(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
G09F9/00 302
(21)【出願番号】P 2020127246
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 和成
(72)【発明者】
【氏名】狩野 大樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅志
(72)【発明者】
【氏名】作田 靖
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0366679(US,A1)
【文献】特表2019-537049(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200045(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0164394(US,A1)
【文献】登録実用新案第3190322(JP,U)
【文献】特開2019-148978(JP,A)
【文献】特開2016-038555(JP,A)
【文献】特開2005-271412(JP,A)
【文献】特開2014-059378(JP,A)
【文献】特開2018-190167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
C09J1/00-5/10
7/00-7/50
9/00-201/10
G09F9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、を備える表示パネルと、
基材と、粘着材と、を備える保護フィルムと、
を備え、
前記保護フィルムは、第1領域と、前記第1領域より粘着力が大きい第2領域と、を有し、
前記第1領域は、前記粘着材の端部を含
み、
前記第1領域は、厚み方向に陥没する凹部を有し、
前記凹部は、前記粘着材の端部に露出する部分を含み、
前記粘着材の端部に露出する前記凹部の数は、前記第2領域に面する側に位置する前記凹部の数よりも多い、表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、第1辺に沿って設けられる配線基板と、をさらに備え、
前記保護フィルムの前記第1領域は、前記表示パネルの第1辺とは異なる辺に設けられる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、前記第1主面に表示領域を有し、
前記保護フィルムは、前記表示パネルの前記第1主面に設けられ、
前記第1領域は、前記表示領域と重畳しない、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、前記第1主面に表示領域を有し、
前記保護フィルムは、前記表示パネルの前記第2主面に設けられる、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記凹部は、前記表示パネルの前記第1主面に接しない、請求項1から3までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記凹部では、前記基材が露出する、請求項
1から5までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1領域の前記基材は、前記厚み方向に突出する凸部と、前記厚み方向に陥没する前記凹部とを有し、
前記粘着材は、前記凸部及び前記凹部を覆って、一様な厚さで設けられる、請求項
1から5までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1領域の前記基材は、前記厚み方向に突出する凸部と、前記厚み方向に陥没する前記凹部とを有し、
前記凹部を覆う粘着材の厚さは、前記凸部を覆う粘着材の厚さより薄い、請求項
1から5までのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記保護フィルムは、引出部を備え、
前記第1領域は、前記引出部と隣接して設けられる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記粘着材の端部に露出する凹部の平面視での形状を第1形状とし、前記粘着材の端部に露出しない凹部の平面視での第2形状とし、
前記第1形状は、前記第2形状の一部を欠いた形状である、請求項
1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の表面を保護する保護フィルムが開発されている。表示装置の表示面のみならず、表示面の裏面の傷つきや汚れにデリケートな表示装置は、裏面側にも保護フィルムを設ける場合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、残渣が生じることなく、表示パネルから保護フィルムを剥がすことが可能な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示装置は、第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面と、を備える表示パネルと、基材と、粘着材と、を備える保護フィルムと、を備え、前記保護フィルムは、第1領域と、前記第1領域より粘着力が大きい第2領域と、を有し、前記第1領域は、前記粘着材の端部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態の保護フィルムを設けた表示装置を説明する図である。
【
図2】
図2は、保護フィルムに引出部を設けた表示装置を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態における保護フィルムを備えた表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【
図5】
図5は、実施形態における保護フィルムを備えた表示装置の他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
【0008】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。
【0009】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0010】
また、第3方向Zの矢印の先端側に表示装置を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置の断面を見ることを断面視という。
【0011】
図1は、実施形態の保護フィルムを設けた表示装置を説明する図である。
図1(A)及び(B)は、表示装置DSPの平面図である。
図1(C)は、
図1(A)及び(B)の側面図である。
図1に示す表示装置DSPは、表示パネルPNL、及び表示パネルPNLの表面に設けられた保護フィルムPFを備えている。
表示パネルPNLは、第1主面SD1、及び第1主面SD1と反対側に第2主面SD2を有している。本実施形態では、第1主面SD1を表示面、第2主面SD2を裏面とする。後述する表示パネルPNLの表示領域DAは、第1主面SD1に形成される。また表示パネルPNLにおいて、第1主面SD1のうち、表示領域DAとは異なる非表示領域NDAにフレキシブル配線基板FPCが設けられる。フレキシブル配線基板FPCは、表示領域DAに設けられる画素PX(非表示)に電気的に接続されている。なおフレキシブル配線基板FPCは、単に配線基板と呼ぶこともある。
表示パネルPNLの辺のうち、フレキシブル配線基板FPCが設けられる辺を辺ED1、辺ED1と反対側の辺を辺ED2、辺ED1及びED2との間の辺のうち、図面に対して左側の辺を辺ED3、辺ED3と反対側の辺をED4とする。
【0012】
保護フィルムPFは、基材BAと粘着材ADHを備えている。粘着材ADHにより、保護フィルムPFは、表示パネルPNLに固着される。詳細は後述するが、保護フィルムPFは、粘着力の小さい領域WAと、領域WAより粘着力が大きい領域SAを有している。なお本実施形態では、領域WAを第1領域、領域SAを第2領域と呼ぶこともある。
保護フィルムPFの辺のうち、表示パネルPNLの辺ED1近傍の辺をEP1とする。すなわち辺EP1は、表示パネルPNLのフレキシブル配線基板FPCが設けられている辺である。換言すると、フレキシブル配線基板FPCは、辺EP1に沿って設けられている。辺EP1と反対側の辺を辺EP2、辺EP1及びEP2との間の辺のうち、図面に対して左側の辺を辺EP3、辺EP3と反対側の辺をED4とする。すなわち、辺EP2、EP3、及びEP4は、それぞれ、表示装置DSPの辺ED2、ED3、及びED4の近傍の辺である。
また保護フィルムPFの粘着材ADHの辺のうち、表示パネルPNLの辺ED1近傍の辺を辺EA1とする。辺EA1と反対側の辺を辺EA2、辺EA1及びEA2との間の辺のうち、図面に対して左側の辺を辺EA3、辺EA3と反対側の辺をEA4とする。
図1においては、領域WAは辺EA2を含んでいる。詳細は後述する。
【0013】
領域WAには、エンボス加工が施されている。すなわち、領域WAには、粘着材ADH又は基材BAに対し、断面視で凹凸が設けられている。すなわち、領域WAは、第3方向Z(厚み方向ともいう)に沿って突出する凸部、及び陥没する凹部を有している。領域WAに凹凸が設けられることにより、凹凸が設けられない他の領域SAに比較して、粘着力が小さくなる。
当該凹凸の凹部CVの平面視での形状は、例えば、ドット状、さらに具体的には、
図1(A)においては楕円ドット状、又は、ローレット目状、さらに具体的には、
図1(B)においては網目状である。ただし、凹部CVの形状はこれに限定されず、例えばローレット目状のうち平目状であってもよい。また凹部と凸部は逆転してもよい。
【0014】
図1(A)及び(B)に示す例において、領域WAは、粘着材ADHの辺EA2を含む領域に設けられている。
図1(A)及び(B)に示す例では、領域WAは、表示パネルPNLの辺ED1とは反対側の辺ED2の近傍に設けられていると言える。ただし領域WAの位置は、これに限定されず、表示パネルPNLの辺ED1、すなわちフレキシブル配線基板FPCが設けられている辺に設けられていなければよい。換言すると、領域WAは、表示パネルPNLの辺ED1とは異なる辺、より具体的には、辺ED2、ED3、及びED4の近傍に設けられていればよい。
【0015】
ただし、凹部CVは、領域WAに含まれる粘着材ADHの辺(端部)に露出していることが必要である。
図1(A)に示す例では、領域WAに含まれる凹部CVeは、粘着材ADHの辺EA2に露出している。
辺EA2に露出する凹部CVeは、他の凹部CVと異なり、平面視での形状は楕円形状ではなく、一部が辺EA2により欠いた形状である。つまり、凹部CVeから辺EA2に亘る領域では、粘着材ADHが設けられていない。このような領域が、保護フィルムPFの剥離の起点となるので、保護フィルムPFの剥離がより容易となる。
なお、本実施形態では、辺EA2に露出する凹部CVeの平面視での形状を第1形状、他の凹部CVの平面視での形状を第2形状と呼ぶこともある。第1形状は、第2形状の一部を欠いた形状である。
【0016】
ここで、保護フィルムPFにエンボス加工が施されていない場合を考える。
保護フィルムPFは、表示装置DSPの表示面や裏面への傷つきや汚れの付着を防止するために設けられている。保護フィルムPFは、表示パネルPNLに組み込む際には容易に、そして、表示パネルPNLから剥がす際に、粘着材ADHを残渣なく剥がすことができることが好ましい。
しかしながら、表示装置DSPの製造工程において、表示パネルPNLに保護フィルムPFを付けた状態で、加熱処理する場合が生じる。その場合には、加熱により保護フィルムPFの粘着材ADHの粘着力が大きくなり、ピール強度が上昇してしまう恐れが生じる。粘着材ADHのピール強度が上昇すると、表示パネルPNLから保護フィルムを剥がす際に、保護フィルムPFを容易に剥がせないという恐れがある。
【0017】
そこで
図1に示すように、保護フィルムPFの粘着材ADHに、剥離の起点となる、粘着力の小さい領域WAを設ける。これにより、表示パネルPNLに保護フィルムPFを付けた状態で、加熱処理する場合においても、剥離の起点を確保することができる。よって、保護フィルムPFを表示パネルPNLから剥がす際に、粘着材ADHを残渣なく剥がすことが可能となる。
【0018】
図2は、保護フィルムに引出部を設けた表示装置を説明する図である。
図2(A)は、保護フィルムPFに引出部PLを設けた表示装置DSPの平面図であり、
図2(B)は、
図2(A)の側面図である。なお
図2において、
図1と同じ構成要素は同じ符号で示し、その説明は
図1の説明を援用する。
図2(A)に示す保護フィルムPFでは、辺EP3から第1方向Xと逆方向に突出した引出部PLを有している。引出部PLには、粘着材ADHは設けられていない。
【0019】
図2(A)及び
図2(B)に示す例において、粘着力が小さい領域WAは、引出部PLに隣接して設けられている。換言すると、領域WAは、表示パネルPNLの辺ED3及び保護フィルムPFの辺EP3に隣接して設けられており、粘着材ADHの辺EA3を含んでいる。すなわち、領域WAは、フレキシブル配線基板FPCが設けられる辺(辺ED1)とは異なる辺に設けられている。
【0020】
保護フィルムPFが表示パネルPNLの第1主面SD1、すなわち表示面に設けられる場合には、領域WAは、表示パネルPNLの表示領域DAに重畳しない箇所に設けられてもよい。領域WAを表示領域DAと重畳させない構成では、表示領域DAの全面が粘着材ADHと終始接するため、表示領域DAが傷つくことを抑制できる。
【0021】
図3は、引出部近傍の部分拡大図である。
図3(A)は、引出部PL近傍の部分拡大平面図、
図3(B)は、
図3(A)に示すA1-A2に沿った断面図、
図3(C)及び(D)は、
図3(B)とは異なる断面構成を示す断面図である。
図3(A)に示されるように、粘着力が小さい領域WAは、粘着材ADHの辺EA3を含んでいる。辺EA3の近傍に設けられる凹部CVeは、一部が辺EA3により欠いた形状である。凹部CVeは、辺EA3に露出している。つまり、凹部CVeから辺EA3に亘る領域では、粘着材ADHが設けられない。これにより、領域WAの辺EA3が、保護フィルムPFの剥離の起点となり、保護フィルムPFの剥離がより容易となる。
【0022】
図3(B)に示されるように、保護フィルムPFは、均一な厚さを有する基材BAと、基材BAに部分的に重畳する粘着材ADHを有していてもよい。
図3(B)に示す例では、粘着材ADHが設けられない領域が凹部CVとなる。すなわち、凹部CVでは、基材BA上に粘着材ADHが設けられておらず、基材BAが露出している。
また
図3(B)に示す凹部CVは、表示パネルPNLの第1主面SD1には接しない。
図3(B)においては、粘着材ADHが設けられる領域が凸部CXとなり、表示パネルPNLの第1主面SD1に接する。
【0023】
図3(C)においては、基材BAに凹部CVb及び凸部CXbが設けられている。粘着材ADHは、凸部CXb及び凹部CVbを含む基材BAを覆って、一様の厚さで設けられている。基材BAの凸部CXb及びその上に設けられた粘着材ADHが凸部CXに相当し、基材BAの凹部CVb及びその上に設けられた粘着材ADHが凹部CVに相当する。
図3(C)に示す領域WAにおいて、凸部CXの粘着材ADHのみが、表示パネルPNLの第1主面SD1に接する。
図3(C)に示す凹部CVにおいても、表示パネルPNLの第1主面SD1には接しない。
【0024】
図3(D)に示す例は、
図3(C)に示す例と比較して、凹部CVでの粘着材ADHの厚さが、他の領域、例えば凸部CXでの厚さより薄い、という点で異なっている。
図3(C)に示す凹部CVにおいても、表示パネルPNLの第1主面SD1には接しない。
【0025】
図3(B)、(C)、及び(D)において、
図3(B)に示す例が、
図3(C)及び(D)示す例より好適である。
図3(B)に示す例では、粘着材ADHが設けられない領域(すなわち凹部CV)が存在している。表示パネルPNLと保護フィルムPFを加熱し、粘着材ADHが軟化した場合においても、粘着材ADHが凹部CVを充填してしまうという現象が生じない。そのため、粘着材ADHが存在しない領域が加熱後も存在し、領域WAの粘着力が上昇しない。よって、
図3(B)に示す例では、加熱後のピール強度の上昇を抑制することができる。
以上本実施形態により、残渣が生じることなく、表示パネルPNLから保護フィルムPFを剥がすことが可能となる。
【0026】
<構成例1>
図4は、実施形態における保護フィルムを備えた表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図4に示した構成例では、
図2に示した構成例と比較して、保護フィルムの一部が切り欠かれているという点で異なっている。なお本構成例において、実施形態と同じ構成要素は同じ符号で表している。また実施形態と同じ構成要素の説明は、実施形態を援用し、詳細は省略する。
図4に示す例では、保護フィルムPFは、表示パネルPNLのフレキシブル配線基板FPCに沿って切り欠かれている。当該切り欠かれている保護フィルムPFの領域を、領域CAとする。また、領域CAにおいて、フレキシブル配線基板FPCに沿う辺をEP1aとすると、辺EP1aは、
図2に示す辺EP1に相当する。
【0027】
また保護フィルムPFの辺EP1のうち、領域CA以外の辺を辺EP1bとする。辺EP1bは、
図2に示す辺EP1より、表示パネルPNLの辺ED1に近い。これにより、辺EP1a(
図2に示す辺EP1に相当)と辺EP1bとの間の領域LAが、保護フィルムPFによって覆われる。すなわち、
図4においては、保護フィルムPFが表示パネルPNLと重畳する面積が、
図2に示す例と比較して増加する。よって、保護フィルムPFによって保護される面積を増やすことができる。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0028】
<構成例2>
図5は、実施形態における保護フィルムを備えた表示装置の他の構成例を示す平面図である。
図5に示した構成例では、
図2に示した構成例と比較して、保護フィルムが表示装置の裏面に設けられるという点で異なっている。なお本構成例において、実施形態と同じ構成要素は同じ符号で表している。また実施形態と同じ構成要素の説明は、実施形態を援用し、詳細は省略する。
図5(A)は、本構成例の表示装置DSPの平面図であり、
図5(B)は表示装置DSPの側面図である。
図5に示す例において、保護フィルムPFは、表示パネルPNLの裏面である第2主面SD2に設けられている。
上述したように、表示面の裏面の傷つきや汚れにデリケートな表示パネルPNLを備える表示装置DSPでは、表示パネルPNLの裏面側にも保護フィルムを設ける場合が生じる。そのため、
図5に示す構成は、裏面を保護することができ、かつ、保護フィルムPFを表示パネルPNLから剥がす場合、粘着材ADHを残渣なく剥がすことが可能となる。
【0029】
上述したように、本構成例の保護フィルムPFは、表示パネルPNLの裏面である第2主面SD2に設けられている。一方、表示パネルPNLのフレキシブル配線基板FPCは、第1主面SD1に設けられている。よって、保護フィルムPFの辺EP1の位置は、フレキシブル配線基板FPCの位置とは独立して決めることができる。
図5に示す例においては、保護フィルムPFの辺EP1は、表示パネルPNLの辺ED1に近接して設けられており、平面視にてフレキシブル配線基板FPCと重畳している。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0030】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
ADH…粘着材、BA…基材、CA…領域、CV…凹部、CVb…凹部、CVe…凹部、CX…凸部、CXb…凸部、DA…表示領域、DSP…表示装置、EA1…辺、EA2…辺、EA3…辺、ED1…辺、ED2…辺、ED3…辺、EP1…辺、EP1a…辺、EP1b…辺、EP2…辺、EP3…辺、FPC…フレキシブル配線基板、LA…領域、PF…保護フィルム、PL…引出部、PNL…表示パネル、SA…領域、SD1…第1主面、SD2…第2主面、WA…領域