(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240903BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20240903BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A61K39/395 N ZNA
A61P17/04
A61P25/20
(21)【出願番号】P 2020187708
(22)【出願日】2020-11-11
(62)【分割の表示】P 2020551453の分割
【原出願日】2020-09-01
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003311
【氏名又は名称】中外製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】深沢 直規
(72)【発明者】
【氏名】岡田 文恵
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 智久
(72)【発明者】
【氏名】平原 徹也
(72)【発明者】
【氏名】廣川 恵子
(72)【発明者】
【氏名】三原 良介
【審査官】柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/208645(WO,A1)
【文献】特表2009-528264(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0059860(KR,A)
【文献】国際公開第2015/25767(WO,A1)
【文献】特開2002-338476(JP,A)
【文献】飯野 則昭、ほか1名,透析皮膚そう痒症,日本臨床(別冊),河内 秀明 株式会社日本臨牀社,1997年07月22日,No.18,pp.259-263
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/395
A61P 25/20
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物であって、
前記IL-31アンタゴニストは抗IL-31RA抗体であり、前記抗IL-31RA抗体は、配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに、配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記抗IL-31RA抗体が、配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および、配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記IL-31アンタゴニストは、25mg~100mg/body/4週で投与される、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記IL-31アンタゴニストは、50mg~100mg/body/4週で投与される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記IL-31アンタゴニストは、50mg~75mg/body/4週で投与される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記IL-31アンタゴニストは、60mg/body/4週で投与される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記IL-31アンタゴニストは、30mg/body/4週で投与される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記IL-31アンタゴニストは、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に、初回用量として60mg/bodyで投与され、継続用量として30mg/body/4週で投与され、初回用量と1回目の継続用量との投与間隔が4週間である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~3mg/kg/4週で投与される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記IL-31アンタゴニストは、0.2mg~2mg/kg/4週で投与される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記IL-31アンタゴニストは、0.125mg/kg/4週で投与される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記IL-31アンタゴニストは、0.5mg/kg/4週で投与される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記IL-31アンタゴニストは、1mg/kg/4週で投与される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記IL-31アンタゴニストは、2mg/kg/4週で投与される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記所定の値が超高感度酵素結合免疫吸着アッセイを用いて測定される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定すること;ならびに、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であるとされた対象にのみ投与するための、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
血清中のIL-31濃度が測定された、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象において、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であるとされた対象にのみ投与するための、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
透析そう痒症が、ナルフラフィン塩酸塩を除く全身療法又は局所療法を行ったことがあり、それらの治療が十分に奏効していない透析そう痒症である、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記全身療法が抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー薬による治療であり、前記局所療法が保湿剤又はステロイドによる治療である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記透析そう痒症が、IL-31シグナルに起因する透析そう痒症である、請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
透析そう痒症によって引き起こされる睡眠障害の改善用の、請求項1~23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記睡眠障害の改善が入眠から覚醒までの時間を増加させるための、及び/又は、睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)を短縮させるための、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記抗体が、マウス、ラット、及びウサギのいずれのIL-31RAに対しても交差反応性を示さない、請求項1~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物の製造における、IL-31アンタゴニストの使用であって、
前記IL-31アンタゴニストは抗IL-31RA抗体であり、前記抗IL-31RA抗体は、
(1)配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに、配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む、使用。
【請求項28】
前記抗IL-31RA抗体が、配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および、配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、請求項27または28に記載の使用。
【請求項30】
前記IL-31アンタゴニストは、25mg~100mg/body/4週で投与される、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記IL-31アンタゴニストは、50mg~100mg/body/4週で投与される、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
前記IL-31アンタゴニストは、50mg~75mg/body/4週で投与される、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記IL-31アンタゴニストは、60mg/body/4週で投与される、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記IL-31アンタゴニストは、30mg/body/4週で投与される、請求項32に記載の使用。
【請求項35】
前記IL-31アンタゴニストは、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に、初回用量として60mg/bodyで投与され、継続用量として30mg/body/4週で投与され、初回用量と1回目の継続用量との投与間隔が4週間である、請求項27に記載の使用。
【請求項36】
前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、請求項27に記載の使用。
【請求項37】
前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~3mg/kg/4週で投与される、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記IL-31アンタゴニストは、0.2mg~2mg/kg/4週で投与される、請求項36に記載の使用。
【請求項39】
前記IL-31アンタゴニストは、0.125mg/kg/4週で投与される、請求項37に記載の使用。
【請求項40】
前記IL-31アンタゴニストは、0.5mg/kg/4週で投与される、請求項37に記載の使用。
【請求項41】
前記IL-31アンタゴニストは、1mg/kg/4週で投与される、請求項37に記載の使用。
【請求項42】
前記IL-31アンタゴニストは、2mg/kg/4週で投与される、請求項37に記載の使用。
【請求項43】
前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、請求項27~42のいずれか一項に記載の使用。
【請求項44】
前記所定の値が超高感度酵素結合免疫吸着アッセイを用いて測定される、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記医薬組成物が、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定すること;ならびに、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であるとされた対象にのみ投与するためのものである、請求項27~44のいずれか一項に記載の使用。
【請求項46】
前記医薬組成物が、血清中のIL-31濃度が測定された、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象において、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であるとされた対象にのみ投与するためのものである、請求項27~44のいずれか一項に記載の使用。
【請求項47】
透析そう痒症が、ナルフラフィン塩酸塩を除く全身療法又は局所療法を行ったことがあり、それらの治療が十分に奏効していない透析そう痒症である、請求項27~46のいずれか一項に記載の使用。
【請求項48】
前記全身療法が抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー薬による治療であり、前記局所療法が保湿剤又はステロイドによる治療である、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
前記透析そう痒症が、IL-31シグナルに起因する透析そう痒症である、請求項27~48のいずれか一項に記載の使用。
【請求項50】
前記医薬組成物が透析そう痒症によって引き起こされる睡眠障害の改善用のものである、請求項27~49のいずれか一項に記載の使用。
【請求項51】
前記睡眠障害の改善が入眠から覚醒までの時間の増加、及び/又は、睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)の短縮である、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
前記抗体が、マウス、ラット、及びウサギのいずれのIL-31RAに対しても交差反応性を示さない、請求項27~51のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非限定的な一態様において、本開示は、IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症(uremic pruritus)の予防用及び/又は治療用医薬組成物などに関する。
【背景技術】
【0002】
透析患者におけるそう痒(症)(本明細書において「透析そう痒(症)」ともいう。)は、全身性かつ難治性のそう痒を特徴とし、透析患者が日々悩まされている疾患の一つである。一般的に透析歴が長い患者に多く認められる傾向があるが(非特許文献1)、発生する部位、頻度、持続時間や生活への影響の程度などは様々である。また、そう痒部位であっても目立った皮膚症状があることは少ない(非特許文献2)。2000年に日本国内で実施された調査では、血液透析患者の72.8%にそう痒の経験があり、その内、約半数に睡眠障害が認められた(非特許文献3)。また、そう痒の程度が重い患者ほど不眠の程度が強いことが報告されている(非特許文献4)。日本を含む12か国で実施されたDialysis Outcomes and Practice Patterns Study(DOPPS)の調査においても約40%以上の患者で中等度以上のそう痒があり、睡眠の質が低下していることが報告されている(非特許文献5)。また、重度のそう痒は透析患者の生命予後に対するリスク因子であることが報告されている(非特許文献6)。以上のことから、透析患者におけるそう痒症の改善は透析患者のQOLや睡眠の質、更には生命予後の改善のために重要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】中井滋他.わが国の慢性透析療法の現況(1999年12月31日現在).透析会誌 2001;34:1-31
【文献】段野貴一郎.痒みのみかた.透析室に置きたいかゆみ治療パーフェクトガイド,金芳堂.2008. p.1-16
【文献】大森健太郎他.透析皮膚掻痒症の実態-新潟県内41施設2474名の調査報告-.透析会誌. 2001;34:1469-77.
【文献】Narita I et al. Etiology and prognostic significance of severe uremic pruritus in chronic hemodialysis patients. Kidney Int. 2006;69:1626-32.
【文献】Pisoni RL et al. Pruritus in haemodialysis patients: International results from the Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study (DOPPS). Nephrol Dial Transplant. 2006;21:3495-505.
【文献】Kimata N et al. Pruritus in hemodialysis patients: Results from the Japanese Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study (JDOPPS). Hemodial Int 2014;18:657-67.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
透析そう痒症のメカニズムは依然として正確には明らかではないものの、IL-31が関与している可能性が示唆されている(Gangemi S, Quartuccio S, Casciaro M, Trapani G, Minciullo PL, Imbalzano E. Interleukin 31 and skin diseases: A systematic review. Allergy Asthma Proc. 2017;38(6):401-8.)。IL-31と透析患者におけるそう痒に関しては、維持期の血液透析患者において、そう痒を有する患者はそう痒のない患者と比較して血清IL-31濃度が高値であることが報告されている(Ko MJ et al. Interleukin-31 is associated with uremic pruritus in patients receiving hemodialysis. J Am Acad Dermatol. 2014;71:1151-9.)。
【0005】
IL-31(Interleukin-31)はT細胞サイトカインである。IL-31を過剰発現させたトランスジェニック・マウスでは、そう痒やアトピー性皮膚炎に類似する皮膚炎様症状が発症することが知られている(Nat Immunol (2004) 5, 752-760)。また、IL-31が結合する受容体は、IL-31RA(Interleukin-31 receptor A)とOSMR(Oncostatin M receptor)のヘテロダイマーであることが見出されており(WO2004/003140)、IL-31は当該受容体を介して細胞内にシグナルを伝える。
【0006】
これまでにIL-31アンタゴニストとしてのIL-31中和抗体やIL-31RA中和抗体が報告されている(例えば、WO2005/079566; WO2006/063864; WO2006/063865; WO2009/071696; WO2006/088855; WO2006/088955; WO2006/088956; WO2007/133816; WO2007/142325; WO2009/072598; WO2006/122079; WO2007/143231; WO2008/028192; WO2009/072604; WO2010/064697)。
【0007】
しかしながら、IL-31アンタゴニストが透析そう痒症の予防及び/又は治療に効果的であることを示す試験結果は報告されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非限定的な一実施態様において本開示は以下に関する:
〔1〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物。
〔2〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕 前記IL-31アンタゴニストは、25mg~100mg/body/4週で投与される、〔2〕に記載の医薬組成物。
〔4〕 前記IL-31アンタゴニストは、50mg~100mg/body/4週で投与される、〔2〕または〔3〕に記載の医薬組成物。
〔5〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔6〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.2mg~2mg/kg/4週で投与される、〔5〕に記載の医薬組成物。
〔7〕 前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔7-2〕 透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定すること;ならびに、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定された対象にのみ投与するための、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔7-3〕 血清中のIL-31濃度が測定された、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象において、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定された対象にのみ投与するための、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔8〕 透析そう痒症によって引き起こされる睡眠障害の改善用の、〔1〕~〔7-3〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔9〕 前記睡眠障害の改善が入眠から覚醒までの時間を増加させるための、及び/又は、睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)を短縮させるための、〔8〕に記載の医薬組成物。
〔10〕 前記IL-31アンタゴニストが、IL-31シグナルを阻害する抗体である、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔11〕 前記抗体が、マウス、ラット、及びウサギのいずれのIL-31RAに対しても交差反応性を示さない、〔10〕に記載の医薬組成物。
〔12〕 前記抗体が、抗IL-31中和抗体または抗IL-31RA中和抗体である、〔10〕又は〔11〕に記載の医薬組成物。
〔13〕 前記抗IL-31RA中和抗体が、
(1)配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに、配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;
(2)配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および、配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;又は、
(3)配列番号:9に記載のH鎖、および、配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体
のいずれかである、〔12〕に記載の医薬組成物。
〔14〕 透析そう痒症が、ナルフラフィン塩酸塩を除く全身療法又は局所療法を行ったことがあり、それらの治療が(十分に)奏効していない透析そう痒症である、〔1〕~〔13〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔15〕 前記全身療法が抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー薬による治療であり、前記局所療法が保湿剤又はステロイドによる治療である、〔14〕に記載の医薬組成物。
〔16〕 前記透析そう痒症が、IL-31シグナルに起因する透析そう痒症である、〔1〕~〔15〕のいずれかに記載の医薬組成物。
〔17〕 透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象にIL-31アンタゴニストを投与することを含む、透析そう痒症の予防及び/又は治療方法。
〔18〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔17〕に記載の方法。
〔19〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔17〕に記載の方法。
〔20〕 前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、〔17〕~〔19〕のいずれかに記載の方法。
〔21〕透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定すること;当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定すること;ならびに、応答者であると判定された対象にIL-31アンタゴニストを投与することを含む、〔20〕に記載の方法。
〔21-2〕血清中のIL-31濃度が測定された、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象において、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定すること;ならびに、応答者であると判定された対象にIL-31アンタゴニストを投与することを含む、〔20〕に記載の方法。
〔22〕 透析そう痒症の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、IL-31アンタゴニストの使用。
〔23〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔22〕に記載の使用。
〔24〕 前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔22〕に記載の使用。
〔25〕 前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、〔22〕~〔24〕のいずれかに記載の使用。
〔26〕 (i)容器;(ii)IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、前記容器内の医薬組成物;ならびに(iii)前記IL-31アンタゴニストを、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与することを指示する文書;および/あるいは(iv)前記IL-31アンタゴニストを、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与することを指示する文書を含む、製品。
〔27〕 (i)容器;(ii)IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、前記容器内の医薬組成物;ならびに(iii)前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与することを指示する文書;および/あるいは(iv)前記IL-31アンタゴニストを、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与することを指示する文書を含む、製品。
〔28〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物であって、さらには透析そう痒症によって引き起こされる睡眠障害の改善用の、医薬組成物。
〔29〕 前記睡眠障害の改善が入眠から覚醒までの時間を増加させるための、及び/又は、睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)を短縮させるための、〔28〕に記載の医薬組成物。
〔30〕 透析そう痒症の予防及び/又は治療における使用のためのIL-31アンタゴニスト。
〔31〕 0.1mg~1000mg/body/1日~12週、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔30〕に記載のIL-31アンタゴニスト。
〔32〕 0.01mg~10mg/kg/1日~12週、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔30〕に記載のIL-31アンタゴニスト。
〔33〕 血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、〔30〕~〔32〕のいずれかに記載のIL-31アンタゴニスト。
〔34〕 IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物であって、
前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与される、医薬組成物。
〔35〕 IL-31アンタゴニストが、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与される、〔28〕又は〔29〕に記載の医薬組成物。
上記〔1〕~〔35〕のいずれかに記載の1又は複数の構成要件(element)の一部又は全部を任意に組み合わせたものも、技術常識に基づいて技術的に矛盾せず、かつ文脈に反しない限り、本開示に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】アトピー性皮膚炎(AD)患者を対象とした、CIM331又はプラセボの単回皮下投与後の、そう痒の抑制効果をVASに基づいて示した図である。
【
図2】アトピー性皮膚炎患者を対象とした、CIM331又はプラセボの単回皮下投与後の、皮膚炎の改善効果を、EASIスコアに基づいて示した図である。
【
図3】アトピー性皮膚炎患者を対象とした、CIM331又はプラセボの単回皮下投与後の、生活の質(QOL)の向上の有無を、睡眠効率を指標として示した図である。
【
図4】アトピー性皮膚炎患者を対象とした、CIM331又はプラセボの単回皮下投与後の、外用ステロイド(ロコイド)の使用量を示した図である。
【
図5】アトピー性皮膚炎患者を対象とした、CIM331単回皮下投与後の、血清中CIM331濃度の推移を示した図である。
【
図6】カニクイザルに0.2 mg/kgのCIM331を単回皮下投与後のIL-31誘発そう痒行動回数を示す図である。
【
図7】カニクイザルに1 mg/kgのCIM331を単回皮下投与後のIL-31誘発そう痒行動回数を示す図である。
【
図8】ミカエリス・メンテン式を導入した非線形解析モデルを示す。図中、各記号は以下を表す:X
sc: 皮下投与部位での薬物量, X
1: 中央コンパートメントにおける薬物量, X
2:末梢コンパートメントにおける薬物量, F:バイオアベイラビリティー, k
12:中央コンパートメントから末梢コンパートメントへの薬物移行速度定数, k
21:末梢コンパートメントから中央コンパートメントへの薬物移行速度定数, k
a:吸収速度定数, k
el:非飽和性の消失速度定数, V
1:中央コンパートメントの分布容積, V
max:全ての受容体と抗体が結合した時の抗体の消失速度, K
m:全抗原量の50%の抗原と結合する抗体濃度, C
p:抗体濃度。
【
図9】CIM331のヒト血清中濃度推移予測を示す。
【
図10】1コンパートメントモデルを用いたCIM331の至適投与量のシミュレーションにおける体重と曝露の関係性を示す図である。
【
図11】indirect turnover modelを用いたCIM331投与1年後の想定されるそう痒VASを示す。
【
図12】透析そう痒症患者を対象とした、プラセボ、CIM331又はナルフラフィン塩酸塩カプセル投与後の、各評価時点におけるそう痒の抑制効果をVASに基づいて示した図である。
【
図13】プラセボ、CIM331又はナルフラフィン塩酸塩カプセルを投与した透析そう痒症患者のうち、そう痒の抑制効果が所定よりも高い(VAS 30mm未満)患者の割合を示した図である。
【
図14】そう痒VASと血清中IL-31レベルとの間の関連性を示す図である。健常人ボランティア(healthy volunteer:HV)および透析そう痒症(uremic pruritus :UP)患者における血清中IL-31濃度の分布をlogスケールで示す。
【
図15】血清中IL-31濃度(カットオフ値0.86 pg/mL)に応じて2つのカテゴリーに分けた透析そう痒症患者における、そう痒VASのベースライン(base line:BL)からの変化を平均値(mean)±標準偏差(standard deviation:SD)で示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の好ましい非限定的な態様を説明する。
【0011】
IL-31(Interleukin-31)はT細胞サイトカインであり、IL-31を過剰発現させたトランスジェニック・マウスでは、アトピー性皮膚炎に類似する皮膚炎様症状が発症し、持続的な引っ掻き行動が見られるなど、そう痒に関与することが知られている。
【0012】
ヒトIL-31の核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ、RefSeq登録番号NM_001014336およびRefSeq登録番号NP_001014358としても知られている。
【0013】
IL-31の受容体は、IL-31受容体A(IL-31RA)とオンコスタチンM受容体(OSMR)のヘテロダイマーから形成される(Nat Immunol (2004) 5, 752-60)。IL-31RAはNR10とも呼ばれ、複数のスプライシングバリアントがあることが知られている(WO00/075314)。スプライシングバリアントには、NR10.1(652アミノ酸)、NR10.2(252アミノ酸)、NR10.3(662アミノ酸、IL-31RAv4とも呼ばれる)、IL-31RAv3(764アミノ酸)などが知られている。好ましいIL-31RAとしてはNR10.3(IL-31RAv4)およびIL-31RAv3を例えば挙げることができる。ヒトIL-31RA(IL-31RAv4)の核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ、RefSeq登録番号NM_001242638およびRefSeq登録番号NP_001229567としても知られている。ヒトIL-31RA (IL-31RAv3)の核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ、RefSeq登録番号NM_139017およびRefSeq登録番号NP_620586としても知られている。また、ヒトOSMRの核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ、RefSeq登録番号NM_003999およびRefSeq登録番号NP_003990としても知られている。
【0014】
本開示におけるIL-31アンタゴニストとは、一態様において、IL-31によって引き起こされる細胞内シグナル伝達を抑制あるいは遮断する化合物を意味し、これはIL-31シグナルを阻害する化合物と言い換えることもできる。そのような化合物は天然に存在する化合物であってもよいし、人工的に合成された化合物であってもよい。また、低分子化合物であってもよいし、タンパク質のような高分子化合物であってもよい。
【0015】
細胞外に存在するIL-31は、細胞表面に存在するIL-31受容体(IL-31RAとOSMRのヘテロダイマー)を介して細胞内シグナル伝達を引き起こすことが知られている(Nat Immunol (2004) 5, 752-760)。IL-31受容体の細胞外ドメインにIL-31結合ドメインが含まれており、そこにIL-31が結合すると、IL-31受容体の立体構造に変化が起こり、その結果としてIL-31受容体の細胞内ドメインから細胞内シグナル伝達が開始される。
【0016】
ある化合物がIL-31シグナルを阻害するかどうかは、ある一つの方法として、その化合物がIL-31とIL-31受容体との結合を阻害するかどうかを調べることにより確認することができる。そのような測定を行うための方法として、ELISAやフローサイトメトリーを利用したアッセイ、表面プラズモン共鳴を利用したアッセイなどを挙げることができる。例えばELISAの場合、プレート上にIL-31受容体(またはIL-31RA)タンパク質を固相化して、そこに結合するIL-31タンパク質の量を、酵素標識された抗IL-31抗体などの二次抗体で検出するような系を用意して、そこに化合物を添加した場合に、検出されるIL-31タンパク質の量が減少するかどうかを測定することによって、当該化合物がIL-31とIL-31受容体との結合を阻害したかどうかを評価することができる。
また、別の方法として、ある化合物がIL-31シグナルを阻害するかどうかは、IL-31が細胞に作用することによって引き起こされる生理活性がその化合物により阻害されるかどうかを調べることによっても確認することができる。前記生理活性は、何らかの方法により定量的あるいは定性的に測定できる活性であれば特に限定されないが、細胞増殖活性やタンパク質リン酸化活性、遺伝子/タンパク質発現誘導活性などを挙げることができる。例えば、表面にIL-31受容体を発現し、外部からのIL-31刺激に応じて増殖活性が誘導されるような細胞を用意して、そこに化合物を添加した場合に、IL-31により誘導される細胞増殖活性が低下するかどうかを測定することによって、当該化合物がIL-31シグナルを阻害したかどうかを評価することができる。そのような細胞としては、生来的にIL-31受容体を発現している天然の細胞を用いてもよいし、人工的にIL-31受容体を発現させた遺伝子組換え細胞を用いてもよい。遺伝子組換え細胞の好適な例として、IL-31受容体を発現させたBa/F3細胞を挙げることができる。また、さらなる別の方法として、Dillonらの文献(Nat Immunol (2004) 5, 752-760)に記載の方法を用いることもできる。
【0017】
本開示において、IL-31アンタゴニストがIL-31シグナルを阻害する程度は、限定されないが、少なくとも10%以上、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、又は、98%以上阻害してもよい。
【0018】
本開示において、IL-31シグナルを阻害する化合物の好ましい態様としては、IL-31シグナルを阻害するタンパク質を挙げることができる。ここでのタンパク質は、IL-31またはIL-31受容体に特異的に結合する性質を有するタンパク質であれば特に限定されない。好ましい例としては抗体や抗体様分子(Curr Opin Biotechnol (2006) 17, 653-658、Curr Opin Struct Biol (1997) 7, 463-469、Protein Sci (2006) 15, 14-27)を挙げることができる。抗体には、モノクローナル抗体(例えばIgG、IgM、IgE、IgA、IgDなど)、ポリクローナル抗体、改変抗体(例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、糖鎖改変抗体(WO99/54342、WO00/61739)など)、抗体断片(例えばFab、F(ab')2、Fv、CDRなど)、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体など)、コンジュゲート抗体(例えばポリエチレングリコール(PEG)、放射性同位体もしくは薬物などが付加された抗体)などいかなる抗体も含まれる。一方、抗体様分子の例としては、DARPin(WO2002/020565)、Affibody(WO1995/001937)、Avimer(WO2004/044011)、Adnectin(WO2002/032925)などを挙げることができる。より好ましいのはIL-31シグナルを阻害する抗体である。また、IL-31シグナルを阻害するタンパク質の別の好ましい例として、IL-31RAの細胞外ドメインを含むタンパク質、あるいはIL-31受容体(IL-31RAとOSMRのヘテロダイマー)の各細胞外ドメインを含むタンパク質を挙げることができる。
【0019】
本開示において、IL-31シグナルを阻害する抗体の好ましい態様としては、IL-31に結合することによってIL-31シグナルを阻害する抗体(抗IL-31中和抗体)、あるいはIL-31受容体に結合することによってIL-31シグナルを阻害する抗体(抗IL-31受容体中和抗体)を挙げることができる。抗IL-31受容体中和抗体には、IL-31RAに結合することによってIL-31シグナルを阻害する抗体(抗IL-31RA中和抗体)、OSMRに結合することによってIL-31シグナルを阻害する抗体(抗OSMR中和抗体)、あるいはIL-31RAとOSMRのヘテロダイマーに結合することによってIL-31シグナルを阻害する抗体(抗IL-31RA/OSMRヘテロダイマー中和抗体)などが含まれる。これらの抗IL-31受容体中和抗体の中でも、好ましくは抗IL-31RA中和抗体又は抗IL-31RA/OSMRヘテロダイマー中和抗体であり、より好ましくは抗IL-31RA中和抗体である。
【0020】
一実施態様又は別の実施態様における本開示のIL-31シグナルを阻害する抗体は、ヒト及びカニクイザルのIL-31RAに対して交差反応性を有するが、マウス、ラット、及びウサギのいずれのIL-31RAに対しても(実質的に)交差反応性を示さないことが好ましい。
【0021】
抗体を作製する方法は当業者によく知られているが、例えばハイブリドーマ法(Nature (1975) 256, 495)やファージ抗体ライブラリ法(Nature (1991) 352, 624-628、J Mol Biol (1991) 222, 581-597)により作製することができる。IL-31タンパク質やIL-31受容体タンパク質などを免疫原として用いれば、これらの方法により抗IL-31抗体や抗IL-31受容体抗体を多数取得することができる。さらに、これらの抗体の中から、上記のIL-31シグナルを阻害する化合物を検出する方法を用いてスクリーニングを行えば、抗IL-31中和抗体や抗IL-31受容体中和抗体を取得することができる。IL-31やIL-31受容体などのタンパク質は当業者に公知の遺伝子工学的手法により調製してもよい。具体的には、所望のタンパク質をコードする遺伝子を発現ベクターに挿入して、それを適当な宿主細胞に導入した後、その宿主細胞中あるいはその宿主細胞の培養上清中に発現した目的のタンパク質を精製することにより調製することができる。
【0022】
抗IL-31中和抗体の好ましい例としては、WO2006/122079、WO2008/028192及びWO2009/071696に記載の抗IL-31抗体などを挙げることができる。
【0023】
限定はされないが、抗IL-31RA中和抗体の好ましい例としては、WO2007/142325に記載の抗IL-31RA(NR10)抗体、WO2009/072604に記載の抗IL-31RA(NR10)抗体、WO2010/064697に記載の抗IL-31RA(NR10)抗体などを挙げることができる。
また、別の好ましい例として、抗ヒトIL-31RA(中和)抗体が挙げられ、具体的には、ヒトIL-31RAのドメイン1及び/又はドメイン2を認識する抗IL-31RA(中和)抗体を挙げることができる。ここでヒトIL-31RAのドメイン1とは、配列番号:11に記載のアミノ酸配列における53番目のアミノ酸から152番目のアミノ酸までの領域(LPAKP~LENIA)を指す。また、ドメイン2とは、配列番号:11に記載のアミノ酸配列における153番目のアミノ酸から259番目のアミノ酸までの領域(KTEPP~EEEAP)をいう。
限定はされないが、抗IL-31RA中和抗体の中でもより好ましくは、配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖(重鎖)可変領域、ならびに配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖(軽鎖)可変領域を含む抗IL-31RA抗体であり、さらに好ましくは、配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体であり、特に好ましくは、配列番号:9に記載のH鎖、および配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体である。
【0024】
したがって、非限定の一実施態様において、
(1)配列番号:1に記載のCDR1、配列番号:2に記載のCDR2、および配列番号:3に記載のCDR3を含むH鎖可変領域、ならびに配列番号:4に記載のCDR1、配列番号:5に記載のCDR2、および配列番号:6に記載のCDR3を含むL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;
(2)配列番号:7に記載のH鎖可変領域、および配列番号:8に記載のL鎖可変領域を含む抗IL-31RA抗体;
(3)配列番号:9に記載のH鎖、および配列番号:10に記載のL鎖を含む抗IL-31RA抗体;又は
(4)ネモリズマブ(nemolizumab))
のいずれかを有効成分として含有する医薬組成物を、
透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象(例えばヒトの患者)に、
(A) 0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、0.1mg~1000mg/body/8週、25mg~100mg/body/4週、50mg~100mg/body/4週、5mg~75mg/body/4週、5mg~50mg/body/4週、5mg~25mg/body/4週、5mg~20mg/body/4週、5mg/body/4週、10mg/body/4週、15mg/body/4週、20mg/body/4週、25mg/body/4週、30mg/body/4週(この場合、例えば、初回用量は、60mg/bodyであり、初回用量と1回目の継続用量との投与間隔は4週間であり、継続用量は30mg/body/4週であってよい。)、又は60mg/body/4週;あるいは、
(B) 0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、0.01mg~10mg/kg/8週、0.125~2.0mg/kg/4週、0.125~0.5mg/kg/4週、0.5mg~2.0mg/kg/4週、又は0.5mg/kg/4週
で、投与してよい。かかる場合、対象における血清中のIL-31濃度は所定の値以上(例えば、超高感度酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA; SiMoATM, Quanterix, Billerica, MA, USA)を用いて測定した場合に、例えば、0.15 pg/mL以上、0.2 pg/mL以上、0.3 pg/mL以上、0.4 pg/mL以上、0.5 pg/mL以上、0.6 pg/mL以上、0.7 pg/mL以上、0.8 pg/mL以上、0.86 pg/mL以上、0.9 pg/mL以上、1.0 pg/mL以上、1.1 pg/mL以上、1.25 pg/mL以上、1.5 pg/mL以上、1.75 pg/mL以上、2 pg/mL以上、2.25 pg/mL以上、または、2.5 pg/mL以上、またはそれ以上)であってよい。
【0025】
また、CDRの定義の方法としては、Kabatらの方法(Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed (1991), Bethesda, MD)、Chothiaらの方法(Science (1986) 233, 755-758)、抗原-抗体の接触(Contact)領域に基づく方法(J Mol Biol (1996) 262, 732-745)などが知られている。具体的には、各方法によるCDRは以下のように定義される。
CDR Kabat Chothia Contact
L1 L24-L34 L24-L34 L30-L36
L2 L50-L56 L50-L56 L46-L55
L3 L89-L97 L89-L97 L89-L96
H1 H31-H35B H26-H32/34 H30-H35B (Kabatナンバリング)
H1 H31-H35 H26-H32 H30-H35 (Chothiaナンバリング)
H2 H50-H65 H52-H56 H47-H58
H3 H95-H102 H95-H102 H93-H101
【0026】
本開示における抗IL-31RA中和抗体の好ましい例としては、配列番号:7に記載のH鎖可変領域に含まれるCDR1、CDR2、およびCDR3、ならびに配列番号:8に記載のL鎖可変領域に含まれるCDR1、CDR2、およびCDR3を、それぞれH鎖CDR1、CDR2、およびCDR3、ならびにL鎖CDR1、CDR2、およびCDR3として含む抗IL-31RA抗体を挙げることができる。そのような抗体におけるCDRの定義の方法は、Kabatらの方法、Chothiaらの方法、抗原-抗体の接触(Contact)領域に基づく方法のいずれに従ってもよく、または、それらを組み合わせた方法に従ってもよい。
【0027】
上記のH鎖およびL鎖各CDRの配列、H鎖可変領域およびL鎖可変領域の配列、ならびにH鎖およびL鎖全長の配列で特定された抗IL-31RA抗体と同じエピトープに結合する抗IL-31RA抗体も抗IL-31RA中和抗体として同様に好ましい。エピトープとは、抗体が認識して結合する抗原の特定の構造単位のことであり、抗原がポリペプチドの場合は、通常6~10個程度のアミノ酸からなる。エピトープの同定は、抗原を断片化したペプチドを合成する方法、部位特異的突然変異を抗原に導入する方法(例えばアルギニン/グルタミン酸スキャニング、J Biol Chem (1995) 270, 21619-21625、J Biol Chem (2006) 281, 20464-20473)、抗原-抗体複合体の結晶化を行う方法など、当業者に公知の方法により行うことができる(Using Antibodies: A Laboratory Manual (1999), Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)。本開示において、「同じエピトープに結合する」とは、2種類の抗体が結合するエピトープが少なくとも一部重複することを意味する。重複する程度は、限定されないが、少なくとも10%以上、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%重複する。
【0028】
また、IL-31RAへの結合が上記のH鎖およびL鎖各CDRの配列、H鎖可変領域およびL鎖可変領域の配列、ならびにH鎖およびL鎖全長の配列で特定された抗IL-31RA抗体と競合する抗IL-31RA抗体も、抗IL-31RA中和抗体として同様に好ましい。2種類の抗体が互いに競合するかどうかは、ELISAなどを利用した競合結合アッセイにより評価することができる。具体的には、2種類ある抗体のうち、一方の抗体を蛍光などで予め標識して、その抗体(標識抗体)の抗原への結合を検出する系を用意し、そこにもう一方の標識されていない抗体(被検抗体)を共存させた場合と共存させなかった場合とを比較して、被検抗体が共存した場合に標識抗体の抗原への結合量が低下していれば、被検抗体と標識抗体は互いに競合すると判断することができる。本開示において、競合する程度は特に限定されないが、少なくとも10%以上、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、特に好ましくは90%以上、95%以上、98%以上競合する(すなわち、他方の抗体の結合量を低下させる)。
【0029】
本開示のIL-31シグナルを阻害する抗体(例えば、抗IL-31中和抗体又は抗IL-31RA中和抗体)をコードする塩基配列やアミノ酸配列は当業者に公知の方法により得ることが可能である。本開示で記載される抗体のアミノ酸配列に含まれるアミノ酸は翻訳後に修飾(例えば、N末端のグルタミンのピログルタミル化によるピログルタミン酸への修飾は当業者によく知られた修飾である)を受ける場合もあるが、そのようにアミノ酸が翻訳後修飾された場合であっても、当然のことながら本開示で記載されているアミノ酸配列に含まれる。
【0030】
本開示における透析そう痒症は、限定はされないが、好ましくはIL-31シグナルに起因するか、IL-31によって引き起こされる透析そう痒症であってよい。また、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対して応答性を示す透析そう痒症であってよい。そのような透析そう痒症は、IL-31アンタゴニスト投与開始前における血清中のIL-31濃度が所定の値以上である患者における透析そう痒症であってよい。かかる場合、IL-31アンタゴニストの投与によって、より高いそう痒改善効果の発揮が期待できる。そのような、高いそう痒改善効果の発揮が期待できる基準となりうる所定の血清中IL-31濃度は、例えば、0.86 pg/mLであり得る。非限定の一実施態様において、本発明者らは、驚くべきことに、IL-31アンタゴニスト投与により痒みの顕著な低下が見られた透析そう痒症の患者群において、血清中IL-31濃度が、そうではない透析そう痒症の患者群と比較して、より高い濃度であることを示した。このことは、血清中IL-31濃度を指標として、IL-31アンタゴニスト(例えば、nemolizumab)による透析そう痒症及び/又はその痒みの治療または予防の有効性を予測し得ることを意味してよい。非限定的な実施態様において、当該所定の血清中IL-31濃度は、超高感度酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA; SiMoATM, Quanterix, Billerica, MA, USA)を用いて測定した場合に、例えば、0.15 pg/mL以上、0.2 pg/mL以上、0.3 pg/mL以上、0.4 pg/mL以上、0.5 pg/mL以上、0.6 pg/mL以上、0.7 pg/mL以上、0.8 pg/mL以上、0.86 pg/mL以上、0.9 pg/mL以上、1.0 pg/mL以上、1.1 pg/mL以上、1.25 pg/mL以上、1.5 pg/mL以上、1.75 pg/mL以上、2 pg/mL以上、2.25 pg/mL以上、または、2.5 pg/mL以上、またはそれ以上であり得る。
【0031】
本開示における透析そう痒症は、限定はされないが、透析そう痒に対してナルフラフィン塩酸塩を除く全身療法(抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬等)又は局所療法(保湿剤、ステロイド等)を行ったことがあり、それらの治療が十分に奏効していないそう痒症であって良い。
【0032】
透析患者におけるそう痒症の原因としては、尿毒症性物質の蓄積、カルシウム・リン代謝異常、二次性副甲状腺機能亢進症、透析膜による補体活性化やヘパリンの影響、皮膚の乾燥、アミン類(ヒスタミン、セロトニン等)や神経ペプチド(サブスタンスP等)などのかゆみメディエーターの関与、免疫系の異常、内因性オピオイドの異常など様々な要因が考えられている。しかしながらその発症メカニズムは明確にはなっていない。そのため、透析患者におけるそう痒症の治療法に統一された指針はなく、生体適合性の高い透析膜の使用や透析条件の変更、カルシウム・リン濃度の調節、二次性副甲状腺機能亢進症の治療、保湿剤やステロイド剤の塗布、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服あるいは紫外線療法などが行われているもののこれらの治療が奏効しないことも多い。日本では2009年に「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能とするナルフラフィン塩酸塩が発売されたが、ナルフラフィン塩酸塩によるそう痒症改善の程度は患者によって様々であり(山田成樹他.血液透析患者におけるそう痒症の実態とナルフラフィン塩酸塩の臨床効果-東海地区17施設における1,936例のアンケート調査-.透析会誌. 2012;45:1133-40.)、また副作用として不眠が15.8%の患者に認められている(レミッチ(登録商標)カプセル2.5μg インタビューフォーム 2013年6月改訂(第8版))ことから、治療満足度が十分ではないことが想定される。そのため、十分な有効性かつ高い安全性を有する治療法が求められている。
(1) ナルフラフィン塩酸塩内服(製品名レミッチカプセル)
通常、成人には、ナルフラフィン塩酸塩として1日1回2.5μgを夕食後又は就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて増量することができるが、1日1回5μgを限度とする。
【0033】
透析そう痒症の重症度(軽度、中等度、重度など)は、例えば、白取の重症度基準、視覚的アナログ尺度(Visual Analogue Scale、VAS)、そう痒Verbal rating scale (VRS)などの、当業者に公知の、対象が感じる痒みの程度をスコア化する分類方法に基づいて分類されてよい。
例えば、一実施態様において、かゆみの強さをVASで測定して50mm以上に分類された対象を透析そう痒症に罹患していると認定してもよいが、透析そう痒症に対してナルフラフィン塩酸塩を除く全身療法(抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬等)又は局所療法(保湿剤、ステロイド等)を行ったことがあり、それらの治療が十分に奏効していないそう痒症であれば、その対象は特に限定されない。
【0034】
本明細書における「対象」とは、限定されないが、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル(例えばカニクイザル)等)、特に好ましくはヒトであってよく、ヒトは成人(18歳以上)であってもよいし、小児(0歳~18歳未満、例えば6ヶ月~18歳未満など)であってもよい。
【0035】
一態様において、本開示は、IL-31アンタゴニストを有効成分として含む、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物(なお、「予防用及び/又は治療用医薬組成物」は、「予防剤及び/又は治療剤」に言い換えられてもよい。)に関する。
かかる場合、当該IL-31アンタゴニストは、以下に詳述する、所定の投与間隔で所定の用量(投与量)にて等量かつ同一の投与間隔で反復投与されることが意図されてよい。
【0036】
一実施態様において、本開示の医薬組成物は透析そう痒症の予防用及び/又は治療用に用いられてよい。
特定の実施態様において、本開示の医薬組成物は、IL-31アンタゴニスト投与開始前における血清中のIL-31濃度が所定の値以上である患者における透析そう痒症の予防用及び/又は治療用に用いられてよい。例示的な実施態様において、本開示の医薬組成物は、(1) 透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定すること;ならびに(2) 当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定することを含む、対象のIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答を予測する方法により、IL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定された対象にのみ投与するためのものであってよい。
かかる場合、本開示の医薬組成物の投与によって、より高いそう痒改善効果の発揮が期待できる。そのような、高いそう痒改善効果の発揮が期待できる基準となりうる、所定の血清中IL-31濃度は、例えば、0.86 pg/mLである。患者から得られた血清中のIL-31濃度は、当業者に公知の任意の手法により測定することができ、好ましい非限定的な実施態様において、当該所定の血清中IL-31濃度は、超高感度酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA; SiMoATM, Quanterix, Billerica, MA, USA)を用いて測定してよい。
【0037】
さらなる一実施態様又は別の実施態様において、本開示の医薬組成物は、透析そう痒症によって引き起こされる睡眠障害の改善用に用いられてもよい。当該睡眠障害の改善は、例えば、入眠から覚醒までの時間の増加、及び/又は、睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)の短縮によって特徴づけられてよい。
【0038】
本開示の一実施態様において、透析そう痒症の予防及び/又は治療とは、限定はされないが、そう痒症を呈している対象に薬剤等を投与等して、その症状を抑制すること、及び/又は、そう痒症を発現していた対象に薬剤等を投与等して、その症状の発現を未然に阻止するか、発現率を減少させることをいってもよい。そう痒症が改善することにより、例えば、透析患者のQOLや睡眠の質、又は生命予後の改善が期待される。
【0039】
限定はされないが、透析そう痒症に罹患している恐れのある対象とは、透析そう痒症に過去に罹患しており、症状が再燃する恐れのある対象であってもよいし、あるいは、透析そう痒症に罹患しているとの診断又は決定が医師等に下される前の、透析そう痒症を発症していると疑われている対象であってもよい。
一実施態様において、透析そう痒症の予防と治療は場合によって同義に解されてもよい。
【0040】
本実施例におけるアトピー性皮膚炎患者を対象としたIL-31アンタゴニストの単回皮下投与試験では、IL-31アンタゴニスト投与群において睡眠効率の改善が認められた。
上述のように透析そう痒症の改善は患者のQOL、睡眠の質、又は生命予後の改善のために重要であると考えられている。
したがって、非限定的な別の態様において、本開示は、IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、透析そう痒症の予防用及び/又は治療用医薬組成物であって、さらには透析そう痒症によって引き起こされる睡眠障害の改善用の、医薬組成物に関する。当該睡眠障害の改善は、例えば、入眠から覚醒までの時間の増加、及び/又は、睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)の短縮によって特徴づけられてよい。あるいは、非限定的なさらなる態様又は非限定的な別の態様において、本開示は透析そう痒症によって引き起こされるQOLの改善用の医薬組成物に関する。あるいは、非限定的なさらなる態様又は非限定的な別の態様において、本開示は透析そう痒症によって引き起こされる生命予後の改善用の医薬組成物に関する。
【0041】
本明細書において、等量かつ同一の投与間隔での反復投与とは、本開示におけるIL-31アンタゴニストが初めて対象に投与される投与量(初回用量)と、その後に投与される継続用量(すなわち、初回用量を投与された以降に継続して投与される用量)とが、等量であり、かつ、投与間隔(各投与の間隔)を等しくして投与されることを意図している。すなわち、例えば、初回用量の投与と1回目の継続用量の投与との間隔、・・・n回目(nは1以上の整数)の継続用量の投与とn+1回目の継続用量の投与との間隔とが全て等しく、かつ、用量が等量であることを意味する。決定された投与間隔(例えば、投与間隔を4週毎と決定した場合には、4週毎)において、各投与間隔に対して「許容範囲」が伴い得ることが当業者には当然に理解され、当業者は当該許容範囲を適宜決定できる。
【0042】
一実施態様において、本開示において、反復投与の回数としては、例えば、初回用量に続いて、継続用量での投与を、限定はされないが、例えば、1回~10000回以上、より具体的には例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、・・・15回、・・・20回、・・・25回、・・・35回、・・・40回、・・・50回、・・・60回、・・・70回、・・・80回、・・・90回、・・・100回、・・・500回、・・・1000回、・・・10000回、・・・、行うことが意味されてよい。
【0043】
一実施態様において、本開示の医薬組成物又はIL-31アンタゴニストの投与間隔としては、最小期間は1日以上~最大期間は12週間以下であることが企図され、具体的には、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、10日、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、1カ月、2カ月、又は3カ月であってよい。また、投与間隔は別の表現で表すことができ、例えば、1日に1回~12週間に1回と記載することもできるし、あるいは、1日毎~12週間毎と記載することもできる。
【0044】
本開示において、投与量(用量)は、例えばmg/kg以外にも、体重換算用量に相当する固定用量(mg/body)、あるいは体表面積換算用量(mg/m2)などで表してもよい。
例えば、本開示におけるIL-31アンタゴニストを透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に対して固定用量(mg/body)で投与することが意図される場合には、本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与量を、mg/kgからmg/bodyへ換算し、適当な投与量(mg/body)を設定して、対象に投与してもよい。この際、mg/kgからmg/bodyへの換算ロジックとしては、限定はされないが、当業者公知のロジックを用いて適宜決定してよい。そのようなロジックの一例としては以下が考えられ得る:
本開示におけるIL-31アンタゴニストの最低有効血清中濃度と最大忍容(経験)血清中濃度が存在すると仮定し、この濃度範囲に血清中IL-31アンタゴニスト濃度が体重にかかわらず得られるように、mg/kgの投与量からmg/bodyの投与量への変更を検討してよい。そのような対象は、例えば体重が100kg未満又は120kg未満である対象であってよい。限定はされないが、高体重(例えば体重が100kg超又は120kg超)の対象に対してはmg/bodyでの投与量を場合により増大させてもよい。また、低体重の小児用の投与量はmg/bodyでは曝露が著しく増大する可能性がある場合には、mg/kgでの投与を検討してもよい。
あるいは、統計資料等に基づき、一般的な透析そう痒症患者の体重を想定し、当該想定体重に基づき、「体重あたり投与量 x 想定体重 = 固定用量」の計算式により、体重あたりの投与量(mg/kg)を固定用量(mg/body)に換算してもよい。例えば、成人一人あたりの想定体重を例えば60kgとして、体重あたり投与量(0.5mg/kg)から固定用量を30mg/bodyと算出してもよい。同様に、小児一人あたりの想定体重を例えば30kgとして、体重あたり投与量体重あたり投与量(0.5mg/kg)固定用量を15mg/bodyと算出してもよい。
【0045】
非限定的な一実施態様において、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象、例えば、ヒトの成人及び/又は小児には、0.1mg~1000mg/body、例えば、0.2mg~360mg/body、好ましくは、例えば、5mg~100mg/body、5mg~75mg/body、5mg~50mg/body、5mg~25mg/body、5mg~20mg/body、10mg~100mg/body、10mg~75mg/body、10mg~50mg/body、10mg~40mg/body、10mg~39.5mg/body、10mg~39mg/body、10mg~38.5mg/body、10mg~38mg/body、10mg~37.5mg/body、15mg~100mg/body、15mg~75mg/body、15mg~50mg/body、15mg~40mg/body、15mg~39.5mg/body、15mg~39mg/body、15mg~38.5mg/body、15mg~38mg/body、15mg~37.5mg/body、17.5mg~100mg/body、17.5mg~75mg/body、17.5mg~50mg/body、17.5mg~40mg/body、17.5mg~39.5mg/body、17.5mg~39mg/body、17.5mg~38.5mg/body、17.5mg~38mg/body、17.5mg~37.5mg/body、20mg~100mg/body、20mg~75mg/body、20mg~50mg/body、20mg~40mg/body、20mg~39.5mg/body、20mg~39mg/body、20mg~38.5mg/body、20mg~38mg/body、20mg~37.5mg/body、22.5mg~100mg/body、22.5mg~75mg/body、22.5mg~50mg/body、22.5mg~40mg/body、22.5mg~39.5mg/body、22.5mg~39mg/body、22.5mg~38.5mg/body、22.5mg~38mg/body、22.5mg~37.5mg/body、25mg~500mg/body、25mg~200mg/body、25mg~120mg/body、25mg~110mg/body、25mg~100mg/body、25mg~90mg/body、25mg~80mg/body、25mg~79mg/body、25mg~78mg/body、25mg~77mg/body、25mg~76mg/body、25mg~75mg/body、25mg~74mg/body、25mg~73mg/body、25mg~72mg/body、25mg~71mg/body、25mg~70mg/body、25mg~50mg/body、30mg~50mg/body、30mg~75mg/body、30mg~100mg/body、30mg~150mg/body、30mg~200mg/body、30mg~250mg/body、30mg~300mg/body、40mg~70mg/body、40mg~71mg/body、40mg~72mg/body、40mg~73mg/body、40mg~74mg/body、40mg~75mg/body、40mg~76mg/body、40mg~77mg/body、40mg~78mg/body、40mg~79mg/body、40mg~80mg/body、40mg~90mg/body、40mg~100mg/body、40mg~110mg/body、40mg~120mg/body、42.5mg~70mg/body、42.5mg~71mg/body、42.5mg~72mg/body、42.5mg~73mg/body、42.5mg~74mg/body、42.5mg~75mg/body、42.5mg~76mg/body、42.5mg~77mg/body、42.5mg~78mg/body、42.5mg~79mg/body、42.5mg~80mg/body、42.5mg~90mg/body、42.5mg~100mg/body、42.5mg~110mg/body、42.5mg~120mg/body、45mg~70mg/body、45mg~71mg/body、45mg~72mg/body、45mg~73mg/body、45mg~74mg/body、45mg~75mg/body、45mg~76mg/body、45mg~77mg/body、45mg~78mg/body、45mg~79mg/body、45mg~80mg/body、45mg~90mg/body、45mg~100mg/body、45mg~110mg/body、45mg~120mg/body、47.5mg~70mg/body、47.5mg~71mg/body、47.5mg~72mg/body、47.5mg~73mg/body、47.5mg~74mg/body、47.5mg~75mg/body、47.5mg~76mg/body、47.5mg~77mg/body、47.5mg~78mg/body、47.5mg~79mg/body、47.5mg~80mg/body、47.5mg~90mg/body、47.5mg~100mg/body、47.5mg~110mg/body、47.5mg~120mg/body、50mg~70mg/body、50mg~71mg/body、50mg~72mg/body、50mg~73mg/body、50mg~74mg/body、50mg~75mg/body、50mg~76mg/body、50mg~77mg/body、50mg~78mg/body、50mg~79mg/body、50mg~80mg/body、50mg~90mg/body、50mg~100mg/body、50mg~110mg/body、50mg~120mg/body、50mg~150mg/body、50mg~200mg/body、50mg~250mg/body、50mg~300mg/body、52.5mg~70mg/body、52.5mg~71mg/body、52.5mg~72mg/body、52.5mg~73mg/body、52.5mg~74mg/body、52.5mg~75mg/body、52.5mg~76mg/body、52.5mg~77mg/body、52.5mg~78mg/body、52.5mg~79mg/body、52.5mg~80mg/body、52.5mg~90mg/body、52.5mg~100mg/body、52.5mg~110mg/body、52.5mg~120mg/body、75mg~100mg/body、75mg~150mg/body、75mg~200mg/body、75mg~250mg/body、75mg~300mg/body、100mg~150mg/body、100mg~200mg/body、100mg~250mg/body、100mg~300mg/body、150mg~200mg/body、150mg~250mg/body、150mg~300mg/body、200mg~250mg/body、200mg~300mg/body等の中から選択される一点の投与量を、本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与量として選択して、上述した投与間隔で、等量かつ同一の投与間隔で反復投与してよい。なお、疑義を避けるために明記するが、例えば、50mg~200mg/bodyの記載に触れた当業者は、直接かつ一義的に、例えば、50mg/body、50.5 mg/body、51 mg/body、51.5mg/body、52mg/body、52.5mg/body、53mg/body、53.5mg/body、54mg/body、54.5mg/body、55mg/body、55.5mg/body、56 mg/body、56.5 mg/body、57 mg/body、57.5 mg/body、58 mg/body、58.5 mg/body、59 mg/body、59.5 mg/body、60mg/body、60.5mg/body、61mg/body、61.5mg/body、62mg/body、62.5 mg/body、63 mg/body、63.5 mg/body、64 mg/body、64.5 mg/body、65 mg/body、65.5 mg/body、66 mg/body、66.5 mg/body、67 mg/body、67.5 mg/body、68 mg/body、68.5 mg/body、69 mg/body、69.5 mg/body、70 mg/body、70.5 mg/body、71 mg/body、71.5 mg/body、72 mg/body、72.5 mg/body、73 mg/body、73.5 mg/body、74 mg/body、74.5 mg/body、75 mg/body、75.5 mg/body、76 mg/body、76.5 mg/body、77 mg/body、77.5 mg/body、78 mg/body、78.5 mg/body、79 mg/body、79.5 mg/body、80 mg/body、80.5 mg/body、81 mg/body、81.5 mg/body、82 mg/body、82.5 mg/body、83 mg/body、83.5 mg/body、84 mg/body、84.5 mg/body、85 mg/body、85.5 mg/body、86 mg/body、86.5 mg/body、87 mg/body、87.5 mg/body、88 mg/body、88.5 mg/body、89 mg/body、89.5 mg/body、90 mg/body、90.5 mg/body、91 mg/body、91.5 mg/body、92 mg/body、92.5 mg/body、93 mg/body、93.5 mg/body、94 mg/body、94.5 mg/body、95 mg/body、95.5 mg/body、96 mg/body、96.5 mg/body、97 mg/body、97.5 mg/body、98 mg/body、98.5 mg/body、99 mg/body、99.5 mg/body、100 mg/body、100.5 mg/body、101 mg/body、101.5 mg/body、102 mg/body、102.5 mg/body、103 mg/body、103.5 mg/body、104 mg/body、104.5 mg/body、105 mg/body、105.5 mg/body、106 mg/body、106.5 mg/body、107 mg/body、107.5 mg/body、108 mg/body、108.5 mg/body、109 mg/body、109.5 mg/body、110 mg/body、110.5 mg/body、111 mg/body、111.5 mg/body、112 mg/body、112.5 mg/body、113 mg/body、113.5 mg/body、114 mg/body、114.5 mg/body、115 mg/body、115.5 mg/body、116 mg/body、116.5 mg/body、117 mg/body、117.5 mg/body、118 mg/body、118.5 mg/body、119 mg/body、119.5 mg/body、120 mg/body、120.5 mg/body、121 mg/body、121.5 mg/body、122 mg/body、122.5 mg/body、123 mg/body、123.5 mg/body、124 mg/body、124.5 mg/body、125 mg/body、125.5 mg/body、126 mg/body、126.5 mg/body、127 mg/body、127.5 mg/body、128 mg/body、128.5 mg/body、129 mg/body、129.5 mg/body、130 mg/body、130.5 mg/body、131 mg/body、131.5 mg/body、132 mg/body、132.5 mg/body、133 mg/body、133.5 mg/body、134 mg/body、134.5 mg/body、135 mg/body、135.5 mg/body、136 mg/body、136.5 mg/body、137 mg/body、137.5 mg/body、138 mg/body、138.5 mg/body、139 mg/body、139.5 mg/body、140 mg/body、140.5 mg/body、141 mg/body、141.5 mg/body、142 mg/body、142.5 mg/body、143 mg/body、143.5 mg/body、144 mg/body、144.5 mg/body、145 mg/body、145.5 mg/body、146 mg/body、146.5 mg/body、147 mg/body、147.5 mg/body、148 mg/body、148.5 mg/body、149 mg/body、149.5 mg/body、150 mg/body、150.5 mg/body、151 mg/body、151.5 mg/body、152 mg/body、152.5 mg/body、153 mg/body、153.5 mg/body、154 mg/body、154.5 mg/body、155 mg/body、155.5 mg/body、156 mg/body、156.5 mg/body、157 mg/body、157.5 mg/body、158 mg/body、158.5 mg/body、159 mg/body、159.5 mg/body、160 mg/body、160.5 mg/body、161 mg/body、161.5 mg/body、162 mg/body、162.5 mg/body、163 mg/body、163.5 mg/body、164 mg/body、164.5 mg/body、165 mg/body、165.5 mg/body、166 mg/body、166.5 mg/body、167 mg/body、167.5 mg/body、168 mg/body、168.5 mg/body、169 mg/body、169.5 mg/body、170 mg/body、170.5 mg/body、171 mg/body、171.5 mg/body、172 mg/body、172.5 mg/body、173 mg/body、173.5 mg/body、174 mg/body、174.5 mg/body、175 mg/body、175.5 mg/body、176 mg/body、176.5 mg/body、177 mg/body、177.5 mg/body、178 mg/body、178.5 mg/body、179 mg/body、179.5 mg/body、180 mg/body、180.5 mg/body、181 mg/body、181.5 mg/body、182 mg/body、182.5 mg/body、183 mg/body、183.5 mg/body、184 mg/body、184.5 mg/body、185 mg/body、185.5 mg/body、186 mg/body、186.5 mg/body、187 mg/body、187.5 mg/body、188 mg/body、188.5 mg/body、189 mg/body、189.5 mg/body、190 mg/body、190.5 mg/body、191 mg/body、191.5 mg/body、192 mg/body、192.5 mg/body、193 mg/body、193.5 mg/body、194 mg/body、194.5 mg/body、195 mg/body、195.5 mg/body、196 mg/body、196.5 mg/body、197 mg/body、197.5 mg/body、198 mg/body、198.5 mg/body、199 mg/body、199.5 mg/body、200mg/body等の値が個別具体的に記載されていることを当然に理解できる。
【0046】
あるいは、非限定的な別の実施態様において、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象、例えばヒトの成人及び/又は小児には、0.01mg~10mg/kg、例えば、0.05mg~7.5mg/kg、0.075mg~5mg/kg、又は、0.1mg~3mg/kg、好ましくは、例えば、0.1mg~0.25mg/kg、0.1mg~0.3mg/kg、0.1mg~0.5mg/kg、0.1mg~0.75mg/kg、0.1mg~1mg/kg、0.1mg~1.5mg/kg、0.1mg~2mg/kg、0.1mg~3mg/kg、0.125mg~0.25mg/kg、0.125mg~0.3mg/kg、0.125mg~0.5mg/kg、0.125mg~0.75mg/kg、0.125mg~1mg/kg、0.125mg~1.5mg/kg、0.125mg~2mg/kg、0.125mg~3mg/kg、0.2mg~0.3mg/kg、0.2mg~0.5mg/kg、0.2mg~0.75mg/kg、0.2mg~1mg/kg、0.2mg~1.5mg/kg、0.2mg~2mg/kg、0.2mg~3mg/kg、0.25mg~0.3mg/kg、0.25mg~0.5mg/kg、0.25mg~0.75mg/kg、0.25mg~1mg/kg、0.25mg~1.5mg/kg、0.25mg~2mg/kg、0.25mg~3mg/kg、0.3mg~0.5mg/kg、0.3mg~0.75mg/kg、0.3mg~1mg/kg、0.3mg~1.5mg/kg、0.3mg~2mg/kg、0.3mg~3mg/kg、0.5mg~0.75mg/kg、0.5mg~1mg/kg、0.5mg~1.5mg/kg、0.5mg~2mg/kg、0.5mg~3mg/kg、0.75mg~1mg/kg、0.75mg~1.5mg/kg、0.75mg~2mg/kg、0.75mg~3mg/kg、1mg~1.5mg/kg、1mg~2mg/kg、1mg~3mg/kg、1.5mg~2mg/kg、1.5mg~3mg/kg、2mg~3mg/kg、0.15mg~2.9mg/kg、0.2mg~2.8mg/kg、0.25mg~2.7mg/kg、0.3mg~2.6mg/kg、0.35mg~2.5mg/kg、0.4mg~2.4mg/kg、0.425mg~2.3mg/kg、0.45mg~2.2mg/kg、0.475mg~2.1mg/kg、0.5mg~2mg/kg、又は、0.5mg~1.5mg/kgの中から選択される一点の投与量を、本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与量として選択して、上述した投与間隔で、等量かつ同一の投与間隔で反復投与してよい。なお、疑義を避けるために明記するが、例えば、0.1mg~3mg/kgの記載に触れた当業者は、直接かつ一義的に、例えば、0.1mg/kg、0.11mg/kg、0.12mg/kg、0.125mg/kg、0.13mg/kg、0.14mg/kg、0.15mg/kg、0.16mg/kg、0.17mg/kg、0.18mg/kg、0.19mg/kg、0.2mg/kg、0.21mg/kg、0.22mg/kg、0.23mg/kg、0.24mg/kg、0.25mg/kg、0.26mg/kg、0.27mg/kg、0.28mg/kg、0.29mg/kg、0.3mg/kg、0.31mg/kg、0.32mg/kg、0.33mg/kg、0.34mg/kg、0.35mg/kg、0.36mg/kg、0.37mg/kg、0.38mg/kg、0.39mg/kg、0.4mg/kg、0.41mg/kg、0.42mg/kg、0.43mg/kg、0.44mg/kg、0.45mg/kg、0.46mg/kg、0.47mg/kg、0.48mg/kg、0.49mg/kg、0.5mg/kg、0.51mg/kg、0.52mg/kg、0.53mg/kg、0.54mg/kg、0.55mg/kg、0.56mg/kg、0.57mg/kg、0.58mg/kg、0.59mg/kg、0.6mg/kg、0.61mg/kg、0.62mg/kg、0.63mg/kg、0.64mg/kg、0.65mg/kg、0.66mg/kg、0.67mg/kg、0.68mg/kg、0.69mg/kg、0.7mg/kg、0.71mg/kg、0.72mg/kg、0.73mg/kg、0.74mg/kg、0.75mg/kg、0.76mg/kg、0.77mg/kg、0.78mg/kg、0.79mg/kg、0.8mg/kg、0.81mg/kg、0.82mg/kg、0.83mg/kg、0.84mg/kg、0.85mg/kg、0.86mg/kg、0.87mg/kg、0.88mg/kg、0.89mg/kg、0.9mg/kg、0.91mg/kg、0.92mg/kg、0.93mg/kg、0.94mg/kg、0.95mg/kg、0.96mg/kg、0.97mg/kg、0.98mg/kg、0.99mg/kg、1mg/kg、1.01mg/kg、1.02mg/kg、1.03mg/kg、1.04mg/kg、1.05mg/kg、1.06mg/kg、1.07mg/kg、1.08mg/kg、1.09mg/kg、1.1mg/kg、1.11mg/kg、1.12mg/kg、1.13mg/kg、1.14mg/kg、1.15mg/kg、1.16mg/kg、1.17mg/kg、1.18mg/kg、1.19mg/kg、1.2mg/kg、1.21mg/kg、1.22mg/kg、1.23mg/kg、1.24mg/kg、1.25mg/kg、1.26mg/kg、1.27mg/kg、1.28mg/kg、1.29mg/kg、1.3mg/kg、1.31mg/kg、1.32mg/kg、1.33mg/kg、1.34mg/kg、1.35mg/kg、1.36mg/kg、1.37mg/kg、1.38mg/kg、1.39mg/kg、1.4mg/kg、1.41mg/kg、1.42mg/kg、1.43mg/kg、1.44mg/kg、1.45mg/kg、1.46mg/kg、1.47mg/kg、1.48mg/kg、1.49mg/kg、1.5mg/kg、1.51mg/kg、1.52mg/kg、1.53mg/kg、1.54mg/kg、1.55mg/kg、1.56mg/kg、1.57mg/kg、1.58mg/kg、1.59mg/kg、1.6mg/kg、1.61mg/kg、1.62mg/kg、1.63mg/kg、1.64mg/kg、1.65mg/kg、1.66mg/kg、1.67mg/kg、1.68mg/kg、1.69mg/kg、1.7mg/kg、1.71mg/kg、1.72mg/kg、1.73mg/kg、1.74mg/kg、1.75mg/kg、1.76mg/kg、1.77mg/kg、1.78mg/kg、1.79mg/kg、1.8mg/kg、1.81mg/kg、1.82mg/kg、1.83mg/kg、1.84mg/kg、1.85mg/kg、1.86mg/kg、1.87mg/kg、1.88mg/kg、1.89mg/kg、1.9mg/kg、1.91mg/kg、1.92mg/kg、1.93mg/kg、1.94mg/kg、1.95mg/kg、1.96mg/kg、1.97mg/kg、1.98mg/kg、1.99mg/kg、2mg/kg、2.01mg/kg、2.02mg/kg、2.03mg/kg、2.04mg/kg、2.05mg/kg、2.06mg/kg、2.07mg/kg、2.08mg/kg、2.09mg/kg、2.1mg/kg、2.11mg/kg、2.12mg/kg、2.13mg/kg、2.14mg/kg、2.15mg/kg、2.16mg/kg、2.17mg/kg、2.18mg/kg、2.19mg/kg、2.2mg/kg、2.21mg/kg、2.22mg/kg、2.23mg/kg、2.24mg/kg、2.25mg/kg、2.26mg/kg、2.27mg/kg、2.28mg/kg、2.29mg/kg、2.3mg/kg、2.31mg/kg、2.32mg/kg、2.33mg/kg、2.34mg/kg、2.35mg/kg、2.36mg/kg、2.37mg/kg、2.38mg/kg、2.39mg/kg、2.4mg/kg、2.41mg/kg、2.42mg/kg、2.43mg/kg、2.44mg/kg、2.45mg/kg、2.46mg/kg、2.47mg/kg、2.48mg/kg、2.49mg/kg、2.5mg/kg、2.51mg/kg、2.52mg/kg、2.53mg/kg、2.54mg/kg、2.55mg/kg、2.56mg/kg、2.57mg/kg、2.58mg/kg、2.59mg/kg、2.6mg/kg、2.61mg/kg、2.62mg/kg、2.63mg/kg、2.64mg/kg、2.65mg/kg、2.66mg/kg、2.67mg/kg、2.68mg/kg、2.69mg/kg、2.7mg/kg、2.71mg/kg、2.72mg/kg、2.73mg/kg、2.74mg/kg、2.75mg/kg、2.76mg/kg、2.77mg/kg、2.78mg/kg、2.79mg/kg、2.8mg/kg、2.81mg/kg、2.82mg/kg、2.83mg/kg、2.84mg/kg、2.85mg/kg、2.86mg/kg、2.87mg/kg、2.88mg/kg、2.89mg/kg、2.9mg/kg、2.91mg/kg、2.92mg/kg、2.93mg/kg、2.94mg/kg、2.95mg/kg、2.96mg/kg、2.97mg/kg、2.98mg/kg、2.99mg/kg、3mg/kg等の値が個別具体的に記載されていることを当然に理解する。
【0047】
このようにして、本開示におけるIL-31アンタゴニストの、所定の投与間隔及び所定の用量(投与量)での等量かつ同一の投与間隔での反復投与の態様としては、「0.1mg~1000mg/body/1日~12週」で投与されてよい。ここで、本明細書において、例えば、「0.1mg~1000mg/body/1日~12週」とは、0.1mg~1000mgの中から選択される一点の投与量を、本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与量(例えば100mg/body)として選択し、1日~12週のうちから選択される任意の一点の投与間隔を、本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与間隔(例えば4週)として選択して、対象に対して等量かつ同一の投与間隔で反復投与されることが企図される。例示として、「100mg/body/4週」とは、100mg/bodyの本開示におけるIL-31アンタゴニストが4週毎に対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与されることが企図されている。限定はされないが、本開示におけるIL-31アンタゴニストの、所定の投与間隔及び所定の用量(投与量)での等量かつ同一の投与間隔での反復投与の態様としては、0.1mg~1000mg/body/2週~8週であることが好ましく、それは例えば、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、0.1mg~1000mg/body/6週、又は0.1mg~1000mg/body/8週であってよい。あるいは、0.2mg~360mg/body/2週~8週であることがより好ましく、それは例えば、0.2mg~360mg/body/2週、0.2mg~360mg/body/4週、0.2mg~360mg/body/6週、又は、0.2mg~360mg/body/8週であってよい。あるいは、一例として、10mg~200mg/body/2週~8週であることがいっそう好ましく、それは例えば、10mg~200mg/body/2週、10mg~200mg/body/4週、10mg~200mg/body/6週、又は、10mg~200mg/body/8週であってよい。あるいは、一例として、10mg~100mg/body/2週~8週であることがよりいっそう好ましく、それは例えば、10mg~100mg/body/2週、10mg~100mg/body/4週、10mg~100mg/body/6週、又は、10mg~100mg/body/8週であってよい。あるいは、一例として、25mg~100mg/body/4週、25mg~80mg/body/4週、25mg~75mg/body/4週、50mg~100mg/body/4週、50mg~80mg/body/4週又は50mg~75mg/body/4週、あるいは、10mg~50mg/body/2週又は20mg~40mg/body/2週であってよい。非限定的な一実施態様において、それは例えば、5mg/body/4週、10mg/body/4週、15mg/body/4週、20mg/body/4週、25mg/body/4週、30mg/body/4週、50mg/body/4週、50.5mg/body/4週、51mg/body/4週、51.5mg/body/4週、52mg/body/4週、52.5mg/body/4週、53mg/body/4週、53.5mg/body/4週、54mg/body/4週、54.5mg/body/4週、55mg/body/4週、55.5mg/body/4週、56mg/body/4週、56.5mg/body/4週、57mg/body/4週、57.5mg/body/4週、58mg/body/4週、58.5mg/body/4週、59mg/body/4週、59.5mg/body/4週、60mg/body/4週、60.5mg/body/4週、61mg/body/4週、61.5mg/body/4週、62mg/body/4週、62.5mg/body/4週、63mg/body/4週、63.5mg/body/4週、64mg/body/4週、64.5mg/body/4週、65mg/body/4週、65.5mg/body/4週、66mg/body/4週、66.5mg/body/4週、67mg/body/4週、67.5mg/body/4週、68mg/body/4週、68.5mg/body/4週、69mg/body/4週、69.5mg/body/4週、70mg/body/4週、70.5mg/body/4週、71mg/body/4週、71.5mg/body/4週、72mg/body/4週、72.5mg/body/4週、73mg/body/4週、73.5mg/body/4週、74mg/body/4週、74.5mg/body/4週、75mg/body/4週、75.5mg/body/4週、76mg/body/4週、76.5mg/body/4週、77mg/body/4週、77.5mg/body/4週、78mg/body/4週、78.5mg/body/4週、79mg/body/4週、79.5mg/body/4週、80mg/body/4週、80.5mg/body/4週、81mg/body/4週、81.5mg/body/4週、82mg/body/4週、82.5mg/body/4週、83mg/body/4週、83.5mg/body/4週、84mg/body/4週、84.5mg/body/4週、85mg/body/4週、85.5mg/body/4週、86mg/body/4週、86.5mg/body/4週、87mg/body/4週、87.5mg/body/4週、88mg/body/4週、88.5mg/body/4週、89mg/body/4週、89.5mg/body/4週、90mg/body/4週、90.5mg/body/4週、91mg/body/4週、91.5mg/body/4週、92mg/body/4週、92.5mg/body/4週、93mg/body/4週、93.5mg/body/4週、94mg/body/4週、94.5mg/body/4週、95mg/body/4週、95.5mg/body/4週、96mg/body/4週、96.5mg/body/4週、97mg/body/4週、97.5mg/body/4週、98mg/body/4週、98.5mg/body/4週、99mg/body/4週、99.5mg/body/4週、100mg/body/4週、100.5mg/body/4週、101mg/body/4週、101.5mg/body/4週、102mg/body/4週、102.5mg/body/4週、103mg/body/4週、103.5mg/body/4週、104mg/body/4週、104.5mg/body/4週、105mg/body/4週、105.5mg/body/4週、106mg/body/4週、106.5mg/body/4週、107mg/body/4週、107.5mg/body/4週、108mg/body/4週、108.5mg/body/4週、109mg/body/4週、109.5mg/body/4週、110mg/body/4週、110.5mg/body/4週、111mg/body/4週、111.5mg/body/4週、112mg/body/4週、112.5mg/body/4週、113mg/body/4週、113.5mg/body/4週、114mg/body/4週、114.5mg/body/4週、115mg/body/4週、115.5mg/body/4週、116mg/body/4週、116.5mg/body/4週、117mg/body/4週、117.5mg/body/4週、118mg/body/4週、118.5mg/body/4週、119mg/body/4週、119.5mg/body/4週、120mg/body/4週、120.5mg/body/4週、121mg/body/4週、121.5mg/body/4週、122mg/body/4週、122.5mg/body/4週、123mg/body/4週、123.5mg/body/4週、124mg/body/4週、124.5mg/body/4週、125mg/body/4週、125.5mg/body/4週、126mg/body/4週、126.5mg/body/4週、127mg/body/4週、127.5mg/body/4週、128mg/body/4週、128.5mg/body/4週、129mg/body/4週、129.5mg/body/4週、130mg/body/4週、130.5mg/body/4週、131mg/body/4週、131.5mg/body/4週、132mg/body/4週、132.5mg/body/4週、133mg/body/4週、133.5mg/body/4週、134mg/body/4週、134.5mg/body/4週、135mg/body/4週、135.5mg/body/4週、136mg/body/4週、136.5mg/body/4週、137mg/body/4週、137.5mg/body/4週、138mg/body/4週、138.5mg/body/4週、139mg/body/4週、139.5mg/body/4週、140mg/body/4週、140.5mg/body/4週、141mg/body/4週、141.5mg/body/4週、142mg/body/4週、142.5mg/body/4週、143mg/body/4週、143.5mg/body/4週、144mg/body/4週、144.5mg/body/4週、145mg/body/4週、145.5mg/body/4週、146mg/body/4週、146.5mg/body/4週、147mg/body/4週、147.5mg/body/4週、148mg/body/4週、148.5mg/body/4週、149mg/body/4週、149.5mg/body/4週、150mg/body/4週、150.5mg/body/4週、151mg/body/4週、151.5mg/body/4週、152mg/body/4週、152.5mg/body/4週、153mg/body/4週、153.5mg/body/4週、154mg/body/4週、154.5mg/body/4週、155mg/body/4週、155.5mg/body/4週、156mg/body/4週、156.5mg/body/4週、157mg/body/4週、157.5mg/body/4週、158mg/body/4週、158.5mg/body/4週、159mg/body/4週、159.5mg/body/4週、160mg/body/4週、160.5mg/body/4週、161mg/body/4週、161.5mg/body/4週、162mg/body/4週、162.5mg/body/4週、163mg/body/4週、163.5mg/body/4週、164mg/body/4週、164.5mg/body/4週、165mg/body/4週、165.5mg/body/4週、166mg/body/4週、166.5mg/body/4週、167mg/body/4週、167.5mg/body/4週、168mg/body/4週、168.5mg/body/4週、169mg/body/4週、169.5mg/body/4週、170mg/body/4週、170.5mg/body/4週、171mg/body/4週、171.5mg/body/4週、172mg/body/4週、172.5mg/body/4週、173mg/body/4週、173.5mg/body/4週、174mg/body/4週、174.5mg/body/4週、175mg/body/4週、175.5mg/body/4週、176mg/body/4週、176.5mg/body/4週、177mg/body/4週、177.5mg/body/4週、178mg/body/4週、178.5mg/body/4週、179mg/body/4週、179.5mg/body/4週、180mg/body/4週、180.5mg/body/4週、181mg/body/4週、181.5mg/body/4週、182mg/body/4週、182.5mg/body/4週、183mg/body/4週、183.5mg/body/4週、184mg/body/4週、184.5mg/body/4週、185mg/body/4週、185.5mg/body/4週、186mg/body/4週、186.5mg/body/4週、187mg/body/4週、187.5mg/body/4週、188mg/body/4週、188.5mg/body/4週、189mg/body/4週、189.5mg/body/4週、190mg/body/4週、190.5mg/body/4週、191mg/body/4週、191.5mg/body/4週、192mg/body/4週、192.5mg/body/4週、193mg/body/4週、193.5mg/body/4週、194mg/body/4週、194.5mg/body/4週、195mg/body/4週、195.5mg/body/4週、196mg/body/4週、196.5mg/body/4週、197mg/body/4週、197.5mg/body/4週、198mg/body/4週、198.5mg/body/4週、199mg/body/4週、199.5mg/body/4週、200mg/body/4週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、50mg/body/6週、50.5mg/body/6週、51mg/body/6週、51.5mg/body/6週、52mg/body/6週、52.5mg/body/6週、53mg/body/6週、53.5mg/body/6週、54mg/body/6週、54.5mg/body/6週、55mg/body/6週、55.5mg/body/6週、56mg/body/6週、56.5mg/body/6週、57mg/body/6週、57.5mg/body/6週、58mg/body/6週、58.5mg/body/6週、59mg/body/6週、59.5mg/body/6週、60mg/body/6週、60.5mg/body/6週、61mg/body/6週、61.5mg/body/6週、62mg/body/6週、62.5mg/body/6週、63mg/body/6週、63.5mg/body/6週、64mg/body/6週、64.5mg/body/6週、65mg/body/6週、65.5mg/body/6週、66mg/body/6週、66.5mg/body/6週、67mg/body/6週、67.5mg/body/6週、68mg/body/6週、68.5mg/body/6週、69mg/body/6週、69.5mg/body/6週、70mg/body/6週、70.5mg/body/6週、71mg/body/6週、71.5mg/body/6週、72mg/body/6週、72.5mg/body/6週、73mg/body/6週、73.5mg/body/6週、74mg/body/6週、74.5mg/body/6週、75mg/body/6週、75.5mg/body/6週、76mg/body/6週、76.5mg/body/6週、77mg/body/6週、77.5mg/body/6週、78mg/body/6週、78.5mg/body/6週、79mg/body/6週、79.5mg/body/6週、80mg/body/6週、80.5mg/body/6週、81mg/body/6週、81.5mg/body/6週、82mg/body/6週、82.5mg/body/6週、83mg/body/6週、83.5mg/body/6週、84mg/body/6週、84.5mg/body/6週、85mg/body/6週、85.5mg/body/6週、86mg/body/6週、86.5mg/body/6週、87mg/body/6週、87.5mg/body/6週、88mg/body/6週、88.5mg/body/6週、89mg/body/6週、89.5mg/body/6週、90mg/body/6週、90.5mg/body/6週、91mg/body/6週、91.5mg/body/6週、92mg/body/6週、92.5mg/body/6週、93mg/body/6週、93.5mg/body/6週、94mg/body/6週、94.5mg/body/6週、95mg/body/6週、95.5mg/body/6週、96mg/body/6週、96.5mg/body/6週、97mg/body/6週、97.5mg/body/6週、98mg/body/6週、98.5mg/body/6週、99mg/body/6週、99.5mg/body/6週、100mg/body/6週、100.5mg/body/6週、101mg/body/6週、101.5mg/body/6週、102mg/body/6週、102.5mg/body/6週、103mg/body/6週、103.5mg/body/6週、104mg/body/6週、104.5mg/body/6週、105mg/body/6週、105.5mg/body/6週、106mg/body/6週、106.5mg/body/6週、107mg/body/6週、107.5mg/body/6週、108mg/body/6週、108.5mg/body/6週、109mg/body/6週、109.5mg/body/6週、110mg/body/6週、110.5mg/body/6週、111mg/body/6週、111.5mg/body/6週、112mg/body/6週、112.5mg/body/6週、113mg/body/6週、113.5mg/body/6週、114mg/body/6週、114.5mg/body/6週、115mg/body/6週、115.5mg/body/6週、116mg/body/6週、116.5mg/body/6週、117mg/body/6週、117.5mg/body/6週、118mg/body/6週、118.5mg/body/6週、119mg/body/6週、119.5mg/body/6週、120mg/body/6週、120.5mg/body/6週、121mg/body/6週、121.5mg/body/6週、122mg/body/6週、122.5mg/body/6週、123mg/body/6週、123.5mg/body/6週、124mg/body/6週、124.5mg/body/6週、125mg/body/6週、125.5mg/body/6週、126mg/body/6週、126.5mg/body/6週、127mg/body/6週、127.5mg/body/6週、128mg/body/6週、128.5mg/body/6週、129mg/body/6週、129.5mg/body/6週、130mg/body/6週、130.5mg/body/6週、131mg/body/6週、131.5mg/body/6週、132mg/body/6週、132.5mg/body/6週、133mg/body/6週、133.5mg/body/6週、134mg/body/6週、134.5mg/body/6週、135mg/body/6週、135.5mg/body/6週、136mg/body/6週、136.5mg/body/6週、137mg/body/6週、137.5mg/body/6週、138mg/body/6週、138.5mg/body/6週、139mg/body/6週、139.5mg/body/6週、140mg/body/6週、140.5mg/body/6週、141mg/body/6週、141.5mg/body/6週、142mg/body/6週、142.5mg/body/6週、143mg/body/6週、143.5mg/body/6週、144mg/body/6週、144.5mg/body/6週、145mg/body/6週、145.5mg/body/6
週、146mg/body/6週、146.5mg/body/6週、147mg/body/6週、147.5mg/body/6週、148mg/body/6週、148.5mg/body/6週、149mg/body/6週、149.5mg/body/6週、150mg/body/6週、150.5mg/body/6週、151mg/body/6週、151.5mg/body/6週、152mg/body/6週、152.5mg/body/6週、153mg/body/6週、153.5mg/body/6週、154mg/body/6週、154.5mg/body/6週、155mg/body/6週、155.5mg/body/6週、156mg/body/6週、156.5mg/body/6週、157mg/body/6週、157.5mg/body/6週、158mg/body/6週、158.5mg/body/6週、159mg/body/6週、159.5mg/body/6週、160mg/body/6週、160.5mg/body/6週、161mg/body/6週、161.5mg/body/6週、162mg/body/6週、162.5mg/body/6週、163mg/body/6週、163.5mg/body/6週、164mg/body/6週、164.5mg/body/6週、165mg/body/6週、165.5mg/body/6週、166mg/body/6週、166.5mg/body/6週、167mg/body/6週、167.5mg/body/6週、168mg/body/6週、168.5mg/body/6週、169mg/body/6週、169.5mg/body/6週、170mg/body/6週、170.5mg/body/6週、171mg/body/6週、171.5mg/body/6週、172mg/body/6週、172.5mg/body/6週、173mg/body/6週、173.5mg/body/6週、174mg/body/6週、174.5mg/body/6週、175mg/body/6週、175.5mg/body/6週、176mg/body/6週、176.5mg/body/6週、177mg/body/6週、177.5mg/body/6週、178mg/body/6週、178.5mg/body/6週、179mg/body/6週、179.5mg/body/6週、180mg/body/6週、180.5mg/body/6週、181mg/body/6週、181.5mg/body/6週、182mg/body/6週、182.5mg/body/6週、183mg/body/6週、183.5mg/body/6週、184mg/body/6週、184.5mg/body/6週、185mg/body/6週、185.5mg/body/6週、186mg/body/6週、186.5mg/body/6週、187mg/body/6週、187.5mg/body/6週、188mg/body/6週、188.5mg/body/6週、189mg/body/6週、189.5mg/body/6週、190mg/body/6週、190.5mg/body/6週、191mg/body/6週、191.5mg/body/6週、192mg/body/6週、192.5mg/body/6週、193mg/body/6週、193.5mg/body/6週、194mg/body/6週、194.5mg/body/6週、195mg/body/6週、195.5mg/body/6週、196mg/body/6週、196.5mg/body/6週、197mg/body/6週、197.5mg/body/6週、198mg/body/6週、198.5mg/body/6週、199mg/body/6週、199.5mg/body/6週、200mg/body/6週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、50mg/body/8週、50.5mg/body/8週、51mg/body/8週、51.5mg/body/8週、52mg/body/8週、52.5mg/body/8週、53mg/body/8週、53.5mg/body/8週、54mg/body/8週、54.5mg/body/8週、55mg/body/8週、55.5mg/body/8週、56mg/body/8週、56.5mg/body/8週、57mg/body/8週、57.5mg/body/8週、58mg/body/8週、58.5mg/body/8週、59mg/body/8週、59.5mg/body/8週、60mg/body/8週、60.5mg/body/8週、61mg/body/8週、61.5mg/body/8週、62mg/body/8週、62.5mg/body/8週、63mg/body/8週、63.5mg/body/8週、64mg/body/8週、64.5mg/body/8週、65mg/body/8週、65.5mg/body/8週、66mg/body/8週、66.5mg/body/8週、67mg/body/8週、67.5mg/body/8週、68mg/body/8週、68.5mg/body/8週、69mg/body/8週、69.5mg/body/8週、70mg/body/8週、70.5mg/body/8週、71mg/body/8週、71.5mg/body/8週、72mg/body/8週、72.5mg/body/8週、73mg/body/8週、73.5mg/body/8週、74mg/body/8週、74.5mg/body/8週、75mg/body/8週、75.5mg/body/8週、76mg/body/8週、76.5mg/body/8週、77mg/body/8週、77.5mg/body/8週、78mg/body/8週、78.5mg/body/8週、79mg/body/8週、79.5mg/body/8週、80mg/body/8週、80.5mg/body/8週、81mg/body/8週、81.5mg/body/8週、82mg/body/8週、82.5mg/body/8週、83mg/body/8週、83.5mg/body/8週、84mg/body/8週、84.5mg/body/8週、85mg/body/8週、85.5mg/body/8週、86mg/body/8週、86.5mg/body/8週、87mg/body/8週、87.5mg/body/8週、88mg/body/8週、88.5mg/body/8週、89mg/body/8週、89.5mg/body/8週、90mg/body/8週、90.5mg/body/8週、91mg/body/8週、91.5mg/body/8週、92mg/body/8週、92.5mg/body/8週、93mg/body/8週、93.5mg/body/8週、94mg/body/8週、94.5mg/body/8週、95mg/body/8週、95.5mg/body/8週、96mg/body/8週、96.5mg/body/8週、97mg/body/8週、97.5mg/body/8週、98mg/body/8週、98.5mg/body/8週、99mg/body/8週、99.5mg/body/8週、100mg/body/8週、100.5mg/body/8週、101mg/body/8週、101.5mg/body/8週、102mg/body/8週、102.5mg/body/8週、103mg/body/8週、103.5mg/body/8週、104mg/body/8週、104.5mg/body/8週、105mg/body/8週、105.5mg/body/8週、106mg/body/8週、106.5mg/body/8週、107mg/body/8週、107.5mg/body/8週、108mg/body/8週、108.5mg/body/8週、109mg/body/8週、109.5mg/body/8週、110mg/body/8週、110.5mg/body/8週、111mg/body/8週、111.5mg/body/8週、112mg/body/8週、112.5mg/body/8週、113mg/body/8週、113.5mg/body/8週、114mg/body/8週、114.5mg/body/8週、115mg/body/8週、115.5mg/body/8週、116mg/body/8週、116.5mg/body/8週、117mg/body/8週、117.5mg/body/8週、118mg/body/8週、118.5mg/body/8週、119mg/body/8週、119.5mg/body/8週、120mg/body/8週、120.5mg/body/8週、121mg/body/8週、121.5mg/body/8週、122mg/body/8週、122.5mg/body/8週、123mg/body/8週、123.5mg/body/8週、124mg/body/8週、124.5mg/body/8週、125mg/body/8週、125.5mg/body/8週、126mg/body/8週、126.5mg/body/8週、127mg/body/8週、127.5mg/body/8週、128mg/body/8週、128.5mg/body/8週、129mg/body/8週、129.5mg/body/8週、130mg/body/8週、130.5mg/body/8週、131mg/body/8週、131.5mg/body/8週、132mg/body/8週、132.5mg/body/8週、133mg/body/8週、133.5mg/body/8週、134mg/body/8週、134.5mg/body/8週、135mg/body/8週、135.5mg/body/8週、136mg/body/8週、136.5mg/body/8週、137mg/body/8週、137.5mg/body/8週、138mg/body/8週、138.5mg/body/8週、139mg/body/8週、139.5mg/body/8週、140mg/body/8週、140.5mg/body/8週、141mg/body/8週、141.5mg/body/8週、142mg/body/8週、142.5mg/body/8週、143mg/body/8週、143.5mg/body/8週、144mg/body/8週、144.5mg/body/8週、145mg/body/8週、145.5mg/body/8週、146mg/body/8週、146.5mg/body/8週、147mg/body/8週、147.5mg/body/8週、148mg/body/8週、148.5mg/body/8週、149mg/body/8週、149.5mg/body/8週、150mg/body/8週、150.5mg/body/8週、151mg/body/8週、151.5mg/body/8週、152mg/body/8週、152.5mg/body/8週、153mg/body/8週、153.5mg/body/8週、154mg/body/8週、154.5mg/body/8週、155mg/body/8週、155.5mg/body/8週、156mg/body/8週、156.5mg/body/8週、157mg/body/8週、157.5mg/body/8週、158mg/body/8週、158.5mg/body/8週、159mg/body/8週、159.5mg/body/8週、160mg/body/8週、160.5mg/body/8週、161mg/body/8週、161.5mg/body/8週、162mg/body/8週、162.5mg/body/8週、163mg/body/8週、163.5mg/body/8週、164mg/body/8週、164.5mg/body/8週、165mg/body/8週、165.5mg/body/8週、166mg/body/8週、166.5mg/body/8週、167mg/body/8週、167.5mg/body/8週、168mg/body/8週、168.5mg/body/8週、169mg/body/8週、169.5mg/body/8週、170mg/body/8週、170.5mg/body/8週、171mg/body/8週、171.5mg/body/8週、172mg/body/8週、172.5mg/body/8週、173mg/body/8週、173.5mg/body/8週、174mg/body/8週、174.5mg/body/8週、175mg/body/8週、175.5mg/body/8週、176mg/body/8週、176.5mg/body/8週、177mg/body/8週、177.5mg/body/8週、178mg/body/8週、178.5mg/body/8週、179mg/body/8週、179.5mg/body/8週、180mg/body/8週、180.5mg/body/8週、181mg/body/8週、181.5mg/body/8週、182mg/body/8週、182.5mg/body/8週、183mg/body/8週、183.5mg/body/8週、184mg/body/8週、184.5mg/body/8週、185mg/body/8週、185.5mg/body/8週、186mg/body/8週、186.5mg/body/8週、187mg/body/8週、187.5mg/body/8週、188mg/body/8週、188.5mg/body/8週、189mg/body/8週、189.5mg/body/8週、190mg/body/8週、190.5mg/body/8週、191mg/body/8週、191.5mg/body/8週、192mg/body/8週、192.5mg/body/8週、193mg/body/8週、193.5mg/body/8週、194mg/body/8週、194.5mg/body/8週、195mg/body/8週、195.5mg/body/8週、196mg/body/8週、196.5mg/body/8週、197mg/body/8週、197.5mg/body/8週、198mg/body/8週、198.5mg/body/8週、199mg/body/8週、199.5mg/body/8週、200mg/body/8週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、50mg/body/10週、50.5mg/body/10週、51mg/body/10週、51.5mg/body/10週、52mg/body/10週、52.5mg/body/10週、53mg/body/10週、53.5mg/body/10週、54mg/body/10週、54.5mg/body/10週、55mg/body/10週、55.5mg/body/10週、56mg/body/10週、56.5mg/body/10週、57mg/body/10週、57.5mg/body/10週、58mg/body/10週、58.5mg/body/10週、59mg/body/10週、59.5mg/body/10週、60mg/body/10週、60.5mg/body/10週、61mg/body/10週、61.5mg/body/10週、62mg/body/10週、62.5mg/body/10週、63mg/body/10週、63.5mg/body/10週、64mg/body/10週、64.5mg/body/10週、65mg/body/10週、65.5mg/body/10週、66mg/body/10週、66.5mg/body/10週、67mg/body/10週、67.5mg/body/10週、68mg/body/10週、68.5mg/body/10週、69mg/body/10週、69.5mg/body/10週、70mg/body/10週、70.5mg/body/10週、71mg/body/10週、71.5mg/body/10週、72mg/body/10週、72.5mg/body/10週、73mg/body/10週、73.5mg/body/10週、74mg/body/10週、74.5mg/body/10週、75mg/body/10週、75.5mg/body/10週、76mg/body/10週、76.5mg/body/10週、77mg/body/10週、77.5mg/body/10週、78mg/body/10週、78.5mg/body/10週、79mg/body/10週、79.5mg/body/10週、80mg/body/10週、80.5mg/body/10週、81mg/body/10週、81.5mg/body/10週、82mg/body/10週、82.5mg/body/10週、83mg/body/10週、83.5mg/body/10週、84mg/body/10週、84.5mg/body/10週、85mg/body/10週、85.5mg/body/10週、86mg/body/10週、86.5mg/body/10週、87mg/body/10週、87.5mg/body/10週、88mg/body/10週、88.5mg/body/10週、89mg/body/10週、89.5mg/body/10週、90mg/body/10週、90.5mg/body/10週、91mg/body/10週、91.5mg/body/10週、92mg/body/10週、92.5mg/body/10週、93mg/body/10週、93.5mg/body/10週、94mg/body/10週、94.5mg/body/10週、95mg/body/10週、95.5mg/body/10週、96mg/body/10週、96.5mg/body/10週、97mg/body/10週、97.5mg/body/10週、98mg/body/10週、98.5mg/body/10週、99mg/body/10週、99.5mg/body/10週、100mg/body/10週、100.5mg/body/10週、101mg/body/10週、101.5mg/body/10週、102mg/body/10週、102.5mg/body/10週、103mg/body/10週、103.5mg/body/10週、104mg/body/10週、104.5mg/body/10週、105mg/body/10週、105.5mg/body/10週、106mg/body/10週、106.5mg/body/10週、107mg/body/10週、107.5mg/body/10週、108mg/body/10週、108.5mg/body/10週、109mg/body/10週、109.5mg/body/10週、110mg/body/10週、110.5mg/body/10週、111mg/body/10週、111.5mg/body/10週、112mg/body/10週、112.5mg/body/10週、113mg/body/10週、113.5mg/body/10週、114mg/body/10週、114.5mg/body/10週、115mg/body/10週、115.5mg/body/10週、116mg/body/10週、116.5mg/body/10週、117mg/body/10週、117.5mg/body/10週、118mg/body/10週、118.5mg/body/10週、119mg/body/10週、119.5mg/body/10週、120mg/body/10週、120.5mg/body/10週、121mg/body/10週、121.5mg/body/10週、122mg/body/10週、122.5mg/body/10週、123mg/body/10週、123.5mg/body/10週、124mg/body/10週、124.5mg/body/10週、125mg/body/10週、125.5mg/body/10週、126mg/body/10週、126.5mg/body/10週、127mg/body/10週、127.5mg/body/10週、128mg/body/10週、128.5mg/body/10週、129mg/body/10週、129.5mg/body/10週、130mg/body/10週、130.5mg/body/10週、131mg/body/10週、131.5mg/body/10週、132mg/body/10週、132.5mg/body/10週、133mg/body/10週、133.5mg/body/10週、134mg/body/10週、134.5mg/body/10週、135mg/body/10週、135.5mg/body/10週、136mg/body/10週、136.5mg/body/10週、137mg/body/10週、137.5mg/body/10週、138mg/body/10週、138.5mg/body/10週、139mg/body/10週、139.5mg/body/10週、140mg/body/10週、140.5mg/body/10週、141mg/body/10週、141.5mg/body/10週、142mg/body/10週、142.
5mg/body/10週、143mg/body/10週、143.5mg/body/10週、144mg/body/10週、144.5mg/body/10週、145mg/body/10週、145.5mg/body/10週、146mg/body/10週、146.5mg/body/10週、147mg/body/10週、147.5mg/body/10週、148mg/body/10週、148.5mg/body/10週、149mg/body/10週、149.5mg/body/10週、150mg/body/10週、150.5mg/body/10週、151mg/body/10週、151.5mg/body/10週、152mg/body/10週、152.5mg/body/10週、153mg/body/10週、153.5mg/body/10週、154mg/body/10週、154.5mg/body/10週、155mg/body/10週、155.5mg/body/10週、156mg/body/10週、156.5mg/body/10週、157mg/body/10週、157.5mg/body/10週、158mg/body/10週、158.5mg/body/10週、159mg/body/10週、159.5mg/body/10週、160mg/body/10週、160.5mg/body/10週、161mg/body/10週、161.5mg/body/10週、162mg/body/10週、162.5mg/body/10週、163mg/body/10週、163.5mg/body/10週、164mg/body/10週、164.5mg/body/10週、165mg/body/10週、165.5mg/body/10週、166mg/body/10週、166.5mg/body/10週、167mg/body/10週、167.5mg/body/10週、168mg/body/10週、168.5mg/body/10週、169mg/body/10週、169.5mg/body/10週、170mg/body/10週、170.5mg/body/10週、171mg/body/10週、171.5mg/body/10週、172mg/body/10週、172.5mg/body/10週、173mg/body/10週、173.5mg/body/10週、174mg/body/10週、174.5mg/body/10週、175mg/body/10週、175.5mg/body/10週、176mg/body/10週、176.5mg/body/10週、177mg/body/10週、177.5mg/body/10週、178mg/body/10週、178.5mg/body/10週、179mg/body/10週、179.5mg/body/10週、180mg/body/10週、180.5mg/body/10週、181mg/body/10週、181.5mg/body/10週、182mg/body/10週、182.5mg/body/10週、183mg/body/10週、183.5mg/body/10週、184mg/body/10週、184.5mg/body/10週、185mg/body/10週、185.5mg/body/10週、186mg/body/10週、186.5mg/body/10週、187mg/body/10週、187.5mg/body/10週、188mg/body/10週、188.5mg/body/10週、189mg/body/10週、189.5mg/body/10週、190mg/body/10週、190.5mg/body/10週、191mg/body/10週、191.5mg/body/10週、192mg/body/10週、192.5mg/body/10週、193mg/body/10週、193.5mg/body/10週、194mg/body/10週、194.5mg/body/10週、195mg/body/10週、195.5mg/body/10週、196mg/body/10週、196.5mg/body/10週、197mg/body/10週、197.5mg/body/10週、198mg/body/10週、198.5mg/body/10週、199mg/body/10週、199.5mg/body/10週、200mg/body/10週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、50mg/body/12週、50.5mg/body/12週、51mg/body/12週、51.5mg/body/12週、52mg/body/12週、52.5mg/body/12週、53mg/body/12週、53.5mg/body/12週、54mg/body/12週、54.5mg/body/12週、55mg/body/12週、55.5mg/body/12週、56mg/body/12週、56.5mg/body/12週、57mg/body/12週、57.5mg/body/12週、58mg/body/12週、58.5mg/body/12週、59mg/body/12週、59.5mg/body/12週、60mg/body/12週、60.5mg/body/12週、61mg/body/12週、61.5mg/body/12週、62mg/body/12週、62.5mg/body/12週、63mg/body/12週、63.5mg/body/12週、64mg/body/12週、64.5mg/body/12週、65mg/body/12週、65.5mg/body/12週、66mg/body/12週、66.5mg/body/12週、67mg/body/12週、67.5mg/body/12週、68mg/body/12週、68.5mg/body/12週、69mg/body/12週、69.5mg/body/12週、70mg/body/12週、70.5mg/body/12週、71mg/body/12週、71.5mg/body/12週、72mg/body/12週、72.5mg/body/12週、73mg/body/12週、73.5mg/body/12週、74mg/body/12週、74.5mg/body/12週、75mg/body/12週、75.5mg/body/12週、76mg/body/12週、76.5mg/body/12週、77mg/body/12週、77.5mg/body/12週、78mg/body/12週、78.5mg/body/12週、79mg/body/12週、79.5mg/body/12週、80mg/body/12週、80.5mg/body/12週、81mg/body/12週、81.5mg/body/12週、82mg/body/12週、82.5mg/body/12週、83mg/body/12週、83.5mg/body/12週、84mg/body/12週、84.5mg/body/12週、85mg/body/12週、85.5mg/body/12週、86mg/body/12週、86.5mg/body/12週、87mg/body/12週、87.5mg/body/12週、88mg/body/12週、88.5mg/body/12週、89mg/body/12週、89.5mg/body/12週、90mg/body/12週、90.5mg/body/12週、91mg/body/12週、91.5mg/body/12週、92mg/body/12週、92.5mg/body/12週、93mg/body/12週、93.5mg/body/12週、94mg/body/12週、94.5mg/body/12週、95mg/body/12週、95.5mg/body/12週、96mg/body/12週、96.5mg/body/12週、97mg/body/12週、97.5mg/body/12週、98mg/body/12週、98.5mg/body/12週、99mg/body/12週、99.5mg/body/12週、100mg/body/12週、100.5mg/body/12週、101mg/body/12週、101.5mg/body/12週、102mg/body/12週、102.5mg/body/12週、103mg/body/12週、103.5mg/body/12週、104mg/body/12週、104.5mg/body/12週、105mg/body/12週、105.5mg/body/12週、106mg/body/12週、106.5mg/body/12週、107mg/body/12週、107.5mg/body/12週、108mg/body/12週、108.5mg/body/12週、109mg/body/12週、109.5mg/body/12週、110mg/body/12週、110.5mg/body/12週、111mg/body/12週、111.5mg/body/12週、112mg/body/12週、112.5mg/body/12週、113mg/body/12週、113.5mg/body/12週、114mg/body/12週、114.5mg/body/12週、115mg/body/12週、115.5mg/body/12週、116mg/body/12週、116.5mg/body/12週、117mg/body/12週、117.5mg/body/12週、118mg/body/12週、118.5mg/body/12週、119mg/body/12週、119.5mg/body/12週、120mg/body/12週、120.5mg/body/12週、121mg/body/12週、121.5mg/body/12週、122mg/body/12週、122.5mg/body/12週、123mg/body/12週、123.5mg/body/12週、124mg/body/12週、124.5mg/body/12週、125mg/body/12週、125.5mg/body/12週、126mg/body/12週、126.5mg/body/12週、127mg/body/12週、127.5mg/body/12週、128mg/body/12週、128.5mg/body/12週、129mg/body/12週、129.5mg/body/12週、130mg/body/12週、130.5mg/body/12週、131mg/body/12週、131.5mg/body/12週、132mg/body/12週、132.5mg/body/12週、133mg/body/12週、133.5mg/body/12週、134mg/body/12週、134.5mg/body/12週、135mg/body/12週、135.5mg/body/12週、136mg/body/12週、136.5mg/body/12週、137mg/body/12週、137.5mg/body/12週、138mg/body/12週、138.5mg/body/12週、139mg/body/12週、139.5mg/body/12週、140mg/body/12週、140.5mg/body/12週、141mg/body/12週、141.5mg/body/12週、142mg/body/12週、142.5mg/body/12週、143mg/body/12週、143.5mg/body/12週、144mg/body/12週、144.5mg/body/12週、145mg/body/12週、145.5mg/body/12週、146mg/body/12週、146.5mg/body/12週、147mg/body/12週、147.5mg/body/12週、148mg/body/12週、148.5mg/body/12週、149mg/body/12週、149.5mg/body/12週、150mg/body/12週、150.5mg/body/12週、151mg/body/12週、151.5mg/body/12週、152mg/body/12週、152.5mg/body/12週、153mg/body/12週、153.5mg/body/12週、154mg/body/12週、154.5mg/body/12週、155mg/body/12週、155.5mg/body/12週、156mg/body/12週、156.5mg/body/12週、157mg/body/12週、157.5mg/body/12週、158mg/body/12週、158.5mg/body/12週、159mg/body/12週、159.5mg/body/12週、160mg/body/12週、160.5mg/body/12週、161mg/body/12週、161.5mg/body/12週、162mg/body/12週、162.5mg/body/12週、163mg/body/12週、163.5mg/body/12週、164mg/body/12週、164.5mg/body/12週、165mg/body/12週、165.5mg/body/12週、166mg/body/12週、166.5mg/body/12週、167mg/body/12週、167.5mg/body/12週、168mg/body/12週、168.5mg/body/12週、169mg/body/12週、169.5mg/body/12週、170mg/body/12週、170.5mg/body/12週、171mg/body/12週、171.5mg/body/12週、172mg/body/12週、172.5mg/body/12週、173mg/body/12週、173.5mg/body/12週、174mg/body/12週、174.5mg/body/12週、175mg/body/12週、175.5mg/body/12週、176mg/body/12週、176.5mg/body/12週、177mg/body/12週、177.5mg/body/12週、178mg/body/12週、178.5mg/body/12週、179mg/body/12週、179.5mg/body/12週、180mg/body/12週、180.5mg/body/12週、181mg/body/12週、181.5mg/body/12週、182mg/body/12週、182.5mg/body/12週、183mg/body/12週、183.5mg/body/12週、184mg/body/12週、184.5mg/body/12週、185mg/body/12週、185.5mg/body/12週、186mg/body/12週、186.5mg/body/12週、187mg/body/12週、187.5mg/body/12週、188mg/body/12週、188.5mg/body/12週、189mg/body/12週、189.5mg/body/12週、190mg/body/12週、190.5mg/body/12週、191mg/body/12週、191.5mg/body/12週、192mg/body/12週、192.5mg/body/12週、193mg/body/12週、193.5mg/body/12週、194mg/body/12週、194.5mg/body/12週、195mg/body/12週、195.5mg/body/12週、196mg/body/12週、196.5mg/body/12週、197mg/body/12週、197.5mg/body/12週、198mg/body/12週、198.5mg/body/12週、199mg/body/12週、199.5mg/body/12週、200mg/body/12週等であってよい。
非限定的な一実施態様において、25mg~100mg/body/4週、50mg~100mg/body/4週又は50mg~75mg/body/4週であってよい。非限定的な別の実施態様において、10mg~50mg/body/2週又は20mg~40mg/body/2週であってよい。
【0048】
または、本開示におけるIL-31アンタゴニストの、所定の投与間隔及び所定の用量(投与量)での等量かつ同一の投与間隔での反復投与の態様としては、本開示におけるIL-31アンタゴニストが初めて対象に投与される投与量(初回用量)の後に、継続用量(すなわち、初回用量を投与された以降に継続して投与される用量)が投与されても良い。非限定的な一態様において、初回用量は、継続用量の倍量であってよい。例えば、初回用量は、60mg/bodyであり、初回用量と1回目の継続用量との投与間隔は4週間であり、継続用量は30mg/body/4週であってよい。
【0049】
あるいは、本開示におけるIL-31アンタゴニストの、所定の投与間隔及び所定の用量(投与量)での等量かつ同一の投与間隔での反復投与の態様としては、「0.01mg~10mg/kg/1日~12週」で投与されてよい。ここで、本明細書において、例えば、「0.01mg~10mg/kg/1日~12週」とは、0.01mg~10mgの中から選択される一点の投与量を本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与量として選択し、1日~12週のうちから選択される任意の一点の投与間隔を、本開示におけるIL-31アンタゴニストの投与間隔(例えば4週)として選択して、対象に対して等量かつ同一の投与間隔で反復投与されることが企図される。限定はされないが、本開示におけるIL-31アンタゴニストの、所定の投与間隔及び所定の用量(投与量)での等量かつ同一の投与間隔での反復投与の態様としては、0.01mg~10mg/kg/2週~8週であることが好ましく、それは例えば、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、0.01mg~10mg/kg/6週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週であってよい。あるいは、0.1mg~3mg/kg/2週~8週であることがより好ましく、それは例えば、0.1mg~3mg/kg/2週、0.1mg~3mg/kg/4週、0.1mg~3mg/kg/6週、又は、0.1mg~3mg/kg/8週であってよい。あるいは、一例として、0.2mg~2mg/kg/2週~8週であることがより好ましく、それは例えば、0.2mg~2mg/kg/2週、0.2mg~2mg/kg/4週、0.2mg~2mg/kg/6週、又は、0.2mg~2mg/kg/8週であってよい。あるいは、一例として、0.5mg~1.5mg/kg/4週~8週であることがよりいっそう好ましく、それは例えば、0.5mg~1.5mg/kg/4週、0.5mg~1.5mg/kg/6週、又は、0.5mg~1.5mg/kg/8週であってよい。非限定的な一実施態様において、それは例えば、0.1mg/kg/4週、0.11mg/kg/4週、0.12mg/kg/4週、0.125mg/kg/4週、0.13mg/kg/4週、0.14mg/kg/4週、0.15mg/kg/4週、0.16mg/kg/4週、0.17mg/kg/4週、0.18mg/kg/4週、0.19mg/kg/4週、0.2mg/kg/4週、0.21mg/kg/4週、0.22mg/kg/4週、0.23mg/kg/4週、0.24mg/kg/4週、0.25mg/kg/4週、0.26mg/kg/4週、0.27mg/kg/4週、0.28mg/kg/4週、0.29mg/kg/4週、0.3mg/kg/4週、0.31mg/kg/4週、0.32mg/kg/4週、0.33mg/kg/4週、0.34mg/kg/4週、0.35mg/kg/4週、0.36mg/kg/4週、0.37mg/kg/4週、0.38mg/kg/4週、0.39mg/kg/4週、0.4mg/kg/4週、0.41mg/kg/4週、0.42mg/kg/4週、0.43mg/kg/4週、0.44mg/kg/4週、0.45mg/kg/4週、0.46mg/kg/4週、0.47mg/kg/4週、0.48mg/kg/4週、0.49mg/kg/4週、0.5mg/kg/4週、0.51mg/kg/4週、0.52mg/kg/4週、0.53mg/kg/4週、0.54mg/kg/4週、0.55mg/kg/4週、0.56mg/kg/4週、0.57mg/kg/4週、0.58mg/kg/4週、0.59mg/kg/4週、0.6mg/kg/4週、0.61mg/kg/4週、0.62mg/kg/4週、0.63mg/kg/4週、0.64mg/kg/4週、0.65mg/kg/4週、0.66mg/kg/4週、0.67mg/kg/4週、0.68mg/kg/4週、0.69mg/kg/4週、0.7mg/kg/4週、0.71mg/kg/4週、0.72mg/kg/4週、0.73mg/kg/4週、0.74mg/kg/4週、0.75mg/kg/4週、0.76mg/kg/4週、0.77mg/kg/4週、0.78mg/kg/4週、0.79mg/kg/4週、0.8mg/kg/4週、0.81mg/kg/4週、0.82mg/kg/4週、0.83mg/kg/4週、0.84mg/kg/4週、0.85mg/kg/4週、0.86mg/kg/4週、0.87mg/kg/4週、0.88mg/kg/4週、0.89mg/kg/4週、0.9mg/kg/4週、0.91mg/kg/4週、0.92mg/kg/4週、0.93mg/kg/4週、0.94mg/kg/4週、0.95mg/kg/4週、0.96mg/kg/4週、0.97mg/kg/4週、0.98mg/kg/4週、0.99mg/kg/4週、1mg/kg/4週、1.01mg/kg/4週、1.02mg/kg/4週、1.03mg/kg/4週、1.04mg/kg/4週、1.05mg/kg/4週、1.06mg/kg/4週、1.07mg/kg/4週、1.08mg/kg/4週、1.09mg/kg/4週、1.1mg/kg/4週、1.11mg/kg/4週、1.12mg/kg/4週、1.13mg/kg/4週、1.14mg/kg/4週、1.15mg/kg/4週、1.16mg/kg/4週、1.17mg/kg/4週、1.18mg/kg/4週、1.19mg/kg/4週、1.2mg/kg/4週、1.21mg/kg/4週、1.22mg/kg/4週、1.23mg/kg/4週、1.24mg/kg/4週、1.25mg/kg/4週、1.26mg/kg/4週、1.27mg/kg/4週、1.28mg/kg/4週、1.29mg/kg/4週、1.3mg/kg/4週、1.31mg/kg/4週、1.32mg/kg/4週、1.33mg/kg/4週、1.34mg/kg/4週、1.35mg/kg/4週、1.36mg/kg/4週、1.37mg/kg/4週、1.38mg/kg/4週、1.39mg/kg/4週、1.4mg/kg/4週、1.41mg/kg/4週、1.42mg/kg/4週、1.43mg/kg/4週、1.44mg/kg/4週、1.45mg/kg/4週、1.46mg/kg/4週、1.47mg/kg/4週、1.48mg/kg/4週、1.49mg/kg/4週、1.5mg/kg/4週、1.51mg/kg/4週、1.52mg/kg/4週、1.53mg/kg/4週、1.54mg/kg/4週、1.55mg/kg/4週、1.56mg/kg/4週、1.57mg/kg/4週、1.58mg/kg/4週、1.59mg/kg/4週、1.6mg/kg/4週、1.61mg/kg/4週、1.62mg/kg/4週、1.63mg/kg/4週、1.64mg/kg/4週、1.65mg/kg/4週、1.66mg/kg/4週、1.67mg/kg/4週、1.68mg/kg/4週、1.69mg/kg/4週、1.7mg/kg/4週、1.71mg/kg/4週、1.72mg/kg/4週、1.73mg/kg/4週、1.74mg/kg/4週、1.75mg/kg/4週、1.76mg/kg/4週、1.77mg/kg/4週、1.78mg/kg/4週、1.79mg/kg/4週、1.8mg/kg/4週、1.81mg/kg/4週、1.82mg/kg/4週、1.83mg/kg/4週、1.84mg/kg/4週、1.85mg/kg/4週、1.86mg/kg/4週、1.87mg/kg/4週、1.88mg/kg/4週、1.89mg/kg/4週、1.9mg/kg/4週、1.91mg/kg/4週、1.92mg/kg/4週、1.93mg/kg/4週、1.94mg/kg/4週、1.95mg/kg/4週、1.96mg/kg/4週、1.97mg/kg/4週、1.98mg/kg/4週、1.99mg/kg/4週、2mg/kg/4週、2.01mg/kg/4週、2.02mg/kg/4週、2.03mg/kg/4週、2.04mg/kg/4週、2.05mg/kg/4週、2.06mg/kg/4週、2.07mg/kg/4週、2.08mg/kg/4週、2.09mg/kg/4週、2.1mg/kg/4週、2.11mg/kg/4週、2.12mg/kg/4週、2.13mg/kg/4週、2.14mg/kg/4週、2.15mg/kg/4週、2.16mg/kg/4週、2.17mg/kg/4週、2.18mg/kg/4週、2.19mg/kg/4週、2.2mg/kg/4週、2.21mg/kg/4週、2.22mg/kg/4週、2.23mg/kg/4週、2.24mg/kg/4週、2.25mg/kg/4週、2.26mg/kg/4週、2.27mg/kg/4週、2.28mg/kg/4週、2.29mg/kg/4週、2.3mg/kg/4週、2.31mg/kg/4週、2.32mg/kg/4週、2.33mg/kg/4週、2.34mg/kg/4週、2.35mg/kg/4週、2.36mg/kg/4週、2.37mg/kg/4週、2.38mg/kg/4週、2.39mg/kg/4週、2.4mg/kg/4週、2.41mg/kg/4週、2.42mg/kg/4週、2.43mg/kg/4週、2.44mg/kg/4週、2.45mg/kg/4週、2.46mg/kg/4週、2.47mg/kg/4週、2.48mg/kg/4週、2.49mg/kg/4週、2.5mg/kg/4週、2.51mg/kg/4週、2.52mg/kg/4週、2.53mg/kg/4週、2.54mg/kg/4週、2.55mg/kg/4週、2.56mg/kg/4週、2.57mg/kg/4週、2.58mg/kg/4週、2.59mg/kg/4週、2.6mg/kg/4週、2.61mg/kg/4週、2.62mg/kg/4週、2.63mg/kg/4週、2.64mg/kg/4週、2.65mg/kg/4週、2.66mg/kg/4週、2.67mg/kg/4週、2.68mg/kg/4週、2.69mg/kg/4週、2.7mg/kg/4週、2.71mg/kg/4週、2.72mg/kg/4週、2.73mg/kg/4週、2.74mg/kg/4週、2.75mg/kg/4週、2.76mg/kg/4週、2.77mg/kg/4週、2.78mg/kg/4週、2.79mg/kg/4週、2.8mg/kg/4週、2.81mg/kg/4週、2.82mg/kg/4週、2.83mg/kg/4週、2.84mg/kg/4週、2.85mg/kg/4週、2.86mg/kg/4週、2.87mg/kg/4週、2.88mg/kg/4週、2.89mg/kg/4週、2.9mg/kg/4週、2.91mg/kg/4週、2.92mg/kg/4週、2.93mg/kg/4週、2.94mg/kg/4週、2.95mg/kg/4週、2.96mg/kg/4週、2.97mg/kg/4週、2.98mg/kg/4週、2.99mg/kg/4週、3mg/kg/4週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、0.1mg/kg/6週、0.11mg/kg/6週、0.12mg/kg/6週、0.125mg/kg/6週、0.13mg/kg/6週、0.14mg/kg/6週、0.15mg/kg/6週、0.16mg/kg/6週、0.17mg/kg/6週、0.18mg/kg/6週、0.19mg/kg/6週、0.2mg/kg/6週、0.21mg/kg/6週、0.22mg/kg/6週、0.23mg/kg/6週、0.24mg/kg/6週、0.25mg/kg/6週、0.26mg/kg/6週、0.27mg/kg/6週、0.28mg/kg/6週、0.29mg/kg/6週、0.3mg/kg/6週、0.31mg/kg/6週、0.32mg/kg/6週、0.33mg/kg/6週、0.34mg/kg/6週、0.35mg/kg/6週、0.36mg/kg/6週、0.37mg/kg/6週、0.38mg/kg/6週、0.39mg/kg/6週、0.4mg/kg/6週、0.41mg/kg/6週、0.42mg/kg/6週、0.43mg/kg/6週、0.44mg/kg/6週、0.45mg/kg/6週、0.46mg/kg/6週、0.47mg/kg/6週、0.48mg/kg/6週、0.49mg/kg/6週、0.5mg/kg/6週、0.51mg/kg/6週、0.52mg/kg/6週、0.53mg/kg/6週、0.54mg/kg/6週、0.55mg/kg/6週、0.56mg/kg/6週、0.57mg/kg/6週、0.58mg/kg/6週、0.59mg/kg/6週、0.6mg/kg/6週、0.61mg/kg/6週、0.62mg/kg/6週、0.63mg/kg/6週、0.64mg/kg/6週、0.65mg/kg/6週、0.66mg/kg/6週、0.67mg/kg/6週、0.68mg/kg/6週、0.69mg/kg/6週、0.7mg/kg/6週、0.71mg/kg/6週、0.72mg/kg/6週、0.73mg/kg/6週、0.74mg/kg/6週、0.75mg/kg/6週、0.76mg/kg/6週、0.77mg/kg/6週、0.78mg/kg/6週、0.79mg/kg/6週、0.8mg/kg/6週、0.81mg/kg/6週、0.82mg/kg/6週、0.83mg/kg/6週、0.84mg/kg/6週、0.85mg/kg/6週、0.86mg/kg/6週、0.87mg/kg/6週、0.88mg/kg/6週、0.89mg/kg/6週、0.9mg/kg/6週、0.91mg/kg/6週、0.92mg/kg/6週、0.93mg/kg/6週、0.94mg/kg/6週、0.95mg/kg/6週、0.96mg/kg/6週、0.97mg/kg/6週、0.98mg/kg/6週、0.99mg/kg/6週、1mg/kg/6週、1.01mg/kg/6週、1.02mg/kg/6週、1.03mg/kg/6週、1.04mg/kg/6週、1.05mg/kg/6週、1.06mg/kg/6週、1.07mg/kg/6週、1.08mg/kg/6週、1.09mg/kg/6週、1.1mg/kg/6週、1.11mg/kg/6週、1.12mg/kg/6週、1.13mg/kg/6週、1.14mg/kg/6週、1.15mg/kg/6週、1.16mg/kg/6週、1.17mg/kg/6週、1.18mg/kg/6週、1.19mg/kg/6週、1.2mg/kg/6週、1.21mg/kg/6週、1.22mg/kg/6週、1.23mg/kg/6週、1.24mg/kg/6週、1.25mg/kg/6週、1.26mg/kg/6週、1.27mg/kg/6週、1.28mg/kg/6週、1.29mg/kg/6週、1.3mg/kg/6週、1.31mg/kg/6週、1.32mg/kg/6週、1.33mg/kg/6週、1.34mg/kg/6週、1.35mg/kg/6週、1.36mg/kg/6週、1.37mg/kg/6週、1.38mg/kg/6週、1.39mg/kg/6週、1.4mg/kg/6週、1.41mg/kg/6週、1.42mg/kg/6週、1.43mg/kg/6週、1.44mg/kg/6週、1.45mg/kg/6週、1.46mg/kg/6週、1.47mg/kg/6週、1.48mg/kg/6週、1.49mg/kg/6週、1.5mg/kg/6週、1.51mg/kg/6週、1.52mg/kg/6週、1.53mg/kg/6週、1.54mg/kg/6週、1.55mg/kg/6週、1.56mg/kg/6週、1.57mg/kg/6週、1.58mg/kg/6週、1.59mg/kg/6週、1.6mg/kg/6週、1.61mg/kg/6週、1.62mg/kg/6週、1.63mg/kg/6週、1.64mg/kg/6週、1.65mg/kg/6週、1.66mg/kg/6週、1.67mg/kg/6週、1.68mg/kg/6週、1.69mg/kg/6週、1.7mg/kg/6週、1.71mg/kg/6週、1.72mg/kg/6週、1.73mg/kg/6週、1.74mg/kg/6週、1.75mg/kg/6週、1.76mg/kg/6週、1.77mg/kg/6週、1.78mg/kg/6週、1.79mg/kg/6週、1.8mg/kg/6週、1.81mg/kg/6週、1.82mg/kg/6週、1.83mg/kg/6週、1.84mg/kg/6週、1.85mg/kg/6週、1.86mg/kg/6週、1.87mg/kg/6週、1.88mg/kg/6週、1.89mg/kg/6週、1.9mg/kg/6週、1.91mg/kg/6週、1.92mg/kg/6週、1.93mg/kg/6週、1.94mg/kg/6週、1.95mg/kg/6週、1.96mg/kg/6週、1.97mg/kg/6週、1.98mg/kg/6週、1.99mg/kg/6週、2mg/kg/6週、2.01mg/kg/6週、2.02mg/kg/6週、2.03mg/kg/6週、2.04mg/kg/6週、2.05mg/kg/6週、2.06mg/kg/6週、2.07mg/kg/6週、2.08mg/kg/6週、2.09mg/kg/6週、2.1mg/kg/6週、2.11mg/kg/6週、2.12mg/kg/6週、2.13mg/kg/6週、2.14mg/kg/6週、2.15mg/kg/6週、2.16mg/kg/6週、2.17mg/kg/6週、2.18mg/kg/6週、2.19mg/kg/6週、2.2mg/kg/6週、2.21mg/kg/6週、2.22mg/kg/6週、2.23mg/kg/6週、2.24mg/kg/6週、2.25mg/kg/6週、2.26mg/kg/6週、2.27mg/kg/6週、2.28mg/kg/6週、2.29mg/kg/6週、2.3mg/kg/6週、2.31mg/kg/6週、2.32mg/kg/6週、2.33mg/kg/6週、2.34mg/kg/6週、2.35mg/kg/6週、2.36mg/kg/6週、2.37mg/kg/6週、2.38mg/kg/6週、2.39mg/kg/6週、2.4mg/kg/6週、2.41mg/kg/6週、2.42mg/kg/6週、2.43mg/kg/6週、2.44mg/kg/6週、2.45mg/kg/6週、2.46mg/kg/6週、2.47mg/kg/6週、2.48mg/kg/6週、2.49mg/kg/6週、2.5mg/kg/6週、2.51mg/kg/6週、2.52mg/kg/6週、2.53mg/kg/6週、2.54mg/kg/6週、2.55mg/kg/6週、2.56mg/kg/6週、2.57mg/kg/6週、2.58mg/kg/6週、2.59mg/kg/6週、2.6mg/kg/6週、2.61mg/kg/6週、2.62mg/kg/6週、2.63mg/kg/6週、2.64mg/kg/6週、2.65mg/kg/6週、2.66mg/kg/6週、2.67mg/kg/6週、2.68mg/kg/6週、2.69mg/kg/6週、2.7mg/kg/6週、2.71mg/kg/6週、2.72mg/kg/6週、2.73mg/kg/6週、2.74mg/kg/6週、2.75mg/kg/6週、2.76mg/kg/6週、2.77mg/kg/6週、2.78mg/kg/6週、2.79mg/kg/6週、2.8mg/kg/6週、2.81mg/kg/6週、2.82mg/kg/6週、2.83mg/kg/6週、2.84mg/kg/6週、2.85mg/kg/6週、2.86mg/kg/6週、2.87mg/kg/6週、2.88mg/kg/6週、2.89mg/kg/6週、2.9mg/kg/6週、2.91mg/kg/6週、2.92mg/kg/6週、2.93mg/kg/6週、2.94mg/kg/6週、2.95mg/kg/6週、2.96mg/kg/6週、2.97mg/kg/6週、2.98mg/kg/6週、2.99mg/kg/6週、3mg/kg/6週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例
えば、0.1mg/kg/8週、0.11mg/kg/8週、0.12mg/kg/8週、0.125mg/kg/8週、0.13mg/kg/8週、0.14mg/kg/8週、0.15mg/kg/8週、0.16mg/kg/8週、0.17mg/kg/8週、0.18mg/kg/8週、0.19mg/kg/8週、0.2mg/kg/8週、0.21mg/kg/8週、0.22mg/kg/8週、0.23mg/kg/8週、0.24mg/kg/8週、0.25mg/kg/8週、0.26mg/kg/8週、0.27mg/kg/8週、0.28mg/kg/8週、0.29mg/kg/8週、0.3mg/kg/8週、0.31mg/kg/8週、0.32mg/kg/8週、0.33mg/kg/8週、0.34mg/kg/8週、0.35mg/kg/8週、0.36mg/kg/8週、0.37mg/kg/8週、0.38mg/kg/8週、0.39mg/kg/8週、0.4mg/kg/8週、0.41mg/kg/8週、0.42mg/kg/8週、0.43mg/kg/8週、0.44mg/kg/8週、0.45mg/kg/8週、0.46mg/kg/8週、0.47mg/kg/8週、0.48mg/kg/8週、0.49mg/kg/8週、0.5mg/kg/8週、0.51mg/kg/8週、0.52mg/kg/8週、0.53mg/kg/8週、0.54mg/kg/8週、0.55mg/kg/8週、0.56mg/kg/8週、0.57mg/kg/8週、0.58mg/kg/8週、0.59mg/kg/8週、0.6mg/kg/8週、0.61mg/kg/8週、0.62mg/kg/8週、0.63mg/kg/8週、0.64mg/kg/8週、0.65mg/kg/8週、0.66mg/kg/8週、0.67mg/kg/8週、0.68mg/kg/8週、0.69mg/kg/8週、0.7mg/kg/8週、0.71mg/kg/8週、0.72mg/kg/8週、0.73mg/kg/8週、0.74mg/kg/8週、0.75mg/kg/8週、0.76mg/kg/8週、0.77mg/kg/8週、0.78mg/kg/8週、0.79mg/kg/8週、0.8mg/kg/8週、0.81mg/kg/8週、0.82mg/kg/8週、0.83mg/kg/8週、0.84mg/kg/8週、0.85mg/kg/8週、0.86mg/kg/8週、0.87mg/kg/8週、0.88mg/kg/8週、0.89mg/kg/8週、0.9mg/kg/8週、0.91mg/kg/8週、0.92mg/kg/8週、0.93mg/kg/8週、0.94mg/kg/8週、0.95mg/kg/8週、0.96mg/kg/8週、0.97mg/kg/8週、0.98mg/kg/8週、0.99mg/kg/8週、1mg/kg/8週、1.01mg/kg/8週、1.02mg/kg/8週、1.03mg/kg/8週、1.04mg/kg/8週、1.05mg/kg/8週、1.06mg/kg/8週、1.07mg/kg/8週、1.08mg/kg/8週、1.09mg/kg/8週、1.1mg/kg/8週、1.11mg/kg/8週、1.12mg/kg/8週、1.13mg/kg/8週、1.14mg/kg/8週、1.15mg/kg/8週、1.16mg/kg/8週、1.17mg/kg/8週、1.18mg/kg/8週、1.19mg/kg/8週、1.2mg/kg/8週、1.21mg/kg/8週、1.22mg/kg/8週、1.23mg/kg/8週、1.24mg/kg/8週、1.25mg/kg/8週、1.26mg/kg/8週、1.27mg/kg/8週、1.28mg/kg/8週、1.29mg/kg/8週、1.3mg/kg/8週、1.31mg/kg/8週、1.32mg/kg/8週、1.33mg/kg/8週、1.34mg/kg/8週、1.35mg/kg/8週、1.36mg/kg/8週、1.37mg/kg/8週、1.38mg/kg/8週、1.39mg/kg/8週、1.4mg/kg/8週、1.41mg/kg/8週、1.42mg/kg/8週、1.43mg/kg/8週、1.44mg/kg/8週、1.45mg/kg/8週、1.46mg/kg/8週、1.47mg/kg/8週、1.48mg/kg/8週、1.49mg/kg/8週、1.5mg/kg/8週、1.51mg/kg/8週、1.52mg/kg/8週、1.53mg/kg/8週、1.54mg/kg/8週、1.55mg/kg/8週、1.56mg/kg/8週、1.57mg/kg/8週、1.58mg/kg/8週、1.59mg/kg/8週、1.6mg/kg/8週、1.61mg/kg/8週、1.62mg/kg/8週、1.63mg/kg/8週、1.64mg/kg/8週、1.65mg/kg/8週、1.66mg/kg/8週、1.67mg/kg/8週、1.68mg/kg/8週、1.69mg/kg/8週、1.7mg/kg/8週、1.71mg/kg/8週、1.72mg/kg/8週、1.73mg/kg/8週、1.74mg/kg/8週、1.75mg/kg/8週、1.76mg/kg/8週、1.77mg/kg/8週、1.78mg/kg/8週、1.79mg/kg/8週、1.8mg/kg/8週、1.81mg/kg/8週、1.82mg/kg/8週、1.83mg/kg/8週、1.84mg/kg/8週、1.85mg/kg/8週、1.86mg/kg/8週、1.87mg/kg/8週、1.88mg/kg/8週、1.89mg/kg/8週、1.9mg/kg/8週、1.91mg/kg/8週、1.92mg/kg/8週、1.93mg/kg/8週、1.94mg/kg/8週、1.95mg/kg/8週、1.96mg/kg/8週、1.97mg/kg/8週、1.98mg/kg/8週、1.99mg/kg/8週、2mg/kg/8週、2.01mg/kg/8週、2.02mg/kg/8週、2.03mg/kg/8週、2.04mg/kg/8週、2.05mg/kg/8週、2.06mg/kg/8週、2.07mg/kg/8週、2.08mg/kg/8週、2.09mg/kg/8週、2.1mg/kg/8週、2.11mg/kg/8週、2.12mg/kg/8週、2.13mg/kg/8週、2.14mg/kg/8週、2.15mg/kg/8週、2.16mg/kg/8週、2.17mg/kg/8週、2.18mg/kg/8週、2.19mg/kg/8週、2.2mg/kg/8週、2.21mg/kg/8週、2.22mg/kg/8週、2.23mg/kg/8週、2.24mg/kg/8週、2.25mg/kg/8週、2.26mg/kg/8週、2.27mg/kg/8週、2.28mg/kg/8週、2.29mg/kg/8週、2.3mg/kg/8週、2.31mg/kg/8週、2.32mg/kg/8週、2.33mg/kg/8週、2.34mg/kg/8週、2.35mg/kg/8週、2.36mg/kg/8週、2.37mg/kg/8週、2.38mg/kg/8週、2.39mg/kg/8週、2.4mg/kg/8週、2.41mg/kg/8週、2.42mg/kg/8週、2.43mg/kg/8週、2.44mg/kg/8週、2.45mg/kg/8週、2.46mg/kg/8週、2.47mg/kg/8週、2.48mg/kg/8週、2.49mg/kg/8週、2.5mg/kg/8週、2.51mg/kg/8週、2.52mg/kg/8週、2.53mg/kg/8週、2.54mg/kg/8週、2.55mg/kg/8週、2.56mg/kg/8週、2.57mg/kg/8週、2.58mg/kg/8週、2.59mg/kg/8週、2.6mg/kg/8週、2.61mg/kg/8週、2.62mg/kg/8週、2.63mg/kg/8週、2.64mg/kg/8週、2.65mg/kg/8週、2.66mg/kg/8週、2.67mg/kg/8週、2.68mg/kg/8週、2.69mg/kg/8週、2.7mg/kg/8週、2.71mg/kg/8週、2.72mg/kg/8週、2.73mg/kg/8週、2.74mg/kg/8週、2.75mg/kg/8週、2.76mg/kg/8週、2.77mg/kg/8週、2.78mg/kg/8週、2.79mg/kg/8週、2.8mg/kg/8週、2.81mg/kg/8週、2.82mg/kg/8週、2.83mg/kg/8週、2.84mg/kg/8週、2.85mg/kg/8週、2.86mg/kg/8週、2.87mg/kg/8週、2.88mg/kg/8週、2.89mg/kg/8週、2.9mg/kg/8週、2.91mg/kg/8週、2.92mg/kg/8週、2.93mg/kg/8週、2.94mg/kg/8週、2.95mg/kg/8週、2.96mg/kg/8週、2.97mg/kg/8週、2.98mg/kg/8週、2.99mg/kg/8週、3mg/kg/8週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、0.1mg/kg/10週、0.11mg/kg/10週、0.12mg/kg/10週、0.125mg/kg/10週、0.13mg/kg/10週、0.14mg/kg/10週、0.15mg/kg/10週、0.16mg/kg/10週、0.17mg/kg/10週、0.18mg/kg/10週、0.19mg/kg/10週、0.2mg/kg/10週、0.21mg/kg/10週、0.22mg/kg/10週、0.23mg/kg/10週、0.24mg/kg/10週、0.25mg/kg/10週、0.26mg/kg/10週、0.27mg/kg/10週、0.28mg/kg/10週、0.29mg/kg/10週、0.3mg/kg/10週、0.31mg/kg/10週、0.32mg/kg/10週、0.33mg/kg/10週、0.34mg/kg/10週、0.35mg/kg/10週、0.36mg/kg/10週、0.37mg/kg/10週、0.38mg/kg/10週、0.39mg/kg/10週、0.4mg/kg/10週、0.41mg/kg/10週、0.42mg/kg/10週、0.43mg/kg/10週、0.44mg/kg/10週、0.45mg/kg/10週、0.46mg/kg/10週、0.47mg/kg/10週、0.48mg/kg/10週、0.49mg/kg/10週、0.5mg/kg/10週、0.51mg/kg/10週、0.52mg/kg/10週、0.53mg/kg/10週、0.54mg/kg/10週、0.55mg/kg/10週、0.56mg/kg/10週、0.57mg/kg/10週、0.58mg/kg/10週、0.59mg/kg/10週、0.6mg/kg/10週、0.61mg/kg/10週、0.62mg/kg/10週、0.63mg/kg/10週、0.64mg/kg/10週、0.65mg/kg/10週、0.66mg/kg/10週、0.67mg/kg/10週、0.68mg/kg/10週、0.69mg/kg/10週、0.7mg/kg/10週、0.71mg/kg/10週、0.72mg/kg/10週、0.73mg/kg/10週、0.74mg/kg/10週、0.75mg/kg/10週、0.76mg/kg/10週、0.77mg/kg/10週、0.78mg/kg/10週、0.79mg/kg/10週、0.8mg/kg/10週、0.81mg/kg/10週、0.82mg/kg/10週、0.83mg/kg/10週、0.84mg/kg/10週、0.85mg/kg/10週、0.86mg/kg/10週、0.87mg/kg/10週、0.88mg/kg/10週、0.89mg/kg/10週、0.9mg/kg/10週、0.91mg/kg/10週、0.92mg/kg/10週、0.93mg/kg/10週、0.94mg/kg/10週、0.95mg/kg/10週、0.96mg/kg/10週、0.97mg/kg/10週、0.98mg/kg/10週、0.99mg/kg/10週、1mg/kg/10週、1.01mg/kg/10週、1.02mg/kg/10週、1.03mg/kg/10週、1.04mg/kg/10週、1.05mg/kg/10週、1.06mg/kg/10週、1.07mg/kg/10週、1.08mg/kg/10週、1.09mg/kg/10週、1.1mg/kg/10週、1.11mg/kg/10週、1.12mg/kg/10週、1.13mg/kg/10週、1.14mg/kg/10週、1.15mg/kg/10週、1.16mg/kg/10週、1.17mg/kg/10週、1.18mg/kg/10週、1.19mg/kg/10週、1.2mg/kg/10週、1.21mg/kg/10週、1.22mg/kg/10週、1.23mg/kg/10週、1.24mg/kg/10週、1.25mg/kg/10週、1.26mg/kg/10週、1.27mg/kg/10週、1.28mg/kg/10週、1.29mg/kg/10週、1.3mg/kg/10週、1.31mg/kg/10週、1.32mg/kg/10週、1.33mg/kg/10週、1.34mg/kg/10週、1.35mg/kg/10週、1.36mg/kg/10週、1.37mg/kg/10週、1.38mg/kg/10週、1.39mg/kg/10週、1.4mg/kg/10週、1.41mg/kg/10週、1.42mg/kg/10週、1.43mg/kg/10週、1.44mg/kg/10週、1.45mg/kg/10週、1.46mg/kg/10週、1.47mg/kg/10週、1.48mg/kg/10週、1.49mg/kg/10週、1.5mg/kg/10週、1.51mg/kg/10週、1.52mg/kg/10週、1.53mg/kg/10週、1.54mg/kg/10週、1.55mg/kg/10週、1.56mg/kg/10週、1.57mg/kg/10週、1.58mg/kg/10週、1.59mg/kg/10週、1.6mg/kg/10週、1.61mg/kg/10週、1.62mg/kg/10週、1.63mg/kg/10週、1.64mg/kg/10週、1.65mg/kg/10週、1.66mg/kg/10週、1.67mg/kg/10週、1.68mg/kg/10週、1.69mg/kg/10週、1.7mg/kg/10週、1.71mg/kg/10週、1.72mg/kg/10週、1.73mg/kg/10週、1.74mg/kg/10週、1.75mg/kg/10週、1.76mg/kg/10週、1.77mg/kg/10週、1.78mg/kg/10週、1.79mg/kg/10週、1.8mg/kg/10週、1.81mg/kg/10週、1.82mg/kg/10週、1.83mg/kg/10週、1.84mg/kg/10週、1.85mg/kg/10週、1.86mg/kg/10週、1.87mg/kg/10週、1.88mg/kg/10週、1.89mg/kg/10週、1.9mg/kg/10週、1.91mg/kg/10週、1.92mg/kg/10週、1.93mg/kg/10週、1.94mg/kg/10週、1.95mg/kg/10週、1.96mg/kg/10週、1.97mg/kg/10週、1.98mg/kg/10週、1.99mg/kg/10週、2mg/kg/10週、2.01mg/kg/10週、2.02mg/kg/10週、2.03mg/kg/10週、2.04mg/kg/10週、2.05mg/kg/10週、2.06mg/kg/10週、2.07mg/kg/10週、2.08mg/kg/10週、2.09mg/kg/10週、2.1mg/kg/10週、2.11mg/kg/10週、2.12mg/kg/10週、2.13mg/kg/10週、2.14mg/kg/10週、2.15mg/kg/10週、2.16mg/kg/10週、2.17mg/kg/10週、2.18mg/kg/10週、2.19mg/kg/10週、2.2mg/kg/10週、2.21mg/kg/10週、2.22mg/kg/10週、2.23mg/kg/10週、2.24mg/kg/10週、2.25mg/kg/10週、2.26mg/kg/10週、2.27mg/kg/10週、2.28mg/kg/10週、2.29mg/kg/10週、2.3mg/kg/10週、2.31mg/kg/10週、2.32mg/kg/10週、2.33mg/kg/10週、2.34mg/kg/10週、2.35mg/kg/10週、2.36mg/kg/10週、2.37mg/kg/10週、2.38mg/kg/10週、2.39mg/kg/10週、2.4mg/kg/10週、2.41mg/kg/10週、2.42mg/kg/10週、2.43mg/kg/10週、2.44mg/kg/10週、2.45mg/kg/10週、2.46mg/kg/10週、2.47mg/kg/10週、2.48mg/kg/10週、2.49mg/kg/10週、2.5mg/kg/10週、2.51mg/kg/10週、2.52mg/kg/10週、2.53mg/kg/10週、2.54mg/kg/10週、2.55mg/kg/10週、2.56mg/kg/10週、2.57mg/kg/10週、2.58mg/kg/10週、2.59mg/kg/10週、2.6mg/kg/10週、2.61mg/kg/10週、2.62mg/kg/10週、2.63mg/kg/10週、2.64mg/kg/10週、2.65mg/kg/10週、2.66mg/kg/10週、2.67mg/kg/10週、2.68mg/kg/10週、2.69mg/kg/10週、2.7mg/kg/10週、2.71mg/kg/10週、2.72mg/kg/10週、2.73mg/kg/10週、2.74mg/kg/10週、2.75mg/kg/10週、2.76mg/kg/10週、2.77mg/kg/10週、2.78mg/kg/10週、2.79mg/kg/10週、2.8mg/kg/10週、2.81mg/kg/10週、2.82mg/kg/10週、2.83mg/kg/10週、2.84mg/kg/10週、2.85mg/kg/10週、2.86mg/kg/10週、2.87mg/kg/10週、2.88mg/kg/10週、2.89mg/kg/10週、2.9mg/kg/10週、2.91mg/kg/10週、2.92mg/kg/10週、2.93mg/kg/10週、2.94mg/kg/10週、2.95mg/kg/10週、2.96mg/kg/10週、2.97mg/kg/10週、2.98mg/kg/10週、2.99mg/kg/10週、3mg/kg/10週等であってよい。あるいは、非限定的な一実施態様において、それは例えば、0.1mg/kg/12週、0.11mg/kg/12週、0.12mg/kg/12週、0.125mg/kg/12週、0.13mg/kg/12週、0.14mg/kg/12週、0.15mg/kg/12週、0.16mg/kg/12週、0.17mg/kg/12週、0.18mg/kg/12週、0.19mg/kg/12週、0.2mg/kg/12週、0.21mg/kg/12週、0.22mg/kg/12週、0.23mg/kg/12週、0.24mg/kg/12週、0.25mg/kg/12週、0.26mg/kg/12週、0.27mg/kg/12週、0.28mg/kg/12週、0.29mg/kg/12週、0.3mg/kg/12週、0.31mg/kg/12週、0.32mg/kg/12週、0.33mg/kg/12週、0.34mg/kg/12週、0.35mg/kg/12週、0.36mg/kg/12週、0.37mg/kg/12週、0.38mg/kg/12週、0.39mg/kg/12週、0.4mg/kg/12週、0.41mg/kg/12週、0.42mg/kg/12週、0.43mg/kg/12週、0.44mg/kg/12週、0.45mg/kg/12週、0.46mg/kg/12週、0.47mg/kg/12週、0.48mg/kg/12週、0.49mg/kg/12週、0.5mg/kg/12週、0.51mg/kg/12週、0.52mg/kg/12週、0.53mg/kg/12週、0.54mg/kg/12週、0.55mg/kg/12週、0.56mg/kg/12週、0.57mg/kg/12週、0.58mg/kg/12週、0.59mg/kg/12週、0.6mg/kg/12週、0.61mg/kg/12週、0.62mg/kg/12週、0.63mg/kg/12週、0.64mg/kg/12週、0.65mg/kg/12週、0.66mg/kg/12週、0.67mg/kg/12週、0.68mg/kg/12週、0.69mg/kg/12週、0.7mg/kg/12週、0.71mg/kg/12週、0.72mg/kg/12週、0.73mg/kg/12週、0.74mg/kg/12週、0.75mg/kg/12週、0.76mg/kg/12週、0.77mg/kg/12週、0.78mg/kg/12週、0.7
9mg/kg/12週、0.8mg/kg/12週、0.81mg/kg/12週、0.82mg/kg/12週、0.83mg/kg/12週、0.84mg/kg/12週、0.85mg/kg/12週、0.86mg/kg/12週、0.87mg/kg/12週、0.88mg/kg/12週、0.89mg/kg/12週、0.9mg/kg/12週、0.91mg/kg/12週、0.92mg/kg/12週、0.93mg/kg/12週、0.94mg/kg/12週、0.95mg/kg/12週、0.96mg/kg/12週、0.97mg/kg/12週、0.98mg/kg/12週、0.99mg/kg/12週、1mg/kg/12週、1.01mg/kg/12週、1.02mg/kg/12週、1.03mg/kg/12週、1.04mg/kg/12週、1.05mg/kg/12週、1.06mg/kg/12週、1.07mg/kg/12週、1.08mg/kg/12週、1.09mg/kg/12週、1.1mg/kg/12週、1.11mg/kg/12週、1.12mg/kg/12週、1.13mg/kg/12週、1.14mg/kg/12週、1.15mg/kg/12週、1.16mg/kg/12週、1.17mg/kg/12週、1.18mg/kg/12週、1.19mg/kg/12週、1.2mg/kg/12週、1.21mg/kg/12週、1.22mg/kg/12週、1.23mg/kg/12週、1.24mg/kg/12週、1.25mg/kg/12週、1.26mg/kg/12週、1.27mg/kg/12週、1.28mg/kg/12週、1.29mg/kg/12週、1.3mg/kg/12週、1.31mg/kg/12週、1.32mg/kg/12週、1.33mg/kg/12週、1.34mg/kg/12週、1.35mg/kg/12週、1.36mg/kg/12週、1.37mg/kg/12週、1.38mg/kg/12週、1.39mg/kg/12週、1.4mg/kg/12週、1.41mg/kg/12週、1.42mg/kg/12週、1.43mg/kg/12週、1.44mg/kg/12週、1.45mg/kg/12週、1.46mg/kg/12週、1.47mg/kg/12週、1.48mg/kg/12週、1.49mg/kg/12週、1.5mg/kg/12週、1.51mg/kg/12週、1.52mg/kg/12週、1.53mg/kg/12週、1.54mg/kg/12週、1.55mg/kg/12週、1.56mg/kg/12週、1.57mg/kg/12週、1.58mg/kg/12週、1.59mg/kg/12週、1.6mg/kg/12週、1.61mg/kg/12週、1.62mg/kg/12週、1.63mg/kg/12週、1.64mg/kg/12週、1.65mg/kg/12週、1.66mg/kg/12週、1.67mg/kg/12週、1.68mg/kg/12週、1.69mg/kg/12週、1.7mg/kg/12週、1.71mg/kg/12週、1.72mg/kg/12週、1.73mg/kg/12週、1.74mg/kg/12週、1.75mg/kg/12週、1.76mg/kg/12週、1.77mg/kg/12週、1.78mg/kg/12週、1.79mg/kg/12週、1.8mg/kg/12週、1.81mg/kg/12週、1.82mg/kg/12週、1.83mg/kg/12週、1.84mg/kg/12週、1.85mg/kg/12週、1.86mg/kg/12週、1.87mg/kg/12週、1.88mg/kg/12週、1.89mg/kg/12週、1.9mg/kg/12週、1.91mg/kg/12週、1.92mg/kg/12週、1.93mg/kg/12週、1.94mg/kg/12週、1.95mg/kg/12週、1.96mg/kg/12週、1.97mg/kg/12週、1.98mg/kg/12週、1.99mg/kg/12週、2mg/kg/12週、2.01mg/kg/12週、2.02mg/kg/12週、2.03mg/kg/12週、2.04mg/kg/12週、2.05mg/kg/12週、2.06mg/kg/12週、2.07mg/kg/12週、2.08mg/kg/12週、2.09mg/kg/12週、2.1mg/kg/12週、2.11mg/kg/12週、2.12mg/kg/12週、2.13mg/kg/12週、2.14mg/kg/12週、2.15mg/kg/12週、2.16mg/kg/12週、2.17mg/kg/12週、2.18mg/kg/12週、2.19mg/kg/12週、2.2mg/kg/12週、2.21mg/kg/12週、2.22mg/kg/12週、2.23mg/kg/12週、2.24mg/kg/12週、2.25mg/kg/12週、2.26mg/kg/12週、2.27mg/kg/12週、2.28mg/kg/12週、2.29mg/kg/12週、2.3mg/kg/12週、2.31mg/kg/12週、2.32mg/kg/12週、2.33mg/kg/12週、2.34mg/kg/12週、2.35mg/kg/12週、2.36mg/kg/12週、2.37mg/kg/12週、2.38mg/kg/12週、2.39mg/kg/12週、2.4mg/kg/12週、2.41mg/kg/12週、2.42mg/kg/12週、2.43mg/kg/12週、2.44mg/kg/12週、2.45mg/kg/12週、2.46mg/kg/12週、2.47mg/kg/12週、2.48mg/kg/12週、2.49mg/kg/12週、2.5mg/kg/12週、2.51mg/kg/12週、2.52mg/kg/12週、2.53mg/kg/12週、2.54mg/kg/12週、2.55mg/kg/12週、2.56mg/kg/12週、2.57mg/kg/12週、2.58mg/kg/12週、2.59mg/kg/12週、2.6mg/kg/12週、2.61mg/kg/12週、2.62mg/kg/12週、2.63mg/kg/12週、2.64mg/kg/12週、2.65mg/kg/12週、2.66mg/kg/12週、2.67mg/kg/12週、2.68mg/kg/12週、2.69mg/kg/12週、2.7mg/kg/12週、2.71mg/kg/12週、2.72mg/kg/12週、2.73mg/kg/12週、2.74mg/kg/12週、2.75mg/kg/12週、2.76mg/kg/12週、2.77mg/kg/12週、2.78mg/kg/12週、2.79mg/kg/12週、2.8mg/kg/12週、2.81mg/kg/12週、2.82mg/kg/12週、2.83mg/kg/12週、2.84mg/kg/12週、2.85mg/kg/12週、2.86mg/kg/12週、2.87mg/kg/12週、2.88mg/kg/12週、2.89mg/kg/12週、2.9mg/kg/12週、2.91mg/kg/12週、2.92mg/kg/12週、2.93mg/kg/12週、2.94mg/kg/12週、2.95mg/kg/12週、2.96mg/kg/12週、2.97mg/kg/12週、2.98mg/kg/12週、2.99mg/kg/12週、3mg/kg/12週等であってよい。
【0050】
本開示におけるIL-31アンタゴニストは、上述の所定の投与間隔及び所定の用量(投与量)で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与されることで、透析そう痒症及び、場合によりさらにそれに伴い生じる種々の症状(例えば、QOLの低下、睡眠の質の低下、生命予後の低下)を持続的に抑制もしくは改善することができる。等量で投与される投与量と、同一となる投与間隔は、例えば効果や安全性等を考慮して決定される。
【0051】
一実施態様において、本開示の医薬組成物の対象への投与方法としては、経口投与または非経口投与を選択することが可能である。限定はされないが、典型的には、有効成分が低分子化合物の場合は経口投与又は非経口投与であってよく、高分子化合物の場合は非経口投与が好ましい。非経口投与の例としては、注射投与、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられ、さらに注射の例としては、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などが挙げられる。これらの投与方法により、本開示の医薬組成物を全身または局所に投与することができる。
【0052】
一実施態様において、本開示の医薬組成物は、有効成分であるIL-31アンタゴニストと医薬的に許容し得る担体とを組み合わせて製剤化することが可能である。例えば、IL-31アンタゴニストに、医薬的に許容し得る担体もしくは媒体、例えば、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などを適宜組み合わせて製剤化してよい。担体の例としては、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類などを挙げることができる。これら製剤における有効成分の量は、指示された用量の範囲内で適宜設定することが可能である。
【0053】
別の一実施態様において、本開示は、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象にIL-31アンタゴニストを投与することを含む、透析そう痒症の予防及び/又は治療方法に関する。
かかる場合、前記IL-31アンタゴニストは、0.1mg~1000mg/body/1日~12週、好ましくは、0.1mg~1000mg/body/2週、0.1mg~1000mg/body/4週、又は、0.1mg~1000mg/body/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与されてもよい。あるいは、前記IL-31アンタゴニストは、0.01mg~10mg/kg/1日~12週、好ましくは、0.01mg~10mg/kg/2週、0.01mg~10mg/kg/4週、又は、0.01mg~10mg/kg/8週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与されてもよい。また、前記IL-31アンタゴニストは、血清中のIL-31濃度が所定の値以上である、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に投与されてもよい。
特定の実施態様において、本開示の予防及び/又は治療方法は、IL-31アンタゴニストを投与する前に、対象から得られた血清中のIL-31濃度が所定の値以上である対象を、予防/治療の対象として選択することをさらに含んでよい。すなわち本開示は、対象から得られた血清中のIL-31濃度が所定の値以上である対象を選択することと、選択された対象にIL-31アンタゴニストを投与することとを含む、透析そう痒症の予防及び/又は治療方法を提供する。本開示のこの実施態様は、前記選択することの前に、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定することをさらに含んでもよい。あるいは本開示は、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象から得られた血清中のIL-31濃度を測定すること;当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定すること;ならびに、応答者であると判定された対象にIL-31アンタゴニストを投与することを含む、透析そう痒症の予防及び/又は治療方法を提供してよい。あるいは、前述の実施態様では、あらかじめ血清中のIL-31濃度が測定された透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に対して、当該IL-31濃度が所定の値以上である対象をIL-31アンタゴニストによる予防及び/又は治療に対する応答者であると判定してもよい。
【0054】
別の態様において、本開示は、少なくとも、(i)容器(例えば注射剤);(ii)IL-31アンタゴニストを有効成分として含有する、前記容器内の医薬組成物;ならびに(iii)前記IL-31アンタゴニストを、0.1mg~1000mg/body/1日~12週、又は、0.01mg~10mg/kg/1日~12週で、透析そう痒症に罹患した、又は、罹患している恐れのある対象に等量かつ同一の投与間隔で反復投与することを指示する文書を含む製品を提供する。当該製品には、その他、ラベル、注射筒、注射針、薬学的に許容される媒体、アルコール綿布、絆創膏等を、適宜、パッケージしておくこともできる。容器は、例えばボトル、ガラス瓶、又は注射筒等であり、ガラス又はプラスチックのような様々な材料で作ることができる。容器には医薬組成物が収容されており、出入り口は例えばゴム栓で封がされている。容器には、例えば医薬組成物が選択された病状の予防や治療に使用されることが示されているラベルが付されている。
【0055】
本明細書において引用される全ての技術文献は、参照としてその全体が本明細書中に援用される。
【0056】
本明細書において、「及び/又は」の用語の意義は、成句「及び/又は」の前後の用語の組合せであって、「及び」と「又は」が適宜組み合わされたあらゆる組合せを含むと理解される。
【0057】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施態様を説明するために用いられ、発明を限定する意図として理解されてはならない。異なる定義が明示されていない限り、本明細書で用いられる用語(技術用語及び科学用語を含む。)は、本開示が属する技術分野における当業者によって広く理解されるものと同じ意味を有するものとして解釈され、かつ、理想化され、又は、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
【0058】
本明細書で用いられる用語「含む」は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記述された事項(工程、要素、数字等)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(工程、要素、数字等)が存在することを排除しない。
【0059】
本開示の実施態様は模式図を参照しつつ説明される場合があるが、説明を明確にするために誇張されて表現される場合がある。
【0060】
本明細書に記載の数値は、文脈に反しない限り、当業者の技術常識に従って、一定の幅を有する値であると理解されてよい。例えば「1mg」の記載は「約1mg」と記載されているものと理解され、本明細書の記載及び当業者の技術常識に基づいて一定の変動量を包含するものとして理解される。また、本明細書において、例えば、「1~5回」と記載されている場合、文脈に反しない限り、「1回、2回、3回、4回、5回」と、それぞれの値が個別具体的に記載されているものと理解されてよい。また、本明細書において、例えば、「20回、・・・25回」と記載されている場合、文脈に反しない限り、「20回、21回、22回、23回、24回、25回」と、それぞれの値が個別具体的に記載されているものと理解されてよい。また、本明細書において、例えば、「1~5000 pg/mL」と記載されている場合、文脈に反しない限り、限定はされないが、例えば、「1 pg/mL、2 pg/mL、3 pg/mL、4 pg/mL、5 pg/mL、6 pg/mL、7 pg/mL、8 pg/mL、9 pg/mL、10 pg/mL、・・・15 pg/mL、・・・20 pg/mL、・・・25 pg/mL、・・・30 pg/mL、・・・35 pg/mL、・・・40 pg/mL、・・・45 pg/mL、・・・50 pg/mL、・・・55 pg/mL、・・・60 pg/mL、・・・65 pg/mL、・・・70 pg/mL、・・・75 pg/mL、・・・80 pg/mL、・・・85 pg/mL、・・・90 pg/mL、・・・95 pg/mL、・・・100 pg/mL、・・・150 pg/mL、・・・200 pg/mL、・・・250 pg/mL、・・・300 pg/mL、・・・350 pg/mL、・・・400 pg/mL、・・・450 pg/mL、・・・500 pg/mL、・・・600 pg/mL、・・・700 pg/mL、・・・800 pg/mL、・・・900 pg/mL、・・・1000 pg/mL、・・・2000 pg/mL、・・・3000 pg/mL、・・・4000 pg/mL、・・・5000 pg/mL」と記載されているものと理解されてよい。また、例えば、「10 pg/mL、・・・15 pg/mL」と記載されている場合、文脈に反しない限り、「10 pg/mL、11 pg/mL、12 pg/mL、13 pg/mL、14 pg/mL、15 pg/mL」と、それぞれの値が個別具体的に記載されているものと理解されてよい。したがって、当業者は、例えば、「1~5000 pg/mL」の記載から、直接かつ一義的に、例えば、100 pg/mL、224 pg/ml、1500 pg/mL等の値が個別具体的に記載されていることを当然に理解する。本明細書に記載の数値は、文脈に反しない限り、適宜、同様に解釈され、同様に、それぞれの値が直接かつ一義的に個別具体的に記載されているものとして当業者に当然に理解されてよい。
【実施例】
【0061】
以下、本開示を実施例により具体的に説明するが、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
【0062】
[実施例1]
抗ヒトIL-31RA抗体の調製
抗ヒトIL-31RA抗体であるCIM331(ネモリズマブ(nemolizumab))(H鎖:配列番号:9;L鎖:配列番号:10のアミノ酸配列で特定される)を、前記特許文献の記載に従って、当業者公知の方法で作製した。WO2010/064697にも記載の通り、CIM331はヒトIL-31RA及びカニクイザルIL-31RAに対して中和活性を有する。
【0063】
[実施例2]
CIM331の臨床試験に先立つ非臨床試験に関連して、特筆すべき重大な事実が見出された。すなわち、CIM331の、マウス、ラット、ウサギの各IL-31RAとの抗原-抗体相互作用を当業者公知の方法を用いてBiacore(Biacore T100 (GE Healthcare))で評価した。その結果、CIM331はマウス、ラット、ウサギのIL-31RAに交差反応性を示さないことが判明した(Sakurai T, Esaki K. Cross-reactivity of CH5427227 with NR10 (IL-31RA) from mice, rats and rabbits (Study No. TOX08-0198S). Chugai Pharmaceutical Co., Ltd. In-house report, 2010.)。
したがって、CIM331のヒトにおける投与量と投与間隔に関する後述する効果としては、当業者といえども、CIM331を実際にヒトに投与して確認するか、あるいは、交差反応性を示すヒトモデル(例えば、カニクイザル)に投与した上でその結果をヒトに対して外挿することで効果を予測しなければならなかった。
【0064】
[実施例3A]
カニクイザルにおけるIL-31誘発そう痒に対するCIM331皮下投与の抑制効果
カニクイザルにカニクイザルIL-31を静脈内投与して誘発されるそう痒に対するCIM331皮下投与の影響を検討した。そう痒に対する反応性の指標として、そう痒行動回数を測定した。そう痒行動回数は、ビデオカメラにて記録したサルの行動(2時間)を目視で観察し、前肢又は後肢で体の一部を引っ掻く動作をそう痒行動1回として計測した。ただし、1回及び2回で終了するそう痒行動は偶発的なものであると考え、そう痒行動の回数から除外した。
まずCIM331投与前に、カニクイザルIL-31非投与時の個体行動をビデオカメラで撮影した(2時間)。その後、ビデオ再生により観察し、上記の方法を用いてカニクイザルIL-31非投与時のそう痒行動回数を測定した。
カニクイザルにCIM331 0.2又は1 mg/kgを単回皮下投与し、以下のようにカニクイザルIL-31投与後のそう痒行動回数の測定を行い、CIM331皮下投与の影響を評価した。カニクイザルに0.2 mg/kgのCIM331を単回皮下投与し、CIM331皮下投与前及び皮下投与後3, 15, 28, 42, 56, 93日後に1 μg/kgのカニクイザルIL-31を静脈内投与した。カニクイザルIL-31投与後、ビデオカメラを用いて個体行動を撮影した(2時間)。同様に、カニクイザルに1 mg/kgのCIM331を単回皮下投与し、CIM331皮下投与前及び皮下投与後28, 42, 56, 77, 79, 81, 84, 93日後に1 μg/kgのカニクイザルIL-31を静脈内投与した。カニクイザルIL-31投与後、ビデオカメラを用いて個体行動を撮影した(2時間)。その後、ビデオ再生により観察し、前述の方法を用いて、カニクイザルIL-31投与後のそう痒行動回数を測定した。
【0065】
CIM331投与前にはカニクイザルIL-31投与により、カニクイザルIL-31投与前と比較して、そう痒行動回数が増加しており、そう痒が誘発されていることが確認された。また、カニクイザルにCIM331を単回皮下投与することにより、カニクイザルIL-31投与後のそう痒行動回数の減少が確認された。
カニクイザルに0.2 mg/kgのCIM331を単回皮下投与することにより、CIM331の投与前に比較し、CIM331投与3日後の評価においてカニクイザルIL-31投与後のそう痒行動回数の平均値の減少が認められ、42日後においてもカニクイザルIL-31投与後のそう痒行動回数の平均値の減少が認められた(
図6)。また1 mg/kgのCIM331単回皮下投与ではCIM331投与77日後においても、カニクイザルIL-31投与後のそう痒行動回数の平均値の減少が認められた(
図7)。
【0066】
ヒトへの投与量設定に当たり、CIM331の有効血漿中濃度を、カニクイザルにカニクイザルIL-31を投与することにより全身性のそう痒を誘発するin vivoカニクイザルIL-31誘発そう痒モデルを用いた試験成績より求めた。この試験では、同一のカニクイザル個体に対し、CIM331を静脈内投与し、その投与量を3 μg/kgから100 μg/kgまで段階的に増加(3, 10, 40, 60, 100 μg/kg)させることにより血漿中濃度を増加させた。各段階でのCIM331投与翌日に血漿中CIM331濃度を測定するために採血するとともに、1 μg/kgのカニクイザルIL-31を静脈内投与することにより誘発される投与後2時間のそう痒行動をビデオ撮影し、そのそう痒行動回数を計測した。そう痒行動回数は、ビデオカメラにて記録したサルの行動(2時間)を目視で観察し、前肢又は後肢で体の一部を引っ掻く動作をそう痒行動1回として計測した。ただし、1回及び2回で終了するそう痒行動は偶発的なものであると考え、そう痒行動の回数から除外した。CIM331を静脈内投与し、その投与量を段階的に増加させることにより、CIM331投与翌日の平均血漿中CIM331濃度は投与量に依存して段階的に増加した。CIM331は、このカニクイザルIL-31誘発性そう痒に対して、40 μg/kg投与後(投与翌日の平均血漿中濃度は670 ng/mL)以降で明らかな抑制効果を示した。この平均血漿中濃度670 ng/mLをヒトにおけるCIM331の有効血清中推定濃度とした。ヒトとカニクイザルにおける抗体の体内動態は類似していることが報告されている(Jennifer Q. Dong et al., Quantitative Prediction of Human Pharmacokinetics for Monoclonal Antibodies. Clin Pharmacokinet 2011;50(2):131-142; Jie Ling et al., Interspecies Scaling of Therapeutic Monoclonal Antibodies: Initial Look. J Clin Pharmacol 2009:49(12):1382-1402; Rong Deng et al., Projecting human pharmacokinetics of therapeutic antibodies from nonclinical data. mAbs 2011:3(1):61-66)。そのため、カニクイザルPK試験における血漿中CIM331濃度推移データの非線形解析によって得られたPKパラメータを、ヒトにおけるPKパラメータ予測値とした。非線形解析には、
図8に示すミカエリス・メンテン式を導入した非線形解析モデルを用いた。
【0067】
カニクイザルに0.04 mg/kg、0.2 mg/kg、1.0 mg/kgでCIM331を静脈内及び皮下投与後の血漿中CIM331濃度推移の各群の平均値を上記モデルに同時当てはめし、最適なパラメータを算出した。得られたパラメータを用い、CIM331をヒトに投与した場合の血清中濃度推移を予測した。ヒトに1 mg/kgで投与した場合、CIM331のヒトにおける有効血清中推定濃度である670 ng/mL以上の血清中濃度を56日間維持すると予測された(
図9)。CIM331が確実に1ヶ月間以上IL-31シグナルを阻害する効果を維持できると想定される1 mg/kgを、予想臨床至適用量とした。
【0068】
[実施例3B]
アトピー性皮膚炎患者を対象とした単回皮下投与
第I相単回投与試験の被験薬群において、以下の基準に合致するアトピー性皮膚炎患者36名に対して、体重あたりCIM331投与量0.3 mg/kg、1 mg/kg、3 mg/kgあるいはプラセボのいずれかを、1群あたり9名に対してそれぞれ、腹部に単回で皮下投与した。
CIM331を投与する対象患者としては、外用ステロイド剤による治療を12週以上継続して実施しているにも関わらず以下の基準を満たすアトピー性皮膚炎患者を選択した。
・Eczema Area Severity Indexが10以上、かつ強い炎症を伴う皮疹が体表面積の5%以上
・白取の重症度分類に基づいた日中及び夜間の痒みの程度の評価の合計が4以上
・そう痒VAS平均値≧50mm
なお、治験薬は、1 mL中に100 mgのCIM331抗体を含有する液1 mLを充填したもの、あるいは希釈により目的の投与濃度にしたものを用いた。プラセボは生理食塩水を用いた。
【0069】
(3-1)評価項目:そう痒
そう痒の強さの評価は、Visual Analog Scale (VAS)により行った。VASは100 mmの直線で、0 mmを痒みなし、100 mmを患者がアトピー性皮膚炎で過去に経験した最も強い痒みとした場合に、起床時及び就寝時におけるかゆみの強さを患者自身が0~100 mmの間に線で示すものである。患者は試験期間中毎日記録を行った。
その結果、プラセボ群では20%程度の低下でVASが推移したのに対し、CIM331投与群ではいずれの用量群においても投与1週後からVASが低下し、投与4週後以降も50%程度の低下が維持された(
図1)。
【0070】
(3-2)評価項目:皮膚炎
Eczema Area Severity Index(EASI)スコアは、アトピー性皮膚炎の重症度及び範囲を測定するためのツールである。代表的な患部の湿疹の程度及び占める割合を、頭頸部、上肢、体幹及び下肢の4領域のそれぞれについて、発赤(紅斑)、厚さ(硬結、丘疹、浮腫)、ひっかき傷(掻破痕)及び苔癬化の程度を、なし(0)、軽度(1)、中等度(2)、高度(3)で評価した。治験期間中、1週間又は2週間に1回の頻度で医師が判定を行った。投与4週後時点のベースラインからのEASIスコアの平均変化量を、投与4週後におけるそう痒VASスコアの減少率別(すなわち、減少率が50%未満の群と、50%以上の群)に解析した。
その結果、そう痒VASスコアの減少率が50%以上の群では、EASIスコアの平均変化量は-11.5ポイントであり、50%未満の群又はプラセボ群と比較した場合に、EASIスコアの減少量が大きかった(
図2)。
【0071】
(3-3)評価項目:生活の質(QOL)
(3-3-1)睡眠
Actiwatch(登録商標)は、手首に装着し、全身の動きの指標となる手首の動きを自由行動下で捕捉し、記録及び保存するように設計された非侵襲型測定機器である。投与4週後(Week 4)まで被験者はこの機器を装着した。入眠から覚醒までの実際の時間、睡眠潜時、睡眠効率を含むその他のパラメータを客観的な方法で測定した。睡眠効率は以下の式で算出した。
【数1】
その結果、睡眠効率は、全群において、投与前は60%程度であったが、CIM331投与群ではいずれの用量群においても、投与1週後から睡眠効率の改善が認められ、投与4週後(Week4)には80%程度まで改善した(
図3)。
(3-3-2)DLQI
Dermatology Life Quality Indexは、皮膚科用のQOL評価ツールDLQI(Finlay et al. 1994)であり、10の質問で構成される。DLQIの質問は以下の6項目に分けられる:症状・感情、日常活動、余暇、労働・学校、人間関係、治療。全質問項目のスコアを合計してDLQIを求める。最大は30、最小は0である。スコアが高いほどQOLが低下している。
患者は2週毎あるいは4週毎に記録を行った。その結果、投与4週後における変化はプラセボ群では平均0.7ポイントの低下であったのに対し、CIM331群では平均5.4-6.3ポイントの低下が認められた。
【0072】
(3-4)評価項目:外用ステロイドの使用量
外用ステロイド(ロコイド(登録商標);ヒドロコルチゾン酪酸エステル)はいずれの患者でも併用した。また、外用ステロイドの使用量は、患者の状態により適宜増減可能とした。
その結果、ロコイドの使用量は、プラセボ投与群では増加傾向であったのに対して、CIM331投与群ではいずれの用量群においても投与1週後から減少傾向を示した(
図4)。
【0073】
(3-5)評価項目:CIM331の血清中の濃度推移と薬物動態パラメータ値
日本人アトピー性皮膚炎患者の血清中CIM331濃度の推移を
図5に、薬物動態パラメータ値を表1に示す。
【0074】
【0075】
その結果、CIM331の投与4.46~5.66日後(平均値、以下同様)に、CIM331は最高血清中濃度に達し、その後、血清中消失半減期(t1/2)12.6~14.6日で緩やかな消失を示した。0.3mg/kg群、1mg/kg群及び3mg/kg群のCmaxは、それぞれ、2.20、6.50及び19.4μg/mLであり、AUCinfは、それぞれ、49.2、161及び489日*μg/mLであった。また、CIM331単回皮下投与時のAUCinf、AUClast及びCmaxは、投与量に比例して増加した。血清中のCIM331濃度は、用量依存的に、ある一定以上の濃度を維持する期間の延長傾向が認められた。また、CIM331投与によるそう痒の抑制効果は、本試験では曝露との関連性が明瞭にはならなかった。
なお、表中、各用語はそれぞれ以下を意味する。
AUCinf: 時間0から無限時間まで外挿したAUC
AUClast: 時間0から血漿中濃度定量可能最終時点までのAUC
CL/F: みかけのクリアランス
Cmax: 最高血中濃度
MRT: 平均滞留時間
t1/2: 消失半減期
Tmax: 最高血中濃度到達時間
【0076】
(3-6)探索的評価項目:有効性
これらの結果により、CIM331は、アトピー性皮膚炎患者のそう痒、皮膚炎、及びQOLを改善したことが見出された。本試験は、IL-31アンタゴニストがアトピー性皮膚炎によって生じるそう痒に対して有効であることを示した初の臨床試験成績報告である。これにより、CIM331が、Itch Scratch Cycleの遮断という新しい作用機序に基づき、アトピー性皮膚によって生じるそう痒のみならず、皮膚炎及びQOLの改善をももたらし得ることが期待できる。なお、そう痒を伴うそう破は、皮疹を悪化させる増悪因子であることが知られており、そう破により皮膚が機械的障害を受けてバリア機能が低下し、表皮を通過して侵入した外来抗原により炎症反応が増強され、皮膚炎の悪化及びそう痒の増悪をきたす。このようなそう破-皮膚炎悪化-そう痒悪化の悪循環は、Itch Scratch Cycleとして知られている(例えば、Wahlgren CF et al. J Allergy Clin Immunol 2006;118:178-89)。
【0077】
[実施例4]
アトピー性皮膚炎患者を対象とした反復皮下投与
(4-1)第II相反復投与試験
第II相反復投与試験の被験薬群において、外用治療に効果不十分もしくは忍容性のない、中等症及び重症のアトピー性皮膚炎患者約250名を対象に、以下の要領でCIM331又はプラセボのいずれかを腹部に皮下投与する。CIM331の体重あたりの投与量及び投与液濃度は以下の通りとし、体重あたり20μL/kgの液量でゆっくりと投与する。被験者の体重が120kgを超える場合には体重を120 kgとして治験薬を調製する。なお、治験薬は、1 mL中に100 mgのCIM331抗体を含有する液を1バイアルにつき1.53 mL充填し凍結乾燥させた製剤を、注射用水で溶解して投与液とし、別に溶解させたプラセボ溶液を使用してさらに希釈して目的の投与濃度にする。
【0078】
【0079】
CIM331を投与する対象患者としては、外用ステロイド剤又は外用カルシニューリン阻害剤を、固定の用法で4週間以上継続して実施しても十分な効果が得られなかった、あるいは、標準的な外用治療に対して忍容性がない患者、または標準的な外用治療を実施することができない患者(禁忌等)で、以下の基準を満たすアトピー性皮膚炎患者を選択した。
・Eczema Area Severity Indexが10以上
・sIGAスコアが3以上
・そう痒VAS≧50mm
【0080】
本治験は2つのパートで構成される。Part Aは、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験である(Week 0~Week 12)。Part Bは、二重盲検投与継続期間であり、更に52週間にわたり被験者へのCIM331投与が継続される(Week 12~Week 64)。Part Aでの被験者約250名を1:1:1:1:1の比で4つの被験薬群(各群約50名)及びプラセボ群(約50名)のいずれかにランダムに割り付けた。
Part A
・CIM331(0.1 mg/kg)、4週間ごとに皮下投与(Day 1、Week 4及びWeek 8に投与)
・CIM331(0.5 mg/kg)、4週間ごとに皮下投与(Day 1、Week 4及びWeek 8に投与)
・CIM331(2.0 mg/kg)、4週間ごとに皮下投与(Day 1、Week 4及びWeek 8に投与)
・CIM331(2.0 mg/kg)、8週間ごとに皮下投与(Day 1及びWeek 8に投与、さらにWeek 4にプラセボを投与)
・プラセボを4週間ごとに皮下投与(Day 1、Week 4及びWeek 8に投与)
より具体的には、Part Aにおいて、治験薬あるいはプラセボの投与を1回以上受けた患者は264例で、プラセボ、0.1mg/kg、0.5mg/kg、2.0mg/kgの4週間ごとに皮下投与する群、及び2.0mg/kgを8週間ごとに皮下投与する群で、それぞれ53例、53例、54例、52例及び52例であった。
Part B
Part Aでプラセボ群に割り付けられた被験者は、Part BにおいてCIM331(0.1 mg/kg、0.5 mg/kg、2.0 mg/kg)を4週間ごとに皮下投与する群に再度ランダムに割り付けられる。
Part Aで被験薬群にランダムに割り付けられた被験者は、Part Aと同じ用量群に再度割り付けられ、Week 12以降も同じ治療を継続する。
・CIM331(0.1 mg/kg)、4週間ごとに皮下投与、計52週間
・CIM331(0.5 mg/kg)、4週間ごとに皮下投与、計52週間
・CIM331(2.0 mg/kg)、4週間ごとに皮下投与、計52週間
・CIM331(2.0 mg/kg)、8週間ごとに皮下投与、計52週間(この群の被験者にはCIM331とプラセボを4週毎に交互に投与する。)
【0081】
(4-2)救済治療
そう痒VAS又は皮膚症状の改善が認められない被験者に対し、初回投与4週以後は医師の判断で外用薬を救済治療として使用することを認める。「改善が認められない」の定義は、(1)ベースライン時からsIGAスコアに改善が認められない、
(2)sIGAスコアが3以上、
(3)ベースライン時からのそう痒VAS改善率が10%未満、直近のそう痒VAS が50 mm以上
のすべてを満たす場合とする。
【0082】
(4-3)評価項目:
・そう痒の強さの評価は、Visual Analog Scale (VAS)(Furue et al.2013)により行う。VASは100 mmの直線で、0 mmを痒みなし、100 mmを想像され得る最悪の痒みとした場合に、過去24時間におけるかゆみの強さを患者自身が0~100 mmの間に線で示すものである。
・そう痒Verbal rating scale(VRS)は、かゆみなし(0)、軽いかゆみ(1)、中等度のかゆみ(2)、ひどいかゆみ(3)、又は、非常にひどいかゆみ(4)の5段階のVRS(Reich et al. 2012)で過去24時間中のそう痒の程度を被験者が評価する。
・Eczema Area Severity Index(EASI)スコアは、アトピー性皮膚炎の重症度及び範囲を測定するためのツールである。代表的な患部の湿疹の程度及び占める割合を、頭頸部、上肢、体幹及び下肢の4領域のそれぞれについて、発赤(紅斑)、厚さ(硬結、丘疹、浮腫)、ひっかき傷(掻破痕)及び苔癬化の程度を、なし(0)、軽度(1)、中等度(2)、高度(3)で評価する。
・SCORing Atopic dermatitis(SCORAD)は湿疹の範囲及び重症度を評価するための臨床ツールである(European Task Force on Atopic Dermatitis 1993)。
・static Investigator's Global Assessment (sIGA)は、clear からvery severe disease までの6段階(0 = clear, 1 = almost clear, 2 = mild disease, 3= moderate disease, 4 = severe disease, 5 = very severe disease)で、紅斑,浸潤,丘疹,滲出及び痂皮の臨床特性を用いて、評価時点の総合的な重症度を評価する。
・アトピー性皮膚炎病変部のBody surface area(BSA)は全身のうち病変部の占める割合を示す。
・睡眠障害VASは、「睡眠の問題なし」(0)から「全く眠ることができなかった」(10)までのVAS(Furue et al. 2013)で過去24時間中の睡眠障害の程度を被験者が評価する。
・Dermatology Life Quality Indexは、皮膚科用のQOL評価ツールDLQI(Finlay et al. 1994)であり、10の質問で構成される。DLQIの質問は以下の6項目に分けられる:
症状・感情、日常活動、余暇、労働・学校、人間関係、治療。全質問項目のスコアを合計してDLQIを求める。最大は30,最小は0である。スコアが高いほどQOLが低下している。
・アクティグラフィ
Actiwatchは、手首に装着し、全身の動きの指標となる手首の動きを自由行動下で捕捉し、記録及び保存するように設計された非侵襲型測定機器である。前観察期間開始時からWeek 4まで被験者はこの機器を装着する。入眠から覚醒までの実際の時間、睡眠潜時,睡眠効率を含むその他のパラメータを客観的な方法で測定する。
【0083】
(4-4)解析手段、解析方法等:
CIM331を4週間ごとに皮下投与する群において、主要評価項目は、投与開始12週後のそう痒VASの投与開始時と比較した改善率とし、4週間に1回CIM331投与の各用量群のプラセボに対する優越性・有効性を確認する。主要な解析方法としては、共分散分析(Analysis of covariance,ANCOVA)を用いる。具体的には、投与開始12週後のそう痒VASの投与開始時と比較した改善率を応答変数とし、治療群を固定効果、投与開始時のそう痒VAS及び地域(日本、欧州、米国)を共変量としたモデルをあてはめる。主要解析では、検定の有意水準は片側0.025を用い、閉検定手順の原理に基づいて高用量から逐次的に2群比較を行うことで、検定の繰り返しによる多重性を考慮する。主要な解析対象集団として、治験実施計画書からの重大な逸脱が認められた被験者の一部、早期に治験を中止した被験者、及び割付けと異なる治験薬を投与された被験者等を除いたper-protocol(PP)集団を用いる。救済治療を受けた後に測定したデータをすべて除外し、欠損値をLOCF(Last Observation value Carrying Forward after baseline)により補完する。
【0084】
Part Aで治験薬あるいはプラセボの投与を受けた患者のうち、主要な解析対象集団はプラセボ、0.1mg/kg、0.5mg/kg、2.0mg/kgの4週間ごとに皮下投与する群、及び2.0mg/kgを8週間ごとに皮下投与する群で、ぞれぞれ46例、46例、45例、47例及び45例であった。
4週間ごとの投与群において、主要評価項目である、投与開始12週後のそう痒VASの開始時からの改善率(最小二乗平均)のプラセボとの差は、0.1mg/kg、0.5mg/kg、2.0mg/kgでそれぞれ-21.39%(p=0.0027)、-41.16%(p<0.0001)、-40.39%(p<0.0001)であった。
また、本事例は探索的な用量設定試験であるため、主要な解析以外にも副次的な解析を実施し、総合的に投与量を検討することができる。その際は、探索的な検討ではあるものの、検定の有意水準は片側0.025を目安とする。限定は意図しないが、具体的には,ANCOVA以外に、Mixed-effects model repeated measures approach(MMRM)の利用や、モデルに依らない要約統計量の集計、治験薬投与後の規定観測時点で得られる利用可能なすべてのデータを用いたIntent-to-Treat(ITT)解析対象集団の利用、救済治療を受けた後に測定したデータの利用、あるいは欠損値を補完しない解析の結果を適宜確認し、包括的に検討してよい。また、そう痒VASに対して、投与開始12週後以外の時点の利用、あるいは、投与開始時と比較した改善率に対応する変化量または各時点の値を利用して、それらの連続量またはある閾値を基準とした改善した症例の割合を応答変数としたモデル解析も評価対象としてよい。このような解析に対し、重要な部分集団を考慮することができる。そう痒VAS以外の副次的有効性評価項目も同様に解析してよい。
CIM331を8週間ごとに皮下投与する群についても同様に探索的な比較を行うことができる。
【0085】
・改善した被験者の割合:そう痒VAS、EASI、SCORAD
項目ごとにベースライン時から各時点までに25%,50%及び75%の改善を認めた被験者の割合を算出する。
Part Aの4週間ごとの投与群における結果は、PP集団において救済治療を受けた後に測定したデータを全て除外し欠損値をLOCFして補完した場合、投与開始12週後においてそう痒VASの50%の改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群で21%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ41%、67%、59%であった。75%の改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群で12%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ14%、49%、44%であった。
同様に、投与開始12週後においてEASIの50%の改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群で33%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ43%、51%、41%であった。75%の改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群で14%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ23%、37%、22%であった。
投与開始12週後においてSCORADの50%の改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群で15%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ18%、39%、31%であった。75%の改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群で3%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ0%、15%、17%であった。
【0086】
・2点以上改善した被験者の割合:sIGA、そう痒VRS
各項目のベースライン時から各時点までに2点以上改善した被験者の割合を算出する。
Part Aの4週間ごとの投与群における結果は、投与開始12週後において、sIGAが2点以上改善した被験者の割合は、プラセボ群で12%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ21%、30%、22%であった。
投与開始12週後において、そう痒VRSが2点以上改善した被験者の割合は、プラセボ群で5%であった一方、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、2.0mg/kg群でそれぞれ14%、47%、30%であった。
【0087】
・改善度:そう痒VAS、EASI、SCORAD、sIGA、アトピー性皮膚炎病変部のBSA、そう痒VRS、睡眠障害VAS
各項目のベースライン時から各時点までの改善度を記述統計により要約する。
Part Aの4週間ごとの投与群における結果は、PP集団で救済治療を受けた後に測定したデータを全て除外した場合、そう痒VASの改善率は、投与4週後でプラセボ群で12%であった一方、0.1mg/kg群で39%、0.5mg/kg群で55%、2.0mg/kg群で46%の改善を示した。投与12週後ではプラセボ群で24%であった一方、0.1mg/kg群で47%、0.5mg/kg群で68%、2.0mg/kg群で67%の改善率であった。
同様に、EASIの投与12週後の改善率はプラセボ群38%に対し、0.1mg/kg群で34%、0.5mg/kg群で54%、2.0mg/kg群で48%であった。SCORADの投与12週後の改善率は、プラセボ群22%に対し、0.1mg/kg群で37%、0.5mg/kg群で45%、2.0mg/kg群で47%であった。sIGAの投与12週後の改善率はプラセボ群13%に対し、0.1mg/kg群で25%、0.5mg/kg群で34%、2.0mg/kg群で28%であった。BSAの投与12週後の改善率はプラセボ群31%に対し、0.1mg/kg群で25%、0.5mg/kg群で26%、2.0mg/kg群で33%であった。そう痒VRSの投与12週後の改善率はプラセボ群18%に対し、0.1mg/kg群で42%、0.5mg/kg群で58%、2.0mg/kg群で58%であった。睡眠障害VASの投与12週後の改善率はプラセボ群31%に対し、0.1mg/kg群で57%、0.5mg/kg群で65%、2.0mg/kg群で67%であった。
【0088】
・反応までの時間:そう痒VAS、EASI、SCORAD、sIGA
そう痒VAS、EASI及びSCORADにおいて、ベースライン時から25%、50%、75%改善に達するまでの時間、並びに、sIGAにおいてベースライン時から2点改善するまでの時間をKaplan-Meier推定値を用いて経時的な累積発生率として要約する。
Part Aの4週間ごとの投与群における結果は、そう痒VASにおいて、50%の患者がベースライン時から25%、50%、75%改善に達するまでの時間はプラセボ群でそれぞれ11週間、達成せず、達成せずであった一方、0.1mg/kg群でそれぞれ2週間、4週間、達成せず、0.5mg/kg群でそれぞれ2週間、2週間、5週間、2.0mg/kg群でそれぞれ2週間、4週間、達成せずであった。また、Kaplan-Meier推定値を用いた投与開始後12週におけるベースライン時から25%、50%、75%改善の達成率は、プラセボ群でそれぞれ52%、38%、22%であった一方、0.1mg/kg群でそれぞれ84%、66%、38%、0.5mg/kg群でそれぞれ95%、80%、68%、2.0mg/kg群でそれぞれ94%、71%、48%であった。
同様に、EASIにおいて、50%の患者がベースライン時から25%、50%、75%改善に達するまでの時間はプラセボ群でそれぞれ6週間、12週間、達成せずであった一方、0.1mg/kg群でそれぞれ2週間、4週間、達成せず、0.5mg/kg群でそれぞれ2週間、4週間、12週間、2.0mg/kg群でそれぞれ2週間、6週間、達成せずであった。また,Kaplan-Meier推定値を用いた投与開始後12週後におけるベースライン時から25%、50%、75%改善の達成率は、プラセボ群でそれぞれ68%、51%、23%であった一方、0.1mg/kg群でそれぞれ71%、66%、37%、0.5mg/kg群でそれぞれ84%、73%、53%、2.0mg/kg群でそれぞれ93%、67%、28%であった。
SCORADにおいて、50%の患者がベースライン時から25%、50%、75%改善に達するまでの時間はプラセボ群でそれぞれ6週間、達成せず、達成せずであった一方、0.1mg/kg群でそれぞれ2週間、達成せず、達成せず、0.5mg/kg群でそれぞれ3週間、10週間、達成せず、2.0mg/kg群でそれぞれ2週間、達成せず、達成せずであった。また、Kaplan-Meier推定値を用いた投与開始後12週後におけるベースライン時から25%、50%、75%改善の達成率は、プラセボ群でそれぞれ57%、40%、6%であった一方、0.1mg/kg群でそれぞれ78%、46%、9%、0.5mg/kg群でそれぞれ78%、55%、30%、2.0mg/kg群でそれぞれNE(算出できず)、46%、25%であった。
sIGAにおいて、50%の患者がベースライン時から2点改善するまでの時間はプラセボ群、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群及び2.0mg/kg群のいずれも12週後までに達成されなかった。また、Kaplan-Meier推定値を用いた投与開始後12週後におけるベースライン時から2点改善の達成率は、プラセボ群で30%であった一方、0.1mg/kg群で36%、0.5mg/kg群で47%、2.0mg/kg群で38%であった。
【0089】
・救済治療を受けるまでの期間
救済治療を受けるまでの期間をKaplan-Meier推定値を用いて経時的な累積発生率として要約する。救済治療を受けなかった被験者は、Part AのWeek 12での来院(又はPart BのWeek 64での来院)、あるいは治験の早期中止時のいずれか早い方で打ち切りとする。
Part Aの4週間ごとの投与群における結果は、50%の患者がベースライン時から救済治療を受けるまでの時間はプラセボ群、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群及び2.0mg/kg群のいずれも12週後までに到達しなかった。また25%の患者がベースライン時から救済治療を受けるまでの時間はプラセボ群、0.1mg/kg群、0.5mg/kg群、及び2.0mg/kg群でそれぞれ5週間、9週間、到達せず、及び9週間であった。
【0090】
・救済治療を受けている被験者の割合
各時点で救済治療を受けている被験者の割合を算出する。
Part Aの4週間ごとの投与群における結果は、救済治療を受けた被験者の割合は、プラセボ群で39.1%であったのに対し、0.1mg/kg群で26.1%、0.5mg/kg群で24.4%、2.0mg/kg群で29.8%であった。
・アクティグラフィ
Part Aの4週間ごとの投与群におけるアクティグラフィの結果から、入眠から覚醒までの実際の時間は、投与4週後において、プラセボ群で7.3分増加であったのに対し、0.1mg/kg群で49.5分増加、0.5mg/kg群で53.1分増加、2.0mg/kg群で48.2分増加した。睡眠潜時(着床後睡眠までの時間)は、投与4週後において、プラセボ群で4.3分短縮であったのに対し、0.1mg/kg群で17.6分短縮、0.5mg/kg群で14.8分短縮、2.0mg/kg群で12.7分短縮した。
【0091】
また、PartAのCIM331を8週に1回投与する群においては、救済治療を受けた後に測定したデータをすべて除外した投与12週後のそう痒VASの開始時からの改善率の平均値は70%であった。
【0092】
プライマリーエンドポイントである投与12週時のそう痒VASの結果、EASI、及びsIGA等の皮膚炎指標に関するPart Aのこれらの結果から、0.5mg/kg/4週の投与群でそう痒及び皮膚炎への効果は最大に達していると考えられた。
【0093】
・至適投与量のシミュレーション
投与量について、更なる利便性の改善の観点から、体重当たりの投与量から固定用量での至適用法用量をモデリング&シミュレーションを実施し評価した。
はじめに体重当たりの用量と固定用量の曝露比較を行い、薬物動態の観点から至適用法用量を検討した。CIM331の血清中薬物濃度は1次吸収過程を伴う1コンパートメントモデルに良くあてはまった。また体重を共変量としてallometry式を用いてモデルパラメータに組み込んだ。モデルパラメータを以下に示す。
【0094】
【0095】
前記1コンパートメントモデルを用いてシミュレーションを実施し、体重と曝露の関係性を
図10に示した。図中のAは0.5mg/kgまたは2mg/kg投与時の想定される曝露を示し、図中のB、C及びDはそれぞれ50、75及び100mg/body投与時の想定される曝露を示し、図中の参照線は2mg/kgの想定される曝露の上限(1060μg*day/mL)及び0.5mg/kgの曝露の下限(44μg*day/mL)を示す。
投与量が50mg固定の場合は体重100kg未満で概ね0.5 mg/kgでの曝露の下限を超えると想定され、また100mg固定の場合は低体重時に2mg/kgの曝露の上限を超えると想定された。また、75mg固定の場合は0.5mg/kgまたは2mg/kgで得られる曝露の範囲に入ると想定された。これらのことより、50mg固定(ただし体重100kg超の場合は100mg)あるいは75mg固定で4週に1度投与することにより、第II相試験で得られた曝露と同様の曝露が得られると考えられた。
【0096】
続いて、PK-PD解析により、そう痒VASについてモデリング&シミュレーションを実施した。そう痒VASの部分にはindirect turnover modelを用い、スケール変換を行った。モデル予測値は実測値を良く模倣していることが確認された。算出されたモデルパラメータを以下に示す。
【0097】
【0098】
モデルを用いてシミュレーションを実施した。想定されるCIM331投与1年後のそう痒VASを
図11に示す。
4週あたりの固定投与量が25mg/body以上、好ましくは50mg/body以上の場合には、そう痒VASは0.5mg/kgまたは2mg/kgと同様の値を示すものと想定された。
【0099】
(4-5)予想される結果と有利な効果
4週毎あるいは8週毎のCIM331の反復投与により、血清中CIM331濃度は定常状態になり、持続的に、アトピー性皮膚炎患者のそう痒に対する効果を発揮できる。また、そう痒改善効果の維持、すなわちItch Scratch Cycle遮断に伴い、皮膚炎が改善可能となり、また、QOLの改善が可能となる。合計64週間における長期の有効性プロファイルが確認できる。
さらに、例えば、4週毎あるいは8週毎のCIM331の反復投与といった治療態様は、アトピー性皮膚炎の現状の全身治療方法が、1日数回、薬を飲んだり、薬を患部に塗布しなければならず、あるいは、紫外線療法の場合には週に1~2回もの通院が必要となり得ることに鑑みても、患者の薬の服用負担や通院負担等を著しく軽減し得ることが期待でき、患者のQOLの向上に一層貢献し得る。
【0100】
[実施例5]
そう痒を有する血液透析患者を対象とした単回皮下投与
(5-1)第II相臨床試験
第II相臨床試験の被験薬群において、そう痒に対してナルフラフィン塩酸塩を除く全身療法又は局所療法の治療が十分に奏効していない血液透析患者約60名、より具体的には69名を対象に、以下の要領でCIM331又はプラセボを腹部に単回皮下投与,又は参照群であるナルフラフィン塩酸塩カプセルを1日1回1カプセル(2.5 μg)夕食後又は就寝前に12週間連日経口投与した。CIM331の体重あたりの投与量及び投与液濃度は以下の通りとし、体重あたり20μLの液量でゆっくりと投与した。なお、治験薬は、1 mL中に100 mgのCIM331抗体を含有する液を1バイアルにつき1.53 mL充填し凍結乾燥させた製剤を、注射用水で溶解して投与液とし、別に溶解させたプラセボ溶液を使用してさらに希釈して目的の投与濃度とした。
【0101】
【0102】
CIM331を投与する対象患者としては、ナルフラフィン塩酸塩を除く抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬を、2週間以上継続して実施しても十分な効果が得られなかった、あるいは、1年間にそう痒に対してナルフラフィン塩酸塩による治療(治療期間は問わない)が行われた患者で、以下の基準を満たす透析そう痒症患者を選択した。
・前観察期間1週間のうちそう痒VASが測定された日が5日以上あり,かつ以下のいずれの基準も満たす患者
(1)測定値が20 mm以上となる日が5日以上
(2)測定値の平均が50 mm以上
【0103】
本治験は,非盲検の参照薬群(ナルフラフィン塩酸塩群)を含むランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験である。
被験者約60名、より具体的には69名を以下の5群のいずれかに1:1:1:1:1にランダムに割り付けた。
・プラセボ群:CIM331のプラセボを単回皮下投与した
・CIM331 0.125 mg/kg群:CIM331(0.125 mg/kg)を単回皮下投与した
・CIM331 0.5 mg/kg群:CIM331(0.5 mg/kg)を単回皮下投与した
・CIM331 2.0 mg/kg群:CIM331(2.0 mg/kg)を単回皮下投与した
・ナルフラフィン塩酸塩群:ナルフラフィン塩酸塩カプセルを1日1回1カプセル(2.5 μg)12週間連日経口投与した。症状に応じて増量できるが,1日1回2カプセル(5 μg)を限度とした。
【0104】
(5-2)救済治療
29日目のすべての観察及び検査が終了した以降は,そう痒の改善が認められなかった患者又は効果の減弱が認められた患者(ベースラインからのそう痒VASの低下が10 mm未満)に対し,治験責任医師又は治験分担医師が治療の変更が必要と判断した場合,そう痒に対する治療の種類,用法及び用量の変更を可とした。
【0105】
(5-3)評価項目:
・そう痒の強さの評価は、Visual Analog Scale (VAS)(Furue et al.2013)により行った。VASは100 mmの直線で、0 mmを痒みなし、100 mmを想像され得る最悪の痒みとした場合に、過去24時間におけるかゆみの強さを患者自身が0~100 mmの間に線で示すものであり、可能な限り同じ時間帯に実施した。
・白取の重症度基準(白取 et al.1983)は、0(症状なし)から4(激烈な痒み)までのそう痒の重症度基準に基づいて、過去24時間以内の日中の症状及び夜間の症状の程度をそれぞれ判定した。本評価については、被験者に加えて治験責任医師又は治験分担医師も評価した。
被験者の評価は可能な限り同じ時間帯に実施した。
・5-D itch scale(江畑 et al.2015)は、過去2週間以内のそう痒が発現した期間、程度、進行状況、障害度、分布を評価した上でスコア化した。
・睡眠障害VASは、「睡眠の問題なし」(0)から「全く眠ることができなかった」(10)までのVAS(Furue et al. 2013)で過去24時間中の睡眠障害の程度を被験者が評価した。
・不眠重症度(Insomnia Severity lndex)(室澤 et al.2009)は、5項目の不眠重症度質問票を用いて不眠の状況をスコア化した。
・EQ-5D-5L(池田 et al.2015)は、「移動の程度」、「身の回りの管理」、「ふだんの活動」、「痛み/不快感」、「不安/ふさぎ込み」の5項目の健康状態をそれぞれ5水準で調査した。
・アクティグラフィ
Actiwatchは、手首に装着し、全身の動きの指標となる手首の動きを自由行動下で捕捉し、記録及び保存するように設計された非侵襲型測定機器である。入眠から覚醒までの実際の時間、睡眠潜時、睡眠効率を含むその他のパラメータを客観的な方法で測定した。
・皮膚症状の評価(医師評価)は、治験責任医師又は治験分担医師が、「厚生労働科学研究班アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2008」の「重症度のめやす」を参考に、軽症から最重症までの4段階の皮膚症状の評価を実施した。
・皮膚症状の評価(写真評価)は、治験責任医師又は治験分担医師が、「厚生労働科学研究班アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2008」の「重症度のめやす」に示されている皮疹(紅斑、乾燥、落屑、丘疹、びらん、浸潤、苔癬化)に掻破痕を加えた皮疹を撮影対象とし、各被験者における代表的な症状(最も重症度が高い箇所)を選択した。皮膚症状の評価は、日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎重症度分類(簡便法)の評価基準に基づき,0(なし)から4(最重症)までの5段階の範囲で医学専門家とは独立した評価委員が実施した。
【0106】
(5-4)解析手段、解析方法等:
ベースラインから投与4週後のそう痒VAS変化量について、各CIM331投与群のプラセボ投与群に対する対比較を主要解析とした。仮説は、有意水準両側20%を参考に評価した。探索試験のため、多重性の調整は実施しなかった。
主要評価としては、ベースラインから投与4週後のそう痒VAS変化量を目的変数とし、ベースライン時のそう痒VASを共変量とした共分散分析(ANCOVA)により、プラセボ群とCIM331の各用量群を比較した。平均値の差の95%信頼区間をANCOVAから算出した。欠損値はLOCF(Last Observation Carried Forward after baseline)により補完した。
ナルフラフィン塩酸塩群は、各CIM331投与群及びプラセボ群と探索的に比較を行った。解析は各CIM331投与群及びプラセボ群の主要解析と同様に行った。その他の探索的解析はSAP(解析計画書)に記載した。
【0107】
第II相臨床試験において、プラセボ、CIM331又は参照群であるナルフラフィン塩酸塩カプセルの投与を受けた患者のうち、主要な解析対象集団はプラセボ、CIM331 0.125 mg/kg、CIM331 0.5 mg/kg、CIM331 2.0mg/kg、ナルフラフィン塩酸塩群で、それぞれ14例、14例、13例、14例及び12例であった。
主要評価項目である、投与開始4週後におけるそう痒VASの開始時(ベースライン)からの変化量(最小二乗平均)のプラセボとの差は、CIM331 0.125 mg/kg、CIM331 0.5 mg/kg、CIM331 2.0 mg/kgでそれぞれ-2.4 mm(p=0.7806)、-8.7 mm(p=0.3317)、0.4 mm(p=0.9678)であった。なお、参照群であるナルフラフィン塩酸塩のプラセボとの差は5.7 mm(p=0.5154)であった。
【0108】
・各評価時点におけるそう痒VAS変化量
投与開始1週後のそう痒VASのベースラインからの変化量は、プラセボ群-18.6 mm、ナルフラフィン塩酸塩群-17.4 mmに対して、CIM331 の0.125 mg/kg群-27.4 mm、 0.5 mg/kg群-30.3 mm、 2.0 mg/kg群-25.9 mmと、いずれのCIM331群も速やかなそう痒の改善効果が確認された。投与開始4週後のそう痒VAS変化量は、プラセボ群-32.8 mm、ナルフラフィン塩酸塩群-27.3 mmに対して、CIM331の 0.125 mg/kg群-34.7 mm、 0.5 mg/kg群-40.1 mm、 2.0 mg/kg群-31.5 mmと、CIM331の0.5 mg/kg群の変化量が最も大きかった(
図12)。
・そう痒VAS 30 mm未満に到達する改善を認めた被験者の割合
主要評価項目の評価時期である投与開始4週後にそう痒VASが30 mm未満に到達する改善を認めた被験者の割合は、プラセボ群35.7%、ナルフラフィン塩酸塩群33.3%に対して、CIM331の 0.125 mg/kg群57.1%、 0.5 mg/kg群69.2%、 2.0 mg/kg群42.9%と、プラセボ群、ナルフラフィン塩酸塩群に比べてCIM331群は軽度なそう痒であるVAS 30 mm未満の改善を認めた被験者の割合が多かった。(
図13)
【0109】
・白取の重症度基準によるスコア
投与開始4週後の白取のスコア変化量(日中)は、プラセボ群-0.89、ナルフラフィン塩酸塩群-0.67に対して、CIM331の 0.125 mg/kg群-1.00、 0.5 mg/kg群-1.30、 2.0 mg/kg群-0.79と、CIM331の0.5 mg/kg群の改善が最も大きかった。
投与開始4週後の白取のスコア変化量(夜間)は、プラセボ群-0.81、ナルフラフィン塩酸塩群-0.51に対して、CIM331の 0.125 mg/kg群-0.64、0.5 mg/kg群-1.16、2.0 mg/kg群-0.79と、CIM331の0.5 mg/kg群の改善が最も大きかった。
・5-D itch scaleによるスコア
投与開始4週後の5-D itch scaleのスコア変化量は、プラセボ群-5.4、ナルフラフィン塩酸塩群-3.7に対して、CIM331の0.125 mg/kg群-5.6、0.5 mg/kg群-6.5、2.0 mg/kg群-3.1と、CIM331の0.5 mg/kg群の改善が最も大きかった。
【0110】
[実施例6]
そう痒を有する血液透析患者におけるバイオマーカー解析
(6-1)バイオマーカー評価
CIM331投与前の血清中IL-31濃度と、CIM331投与後の臨床試験成績との相関関係を評価するため、バイオマーカー評価を実施した。
【0111】
(6-2)解析手段、解析方法等:
バイオマーカー解析に供するために血清を保管することに同意した全試験患者(n = 68)から血清サンプルを得た。血清中IL-31濃度は、-70℃以下で凍結保管した血清サンプルを室温で融解し、超高感度酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA; SiMoATM, Quanterix, Billerica, MA, USA)を用いて測定した。当該68名のサンプルから得たデータを用いて、スクリーニング段階(CIM331投与前)の血清中IL-31濃度のカットオフ中央値0.86 pg/mLを導き出した。このIL-31カットオフ値を用いて、実施例5に記載のとおりに試験投与を受けた患者(n = 48)について、IL-31と臨床試験結果との間の相関関係を評価した。また、post hoc解析にて、試験患者からのサンプルを、健常人ボランティア由来の市販のサンプルと比較した。
【0112】
(6-3)解析結果:
post hoc解析によるIL-31分布のバイオマーカー解析の結果を
図14に示す。健常人ボランティア(healthy volunteer:HV;n = 20)と比べて、透析そう痒症(uremic pruritus :UP;n = 68)患者の血清中IL-31レベルは明らかに高かった(
図14)。血清サンプルを採取され、試験投与を受けた48名において、血清中IL-31レベルが0.86 pg/mL以上の患者は、血清中IL-31レベルが0.86 pg/mL未満の患者と比べて、CIM331投与によるそう痒VASの顕著な低下が認められた(
図15)。この傾向は、プラセボ投与群やナルフラフィン塩酸塩投与群では観察されなかった。
【0113】
維持透析を受けている患者のうち、そう痒を伴う患者の血清中IL-31濃度は、そう痒を伴わない患者と比べて高いことが報告されている。このことから、血清中IL-31濃度がCIM331投与の効果に影響を与える可能性が考えられた。
図14に示されるように、post hoc解析において、UP患者の血清中IL-31レベルは、健常人ボランティアよりも明らかに高かった。しかし、スクリーニング段階での血清中IL-31レベルと、ベースラインでのそう痒VAS値との間には、明白な相関性は無かった。それにも関わらず、スクリーニング段階で血清中IL-31レベルが高かった患者は、CIM331投与後にそう痒VASが大きく低下する傾向が見られた。一方、プラセボ投与群やナルフラフィン塩酸塩投与群では、このような結果は観察されなかった。これらの結果は、IL-31が透析そう痒症(UP)の発症の一因であるという仮説を支持している。
【0114】
(6-4)予想される結果と有利な効果
CIM331の単回皮下投与により、血清中CIM331濃度が上昇し、持続的に、透析患者のそう痒に対する効果を発揮できる。また、そう痒改善効果の維持、すなわちItch Scratch Cycle遮断に伴い、皮膚炎が改善可能となり、また、QOLの改善が可能となる。
さらに、例えば、CIM331の単回皮下投与により4週間またはそれ以上の期間に亘りそう痒を抑制できる治療態様は、透析そう痒症の現状の全身治療方法が、1日数回、薬を飲んだり、薬を患部に塗布しなければならず、あるいは、紫外線療法の場合には週に1~2回もの通院が必要となり得ることに鑑みても、患者の薬の服用負担や通院負担等を著しく軽減し得ることが期待でき、患者のQOLの向上に一層貢献し得る。
また、CIM331投与開始前における血清中のIL-31濃度が所定の値以上である透析そう痒症患者は、CIM331の投与によって、より高いそう痒改善効果の発揮が期待できる。そのような、高いそう痒改善効果の発揮が期待できる基準となりうる所定の血清中IL-31濃度は、例えば0.86 pg/mLであり得る。血清中のIL-31濃度が、このような所定の値以上である透析そう痒症患者にCIM331を投与することにより、患者のQOLの向上に一層貢献し得る。
【0115】
(6-5)承認後のCIM331の一実施態様
限定はされないが、CIM331は、ナルフラフィン塩酸塩を除く、そう痒に対する既存治療が十分に奏効しない透析患者に投与されてよい。
CIM331は、例えば、2週~12週毎、具体的には、例えば、2週毎、3週毎、4週毎、5週毎、6週毎、7週毎、8週毎、9週毎、10週毎、11週毎、もしくは12週毎に1回、あるいは、1月毎、2月毎、もしくは3月毎に1回、皮下に等量の投与量でかつ同一の投与間隔で反復投与されてよい。
CIM331の体重あたりの投与量及び投与液濃度は、第II相臨床試験結果やそれ以外の試験結果等に基づいて適宜決定してもよい。例えば、透析そう痒症患者の体重が120kgを超える場合には体重を120kgとして治験薬を調製してもよい。また、CIM331を透析そう痒症患者に対してmg/bodyで投与することが意図される場合には、第II相臨床試験結果等から、CIM331の投与量を、mg/kgからmg/bodyへ換算し、適切かつ妥当な投与量(mg/body)を選定して、投与されてもよい。この際、mg/kgからmg/bodyへの換算ロジックとしては、限定はされないが、以下のロジックを用いて当業者が適宜決定できることが理解されよう。
CIM331の最低有効血清中濃度と最大忍容(経験)血清中濃度が存在すると仮定し、この濃度範囲に血清中CIM331濃度が体重にかかわらず得られるよう、mg/kgの投与量からmg/bodyの投与量への変更を第II相試験の結果から検討する。また、低体重の小児用の投与量はmg/bodyでは曝露が著しく増大する可能性があるため、その場合はmg/kgでの投与を検討する。現在実施している第II相試験の結果から、最低有効血清中濃度と最大忍容血清中濃度を決定し、上記のように曝露をそろえることにより、mg/bodyへの変換を行い得る。
あるいは、統計資料等に基づき、一般的な透析そう痒症患者の体重を想定し、当該想定体重に基づき、「体重あたり投与量 x 想定体重 = 固定用量」の計算式により、体重あたりの投与量(mg/kg)を固定用量(mg/body)に換算してもよい。
非限定的な一実施態様において、成人又は小児の透析そう痒症患者には、0.1mg~1000mg/body、例えば、0.2mg~360mg/body、好ましくは10mg~200mg/body、10mg~100mg/body、25mg~100mg/body、50mg~100mg/body、又は50mg~75mg/bodyの中から選択される投与量を一点選択して、上述した投与間隔で皮下に等量かつ同一の投与間隔で反復投与してよい。
あるいは、非限定的な別の実施態様において、小児の透析そう痒症患者には、0.01mg~10mg/kg、例えば、0.1mg~3mg/kg、好ましくは0.2mg~2mg/kg、より好ましくは0.5mg~1.5mg/kgの中から選択される投与量を一点選択して、上述した投与間隔で皮下に等量かつ同一の投与間隔で反復投与してよい。
【0116】
[参考実施例1]
IgG抗体の発現と精製
抗体の発現は以下の方法を用いて行われた。ヒト胎児腎癌細胞由来HEK293H株(Invitrogen)を10 % Fetal Bovine Serum(Invitrogen)を含むDMEM培地(Invitrogen)へ懸濁し、5~6 × 105細胞/mLの細胞密度で接着細胞用ディッシュ(直径10 cm, CORNING)の各ディッシュへ10 mLずつ蒔きこみCO2インキュベーター(37℃、5 % CO2)内で一昼夜培養した後に、培地を吸引除去し、CHO-S-SFM-II(Invitrogen)培地6.9 mLを添加した。調製したプラスミドをlipofection法により細胞へ導入した。得られた培養上清を回収した後、遠心分離(約2000 g、5分間、室温)して細胞を除去し、さらに0.22μmフィルターMILLEX(R)-GV(Millipore)を通して滅菌して培養上清を得た。得られた培養上清にrProtein A SepharoseTM Fast Flow(Amersham Biosciences)を用いて当業者に公知の方法で精製した。精製抗体の濃度は、分光光度計を用いて280 nmでの吸光度を測定した。得られた値からProtein Science 1995;4:2411-2423に記された方法により算出された吸光係数を用いて抗体濃度を算出した。
【配列表】