(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】複合ストリンガ及び複合ストリンガを形成するための方法
(51)【国際特許分類】
B64C 1/06 20060101AFI20240903BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240903BHJP
B29C 70/30 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B64C1/06
B64C1/00 B
B29C70/30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020083318
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-05-11
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジアンティエン
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0302912(US,A1)
【文献】特表2011-500417(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064004(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104245288(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/06
B64C 1/00
B29C 70/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)であって、
輸送体の外板(323,723,823,923,1023)又はベースチャージ(788,888,1088)のうちの少なくとも1つを含む支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に連結されるように構成された外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、
ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)から前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)まで延びる下方角部分(352,852,952,1020)、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、及び前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)に沿って延びる内面(334,834,934,1034)、並びに
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、及び前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)に沿って延びる外面(336,836,936,1036)であって、前記下方角部分(352,852,952,1020)において、前記外面(336,836,936,1036)が、第1の曲率半径(R1)によって画定され、前記第1の曲率半径(R1)が、前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)と前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)との間で実質的に一定である、外面(336,836,936,1036)
を含み、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、及び前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)が、複合材料の複数のプライ(474
i,574
i,674
i)を備える、複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)と、
前記下方角部分(352,852,952,1020)において前記内面(334,834,934,1034)に連結された第1の表面(890A,990A,1090A)、前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に連結
し、かつ接触するように構成された第2の表面(890B,990B,1090B)、及び前記第1の表面(890A,990A,1090A)と前記第2の表面(890B,990B,1090B)との間を延びる第3の表面(890C,990C,1090C)を含むr部充填剤(890,990,1090)と
を含み、
前記r部充填剤(890,990,1090)の前記第1の表面(890A,990A,1090A)が、前記第2の表面(890B,990B,1090B)と前記第3の表面(890C,990C,1090C)との間で実質的に一定である第2の曲率半径(R2)によって画定される、複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項2】
前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)が、
頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)と、
前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)から前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)まで延びる上方角部分(354,854,954,1054)と
を
更に含み、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)が、第1のゲージ(338,838,938,1038)を有し、前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)が、第2のゲージ(340,840,940A,940B,1040)を有し、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)が、第3のゲージ(342,842,942,1042)を有しており、
前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)の前記第2のゲージ(340,840,940A,940B,1040)が、前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)の前記第1のゲージ(338,838,938,1038)及び前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)の前記第3のゲージ(342,842,942,1042)より大きい、請求項1に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項3】
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)の前記第1のゲージ(338,838,938,1038)が、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)の前記第3のゲージ(342,842,942,1042)にほぼ等しい、請求項2に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項4】
前記第2の曲率半径(R2)が、前記第1の曲率半径(R1)と、前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)の前記第1のゲージ(338,838,938,1038)との合計にほぼ等しい、請求項2又は3に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項5】
長手方向軸(348,848,948)に沿って、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)が、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の第1の端部(350A,850A,950A)と前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の第2の端部(350B,850B,950B)との間の長さ(349,849)を有し、
前記長手方向軸(348,848,948)に沿って、前記第2の曲率半径(R2)が、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記長さ(349,849)にわたって実質的に一定である、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項6】
前記長手方向軸(348,848,948)に沿って、前記第1の曲率半径(R1)が、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記長さ(349,849)にわたって実質的に一定である、請求項5に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項7】
前記下方角部分(352,852,952,1020)において、前記内面(334,834,934,1034)が、前記第2の曲率半径(R2)によって画定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項8】
前記r部充填剤(890,990,1090)の前記第3の表面(890C,990C,1090C)が、前記第2の曲率半径(R2)にほぼ等しい第3の曲率半径(R3)によって画定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項9】
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)が前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に連結されるときに、前記内面(334,834,934,1034)が前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に面し、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)が前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に連結されるときに、前記外面(336,836,936,1036)が前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)と反対側を向く、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項10】
前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)が、第1の平面内を延びる前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の平面部分であり、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)が、第2の平面内を延びる前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の平面部分であり、
前記第1の平面が、前記第2の平面を横切る、請求項1から9のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項11】
前記r部充填剤(890,990,1090)の前記第3の表面(890C,990C,1090C)、及び前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)における前記内面(334,834,934,1034)に連結された、オーバーラップ層(1094,1194)を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項12】
複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の長手方向軸(348,848,948)に沿って、互いに軸方向に位置合わせされた前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)であって、各複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)が、
輸送体の外板(323,723,823,923,1023)又はベースチャージ(788,888,1088)のうちの少なくとも1つを含む支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に連結されるように構成された外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、
ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、
頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)から前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)まで延びる下方角部分(352,852,952,1020)、
前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)から前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)まで延びる上方角部分(354,854,954,1054)、
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、前記上方角部分(354,854,954,1054)、及び前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)に沿って延びる内面(334,834,934,1034)、並びに
前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、前記上方角部分(354,854,954,1054)、及び前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)に沿って延びる外面(336,836,936,1036)であって、第1の曲率半径(R1)によって画定される外面(336,836,936,1036)
を含む、複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)と、
r部充填剤(890,990,1090)であって、
各複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記下方角部分(352,852,952,1020)において、前記内面(334,834,934,1034)に連結された第1の表面(890A,990A,1090A)、
前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)に連結
し、かつ接触するように構成された第2の表面(890B,990B,1090B)、及び
前記第1の表面(890A,990A,1090A)と前記第2の表面(890B,990B,1090B)との間を延びる第3の表面(890C,990C,1090C)
を含み、
前記r部充填剤(890,990,1090)の前記第1の表面(890A,990A,1090A)が、第2の曲率半径(R2)によって画定される、r部充填剤(890,990,1090)と
を含む、複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)であって、
前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の第1の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)が、前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の第2の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)のゲージ(940B)と異なるゲージ(940A)を有し、
前記長手方向軸(348,848,948)に沿って、(i)前記複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)が、各複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)のそれぞれの長さ(349,849)の合計に等しい全長(949)を有し、(ii)前記第1の曲率半径(R1)が、前記複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)の前記全長(949)にわたって実質的に一定であり、かつ(iii)前記第2の曲率半径(R2)が、前記複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)の前記全長(949)にわたって実質的に一定である、複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項13】
前記第1の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)及び前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)が、前記第2の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)及び前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)のゲージ(338,838,938,1038,342,842,942,1042)にほぼ等しいゲージ(338,838,938,1038,342,842,942,1042)を有する、請求項12に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項14】
前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)毎に、前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)の前記ゲージ(340,840,940A,940B,1040)が、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)のゲージ(342,842,942,1042)及び前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)のゲージ(338,838,938,1038)より大きい、請求項12又は13に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項15】
前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)毎に、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)が、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)のゲージ(338,838,938,1038)にほぼ等しいゲージ(342,842,942,1042)を有する、請求項14に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項16】
前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)毎に、前記第1の曲率半径(R1)が、前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)と前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)との間で実質的に一定である、請求項12から15のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項17】
前記第2の曲率半径(R2)が、前記第1の曲率半径(R1)と、前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)のゲージ(338,838,938,1038)との合計にほぼ等しい、請求項12から16のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項18】
前記第1の表面(890A,990A,1090A)の前記第2の曲率半径(R2)が、前記r部充填剤(890,990,1090)の前記第2の表面(890B,990B,1090B)と前記r部充填剤(890,990,1090)の前記第3の表面(890C,990C,1090C)との間で実質的に一定である、請求項12から17のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)。
【請求項19】
複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)を形成するための方法であって、
複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を形成することであって、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)毎に、
複合材料の複数のプライ(474
i,574
i,674
i)から、(i)外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、(ii)ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、(iii)頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)、(iv)前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)から前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)まで延びる下方角部分(352,852,952,1020)、(v)前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)から前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)まで延びる上方角部分(354,854,954,1054)、(vi)前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、前記上方角部分(354,854,954,1054)、及び前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)に沿って延びる内面(334,834,934,1034)、並びに(vii)前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)、前記下方角部分(352,852,952,1020)、前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)、前記上方角部分(354,854,954,1054)、及び前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)に沿って延びる外面(336,836,936,1036)
を形成すること、並びに
前記下方角部分(352,852,952,1020)において、第1の曲率半径(R1)を有する前記外面(336,836,936,1036)を形成すること
を含む、複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を形成することと、
支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)の上に、前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を、長手方向軸(348,848,948)に沿って互いに軸方向に位置合わせして位置付けることであって、前記支持構造(322,722,822,922,1022,1222,1322,1422,1522)が、輸送体の外板(323,723,823,923,1023)又はベースチャージ(788,888,1088)のうちの少なくとも1つを含む、前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を位置付けることと、
各複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の
前記下方角部分(352,852,952,1020)において、当該複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記内面(334,834,934,1034)
にr部充填剤(890,990,1090)を連結
させることであって、前記r部充填剤(890,990,1090)の第1の表面(890A,990A,1090A)が、第2の曲率半径(R2)によって画定さ
れ、当該連結させることは、前記下方角部分(352,852,952,1020)が形成された後に行われる、r部充填剤(890,990,1090)を連結
させることと
を含み、
前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を形成することが、前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の第2の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)のゲージ(940B)と異なるゲージ(940A)を有する、前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の第1の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記頂部フランジ(326,826,926A,926B,1026,1226,1326,1426,1526)を形成することを含み、
前記長手方向軸(348,848,948)に沿って、(a)前記複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)が、各複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)のそれぞれの長さの合計に等しい全長を有し、(b)前記第1の曲率半径(R1)が、前記複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)の前記全長にわたって実質的に一定であり、(c)前記第2の曲率半径(R2)が、前記複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)の前記全長にわたって実質的に一定である、複合ストリンガアセンブリ(301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501)を形成するための方法。
【請求項20】
前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を形成することが、前記複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)毎に、前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)のゲージ(338,838,938,1038)にほぼ等しいゲージ(342,842,942,1042)を有する前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)を形成することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を形成することが、前記第1の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)及び前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)が、前記第2の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)の前記ウェブ(328,828,928,1028,1228,1328,1428,1528)及び前記外板フランジ(324,824,924,1024,1224,1324,1424,1524)のゲージ(342,842,942,1042)にほぼ等しいゲージ(338,838,938,1038)を有するように、前記第1の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)及び前記第2の複合ストリンガ(220,320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520)を形成することを含む、請求項19又は20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、複合構造に関し、より具体的には、複合ストリンガ、及び複合ストリンガを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]典型的な航空機を形成するために、様々な構造的構成要素が使用される。例えば、ストリンガは、外板パネルから航空機の別の構造(例えば、航空機のフレーム、リブ、及び/又はスパー)への負荷の運搬及び/又は移送に役立つように、1つ又は複数の外板パネルに連結することができる細長い部材である。このように、ストリンガは、外板パネルの圧縮負荷又はシヤ負荷による座屈の防止、及び/又は外板パネルの屈曲の緩和に役立ちうる。これらの理由及びその他の理由から、航空機は、通常、航空機の胴体、翼アセンブリ、及び/又は尾翼に1つ又は複数の複合ストリンガを含む。
【0003】
[0003]航空機は、とりわけ、航空機の軽量化と燃料効率の向上を支援するために、複合材料をますます組み込むようになってきている。特に、例えば、ストリンガ及び外板パネルは、複合材料から作られることがある。複合材料から作られたストリンガは、「複合ストリンガ」と称されることがある。
【0004】
[0004]例として、航空宇宙業界で一般的に使用される複合材料の1つの種類は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)である。CFRPは、概して、まとめて積層され、シート、積層板又はレイアップを形成する、1つ又は複数の複合層又はプライを含む。複合層又はプライの各々は、強化材料及びマトリクス材料を含みうる。マトリクス材料は、強化材料を囲み、結合させ、支持する。強化材料は、マトリクス材料及びCFRPに構造的強度を提供する。マトリクス材料は、概して、エポキシ樹脂などの非導電性ポリマーである。強化材料は、概して、導電性の炭素繊維のストランドからなる。
【0005】
[0005]本明細書で使用される際に、「複合構造(composite structure)」という用語は、CFRPから作られた1つ又は複数の構成要素(即ち、CFRP構成要素)から、全体又は一部が、製造、生産又は組み立てられる構造を意味し、限定されないが、航空機のリブ、スパー、パネル、胴体、翼、翼ボックス、燃料タンク、尾翼アセンブリなどの航空宇宙構造を含む。複合構造を製造、組み立て、形成又は生産するために、複合層又はプライがレイアップ、積層、及び硬化された後に、CFRPシート、積層板又はレイアップが、所望の形状又はサイズに切断又はトリミングされ、CFRP構成要素が形成されることがある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]1つの例では、複合ストリンガアセンブリが開示される。複合ストリンガアセンブリは、複合ストリンガ及びr部充填剤を含む。複合ストリンガは、(i)支持構造に連結されるように構成された外板、(ii)ウェブ、(iii)外板からウェブまで延びる下方角部分、(iv)外板フランジ、下方角部分、及びウェブに沿って延びる内面、及び(v)外板フランジ、下方角部分、及びウェブに沿って延びる外面を含む。下方角部分において、外面は、第1の曲率半径によって画定され、第1の曲率半径は、外板フランジとウェブとの間で実質的に一定である。外板フランジ、下方角部分、及びウェブは、複合材料の複数のプライを含む。支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む。r部充填剤は、下方角部分において内面に連結された第1の表面、支持構造に連結するように構成された第2の表面、及び第1の表面と第2の表面との間を延びる第3の表面を含む。r部充填剤の第1の表面は、第2の曲率半径によって画定され、第2の曲率半径は、第2の表面と第3の表面との間で実質的に一定である。
【0007】
[0007]別の例では、複合ストリンガアセンブリが記載される。複合ストリンガアセンブリは、複数の複合ストリンガ及びr部充填剤を含む。複数の複合ストリンガは、複数の複合ストリンガの長手方向軸に沿って、互いに軸方向に位置合わせされる。各複合ストリンガは、(i)支持構造に連結されるように構成された外板フランジ、(ii)ウェブ、(iii)頂部フランジ、(iv)外板フランジからウェブまで延びる下方角部分、(v)ウェブから頂部フランジまで延びる上方角部分、(vi)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる内面、並びに(vii)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる外面を形成することを含む。外面は、第1の曲率半径によって画定される。
【0008】
[0008]r部充填剤は、(a)各複合ストリンガの下方角部分において、内面に連結された第1の表面、(b)支持構造に連結するように構成された第2の表面、及び(c)第1の表面と第2の表面との間を延びる第3の表面を含む。r部充填剤の第1の表面は、第2の曲率半径によって画定される。長手方向軸に沿って、(1)複合ストリンガアセンブリは、各複合ストリンガのそれぞれの長さの合計に等しい全長を有し、(2)第1の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定であり、かつ(3)第2の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定である。
【0009】
[0009]支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む。複数の複合ストリンガの第1の複合ストリンガの頂部フランジは、複数の複合ストリンガの第2の複合ストリンガの頂部フランジのゲージと異なるゲージを有する。
【0010】
[0010]別の例では、複合ストリンガアセンブリを形成する方法が記載される。この方法は、複数の複合ストリンガを形成することを含む。複数の複合ストリンガを形成することは、複合ストリンガ毎に、複合材料の複数のプライから、(i)外板フランジ、(ii)ウェブ、(iii)頂部フランジ、(iii)外板フランジからウェブまで延びる下方角部分、(iv)ウェブから頂部フランジまで延びる上方角部分、(v)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる内面、並びに(vi)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる外面を形成することを含む。複数の複合ストリンガを形成することはまた、複合ストリンガ毎に、下方角部分において、第1の曲率半径を有する外面を形成することを含む。
【0011】
[0011]この方法はまた、支持構造の上に、複数の複合ストリンガを、長手方向軸に沿って互いに軸方向に位置合わせして配置することを含む。支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む。この方法はまた、各複合ストリンガの内面に、複合ストリンガの下方角部分におけるr部充填剤を連結することを更に含む。r部充填剤の第1の表面は、第2の曲率半径によって画定される。
【0012】
[0012]複数の複合ストリンガを形成することは、複数の複合ストリンガの第2の複合ストリンガの頂部フランジのゲージと異なるゲージを有する複数の複合ストリンガの第1の複合ストリンガの頂部フランジを形成することを含みうる。長手方向軸に沿って、(a)複合ストリンガアセンブリは、各複合ストリンガのそれぞれの長さの合計に等しい全長を有し、(b)第1の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定であり、かつ(c)第2の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定である。
【0013】
[0013]前述の特徴、機能、及び利点は、様々な例において個別に実現可能であるか、又は更に別の例に組み込まれてもよく、かかる更に別の例の更なる詳細事項は、以下の説明及び図面を参照することで理解することができよう。
【0014】
[0014]図示の実施例の特徴と考えられる新規の特性は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかし、実施例のみならず、好ましい使用モードと、それらの更なる目的及び説明は、添付図面と併せて、本開示の実施例についての以下の詳細説明を読むことによって、最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]実施例による航空機の側面図を示す。
【
図2】[0016]実施例による航空機の簡略化したブロック図を示す。
【
図3A】[0017]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図3B】[0018]実施例による、
図3Aに示す複合構造アセンブリの透視図を示す。
【
図5】[0020]別の実施例による複合構造を示す。
【
図6】[0021]別の実施例による複合構造を示す。
【
図7】[0022]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図8A】[0023]]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図8B】[0024]実施例による、
図8Aに示す複合構造アセンブリの透視図を示す。
【
図9A】[0025]]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図9B】[0026]実施例による、
図9Aに示す複合構造アセンブリの透視図を示す。
【
図10】[0027]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図11】[0028]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図12】[0029]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図13】[0030]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図14】[0031]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図15】[0032]実施例による複合構造アセンブリの側面図を示す。
【
図16】[0033]実施例による、複合ストリンガを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図17】[0034]
図16に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図18】[0035]
図17に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図19】[0036]
図16に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図20】[0037]実施例による、複合ストリンガを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図21】[0038]]実施例による、複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図22】[0039]
図21に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図23】[0040]]
図21に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図24】[0041]
図21に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図25】[0042]実施例による、複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図26】[0043]
図25に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図27】[0044]
図25に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図28】[0045]
図25に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図29】[0046]実施例による、複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図30】[0047]
図29に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図31】[0048]
図30に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図32】[0049]
図30に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図33】[0050]
図32に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図34】[0051]
図32に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図35】[0052]
図29に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図36】[0053]
図29に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図37】[0054]
図29に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図38】[0055]
図37に示すプロセスで使用することができる複合ストリンガアセンブリを形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図39】[0056]実施例による、可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図40】[0057]
図39に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図41】[0058]
図39に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図42】[0059]
図39に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図43】[0060]
図42に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図44】[0061]
図43に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図45】[0062]
図43に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図46】[0063]
図45に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図47】[0064]]
図39に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図48】[0065]
図39に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図49】[0066]実施例による、可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図50】[0067]
図49に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図51】[0068]
図50に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図52】[0069]]
図50に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図53】[0070]
図50に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図54】[0071]
図50に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図55】[0072]
図50に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【
図56】[0073]
図50に示すプロセスで使用することができる可変ゲージを有する複合構造を形成するための例示的プロセスのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0074]これより、添付図面を参照しつつ開示されている実施例についてより網羅的に説明するが、添付図面に示すのは開示されている例の一部であって、全てではない。実際には、いくつかの異なる例について説明することがあるが、これらの例は、本明細書に明記されている例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、この開示が網羅的で包括的なものになるよう、かつ、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように、かかる例について説明している。
【0017】
[0075]本明細書に記載の、分量又は測定値に関連する「約(about)」又は「実質的に(substantially)」という語は、記載されている特性、パラメータ、又は値が厳密に実現される必要はなく、例えば、特徴によってもたらされるはずの効果を不可能にはしない大きさの、許容誤差、測定エラー、測定精度限界、及び当業者にとって既知である他の要因を含む偏差又は変動が発生しうることを、意味する。
【0018】
[0076]本明細書に記載の、分量又は測定値に関連する「実質的に一定の(substantially constant)」という語は、記載されている特性、パラメータ、又は値が実質的に変わらないが、例えば、特徴によってもたらされるはずの効果を不可能にはしない大きさの、許容誤差、測定エラー、測定精度限界、及び当業者にとって既知である他の要因を含む偏差又は変動が発生しうることを、意味する。
【0019】
[0077]本明細書で使用される際に、「~より大きい」及び「~より小さい」という用語は、一般的な意味を有するよう意図される。よって、第1のバルブが第2のバルブより少しでも大きければ、第1のバルブは、第2のバルブより大きい。同様に、第1のバルブが第2のバルブより少しでも小さければ、第1のバルブは、第2のバルブより小さい。
【0020】
[0078]上記のように、航空機は、概して、外板パネルから航空機の別の構造(例えば、航空機のフレーム、リブ、及び/又はスパー)への負荷の運搬及び/又は移送を支援する、1つ又は複数の外板パネルに連結される1つ又は複数の複合ストリンガを含む。複合ストリンガは、例えば、ハット型(hat-shaped)ストリンガ、C型ストリンガ、J型ストリンガ、Y型ストリンガ、及び/又はZ型ストリンガといった、複数の異なる形状で形成されうる。加えて、例えば、多くの種類の複合ストリンガは支持構造(例えば、外板パネル)、頂部フランジ、及び外板フランジと頂部フランジとの間を延びるウェブに連結するように構成される少なくとも1つの外板フランジを含む。
【0021】
[0079]概して、複合ストリンガの耐負荷性能は、複合ストリンガの1つ又は複数の部分のゲージ(即ち、外板フランジ、頂部フランジ、及び/又はウェブのゲージ)に関連することがある。複合ストリンガの所与の部分のゲージは、(i)外板フランジが複合ストリンガに連結されるときに、支持構造に面する所与の部分の内面と、(ii)外板フランジが複合ストリンガに連結されるときに、支持構造と反対側を向く所与の部分の外面との間の厚さの測定値である。
【0022】
[0080]通常、外板フランジ、ウェブ、及び頂部フランジはすべて、共通の又は実質的に等しいゲージで形成される。しかしながら、いくつかの実施態様では、頂部フランジは、外板フランジ及びウェブより多い量の負荷に耐える傾向にある。したがって、従来の複合ストリンガについて、外板フランジ、頂部フランジ、及びウェブのゲージは、頂部フランジの耐負荷要求に基づくことがある。その結果、従来の複合ストリンガのウェブ及び/又は外板フランジは、概して、ウェブ及び/又は外板フランジの耐負荷要求を満たすのに必要であるより大きなゲージを有している。このウェブ及び/又は外板フランジの超過により、重量のペナルティー及び/又は増加した製造コストが課せられる可能性がある。
【0023】
[0081]加えて、例えば、従来、外板フランジが頂部フランジと同じゲージを有しているので、外板フランジは、外板フランジが連結される支持構造(例えば、外板パネル)の剛性より比較的大きい剛性を有することがある。本明細書で使用される際に、「剛性(stiffness)」という用語は、適用された力に応じて、物体(例えば、外板フランジ及び/又は支持構造)が変形に抵抗する程度を意味する。いくつかの例では、外板フランジの剛性と支持構造との間の比較的大きい不一致は、ある機械的負荷下で複合ストリンガを支持構造から剥離させる可能性がある。
【0024】
[0082]また、例えば、航空機の異なる部分が異なる負荷を受けることが予想されうるため、複合ストリンガのゲージは、ストリンガによって変動することがある。例えば、航空機は、比較的大きい量の負荷を受けることが予想される航空機の位置で比較的大きいゲージを有する複合ストリンガを含むこともあり、比較的小さい量の負荷を受けることが予想される航空機の位置で比較的小さいゲージを有する複合ストリンガを含むこともある。航空機内の異なる位置で異なる複合ストリンガが異なるゲージを有することがあるので、複合ストリンガの設計及び生産は、例えば、個々のストリンガ設計に対応するための重量の考慮事項の増加及び/又は様々なツーリング要件のため、比較的複雑でコストがかかる可能性がある。
【0025】
[0083]従来の複合ストリンガの耐性を強化し高めるための1つの手法は、r部充填剤を、複合ストリンガと支持構造との間の「r部充填剤領域」又は「ヌードル領域」において、複合ストリンガに結合することである。概して、r部充填剤領域は、支持構造と複合ストリンガの角部分との間に形成され、この角部分は、概して、外板フランジとウェブとの間の複合ストリンガの湾曲又は屈曲部分である。r部充填剤は、r部充填剤領域に位置付けられた複合材料(例えば、CFRP)でありうる。r部充填剤は、複合ストリンガの耐性を強化し高めるのに役立ちうるが、重量ペナルティーを受ける(輸送体の場合には、燃料効率及び/又はペイロード運搬能力に望ましくない影響を与える可能性がある)。
【0026】
[0084]本明細書に記載の例示的複合ストリンガ、複合ストリンガアセンブリ、及び方法は、既存の複合ストリンガの少なくともいくつかの制限に対処することができる。例えば、実施例の範囲内で、複合ストリンガは、第1のゲージを有する外板フランジ、第2のゲージを有する頂部フランジ、及び第3のゲージを有し、外板フランジと頂部フランジとの間を延びるウェブを含むことができる。頂部フランジの第2のゲージは、外板フランジの第1のゲージ及びウェブの第3のゲージより大きい。したがって、頂部フランジが、耐負荷要件を満たすために比較的大きなゲージを持するのに対し、外板フランジ及びウェブは、複合ストリンガの重量を減らし、複合ストリンガの製造コストを削減し、及び/又は外板フランジと支持構造との間の境界面での層間剥離を緩和するために、比較的小さいゲージを有することができる。
【0027】
[0085]外板フランジの第1のゲージは、外板フランジの剛性が支持構造の剛性にほぼ等しくなるように構成することができる。このことは、機械的負荷下で、外板フランジを支持構造で曲げることができ、よって更に、外板フランジと支持構造との間の境界面での層間剥離を緩和するのに役立ちうる。実施例の範囲内で、複合ストリンガの耐負荷性能要件を満たすために、頂部フランジで比較的大きいゲージを有しつつ、この高められた外板フランジの可撓性を実現することができる。
【0028】
[0086]加えて、実施例の範囲内で、外板フランジの第1のゲージ及びウェブの第3のゲージが低減される(例えば、頂部フランジで同一の第2のゲージを有する従来の複合ストリンガに対して)ときに、r部充填剤のサイズ及び/又は形状を低減することができる。このことは、重量及び/又は複合ストリンガを生産するためのコストを更に低減するのに役立ちうる。
【0029】
[0087]複合ストリンガ及び/又はr部充填剤は、追加的に又は代替的には、一定の曲率半径によって画定される1つ又は複数の表面を含む。例えば、複合ストリンガとr部充填剤との間の境界面で、複合ストリンガ及びr部充填剤は、境界面の表面積にわたって一定である曲率半径によって、各々画定することができる。このことは、r部充填剤のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリの強度を高め、複合ストリンガを形成するためにツーリング要件を簡略化し、及び/又は複数の複合ストリンガの間のばらつきを減らすのに役立ちうる。
【0030】
[0088]複数の異なるゲージ及び/又は一定の曲率半径を有する複合ストリンガを形成することは、複合ストリンガのある部分で複数の複合外リンガの間のばらつきを減らすのに役立ちうる(又は最小化しうる)。例えば、実施例において、複数の複合外ストリンガは、頂部フランジにおいて異なる第2のゲージを有することができるが、複合ストリンガは、(i)外板フランジにおいて同じ第1のゲージ、(ii)ウェブにおいて同じ第3のゲージ、及び/又は(iii)r部充填剤を含む境界面において同じ曲率半径を含みうる。このことは、生産コストを削減し、及び/又は複合ストリンガを含む複合ストリンガアセンブリを形成するためのツーリング要件を簡略化するのに役立ちうるが、これは少なくとも、r部充填剤が、複合ストリンガのすべてと互換性のある一定の形状及び/又は一定のサイズを有する複合ストリンガに沿って延びうるためである。
【0031】
[0089]前述の例に追加的な又は代替的な例では、複合ストリンガアセンブリは、複合ストリンガ、支持構造、及び複合ストリンガ及び支持構造の内面に連結されたオーバーラップを含みうる。この配置において、オーバーラップ層は、ウェブ、外板フランジ及び/又はr部充填剤を支持するのに役立ち、よって、複合ストリンガ、r部充填剤及び/又は支持構造の間の層間剥離を軽減するのに役立ちうる(又は防止しうる)。オーバーラップをこの配置で提供することは、追加的に又は代替的には、外板フランジの第1のゲージを低減し、ウェブの第3のゲージを低減し、及び/又はr部充填剤のサイズを縮小するのに役立ちうる(例えば、オーバーラップ層を省略する複合ストリンガアセンブリと比較して)。
【0032】
[0090]ここで
図1を参照すると、航空機100の側面図が実施例に従って示される。
図1に示すように、航空機100は、例えば、胴体110、複数の翼アセンブリ112、及び尾翼114などの複数のアセンブリを含むことができる。1つ又は複数の推進ユニット116は、翼アセンブリ112、胴体110、及び/又は航空機100の他の部分に連結することができる。
図1に示す航空機100は、概して民間旅客機を代表するものであるが、本開示の教示は、他の旅客機、貨物航空機、軍用航空機、回転翼航空機、並びに他のタイプの輸送体、例えば、航空宇宙輸送体(例えば、衛星、宇宙輸送体、及び/又はロケット)、船舶、列車、自動車、トラック、バス、又は1つ若しくは複数の複合ストリンガを有する他の適切な構造に適用することができる。
【0033】
[0091]実施例の範囲内で、胴体110、翼アセンブリ112、及び/又は尾翼114は、1つ又は複数の複合構造を含みうる。概して、複合構造は、複合材料が構造的観点から単一のユニットとして作用するのに十分な強度でまとめて結合される複数の複合材料から形成される構造である。複合材料(合成材料とも呼ばれ、一般的には複合材と略される)は、組み合わせると、個々の構成要素とは異なる特性を有する材料を生成する、著しく異なる物理的又は化学的性質を有する2つ以上の構成材料から作られた材料である。
【0034】
[0092]
図2は、実施例による、胴体110、翼アセンブリ112、及び尾翼114を含む航空機100の簡略化されたブロック図である。
図1-2に示すように、胴体110、翼アセンブリ112、及び尾翼114は各々、1つ又は複数の外板パネル218と、1つ又は複数の複合ストリンガ220とを含むことができる。上記のように、複合ストリンガ220は、所定の曲げ及びねじり剛性を、胴体110、翼アセンブリ112、及び尾翼114に提供するように構成される。例えば、複合ストリンガ220は、外板パネル218が負荷下で座屈しないよう、外板パネル218の曲げ負荷及び外板パネル218の剛性を伝達するように構成することができる。
【0035】
[0093]
図2は胴体110、翼アセンブリ112、及び尾翼114の複合ストリンガ220を示すが、航空機100は、これら他のアセンブリ上の負荷を補強及び/又は伝達するために、航空機100の1つ又は複数の他のアセンブリに複合ストリンガ220を含みうる。実施例の範囲内で、胴体110、翼アセンブリ112、及び尾翼114の複合ストリンガ220は、単軸の張力及び圧縮並びに面外座屈の影響を受ける可能性がある。胴体110、翼アセンブリ112、及び尾翼114の複合ストリンガ220はまた、シヤ及び曲げ負荷を含む二次的負荷を受ける可能性もある。圧縮下の構成要素は、ねじれ、損傷し、曲がる傾向にある。複合ストリンガ220は、強度を提供し、圧縮及び張力に抵抗し、ねじれ力、損傷力、及び座屈力に対する安定性を提供する。例えば、複合ストリンガ220は、様々な作用力に備えうる支持構造を、胴体110、翼アセンブリ112、又は尾翼114内に提供することができる。
【0036】
[0094]ここで
図3A-3Bを参照すると、支持構造322に連結された複合ストリンガ320を含む複合ストリンガアセンブリ301が、実施例に従って示される。特に、
図3Aは、複合ストリンガ320及び支持構造322の側面図を示し、
図3Bは、複合ストリンガ320及び支持構造322の透視図を示す。
【0037】
[0095]
図3A-3Bに示すように、複合ストリンガ320は、支持構造322に連結されるように構成された外板フランジ324、頂部フランジ326、及び外板フランジ324と頂部フランジ326との間を延びるウェブ328を含む。
図3A-3Bでは、複合ストリンガ320は、ハット型(hat-shaped)ストリンガの形態である。したがって、ウェブ328は、頂部フランジ326の第1の側326Aから延びることができ、複合ストリンガ320は、支持構造322及び第2の外板フランジ330と頂部フランジ326の第2の側326Bとの間を延びる第2のウェブ332に連結されるように構成された第2の外板フランジ330を更に含むことができる。
【0038】
[0096]
図3A-3Bに示す複合ストリンガ320は、
図12-15に関して以下に記載のハット型ストリンガであるが、
図3A-3Bに関して記載の原理は、他の種類の複合ストリンガ(例えば、J型ストリンガ、C型ストリンガ、I型ストリンガ、及び/又はZ型ストリンガ)に適用するよう延びうる。特に、本明細書に記載の概念及び原理は、少なくとも1つの外板フランジ、少なくとも1つのウェブ、及び頂部フランジを含む任意の種類の複合ストリンガに適用することができる。
【0039】
[0097]上記のように、外板フランジ324及び第2の外板フランジ330は、支持構造322に連結されるように構成される。例えば、外板フランジ324及び第2の外板フランジ330は、外板フランジ324及び第2の外板フランジ330が連結される支持構造322の表面に実質的に平行な平面に延びうる。このことは、少なくとも一部には、比較的大きい境界面の表面積のため、(i)外板フランジ324及び第2の外板フランジ330と(ii)支持構造322との間の境界面において、複合ストリンガ320と支持構造322との間の比較的強い結合を促進するのに役立ちうる。
【0040】
[0098]
図3A-3Bにおいて、支持構造322は、輸送体の外板323(例えば、胴体110、翼アセンブリ112、及び/又は尾翼114の外板パネル210)である。しかしながら、下記のように、支持構造322は、追加的に又は代替的には、輸送体の外板323に連結されたベースチャージを含みうる。ベースチャージは、複合材料の複数のプライを含み、例えば、外板323上での複合ストリンガ320の支持及び緩衝を助けるために使用できる。したがって、より具体的には、支持構造322は、輸送体の外板323又はベースチャージの少なくとも1つを含みうる。
【0041】
[0099]外板フランジ324、頂部フランジ326、及びウェブ328、第2の外板フランジ330、及び第2のウェブ332は、複合材料の複数のプライを含む。1つの例として、複合材料は、炭素繊維強化プラスチック(「CFRP」)でありうる。各プライは、強化材料及びマトリクス材料を含みうる。マトリクス材料は、強化材料を結合し、支持しうる。例として、マトリクス材料は、エポキシ樹脂などの非導電性ポリマーを含み、補強材料は、1つ又は複数のストランド炭素繊維を含みうる。
【0042】
[0100]加えて、
図3A-3Bに示すように、複合ストリンガ320は、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330に沿って延びる内面334を含みうる。外板フランジ324及び第2の外板フランジ330が支持構造322に連結されるとき、内面334は、支持構造322に面する。複合ストリンガ320はまた、外板フランジ324、ウェブ328、及び頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330に沿って延びる外面336も含む。外板フランジ324及び第2の外板フランジ330が支持構造322に連結されるとき、外面336は、支持構造322と反対側を向く。
【0043】
[0101]この配置において、外板フランジ324は第1のゲージ338を有し、頂部フランジ326は第2のゲージ340を有し、ウェブ328は第3のゲージ342を有する。第1のゲージ338、第2のゲージ340,及び第3のゲージ342は、外板フランジ324、頂部フランジ326、及びウェブ328それぞれにおいて、内面334と外面336との間のそれぞれの厚さである。
図3A-3Bに示すように、頂部フランジ326の第2のゲージ340は、外板フランジ324の第1のゲージ338及びウェブ328の第3のゲージ342より大きい。本明細書で使用される際に、「~より大きい」という用語は、その一般的な意味を有することを意図している(即ち、第2のゲージ340は、任意の量だけ第1のゲージ338より大きく、第2のゲージ340は、任意の量だけ第3のゲージ342より大きい)。
【0044】
[0102]概して、頂部フランジ326は、外板323上で、外板フランジ324及びウェブ328より大きい量の負荷を帯びる。頂部フランジ326に、外板フランジ324の第1のゲージ338及びウェブ328の第3のゲージ342より大きい第2のゲージ340を提供することによって、複合ストリンガ320の強度対重量比は、外板フランジ324、ウェブ328、及び頂部フランジ326すべてが同じゲージを有する複合ストリンガより改善されうる。加えて、以下に更に詳細に記載されるように、外板フランジ324の第1のゲージ338及びウェブ328の第3のゲージ342を低減することは、いくつかの追加的利点を提供する可能性がある。
【0045】
[0103]
図3A-3Bにおいて、ウェブ328の第3のゲージ342は、外板フランジ324の第1のゲージ338にほぼ等しい。
図8A-8Bに関して以下で更に詳細に記載されるように、このことは、複合ストリンガ320に接合されるr部充填剤の量を減らすのに役立ちうる(又は最小にしうる若しくは除きうる)。しかしながら、他の例では、ウェブ328の第3のゲージ342は、外板フランジ324の第1のゲージ338と異なる可能性がある。
【0046】
[0104]また、実施例の範囲内で、第2の外板フランジ330は第4のゲージ344を有することができ、第2のウェブ332は第5のゲージ346を有することができる。第4のゲージ344及び第5のゲージ346は、第2の外板フランジ330及び第2のウェブ332それぞれにおいて、内面334と外面336との間のそれぞれの厚さでありうる。この例では、頂部フランジ326の第2のゲージ340は、第2の外板フランジ330の第4のゲージ344及び第2のウェブ332の第5のゲージ346より大きくすることができる。上記のように、このことは、有利には、第2の外板フランジ330、第2のウェブ332、及び頂部フランジ326のすべてが同じゲージを有する複合ストリンガより、複合ストリンガ320の強度対重量比を改善するのに役立ちうる。
【0047】
[0105]加えて、
図3A-3Bにおいて、第2の外板フランジ330の第4のゲージ344は、第2のウェブ332の第5のゲージ346にほぼ等しくすることができる。
図8A-8Bに関して以下で更に詳細に記載されるように、このことは、複合ストリンガ320に接合されるr部充填剤の量を減らすのに役立ちうる(又は最小にしうる若しくは除きうる)。しかしながら、他の例では、ウェブ328の第3のゲージ342は、外板フランジ324の第1のゲージ338と異なる可能性がある。
【0048】
[0106]1つの実施例において、第2のゲージ340は、およそ1.5ミリメートル(mm)からおよそ16.0mmとすることができる。この例では、第1のゲージ338及び第3のゲージ342は、第2のゲージ340より小さく、およそ0.6mmからおよそ12.0mmの範囲内とすることができる。別の例において、第2のゲージ340は、およそ2.0mmからおよそ14.0mmとすることができる。この例では、第1のゲージ338及び第3のゲージ342は、第2のゲージ340より小さく、およそ0.8mmからおよそ10.0mmの範囲内とすることができる。更なる例では、第2のゲージ340は、およそ2.4mmからおよそ12.0mmとすることができる。この例では、第1のゲージ338及び第3のゲージ342は、第2のゲージ340より小さく、およそ1.0mmからおよそ8.0mmの範囲内とすることができる。他の例も可能である。
【0049】
[0107]1つの実施例において、第2のゲージ340は、第1のゲージ338及び第3のゲージ342よりおよそ10パーセントからおよそ500パーセント大きくすることができる。別の例において、第2のゲージ340は、第1のゲージ338及び第3のゲージ342よりおよそ14パーセントからおよそ300パーセント大きくすることができる。更に別の例において、第2のゲージ340は、第1のゲージ338及び第3のゲージ342よりおよそ30パーセントからおよそ200パーセント大きくすることができる。上記は、第1のゲージ338及び/又は第3のゲージ342より大きい第2のゲージ340の例示的実施例である。他の例も可能である。
【0050】
[0108]実施例の範囲内で、外板フランジ324の第1のゲージ338及び/又は第2の外板フランジ330の第4のゲージ344は、少なくとも部分的には、輸送体の外板323の剛性に基づくことができる。例えば、外板フランジ324の剛性及び第2の外板フランジ330の剛性は、外板フランジ324の第1のゲージ338及び第2の外板フランジ330の第4のゲージ344にそれぞれに関連しうる(例えば、比較的大きいゲージが比較的高いレベルの剛性に寄与しうるのに対し、比較的小さいゲージは比較的低いレベルの剛性に寄与しうる)。
【0051】
[0109]概して、(i)外板フランジ324及び/又は第2の外板フランジ330の剛性と(ii)輸送体の外板323との間の比較的大きい不一致は、ある機械的負荷下で、複合ストリンガ320の外板323からの層間剥離につながることがある。実施例の範囲内で、
図3の複合ストリンガアセンブリ301は、剛性の不一致に起因するそのような層間剥離を低減することができる(又は防止しうる)。例えば、いくつかの例において、外板フランジ324の第1のゲージ338及び第2の外板フランジ330の第4のゲージ344は、外板フランジ324の剛性及び/又は第2の外板フランジ330の剛性が輸送体の外板323の剛性にほぼ等しくなるように、構成することができる。このことは、(i)輸送体の外板323と(ii)外板フランジ324又は第2の外板フランジ330との間の境界面における衝撃及び/又は負荷のためエネルギー吸収を高めるのに役立ち(又は最大にしうる)、複合ストリンガ320と外板323との間の層間剥離を軽減しうる(又は防止しうる)。
【0052】
[0110]上記のように、頂部フランジ324は、外板フランジ324の第1のゲージ338及び第2の外板フランジ330の第4のゲージ344より大きい第2のゲージ340を有している。したがって、頂部フランジ326は、外板フランジ324及び/又は第2の外板フランジ330の剛性より大きい剛性を有することができる。したがって、複合ストリンガ320は、有利には、剛性が負荷を運搬及び移送するのに有利である頂部フランジ326において、より大きい量の剛性を有し、層間剥離を軽減するために、複合ストリンガ320が輸送体の外板323と屈曲できるようにすることが有利である外板フランジ324及び/又は第2の外板フランジ330において、より少量の剛性を有しうる。
【0053】
[0111]
図3Bに示すように、複合ストリンガ320は、長手方向軸348を有し、長手方向軸348に沿って、複合ストリンガ320は、複合ストリンガ320の第1の端部350Aと複合ストリンガ320の第2の端部350Bとの間に長さ349を有する。
図3Bでは、長手方向軸348に沿って、外板フランジ324の第1のゲージ338、ウェブ328の第3のゲージ342、及び/又は頂部フランジ326の第2のゲージ340が各々、複合ストリンガ320の長さ349にわたって実質的に一定である。実施例の範囲内で、このことは、ストリンガ製造を簡略化し、ストリンガツーリングコストを削減し、及び/又は製造時間を短縮するのに役立ちうる。このことは、追加的に又は代替的には、例えば、長さ349にわたる外板フランジ324の第1のゲージ及びウェブ328の第3のゲージ342の低減された(又は最小にされた)ばらつきのため、複合ストリンガ320の品質を高めるのに役立つ。同様に、長手方向軸348に沿って、第2の外板フランジ330の第4のゲージ344及び第2のウェブ332の第5のゲージ346は各々、複合ストリンガ320の長さ349にわたって実質的に一定である。
【0054】
[0112]上記のように、外板フランジ324、頂部フランジ326、及びウェブ328、第2の外板フランジ330、及び第2のウェブ332は、複合材料の複数のプライを含む。実施例において、複合材料の複数のプライは、複数の繊維を含み、複数の繊維は、長手方向軸に沿って、外板フランジ324、頂部フランジ326、ウェブ328、第2の外板フランジ330、及び第2のウェブ332のおよそ30パーセント以上を含む。このことは、例えば、重量、製造コスト及び/又は材料コストを減らしつつ、頂部フランジ326の剛性を高めうる。
【0055】
[0113]1つの例では、複合ストリンガ320を形成する複数のプライは、長手方向軸348に対して通常のプライ角度でレイアップすることができる。よって、複合材料の複数のプライは各々、複合ストリンガ320の長手方向軸348に対して、0度、+45度、-45度、及び90度からなるプライ角度のグループのいずれか1つに等しいプライ角度を有することができる。別の例では、複数のプライは、長手方向軸348に対して通常とは異なるプライ角度でレイアップすることができる。例えば、複合材料の複数のプライの少なくとも1つのプライは、複合ストリンガ320の長手方向軸348に対して、0度、+45度、-45度、及び90度からなるプライ角度のグループのいずれにも等しくないプライ角度を有することができる。このことは、例えば、複合ストリンガ320に十分な可撓性を提供するのに役立ち、輪郭形成されたパネル表面に嵌合し、及び/又は製造品質を向上させる。
【0056】
[0114]実施例の範囲内で、複合ストリンガ320は、1つ又は複数の角部分を含むことができ、その各々が、複合ストリンガ320の2つの他のセグメントの間に(即ち、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330のうちの2つの間に)移行セグメントを提供する。例えば、
図3A-3Bでは、複合ストリンガ320の角部分は、(i)外板フランジ324からウェブ328まで延びる下方角部分352、(ii)ウェブ328から頂部フランジ326まで延びる上方角部分354、(iii)第2の外板フランジ330から第2のウェブ332まで延びる第2の角部分356、及び/又は(iv)第2のウェブ332から頂部フランジ326まで延びる第2の上方角部分358を含むことができる。複合ストリンガ320が2つ以上の角部分を含む実施態様では、「下方(lower)」という用語は、複合ストリンガ320が支持構造322に連結されるときに、頂部フランジ326よりも支持構造322に接近していることを意味し、「上方(upper)」という用語は、複合ストリンガ320が支持構造322に連結されるときに、支持構造322よりも頂部フランジ326に接近していることを意味する。しかしながら、複合ストリンガ320が単一の角部分を含む実施態様では、「下方」及び「上方」という用語は、文脈が指示しない限り、交換可能に使用されることがある。
【0057】
[0115]概して、下方角部分352が外板フランジ324とウェブ328との間に移行セクションを提供し、その一方で、上方角部分354は、ウェブ328と頂部フランジ326との間に移行セクションを提供しうる。同様に、第2の下方角部分356が、第2の外板フランジ330と第2のウェブ332との間に移行セクションを提供し、その一方で、第2の上方角部分358は、第2のウェブ332と頂部フランジ326との間に移行セクションを提供しうる。
【0058】
[0116]例えば、
図3A-3Bにおいて、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330は、空間それぞれの平面に各々が延びる平面構造でありうる。外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330が延びるそれぞれの平面は、互いに異なっていてもよい。よって、下方角部分352、上方角部分354、第2の下方角部分356、及び/又は第2の上方角部分358は、1つの平面から別の平面への移行を容易にする湾曲形状及び/又は屈曲形状を含みうる。
【0059】
[0117]例えば、
図3A-3Bは、座標系360を示し、
図3Aは、座標系360のX-Y平面内の複合ストリンガアセンブリ301を示す。
図3A-3Bに示すように、外板フランジ324、頂部フランジ326、及び第2の外横切る板フランジ330が各々、座標系360のX-Z平面に平行なそれぞれの平面において延びるのに対し、ウェブ328及び第2のウェブ332は、座標系360のX-Z平面を横切るそれぞれの平面において延びうる。この配置において、下方角部分352は、外板フランジ324とウェブ328との間の角度362を画定し、上方角部分354は、ウェブ328と頂部フランジ326との間の角度364を画定し、第2の下方角部分356は、第2の外板フランジ330と第2のウェブ332との間の角度366を画定し、第2の上方角部分358は、第2の外板フランジ330と第2のウェブ332との間の角度368を画定しうる。
【0060】
[0118]1つの実施例において、外板フランジ324とウェブ328との間の角度362は、およそ95度とおよそ150度との間とすることができ、第2の外板フランジ330と第2のウェブ332との間の角度366は、およそ95度とおよそ150度との間とすることができる。別の例において、角度362及び/又は角度366は、およそ100度とおよそ135度との間とすることができる。このことは、剛性を高め、重量を減らし、製造コストを削減し、及び/又は複合ストリンガ320のための材料コストを削減するのに役立ちうる。加えて、実施例において、ウェブ328と頂部フランジ326との間の角度364は、およそ95度とおよそ150度との間とすることができ、第2のウェブ332と頂部フランジ326との間の角度368は、およそ95度とおよそ150度との間とすることができる。別の例において、角度364及び/又は角度368は、およそ100度とおよそ135度との間とすることができる。このことはまた、剛性を高め、重量を減らし、製造コストを削減し、及び/又は複合ストリンガ320のための材料コストを削減するのに役立ちうる。
【0061】
[0119]
図3A-3Bに示される例において、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330は、平面構造である。しかしながら、他の例では、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び/又は第2の外板フランジ330は、平面構造でなくてもよい。例えば、外板フランジ324及び/又は第2の外板フランジ330は、支持構造322の非平面形状に適合するように、平面構造でなくてもよい。
【0062】
[0120]追加的に又は代替的には、下方角部分352、上方角部分354、第2の下方角部分356、及び/又は第2の上方角部分358は、1つのゲージから別のゲージに移行するように構成することができる。例えば、
図3A-3Bにおいて、上方角部分354は、頂部フランジ326の第2のゲージ340からウェブ328の第3のゲージ342への移行をもたらし、この場合、第2のゲージ340は第3のゲージ342より大きい。したがって、上方角部分354は、頂部フランジ326からウェブ328に向かう方向に減少する可変ゲージを有することができる。同様に、
図3A-3Bにおいて、第2の上方角部分358は、頂部フランジ326の第2のゲージ340から第2のウェブ332の第5のゲージ346への移行をもたらす。したがって、第2の上方角部分358は、頂部フランジ326から第2のウェブ332に向かって減少する可変ゲージを有することができる。
【0063】
[0121]
図3A-3Bにおいて、外板フランジ324の第1のゲージ338は、ウェブ328の第3のゲージ342にほぼ等しく、第2の外板フランジ330の第4のゲージ344は、第2のウェブ332の第5のゲージ346にほぼ等しい。したがって、
図3A-3Bにおいて、下方角部分352は、第1のゲージ338及び第3のゲージ342にほぼ等しいゲージを有することができ、第2の下方角部分356は、第4のゲージ344及び第5のゲージ346にほぼ等しいゲージを有することができる。しかしながら、外板フランジ324、ウェブ328、第2の外板フランジ330、及び/又は第2のウェブ332が互いに異なるゲージを有する他の例では、下方角部分352及び/又は第2の下方角部分356は、外板フランジ324、ウェブ328、第2の外板フランジ330、及び/又は第2のウェブ332の間で増減する可変ゲージを有することができる。
【0064】
[0122]実施例の範囲内で、1つのゲージから別のゲージへ移行するために、下方角部分352、上方角部分354、第2の下方角部分356、及び/又は第2の上方角部分358は、複数の連続プライ及び1つ又は複数のドロップオフプライを含むことができる。概して、各連続プライは、下方角部分352の第1の端部から第2の端部、上方角部分354、第2の下方角部分356、及び/又は第2の上方角部分358まで延びる。対照的に、各ドロップオフプライは、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間のドロップオフプライの先端のそれぞれの位置まで延びる。この配置では、第2の端部には第1の端部より少ないプライが配置される。したがって、ドロップオフプライの先端を第1の端部と第2の端部との間に位置付けることによって、ゲージは、あるゲージから別のゲージに移行するために、第1の端部から第2の端部まで低減する。
【0065】
[0123]例えば、
図3A-3Bにおいて、複合材料の複数のプライは、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを含みうる。上記のように、
図3A-3Bにおいて、上方角部分354は、頂部フランジ326の第2のゲージ340からウェブ328の第3のゲージ342までの移行を容易にしうる。この例では、外板フランジ324、ウェブ328、上方角部分354、及び頂部フランジ326は、各連続プライを含みうる。加えて、この例では、頂部フランジ326及び上方角部分354が、各ドロップオフプライを含むのに対し、外板フランジ324及びウェブ328は、ドロップオフプライを省略することができる。特に、例えば、ドロップオフプライがウェブ328及び外板フランジ324まで延びないように、各ドロップオフプライは、上方角部分354に自由端(即ち、先端)を有することができる。以下に更に詳細に記載するように、各ドロップオフプライの自由端は、鈍端形状及び/又はテーパー形状を有することができる。
【0066】
[0124]例として、
図4-6は各々、1つのゲージから別のゲージへの移行のための可変ゲージを有するそれぞれの複合構造を示す。
図4-6に示す複合構造は、例えば、
図3A-3Bに示す下方角部分352、上方角部分354、第2の下方角部分356、及び/又は第2の上方角部分358といった、複合ストリンガ320の角部分とすることができる。
【0067】
[0125]
図4は、実施例による複合構造470を示す。
図4に示すように、複合構造470は、第1のゲージ472Aを有する第1の端部470Aと、第1の端部470Aの第1のゲージ472Aより小さい第2のゲージ472Bを有する第2の端部470Bとを含む。複合構造470はまた、第1の端部470Aから第2の端部470Bまで延びる内面434と、第1の端部470Aから第2の端部470Bまで延びる外面436とを含む。
【0068】
[0126]1つの実施態様では、第1の端部470A及び第2の端部470Bは、複合構造470と複合ストリンガの他の部分(例えば、複合ストリンガ320)との間のそれぞれの境界面でありうる。例えば、複合構造470が
図3の上方角部分354である例では、第1の端部470Aは、
図3の上方角部分354と頂部フランジ326との間の第1の境界面とすることができ、第2の端部470Bは、
図3の上方角部分354とウェブ328との間の第2の境界面とすることができる。また、この例では、複合構造470の第1の端部470Aの第1のゲージ472Aは、頂部フランジ326の第2のゲージ340にほぼ等しくすることができ、複合構造470の第2の端部470Bの第2のゲージ472Bは、ウェブ328の第3のゲージ342にほぼ等しくすることができる。
【0069】
[0127]他の例では(例えば、複合構造470が下方角部分352、第2の下方角部分356、又は第2の上方角部分358である場合)、第1の端部470Aの第1のゲージ472A及び第2の端部470Bの第2のゲージ472Bは、第1のゲージ338、第2のゲージ340、第3のゲージ342、第4のゲージ344、及び/又は第5のゲージ346のそれぞれのゲージに対応することができ、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び/又は第2の外板フランジ330の対応するフランジ間の移行を容易にする。
【0070】
[0128]また
図4に示すように、複合構造470は、内面434との外面436との間にスタック状に配置された、複合材料の複数のプライ474
i=1~474
i=n(以下、集合的に「プライ474
i」と称される)を含み、nは、2以上の整数値である。
図4では、複合構造470が、合計18のプライ474
i(即ち、n=18)を含む。しかしながら、他の例では、複合構造470は、プライ474
iより少量又は多量のプライを含むことができる。
【0071】
[0129]この構成では、第1の端部470Aの第1のゲージ472A及び第2の端部470Bの第2のゲージ472Bはそれぞれ、第1の端部470A及び第2の端部470Bそれぞれにおいて、内面434と外面436との間の厚さである。更に、第1のゲージ472Aは、第1の端部470Aにおけるプライ474
iの量に関係し、第2のゲージ472Bは、第2の端部470Bにおけるプライ474
iの量に関係する。例えば、
図4では、第1の端部470Aにおけるプライ474
iの量は、第1のゲージ472Aが第2のゲージ472Bより大きくなるように、第2の端部470Bにおけるプライ474
iの量より大きい。
【0072】
[0130]特に、第1の端部470Aと第2の端部470Bとの間でプライ474
iの量を変更するために、複合材料のプライ474
iは、複数の連続プライ474A及び複数のドロップオフプライ474Bを含む。
図4では、各連続プライ474Aは、第1の端部470Aから第2の端部470Bまで延びる。一方で、各ドロップオフプライ474Bは、先端476を含み、各ドロップオフプライ474Bは、第1の端部470Aから第1の端部470Aと第2の端部470Bとの間のドロップオフプライ474Bの先端476のそれぞれの位置まで延びる。
【0073】
[0131]したがって、連続プライ474Aが第1の端部470A及び第2の端部470Bに存在し、その一方で、ドロップオフプライ474Bは、第1の端部470Aには存在し、第2の端部470Bには存在しない。このように、ドロップオフプライ474Bは、第1の端部470Aにおいて第1のゲージ472Aに寄与することができるが、ドロップオフプライ474Bは、ドロップオフプライ474Bが第2の端部470Bより前で終端する(即ち、先端476が、第1の端部470Aと第2の端部470Bとの間のそれぞれの位置にある)ため、第2の端部470Bにおいて第2のゲージ472Bに寄与することはない。
【0074】
[0132]図を明確にするために、
図4では、連続プライ474Aの代表的サブセットには、参照番号474Aが付され、ドロップオフプライ474Bの代表的サブセットには、参照番号474Bが付されている。しかしながら、第1の端部470Aから第2の端部470Bまで完全に延びるプライ474
iの各々は、連続プライ474Aの1つであり、第1の端部470Aと第2の端部470Bとの間で終端するプライ474
iの各々は、ドロップオフプライ474Bの1つである。特に、
図4では、プライ474
i=1-3,9-18は、連続プライ474Aであり、プライ474
i=4-8は、ドロップオフプライ474Bである。
【0075】
[0133]
図4で示されるように、各ドロップオフプライ474Bの先端476は、鈍端形状を有しており、ドロップオフプライ474Bは、スタック状に(例えば、クラスタ状に)互いにすぐ隣に配置される。概して、あるゲージから別のゲージに移行するこの手法は、効果的でありうる。しかしながら、複合構造470の性能(及び/又は複合構造470を組み込む複合ストリンガ320)は、
図5-6を参照して以下で詳細に説明される技術のうちの1つ又は複数を使用して改善できることが分かった。
【0076】
[0134]例えば、鈍端形状の先端476を有するドロップオフプライ474Bを使用し、及び/又はドロップオフプライ474Bをクラスタ状に配置すると、ドロップオフプライ474Bの先端476及びその付近の領域478に比較的大きな樹脂ポケットが生じることがある。いくつかの例では、領域478内の比較的大きな樹脂ポケットが、熱的及び/又は機械的負荷がかかる領域478で層間剥離を引き起こすことがあろう。加えて、例えば、ドロップオフプライ474Bの先端476をクラスタ状に配置すると、プライのよじれ及び/又はしわのリスクが高まり、積層板の強度が低下することもある。更に、いくつかの例では、ドロップオフプライの先端476を中心から外れた位置に配置する(例えば、内面434よりも外面436に接近して)ことによっても、プライのよじれ及び/又はしわのリスクが高まる可能性があり、よって、静的強度が低下し、及び/又は熱的及び/又は機械的負荷下での潜在的な歪みにより疲労強度が低下する可能性がある。
【0077】
[0135]例には、可変ゲージを有する複合構造が記載されており、これにより、1つ又は複数の点で複合構造470を改善することができる。例えば、いくつかの例では、ドロップオフプライ474Bの先端476は、テーパー形状を有することができ、及び/又はプライ474iは、複合構造470の負荷運搬能力を高める1つ又は複数のパターンに従って配置することができる。
【0078】
[0136]ここで
図5を参照すると、可変ゲージを有する複合構造570が、別の実施例にしたがって示される。
図5に示すように、複合構造570は、第1のゲージ572Aを有する第1の端部570Aと、第1の端部570Aの第1のゲージ572Aより小さい第2のゲージ572Bを有する第2の端部570Bとを含む。加えて、
図5に示すように、複合構造570は、第1の端部570Aから第2の端部570Bまで延びる内面534と、第1の端部570Aから第2の端部570Bまで延びる外面536とを含む。
【0079】
[0137]また
図5に示すように、複合構造570は、内面534と外面536との間にスタック状に配置された、複合材料の複数のプライ574
i=1~574
i=n(以下、集合的に「プライ574
i」と称される)を含み、nは、2以上の整数値である。
図5では、複合構造570が、合計28のプライ574
i(即ち、n=28)を含む。しかしながら、他の例では、複合構造570は、プライ574
iより少量又は多量のプライを含むことができる。
【0080】
[0138]この構成では、第1の端部570Aの第1のゲージ572A及び第2の端部570Bの第2のゲージ572Bはそれぞれ、第1の端部570A及び第2の端部570Bそれぞれにおいて、内面534と外面536との間の厚さである。更に、上記のように、第1のゲージ572Aは、第1の端部570Aにおけるプライ574
iの量に関係し、第2のゲージ572Bは、第2の端部570Bにおけるプライ574
iの量に関係する。例えば、
図5では、第1の端部570Aにおけるプライ574
iの量は、第1のゲージ572Aが第2のゲージ572Bより大きくなるように、第2の端部570Bにおけるプライ574
iの量より大きい。
【0081】
[0139]上記のように、複合構造570の可変ゲージは、内面534と外面536との間にスタック状に配置された複数の連続プライ574A及び複数のドロップオフプライ574Bを含む複合材料のプライ574
iからもたらされる。
図5では、各連続プライ574Aは、第1の端部570Aから第2の端部570Bまで延びる。一方で、各ドロップオフプライ574Bは、第1の端部570Aから、第1の端部570Aと第2の端部570Bとの間のドロップオフプライ574Bの先端576のそれぞれの位置まで延びる。したがって、第1のゲージ572Aは、連続プライ574Aの量及びドロップオフプライ574Bの量に基づいており、第2のゲージ572Bは、連続プライ574Aの量に基づいている(かつ、ドロップオフプライ574Bの量には基づいていない)。
【0082】
[0140]図を明確にするために、
図5では、連続プライ574Aの代表的サブセットには、参照番号574Aが付され、ドロップオフプライ574Bの代表的サブセットには、参照番号574Bが付されている。しかしながら、第1の端部570Aから第2の端部570Bまで完全に延びるプライ574
iの各々は、連続プライ574Aの1つであり、第1の端部570Aと第2の端部570Bとの間で終端するプライ574
iの各々は、ドロップオフプライ574Bの1つである。特に、
図5において、プライ574
i=1-6,8,10,12,14,15,17,19,21,23,25-28は、連続プライ574Aであり、プライ574
i=7,9,11,13,16,18,20,22,24は、ドロップオフプライ574Bである。
【0083】
[0141]
図5に示すように、各ドロップオフプライ574Bの先端576は、テーパー形状を有する。より具体的には、例えば、各ドロップオフプライ574Bの先端576の厚さは、第1の端部570Aから第2の端部570Bに向かって先端576に沿った方向に、段階的に低減することができる。先端576がテーパー形状を有しているので、先端576は、プライ574
iの隣接するプライにより接近して(例えば、比較的急激に終端する、
図4の鈍端形状の先端476と比較して)当接することができる。よって、テーパー形状を有する先端576は、ドロップオフプライ574Bの先端576で樹脂ポケットを低減させることができ(又は最小にすることができ)、複合構造570の層間強度を改善する(又は最大化する)のを助けることができる。したがって、ドロップオフプライ574Bの先端576のテーパー形状は、第1のゲージ572Aを有するセクションから第2のゲージ572Bを有するセクションまでの移行のために可変ゲージを有する複合構造570の耐負荷性能の改善を助けることができる。
【0084】
[0142]実施例の範囲内で、ドロップオフプライ574Bの先端576のテーパー形状は、ドロップオフプライ574Bの長手方向軸に対しておよそ85度小さい角度で各ドロップオフプライ574Bを切断することによって、形成することができる。対照的に、
図4に示すドロップオフプライ474Bの先端476の鈍端形状は、例えば、ドロップオフプライ474Bの長手方向軸に対しておよそ90度の角度で各ドロップオフプライ474Bを切断することによって、形成することができる。
【0085】
[0143]上記のように、複合構造570の耐負荷性能は、追加的又は代替的には、プライ574
iが複合構造570内に配置されるパターンに基づいて、高めることができる。例えば、
図5では、ドロップオフプライ574Bは、連続プライ574Aのうちの少なくとも1つによって、互いに分離される。より具体的には、
図5では、各ドロップオフプライ574Bは、複数の連続プライ574Aのうちのそれぞれ2つの連続プライ574Aの間に挟まれ、かつそれぞれ2つの連続プライ574Aに当接する。ドロップオフプライ574Bを互いに分離すること、及び/又は連続プライ574Aの間でドロップオフプライ574Bを挟むことによって、ドロップオフプライ574Bは、内面534と外面536との間により均一に(
図4に示すドロップオフプライ474Bのクラスタ状の配置と比較して)分散させることができる。このことは、プライのよじれ及び/又はしわの低減、樹脂ポケットの低減、及び/又は複合構造570の層間強度の低減を助けることができる(又は防止することができる)。
【0086】
[0144]上記のように、
図5では、プライ574
i=1-6,8,10,12,14,15,17,19,21,23,25-28は、連続プライ574Aであり、プライ574
i=7,9,11,13,16,18,20,22,24は、ドロップオフプライ574Bである。したがって、
図5において、プライ574
i=7,9,11,13,16,18,20,22,24の各々が、プライ574
i=1-6,8,10,12,14,15,17,19,21,23,25-28のうちの少なくとも1つによって、互いに分離され、プライ574
i=7,9,11,13,16,18,20,22,24の各々が、プライ574
i=1-6,8,10,12,14,15,17,19,21,23,25-28のそれぞれ2つのプライの間に挟まれ、かつそれらに当接する。例えば、
図5では、プライ574
i=7は、プライ574
i=8によってプライ574
i=9から分離し、プライ574
i=7は、プライ574
i=6とプライ574
i=8との間に挟まれる。加えて、例えば、プライ574
i=9は、プライ574
i=10によってプライ574
i=11から分離し、プライ574
i=8によってプライ574
i=9から分離し、プライ574
i=8とプライ574
i=10との間に挟まれる。更に、例えば、プライ574
i=16は、プライ574
i=14,15によってプライ574
i=13から分離され、プライ574
i=17によってプライ574
i=18から分離され、プライ574
i=15とプライ574
i=17との間に挟まれる。類似の関係が、
図5のドロップオフプライ574Bの残り(即ち、プライ518
i=11,13,18,20,22,24)にも存在する。上記のように、(例えば、
図5に示されるように)連続プライ574Aとずらして配置されたドロップオフプライ574Bの特性を有するパターンでプライ574
iを配置することは、プライのよじれ及び/又はしわの低減を助けることができ(又は防止することができ)、樹脂ポケットの低減を助けることができ(又は防止することができ)、及び/又は複合構造570の層間強度の増加を助けることができる(又は最大にすることができる)。
【0087】
[0145]実施例の範囲内で、ドロップオフプライ574Bの先端576のパターンは、追加的に又は代替的には、以下の特性のうちの1つ又は複数を含む。(i)複合構造570の前半の先端576の、複合構造570の後半の先端576のパターンを鏡映するパターンでの配置、(ii)互いに対する先端576のずらし配置、及び/又は(iii)少なくとも1つの閾値距離(例えば、プライ574iのうちの1つ又は複数のそれぞれの位置及び/又はそれぞれの厚さに関する少なくとも1つの距離)による、先端576の互いに対する間隔維持。これらの特性の各々は、単独で又は組み合わせて、プライのよじれ及び/又はしわを低減することができ(又は防止することができ)、樹脂ポケットを低減することができ(又は防止することができ)、及び/又は層間強度を増加することができる(又は最大にすることができる)パターンで、ドロップオフプライ574Bを配置することに寄与することができる。
【0088】
[0146]
図5は、1つの例による、複合構造570の中央部分580に対する鏡映パターンで配置された先端576を示す。中央部分580は、中央部分580の両側のドロップオフプライ574Bの先端576のパターンを特徴付けるための基準のフレームを提供する1つ又は複数のプライ574
iを含むことができる。概して、中央部分580は、(i)内面534と外面536との間にあり、(ii)第1の端部570Aから第2の端部570Bまで延びる。
【0089】
[0147]
図5において、中央部分580は、プライ574
i=15,16を含むことができる。したがって、
図5において、中央部分580は、単一のドロップオフプライ574B(即ち、プライ518
i=16)と、単一の連続プライ574A(即ち、プライ518
i=15)とを含むことができる。しかしながら、別の例では、中央部分580は、2つのドロップオフプライ574Bと、少なくとも1つの連続プライ574Aとを含むことができる。更に別の例では、中央部分580は、単一のドロップオフプライ574Bのみからなりうる。別の例では、中央部分580は、1つ又は複数の連続プライ574Aを含み、ドロップオフプライ574Bを含むことができる。より具体的には、中央部分580は、連続プライ574Aのうちの1つ又は複数、及び/又はドロップオフプライ574Bのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0090】
[0148]上記のように、ドロップオフプライ574Bの先端576は、中央部分580に対する実質的鏡映パターン又は鏡映パターンで配置することができる。例えば、ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットは、外面536と中央部分580との間にあり、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットは、中央部分580と内面534との間にありうる。この配置では、ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットの先端576は、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットの先端576のパターンを実質的に鏡映するパターンで配置される。要するに、中央部分580に関して、ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットの先端576のそれぞれの位置は、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットの先端576のそれぞれの位置と比較して、(i)逆向きに、(ii)類似して(又は等しく)、配置される。
【0091】
[0149]例えば、
図5において、中央部分580は、プライ574
i=15,16を含むことができ、ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットは、プライ574
i=7,9,11,13を含むことができ、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットは、プライ574
i=18,20,22,24を含むことができる。
図5に示すように、ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットの先端576のパターンは、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットの先端576のパターンを実質的に鏡映する。例えば、中央部分580に関して、第1のサブセットの先端576のそれぞれの位置は、第2のサブセットの先端576のそれぞれの位置と比較して、逆向きにかつ類似して配置される。
【0092】
[0150]加えて、
図5に示すように、ドロップオフプライ574Bの先端576のパターンは、単調に外側に向かうパターンでありうる。例えば、
図5において、ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットは、中央部分580に最も接近したドロップオフプライ574B(例えば、プライ574
i=13)から、外面536に最も接近したドロップオフプライ574B(即ち、プライ574
i=7)への順とすることができる。ドロップオフプライ574Bの第1のサブセットの先端576のパターンは、各連続するドロップオフプライ574Bが順に配置された状態で、ドロップオフプライ574Bの先端576と第2の端部570Bとの間の相対距離が減少することを含みうる。したがって、
図5において、(i)プライ518
i=13の先端576は、第2の端部570Bから第1の距離にあり、(ii)プライ518
i=11の先端576は、第2の端部570Bから、第1の距離より小さい第2の距離にあり、(iii)プライ518
i=9の先端576は、第2の端部570Bから、第2の距離より小さい第3の距離にあり、(iv)プライ518
i=7の先端576は、第2の端部570Bから、第3の距離より小さい第4の距離にある。
【0093】
[0151]同様に、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットは、中央部分580に最も接近したドロップオフプライ574B(例えば、プライ574
i=18)から、内面534に最も接近したドロップオフプライ574B(例えば、プライ574
i=24)への順とすることができる。ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットの先端576のパターンは、各連続するドロップオフプライ574Bが順に配置された状態で、ドロップオフプライ574Bの先端576と第2の端部570Bとの間の相対距離が減少することを含む。したがって、
図5において、(v)プライ574
i=18の先は、第2の端部570Bから第5の距離にあり、(vi)プライ574
i=20の先端576は、第2の端部570Bから、第5の距離より小さい第6の距離にあり、(vii)プライ574
i=22の先端576は、第2の端部570Bから、第6の距離より小さい第7の距離にあり、(viii)プライ574
i=24の先端576は、第2の端部570Bから、第7の距離より小さい第8の距離にある。
【0094】
[0152]したがって、
図5に示す先端576の単調に外側に向かうパターンでは、ドロップオフプライ574Bの先端576は、概して、第1の端部570Aから第2の端部570Bへの方向に、中央部分580から外側に向かって広がるように見える。先端576の単調に外側に向かうパターンは、第1の端部570Aにおける第1のゲージ572Aから第2の端部570Bにおける第2のゲージ572Bまでのより段階的及び/又は滑らかな移行を助けることができる。加えて、例えば、先端576の単調に外側に向かうパターンは、例えば、
図4の先端476の配置(外面436付近で、クラスタ状である)に関する、比較的大きな対称性の実現を助けることができる。
【0095】
[0153]
図5に示す単調に外側に向かうパターンの追加的又は代替的態様によれば、ドロップオフプライ574Bは、ドロップオフプライ574Bが第1の端部570Aから第2の端部570Bに向かう方向に下がる順(即ち、第1の端部570Aから第2の端部570Bに向かう方向における、先端576のそれぞれの位置の順)を定義する、複数の対のドロップオフプライ574B内に配置することができる。特に、各対のドロップオフプライ574Bは、第1のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ574Bと、第2のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ574Bとを含むことができる。
【0096】
[0154]例えば、
図5では、第1の対は、プライ574
i=13,18を含み、第2の対は、プライ574
i=11,20を含み、第3の対は、プライ574
i=9,22を含み、第4の対は、プライ574
i=7,24を含む。
図5に示されるように、第1の端部570Aから第2の端部570Bへの方向に、ドロップオフプライ574Bが、第1の対から第4の対への順に下がる(drop off)。要するに、ドロップオフプライ574Bの第1の対の先端576は、第1の端部570Aに最も接近しており、ドロップオフプライ574Bの第2の対の先端576は、第1の端部570Aに2番目に接近しており、ドロップオフプライ574Bの第3の対の先端576は、第1の端部570Aに3番目に接近しており、ドロップオフプライ574Bの第4の対の先端576は、第1の端部570Aから最も離れている。
【0097】
[0155]加えて、例えば、各対のドロップオフプライ574B毎に、第1のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ574B、及び第2のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ574Bは、外面536と内面534との間の次元において、中央部分580から実質的に等距離である。例えば、
図5に示すように、ドロップオフプライ574Bの第1の対は各々、単一のプライ574
iのプライの厚さ582に等しい距離だけ中央部分580から離れて配置され、ドロップオフプライ574Bの第2の対は各々、プライの厚さ582の3倍に等しい距離だけ中央部分580から離れて配置され、ドロップオフプライ574Bの第3の対は各々、プライの厚さ582の5倍に等しい距離だけ中央部分580から離れて配置され、ドロップオフプライ574Bの第4の対は各々、プライの厚さ582の7倍に等しい距離だけ中央部分580から離れて配置される。
【0098】
[0156](i)第4の端部570Aから第2の端部570Bの順に、ペアバイペアで(pair-by-pair)下がり、及び/又は(ii)中央部分580に対して等距離である、対でドロップオフプライ574Bを配置することは、第1の端部570Aにおける第1のゲージ572Aから第2の端部570Bにおける第2のゲージ572Bまでのより段階的及び/又は滑らかな移行を助け、及び/又は例えば、
図1の先端476の配置(外面436付近で、クラスタ状である)に関して、比較的大きな対称性の実現を助けることができる。
【0099】
[0157]実施例の範囲内で、各ドロップオフプライ574Bは、複合構造570(例えば、長手方向軸348)の長手方向軸に対して、およそ-30度と+30度との間であるプライ角度を有することができる。このことは、比較的わずかな(又は最小の)量のプライ574iによる所望の剛性の実現、ひいては、複合構造570の重量及び/又は複合構造570製造のコストの低下(又は最小化)の助けとなりうる。ある例では、対毎に、プライ角度は、対のドロップオフプライ574Bでほぼ同じである。このことは、複合構造570の対称性の向上(又は最大化)を助けることができる。
【0100】
[0158]
図5に示す単調に外側に向かうパターンの追加的又は代替的態様によれば、単調に外側に向かうパターンは、第1の端部570Aから第2の端部570Bへの方向に沿って、ドロップオフプライ574Bの第2のサブセットの先端576と交互にドロップオフプライ574Bの第1のサブセットの先端576を含むことができる。例えば、
図5において、ドロップオフプライ574Bの先端576は、第1の端部570Aから第2の端部570Bまで以下の順である。(i)第2のサブセットからプライ574
i=18の先端576、(ii)第1のサブセットからプライ574
i=13の先端576、(iii)第2のサブセットからプライ574
i=20の先端576、(iv)第1のサブセットからプライ574
i=11の先端576、(v)第2のサブセットからプライ574
i=22の先端576、(vi)第1のサブセットからプライ574
i=9の先端576、(vii)第2のサブセットからプライ574
i=24の先端576、及び(viii)第1のサブセットからプライ574
i=7の先端576。ドロップオフプライ574Bの先端576のそれぞれの位置をずらすことは、追加的に又は代替的には、第1の端部570Aにおける第1のゲージ572Aから第2の端部570Bにおける第2のゲージ572Bまでのより段階的及び/又は滑らかな移行を助けることができる。
【0101】
[0159]上記のように、ドロップオフプライ574Bの先端576が互いにずらして配置されるようにドロップオフプライ574Bを配置することは、追加的に又は代替的には、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。例として、
図5において、ドロップオフプライ574Bの先端576のそれぞれの位置は、第1の端部570Aから第2の端部570Bまでずらして配置することができる。「ずらして配置される(staggered)」ことによって、ドロップオフプライ574Bの先端576は各々、第2の端部570Bからそれぞれの距離にあり、先端576と第2の端部570Bとの間のそれぞれの距離は、互いに全く異なる(即ち、2つのドロップオフプライの先端は、第2の端部570Bから等距離にない)ことが意味される。ドロップオフプライ574Bの先端576をずらして配置することは、上記ドロップオフプライのクラスタ状の配置に関連する課題の一部又は全部を軽減するのに役立ちうる。
【0102】
[0160]また、上記のように、少なくとも1つの閾値距離によって、先端576を互いに間隔を空けて配置することは、追加的に又は代替的には、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。例えば、ドロップオフプライ574B毎に、ドロップオフプライ574Bの先端576と、ドロップオフプライ574Bのうちの隣接するプライの先端576との間の距離584は、ドロップオフプライ574Bのプライの厚さ582より少なくとも10倍大きくなりうる。この例において、ドロップオフプライ574B毎に、ドロップオフプライ574Bのうちの隣接するプライは、外面536と内面534との間を延びる次元において、ドロップオフプライ574Bに隣接する。即ち、外面536と内面534との間を延びる次元において、ドロップオフプライ574Bのうちの2つの間にドロップオフプライ574Bのうちの別の1つが存在しない場合にのみ、ドロップオフプライ574Bのうちの2つが互いに隣接することになる。したがって、例えば、プライ574i=18は、プライ574i=16及びプライ574i=20に隣接し、他のドロップオフプライ574B(即ち、プライ574i=7,9,16,11,13,22,24)には隣接しない。
【0103】
[0161]距離584のうちの代表的な1つが、
図5において、互いに隣接するプライ574
i=18の先端576とプライ574
i=16の先端576との間に示される。
図5に示されるように、プライ574
i=18の先端576とプライ574
i=16の先端との間の距離584は、プライ574
i=18のプライの厚さ582より少なくとも10倍大きい。同様に、
図5において、ドロップオフプライ574Bのうちの他の隣接するプライの先端576は、プライの厚さ582より少なくとも10倍大きいそれぞれの距離584によって分離される。上記のように、ドロップオフプライ574Bのうちの隣接するプライの先端576がプライの厚さ582の少なくとも10倍の距離584だけ分離するように、ドロップオフプライ574Bを配置することは、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。
【0104】
[0162]追加的又は代替的には、例えば、ドロップオフプライ574Bのうちの隣接しないプライの間の距離586は、各ドロップオフプライ574Bのプライの厚さ582より少なくとも3倍大きくなりうる。距離586の代表的なものが、
図5において、互いに隣接していない(例えば、プライ574
i=16がプライ574
i=18とプライ574
i=13との間にあるために)、プライ574
i=18の先端576とプライ574
i=13の先端576との間に示される。
図5に示されるように、プライ574
i=18の先端576とプライ574
i=13の先端との間の距離586は、プライ574
i=18のプライの厚さ582より少なくとも3倍大きい。同様に、ドロップオフプライ574Bのうちの他の隣接しないプライの先端576は、プライの厚さ582より少なくとも3倍大きいそれぞれの距離586によって分離される。上記のように、ドロップオフプライ574Bのうちの隣接しないプライの先端576がプライの厚さ582の少なくとも3倍の距離584だけ分離するように、ドロップオフプライ574Bを配置することは、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。
【0105】
[0163]
図5では、プライの厚さ582は、プライ574
iのすべてについて同一である。しかしながら、別の例では、プライ574
iのうちの1つ又は複数は、プライ574
iの別の1つと異なるプライの厚さを有することができる。いくつかの実施態様において、プライ574
iを異なるプライの厚さで提供することは、製造品質の目標を達成するための比較的大きなフレキシビリティの提供に役立つ可能性がある。
【0106】
[0164]加えて、
図5では、ドロップオフプライ574Bの先端576すべてがテーパー形状を有している。しかしながら、別の例では、ドロップオフプライ574Bの先端576のうちの4つ又は複数は、
図1に示す鈍端形状を有することができる。テーパー形状は少なくとも上記理由から有益でありうるが、
図5に関して上述した特性のうちの4つ又は複数を有するパターンで、鈍端形状の先端476を有するドロップオフプライ574Bを含む複合構造は、
図1に示す複合構造470に対して改良点を提供しうる。同様に、
図4に示すパターンで配置されたドロップオフプライ474Bを含む複合構造であるが、テーパー形状を有する先端576により、
図4に示す複合構造470を超える改善を提供することができる。したがって、実施例の範囲内で、ドロップオフプライ474B、574Bは、テーパー形状の先端576及び/又は鈍端形状のチップ476とすることができ、ドロップオフプライ474B、574Bは、クラスタ状のパターンで(
図4に示す)、及び/又は
図5に関して上述した特性のうちの1つ又は複数を有するパターンで、配置することができる。
【0107】
[0165]記載されたように、ドロップオフプライ574Bの先端576を、上記の特性のうちの4つ又は複数を有するパターンで配置することは、例えば、
図1の先端476の配置と比較して、複合構造570(例えば、中央部分580周囲)に対する比較的大きな対称性を実現するのに役立ちうる。本明細書で使用される際に、「対称性(symmetry)」という用語は、相対的な用語であることが意図されており、正確に対称であることを意味するものではない。例えば、
図5に示されるように、複合構造570は、中央部分580と外面536との間に14のプライ574
iを含み、中央部分580と内面534との間に12のプライ574
iを含む。しかしながら、本開示の文脈では、
図5に示す複合構造570は、
図4に示す複合構造470より大きな対称性を有している。
【0108】
[0166]実施例の範囲内で、比較的大きな対称性を有する複合構造570を中央部分580周囲に設けることは、層間強度の増加に役立ちうる(又は層間強度を最大化しうる)。追加的又は代替的には、比較的大きな対称性を有する複合構造570を中央部分580周囲に設けることは、再硬化、工具、材料の取り扱いコスト、及び/又は重量を低減するのに役立ちうる(又は最小化しうる)。
【0109】
[0167]上記のように、
図5は、性能向上、再硬化の低減、工具の減少、材料取り扱いコスト削減、及び/又は複合構造570の重量低下に役立ちうる1つ又は複数の特性を有する例示的パターンで配置されたドロップオフプライ574Bを有する複合構造570を示す。1つ又は複数の特性を有する他の例示的パターンも可能である。例えば、
図6は、別の実施例による可変ゲージを有する複合構造670を示す。
図6に示すように、複合構造670は、第1のゲージ672Aを有する第1の端部670Aと、第1の端部670Aの第1のゲージ672Aより小さい第2のゲージ672Bを有する第2の端部670Bとを含む。加えて、
図6に示すように、複合構造670は、第1の端部670Aから第2の端部670Bまで延びる内面634と、第1の端部670Aから第2の端部670Bまで延びる外面636とを含む。
【0110】
[0168]また
図6に示すように、複合構造670は、内面634と外面636との間にスタック状に配置された、複合材料の複数のプライ674
i=1~674
i=n(以下、集合的に「プライ674
i」と称される)を含み、nは、2以上の整数値である。
図6では、複合構造670が、合計28のプライ674
i(即ち、n=28)を含む。しかしながら、他の例では、複合構造670は、プライ674
iより少量又は多量のプライを含むことができる。
【0111】
[0169]この構成では、第1の端部670Aの第1のゲージ672A及び第2の端部670Bの第2のゲージ672Bはそれぞれ、第1の端部670A及び第2の端部670Bそれぞれにおいて、内面634と外面636との間の厚さである。更に、第1のゲージ672Aは、第1の端部670Aにおけるプライ674
iの量に関係し、第2のゲージ672Bは、第2の端部670Bにおけるプライ674
iの量に関係する。例えば、
図6では、第1の端部670Aにおけるプライ674
iの量は、第1のゲージ672Aが第2のゲージ672Bより大きくなるように、第2の端部670Bにおけるプライ674
iの量より大きい。
【0112】
[0170]上記のように、複合構造670の可変ゲージは、内面634と外面636との間にスタック状に配置された複数の連続プライ674A及び複数のドロップオフプライ674Bを含む複合材料のプライ674
iからもたらされる。
図6では、各連続プライ674Aは、第1の端部670Aから第2の端部670Bまで延びる。一方で、各ドロップオフプライ674Bは、先端676を含み、各ドロップオフプライ674Bは、第1の端部670Aから第1の端部670Aと第2の端部670Bとの間のドロップオフプライ674Bの先端676のそれぞれの位置まで延びる。
【0113】
[0171]図を明確にするために、
図6では、連続プライ674Aの代表的サブセットには、参照番号674Aが付され、ドロップオフプライ674Bの代表的サブセットには、参照番号674Bが付されている。しかしながら、第1の端部670Aから第2の端部670Bまで完全に延びるプライ674
iの各々は、連続プライ674Aの1つであり、第1の端部670Aと第2の端部670Bとの間で終端するプライ674
iの各々は、ドロップオフプライ674Bの1つである。特に、
図6において、プライ674
i=1-4,6,8,,10,12,14,15,17,19,21,23,25-28は、連続プライ674Aであり、プライ674
i=5,7,9,11,13,16,18,20,22,24は、ドロップオフプライ674Bである。
【0114】
[0172]
図6に示されるように、各ドロップオフプライ674Bの先端676は、
図5に示す先端576に関して上記したテーパー形状を有している。よって、テーパー形状を有する先端676は、ドロップオフプライ674Bの先端676で樹脂ポケットを低減させることができ(又は最小にすることができ)、複合構造670の層間強度を改善する(又は最大化する)のを助けることができる。しかしながら、他の例では、ドロップオフプライ674Bのうちの4つ又は複数は、
図1に示す鈍端形状を有することができる。
【0115】
[0173]上記のように、複合構造670の耐負荷性能は、追加的又は代替的には、プライ674
iが複合構造670内に配置されるパターンに基づいて、高めることができる。例えば、
図6では、ドロップオフプライ574Bを、連続プライ674Aのうちの少なくとも1つによって、互いに分離させることができる。例えば、各ドロップオフプライ674Bは、複数の連続プライ674Aのうちのそれぞれ2つの連続プライ674Aの間に挟まれ、かつそれぞれ2つの連続プライ674Aに当接する。ドロップオフプライ674Bを互いに分離すること、及び/又は連続プライ674Aの間でドロップオフプライ674Bを挟むことによって、ドロップオフプライ674Bは、内面634と外面636との間により均一に(
図4に示すドロップオフプライ474Bのクラスタ状の配置と比較して)分散させることができる。このことは、プライのよじれ及び/又はしわの低減、樹脂ポケットの低減、及び/又は複合構造670の層間強度の低減を助けることができる(又は防止することができる)。
【0116】
[0174]実施例の範囲内で、ドロップオフプライ574Bの先端676のパターンは、追加的に又は代替的には、以下の特性のうちの1つ又は複数を含む。(i)複合構造670の前半の先端676の、複合構造670の後半の先端676のパターンを鏡映するパターンでの配置、(ii)互いに対する先端676のずらし配置、及び/又は(iii)少なくとも1つの閾値距離による、先端676の互いに対する間隔維持。上述のように、これらの特性の各々は、単独で又は組み合わせて、プライのよじれ及び/又はしわを低減することができ(又は防止することができ)、樹脂ポケットを低減することができ(又は防止することができ)、及び/又は層間強度を増加することができる(又は最大にすることができる)パターンで、ドロップオフプライ674Bを配置することに寄与することができる。
【0117】
[0175]
図6は、別の例による、複合構造670の中央部分680に対する鏡映パターンで配置された先端676を示す。中央部分680は、中央部分680の両側のドロップオフプライ674Bの先端676のパターンを特徴付けるための基準のフレームを提供する1つ又は複数のプライ674
iを含むことができる。上記のように、概して、中央部分680は、(i)内面634と外面636との間にあり、(ii)第1の端部670Aから第2の端部670Bまで延びる。
【0118】
[0176]
図6において、中央部分680は、プライ674
i=14,15を含むことができる。したがって、
図6では、中央部分680は、2つの連続プライ674Aを含むことができる。しかしながら、別の例では、中央部分680は、2つのドロップオフプライ674Bと、少なくとも1つの連続プライ674Aとを含むことができる。更に別の例では、中央部分680は、単一のドロップオフプライ674Bのみからなりうる。別の例では、中央部分680は、少なくとも1つの連続プライ674Aからなり、ドロップオフプライ674Bを省略することができる。より具体的には、中央部分680は、連続プライ674Aのうちの1つ又は複数、及び/又はドロップオフプライ674Bのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0119】
[0177]また、
図6に示されるように、ドロップオフプライ674Bの先端676は、中央部分680に対する鏡映パターンで配置することができる。例えば、ドロップオフプライ674Bの第1のサブセットは、外面636と中央部分680との間にあり、ドロップオフプライ674Bの第2のサブセットは、中央部分680と内面634との間にありうる。この配置では、ドロップオフプライ674Bの第1のサブセットの先端676は、ドロップオフプライ674Bの第2のサブセットの先端676のパターンを実質的に鏡映するパターンで配置される。要するに、中央部分680に関して、ドロップオフプライ674Bの第1のサブセットの先端676のそれぞれの位置は、ドロップオフプライ674Bの第2のサブセットの先端676のそれぞれの位置と比較して、(i)逆向きに、(ii)類似して(又は等しく)、配置される。
【0120】
[0178]例えば、
図6において、中央部分680は、プライ674
i=14,15を含むことができ、ドロップオフプライ674Bの第1のサブセットは、プライ674
i=5、7,9,11,13を含むことができ、ドロップオフプライ674Bの第2のサブセットは、プライ674
i=16、18,20,22,24を含むことができる。
図6に示すように、ドロップオフプライ674Bの第1のサブセットの先端676のパターンは、ドロップオフプライ674Bの第2のサブセットの先端676のパターンを実質的に鏡映する。例えば、中央部分680に関して、第1のサブセットの先端676のそれぞれの位置は、第2のサブセットの先端676のそれぞれの位置と比較して、逆向きにかつ類似して配置される。
【0121】
[0179]上記のように、
図5は、ドロップオフプライ574Bの先端576のパターンを、単調に外側に向かうパターンとして示す。
図6は、実施例による、単調に内側に向かうパターンで配置されたドロップオフプライ674Bの先端676を示す。外面636から中央部分680に向かうドロップオフプライ674Bの第1のサブセットの第1の順において、各連続したドロップオフプライ674Bが第1の順にあると、ドロップオフプライ674Bの先端676と第2の端部670Bとの間の相対距離が減少する。また、内面634から中央部分680に向かうドロップオフプライ674Bの第2のサブセットの第2の順において、各連続したドロップオフプライ674Bが第2の順にあると、ドロップオフプライ674Bの先端676と第2の端部670Bとの間の相対距離が減少する。
【0122】
[0180]したがって、
図6において、(i)プライ674
i=5の先端676は、第2の端部670Bから第1の距離にあり、(ii)プライ674
i=7の先端676は、第2の端部670Bから、第1の距離より小さい第2の距離にあり、(iii)プライ674
i=9の先端676は、第2の端部670Bから、第2の距離より小さい第3の距離にあり、(iv)プライ674
i=11の先端676は、第2の端部670Bから、第3の距離より小さい第4の距離にあり、(v)プライ674
i=13の先端676は、第2の端部670Bから、第4の距離より小さい第5の距離にある。また、
図6において、(vi)プライ674
i=24の先端676は、第2の端部670Bから第6の距離にあり、(vii)プライ674
i=22の先端676は、第2の端部670Bから、第6の距離より小さい第7の距離にあり、(viii)プライ674
i=20の先端676は、第2の端部670Bから、第7の距離より小さい第8の距離にあり、(ix)プライ674
i=18の先端676は、第2の端部670Bから、第8の距離より小さい第9の距離にあり、(x)プライ674
i=16の先端676は、第2の端部670Bから、第9の距離より小さい第10の距離にある。
【0123】
[0181]したがって、
図6に示す先端676の単調に内側に向かうパターンでは、ドロップオフプライ674Bの先端676は、概して、第1の端部670Aから第2の端部670Bへの方向に、外面636及び内面634から中央部分680に内側に向かって収束するように見える。先端676の単調に内側に向かうパターンは、第1の端部670Aにおける第1のゲージ672Aから第2の端部670Bにおける第2のゲージ672Bまでのより段階的及び/又は滑らかな移行を助けることができる。加えて、例えば、先端676の単調に内側に向かうパターンは、例えば、
図4の先端476の配置(外面436付近で、クラスタ状である)に関する、比較的大きな対称性の実現を助けることができる。
【0124】
[0182]
図6に示す単調に内側に向かうパターンの追加的又は代替的態様によれば、ドロップオフプライ674Bは、ドロップオフプライ674Bが第1の端部670Aから第2の端部670Bに向かう方向に下がる順(即ち、第1の端部670Aから第2の端部670Bに向かう方向における、先端676のそれぞれの位置の順)を定義する、複数の対のドロップオフプライ674B内に配置することができる。特に、各対のドロップオフプライ674Bは、第1のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ674Bと、第2のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ674Bとを含むことができる。
【0125】
[0183]例えば、
図6において、第1の対はプライ674
i=5,24を含み、第2の対はプライ674
i=7,22を含み、第3の対はプライ674
i=9,20を含み、第4の対はプライ674
i=11,18を含み、第5の対はプライ674
i=13,16を含む。
図6に示されるように、第1の端部670Aから第2の端部670Bへの方向に、ドロップオフプライ674Bが、第1の対から第5の対への順に下がる。要するに、ドロップオフプライ674Bの第1の対の先端676は、第1の端部670Aに最も接近しており、ドロップオフプライ674Bの第2の対の先端676は、第1の端部670Aに2番目に接近しており、ドロップオフプライ674Bの第3の対の先端676は、第1の端部670Aに3番目に接近しており、ドロップオフプライ674Bの第4の対の先端676は、第1の端部670Aから2番目に離れており、ドロップオフプライ674Bの第5の対の先端676は、第1の端部670Aから最も離れている。
【0126】
[0184]加えて、例えば、各対のドロップオフプライ674B毎に、第1のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ674B、及び第2のサブセットのそれぞれ1つのドロップオフプライ674Bは、外面636と内面634との間の次元において、中央部分680から等距離である。例えば、
図6に示すように、ドロップオフプライ674Bの第1の対は各々、単一のプライ674
iのプライの厚さ682の8倍に等しい距離だけ中央部分680から離れて配置され、ドロップオフプライ674Bの第2の対は各々、プライの厚さ682の6倍に等しい距離だけ中央部分680から離れて配置され、ドロップオフプライ674Bの第3の対は各々、プライの厚さ682の4倍に等しい距離だけ中央部分680から離れて配置され、ドロップオフプライ674Bの第4の対は各々、プライの厚さ682の2倍に等しい距離だけ中央部分680から離れて配置され、ドロップオフプライ674Bの第5の対は各々、中央部分680にすぐ隣接し、かつ中央部分680に当接している。
【0127】
[0185](i)第4の端部670Aから第2の端部670Bの順に、ペアバイペアで(pair-by-pair)下がり、及び/又は(ii)中央部分680に対して等距離である、対でドロップオフプライ674Bを配置することは、第1の端部670Aにおける第1のゲージ672Aから第2の端部670Bにおける第2のゲージ672Bまでのより段階的及び/又は滑らかな移行を助け、及び/又は例えば、
図1の先端476の配置(外面436付近で、クラスタ状である)に関して、比較的大きな対称性の実現を助けることができる。
【0128】
[0186]
図6に示す単調に内側に向かうパターンの追加的又は代替的態様によれば、単調に内側に向かうパターンは、第1の端部670Aから第2の端部670Bへの方向に沿って、ドロップオフプライ674Bの第2のサブセットの先端676と交互にドロップオフプライ674Bの第1のサブセットの先端676を含むことができる。例えば、
図6において、ドロップオフプライ674Bの先端676は、第1の端部670Aから第2の端部670Bまで以下の順である。(i)第1のサブセットからプライ674
i=5の先端676、(ii)第2のサブセットからプライ674
i=24の先端676,(iii)第1のサブセットからプライ674
i=7の先端676、(iv)第2のサブセットからプライ674
i=22の先端676、(v)第1のサブセットからプライ674
i=9の先端676、(vi)第2のサブセットからプライ674
i=20の先端676、(vii)第1のサブセットからプライ674
i=11の先端676、(viii)第2のサブセットからプライ674
i=18の先端676、(ix)第1のサブセットからプライ674
i=13の先端676、及び(x)第2のサブセットからプライ674
i=16の先端676。ドロップオフプライ674Bの先端676のそれぞれの位置をずらすことは、追加的に又は代替的には、第1の端部670Aにおける第1のゲージ672Aから第2の端部670Bにおける第2のゲージ672Bまでのより段階的及び/又は滑らかな移行を助けることができる。
【0129】
[0187]上記のように、ドロップオフプライ674Bの先端676が互いにずらして配置されるようにドロップオフプライ674Bを配置することは、追加的に又は代替的には、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。例として、
図6において、ドロップオフプライ674Bの先端676のそれぞれの位置は、第1の端部670Aから第2の端部670Bまでずらして配置することができる。「ずらして配置される(staggered)」ことによって、ドロップオフプライ674Bの先端676は各々、第2の端部670Bからそれぞれの距離にあり、先端676と第2の端部670Bとの間のそれぞれの距離は、互いに全く異なる(即ち、2つのドロップオフプライの先端は、第2の端部670Bから等距離にない)ことが意味される。ドロップオフプライ674Bの先端676をずらして配置することは、上記ドロップオフプライのクラスタ状の配置に関連する課題の一部又は全部を軽減するのに役立ちうる。
【0130】
[0188]また、上記のように、少なくとも1つの閾値距離によって、先端676を互いに間隔を空けて配置することは、追加的に又は代替的には、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。例えば、ドロップオフプライ674B毎に、ドロップオフプライ674Bの先端676と、ドロップオフプライ674Bのうちの隣接するプライの先端676との間の距離684は、ドロップオフプライ674Bのプライの厚さ682より少なくとも10倍大きくなりうる。この例において、ドロップオフプライ674B毎に、ドロップオフプライ674Bのうちの隣接するプライは、外面636と内面634との間を延びる次元において、ドロップオフプライ674Bに隣接する。例えば、上記のように、外面636と内面634との間を延びる次元において、ドロップオフプライ674Bのうちの2つの間にドロップオフプライ674Bのうちの別の1つが存在しない場合にのみ、ドロップオフプライ674Bのうちの2つが互いに隣接することになる。したがって、例えば、プライ674i=7は、プライ674i=5及びプライ674i=9に隣接し、他のドロップオフプライ674B(即ち、プライ574i=11,13,16,18,20,22,24)には隣接しない。
【0131】
[0189]距離684のうちの代表的な1つが、
図6において、互いに隣接するプライ674
i=7の先端676とプライ674
i=5の先端676との間に示される。
図6に示されるように、プライ674
i=7の先端676とプライ674
i=5の先端との間の距離684は、プライ674
i=7のプライの厚さ682より少なくとも10倍大きい。同様に、
図6において、ドロップオフプライ674Bのうちの他の隣接するプライの先端676は、プライの厚さ682より少なくとも10倍大きいそれぞれの距離684によって分離される。上記のように、ドロップオフプライ674Bのうちの隣接するプライの先端676がプライの厚さ682の少なくとも10倍の距離684だけ分離するように、ドロップオフプライ674Bを配置することは、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。
【0132】
[0190]追加的又は代替的には、例えば、ドロップオフプライ674Bのうちの隣接しないプライの間の距離686は、各ドロップオフプライ674Bのプライの厚さ682より少なくとも3倍大きくなりうる。距離686の代表的なものが、
図6において、互いに隣接していない(例えば、プライ674
i=9,11,13,16,18,20がプライ674
i=7とプライ674
i=22との間にあるために)、プライ674
i=7の先端676とプライ674
i=22の先端との間に示される。
図6に示されるように、プライ674
i=7の先端676とプライ674
i=22の先端との間の距離686は、プライ674
i=7のプライの厚さ682より少なくとも3倍大きい。同様に、ドロップオフプライ674Bのうちの他の隣接しないプライの先端676は、プライの厚さ682より少なくとも3倍大きいそれぞれの距離686によって分離される。上記のように、ドロップオフプライ674Bのうちの隣接しないプライの先端676がプライの厚さ682の少なくとも3倍の距離684だけ分離するように、ドロップオフプライ674Bを配置することは、プライのよじれ及び/又はしわの低減(又は防止)、樹脂ポケットの低減(又は防止)、及び/又は層間強度の増加(又は最大化)に役立ちうる。
【0133】
[0191]
図6では、プライの厚さ682は、プライ674
iのすべてについて同一である。しかしながら、別の例では、プライ674
iのうちの1つ又は複数は、プライ674
iの別の1つと異なるプライの厚さを有することができる。いくつかの実施態様において、プライ674
iを異なるプライの厚さで提供することは、製造品質の目標を達成するための比較的大きなフレキシビリティの提供に役立つ可能性がある。
【0134】
[0192]加えて、
図6では、ドロップオフプライ674Bの先端676すべてがテーパー形状を有している。しかしながら、別の例では、ドロップオフプライ674Bの先端676のうちの4つ又は複数は、
図1に示す先端476の鈍端形状を有することができる。テーパー形状は少なくとも上記理由から有益でありうるが、
図6に関して上述した特性のうちの4つ又は複数を有するパターンで、鈍端形状の先端476を有するドロップオフプライ674Bを含む複合構造は、
図1に示す複合構造470に対して改良点を提供しうる。
【0135】
[0193]上記のように、実施例の範囲内で、下方角部分352、上方角部分354、第2の上方角部分358、及び/又は第2の下方角部分356は、
図4-6に関する上記の複合構造470,570,670を含みうる。
図4-6では、第1の端部470A,570A,670Aは、第2の端部470B,570B,670Bにおいて、第2のゲージ472B,572B,672Bより大きい第1のゲージ472A,572A,672Aを有している。したがって、複合構造470,570,670の反対側の複合ストリンガ320の部分のそれぞれのゲージ次第で、(i)第1の端部470A,570A,670Aは、複合構造470,570,670と、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、又は第2の外板フランジ330のうちのいずれか1つとの間の第1の境界面に位置することができ、(ii)第2の端部470B,570B,670Bは、複合構造470,570,670と、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、又は第2の外板フランジ330のうちの別の1つとの間の第2の境界面に位置することができる。
【0136】
[0194]上記のように、複合ストリンガ320は、支持構造322に連結され、支持構造322は、
図3A-3Bにおいて外板フランジを含む。しかしながら、上記のように、支持構造322は加えて、いくつかの例では、ベースチャージを含みうる。
図7は、別の実施例による、支持構造722に連結された複合ストリンガ320を含む複合ストリンガアセンブリ701を示す。
図7に示す複合ストリンガアセンブリ701は、支持構造722がベースチャージ788及び輸送体の外板323を含むことを除き、
図3A-3Bに示す複合ストリンガアセンブリ701と一致する。
【0137】
[0195]ベースチャージ788は、外板フランジ324及び第2の外板フランジ330を輸送体の外板323に連結するように構成される。実施例の範囲内で、ベースチャージ788は、外板323上で複合ストリンガ320の支持及び緩衝に役立つ可能性のある複合材料の1つ又は複数のプライを含みうる。
図7において、ベースチャージ788は、外板フランジ324における内面334の全表面積及び第2の外板フランジ330における内面334の全表面積の下に延びる。また、
図7において、ベースチャージ788は、外板フランジ324と第2の外板フランジ330との間の空間にわたって連続的に延びる。しかしながら、他の例では、ベースチャージ788は、複数のベースチャージ788を含みうる。例えば、ベースチャージ788は、外板フランジ324において1つのベースチャージ788を含み、第2の外板フランジ330において別のベースチャージ788を含み、ベースチャージ788は間隙によって分離されうる(例えば、外板723は間隙で露出される)。
【0138】
[0196]
図7に示すように、ベースチャージ788は、外板フランジ324の第1のゲージ338及び/又は第2の外板フランジ330の第4のゲージ344にほぼ等しいか又はそれより小さい第6のゲージ790を有しうる。このことは、外板フランジの剛性324及び/又は第2の外板フランジ330の剛性にほぼ等しい剛性を有するベースチャージ788を提供するのに役立ちうる。ほぼ同じ剛性を有するベースチャージ788、外板フランジ324、及び/又は第2の外板フランジ330を提供することは、(i)ベースチャージ788と(ii)外板フランジ324又は第2の外板フランジ330との間の境界面における衝撃及び/又は負荷のためエネルギー吸収を高めるのに役立ちうる(又は最大にしうる)。このようにして、(i)ベースチャージ788と(ii)外板フランジ324及び/又は第2の外板フランジ330との間の境界面が結合する。
【0139】
[0197]また、実施例の範囲内で、外板フランジ324、第2の外板フランジ330、又はベースチャージ788のうちの少なくとも1つは、輸送体の外板323の剛性にほぼ等しい剛性を有しうる。上記のように、このことは、輸送体の外板323、ベースチャージ788、外板フランジ324、及び/又は第2の外板フランジ330の間の境界面における衝撃及び/又は負荷のためエネルギー吸収を高めるのに役立ちうる(又は最大にしうる)(よって、複合ストリンガ320、ベースチャージ788、及び外板323の間の層間剥離を軽減(又は防止)しうる)。
【0140】
[0198]
図3A-3B及び
図7に関して上記のように、下方角部分352及び/又は第2の下方角部分356は、外板フランジ324からウェブ328まで及び/又は第2の外板フランジ330から第2のウェブ332までそれぞれ移行するように湾曲してもよい。
図3A-3B及び
図7に示すように、下方角部分352及び/又は第2の下方角部分356の曲率は、(i)支持構造322,722と(ii)下方角部分352及び/又は第2の下方角部分356における内面334との間に空隙領域を形成することができる。そのような1つ又は複数の空隙領域は、「r部充填剤(radius filler)領域」又は「ヌードル(noodle)領域」と称されることがある。いくつかの従来の複合ストリンガアセンブリについて、r部充填剤領域は、割れやすい場合がある。複合ストリンガアセンブリの耐性を強化し及び/又は高めるために、複合材料(例えば、CFRP)で形成されるr部充填剤は、r部充填剤領域内に位置付けられうる。
【0141】
[0199]実施例の範囲内で、外板フランジ324の第1のゲージ338、ウェブ328の第3のゲージ342、第2の外板フランジ330の第4のゲージ344、及び/又は第2のウェブ332の第5のゲージ346より大きい第2のゲージ340を有する頂部フランジ326を提供することによって、複合ストリンガアセンブリ301,701は、r部充填剤を省略し、及び/又は従来の複合ストリンガアセンブリ(即ち、外板フランジ324、ウェブ328、頂部フランジ326、第2のウェブ332、及び第2の外板フランジ330のすべてが同一のゲージを有している)のr部充填剤より比較的小さいr部充填剤を含むことができる。これは、少なくとも部分的には、上記複合ストリンガアセンブリ301,701によって実現される性能改善による(例えば、改善された強度対重量比及び/又は改善された剛性適合性が、上記の複合ストリンガ320と支持構造322,722との間の境界面でのより大きい可撓性を可能にすることによる)ためである。
【0142】
[0200]加えて、r部充填剤領域のサイズは、下方角部分352のゲージ又は第2の下方角部分356のゲージ(第1のゲージ338、第3のゲージ342、第4のゲージ344、及び/又は第5のゲージ346に関連する)に関連しうる。実施例の範囲内で、外板フランジ324の第1のゲージ338がウェブの第3のゲージ328にほぼ等しく、及び/又は第2の外板フランジ330の第4のゲージ344が第2のウェブ332にほぼ等しいときに、r部充填剤のサイズを縮小することができる(又は最小化しうる)。
【0143】
[0201]複合ストリンガアセンブリ301,701がr部充填剤を含むいくつかの実施態様では、複合ストリンガアセンブリ301,701は、従来の複合ストリンガアセンブリに対して1つ又は複数の改善点を実現するために、
図8A-8Bに関して下記の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。特に、実施例の範囲内で、複合ストリンガ320及び/又はr部充填剤は、一定の曲率半径によって画定される1つ又は複数の表面を含むことができ、r部充填剤のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリ301,701の強度を高め、ツーリング要件を簡略化し、及び/又は複数の複合ストリンガ320の間のばらつきを減らすのに役立ちうる。
【0144】
[0202]ここで
図8A-8Bを参照すると、複合ストリンガアセンブリ801が実施例に従って示される。特に、
図8Aは、複合ストリンガアセンブリ801の側面図を示し、
図8Bは、複合ストリンガアセンブリ801の透視図を示す。
【0145】
[0203]
図8A-8Bに示すように、複合ストリンガアセンブリ801は、複合ストリンガ820及びr部充填剤890を含む。複合ストリンガアセンブリ801はまた、複合ストリンガ820及び/又はr部充填剤890に連結された支持構造822を含みうる。
図8A-8Bにおいて、支持構造822は、輸送体の外板823及びベースチャージ888を含む。しかしながら、別の例において、支持構造822は、輸送体の外板823を含み、ベースチャージ888を省略することができる。より具体的には、上記のように、支持構造822は、輸送体の外板823又はベースチャージ888の少なくとも1つを含みうる。
【0146】
[0204]
図8A-8Bに示すように、複合ストリンガ820は、支持構造822に連結されるように構成される外板フランジ824、ウェブ828、外板フランジ824からウェブ828まで延びる下方角部分852を含む。複合ストリンガ820はまた、(i)外板フランジ824、下方角部分852、及びウェブ828に沿って延びる内面834と、(ii)外板フランジ824、下方角部分852、及びウェブ828に沿って延びる外面836とを含む。内面834は、外板フランジ824が支持構造822に連結されるときに、支持構造822に面し、外面836は、外板フランジ824が支持構造822に連結されるときに、支持構造822と反対側を向く。
【0147】
[0205]
図8A-8Bでは、複合ストリンガ820は、ハット型(hat-shaped)ストリンガの形態である。したがって、複合ストリンガ820はまた、頂部フランジ826、ウェブ828から頂部フランジ826まで延びる上方角部分854を含みうる。ウェブ828及び上方角部分854は、頂部フランジ826の第1の側826Aから延びうる。加えて、ハット型ストリンガとして、複合ストリンガ820は、支持構造822及び第2の外板フランジ830と頂部フランジ826の第2の側826Bとの間を延びる第2のウェブ832に連結されるように構成された第2の外板フランジ830を更に含むことができる。複合ストリンガ820はまた、第2の外板フランジ830から第2のウェブ832まで延びる第2の下方角部分856、及び第2のウェブ832から頂部フランジ826まで延びる第2の上方角部分858を含みうる。
【0148】
[0206]
図8A-8Bに示す複合ストリンガ820は、
図12-15に関して以下に記載のハット型ストリンガであるが、
図8A-8Bに関して記載の原理は、他の種類の複合ストリンガ(例えば、J型ストリンガ、C型ストリンガ、I型ストリンガ、及び/又はZ型ストリンガ)に適用するよう延びうる。特に、本明細書に記載の概念及び原理は、少なくとも外板フランジ824、ウェブ828、及び外板フランジ824からウェブ828まで延びる下方角部分852を含む任意の種類の複合ストリンガに適用されうる。
【0149】
[0207]実施例の範囲内で、外板フランジ824、ウェブ828、頂部フランジ826、第2のウェブ832、及び/又は第2の外板フランジ830は、
図3A-3B及び
図7に示す複合ストリンガ320に関する上記の特徴のいずれか又はすべてを有することができる。同様に、下方角部分852、上方角部分854、第2の下方角部分856、及び/又は第2の上方角部分858は、
図3A-3B及び
図7に示す複合ストリンガ320及び/又は
図4-6に示す複合構造470,570,670に関する上記の特徴のいずれかを有することができる。
【0150】
[0208]例えば、実施例の範囲内で、外板フランジ824、ウェブ828、頂部フランジ826、第2のウェブ832、第2の外板フランジ830、下方角部分852、上方角部分854、第2の下方角部分856、及び/又は第2の上方角部分858は、複合材料の複数のプライを含みうる。加えて、例えば、外板フランジ824は第1のゲージ838を有することができ、頂部フランジ826は第2のゲージ840を有することができ、ウェブ828は第3のゲージ842を有することができ、第2の外板フランジ830は第4のゲージ844有することができ、及び/又は第2のウェブ832は第5のゲージ846を有することができる。実施例の範囲内で、これらそれぞれのゲージ838,840,842,844,846は、上記のように構成することができる。
【0151】
[0209]より具体的には、いくつかの例において、頂部フランジ826の第2のゲージ840は、外板フランジ824の第1のゲージ838及びウェブ828の第3のゲージ842より大きくすることができ、及び/又は頂部フランジ826の第2のゲージ840は、第2の外板フランジ830の第4のゲージ844及び第2のウェブ832の第5のゲージ846より大きくすることができる。上記のように、このことは、複合ストリンガ820の強度対重量比を増加させるのに役立ちうる。追加的に又は代替的には、頂部フランジ826でより大きい強度(及び/又はより大きい剛性)を提供して、負荷移動性能を高める一方で、複合ストリンガ820と支持構造822との間の境界面でより大きな可撓性を提供するのに役立ちうる。
【0152】
[0210]また、いくつかの例において、外板フランジ824の第1のゲージ838は、ウェブ828の第3のゲージ842にほぼ等しくすることができ、及び/又は第2の外板フランジ830の第4のゲージ844は、第2のウェブ832の第5のゲージ846にほぼ等しくすることができる。外板フランジ824の第1のゲージ838がウェブ828の第3のゲージ842にほぼ等しい実施態様において、下方角部分852は、第1のゲージ838及び第3のゲージ842にもほぼ等しいゲージを有することができる。同様に、第2の外板フランジ830の第4のゲージ844が第2のウェブ832の第5のゲージ846にほぼ等しい実施態様において、第2の下方角部分856は、第4のゲージ844及び第5のゲージ846にもほぼ等しいゲージを有することができる。上記のように、外板フランジ824、下方角部分852、ウェブ828、第2の外板フランジ830、第2の下方角部分856、及び/又は第2のウェブ832のこのような構成は、r部充填剤890のサイズを縮小するのに役立ちうる(又は最小にしうる)。
【0153】
[0211]
図8A-8Bは上記のそれぞれのゲージ838,840,842,844,846を有する複合ストリンガ820を示すが、他の例では、複合ストリンガ820は、異なるそれぞれのゲージ838,840,842,844,846を有することができる。例えば、実施例の範囲内で、下記の一定の曲率半径特徴のうちの1つ又は複数は、頂部フランジ826の第2のゲージ840が、外板フランジ824の第1のゲージ838及びウェブ828の第3のゲージ842にほぼ等しく、及び/又は頂部フランジ826の第2のゲージ840が、第2の外板フランジ930の第3のゲージ842及び第2のウェブ832の第5のゲージ846にほぼ等しい場合の複合ストリンガ820に適用することができる。加えて、例えば、第1のゲージ838が第3のゲージ842と異なり、及び/又は第4のゲージ844が第5のゲージ846と異なる実施態様において、下方角部分852及び/又は第2の下方角部分856は、
図4-6に関する上記の異なるゲージ間で移行するための可変ゲージを有することができる。
【0154】
[0212]加えて、上記のように、下方角部分852が外板フランジ824とウェブ828との間に移行セクションを提供し、その一方で、上方角部分854は、ウェブ828と頂部フランジ826との間に移行セクションを提供しうる。同様に、第2の下方角部分856が、第2の外板フランジ830と第2のウェブ832との間に移行セクションを提供し、その一方で、第2の上方角部分858は、第2のウェブ832と頂部フランジ826との間に移行セクションを提供しうる。
【0155】
[0213]例えば、
図3A-3Bにおいて、外板フランジ824、ウェブ828、頂部フランジ826、第2のウェブ832、及び第2の外板フランジ830は、空間のそれぞれの平面に各々が延びる複合ストリンガ820平面部分でありうる。例えば、
図8A-8Bは、座標系860を示し、
図8Aは、座標系860のX-Y平面内の複合ストリンガアセンブリ801を示す。
図8A-8Bに示すように、外板フランジ824は、座標系860のX-Z平面に平行な第1の平面に延びる複合ストリンガ820の平面部分であり、ウェブ828は、座標系860のX-Z平面を横切る第2の平面に延びる複合ストリンガ820の平面部分であり、第2のウェブ832は、座標系860のX-Z平面を横切る第3の平面に延びる複合ストリンガ820の平面部分であり、頂部フランジ826は、座標系860のX-Z平面に平行な第4の平面に延びる複合ストリンガ820の平面部分でありうる。この配置において、第2の平面及び第3の平面は、第1の平面及び第4の平面を横切る。
【0156】
[0214]したがって、外板フランジ824、ウェブ828、頂部フランジ826、第2のウェブ832、及び第2の外板フランジ830が延びるそれぞれの平面は、互いに異なっていてもよい。よって、下方角部分852、上方角部分854、第2の下方角部分856、及び/又は第2の上方角部分858は、1つの平面から別の平面への移行を容易にする湾曲形状を含みうる。
【0157】
[0215]
図8Aに示すように、下方角部分852では、外面836が第1の曲率半径R1によって画定される。
図8A-8Bにおいて、第1の曲率半径R1は、外板フランジ824とウェブ828との間で実質的に一定である。加えて、
図8Aに示すように、第2の下方角部分856では、外面836が第1の曲率半径R1によって画定される。
図8A-8Bにおいて、第1の曲率半径R1は、第2の外板フランジ830と第2のウェブ832との間で実質的に一定である。一定の第1の曲率半径R1により下方角部分852及び/又は第2の下方角部分856を形成することは、r部充填剤890のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリ801の強度を高め、ツーリング要件を簡略化し、及び/又は複数の複合ストリンガ820の間のばらつきを減らすのに役立ちうる。
【0158】
[0216]
図8A-8Bに示すように、r部充填剤890は、下方角部分852と支持構造822との間のr部充填剤領域及び/又は第2の下方角部分856と支持構造822との間のr部充填剤領域において、複合ストリンガ820及び支持構造822に連結することができる。実施例の範囲内で、r部充填剤890は、複合材料(例えば、CFRP)及び/又は接着剤/エポキシ材料から作ることができる。r部充填剤890は、下方角部分852及び/又は第2の下方角部分856において複合ストリンガアセンブリ801の耐性を強化し及び/又は高めるのに役立ちうる。
【0159】
[0217]また、
図8A-8Bに示すように、r部充填剤890は、下方角部分852において内面834に連結された第1の表面890Aと、支持構造822に連結するように構成された第2の表面890Bと、第1の表面890Aと第2の表面890Bとの間を延びる第3の表面890Cとを含む。実施例において、r部充填剤890の第2の表面890Bは、支持構造822の形状に概ね一致する形状を有することにより、支持構造822に連結することができる。
【0160】
[0218]
図8A-8Bにおいて、r部充填剤890の第1の表面890Aは、第2の曲率半径R2によって画定され、第2の曲率半径R2は、第2の表面890Bと第3の表面890Cとの間で実質的に一定である。このことはまた、r部充填剤890のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリ801の強度を高め、ツーリング要件を簡略化し、及び/又は複数の複合ストリンガ820の間のばらつきを減らすのに役立ちうる。
【0161】
[0219]
図8A-8Bでは、下方角部分852において、内面834はまた、第2の曲率半径R2によって画定される。第2の曲率半径R2によって画定される下方角部分852において、r部充填剤890の第1の表面890A及び内面834を形成することは、下方角部分852においてr部充填剤890と内面834との間の連結を強化し、及び/又は複合ストリンガアセンブリ801を形成するためのツーリング要件を簡略化するのに役立ちうる。
【0162】
[0220]
図8Aに示すように、第2の曲率半径R2は、第1の曲率半径R1と外板フランジ824の第1のゲージ838との合計にほぼ等しくなりうる。1つの実施例において、第1の曲率半径R1は、およそ3.0mmとおよそ130.0mmとの間であり、第1のゲージ838は、およそ0.6mmとおよそ12.0mmとの間であり、よって、第2の曲率半径R2は、およそ3.6mmとおよそ142.0mmとの間でありうる。別の例において、第1の曲率半径R1は、およそ4.0mmとおよそ100.0mmとの間であり、第1のゲージ838は、およそ1.0mmとおよそ8.0mmとの間であり、よって、第2の曲率半径R2は、およそ5.0mmとおよそ108.0mmとの間でありうる。実施例の範囲内で、第1の曲率半径R1を低減することは、複合ストリンガ820のツーリングコスト及び/又は製造コストの削減に役立ちうる。
【0163】
[0221]また、
図8Aに示すように、r部充填剤890の第3の表面890Cは、第3の曲率半径R3によって画定することができ、第3の曲率半径R3は、第1の表面890Aと第2の表面890Bとの間で実質的に一定でありうる。このことは、追加的に又は代替的には、r部充填剤890のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリ801の強度を高め、及び/又は複合ストリンガアセンブリ801を形成するためのツーリング要件を簡略化することに役立つ(又は最小にしうる)。いくつかの例において、第3の表面890Cの第3の曲率半径R3は、第2の曲率半径R2にほぼ等しくすることができる。このことは、複合ストリンガアセンブリ801を形成するためにツーリング要件を簡略化するのに更に役立ちうる。しかしながら、他の例において、第3の表面890Cの第3の曲率半径R3は、第2の曲率半径R2と異なっていてもよい。
【0164】
[0222]
図8Bに示すように、複合ストリンガ820は、長手方向軸848を有し、複合ストリンガ820は、複合ストリンガ820の第1の端部850Aと複合ストリンガ820の第2の端部850Bとの間に長さ849を有する。
図8Bでは、長手方向軸848に沿って、第1の曲率半径R1が、複合ストリンガ820の長さ849にわたって実質的に一定である。このことはまた、r部充填剤890のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリ801の強度を高め、ツーリング要求を簡略化し、及び/又は複数の複合ストリンガ820の間のばらつきを減らすのに役立ちうる。
【0165】
[0223]同様に、長手方向軸848に沿って、r部充填剤890の第1の表面890Aの第2の曲率半径R2及び/又は下方角部分852における内面834の第2の曲率半径R2は、複合ストリンガ820の長さ849にわたって実質的に一定でありうる。また、長手方向軸848に沿って、r部充填剤890の第3の表面890Cの第3の曲率半径R3は、複合ストリンガ820の長さ849にわたって実質的に一定でありうる。このことは、追加的に又は代替的には、r部充填剤890のサイズを縮小し、複合ストリンガアセンブリ801の強度を高め、複合ストリンガアセンブリ801を形成するためのツーリング要件を簡略化し、及び/又は複数の複合ストリンガ820の間のばらつきを減らすのに役立ちうる。
【0166】
[0224]
図8A-8Bに示すように、複合ストリンガアセンブリ801はまた、第2の下方角部分856に連結された第2のr部充填剤892を含みうる。第2のr部充填剤892は、第2の下方角部分856において複合ストリンガアセンブリ801を強化するのに役立ちうる。第2のr部充填剤892が下方角部分852の代わりに第2の下方角部分856に連結されることを除いて、第2のr部充填剤892は、r部充填剤890に実質的に類似するか又は同一でありうる。したがって、第2の下方角部分856は、第2の下方角部分856において内面834に連結された第4の表面892Aと、支持構造822に連結するように構成された第5の表面892Bと、第4の表面892Aと第5の表面892Bとの間を延びる第6の表面892Cとを含みうる。
【0167】
[0225]第2の下方角部分856及び第2のr部充填剤992は、下方角部分852及び第1の曲率半径R1、第2の曲率半径R2、及び/又は第3の曲率半径R3を有するr部充填剤990の部分に対応する、第2の下方角部分856及び第2のr部充填剤992の部分において、第1の曲率半径R1、第2の曲率半径R2、及び/又は第3の曲率半径R3の特徴のいずれか又はすべてを含みうる。特に、第1の表面890Aに関する上記特徴及び概念は、第4の表面892Aに適用でき、第2の表面890Bに関する上記特徴及び概念は、第5の表面892Bに適用でき、及び/又は第3の表面890Cに関する上記特徴及び概念は、第6の表面892Cに適用できる。同様に、下方角部分852における内面834に関する上記特徴及び概念は、第2の下方角部分856における内面834に適用でき、及び/又は下方角部分852における外面836に関する上記特徴及び概念は、第2の下方角部分856における外面836に適用できる。
【0168】
[0226]上記のように、複数の複合ストリンガ820の間のばらつきは、(i)実質的に一定である第1の曲率半径R1を有する下方角部分852において外面836を形成すること、及び/又は(ii)実質的に一定である第2の曲率半径R2を有する下方角部分852において内面834を形成することによって、低減することができる。更には、複数の複合ストリンガ820の間のこれらの特徴のばらつきを低減することは、生産コストを削減し、及び/又は複数の複合ストリンガ820を含む複合ストリンガアセンブリ801を形成するツーリング要件を簡略化するのに役立ちうる。
【0169】
[0227]例えば、複合ストリンガ820の下方角部分852における外面836及び/又は内面834が共通の、一定の第1の曲率半径R1及び/又は共通の、一定の第2の曲率半径R2をそれぞれ有するときには、1つのサイズ及び/又は1つの形状を有する単一の種類のr部充填剤890は、複数の異なる種類の複合ストリンガ820と共に使用することができる。例えば、複合ストリンガ820の下方角部分852における外面836及び/又は内面834が共通の、一定の第1の曲率半径R1及び/又は共通の、一定の第2の曲率半径R2をそれぞれ有するときには、頂部フランジ826において異なる第2のゲージ840を有する複数の複合ストリンガ820は、共通の種類のr部充填剤890に連結することができる。
【0170】
[0228]
図9A-9Bは、実施形態による、支持構造922、複数の複合外リンガ920A,920B、及びr部充填剤990を含む、複合ストリンガアセンブリ901を示す。特に、
図9Aは、複合ストリンガアセンブリ901の側面図を示し、
図9Bは、複合ストリンガアセンブリ901の透視図を示す。
【0171】
[0229]実施例の範囲内で、支持構造922は、輸送体の外板又はベースチャージ(例えば、上記の外板323,823及び/又はベースチャージ788,888)の少なくとも1つを含みうる。
図9A-9Bに示すように、複合ストリンガ920A,920Bは、第1の複合ストリンガ920A及び第2の複合ストリンガ920Bを含む。2つの複合ストリンガ920A,920Bが
図9A-9Bに示されるが、複合ストリンガアセンブリ901は、他の例では、2つ以上の複合ストリンガ920A,920Bを含むことができる。
【0172】
[0230]
図9A-9Bに示すように、複合ストリンガ920A,920Bは、複合ストリンガ920A,920Bの長手方向軸948に沿って、互いに軸方向に位置合わせされる。加えて、
図9Bに示すように、第2の複合ストリンガ920Bの第1の端部950Aは、第1の複合ストリンガ920Aの第2の端部950Bに当接しうる。
【0173】
[0231]複合ストリンガ920A,920Bは、上記複合ストリンガ320,820に実質的に類似するか又は同一でありうる。例えば、
図9A-9Bに示すように、各複合ストリンガ920A,920Bは、支持構造922に連結されるように構成された外板フランジ924と、ウェブ928と、外板フランジ924からウェブ928まで延びる下方角部分952と、頂部フランジ926と、ウェブ928から頂部フランジ926まで延びる上方角部分954とを含みうる。加えて、例えば、各複合ストリンガ920A,920Bは、(i)外板フランジ924、下方角部分952、ウェブ928、上方角部分954、及び頂部フランジ926に沿って延びる内面934と、(ii)外板フランジ924、下方角部分952、ウェブ928、上方角部分954、及び頂部フランジ926に沿って延びる外面936とを含みうる。
【0174】
[0232]
図9A-9Bでは、各複合ストリンガ920A,920Bの下方角部分952において、外面936は、第1の曲率半径R1によって画定され、第1の曲率半径R1は、複合ストリンガ920A,920Bの外板フランジ924とウェブ928との間で実質的に一定である。加えて、
図9A-9Bでは、各複合ストリンガ920A,920Bの下方角部分952において、内面934は、第2の曲率半径R2によって画定することができ、第2の曲率半径R2は複合ストリンガ920A,920Bの外板フランジ924とウェブ928との間で実質的に一定である。したがって、
図9A-9Bにおいて、第1の複合ストリンガ920Aの下方角部分952及び第2の複合ストリンガ920Bの下方角部分952の両方は、同一の第1の曲率半径R1及び/又は同一の第2の曲率半径R2によって画定される。したがって、
図9A-9Bに示すように、複合ストリンガ920A,920Bが軸方向に位置合わせされエンドツーエンドで(end-to-end)配置することができる配置では、下方角部分952と支持構造922との間のr部充填剤領域は、実質的に類似の又は同一の形状、サイズ及び/又は位置合わせを有しうる。
【0175】
[0233]r部充填剤990は、
図8A-8Bに関する上記r部充填剤890に実質的に類似するか又は同一でありうる。例えば、r部充填剤990は、各複合ストリンガ920A,920Bの下方角部分952において内面934に連結された第1の表面990Aと、支持構造922に連結するように構成された第2の表面990Bと、第1の表面990Aと第2の表面990Bとの間を延びる第3の表面990Cとを含みうる。
図9A-9Bにおいて、r部充填剤990の第1の表面990Aは、第2の曲率半径R2によって画定され、第2の曲率半径R2は、第2の表面990Bと第3の表面990Cとの間で実質的に一定でありうる。また、
図9A-9Bに示すように、第2の曲率半径R2は、第1の曲率半径R1と外板フランジ924の第1のゲージ938との合計にほぼ等しくなりうる。
【0176】
[0234]実施例の範囲内で、
図9Bに示す長手方向軸948に沿って、(i)複合ストリンガアセンブリ901は、各複合ストリンガ920A,920Bのそれぞれの長さの合計に等しい全長949を有し、(ii)第1の曲率半径R1は、複合ストリンガアセンブリ901の全長949にわたって実質的に一定であり、かつ(iii)第2の曲率半径R2は、複合ストリンガアセンブリ901の全長949にわたって実質的に一定である。
【0177】
[0235]したがって、この配置において、r部充填剤990の第1の表面990Aの形状及び/又はサイズは、(i)第1の複合ストリンガ920Aの下方角部分352の形状及び/又はサイズ、並びに(ii)第2の複合ストリンガ920Bの下方角部分352の形状及び/又はサイズの両方に実質的に一致しうる。上記のように、このことは、生産コストを削減し、及び/又は複合ストリンガアセンブリを形成するためのツーリング要件を簡略化するのに役立ちうるが、これは少なくとも、r部充填剤990が、これらの複合ストリンガ920A,920Bに互換性のある一定の形状を有する複数の複合ストリンガ920A,920Bに沿って延びうるためである。
【0178】
[0236]
図9A-9Bに示すように、r部充填剤990の複合ストリンガ920A,920Bとの互換性は、複合ストリンガ920A,920Bの少なくとも一部にばらつきがあるときでさえ、実現することができる。例えば、
図9A-9Bにおいて、複数の複合ストリンガ920A,920Bの第1の複合ストリンガ920Aの頂部フランジ926は、複数の複合ストリンガ920A,920Bの第2の複合ストリンガ920Bの頂部フランジ926の第2のゲージ940Bと異なる第2のゲージ940Aを有している。したがって、実施例の範囲内で、頂部フランジ926の第2のゲージ940A,940Bをストリンガ毎に変化させ、複合ストリンガアセンブリ901の耐負荷能力を異なる場所での予想される負荷条件に更に具体的に調整しつつ、同時に、複合ストリンガ920A,920Bの下方角部分952の比較的一定の構成を維持し、r部充填剤990の比較的普遍的及び/又は効率的な形成を達成することができる。
【0179】
[0237]実施例の範囲内で、各複合ストリンガ920A,920Bはまた、支持構造922に連結されるように構成された第2の外板フランジ930と、第2のウェブ932と、第2の外板フランジ930から第2のウェブ932まで延びる第2の下方角部分956と、第2のウェブ932から頂部フランジ926まで延びる第2の上方角部分958とを含みうる。内面934はまた、第2の外板フランジ930、第2の下方角部分956、第2のウェブ932、及び第2の上方角部分958に沿って延びうる。外面936はまた、第2の外板フランジ930、第2の下方角部分956、第2のウェブ932、及び第2の上方角部分958に沿って延びうる。複合ストリンガアセンブリ901はまた、各複合ストリンガ920A,920Bの第2の下方角部分956に連結された第2のr部充填剤992を含みうる。上記のように、第2のr部充填剤992が、各複合ストリンガ920A,920Bの下方角部分952の代わりに、第2の下方角部分956に連結されることを除いて、第2のr部充填剤992は、部充填剤990に実質的に類似するか又は同一でありうる。
【0180】
[0238]また、実施例の範囲内で、外板フランジ924、ウェブ928、頂部フランジ926、第2のウェブ932、及び/又は第2の外板フランジ930は、
図3A-3B及び
図7-8Bに示す複合ストリンガ320、820に関する上記の特徴のいずれか又はすべてを有することができる。実施例の範囲内で、下方角部分952、上方角部分954、第2の下方角部分956、及び/又は第2の上方角部分958は、
図3A-3B及び
図7-8Bに示す複合ストリンガ320、820及び/又は
図4-6に示す複合構造470,570,670関する上記の特徴のいずれかを有することができる。
【0181】
[0239]例えば、複合ストリンガ920A,920B毎に、外板フランジ924、ウェブ928、頂部フランジ926、第2のウェブ932、第2の外板フランジ930、下方角部分952、上方角部分954、第2の下方角部分956、及び/又は第2の上方角部分958は、複合材料の複数のプライを含みうる。加えて、複合ストリンガ920A,920B毎に、外板フランジ924は第1のゲージ938を有することができ、頂部フランジ926は第2のゲージ940A、940Bを有することができ、ウェブ928は第3のゲージ942を有することができ、第2の外板フランジ930は第4のゲージ944有することができ、及び/又は第2のウェブ932は第5のゲージ946を有することができる。
【0182】
[0240]実施例の範囲内で、複合ストリンガ920A,920Bのこれらそれぞれのゲージ938,940A,940B,942,944,946は、上記のように構成することができる。例えば、複合ストリンガ920A,920B毎に、頂部フランジ926の第2のゲージ940A,940Bは、外板フランジ924の第1のゲージ938及びウェブ928の第3のゲージ942より大きくすることができ、及び/又は頂部フランジ926の第2のゲージ940A,940Bは、第2の外板フランジ930の第4のゲージ944及び第2のウェブ932の第5のゲージ946より大きくすることができる。上記のように、このことは、複合ストリンガ920A,920Bの強度対重量比を増加させるのに役立ちうる。追加的に又は代替的には、頂部フランジ926でより大きい強度(及び/又はより大きい剛性)を提供して、負荷移動性能を高める一方で、複合ストリンガ920と支持構造922との間の境界面でより大きな可撓性を提供するのに役立ちうる。
【0183】
[0241]また、複合ストリンガ920A,920B毎に、外板フランジ924の第1のゲージ938は、ウェブ928の第3のゲージ942にほぼ等しくすることができ、及び/又は第2の外板フランジ930の第4のゲージ944は、第2のウェブ932の第5のゲージ946にほぼ等しくすることができる。外板フランジ924の第1のゲージ938がウェブ928の第3のゲージ942にほぼ等しい実施態様において、下方角部分952は、第1のゲージ938及び第3のゲージ942にもほぼ等しいゲージを有することができる。同様に、第2の外板フランジ930の第4のゲージ944が第2のウェブ932の第5のゲージ946にほぼ等しい実施態様において、第2の下方角部分956は、第4のゲージ944及び第5のゲージ946にもほぼ等しいゲージを有することができる。上記のように、外板フランジ924、下方角部分952、ウェブ928、第2の外板フランジ930、第2の下方角部分956、及び/又は第2のウェブ932のこのような構成は、r部充填剤990及び/又は第2のr部充填剤992のサイズを縮小するのに役立ちうる(又は最小にしうる)。
【0184】
[0242]また、実施例の範囲内で、第1の複合ストリンガ920Aのウェブ928及び外板フランジ924は、第2の複合ストリンガ920Bのウェブ928及び外板フランジ924のゲージにほぼ等しいゲージを有しうる(即ち、第1の複合ストリンガ920Aの第3のゲージ942及び第1のゲージ938は、第2の複合ストリンガ920Bの第3のゲージ942及び第1のゲージ938にほぼ等しくすることができる)。同様に、例えば、第1の複合ストリンガ920Aの第2のウェブ932及び第2の外板フランジ930は、第2の複合ストリンガ920Bの第2のウェブ932及び第2の外板フランジ930のゲージにほぼ等しいゲージを有しうる(即ち、第1の複合ストリンガ920Aの第5のゲージ946及び第4のゲージ944は、第2の複合ストリンガ920Bの第5のゲージ946及び第4のゲージ944にほぼ等しくすることができる)。このことは、追加的に又は代替的には、下方角部分952及び/又は第2の下方角部分956において、複合ストリンガ920A,920Bの間でのばらつきを低減するのに役立ちうる(又は最小にしうる)。
【0185】
[0243]ここで
図10を参照すると、複合ストリンガアセンブリ1001が別の実施例にしたがって示される。
図10に示すように、複合ストリンガアセンブリ1001は、複合ストリンガ1020、r部充填剤1090、及びオーバーラップ層1094を含む。複合ストリンガアセンブリ1001はまた、複合ストリンガ1020、r部充填剤1090、及び/又はオーバーラップ層1094に連結された支持構造1022を含みうる。
図10において、支持構造1022は、輸送体の外板1023及びベースチャージ1088を含む。しかしながら、別の例において、支持構造1022は、輸送体の外板1023を含み、ベースチャージ1088を省略することができる。より具体的には、上記のように、支持構造1022は、輸送体の外板1023又はベースチャージ1088の少なくとも1つを含みうる。
【0186】
[0244]複合ストリンガ1020は、記載された複合ストリンガ320,820,920A,920Bに実質的に類似するか又は同一でありうる。例えば、
図10に示すように、複合ストリンガ1020は、支持構造1022に連結されるように構成される外板フランジ1024、ウェブ1028、外板フランジ1024からウェブ1028まで延びる下方角部分1052、及び外板フランジ1024、下方角部分1052、及びウェブ1028に沿って延びる内面1034を含む。
【0187】
[0245]いくつかの例において、複合ストリンガ1020は、ハット型ストリンガの形態でありうる。したがって、複合ストリンガ1020はまた、頂部フランジ1026、ウェブ1028から頂部フランジ1026まで延びる上方角部分1054を含みうる。ウェブ1028及び上方角部分1054は、頂部フランジ1026の第1の側1026Aから延びうる。加えて、ハット型ストリンガとして、複合ストリンガ1020は、支持構造1022及び第2の外板フランジ1030と頂部フランジ1026の第2の側1026Bとの間を延びる第2のウェブ1032に連結されるように構成された第2の外板フランジ1030を更に含むことができる。複合ストリンガ1020はまた、第2の外板フランジ1030から第2のウェブ1032まで延びる第2の下方角部分1056、及び第2のウェブ1032から頂部フランジ1026まで延びる第2の上方角部分1058を含みうる。
【0188】
[0246]この配置では、内面1034はまた、上方角部分1054、頂部フランジ1026、第2の上方角部分1058、第2のウェブ1032、第2の下方角部分1056、及び/又は第2の外板フランジ1030に沿って延びうる。複合ストリンガ1020はまた、外板フランジ1024、下方角部分1052、ウェブ1028、上方角部分1054、頂部フランジ1026、第2の上方角部分1058、第2のウェブ1032、第2の下方角部分1056、及び/又は第2の外板フランジ1030に沿って延びる外面1036を含みうる。内面1034は、外板フランジ1024及び/又は第2の外板フランジ1030が支持構造1022に連結されるときに、支持構造1022に面し、外面1036は、外板フランジ1024及び/又は第2の外板フランジ1030が支持構造1022に連結されるときに、支持構造1022と反対側を向く。
【0189】
[0247]
図10に示す複合ストリンガ1020は、
図12-15に関して以下に記載のハット型ストリンガであるが、
図10に関して記載の原理は、他の種類の複合ストリンガ(例えば、J型ストリンガ、C型ストリンガ、I型ストリンガ、及び/又はZ型ストリンガ)に適用するよう延びうる。特に、本明細書に記載の概念及び原理は、少なくとも外板フランジ1024、ウェブ1028、及び外板フランジ1024からウェブ1028まで延びる下方角部分1052を含む任意の種類の複合ストリンガに適用されうる。
【0190】
[0248]]実施例の範囲内で、外板フランジ1024、ウェブ1028、頂部フランジ1026、第2のウェブ1032、及び/又は第2の外板フランジ1030は、
図3A-3B及び
図7-9Bに示す複合ストリンガ320,820,920A,920Bに関する上記の特徴のいずれか又はすべてを有することができる。同様に、下方角部分1052、上方角部分1054、第2の下方角部分1056、及び/又は第2の上方角部分1058は、
図3A-3B及び
図7-9Bに示す複合ストリンガ320,820,920A,920B、及び/又は
図4-6に示す複合構造470,570,670に関する上記の特徴のいずれかを有することができる。
【0191】
[0249]例えば、いくつかの例では、外板フランジ1024、ウェブ1028、頂部フランジ1026、第2のウェブ1032、第2の外板フランジ1030、下方角部分1052、上方角部分1054、第2の下方角部分1056、及び/又は第2の上方角部分1058は、複合材料の複数のプライを含みうる。加えて、例えば、外板フランジ1024は第1のゲージ1038を有することができ、頂部フランジ1026は第2のゲージ1040を有することができ、ウェブ1028は第3のゲージ1042を有することができ、第2の外板フランジ1030は第4のゲージ1044有することができ、及び/又は第2のウェブ1032は第5のゲージ1046を有することができる。
【0192】
[0250]実施例の範囲内で、複合ストリンガ1020のこれらそれぞれのゲージ1038,1040,1042,1044,1046は、上記のように構成することができる。例えば、頂部フランジ1026の第2のゲージ1040は、外板フランジ1024の第1のゲージ1038及びウェブ1028の第3のゲージ1042より大きくすることができ、及び/又は頂部フランジ1026の第2のゲージ1040は、第2の外板フランジ1030の第4のゲージ1044及び第2のウェブ1032の第5のゲージ1046より大きくすることができる。上記のように、このことは、複合ストリンガ1020の強度対重量比を増加させるのに役立ちうる。追加的に又は代替的には、頂部フランジ1026でより大きい強度(及び/又はより大きい剛性)を提供して、負荷移動性能を高める一方で、複合ストリンガ1020と支持構造1022との間の境界面でより大きな可撓性を提供するのに役立ちうる。
【0193】
[0251]また、実施例の範囲内で、外板フランジ1024の第1のゲージ1038は、ウェブ1028の第3のゲージ1042にほぼ等しくすることができ、及び/又は第2の外板フランジ1030の第4のゲージ1044は、第2のウェブ1032の第5のゲージ1046にほぼ等しくすることができる。外板フランジ1024の第1のゲージ1038がウェブ1028の第3のゲージ1042にほぼ等しい実施態様において、下方角部分1052は、第1のゲージ1038及び第3のゲージ1042にもほぼ等しいゲージを有することができる。同様に、第2の外板フランジ1030の第4のゲージ1044が第2のウェブ1032の第5のゲージ1046にほぼ等しい実施態様において、第2の下方角部分1056は、第4のゲージ1044及び第5のゲージ1046にもほぼ等しいゲージを有することができる。上記のように、外板フランジ1024、下方角部分1052、ウェブ1028、第2の外板フランジ1030、第2の下方角部分1056、及び/又は第2のウェブ1032のこのような構成は、r部充填剤1090及び/又は第2のr部充填剤1092のサイズを縮小するのに役立ちうる(又は最小にしうる)。
【0194】
[0252]r部充填剤1090は、上記のr部充填剤890,990に実質的に類似するか又は同一でありうる。例えば、r部充填剤1090は、下方角部分1052において内面1034に連結された第1の表面1090Aと、支持構造1022に連結するように構成された第2の表面1090Bと、第1の表面1090Aと第2の表面1090Bとの間を延びる第3の表面1090Cとを含みうる。
【0195】
[0253]実施例の範囲内で、複合ストリンガアセンブリ1001はまた、第2のr部充填剤1092を含みうる。第2のr部充填剤1092は、上記の第2のr部充填剤892,992に実質的に類似するか又は同一でありうる。例えば、第2のr部充填剤1092は、第2の下方角部分1056において内面1034に連結された第4の表面1092Aと、支持構造1022に連結するように構成された第5の表面1092Bと、第4の表面1092Aと第5の表面1092Bとの間を延びる第6の表面1092Cとを含みうる。
【0196】
[0254]オーバーラップ層1094は、ウェブ1028において内面1034に、r部充填剤1090の第3の表面1090Cに、及び支持構造1022(例えば、支持構造1022のベースチャージ1088又は支持構造1022の外板1023)に連結される。この配置において、オーバーラップ層1094は、ウェブ1028、外板フランジ1024、及び/又はr部充填剤1090を支持するのに役立ち、よって、複合ストリンガ1020、r部充填剤1090、及び/又は支持構造1022の間の層間剥離を軽減するのに役立ちうる(又は防止しうる)。
【0197】
[0255]1つの実施例において、オーバーラップ層1094は、複合材料の1つ又は複数のプライ(例えば、プライ474i,574i,674i)を含みうる。別の例において、オーバーラップ層1094は、1つのプライと6つのプライとの間の、複合材料のある量のプライを含みうる。実施例の範囲内で、オーバーラップ層1094を形成する複合材料のある量のプライは、下記からなる要因のグループから選択された1つ又は複数の要因に基づくことがある。(i)複合ストリンガアセンブリ1001が受けることがある予想負荷条件、(ii)輸送体(例えば、航空機)内の複合ストリンガアセンブリ1001の位置、(iii)外板フランジ1024の第1のゲージ1038及び/又はウェブ1028の第3のゲージ1042、(iv)外板フランジ1024の剛性及び/又は支持構造1022の剛性、(v)下方角部分1052及び/又はr部充填剤1090の1つ又は複数の曲率半径、並びに(vi)複合ストリンガアセンブリ1001の重量。
【0198】
[0256]
図10に示すように、オーバーラップ層1094はまた、第2のウェブ1032において内面1034に、第2のr部充填剤1092の第6の表面1092Cに、及び支持構造1022(例えば、支持構造1022のベースチャージ1088又は支持構造1022の外板1023)に連結されうる。したがって、
図10において、オーバーラップ層1094は、r部充填剤1090から第2のr部充填剤1092まで、支持構造1022にわたって(例えば、ベースチャージ1088にわたって)延びうる。よって、
図10において、オーバーラップ層1094は、第2のウェブ1032、第2の外板フランジ1030、及び/又は第2のr部充填剤1092を支持するのに役立ち、ゆえに、複合ストリンガ1020、第2のr部充填剤1092、及び/又は支持構造1022の間の層間剥離を更に軽減するのに役立ちうる(又は防止しうる)。
【0199】
[0257]より具体的には、
図10に示すように、オーバーラップ層1094は、第1の端部1094Aから第2の端部1094Bまで連続的に延びうる。
図10において、オーバーラップ層1094の第1の端部1094Aは、(i)ウェブ1028における内面1034の上、かつ(ii)r部充填剤1090の上方、の位置にある。加えて、オーバーラップ層1094の第2の端部1094Bは、(i)第2のウェブ1032における内面1034の上、かつ(ii)第2のr部充填剤1092の上方、の位置にある。実施例の範囲内で、複合ストリンガアセンブリ1001上のシヤ負荷は、r部充填剤1090の上方のウェブ1028上の地点、及び/又は第2のr部充填剤1092上方の第2のウェブ1032上の地点で、比較的低いことがある。したがって、第1の端部1094A及び第2の端部1094Bがこのように配置された状態で、オーバーラップ層1094は、比較的高いシヤ負荷を受ける可能性のある複合ストリンガアセンブリ1001の1つ又は複数の部分にわたって延び、比較的低いシヤ負荷を受ける可能性のある1つ又は複数の部分にわたっては延びないようように構成されうる。このことは、次に、オーバーラップ層1094によってもたらされる層間剥離に対する追加的な支持の利点の、オーバーラップ層1094を含むことに関連する重量ペナルティーに対するバランスをとるのに役立ちうる。
【0200】
[0258]1つの実施例において、オーバーラップ層1094は、ウェブ1028において内面1034の少なくともおよそ0.1インチに、及び/又は第2のウェブ1032において内面1034の少なくともおよそ0.1インチに連結することができる。要するに、オーバーラップ層1094の第1の端部1094Aは、r部充填剤1090上方の少なくともおよそ0.1インチの距離に位置し、及び/又はオーバーラップ層1094の第2の端部1094Bは、第2のr部充填剤1092の上方の少なくともおよそ0.1インチの距離に位置することができる。別の例において、オーバーラップ層1094は、ウェブ1028において内面1034の少なくともおよそ0.25インチに、及び/又は第2のウェブ1032において内面1034の少なくともおよそ0.25インチに連結することができる。このことは、r部充填剤1090を保護するオーバーラップ層1094を改善するのに役立ちうる。別の例において、オーバーラップ層1094は、ウェブ1028において内面1034のおよそ0.1インチからおよそ2.5インチに、及び/又は第2のウェブ1032において内面1034のおよそ0.1インチからおよそ2.5インチに連結することができる。
【0201】
[0259]
図10において、オーバーラップ層1094は、r部充填剤1090と第2のr部充填剤1092との間で、支持構造1022にわたって(例えば、ベースチャージ1088にわたって)延びうる。しかしながら、別の例において、オーバーラップ層1094は、r部充填剤1090と第2のr部充填剤1092との間で、支持構造1022全体にわたって延びなくてもよい。そのような例の実施態様が、
図11に示される。特に、
図11は、別の実施例による複合ストリンガアセンブリ1101を示す。
【0202】
[0260]
図11に示すように、複合ストリンガアセンブリ1101は、図に関する上記複合ストリンガ1020及びr部充填剤1090を含む。複合ストリンガアセンブリ1101はまた、
図10に関する上記支持構造1022及び/又は第2のr部充填剤1092を含みうる。複合ストリンガアセンブリ1101は、したがって、複合ストリンガアセンブリ1101が2つのオーバーラップ層を含むことを除き、
図10に関する上記複合ストリンガアセンブリ1001に実質的に類似するか又は同一である。特に、複合ストリンガアセンブリ1101は、オーバーラップ層1194及び第2のオーバーラップ層1196を含む。
【0203】
[0261]オーバーラップ層1194は、ウェブ1028において内面1034に、r部充填剤1090の第3の表面1090Cに、及び支持構造1022(例えば、支持構造1022のベースチャージ1088又は支持構造1022の外板1023)に連結される。この配置において、オーバーラップ層1194は、ウェブ1028、外板フランジ1024、及び/又はr部充填剤1090を支持するのに役立ち、よって、複合ストリンガ1020、r部充填剤1090、及び/又は支持構造1022の間の層間剥離を軽減するのに役立ちうる(又は防止しうる)。
【0204】
[0262]第2のオーバーラップ層1196は、第2のウェブ1032において内面1034に、第2のr部充填剤1092の第6表面1092Cに、及び支持構造1022(例えば、支持構造1022のベースチャージ1088又は支持構造1022の外板1023)に連結される。よって、
図11において、第2のオーバーラップ層1196は、第2のウェブ1032、第2の外板フランジ1030、及び/又は第2のr部充填剤1092を支持するのに役立ち、ゆえに、複合ストリンガ1020、第2のr部充填剤1092、及び/又は支持構造1022の間の層間剥離を軽減するのに役立ちうる(又は防止しうる)。
【0205】
[0263]
図11に示すように、オーバーラップ層1194は、オーバーラップ層1194と第2のオーバーラップ層1196との間の支持構造1022の一部(例えば、ベースチャージ1088及び/又は外板1023)を露出する間隙1198によって、第2のオーバーラップ層1196から分離される。例えば、
図11において、(i)オーバーラップ層1194は、ウェブ1028の内面1034における第1の端部1194Aから、支持構造1022における第2の端部1194Bまで延びることができ、(ii)第2のオーバーラップ層1196は、第2のウェブ1032の内面1034における第1の端部1196Aから、支持構造1022における第2の端部1196Bまで、延びることができ、(iii)間隙1198は、オーバーラップ層1194の第1の端部1194Aから、第2のオーバーラップ層1196の第2の端部1196Bまで、延びることができる。複合ストリンガアセンブリ1101がオーバーラップ層1194と第2のオーバーラップ層1196との間に間隙1198を含むので、複合ストリンガアセンブリ1101は、オーバーラップ層1094がr部充填剤1090と第2のr部充填剤1092との間の支持構造1022全域に延びる複合ストリンガアセンブリ1101より軽量になりうる。
【0206】
[0264]1つの実施例において、オーバーラップ層1194及び第2のオーバーラップ層1196は、複合材料の1つ又は複数のプライ(例えば、プライ474i,574i,674i)を各々が含みうる。別の例において、オーバーラップ層1194及び第2のオーバーラップ層1196は、1つのプライと6つのプライとの間の、複合材料のある量のプライを各々含みうる。実施例の範囲内で、オーバーラップ層1194及び/又は第2のオーバーラップ層1196を形成する複合材料のある量のプライは、下記からなる要因のグループから選択される1つ又は複数の要因に基づくことができる。(i)複合ストリンガアセンブリ1101が受けることがある予想負荷条件、(ii)輸送体(例えば、航空機)内の複合ストリンガアセンブリ1101の位置、(iii)外板フランジ1024の第1のゲージ1038及び/又はウェブ1028の第3のゲージ1042、(iv)外板フランジ1024の剛性及び/又は支持構造1022の剛性、(v)下方角部分1052及び/又はr部充填剤1090の1つ又は複数の曲率半径、並びに(vi)複合ストリンガアセンブリ1101の重量。
【0207】
[0265]1つの実施例において、オーバーラップ層1194は、ウェブ1028において内面1034の少なくともおよそ0.1インチに連結することができ、及び/又は第2のオーバーラップ層1196は、第2のウェブ1032において内面1034の少なくともおよそ0.1インチに連結することができる。要するに、オーバーラップ層1194の第1の端部1194Aは、r部充填剤1090上方の少なくともおよそ0.1インチの距離に位置し、及び/又は第2のオーバーラップ層1196の第1の端部1196Aは、第2のr部充填剤1092の上方の少なくともおよそ0.1インチの距離に位置することができる。別の例において、オーバーラップ層1194は、ウェブ1028において内面1034の少なくともおよそ0.25インチに連結することができ、及び/又は第2のオーバーラップ層1196は、第2のウェブ1032において内面1034の少なくともおよそ0.25インチに連結することができる。別の例において、オーバーラップ層1194は、ウェブ1028において内面1034のおよそ0.1インチからおよそ2.5インチに連結することができ、及び/又は第2のオーバーラップ層1196は、第2のウェブ1032において内面1034のおよそ0.1インチからおよそ2.5インチに連結することができる。
【0208】
[0266]上記のように、
図3A-3B及び
図7A-11に示す複合ストリンガ320,820,920A,920B,1020はハット型ストリンガの形態をとるが、本開示に記載の原理は、他の種類の複合ストリンガ(例えば、J型ストリンガ、C型ストリンガ、I型ストリンガ、及び/又はZ型ストリンガ)に適用するように拡張することができる。
図12-15は、実施例による、上記特徴のうちの1つ又は複数含みうる、追加的又は代替的な複合ストリンガを含む複合ストリンガアセンブリを示す。
【0209】
[0267]
図12は、実施例によるI型ストリンガの形態の複合ストリンガ1220を含む複合ストリンガアセンブリ1201を示す。
図12に示すように、複合ストリンガ1220は、外板フランジ1224、ウェブ1228、頂部フランジ1226、及び第2の外板フランジ1230を含む。ウェブ1228は、第1の端部1228Aから第2の端部1228Bまで延びる。外板フランジ1224及び第2の外板フランジ1230は、ウェブ1228の第1の端部1228Aの反対側から延びる。頂部フランジ1226の第1の部分1226A及び頂部フランジ1226の第2の部分1226Bは、ウェブ1228の第2の端部1228Bの反対側から延びる。複合ストリンガアセンブリ1201はまた、上記のように、支持構造1222を含むことができる。
【0210】
[0268]
図13は、実施例によるY型ストリンガの形態の複合ストリンガ1320を含む複合ストリンガアセンブリ1301を示す。
図13に示すように、複合ストリンガ1320は、外板フランジ1324、ウェブ1328、頂部フランジ1326、及び第2の外板フランジ1330を含む。ウェブ1328は、第1の端部1328Aから第2の端部1328Bまで延びる。第1の端部1328Aと第2の端部1328Bとの間で、ウェブ1328は、頂点1328Cを含む。ウェブ1328の第1の部分1328Dは、ウェブ1328の第1の端部1328Aにおいて頂点1328Cから外板フランジ1324まで延びる。ウェブ1328の第2の部分1328Eは、ウェブ1328の第1の端部1328Aにおいて頂点1328Cから第2の外板フランジ1330まで延びる。ウェブ1328の第3の部分1328Fは、ウェブ1328の第2の端部1328Bにおいて、頂点1328Cから頂部フランジ1326まで延びる。加えて、
図13において、頂部フランジ1326の第1の部分1326A及び頂部フランジ1326の第2の部分1326Bは、ウェブ1328の第2の端部1328Bの反対側から延びる。複合ストリンガアセンブリ1301はまた、上記のように、支持構造1322を含むことができる。
【0211】
[0269]
図14は、実施例によるJ型ストリンガの形態の複合ストリンガ1420を含む複合ストリンガアセンブリ1401を示す。
図14に示すように、複合ストリンガ1420は、外板フランジ1424、ウェブ1428、頂部フランジ1426、及び第2の外板フランジ1430を含む。ウェブ1428は、第1の端部1428Aから第2の端部1428Bまで延びる。外板フランジ1424及び第2の外板フランジ1430は、ウェブ1428の第1の端部1428Aの反対側から延びる。頂部フランジ1426は、ウェブ1428の第2の端部1428Bの一方から延びる。複合ストリンガアセンブリ1401はまた、上記のように、支持構造1422を含むことができる。
【0212】
[0270]
図15は、実施例によるZ型ストリンガの形態の複合ストリンガ1520を含む複合ストリンガアセンブリ1501を示す。
図15に示すように、複合ストリンガ1520は、外板フランジ1524、ウェブ1528、及び頂部フランジ1526を含む。ウェブ1528は、第1の端部1528Aから第2の端部1528Bまで延びる。外板フランジ1524は、第1の端部1528Aにおいて、ウェブ1528の第1の側から延びる。頂部フランジ1526は、第2の端部1528Bにおいて、ウェブ1528の第1の側と反対側のウェブ1528の第2の側から延びる。複合ストリンガアセンブリ1501はまた、上記のように、支持構造1522を含むことができる。
【0213】
[0271]実施例の範囲内で、複合ストリンガアセンブリ1201,1301,1401,1501は、
図3A-11に関する上記の特徴のうちの1つ又は複数を含みうる。例えば、
図12-15において、頂部フランジ1226,1326,1426,1526は、外板フランジ1224,1324,1424,1524の第1のゲージより大きい第2のゲージと、ウェブ1228,1328,1428,1528とを有することができる。加えて、例えば、外板フランジ1224,1324,1424,1524は、ウェブ1228,1328,1428,1528のゲージにほぼ等しいゲージを有することができる。
【0214】
[0272]複合ストリンガ1220,1320,1420,1520は、追加的又は代替的には、外板フランジ1224,1324,1424,1524、ウェブ1228,1328,1428,1528、頂部フランジ1226,1326,1426,1526、及び/又は第2の外板フランジ1230,1330,1430の間に、1つ又は複数の角部分を含みうる。実施例の範囲内で、1つ又は複数の角部分のうちの少なくとも1つは、複合構造470,570,670に関して先ほど記載され、
図4-6に示された可変ゲージを有することができる。
【0215】
[0273]また、実施例の範囲内で、1つ又は複数の角部分は、追加的又は代替的には、例えば、
図8A-9Bに関する上記第1の曲率半径R1及び/又は第2の曲率半径R2といった、1つ又は複数の曲率半径によって画定されうる。更に、実施例の範囲内で、複合ストリンガアセンブリ1201,1301,1401,1501は、追加的又は代替的には、
図8A-11に関する上記のr部充填剤890,990,1090、第2のr部充填剤892,992,1092、オーバーラップ層1094,1194,、及び/又は第2のオーバーラップ層1196を含みうる。
【0216】
[0274]実施例の範囲内で、
図2に示す航空機100の複合ストリンガ220又は上記別の種類の輸送体は、上記複合ストリンガ320,820,920A,920B,1020,1220,1320,1420,1520のいずれかを含みうる。また、実施例の範囲内で、航空機100又は上記別の種類の輸送体は、上記複合ストリンガアセンブリ301,701,801,901,1001,1101,1201,1301,1401,1501のいずれかを含みうる。
【0217】
[0275]ここで
図16を参照すると、複合構造アセンブリを形成するプロセス1600のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図16に示すように、ブロック1610で、プロセス1600は、複合材料の複数のプライをレイアップ上に位置付け、外板フランジ、頂部フランジ、及び外板フランジと頂部フランジとの間を延びるウェブを形成することを含む。ブロック1610で、複合材料の複数のプライをレイアップ上に位置付けた後に、プロセス1600は、ブロック1612で、複合材料の複数のプライを硬化させ、第1のゲージを有する外板フランジ、第2のゲージを有する頂部フランジ、及び第3のゲージを有するウェブを含む複合ストリンガを形成することを含む。頂部フランジの第2のゲージは、外板フランジの第1のゲージ及びウェブの第3のゲージより大きい。
【0218】
[0276]
図17-19は、更なる実施例によるプロセス1600の追加的態様を示す。
図17の例では、複合材料の複数のプライは、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを含む。
図17に示すように、ブロック1610で、複合材料の複数のプライをレイアップ上に位置付けることは、ブロック1614で、複数の連続プライを、頂部フランジ、ウェブ、及び外板フランジにおいて、レイアップ上に位置付けることと、ブロック1616で、複数のドロップオフプラを、(i)頂部フランジにおいて、レイアップ上に位置付け、かつ(ii)ウェブ及び外板フランジにおいては位置付けないこととを含む。
【0219】
[0277]
図18に示すように、ブロック1610で、複合材料の複数のプライをレイアップ上に位置付けることは、ブロック1618で、各ドロップオフプライの自由端が頂部フランジからウェブまで延びる上方角部分にあるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
図19に示すように、ブロック1610で、複合材料の複数のプライをレイアップ上に位置付けることは、ブロック1620で、複合材料の複数のプライのうちの少なくとも1つのプライを、複合ストリンガの長手方向軸に対して、0度、+45度、-45度、及び90度からなる角度のグループのいずれにも等しくないプライ角度で位置付けることを含みうる。
【0220】
[0278]ここで
図20を参照すると、複合構造アセンブリを形成するプロセス2000のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図20に示すように、ブロック2010では、プロセス2000は、第1のゲージを有する外板フランジを形成することを含む。外板フランジは、支持構造に連結されるように構成される。支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む。ブロック2012では、プロセス2000は、第2のゲージを有する頂部フランジを形成することを含む。ブロック2014では、プロセス2000は、第3のゲージを有し、外板フランジと頂部フランジとの間を延びるウェブを形成することを含む。頂部フランジの第2のゲージは、外板フランジの第1のゲージ及びウェブの第3のゲージより大きい。外板フランジ、頂部フランジ、及びウェブは、複合材料の複数のプライを含む。
【0221】
[0279]ここで
図21を参照すると、複合構造アセンブリを形成するプロセス2100のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図21に示すように、ブロック2110では、プロセス2100は、第1のゲージを有する外板フランジ、第2のゲージを有する頂部フランジ、及び第3のゲージを有し、外板フランジと頂部フランジとの間を延びるウェブを含む複合ストリンガを形成することを含む。頂部フランジの第2のゲージは、外板フランジの第1のゲージ及びウェブの第3のゲージより大きい。外板フランジ、頂部フランジ、及びウェブは、複合材料の複数のプライを含む。ブロック2112では、プロセス2100は、複合ストリンガの外板フランジを支持構造に連結することを含む。支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む。
【0222】
[0280]
図22-24は、更なる実施例によるプロセス2100の追加的態様を示す。
図22に示すように、ブロック2110で複合ストリンガを形成することは、ブロック2114で、ウェブの第3のゲージが外板フランジの第1のゲージにほぼ等しくなるように、ウェブ及び外板フランジを形成することを含みうる。
図23に示すように、ブロック2110で複合ストリンガを形成することは、ブロック2116で、外板フランジが支持構造の剛性にほぼ等しい剛性を有するように、外板フランジを形成することを含みうる。
図24に示すように、ブロック2112で複合ストリンガの外板フランジを支持構造に連結することは、ブロック2118で複合ストリンガ及び支持構造を共に硬化させることを含みうる。
【0223】
[0281]ここで
図25を参照すると、複合構造アセンブリを形成するプロセス2500のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図25に示すように、ブロック2510において、プロセス2500は、複数の複合ストリンガを形成することを含む。ブロック2510で複数の複合ストリンガを形成することは、ブロック2512で、複合ストリンガ毎に、複合材料の複数のプライから、(i)外板フランジ、(ii)ウェブ、(iii)頂部フランジ、(iii)外板フランジからウェブまで延びる下方角部分、(iv)ウェブから頂部フランジまで延びる上方角部分、(v)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる内面、並びに(vi)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる外面を形成することを含みうる。ブロック2510で複数の複合ストリンガを形成することはまた、ブロック2514で、下方角部分において第1の曲率半径を含む外面を形成することを含みうる。
【0224】
[0282]ブロック2516で、プロセス2500は、支持構造上で、複数の複合ストリンガを、長手方向軸に沿って互いに軸方向に位置合わせして位置付けることを含む。支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含みうる。ブロック2518で、プロセス2500は、複合ストリンガの下方角部分において、r部充填剤を各複合ストリンガの内面に接合することを含む。r部充填剤の第1の表面は、第2の曲率半径によって画定される。長手方向軸に沿って、(i)複合ストリンガアセンブリは、各複合ストリンガのそれぞれの長さの合計に等しい全長を有し、(ii)第1の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定であり、かつ(iii)第2の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定である。
【0225】
[0283]
図26-28は、更なる実施例によるプロセス2500の追加的態様を示す。
図26に示すように、ブロック2512で複合ストリンガを形成することは、ブロック2520において、複数の複合ストリンガの第2の複合ストリンガの頂部フランジのゲージと異なるゲージを有する、複数の複合ストリンガの第1の複合ストリンガの頂部フランジを形成することを含みうる。
【0226】
[0284]
図27に示すように、ブロック2512で複合ストリンガを形成することは、ブロック2522で、複合ストリンガ毎に、外板フランジのゲージにほぼ等しいゲージを有するウェブを形成することを含みうる。
図28に示すように、ブロック2512で複合ストリンガを形成することは、ブロック2524で、第1の複合ストリンガのウェブ及び外板フランジが、第2の複合ストリンガのウェブ及び外板フランジのゲージにほぼ等しいゲージを有するように、第1の複合ストリンガ及び第2の複合ストリンガを形成することを含みうる。
【0227】
[0285]ここで
図29を参照すると、複合構造アセンブリを形成するプロセス2900のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図29に示すように、ブロック2910において、プロセス2900は、複合ストリンガを形成することを含む。ブロック2910で複合ストリンガを形成することは、(i)ブロック2912で、支持構造に連結されるように構成された外板フランジを形成することと、(ii)ブロック2914で、ウェブを形成することと、(iii)ブロック2916で外板フランジからウェブまで延びる下方角部分を形成することと、(iv)ブロック2918で、外板フランジ、下方角部分、及びウェブに沿って延びる内面を形成することとを含む。
【0228】
[0286]ブロック2920で、プロセス2900は、r部充填剤を複合ストリンガの内面に接合することを含む。ブロック2922で、プロセス2900は、オーバーラップ層を、ウェブ、r部充填剤、及び支持構造で、内面に連結することを含む。支持構造は、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む。
【0229】
[0287]
図30-38は、更なる実施例によるプロセス2900の追加的態様を示す。
図30に示すプロセス2900について、複合ストリンガは、頂部フランジと、ウェブから頂部フランジまで延びる上部分とを更に含む。
図30に示すように、ブロック2910で、複合ストリンガを形成することは、ブロック2924で第1のゲージを有する外板フランジを形成することと、ブロック2926で第2のゲージを有する頂部フランジを形成することと、ブロック2928で第3のゲージを有するウェブを形成することとを更に含みうる。頂部フランジの第2のゲージは、外板フランジの第1のゲージ及びウェブの第3のゲージより大きい。
【0230】
[0288]
図31に示すように、ブロック2910で複合ストリンガを形成することは、ブロック2930で、ウェブの第3のゲージが外板フランジの第1のゲージにほぼ等しくなるように、ウェブ及び外板フランジを形成することを含みうる。
【0231】
[0289]
図32に示すプロセス2900について、ウェブは、頂部フランジの第1の側から延びる。
図32に示すように、ブロック2910で複合ストリンガを形成することは、(i)ブロック2932で頂部フランジの第2の側から延びる第2のウェブを形成することと、(ii)ブロック2934で支持構造に連結されるように構成された第2の外板フランジを形成することと、(iii)ブロック2936で第2の外板フランジから第2のウェブまで延びる第2の下方角部分を形成することと、(iv)ブロック2938で第2のウェブ、第2の下方角部分、及び第2の下方角部分に沿って延びる内面を形成することとを更に含みうる。また、
図32に示すように、プロセス2900は、ブロック2940で、第2のr部充填剤を、第2の下方角部分で内面に接合することを更に含みうる。
【0232】
[0290]
図33に示すように、プロセス2900は、ブロック2942で、オーバーラップ層が、支持構造にわたって、r部充填剤から第2のr部充填剤まで延びるように、オーバーラップ層を、第2のウェブ、第2のr部充填剤、及び支持構造で、内面に連結することを更に含みうる。
【0233】
[0291]
図34に示すように、プロセス2900は、ブロック2944で、オーバーラップ層と第2のオーバーラップ層との間で支持構造の一部を露出する間隙によって、オーバーラップ層が第2のオーバーラップ層から分離されるように、第2のオーバーラップ層を第2のウェブにおける内面に、第2の下方角部分における内面に、及び支持構造に連結することを更に含みうる。
【0234】
[0292]
図35に示すように、ブロック2922で、オーバーラップ層を、ウェブ、r部充填剤、及び支持構造における内面に連結することは、ブロック2946で、オーバーラップ層を、少なくとも0.25インチほどr部充填剤の上に延びるウェブの一部に連結することを含む。
【0235】
[0293]
図36に示すように、ブロック2922で、オーバーラップ層を、ウェブ、r部充填剤、及び支持構造における内面に連結することは、ブロック2948で、1つのプライと6つのプライとの間の複合材料のある量のプライを、ウェブ、r部充填剤、及び支持構造における内面に連結することを含む。
【0236】
[0294]
図37に示すように、プロセス2900は、ブロック2950で、複合ストリンガを支持構造に連結することを更に含みうる。
図38に示すように、ブロック2950で複合ストリンガを支持構造に連結することは、ブロック2952で複合ストリンガ及び支持構造を共に硬化させることを含みうる。
【0237】
[0295]ここで
図39を参照すると、可変ゲージを有する複合構造を形成するプロセス3900のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図39に示すように、ブロック3910において、プロセス3900は、複数の連続プライを形成することを含む。ブロック3912において、プロセス3900は、複数のドロップオフプライを形成することを含む。ブロック3912において、複数のドロップオフプライを形成することは、ブロック3914において、ドロップオフプライ毎に、ドロップオフプライの先端を形成することを含みうる。
【0238】
[0296]ブロック3916において、プロセス3900は、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを、第1の端部及び第2の端部を有するスタック状に位置付けることを含む。第1の端部は、第1のゲージを有する。第2の端部は、第1のゲージより小さい第2のゲージを有する。
図39に示すように、ブロック3916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック3918において、各連続プライが第1の端部から第2の端部まで延びるように、複数の連続プライを位置付けることを含みうる。ブロック3916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを位置付けることはまた、ブロック3920において、(i)各ドロップオフプライが、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間のドロップオフプライの先端のそれぞれの位置まで延びるように、かつ(ii)複数のドロップオフプライが、複数の連続プライのうちの少なくとも1つによって互いに分離されるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0239】
[0297]
図40-48は、更なる実施例によるプロセス3900の追加的態様を示す。
図40に示すように、ブロック3912において、複数のドロップオフプライを形成することは、ブロック3921において、ドロップオフプライ毎に、テーパー形状を有するドロップオフプライの先端を形成することを含みうる。
【0240】
[0298]
図41に示すように、プロセス3900は、ブロック3916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けた後に、ブロック3922において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを硬化させることを更に含みうる。
【0241】
[0299]
図42に示すように、ブロック3916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けることは、ブロック3924において、第1の端部から第2の端部まで延びる外面を形成することと、3926において、第1の端部から第2の端部まで延びる内面を形成することとを更に含みうる。第1のゲージ及び第2のゲージはそれぞれ、第1の端部及び第2の端部それぞれにおいて、外面と内面との間の厚さとすることができる。
【0242】
[0300]
図43に示すように、ブロック3916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けることは、ブロック3928において、外面と中央部分との間に複数のドロップオフプライの第1のサブセットを位置付けることを更に含むことができる。中央部分は、(i)外面と内面との間にあり、かつ(ii)第1の端部から第2の端部まで延びる。また、
図43では、ブロック3916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けることは、ブロック3930において、中央部分と内面との間に複数のドロップオフプライの第2のサブセットを位置付けることを含みうる。
【0243】
[0301]
図44に示すように、ブロック3928において、複数のドロップオフプライの第1のサブセットを位置付けることと、ブロック3930において、複数のドロップオフプライの第2のサブセットを位置付けることとは、ブロック3932において、複数のドロップオフプライの第1のサブセットの先端が複数のドロップオフプライの第2のサブセットの先端のパターンを実質的に鏡映するパターンで配置されるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0244】
[0302]
図45に示すように、ブロック3920において、複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック3934において、複数のドロップオフプライの先端のそれぞれの位置が第1の端部から第2の端部までずらして配置されるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0245】
[0303]
図46に示すように、ブロック3928において、複数のドロップオフプライの第1のサブセットを位置付けることは、(i)ブロック3936において、中央部分に最も接近したドロップオフプライから、外面に最も接近したドロップオフプライへの順に、複数のドロップオフプライの第1のサブセットを位置付けることと、(ii)ブロック3938において、複数のドロップオフプライの第1のサブセットの先端のパターンが、各連続するドロップオフプライが順に配置された状態で、ドロップオフプライの先端と第2の端部との間の相対距離が減少することを含むように、複数のドロップオフプライの第1のサブセットを位置付けることとを含みうる。
【0246】
[0304]また、
図46に示すように、ブロック3930において、複数のドロップオフプライの第2のサブセットを位置付けることは、(i)ブロック3940において、中央部分に最も接近したドロップオフプライから、内面に最も接近したドロップオフプライへの順に、複数のドロップオフプライの第2のサブセットを位置付けることと、(ii)ブロック3942において、複数のドロップオフプライの第2のサブセットの先端のパターンが、各連続するドロップオフプライが順に配置された状態で、ドロップオフプライの先端と第2の端部との間の相対距離が減少することを含むように、複数のドロップオフプライの第2のサブセットを位置付けることとを含みうる。
【0247】
[0305]
図47に示すように、ブロック3920において、複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック3944において、ドロップオフプライ毎に、ドロップオフプライの先端と複数のドロップオフプライのうちの隣接するプライの先端との間の距離が、ドロップオフプライの厚さより少なくとも10倍大きくなるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。ドロップオフプライ毎に、複数のドロップオフプライのうちの隣接するプライが、外面と内面との間を延びる次元において、ドロップオフプライに隣接する。
【0248】
[0306]
図48に示すように、ブロック3920において、複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック3946において、複数のドロップオフプライのうちの隣接しないプライの間の距離が、各ドロップオフプライの厚さより少なくとも3倍大きくなるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0249】
[0307]ここで
図49を参照すると、可変ゲージを有する複合構造を形成するプロセス4900のフローチャートが、実施例に従って記載される。
図49に示すように、ブロック4910において、プロセス4900は、複数の連続プライを形成することを含む。ブロック4912において、プロセス4900は、複数のドロップオフプライを形成することを含む。ブロック4912において、複数のドロップオフプライを形成することは、ブロック4914において、ドロップオフプライ毎に、ドロップオフプライの先端を形成することを含みうる。
【0250】
[0308]ブロック4916において、プロセス4900は、(i)第1の端部、(ii)第2の端部、(iii)第1の端部から第2の端部まで延びる外面、及び(iv)第1の端部から第2の端部まで延びる内面を有する、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けることを含みうる。第1の端部は、第1のゲージを有する。第2の端部は、第1のゲージより小さい第2のゲージを有する。
【0251】
[0309]
図49では、ブロック4916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック4918において、各連続プライが第1の端部から第2の端部まで延びるように、複数の連続プライを位置付けることを含みうる。加えて、ブロック4916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを位置付けることはまた、ブロック4920において、各ドロップオフプライが、第1の端部から、第1の端部と第2の端部との間のドロップオフプライの先端のそれぞれの位置まで延びるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。複数のドロップオフプライの第1のサブセットは、外面とスタックの中央部分との間にあり、複数のドロップオフプライの第2のサブセットは、中央部分と内面との間にある。
【0252】
[0310]
図50-56は、更なる実施例によるプロセス4900の追加的態様を示す。
図50に示すように、ブロック4916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けることは、ブロック4922において、(i)外面から中央部分に向かう複数のドロップオフプライの第1のサブセットの第1の順において、各連続したドロップオフプライが第1の順にあると、ドロップオフプライの先端と第2の端部との間の相対距離が減少することと、(ii)内面から中央部分に向かう複数のドロップオフプライの第2のサブセットの第2の順において、各連続したドロップオフプライが第2の順にあると、ドロップオフプライの先端と第2の端部との間の相対距離が減少することとを含む、複数のドロップオフプライを単調に内側に向かうパターンで配置することを更に含みうる。
【0253】
[0311]
図51に示すように、ブロック4912において、複数のドロップオフプライを形成することは、ブロック4924において、ドロップオフプライ毎に、テーパー形状を有するドロップオフプライの先端を形成することを含みうる。
【0254】
[0312]
図52に示すように、ブロック4916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライをスタック状に位置付けた後に、プロセス4900は、ブロック4926において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを硬化させることを更に含みうる。
【0255】
[0313]
図53に示すように、ブロック4916において、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック4928において、複数のドロップオフプライが、複数の連続プライのうちの少なくとも1つによって、互いに分離されるように、複数の連続プライ及び複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0256】
[0314]
図54に示すように、ブロック4920において、複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック4930において、複数のドロップオフプライの先端のそれぞれの位置が第1の端部から第2の端部までずらして配置されるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0257】
[0315]
図55に示すように、ブロック4920において、複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック4932において、ドロップオフプライ毎に、ドロップオフプライの先端と複数のドロップオフプライのうちの隣接するプライの先端との間の距離が、ドロップオフプライの厚さより少なくとも10倍大きくなるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。ドロップオフプライ毎に、複数のドロップオフプライのうちの隣接するプライが、外面と内面との間を延びる次元において、ドロップオフプライに隣接する。
【0258】
[0316]
図56に示すように、ブロック4920において、複数のドロップオフプライを位置付けることは、ブロック4934において、複数のドロップオフプライのうちの隣接しないプライの間の距離が、各ドロップオフプライの厚さより少なくとも3倍大きくなるように、複数のドロップオフプライを位置付けることを含みうる。
【0259】
[0317]
図16-56に示すブロックのうちの1つ又は複数は、プロセスにおける特定の論理機能またはステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ又は複数の命令を含む、プログラムコードのモジュール、セグメント、又は一部分を表わすことがある。プログラムコードは、例えば、ディスクドライブ又はハードドライブを含む記憶デバイスなどの、任意の種類のコンピュータ可読媒体又はデータ記憶装置に記憶されうる。更に、プログラムコードは、コンピュータ可読記憶媒体で機械可読形式に符号化されうるか、又は、他の非一過性の媒体又は製品で符号化されうる。このコンピュータ可読媒体は、非一過性のコンピュータ可読媒体又はメモリ(例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及びランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間記憶するコンピュータ可読媒体など)を含みうる。コンピュータ可読媒体は、非一過性の媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、光学ディスク若しくは磁気ディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)のような、二次的又は永続的な長期記憶装置など)も含みうる。コンピュータ可読媒体は、他の任意の揮発性又は非揮発性の記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、有形のコンピュータ可読記憶媒体と考えられうる。
【0260】
[0318]更に、本開示は以下の条項による例を含む。
条項1. 複合ストリンガであって、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む支持構造に連結されるように構成された外板と、ウェブと、外板からウェブまで延びる下方角部分と、外板フランジ、下方角部分、及びウェブに沿って延びる内面と、外板フランジ、下方角部分、及びウェブに沿って延びる外面とを備え、下方角部分において、外面が第1の曲率半径によって画定され、第1の曲率半径が、外板フランジとウェブとの間で実質的に一定であり、外板フランジ、下方角部分、及びウェブが、複合材料の複数のプライを備える、複合ストリンガと、下方角部分において内面に連結された第1の表面、支持構造に連結するように構成された第2の表面、及び第1の表面と第2の表面との間を延びる第3の表面を含むr部充填剤とを含み、r部充填剤の第1の表面が、第2の曲率半径によって画定され、第2の曲率半径が、第2の表面と第3の表面との間で実質的に一定である、複合ストリンガアセンブリ。
条項2. 複合ストリンガが、頂部フランジと、ウェブから頂部フランジまで延びる上方角部分とを更に含み、外板が第1のゲージを有し、頂部フランジが第2のゲージを有し、ウェブが第3のゲージを有しており、頂部フランジの第2のゲージが、外板の第1のゲージ及びウェブの第3のゲージより大きい、条項1に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項3. 外板の第1のゲージが、ウェブの第3のゲージにほぼ等しい、条項2に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項4. 第2の曲率半径が、第1の曲率半径と、外板の第1のゲージとの合計にほぼ等しい、条項2に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項5. 長手方向軸に沿って、複合ストリンガが、複合ストリンガの第1の端部と複合ストリンガの第2の端部との間の長さを有し、かつ長手方向軸に沿って、第2の曲率半径が、複合ストリンガの長さにわたって実質的に一定である、条項1から4のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項6. 長手方向軸に沿って、第1の曲率半径が、複合ストリンガの長さにわたって実質的に一定である、条項5に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項7. 下方角部分において、内面が第2の曲率半径によって画定される、条項1から6のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項8.r部充填剤の第3の表面が、第2の曲率半径にほぼ等しい第3の曲率半径によって画定される、条項1から7のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項9. 外板フランジが支持構造に連結されるときに、内面が支持構造に面し、外板フランジが支持構造に連結されるときに、外面が支持構造と反対側を向く、条項1から8のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項10. ウェブが、第1の平面内を延びる複合ストリンガの平面部分であり、外板が、第2の平面内を延びる複合ストリンガの平面部分であり、第1の平面が第2の平面を横切る、条項1から9のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項11. r部充填剤の第3の表面及びウェブにおける内面に連結されたオーバーラップ層を更に含む、条項1から10のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項12. 複合ストリンガアセンブリであって、複数の複合ストリンガの長手方向軸に沿って、互いに軸方向に位置合わせされた複数の複合ストリンガであって、各複合ストリンガが、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む支持構造に連結されるように構成された外板、ウェブ、頂部フランジ、外板からウェブまで延びる下方角部分、ウェブから頂部フランジまで延びる上方角部分、外板、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる内面、及び外板、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる外面であって、第1の曲率半径によって画定される外面を含む複数の複合ストリンガと、r部充填剤であって、各複合ストリンガの下方角部分において、内面に連結された第1の表面、支持構造に連結するように構成された第2の表面、及び第1の表面と第2の表面との間を延びる第3の表面であって、r部充填剤の第1の表面が第2の曲率半径によって画定される、第3の表面を含むr部充填剤とを含み、複数の複合ストリンガの第1の複合ストリンガの頂部フランジが、複数の複合ストリンガの第2の複合ストリンガの頂部フランジのゲージと異なるゲージを有し、長手方向軸に沿って、(i)複合ストリンガアセンブリは、各複合ストリンガのそれぞれの長さの合計に等しい全長を有し、(ii)第1の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定であり、かつ(iii)第2の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定である、複合ストリンガアセンブリ。
条項13. 第1の複合ストリンガのウェブ及び外板フランジが、第2の複合ストリンガのウェブ及び外板フランジのゲージにほぼ等しいゲージを有している、条項12に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項14. 複合ストリンガ毎に、頂部フランジのゲージが、ウェブのゲージ及び外板フランジのゲージより大きい、条項12又は13に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項15. 複合ストリンガ毎に、複合ストリンガのウェブが、複合ストリンガの外板フランジのゲージにほぼ等しいゲージを有している、条項14に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項16. 複合ストリンガ毎に、第1の曲率半径が、外板フランジとウェブとの間で実質的に一定である、条項12から15のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項17. 第2の曲率半径が、第1の曲率半径と、外板フランジのゲージとの合計にほぼ等しい、条項12から16のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項18. 第1の表面の第2の曲率半径が、r部充填剤の第2の表面とr部充填剤の第3の表面との間で実質的に一定である、条項12から17のいずれか一項に記載の複合ストリンガアセンブリ。
条項19. 複合ストリンガアセンブリを形成するための方法であって、複数の複合ストリンガを形成することであって、複合ストリンガ毎に、複合材料の複数のプライから、(i)外板フランジ、(ii)ウェブ、(iii)頂部フランジ、(iii)外板フランジからウェブまで延びる下方角部分、(iv)ウェブから頂部フランジまで延びる上方角部分、(v)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる内面、並びに(vi)外板フランジ、下方角部分、ウェブ、上方角部分、及び頂部フランジに沿って延びる外面を形成すること、及び下方角部分において、第1の曲率半径を有する外面を形成することを含む、複数の複合ストリンガを形成することと、複数の複合ストリンガを、長手方向軸に沿って互いに軸方向に位置合わせして、輸送体の外板又はベースチャージの少なくとも1つを含む支持構造の上に位置付けることと、各複合ストリンガの内面に、複合ストリンガの下方角部分におけるr部充填剤を連結することであって、r部充填剤の第1の表面が、第2の曲率半径によって画定される、r部充填剤を連結することとを含み、複数の複合ストリンガを形成することが、複数の複合ストリンガの第2の複合ストリンガの頂部フランジのゲージと異なるゲージを有する複数の複合ストリンガの第1の複合ストリンガの頂部フランジを形成することを含み、長手方向軸に沿って、(a)複合ストリンガアセンブリは、各複合ストリンガのそれぞれの長さの合計に等しい全長を有し、(b)第1の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定であり、かつ(c)第2の曲率半径は、複合ストリンガアセンブリの全長にわたって実質的に一定である、方法。
条項20. 複数の複合ストリンガを形成することが、複合ストリンガ毎に、外板フランジのゲージにほぼ等しいゲージを有するウェブを形成することを含む、条項19に記載の方法。
条項21. 複数の複合ストリンガを形成することが、第1の複合ストリンガのウェブ及び外板フランジが第2の複合ストリンガのウェブ及び外板フランジのゲージにほぼ等しいゲージを有するように、第1の複合ストリンガ及び第2の複合ストリンガを形成することを含む、条項19又は20に記載の方法。
【0261】
[0319]ある例では、本明細書に記載の装置及び/又はシステムの構成要素が、機能を実行するように構成されていて、それによって、構成要素が、そうした実行を可能にするように(ハードウェア及び/又はソフトウェア付きで)実際に構成及び構築されていてよい。次に、例示の構成は、システムにこれらの機能を実施させる命令を実行する1つ又は複数のプロセッサを含んでいる。同様に、装置及び/又はシステムの構成要素は、例えば、特定の態様で操作された時にこの機能を実施するように適合しているか、こうした実施が可能であるか、又はこうした実施に適しているように、構成されていてよい。
【0262】
[0320]種々の有利な構成についての説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は例を開示されている形態の例に限定することを意図するものではない。当業者には、多くの修正例及び変形例が自明となろう。更に、種々の有利な例は、他の有利な実施例と比べて異なる利点を説明しうる。選択された1つ又は複数の実施例は、かかる実施例の原理と実際の用途を説明し、かつ、想定される特定の用途に適した様々な修正例を伴う様々な実施例の開示内容について他の当業者が理解できるように、選択され、説明されている。