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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】乗客数算出装置および乗客数算出方法
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20240903BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240903BHJP
【FI】
G07C9/37
G06T7/00 660
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020190446
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079321
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加茂 麻由
(72)【発明者】
【氏名】片岡 智春
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼上 斉
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-185770(JP,A)
【文献】特開平10-048008(JP,A)
【文献】特開2020-156091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00 - 15/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の乗客数を算出する制御部を有する乗客数算出装置であって、
前記制御部は、
乗車者及び降車者それぞれの顔情報及び属性情報を、予め登録された関係者の勤怠情報、顔情報及び属性情報を含む関係者情報と照合し、勤務中の前記関係者の顔情報及び属性情報と一致すると判定した場合、
前記乗車者及び降車者それぞれの人数から、勤務中の前記関係者の人数を除外して前記乗り物の乗客数を算出する
乗客数算出装置。
【請求項2】
乗客数算出装置が行う、乗り物の乗客数算出方法であって、
乗車者及び降車者それぞれの顔情報及び属性情報を、予め登録された関係者の勤怠情報、顔情報及び属性情報を含む関係者情報と照合し、勤務中の前記関係者の顔情報及び属性情報と一致すると判定した場合、
前記乗車者及び降車者それぞれの人数から、勤務中の前記関係者の人数を除外して前記乗り物の乗客数を算出する
乗客数算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客数算出装置および乗客数算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばバスなどの乗り物において、乗降した乗客の人数を算出する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、乗り口および降り口にそれぞれカメラが設置され、かかるカメラによって撮像された乗客の撮像画像を用いて乗客の人数(乗客数)を算出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-219913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バスなどの乗り物には、運転手などの乗り物の関係者が乗車する。従来技術においては、乗り物の関係者がカメラによって撮像された場合、撮像画像に基づいてかかる関係者を乗客として乗客数を算出してしまい、正確な乗客数を算出できないおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、乗り物の乗客数を精度よく算出することができる乗客数算出装置および乗客数算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、算出装置において、算出部と、取得部とを備える。算出部は、乗り物の乗客数を算出する。取得部は、前記乗り物の関係者に関する関係者情報を取得する。また、前記算出部は、前記乗り物に乗降した人数から、前記取得部によって取得された前記関係者情報に対応する人数を除外して前記乗り物の乗客数を算出する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗り物の乗客数を精度よく算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る算出方法の概要を示す図である。
図2図2は、バス端末装置を備えた情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、乗り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、乗車者情報の一例を示す図である。
図5図5は、降り口端末装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、降車者情報の一例を示す図である。
図7図7は、関係者情報の一例を示す図である。
図8図8は、管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図9図9は、情報処理システムが実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態における関係者情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する算出装置および算出方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
<算出装置による算出方法の概要>
以下では先ず、第1の実施形態に係る算出装置による算出方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る算出方法の概要を示す図である。
【0011】
第1の実施形態に係る算出方法は、例えば乗り物の乗客数の算出などを行うことができる。なお、以下では乗り物の一例としてバス1を挙げて説明するが、乗り物の種類はこれに限定されるものではない。すなわち、乗り物は、例えば鉄道車両や航空機、船舶などその他の種類の乗り物であってもよい。
【0012】
図1に示すように、バス1には、バス端末装置10が搭載され、かかるバス端末装置10が算出装置として機能する。具体的に説明すると、バス端末装置10は、乗り口端末装置10aと、降り口端末装置10bとを備える。
【0013】
乗り口端末装置10aは、バス1の乗り口2aに設置される。乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aを備える。例えば、第1カメラ11aは、バス1の乗り口2aであって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられ、バス1に乗車する人物である乗車者の乗車者撮像画像を撮像する。乗り口端末装置10aは、かかる乗車者撮像画像から顔情報が検出されることで、乗車者を検知することができる。
【0014】
降り口端末装置10bは、バス1の降り口2bに設置される。降り口端末装置10bは、第2カメラ11bを備える。例えば、第2カメラ11bは、バス1の降り口2bであって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられ、バス1から降車する人物である降車者の降車者撮像画像を撮像する。降り口端末装置10bは、かかる降車者撮像画像から顔情報が検出されることで、降車者を検知することができる。
【0015】
そして、バス端末装置10は、乗り口端末装置10aによって検知された乗車者に関する乗車者情報と降り口端末装置10bによって検知された降車者に関する降車者情報とに基づき、乗客数の算出を行うことができる。かかる乗客数の算出については、後に詳説する。なお、上記した乗り口2aおよび降り口2bは、乗降口の一例である。また、第1カメラ11aおよび第2カメラ11bは、カメラの一例である。
【0016】
ところで、バス1には、運転手などバス1の関係者(以下、バス関係者と記載する場合がある)が乗車する。なお、バス関係者は、運転手に限られず、例えばバス1の整備員や清掃員などを含んでもよい。
【0017】
ここで、従来技術においては、上記した第1カメラ11aや第2カメラ11bによってバス関係者が撮像されると、乗り口端末装置10aはバス関係者を乗車者として検知したり、降り口端末装置10bはバス関係者を降車者として検知したりする。そのため、従来技術にあっては、バス関係者を乗客として乗客数を算出してしまい、正確な乗客数を算出できないおそれがあった。
【0018】
そこで、本実施形態に係るバス端末装置(算出装置)10においては、バス1の乗客数を精度よく算出することができるような構成とした。
【0019】
具体的には、バス端末装置10の乗り口端末装置10aは、先ず、第1カメラ11aから、バス1に乗車する人物(乗車者)が撮像された乗車者撮像画像を取得する(ステップS1)。なお、ここで取得される乗車者撮像画像には、乗車者としてバス関係者が含まれる場合がある。
【0020】
次いで、乗り口端末装置10aは、乗車者撮像画像を含む乗車者情報を降り口端末装置10bへ出力する(ステップS2)。なお、乗車者情報には、例えば乗車者撮像画像から検出される、乗車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報(後述))や、乗車者の性別や年齢などの属性情報が含まれる。
【0021】
次いで、降り口端末装置10bは、第2カメラ11bから、乗り物から降車する人物(降車者)が撮像された降車者撮像画像を取得する(ステップS3)。なお、ここで取得される降車者撮像画像には、降車者としてバス関係者が含まれる場合がある。
【0022】
次いで、降り口端末装置10bは、バス関係者に関する関係者情報を取得する(ステップS4)。関係者情報には、例えばバス関係者の顔情報や、バス関係者の性別や年齢などの属性情報が含まれる。
【0023】
次いで、降り口端末装置10bは、バス1の乗客数を算出する。例えば、降り口端末装置10bは、降車者撮像画像を含む降車者情報と乗車者情報とから得られるバス1に乗降した人数から、関係者情報に対応する人数を除外して、バス1の乗客数を算出する(ステップS5)。
【0024】
例えば、降り口端末装置10bは、乗車者情報に乗車者の顔情報や属性情報が新たに登録されたときにバス1に乗降した人数を1人加算する、正確には、バス1に乗降した人数(言い換えるとバス1に現在乗車している人数)をカウントする乗降カウンタ34b(後述する図5参照)をインクリメントする。
【0025】
また、降り口端末装置10bは、降車者撮像画像から降車者の顔情報や属性情報を検出する。降り口端末装置10bは、検出された降車者の顔情報や属性情報が、乗車者の顔情報や属性情報と一致あるいは略一致する場合、当該顔情報や属性情報の乗客がバス1から降車したと推定し、バス1に乗降した人数からかかる降車者の人数を減算する。正確には、降り口端末装置10bは、降車者の顔情報や属性情報が乗車者の顔情報や属性情報と一致あるいは略一致する場合、乗降カウンタ34b(図5参照)をデクリメントする。なお、上記で算出された、バス1に乗降した人数(すなわち乗降カウンタ34bの値)には、バス関係者の人数が含まれる場合がある。
【0026】
従って、降り口端末装置10bは、バス1に乗降した人数(乗降カウンタ34bの値)から、関係者情報に対応する人数を除外して、バス1の乗客数を算出する。例えば、降り口端末装置10bは、乗車者情報に含まれる乗車者の顔情報や属性情報が、関係者情報に含まれるバス関係者の顔情報や属性情報と一致あるいは略一致する場合、当該乗車者はバス関係者であるため、バス1に乗降した人数から除外して、バス1の乗客数を算出する。また、降り口端末装置10bは、降車者情報に含まれる降車者の顔情報や属性情報が、関係者情報に含まれるバス関係者の顔情報や属性情報と一致あるいは略一致する場合、当該降車者はバス関係者であるため、バス1に乗降した人数から除外して、バス1の乗客数を算出する。
【0027】
このように、本実施形態にあっては、バス1に乗降した人数からバス関係者の人数を除外してバス1の乗客数を算出するようにしたため、例えば第1カメラ11aや第2カメラ11bによってバス関係者が撮像された場合であっても、バス1の乗客数を精度よく算出することができる。
【0028】
<情報処理システムの構成>
次に、本実施形態に係るバス端末装置(算出装置)10を備えた情報処理システムの構成について、図2を用いて説明する。図2は、バス端末装置10を備えた情報処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、情報処理システム100は、上記したバス端末装置10と、管理サーバ200と、バス事業者端末装置300と、バス事業者勤怠管理サーバ310と、ユーザ端末装置400とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。
【0030】
バス端末装置10は、上記したように、乗り口端末装置10aおよび降り口端末装置10bを備える。乗り口端末装置10aと降り口端末装置10bとは、例えばWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を介して通信可能に接続されるが、これに限られず、近距離無線通信に加えて、あるいは代えて通信ネットワークNなどを介して通信可能に接続されてもよい。なお、乗り口端末装置10aの詳細な構成については、図3等を用いて後述する。また、降り口端末装置10bの詳細な構成については、図5等を用いて後述する。
【0031】
管理サーバ200は、バス端末装置10から送信される乗車者情報や降車者情報、バス1の乗客数の情報を含む乗客情報などを管理するサーバ装置である。管理サーバ200は、乗客情報などをバス事業者端末装置300へ提供することができる。また、管理サーバ200は、バス1の乗客数の情報に基づいてバス1の混雑度を算出し、算出された混雑度を示す混雑度情報をユーザ端末装置400へ提供することができる。なお、管理サーバ200の詳細な構成については、図8を用いて後述する。
【0032】
バス事業者端末装置300は、バス1を運行するバス事業者が使用する端末装置である。バス事業者端末装置300としては、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるバス事業者端末装置300には、管理サーバ200から乗客情報などが送信されて表示される。これにより、バス事業者は、例えば乗客情報などに応じたバス1の運行計画を立てることが可能になる。
【0033】
バス事業者勤怠管理サーバ310は、バス関係者の勤怠状況を管理するサーバ装置である。バス事業者勤怠管理サーバ310においては、バス事業者やバス関係者などの入力操作により、バス関係者の勤怠状況を示す勤怠情報が図示しない記憶部に予め登録される。
【0034】
バス事業者勤怠管理サーバ310は、例えばバス端末装置10などからの要求に応じて、勤怠情報を含む関係者情報を出力(応答)することができる。なお、勤怠情報には、例えばバス1が運行する当日のバス関係者の出勤および欠勤の情報、勤務時間の情報などが含まれるが、これらはあくまでも例示であって、限定されるものではない。また、関係者情報には、勤怠情報の他に、バス関係者を撮像した関係者画像、バス関係者の顔情報(特徴点情報)、および、バス関係者の性別や年齢などの属性情報が含まれてもよい。
【0035】
ユーザ端末装置400は、バス1を利用するユーザ、正確にはバス1をこれから利用するユーザが使用する端末装置である。なお、ユーザ端末装置400としては、例えばスマートフォンやタブレット端末、PCなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。かかるユーザ端末装置400には、管理サーバ200からバス1の混雑度情報が送信されて表示される。これにより、ユーザは、例えばバス1の混雑度を乗車前に確認することが可能になる。なお、図2では、図示の簡略化のため、ユーザ端末装置400を2つ示したが、これに限られず、1つであっても3つ以上であってもよい。
【0036】
<乗り口端末装置の構成>
次いで、乗り口端末装置10aの構成について図3等を参照して説明する。図3は、乗り口端末装置10aの構成例を示すブロック図である。なお、図3を含む各ブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0037】
換言すれば、図3等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0038】
図3に示すように、乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aと、測位部12aと、制御部20aと、記憶部30aとを備える。なお、乗り口端末装置10aとしては、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0039】
第1カメラ11aは、例えばレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えるカメラである。第1カメラ11aは、バス1の乗り口2a(図1参照)であって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。詳しくは、第1カメラ11aは、少なくとも乗り口2aから乗車する乗車者(乗客)の顔を含む範囲をバス車内から撮像可能な位置に設けられる。第1カメラ11aは、乗車者の乗車者撮像画像を撮像し、撮像された乗車者撮像画像を制御部20aへ出力する。
【0040】
測位部12aは、バス1の位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。例えば、測位部12aは、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいてバス1の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部20aへ出力する。なお、測位部12aは、バス1が停留所に停止しているときに取得されたバス1の位置情報を、バス1が停止している停留所の位置情報として出力してもよい。
【0041】
制御部20aは、取得部21aと、検出部22aと、登録部23aと、出力部25aとを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0042】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20aの取得部21a、検出部22a、登録部23aおよび出力部24aとして機能する。
【0043】
また、制御部20aの取得部21a、検出部22a、登録部23aおよび出力部24aの少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0044】
また、記憶部30aは、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30aには、乗車者情報31aおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0045】
乗車者情報31aは、乗車者に関する情報である。ここで、図4を用いて、乗車者情報31aについて説明する。図4は、乗車者情報31aの一例を示す図である。図4に示すように、乗車者情報31aには、「乗車者ID」、「乗車者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」、「年齢層」および「乗車した停留所」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0046】
「乗車者ID」は、乗車者を識別する識別情報である。「乗車者画像」は、乗車者撮像画像の情報である。なお、図4に示す例では、便宜上、「乗車者画像」を「画像E01」といったように抽象的な記載とするが、「画像E01」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0047】
「特徴点」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の顔の特徴点情報であり、顔情報の一例である。特徴点情報には、例えば乗車者撮像画像に写った乗車者の顔における目(目頭、目尻など)、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0048】
「性別」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の性別を示す情報である。「年齢」は、乗車者撮像画像に写った乗車者の年齢を示す情報であり、「年齢層」は、かかる乗車者の年齢層を示す情報である。なお、上記した性別や年齢、年齢層などの情報は、乗車者の属性情報の一例である。「乗車した停留所」は、乗車者が乗車した停留所を示す情報である。
【0049】
図4に示す例では、乗車者ID「P01」で識別される乗車者のデータは、乗車者画像が「画像E01」、特徴点が「特徴点F01」、性別が「男性」、年齢が「年齢G01」、年齢層が「大人」、乗車した停留所が「停留所H01」であることを示している。乗車者ID「P02」で識別される乗車者のデータは、乗車者画像が「画像E02」、特徴点が「特徴点F02」、性別が「男性」、年齢が「年齢G02」、年齢層が「大人」、乗車した停留所が「停留所H01」であることを示している。
【0050】
図3の説明に戻ると、制御部20aの取得部21aは、第1カメラ11aから、バス1に乗車する人物(乗車者)が撮像された乗車者撮像画像を取得する。例えば、取得部21aは、バス1が停留所で停止しているときに乗車者撮像画像を取得するが、取得のタイミングはこれに限定されるものではない。取得部21aは、取得された乗車者撮像画像を検出部22aへ出力する。なお、乗車者撮像画像は、撮像画像の一例である。
【0051】
検出部22aは、乗車者撮像画像から乗車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報)を検出する。例えば、検出部22aは、乗車者撮像画像から、目(目頭、目尻など)、鼻や口、輪郭などの特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置を特徴点情報として検出する。
【0052】
検出部22aは、乗車者撮像画像から乗車者の性別や年齢、年齢層などの属性情報を検出する。なお、特徴点情報および属性情報の検出手法は、任意に設定可能である。検出部22aは、検出された特徴点情報および属性情報を登録部23aへ出力する。
【0053】
登録部23aは、乗車者撮像画像を含む各種の情報(特徴点情報や属性情報)を記憶部30aに乗車者情報31a(図4参照)として登録する。このとき、登録部23aは、測位部12aのバス1の位置情報に基づいて、乗車者撮像画像が撮像された停留所、すなわち、乗車者が乗車した停留所の情報を乗車者情報31aに付加してもよい。なお、登録部23aによって登録された乗車者情報31aには、乗車者としてバス関係者の情報が含まれる場合がある。
【0054】
出力部24aは、記憶部30aにアクセスし、乗車者情報31aを降り口端末装置10bへ出力する。なお、出力部24aは、バス1が停留所を出発してから次の停留所に到着するまでの間に出力処理を実行するが、出力のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0055】
<降り口端末装置の構成>
次いで、降り口端末装置10bの構成について図5等を参照して説明する。図5は、降り口端末装置10bの構成例を示すブロック図である。
【0056】
図5に示すように、降り口端末装置10bは、第2カメラ11bと、測位部12bと、制御部20bと、記憶部30bとを備える。なお、降り口端末装置10bとしては、スマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0057】
第2カメラ11bは、例えばレンズと、CCDやCMOSなどの撮像素子とを備えるカメラである。第2カメラ11bは、バス1の降り口2b(図1参照)であって、かつ、バス1の中(バス車内)に設けられる。詳しくは、第2カメラ11bは、少なくとも降り口2bから降車する降車者(乗客)の顔を含む範囲をバス車内から撮像可能な位置に設けられる。第2カメラ11bは、降車者の降車者撮像画像を撮像し、撮像された降車者撮像画像を制御部20bへ出力する。
【0058】
測位部12bは、例えばGPS衛星から送出される電波に基づいてバス1の位置情報を取得し、取得された位置情報を制御部20bへ出力する。なお、測位部12bは、バス1が停留所に停止しているときに取得されたバス1の位置情報を、バス1が停止している停留所の位置情報として出力してもよい。
【0059】
制御部20bは、取得部21bと、検出部22bと、登録部23bと、照合部24bと、算出部25bと、送信部26bとを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0060】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20bの取得部21b、検出部22b、登録部23b、照合部24b、算出部25bおよび送信部26bとして機能する。
【0061】
また、制御部20bの取得部21b、検出部22b、登録部23b、照合部24b、算出部25bおよび送信部26bの少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0062】
また、記憶部30bは、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30bには、乗車者情報31b、降車者情報32b、関係者情報33b、乗降カウンタ34bおよび各種プログラムなどが記憶される。
【0063】
乗車者情報31bは、乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報31aと同じ情報であるため、ここでの説明を省略する(図4参照)。
【0064】
降車者情報32bは、降車者に関する情報である。ここで、図6を用いて、降車者情報32bについて説明する。図6は、降車者情報32bの一例を示す図である。図6に示すように、降車者情報32bには、「降車者ID」、「降車者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」、「年齢層」、「降車した停留所」および「照合結果」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0065】
「降車者ID」は、降車者を識別する識別情報である。「降車者画像」は、降車者撮像画像の情報である。「特徴点」は、顔の特徴点情報である。かかる特徴点情報には、例えば降車者撮像画像に写った降車者の顔における目、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0066】
「性別」は、降車者撮像画像に写った降車者の性別を示す情報である。「年齢」は、降車者撮像画像に写った降車者の年齢を示す情報であり、「年齢層」は、かかる降車者の年齢層を示す情報である。
【0067】
「降車した停留所」は、降車者が乗車した停留所を示す情報である。「照合結果」は、後述する照合部24bによって乗車者情報31bと降車者情報32bとが照合されたときの照合結果を示す情報である。「照合結果」には、例えば降車者情報32bと一致した乗車者情報31bの乗車者IDに関する情報が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0068】
図6に示す例では、降車者ID「Q01」で識別される降車者のデータは、降車者画像が「画像E11」、特徴点が「特徴点F01」、性別が「男性」、年齢が「年齢G01」、年齢層が「大人」、降車した停留所が「停留所H11」、照合結果が「乗車者ID[P01]と一致」であることを示している。
【0069】
関係者情報33bは、バス関係者に関する情報である。ここで、図7を用いて、関係者情報33bについて説明する。図7は、関係者情報33bの一例を示す図である。図7に示すように、関係者情報33bには、「関係者ID」、「関係者画像」、「特徴点」、「性別」、「年齢」および「勤怠状況」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0070】
「関係者ID」は、バス関係者を識別する識別情報である。「関係者画像」は、バス関係者を撮像した関係者画像の情報である。「特徴点」は、顔の特徴点情報であり、顔情報の一例である。特徴点情報には、例えば関係者画像に写ったバス関係者の顔における目(目頭、目尻など)、鼻や口などの特徴点の位置などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0071】
「性別」は、バス関係者の性別を示す情報である。「年齢」は、バス関係者の年齢を示す情報である。「勤怠状況」は、例えばバス1が運行する当日のバス関係者の出勤および欠勤の情報、勤務時間など、バス関係者の勤務状況を示す情報である。
【0072】
図7に示す例では、関係者ID「R01」で識別されるバス関係者のデータは、関係者画像が「画像E21」、特徴点が「特徴点F02」、性別が「男性」、年齢が「年齢G02」、勤怠状況が「バス1の運行当日は出勤し、勤務時間がJ1~J2時」であることを示している。
【0073】
ここで、関係者ID「R01」で識別されるバス関係者は、特徴点、性別、年齢が、乗車者情報31a,31b(図4参照)において乗車者ID「P02」で識別される乗車者の特徴点等と同じである。従って、図4では、乗車者ID「P02」で識別される乗車者が、関係者ID「R01」で識別されるバス関係者であることを示している。
【0074】
図5の説明に戻ると、乗降カウンタ34bは、バス1に乗降した人数をカウントするカウンタである。
【0075】
制御部20bの取得部21bは、第2カメラ11bから、バス1から降車する人物(降車者)が撮像された降車者撮像画像を取得する。例えば、取得部21bは、バス1が停留所で停止しているときに降車者撮像画像を取得するが、取得のタイミングはこれに限定されるものではない。取得部21bは、取得された降車者撮像画像を検出部22bへ出力する。なお、降車者撮像画像は撮像画像の一例である。
【0076】
また、取得部21bは、乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報を取得し、記憶部30bに乗車者情報31b(図4参照)として登録する。
【0077】
また、取得部21bは、バス事業者勤怠管理サーバ310に対して、勤怠情報を含む関係者情報を要求する。取得部21bは、かかる要求に応じてバス事業者勤怠管理サーバ310から出力された関係者情報を取得する。言い換えると、取得部21bは、関係者情報として関係者の顔情報や勤怠情報などを取得する。そして、取得部21bは、取得された情報を記憶部30bに関係者情報33b(図7参照)として登録する。
【0078】
検出部22bは、降車者撮像画像から降車者の顔情報(詳しくは顔の特徴点情報)を検出する。例えば、検出部22bは、降車者撮像画像から、目、鼻や口、輪郭などの特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置を特徴点情報として検出する。
【0079】
検出部22bは、降車者撮像画像から降車者の性別や年齢、年齢層などの属性情報を検出する。検出部22bは、検出された特徴点情報および属性情報を降車者撮像画像とともに、登録部23bへ出力する。
【0080】
登録部23bは、降車者撮像画像、特徴点情報および属性情報を含む各種の情報を記憶部30bに降車者情報32b(図6参照)として登録する。このとき、登録部23bは、測位部12bのバス1の位置情報に基づいて、降車者撮像画像が撮像された停留所、すなわち、降車者が降車した停留所の情報を降車者情報32bに付加してもよい。
【0081】
照合部24bは、乗車者情報31bと降車者情報32bとを照合する。例えば、照合部24bは、記憶部30bの乗車者情報31bと降車者情報32bにアクセスし、降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致するか否かの照合を行う。照合部24bは、降車者の特徴点情報等が乗車者の特徴点情報等と一致あるいは略一致する場合、かかる照合結果を、降車者情報32b(図6参照)の「照合結果」に登録する。ここでは、照合部24bは、降車者ID「Q01」の降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者ID「P01」の情報の特徴点情報や属性情報と一致したことを示している。
【0082】
算出部25bは、バス1の乗客数を算出する。例えば、算出部25bは、乗車者情報31bと降車者情報32bとから得られるバス1に乗降した人数から、関係者情報に対応する人数を除外して、バス1の乗客数を算出する。
【0083】
詳しくは、算出部25bは、記憶部30bの乗車者情報31bにアクセスし、乗車者情報31bに乗車者の顔情報や属性情報が新たに登録されたときにバス1に乗降した人数を1人加算する、正確には、乗降カウンタ34bをインクリメントする。
【0084】
また、算出部25bは、降車者情報32bに、乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致する降車者の情報が登録された場合に、かかる特徴点情報等の乗客がバス1から降車したと推定し、乗車者の人数から降車者を1人減算する、詳しくは乗降カウンタ34bをデクリメントする。
【0085】
ここで、上記のようにして算出された、バス1に乗降した人数(乗降カウンタ34bの値)には、バス関係者の人数が含まれる場合がある。そのため、算出部25bは、バス1に乗降した人数からバス関係者の人数を除外して、バス1の乗客数を算出する。
【0086】
例えば、算出部25bは、乗車者撮像画像や降車者撮像画像に、バス関係者の顔情報や属性情報が含まれる場合、当該顔情報等に対応する人物の人数をバス1に乗降した人数から除外して乗客数を算出する。
【0087】
図4の例で説明すると、乗車者ID「P02」で識別される乗車者は、乗車者撮像画像から得られる特徴点、性別、年齢が、関係者情報33b(図7参照)の関係者ID「R01」で識別されるバス関係者と同じである。従って、乗車者撮像画像にバス関係者の顔情報や属性情報が含まれているといえることから、算出部25bは、乗車者ID「P02」で識別される乗車者がバス関係者であるとして、バス1に乗降した人数から除外して乗客数を算出する。
【0088】
このように、算出部25bは、バス1に乗降した人数からバス関係者の人数を除外してバス1の乗客数を算出する。これにより、例えば第1カメラ11aや第2カメラ11bによってバス関係者が撮像された場合であっても、バス1の乗客数を精度よく算出することができる。
【0089】
また、算出部25bは、勤務状況を示す勤怠情報に基づいて乗客数を算出するようにしてもよい。例えば、算出部25bは、関係者情報33bに登録されたバス関係者から、バス1の運行当日に出勤し、バス1の運行時間が勤務時間に含まれるバス関係者を抽出する。そして、算出部25bは、抽出されたバス関係者に対応する関係者情報33bのみに基づいて、乗車者撮像画像や降車者撮像画像にバス関係者の顔情報や属性情報が含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて乗客数を算出するようにしてもよい。
【0090】
これにより、例えば算出部25bは、関係者情報33bに登録されたバス関係者全ての情報を用いる必要がなくなるため、制御部20bにおける処理負荷を軽減することが可能になる。また、算出部25bは、上記のようにして抽出されたバス関係者に対応する関係者情報33bのみを用いることで、例えば勤務ではなく乗客としてバス1を利用しているバス関係者(言い換えると、私的にバス1を利用しているバス関係者)を、バス1に乗降した人数から除外してしまうことを抑制でき、よってバス1の乗客数をより精度よく算出することができる。
【0091】
送信部26bは、乗車者情報31bや降車者情報32bの一部あるいは全部と、算出部25bによって算出されたバス1の乗客数の情報とを含む乗客情報を、管理サーバ200へ送信する。
【0092】
なお、送信部26bは、バス1が停留所を出発して算出部25bでの算出処理等が完了してから次の停留所に到着するまでの間に送信処理を実行するが、送信のタイミングはこれに限定されるものではない。
【0093】
<管理サーバの構成>
次いで、管理サーバ200の構成について図8を参照して説明する。図8は、管理サーバ200の構成例を示すブロック図である。
【0094】
図8に示すように、管理サーバ200は、通信部201と、制御部210と、記憶部220とを備える。通信部201は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、バス端末装置10やバス事業者端末装置300、ユーザ端末装置400等との間で情報の送受信を行う。
【0095】
制御部210は、取得部211と、混雑度算出部212と、提供部213とを備え、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0096】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部210の取得部211、混雑度算出部212および提供部213として機能する。
【0097】
また、制御部210の取得部211、混雑度算出部212および提供部213の少なくともいずれか一部または全部をASICやFPGA等のハードウェアで構成することもできる。
【0098】
また、記憶部220は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部220には、乗客情報221、バス情報222および各種プログラムなどが記憶される。
【0099】
乗客情報221は、降り口端末装置10bから送信された、バス1の乗客に関する情報である。乗客情報221には、上記したように、乗車者情報31bや降車者情報32bの一部あるいは全部と、算出部25bによって算出されたバス1の乗客数の情報とが含まれる。
【0100】
バス情報222は、バス1に関する情報である。バス情報222には、例えばバス1の定員を示す定員情報などが含まれるが、これに限られず、バス1の運行計画情報などその他の情報が含まれてもよい。なお、バス情報222は、予め記憶部220に記憶されるが、これに限定されるものではなく、例えばバス事業者端末装置300など外部端末から送信されて記憶部220に記憶されてもよい。
【0101】
制御部210の取得部211は、降り口端末装置10bから送信された情報を取得し、取得された情報を記憶部220に乗客情報221として記憶させる。
【0102】
混雑度算出部212は、バス1の混雑度、詳しくはバス1の現在の混雑度を算出する。混雑度は、バス1の混雑状況の度合いを示す指標値であり、例えばバス1の定員に対する乗客数等に応じた数段階のレベルで示される値である。
【0103】
例えば、混雑度算出部212は、乗客情報221に含まれるバス1の現在の乗客数の情報と、バス情報222に含まれるバス1の定員情報とに基づいて、バス1の現在の混雑度を算出する。混雑度算出部212は、算出された混雑度を示す混雑度情報を提供部213へ出力する。
【0104】
提供部213は、かかる混雑度情報を通信部201を介して、例えばユーザ端末装置400やバス事業者端末装置300へ提供することができる。また、提供部213は、乗客情報221を通信部201を介して、例えばバス事業者端末装置300へ提供することができる。
【0105】
<第1の実施形態に係る情報処理システムの制御処理>
次に、第1の実施形態に係るバス端末装置10を含む情報処理システム100が実行する処理手順について、図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態に係るバス端末装置10を含む情報処理システム100が実行する処理シーケンスの一例を示す図である。
【0106】
図9に示すように、先ず乗り口端末装置10aは、第1カメラ11aから乗車者撮像画像を取得する(ステップS10)。次いで、乗り口端末装置10aは、乗車者撮像画像を含む乗車者情報を記憶部30aに登録する(ステップS11)。そして、乗り口端末装置10aは、乗車者情報を降り口端末装置10bへ出力する(ステップS12)。
【0107】
降り口端末装置10bは、バス事業者勤怠管理サーバ310から関係者情報を取得する(ステップS13)。次いで、降り口端末装置10bは、第2カメラ11bから降車者撮像画像を取得する(ステップS14)。次いで、降り口端末装置10bは、降車者撮像画像を含む降車者情報を記憶部30bに登録する(ステップS15)。ここで、記憶部30bには、以前の処理で乗り口端末装置10aから出力された乗車者情報が登録されているものとする。
【0108】
次いで、降り口端末装置10bは、乗車者情報と降車者情報とを照合する(ステップS16)。例えば、降り口端末装置10bは、降車者情報における降車者の特徴点情報や属性情報が、乗車者情報における乗車者の特徴点情報や属性情報と一致あるいは略一致するか否かの照合を行う。
【0109】
降り口端末装置10bは、乗車者情報、降車者情報、照合結果および関係者情報などに基づいて、バス1に乗降した人数からバス関係者の人数を除外してバス1の乗客数を算出する(ステップS17)。また、降り口端末装置10bは、乗り口端末装置10aから乗車者情報が新たに出力された場合、記憶部30bの乗車者情報を更新する(ステップS18)。
【0110】
そして、降り口端末装置10bは、乗車者情報や降車者情報、バス1の乗客数などを含む乗客情報を管理サーバ200へ送信する(ステップS19)。
【0111】
管理サーバ200は、バス1の乗客数の情報などに基づいてバス1の混雑度を算出する(ステップS20)。そして、管理サーバ200は、混雑度情報や乗客情報などを、バス事業者端末装置300やユーザ端末装置400へ提供する(ステップS21)。
【0112】
上述してきたように、第1の実施形態に係るバス端末装置10(算出装置の一例)は、算出部25bと、取得部21bとを備える。算出部25bは、バス1の乗客数を算出する。取得部21aは、バス1の関係者に関する関係者情報を取得する。また、算出部25bは、バス1に乗降した人数から、取得部21bによって取得された関係者情報に対応する人数を除外してバス1の乗客数を算出する。これにより、バス1の乗客数を精度よく算出することができる。
【0113】
(変形例)
次に、変形例について図5を参照しつつ説明する。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0114】
変形例にあっては、関係者情報33bが予め記憶部30bに登録される。変形例における関係者情報33bには、例えばバス関係者を撮像した関係者画像、バス関係者の顔情報(特徴点情報)、および、バス関係者の性別や年齢などの属性情報などが含まれるが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0115】
制御部20bの取得部21bは、記憶部30bにアクセスして関係者情報33bを取得し、取得された情報を算出部25bへ出力することができる。
【0116】
また、第2カメラ11bは、バス1の運行前に、当日にバス1に勤務するバス関係者を撮像し、撮像されたバス関係者の撮像画像を勤務者撮像画像として制御部20bへ出力する。取得部21bは、第2カメラ11bから勤務者撮像画像を取得し、取得された勤務者撮像画像を算出部25bへ出力する。
【0117】
算出部25bは、関係者情報33bに登録されたバス関係者から、勤務者撮像画像に対応するバス関係者を抽出する。そして、バス1の運行が開始されると、算出部25bは、抽出されたバス関係者に対応する関係者情報33bのみに基づいて、乗車者撮像画像や降車者撮像画像にバス関係者の顔情報や属性情報が含まれるか否かを判定し、判定結果に基づいて乗客数を算出する。
【0118】
これにより、変形例にあっては、バス1に勤務するバス関係者を、バス1の運行前に第2カメラ11bで撮像するような簡易な構成でありながら、バス1の乗客数を精度よく算出することができる。なお、当日にバス1に勤務するバス関係者の撮像は、第1カメラ11aで行われてもよいし、その他のカメラで行われてもよい。
【0119】
また、変形例においても、第1の実施形態と同様、算出部25bは、関係者情報33bに登録されたバス関係者全ての情報を用いる必要がなくなるため、制御部20bの処理負荷を軽減することが可能になる。また、変形例に係る算出部25bは、上記のように抽出されたバス関係者に対応する関係者情報33bのみを用いることで、例えば勤務ではなく乗客としてバス1を利用しているバス関係者を、バス1に乗降した人数から除外してしまうことを抑制でき、よってバス1の乗客数をより精度よく算出することができる。
【0120】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態について図5を参照しつつ説明する。第2の実施形態においては、関係者情報33bとして、バス関係者が着用する着用物に関する着用物情報を用いるようにした。なお、着用物には、バス関係者が勤務時に着用する制服、制帽などが含まれる。また、着用物情報には、着用物の特徴を示す情報が含まれ、例えば制服や制帽の形状、色などの情報が含まれる。
【0121】
第2の実施形態にあっては、関係者情報33bとして着用物情報が予め記憶部30bに登録される。ここで、図10を用いて、第2の実施形態における関係者情報33bについて説明する。図10は、第2の実施形態における関係者情報33bの一例を示す図である。
【0122】
図10に示すように、関係者情報33bとしての着用物情報には、制服情報K01および制帽情報L01などが含まれる。制服情報K01には、例えばバス関係者の制服の形状、色などの情報が含まれる。また、制帽情報L01には、例えばバス関係者の制帽の形状、色などの情報が含まれる。
【0123】
なお、上記では、着用物情報に、制服情報K01および制帽情報L01が含まれるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、着用物情報においては、制服情報K01および制帽情報L01のいずれか一方が含まれてもよいし、例えば勤務時に着用するネクタイやバッジなど、制服情報K01および制帽情報L01以外の着用物に関する情報が含まれてもよい。
【0124】
図5の説明に戻ると、第2の実施形態に係る取得部21bは、記憶部30bにアクセスして関係者情報33bとして着用物情報を取得し、取得された情報を算出部25bへ出力する。
【0125】
検出部22bは、乗車者撮像画像から乗車者が着用している着用物の情報である乗車者着用物情報を検出する。また、検出部22bは、降車者撮像画像から降車者が着用している着用物の情報である降車者着用物情報を検出する。検出部22bは、検出された乗車者着用物情報および降車者着用物情報を算出部25bへ出力する。なお、乗車者着用物情報および降車者着用物情報の検出手法は、任意に設定可能である。
【0126】
算出部25bは、着用物情報、乗車者着用物情報および降車者着用物情報などに基づいてバス1の乗客数を算出する。例えば、算出部25bは、乗車者着用物情報が着用物情報と一致あるいは略一致する場合、乗車者着用物情報に対応する乗車者がバス関係者であるとして、かかる乗車者をバス1に乗降した人数から除外して乗客数を算出する。
【0127】
また、例えば、算出部25bは、降車者着用物情報が着用物情報と一致あるいは略一致する場合、降車者着用物情報に対応する降車者がバス関係者であるとして、かかる降車者をバス1に乗降した人数から除外して乗客数を算出する。
【0128】
このように、第2の実施形態にあっては、関係者情報33bとして着用物情報を用いることで、バス1の乗客数を精度よく算出することができる。
【0129】
なお、上記した変形例および第2の実施形態において、情報処理システム100(図2参照)は、バス事業者勤怠管理サーバ310(図2参照)を備えない構成であってもよい。また、上記した第1、第2の実施形態および変形例を適宜に組み合わせてもよい。
【0130】
なお、上記した各実施形態および変形例において、乗り口端末装置10a、降り口端末装置10bおよび管理サーバ200がそれぞれ、各種の処理を行うようにしたが、各種の処理が行われる装置は、上記に限定されるものではない。
【0131】
すなわち、乗り口端末装置10aで行われる処理の一部あるいは全部が、降り口端末装置10bあるいは管理サーバ200で行われるようにしてもよい。また、降り口端末装置10bで行われる処理の一部あるいは全部が、乗り口端末装置10aあるいは管理サーバ200で行われるようにしてもよい。また、管理サーバ200で行われる処理の一部あるいは全部が、乗り口端末装置10aあるいは降り口端末装置10bで行われるようにしてもよい。
【0132】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 バス
10 バス端末装置
10a 乗り口端末装置
10b 降り口端末装置
11a 第1カメラ
11b 第2カメラ
21b 取得部
25b 算出部
100 情報処理システム
200 管理サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10