮想タッチドライバ301b、メインタッチドライバ301cなどを含む。メインタッチドライバ301cは、メインプロセッサ103内で実行されている高性能オペレーティングシステム内にあり、タッチパッド101を駆動するように構成されたソフトウェアプログラムである。表示画面102の処理許可及びタッチパッド101の処理許可が双方ともメインプロセッサ103に切り替えられた場合、メインタッチドライバ301cは、
図3に示されるように、タッチチップ110により生成された切り替えられたタッチデータを読み取ることができる(具体的には、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可が双方ともメインプロセッサ103に切り替えられた後、ユーザが画面に再びタッチし、タッチチップ110がユーザの再タッチ操作に対応するデータを生成する)。
【0069】
メイン仮想タッチドライバ301bは、初期化の間にメインプロセッサ103により作成されたタッチパッド101に対応する仮想ドライバであり、表示画面102の処理許可がメインプロセッサ103に切り替えられており、タッチパッド101の処理許可が依然としてコプロセッサ104にあるときに、コプロセッサアプリケーション層302aから送信されたタッチデータを受信するように構成される。
【0070】
例えば、
図1(b)に示す実施形態では、時点t2において、ユーザの指がスマートウォッチ100の画面上でスライドし始めたとき、メインプロセッサ103がウェイクアップされ、スマートウォッチ100は、最初に、表示画面102の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。メインプロセッサ103は、表示画面102のデータを処理し、タッチパッド101の処理許可は、依然としてコプロセッサ104にある。表示画面102の処理許可がメインプロセッサ103に切り替えられているが、タッチパッド101の処理許可が依然としてコプロセッサ104にあるとき、メインプロセッサ103は、メイン仮想タッチドライバ301bを介して、コプロセッサ104により送信されたタッチデータを読み取る。
【0071】
時点t3において、ユーザの指がスマートウォッチ100の画面から上げられたとき、具体的には、現在のスライド操作が終了した後に、スマートウォッチ100は、タッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。メインプロセッサ103は、メインタッチドライバ301cを介して、コプロセッサ104により送信されたタッチデータを読み取る。
【0072】
引き続き
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、コプロセッサ104上で動作する軽量組み込みオペレーティングシステムにおいて、アプリケーション層302は、コプロセッサアプリケーション層302aを含む。コプロセッサアプリケーション層302aは、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がコプロセッサ104にあるとき、タッチチップ110からコプロセッサ104のコタッチドライバ301aにより読み取られたタッチデータに対して計算を実行し、タッチデータに対応するユーザのタッチイベントタイプを決定し、次いで、決定されたイベントタイプに基づいて、アプリケーションプログラムに応答するように構成される。
【0073】
例えば、
図1(b)に示されるいくつかの実施形態では、時点t1において、画面オフ状態におけるスマートウォッチ100がユーザのボタン押下操作を受け取った後、コプロセッサ104がウェイクアップされ、コプロセッサ104は、表示画面102及びタッチパッド101の関連情報を処理する。コプロセッサ104は、コタッチドライバ301aを介してタッチパッド101を駆動し、ユーザのタッチデータを読み取る。コプロセッサアプリケーション層302aは、コタッチドライバ301aにより報告されたユーザのタッチデータを受信した後に計算を実行し、タッチデータに対応するユーザのタッチイベントタイプを決定し、次いで、決定されたイベントタイプに従ってアプリケーションプログラムを介して応答する。
【0074】
対応して、メインプロセッサ103が実行するHarmony(登録商標)システムでは、アプリケーション層302はメインプロセッサアプリケーション層302bを含む。メインプロセッサアプリケーション層302bは、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がメインプロセッサ103にあるとき、タッチチップ110からメインプロセッサ103のコタッチドライバ301cにより読み取られたタッチデータに対して計算を実行し、タッチデータに対応するユーザのタッチイベントタイプを決定し、次いで、アプリケーションプログラムを介して、決定されたイベントタイプに基づいて応答するように構成される。
【0075】
例えば、
図1(b)に示す実施形態では、時点t2において、ユーザの指がスマートウォッチ100の画面上でスライドし始めたとき、メインプロセッサ103がウェイクアップされ、スマートウォッチ100は、最初に、表示画面102の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。時点t3において、ユーザの指がスマートウォッチ100の画面から上げられたとき、具体的には、現在のスライド操作が終了した後に、スマートウォッチ100は、タッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101の関連情報を処理する。ユーザが画面を再びタップしたとき、タッチチップ110は、ユーザのタップ操作に対応するタッチデータを生成する。タッチチップ110からタッチデータを読み取った後、メインタッチドライバ301cは、タッチデータをメインプロセッサアプリケーション層302bに報告する。メインプロセッサアプリケーション層302bは、ユーザが画面をタップしたデータを識別し、ユーザの操作が音楽再生アプリケーションのアイコンをタップしていると判断し、さらに音楽再生アプリケーションを開く。
【0076】
図2~
図6を参照する。以下では、スマートウォッチ100が画面オフ状態であり、ユーザが手首を上げ又はボタンを押してコプロセッサ104をウェイクアップし、ユーザが指を介して画面にタッチするシナリオにおける本出願の解決策による画面制御方法について詳細に説明する。
【0077】
例えば、
図4(a)に示す実施形態において、スマートウォッチ100は画面オフ状態であり、メインプロセッサ103及びコプロセッサ104の双方が休止状態である。
図4(b)に示される実施形態において、ユーザが手首を上げ、あるいはスマートウォッチ100のボタン111を押した後、画面が点灯し、文字盤(dial)が時間インターフェースを表示し、コプロセッサ104がウェイクアップされ、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可はコプロセッサ104にある。コプロセッサ104は、タッチチップ110により生成されたユーザのタッチデータを処理する。タッチデータを処理した後、コプロセッサ104は、フレームごとにデータを表示するように表示画面102を制御する。画面が点灯した後、ユーザのタッチ操作が設定時間内に検出されない場合、スマートウォッチ100は、画面を再びオフにし、メインプロセッサ103及びコプロセッサ104は、再び休止状態に入る。ユーザのタッチ操作が設定時間内に検出された場合、例えば、
図4(b)に示されるスマートウォッチ100の表示された時間インターフェース上でスライドした後、ユーザは、
図4(c)に示されるスマートウォッチ100のデスクトップに入り、デスクトップは、複数のアプリケーションアイコン、例えば、ナビゲーションアイコン、運動アプリケーションアイコン、電卓アイコン、天気アイコン、又は設定アイコンを含む。この場合、スマートウォッチ100は、本出願の解決策による画面制御方法を実行することにより、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。換言すれば、メインプロセッサ103は、タッチチップ110により生成されたユーザのタッチデータを処理し、タッチデータを処理した後、メインプロセッサ103は、データをフレームごとに表示するように表示画面102を制御する。
【0078】
具体的には、いくつかの実施形態において、
図5A及び
図5Bに示すように、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がコプロセッサ104にあり、コプロセッサ104がユーザのタッチ操作を検出したとき、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える処理は、以下のステップを含む。
【0079】
ステップ501:スマートウォッチ100が、ユーザのタッチデータを生成する。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザが画面にタッチし、タッチチップ110は、ユーザのタッチポイントの座標、圧力、面積、及び正接値などのデータを生成する。
【0080】
さらに、ユーザによりスマートウォッチ100にタッチする操作は、タップ、タッチ及びホールド、ダブルタップ、及びスライドなどの操作であってもよいことが理解され得る。例えば、ユーザは指を介してタッチパッド101をタップし、あるいは、ユーザの指がタッチパッド101上のある位置から別の位置にスライドする。スマートウォッチ100上でユーザにより実行されるタッチ操作は、指を介してもよく、あるいはスタイラス又は別のタッチデバイスを介してもよい。
【0081】
ステップ502:スマートウォッチ100のタッチチップ110が、コプロセッサ104のコタッチドライバ301aに割り込みメッセージを報告する。
【0082】
割り込みメッセージは、タッチチップ110がユーザのタッチ操作を受け取ったときに生成されるトリガ信号である。割り込みメッセージが存在する場合、それは、ユーザがタッチパッド101上でタッチ操作を開始したことを示し、ステップ503に入る。割り込みメッセージが存在しない場合、それは、ユーザがタッチパッド101上でタッチ操作を実行していないことを示す。タッチチップ110は、ユーザのタッチデータを生成するようにトリガされず、ステップ501に戻る。
【0083】
ステップ503:コプロセッサ104のコタッチドライバ301aが、割り込みメッセージを受信した後、タッチチップ110からタッチデータを読み取る。
【0084】
例えば、いくつかの実施形態において、割り込みメッセージを受信した後、コプロセッサ104のコタッチドライバ301aは、シリアルペリフェラルインターフェース(Serial Peripheral Interface、SPI)を介してタッチチップ110からタッチデータを読み取る。
【0085】
ステップ504:コプロセッサ104のコタッチドライバ301aが、読み取ったタッチデータをコプロセッサ104のコプロセッサアプリケーション層302aに報告する。コタッチドライバ301aにより報告されたタッチデータを受信した後、コプロセッサアプリケーション層302aは、ステップ505を実行する。
【0086】
ステップ505:コプロセッサ104のコプロセッサアプリケーション層302aが、タッチデータを受信した後、ウェイクアップ命令をメインプロセッサ103に送信する。ウェイクアップ命令を受信した後、メインプロセッサ103は、ステップ506及びステップ507を同時に実行する。
【0087】
ステップ506:メインプロセッサ103が、ウェイクアップ命令を受信した後、内部MIPIインターフェースの電源オンを完了する。具体的には、メインプロセッサ103と表示画面102の切り替えスイッチS2との間に接続されたハードウェアインターフェースの電源オンが完了し、それにより、表示画面102の切り替えスイッチS2がメインプロセッサ103に切り替えられたとき、メインプロセッサ103は、MIPIインターフェースを介して表示画面102のMIPIインターフェースと通信することができる。
【0088】
ステップ507:メインプロセッサ103が、画面を制御することを要求するために、コプロセッサ104に割り込み要求を送信する。具体的には、コプロセッサ104は、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替えることを要求される。
【0089】
ステップ508:コプロセッサ104が、最初に、メインプロセッサ103により送信された割り込み要求を受信した後、割り込み要求に応答して表示画面102の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。
【0090】
例えば、
図6に示すように、メインプロセッサ103は、切り替え要求を送信するように構成されたGPIOインターフェースのレベルをプルアップしてもよく、コプロセッサ104もまた、表示画面102の切り替えスイッチS2を制御するように構成されたGPIOインターフェースのレベルをプルアップする。この場合、切り替えスイッチS2はメインプロセッサ103に切り替えられる。具体的には、表示画面102は、切り替えスイッチS2を介してメインプロセッサ103と通信し、メインプロセッサ103は、表示画面102の関連情報を処理する。表示画面102の処理許可がコプロセッサ104からメインプロセッサ103に切り替えられた後、ステップ509に入る。
【0091】
ステップ509:メインプロセッサ103のメイン仮想タッチドライバ301bが、コプロセッサアプリケーション層302aからユーザのタッチデータを読み取る。ユーザのタッチデータは、表示画面102の処理許可がコプロセッサ104からメインプロセッサ103に成功裏に切り替えられたがタッチパッド101の切り替えが完了していない、換言すれば、表示画面102の処理許可がメインプロセッサ103に切り替えられたがタッチパッド101の処理許可がコプロセッサ104にある処理において、タッチチップ110により生成され、ユーザタッチ操作に対応しているデータである。
【0092】
ユーザの完全なタッチ操作が完了する前、例えば、ユーザの指又はユーザにより保持されたタッチデバイスが画面から上げられる前に、タッチパッド101の処理許可がコプロセッサ104からメインプロセッサ103に切り替えられた場合、ユーザのタッチデータの一部が失われることに留意されたい。結果として、メインプロセッサ103は、タッチデータを完全に受信することができず、したがって、ユーザタッチデータに対応するユーザ操作イベントを正確に解析することができず、さらに、ユーザ操作イベントに正確に応答することができず、それにより、画面切り替え処理において画面上のフリーズが発生し、ユーザ体験が影響を受ける。したがって、コプロセッサ104は、最初に、表示画面102をメインプロセッサ103に切り替え、次いで、ユーザのタッチ操作が完了した後、換言すれば、ユーザの指又はユーザにより保持されたタッチデバイスが画面から上げられた後に、タッチパッド101をメインプロセッサ103に切り替え、ステップ512に入る。
【0093】
ステップ510:メインプロセッサ103のメイン仮想タッチドライバ301bが、ユーザの読み取られたタッチデータをメインプロセッサアプリケーション層302bに報告する。
【0094】
具体的には、タッチパッド101の切り替えが完了する前、タッチパッド101の処理許可はコプロセッサ104に残っている。メインプロセッサ103が、メイン仮想タッチドライバ301bを介してコプロセッサアプリケーション層302aからユーザのタッチデータを読み取った後、ユーザの読み取られたタッチデータは、次いで、処理のためにメインプロセッサアプリケーション層302bに報告される。
【0095】
ステップ511:メインプロセッサアプリケーション層302bが、ユーザのタッチデータを受信した後、ユーザのタッチ操作に応答する。
【0096】
例えば、いくつかの実施形態において、ユーザのタッチデータを受信した後、メインプロセッサアプリケーション層302bは、タッチデータを計算し、タッチデータに対応するユーザのタッチイベントを決定し、次いで、決定されたイベントに従って応答する。
【0097】
例えば、いくつかの実施形態において、メインプロセッサアプリケーション層302bが、ユーザの操作タイプが、ユーザの指が同じものを押し及び保持することであると判断したとき、操作に対応する応答は、スマートウォッチ100の情報記録内の情報が転送される、お気に入りに追加される、編集される、削除される、複数選択される、参照される、などを意味する。
【0098】
ステップ512:コプロセッサ104が、表示画面102をメインプロセッサ103に切り替えた後、現在のタッチ操作が終了したかどうかを判断する。処理が終了した場合、それは、タッチパッド101をメインプロセッサ103に切り替えることができることを示し、ステップ513に入る。そうでない場合、それは、タッチパッド101を一時的にメインプロセッサ103に切り替えることができないことを示し、ステップ509に戻る。
【0099】
いくつかの実施形態において、コプロセッサ104は、ユーザの指が画面を離れた時間とユーザが画面にタッチし始めた時間との間の差が指定された時間閾値より大きいかどうかを判断することにより、タッチ操作が終了したかどうかを判断してもよい。例えば、スライド操作の時間閾値が10ミリ秒に設定されると仮定し、ユーザの指が画面を離れた時間とユーザが画面にタッチし始めた時間との間の時間差が10ミリ秒より大きい場合、コプロセッサ104はスライド操作が終了したと判断することができ、あるいは、コプロセッサ104は1つのスライド操作が完了していないと判断する。
【0100】
ステップ513:コプロセッサ104が、現在のタッチが終了したと判断した後、タッチパッド101をメインプロセッサ103に切り替える。
【0101】
例えば、
図2に示すように、コプロセッサ104は、メインプロセッサ103に切り替えるようにタッチパッド101の切り替えスイッチS1を制御し、それにより、タッチパッド101のI2Cインターフェースはメインプロセッサ103のI2Cインターフェースと通信し、換言すれば、タッチパッド101はメインプロセッサ103に切り替えられる。
【0102】
ステップ514:メインプロセッサ103が成功裏に画面を制御した(具体的には、メインプロセッサ103が表示画面102及びタッチパッド101の関連情報を処理した)とき、換言すれば、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がメインプロセッサ103に成功裏に切り替えられた場合に、ユーザが画面を再びタッチした場合、メインプロセッサ103は、タッチチップ110により生成され、ユーザの再タッチに対応しているタッチデータを、タッチチップ110から読み取る。
【0103】
ユーザが画面を再びタッチした場合、スマートウォッチ100のタッチチップ110は、メインプロセッサ103のメインタッチドライバ301cに割り込みメッセージを報告する。割り込みメッセージは、タッチチップ110がユーザの再タッチ操作を受け取ったときに生成されるトリガ信号である。割り込みメッセージが存在する場合、それは、ユーザがタッチパッド101上でタッチ操作を開始したことを示し、ステップ515に入る。割り込みメッセージが存在しない場合、それは、ユーザがタッチパッド101上で再タッチ操作を実行しないことを示す。タッチチップ110は、ユーザの再タッチデータを生成するようにトリガされず、処理は終了する。
【0104】
ステップ515:メインプロセッサ103のメインタッチドライバ301cが、ユーザの再タッチを示す割り込みメッセージを受信した後、タッチチップ110から再タッチデータを読み取る。
【0105】
例えば、割り込みメッセージを受信した後、メインタッチドライバ301cは、シリアルペリフェラルインターフェース(Serial Peripheral Interface、SPI)を介してタッチチップ110からタッチデータを読み取る。
【0106】
ステップ516:メインプロセッサ103のメインタッチドライバ301cが、読み取った再タッチデータを処理のためにメインプロセッサアプリケーション層302bに報告する。
【0107】
ステップ517:メインプロセッサアプリケーション層302bが、ユーザの再タッチデータを受信した後、ユーザの再タッチ操作に応答する。
【0108】
例えば、ユーザの再タッチデータを受信した後、メインプロセッサアプリケーション層302bは、再タッチデータを計算し、再タッチデータに対応するユーザのタッチイベントを決定し、次いで、決定されたイベントに基づいて応答する。例えば、メインプロセッサアプリケーション層302bは、ユーザが画面上でタップしたデータを識別し、ユーザの操作が、スマートウォッチ100の画面の異なる位置におけるユーザの指による連続的なタッチ及び保持であると判断する。この場合、操作に対応する応答は、スマートウォッチ100が情報記録をドラッグ及びロールし(drags and rolls)て、異なる期間における情報記録を表示することを意味する。
【0109】
例えば、ユーザの指が
図4(b)に示されるスマートウォッチ100の時間インターフェース上をスライドした後、メインプロセッサ103がウェイクアップされ、スマートウォッチ100は、
図4(c)に示されるスマートウォッチ100のデスクトップに入り、デスクトップは、ナビゲーションアイコン、運動アプリケーションアイコン、電卓アイコン、天気アイコン、設定アイコンなどの複数のアプリケーションアイコンを含む。
図4(b)に示されるスマートウォッチ100の時間インターフェース上でユーザの指がスライドする処理において、スマートウォッチ100は、
図5A及び
図5Bに示される画面制御方法を実行することにより、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。次いで、ユーザが画面を再びタッチしたとき、メインプロセッサ103は、タッチチップ110により生成されたユーザのタッチデータを処理し、フレームごとに表示するように表示画面102を制御する。
【0110】
以下では、メインプロセッサ103が画面を制御する(換言すれば、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がメインプロセッサ103にある)場合に、ユーザがスマートウォッチ100のデスクトップ上の設定されたアプリケーションのアイコンをタップし、メインプロセッサ103をトリガして、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をコプロセッサ104に切り替える処理について説明する。
【0111】
設定されたアプリケーションは、コプロセッサ104により処理される必要があるアプリケーション、例えば、より高い使用頻度及びより少ない計算量を特徴とする電卓、タイマ、アラームクロック、又は運動アプリケーションを指す。コプロセッサ104は、頻繁に使用され、長時間使用される前述のアプリケーションを処理するためにメインプロセッサ103に取って代わり、それにより、電力消費を削減することができ、スマートウォッチ100のバッテリ寿命を向上させることができる。
【0112】
例えば、
図7の(a)に示す実施形態において、スマートウォッチ100上に現在表示されているインターフェースはデスクトップであり、デスクトップは、ナビゲーションアイコン、運動アプリケーションアイコン、電卓アイコン、天気アイコン、設定アイコンなどの複数のアプリケーションのアイコンを含む。ユーザが運動アプリケーションのアイコン112をタップした後、スマートウォッチ100は、運動アプリケーションを実行し、
図7の(b)に示され、走行距離及び速度を表示するインターフェースに入る。しかしながら、ユーザランニング走行距離及びペースの現在表示されているインターフェースは、表示画面102を制御するコプロセッサ104により表示される。運動アプリケーションはコプロセッサ104により実行されるため、ユーザが運動アプリケーションのアイコン112をタップした後、スマートウォッチ100の表示画面102及びタッチパッド101は、メインプロセッサ103からコプロセッサ104に切り替えられる必要がある。
【0113】
いくつかの実施形態において、メインプロセッサ103とコプロセッサ104とにより別個に実行されるアプリケーションが表1に示される。
【表1】
【0114】
ナビゲーション、電話、チャット、ショッピング、チケット、写真、及びモバイル支払いなどの、表1に列挙され、メインプロセッサにより実行されるアプリケーションは、通常、サードパーティアプリケーションであり、表1に列挙された運動、電卓、時計、天気、科学的睡眠、スマート心拍数モニタリング、及び血液酸素飽和度などのアプリケーションは、通常、デバイス製造業者により開発されたアプリケーションであることに留意されたい。表1に列挙されたアプリケーション名は、本出願の解決策に対する特定の限定を構成しないことが理解され得る。
【0115】
図1(a)~図(c)、
図2、及び
図6~
図8を参照し、以下では、ユーザがスマートウォッチ100のデスクトップ上の運動アプリケーションのアイコン112をタップした後、メインプロセッサ103が、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をコプロセッサ104に切り替えるようにトリガされる処理について詳細に説明する。
【0116】
図1(b)に示すように、時点t3において、コプロセッサ104がタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替えた後、メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101の関連情報を処理する。時点t4において、ユーザがスマートウォッチ100のデスクトップ上の運動アプリケーションのアイコン112をタップした後、メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101を制御するようにコプロセッサ104に要求するために、画面切り替え割り込み要求をコプロセッサ104に送信するようにトリガされる。メインプロセッサ103により送信された割り込み要求を受信した後、コプロセッサ104は、割り込み要求に応答して、コプロセッサ104と通信するように表示画面102の切り替えスイッチS2を制御する。表示画面102の切り替えが完了した後、タッチパッド101の切り替えスイッチS1が、コプロセッサ104と通信するように制御される。このようにして、メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をコプロセッサ104に切り替え、コプロセッサ104は、ユーザのタッチデータを読み取り及び処理し、フレームごとに表示するように表示画面102を制御することを担当する。具体的には、
図8に示されるように、ユーザがスマートウォッチ100のデスクトップ上の運動アプリケーションのアイコン112をタップした後、メインプロセッサ103が表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をコプロセッサ104に切り替える処理は、以下のステップを含む。
【0117】
ステップ801:スマートウォッチ100の運動アプリケーションが、メインプロセッサ103に画面オフ命令を送信する。メインプロセッサ103は、画面オフ命令を受信した後、ステップ802及びステップ803を同時に実行する。
【0118】
ステップ802:メインプロセッサ103が、内部MIPIインターフェースの電源オフを完了する。具体的には、メインプロセッサ103のMIPIインターフェースと表示画面102のMIPIインターフェースとの間の接続を切断するために、メインプロセッサ103及び表示画面102の切り替えスイッチS2に接続されたハードウェアインターフェースの電源オフが完了する。
【0119】
ステップ803:メインプロセッサ103が、画面切り替えのためにコプロセッサ104に割り込み要求を送信し、具体的には、メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103からコプロセッサ104に切り替えるようにコプロセッサ104に要求する。
【0120】
ステップ804:コプロセッサ104が、画面切り替え割り込み要求を受信した後、画面切り替え割り込み要求に応答して表示画面102の処理許可をメインプロセッサ103からコプロセッサ104に切り替える。
【0121】
例えば、
図6に示すように、メインプロセッサ103は、切り替え要求を送信するように構成されたメインプロセッサ103のGPIOインターフェースのレベルをプルダウンしてもよく、コプロセッサ104もまた、表示画面102の切り替えスイッチS2を制御するように構成されたGPIOインターフェースのレベルをプルダウンする。この場合、切り替えスイッチS2はコプロセッサ104に切り替えられる。具体的には、表示画面102は切り替えスイッチS2を介してコプロセッサ104と通信し、コプロセッサ104は表示画面102の関連情報を処理する。
【0122】
ステップ805:表示画面102の切り替えが完了した後、コプロセッサ104は、タッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103からコプロセッサ104に切り替える。
【0123】
例えば、
図2に示すように、コプロセッサ104は、コプロセッサ104に切り替えるようにタッチパッド101の切り替えスイッチS1を制御し、それにより、タッチパッド101のI2Cインターフェースはコプロセッサ104のI2Cインターフェースと通信する。したがって、コプロセッサ104はタッチパッド101と通信し、ユーザがスマートウォッチ100の画面をタッチしたとき、コプロセッサ104は、タッチチップ110により生成され、ユーザのタッチ操作に対応するタッチデータを読み取り、処理する。
【0124】
上述したように、
図5A及び
図5Bに示される、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がコプロセッサ104からメインプロセッサ103に切り替えられる処理、並びに
図8に示される、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可がメインプロセッサ103からコプロセッサ104に切り替えられる処理が説明された後、以下では、スマートウォッチ100を一例として引き続き使用して、本出願によるシステム相互作用方法について説明する。例えば、スマートウォッチ100は、
図9に示されるシステム相互作用方法を実行して、異なるシナリオにおけるスマートウォッチ100のメインプロセッサ103とコプロセッサ104との間の切り替えを実現する。
【0125】
メインプロセッサ103とコプロセッサ104との間で切り替えるとき、スマートウォッチ100は、例えば、
図5A及び
図5Bに示される画面制御方法を実行することにより、表示画面102及びタッチパッド101をコプロセッサ104からメインプロセッサ103に切り替えてもよいことが理解され得る。さらに、スマートウォッチ100は、例えば、
図8に示される画面制御方法を実行することにより、表示画面102及びタッチパッド101をメインプロセッサ103からコプロセッサ104に切り替えてもよい。具体的には、
図9に示すように、本出願によるシステム相互作用方法は、以下のステップを含む。
【0126】
ステップ901:休止状態におけるスマートウォッチ100がコプロセッサ104をウェイクアップし、コプロセッサ104は、ユーザの設定操作を検出した後、表示画面102及びタッチパッド101に関連する情報を処理する。
【0127】
ユーザの設定操作は、ユーザがスマートウォッチ100を装着している手首を上げる、ユーザがスマートウォッチ100のボタンを押す、又はユーザが音声命令を介してウェイクアップするようにスマートウォッチ100に指示する操作であってよい。これは本出願において限定されない。
【0128】
表示画面102及びタッチパッド101の関連情報は、これらに限られないが、1つ以上のタイプのデータ、例えば、ユーザタッチ操作に対応するタッチデータ;1つ以上のタイプの命令、例えば、
図5Aによる一実施形態において、コプロセッサアプリケーション層によりメインプロセッサに送信されるウェイクアップ命令;1つ以上のタイプのメッセージ、例えば、
図5Aによるいくつかの実施形態において、タッチチップ110によりコタッチドライバ301aに送信される割り込みメッセージ;及び、1つ以上のタイプの通知、1つ以上のタイプの要求、1つ以上のタイプの応答、1つ以上のタイプの信号などを含む。
【0129】
ステップ902:コプロセッサ104が、ユーザのタッチ操作があるかどうかを判断する。ユーザのタッチ操作がある場合、それは、コプロセッサ104がユーザのタッチ操作を検出したことを示し、ステップ903aに入る。ユーザのタッチ操作がない場合、それは、コプロセッサ104がユーザのタッチ操作を検出していないことを示し、ステップ903bに入る。
【0130】
例えば、いくつかの実施形態において、タッチチップ110がユーザのタッチ操作を検出した後、タッチチップ110は、割り込みメッセージをコプロセッサ104に送信する。割り込みメッセージは、タッチチップ110がユーザのタッチ操作を受け取ったときに生成されるトリガ信号である。割り込みメッセージが存在する場合、それは、ユーザがタッチパッド101上でタッチ操作を開始したことを示し、ステップ903aが実行される。割り込みメッセージが存在しない場合、それは、ユーザがタッチパッド101上でタッチ操作を実行していないことを示し、ステップ903bに入る。
【0131】
ステップ903a:コプロセッサ104がメインプロセッサ103をウェイクアップし、コプロセッサ104は、ユーザのタッチ操作を検出した後、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替える。
【0132】
例えば、いくつかの実施形態において、タッチチップ110は、タッチデータを生成し、割り込みメッセージをコプロセッサ104のコタッチドライバ301aに送信する。割り込みメッセージを受信した後、コタッチドライバ301aは、タッチチップ110からタッチデータを読み取り、読み取ったタッチデータをコプロセッサアプリケーション層302aに報告する。タッチデータを受信した後、コプロセッサアプリケーション層302aは、メインプロセッサ103にウェイクアップ命令を送信する。ウェイクアップ命令を受信した後、メインプロセッサ103は、内部電源オンを完了し、割り込み要求をコプロセッサ104に送信し、換言すれば、メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101の処理許可をメインプロセッサ103に切り替えるようコプロセッサ104に要求する。メインプロセッサ103により送信された割り込み要求を受信した後、コプロセッサ104は、最初に、表示画面102をメインプロセッサ103に切り替える。表示画面102の切り替えが完了したが、タッチパッド101が一時的に切り替えられていないとき、画面切り替えの処理における画面上のフリーズの問題を回避するために、コプロセッサアプリケーション層302aは、タッチデータをメインプロセッサ103のメイン仮想タッチドライバ301bに送信する。ユーザの現在のタッチが終了した後、コプロセッサ104は、タッチパッド101をメインプロセッサ103に切り替える。詳細な処理については、
図5A及び
図5Bに示される画面制御方法の部分の前述のテキスト説明を参照する。詳細はここで再度説明されない。
【0133】
ステップ903b:スマートウォッチ100が、タイムアウトにより画面をオフにする。コプロセッサ104がウェイクアップされた後、ユーザのタッチ操作が設定時間内に検出されない場合、コプロセッサ104は、画面をオフにするように表示画面102を制御するために、画面オフ命令を表示画面102に送信する。例えば、ウェイクアップされた後、コプロセッサ104は、点灯するように表示画面102を制御し、ユーザのタッチ操作が5秒以内に検出されない。この場合、コプロセッサ104は休止状態に入る。メインプロセッサ103は休止状態に引き続きとどまり、表示画面102はオフになる。
【0134】
ステップ904:メインプロセッサ103が、設定されたアプリケーションに対する対話操作があるかどうかを判断する。設定されたアプリケーションに対する対話操作がある場合、それは、メインプロセッサ103が設定されたアプリケーションに対してユーザにより実行された対話操作を検出したことを示し、ステップ905に入る。そうでない場合、それは、メインプロセッサ103が設定されたアプリケーションに対するユーザの対話操作を検出していないことを示す。いくつかの実施形態において、ユーザの操作が設定時間内に検出されない場合、メインプロセッサ103は、タイムアウトにより画面をオフにする。
【0135】
設定されたアプリケーションは、コプロセッサ104により処理される必要があるアプリケーション、例えば、より高い使用頻度及びより少ない計算量を特徴とする電卓、タイマ、アラームクロック、又は運動アプリケーションを指す。コプロセッサ104は、頻繁に使用され、長時間使用される前述のアプリケーションを処理するためにメインプロセッサ103に取って代わり、それにより、電力消費を削減することができ、スマートウォッチ100のバッテリ寿命を向上させることができる。
【0136】
ステップ905:メインプロセッサ103がコプロセッサ104をウェイクアップし、メインプロセッサ103は、表示画面102及びタッチパッド101をコプロセッサ104に切り替える。
【0137】
例えば、ユーザは、スマートウォッチ100の運動アプリケーションをタップし、スマートウォッチ100の運動アプリケーションは、メインプロセッサ103に画面オフ命令を送信する。画面オフ命令を受信した後、メインプロセッサ103は、内部MIPIインターフェースの電源オフを完了し、具体的には、メインプロセッサ103のMIPIインターフェースと表示画面102のMIPIインターフェースとの間の接続を切断するために、メインプロセッサ103及び表示画面102の切り替えスイッチS2に接続されたハードウェアインターフェースの電源オフが完了する。さらに、メインプロセッサ103は、画面切り替えのために割り込み要求をコプロセッサ104に送信し、具体的には、表示画面102及びタッチパッド101を切り替えるように要求する。コプロセッサ104は、画面切り替え割り込み要求に応答して表示画面102を切り替える。表示画面102の切り替えが完了した後、タッチパッド101が切り替えられる。詳細な処理については、
図8に示される画面制御方法の部分の前述のテキスト説明を参照する。詳細はここで再度説明されない。
【0138】
本出願において開示される実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの実装方法の組み合わせで実装され得る。本出願の実施形態は、プログラマブルシステムで実行されるコンピュータプログラム又はプログラムコードとして実装されてもよい。プログラマブルシステムは、少なくとも1つのプロセッサ、ストレージシステム(揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及び/又は記憶要素を含む)、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスを含む。
【0139】
プログラムコードは、本出願で説明される機能を実行し、出力情報を生成するために、入力命令に適用されてもよい。出力情報は、既知の方法で1つ以上の出力デバイスに適用されてもよい。本出願の目的のために、処理システムは、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、又はマイクロプロセッサなどのプロセッサを有する任意のシステムを含む。
【0140】
プログラムコードは、処理システムと通信するために、高水準プログラミング言語又はオブジェクト指向プログラミング言語で実装されてもよい。プログラムコードは、必要に応じて、アセンブリ言語又はマシン語で実装することもできる。本出願で説明されるメカニズムは、任意の特定のプログラミング言語の範囲に限定されない。いずれの場合も、言語は、コンパイル型言語又は解釈型言語でもよい。
【0141】
いくつかの場合、開示された実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実装され得る。開示された実施形態はまた、1つ以上のプロセッサにより読み取られ、実行され得る、1つ以上の一時的又は非一時的マシン読取可能(例えば、コンピュータ読取可能)記憶媒体により搬送され又は該記憶媒体上に記憶される命令として実装されてもよい。例えば、命令は、ネットワークを通じて、又は他のコンピュータ読取可能媒体を介して配布することができる。したがって、マシン読取可能媒体は、これらに限られないが、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、読取専用メモリ(CD-ROM)、磁気光ディスク、読取専用メモリ(Read Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random access memory、RAM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(Erasable Programmable Read-Only Memory、EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は電気的、光学的、音響的若しくは他の形態の送信信号(例えば、搬送波、赤外線信号、及びデジタル信号)を用いてインターネットを介して情報を送信するように構成された有形マシン読取可能メモリを含む、マシン(例えば、コンピュータ)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意のメカニズムを含んでもよい。したがって、マシン読取可能媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)により読み取り可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに適した任意のタイプのマシン読取可能媒体を含む。
【0142】
図面において、いくつかの構造的又は方法の特徴は、特定の配置及び/又はシーケンスで示されることがある。しかしながら、そのような特定の配置及び/又はシーケンスは必要とされない場合があることを理解されたい。むしろ、いくつかの実施形態において、特徴は、例示的な図面に示される以外の方法及び/又は順序で配置されてもよい。さらに、特定の図における構造的又は方法の特徴の包含は、そのような特徴が全ての実施形態において必要とされることを示すことを意味せず、いくつかの実施形態において、これらの特徴は含まれなくてもよく、あるいは他の特徴と組み合わせられてもよい。
【0143】
本出願のデバイス実施形態において言及される全てのユニット/モジュールは、論理ユニット/モジュールであることに留意されたい。物理的に、1つの論理ユニット/モジュールは1つの物理ユニット/モジュールでもよく、あるいは1つの物理ユニット/モジュールの一部でもよく、あるいは複数の物理ユニット/モジュールの組み合わせにより実現されてもよい。これらの論理ユニット/モジュールの物理的実装は最も重要なわけではなく、これらの論理ユニット/モジュールにより実装される機能の組み合わせは、本出願において提起される技術的問題を解決するための鍵である。さらに、本出願の革新的な部分を強調するために、本出願の前述のデバイス実施形態は、本出願において提案される技術的問題を解決することに密接に関連しないユニット/モジュールを導入していない。これは、前述のデバイス実施形態に他のユニット/モジュールが存在しないことを示すわけではない。
【0144】
本特許の例及び明細書において、第1及び第2などの関係用語は、単に1つのエンティティ又は動作を別のエンティティ又は動作から区別するために使用され、これらのエンティティ又は動作間における任意のそのような実際の関係又は順序を必ずしも必要とし又は示すものではないことに留意されたい。さらに、用語「含む(include)」、「含む(include)」、又は任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図され、それにより、一連の要素を含む処理、方法、物品、又はデバイスは、そのような要素を含むだけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含み、あるいは、処理、方法、物品、又はデバイスに固有の要素をさらに含み得る。さらなる限定なしに、「一の~を含む(include a/an)」により限定される要素は、その要素を含む処理、方法、物品、又はデバイス内に他の同じ要素が存在することを除外しない。
【0145】
本出願は、本出願のいくつかの好ましい実施形態を参照して例示及び説明されたが、本出願の主旨及び範囲から逸脱することなく、これらに対して形態及び詳細において様々な変更がなされ得ることを当業者に理解されたい。