(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ケーブル引抜システム
(51)【国際特許分類】
H02G 1/08 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
H02G1/08
(21)【出願番号】P 2020197683
(22)【出願日】2020-11-28
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】598132727
【氏名又は名称】株式会社インテ
(74)【代理人】
【識別番号】100130144
【氏名又は名称】前田 健壱
(72)【発明者】
【氏名】家永 義次
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-38185(JP,A)
【文献】特開平10-184995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路からケーブルを引き抜くケーブル引抜システムであって、
管路からマンホール内に突出されているケーブルの先端部に装着されたケーブル側接続体と、
該ケーブル側接続体の先端側に装着されたダブル金車と、
前記ケーブル側接続体が装着された側の管路と対向するマンホールの壁面に2個装着されたマンホール壁面側接続体と、
2個のうちの1個の前記マンホール壁面側接続体に装着された第1シングル金車と、
2個のうちの他の1個の該マンホール壁面側接続体に装着された第2シングル金車と、
先端側が前記ダブル金車に装着され、該ダブル金車に装着された先端部から前記第1シングル金車のプーリー、前記ダブル金車の一方のプーリー、前記第2シングル金車のプーリー、前記ダブル金車の他方のプーリーを介し、地上のケーブル巻取手段に装着されたケーブル引抜ワイヤーロープと、を有し、
前記ケーブル巻取手段により前記ケーブル引抜ワイヤーロープが巻き取られることにより、ケーブルが管路から高張力で引き抜かれることを特徴とするケーブル引抜システム。
【請求項2】
前記ケーブル側接続体は、ケーブルの先端部に装着されたプーリングアイであり、
前記マンホール壁面側接続体は、マンホールの側壁面に装着されたマンホール壁面側金属棒、またはマンホール側壁面フックを介しマンホールに装着された台付けワイヤーロープのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のケーブル引抜システム。
【請求項3】
前記ケーブル巻取手段は、ケーブル巻取車に搭載されているケーブル引抜ドラムである請求項1または請求項2記載のケーブル引抜システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路からケーブルを引き抜くケーブル引抜システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、管路内のケーブルの交換等を行うために、管路からケーブルを引き抜くケーブル引抜システムが知られている。
【0003】
この種のケーブル引抜システムとして、人孔内bにおいて金車cが装着され、またケーブルaの先端にワイヤーロープdが取り付けられ、そして金車cに巻回されたワイヤーロープdでケーブルaを引っ張ることにより、管路からケーブルaが引き抜かれるものであった(たとえば、技術文献1(
図1参照))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実願昭52-23261号(実開昭53-119596号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のケーブル引抜システムでは、ケーブルaを引き抜く際に、管路の表面に凸部等が存在するときには、ケーブルaを高張力で引っ張らなければケーブルaを引き抜くことができない場合がある。この場合に、高張力仕様の金車を用いようとしても、高張力仕様の金車自体の大きさが大きいことから、マンホール(人孔)の開口部(直径約850mm)からマンホール内に入れることができず、ケーブルaを引き抜くことができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、マンホールの開口部からマンホール内に挿入させることができるコンパクトな金車を用いてケーブルを高張力で引っ張ることにより、管路からケーブルを引き抜くことができるケーブル引抜システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、管路からケーブルを引き抜くケーブル引抜システムであって、管路からマンホール内に突出されているケーブルの先端部に装着されたケーブル側接続体と、ケーブル側接続体の先端側に装着されたダブル金車と、ケーブル側接続体が装着された側の管路と対向するマンホールの壁面に2個装着されたマンホール壁面側接続体と、2個のうちの1個のマンホール壁面側接続体に装着された第1シングル金車と、2個のうちの他の1個のマンホール壁面側接続体に装着された第2シングル金車と、先端側がダブル金車に装着され、ダブル金車に装着された先端部から第1シングル金車のプーリー、ダブル金車の一方のプーリー、第2シングル金車のプーリー、ダブル金車の他方のプーリーを介し、地上のケーブル巻取手段に装着されたケーブル引抜ワイヤーロープと、を有し、ケーブル巻取手段によりケーブル引抜ワイヤーロープが巻き取られることにより、ケーブルが管路から高張力で引き抜かれることを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、地上のケーブル巻取手段によりケーブル引抜ワイヤーロープが例えばAトンの引っ張り力で巻き取られる場合に、ダブル金車と第1シングル金車のプーリーの間のケーブル引抜ワイヤーロープと、第1シングル金車のプーリーとダブル金車の一方のプーリーの間のケーブル引抜ワイヤーロープと、ダブル金車の一方のプーリーと第2シングル金車のプーリーの間のケーブル引抜ワイヤーロープと、第2シングル金車のプーリーとダブル金車の他方のプーリーの間のケーブル引抜ワイヤーロープと、ダブル金車の他方のプーリーと地上のケーブル巻取手段の間のケーブル引抜ワイヤーロープにそれぞれAトンの引っ張り力が発生するので、管路のケーブルを5Aトン引っ張り力で引っ張ることができる。これにより、マンホール(人孔)の開口部(直径約850mm)からマンホール内に挿入させることができない高張力仕様の金車を用いなくても、管路からケーブルを引き抜くことができる。
【0009】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るケーブル引抜システムであって、ケーブル側接続体は、ケーブルの先端部に装着されたプーリングアイであり、マンホール壁面側接続体は、マンホールの側壁面に装着されたマンホール壁面側金属棒、またはマンホール側壁面フックを介しマンホールに装着された台付けワイヤーロープのいずれかであることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、マンホール壁面側接続体としてマンホール壁面側金属棒を用いることによりシングル金車(第1シングル金車、第2シングル金車)を特定の位置に設置することができ、また、マンホール壁面側接続体として台付けワイヤーロープを用いることにより台付けワイヤーロープに装着されたシングル金車(第1シングル金車、第2シングル金車)を柔軟に移動させて、各種の位置に設置させることができる。
【0011】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1または第2の態様に係るケーブル引抜システムであって、ケーブル巻取手段は、ケーブル巻取車に搭載されているケーブル引抜ドラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のケーブル引抜システムによれば、マンホールの開口部からマンホール内に挿入させることができるコンパクトな金車を用いてケーブルを高張力で引っ張ることにより、管路からケーブルを引き抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムの全体構成図である。
【
図2】(a) 同ケーブル引抜システムのダブル金車の斜視図である。 (b) 同ケーブル引抜システムのダブル金車の正面図である。 (c) 同ケーブル引抜システムのダブル金車の裏面図である。 (d) 同ケーブル引抜システムのダブル金庫の側面図である。
【
図3】(a) 同ケーブル引抜システムのシングル金車の斜視図である。 (b) 同ケーブル引抜システムのシングル金車の正面図である。 (c) 同ケーブル引抜システムのシングル金車の裏面図である。 (d) 同ケーブル引抜システムのシングル金庫の側面図である。
【
図4】同ケーブル引抜システムのシングル金車のマンホール壁面への装着構造を示す図である。
【
図5】同ケーブル引抜システムのダブル金車のケーブルおよびケーブル引抜ワイヤーロープへの装着構造を示す図である。
【
図6】同ケーブル引抜システムのケーブル引抜ワイヤーロープおよびケーブルへの作用力を説明する図である。
【
図7】従来のケーブル引抜システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明にかかるケーブル引抜システムについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムの全体構成図である。ここで、ケーブル引抜システム1は、管路2からケーブル3を引き抜くために用いられる構成要素である。本実施形態では、管路2から引き抜かれるケーブル3として電力ケーブルが用いるが、これに限らず、光ケーブルなど電力ケーブル以外のケーブルを用いてもよい。
【0015】
図1に示すように、ケーブル引抜システム1は、プーリングアイ(ケーブル側接続体)4と、ダブル金車5と、台付けワイヤーロープ6(台付けワイヤーロープ6a、台付けワイヤーロープ6b)と、シングル金車7(第1シングル金車7a、第2シングル金車7b)、ケーブル引抜ワイヤーロープ8などの管路2からケーブル3を引き抜くための各要素(部品)から構成されている。
【0016】
プーリングアイ4は、管路2からマンホール9内に突出されているケーブル3の先端部に装着されている。具体的には、プーリングアイ4は、先端部の絶縁体を取り除き導体のみとなったケーブル3をプーリングアイ4の後端内穴に挿入させた後に、プーリングアイ4の側面円周に100トン(もしくは200トン)の圧縮力を加えることにより、プーリングアイ4とケーブル3とが強固に結合されている。なお、本実施形態では、ケーブル側接続体としてプーリングアイ4を用いたが、これに限らず、プーリングアイ4以外の他の構成からなるものであってもよい。
【0017】
ダブル金車5は、プーリングアイ4の先端部に装着されている。このダブル金車5は、最大許容張力16トン、質量約15.8Kg、高さ265mm×幅160mm×奥行12.5mmの大きさからなり、車輪支持板11と、車軸12(車軸12a、車軸12b)と、接続金具13(接続金具13a、接続金具13b)と、六角ナット14(六角ナット14a、六角ナット14b)と、松葉ピン15(松葉ピン15a、松葉ピン15b)と、プーリング接続六角ボルト16と、プーリング接続六角ナット17と、プーリー18(プーリー18a、プーリー18b)などから構成されている(
図2参照)。ここで、六角ナット14としてM38ナットが用いられ、プーリング接続六角ボルト16としてM20ボルトが用いられ、プーリング接続六角ナット17としてM20ナットが用いられ、プーリー18として直径150mmのプーリーが用いられている。このように、ダブル金車5の高さ幅奥行の最大長さが265mm以下であるので、マンホール9の開口部(直径約850mm)からマンホール9内に容易に挿入させることができる。ここで、本実施形態では、最大長さが265mm以下のダブル金車5を用いたが、これに限らず、最大長さが350mm以下のダブル金車5を用いてもよい。ここで、
図2(a)は本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムのダブル金車の斜視図であり、
図2(b)は同ケーブル引抜システムのダブル金車の正面図であり、
図2(c)は同ケーブル引抜システムのダブル金車の裏面図であり、
図2(d)は同ケーブル引抜システムのダブル金庫の側面図である。
【0018】
台付けワイヤーロープ6(台付けワイヤーロープ6a、台付けワイヤーロープ6b)は、プーリングアイ4が装着された側の管路2と対向するマンホール9の側壁面に結合されたUボルト19(Uボルト19a、Uボルト19b)を介しマンホール9の側壁面に装着されている。ここで、台付けワイヤーロープ6(台付けワイヤーロープ6a、台付けワイヤーロープ6b)は、シャックルA10aを介し、Uボルト19(Uボルト19a、Uボルト19b)に装着されている。このUボルト19は、プーリングアイ4が装着された側の管路2と対向するマンホール9の側壁面に2個結合され、その2個結合されたUボルト19のそれぞれに台付けワイヤーロープ6が装着されている。ここで、Uボルト19およびシャックルA10aによりマンホール側壁面フックが構成されている。なお、本実施形態では、マンホール壁面側接続体として台付けワイヤーロープ6を用いたが、これに限らず、マンホール9の側壁面に装着されたマンホール壁面側金属棒などを用いてもよい。また、本実施形態では、マンホール側壁面フックとしてUボルト19およびシャックルA10aを用いたが、これに限らず、他の構成からなるものを用いてもよい。
【0019】
シングル金車7は、2個の台付けワイヤーロープ6のうちの1個の台付けワイヤーロープ6aに装着された第1シングル金車7aと、2個の台付けワイヤーロープ6のうちの他の1個の台付けワイヤーロープ6bに装着された第2シングル金車7bとから構成されている。このシングル金車7は、最大許容張力16トン、質量約10.8Kg、高さ265mm×幅160mm×奥行7.2mmの大きさからなり、車輪支持板20と、車軸21(車軸21a、車軸21b)と、接続金具22と、六角ナット23(六角ナット23a、六角ナット23b)と、松葉ピン24(松葉ピン24a、松葉ピン24b)と、プーリー25などから構成され(
図3参照)、第1シングル金車7aと第2シングル金車7bは同種同形のシングル金車7が用いられている。ここで、六角ナット23としてM38ナットが用いられ、プーリー25として直径150mmのプーリーが用いられている。このように、シングル金車7の高さ幅奥行の最大長さが265mm以下であるので、マンホール9の開口部(直径約850mm)からマンホール9内に容易に挿入させることができる。なお、本実施形態では、最大長さが265mm以下のシングル金車7を用いたが、これに限らず、最大長さが350mm以下のシングル金車7を用いてもよく、また、第1シングル金車7aと第2シングル金車7bは異なる形状のシングル金車7を用いてもよい。さらに、本実施形態では、シングル金車7を第1シングル金車7aと第2シングル金車7bとから構成させたが、これに限らず、第1シングル金車7aと第2シングル金車7bと第3シングル金車などから構成させてもよい。ここで、
図3(a)は本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムのシングル金車の斜視図であり、
図3(b)は同ケーブル引抜システムのシングル金車の正面図であり、
図3(c)は同ケーブル引抜システムのシングル金車の裏面図であり、
図3(d)は同ケーブル引抜システムのシングル金庫の側面図である。
【0020】
ケーブル引抜ワイヤーロープ8は、鉄を材質として形成され、先端部がダブル金車5のワイヤーロープ挿入孔29(
図1、
図2参照)に装着され、そのダブル金車5に装着された先端部から第1シングル金車7aのプーリー25a、ダブル金車5の一方のプーリー18a、第2シングル金車7bのプーリー25b、ダブル金車5の他方のプーリー18bを介し、地上のケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27(ケーブル巻取手段)に取り付けられている(
図1参照)。そして、ケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27を回転させることによりケーブル引抜ワイヤーロープ8がケーブル引抜ドラム27に巻き取られ、ケーブル3が管路2から引き抜くことができる。なお、本実施形態では、ケーブル巻取手段としてケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27を用いたが、これに限らず、他の構成からなるものを用いてもよい。また、本実施形態では、ケーブル引抜ワイヤーロープ8の材質を鉄としたが、ステンレス鋼やタングステンやチタン合金などを材質にしてもよい。さらに、本実施形態では、ケーブル引抜ワイヤーロープ8の先端部をダブル金車5のワイヤーロープ挿入孔29に装着させたが、必ずしもケーブル引抜ワイヤーロープ8の先端部である必要はなく、ケーブル引抜ワイヤーロープ8の先端側にダブル金車5のワイヤーロープ挿入孔29を装着させてもよく、この場合、ワイヤーロープ挿入孔29に装着された部位がケーブル引抜ワイヤーロープ8の先端部となる。また、本実施形態では、ケーブル引抜ワイヤーロープ8の先端部をダブル金車5のワイヤーロープ挿入孔29に直接装着させた(
図5参照)が、これに限らず、シングル金車7と台付けワイヤーロープ6の装着方法と同様(
図4参照)、台付けワイヤーロープ6の先端のアイ部をシャックルを介しダブル金車5のワイヤーロープ挿入孔29に装着させるようにしてもよい(図示略)。
【0021】
次に、シングル金車7のマンホール9壁面への装着構造について説明する。ここで、
図4は、本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムのシングル金車のマンホール壁面への装着構造を示す図である。
【0022】
シングル金車7は、台付けワイヤーロープ6を介し、マンホール9の側壁面に結合されたUボルト19に装着されている。具体的には、マンホール9の側壁面において、Uボルト19はシャックルA10aを介し台付けワイヤーロープ6の後端のアイ部に装着され、また、シングル金車7側においては、シングル金車7のシングル金車ボルト挿通孔28(
図3参照)がシャックルB10bを介し台付けワイヤーロープ6の先端のアイ部に装着されている。このように、シングル金車7が、台付けワイヤーロープ6を介し、マンホール9の側壁面に結合されたUボルト19に装着されている。
【0023】
次に、ダブル金車5のケーブル3への装着構造について説明する。ここで、
図5は、本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムのダブル金車のケーブルおよびケーブル引抜ワイヤーロープへの装着構造を示す図である。
【0024】
ダブル金車5は、上述したように、ケーブル3の先端部に装着されたプーリングアイ4に装着されている。具体的には、ダブル金車5の接続金具13の金属金具先端挿入孔30(
図1、
図5参照)とプーリングアイ4のプーリングアイ先端挿入孔31(
図1、
図5参照)の位置を合わせ、金属金具先端挿入孔30とプーリングアイ先端挿入孔31にプーリング接続六角ボルト16を挿入させた後に、プーリング接続六角ナット17をプーリング接続六角ボルト16に螺合させることにより、ダブル金車5がプーリングアイ4を介しケーブル3に装着される。
【0025】
次に、管路2からケーブル3を引き抜く工程およびケーブル3に作用する引っ張り力(張力)について説明する。
【0026】
ケーブル引抜ワイヤーロープ8がケーブル引抜システム1を介しケーブル3と地上のケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27(ケーブル巻取手段)に装着された状態で、ケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27を回転させる。これにより、ケーブル3が地上方向に引き上げられる。このように、地上のケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27によりケーブル引抜ワイヤーロープ8がAトンの引っ張り力で巻き取られる場合に、ダブル金車5と第1シングル金車7aのプーリー25aの間のケーブル引抜ワイヤーロープ8と、第1シングル金車7aのプーリー25aとダブル金車5の一方のプーリー18aの間のケーブル引抜ワイヤーロープ8と、ダブル金車5の一方のプーリー18aと第2シングル金車7bのプーリー25bの間のケーブル引抜ワイヤーロープ8と、第2シングル金車7bのプーリー25bとダブル金車5の他方のプーリー18bの間のケーブル引抜ワイヤーロープ8と、そして、ダブル金車5の他方のプーリー18bと地上のケーブル巻取車26に搭載されているケーブル引抜ドラム27の間のケーブル引抜ワイヤーロープ8にそれぞれAトンの引っ張り力が発生することになるので、管路2のケーブル3を5Aトンの高張力の引っ張り力で引っ張ることができる(
図6参照)。これにより、マンホール9(人孔)の開口部(直径約850mm)からマンホール9内に挿入させることができない高張力仕様の金車を用いなくても、管路2からケーブル3を引き抜くことができる。ここで、
図6は、本発明の一実施形態におけるケーブル引抜システムのケーブル引抜ワイヤーロープおよびケーブルへの作用力を説明する図である。この
図6では、「ダブル金車5」と「ケーブル3およびケーブル引抜ワイヤーロープ8」との装着関係を容易に理解できるようにするためダブル金車5を2つのシングル金車で表示させ、また、ダブル金車5とケーブル3の間に作用する引っ張り力の容易に理解できるようにするためにダブル金車5とケーブル3との間をワイヤーで表示させている。
【0027】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。さらに本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0028】
1 ケーブル引抜システム
2 管路
3 ケーブル
4 プーリングアイ(ケーブル側接続体)
5 ダブル金車
6 台付けワイヤーロープ(マンホール壁面側接続体)
6a 台付けワイヤーロープ
6b 台付けワイヤーロープ
7 シングル金車
7a 第1シングル金車
7b 第2シングル金車
8 ケーブル引抜ワイヤーロープ
9 マンホール
10a シャックルA
10b シャックルB
11 車輪支持板
12 車軸
12a 車軸
12b 車軸
13 接続金具
13a 接続金具
13b 接続金具
14 六角ナット
14a 六角ナット
14b 六角ナット
15 松葉ピン
15a 松葉ピン
15b 松葉ピン
16 プーリング接続六角ボルト
17 プーリング接続六角ナット
18 プーリー
18a プーリー
18b プーリー
19 Uボルト
19a Uボルト
19b Uボルト
20 車輪支持板
21 車軸
21a 車軸
21b 車軸
22 接続金具
23 六角ナット
23a 六角ナット
23b 六角ナット
24 松葉ピン
24a 松葉ピン
24b 松葉ピン
25 プーリー
25a プーリー
25b プーリー
26 ケーブル巻取車
27 ケーブル引抜ドラム(ケーブル巻取手段)
28 シングル金車ボルト挿通孔
29 ワイヤーロープ挿入孔
30 金属金具先端挿入孔
31 プーリングアイ先端挿入孔