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特許7548713搬送システム、制御プログラムおよび制御プログラムが記録された記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】搬送システム、制御プログラムおよび制御プログラムが記録された記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240903BHJP
【FI】
G05D1/43
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020045746
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021149215
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000183222
【氏名又は名称】住友ナコ フォ-クリフト株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】日南 敦史
(72)【発明者】
【氏名】山本 佳昭
(72)【発明者】
【氏名】小島 宏志
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199257(JP,A)
【文献】特開平06-305514(JP,A)
【文献】特開2019-105995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる走行領域の両側に前記第1方向に沿って設けられた第1荷搭載場所および第2荷搭載場所に、第1搬送車および第2搬送車によって荷を搬送する搬送システムであって、
前記第1搬送車および前記第2搬送車を制御する制御部を備え、
前記走行領域は、前記第1荷搭載場所に荷を搬送する前記第1搬送車と、前記第2荷搭載場所に荷を搬送する前記第2搬送車とが前記第1方向に走行してすれ違い可能な幅であって、前記第1搬送車と前記第2搬送車とが同じ位置で積み付け動作を行えない幅を有し、
前記第1搬送車は、予め定められた経路上を自律走行して荷を搬送し、当該第1搬送車の最小旋回中心が荷搭載場所の目的位置の中心を通る直線と交わる位置に到達する前の第1位置で旋回を開始し、旋回完了後に直進して荷を搭載するように制御され、
前記制御部は、前記第1搬送車が前記旋回を行うとき、当該旋回により前記第1搬送車が将来的に移動する可能性がある領域を前記第2搬送車の走行を停止させるブロッキングエリアとして設定することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記第1搬送車は、前後輪の一方のみがステアリング可能であることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記第1搬送車は、前記荷搭載場所に荷を搬送した後に戻るときは、当該第1搬送車の最小旋回中心が荷搭載場所の目的位置の中心を通る直線と交わる位置に戻る前の位置で前記第1方向への旋回を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記走行領域を前記第1方向と直交する第2方向に2等分した領域のうち、前記第1搬送車が走行する領域を第1搬送車走行領域としたときに、前記第1搬送車は、前記第1搬送車走行領域の第2方向の中央よりも第1荷搭載場所側を前記第1方向に走行することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項5】
前記第1搬送車は、荷搭載場所の目的位置に荷を搬送した後、前記第2搬送車の走行領域に進入することなく、荷の出庫部に戻る請求項1から4のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項6】
前記第1搬送車は、車体の前後方向の一端側に荷役部を有し、前記荷役部を進行方向後ろ側に向けた状態で第1方向に走行することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の搬送システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の搬送システムに使用される前記第1搬送車の動作を制御する制御プログラムであって、
前記第1搬送車に、当該第1搬送車の最小旋回中心が荷搭載場所の目的位置の中心を通る直線と交わる位置に到達する前の位置で旋回を開始し、旋回完了後に直進して前記荷を搭載するステップを実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の制御プログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム、制御プログラムおよび制御プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の機能を実現するために、設定された領域内を自律移動する移動体が知られている。特許文献1には、設定された領域内を移動する移動体が記載されている。この移動体は、第1設定位置から第2設定位置までの広域軌道データを生成し、第2設定位置の近傍に設けた目標物体の認識結果に基づいて、目標位置まで移動するアプローチ軌道を生成する。この移動体は、広域軌道データに従って広域軌道を第2設定位置の近傍まで走行し、アプローチ軌道データに従って第2設定位置まで移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-182502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷の搬送効率を高めるために、所定の走行領域を自律移動可能な車両を複数台走行させて荷を搬送することが考えられる。複数の車両が共通の走行領域で運転される場合、車両同士が干渉する状態では、車両の少なくとも一方を停止させる。走行領域を狭小地に設定すると、車両同士が干渉する機会が増加し、車両が停止する機会が増えて搬送効率が大幅に低下する。
【0005】
本発明の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、搬送効率の低下を抑制可能な搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の搬送システムは、第1方向に延びる走行領域の両側に第1方向に沿って設けられた第1荷搭載場所および第2荷搭載場所に、第1搬送車および第2搬送車によって荷を搬送する搬送システムであって、走行領域は、第1荷搭載場所に荷を搬送する第1搬送車と、第2荷搭載場所に荷を搬送する第2搬送車とが第1方向に走行してすれ違い可能な幅であって、第1搬送車と第2搬送車とが同じ位置で積み付け動作を行えない幅を有する。搬送車は、予め定められた経路上を自律走行して荷を搬送し、当該搬送車の最小旋回中心が荷搭載場所の目的位置の中心を通る直線と交わる位置に到達する前の第1位置で旋回を開始し、旋回完了後に直進して荷を搭載する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬送効率の低下を抑制可能な搬送システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る搬送システムのレイアウトを模式的に示す平面図である。
図2図1の搬送車の平面図である。
図3図1の搬送車の側面図である。
図4図1の搬送車の最小旋回時の旋回軌跡を示す平面図である。
図5図1の搬送車の搬送システムを概略的に示すブロック図である。
図6図1の搬送車の走行軌跡を模式的に示す平面図である。
図7図1の搬送車の走行軌跡を模式的に示す平面図である。
図8図6のアプローチ動作を模式的に示す平面図である。
図9】参考例のアプローチ動作を模式的に示す平面図である。
図10図1の搬送車のブロッキングエリアを模式的に示す平面図である。
図11】変形例のブロッキングエリアを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0012】
[実施形態]
以下、図面を参照して、実施形態に係る搬送システム100を説明する。図1は、実施形態に係る搬送システム100を概略的に示す平面図である。搬送システム100は、第1方向(図1中で上下方向)に延びる走行領域70の両側に第1方向に沿って設けられた第1荷搭載場所60Aおよび第2荷搭載場所60Bに、第1搬送車10Aおよび第2搬送車10Bによって荷80を搬送する搬送システムである。第1荷搭載場所60Aおよび第2荷搭載場所60Bを総称するときは荷搭載場所60という。第1搬送車10Aおよび第2搬送車10Bを総称するときは搬送車10という。
【0013】
搬送システム100は、全体を制御するシステム制御部90と、搬送車10に搭載されて搬送車10を自律制御する制御部30とを備える。システム制御部90は、制御部30に対する上位システムであり、ブロッキングエリア制御部92を含む。システム制御部90は、各搬送車10に搬送指令を送信するとともに、複数の搬送車10の動作が干渉するときに優先順位を決定する。制御部30は、搬送指令に基づいて荷を搬送するように搬送車10の動作を自律制御する。
【0014】
図1に示すように、走行領域70の幅方向を第2方向という。第1方向および第2方向は、互いに直交する水平な方向である。説明の便宜上、図1中で、第1方向で上側を「基側」といい、下側を「先側」という。また、図1中で、第2方向で左側を「左」といい、右側を「右」という。
【0015】
まず、搬送システム100の概要を説明する。走行領域70は、所定の第2方向幅W1を有する。第1荷搭載場所60Aおよび第2荷搭載場所60Bは、走行領域70を挟んで第2方向に離隔して配置されている。図1の例では、第1荷搭載場所60Aおよび第2荷搭載場所60Bは、トラック72の荷台である。荷搭載場所60は、第1方向に配列された複数の搭載部50に区画されている。
【0016】
走行領域70の基端には倉庫の出庫部74が設けられている。出庫部74は、例えばローラコンベアの端部に設けられ、ローラコンベアによって送り出された荷80が待機している。搬送車10は、前後輪の一方のみがステアリング可能であり、予め定められた経路上を自律走行して荷80を搬送する。
【0017】
図1の例では、搬送車10は、出庫部74で荷80を受け取り、走行領域70を先側に向かって走行する。目的の搭載部50に到達すると、搬送車10は90°旋回して搭載部50に向かって走行し、荷80を積み入れる。積み入れが完了すると、搬送車10は90°旋回して基側に向かって走行領域70を走行し、出庫部74に戻る。搬送車10は、出庫部74に戻ると、新たな荷80を受け取り、同じ動作を繰り返す。
【0018】
搬送車10の直角積付通路幅Wpを説明する。搬送車10が直角に旋回して荷を積み込む動作を「直角積付」という。搬送車10が直角積付するのに必要な通路幅を「直角積付通路幅Wp」という。本明細書では、直角積付通路幅Wpは、最小旋回軌跡の幅に旋回余裕を加えた実用直角積付通路幅を意味する。なお、自動搬送車の場合では、誘導制御精度が高い場合に、その制御精度に応じて旋回余裕を小さくしてもよく、例えば旋回余裕はゼロであってもよい。
【0019】
本実施形態では、搬送車10は、ステアリングが1軸の車両であればよい。このような車両として、カウンタバランス型フォークリフト、リーチ型フォークリフトなどが挙げられる。本実施形態の搬送車10は、リーチ型フォークリフトである。ステアリングが1軸の車両では、荷80の幅や長さが大きくなると直角積付通路幅Wpは増加する。
【0020】
図2図3を参照して、搬送車10の一例について具体的な構成を説明する。図2は、搬送車10の平面図である。図3は、搬送車10の側面図である。図2に示すように、搬送車10は、車体18と、荷物を取り扱う荷役部20とを主に備える。搬送車10について、車体18に対して荷役部20が設けられる側を「前」といい、その反対側を「後」という。また、荷役部20が車体18に先行して走行することを「前進する」といい、その逆に走行することを「後進する」という。以下、搬送車10について、車体18を後部と表記し、荷役部20を前部と表記することがある。
【0021】
車体18には、前輪11と、後輪12と、アウトリガー13とが主に設けられている。アウトリガー13は、車体18の前方に設けられた一対のアーム状の部材である。前輪11は、各アウトリガー13の前方端部に配置されている。本実施形態の前輪11は、回転軸の向きが固定された遊動輪である。後輪12は、車体18の左後端に一つ配置される。後輪12には、回転駆動部12dと、操舵駆動部12sとが設けられる。後輪12は、モータ等の回転駆動部12dに回転駆動される駆動輪である。また、後輪12は、操舵駆動部12sに操舵され、搬送車10の進行方向を定める操舵輪でもある。回転駆動部12dおよび操舵駆動部12sは、後述する制御部30の走行制御部31によって制御される。
【0022】
荷役部20は、一対のアウトリガー13の間を前後に移動できる。荷役部20には、荷物を積むためのフォーク21と、フォーク21が取り付けられる昇降部22と、上下に延びるマスト23とが設けられている。フォーク21は、昇降部22によって上下に移動できる。
【0023】
図4は、搬送車10の最小旋回時の旋回軌跡を示している。この図は、後輪12が最大操舵角に操舵された状態で、搬送車10が90°旋回するときの旋回軌跡(以下、「最小旋回軌跡」という)を示している。最小旋回軌跡の中心を最小旋回中心Cmという。この例では、最小旋回中心Cmは、搬送車10の幅方向二等分線と前輪11の回転軸線との交点近傍に設定されている。図4に示すように、車両後側の旋回軌跡Trは車両前側の旋回軌跡Tfより旋回半径が大きい。
【0024】
図5を参照して、搬送車10の制御部30を説明する。図5は、搬送システム100を概略的に示すブロック図である。この図では、説明の上で重要ではない要素の一部を省略して表示している。図5の各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0025】
本実施形態の制御部30は、走行制御部31と、荷役動作制御部32と、安全エリア制御部33と、通信部34とを含む。走行制御部31は、搬送車10の自律走行を制御する。荷役動作制御部32は、荷80の積み降ろしのために荷役部20の動作を制御する。安全エリア制御部33は、搬送車10の安全エリアに関する動作を制御する。通信部34は、システム制御部90から搬送指令を受信する。通信部34は、搬送車10の位置情報、安全エリアに関する情報、ブロッキングエリアに関する情報などをシステム制御部90に送信する。なお、安全エリア、ブロッキングエリアの大きさは、予めシステム制御部90に記憶されてもよい。
【0026】
走行制御部31は、目的位置と自車位置とに基づいて後輪12の回転および操舵角を制御して、目的位置に到達するように搬送車10を自律走行させる。走行制御部31は、記憶部31mと、位置認識部31pと、回転制御部31dと、操舵制御部31sとを含む。記憶部31mは、システム制御部90から取得した目的位置(目的の搭載部50の位置)を記憶する。記憶部31mは、後述する複数の反射板76のマップ上の位置を予め記憶している。位置認識部31pは、レーザースキャナ10sの検知結果に基づいて自車位置を認識する。回転制御部31dは、回転駆動部12dを制御する。操舵制御部31sは、操舵駆動部12sを制御する。
【0027】
位置認識部31pとしては、公知の原理に基づく様々な位置検出方法を用いたものを採用できる。このような位置検出方法としては、レーザスキャナによる壁や棚などの施設形状を用いる方法、光と反射板を用いる方法、電波とRFID(Radio Frequency Identifier)を用いる方法、床に設けられた磁気テープの磁気信号を用いる方法、ビーコンの電波を用いる方法、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。
【0028】
本実施形態の位置認識部31pは、走行領域70、荷搭載場所60、出庫部74などに設けられた複数の反射板76と、搬送車10に搭載されたレーザースキャナ10sとによって自車位置を認識する。搬送車10のレーザースキャナ10sは、回転しながら複数の反射板76に対してレーザを送受信する。複数の反射板76の位置は、記憶部31mのマップ上に記憶されている。位置認識部31pは、少なくとも3つの反射板76をレーザースキャナで認識し、マップ上に記憶されている反射板76の位置情報を参照して三角測量の原理に基づいて自車位置を特定する。
【0029】
さらに、本実施形態の位置認識部31pは、搭載部50などの画像を認識して、その認識結果を参照して自車位置を補正できる。また、位置認識部31pは、ジャイロなどの加速度センサの検知結果を参照して自車位置を補正できる。また、位置認識部31pは、前輪11または後輪12の回転を検知するエンコーダの検知結果から特定した車輪の回転量を参照して自車位置を補正できる。
【0030】
安全エリア制御部33は、搬送車10の周囲に排他的な安全エリアを設定する。安全エリアは、意図しない未知の障害物、移動物(人間)との接触を避けるために、そのような接触の可能性がある場合に、強制的に停止する領域である。安全エリア制御部33は、搬送車10同士が接触する可能性がある場合にも強制停止する制御をしてもよい。一例として、意図しない未知の障害物、移動物が、他方の安全エリアに入ると、衝突や接触を回避して安全を確保するために、システム制御部90の指令に関わらず、自律制御により搬送車10の動作を停止させる。安全エリア制御部33は、レーザースキャナによって、車体を認識し、その認識結果に基づいて車体間距離を特定する。安全エリア制御部33は、意図しない未知の障害物、移動物との距離に応じて、搬送車10に減速、反転、停止などの動作を行わせる。安全エリア制御部33は、意図しない未知の障害物、移動物との距離をシステム制御部90に送信できる。
【0031】
図1を参照して、走行領域70を説明する。走行領域70の幅W1は、第1荷搭載場所60Aに荷80を搬送する第1搬送車10Aと、第2荷搭載場所60Bに荷80を搬送する第2搬送車10Bとが第1方向に走行してすれ違い可能な幅に設定される。つまり、幅W1は、搬送車10の幅、もしくは荷物の幅のどちらか大きい方の幅の2倍の寸法に所定のマージン(マージンはゼロでもよい)を加えた寸法と、1台分の実用直角積付通路幅Wpに安全領域の寸法を加えた寸法のどちらか大きい方より大きく設定される。
【0032】
走行領域70の幅W1が大きすぎると、スペースの利用効率が低下し、搬送システム100の設置可能範囲が制限される。このため、走行領域70の幅W1は、第1搬送車10Aと第2搬送車10Bとが第1方向で同じ位置で積み付け動作を行えない幅に設定される。具体的には、幅W1は、搬送車10の直角積付通路幅Wp(実用直角積付通路幅)の2倍に安全領域の幅を加えた寸法よりも小さく設定される。
【0033】
走行領域70は、走行領域70を幅方向に二等分する直線Laに対して左右対称である。第1搬送車10Aは、走行領域70の直線Laよりも右側の第1領域70Aを走行し、旋回して積み付けする際に一時的に左側に突出する。第2搬送車10Bは、走行領域70の直線Laよりも左側の第2領域70Bを走行し、旋回して積み付けする際に一時的に右側に突出する。したがって、両方が走行しているときは、第1搬送車10Aと第2搬送車10Bの間の干渉は生じない。干渉は、一方が積み付けのために旋回しているときに発生する。このため、一方の搬送車10が旋回しているときは、その周囲に排他的なブロッキングエリアが設定される。
【0034】
ブロッキングエリアは、搬送車10が将来的に移動する可能性がある領域である。ブロッキングエリアは、システム制御部90のブロッキングエリア制御部92によって制御(以下、「ブロッキング制御」という)される。ブロッキング制御は、ブロッキングエリアへの他車の侵入を防ぎ、優先順位をつけて各搬送車を制御する。ブロッキングエリアに他方の搬送車10が接近したら、他方の搬送車10は走行を停止し、システム制御部90から許可が得られるまで待機する。
【0035】
図10を参照して、ブロッキングエリアAbの一例を説明する。図10は、搬送車10のブロッキングエリアAbを模式的に示す平面図である。ブロッキングエリアAbは、旋回動作する際、積み付け動作する際などに、他方の搬送車との衝突を避けられるように十分広く設定され、通常安全エリアAsとは別に設定される。ブロッキングエリアAbは、図10に示すように、安全エリアAsと同等または安全エリアAsよりも広い範囲に設定される。直進するときは、図10に示すように、ブロッキングエリアAbは、荷80を搭載した状態の搬送車10を囲む矩形状のエリアに設定される。旋回するときは、ブロッキングエリアAbは、旋回軌跡と平行な曲線で囲まれた範囲に設定される。
【0036】
図6図9を参照して、搬送システム100の搬送動作を説明する。この動作は、第1搬送車10Aが第1方向に走行する走行動作と、第1搬送車10Aが第2方向に旋回して、荷搭載場所である搭載部50にアプローチするアプローチ動作とを含む。図6は、主に往路の第1搬送車10Aの走行軌跡T1を模式的に示す平面図である。図7は、主に復路の第1搬送車10Aの走行軌跡T2を模式的に示す平面図である。図8は、本実施形態における第1搬送車10Aのアプローチ動作を示し、図9は、参考例のアプローチ動作を示す。これらの図で、走行軌跡T1、T2は、第1搬送車10Aの最小旋回中心Cmの軌跡を示す。また、第1搬送車10Aの位置というときは、最小旋回中心Cmの位置を意味する。また、直線Lbは、搭載部50を第1方向に2等分する直線であり、目的位置の中心を通る第2方向に延びる直線を例示している。
【0037】
(1)往路において、図6に示すように、第1搬送車10Aは、前側を出庫部74Aに向けた状態で、出庫部74Aから荷80を受け取り、第1領域70Aを第1方向に後進する(図6で矢印Aで示す)。このとき、第1搬送車10Aおよび第2搬送車10Bは、互いにすれ違い可能な範囲で、直線Laに寄せることができる。本実施形態では、第1搬送車10Aおよび第2搬送車10Bは、直線Laから離して第1荷搭載場所60Aまたは第2荷搭載場所60Bに寄せている。つまり、第1搬送車10Aは、第1領域70Aの第2方向の中央よりも第1荷搭載場所60Aに近い側を走行する。また、第2搬送車10Bは、第2領域70Bの第2方向の中央よりも第2荷搭載場所60Bに近い側を走行する。
(2)第1搬送車10Aが搭載部50に接近したら、第1方向から第2方向に旋回してアプローチ動作を行う(図6で矢印Bで示す)。
【0038】
図8図9を参照して、アプローチ動作を説明する。図8図9において、相手車両の直進ルートにおける安全領域幅を二点鎖線で示す。また、搬送車(第1搬送車10A)の旋回時における相手車両(第2搬送車10B)の直進ルートのブロックされる領域(ブロッキングエリアAb)をハッチングで示す。図8および図9に示す例においては、ブロッキングエリアAbは、搬送車の旋回領域と相手車両の直進ルートの重複領域に設定され、具体的には搬送車の旋回領域と相手車両の直進ルートの重複領域と同じ第1方向長さ、相手車両の直進ルートと同じ第2方向幅、を有する長方形の領域として設定される。本発明者らは、アプローチ動作として、後輪12の操舵角を最大にして、最小旋回中心Cmが定位置になるように、その周りに旋回する定点旋回アプローチ(図9)と、後輪12の操舵角を最大よりも小さくして、円弧状に移動する最小旋回中心Cmの周りに旋回する移動点旋回アプローチ(図8)とを案出した。
【0039】
先に、定点旋回アプローチを説明する。定点旋回アプローチは、図9の走行軌跡Tcに示すように、旋回前の第1搬送車10A-1の最小旋回中心Cmが直線Lb上の位置Poに到達したときに開始される。このアプローチでは、中心Cmが位置Poに到達したら、進行を停止し、操舵角を最大にして、後部が搭載部50とは反対側を向くように旋回する。旋回後の第1搬送車10A-2は、後部が第2領域70Bに突出した状態でその位置Poに停止する。
【0040】
旋回完了後に、第1搬送車10A-2は、搭載部50に向かって前向きに直進し、荷80を搭載部50に搭載する。定点旋回アプローチでは、旋回時の荷80と第1荷搭載場所60Aとの干渉を回避するため、直進ルート(走行軌跡Tc)を第1荷搭載場所60Aから離す必要がある。第2搬送車10Bの直進ルートも同様の事情で第2荷搭載場所60Bから離す必要がある。その結果、第1搬送車10Aの直進ルートと第2搬送車10Bの直進ルートが、中央の直線La寄りで近づく。そのため、搬送車の旋回領域と相手車両の直進ルートの重複領域、つまりはブロッキングエリアAbの第1方向長さDbが大きくなる。
【0041】
なお、W1の幅を広くし、ブロッキングエリアAbを設定しないようにすることも可能であるが、前述したようにスペースの利用効率が低下する。そのため、幅W1が広くなりすぎないようにすると、定点旋回アプローチの場合、旋回後の安全領域の第1方向距離をDcとしたときに、ブロッキングエリアAbの第1方向長さDbは距離Dcの2倍程度必要になる。また、旋回後の第1搬送車10A-2の第1方向位置は、搭載部50に対してずれていることがある。このため、第1搬送車10A-2は、搭載部50に向かって前進しながら第1方向位置を修正する。所望の位置修正量を実現するための移動距離を修正用移動距離Daという。定点旋回アプローチの場合、修正用移動距離Daが短くなるため、修正用移動距離Daが足りなければ、旋回後に後進するといった煩雑な走行制御が必要になってしまう。
【0042】
移動点旋回アプローチを説明する。移動点旋回アプローチは、図8に示すように、最小旋回中心Cmが直線Lbと交わる位置Poに到達する前の第1位置P1で旋回を開始させる。このアプローチでは、中心Cmが第1位置P1に到達したら、進行を停止せずに、後輪12の操舵角を最大よりも小さくして、後部が搭載部50とは反対側を向くように旋回する。旋回後の第1搬送車10A-2は、後部が第2領域70Bに突出した状態で停止する。この停止位置P2は、図9の場合と比べて搭載部50から遠く、第2領域70Bに深く突出した位置になる。
【0043】
旋回完了後に、図9の場合と同様に、第1搬送車10A-2は、搭載部50に向かって前向きに直進し、荷80を搭載部50に搭載する(図6で矢印Cで示す)。ここで、直進とは、完全に真っ直ぐ進む場合だけでなく、前述したように第1方向位置を微修正しながら進む場合を含む。移動点旋回アプローチでは、位置P0に到達するよりも前の位置から緩やかに旋回するため、直進ルート(走行軌跡T1)を第1荷搭載場所60Aに近づけても干渉が発生しにくい。そのため、定点旋回アプローチに比べて、第1搬送車10Aの直進ルートを第1荷搭載場所60Aに近づけることができる。同様に、第2搬送車10Bの直進ルートを第2荷搭載場所60Bに近づけることができる。
【0044】
つまり、第1搬送車10Aの直進ルートと第2搬送車10Bの直進ルートが第2方向に離れる。その結果、搬送車の旋回領域と相手車両の直進ルートの重複領域、つまりはブロッキングエリアAbの第1方向長さDbを、定点旋回アプローチに比べて小さくできる。幅W1が広くなりすぎないようにしても、移動点旋回アプローチの場合、ブロッキングエリアAbの第1方向長さDbは距離Dcの1.2~1.5倍程度に抑えられる。Dbを小さくできると、旋回時の相手車両の移動可能範囲が広がり、作業効率が向上する。また、定点旋回アプローチに比べて、旋回停止時に搬送車が第1荷搭載場所60Aから大きく離れるため、修正用移動距離Daも大きくでき、追加の後進等が不要となる。このように、移動点旋回アプローチによれば、修正用移動距離Daが長くなる。
【0045】
移動点旋回アプローチでは、第1搬送車10Aは、第1荷搭載場所60Aに可能な限り寄せられることが望ましい。例えば、第1搬送車10Aと第1荷搭載場所60Aとのクリアランスは安全領域または安全領域にマージンを加えた間隔としてもよい。このように寄せた場合でも、移動しながら旋回するので、第1搬送車10Aの前側が第1荷搭載場所60Aに接触する可能性は低い。また、直線Laの位置は、図8に示すように、安全領域にマージンを加えた位置とすることができる。この結果、第1領域70Aの幅を、第1搬送車10Aまたは、荷80の幅に安全領域とマージンとを加えた幅とすることができるので、走行領域70の第2方向幅W1を狭くできる。
【0046】
第1位置P1は、位置Poよりも手前であればよく、所望する走行領域70の幅W1を実現するようにシミュレーションにより設定できる。
【0047】
ブロッキングエリア制御部92は、旋回前の第1搬送車10A-1が旋回を開始したら、ブロッキングエリアAbを設定する。ブロッキングエリア制御部92は、旋回後の第1搬送車10A-2が第2領域70Bから出て離れたら、ブロッキングエリアAbを解除する。つまり、第1搬送車10A-2の後部の第2領域70Bへの突出がなくなったら、ブロッキングエリアAbは解除される。
【0048】
(3)荷80の搭載が完了した後、図7に示すように、第1搬送車10Aは、出庫部74Aの近傍に戻る動作をする。復路において、第1搬送車10Aは、後進して搭載部50から離れ、後部を出庫部74Aに向ける旋回をする(図7で矢印Dで示す)。この旋回として、定点旋回と移動点旋回とを用いることができる。図7の例では、第1搬送車10Aは、移動点旋回により搭載部50から離脱する。具体的には、第1搬送車10Aは、位置P0に戻る前の位置P3で旋回を開始する。位置P3で旋回する場合、第1搬送車10Aは、第2領域70Bに突出しないので、制御部30は、ブロッキングエリアAbを設定しない。このことにより、第2搬送車10Bが停止する機会が減る。
【0049】
(4)旋回が完了したら、第1搬送車10Aは、出庫部74Aに向かって第1領域70Aを第1方向に後進する(図7で矢印Eで示す)。
(5)出庫部74Aの近傍に到達したら、第1搬送車10Aは、後部が第2方向に向くように旋回した後、前部が出庫部74Aに向くように旋回する(図7で矢印Fで示す)。2回の旋回が完了したら、第1搬送車10Aは、出庫部74Aから荷80を受け取り、上述の動作を繰り返す。
【0050】
この動作例は、あくまでも一例であって、種々の変形が可能である。
【0051】
このように構成された搬送システム100の特徴を説明する。搬送システム100では、搬送車10は、前後輪の一方のみがステアリング可能であり、予め定められた経路上を自律走行して荷を搬送し、当該搬送車10の最小旋回中心Cmが搭載部50の目的位置の中心を通る直線Lbと交わる位置P0に到達する前の第1位置P1で旋回を開始し、旋回完了後に直進して荷80を搭載部50に搭載する。
【0052】
この構成によれば、走行領域70の幅W1を小さく設定できる。このため、2台の搬送車10が対向して作業できないような狭小地にも搬送システム100を適用できる。また、搬送車10のブロッキングエリアAbを小さく設定できるので、ブロッキング動作で車両が停止する時間を減らせ、搬送効率の低下を抑制できる。また、アプローチ時の修正用移動距離Daを長くできるため、荷役位置の調整精度が向上する。
【0053】
また、この構成によれば、アプローチ時に、走行領域70の直線Laを超えて搬送車10が移動する軌道を取ることにより、幅W1を狭くできる。また、移動点旋回アプローチすることにより、定点旋回アプローチと比較して、直線Laを超える距離は長くなるが、他車をブロッキングする範囲が狭くなり、結果として、幅W1を狭くできる。また、この構成によれば、定点旋回アプローチをしないため、搬送車10を荷搭載場所60に可能な限り近いコースを走行できる。
【0054】
搬送車10は、荷80を持つことで直角積付通路幅Wpが増加する構成を有する。この場合、搬送車10として小型で安価な車両を採用できる。
【0055】
搬送車10は、搭載部50に荷80を搬送した後に戻るときは、位置P0に戻る前の位置P3で旋回を開始する。この場合、搬送車10は、移動点旋回するので搭載部50から離脱する際のブロッキングエリアを小さくできるか、ブロッキングエリアをなくすことができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容にも設計変更が許容されうる。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0057】
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0058】
[変形例]
実施形態の説明では、搬送車10が後進して出庫部74Aに戻る例を示したが、搬送車10は前進して出庫部74Aに戻ってもよい。
【0059】
実施形態の説明では、荷80が主に搬送車10の後進によって搬送される例を示したが、荷80は搬送車10の前進によって搬送されてもよい。例えば、出庫部74Aから受け取った荷80を前進によって荷物搭載場所に向けて搬送してもよい。
【0060】
実施形態の説明では、第1領域70Aおよび第2領域70Bの各領域を、1台の搬送車10が荷を搬送する例を示したが本発明はこれに限られない。例えば、各領域は、2台以上の搬送車10が荷を搬送するように構成されてもよい。この場合に移動点旋回するときは、図11に示すように、旋回前の搬送車10-1と旋回後の搬送車10-2との周囲にブロッキングエリアAbを設定してもよい。このブロッキングエリアAbは、旋回前の搬送車10-1の横幅に沿って車両の前後方向に延びる矩形状エリアと、旋回後の搬送車10-2の横幅に沿って車両の前後方向に延びる矩形状エリアと、旋回の内周側に旋回軌跡に略平行な円弧状エリアとを含む。この結果、ブロッキングエリアAbは、概ね横向きのT字状に設定される。T字状のブロッキングエリアAbを設定することにより、各領域で2台以上の搬送車10が荷を搬送できる。
【0061】
実施形態の説明では、搬送車10が、倉庫の出庫部74から、連設された搭載部50に対して荷80を搬送する例を示したが本発明はこれに限られない。例えば、搬送車は、連設された搭載部から倉庫の入庫部に対して荷を搬送してもよい。
【0062】
実施形態の説明では、荷搭載場所60がトラック72の荷台である例を示したが本発明はこれに限られない。例えば、荷搭載場所は倉庫などの棚であってもよい。
【0063】
実施形態の説明では、最小旋回中心Cmが搬送車10の幅方向二等分線上に設定される例を示したが本発明はこれに限られない。例えば、最小旋回中心Cmは、搬送車10の幅方向中心から一方側に寄って設定されてもよい。また、最小旋回中心Cmの位置は、所定の場合に制御によって変更されてもよい。
【0064】
実施形態の搬送車10は、前後輪の一方のみがステアリング可能であったが、これに限定されず、例えば前後輪の両方がステアリング可能であってもよい。
本発明は、搬送システムおよび搬送車の発明として捉えられるだけでなく、実施形態において説明された各種動作を搬送車10に行わせる制御プログラム、当該制御プログラムが記録された記録媒体の発明として捉えることもできる。この場合、記録媒体の種類は特に限定されず、例えばDVDのような記録メディアでもよいし、制御装置のハードディスクでもよい。この制御プログラムが搭載される装置は特に限定されず、例えばシステム制御部90に搭載されてシステム制御部90から搬送車10に指令されるようにしてもよいし、搬送車10の制御部30に搭載されてもよいし、一部機能がシステム制御部90に搭載され、残りの機能が搬送車10の制御部30に搭載されてもよい。
【0065】
上述の各変形例は実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0066】
上述した実施形態の構成要素と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0067】
P1 第1位置、 T1、T2 走行軌跡、 10 搬送車、 30 制御部、 31 走行制御部、 50 搭載部、 60 荷搭載場所、 70 走行領域、 80 荷、 100 搬送システム。
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