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特許7548712施設防犯機器の遠隔操作管理装置および遠隔操作管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】施設防犯機器の遠隔操作管理装置および遠隔操作管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240903BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240903BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
E05B47/00 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020044285
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021145294
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】安村 賢英
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-236083(JP,A)
【文献】特開2014-195196(JP,A)
【文献】特開2003-244243(JP,A)
【文献】特開2012-256994(JP,A)
【文献】特開2012-33048(JP,A)
【文献】特開2015-50565(JP,A)
【文献】特開2008-32655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
E05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設のプライベートIPネットワークに接続された電気錠に対する施錠および解錠に係る遠隔操作の指示を受信するネットワーク通信部と、
その指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定する発信域判定部と、
前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記解錠に係る指示を前記電気錠へ送り前記プライベートIPネットワークを介さずに受信されたものである場合は前記解錠に係る指示を前記電気錠へ送らないようにする一方で、前記施錠に係る指示は前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものであるか否かにかかわらず前記電気錠へ送る操作指示部と、を備え、
前記プライベートIPネットワークを介した受信が、近距離無線通信可能な携帯通信端末からの前記指示を前記プライベートIPネットワークに接続された近距離無線通信機で受信するものである施設電気錠の遠隔操作管理装置。
【請求項2】
前記プライベートIPネットワークが、インターネットに接続されるルータで区切られたIPネットワークであり、
前記ネットワーク通信部は、前記プライベートIPネットワークを介してあるいは介さずにインターネット経由で前記指示を受信し、
前記発信域判定部は、前記指示の受信に係るIPアドレスが前記プライベートIPネットワークのローカルIPアドレスを含む場合は前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものと判定する請求項1に記載の遠隔操作管理装置。
【請求項3】
前記プライベートIPネットワークが、インターネットに接続されるルータで区切られたIPネットワークであり、
前記ネットワーク通信部は、インターネットを介してあるいは介さずに前記プライベートIPネットワーク経由で前記指示を受信し、
前記発信域判定部は、前記指示の受信に係るIPアドレスが前記プライベートIPネットワークのローカルIPアドレス以外を含む場合は前記指示がインターネット経由で受信されたものと判定し、前記プライベートIPネットワークのローカルIPアドレスのみを含む場合は前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものと判定する請求項1に記載の遠隔操作管理装置。
【請求項4】
前記ネットワーク通信部は、前記電気錠が設置された扉の開閉を検出する開閉センサから開閉の情報を受信し、
前記操作指示部は、前記解錠に係る指示を前記電気錠へ送ってから予め定められた時間内に前記開閉センサが開状態を検出しない場合、前記電気錠へ施錠指示を送る請求項に記載の遠隔操作管理装置。
【請求項5】
前記操作指示部は、前記指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合、ユーザ認証に係る情報を前記携帯通信端末に要求し、その情報が前記携帯通信端末から取得されたら前記指示を前記電気錠へ送る請求項1に記載の遠隔操作管理装置。
【請求項6】
前記操作指示部は、前記指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合、ユーザの確認を求める入力を前記携帯通信端末に要求し、前記携帯通信端末で確認の入力がなされたら前記指示を前記電気錠へ送る請求項1に記載の遠隔操作管理装置。
【請求項7】
施設のプライベートIPネットワークに接続された電気錠に対する施錠および解錠に係る遠隔操作の指示を受信するステップと、
その指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定するステップと、
前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記解錠に係る指示を前記電気錠へ送り前記プライベートIPネットワークを介さずに受信されたものである場合は前記解錠に係る指示を前記電気錠へ送らないようにする一方で、前記施錠に係る指示は前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものであるか否かにかかわらず前記電気錠へ送るステップと、を備え、
前記プライベートIPネットワークを介した受信が、近距離無線通信可能な携帯通信端末からの前記指示を前記プライベートIPネットワークに接続された近距離無線通信機で受信するものである施設電気錠の遠隔操作管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、この発明は、施設防犯機器の遠隔操作管理装置および遠隔操作管理方法に関し、ネットワークを介して遠隔操作が可能な施設防犯機器の遠隔操作を行う管理装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭や事業所等、施設の防犯のために施設内にセンサや電気錠等の防犯機器を設置し、ローカルエリアネットワークやホームネットワークを介してそれらの施設防犯機器を施設内に設置されたサーバに接続するセキュリティシステムが普及しつつある。施設内サーバは、セキュリティ事業者等が運用する施設外のサーバと通信可能であって、セキュリティ事業者は遠隔でその施設の監視を行う。
一方、施設の電力を監視および制御するために、太陽光発電装置、蓄電装置、電気機器および各種センサをホームネットワークやローカルエリアネットワークを介して施設内に設置されるコントローラと接続するHEMS(Home Energy Management System)が知られている。
【0003】
太陽光発電装置、蓄電装置、電気機器および各種センサが生成するデータ、例えば家電機器の消費電力量および太陽光発電装置の発電電力などの電力情報は、施設内のHEMSコントローラに逐次送信される。HEMSコントローラが収集したデータは、インターネットを介して施設外の管理サーバへアップロードされる。
ユーザは、インターネットに接続可能な携帯情報端末を用いて管理サーバが提供するウェブサイトにアクセスし、家電機器の消費電力量や太陽電池パネルの発電電力などの電力情報を閲覧できる。さらに、そのウェブサイトを介して施設内の電気機器の設定や操作を行うことができる。例えば、空調機器や調理機器のタイマーを設定したり、帰宅前に遠隔で自宅の空調機器や調理機器を操作したりできる。
【0004】
管理サーバは、ウェブサイト上でユーザの指示を受領すると、対象の施設のHEMSコントローラへ指示を送る。管理サーバから指示を受信したHEMSコントローラは、対象の機器へ指示を送る。このようにして、ユーザの設定や操作が遠隔で対象の機器へ送られる。
施設の防犯に係る施設内サーバとHEMSコントローラとは、目的が異なるが共通する側面もある。セキュリティ専用の施設内サーバとHEMSコントローラを個別に設置するのでなく、HEMSコントローラに施設内サーバを兼ねさせる態様もある。
【0005】
施設防犯機器の遠隔操作に関して、遠隔操作が可能な電子錠が提案されている。遠隔操作は、施設外の管理センタに設置される認証手段と指示信号生成手段を介して行われる。ユーザ端末から電子錠の動作要求を受信すると、認証手段は声紋データや、認証用に生成された非定型文章を用いてユーザの認証を行う。ユーザの正当性が確認されると、指示信号生成手段が電子錠を動作させる指示信号を生成する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-300686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
施設防犯機器の遠隔操作は通常の機器にも増して、なりすましや誤操作に対する保護が重要である。第三者がユーザになりすまして防犯機器を操作することができれば、もはや施設の安全が確保されているといえない。また、真のユーザによる操作であっても誤操作によってセキュリティが解除されるようでは施設の安全が確保されているといえない。
その対策として、施設防犯機器については遠隔操作を受付けず、ユーザによる直接操作のみを受付ける対応もあり得る。そうすることによって、第三者がパスワード等を盗んでユーザになりすまして施設防犯機器を遠隔操作するリスクを排除できる。しかし、リスクが減る一方でユーザの利便性が損なわれることも否めない。
【0008】
例えば、電気錠の施錠は遠隔操作ができても解錠は遠隔操作ができないようにされている場合を考える。ユーザがうっかりして施錠を忘れたまま家から外出した場合を考える。そして、外出後に施錠忘れに気づいたとする。その場合、遠隔操作で電気錠を施錠できればその時点からユーザの施錠忘れはリカバリーされ家の防犯が確保される。
しかし、ユーザが電気錠の鍵を家に置き忘れていた場合、遠隔操作で解錠ができないために閉め出されてしまう。解錠だけでなく施錠も遠隔操作を禁止すればこのような事態は生じない。しかし、それでは通常の錠に対する電気錠の大きな利便性が損なわれる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、なりすましによって、施設の防犯機器がネットワーク経由で遠隔操作されるリスクを低減できる手法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、施設のプライベートIPネットワークに接続された防犯機器に対する遠隔操作の指示を受信するネットワーク通信部と、その指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定する発信域判定部と、前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記指示を前記防犯機器へ送る操作指示部と、を備える施設防犯機器の遠隔操作管理装置を提供する。
【0010】
また、異なる観点からこの発明は、施設のプライベートIPネットワークに接続された防犯機器に対する遠隔操作の指示を受信するステップと、その指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定するステップと、前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記指示を前記防犯機器へ送るステップと、を備える施設防犯機器の遠隔操作管理方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
この発明による施設防犯機器の遠隔操作管理装置は、遠隔操作の指示が施設のプライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定する発信域判定部と、前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記指示を前記防犯機器へ送る操作指示部とを備えるので、なりすましによって、施設の防犯機器がネットワーク経由で遠隔操作されるリスクを低減できる。
この発明による施設防犯機器の遠隔操作管理方法も、同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1において家屋のHEMS兼セキュリティシステムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1において、電気錠が遠隔操作で解錠されるまでの通信の流れを示す説明図である。
図3】実施の形態2において、電気錠が遠隔操作で解錠されるまでの図2と異なる通信の流れを示す説明図である。
図4】実施の形態3において家屋のHEMS兼セキュリティシステムの図1と異なる構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
図1は、この実施形態において家庭のHEMS兼セキュリティシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように施設としての家屋11に、HEMS兼セキュリティシステムの施設内サーバとしてのホームコントローラ13が設置されている。ホームコントローラ13は、家屋11の太陽光発電装置25、蓄電池27、家電機器29と通信する。さらに、ルータ15およびインターネット41を介して家屋外の管理サーバ51と通信し、図1に図示しない電力系統との買電および売電を制御する。
【0014】
家屋11のホームコントローラ13は、太陽光発電装置25、蓄電池27、家電機器29とプライベートIPネットワークで接続されている。
さらに、ルータ15はPoEインジェクタ17および通信アダプタを介して電気錠操作盤21と接続されている。電気錠操作盤21は、家屋11の入り口に設けられた防犯機器としての電気錠23を解錠および施錠する。
【0015】
ルータ15と通信アダプタ19とは有線のプライベートIPネットワークで接続されている。PoEインジェクタ17は、通信アダプタ19に電力を供給する。通信アダプタ19は電気錠操作盤21および電気錠23に電力を供給する。この実施形態において、通信アダプタと電気錠操作盤21、電気錠操作盤21と電気錠23の間はIPネットワークでなく独自の信号で接続されている。
【0016】
ホームコントローラ13は、ルータ15および通信アダプタ19を介して電気錠操作盤21と通信し電気錠23を操作する。異なる態様として、通信アダプタ19が電気錠操作盤21を介さずに電気錠23に直接信号を送って操作してもよい。また、電気錠操作盤21が通信アダプタ19やPoEインジェクタ17の機能を含んでいてもよい。
ルータ15は、ホームコントローラ13や通信アダプタ19が接続されるプライベートIPネットワークをインターネットに接続する。ホームコントローラ13は、ルータ15を介してインターネット上の管理サーバ51と通信する。
【0017】
また、ルータ15は近距離無線通信としてWi-Fi方式等、無線LAN(Logal AreaNetwork)の通信機能を備え、無線LANでルータ15と接続されたスマートフォン31やその他の無線通信機器をインターネットに接続できる(図1参照)。スマートフォン31は、ルータ15と近距離無線通信可能な範囲にいる場合はルータ15を介してインターネットに接続される。一方、ルータ15と近距離無線通信可能な範囲にいない場合は、近距離無線通信よりも通信範囲の広い移動通信システム(例えば、LTE、4Gあるいは5G等の通信回路規格を利用する無線通信方式)や家屋11以外の場所に設置された無線LANルータ等を介してインターネットに接続される。
【0018】
≪管理サーバが電気錠の遠隔操作を管理する態様≫
管理サーバ51が電気錠23の遠隔操作を管理する態様について述べる。この実施形態においてユーザは、携帯通信端末としてのスマートフォン31を使用して電気錠23の遠隔操作を行うものとする。ここで、スマートフォン31は、ユーザが所有するものである。電気錠23の遠隔操作は、管理サーバ51が提供するウェブページにアクセスして行う。管理サーバ51のウェブページは、家屋11のHEMSを運用する事業者が運用するものである。管理サーバ51はインターネット上にあるので、ウェブページの閲覧もインターネットにアクセスして行う。
図1に、スマートフォン31がインターネットにアクセスする2つの態様を示している。
【0019】
左側に示す態様は、スマートフォン31が家屋11内のルータ15に無線LAN接続されており、ルータ15を介してインターネットにアクセスする態様である。この場合、ユーザはルータ15に無線LAN接続可能な領域、即ち、ルータ15から数十メートル程度の領域内にいる。
管理サーバ51から見た場合、ルータ15を介してインターネット経由で通信するスマートフォン31は、ルータ15下のプライベートIPネットワークに接続されており、ルータ15によってグローバルIPアドレスが付与される。プライベートIPネットワーク上で、スマートフォン31とルータ15とはそれぞれのローカルIPアドレスを用いて互いに通信する。図1に示す例では、スマートフォンのローカルIPアドレスが、129.168.2.100であり、ルータ15のローカルIPアドレスが192.168.2.1である。
インターネット上では、ルータ15がスマートフォンのローカルIPアドレスをインターネット上で固有のグローバルIPアドレスに変換する。なお、家庭や事業所等のインターネット接続においては、インターネットサービスプロバイダと契約してグローバルIPアドレスを借り受け、使用するのが一般的であり、この実施形態においてもそうであるとする。図1に示す例で、グローバルIPアドレスは111.11.11.11である。
【0020】
なお、IPアドレスとしては、0.0.0.0から255.255.255.255の範囲のうち何れかが割り当て可能であるが、それらのうちプライベートアドレスに割り当て可能なIPアドレスの範囲は、10.0.0.0~10.255.255.255、172.16.0.0~172.31.255.255および192.168.0,0~192.168.255.255のうちの何れかとすることが世界共通のルールとして定められている。よって、IPアドレスのうちの上位桁が上記の範囲に入るか否かで、ローカルIPアドレスか否かを判別できる。
さらに、IPアドレスがルータ15のプライベートIPネットワークに属するものか否かは、IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境界を示すサブネットマスクを用いて判別できる。IPアドレスのネットワーク部が通信アダプタ19のIPアドレスのネットワーク部と同じであれば、通信アダプタ19と同じプライベートIPネットワークに属していると判別できる。
【0021】
図1に示す例で、ローカルIPアドレスに係るサブネットマスクは255.255.255.0であるから、通信アダプタ19のIPアドレスのネットワーク部は上位桁の192.168.2である。ローカルIPアドレスのネットワーク部が同じ192.168.2である他の機器は、通信アダプタ19と同じプライベートIPネットワークに属していると判別できる。
なお、以上の説明は、今日なお主流のIPv4のアドレス体系を前提としたものであるが、それに限定されるものでない。IPv4のグローバルIPアドレスおよびローカルIPアドレスに相当するものが、IPv6のグローバル・ユニキャスト・アドレスおよびユニーク・ローカル・ユニキャスト・アドレス(ユニーク・ローカル・アドレスともいう)として存在する。よって、IPv6についても同様に、この実施形態による遠隔操作の管理手法が適用できる。
【0022】
ルータ15は、スマートフォン31に限らず、プライベートIPネットワークに接続された各通信機器に固有のローカルIPアドレスを割り当てる。インターネット、インターネット上では、それらのローカルIPアドレスをいずれもグローバルIPアドレスは111.11.11.11に変換して通信する。
よって、インターネット上の管理サーバ51から見た場合、スマートフォン31のIPアドレスは、そのプライベートIPネットワークに接続されたルータ15や他の通信機器と同じ111.11.11.11である。
【0023】
なお、この実施形態において、HEMSを運用する事業者等が家屋11に係るHEMSのウェブサイトを管理サーバ51上に開設する際、ホームコントローラ13と管理サーバ51とに相手のIPアドレスを登録する。それによって、管理サーバ51とホームコントローラ13とが通信できるようになる。
管理サーバ51は、電気錠23の解錠に係る指示がホームコントローラ13の設置された家屋11のプライベートIPネットワークを介して受信されたか否かを判定する。判定は、登録されたホームコントローラのIPアドレス、そのサブネットマスクおよび指示の送信元IPアドレスを用いれば可能である。
【0024】
図1において、右側は、スマートフォン31が家屋11内のルータ15に無線LAN接続されず、移動通信システムや家屋11以外の場所に設置されたルータを介してインターネットに接続される態様を示す。この場合、ユーザはルータ15の無線LAN接続領域外にいると考えられる。
インターネット上の管理サーバ51から見た場合、スマートフォン31のIPアドレスは、ルータ15のグローバルIPアドレス、111.11.11.11と異なるものである。
【0025】
この実施形態において、管理サーバ51は、電気錠23の遠隔操作を管理する。即ち、遠隔操作管理装置として機能する。
図1に示すように、管理サーバ51は、遠隔操作の管理に関する機能としてネットワーク通信部61、発信域判定部63および操作指示部65を備える。
ネットワーク通信部61は、電気錠23の解錠に係る遠隔操作の指示をスマートフォン31から受信する。
発信域判定部63は、電気錠23の解錠に係る遠隔操作指示を受信すると、その指示の送信元のIPアドレスを参照する。
送信元のIPアドレスが111.11.11.11である場合、即ち、電気錠23が設置された家屋11のルータ15のIPアドレスと一致する場合、発信域判定部63は、解錠に係る指示がルータ15を介して無線受信されたものと判定する。
【0026】
操作指示部65は、発信域判定部63の前述の判定結果に基づいて、解錠の指示をホームコントローラ13へ送る。送られた解錠の指示は、ルータ15を介してホームコントローラ13へ送られ、ホームコントローラ13から通信アダプタ19へ送られる。管理サーバ51から解錠の指示を受信した通信アダプタ19は、電気錠操作盤21へ解錠の指示を送る。解錠の指示を受信した電気錠操作盤21は、電気錠23を解錠する。
以上のように、スマートフォン31を用いてユーザが行った解錠に係る遠隔操作指示がルータ15に無線受信された場合、指示に従って電気錠23が解錠される。
【0027】
なお、発信域判定部63の前述の判定結果に基づいて解錠の指示をホームコントローラ13へ送るのに先立ち、操作指示部65が、ユーザ認証の手続を行うようにしてもよい。例えば、予め定められたパスワード入力を求めるといった手順によりユーザ認証を行う。これによって、第三者によるなりすましをより確実に防ぐことができる。
一方、発信域判定部63が、解錠に係る遠隔操作指示を受信し、その指示の送信元のIPアドレスが111.11.11.11でない場合について述べる。即ち、電気錠23が設置された家屋11のルータ15のIPアドレスと一致しない場合である。この場合、発信域判定部63は、解錠に係る指示がルータ15を介して無線受信されたものと判定する。
【0028】
操作指示部65は、発信域判定部63の前述の判定結果に基づいて、解錠の指示を通信アダプタ19へ送らないようにする。よって、この場合に電気錠23は解錠されない。
以上のように、スマートフォン31を用いてユーザが行った解錠に係る遠隔操作指示がルータ15に無線受信されなかった場合、即ち、ルータ15下のプライベートIPネットワークを介して受信されなかった場合、電気錠23は遠隔操作で解錠されない。
遠隔操作で電気錠23を解錠するには、家屋11のルータ15にWi-Fi接続される領域内、即ち、家屋11の近くからプライベートIPネットワーク経由で遠隔操作を行う必要がある。
【0029】
図2は、この実施形態において、電気錠23が遠隔操作で解錠されるまでの通信の流れを示す説明図である。図2に示すように、ユーザがスマートフォン31を操作して送信される電気錠23の解錠の指示は、ルータ15を経由しあるいは経由せずに管理サーバ51へ送られる。解錠の指示を受信した管理サーバ51は、その指示がルータ15下のプライベートIPネットワークを介して受信されたものかを発信域判定部63が判定する。プライベートIPネットワークを介して受信されたと判定すると、管理サーバ51の操作指示部65は、解除指示をホームコントローラ13へ送る。その解錠指示は、ルータ15を介してホームコントローラ13へ送られる。ホームコントローラ13は、受信した解錠の指示を通信アダプタ19へ送り、通信アダプタ19はそれを電気錠操作盤21へ送って電気錠23が解錠される。
【0030】
ここで、ユーザが電気錠23の施錠を忘れて外出し、しかも鍵を持ち出すのを忘れた場合を考える。外出後、施錠忘れに気づいたユーザは、遠隔操作で電気錠23を施錠できる。その場合、家屋11に戻れば鍵を持ち合わせていなくても遠隔操作で電気錠23を解錠できる。よって、遠隔操作によるユーザの利便性は確保される。
一方、第三者がなりすましによって、電気錠23の解錠がインターネット経由で遠隔操作を試みても、家屋11の近くから遠隔操作を行わないかぎり電気錠23は解錠されない。
なお、インターネット上のHEMSの管理サーバ51が遠隔操作管理装置として機能する場合について述べたが、管理サーバ51は一例に過ぎず、インターネット上の通信機器であれば特に限定されるものでない。
【0031】
(実施の形態2)
実施の形態1では、HEMSに係るホームコントローラ13が電気錠23の遠隔操作を管理サーバ51から受ける態様を述べた。しかし、遠隔操作が必ずしもHEMSと関連している必要はなく、ホームコントローラ13が遠隔操作の指示を受ける必要もない。
この実施形態では、図1に示すホームコントローラ13がないか、またはホームコントローラ13があってもそれを経由せずに電気錠23の遠隔操作が行われる態様について述べる。
この実施形態では、管理サーバ51からの解錠の指示は、ルータ15を介して通信アダプタ19へ送られる。なお、この実施形態では、電気錠を設置した際に、設置した事業者等あるいはユーザが管理サーバ51に相手先である通信アダプタ19のIPアドレスを登録するものとする。
【0032】
図3は、この実施形態において、電気錠が遠隔操作で解錠されるまでの通信の流れを示す説明図である。図2と異なり、ホームコントローラ13は通信に関与しない。ユーザがスマートフォン31を操作して送信される電気錠23の解錠の指示は、図2と同様に、ルータ15を経由しあるいは経由せずに管理サーバ51へ送られる。解錠の指示を受信した管理サーバ51が、判定の結果、解除指示を送る場合は、図2と異なり通信アダプタ19へ送る。その解錠指示は、ルータ15を介して通信アダプタ19へ送られる。解錠の指示を受信した通信アダプタ19はそれを電気錠操作盤21へ送り、電気錠23が解錠される。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態1では、インターネット上の管理サーバ51が遠隔操作管理装置として機能する態様を述べた。
それに対してこの実施の形態では、家屋11に設置されたホームコントローラ13が遠隔操作管理装置として機能する態様について述べる。なお、ホームコントローラ13は一例にすぎず、例えば、通信アダプタ19が遠隔操作管理装置として機能してもよく、通信アダプタ19でなくても、ルータ15によってローカルIPアドレスが付与される何れかの通信機器であればよい。
【0034】
図2は、この実施の形態において家屋のHEMS兼セキュリティシステムの構成を示すブロック図であって、図1に対応する。図1と同様の部分については説明を省略する。
図1では、管理サーバ51ネットワーク通信部61、発信域判定部63および操作指示部65を備えるのに対し、図2ではホームコントローラ13がそれらを備える。なお、電気錠23の遠隔操作がHEMSと関連しない場合、ホームコントローラ13に代えて通信アダプタ19がそれらを備えてもよい。
【0035】
ユーザは、実施の形態1と同様、スマートフォン31を使用して電気錠23の遠隔操作を行う。ただし、この実施形態において遠隔操作の画面は例えばスマートフォン31にインストールされたアプリによって提供され、解錠の指示はアプリ上で行われてスマートフォン31からホームコントローラ13へ送られる。なお、この実施形態では、アプリをインストールした際に、ユーザがアプリに相手先であるホームコントローラ13のIPアドレスを登録するものとする。
図1に、スマートフォン31がインターネットにアクセスする2つの態様を示している。
【0036】
左側に示す態様は、スマートフォン31が家屋11内のルータ15に無線LAN接続されており、インターネットを経由せずにルータ15を介してプライベートIPネットワーク上のホームコントローラ13にアクセスする態様である。この場合、ユーザはルータ15に無線LAN接続可能な領域、即ち、ルータ15から数十メートル程度の領域内にいる。
ホームコントローラ13から見た場合、スマートフォン31はルータ15にWi-Fi接続されプライベートIPネットワーク内で通信する相手である。プライベートIPネットワーク上で、スマートフォン31とルータ15とはそれぞれ固有のローカルIPアドレスで互いに通信する。図4に示す例では、スマートフォンのローカルIPアドレスが、129.168.2.100であり、ホームコントローラ13のローカルIPアドレスが192.168.2.102である。
【0037】
右側に示す態様は、スマートフォン31がルータ15に無線LAN接続されず、インターネット経由でルータ15を介してプライベートIPネットワーク上のホームコントローラ13にアクセスする態様である。この場合、ユーザはルータ15の無線LAN接続領域外にいると考えられる。
ホームコントローラ13から見た場合、スマートフォン31のIPアドレスは、インターネットの入り口であるルータ15のローカルIPアドレスであり、図4に示す例では192.168.2.1である。
【0038】
ホームコントローラ13のネットワーク通信部61は、電気錠23の解錠に係る遠隔操作の指示をスマートフォン31から受信する。
発信域判定部63は、電気錠23の解錠に係る遠隔操作指示を受信すると、その指示の送信元のIPアドレスを参照する。
送信元のIPアドレスがルータ15のローカルIPアドレス、192.168.2.1以外の場合(図4の例では、192.168.2.100)、発信域判定部63は、解錠に係る指示がルータ15下のプライベートIPネットワーク内で無線受信されたものと判定する。
【0039】
操作指示部65は、発信域判定部63の前述の判定結果に基づいて、解錠の指示を通信アダプタ19へ送る。管理サーバ51から解錠の指示を受信した通信アダプタ19は、電気錠操作盤21へ解錠の指示を送る。解錠の指示を受信した電気錠操作盤21は、電気錠23を解錠する。
以上のように、スマートフォン31を用いてユーザが行った解錠に係る遠隔操作指示がルータ15に無線受信された場合、指示に従って電気錠23が解錠される。
【0040】
一方、発信域判定部63が、解錠に係る遠隔操作指示を受信し、その指示の送信元のIPアドレスがホームコントローラ13からみてルータ15のローカルIPアドレス、192.168.2.1である場合について述べる。この場合、発信域判定部63は、解錠に係る指示がインターネット経由で受信されたものと判定する。
【0041】
操作指示部65は、発信域判定部63の前述の判定結果に基づいて、解錠の指示を通信アダプタ19へ送らないようにする。よって、この場合に電気錠23は解錠されない。
以上のように、スマートフォン31を用いてユーザが行った解錠に係る遠隔操作指示がルータ15に無線受信されなかった場合、指示を行っても電気錠23は解錠されない。
実施の形態1と同様、遠隔操作で電気錠23を解錠するには、家屋11のルータ15にWi-Fi接続される領域内、即ち、家屋11の近くから遠隔操作を行う必要がある。
【0042】
(実施の形態4)
この実施の形態では、ユーザの誤操作により電気錠23が解錠されることのないようにする幾つかの対応策について述べる。
第1の対応策として、操作指示部65が解錠の指示をホームコントローラ13へ送るのに先立ち、解錠確認の入力をユーザに求めることが考えられる。遠隔操作による解錠を実行する前に、確認の入力をユーザに求めることで、誤操作を防ぐことができる。
第2の対応策として、電気錠23が設置された扉に開閉状態を検出するセンサを設け、そのセンサから扉の開閉の情報をホームコントローラ13が受信するようにしておく。操作指示部65が解錠の指示を送ってから予め定められた時間内に扉が開状態にならない場合、操作指示部65は、電気錠23の施錠の指示をホームコントローラ13へ送るようにする。
このようにすれば、ユーザが誤って遠隔操作で電気錠を解錠した場合に、扉が解錠されたままの状態になるのを回避できる。
【0043】
以上に述べたように、
(i)この発明による施設防犯機器の遠隔操作管理装置は、施設のプライベートIPネットワークに接続された防犯機器に対する遠隔操作の指示を受信するネットワーク通信部と、その指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定する発信域判定部と、前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記指示を前記防犯機器へ送る操作指示部と、を備えることを特徴とする。
【0044】
また、防犯機器は、施設の防犯に係る機器である。その具体的な態様は、例えば、電気錠、シャッター、電動窓の開閉装置である。前述の実施形態における電気錠は、この発明の防犯機器に相当する。防犯機器は、操作指示部から送られる指示に応答して動作する。
さらにまた、発信域判定部および操作指示部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを中心に入出力回路等を含む回路がハードウェアとしての構成である。それらのハードウェア資源と、ソフトウェア資源としての制御プログラムとが有機的に結合してその機能が実現される。即ち、メモリに格納された制御プログラムをCPUが実行することによって機能が実現される。なお、MPU(Micro Processing Unit)も前述のCPUの一態様である。
【0045】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記プライベートIPネットワークが、インターネットに接続されるルータで区切られたIPネットワークであり、前記プライベートIPネットワークを介した受信が、近距離無線通信可能な携帯通信端末からの前記指示を前記プライベートIPネットワークに接続された近距離無線通信機で受信するものであり、前記ネットワーク通信部は、前記プライベートIPネットワークを介してあるいは介さずにインターネット経由で前記指示を受信し、前記発信域判定部は、前記指示の受信に係るIPアドレスが前記プライベートIPネットワークのローカルIPアドレスを含む場合は前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものと判定してもよい。
このようにすれば、なりすましによって、施設の防犯機器が、施設から遠く離れた場所からインターネットを経由した指示で遠隔操作されるリスクを低減できる。
【0046】
この発明において、近距離無線通信は、無線の通信距離が数十メートル内のものである。その具体的な態様は、例えば、Wi-Fi方式等の無線LANやBluetooth(登録商標)による無線通信であるが、これに限られない。
また、近距離無線通信機は、近距離無線通信可能な携帯通信端末等と前記近距離無線通信で送受信を行うものである。その具体的な態様は、例えば、前述の実施形態で述べたような無線ルータである。
ネットークは、それを介して前記近距離無線通信機と遠隔操作管理装置とが通信するものである。その具体的な態様は、例えば、インターネットや施設内のプライベートIPネットワークである。プライベートIPネットワークは、前述の近距離無線通信を用いたネットワークを含むが、それだけでなく有線のネットワークを含んでもよい。前述の実施形態におけるインターネットまたはプライベートIPネットワークは、この発明のネットワークに相当する。
【0047】
携帯通信端末は、少なくとも近距離無線通信を用いることによって防犯機器に係る遠隔操作の指示を送信し得るものである。その具体的な態様は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等、通信機能を有する携帯情報機器である。前述の実施形態におけるスマートフォンは、この発明の通信端末に相当する。
携帯通信端末は前記ルータの付近では近距離無線通信によって前記ルータのプライベートIPネットワークに接続される。
前記防犯機器は、近距離無線通信あるいはそれ以外の通信方式によって前記ルータのプライベートIPネットワークに接続される。
【0048】
(iii)前記プライベートIPネットワークが、インターネットに接続されるルータで区切られたIPネットワークであり、前記プライベートIPネットワークを介した受信が、近距離無線通信可能な携帯通信端末からの前記指示を前記プライベートIPネットワークに接続された近距離無線通信機で受信するものであり、前記ネットワーク通信部は、インターネットを介してあるいは介さずに前記プライベートIPネットワーク経由で前記指示を受信し、前記発信域判定部は、前記指示の受信に係るIPアドレスが前記プライベートIPネットワークのローカルIPアドレス以外を含む場合は前記指示がインターネット経由で受信されたものと判定し、前記プライベートIPネットワークのローカルIPアドレスのみを含む場合は前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものと判定してもよい。
このようにすれば、なりすましによって、施設の防犯機器が、施設から遠く離れた場所からインターネットを経由した指示で遠隔操作されるリスクを低減できる。
携帯通信端末は、少なくとも近距離無線通信を用いることによって防犯機器に係る遠隔操作の指示を送信し得るものである。その具体的な態様は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等、通信機能を有する携帯情報機器である。前述の実施形態におけるスマートフォンは、この発明の通信端末に相当する。
携帯通信端末は前記ルータの付近では近距離無線通信によって前記ルータのプライベートIPネットワークに接続される。
前記防犯機器は、近距離無線通信あるいはそれ以外の通信方式によって前記ルータのプライベートIPネットワークに接続される。
【0049】
(iv)前記防犯機器が電気錠であり、前記指示が前記電気錠の解錠指示であってもよい。
このようにすれば、なりすましによって、施設の電気錠がネットワーク経由で遠隔操作により解錠されるリスクを低減できる。
【0050】
(v)前記ネットワーク通信部は、前記電気錠が設置された扉の開閉を検出する開閉センサから開閉の情報を受信し、前記操作指示部は、前記解錠指示を前記電気錠へ送ってから予め定められた時間内に前記開閉センサが開状態を検出しない場合、前記電気錠へ施錠指示を送ってもよい。
このようにすれば、ユーザが誤って遠隔操作で電気錠を解錠した場合に、解錠されたままの状態になるのを回避できる。
【0051】
(vi)前記操作指示部は、前記指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合、ユーザ認証に係る情報を前記携帯通信端末に要求し、その情報が前記携帯通信端末から取得されたら前記指示を前記防犯機器へ送ってもよい。
このようにすれば、遠隔操作の指示を送る前にさらにユーザ認証を行うことで、なりすましによって、施設の防犯機器がインターネット経由で施設から遠く離れた場所から操作されるリスクをより確実に低減できる。
【0052】
(vii)前記操作指示部は、前記指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合、ユーザの確認を求める入力を前記通信端末に要求し、前記通信端末で確認の入力がなされたら前記指示を前記防犯機器へ送ってもよい。
このようにすれば、ユーザが誤って遠隔操作の指示を行った場合に、確認の入力が求められるので誤操作に気づくことができる。
【0053】
(viii)この発明の好ましい態様は、施設のプライベートIPネットワークに接続された防犯機器に対する遠隔操作の指示を受信するステップと、その指示が前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものか否かを判定するステップと、前記プライベートIPネットワークを介して受信されたものである場合にのみ前記指示を前記防犯機器へ送るステップと、を備える施設防犯機器の遠隔操作管理方法を含む。
【0054】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0055】
11:家屋、 13:ホームコントローラ、 15:ルータ、 17:PoEインジェクタ、 19:通信アダプタ、 21:電気錠操作盤、 23:電気錠、 25:太陽光発電装置、 27:蓄電池、 29:家電機器、 31:スマートフォン、 41:インターネット、 51:管理サーバ、 61:ネットワーク通信部、 63:発信域判定部、 65:操作指示部
図1
図2
図3
図4