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特許7548772道路設備状態管理システム、道路設備状態管理用のサーバ装置、車両搭載型情報収集装置及び道路設備状態管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】道路設備状態管理システム、道路設備状態管理用のサーバ装置、車両搭載型情報収集装置及び道路設備状態管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
G08G1/00 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020179720
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070583
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】521475989
【氏名又は名称】川崎車両株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 與志
(72)【発明者】
【氏名】西村 武宏
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-117837(JP,A)
【文献】特開2007-072667(JP,A)
【文献】特開2019-078611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G06Q 10/00-10/30、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00
G08G 1/00-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる道路設備に取付けられた複数の状態検知機能付RFIDタグと、
前記状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記タグ情報を送信する車両側通信装置とを含み、道路を走行する車両に搭載される車両搭載型情報収集装置と、
前記車両側通信装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、サーバ側記憶装置と、前記サーバ側通信装置を介して受信された前記タグ情報を前記サーバ側記憶装置に保存する制御部とを含むサーバ装置と、
を備え、
前記制御部は、前記道路設備に応じて、前記タグ情報の読取り促進に関する促進情報を設定し、
前記促進情報は、前記複数の道路設備に対する前記タグ情報の読取りの達成情報を含み、
前記達成情報は、所定の道路範囲における全ての前記状態検知機能付RFIDタグのうち読取った前記状態検知機能付RFIDタグの割合に基づく情報であり、
前記制御部は、前記促進情報を前記道路設備に対応付けて視覚的に認識可能な促進情報表示画像を生成するためのデータを生成し、そのデータを前記車両の利用者の端末装置に送信する、道路設備状態管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の道路設備状態管理システムであって、
前記制御部は、前記サーバ側記憶装置に保存された前記タグ情報に基づき、道路設備における前記タグ情報の読取り頻度に応じて前記促進情報を設定する、道路設備状態管理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の道路設備状態管理システムであって、
前記促進情報は、商品又は役務に関する料金割引情報、商品又は役務に関する料金に充当可能なポイント情報のうちの少なくとも1つを含む、道路設備状態管理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の道路設備状態管理システムであって、
前記RFIDタグは、前記道路設備として料金所設備に取付けられたRFIDタグを含む、道路設備状態管理システム。
【請求項5】
道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグと、
前記状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記タグ情報を送信する車両側通信装置とを含み、道路を走行する車両に搭載される車両搭載型情報収集装置と、
前記車両側通信装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、サーバ側記憶装置と、前記サーバ側通信装置を介して受信された前記タグ情報を前記サーバ側記憶装置に保存する制御部とを含むサーバ装置と、
を備え、
前記車両搭載型情報収集装置は、前記RFIDリーダの周辺画像を撮像する撮像部を含み、
前記車両側通信装置は、前記タグ情報に前記撮像部で撮像された周辺画像を対応付けた情報を送信する、道路設備状態管理システム。
【請求項6】
道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取り可能でかつ道路を走行する車両に搭載される車両搭載型情報収集装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、
サーバ側記憶装置と、
前記サーバ側通信装置を介して前記タグ情報が受信されると、前記タグ情報に含まれる前記状態検知機能付RFIDタグのIDと道路設備に関する状態情報とを前記サーバ側記憶装置に保存する制御部と、
を備え、
前記サーバ側記憶装置に、複数の前記道路設備に対応する前記タグ情報が保存され、
前記制御部は、前記道路設備に応じて、前記タグ情報の読取りの促進に関する促進情報を設定し、
前記促進情報は、複数の道路設備に対する前記タグ情報の読取りの達成情報を含み、
前記達成情報は、所定の道路範囲における全ての前記状態検知機能付RFIDタグのうち読取った前記状態検知機能付RFIDタグの割合に基づく情報であり、
前記制御部は、前記促進情報を道路設備に対応付けて視覚的に認識可能な促進情報表示画像を生成するためのデータを生成し、そのデータを前記車両の利用者の端末装置に送信する、道路設備状態管理用のサーバ装置。
【請求項7】
請求項6記載の道路設備状態管理用のサーバ装置あって、
前記制御部は、前記サーバ側記憶装置に保存された前記タグ情報に基づき、道路設備における前記タグ情報の読取り頻度に応じて前記促進情報を設定する、道路設備状態管理用のサーバ装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の道路設備状態管理用のサーバ装置であって、
前記促進情報は、商品又は役務に関する料金割引情報、商品又は役務に関する料金に充当可能なポイント情報のうちの少なくとも1つを含む、道路設備状態管理用のサーバ装置。
【請求項9】
道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、
前記タグ情報を送信する車両側通信装置と、
前記RFIDリーダの周辺画像を撮像する撮像部と、
を備え、
前記車両側通信装置は、前記タグ情報に前記撮像部で撮像された周辺画像を対応付けた情報を送信する、車両搭載型情報収集装置。
【請求項10】
(a)車両が道路を走行するステップと、
(b)前記ステップ(a)において、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るステップと、
(c)前記ステップ(b)において読取られたタグ情報を送信するステップと、
(d)前記ステップ(c)において送信されたタグ情報を受信して記憶装置に保存するステップと、
を備え、
複数の前記状態検知機能付RFIDタグが、異なる道路設備に取付けられており、
(e)道路設備に応じて、前記タグ情報の読取りに関する促進情報を設定するステップであって、前記記憶装置に保存された前記タグ情報に基づき、道路設備における前記タグ情報の読取り頻度に応じて前記促進情報を設定するステップと、
(f)前記促進情報を道路設備に対応付けて視覚的に認識可能な促進情報表示画像を生成して前記車両の利用者の端末装置に表示するステップをさらに備える、道路設備状態管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、道路設備の状態を把握する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、巡回車に搭載された撮影カメラにより取得された道路や周辺施設等の映像データを、データ記録部に記録すること、記録された映像データを画像処理することにより、道路や周辺施設等の異常を検出することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-357557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、映像データによっては、道路設備の異常を検出困難な場合もある。例えば、道路設備に使用されるボルトの弛みについては、映像データによっては異常を検出することは困難である。また、例えば、巡回車から死角となる部分については、巡回車に搭載された撮影カメラでは撮影できない。このため、巡回車から死角となる部分については、映像データによっては、異常を検出することは困難である。
【0005】
そこで、本開示は、道路設備の状態を容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、道路設備状態管理システムは、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグと、前記状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記タグ情報を送信する車両側通信装置とを含み、道路を走行する車両に搭載される車両搭載型情報収集装置と、前記車両側通信装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、サーバ側記憶装置と、前記サーバ側通信装置を介して受信された前記タグ情報を前記サーバ側記憶装置に保存する制御部とを含むサーバ装置と、を備える。
【0007】
また、道路設備状態管理用のサーバ装置は、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取り可能な車両搭載型情報収集装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、サーバ側記憶装置と、前記サーバ側通信装置を介して前記タグ情報が受信されると、前記タグ情報に含まれる前記状態検知機能付RFIDタグのIDと道路設備に関する状態情報とを前記サーバ側記憶装置に保存する制御部と、を備える。
【0008】
また、車両搭載型情報収集装置は、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記タグ情報を送信する車両側通信装置と、を備える。
【0009】
また、道路設備状態管理方法は、(a)車両が道路を走行するステップと、(b)前記ステップ(a)において、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るステップと、(c)前記ステップ(b)において読取られたタグ情報を送信するステップと、(d)前記ステップ(c)において送信されたタグ情報を受信して記憶装置に保存するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によると、道路設備の状態を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】道路設備状態管理システムの全体構成を示す説明図である。
図2】道路設備状態管理システムを示すブロック図である。
図3】料金ゲートを示す概略図である。
図4】サーバ装置におけるサーバ制御部の処理を示すフローチャートである。
図5】タグテーブルの一例を示す図である。
図6】取得ポイント情報を生成する処理例を示す説明図である。
図7】読取情報を更新する処理例を示す説明図である。
図8】促進情報リストを生成する処理例を示す説明図である。
図9】促進情報表示画像の表示例を示す図である。
図10】促進情報表示画像を生成するためのデータ処理例を示す説明図である。
図11】促進情報に関する変形例を示す図である。
図12】ポイント情報に関する変形例を示す説明図である。
図13】読取り達成情報に関する変形例を示す説明図である。
図14】車両搭載型情報収集装置に関する変形例を示す説明図である。
図15】道路設備に関する変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る道路設備状態管理システム及び道路設備状態管理方法について説明する。図1は道路設備状態管理システムの全体構成を示す説明図である。
【0013】
道路設備状態管理システム40は、道路設備20に取付けられたRFIDタグ50によって道路設備の状態を管理するシステムである。
【0014】
道路設備20が設けられる道路10は、自動車等の車両が走行する道路である。道路10は、有料道路であってもよいし、無料通行可能な道路であってもよい。有料道路は、車両30が走行するために料金を支払う必要がある道路である。本実施形態では、道路10が有料道路である例が説明される。道路10は、地面上に設けられていてもよいし、高架道路であってもよい。
【0015】
道路10の経路は特に問われない。道路10は、1本の経路であってよいし、途中で分岐する経路であってもよいし、環状経路であってもよい。本実施形態では、道路10は、地理上の所定エリア(例えば、ABC市)から途中の2箇所で分岐しつつ下り方向に向う経路を有する。道路10には、車両が出入りするインターチェンジが設けられる。本実施形態では、複数のインターチェンジIC(α)、IC(β)、IC(γ)、IC(δ)、IC(ε)が示される。
【0016】
道路設備20は、道路10に設けられる設備である。道路設備20は、例えば、道路10としての機能を維持、向上する目的で、道路10に付帯して設けられた構造物である。道路10しての機能とは、例えば、照明機能、道路案内機能、走行料金徴収のための機能等である。本実施形態では、道路設備20は、有料道路10における料金所設備である例、より具体的には、料金徴収用の機器が設置される料金ゲート20である例が説明される。
【0017】
以下、説明を便宜上にするため、以下の前提で説明する。各インターチェンジ(例えば、インターチェンジIC(γ))において、下り出口(EXIT1)、下り入口(ENT1)、上り入口(ENT2)、上り出口(EXIT2)が1つずつ設けられる。また、下り出口(EXIT1)、下り入口(ENT1)、上り入口(ENT2)、上り出口(EXIT2)のそれぞれに対し、料金ゲート20が1つずつ設けられる。もちろん、インターチェンジICにおいて、下り出口、下り入口、上り入口、上り出口が複数設けられる場合もあるし、また、出口又は入口に複数の料金ゲート20が設けられる場合もある。
【0018】
道路設備状態管理システム40は、状態検知機能付RFIDタグ50と、車両搭載型情報収集装置60と、サーバ装置70とを備える。
【0019】
状態検知機能付RFIDタグ50は、道路設備(ここでは、料金ゲート20)に取付けられる。状態検知機能付RFIDタグ50は、自己のID(Identification)及び状態情報を含むタグ情報を送信する。状態情報は、状態検知機能付RFIDタグ50が取付けられた料金ゲート20の状態である。状態検知機能付RFIDタグ50を、単にRFIDタグ50と表記する場合がある。
【0020】
車両搭載型情報収集装置60は、RFIDリーダ61と、車両側の通信装置68とを備える。RFIDリーダ61は、RFIDタグ50から上記タグ情報を読取る装置である。通信装置68は、道路10を走行する車両30に搭載される。このため、車両30がいずれかの料金ゲート20を通過すると、当該車両30に搭載されたRFIDリーダ61が、当該料金ゲート20に取付けられたRFIDタグ50のタグ情報を読取る。通信装置68は、読取ったタグ情報を無線送信する。
【0021】
サーバ装置70は、サーバ側の通信装置71と、サーバ側記憶装置72と、サーバ制御部80とを備える。サーバ装置70側の通信装置71は、通信網48を介して車両30側の通信装置68と通信可能に接続される。サーバ制御部80は、サーバ側の通信装置71を介して受信された前記タグ情報を、サーバ側記憶装置72に保存する。
【0022】
本道路設備状態管理システム40、道路設備状態管理用のサーバ装置70及び道路設備状態管理方法によると、車両30が道路10を走行し、料金ゲート20を通過すると、当該車両30に搭載された車両搭載型情報収集装置60が、料金ゲート20に取付けられたRFIDタグ50からタグ情報を読取る。読取られたタグ情報は、車両搭載型情報収集装置60からサーバ装置70に送信され、サーバ側記憶装置72に保存される。車両搭載型情報収集装置60が搭載される車両30は、道路10のメンテナンス作業車であってもよいし、一般的な走行車両であってもよい。いずれにせよ、車両30が停止して料金ゲート20の点検作業を行わなくても、車両30が道路10を走行することによって、タグ情報がサーバ側記憶装置72に保存される。これにより、料金ゲート20の状態が容易に把握され、料金ゲート20の保守管理が容易に行われる。
【0023】
車両30は、道路10を保守管理する専用車両でなくてもよい。車両搭載型情報収集装置60が搭載される車両30が、予め決められた区間を定常的に走行する車両(高速路線バス、定期貨物トラック等)であれば、予め決められた区間に対応する料金ゲート20に関して、定期的な状態把握が可能となる。
【0024】
また、道路設備が料金ゲート20等の料金所設備であると、RFIDリーダ61は、料金所設備に装着されたRFIDタグ50を読取り易い。通常、車両30は、料金所設備を、低速で通過するため、RFIDリーダ61がRFIDタグ50を読取る成功率が向上するからである。
【0025】
道路設備状態管理システム40及び道路設備状態管理方法についてより具体的に説明する。
【0026】
図2は道路設備状態管理システム40を示すブロック図である。
【0027】
RFIDタグ50に関する構成について説明する。RFIDタグ50は、タグ制御部55と記憶部57とアンテナ58とセンサ59とを備える。タグ制御部55は、CPU等のプロセッサにより構成される。記憶部57は、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)等の不揮発性メモリによって構成されている。記憶部57には、タグ制御プログラム、ID等が格納されている。IDはRFIDタグ50に対して割当てられた識別符号である。センサ59は、料金ゲート20における状態把握対象部位の変形、変位等を検知するセンサである。例えば、センサ59は、ボルト又はナットの緩みによって破断する導体又は抵抗変化に至るセンサであってもよい。RFIDタグ50は、自己のIDと共に、センサ59によって検知された状態把握対象部位の状況を示す付帯情報として状態情報を送信する。付帯情報は、状態把握対象部位の状況に関し正常又は不正常を示す2値の情報であってもよい。付帯情報は、状態把握対象部位の状況を、より多段階で示す情報であってもよい。このように、RFIDタグ50からID及び料金ゲート20の状態情報を含むタグ情報が送信される。RFIDタグ50は、RFIDリーダ61等からの電磁波によって給電されて動作するパッシブ型のタグであってもよいし、内蔵したバッテリを電源として動作するアクティブ型のタグであってもよい。なお、本実施形態では、RFIDタグ50がセンサ59を有しているが、外部のセンサの信号を受けたRFIDタグがその情報を保持していてもよい。つまり、状態検知機能付RFIDタグは、自身に組込まれたセンサによって状態検知を行ってもよいし、自身とは別に設けられたセンサ等を介して状態検知を行ってもよい。
【0028】
ここで、RFIDタグ50の装着対象の一例である料金ゲート20の具体例について説明しておく。図3に示すように、料金ゲート20は、2つの柱21と、水平部22とを備える。柱21及び水平部22は、金属等によって形成される。2つの柱21は、道路10の両外側に立設される。水平部22は、2つの柱21の上部に掛け渡すように連結される。柱は1本の場合も考えられる。道路10を走行する車両30は、2つの柱21の間であって水平部22の下方を通過する。水平部22に、表示器23、信号機24、料金徴収用ゲート機器25が支持される。表示器23は、例えば、料金ゲート20の役割を示す名称(例えば、「支払ゲート」)を示す表示装置である。信号機24は、本料金ゲート20に進入可能かどうかを示す装置である。信号機24は、例えば、赤い信号部と青い信号部とを含み、赤い信号部と青い信号部とを選択的に発光させる。料金徴収用ゲート機器25は、車両30に搭載された支払用車載機器69との間で通信を行うことによって、当該車両30の通行料金徴収に関する無線通信を行う。例えば、料金徴収用ゲート機器25は、車両30が有料道路10に入る際に、インターチェンジを特定する情報を支払用車載機器69に送信する。また、例えば、料金徴収用ゲート機器25は、車両30が有料道路10から退出する際に、進入したインターチェンジに係る情報を支払用車載機器69から受信する。料金徴収用ゲート機器25は、電子料金収受システム26に通信網48を介して接続されている(図2参照)。料金徴収用ゲート機器25は、支払用車載機器69と通信を行うことによって、車両30の走行区間に応じた走行料金を特定する。電子料金収受システム26は、当該走行料金を、事前に登録された料金支払用の口座等から徴収することができる。電子料金収受システム26は、ETC(Electronic Toll Collection System)として周知のシステムであってもよい。
【0029】
上記のような料金ゲート20において、柱21の上部と水平部22との連結部分がボルト28によって連結固定される場合がある。また、水平部22に表示器23、信号機24、料金徴収用ゲート機器25のうちの少なくとも1つが直接又は間接的に支持される場合がある。その支持のためにボルト28が用いられる場合がある。図3では、表示器23が水平部22に支持され、信号機24が表示器23に支持され、料金徴収用ゲート機器25が信号機24に支持されている。これらのボルト28の弛みを検出するために、例えば、ボルト28の頭部と締結先の部分とに跨るようにRFIDタグ50のセンサ59が貼付けられる。この場合、ボルト28が弛むと、RFIDタグ50の一部のうちセンサ59の部分が伸び又は破断し得る。これにより、RFIDタグ50は、料金ゲート20の状態例としてボルト28の弛みを検出することができる。図3では料金ゲート20に複数のRFIDタグ50が装着される例が示されている。説明の便宜上、以下の説明においては、料金ゲート20に1つのRFIDタグ50が装着されているとする。料金ゲート20に複数のRFIDタグ50が装着されている場合の処理例について、後に変形例として言及する。RFIDタグ50は、ボルト28の弛み検知だけではなく、他のブラケットの脱落の有無、連結部分の分解の有無、応力集中箇所における亀裂等の有無を検知してもよい。
【0030】
インターチェンジIC(α)、IC(β)、IC(γ)、IC(δ)、IC(ε)のそれぞれの下り出口(EXIT1)、下り入口(ENT1)、上り入口(ENT2)、上り出口(EXIT2)に料金ゲート20が設けられている。各料金ゲート20に上記RFIDタグ50が取付けられる。このため、本システム40は、異なる道路設備である複数の料金ゲート20に取付けられた複数のRFIDタグ50を備える。
【0031】
RFIDタグ50が各料金ゲート20に装着される際に、RFIDタグ50のIDと装着対象とが対応付けて把握される。装着対象は、インターチェンジ名、下り出口(EXIT1)、下り入口(ENT1)、上り入口(ENT2)、上り出口(EXIT2)、その他の符号等によって区別された状態で把握管理される。
【0032】
車両搭載型情報収集装置60について説明する。車両搭載型情報収集装置60は、車両30に搭載される装置であり、RFIDリーダ61と通信装置68とを備える。
【0033】
RFIDリーダ61は、車両30に搭載される。RFIDリーダ61は、車両30において、RFIDタグ50の装着箇所に応じて当該RFIDタグ50の読取りに適した位置に設けられてもよい。例えば、RFIDリーダ61は、車両30の天井部に搭載されてもよい。RFIDリーダ61は、車両30の一側部又は両側部に搭載されてもよい。RFIDリーダ61の複数のアンテナ62、又は、複数のRFIDリーダ61が、車両30の複数箇所(例えば、天井部、側部)に分散して設けられてもよい。
【0034】
RFIDリーダ61は、アンテナ62と、RFID読取部63と、リーダ制御部64とを備える。RFID読取部63は、アンテナ62を通じてRFIDタグ50との間で無線通信を行う。無線信号の出力、受信感度、アンテナ62の指向性等は、料金ゲート20において読取り対象となる1つ又は複数のRFIDタグ50の設置位置又は設置範囲に応じて設定される。RFIDリーダ61は、複数のRFIDタグ50からタグ情報を読取り可能に構成されていてもよい。リーダ制御部64は、プロセッサ等を含み、予め記憶されたプログラムに従って、RFID読取部63によるRFIDタグ50の読取り動作制御、通信装置68の制御等を行う。リーダ制御部64は、記憶部65を含んでおり、記憶部65に、利用者ID、タグ情報等を保存することができる。
【0035】
リーダ側の通信装置68も車両30に搭載される。RFIDリーダ61と通信装置68とは、一体化されていてもよいし、別体とされて通信可能に接続されていてもよい。
【0036】
リーダ側の通信装置68は、通信網48を介してタグ情報を無線送信する通信回路、アンテナを含む。リーダ制御部64は、RFID読取部63を通じたRFIDタグ50のタグ情報の読取りの有無を判定し、読取り有りと判定されると、通信装置68を介して、タグ情報を無線送信する。
【0037】
車両搭載型情報収集装置60がタグ情報を無線送信するタイミングは、RFIDタグ50からタグ情報を読取る毎であってもよいし、所定数のRFIDタグ50からタグ情報を読取る毎であってもよいし、所定時間毎であってもよい。
【0038】
本実施形態では、車両搭載型情報収集装置60に利用者IDが割当てられており、当該利用者IDが記憶部65に記憶されている。リーダ制御部64は、タグ情報に利用者IDを追加した追加タグ情報を、通信装置68を介して無線送信する。
【0039】
なお、車両30には、支払用車載機器69が搭載されている。支払用車載機器69は、車両30が料金ゲート20を通過する際に、料金徴収用ゲート機器25と通信可能な位置に設けられる。従って、車両30が料金ゲート20を通過する際に、当該車両30に搭載された車両搭載型情報収集装置60が当該料金ゲート20に装着されたRFIDタグ50からタグ情報を収集することと、料金ゲート20の支払とが同時期になされる。なお、支払用車載機器69にも支払者IDが割当てられている。料金徴収用ゲート機器25は、支払用車載機器69から当該支払者IDを読取って、走行料金に当該支払者IDを対応付けて電子料金収受システム26に送信する。電子料金収受システム26において、利用者IDと支払者IDとが対応付けられたテーブルが記憶されている。これにより、電子料金収受システム26において、利用者IDと支払者IDとを対応付けた処理がなされ得る。
【0040】
サーバ装置70について説明する。上記したように、サーバ装置70は、サーバ側の通信装置71と、サーバ側記憶装置72と、サーバ制御部80とを備える。サーバ装置70は、道路設備を保守、管理する基地設備等に設けられる。
【0041】
サーバ装置70側の通信装置71は、通信網48を介して車両30側の通信装置68と通信可能に接続され、車両搭載型情報収集装置60から送信される追加タグ情報を受信する。
【0042】
サーバ制御部80は、演算処理装置81、記憶部82及びRAM(Random access memory)等を備えるコンピュータによって構成されている。演算処理装置81は、CPU等のプロセッサにより構成される。記憶部82は、HDD(hard disk drive)、SSD(Solid-state drive)等の不揮発性記憶装置によって構成されている。記憶部82には、プログラム83等が格納されている。演算処理装置81が記憶部82に記憶されたプログラム83に記述された処理を実行する。これにより、サーバ制御部80は、車両搭載型情報収集装置60より送信される追加タグ情報又は当該追加タグ情報に基づくデータをサーバ側記憶装置72に保存する処理を実行する。本実施形態では、サーバ制御部80は、道路設備(ここでは料金ゲート20)に応じて、タグ情報の読取り促進に関する促進情報を設定する処理を実行する。サーバ制御部80は、単一のコンピュータによって実現されておよいし、複数のコンピュータの分散処理によって実現されてもよい。
【0043】
本サーバ装置70は、通信網48を介して電子料金収受システム26にも接続されている。本サーバ装置70において、利用者に対して付与すべき促進情報(ここでは取得ポイント)が特定されると、当該促進情報が通信網48を介して電子料金収受システム26に送信される。
【0044】
サーバ側記憶装置72は、HDD(hard disk drive)、SSD(Solid-state drive)等の不揮発性記憶装置によって構成されている。本実施形態では、サーバ側記憶装置72に、タグテーブル73、読取情報74、頻度テーブル75、促進参照情報76及び促進情報リスト77が保存される。
【0045】
タグテーブル73は、RFIDタグ50のIDと装着設備とを対応付けたデータである(図5参照)。かかるタグテーブル73は、例えば、RFIDタグ50を料金ゲート20に装着する際に作成、更新される。つまり、タグテーブル73は、本システム40の運用開始時に、予め準備されているデータである。
【0046】
読取情報74は、車両搭載型情報収集装置60より送信される追加タグ情報74Tをまとめたデータであり、車両搭載型情報収集装置60より追加タグ情報74Tが送信される毎に生成、更新される(図7参照)。
【0047】
頻度テーブル75は、RFIDタグ50のそれぞれに関し、タグ情報の読取り頻度を示す情報である(図8参照)。読取り頻度は、例えば、所定時間におけるタグ情報の読取り頻度であり、例えば、所定の期間(24時間、5日間、1週間、10日、1ヶ月等の所定期間)あたりのタグ情報の読取り回数により表現される。頻度テーブル75は、読取情報74に基づいて作成され得る。
【0048】
促進参照情報76は、読取り頻度の値又は範囲に促進情報を対応付けた情報である(図8参照)。かかる促進参照情報76は、本システム40の管理者等によって事前に設定される。促進情報は、RFIDタグ50の読取りの要請度合を示す情報である。促進情報は、例えば、車両30の利用者(運転者等)等に、RFIDタグ50の読取り行動を促進させるために設定される情報であってもよい。促進情報は、経済的価値に関連付けられた情報であってもよいし、達成感等の心理的な動機付に関連付けられた情報であってもよい。
【0049】
促進情報リスト77は、RFIDタグ50のそれぞれに促進情報を対応付けた情報である(図6及び図8参照)。促進情報リスト77は、各RFIDタグ50の読取り頻度に応じて、促進参照情報76を参照することによって、生成され得る。
【0050】
本システム40の処理について、サーバ装置70の処理を中心に説明する。図4はサーバ装置70におけるサーバ制御部80の処理を示すフローチャートである。以下の説明において、図5から図8に示すデータ例又はデータ処理例が参照されることがある。
【0051】
説明にあたって、事前にタグテーブル73が作成されて保存されているとする。タグテーブル73は、図5に示すように、インターチェンジ名称及び当該インターチェンジにおけるゲート名で特定される装着設備に対し、RFIDタグ50のIDが対応付けられているデータであってもよい。タグテーブル73において、RFIDタグ50の装着設備は、道路10における距離標、緯度経度等を含む情報によって特定されてもよい。
【0052】
また、促進参照情報76も、本システム40の管理者等によって事前に設定されて保存されているとする。促進参照情報76は、図8に示すように、1週間における読取り回数(回/週)の値又は範囲で表現される頻度に、ポイント情報で表現される促進情報を対応付けた情報であってもよい。ポイント情報は、商品又は役務に関する料金に充当可能なポイント情報の一例であり、以下では、ポイントは、通行料金の一部または全部として充当可能な経済的価値を有する情報である例が説明される。読取り頻度が小さいほど、ポイント数が高く設定されてもよい。
【0053】
また、説明の便宜上、既に車両搭載型情報収集装置60より送信される複数の追加タグ情報74Tが収集されていることを前提として説明する。さらに、複数の追加タグ情報74Tに基づく読取情報74が生成されており、当該読取情報74に基づき、頻度テーブル75及び促進情報リスト77が生成されている前提で説明する。
【0054】
ステップS1において、サーバ制御部80においてタグ情報の読取りの有無が判定される。タグ情報の読取り有無は、車両搭載型情報収集装置60からの追加タグ情報74Tの受信の有無によって判定される。全ての料金ゲート20において通過車両30が存在しない場合、サーバ装置70に向けて追加タグ情報74Tを送信する車両搭載型情報収集装置60は存在しない状態となる。このような場合、ステップS1における判定はNOとなり、ステップS1の判定を繰り返す。いずれかの車両30がいずれかの料金ゲート20を通過した場合、当該車両30に搭載された車両搭載型情報収集装置60からサーバ装置70に追加タグ情報74Tが送信される。サーバ装置70において、いずれかの車両搭載型情報収集装置60からの追加タグ情報74Tが受信されると、YESと判定され、ステップS2に進む。
【0055】
ステップS2では、サーバ制御部80は、利用者へのポイント決定処理を実行する。例えば、図6に示すように、サーバ制御部80は、送信された追加タグ情報74TにおけるタグIDと、促進情報リスト77におけるタグIDとを参照して、追加タグ情報74Tに対応する利用者に付与することとなるポイント数を決定する。例えば、追加タグ情報74TのタグIDが“0050”である場合、促進情報リスト77におけるタグID“0050”に対応付けられた“200”をポイント数として決定する。これにより、当該追加タグ情報74Tに対応する利用者ID(例えば“00001”)に、取得ポイント(例えば、“200”)を対応付けた取得ポイント情報78が生成される。取得ポイント情報78は、例えば、サーバ装置70から電子料金収受システム26に送信される。電子料金収受システム26は、例えば、当該取得ポイントを、利用者IDに対応付けられた支払者IDの通行料金の一部又は全部に充当することができる。
【0056】
次ステップS3では、サーバ制御部80は、読取情報74を生成、更新する処理を実行する。例えば、図7に示すように、読取情報74は、過去の複数の追加タグ情報74Tに基づいて、利用者IDとタグIDと装着対象の状態と読取時間とを対応付けてまとめたデータとして生成される。なお、装着対象の状態は、“good”、“bad”等の2つ(2値)の状態として表現されてもよいし、多段階(多値)の状態として表現されてもよい。読取時間は、RFIDタグ50の読取りに関連付けられた時間であればよく、RFIDタグ50から読取時間が送信される場合、その読取時間であってもよいし、サーバ装置70が追加タグ情報74Tを受信した時間であってもよい。本読取情報74を、タグIDをキーとしてソート処理等することによって、各RFIDタグ50により検知された装着対象の状態を容易に把握することができる。把握された装着対象の状態に基づいて、料金ゲート20のメンテナンス作業の要否等が判断され得る。ステップS3では、新たに受信された追加タグ情報74Tを、上記読取情報74に追加して更新する処理を実行する。
【0057】
ステップS4及びS5では、サーバ制御部80は、タグ情報を含む読取情報74に基づき、タグ情報の読取り頻度に応じて促進情報を生成、更新(設定)する処理を実行する。
【0058】
すなわち、次ステップS4では、サーバ制御部80は、頻度テーブル75を更新する処理を実行する。頻度テーブル75は、例えば、タグIDに対し読取り頻度を対応付けたテーブルであり、頻度は、例えば、1週間の読取回数によって表現される(図8参照)。頻度テーブル75は、読取情報74に基づいて、各タグIDに対して、所定期間(例えば1週間)内における読取り回数をカウントすることによって生成、更新され得る。期間は、本処理を基準とする前の期間(例えば1週間)であってもよいし、本処理時を含む所定期間(例えば、毎週日曜午前0時以降から土曜午後24時直前迄の1週間)であってもよい。
【0059】
次ステップS5では、サーバ制御部80は、頻度テーブル75及び促進参照情報76に基づき、促進情報リスト77を生成、更新する処理を実行する。例えば、図8に示すように、頻度テーブル75における読取り頻度と、促進参照情報76における読取り頻度に対するポイント数とに基づいて、各タグIDに対するポイント数(促進情報)を対応付けるように設定した促進情報リスト77を生成、更新する。なお、上記例に限られず、他の処理によって、読取り頻度に応じた促進情報が設定されてもよい。例えば、読取り頻度を変数とする演算式によって、促進情報(例えば、ポイント数)が求められてもよい。促進情報リスト77は、次にタグ情報の読取りがなされた場合において、利用者へのポイントの決定処理(ステップS2)に参照される。この後、ステップS1に戻って、上記処理を繰返す。
【0060】
このように、異なる道路設備である料金ゲート20に取付けられた複数のRFIDタグ50を備えたシステム40において、サーバ制御部80は、料金ゲート20に応じて(ここでは料金ゲート20に対応付けられたRFIDタグ50)、促進情報を設定して、促進情報リスト77を生成、更新する。このため、タグ情報の読取りの要請度合が高い料金ゲート20については、促進情報に基づいて、タグ情報の読取りが促進される。これにより、複数の料金ゲート20について、まんべんなく状態把握を行ったり、一部について重点的な状態把握を行ったりして、メンテナンス作業の適正化を図ることができる。
【0061】
また、上記実施形態では、車両30に搭載された車両搭載型情報収集装置60が料金ゲート20に装着されたRFIDタグ50からタグ情報を読取る。このため、車両30の出入りが多いインターチェンジに設けられた料金ゲート20については多くのタグ情報が読取られる一方、車両30の出入りが少ないインターチェンジに設けられた料金ゲート20についてはタグ情報の読取りが少なくなることが想定される。そこで、本実施形態のように、料金ゲート20におけるタグ情報の読取り頻度に応じて促進情報が設定されると、例えば、読取り頻度が少ない料金ゲート20のRFIDタグ50については、タグ情報の読取りを促すように促進情報を設定することができる。例えば、読取り頻度が少なければ少ないほどポイント数を連続的又は段階的に大きく設定することができる。これにより、車両30の利用者が、読取り頻度が少ない料金ゲート20を通過するように動機付けられ、読取り頻度が少ない料金ゲート20のタグ情報の読取りを促進することができる。
【0062】
また、読取り頻度に加えて、又は、代えて、他の状況に基づいて促進情報が設定されてもよい。例えば、故障し易い道路設備であるほど、促進度合(例えばポイント)が高くなるように促進情報が設定されてもよい。例えば、ボルト28の数が多い等の複雑な設備、過去情報から不具合が多発している設備、古い設備等については、故障し易い道路設備であることが考えられる。また、例えば、台風、地震等の自然災害後所定期間については、当該災害発生地域の道路設備に設けられたRFIDタグ50について、促進度合(例えばポイント)が高くなるように促進情報が設定されてもよい。また、例えば、雨天時においては、雨粒の影響によって、RFIDリーダ61がRFIDタグ50を読取る成功率が低くなることが想定される。そこで、雨天時には、促進度合(例えばポイント)が高くなるように促進情報が設定されてもよい。上記促進情報の設定は、システムの管理者が、タグテーブル73、読取情報74、地震速報、天候データ等に基づいて判断して設定してもよい。また、サーバ制御部80が、それらのデータに基づいて促進情報を決定する演算処理を行ってもよい。
【0063】
本実施形態において、図9に示すように、サーバ制御部80は、促進情報を道路設備(料金ゲート20)に対応付けて視覚的に視認可能な促進情報表示画像を生成するためのデータを生成し、促進情報表示画像を利用者の端末装置90、92に表示するようにしてもよい。促進情報表示画像を生成するためのデータ79は、例えば、図10に示すように、RFIDタグ50の装着設備(例えば、インターチェンジ名称と出入り口名称で特定され得る)に促進情報(例えば,ポイント)を対応付けたデータである。かかるデータ79は、タグテーブル73と促進情報リスト77とに基づいて生成、更新され得る。促進情報表示画像は、かかるデータ79を表形式で表した画像であってもよいし、道路地図に、RFIDタグ50の装着設備及び促進情報を認識可能に表現した画像であってもよい。促進情報表示画像は、本サーバ装置70における表示装置に表示されてもよい。促進情報表示画像を生成するためのデータがサーバ装置70から通信網48を介して端末装置に送信され、当該データに基づく促進情報表示画像が、利用者が所持する端末装置に表示されてもよい。例えば、図9では、端末装置の例としてスマートフォン90、パーソナルコンピュータ92が例示される。スマートフォン90の表示部91には、インターチェンジ名及び出入り口名(ゲート名)に、ポイントを対応付けた表94が表示される。インターチェンジ名及び出入り口名(ゲート名)がRFIDタグ50の装着設備を示し、ポイントによって促進情報が示される。パーソナルコンピュータ92の表示装置93には、模式的な道路地図が示され、当該道路地図にインターチェンジ及び出入り口が表現された画像95が表示されている。各出入り口は、促進情報に応じて異なるように表現される。例えば、促進情報の促進度合が高い(ポイントが大きい)ほど、太い線で表現される。または、ヒートマップのように、促進情報の促進度合が高い(ポイントが大きい)ほど、濃い赤色で表現されてもよい。その他、道路地図に、促進情報の促進度合に応じた数字、記号等が付されてもよい。
【0064】
これにより、道路設備に対応付けられた促進情報が容易に把握される。特に、促進情報表示画像が、利用者の端末装置に表示されることで、利用者が道路設備に対応付けられた促進情報を容易に把握できる。これにより、利用者に対して直接、必要性が高いRFIDタグ50が装着された料金ゲート20を通過するように働きかけることができる。
【0065】
上記実施形態では、促進情報が道路の通行料金に充当されるポイントである例が説明された。促進情報は、その他のRFIDタグ50の読取り促進に繋がる情報であればよい。例えば、図11に示すように、促進情報は、通行料金を割引く割引率であってもよい。図11に示す例では、タグIDに割引率(%)が割り当てられたデータ100が示される。割引率は、上記実施形態と同様に、読取り頻度、その他の状況等に基づいて設定されてもよい。割引は、読取り対象となったRFIDタグ50が装着された料金ゲート20の通過時に適用されてもよいし、次回の有料道路10を通過する際等に適用されてもよい。
【0066】
上記ポイント情報又は料金割引情報は、通行料金以外の商品又は役務に関する料金に適用されてもよい。図12に示す例では、サーバ装置70は、通信網48を介して共通ポイント管理システム96に接続されている。共通ポイント管理システム96は、所定のポイントシステムにおけるユーザにポイントを対応付けたポイント情報を管理運用するサーバシステムである。サーバシステムは、商品又は役務の提供場所、例えば、フルーツショップ97A、ABC博物館97B、ABC遊園地97C等の端末装置に接続されている。共通ポイント管理システム96では、車両30の利用者IDと、ポイントシステムの利用者とが対応付けられており、利用者IDに付与された取得ポイントが、ポイントシステムにおけるポイントとして付与される。
【0067】
車両30の利用者が各提供場所97A、97B、97Cにおいて、商品を購入し又はサービスの提供を受ける際に、各端末装置を介して共通ポイント管理システム96のポイント情報が提供される。これにより、車両30の利用者は、商品料金又はサービス料金に、上記ポイントを充当して利用することができる。システム40から共通ポイント管理システム96に提供される情報は、割引情報であってもよい。
【0068】
これにより、料金割引情報、ポイント情報が、商品を購入料金又はサービスの提供の料金にも提供されるため、タグ情報の読取りをより促進することができる。
【0069】
また、図13に示すように、促進情報は、複数の道路設備に関するタグ情報の読取り達成情報を含んでもよい。図13に示す例では、スマートフォン90に、達成情報が表形式で表示される。より具体的には、スマートフォン90に、利用者名称、達成度、及び、RFIDタグ50の装着設備(ここではインターチェンジ名称及び出入り口名称で特定されている)に読取り済みか否かを示す情報(YESかNOが選択的に表示される)が対応付けられた表98が表示される。達成度は、所定の道路範囲における全てのRFIDタグ50のうち読取ったRFIDタグ50の割合である。かかる表98を生成するためのデータは、例えば、タグテーブル73及び読取情報74を参照することで、生成され得る。所定の道路範囲は、任意に設定される道路の管理区分、地理的な区分、行政区分に応じた範囲で区画されてもよい。図13では、利用者IDに対する合計ポイントが表示されているが、これは必須ではない。
【0070】
本例によると、利用者は、表98を見て、NOとなるタグ情報を読取るように動機付けられる。これにより、全てのRFIDタグ50のタグ情報をまんべんなく収集することができる。
【0071】
いずれかの利用者によって所定の道路範囲における全てのRFIDタグ50が読取られた場合、当該利用者に特典画像(人気キャラクター、インターチェンジが存在する地域に関連付けられたキャラクター)、ボーナスポイント、景品等を付与してもよい。
【0072】
また、各RFIDタグ50の読取りがなされた場合に、利用者にRFIDタグ50毎に固有の特典画像を付与し、固有の特典画像に対する興味心、達成感等によって、RFIDタグ50の読取りを促進するようにしてもよい。
【0073】
図14は車両搭載型情報収集装置に関する変形例を示すブロック図である。車両搭載型情報収集装置60に対応する車両搭載型情報収集装置160は、撮像部162をさらに備える。撮像部162は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等を含むカメラによって構成される。撮像部162は、RFIDリーダ61の周辺画像を撮像可能なように車両30に設けられる。例えば、RFIDリーダ61が料金ゲート20に装着されたRFIDタグ50を読取る位置関係において、撮像部162の撮像範囲が料金ゲート20のうちRFIDタグ50の装着部分を含む部分を撮像するように設定される。例えば、撮像部162は、車両30の天井部分に、車両30の進行方向斜め上方又は上方を向くように設置される。
【0074】
リーダ制御部64は、車両30が料金ゲート20を通過する際に、当該料金ゲート20に装着されたRFIDリーダ61を読取ると、撮像部162に撮像指令を与える。これにより、撮像部162が、料金ゲート20のうちRFIDタグ50の装着部分を含む部分を撮像する。なお、周辺画像164は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0075】
撮像部162は、車両30からの撮像を継続的に行っていてもよい。この場合、リーダ制御部64は、RFIDリーダ61を読取ると、継続的に撮像された画像データ中から、読取りタイミングに応じたデータ部分を追加タグ情報74Tにおいて抽出して、周辺画像164としてもよい。
【0076】
リーダ制御部64は、読取ったタグ情報を含む追加タグ情報74Tと、撮像された周辺画像164とを対応付ける。例えば、追加タグ情報74Tにおいて、周辺画像164のファイル名(図14では“PIC34”)を対応付ける。そして、リーダ制御部64の制御に応じて、通信装置68が、追加タグ情報74Tと周辺画像164とを送信する。
【0077】
これにより、サーバ装置70においては、追加タグ情報74Tと周辺画像164とを対応付けて把握することができる。例えば、追加タグ情報74Tに基づいて、装着対象部分の状態が不良であることが判明した場合、本システム40の管理者は、現場に行かなくても、周辺画像164によって装着対象部分を確認することができる。例えば、ボルト28の弛みの状態を確認することができる。
【0078】
なお、上記実施形態及び各変形例では、1つの道路設備に対して1つのRFIDタグ50が取付けられている場合の処理を中心に説明した。1つの道路設備に対して複数のRFIDタグ50が取付けられていてもよい。この場合、タグテーブル73において、各タグIDに対して、設備におけるRFIDタグ50の装着位置を特定する情報が付加されてもよい。また、対象となる道路設備における複数のRFIDタグ50の読取り頻度の平均値、最小読取り頻度、最大読取り頻度、読取り頻度の最頻値、読取り頻度の合計値等によって、各道路設備に対する促進情報を評価してもよい。また、各RFIDタグ50を区別し、例えば、RFIDタグ50の装着箇所に応じて別々の道路設備と見なす等して、上記各処理を行ってもよい。
【0079】
また、インターチェンジにおける下り出口(EXIT1)、下り入口(ENT1)、上り入口(ENT2)、上り出口(EXIT2)のうちのいずれか1つ又は複数に対して、複数の料金ゲート20が設けられる場合がある。この場合において、複数の料金ゲート20を別々の道路設備として取扱ってもよいし、1つの道路設備として取扱ってもよい。複数の料金ゲート20を別々の道路設備として取扱う場合、複数の料金ゲート20に対して別々の促進情報を設定し、別々に促進情報を表示してもよい。例えば、インターチェンジIC(α)における上り入口の右側料金ゲート20に対して100ポイントを付与する旨等を表示してもよい。
【0080】
また、道路10は有料道路であってもよいし、無料通行可能な道路であってもよい。道路設備は、料金所設備でなくてもよい。例えば、図15に示すように、道路設備は、トンネル210、標識設備220、照明設備230等であってもよい。例えば、トンネル210においては、トンネル210に沿って敷設されるケーブル212を固定するためのブラケット214がボルト固定される場合があり、かかるボルトの状態を検知するためにRFIDタグ50が設けられてもよい。また、例えば、標識設備220における標識222の支持部分、照明設備230における照明装置232の支持部分等に、RFIDタグ50が設けられてもよい。道路設備は、道路10を走行する車両30の上方に位置する部分を含む設備であってもよい。道路設備は、その他、道路の柵、壁、高架道路設備等、道路に立設される設備であってもよい。
【0081】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0082】
以上のように、本明細書は、下記の各態様に係る発明を含んでいる。
【0083】
第1の態様は、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグと、前記状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記タグ情報を送信する車両側通信装置とを含み、道路を走行する車両に搭載される車両搭載型情報収集装置と、前記車両側通信装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、サーバ側記憶装置と、前記サーバ側通信装置を介して受信された前記タグ情報を前記サーバ側記憶装置に保存する制御部とを含むサーバ装置と、を備える道路設備状態管理システムである。
【0084】
この道路設備状態管理システムによると、車両が道路を走行すると、当該車両に搭載された車両搭載型情報収集装置が、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取る。読取られたタグ情報は、車両搭載型情報収集装置からサーバ装置に送信され、サーバ側記憶装置に保存される。このように、車両が道路を走行することによって、タグ情報がサーバ側記憶装置に保存されるので、道路設備の状態が容易に把握され得る。
【0085】
第2の態様は、第1の態様に係る道路設備状態管理システムであって、異なる道路設備に取付けられた複数の前記状態検知機能付RFIDタグを備え、前記制御部は、道路設備に応じて、前記タグ情報の読取り促進に関する促進情報を設定するものである。この場合、道路設備に応じて、促進情報が設定される。この促進情報に基づいて、タグ情報の読取りが要請される道路設備において、タグ情報の読取りが促進される。
【0086】
第3の態様は、第2の態様に係る道路設備状態管理システムであって、前記制御部は、前記サーバ側記憶装置に保存された前記タグ情報に基づき、道路設備における前記タグ情報の読取り頻度に応じて前記促進情報を設定するものである。この場合、道路設備におけるタグ情報の読取り頻度に応じて促進情報が設定される。このため、例えば、読取り頻度が少ない道路設備については、タグ情報の読取りを促すように促進情報を設定する等して、タグ情報の読取りを促進することができる。
【0087】
第4の態様は、第2又は第3の態様に係る道路設備状態管理システムであって、前記促進情報は、商品又は役務に関する料金割引情報、商品又は役務に関する料金に充当可能なポイント情報のうちの少なくとも1つを含む。これにより、料金割引情報、ポイント情報によって、タグ情報の読取りを促進することができる。
【0088】
第5の態様は、第2から第4のいずれか1つの態様に係る道路設備状態管理システムであって、前記促進情報は、複数の道路設備に対する前記タグ情報の読取りの達成情報を含む。これにより、複数のRFIDタグのタグ情報をなるべく多く読取るように促進することができる。
【0089】
第6の態様は、第2から第5のいずれか1つの態様に係る道路設備状態管理システムであって、前記制御部は、前記促進情報を道路設備に対応付けて視覚的に認識可能な促進情報表示画像を生成するためのデータを生成するものである。これにより、促進情報表示画像を視認することで、道路設備に対応付けられた促進情報を認識し易い。
【0090】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る道路設備状態管理システムであって、前記RFIDタグは、前記道路設備として料金所設備に取付けられたRFIDタグを含む。料金所設備では、車両は低速度で走行することが多い。このため、本態様によると、料金所設備に取付けられたRFIDタグを読取り易い。
【0091】
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る道路設備状態管理システムであって、前記車両搭載型情報収集装置は、前記RFIDリーダの周辺画像を撮像する撮像部を含み、前記車両側通信装置は、前記タグ情報に前記撮像部で撮像された周辺画像を対応付けた情報を送信するものである。これにより、タグ情報と周辺画像とを対応付けて把握し易い。
【0092】
第9の態様は、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取り可能な車両搭載型情報収集装置から送信される前記タグ情報を受信するサーバ側通信装置と、サーバ側記憶装置と、前記サーバ側通信装置を介して前記タグ情報が受信されると、前記タグ情報に含まれる前記状態検知機能付RFIDタグのIDと道路設備に関する状態情報とを前記サーバ側記憶装置に保存する制御部と、を備える道路設備状態管理用のサーバ装置である。
【0093】
この道路設備状態管理用のサーバ装置によると、車両側通信装置が取付けられた車両が道路を走行すると、当該車両に搭載された車両搭載型情報収集装置が、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取る。読取られた情報は、車両搭載型情報収集装置からからサーバ装置に送信され、サーバ側記憶装置に保存される。このように、車両が道路を走行することによって、タグ情報に含まれるIDと状態情報とがサーバ側記憶装置に保存されるので、道路設備の状態が容易に把握され得る。
【0094】
第10の態様は、第9の態様に係る道路設備状態管理用のサーバ装置であって、前記サーバ側記憶装置に、複数の道路設備に対応する前記タグ情報が保存され、前記制御部は、道路設備に応じて、前記タグ情報の読取りの促進に関する促進情報を設定するものである。この場合、促進情報に基づいて、タグ情報の読取りが要請される道路設備において、タグ情報の読取りが促進される。
【0095】
第11の態様は、第10の態様に係る道路設備状態管理用のサーバ装置あって、前記制御部は、前記サーバ側記憶装置に保存された前記タグ情報に基づき、道路設備における前記タグ情報の読取り頻度に応じて前記促進情報を設定するものである。この場合、例えば、読取り頻度が少ない道路設備については、タグ情報の読取りを促すように促進情報を設定する等して、タグ情報の読取りを促進することができる。
【0096】
第12の態様は、第10又は第11の態様に係る道路設備状態管理用のサーバ装置であって、前記促進情報は、商品又は役務に関する料金割引情報、商品又は役務に関する料金に充当可能なポイント情報のうちの少なくとも1つを含む。これにより、料金割引情報、ポイント情報によって、タグ情報の読取りを促進することができる。
【0097】
第13の態様は、第10から第12のいずれか1つの態様に係る道路設備状態管理用のサーバ装置であって、前記促進情報は、複数の道路設備に対する前記タグ情報の読取りの達成情報を含む。これにより、複数の道路設備の全てのタグ情報を読取るように促進することができる。
【0098】
第14の態様は、第10から第13の態様に係る道路設備状態管理用のサーバ装置であって、前記制御部は、前記促進情報を道路設備に対応付けて視覚的に認識可能な促進情報表示画像を生成するためのデータを生成するものである。これにより、促進情報表示画像を視認することで、道路設備に対応付けられた促進情報を認識し易い。
【0099】
第15の態様は、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記タグ情報を送信する車両側通信装置と、を備える車両搭載型情報収集装置である。
【0100】
この車両搭載型情報収集装置によると、車両が道路を走行すると、当該車両に搭載された車両搭載型情報収集装置が、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取る。このタグ情報が送信されるので、送信されたタグ情報に基づいて、道路設備の状態が容易に把握され得る。
【0101】
第16の態様は、第15の態様に係る車両搭載型情報収集装置であって、前記RFIDリーダの周辺画像を撮像する撮像部をさらに備え、前記車両側通信装置は、前記タグ情報に前記撮像部で撮像された周辺画像を対応付けた情報を送信するものである。これにより、タグ情報と周辺画像とを対応付けて把握し易い。
【0102】
第17の態様は、(a)車両が道路を走行するステップと、(b)前記ステップ(a)において、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグから状態情報及びIDを含むタグ情報を読取るステップと、(c)前記ステップ(b)において読取られたタグ情報を送信するステップと、(d)前記ステップ(c)において送信されたタグ情報を受信して記憶装置に保存するステップと、を備える道路設備状態管理方法である。
【0103】
この道路設備状態管理方法によると、車両が道路を走行すると、道路設備に取付けられた状態検知機能付RFIDタグからタグ情報を読取る。読取られた情報が送信されて、記憶装置に保存される。このため、道路設備の状態が容易に把握され得る。
【0104】
第18の態様は、第17の態様に係る道路設備状態管理方法であって、複数の前記状態検知機能付RFIDタグが、異なる道路設備に取付けられており、(e)道路設備に応じて、前記タグ情報の読取りに関する促進情報を設定するステップをさらに備える。これにより、道路設備に応じて、促進情報が設定される。この促進情報に基づいて、タグ情報の読取りが要請される道路設備において、タグ情報の読取りが促進される。
【0105】
第19の態様は、第18の態様に係る道路設備状態管理方法であって、前記ステップ(e)において、前記記憶装置に保存された前記タグ情報に基づき、道路設備における前記タグ情報の読取り頻度に応じて前記促進情報を設定する。これにより、例えば、読取り頻度が少ない道路設備については、タグ情報の読取りを促すように促進情報を設定する等して、タグ情報の読取りを促進することができる。
【0106】
第20の態様は、第19の態様に係る道路設備状態管理方法であって、(f)前記促進情報を道路設備に対応付けて視覚的に認識可能な促進情報表示画像を生成して表示するステップをさらに備える。これにより、促進情報表示画像を視認することで、道路設備に対応付けられた促進情報を認識し易い。
【0107】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0108】
10 有料道路
20 料金ゲート(道路設備)
25 料金徴収用ゲート機器
28 ボルト
30 車両
40 道路設備状態管理システム
50 状態検知機能付RFIDタグ
60、160 車両搭載型情報収集装置
61 RFIDリーダ
68 通信装置
69 支払用車載機器
70 サーバ装置
71 通信装置
72 サーバ側記憶装置
73 タグテーブル
74 読取情報
74T 追加タグ情報
75 頻度テーブル
76 促進参照情報
77 促進情報リスト
78 取得ポイント情報
80 サーバ制御部
81 演算処理装置
90 スマートフォン(端末装置)
92 パーソナルコンピュータ(端末装置)
94 表(促進情報表示画像)
95 画像(促進情報表示画像)
162 撮像部
164 周辺画像
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