(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】より高速なイメージャの行デコーディングのためのパイプライン化された行デコーダトポロジ
(51)【国際特許分類】
H04N 25/779 20230101AFI20240903BHJP
H04N 25/50 20230101ALI20240903BHJP
【FI】
H04N25/779
H04N25/50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020130446
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2022-09-29
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501302980
【氏名又は名称】フォベオン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラム・セナ・ボッジャ
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ジェイ・ケラー
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・スー・ワン
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-239010(JP,A)
【文献】特開2011-217280(JP,A)
【文献】特開2010-147765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/779
H04N 25/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像アレイであって、
複数の行の画素センサと、
現在のタイミングパターン期間の間に生成され、選択された行の前記画素センサを動作させるように指図されたタイミングパターン制御信号を生成し、前記撮像アレイのすべての行に前記タイミングパターン制御信号を供給するタイミングパターン発生器と、
前記現在のタイミングパターン期間の開始時に、前記選択された行の前記画素センサへの前記タイミングパターン制御信号をゲート制御するために、前記現在のタイミングパターン期間の直前のタイミングパターン期間に供給された行アドレスイネーブル信号に応答する前記撮像アレイの各行に行イネーブルラッチを含むラッチ行ドライバ回路と、
前記現在のタイミングパターン期間の直前の前記タイミングパターン期間に、選択された行ごとに前記行アドレスイネーブル信号を生成するために、前記タイミングパターン発生器、及び前記撮像アレイの各行の前記行イネーブルラッチに結合された行アドレス発生回路と、を含む撮像アレイ。
【請求項2】
前記タイミングパターン制御信号を前記撮像アレイの各行に運ぶために、前記タイミングパターン発生器と、前記撮像アレイの各行との間に結合されたタイミングパターン信号制御ラインを更に含む、請求項1に記載の撮像アレイ。
【請求項3】
各行に、前記行の各画素センサに結合された個々の行タイミングパターン信号制御ラインを更に含む、請求項2に記載の撮像アレイ。
【請求項4】
各行に、グローバルなタイミングパターン信号制御ラインと前記行タイミングパターン信号制御ラインとの間に結合されたタイミングパターン制御信号スイッチをさらに含み、前記タイミングパターン制御信号スイッチのそれぞれは、前記行イネーブルラッチによってゲート制御される請求項3に記載の撮像アレイ。
【請求項5】
前記行アドレス発生回路は、各行イネーブルラッチを動作させるように動作可能に結合される、請求項4に記載の撮像アレイ。
【請求項6】
前記行アドレス発生回路は、各行イネーブルラッチに結合された行イネーブルラッチ制御信号ラインを駆動する行イネーブルラッチ制御信号出力と、個々の行アドレスデータの個々の行アドレス出力と、アドレス有効イネーブルラインのアドレス有効イネーブル出力と、前記タイミングパターン期間に先立つ前記行イネーブルラッチ制御信号出力のアドレス行イネーブルラッチ制御信号と、を含む、請求項5に記載の撮像アレイ。
【請求項7】
前記タイミングパターン信号制御ラインは、リセット制御信号ラインと、電荷転送制御信号ラインと、読み出し選択制御信号ラインと、を含み、
各行の前記行タイミングパターン信号制御ラインは、各行の各画素センサに結合された個々の行リセットラインと、行電荷転送ラインと、行読み出し選択ラインと、を含み、
各行の前記タイミングパターン制御信号スイッチは、前記リセット制御信号ラインと前記行リセットラインとの間に結合され、前記行イネーブルラッチによってゲート制御された行リセットスイッチと、前記電荷転送制御信号ラインと前記行電荷転送ラインとの間に結合され、前記行イネーブルラッチによってゲート制御された行電荷転送スイッチと、前記読み出し選択制御信号ラインと前記行読み出し選択ラインとの間に結合され、前記行イネーブルラッチによってゲート制御された行読み出し選択スイッチと、を含む、請求項6に記載の撮像アレイ。
【請求項8】
前記行アドレス発生回路は、前記現在のタイミングパターン期間の直前のタイミングパターン期間に、2つ以上の行アドレスを出力して、2つ以上の行を選択するように構成され、
前記行イネーブルラッチは、前記現在のタイミングパターン期間の前記開始時に、前記2つ以上の行アドレスによって識別された前記2つ以上の行が、前記2つ以上の選択された行の前記画素センサへの前記タイミングパターン制御信号をゲート制御するように構成される、請求項6に記載の撮像アレイ。
【請求項9】
複数の行の画素センサを含む撮像アレイを動作させるための方法であって、
各タイミングパターン期間の間に、かつ、行アドレス信号及び行アドレスイネーブル信号をゲート制御することに応答して、直後のタイミングパターン期間に対して、前記撮像アレイの各行の行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップと、
前記直後のタイミングパターン期間の開始時に、タイミングパターン制御信号を生成し、前記タイミングパターン制御信号を前記撮像アレイのすべての行に供給するステップと、
前記タイミングパターン期間の開始時に、前記タイミングパターン制御信号をゲート制御して、ラッチされた行選択データを有する行のみの前記画素センサを動作させるステップと、を含む方法。
【請求項10】
タイミングパターン制御信号を生成するステップは、
リセット制御信号を生成するステップと、
電荷転送制御信号を生成するステップと、
読み出し選択制御信号を生成するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記タイミングパターン期間の前記開始時に、前記ラッチされた行選択データを有する行の前記画素センサへの前記タイミングパターン制御信号をゲート制御するステップは、
タイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチを各行に設けるステップと、
前記タイミングパターン期間の前記開始時に、前記ラッチされた行選択データを有する行のみのタイミング制御パターン信号ごとに前記タイミング制御パターンスイッチのすべてをアクティブ化するステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記タイミングパターン期間の前記開始時に、ラッチされた行選択データを有する前記行のみの前記画素センサへの前記タイミングパターン制御信号をゲート制御するステップは、
前記ラッチされた行選択データを有する行の行リセットラインへの前記リセット制御信号をゲート制御するステップと、
前記
ラッチされた行選択データを有する行の行電荷転送ラインへの前記電荷転送制御信号をゲート制御するステップと、
前記
ラッチされた行選択データを有する行の行読み出し選択ラインへの前記読み出し選択制御信号をゲート制御するステップと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
行アドレス信号及び行アドレスイネーブル信号に応答する前記撮像アレイの各行の前記行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップは、2つ以上の行で行選択データをラッチするステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
行アドレス信号及び行アドレスイネーブル信号に応答する前記撮像アレイの各行の行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップは、前記行アドレス信号を前記行アドレスイネーブル信号とともにゲート制御するステップと、各行で、前記ゲート制御された行アドレス信号、及び前記行選択データと行選択解除データのうちの1つをラッチするステップと、を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素センサの撮像アレイに関する。特に、本発明は、画素センサアレイの動作のための行デコーディング、及びより高速なイメージャの行デコーディングのためのパイプライン化されたトポロジに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトダイオードセンサから形成された画素センサアレイの画像センサの動作は、2つの別個の動作に分けることができる。まず、撮像アレイの画素センサは、露光時間の間に光に露出され、次に、蓄積された信号レベル(電荷/電圧)は、通常はコンデンサである記憶素子に読み出しされる。次に、記憶素子に格納された蓄積された信号レベルは、読み出し信号経路を通して読み出しされ、電荷/電圧は、デジタル出力に変換される。
【0003】
画素センサのアレイの動作には3つのモードがある。まず、リセットモードにおいて、画素センサはリセットされて、露光の前に画素を既知の状態に置く。次に、集積モードにおいて、画素は光に露出され、光が「集積/捕捉」されることで、露光に応答してフォトダイオードの電荷が変化する。次に、画素アレイ区分に蓄積された電荷は、素早くアクセスできるように、通常画素アレイの縁部付近にあるコンデンサなどの揮発性が低い記憶素子に転送される。この転送の後に続いて、この格納された情報は、画素センサから読み出しされる。
【0004】
画素センサは、上記の3つのモードのうちの1つにない場合には、アイドルモードにある。アイドルモードでは、画素は、リセットモード、集積モード、又は電荷転送モードのいずれかにある他の画素に干渉しない。
【0005】
アレイの個々の画素センサ、又は画素センサは、アレイの行と列に配列される。アレイの画素センサの上記動作は、行と列をベースに実行される。リセット動作、集積動作、及び電荷転送動作は通常、アレイの画素センサの行で行われる。電荷転送の後に続いて、転送された電荷は通常、アレイの列方向に配置されたラインの行から読み出しされる。
【0006】
典型的な先行技術のイメージャが
図1に描かれている。イメージャには、個々の画素センサの行及び列を含む画素センサアレイが含まれている。デジタルコントローラは、リセット動作、集積動作、及び電荷転送動作を実行する画素センサの個々の行を選択する行ドライバ回路に信号を供給する。行が選択され次第、特定のパターンの制御電圧(本明細書では「タイミングパターン」と呼ばれる。)がアレイの選択された行(単数又は複数)の画素センサの様々なノードに印加され、リセット動作、集積動作、及び電荷転送動作を実行する。読み出し回路は、画素センサから転送された電荷をリセットし、光に露出した後に、それらを読み出しするために使用される。デジタルコントローラは、行ドライバ回路及び読み出し回路の動作を制御する。制御インタフェースは、例えば、露光時間を設定できるようにするなど、ユーザとの対話を可能にする。周辺回路は、温度測定回路、基準発生器、並びに内部バイアス及び電圧回路などであり、画素センサアレイで他の機能を実行する。
【0007】
デジタルコントローラは、行の選択、及び選択された行で様々な動作を実行するために使用される制御信号の特定のタイミングパターンの実施を制御する。アドレス整定時間及び他の制御ラインのチャージアップ時間などの考慮事項により、画像を捕捉し、画素センサアレイから読み出しする速度が制限される。画素センサのより多くの行から画像データを処理することが必要になった結果として、並びに、行及び列の物理的なサイズが大きくなった結果として、画素センサアレイのサイズが大きくなるにつれて、画像捕捉及び読み出しの合計時間が増加する。
【0008】
図2は、典型的な先行技術の画素センサの撮像アレイの動作を図示する。画素センサの行は、デジタルコントローラの制御下で、行ドライバによってアドレス指定され、選択された行の画素センサへの行全体にわたる制御信号をアサートすることによって、選択された行の画素センサで動作が実行される。
図2は、一例として、まず、アサートされている画素センサアレイの行101のアドレス、及び実行されている行101の画素センサをリセットする動作を示す。リセット動作は、行101の画素センサを光に露出して画像の一部を捕捉するのに先立って起こる。次に、画素センサアレイの行1のアドレスがアサートされ、行1の画素センサから行1の画素センサによってすでに収集された画像の一部の光電荷を転送する動作が実行される。次に、画素センサアレイの行102のアドレスがアサートされ、行102の画素センサをリセットする動作が実行される。次に、画素センサアレイの行2のアドレスがアサートされ、行2の画素センサから行2の画素センサによって収集された光電荷を転送する動作が実行される。
【0009】
当業者は、
図1に描かれているタイプの撮像アレイの動作のこの態様を理解しており、
図2に描かれているリセット動作及び電荷転送動作が交互に配置されることが容易にわかるであろう。
図2に示される説明図では、行101及び102を含む画素センサアレイの一部は、光電荷転送が行われた後にリセットされ、行1及び2を含む画素センサアレイの一部に蓄積された光電荷は、画素センサアレイから転送されている。
【0010】
当業者は、
図2に描かれたリセット動作及び電荷転送動作の実行に必要な時間には、デジタルコントローラによってコマンドされたアドレスが行ドライバ回路によってアサートされて、整定され、有効になるのに十分な量の時間と、他のデジタル制御信号及びサンプリング信号からの追加のオーバーヘッドと、が含まれることもまたわかるであろう。連続する行アドレスのアサートの間のこの合計時間は、約500ナノ秒である場合がある。リセット及び電荷転送のタイミングパターンは、アサートされた行アドレス及び関連する制御信号が有効になるまで、選択された行に適用することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、撮像アレイは、複数の行の画素センサを含む。タイミングパターン発生器は、タイミングパターン制御信号を生成し、アレイのすべての行にタイミングパターン制御信号を供給し、このタイミングパターン制御信号は、タイミングパターン期間の間に生成され、選択された行の画素センサを動作させるように指図される。ラッチ行ドライバ回路は、タイミングパターン期間の開始時に、選択された行の画素センサへのタイミングパターン制御信号をゲート制御するために、タイミングパターン期間に先立って供給される行アドレスイネーブル信号に応答するアレイの各行に行イネーブルラッチを含む。行アドレス発生回路は、タイミングパターン期間に先立って、選択された各行に行アドレスイネーブル信号を生成するために、タイミングパターン発生器、及びアレイの各行のイネーブルラッチに結合されている。
【0012】
本発明の一態様によれば、撮像アレイは、タイミングパターン信号をアレイの各行に運ぶために、タイミングパターン発生器と、アレイの各行との間に結合されたタイミングパターン信号制御ラインを更に含む。
【0013】
本発明の一態様によれば、撮像アレイは、各行に、行の各画素センサに結合された個々の行タイミングパターン信号制御ラインを更に含む。
【0014】
本発明の一態様によれば、撮像アレイは、各行に、グローバルなタイミングパターン信号制御ラインと行タイミングパターン制御信号ラインとの間に結合されたタイミングパターン制御信号スイッチを更に含み、タイミングパターン制御スイッチのそれぞれは、行イネーブルラッチによってゲート制御される。
【0015】
本発明の一態様によれば、行アドレス発生回路は、各行イネーブルラッチを動作させるように動作可能に結合されている。
【0016】
本発明の一態様によれば、行アドレス発生回路は、各行イネーブルラッチに結合された行イネーブルラッチ制御信号ラインを駆動する行イネーブルラッチ制御信号出力と、個々の行アドレスデータの個々の行アドレス出力と、アドレス有効イネーブルラインのアドレス有効イネーブル出力と、タイミングパターン期間に先立って出力されたイネーブルラッチ制御信号に対するアドレス行イネーブルラッチ制御信号と、を含む。
【0017】
本発明の一態様によれば、タイミングパターン信号制御ラインは、リセット制御信号ラインと、電荷転送制御信号ラインと、読み出し選択制御信号ラインと、を含むとともに、各行の行タイミングパターン信号制御ラインは、各行の各画素センサに結合された個々の行リセットラインと、行電荷転送ラインと、行読み出し選択ラインと、を含み、各行のタイミングパターン制御スイッチは、リセット制御信号ラインと行リセットラインとの間に結合され、行イネーブルラッチによってゲート制御された行リセットスイッチと、電荷転送制御信号ラインと行電荷転送ラインとの間に結合され、行イネーブルラッチによってゲート制御された行電荷転送スイッチと、行読み出し選択制御信号ラインと行読み出し選択ラインとの間に結合され、行イネーブルラッチによってゲート制御された行読み出し選択スイッチと、を含む。
【0018】
本発明の一態様によれば、行アドレス発生回路は、タイミングパターン期間に先立って、2つ以上の行アドレスを出力して、2つ以上の行を選択するように構成され、行イネーブルラッチは、タイミングパターン期間の開始時に、2つ以上の行アドレスによって識別された2つ以上の行が、2つ以上の選択された行の画素センサへのタイミングパターン制御信号をゲート制御するように構成されている。
【0019】
本発明の一態様によれば、複数の行の画素センサを含む撮像アレイを動作させるための方法は、各タイミングパターン期間の間に、かつ、行アドレス信号及び行アドレスイネーブル信号をゲート制御することに応答して、直後のタイミングパターン期間に対して、アレイの各行の行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップと、直後のタイミングパターン期間の開始時に、タイミングパターン制御信号を生成し、タイミングパターン制御信号をアレイのすべての行に供給するステップと、タイミングパターン期間の開始時に、タイミングパターン制御信号をゲート制御して、ラッチされた行選択データを有する行のみの画素センサを動作させるステップと、を含む。
【0020】
本発明の一態様によれば、タイミングパターン制御信号を生成するステップは、リセット制御信号を生成するステップと、電荷転送制御信号を生成するステップと、読み出し選択制御信号を生成するステップと、を含む。
【0021】
本発明の一態様によれば、タイミングパターン期間の開始時に、選択された行の画素センサへのタイミングパターン制御信号をゲート制御するステップは、タイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチを各行に設けるステップと、タイミングパターン期間の開始時に、ラッチされた行選択データを有する行のみのタイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチのすべてをアクティブ化するステップと、を含む。
【0022】
本発明の一態様によれば、タイミングパターン期間の開始時に、ラッチされた行選択データを有する行のみの画素センサへのタイミングパターン制御信号をゲート制御するステップは、選択された行の行リセットラインへのリセット制御信号をゲート制御するステップと、選択された行の電荷転送ラインへの電荷転送制御信号をゲート制御するステップと、選択された行の行読み出し選択ラインへの読み出し選択制御信号をゲート制御するステップと、を含む。
【0023】
本発明の一態様によれば、行アドレス信号及び行アドレスイネーブル信号に応答するアレイの各行の行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップは、2つ以上の行の行選択データをラッチするステップを含む。
【0024】
本発明の一態様によれば、行アドレス信号及び行アドレスイネーブル信号に応答するアレイの各行の行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップは、行アドレス信号を行アドレスイネーブル信号とともにゲート制御するステップと、各行で、ゲート制御された行アドレス信号、並びに行選択データ及び行選択解除データのうちの1つをラッチするステップと、を含む。
【0025】
本発明について、実施形態及び図面を参照して以下で、より詳細に説明する。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】典型的な先行技術の画素センサアレイのブロック図である。
【
図2】
図1の先行技術の画素センサアレイにおけるような、典型的な行ドライバ回路の動作を示すタイミング図である。
【
図3】本発明の一態様による画素センサアレイのブロック図である。
【
図4】
図3の画素センサアレイのラッチ行ドライバ回路の動作を示すタイミング図である。
【
図5】本発明の一態様による例示的な画素センサアレイにおけるタイミングパターンの履行を示す図である。
【
図6】本発明の一態様による例示的なデジタルコントローラ、ラッチ行ドライバ回路、及び画素センサアレイの一部を示すブロック図である。
【
図7】本発明の一態様による
図6の画素センサアレイの代表的な行によって履行されるタイミングパターンを示すタイミング図である。
【
図8】画素センサ機能を同時に実行するために、複数の行を選択して、タイミングパターンの実装を可能にする
図6に示されるラッチ素子を、各行に実装するための例示的な回路である。
【
図9】画素センサ機能を同時に実行するために、4つの行を選択して、タイミングパターンを実装する
図8のラッチ素子回路の動作の説明図を示すタイミング図である。
【
図10】本発明の一態様による複数の行の画素センサを含む撮像アレイを動作させるための方法を図示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
当業者は、以下の説明が単なる例示であり、決して限定的なものではないことを認識するであろう。このような当業者は、他の実施形態に容易に想到するであろう。
【0037】
本発明の一態様によれば、ラッチ行ドライバ回路が提供される。各行に設けられる行イネーブルラッチは、画素が次のタイミングパターンを履行することになる行を事前に選択する。少なくとも1つの行アドレスは、タイミングパターンがアレイの行のすべてに適用されるタイミングパターン期間の開始時に直ちにイネーブルになるように、タイミングパターン期間の開始に先立って、行イネーブルラッチで設定及び格納される。タイミングパターンは、事前に選択された行又は複数の行によってのみ履行される。
【0038】
タイミングパターンの開始に先立ってアドレスを設定することにより、アドレス整定と関連付けされたレイテンシのすべてが排除される。タイミングパターンはアレイの行のすべてに提供されるため、タイミングオーバーヘッドなしで、リセット及び電荷転送の両方のタイミングパターンに対して複数のアドレスをアクティブ化することができる。
【0039】
アレイサイズ(アレイの行の数)は、追加の設計変更の原因とはならない。タイミングパターン信号の駆動を強くしさえすればよい。
【0040】
本発明を使用することにより、行ごとの行デコーダのシリコン領域を増やさずに、行イネーブルラッチを追加するだけで、読み出しスピードがかなり上がる。
【0041】
最初に、
図3を参照すると、ブロック図は、画素センサアレイ12を含む例示的なイメージャ10を示す。画素センサアレイ12は、本明細書に見られるように、個々の画素センサの行及び列のアレイとして配置されている。1つの実施形態では、画素センサは、当技術分野で知られているようなフォトダイオードを用いる画素センサとすることができ、また、当技術分野で知られている、カリフォルニア州、サンノゼのFoveon,Inc.により製造されているような、垂直色CMOS画素センサとすることができるが、当業者は、本発明に従って動作するように構成された他の画素センサ技術をイメージャで用いてもよいことが容易にわかるであろう。
【0042】
画像の捕捉、及び読み出しは、行ドライバ回路16を制御して、画像を捕捉し、捕捉された画像を読み出しするようにアレイ12の個々の画素センサを動作させるデジタルコントローラ14によって指図される。行ドライバ回路16は、アレイの行を先行技術のイメージャよりも効率的にアドレス指定できるようにする行イネーブルラッチ18を含む。捕捉された画像データは、本明細書で説明するように、読み出し回路20を使用して、画素アレイから読み出しされる。
【0043】
タイミングメモリ22は、デジタルコントローラ14に結合され、デジタルコントローラ14が制御信号を生成して行ドライバ回路14、行イネーブルラッチ18、及び読み出し回路20を駆動するために使用するタイミング制御情報を提供する。制御インタフェース24は、例えば、露光時間を設定できるようにするなど、ユーザとの対話を可能にする。周辺回路26は、温度測定回路、基準発生器、並びに内部バイアス及び電圧回路などであり、画素センサアレイで他の機能を実行する。
【0044】
図3のイメージャ10の動作は、
図1の先行技術のイメージャの動作とは異なる。行イネーブルラッチ18を含む行ドライバ回路16を使用することにより、選択された行アドレスをプレローディングして、イメージャ10の動作時のアドレス整定時間のレイテンシを短縮することが可能になる。本発明のこの態様は、
図4に図示される。
【0045】
図4の第1のラインは、タイミングパターンクロックを表す波形である。タイミングパターンクロックの期間は、
図4では垂直方向の破線で表示されている。タイミングパターン制御信号は、タイミングパターンクロックの各期間の間にアサートされ、アレイの行のすべてに一斉送信される。本明細書に示されるように、前のタイミングパターン期間の間に選択された行の画素だけがタイミングパターン制御信号に応答する。
【0046】
図4に示されるように、第1のタイミングパターン期間の間に、行アドレス101は、デジタルコントローラ14によって
図3の行ドライバ回路16にアサートされる。この期間の間に、行101は、その行のイネーブル信号を行101と関連付けされた行イネーブルラッチに格納することにより、次の(第2の)タイミングパターンに対してイネーブルになる。第1のタイミング期間の間に、タイミングパターンは、前のタイミングパターンクロック期間の間にアドレスがラッチされた行の画素センサに対して履行される。この行は、行0として
図4に示されている。
【0047】
第2のタイミングパターン期間の間に、行アドレス1は、デジタルコントローラ14によって
図3の行ドライバ回路16にアサートされる。この期間の間に、行1は、その行のイネーブル信号を行1と関連付けされた行イネーブルラッチに格納することにより、次の(第3の)タイミングパターンに対してイネーブルになる。第2のタイミングパターン期間の間に、タイミングパターンは、前の(第1の)タイミングパターン期間の間にアドレスがラッチされた行101の画素センサに対して履行される。
【0048】
第3のタイミングパターン期間の間に、行アドレス102は、デジタルコントローラ14によって
図3の行ドライバ回路16にアサートされる。このタイミングパターン期間の間に、行102は、その行のイネーブル信号を行102と関連付けされた行イネーブルラッチに格納することにより、次の(第4の)タイミングパターンに対してイネーブルになる。第3のタイミングパターン期間の間に、タイミングパターンは、前の(第2の)タイミングパターン期間の間にアドレスがラッチされた行1の画素センサに対して履行される。
【0049】
第4のタイミングパターン期間の間に、行アドレス2は、デジタルコントローラ14によって
図3の行ドライバ回路16にアサートされる。このタイミングパターン期間の間に、行2は、その行のイネーブル信号を行2と関連付けされた行イネーブルラッチに格納することにより、次の(第5の)タイミングパターンに対してイネーブルになる。第4のタイミングパターン期間の間に、タイミングパターンは、前の(第3の)タイミングパターン期間の間にアドレスがラッチされた行102の画素センサに対して履行される。
【0050】
第5のタイミングパターン期間の間に、行アドレス103は、デジタルコントローラ14によって
図3の行ドライバ回路16にアサートされる。このタイミングパターン期間の間に、行103は、その行のイネーブル信号を行103と関連付けされた行イネーブルラッチに格納することにより、次の(第6の)タイミングパターンに対してイネーブルになる。第5のタイミングパターン期間の間に、タイミングパターンは、前の(第4の)タイミングパターン期間の間にアドレスがラッチされた行2の画素センサに対して履行される。
【0051】
ここで
図5を参照すると、本発明のイメージャの動作の別の態様が描かれている。タイミングパターン期間の2つのグループが、
図5のタイミングパターン/行部分に示され、タイミングパターン期間TP1からTP6が、
図5の左側に示され、タイミングパターン期間TP101からTP106が、
図5の右側に示されている。タイミングパターン期間に示されている動作は、画素センサの行を露光に備えてリセットすること(行番号が後に付された「R」で表された)と、露光が終了した後に、画素センサの行から電荷を転送すること(行番号が後に付された「C」で表された)と、の間で交互に行われる。
【0052】
タイミングパターン期間TP1の間に、行0の画素センサがリセットされる。タイミングパターン期間TP2の間に、電荷転送動作が履行される。イメージャの動作の始まりの部分では、露光された画素センサの行がなく、そのため、ダミーの行(「D」として指定された)がアドレス指定されている。タイミングパターン期間TP3の間に、行1の画素センサがリセットされる。タイミングパターン期間TP4の間に、ダミーの行Dに電荷転送動作が履行される。タイミングパターン期間TP5の間に、行2の画素センサがリセットされる。タイミングパターン期間TP6の間に、ダミーの行Dに電荷転送動作が履行される。
【0053】
図5に示される例示的な例では、イメージャの集積時間(すなわち、光電荷がアレイの画素センサに蓄積される露光時間)は、集積時間の矢印で表示されるように、およそ202個のタイミングパターン期間に設定されているものとして示されている。したがって、
図5に示されるように、タイミングパターン期間TP101の間に、行100の画素センサがリセットされる。この時までには、行0はリセットされ、101個のタイミングパターンに等しい期間にわたって、露光されている。タイミングパターン期間TP102の開始までには、蓄積された光電荷は、行0の画素センサから転送するために利用可能であり、こうした光電荷は、
図5の一番上のラインの動作「C0」で表示されるように転送される。
【0054】
タイミングパターン期間TP103の間に、行101の画素センサがリセットされる。この時までには、行1はリセットされ、101個のタイミングパターンに等しい期間にわたって、露光されている。タイミングパターン期間TP104の間に、行1の画素センサに電荷転送動作が履行される。タイミングパターン期間TP105の間に、行102の画素センサがリセットされる。タイミングパターン期間TP6の間に、行2の画素センサに電荷転送動作が履行される。
【0055】
画素センサアレイの行0、1、及び2の画素センサの状態を図示する
図5の「状態」部分では、画素センサアレイの行0、1、及び2の画素センサの「アクティブ」、「アイドル」、又は「光電荷集積モード」状態が示されている。リセット動作及び電荷転送動作は、画素センサの行のアクティブ状態であり、アクティブ状態でも、光電荷集積モード状態でもない画素センサの行は、「アイドル」状態にある。
【0056】
読み出し動作は、
図5の「読み出し動作」部分に示されている。本明細書に示されるように、電荷転送のタイミングパターンは、画素センサから転送される電荷を読み出しするための制御信号を含んでもまたよい。転送される電荷の読み出しが可能な、画素センサの実在する行がないので、最初の数回の読み出しはダミーの行からである。
図5は、電荷転送タイミングパターン期間の後に続いて始まる読み出し動作を示すが、当業者は、任意の行の転送された電荷に対する読み出し期間の始まりの部分は、電荷転送の完了の後に続いて、いつでも起こり得ることがわかるであろう。
【0057】
図5に示された例から、当業者は、画素センサアレイの残りの行の動作を容易に外挿することができる。
【0058】
ここで
図6を参照すると、概略図は、本発明の一態様による例示的な画素センサアレイ12の一部を示す。例示を目的として2つの行ごとに1つの画素センサが示されている。画素センサ30-0が画素センサアレイ12の行0に示され、同一の画素センサ30-Xが画素センサアレイの行Xに示されている。画素センサ30-0及び30-Xは、本発明で利用され得る任意の数の異なる画素センサを表すものであり、当業者は、本発明の原理を他の画素センサ構成に容易に適合させることができるであろう。
【0059】
画素センサ30-0は、当技術分野で知られているような光電荷収集器として、フォトダイオード32-0を使用する。フォトダイオード32-0によって蓄積された電荷は、電荷転送トランジスタ34-0を介して、破線で示されているコンデンサ36-0によって表されたフローティングノードに転送される。当業者は、コンデンサ36-0は実際のコンポーネントではなく、むしろ、フローティングノードの固有のキャパシタンスを表していることがわかるであろう。電荷転送トランジスタ34-0のゲートは、行電荷転送ライン38-0によって駆動される。
【0060】
フローティングノード36-0は、リセット電位Vresetに結合されたリセットトランジスタ40-0を介しての電荷蓄積に先立って、既知の電位にリセットされる。リセットトランジスタ40-0のゲートは、行リセットライン42-0によって駆動される。
【0061】
ソースフォロアトランジスタ44-0は、そのゲートがフローティングノード36-0に結合され、行読み出し選択トランジスタ48-0を介して列ライン46に結合されている。行読み出し選択トランジスタ48-0のゲートは、行読み出し選択ライン50-0によって駆動され、転送された電荷を列ライン46に出力する。行電荷転送ライン38-0、行リセットライン42-0、及び行読み出し選択ライン50-0は、総称して、行タイミングパターン信号制御ラインと呼ばれる場合がある。列ライン46は、当技術分野で知られているように、列放電トランジスタ52及び電流源54によって駆動される。
【0062】
画素センサアレイの行Xの画素センサ30-Xの構成は、画素センサアレイ12の行0の画素センサ30-0の構成と同じである。画素センサ30-Xは、当技術分野で知られているような光電荷収集器として、フォトダイオード32-Xを使用する。フォトダイオード32-Xによって蓄積された電荷は、電荷転送トランジスタ34-Xを介して、破線で示されているコンデンサ36-Xによって表されるフローティングノードに転送される。当業者は、コンデンサ36-Xは実際のコンポーネントではなく、むしろ、フローティングノードの固有のキャパシタンスを表していることがわかるであろう。電荷転送トランジスタ34-Xのゲートは、行電荷転送ライン38-Xによって駆動される。
【0063】
フローティングノード36-Xは、リセット電位Vresetに結合されたリセットトランジスタ40-Xを介しての電荷蓄積に先立って、既知の電位にリセットされる。リセットトランジスタ40-Xのゲートは、行リセットライン42-Xによって駆動される。
【0064】
ソースフォロアトランジスタ44-Xは、そのゲートがフローティングノード36-Xに結合され、行読み出し選択トランジスタ48-Xを介して列ライン46に結合されている。行読み出し選択トランジスタ48-Xのゲートは、行読み出し選択ライン50-Xによって駆動され、転送された電荷を列ライン46に出力する。行電荷転送ライン38-X、行リセットライン42-X、及び行読み出し選択ライン50-Xもまた、総称して、行タイミングパターン信号制御ラインと呼ばれる場合がある。
【0065】
先行技術の画素センサアレイであれば、画素センサ30-0及び30-Xをそれぞれ動作させるために使用される行リセットライン42-0及び42-X、行電荷転送ライン38-0及び38-X、並びに、行読み出し選択ライン50-0及び50-Xは、特定の行アドレスデコードによってゲート制御された
図1のデジタルコントローラからのリセット信号、電荷転送信号、及び行読み出し信号によって直接駆動されることになる。本発明では、これらの信号は、
図6に示されるような、行イネーブルタイミングパターン制御スイッチによって、画素センサ30-0及び30-Xに結合されている。
【0066】
画素センサアレイの行0の画素センサ30-0の行電荷転送ライン38-0は、行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-0を介して、画素センサアレイ全体のグローバルな電荷転送制御ライン56に結合されている。画素センサアレイの行Xの画素センサ30-Xの行電荷転送ライン38-Xもまた、行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-Xを介して、グローバルな電荷転送制御ライン56に結合されている。
【0067】
画素センサアレイの行0の画素センサ30-0に結合された行リセットライン42-0は、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-0を介して、画素センサアレイ全体のグローバルなリセット制御ライン60に結合されている。画素センサアレイの行Xの画素センサ30-Xの行リセットライン42-Xもまた、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-Xを介して、グローバルなリセット制御ライン60に結合されている。
【0068】
画素センサアレイの行0の画素センサ30-0の行読み出し選択ライン50-0は、行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-0を介して、画素センサアレイ全体のグローバルな行読み出し選択制御ライン64に結合されている。画素センサアレイの行Xの画素センサ30-Xの行読み出し選択ライン50-Xもまた、行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-Xを介して、グローバルな行読み出し選択制御ライン64に結合されている。
【0069】
行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-0、行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-X、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-0、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-X、行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-0、及び、行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-Xは、論理ゲート、特に、ANDゲートとして
図6に描かれており、それぞれの一方の入力がグローバルな電荷転送制御ライン56、グローバルなリセット制御ライン60、及びグローバルな行読み出し選択制御ライン64のうちの該当する1つに結合されている。当業者は、他の論理ゲートだけでなく、トランジスタなどの他のタイプのスイッチも用いる場合があり得ることを容易に理解するであろう。
【0070】
図6に示される実施形態では、行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-0、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-0、及び行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-0を形成する論理ゲートのそれぞれのもう一方の入力は、行0のアクティブなライン70-0の行イネーブルラッチ68-0の出力にともに接続されている。同様に、行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-X、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-X、及び行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-Xを形成する論理ゲートのそれぞれのもう一方の入力は、行Xのアクティブなライン70-Xの行イネーブルラッチ68-Xの出力にともに接続されている。行イネーブルラッチ68-0及び68-Xは、ライン74のデジタルコントローラ14の行アドレス発生回路72から出力される行イネーブルラッチ制御信号によって、クロック制御されている。行イネーブルラッチ68-0及び68-Xを使用して、行電荷転送タイミングパターン制御スイッチ58-0及び58-X、行リセットタイミングパターン制御スイッチ62-0及び62-X、並びに行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ66-0及び66-Xを制御して、グローバルな行電荷転送選択制御ライン56から行電荷転送ライン38-0及び38-Xへの信号を選択的にゲート制御し、グローバルな行リセット制御ライン60から行リセットライン42-0及び42-Xへの信号を選択的にゲート制御し、グローバルな行読み出し選択制御ライン64から行読み出し選択ライン50-0及び50-Xへの信号を選択的にゲート制御する。
図6に示される実施形態では、行をイネーブル(
図6の回路では論理1レベル)にする行イネーブルラッチ68-0及び68-Xの出力は、行選択データと呼ばれ、行をディスエーブル(
図6の回路では論理0レベル)にする行イネーブルラッチ68-0及び68-Xの出力は、行選択解除データと呼ばれる。
【0071】
イネーブルラッチ68-0のためのデータは、ANDゲート78-0で、行アドレス発生回路72からのライン80のアドレス有効イネーブル信号とAND演算された、ライン76の行アドレス発生回路72のアドレス0の出力によって提供される。イネーブルラッチ68-Xのためのデータは、ANDゲート78-Xで、行アドレス発生回路72からのライン80のアドレス有効イネーブル信号とAND演算された、ライン82の行アドレス発生回路72のアドレスXの出力によって提供される。ライン80のアドレス有効イネーブル信号は、行アドレス発生回路72(例えば、ライン76のアドレスライン0、及びライン82のアドレスラインX)からの任意のアドレスラインのアドレス出力が有効なときに表示する。イネーブルラッチ68-0に供給されるデータは、行アドレス発生回路72のアドレス0の出力76が真(論理1)である場合にのみ、真(論理1)となる。イネーブルラッチ68-Xに供給されるデータは、行アドレス発生回路72のアドレスXの出力82が真(論理1)である場合にのみ、真(論理1)となる。
【0072】
グローバルな行電荷転送制御ライン56、グローバルな行リセット制御ライン60、及びグローバルな行読み出し選択制御ライン64のタイミング制御信号は、デジタルコントローラ12のタイミングパターン発生器84で生成される。タイミングパターン発生器84の動作は、デジタルコントローラ14によって、行アドレス発生回路72と連携される。
【0073】
図7は、
図6に描かれた画素センサアレイ12を動作させる制御信号の例示的なタイミングパターンを示すタイミング図である。タイミングパターン及び
図6に示される他の制御ラインに出現する信号が、
図7では、それらの制御ラインを識別する参照番号によって、括弧内に表示されている。波形の上方の欄の中の文言は、図示されているタイミングパターン期間の間に起こっている動作を説明している。当業者は、タイミングパターン制御信号は、それらの制御信号を選択された行の画素センサに供給する際に、セットアップ時間違反が絶対にないようにするために、各タイミングパターン期間の始まりの部分からわずかに遅れていることに気づくであろう。
【0074】
本発明の一態様によれば、2つ以上の行を選択して、任意のタイミングパターン期間の間にタイミングパターン制御信号に応答することができる。
図8は、任意のタイミングパターン期間の間に2つ以上の行を選択して、タイミングパターン制御信号に応答することができる本発明の一実施形態による、
図6の行イネーブルラッチ68-0及び68-Xを実装するための例示的な行イネーブルラッチ回路90の概略図である。これらの行イネーブルラッチ回路90のうちの1つが、
図6の画素センサアレイ12のそれぞれの行と関連付けされている。
図7に示されている特定の事例では、ラッチ回路90は、画素センサアレイのいずれかの行と関連付けされている。
図9は、図面の中央に矢印によって識別された、定義済みのタイミングパターン期間にラッチ回路に適用された制御信号を示すタイミング図である。
【0075】
ANDゲート92(
図6のANDゲート78-0及び78-Xのいずれかに相当)は、第1の入力に存在する行アドレス信号と、第2の入力に存在する、
図6の行アドレス発生回路72からのアドレス有効イネーブル信号80と、を有する。ANDゲート92の出力は、行アドレスが真である(つまり、行アドレス発生回路72によって行が選択された)場合にのみ、真(論理1)であるライン94の信号Q0である。Q0信号は、SRラッチ96のデータ入力に提示される。SRラッチ96は、ライン98のラッチ1信号によってクロック制御される。ライン100の出力信号Q1は、ラインで信号コピーDによってクロック制御される、ゲート制御されたDラッチ102に提示される。
【0076】
ライン106のゲート制御されたDラッチ102の出力信号Q2は、ANDゲート108の第1の入力に提示される。ライン110のイネーブル2信号は、ANDゲート108の第2の入力に供給される。ANDゲート108の出力は、(例えば、
図6で、行0及びXの参照番号70-0及び70-Xでそれぞれ見られる)その行の行アクティブライン112である。
【0077】
ライン98の信号ラッチ1は、
図9に示されるタイミングパターン期間の開始を定義するタイミングパターンクロック(タイミングパターンクロック/イネーブル2)の立ち上がり縁部でアサートされる。ライン98のラッチ1信号が行になると、SRラッチ96がリセットされ、ライン98のラッチ1信号が再びハイになると、SRラッチ96は、どんな値でも、QOライン94に提示される値をラッチする。
図9を参照すると、画素センサアレイ12の行Aと関連付けされたラッチ回路90では、行アドレス発生回路72によってアサートされているアドレスAと同時に起こる第1のイネーブル1のパルスは、論理ハイレベルを出力するようにSRラッチ96を設定することになる。
【0078】
図9に示されるように、
図6の行アドレス発生回路72によってアドレスAがアサートされた後に、行アドレス発生回路72はアドレスBをアサートする。画素センサアレイ12の行Bと関連付けされたラッチ回路90では、行アドレス発生回路72によってアサートされているアドレスBと同時に起こる第2のイネーブル1のパルスは、論理ハイレベルを出力するように、画素センサアレイ12の行Bと関連付けされたラッチ回路90のSRラッチ96を設定することになる。
【0079】
図9に示されるように、
図6の行アドレス発生回路72によってアドレスBがアサートされた後に、行アドレス発生回路72はアドレスCをアサートする。画素センサアレイ12の行Cと関連付けされたラッチ回路90では、行アドレス発生回路72によってアサートされているアドレスCと同時に起こる第3のイネーブル1のパルスは、論理ハイレベルを出力するように、画素センサアレイ12の行Cと関連付けされたラッチ回路90のSRラッチ96を設定することになる。
【0080】
図9に示されるように、
図6の行アドレス発生回路72によってアドレスCがアサートされた後に、行アドレス発生回路72はアドレスDをアサートする。画素センサアレイ12の行Dと関連付けされたラッチ回路90では、行アドレス発生回路72によってアサートされているアドレスDと同時に起こる第4のイネーブル1のパルスは、論理ハイレベルを出力するように、画素センサアレイ12の行Dと関連付けされたラッチ回路90のSRラッチ96を設定することになる。
【0081】
これで、画素センサアレイ12の行A、B、C及びDのすべてと関連付けされたラッチ回路90のSRラッチ96が設定されている。コピーD信号は、画素センサアレイ12の行のすべてと関連付けされた、ゲート制御されたDラッチ回路102のすべてのクロックライン104でアサートされる。
図9で提示されたシナリオでは、画素センサアレイ12のアレイの行A、B、C、及びDと関連付けされたラッチ回路90のSRラッチ96だけが設定されている。したがって、画素センサアレイ12の行A、B、C、及びDと関連付けされた、ゲート制御されたDラッチ回路102のQ2出力は、ハイ論理状態に設定されることになる。画素センサアレイ12のすべての他の行と関連付けされた、ゲート制御されたDラッチ回路102のQ2出力はすべて、論理ロー状態に設定されることになる。これで、次のタイミングパターン期間の間(すなわち、タイミングパターンクロックイネーブル2が次にハイになるとき)に、アクティブになる行を定義するデータが設定される。
【0082】
次のタイミングパターン期間の開始時に、(信号イネーブル2でもある)タイミングパターンクロック、画素センサアレイ12のアレイの行A、B、C、及びDと関連付けされたラッチ回路90のANDゲート108の出力は、ハイ論理状態になり、画素センサアレイ12のアレイの他の行のすべてと関連付けされたラッチ回路90のANDゲート108の出力は、ロー論理状態になる。上述したように、ANDゲート108の出力は、
図6に示される画素センサアレイ12の行の行アクティブライン70-0及び70-Xである。
図8及び
図9のこの議論で提示されたシナリオでは、画素センサアレイ12の行A、B、C及びDの行アクティブラインは、行A、B、C、及びDの電荷転送タイミングパターン制御スイッチ56、リセットタイミングパターン制御スイッチ60、及び行読み出し選択タイミングパターン制御スイッチ64をオンにすることで、それらの行A、B、C、及びDの中にだけ、タイミングパターン制御信号を通すことになる。当業者は、
図9に伴う議論においてアドレスを表すために使用される名称A、B、C、及びDは、単に便宜上使用されているにすぎず、複数の選択されたアドレスが連続的でなければならないことを示唆する意図ではないことがわかるであろう。実際、本発明のこの態様によれば、複数の選択されたアドレスが連続的であるという要件はなく、本発明のこの特徴が供される使用法に応じて、複数のアドレスの任意の所望のパターンを選択することができる。
【0083】
ここで、
図10を参照すると、フロー図は、本発明の一態様による複数の行の画素センサを含む撮像アレイを動作させるための方法120を図示している。
【0084】
参照番号122において、各タイミングパターン期間の間に、直後のタイミングパターン期間に対して、アレイの各行の行イネーブルラッチで行選択データ及び行選択解除データ(行選択データは、2つ以上の行でラッチすることが可能である)のうちの1つを、行アドレス信号を行アドレスイネーブル信号とともにゲート制御して行イネーブルラッチを動作させることによって、ラッチする。
【0085】
参照番号124において、直後のタイミングパターン期間の開始時に、(例えば、リセット、電荷転送、及び読み出し選択制御信号を生成する)タイミングパターン制御信号が生成され、アレイのすべての行に供給される。
【0086】
参照番号126において、直後のタイミングパターン期間の開始時に、(例えば、選択された行の行リセットラインへのリセット制御信号をゲート制御し、ラッチされた行選択データを有する行の電荷転送ラインへの電荷転送制御信号をゲート制御し、ラッチされた行選択データを有する行の行読み出し選択ラインへの読み出し選択制御信号をゲート制御する)タイミングパターン制御信号がゲート制御されて、タイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチを各行に設けることと、ラッチされた行選択データを有する行のタイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチのすべてをアクティブ化することと、によって、
図6及び
図7を参照して先に議論したように、例えば、タイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチを各行に設けることと、ラッチされた行選択データを有する行のタイミング制御パターン信号ごとにタイミング制御パターンスイッチのすべてをアクティブすることと、によって、ラッチされた行選択データを有する行のみの画素センサを動作させる。
【0087】
本発明の実施形態及び適用について示し、説明してきたが、本明細書における本発明の概念から逸脱せずに、上記よりもはるかに多くの変更形態が可能であることが当業者であれば明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の趣旨以外に限定されないものとする。