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特許7548775画像データ送信装置および画像データ送信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】画像データ送信装置および画像データ送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
H04N1/00 350
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020181622
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022072270
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】三井 斉
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからの指令を受け付ける操作部と、
画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成部と、
各種画面を表示する表示部と、
前記操作部、前記送信状況生成部および前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作部が画像データの送信指令を受け付けた場合、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを前記送信状況生成部に生成させ、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報および前記画像データの送信開始ボタンを含む送信画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像データ送信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作部が前記画像データの送信開始指令を受け付けた場合、前記アドレス情報を前記表示部に非表示にさせる請求項1に記載の画像データ送信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報を携帯端末が読み取り可能なコード形式で前記送信画面を前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の画像データ送信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報を設定する認証情報入力フォームを含む前記送信画面を前記表示部に表示させる請求項1~3のいずれか1つに記載の画像データ送信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像データの再送信用のボタン、前記画像データの宛先を変更して送信するためのボタンおよび前記画像データの削除用のボタンのうち、少なくとも1つのボタンが表示された前記専用ページを前記送信状況生成部に生成させる請求項1~4のいずれか1つに記載の画像データ送信装置。
【請求項6】
ユーザーからの指令を受け付ける操作部と、
画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成部と、
各種画面を表示する表示部と、
前記操作部、前記送信状況生成部および前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記操作部が画像データの送信指令を受け付けた場合、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを前記送信状況生成部に生成させ、前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報を登録する認証情報入力フォームを含む登録画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像データ送信装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作部が前記認証用の情報の登録を受け付けた場合、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報を前記表示部に表示させる請求項6に記載の画像データ送信装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記表示部に前記アドレス情報を表示させた後、予め定められた時間が経過したとき、前記アドレス情報を非表示にさせる請求項1~5,7のいずれか1つに記載の画像データ送信装置。
【請求項9】
ユーザーからの指令を受け付ける操作ステップと、
画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成ステップと、
各種画面を表示する表示ステップとを有し、
前記操作ステップにおいて、画像データの送信指令を受け付けた場合、前記送信状況生成ステップにおいて、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成し、前記表示ステップにおいて、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報および前記画像データの送信開始ボタンを含む送信画面を表示することを特徴とする画像データ送信方法。
【請求項10】
ユーザーからの指令を受け付ける操作ステップと、
画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成ステップと、
各種画面を表示する表示ステップとを有し、
前記操作ステップにおいて、画像データの送信指令を受け付けた場合、前記送信状況生成ステップにおいて、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成し、前記表示ステップにおいて、前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報を登録する認証情報入力フォームを含む登録画面を表示することを特徴とする画像データ送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像データ送信装置および画像データ送信方法に関し、より詳細には、電子メールやFAXなどで画像データを送信する画像データ送信機能を有する画像データ送信装置および画像データ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの画像形成装置において、印刷やスキャン等の画像形成ジョブの状況を表示したり、過去に送信した画像データを再利用できたりする履歴機能を有するものが知られている。
【0003】
このような履歴機能を有するMFPにおいて、ユーザー認証が無効の状態で画像データ送信装置を利用した場合、ユーザー以外の第三者が過去のジョブ履歴を参照できるだけでなく、当該ジョブに係る画像データも取得できてしまうという問題があった。
【0004】
このような問題に関連して、従来、装置内に多くの利用者の送信履歴が混在して登録されている中で、各利用者の重要又は秘密にしたい通信履歴の情報の一部を読取不能手段が読み取り不可能に変換して隠すことにより、第三者から読み取られずに済む通信履歴を表示するデータ通信装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-273030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の方法において、送信履歴の暗号化を利用するには、各ユーザーは、自分のID番号やパスワードを予め登録しなければならなかった。
【0007】
また、不特定多数のユーザーが利用するコンビニエンスストアやシェアオフィス、貸し会議室等のパブリックスペースに設置された画像データ送信装置の場合、すべてのユーザーにユーザー認証やユーザー登録をさせるのは現実的ではないという問題もあった。
【0008】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置および画像データ送信方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)この発明による画像データ送信装置は、ユーザーからの指令を受け付ける操作部と、画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成部と、各種画面を表示する表示部と、前記操作部、前記送信状況生成部および前記表示部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記操作部が画像データの送信指令を受け付けた場合、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを前記送信状況生成部に生成させ、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報および前記画像データの送信開始ボタンを含む送信画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
また、この発明による画像データ送信装置は、ユーザーからの指令を受け付ける操作部と、画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成部と、各種画面を表示する表示部と、前記操作部、前記送信状況生成部および前記表示部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記操作部が画像データの送信指令を受け付けた場合、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを前記送信状況生成部に生成させ、前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報を登録する認証情報入力フォームを含む登録画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
また、この発明による画像データ送信方法は、ユーザーからの指令を受け付ける操作ステップと、画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成ステップと、各種画面を表示する表示ステップとを有し、前記操作ステップにおいて、画像データの送信指令を受け付けた場合、前記送信状況生成ステップにおいて、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成し、前記表示ステップにおいて、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報および前記画像データの送信開始ボタンを含む送信画面を表示することを特徴とする。
また、この発明による画像データ送信方法は、ユーザーからの指令を受け付ける操作ステップと、画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成する送信状況生成ステップと、各種画面を表示する表示ステップとを有し、前記操作ステップにおいて、画像データの送信指令を受け付けた場合、前記送信状況生成ステップにおいて、前記画像データの送信状況を参照可能な専用ページを生成し、前記表示ステップにおいて、前記携帯端末が前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報を登録する認証情報入力フォームを含む登録画面を表示することを特徴とする。
【0010】
この発明において、「画像データ送信装置」は、電子メールなど、画像等を含むファイルのデータを外部の機器に送信する機能を有する装置である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置および画像データ送信方法が実現される。
【0012】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0013】
(2)前記制御部は、前記操作部が前記画像データの送信開始指令を受け付けた場合、前記アドレス情報を前記表示部に非表示にさせるものであってもよい。
【0014】
このようにすれば、ユーザーから画像データの送信開始指令を受け付けた場合、アドレス情報が非表示になるため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置を実現できる。
【0015】
(3)前記制御部は、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報を携帯端末が読み取り可能なコード形式で前記送信画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、送信画面に表示されたコードを携帯端末で読み取ることによって送信状況にアクセスできるため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置を実現できる。
【0017】
「携帯端末が読み取り可能なコード形式」は、例えば、QRコード(登録商標)などがあげられる。
【0018】
(4)前記制御部は、前記携帯端末が前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報を設定する認証情報入力フォームを含む前記送信画面を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、携帯端末が専用ページにアクセスする際の認証用の情報を設定するため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置を実現できる。
【0020】
「前記携帯端末が前記専用ページにアクセスする際の認証用の情報」とは、例えば、ユーザーがその場かぎりで設定したキーワードやログイン名・パスワードがあげられる。
【0021】
(5)前記制御部は、前記画像データの再送信用のボタン、前記画像データの宛先を変更して送信するためのボタンおよび前記画像データの削除用のボタンのうち、少なくとも1つのボタンが表示された前記専用ページを前記送信状況生成部に生成させるものであってもよい。
【0022】
このようにすれば、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照でき、かつ、送信した画像データの再送信、前記画像データの宛先を変更して送信、前記画像データの削除の少なくとも1つが可能な画像データ送信装置を実現できる。
【0023】
(6)また、この発明による画像データ送信装置は、前記制御部は、前記操作部が前記認証用の情報の登録を受け付けた場合、前記専用ページにアクセス可能なアドレス情報を前記表示部に表示させるものであってもよい。
【0024】
このようにすれば、ユーザーから認証用の情報の登録を受け付けた場合、アドレス情報が非表示になるため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置を実現できる。
【0025】
(7)また、この発明による画像データ送信装置は、前記制御部は、前記表示部に前記アドレス情報を表示させた後、予め定められた時間が経過したとき、前記アドレス情報を非表示にさせるものであってもよい。
【0026】
このようにすれば、予め定められた時間が経過したとき、前記制御部は、前記アドレス情報を前記表示部に非表示にさせるため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能な画像データ送信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この発明の実施形態1に係る画像形成システムの一例を示す説明図である。
図2図1のデジタル複合機の平面図である。
図3図1のデジタル複合機の操作パネルを示す説明図である。
図4図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図5図1の携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
図6図1のデジタル複合機のスキャンモード画面の一例である。
図7図1のデジタル複合機のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
図8図1のデジタル複合機のジョブ状況送信ダイアログの一例である。
図9図1のデジタル複合機のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
図10図1のデジタル複合機のジョブ状況画面が表示された携帯端末の画面の一例である。
図11】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
図12】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機のジョブ状況送信ダイアログの一例である。
図13】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
図14】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機のジョブ状況送信ダイアログのQRコードを携帯端末で読み取って表示されたキーワード入力画面の一例である。
図15】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機のジョブ状況画面にアクセスする携帯端末のキーワード入力エラー画面の一例である。
図16】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
図17】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブ状況送信ダイアログの一例である。
図18】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を記載したダイアログの一例である。
図19】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
図20】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブ状況送信ダイアログのQRコードを携帯端末で読み取って表示されたログイン名・パスワード入力画面の一例である。
図21】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブ状況画面にアクセスする携帯端末のログイン名・パスワード入力エラー画面の一例である。
図22】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
図23】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のログイン名・パスワード登録ダイアログの一例である。
図24】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を記載したダイアログの一例である。
図25】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
図26】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機のジョブ状況送信ダイアログのQRコードを携帯端末で読み取って表示されたログイン名・パスワード入力画面の一例である。
図27】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のジョブ状況画面にアクセスする携帯端末のログイン名・パスワード入力エラー画面の一例である。
図28】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のジョブ状況画面にジョブを送信中の携帯端末の画面の一例である。
図29】この発明の実施形態4に係るデジタル複合機のジョブ状況画面が表示された携帯端末の画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0029】
〔実施形態1〕
図1図5に基づき、この発明の画像データ送信装置の一実施形態であるデジタル複合機1から構成される画像形成システム100について説明する。
【0030】
図1は、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100の一例を示す説明図である。
【0031】
図1に示すように、画像形成システム100は、デジタル複合機1、携帯端末2およびネットワーク3から構成される。
【0032】
この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能を有する複合機やMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0033】
図2は、図1のデジタル複合機1の平面図である。また、図3は、図1のデジタル複合機1の操作パネル17を示す説明図である。
【0034】
デジタル複合機1は、操作パネル17を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信等のジョブを実行する。
【0035】
図4は、図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図4に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、操作パネル17、ユーザー認証部18、送信状況生成部19を備える。
【0037】
以下、デジタル複合機1の各構成要素について説明する。
【0038】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、タッチパネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0039】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
また、画像データ取得部11は、USB等に記録された画像データを取得するものであってもよい。
【0040】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
【0041】
LSU121は、デジタル信号からなる画像データの情報に対応するレーザー光を帯電状態にある図示しない感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0042】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0043】
記憶部13は、印刷等のジョブに関する情報や画像データなどジョブの実行に必要なデータを記憶する。
また、記憶部13は、実行されたジョブデータを履歴情報として記憶する。
また、記憶部13は、ユーザー認証用に記憶されたユーザーのログイン名やパスワードなどの情報を記憶する。
【0044】
なお、データを保持する領域をハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域をフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0045】
画像処理部14は、操作部172を通じて取得された印刷等のジョブの指令の解析結果に基づき、画像データ取得部11から入力された画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0046】
通信部15は、ネットワークを介して、外部の携帯端末2等と通信を行い、ジョブの履歴状況や当該ジョブの再送信や削除等の指示など、種々の情報を送受信する部分である。
【0047】
給紙部16は、給紙カセット、手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0048】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0049】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0050】
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0051】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0052】
ユーザー認証部18は、操作部172から入力されたログイン名やパスワード等の情報と、記憶部13に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う部分である。
【0053】
送信状況生成部19は、ユーザーがジョブの選択および実行指令を行った場合に当該ジョブの専用ページを生成する部分である。
【0054】
図5は、図1の携帯端末2の概略構成を示すブロック図である。
【0055】
図5に示すように、携帯端末2は、制御部20、記憶部21、画像処理部22、通信部23、ユーザー認証部24およびタッチパネル25を備える。
【0056】
制御部20は、携帯端末2を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0057】
記憶部21は、携帯端末2の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0058】
画像処理部22は、操作部252の指令に基づき、表示部251に表示される画像の拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0059】
通信部23は、ネットワークを介して、デジタル複合機1等と通信を行い、ジョブの履歴状況や当該ジョブの再送信や削除等の指示など、種々の情報を送受信する部分である。
【0060】
ユーザー認証部24は、操作部252から入力されたログイン名やパスワード等の情報と、記憶部21に予め記録された対応情報とを比較することによって、当該ユーザーが正規ユーザーであるか否かの認証を行う部分である。
【0061】
タッチパネル25は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部251および操作部252を備える。
【0062】
なお、表示部251および操作部252は、それぞれ表示部171および操作部172と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0063】
<この発明の実施形態1のデジタル複合機1のジョブの実行処理の一例>
次に、図6図8に基づき、この発明の実施形態1のデジタル複合機1のジョブの実行処理の一例について説明する。
【0064】
図6は、図1のデジタル複合機1のスキャンモード画面の一例である。また、図7は、図1のデジタル複合機1のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
実施形態1において、図7に示すように、ユーザーが書類のスキャンデータ(9月1日付け会議資料)を所定のアドレス(abc@***.com)に送信する場合を想定する。
【0066】
図7のステップS1において、ユーザーがジョブの選択および実行指令を行った場合(ステップS1)、ステップS2において、制御部10は、送信状況生成部19に当該ジョブの専用ページを生成させる(ステップS2)。
【0067】
図6の例において、ジョブの実行指令は「スタート」キーの押下に相当する。
【0068】
次に、図7のステップS3において、制御部10は、送信開始ボタンおよびキャンセルボタンと当該ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を表示部171に表示させる(ステップS3)。
【0069】
ここで、当該ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法としては、例えば、URLをQRコード化してユーザーの携帯端末2に読み取らせる方法がある。
また、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の非接触方式の近距離無線通信によって携帯端末2に取得させるものであってもよい。
【0070】
図8は、図1のデジタル複合機1のジョブ状況送信ダイアログの一例である。
【0071】
このとき、ジョブの実行後に図8に示すようなジョブ状況送信ダイアログが表示部171に表示される。
【0072】
図8の例において、「携帯端末でジョブの送信状況の確認やジョブ操作を実施する場合は、左のQRコードを読み取ってから、送信を開始してください。」というメッセージとともに、当該ジョブの専用ページのURLにアクセス可能なQRコードが表示される。
また、画面下側には、「送信開始」および「キャンセル」ボタンが表示される。
【0073】
ユーザーが、QRコードを携帯端末2に読み取らせて当該ジョブの専用ページを表示部251に表示させた後、送信開始ボタンを押すと、携帯端末2でジョブの送信状況の確認が実施できるようになる。
【0074】
ユーザーが、QRコードを携帯端末2に読み取らせることなく送信開始ボタンを押すと、ジョブの送信処理が開始される(携帯端末2でジョブの送信状況の確認をすることはできない)。
【0075】
次に、図7のステップS4において、制御部10は、キャンセルボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS4)。
【0076】
キャンセルボタンが押し下げされた場合(ステップS4の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部10は、当該ジョブをキャンセルする(ステップS5)。
【0077】
一方、キャンセルボタンが押し下げされていない場合(ステップS4の判定がNoの場合)、ステップS6において、制御部10は、送信開始ボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS6)。
【0078】
送信開始ボタンが押し下げられると(ステップS6の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS7において、送信を開始するとともにアクセス方法の表示を消去する(ステップS7)。
【0079】
続くステップS8において、制御部10は、ジョブの履歴を記憶部13に記憶させ、送信状況生成部19に専用ページを更新させる(ステップS8)。
【0080】
一方、送信開始ボタンが押し下げられていない場合(ステップS6の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS4に戻す(ステップS4)。
【0081】
次に、図9および図10に基づき、この発明の実施形態1のデジタル複合機1のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れの一例について説明する。
【0082】
図9は、図1のデジタル複合機1のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
【0083】
図9のステップS101において、ユーザーが携帯端末2でQRコードを読み取ってジョブの送信状況を示す専用ページにアクセスした場合(ステップS101)、ステップS102において、携帯端末2の制御部20は、ジョブの履歴状況を携帯端末2の表示部251に表示させる(ステップS102)。
【0084】
続くステップS103において、制御部20は、「再送信」や「宛先を変更して送信」など、予め定められた操作指示に応じた処理を行う(ステップS103)。
【0085】
図10は、図1のデジタル複合機1のジョブ状況画面が表示された携帯端末2の画面の一例である。
【0086】
図10の例においては、ジョブ名「9月1日付け会議資料の送付」、ステータス「送信完了」、宛先「abc@***.com」が表示され、その下に「再送信」ボタン、「宛先を変更して送信」ボタンおよび「削除」ボタンが表示されている。
【0087】
ユーザーは、「再送信」ボタン、「宛先を変更して送信」ボタンまたは「削除」ボタンを押すことで、所望の指示を行うことができる。
【0088】
このようにして、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照および実行できるデジタル複合機1を実現できる。
【0089】
〔実施形態2〕
次に、図11図15に基づき、この発明の実施形態2のデジタル複合機1のジョブの実行処理の一例について説明する。
【0090】
実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成は、図4(実施形態1)と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
図11は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0092】
図11のステップS11,S12,S14,S15およびS17の処理は、図7(実施形態1)のステップS1,S2,S4,S5およびS7の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図7に記載のない図11のステップS13,S16およびS18の処理について説明する。
【0093】
図11のステップS12において、送信状況生成部19が当該ジョブの専用ページを生成した後(ステップS12)、ステップS13において、制御部10は、送信開始ボタンと当該ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法とキーワード入力フォームを表示部171に表示させる(ステップS13)。
【0094】
次に、ステップS14において、キャンセルボタンが押し下げされていない場合(ステップS14の判定がNoの場合)、ステップS16において、制御部10は、キーワードが入力され、かつ送信開始ボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS16)。
【0095】
キーワードが入力され、かつ送信開始ボタンが押し下げられた場合(ステップS16の判定がYesの場合)、ステップS17において、制御部10は、送信を開始するとともにアクセス方法の表示を消去する(ステップS17)。
【0096】
一方、キーワードが入力され、かつ送信開始ボタンが押し下げられていない場合(ステップS16の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS14の判定に戻す(ステップS14)。
【0097】
続くステップS18において、制御部10は、ジョブの履歴およびキーワードを記憶部13に記憶させ、送信状況生成部19に専用ページを更新させる(ステップS18)。
【0098】
図12は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1のジョブ状況送信ダイアログの一例である。
【0099】
図12に示すように、ジョブの実行後に表示部171に表示されるジョブ状況送信ダイアログには、キーワード入力フォームもあわせて表示される。
【0100】
ユーザーが、QRコードを携帯端末2に読み取らせて表示部251に当該ジョブの専用ページを表示させた後、任意のキーワードを入力して送信開始ボタンを押すと、携帯端末2でジョブの送信状況の確認が実施できるようになる。
【0101】
ユーザーが、QRコードを携帯端末2に読み取らせることなく送信開始ボタンを押すと、ジョブの送信処理が開始される(携帯端末2でジョブの送信状況の確認をすることはできない)。
【0102】
図12に示すように、入力されたキーワードを非表示にすることで、ユーザーが入力途中でデジタル複合機1から離れたとしても、第三者にキーワードが知られるおそれがない。
【0103】
図13は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
【0104】
図13のステップS111において、ユーザーが携帯端末2でQRコードを読み取って表示された画面に設定したキーワードを入力してジョブの送信状況を示す専用ページにアクセスした場合(ステップS111)、ステップS112において、携帯端末2の制御部20は、入力されたキーワードが図11のステップS14で入力されたものと一致しているか否かを判定する(ステップS112)。
【0105】
図14は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1のジョブ状況送信ダイアログのQRコードを携帯端末2で読み取って表示されたキーワード入力画面の一例である。
【0106】
図14に示すように、携帯端末2の表示部251には、「設定したキーワードを入力してください。」というメッセージとともに、キーワードの入力フォームおよび実行ボタンが表示される。
【0107】
ユーザーは、キーワードの入力フォームに設定したキーワードを入力後、実行ボタンを押す。
【0108】
キーワードが一致した場合(ステップS112の判定がYesの場合)、ステップS113において、制御部20は、ジョブの履歴状況を携帯端末2の表示部251に表示させる(ステップS113)。
【0109】
続くステップS114において、制御部20は、「再送信」や「宛先を変更して送信」など、予め定められた操作指示に応じた処理を行う(ステップS114)。
【0110】
一方、キーワードが一致しなかった場合(ステップS112の判定がNoの場合)、ステップS115において、制御部20は、キーワードが予め定められた回数以上不一致になったか否かを判定する(ステップS115)。
【0111】
キーワードが予め定められた回数以上不一致になった場合(ステップS115の判定がYesの場合)、ステップS116において、制御部20は、専用ページへのアクセスを一定時間ロックする(ステップS116)。
【0112】
一方、キーワードが予め定められた回数以上不一致になっていない場合(ステップS115の判定がNoの場合)、ステップS117において、制御部20は、キーワード入力エラー画面を表示させ、キーワードの再入力をうながす(ステップS117)。
【0113】
その後、制御部20は、処理をステップS111に戻す(ステップS111)。
【0114】
図15は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1のジョブ状況画面にアクセスする携帯端末2のキーワード入力エラー画面の一例である。
【0115】
図15に示すように、携帯端末2の表示部251には、「キーワード入力エラー!!再度、設定したキーワードを入力してください。」というメッセージとともに、キーワードの入力フォームおよび実行ボタンが表示される。
【0116】
また、「3回エラーになると、一定時間ロックします」というメッセージもあわせて表示される。
【0117】
このようにして、キーワード入力画面を表示して入力されたキーワードがジョブの送信開始前に入力されたキーワードと一致している場合にのみ、ジョブ状況画面にアクセスできるため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照および実行できるデジタル複合機1を実現できる。
【0118】
ジョブの送信前にQRコードがデジタル複合機1の表示部171に表示された状態でユーザーがデジタル複合機1から離れている間に、第三者が当該QRコードを無断で読み取ったとしても、第三者はユーザーのジョブ履歴情報にアクセスすることができないため、第三者にジョブ履歴や当該ジョブに係る画像データが漏洩することを防ぐことができる。
【0119】
〔実施形態3〕
次に、図16図20に基づき、この発明の実施形態3のデジタル複合機1のジョブの実行処理の一例について説明する。
【0120】
実施形態3に係るデジタル複合機1の概略構成は、図4(実施形態1)と同様であるため、説明を省略する。
【0121】
図16は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0122】
図16のステップS21,S22,S24およびS25の処理は、図7(実施形態1)のステップS1,S2,S4およびS5の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図7に記載のない図16のステップS23およびS26~S30の処理について説明する。
【0123】
図16のステップS22において、送信状況生成部19が当該ジョブの専用ページを生成した後(ステップS22)、ステップS23において、制御部10は、送信開始ボタンと当該ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法とログイン名・パスワード入力フォームを表示部171に表示させる(ステップS23)。
【0124】
次に、ステップS24において、キャンセルボタンが押し下げされていない場合(ステップS24の判定がNoの場合)、ステップS26において、制御部10は、ログイン名・パスワードが入力され、かつ送信開始ボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS26)。
【0125】
ログイン名・パスワードが入力され、かつ送信開始ボタンが押し下げられた場合(ステップS26の判定がYesの場合)、ステップS27において、制御部10は、ジョブの履歴およびログイン名・パスワードを記憶部13に記憶させ、送信状況生成部19に専用ページを更新させる(ステップS27)。
【0126】
一方、ログイン名・パスワードが入力され、かつ送信開始ボタンが押し下げられていない場合もしくはログイン名・パスワードの少なくとも一方が入力されず、かつ送信開始ボタンが押し下げられていない場合(ステップS26の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS14の判定に戻す(ステップS24)。
【0127】
図17は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のジョブ状況送信ダイアログの一例である。
【0128】
図17に示すように、ジョブの実行後に表示部171に表示されるジョブ状況送信ダイアログには、「ジョブの送信状況の確認やジョブ操作を実施する場合は、ログイン名とパスワードを設定してから、送信を開始してください。」というメッセージとともに、ログイン名・パスワード入力フォームもあわせて表示される。
【0129】
ユーザーは、任意のログイン名・パスワードを入力して送信開始ボタンを押す。
【0130】
なお、入力すべきログイン名・パスワードは、その場かぎりで作成された一時的なものであってもよい。
【0131】
次に、図16のステップS28において、制御部10は、当該ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法および「閉じる」ボタンを表示部171に表示させる(ステップS28)。
【0132】
図18は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を記載したダイアログの一例である。
【0133】
図18の例において、「送信処理を開始しました。ジョブの送信状況の確認やジョブ操作を実施する場合は、下記のQRコードを読み取ってください。」というメッセージとともに、当該ジョブの専用ページのURLにアクセス可能なQRコードが表示される。
また、画面下側には、「閉じる」ボタンが表示される。
【0134】
次に、図16のステップS29において、制御部10は、閉じるボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS29)。
【0135】
閉じるボタンが押し下げられた場合(ステップS29の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS30において、アクセス方法の表示を消去する(ステップS30)。
【0136】
一方、閉じるボタンが押し下げられていない場合(ステップS29の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS28に戻す(ステップS28)。
【0137】
なお、ステップS24において、キャンセルボタンが押し下げされると、ジョブがキャンセルされ、この場合、ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を記載したダイアログ(図18)は表示されない。
【0138】
なお、変形例として、ユーザーが閉じるボタンを押し下げなくとも、予め定められた時間が経過したときや、人感センサを備えている場合において、ユーザーがデジタル複合機1から離れたことを検知したときに、アクセス方法の表示を消去するようにしてもよい。
【0139】
図19は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。また、図20は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のジョブ状況送信ダイアログのQRコード(登録商標)を携帯端末2で読み取って表示されたログイン名・パスワード入力画面の一例である。また、図21は、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1のジョブ状況画面にアクセスする携帯端末2のログイン名・パスワード入力エラー画面の一例である。
【0140】
実施形態3において、デジタル複合機1のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの手順は、キーワードの代わりにログイン名・パスワードを入力する以外は、実施形態2の手順と同一であるため、説明を省略する。
【0141】
このようにして、ログイン名・パスワードがジョブの送信開始前に入力されたものと一致している場合にのみ、ジョブ状況画面にアクセスできるため、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照および実行できるデジタル複合機1を実現できる。
【0142】
ジョブの送信後にQRコードがデジタル複合機1の表示部171に表示され、第三者が当該QRコードを無断で読み取ったとしても、第三者はユーザーのジョブ履歴情報にアクセスすることができないため、第三者にジョブ履歴や当該ジョブに係る画像データが漏洩することを防ぐことができる。
【0143】
また、その場でつくった使い捨ての一時的なログイン名・パスワードを入力することにより、単にキーワードを入力する場合よりも高いセキュリティを実現できる。
【0144】
〔実施形態4〕
次に、図22図29に基づき、この発明の実施形態4のデジタル複合機1のジョブの実行処理の一例について説明する。
【0145】
実施形態4に係るデジタル複合機1の概略構成は、図4(実施形態1)と同様であるため、説明を省略する。
【0146】
図22は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブの実行処理の流れを示すフローチャートである。
【0147】
図22のステップS31,S32,S34およびS35の処理は、図7(実施形態1)のステップS1,S2,S4およびS5の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図7に記載のない図22のステップS33およびS36~S40の処理について説明する。
【0148】
図22のステップS32において、送信状況生成部19が当該ジョブの専用ページを生成した後(ステップS32)、ステップS33において、制御部10は、登録ボタンおよびキャンセルボタンとログイン名・パスワード入力フォームを表示部171に表示させる(ステップS33)。
【0149】
次に、ステップS34において、キャンセルボタンが押し下げされていない場合(ステップS34の判定がNoの場合)、ステップS36において、制御部10は、ログイン名・パスワードが入力され、かつ登録ボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS36)。
【0150】
ログイン名・パスワードが入力され、かつ登録ボタンが押し下げられると(ステップS36の判定がYesの場合)、ステップS37において、制御部10は、ジョブの履歴およびログイン名・パスワードを記憶部13に記憶させ、送信状況生成部19に専用ページを更新させる(ステップS37)。
【0151】
一方、ログイン名・パスワードが入力され、かつ登録ボタンが押し下げられていない場合(ステップS36の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS34の判定に戻す(ステップS34)。
【0152】
図23は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のログイン名・パスワード登録ダイアログの一例である。
【0153】
図23の例において、「ジョブの送信状況の確認やジョブ操作を実施する場合は、ログイン名とパスワードを設定してください。」というメッセージとともに、ログイン名・パスワード入力フォームが表示部171に表示される。
【0154】
ただし、実施形態4においては、送信開始ボタンではなく、登録ボタンが表示される。
ユーザーは、任意のログイン名・パスワードを入力して登録ボタンを押す。
【0155】
なお、入力すべきログイン名・パスワードは、その場かぎりで作成された一時的なものであってもよい。
【0156】
次に、図22のステップS38において、制御部10は、当該ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法および「閉じる」ボタンを表示部171に表示させる(ステップS38)。
【0157】
図24は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を記載したダイアログの一例である。
【0158】
図24の例において、「携帯端末でジョブの送信状況の確認やジョブ操作を実施する場合は、下記のQRコードを読み取ってから、送信を開始してください。」というメッセージとともに、当該ジョブの専用ページのURLにアクセス可能なQRコードが表示される。
また、画面下側には、「閉じる」ボタンが表示される。
【0159】
このとき、「送信開始」ボタンが表示されてもよく、図24において、「送信開始」ボタンが表示される場合は、図26および図27においては、「送信開始」ボタンは表示されない。
【0160】
ユーザーが、図24において、QRコードを携帯端末2に読み取らせて表示部251に当該ジョブの専用ページを表示させた後、送信開始ボタンを押すと、携帯端末2でジョブの送信状況の確認が実施できるようになる。
【0161】
ユーザーが、図24において、QRコードを携帯端末2に読み取らせることなく送信開始ボタンを押すと、ジョブの送信処理が開始される(携帯端末2でジョブの送信状況の確認をすることはできない)。
【0162】
次に、図22のステップS39において、制御部10は、閉じるボタンが押し下げられたか否かを判定する(ステップS39)。
【0163】
閉じるボタンが押し下げられた場合(ステップS39の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS40において、アクセス方法の表示を消去する(ステップS40)。
【0164】
一方、閉じるボタンが押し下げられていない場合(ステップS39の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS38に戻す(ステップS38)。
【0165】
なお、ステップS34において、キャンセルボタンが押し下げされると、ジョブがキャンセルされ、この場合、ジョブの専用ページのURLへのアクセス方法を記載したダイアログ(図24)は表示されない。
【0166】
図25は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブの送信状況を示す専用ページへのアクセスの流れを示すフローチャートである。
【0167】
図25のステップS134~S137の処理は、図19(実施形態3)のステップS124~S127の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、図19に記載のない図25のステップS131~S133の処理について説明する。
【0168】
図25のステップS131において、ユーザーが携帯端末2でQRコードを読み取って表示された画面にログイン名・パスワードとジョブの送信開始ボタンを入力した場合(ステップS131)、ステップS132において、携帯端末2の制御部20は、入力されたログイン名・パスワードが図22のステップS34で入力されたものと一致しているか否かを判定する(ステップS132)。
【0169】
ログイン名・パスワードが一致した場合(ステップS132の判定がYesの場合)、ステップS133において、制御部20は、デジタル複合機1と通信を行ってジョブを送信させた後、当該ジョブの専用ページを携帯端末2の表示部251に表示させる(ステップS133)。
【0170】
図26は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブ状況送信ダイアログのQRコードを携帯端末2で読み取って表示されたログイン名・パスワード入力画面の一例である。
【0171】
図26の例に示すように、ログイン名・パスワードの入力フォームの下に送信開始ボタンが表示される。
【0172】
図27は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブ状況画面にアクセスする携帯端末2のログイン名・パスワード入力エラー画面の一例である。また、図28は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブ状況画面としてジョブの送信中が表示された携帯端末2の画面の一例であり、図26において送信開始ボタンが押し下げされてからジョブの送信が完了するまでの間に表示される画面の一例である。また、図29は、この発明の実施形態4に係るデジタル複合機1のジョブ状況画面としてジョブの送信完了状態が表示された携帯端末2の画面の一例である。
【0173】
なお、図25のステップS137において、エラー画面が表示された場合(ステップS137)、デジタル複合機1の制御部10は、不正なアクセスがあったため、ジョブの送信を中止した旨と、第三者にQRコードを読み取られないよう注意すべき旨のメッセージを表示部171に表示させてユーザーの注意喚起を促すようにしてもよい。
【0174】
このようにして、ログイン名・パスワードがジョブの送信開始前に登録されたものと一致している場合にのみ、ジョブ状況画面を表示することで、ユーザーの認証や登録がない状態でユーザーが送信ジョブを実行した場合であっても、当該送信ジョブを実行したユーザーのみ送信状況を参照可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0175】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0176】
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0177】
1:デジタル複合機、 2:携帯端末、 3:ネットワーク、 10,20:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13,21:記憶部、 14,22:画像処理部、 15,23:通信部、 16:給紙部、 17:操作パネル、 18,24:ユーザー認証部、 25:タッチパネル、 100:画像形成システム、 121:LSU、 171,251:表示部、 172,252:操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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