(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】除草剤混合物、組成物、及び方法
(51)【国際特許分類】
A01N 43/36 20060101AFI20240903BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20240903BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A01N43/36 C
A01N43/40 101A
A01N43/40 101E
A01N43/40 101J
A01P13/00
(21)【出願番号】P 2019551582
(86)(22)【出願日】2018-03-16
(86)【国際出願番号】 US2018022849
(87)【国際公開番号】W WO2018175231
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-05
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】アトゥル・プリ
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】松元 麻紀子
【審判官】齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/196593号
【文献】特表2017-506210号公報
【文献】特表2015-527329号公報
【文献】特表2015-527325号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A01N
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式Iの化合物[式中、A
1はCCF
3であり、A
2はCHであり、A
3はCHであり、B
1はCFであり、B
2はCHであり、B
3はCHであり、;R
1はC
1-C
4アルキルである;]
【化1】
またはその塩、
並びに、(b)式IIの、2-ピリジンカルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フルオロ-、フェニルメチルエステル;
またはその塩
を含み、(a)の(b)に対する重量比
が40:1
~10:1である、混合物。
【化2】
【請求項2】
R
1がメチル、エチル、又はプロピルである、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
R
1がメチルである、請求項2に記載の混合物。
【請求項4】
(a)の(b)に対する重量比が
37.5:1~12.5:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
(a)の(b)に対する重量比が25:1~12.5:1である、請求項1に記載の混合物。
【請求項6】
前記混合物がCyperus、Echinochloa、Heteranthera、Leptochloa、及びMonochoriaからなる群から選択される属の雑草の成長を制御する、請求項1に記載の混合物。
【請求項7】
前記混合物がCyperus属の雑草の成長を制御する、請求項6に記載の混合物。
【請求項8】
前記Cyperus属の種がdifformisである、請求項7に記載の混合物。
【請求項9】
前記雑草がジャポニカ米(Oryza sativa)が成長する中で生育する、請求項6に記載の混合物。
【請求項10】
(c)少なくとも追加の活性成分を更に含む、請求項1に記載の混合物。
【請求項11】
界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を更に含む、請求項1に記載の混合物。
【請求項12】
望ましくない植生の成長を制御するための方法であって、前記植生又はその環境を、除草剤として有効量の請求項1に記載の混合物と接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロルピラウキシフェンベンジルを有する、特定の置換ピロリジノン化合物及びその塩の混合物、これらを含有する組成物、並びに、望ましくない植生を制御するためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
望ましくない植生の制御は、高い収穫率を達成することにおいて極めて重要である。とりわけ、コメ、大豆、サトウダイコン、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦、大麦、トマト、及びプランテーション作物などの、有用な作物において特に、雑草の成長を選択的に制御することを成し遂げることが非常に所望される。このような有用な作物において、雑草の成長を確認しないことによって、生産性の著しい低下がもたらされ得、それによって消費者に対してコストの増加がもたらされ得る。多くの製品が、これらの目的のために市販されているが、より効果的でコストが低く、毒性が低く、環境に安全である、又は異なる作用部位を有する、新規の混合物、組成物、及びそれらの使用方法に対するニーズが継続している。
【0003】
除草剤の組み合わせが通常、相加効果(additive effect)により、植物制御の範囲を広げるために、又は任意の所与の種の制御レベルを高めるために、使用されている。特定の希少な組み合わせは驚くべきことに、相加効果を超えた効果をもたらす。このような貴重な混合物、組成物及び方法が現在発見されている。
【0004】
国際公開第2015/084796号、及び同第2016/196593号は、様々な置換環式アミド、それらの除草剤としての使用方法、及びそれらの調製方法について開示している。本発明の除草剤混合物、組成物、及び方法は、これらの公報には開示されていない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、(a)式Iの化合物
【0006】
【0007】
[式中、
A1はCCF3であり、A2はCHであり、A3はCHであるか、又は、
A1はCHであり、A2はCCF3であり、A3はCHであるか、又は、
A1はNであり、A2はCCF3であり、A3はCHであるか、又は、
A1はCCH3であり、A2はNであり、A3はCOCHF2であり、
R1はC1-C4アルキルであり、
B1はCFであり、B2はCHであり、B3はCHであるか、又は、
B1はCFであり、B2はCFであり、B3はCHであるか、又は、
B1はCFであり、B2はNであり、B3はCFである]
及びその塩、
並びに(b)2-ピリジンカルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フルオロ-、フェニルメチルエステル(即ちフロルピラウキシフェンベンジル)、及びこれらの塩
を含む混合物に関する。
【0008】
本発明は、(c)少なくとも1つの追加の活性成分を更に含む除草剤混合物もまた含む。
【0009】
本発明はまた、本発明の混合物(即ち、除草剤として有効量(herbicidally effective amount)の)、並びに、界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を含む除草剤組成物に関する。
【0010】
本発明は更に、植生又はその環境を、除草剤として有効量の本発明の混合物(例えば、本明細書に記載される組成物として)と接触させることを含む、望ましくない植生の成長を制御するための方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「~を含む(comprises、comprising)」、「~を含む(includes、including)」、「~を有する(has、having)」、「~を含有する(contains、containing)」、「~を特徴とする(characterized by)」、又はこれらの任意の他のバリエーションは、明示的に示されるあらゆる制限を受けて、非排他的な包含に及ぶことが意図される。例えば、要素の一覧を含む混合物、組成物、又は方法は必ずしも、それらの要素のみに限定される必要はなく、明示的に列挙されていない、又はそのような混合物、組成物、若しくは方法に固有の他の要素を含んでよい。
【0012】
移行句「~からなる」は、明記されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する。請求項に存在する場合、その語句は請求項を、通常関連する不純物を除いて、引用されるもの以外の材料を含めなくする。語句「~からなる」が、プリアンブルの直後に続くのではなく、請求項本体の節に現れる場合、この語句は、その節で説明される要素のみを限定し、他の要素は、特許請求の範囲全体からは除外されない。
【0013】
移行句「~から本質的になる」は、文字通りに開示されたものに加えて、材料、工程、特徴、構成成分、又は要素を含む混合物、組成物、又は方法を定義するために使用される。ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、構成成分、又は要素は、特許請求された発明の基本的かつ新規の特徴に、実質的に影響を及ぼすものではない。用語「~から本質的になる」は、「~を含む」と「~からなる」との中間の立場を占めている。
【0014】
出願者らが、「~を含む(comprising)」などのオープンエンドの用語により、発明又はその一部を定義している場合、(別様に記載されない限り)その説明は、用語「~から本質的になる(consisting essentially of)」又は「~からなる(consisting of)」を用いた発明もまた説明するように解釈されるべきであることが容易に理解されなければならない。
【0015】
更に、明示的にこれに反する記載がない限り、「又は」は、包括的な又はを指し、排他的な又はを指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(又は存在し)、かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、かつBが真である(又は存在する)、並びに、A及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0016】
また、本発明の要素又は構成成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は構成成分の例(即ち、発生)の数に関して非限定的であることが意図される。それ故、「a」又は「an」は1つ、又は少なくとも1つを含むように読解されなければならず、その要素又は構成成分の単数形は、その数が明らかに単数であることを意味する場合を除いて、複数もまた含む。
【0017】
本明細書において言及される場合、単独、又複数の単語の組み合わせのいずれかで用いられる用語「実生」は、種子の胚から成長する若い植物を意味する。本明細書において参照される場合、単独、又は、例えば「広葉雑草」などの複数の単語のいずれかで用いられる「広葉」は、双子葉植物(dicot又はdicotyledon)を意味し、2つの子葉を有する胚を特徴とする被子植物の群を説明する用語を意味する。
【0018】
上記の詳細説明において、用語「アルキル」は、直鎖又は分枝鎖アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は異なるブチル異性体を含む。式Iの化合物において、変数A1、A2、及びA3を含有する環は、提示1に示す以下の構造により表すことが可能であり、右に向かって突出している結合は、式Iの残部(remainder)に対する結合点(attachement point)を示す。
【0019】
【0020】
式Iの化合物において、変数B1、B2、及びB3を含有する環は、提示2に示す以下の構造により表すことが可能であり、左に向かって突出している結合は、式Iの残部に対する結合点を示す。
【0021】
【0022】
置換基中の炭素原子の総数は、接頭辞「Ci-Cj」により表され、式中i及びjは1~4の数である。例えば、C1-C4アルキルは、アルキル基の様々な異性体を含む、メチルからブチルを表す。
【0023】
本発明の式Iの化合物は、共に参照により組み込まれている米国特許出願第15/101,615号明細書(国際公開第2015/084796号)、及び国際出願PCT/US2016/035214号(国際公開第2016/196593号)に概説されている手順を使用して、調製することができる。
【0024】
本発明の式Iの化合物は、1つ以上の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、及び幾何異性体が挙げられる。立体異性体は、構成が同じであるが、空間での原子配置が異なる異性体であり、エナンチオマー、ジアステレオマー、cis-trans異性体(幾何異性体としても知られている)、及びアトロプ異性体が挙げられる。アトロプ異性体は、回転障壁が、異性体種の分離を可能にするのに十分高い単結合を中心にした、回転が制限されることにより生じる。当業者は、他の立体異性体と比較して濃縮した際、又は他の立体異性体から単離した際に、ある立体異性体が、より活性であり得る、かつ/又は有益な効果を示し得ることを理解するであろう。更に、当業者は当該立体異性体の単離方法、濃縮方法、及び/又は選択的調製方法を知っている。式Iの化合物は、立体異性体の混合物、個別の立体異性体として、又は光学的に活性な形態として存在することができる。本発明の式Iの化合物は、式I中の、アミド結合(例えば、-C(=O)-NH-)を中心にした回転の制限により、1つ以上の配座異性体として存在することができる。本発明は、配座異性体の混合物を含む。更に、本発明は、他の配座異性体に対してある配座異性体が濃縮した、式Iの化合物を含む。
【0025】
例えば、C=O(NH)部分(ピロリジノン環の3位にて炭素に結合している)、並びに、変数A1、A2、及びA3を含有する環(ピロリジノン環の4位にて炭素に結合している)は通常、trans構成にて見出される。これら2つの炭素原子はそれぞれ、キラル中心を有する。エナンチオマーの2つの最も一般的な対は、以下の式I’及び式I’’として示され、キラル中心が同定されている(即ち、3S,4Sとして、又は3R,4Rとして)。本発明は全ての立体異性体に関係するものの、生物学的操作性(biological operability)に関して好ましい鏡像異性の対は、式I’(即ち3S,4S構成)、そして好ましくはtrans構成として同定されている。立体異性のあらゆる側面についての包括的な議論については、Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley & Sons,1994を参照のこと。
【0026】
【0027】
本明細書に記載する分子描写は、立体化学を記載するための標準的な慣習に従う。立体構造を示すために、図面の平面から観察者に向かって生じる結合は実線の楔(solid wedge)により示され、ここでは、楔(wedge)の幅が広い末端は、図面の平面から観察者に向かう原子に結合している。図面の平面の下に向かって観察者から離れる結合は破線の楔により示され、ここでは、楔の幅が広い末端は、観察者から更に離れた原子に結合する。一定幅の線は、実線又は破線の楔で示される結合に対して反対の、又は中立の方向を有する結合を示し、一定幅の線は、特定の立体構造の明記が意図されない分子、又は分子の一部における結合もまた表す。
【0028】
本発明はラセミ混合物、例えば、等しい量の、式I’及びI’’の光学異性体を含む。更に、本発明は、式Iの化合物のエナンチオマー中のラセミ混合物と比較して濃縮された、式Iの化合物を含む。式Iの化合物の実質的に純粋なエナンチオマー、例えば、式I’及び式I’’も含まれる。
【0029】
鏡像異性濃縮された際、あるエナンチオマーが他のエナンチオマーより多くの量で存在し、濃縮の程度は、鏡像異性体過剰率(「ee」)の表現により定義することができ、これは(2x-1)・100%として定義され、式中、xは混合物中での優位なエナンチオマーのモル分率である(例えば、20%のeeは、エナンチオマーの60:40の比に対応する)。
【0030】
本発明の組成物は、より活性な異性体の、好ましくは少なくとも50%の鏡像異性体過剰率、より好ましくは少なくとも75%の鏡像異性体過剰率、更により好ましくは少なくとも90%の鏡像異性体過剰率、そして最も好ましくは、少なくとも94%の鏡像異性体過剰率を有する。より活性な異性体の、鏡像異性的に純粋な実施形態を具体的に記載する。
【0031】
本発明の構成成分(b)は、ベンジル部分(即ち、-CH2C6H5)によりエステル化された(酸性官能基(-CO2H)を含有する)フロルピラウキシフェンを含む、フロルピラウキシフェンベンジル(例えば、式IIの化合物;CAS登録番号が1390661-72-9の、2-ピリジンカルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フルオロ、フェニルメチルエステル);
【0032】
【0033】
である。
【0034】
ベンジル部分と共に図示しているものの、式IIの化合物の実施形態は、ベンジルを水素又はC1-C4アルキル部分で置換し、酸又はC1-C4アルキルエステルをもたらすものを含む。フロルピラウキシフェンベンジルは、例えば、Rinskor(商標)活性なLoyant(商標)除草剤(Dow AgroSciences)として市販されている。本記述のために、式IIの化合物は、138~142℃の融点にて、国際公開第2010/125332(A1)号、及びOrg.Lett.2015,17,2905に記載の方法に従って調製した。あるいは、フロルピラウキシフェン(即ち酸)は、参照により組み込まれている、米国特許第7,314,849(B2)号に記載の方法に従い調製することができる、又は、研究量で購入することができる。フロルピラウキシフェンベンジルは、プロトン化が可能であり、酸と共に塩を形成することが可能な自由電子対(free pair of electron)を有する窒素原子を含有する。本発明の混合物、組成物、及び方法に対して特に有用なのは、塩基と共に形成した塩である。フロルピラウキシフェンベンジルは、植物成長ホルモンであるオーキシンを模倣する(mimick)が故に、制御不可能かつ混乱した成長を引き起こし、感受性の強い種における植物死(plant death)をもたらすことが知られている(「オーキシン模倣(auxin mimic)」)。本開示及び特許請求の範囲において、フロルピラウキシフェンベンジルの分子量は、439.2g/モルとして計算される。
【0035】
式I及びIIの化合物は2つ以上の形態で存在することができるが故に、それらが表す化合物の、あらゆる結晶形及び非結晶形(non-crystalline form)を含む。非結晶形としては、蝋及びゴムなどの、固体である実施形態、並びに、溶液及び溶融物(melts)などの液体である実施形態が挙げられる。結晶形としては、本質的に単結晶型を表す実施形態、及び多形体(即ち、異なる結晶の種類)の混合物を表す実施形態が挙げられる。用語「多形体」とは、異なる結晶形で結晶化可能な、化学化合物の特定の結晶形、結晶格子内の分子が異なる配置及び/又は配座を有する、これらの形態を意味する。多形体は同一の化学的組成を有することができるものの、これらはまた、格子内で弱く、又は強く結合可能な、共結晶化された水又は他の分子の有無により、組成が異なることもあり得る。多形体は、結晶の形状、密度、硬さ、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度、及び生物学的利用可能性などの化学的性質、物理的性質、及び生物学的性質が異なる場合がある。当業者は、式I及びIIの化合物の多形体が、式I及びIIの同じ化合物の別の多形体、又は多形体の混合物と比較して有益な効果(例えば、有用な配合物の調製に対する適合性、改善された生物学的性質)を示すことができることを理解するであろう。式I及びIIの化合物の、特定の多形体の調製及び単離は、例えば、選択した溶媒及び温度を用いる結晶化を含む、当業者に周知の方法により行うことができる。多形の包括的な議論については、R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006を参照のこと。
【0036】
環境において、及び生理的条件下において、化学化合物の塩は対応する無塩形態(nonsalt form)と平衡であるため、塩は無塩形態の生物学的実用性を共有していることを、当業者は理解している。式I及びIIの化合物の多種多様な塩は、望ましくない植生の制御に有用である(即ち、農学的に好適である)。式I及びIIの化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、又は吉草酸などの無機酸又は有機酸による、酸付加塩が挙げられる。
【0037】
[発明の概要]に記載した本発明の実施形態は、以下の実施形態で使用される式Iがその塩を含む、以下のものを含む:
実施形態1.A1がCCF3であり、A2がCHであり、A3がCHである、[発明の概要]に記載した混合物。
【0038】
実施形態2.A1がCHであり、A2がCCF3であり、A3がCHである、[発明の概要]に記載した混合物。
【0039】
実施形態3.A1がNであり、A2がCCF3であり、A3がCHである、[発明の概要]に記載した混合物。
【0040】
実施形態4.A1がCCH3であり、A2がNであり、A3がCOCHF2である、[発明の概要]に記載した混合物。
【0041】
実施形態5.R1がメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の混合物。
【0042】
実施形態6.R1がメチル又はエチルである、実施形態5に記載の混合物。
【0043】
実施形態7.R1がメチルである、実施形態6に記載の混合物。
【0044】
実施形態8.B1がCFであり、B2がCHであり、B3がCHである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の混合物。
【0045】
実施形態9.B1がCFであり、B2がCFであり、B3がCHである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の混合物。
【0046】
実施形態10.B1がCFであり、B2がNであり、B3がCFである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の混合物。
【0047】
実施形態11.A1がCCF3であり、A2がCHであり、A3がCHであるとき、B1がCFであり、B2がCHであり、B3がCHである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の混合物(化合物1)。
【0048】
実施形態12.A1がCCF3であり、A2がCHであり、A3がCHであるとき、B1がCFであり、B2がNであり、B3がCFである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の混合物(化合物2)。
【0049】
実施形態13.A1がNであり、A2がCCF3であり、A3がCHであるとき、B1がCFであり、B2がCFであり、B3がCHである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の混合物(化合物3)。
【0050】
実施形態14.A1がCCH3であり、A2がNであり、A3がCOCHF2であるとき、B1がCFであり、B2がCFであり、B3がCHである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の混合物(化合物4)。
【0051】
実施形態15.A1がCHであり、A2がCCF3であり、A3がCHであるとき、B1がCFであり、B2がCFであり、B3がCHである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の混合物(化合物5)。
【0052】
実施形態16.A1がCHであり、A2がCCF3であり、A3がCHであるとき、B1がCFであり、B2がNであり、B3がCFである、実施形態5~7のいずれか1つに記載の混合物(化合物6)。
【0053】
実施形態17.(a)の(b)に対する重量比が約1:20~約56:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0054】
実施形態18.(a)の(b)に対する重量比が約1:6~約19:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0055】
実施形態19.(a)の(b)に対する重量比が約1:2~約4:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0056】
実施形態20.(a)の(b)に対する重量比が約100:1~約4:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0057】
実施形態21.(a)の(b)に対する重量比が約75:1~約5:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0058】
実施形態22.(a)の(b)に対する重量比が約50:1~約10:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0059】
実施形態23.(a)の(b)に対する重量比が約40:1~約10:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0060】
実施形態24.(a)の(b)に対する重量比が37.5:1~12.5:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0061】
実施形態25.(a)の(b)に対する重量比が25:1~12.5:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0062】
実施形態26.(a)の(b)に対する重量比が18.75:1~12.5:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0063】
実施形態27.(a)の(b)に対する重量比が25:1~18.75:1である、[発明の概要]、又は実施形態1~16のいずれか1つに記載の混合物。
【0064】
実施形態28.混合物が固体希釈剤又は液体希釈剤と共に配合される、[発明の概要]、又は実施形態1~27のいずれか1つに記載の混合物。
【0065】
実施形態29.固体可溶性顆粒(solid soluble granule)として配合される、実施形態28に記載の混合物。
【0066】
実施形態30.混合物がイネ科雑草の成長を制御する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の混合物。
【0067】
実施形態31.混合物が広葉雑草の成長を制御する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の混合物。
【0068】
実施形態32.混合物がカヤツリグサ科雑草の成長を制御する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の混合物。
【0069】
実施形態33.混合物がCyperus、Echinochloa、Heteranthera、Leptochloa、及びMonochoriaからなる群から選択される属の雑草の成長を制御する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の混合物。
【0070】
実施形態34.混合物がCyperus属の雑草の成長を制御する、実施形態33に記載の混合物。
【0071】
実施形態35.種がdifformisである、実施形態34に記載の混合物。
【0072】
実施形態36.Echinochloa及びLeptochloaからなる群から選択される属の雑草の成長を制御する、実施形態33に記載の混合物。
【0073】
実施形態37.Echinochloa属の雑草の成長を制御する、実施形態36に記載の混合物。
【0074】
実施形態38.種がchinensisである、実施形態37に記載の混合物。
【0075】
実施形態39.種がphyllopogonである、実施形態37に記載の混合物。
【0076】
実施形態40.Leptochloa属の雑草の成長を制御する、実施形態33に記載の混合物。
【0077】
実施形態41.種がchinensisである、実施形態40に記載の混合物。
【0078】
実施形態42.Heteranthera又はMonochoriaからなる群から選択される属の雑草の成長を制御する、実施形態33に記載の混合物。
【0079】
実施形態43.Heteranthera属の雑草の成長を制御する、実施形態42に記載の混合物。
【0080】
実施形態44.種がlimosaである、実施形態43に記載の混合物。
【0081】
実施形態45.Monochoria属の雑草の成長を制御する、実施形態42に記載の混合物。
【0082】
実施形態46.種がvaginalisである、実施形態45に記載の混合物。
【0083】
実施形態47.雑草がジャポニカ米(Oryza sativa)にて成長する、実施形態30~46のいずれか1つに記載の混合物。
【0084】
上記実施形態1~47、及び本明細書で記載される任意の他の実施形態を含む本発明の実施形態、並びにこれらの組み合わせは、本発明の組成物及び方法に関する。
【0085】
実施形態1~47の組み合わせは、以下により表される:
実施形態A.R1がメチル、エチル、又はプロピルである、[発明の概要]に記載の混合物。
【0086】
実施形態B.R1がメチルである、[発明の概要]に記載の混合物。
【0087】
実施形態C.(a)の(b)に対する重量比が約1:20~約56:1である、[発明の概要]に記載の混合物。
【0088】
実施形態D.混合物がCyperus、Echinochloa、Heteranthera、Leptochloa、及びMonochoriaからなる群から選択される属の雑草の成長を制御する、[発明の概要]に記載の混合物。
【0089】
実施形態E.混合物がCyperus属の成長からの雑草の成長を制御する、実施形態Dに記載の混合物。
【0090】
実施形態F.種がdifformisである、実施形態Eに記載の混合物。
【0091】
実施形態G.雑草がOryza sativaにて成長する、[発明の概要]、又は実施形態A~Fのいずれか1つに記載の混合物。
【0092】
(c)少なくとも1つの追加の活性成分を更に含む本発明の混合物としては、除草剤、除草緩和剤、殺真菌剤、殺虫剤、抗線虫薬、殺菌剤、ダニ駆除剤、昆虫脱皮阻害剤(insect molting inhibitor)及び発根刺激剤(rooting stimulant)などの成長制御因子(growth regulator)、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、給餌刺激剤(feeding stimulant)、植物栄養素、更に広範な農業保護の範囲を付与する、複数構成成分の殺虫剤を形成するための、他の生物学的に活性な化合物又は昆虫病原性細菌(entomopathogenic bacteria)、ウイルス、又は真菌が挙げられる。他の除草剤を含む本発明の混合物により、更なる雑草種に対する活性範囲を広げることができ、あらゆる耐性生物型の増殖(proliferation)を抑制することができる。したがって、本発明はまた、少なくとも1つの追加の生物学的に活性な化合物又は作用物質を(生物学的有効量で)更に含む組成物にも関し、界面活性剤、固体希釈剤、又は液体希釈剤のうち少なくとも1つを更に含むことができる。他の生物学的に活性な化合物又は作用物質は、界面活性剤、固体希釈剤、又は液体希釈剤の少なくとも1つを含む組成物中に配合することができる。本発明の混合物に関して、1つ以上の他の生物学的に活性な化合物又は作用物質を、本発明の混合物と共に配合してプレミックスを形成することができる、あるいは、1つ以上の他の生物学的に活性な化合物又は作用物質を、式Iの化合物とは別に配合して、適用前に(例えば、スプレータンク内で)配合物と合わせる、あるいは、連続して適用することができる。
【0093】
1つの追加の活性成分(即ち、構成成分(c))として、少なくとも1つの追加の活性成分は、雑草制御に特に有用な以下の除草剤のうち1つ以上であることができる:アセトクロル、アシフルオルフェン及びそのナトリウム塩、アクロニフェン、アクロレイン(2-プロペナール)、アラクロール、アロキシジム、アメトリン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロプラクロール及びそのエステル(例えば、メチル、エチル)及び塩(例えば、ナトリウム、カリウム)、アミノピラリド、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロフォス、アスラム、アトラジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレサート、ベンスルフロンーメチル、ベンスリド、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナプ、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナフォス、ビスピリバック及びそのナトリウム塩、ブロマシル、ブロモブチド、ブロモフェノキシン(bromofenoxim)、ブロモキシニル、ブロモキシニルオクタノエート、ブタクロル、ブタフェナシル、ブタミフォス、ブトラリン、ブトロキシジム、ブチレート、カフェンストロール、カルベタミド、カルフェントラゾン-エチル、カテキン、クロメトキシフェン、クロランベン、クロルブロムロン、クロロフルレノール-メチル、クロリダゾン、クロリムロン-エチル、クロロトルロン、クロロプロファム、クロロスルフロン、クロルタール-ジメチル、クロルチアミド、シニドン-エチル、シンメチリン(cinmethylin)、シノスルフロン、クラシフォス、クレフォキシジム、クレソジム、クロジナフォプ-プロパルギル、クロマゾン、クロメプロップ、クロピラリド、クロピラリド-オラミン、クロランスラム-メチル、クミルロン、シアナジン、シクロエート、シクロピリモレート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シハロフォプ-ブチル、2,4-D及びそのブトチル、ブチル、イソクチル、及びイソプロピルエステル及びそのジメチルアンモニウム、ジオラミン及びトロラミン塩、ダイムロン、ダラポン、ダラポン-ナトリウム、ダゾメット、2,4-DB及びそのジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩、デスメジファム、デスメトリン、ジカンバ及びそのジグリコールアンモニウム、ジメチルアンモニウム、カリウム及びナトリウム塩、ジクロベニル、ジクロロプロップ、ジクロフォップ-メチル、ジクロスラム、ジフェンゾクワットメチルスルフェート(difenzoquat metilsulfate)、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペラート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテンアミド、ジメテンアミド-P(dimethenamid-P)、ジメチピン、ジメチルアルシン酸(dimethylarsinic acid)及びそのナトリウム塩、ジニトラミン(dinitramine)、ジノテルブ、ジフェンアミド、ジクワットジブロミド(diquat dibromide)、ジチオピル、ジウロン、DNOC、エンドサール、EPTC、エスプロカーブ、エタルフルラリン、エタメットスルフロン-メチル(ethametsulfuron-methyl)、エチオジン、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エトベンザニド、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサスルホン、フェンキノトリオン、フェントラザミド、フェヌロン、フェヌロン-TCA、フランプロップ-メチル、フランプロップ-M-イソプロピル、フランプロップ-M-メチル、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジフォップ-ブチル、フルアジフォップ-P-ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン(fluchloralin)、フルフェナセット、フルフェンピル(flufenpyr)、フルフェンピル-エチル、フルメトスラム、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルオログリコフェン-エチル、フルポキサム、フルピルスルフロン-メチル及びそのナトリウム塩、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルリドン、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセト-メチル、フォメサフェン、フォラムスルフロン、フォサミン-アンモニウム、グルフォシネート、グルフォシネート-アンモニウム、グルフォシネート-P、グリフォセート及びその塩(例えばアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、カリウム、ナトリウム(セスキナトリウムを含む)、及びトリメシウム(あるいはスルホセート(sulfosate)という名前))、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-ベンジル、ハラウキシフェン-メチル、ハロスルフロン-メチル、ハロキシフォップ-エトチル、ハロキシフォップ-メチル、ヘキサジノン、ヒダントシジン、イマザメタベンズ-メチル(imazamethabenz-methyl)、イマザモックス、イマザピク、イマザピル、イマザキン、イマザキン-アンモニウム、イマゼタピル、イマゼタピル-アンモニウム、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラン、イオフェンスルフロン(iofensulfuron)、ヨードスルフロン-メチル、イオキシニル、イオキシニルオクタノエート、イオキシニル-ナトリウム、イプフェンカルバゾン、イソプロトゥロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサフルトール、イソキサクロルトール、ラクトフェン、レナシル、リヌロン、マレイン酸ヒドラジド、MCPA及びその塩(例えば、MCPA-ジメチルアンモニウム、MCPA-カリウム、及びMCPA-ナトリウム)、エステル(例えば、MCPA-2-エチルヘキシル、MCPA-ブトチル)及びチオエステル(例えば、MCPA-チオエチル)、MCPB及びその塩(例えば、MCPB-ナトリウム)及びエステル(例えば、MCPB-エチル)、メコプロップ、メコプロップ-P、メフェナセト、メフルイジド、メソスルフロン-メチル、メソトリオン、メタム-ナトリウム、メタミフォップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メタベンズチアズロン、メチルアルソン酸及びそのカルシウム、モノアンモニウム、一ナトリウム及び二ナトリウム塩、メチルジムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン(metoxuron)、メトリブジン、メトスルフロン-メチル、モリネート、モノリヌロン、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプロパミド-M、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ノルフルラゾン、オルベンカーブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメフォン、オキシフルオルフェン、パラクァットジクロリド(paraquat dichloride)、ペブレート、ペラルゴン酸、ペンジメタリン、ペノクスラム、ペンタノクロール(pentanochlor)、ペントキサゾン、パーフルイドン、ペトキサミド、ペトキシアミド、フェンメジファム、ピクロラム、ピクロラム-カリウム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン-メチル(primisulfuron-methyl)、プロジアミン、プロフォキシジム、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザフォップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール(propisochlor)、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフルロン、プロピザミド、プロスルフォカーブ、プロスルフロン、ピラクロニル、ピラフルフェン-エチル、ピラスルフォトール、ピラゾジル、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、ピラゾスルフロン-エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピリベンズオキシム、ピリブチカーブ、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック-メチル、ピリミスルファン、ピリジオバック、ピリジオバック-ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロクスラム(pyroxsulam)、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キザロフォップ-エチル、キザロフォップ-P-エチル、キザロフォップ-P-テフリル、リムスルフロン、サフルフェナシル、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトリン、スルコトリオン、スルフェントラゾン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、2,3,6-TBA、TCA、TCA-ナトリウム、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブメトン、テルブチルアジン、テルブトリン、テニルクロール(thenylchlor)、チアゾピル、チエンカルバゾン、チフェンスルフロン-メチル、チオベンカーブ、チアフェナシル、チオカルバジル、トルピラレート、トプラメゾン、トラルコシジム、トリ-アレート、トリアファモン、トリアスルフロン、トリアジラム、トリベヌロン-メチル、トリクロピル、トリクロピル-ブトチル、トリクロピル-トリエチルアンモニウム、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルジモキサジン、トリフルラリン、トリフルスルフロン-メチル、トリトスルフロン、ベルノレート、3-(2-クロロ-3,6-ジフルオロフェニル)-4-ヒドロキシ-1-メチル-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン、5-クロロ-3-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-1-(4-メトキシフェニル)-2(1H)-キノキサリノン、2-クロロ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジンカルボキサミド、7-(3,5-ジクロロ-4-ピリジニル)-5-(2,2-ジフルオロエチル)-8-ヒドロキシピリド[2,3-b]ピラジン-6(5H)-オン)、4-(2,6-ジエチル-4-メチルフェニル)-5-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-3(2H)-ピリダジノン)、5-[[(2,6-ジフルオロフェニル)メトキシ]メチル]-4,5-ジヒドロ-5-メチル-3-(3-メチル-2-チエニル)イソキサゾール(以前のメチオキソリン(methioxolin))、4-(4-フルオロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5(2H,4H)-ジオン、メチル-4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)-5-フルオロ-2-ピリジンカルボキシレート(methyl 4-amino-3-chloro-6-(4-chloro-2-fluoro-3-methoxyphenyl)-5-fluoro-2-pyridinecarboxylate)、2-メチル-3-(メチルスルホニル)-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド、並びに2-メチル-N-(4-メチル-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)-3-(メチルスルフィニル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド。他の除草剤としては、Alternaria destruens Simmons、Colletotrichum gloeosporiodes(Penz.)Penz.& Sacc.、Drechsiera monoceras(MTB-951)、Myrothecium verrucaria(Albertini & Schweinitz)Ditmar:Fries、Phytophthora palmivora(Butl.)Butl.、及びPuccinia thlaspeos Schubなどの生物除草剤もまた挙げられる。
【0094】
好ましくない植生をよりよく制御するのに好ましい(例えば、相加効果を超えることによる(such as from greater-than-additive effects)、使用率の低下、制御される雑草の範囲の拡大、若しくは作物の安全性の向上)、又は、耐性雑草の成長を防止するのに好ましいものは、本発明の化合物と、アトラジン、アジムスルフロン、ベフルブタミド、ベンゾイソチアゾリノン、カルフェントラゾン-エチル、クロリムロン-エチル、クロロスルフロン-メチル、クロマゾン、クロピラリドカリウム、クロランスラム-メチル、エタメトスルフロン-メチル、フルメトスラム、4-(4-フルオロフェニル)-6-[(2-ヒドロキシ-6-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル)カルボニル]-2-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-(2H,4H)-ジオン、フルピルスルフロン-メチル、フルチアセト-メチル、フォメサフェン、イマゼタピル、レナシル、メソトリオン、メトリブジン、メトスルフロン-メチル、ペトキサミド、ピクロラム、ピロキサスルホン、キンクロラック、リムスルフロン、S-メトラクロール、スルフェントラゾン、チフェンスルフロン-メチル、トリフルスルフロン-メチル、及びトリベヌロン-メチルからなる群から選択される除草剤との混合物である。
【0095】
本発明の混合物は、アビグリシン、N-(フェニルメチル)-1H-プリン-6-アミン、エポコレオン、ジベレリン酸、ジベレリンA4及びA7、ハーピンタンパク質、メピカットクロリド、プロヘキサジオンカルシウム、プロヒドロジャスモン、ナトリウムニトロフェノレート、及びトリネキサパック-メチルなどの、植物成長制御因子、並びに、Bacillus cereus株BP01などの植物成長調節微生物(plant growth modifying organisms)と組み合わせてもまた、使用することができる。
【0096】
農業用保護剤(即ち除草剤、除草緩和剤、殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫薬、ダニ駆除剤、及び生物学的作用物質)に関する一般的な参考文献としては、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003、及びThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が挙げられる。
【0097】
これら様々な混合パートナーの1つ以上が使用される実施形態に関して、混合パートナーは典型的に、混合物パートナーが単独で使用される場合の慣習的な量に類似の量で、使用される。より詳細には、混合物において、活性成分は多くの場合、活性成分単独での使用に関して、製品ラベルに明記された適用割合(application rate)の半分から、完全な適用割合までの間での適用割合にて、適用される。これらの量は、The Pesticide Manual及びThe BioPesticide Manualなどの参考文献に列挙されている。これらの様々な混合パートナー(合計)の本発明の混合物に対する重量比は典型的には、約1:3000~約3000:1である。約1:300~約300:1の重量比(例えば、約1:30~約30:1の比)を明記する。当業者は、簡単な実験により、所望の範囲の生物活性に必要な活性成分の、生物学的有効量を容易に測定することができる。これらの追加の構成成分を含めることにより、本発明の混合物のみで制御される範囲を超えて、制御される雑草の範囲を拡大することができることが明らかであろう。
【0098】
特定の場合において、本発明の混合物を、他の生物学的に活性な(特に除草性)化合物又は作用物質(即ち、活性成分)と組み合わせることにより、雑草に相加効果を超えた効果を、及び/又は作物若しくは他の所望の植物に、相加効果未満の(即ち安全な)効果をもたらすことができる。効果的な害虫制御を確実に行いながら、環境に放出される活性成分の量を減らすことが常に望ましい。より多量の活性成分を使用して、作物に過剰の損傷をもたらすことなく、より効果的に雑草制御を行う能力もまた、所望される。相加効果を超えた除草性活性成分が、農学的に満足のいくレベルの雑草制御をもたらす適用割合にて雑草に与えられる場合、このような組み合わせは、作物生産のコストを低下させながら、環境負荷を減少させるのに有利であることができる。除草性活性成分の安全化が作物において生じる場合、このような組み合わせは、雑草の生存競争を低下させることにより作物の保護を増加させるのに、有利であることができる。
【0099】
本発明の混合物と、少なくとも1種の他の除草性活性成分(即ち、構成成分(c)として)の組み合わせを記載する。特に、他の除草性活性成分が、本発明の構成成分(a)又は構成成分(b)のいずれかとは異なる作用点(site of action)を有する組み合わせについて記載する。特定の場合において、同様の制御範囲を有しながら異なる作用点を有する、少なくとも1つの他の除草性活性成分と組み合わせることが、耐性管理に特に有利である。したがって、本発明の組成物は、(除草に有効な量で)同様の制御範囲を有しながら異なる作用点を有する、少なくとも1つの追加の除草性活性成分を更に含むことができる。
【0100】
本発明の混合物は、アリドクロール(allidochlor)、ベノキサコル(benoxacor)、クロキントセット-メキシル、クミルロン、シオメトリニル、シプロスルホンアミド、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、ジメピペラート、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルクソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、メフェネート、メトキシフェノンナフタル無水物(1,8-ナフタル無水物)、オキサベトリニル、N-(アミノカルボニル)-2-メチルベンゼンスルホンアミド、N-(アミノカルボニル)-2-フルオロベンゼンスルホンアミド、1-ブロモ-4-[(クロロメチル)-スルホニル]-ベンゼン(BCS)、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アゾスピロ[4.5]デカン(MON 4660)、2-(ジクロロメチル)-2-メチル-1,3-ジオキソラン(MG191)、エチル-1,6-ジヒドロ-1-(2-メトキシフェニル)-6-オキソ-2-フェニル-5-ピリミジンカルボキシレート、2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボキサミド、及び3-オキソ-1-シクロヘキセン-1-イル-1-(3,4-ジメチルフェニル)-1,6-ジヒドロ-6-オキソ-2-フェニル-5-ピリジンカルボキシレート、2,2-ジクロロ-1-(2,2,5-トリメチル-3-オキサゾリジニル)-エタノン、及び2-メトキシ-N-[[4-[[(メチルアミノ)カルボニル]アミノ]フェニル]スルホニル]-ベンズアミドから選択される除草緩和剤(即ち、構成成分(c)として)と組み合わせても使用することができ、特定の作物に対する安定性を増加させることができる。解毒に有効な量の除草緩和剤を、本発明の混合物として同時に適用することができる、又は種子処理剤として適用することができる。それ故、本発明の一態様は、本発明の混合物と、解毒に有効な量の除草緩和剤とを含む除草剤混合物に関する。種子処理は、作物植物に対して解毒を物理的に制限するために、特に雑草の選択的制御に有用である。それ故、本発明の特に有用な実施形態は、作物における望ましくない植生の成長を選択的に制御する方法であって、作物の場所を除草剤として有効量の本発明の混合物と接触することを含み、作物が成長する種子が、解毒に有効な量の緩和剤で処理される、方法である。解毒に有効な量の緩和剤は、簡単な実験によって、当業者により容易に測定することができる。
【0101】
本発明はまた、望ましくない植生を制御するための方法であって、植生の場所に除草に有効な量の、本発明の混合物(例えば、本明細書に記載される組成物として)を適用することを含む、方法に関する。使用方法に関する実施形態としては、上記実施形態の混合物を伴うものが記載される。本発明の混合物は特に、小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、ヒマワリ、綿、アブラナ及びコメ、並びに、サトウキビ、柑橘、果実及びナッツ作物などの特殊作物などの作物における雑草の選択的制御に有用である。移植されたコメ作物における雑草の選択的制御が、本明細書では記載される。直接播種されるコメ作物における雑草の選択的制御もまた、記載される。
【0102】
本発明の混合物は通常、組成物中の除草性活性成分、即ち、担体として機能する界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の構成成分との配合物として使用される。配合成分又は組成物成分は、活性成分の物理的性質、適用方法、並びに、土壌の種類、水分、及び温度などの環境要因と一致するように選択される。
【0103】
有用な配合物としては、液体組成物及び固体組成物の両方が挙げられる。液体組成物としては、任意選択的に粘性化してゲルにすることができる、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルション(マイクロエマルション、水中油型エマルション、流動性濃縮物、及び/又はサスポエマルションを含む)などが挙げられる。水性液体組成物の一般的な種類は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルション、マイクロエマルション、水中油型エマルション、流動性濃縮物、及びサスポエマルションである。非水液体組成物の一般的な種類は、乳化性濃縮物、マイクロエマルション性濃縮物、分散性濃縮物、及び油分散体である。
【0104】
固体組成物の一般的な種類は、水分散性(湿潤性)又は水溶性であることができる、粉じん、粉末、顆粒、ペレット、小球、トローチ、錠剤、充填フィルム(種子コーティングを含む)などである。フィルム形成溶液又は流動性懸濁液から形成したフィルム及びコーティングは特に、種子処理に有用である。活性成分は(マイクロ)カプセル化し、更に、懸濁液又は固体配合物内に形成することができる。あるいは、活性成分の配合物全体をカプセル化(又は、「オーバーコート」)することができる。カプセル化により、活性成分の放出を制御する、又は遅延させることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物の配合物と、乾燥顆粒配合物の両方の利点を組み合わせている。高強度組成物は主に、更なる配合のための中間体として使用される。
【0105】
スプレー可能な配合物は典型的には、スプレー前に好適な媒体内で伸張される。そのような液体配合物及び固体配合物は、通常は水、しかし場合により芳香族又はパラフィン系炭化水素、又は植物油などの別の好適な媒体であるスプレー媒体に速やかに希釈するように配合される。スプレー体積は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であることができるが、より典型的には、1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲である。スプレー可能な配合物は、空気中又は地面での適用により葉を処理するために、又は、成長する植物の媒体に適用するために、水又は別の好適な媒体とタンクで混合することができる。液体配合物及び乾燥配合物は、細流灌漑システム内に直接計量することができる、又は植え付け中の畝で計量することができる。
【0106】
配合物は典型的には、合計して100重量%となる以下の好適な範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤、及び界面活性剤を含有することができる。
【0107】
【0108】
固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、及びカオリンなどのクレー、セッコウ、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば乳糖、ショ糖)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム、並びに硫酸ナトリウムが挙げられる。典型的な固体希釈剤は、Watkins et al.,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0109】
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリジノン)、アルキルホスフェート(例えば、トリエチルホスフェート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン(normal paraffin)、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香脂肪族、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン、及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、オクチルアセテート、ノニルアセテート、トリデシルアセテート、及びイソボルニルアセテートなどのアセテート、アルキル化乳酸エステル、二塩基エステル、アルキル及びアリールベンゾエート及びγ-ブチロラクトンなどの他のエステル、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール、及びベンジルアルコールなどの直鎖、分枝鎖、飽和、又は不飽和であることができるアルコールが挙げられる。液体希釈剤としては、更に植物種子及び果実油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、ヒマワリ油、グレープシードオイル、ベニバナ油、綿実油、大豆油、菜種油、ココナッツ油、及びパーム核油)、動物源の脂肪(例えば牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)などの、飽和及び不飽和脂肪酸(典型的には、C6-C22)のグリセロールエステル、並びにこれらの混合物も挙げられる。液体希釈剤としては、更にアルキル化脂肪酸(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)も挙げられ、脂肪酸は、植物及び動物源のグリセロールエステルを加水分解することにより得ることができ、蒸留により精製することができる。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0110】
本発明の固体組成物及び液体組成物は多くの場合、1種以上の界面活性剤を含む。液体に添加した際、界面活性剤(「表面活性剤(surface-active agents)」としても知られている)は通常液体の表面張力を変化させ、多くの場合低下させる。界面活性剤分子内の親水性基及び親油性基の性質に応じて、界面活性剤は湿潤剤、分散剤、乳化剤、及び消泡剤として有用であることができる。
【0111】
界面活性剤は非イオン性、アニオン性、又はカチオン性に分類することができる。本組成物に有用な非イオン性界面活性剤としては、天然及び合成アルコール(分枝鎖又は直鎖であることができる)をベースにし、そのアルコール、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から調製されるアルコールアルコキシレートなどの、アルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド、及びエトキシ化アルカノールアミド;エトキシ化大豆油、ヒマシ油、及び菜種油などのアルコキシル化トリグリセリド;(フェノール、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から調製した)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、及びドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから調製したブロックポリマー、及び末端ブロックをプロピレンオキシドから調製した逆ブロックポリマー;エトキシ化脂肪酸;エトキシ化脂肪酸エステル及び油;エトキシ化メチルエステル;エトキシ化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から調製したものを含む);脂肪酸エステル、グリセロールエステル、ラノリン系誘導体、ポリエトキシレート化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシレート化ソルビトール脂肪酸エステル、及びポリエトキシレート化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドペグ(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト又は櫛型ポリマー、及び星状ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(ペグ);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーン系界面活性剤;並びにスクロースエステル、アルキルポリグリコシド、及びアルキル多糖などの糖誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
有用なアニオン性界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸及びそれらの塩;カルボキシレートアルコール(arboxylated alcohol)又はアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン及びリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸若しくはコハク酸、又はこれらの無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステル、及びスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルなどのホスフェートエステル;タンパク質系界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルサルフェート;油及び脂肪酸のサルフェート及びスルホネート;エトキシ化アルキルフェノールのサルフェート及びスルホネート;アルコールのサルフェート;エトキシ化アルコールのサルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート;分留石油のスルホネート(sulfonates of fractionated petroleum);スルホスクシナメート;並びに、スルホスクシネート、及びジアルキルスルホコハク酸塩などの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0113】
有用なカチオン性界面活性剤としては、アミド及びエトキシ化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン、及びジプロピレンテトラアミン、並びに(アミン及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物から調製した)エトキシ化アミン、エトキシ化ジアミン、及びプロポキシル化アミンなどのアミン;アミンアセテート及びジアミン塩などのアミン塩;四級塩、エトキシ化四級塩、及びジ四級塩(diquaternary salt)などの四級アンモニウム塩;並びに、アルキルジメチルアミンオキシド、及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤の混合物、又は、非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤の混合物もまた、本組成物に有用である。非イオン性、アニオン性、及びカチオン性界面活性剤、並びにこれらの推奨される使用については、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions published by McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.;Sisely and Wood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;及びA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む、様々な公開参考文献に開示されている。
【0115】
本発明の組成物は、配合補助剤(formulation aid)として当業者に周知の、配合助剤(formulation auxiliaries)及び添加剤もまた含有することができる(これらの中には、固体希釈剤、液体希釈剤、又は界面活性剤としてもまた機能すると考えられ得るものもある)。このような配合助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、加工中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈殿(懸濁化剤)、粘度(チキトロピック性増粘剤)、容器内での細菌増殖(抗菌剤)、製品の凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散液)、洗い落とし(wash-off)(皮膜形成剤又はステッカー)、蒸発(蒸発遅延剤(evaporation retardant))、及び他の配合属性(formulation attribute)を制御することができる。皮膜形成剤としては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー、及びワックスが挙げられる。配合助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Volume 2:Functional Materials,annual International and North American editions published by McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.;及び国際公開第03/024222号に列挙されているものが挙げられる。
【0116】
式Iの化合物と任意の他の活性成分との混合物は通常、活性成分を溶媒に溶解させることにより、又は液体若しくは乾燥希釈剤中で粉砕することにより、本組成物に組み込まれる。乳化性濃縮物を含む溶液は単純に、成分を混合することにより調製することができる。乳化性濃縮物としての使用が意図される液体組成物の溶媒が不水混和性である場合、乳化剤は、水により希釈する際に添加することにより、活性含有溶媒(active-containing solvent)を乳化する。媒体ミルを使用して、最大2,000μmの粒子直径を有する活性成分スラリーをウェットミリングし、3μm未満の平均直径を有する粒子を得ることができる。水性スラリーを作製して、最終懸濁液濃縮物にすることができる(例えば、米国特許第3,060,084号を参照)、又は、スプレードライにより更に処理し、水分散性顆粒を形成することができる。乾燥配合物は通常、ドライミリングプロセスを必要とし、これにより、2~10μmの範囲の平均粒子直径が作製される。ブレンド、及び(例えばハンマーミル又は流体エネルギーミルを使用する)通常粉砕により、粉じん及び粉末を調製することができる。予備形成した顆粒担体の上に活性物質をスプレーすることにより、又はアグロメレーション技術により、顆粒及びペレットを調製することができる。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,8~57ページ、及び以下、並びに国際特許第91/13546号を参照のこと。ペレットは、米国特許第4,172,714号に記載のとおりに調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号、同第3,920,442号、及び独国特許第3,246,493号に教示されているとおりに調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号、同第5,232,701号、及び同第5,208,030号に教示されているとおりに調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号、及び米国特許第3,299,566号に教示されているとおりに調製することができる。
【0117】
配合の技術に関する更なる情報に関しては、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」in Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds.,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,120~133ページを参照のこと。また、米国特許第3,235,361号明細書、[0006]16行目~[0007]19行目、及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、[0005]43行目~[0007]62行目、並びに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164、166、167、及び169~182;米国特許第2,891,855号明細書、[0003]66行目~[0005]17行目、及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,81~96ページ;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;並びに、Developments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000も参照のこと。
【0118】
以下の実施例において、全ての百分率は重量により、全ての配合物は従来の方法で調製される。化合物番号は、インデックス表Aにおける化合物を意味する。更なる説明なしに、先行する説明を用いる当業者は、本発明を最大限に活用することが可能であると考えられている。それ故、以下の実施例は単なる例示として解釈されるべきであり、本開示を他のいかなる方法で限定するものではない。別様に示される場合を除き、百分率は重量による。
【0119】
実施例A
【0120】
【0121】
実施例B
【0122】
【0123】
実施例C
【0124】
【0125】
実施例D
【0126】
【0127】
実施例E
【0128】
【0129】
実施例F
【0130】
【0131】
実施例G
【0132】
【0133】
実施例H
【0134】
【0135】
実施例I
【0136】
【0137】
本開示はまた、「化合物番号1」が「化合物番号2」、「化合物番号3」、「化合物番号4」、「化合物番号5」、及び「化合物番号6」で置き換えられることを除いて、上記実施例A~Iも含む。
【0138】
本発明の混合物は、非常に活性な発芽前及び/又は発芽後除草剤、及び/又は植物成長制御剤であることを、試験結果は示す。本発明の混合物は通常、発芽後の(即ち、雑草の実生が土壌から現れた後に適用される)雑草制御に対する高い活性、及び、発芽前の(即ち、雑草の実生が土壌から現れる前に適用される)雑草制御を示す。作物対雑草における選択的代謝により、又は、作物と雑草における生理学的阻害場所での選択的活性により、又は、作物と雑草が混ざった環境に、又はその中に選択的に配置されることにより、本発明の混合物の多くは、作物/雑草の混合物中において、草及び広葉雑草の選択的制御を行うのに有用である。当業者は、これらの選択性因子の好ましい組み合わせは、ルーチンの生物学的及び/又は生化学的アッセイを実施することにより速やかに測定可能であることを理解するであろう。本発明の混合物は、アルファルファ、大麦、綿、小麦、セイヨウアブラナ、サトウダイコン、トウモロコシ、サトウモロコシ、大豆、コメ、オート麦、落花生、野菜、トマト、ジャガイモ、及びコーヒー、ココア、アブラヤシ、ゴム、サトウキビ、柑橘、ブドウ、果樹、堅果樹、バナナ、オオバコ、パイナップル、ホップ、茶、並びにユーカリノキ及び球果植物(例えば、テーダマツ)を含む森林などの多年生のプランテーション作物、並びに芝種(例えば、ナガハグサ(Kentucky bluegrass)、セントオーガスチングラス(St. Augustine grass)、オニウシノケグサ(Kentucky fescue)、及びギョウギシバ(Bermuda grass))を含むがこれらに限定されない、重要な農学的作物に耐性を示し得る。直接播種されたコメ作物について記載する。移植されたコメ作物について記載する。本発明の混合物は、遺伝子的に形質転換し、又は交配して除草剤に対する耐性を組み込み、無脊椎害虫に対するタンパク質毒素(例えば、Bacillus thuringiensis毒素)を発現し、かつ/又は他の有用な形質を発現する作物で使用することができる。当業者は、全ての混合物が等しく、あらゆる雑草に対して効果的であるわけではないであることを理解するであろう。あるいは、主題の混合物は、植物の成長を調節するのに有用である。
【0139】
本発明の混合物は、発芽前除草活性及び発芽後除草活性の両方を有するため、植生を殺傷若しくは損傷することにより、又はその成長を減少させることにより望ましくない植生を制御するために、混合物は、除草剤として有効量の本発明の混合物、又は、当該混合物、及び界面活性剤、固体希釈剤、又は液体希釈剤のうち少なくとも1つを含む組成物を、望ましくない植生の葉若しくは他の部分、又は、例えば、望ましくない植生が成長する土壌若しくは水、若しくは、望ましくない植生の種子若しくは他の栄養分体を取り囲む土壌若しくは水などの望ましくない植生の環境と接触させることを伴う様々な方法により、有用に適用することができる。
【0140】
除草剤として有効量の本発明の混合物は、多数の因子により決定される。これらの因子としては、選択される配合物、適用方法、存在する植生の量及び種類、成長条件などが挙げられる。一般に、除草剤として有効量の本発明の混合物は、約0.001~20kg/haであり、好ましい範囲は約0.004~1kg/ha、約0.004~0.5kg/ha、約0.004~0.25kg/ha、約0.004~0.1kg/ha、0.004~0.075kg/ha、又は0.004~0.05kg/haである。当業者は、所望の程度の雑草制御に必要な、除草剤としての有効量を決定することができる。
【0141】
一般的な一実施形態において、通常は配合された組成物中の本発明の混合物をが、共に種子、実生、及び/又はより大きな植物であることができる、所望の植生(例えば作物)及び望ましくない植生(即ち雑草)を含む、成長培地(例えば土壌)と接触した場所に適用される。この場所において、本発明の混合物を含む組成物は、特に望ましくない植生の植物若しくはその一部に、及び/又は植物と接触した成長培地に、直接適用することができる。
【0142】
本発明の混合物で処理した場所において、所望の植生の植物の種類及び品種は、従来の伝播及び繁殖方法により、又は遺伝子改変方法により、得ることができる。遺伝子組み換え植物(トランスジェニック植物)とは、異種遺伝子(導入遺伝子)が植物のゲノムに安定して組み込まれている植物である。植物ゲノム内の特定の場所により定義されている導入遺伝子は、形質転換又はトランスジェニック事象と呼ばれている。
【0143】
本発明に従い処理可能な場所における、遺伝子組み換え植物の品種としては、1つ以上の生物的ストレス(線虫、昆虫、ダニ、真菌などの害虫)、若しくは非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌の塩分など)に対して耐性であるもの、又は、他の所望の特徴を含有するものが挙げられる。植物を遺伝子組み換えすることで、例えば、除草剤耐性、耐虫性、改変された油プロファイル、又は干ばつ耐性の形質を示すことができる。単独の遺伝子形質転換事象、又は形質転換事象の組み合わせを含有する、有用な遺伝子組み換え植物を、提示Cに列挙する。提示Cに列挙する遺伝子組み換えについての追加情報は、例えばアメリカ合衆国農務省により維持されている、一般に利用可能なデータベースから得ることができる。
【0144】
除草剤混合物は単独の個別の成分として(即ち、共充填(co-pack)として)配合し、共に混合する(即ち、タンクミックスとして)ことができる。あるいは、除草剤混合物を個別に配合した後共に混合し、その後スプレータンクに加える(即ち、可溶性顆粒の均質なブレンド)ことができる。あるいは、除草剤混合物を共に配合した後、配合する(即ち、可溶性顆粒として)ことができる。除草剤混合物のそれぞれの化合物(即ち、構成成分(a)及び(b)(及び任意選択的に(c))の量は、存在する分野の条件に従い調節することができる。同様に、除草剤混合物又は組成物の適用方法は、構成成分(a)、続いて構成成分(b)を連続適用すること、又は逆の順序で連続適用することもまた含む。
【0145】
(除草剤として有効量の)本発明の混合物、(有効量の)他の除草剤及び除草緩和剤からなる群から選択される、少なくとも1つの追加の活性成分、並びに、界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を含む組成物について記載する。
【0146】
以下の試験は、特定の雑草に対する、本発明の混合物の制御効果を示す。しかし、混合物により与えられる雑草制御はこれらの種に限定されない。化合物の説明については、インデックス表Aを参照のこと。略語「化合物番号」とは、「化合物の番号」を意味する。
【0147】
インデックス表A
【0148】
【0149】
R1はCH3である
【0150】
【0151】
【0152】
本発明の生物学的実施例
試験A
アゼガヤ(Asian sprangletop)(LEPCH,Leptochloa chinensis)、タマガヤツリ(smallflower umbrella sedge)(CYPDI,Cyperus difformis)、コナギ(monochoria)(MOOVA,Monochoria vaginalis)、及びアメリカコナギ(ducksalad)(HETLI,Heteranthera limosa)の種子を、蒸気低温殺菌したTama土壌(steam pasteurized Tama soil)を充填した、16cmの槽の4つの個別の四分円にある土壌表面に撒いた。同時に、イヌビエ(ECHCG,Echinochloa crus-galli)、ジャポニカ米(ORYSA,Oryza sativa)、及びタイヌビエ(late watergrass)(ECHPH,Echinochloa phyllopogon)の植え付けを、個別の「プラグ」平面にて行った。追加の照明を使用して温室で植物を成長させ、光周期は約16時間に維持した。日中温度及び夜間温度はそれぞれ、約27~30℃、及び24~27℃であった。8日後、イヌビエ、コメ、及びタイヌビエの植物を、個別の槽の3つの四分円に移し、水量を最終的に3cmの深さに調節した。化合物番号1の除草剤適用、及びフロルピラウキシフェンベンジル(CAS登録番号1390661-72-9;439.2g/mol)のタイミングを2.0~2.5葉期にて標的化し、植物を、非植物毒性溶媒中で配合した試験化学物質で処理した。処理済み植物及び対照を温室にて14日間維持し、その後、全ての種を対照と比較し、目視評価した。植物の応答速度を表Aにまとめている。これらは0~100の尺度に基づいており、0は効果なしであり、100は完全に制御が行われ、二重評点(duplicate rating)の平均である。ダッシュ(-)応答は、試験結果がなかったことを意味する。
【0153】
Colbyの等式を使用して、混合物から予想される除草効果を測定した。Colbyの等式(Colby,S.R.「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations,」Weeds 1967 15(1),20~22ページ)は、除草剤混合物の予想される相加効果(additive effect)を計算し、2つの活性成分に関しては、以下の形式である:
Pa+b=Pa+Pb-(PaPb/100)
[式中、Pa+bは、個々の構成成分の添加寄与から予想される混合物の百分率の効果であり、
Paは、混合物中と同じ使用割合における、第一の活性成分の観察された百分率の効果であり、
Pbは、混合物中と同じ使用割合における、第二の活性成分の観察された百分率の効果である]。
【0154】
Colbyの等式から予想される結果及び相加効果を、表Aに列挙する。適用割合は、活性成分(グラム)/ヘクタール(g a.i./ha)である。「観察」は観察された効果であり、「予想」は、Colbyの等式から計算した予想される効果である。
【0155】
【0156】
【0157】
表Aに列挙されている結果から確認できるように、雑草種で観察された結果は全て、Colbyの等式からの予想結果よりも大きい。それ故、ECHCG及びECHPHにおける、化合物1及びフロルピラウキシフェンベンジルの相加効果を示している。雑草種で観察された結果は相加より大きかった、又はColbyの等式からの予想結果に等しかった。それ故、LEPCH及びCYPDIにおける、相加又は予想結果を示している。また、混合物を用いると、化合物1及びフロルピラウキシフェンベンジルを個別に適用した場合と同様に、イネに対して優れた作物の安全性が観察された。
【0158】
試験B
イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、コキア(Kochia scoparia)、ブタクサ(ブタクサ、Ambrosia elatior)、イタリアンライグラス(Ryegrass, Italian)(ネズミムギ、Lolium multiflorum)、猫じゃらし(foxtail, green)(エノコログサ、Setaria viridis)、及びアオゲイトウ(pigweed)(Amaranthus retroflexus)から選択される植物種の種子を、ローム土壌と砂のブレンドの中に植え、界面活性剤を含む非植物毒性溶媒混合液に配合した試験化学物質を使用して、直接土壌にスプレーして発芽前に処理した。
【0159】
同時に、これらの雑草種、並びに小麦(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、及びガリウム(galium)(キャッチウィードベッドストロー(catchweed bedstraw),Galium aparine)から選択される植物を、ローム土壌と砂の同一ブレンドを含有する鉢に植え付け、同じ方法で配合した試験化学物質を発芽後適用して処理した。植物の高さは2~10cmの範囲であり、発芽後処理は、一葉期から二葉期の時期であった。処理済み植物、及び未処理対照を温室にて約10日間維持し、その後、全ての処理済み植物を未処理対照と比較して、損傷を目視評価した。表Bにまとめている植物応答速度は、0~100の尺度に基づいており、0は効果なしであり、100は完全な制御が行われた。ダッシュ(-)応答は、試験結果がなかったことを意味する。
【0160】
【0161】
【0162】
試験C
イネ(Oryza sativa)、カヤツリグサ(sedge, umbrella)(タマガヤツリ(small-flower umbrella sedge),Cyperus difformis)、アメリカコナギ(ducksalad)(Heteranthera limosa)、及びイヌビエ(Echinochloa crus-galli)から選択される湛水田試験での植物種を、試験のために二葉期まで成長させた。処理時に、試験ポットを土壌表面の3cm上まで浸水させ、田面水(paddy water)に試験化合物を直接適用することにより処理し、次いで、試験期間中はその水の深さにて維持した。処理済み植物及び対照を温室にて13~15日間維持し、その後、全ての種を対照と比較し、目視評価した。表Cにまとめている植物応答速度は、0~100の尺度に基づいており、0は効果なしであり、100は完全に制御が行われた。ダッシュ(-)応答は、試験結果がなかったことを意味する。
【0163】