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特許7548675電力変換器中で使用するための冷却システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電力変換器中で使用するための冷却システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240903BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021556237
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 CA2020050354
(87)【国際公開番号】W WO2020186349
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】62/820,085
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】521146436
【氏名又は名称】ディーシーベル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァヘディ、ハニ
(72)【発明者】
【氏名】フォルゲ、マルク - アンドレ
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-223033(JP,A)
【文献】特開2013-078216(JP,A)
【文献】特開2009-033859(JP,A)
【文献】特開2015-186362(JP,A)
【文献】特開2015-070713(JP,A)
【文献】実開平06-057092(JP,U)
【文献】国際公開第2018/138532(WO,A1)
【文献】特開2007-234752(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0096066(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1037875(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ACポート(18)と、
少なくとも1つのDCポート(12、14)と、
シャシ(1102)
前記シャシー(1102)中に取り付けられて、少なくとも1つのコントローラ(410)に接続された、少なくとも1つの電力変換モジュール(100)であって、前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)が、前記少なくとも1つのコントローラ(410)によってスイッチング周波数において駆動されるいくつかの半導体電源スイッチと、少なくとも1つのインダクタ(1802)と、前記ACポート(18)のためのコネクタ(908)と、前記少なくとも1つのDCポート(12、14)のためのコネクタ(902)とを備える、少なくとも1つの電力変換モジュールと、
前記電源スイッチを冷却するための、前記少なくとも1つの電力変換モジュールの各々に取り付けられたヒート・シンクと、
前記スイッチング周波数において駆動されるとき、前記電源スイッチからの熱を放散するための第1の冷却システム(1808)と、
前記電源スイッチが前記スイッチング周波数において駆動されるとき、少なくとも、前記少なくとも1つのインダクタ(1802)からの熱を放散するための第2の冷却システム(1810)と
を備え、
前記少なくとも1つのコントローラ(410)は、前記第1の冷却システム(1808)の熱放散容量と前記第2の冷却システム(1810)の熱放散容量に対応し、これらを超えるのを防ぐために、前記スイッチング周波数を調整するように構成される、
電力変換装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)が双方向電力変換モジュールである、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのDCポート(12、14)が少なくとも2つのDCポートである、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)が少なくとも2つの変換モジュールであり、前記変換装置がDC-DC充電を与える、請求項1から3までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのインダクタ(1802)と、インダクタ・ヒート・シンク及び冷却流体サーキュレータのうちの1つ又は複数とを備える、前記モジュール(100)とは別個のコンパートメントをさらに備える、請求項1から4までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)がマルチレベル整流器/インバータ回路である、請求項1から5までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1の冷却システム(1808)が、フィンを用いてブロック・ヒート・シンク上に空気を吹き付けるように構成され、第1のエア・ダクト中に取り付けられた、第1のファンを備える、請求項1から6までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記第2の冷却システム(1810)が、第2のエア・ダクト内に少なくとも前記少なくとも1つのインダクタ(1802)上に空気を吹き付けるように構成された第2のファンを備える、請求項7に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第2の冷却システム(1810)が相変化材料冷却システムである、請求項1から8までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記第2の冷却システム(1810)が液体冷却システムである、請求項1から8までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
複数のモジュール・コネクタ(114)を有するコネクタ・バックプレーン(22)をさらに備え、前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)が、前記モジュール・コネクタ(114)に接続する変換モジュールである、請求項1から10までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)がバック/ブーストDC-DC変換器回路を備える、請求項1から11までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記第2のファンからの流れの方向をオフボード構成要素上に変えるためのバッフルをさらに備える、請求項8に記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのインダクタ(1802)がトロイダル・インダクタである、請求項1から13までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項15】
少なくとも1つのオフボード構成要素といくつかの半導体電源スイッチとを備える少なくとも1つの電力変換モジュールを有する電力変換器を提供するための方法であって、
前記少なくとも1つの電力変換モジュール(100)の前記いくつかの半導体電源スイッチのスイッチング周波数を選択すること(1502)と、
前記選択されたスイッチング周波数において前記スイッチから生成される熱に基づいて、前記いくつかの半導体電源スイッチのための第1の冷却能力を有する第1の冷却システム(1808)を提供すること(1504)と、
前記選択されたスイッチング周波数において前記少なくとも1つのオフボード構成要素によって生成される熱に基づいて、前記少なくとも1つのオフボード構成要素のための第2の冷却能力を有する第2の冷却システム(1810)を提供すること(1506)と、
前記第1の冷却システム(1808)の熱放散容量と前記第2の冷却システム(1810)の熱放散容量に対応し、これらを超えるのを防ぐために、前記スイッチング周波数を調整すること(1508)と
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2019年3月18日に出願した米国仮特許出願第62/820,085号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、住宅目的など、異なる目的のために使用される整流器及びインバータなど、電力変換器の分野に関する。本発明は、さらに、電力変換器において使用される冷却システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電力変換器の一実例は、通し番号PCT/カナダ第2018/051291号(公報番号国際公開/第2019/071359号)を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されており、AC電力に加えて、家庭用充電ユニットのためのDC電力を提供することが可能である。
【0004】
そのようなマルチレベル電力変換回路は、電力変換を実行するためにパワー半導体スイッチのバンクを使用し、スイッチは、開から閉への及びその逆のそれらの遷移を行っている間に熱を生成する。そのような電力変換回路では、スイッチング速度が増加すると、インダクタ及びキャパシタのサイズが縮小され得、そのような構成要素中で放散される熱の量も低減され得る。しかしながら、電源スイッチによって生成される熱はスイッチング周波数に比例する。
【0005】
電力変換器の故障を防ぐためには、電力変換器の冷却が重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際PCT特許出願、通し番号PCT/カナダ(CA)第2018/051291号(公報番号国際公開(WO)/第2019/071359号)
【文献】国際PCT特許出願、通し番号PCT/カナダ第2018/05129号(公報番号国際公開/第2019/071359号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願人は、電力変換器に、熱生成の第1のレベルの放散を管理するために、その電力変換器の電源スイッチのための第1の冷却システムと、熱生成の第2のレベルの放散を管理するために、その電力変換器のインダクタ及び/又はキャパシタのための第2の冷却システムとが与えられ得、電力変換器中の電源スイッチのスイッチング周波数が、第1の冷却システムの熱放散容量に対応するように選択され、第2の冷却システムの熱放散容量が、選択されたスイッチング周波数の条件の下で熱生成の第2のレベルに対応するように選択されることを発見した。熱生成の第1のレベルは、一般に、第2のレベルよりもはるかに大きい。しかしながら、電源スイッチのスイッチング周波数を下げることによって、第2のレベルはかなり大きくなるが、第1のレベルは、管理することがより容易になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、別個に又は組み合わせて適用され得る相補的な改善を提供する。それらの改善は、フィルタ処理及びオフボード構成要素を受けるための別個のセグメントをもつハウジング、並びにスイッチとオフボード構成要素とを冷却するための高度の冷却システムを含む、新規の画期的な特徴の使用に関する。
【0009】
1つの広義の態様では、本開示は、ハウジングと、いずれかがAC又はDCであり得る、ソースからの電流を受け取り、負荷に供給するための2つ以上の電気ポートとを備える、電力変換装置を提供する。本開示はまた、スイッチを有し、前記ハウジング内に取り付けられた、電気ポートに接続することができる1つ又は複数の電力変換回路と、前記少なくとも1つの電力変換モジュールのオフボード構成要素を受けるための、ハウジングの残部から少なくとも部分的に分離されたコンパートメントと、前記少なくとも1つのスイッチによって生成された熱を伝達するためにスイッチのうちの少なくとも1つに取り付けるためのヒート・シンクとを有し、前記コンパートメントは、前記オフボード構成要素が少なくとも1つの変換モジュールに接続することを可能にし、前記コンパートメントは、前記オフボード構成要素のための追加の冷却システムを有する。
【0010】
いくつかの実施例では、追加の冷却システムは、空冷システム、フィン冷却システム、相変化材料冷却システム又は液体冷却システムなど、当技術分野で知られている任意の冷却システムであり得る。
【0011】
いくつかの実施例では、変換器中で使用される電力変換回路のうちの1つ又は複数は双方向電力変換器であり得る。
【0012】
いくつかの実施例では、変換回路はマルチレベル回路であり得る。一実施例では、変換器回路又はモジュールは、3、5又は7レベル・トポロジーを含むマルチレベル変換器トポロジーであり得る。この新規の5レベル・トポロジーの詳細は、公報番号国際公開/第2019/071359号をもつ通し番号PCT/カナダ第2018/051291号を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されている。
【0013】
変換器は、AC-DC、DC-AC若しくはDC-DC、又はスイッチングを使用する分離回路を含む任意のタイプの変換回路であり得る。
【0014】
一実例では、変換器は、複数のモジュール・コネクタを有するコネクタ・バックプレーンを含み得、電力変換回路は、前記モジュール・コネクタに直接か或いはケーブル又はソケットなどの接続手段を介して接続するモジュール変換器である。
【0015】
いくつかの実施例では、電力変換装置は、バック(buck)/ブーストDC-DC変換器回路を備える電力変換回路を有し得る。
【0016】
例示的な一実施例では、変換器は、構成要素の冷却を助けるために、空気ファンなど、前記液体冷却システムからの流れの方向をオフボード構成要素上に変えるための1つ又は複数のバッフルを有し得る。
【0017】
変換器は、変換器の冷却のために液体冷却システムを使用し得ること、及び追加の冷却システムは、特定のエリア上に空気又は液体を集中させることによって形成され得ることが当業者によって諒解されるであろう。
【0018】
いくつかの実施例では、コンパートメントは、追加のファンをもつ追加の冷却システムをもつハウジングの指定された一部であり得る。一実施例では、ディバイダ・プレートが前記少なくとも1つの変換回路からコンパートメントを分離し得る。
【0019】
他の実例では、コンパートメントは、壁とセパレータとを有する完全に分離されたコンパートメントであり得る。
【0020】
いくつかの実施例では、オフボード構成要素は、変換器回路のためのトロイダル・インダクタであるか、DC-DC変換器であるか、或いは追加の冷却を必要とするか、又は変換器回路上に配置されるのにスペースを取りすぎると考えられ得る、変換器回路の任意の他の部品であり得る。
【0021】
本開示のいくつかの実例では、ヒート・シンクは、熱エポキシなど、熱界面材料を使用してスイッチのうちの1つ又は複数に取り付けられ得る。
【0022】
本開示のいくつかの実例では、オフボード構成要素は少なくとも1つの2次ヒート・シンクに接続される。2次ヒート・シンクは、オフボード構成要素のために使用される唯一の冷却機構であるか、又は、本明細書で開示する任意の他の冷却技法と組み合わせて使用され得る。2次ヒート・シンクへの接続は、熱伝導性パッド又は熱エポキシを使用しても行われ得る。
【0023】
一実施例では、電力変換回路は整流器回路であり得、整流器回路は、前記ACポートに接続されたAC入力と、電力を蓄積するための少なくとも1つの高電圧キャパシタと、前記AC入力と直列に接続されたインダクタと、低電圧キャパシタと、第1のAC入力端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの高電圧スイッチと、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの中間低電圧電源スイッチと、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と第2のAC端子との間に接続された2つの端子低電圧電源スイッチとを備え、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部にDC負荷が接続され得、変換器コントローラからの基準信号を受信する変調器と、前記少なくとも1つの比較信号を受信し、状態信号を出力する状態選択回路と、前記状態信号を受信し、前記電源スイッチのゲートに接続されたスイッチング・パルス生成器とを備える。変換器回路の一実例では、変換器回路は整流器回路であり、2つの高電圧スイッチはダイオードであり得る。
【0024】
他の一実例では、変換回路は双方向整流器/インバータ回路であり得、前記インダクタは前記AC入力と直列に接続され、前記低電圧キャパシタ、前記2つの高電圧電源スイッチは、前記ACポートの前記第1のAC端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、前記2つの中間低電圧電源スイッチは、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、前記2つの端子低電圧電源スイッチは、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と前記ACポートの前記第2のAC端子との間に接続され、前記複数のDCポートの各々は前記高電圧キャパシタの対向する端部に接続され、前記コントローラは、インバータ・モードにおいて、前記低電圧キャパシタを前記DCポート及び前記ACポートと直列接続させ、前記DCポートの電圧に比例する所定の値まで充電させるための第1の制御信号と、前記低電圧キャパシタをDCポートから切断させ、ACポートと直列接続させ、それにより低電圧キャパシタを放電させるための第2の制御信号とを含む信号波形を生成し、その信号波形を2つの高電圧電源スイッチと前記2つの中間低電圧電源スイッチと前記2つの端子低電圧電源スイッチとに印加するように働く。
【0025】
いくつかの実施例では、コネクタ・バックプレーンは変換回路とオフボード構成要素との間の1つ又は複数の接続を与え得る。このことは、一連の内部スイッチを使用することによって達成され得る。
【0026】
別の改善例では、本開示は、独立した冷却システムを用いて支持される本開示の画期的なオフボード・インダクタのおかげで改善された冷却能力をもつ変換器デバイスを提供する。回路板は、ボードの縁部に沿って取り付けられ、熱交換部(heat exchange)、たとえば、冷却フィンを有するヒート・シンクと熱接触している電源スイッチをもつ電力変換回路を支持することができる。そのような回路板にパワー・インダクタを取り付けることは、インダクタ重量を機械的に支えることと、冷却とについての問題を生じるであろう。変換器デバイスのためのハウジング内の別個のエリア中にインダクタを配置することは好適な解決策であり得る。いくつかの実施例では、ハウジング中の別個のコンパートメントにより、インダクタの冷却がより効率的になり、より良く制御されることが可能になり得る。
【0027】
さらに、各個々の変換器カード又はモジュールは、変換器カード上に搭載された電子構成要素のための追加の冷却を均等に与えるヒート・シンクなど、さらなる冷却機器を装備され得る。空気冷却又は液体冷却が使用され得るが、空気冷却がより簡単である。望まれる場合、ヒート・パイプも使用され得る。
【0028】
さらに、本開示は、フィルタ処理機器及びインダクタのサイズを縮小するために5レベル回路の低雑音性質から恩恵を受け得、その結果、熱の生成がより少なくなり、変換器中でのより多くの基本冷却システムの使用を可能にするとともに、変換器のサイズを縮小する、5レベル変換器回路をもつトロイダル・インダクタの使用を提供する。
【0029】
広義の一態様では、本開示は、ACポートと、少なくとも1つのDCポートと、シャシーと、電源スイッチを有する少なくとも1つの電力変換モジュール又はカードとを備える、電力変換装置を提供する。電力変換モジュールは、シャシー上に載っており、オフボード・インダクタ並びにAC及びDCポートに接続する。本装置はまた、電源スイッチを冷却するための、電力変換モジュールに接続するヒート・シンクを有する。オフボード・インダクタは、それらを冷却するためのヒート・シンク及び/又は冷却流体サーキュレータをもつモジュールとは別個に、一緒にシャシー中に取り付けられる。
【0030】
一実施例では、オフボード・インダクタは、それらを冷却するファンを有する別個のヒート・シンク上に取り付けられ得る。シャシー又はハウジング中で、インダクタは、それ自体の空気の流れ又は冷却をもつ別個のコンパートメント中に配置され得る。
【0031】
いくつかの実施例では、モジュールは、それのスイッチを介してモジュール・ヒート・シンクに接続し得る。ヒート・シンクの冷却効果を改善するために、回路のスイッチのうちの1つ又は複数がヒート・シンクに接続され得ることを意味する。
【0032】
いくつかの実施例では、電力変換モジュールは、AC出力とDC出力とを与える整流器とインバータの両方として使用され得る双方向電力変換モジュールであり得る。これにより、充電に加えて、車又はソーラー・パネル又は任意の他のDC電源からのDC電流を受け取り、その電流を使用のためにACに変換する可能性を与えるためのユニットが得られる。
【0033】
いくつかの実施例では、変換装置は2つ以上のDCポートを有する。このことは、シャシー内に、複数の出力部をもつ1つの変換カード、又は複数のカードを有することによって達成され得る。
【0034】
一実施例では、インダクタは、専らインダクタ・コンパートメントを冷却するための別個のファンの使用によって空気などの冷却液のより容易な循環を可能にする、デバイスの残部とは別個のコンパートメントを有する。
【0035】
いくつかの実施例では、電力変換カードはマルチレベル整流器/インバータ回路であり得る。一実施例では、電力変換モジュールは、ブーストされた電圧において電力を蓄積するための1つの高電圧キャパシタと、回路とを備える。回路は、ACポートと直列に接続された1つのインダクタと、低電圧キャパシタと、第1のAC入力端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの高電圧スイッチと、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの中間低電圧スイッチと、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と第2のAC端子との間に接続された2つの端子低電圧スイッチとを備え、前記高電圧キャパシタの対向する端部にDC負荷が接続され得、前記回路は、前記回路中の電流及び/又は電圧を感知するための少なくとも1つのセンサーを有し、前記2つの中間低電圧スイッチと前記2つの端子低電圧電源スイッチとのゲート入力に接続されたコントローラを備える。任意の複数レベル変換回路を含む任意の電力変換システムが代替的に使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0036】
一実施例では、コントローラ・マルチレベル整流器/インバータ回路は、整流器/インバータ回路を、前記高電圧キャパシタの電圧が前記AC入力のピーク電圧よりも高いブースト・モードにおいて動作させるために動作可能であり、前記2つの中間低電圧電源スイッチ及び前記2つの端子低電圧電源スイッチは、前記低電圧キャパシタに存在する電圧の測定に応答して、前記低電圧キャパシタを前記高電圧キャパシタのための所望の電圧の所定の比率に維持し、このようにして前記高電圧キャパシタを所望の高電圧に維持するように、冗長スイッチング状態で切り替えられ、前記整流器回路は、前記AC入力上の低い高調波をもつ5レベル・アクティブ整流器として、前記DC負荷に給電し、電力を吸収する。
【0037】
いくつかの実施例では、シャシーは、複数のモジュール・ソケットと、モジュール・ソケット中に接続された少なくとも1つの電力変換モジュールとを有する、コネクタ・バックプレーンを備える。
【0038】
いくつかの実施例では、冷却流体サーキュレータ又はファンからの流れの方向をインダクタ上に変えるために、変換器中でバッフルが使用される。これによりインダクタのための冷却がより良くなるであろう。一実施例では、変換装置は、前記インダクティをモジュールから分離するディバイダ・プレートをも含み得る。いくつかの実施例では、使用されるインダクタはトロイダル・インダクタであり得る。
【0039】
一実施例では、電力変換装置は、バック/ブースト・インダクタを有するDC電力を変換するためのバック/ブースト変換器回路をも含み得る。
【0040】
一実例では、バック/ブースト・インダクタは変換回路インダクタと一緒にシャシー中に取り付けられる。
【0041】
いくつかの実施例では、電力変換装置は、モジュールを冷却するために使用され得、熱界面材料を使用して電力変換モジュールに取り付けられた、モジュール・ヒート・シンク空気ファンを有し得る。熱界面材料はモジュールとヒート・シンクとの間の熱伝達を促進する。
【0042】
いくつかの実施例では、変換モジュール・インダクタとバック/ブースト・インダクタの両方を含むインダクタが、熱伝導性パッドを用いて及び/又は熱エポキシを使用してインダクタ・ヒート・シンクに接続され得る。
【0043】
いくつかの実施例では、モジュールとインダクタとを冷却するために空気ファンが使用され得る。いくつかの実施例では、モジュールとインダクタとの別個のファンが使用され得る。
【0044】
より広義の一態様では、本開示は、少なくとも1つのオフボード構成要素といくつかの半導体電源スイッチとを備える、少なくとも1つの電力変換モジュールを有する電力変換器を提供する方法を提供する。本方法は、前記少なくとも1つの電力変換モジュールの前記いくつかの半導体電源スイッチのスイッチング周波数を選択することと、前記選択されたスイッチング周波数において前記スイッチから生成される熱に基づいて、前記スイッチのための第1の冷却能力を有する第1の冷却システムを提供することと、前記選択されたスイッチング周波数において前記少なくとも1つのオフボード構成要素によって生成される熱に基づいて、前記オフボード構成要素のための第2の冷却能力を有する第2の冷却システムを提供することとを含む。
【0045】
いくつかの実例では、本方法は、前記スイッチの第1の温度に基づいて前記第1の冷却システムの前記第1の冷却能力を調整することをさらに含み得る。
【0046】
いくつかの実例では、本方法は、前記少なくとも1つのオフボード構成要素の第2の温度に基づいて前記第2の冷却能力と第2の冷却能力とを調整することをさらに含み得る。
【0047】
本明細書で説明し、以下で特許請求するシステムと、方法と、より広義には技術とが提供される。
【0048】
本実例は、以下のような添付図を参照するとより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1A】ポール・トップ・トランスフォーマ(pole-top transformer)と、負荷センサー及び主回路遮断器パネルをもつ住宅用電気エントリと、パネルと装置との間の240V AC電力線と、電気車両(EV)と装置との間のCANバス接続をもつ、本装置とEVとの間に延びる2つのケーブル接続と、ソーラー・パネル接続とを含む、家庭用EV充電システムの物理的設置の概略図である。
図1B】本開示の一実施例による、複数のDCポート及びACポートとオフボード構成要素パネルとをもつ電力変換装置を示すブロック図である。
図2A】実装の特定の一実例による、整流器モードにおいて働く5レベル・トポロジー回路をもつ変換回路の回路図を示す図である。
図2B】本開示の一実施例による、インバータ・モードにおいて働く5レベル・トポロジー回路をもつバッテリー装置変換器の回路図を示す図である。
図3】本開示の一実施例による、電力変換器モジュールの概略図である。
図4】本開示の一実施例による、モジュール・ヒート・シンクに接続されたそれらのスイッチを有する2つの電力変換器モジュールの概略図である。
図5】本開示の一実施例による、図3に示された電力変換器モジュールとともに働くバックプレーンの概略図である。
図6】本開示の一実施例による、オフボード構成要素パネルの概略図である。
図7】本発明の一実施例による、シャシー/ハウジングの上部にそれのオフボード構成要素を有する電力変換装置の斜視図である。
図8】変換モジュール及びインダクタ・ヒート・シンクが露出した、図7に示された電力変換装置の斜視図である。
図9】一実施例による、インダクタ・ヒート・シンクが装置の背面から露出した、バッフルと分離パネルとを有する、図7に示された電力変換装置の上面斜視図である。
図10】本開示の一実施例による、電力変換器を動作させるために取られるステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本明細書全体にわたる「一実施例(one embodiment)」、「一実施例(an embodiment)」、又は同様の文言への言及は、その実施例に関して説明した特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例中に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる「一実施例では(in one embodiment)」、「一実施例では(in an embodiment)」というフレーズ及び同様の文言の出現は、すべて同じ実施例を指し得るが、必ずしもすべて同じ実施例を指すとは限らない。
【0051】
その上、本発明の説明される特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施例において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変及び変形が本発明に行われ得ることが当業者に明らかになろう。したがって、本発明は、本発明の改変及び変形が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入るという条件で、それらの改変及び変形をカバーすることが意図される。次に、本発明の好ましい実施例に詳細に言及する。
【0052】
図1Aは、北アメリカにおける電力供給の最も一般的なタイプであるように、分割単相主電源が商用ポール・トップ・トランスフォーマから供給される、一実施例の物理的コンテキストを示す。トランスフォーマは、一般に、配電線からの14.4kV又は25kV単相電力を受け取り、トランスフォーマは、少数の家庭又は電気エントリに分相(split phase)240VACとして供給される約50kV~167kVの電力を処理することができる。各電気エントリは、一般に、240VACにおける100Aと200Aとの間の電力、すなわち、約24kVA~48kVA(一般的な仮定は、1kVAは1kWに相当するということである)を処理するように構成される。図示のように、変換装置又はデバイスは、AC接続を介してネットワークに接続しており、複数の車両及び/又はソーラー・パネルに接続することができる。このことは、1つのポートからAC又はDC電力を受け取り、他のポートからAC又はDCを与える機能によってそれを与える、本装置の双方向(整流器/インバータ)の性質のおかげで達成され得る。
【0053】
単相エントリの説明にもかかわらず、本開示の実施例は分割単相240VAC電力システムに限定されないこと、及び、本明細書で開示されるいずれの実施例も、AC電圧を供給する異なる電力網とともに働くように適応され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0054】
電気エントリは、一般に、使用量メータと、合計許容負荷(たとえば100A又は200A)に対応する定格を有する主遮断器と、分相240VAC入力から240VAC電力又は120VAC電力を供給され得る各家庭回路のための回路遮断器を有するパネルとを備える。たいていの回路遮断器は15Aと30Aとの間の容量を有するが、より小さいもの(すなわち10A)であることもあれば、大型器具のための、40Aなど、より大きいものもあり得る。いくつかの国では、電気エントリは、40A~60Aなど、より小さい容量を有し、すべての家庭回路において240VACをもつ国では、電力は分相ではなく、通常の単相240VACである(使用される電圧レベルは約100Vから250Vまで変動し得る)。
【0055】
図1に示されているように、変換装置/変換器は、40A~80Aなど、より大きい電流定格を有する遮断器を通してメイン・パネルの回路遮断器に接続されるが、開示されている装置は、必要な場合、100Aを超えて消費し得る。本装置に固有の回路遮断器の必要性は電気法規によって決定される。本装置をパネルに接続するケーブルはそのような大電流のための定格を与えられる。電気パネルへの接続は直接固定配線であり得るか、又は、ケーブル及びプラグ、たとえば、オーブンや衣類乾燥機のような器具のために使用されるケーブル及びプラグと同様のものを使用して、本装置がパネルに接続するように、高電圧ソケットが設置され、電気パネルに接続され得る。本装置は、本装置を含むパネル全体によって引き出される負荷を感知する単一の負荷センサーに接続されることが示されている。本装置のケーブルは、当技術分野で知られているような、従来装置のケーブル及びプラグであり得る。
【0056】
さらに、図1Aに示されているように、変換器は、ソーラー・パネル、並びに1つ又は複数の電気車両に接続し得る。
【0057】
図1Bは、ACポート18と、複数のDCポート及びEV/DCポート12及び14と、DC/EV入力ポート16と、オフボード構成要素パネル20とをもつ例示的な電力変換装置10を示すブロック図である。図1Aに示されているように、ポート12及び14はEV1及びEV2に接続し得、DC/EVポート16は、ソーラー・パネルによって生成されたDCエネルギーを使用するために、そのソーラー・パネルに接続し得る。
【0058】
いくつかの実施例では、装置10は、複数のDCポートのEV/DCポート12など、第1のポートからのDC電流を受け取り、EV/DCポート14など、第2のポートに可変電圧を供給するように適応され得る。このことは、変換回路モジュール100上のバックプレーン22上に位置するか、或いはバックプレーンに接続するか又は変換回路モジュール100に直接接続し得る別個のスイッチング・モジュール上に位置し得る、複数のスイッチを使用することによって達成され得る。
【0059】
モジュール100は双方向変換モジュールであることが示されているが、整流器、インバータ、DC-DC、バック・ブースト・モジュール、及びサージ・プロテクタ・モジュールなど、任意の他のタイプのモジュールが、必要に応じて、変換器デバイス中で使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0060】
図8に示されているように、一実例では、第1のポート12と第2のポート14とは同じ電力変換回路100上に位置するが、他の実例では、それらのポートは異なる電力変換回路上又は本装置のバックプレーン22上に位置し得る。
【0061】
再び図1Bを参照すると、変換器モジュール100は、(本明細書では、各々が1つのモジュール100に接続する、コネクタ114a、114b、114c、114d、114eとして示されている)コネクタ114を使用してバックプレーン22に接続し得る。変換器10はまた、この実施例ではインダクタを格納する目的のために使用されるオフボード構成要素ボード20から恩恵を受け得る。
【0062】
図2A図2Bは、実装の特定の実例による、電気車両のための変換装置又はデバイス10中で使用され得るタイプの変換回路モジュール100の一実例の詳細を示す。
【0063】
図2Aに示されているように、整流器モードにおいて働く例示的な変換回路100は、AC入力105と、AC入力105と直列に接続された誘導フィルタ110と、5レベル・トポロジー回路115とを備える。
【0064】
いくつかの実例では、この非限定的な実例における誘導フィルタ110は2.5mHインダクタであり得る。好都合なことに、本設計により、一つには誘導フィルタ110の小さいサイズにより、全体的な電力変換回路100の小さい形状が可能になる。誘導フィルタ110は、適用例、電力定格、商用電圧高調波、スイッチング周波数などに基づいて選定される設計に応じて変動し得る。最も簡単なそのようなフィルタは単一のインダクタであるが、代替実施例では、誘導フィルタ110は、インダクタとキャパシタとの組合せ、たとえば、それ自体が接地に接続されたキャパシタ(たとえば30μF)に接続された(たとえば2mH)インダクタを含み得る。フィルタの選定は、設計の全体的なサイズと損失とに影響を及ぼし、大きいフィルタほど、全体的な設計のサイズが増加し、一般に、より多い損失を招く。
【0065】
5レベル回路は、高電圧キャパシタ120と、少なくとも1つの低電圧キャパシタ125と、第1の端子135と高電圧キャパシタ120のそれぞれの対向する端部145a、145bとの間に接続された2つの高電圧電源スイッチ130a、130bと、高電圧キャパシタ120の2つの対向する端部145a、145bのそれぞれと低電圧キャパシタ125のそれぞれの対向する端部155a、155bとの間に各々が接続された2つの中間低電圧電源スイッチ140a、140bと、第2の入力端子160と低電圧キャパシタ125の対向する端部155a、155bのそれぞれとの間に各々が接続された2つの端子低電圧電源スイッチ150a、150bとを備え得る。
【0066】
図2Bに示されているように、電力変換モジュール100は、双方向状態において動作する電源を使用し得る。そのことは、5レベル回路は、図2Aに示されているように、整流器モードにおいて電圧/電流をACからDCに変換するために、又は、AC負荷202とDC電源206とを用いて、図2Bに示されているように、インバータ・モードにおいて電圧/電流をDCからACに変換するために、高電圧電源スイッチ130a、130bを有しなければならず、それらの高電圧電源スイッチ130a、130bを2つのダイオードと置き換えることができないことを意味する。
【0067】
変換器モジュール(モジュール100)の詳細と、変換器モジュール(モジュール100)がどのように働くのかと、変換器モジュール(モジュール100)のスイッチングの詳細とは、公報番号国際公開/第2019/071359号をもつ通し番号PCT/カナダ第2018/05129号を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されている。
【0068】
実際的な実装の場合、電力変換回路100を備える電力変換装置は、ユーザ交換可能なDC車両充電ケーブルと、たとえば、EVにおける標準化されたプラグ/ソケット(すなわち、SAE J1772、ChaDeMo、又は他のもの)を取り付けるための互換フォーマットを有する充電プラグとを備え得る。
【0069】
任意の種類のコネクタがバックプレーンとして使用され得、モジュール・コネクタの目的は、ユーザのために設置プロセスを促進し、簡略化することのみであり、任意の種類のコネクタがそのバックプレーンとして使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0070】
さらに、スクリーンを有し、ユーザが、ユーザ・インターフェースを通して変形態を手動で調整することを可能にするためのアプリケーションを介して、コンピュータ又はセルフォンなど、エンド・デバイスとの有線又は無線接続を有し得る、ユーザ・インターフェースから電力変換装置が恩恵を受け得ることが当業者によって諒解されよう。この調整は、デバイスの充電を優先すること、充電のためのスケジュールを与えること、ソーラー・パネルDCがどのように消費され、分配されるかを管理すること、又は、一日中デバイスの入力及び出力を調整することに関してユーザによって必要とされる任意の他の機能であり得る。
【0071】
その上、AC出力及びDC出力は別個の又は同じ物理的コンセント又はケーブルを使用することができることが当業者によって理解されよう。いくつかの実施例では、コンセントは、車両の充電コントローラと通信することが可能である。
【0072】
本明細書で説明するように、異なる実施例では、電力変換回路100は、インダクタ及びスイッチング要素など、オフボード又はオンボード構成要素を有し得る。さらに、電力変換回路100は、それの中に一体化されたバック/ブースト回路を有し得る。
【0073】
図3は、電力変換器モジュール100が1つのDCポートと1つのACポートとのみを有する、一実施例における電力変換器モジュール100を示す。ポート812及び814は、この実例ではポート814のための誘導フィルタ/インダクタ110とバック/ブースト・インダクタ1012とである、電力変換器モジュール100のオフボード構成要素に、電力変換器モジュール100を接続するために使用され得る。
【0074】
図5は、図3中の電力変換器モジュール100によって使用され得るバックプレーン22の一実例を示す。説明したように、本実施例では、すべてのスイッチングがスイッチング・マトリックス1302を介してバックプレーン22によって行われ得る。この場合も、カード1~5のためのコネクタの5つのシリーズがあり、コネクタの各シリーズは、図3に示されているように、それぞれ、電力変換器モジュール100のポート812、810、802、808及び814を受ける、コネクタ912、910、902、908及び914を有する。
【0075】
次に図4を参照すると、図4は、ボード上のモジュール及びポート・エリアのためのより良い冷却を与えるために、2つのモジュール100のスイッチS1~S8がモジュール・ヒート・シンクに接続される、本開示の一実施例を示す。ACポート808、DCポート802及びデータ・ポート810は、バックプレーン22を使用する代わりに、ケーブルを介して対応するポートに接続され得る。さらに、コントローラ410は、変換器モジュール/回路板の背面上の(図面に示されていない)ポートを通してモジュールに接続する、コントローラ410自体の別個の回路を有し得る。
【0076】
いくつかの実施例では、スイッチの接続は、より良い冷却を与えるために熱界面材料を使用し得る。加熱材料は、熱エポキシなど、一般的に知られており、当技術分野において使用される材料のいずれかであり得る。
【0077】
この実施例では、スイッチング・マトリックスがバックプレーン・コネクタ22上に存在することが示されているが、いくつかの実施例では、スイッチング・マトリックスを有しないことがあるか、又は、異なる順序及び組合せでポートを互いに接続するための追加のスイッチングから恩恵を受け得ることが当業者によって諒解されよう。これらのスイッチングは、モジュール100上に存在するか、又は別個のものとしてバックプレーンに接続され得る。
【0078】
いくつかの実施例では、変換器装置は、モジュールを受けるためのバックプレーン・コネクタ22を有しない。ポート812、810、802、804、806、808及び814は、ACポートとDCポートとに直接接続され得、同様に、パネル20上のオフボード・インダクタ110とオフボード・インダクタ16とのポートに直接接続され得る。
【0079】
図6は、5つのモジュール100のオフボード構成要素のための十分な余地を有するオフボード・パネル20の一実例を示す。一実施例では、図10に示されているように、インダクタ110は、コネクタ1802によってボード20に接続する1つ又は複数のトロイダル・インダクタであり得(本明細書では、3つのトロイダル・インダクタが示されている)、バック/ブースト・インダクタ1012は、別のコネクタ1802を介してボード20に接続するトロイダル・インダクタであり得る。ボード20は、他のタイプのインダクタを含む、異なるタイプのオフボード構成要素を接続するために使用され得る異なるコネクタを有し得ることが当業者によって諒解されよう。
【0080】
いくつかの実施例では、パネル20は、インダクタの冷却を助ける1つ又は複数のヒート・シンクに接続され得る。いくつかの代替実施例では、インダクタ100及び1012は、それらのインダクタのための冷却を与えるために、2つのヒート・シンクがオフボード構成要素の2つの側面上に配置された、ヒート・シンクのサンドイッチ中に配置され得る。
【0081】
ボード20は、バックプレーンに直接接続されるか、又は、バックプレーンへのモジュラー接続を有し得る。同様に、オフボード構成要素は、ボード上に永久的に固定されるか、或いは、それらが交換又は変更されることを可能にするソケット/コネクタを有し得る。
【0082】
いくつかの実施例では、パネル20のロケーションは変換器モジュール100から分離され得る。
【0083】
図8に示されているように、一実施例では、本開示は、シャシー又はハウジング1102をもつ電力変換装置1100を提供する。図示のように、パネル20は、デバイス1100の上側部分において、モジュール100とは別個にシャシー1102上に取り付けられ得る。
【0084】
オフボード・コンパートメントとして働くパネル20は、オフボード構成要素に専用のハウジング又はシャシーの一体部分であり得ることが当業者によって諒解されよう。
【0085】
一実施例では、変換装置1100は、流体循環デバイス、空気冷却システム、フィン冷却システム、相変化材料冷却システム、液体冷却システムであり得る、(ここには図示されていない)追加の流体冷却システムのためのシャシー1102の背部上に位置する1つ又は複数の特定のフレーム1104を有する。図示されている実施例では、ヒート・シンクに加えて、空気ファン、液体冷却システムが使用され得る。これらの追加のファンは、専らオフボード構成要素、すなわちインダクタを冷却するか、或いは、代替的に、変換器の残部と共有され得るが、オフボード構成要素上のより大きい流量又はより高い冷却効果をもつ。
【0086】
図7に示されているように、(第1の)冷却システム、本実例ではファン1808が、変換器モジュールを冷却するために使用され得、別個の冷却システム、本実例ではファン1810が、オフボード構成要素の冷却のために使用され得る。また、図示のように、オフボード構成要素、ここではインダクタ1802及び1804のための(第2の)別個のコンパートメントを形成するために分離パネル1206が使用され得る。
【0087】
ここではファン1810及び1808と呼ばれる冷却システムは、変換器モジュール100がそれにおいて働く周波数に基づいて調整され得る、可変冷却能力を有し得ることが当業者によって諒解されよう。
【0088】
さらに、変換器は、冷却システムを制御するか、又はそれらを直接制御するために、変換器の各部分の温度をコントローラに送ることができる温度センサーを有し得る。
【0089】
図8は、パネル20のためのコンダクタ・ヒート・シンク・エクスポージャ1202を与えるか、又は、代替的に、インダクタがヒート・シンク上に直接アセンブルされるいくつかの実施例では、オフボード構成要素を冷却するための(ここには図示されていない)ヒート・シンク1304’を与える、シャシー又はハウジング1102の背面を示す。
【0090】
本実施例では、モジュール・ヒート・シンク・エクスポージャ・フレーム1204により、さらに、ヒート・シンク1304は、冷却されるべき変換器モジュール100に接続することが可能になり得る。一実施例では、シャシーの背面は、ヒート・シンク1304及び1304’の冷却を可能にする間隙1404を有する。
【0091】
ヒート・シンク1304及び1304’並びにそれらのそれぞれのフレームは、同じ又は異なるサイズであり得ることが諒解されよう。
【0092】
図示のように、いくつかの実施例では、分離パネル1206は変換モジュール100からコンパートメント20を分離し得る。これにより、より良い空気の循環とコンダクタの冷却とが可能になり得る。
【0093】
図9は、変換器装置1100と、3つのモジュール100のオフボード構成要素及びパネル/コンパートメント20がシャシー又はハウジング1102内にどのように配置されるかとを示す。
【0094】
図10は、少なくとも1つのオフボード構成要素といくつかの半導体電源スイッチとを含む少なくとも1つの電力変換モジュールを有する電力変換器を提供する方法のための方法の一実例を示す。
【0095】
図10に示されているように、ボックス1502において、電力変換モジュールのいくつかの半導体電源スイッチのためのスイッチング周波数が選択され得る。ボックス1504におけるように、第1の冷却システムは、前記選択されたスイッチング周波数において前記スイッチから生成される熱に基づいて、変換器のスイッチのための第1の冷却能力を有し得るが提供される。いくつかの実施例では、スイッチによって生成される熱は、スイッチがそれの中で働く周波数の増加によって増加し得る。ボックス1506に示されているように、前記選択されたスイッチング周波数において前記少なくとも1つのオフボード構成要素によって生成される熱に基づいて、前記オフボード構成要素のための第2の冷却能力を有する第2の冷却システムが提供され得る。この場合も、生成される熱は、キャパシタが働く周波数に依存し得る。
【0096】
冷却システムの冷却能力は、異なる方法、たとえば、液体循環又は空気循環を追加するか又は増加させること、さらなる液体チャネルを開くことなどによって調整可能であり得ることが当業者によって諒解されよう。
【0097】
一実例では、ボックス1506に示されているように、本方法は、スイッチとオフボード構成要素とのための必要とされる冷却を与えるために、第1の及び/又は第2の冷却システムの熱容量を調整することをさらに含み得る。
【0098】
冷却システムに変更を加えることによって、或いは、冷却システムの異なる要素及び部分を活動化又は非活動化することによって、設計及び製造において、又は使用中に加熱システムへの調整が適用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0099】
いくつかの実例では、本システムは、一方又は両方の冷却システムを使用して十分な冷却を与えながら、インダクタなど、オフボード構成要素に基づいて許容できる範囲内でスイッチング周波数を調整し得ることを当業者は諒解するであろう。
【0100】
いくつかの実施例では、図9に示されているように、変換器装置1100にバッフル・パネル1402が追加され得る。バッフル・パネル1402は、空気循環をインダクタの方に向け、インダクタのためのより良い冷却を与える。
【0101】
一実施例では、バッフル1402は、モジュール100のオフボード構成要素のために必要とされる追加の冷却品質を与え得る。
【0102】
代替実施例では、コンパートメント又はパネル20は、インダクタの冷却に専用の完全に分離された空間であり得る。
【0103】
本明細書で開示された実施例では、インダクタ及び/又はモジュールの冷却のために空気及び通常のファンが使用されているが、当技術分野で知られている任意の他のタイプの流体冷却システムが、本発明の範囲を超えることなしに、代替的に使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0104】
本明細書で説明したように、電力変換モジュールは、公報番号国際公開/第2019/071359号をもつ通し番号PCT/カナダ第2018/051291号を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されている、PUC5トポロジーであり得るが、任意の他のタイプの電力変換回路が、本明細書で開示したヒート・シンク及び流体冷却設計と組み合わせて代替的に使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0105】
本明細書で説明した所望のAC出力及びDC出力を与えるために、任意のタイプの整流器、インバータ、又は整流器/インバータが組み合わせて使用され得ることが当業者によって諒解されよう。そのような変換回路の一実例はマルチレベル整流器/インバータ回路であり得る。
【0106】
5レベル整流器回路など、本出願で説明した電力変換装置及び回路は、DC電源、他のEV充電器、任意の他のタイプのバッテリー装置、又は、AC-DC変換を必要とする任意の他の実装など、任意のAC-DC変換システムにおいて使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0107】
上記の説明は、特定の実例を参照しながら与えたが、このことは、本発明を例示する目的であり、限定する目的ではなかった。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10