(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/127 20060101AFI20240903BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240903BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20240903BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G08G1/127 B
G06Q50/40
G08G1/01 F
G08G1/09 F
(21)【出願番号】P 2021145895
(22)【出願日】2021-09-08
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】増田 哲也
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/037954(WO,A1)
【文献】特開2013-025599(JP,A)
【文献】特開2007-154509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得手段と、
前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類し、前記利用客候補が前記停留所画像から検出されなくなった状態で一定時間経過した場合、前記利用客候補の情報を削除し、前記利用客が前記停留所画像から検出されなくなった場合、前記利用客を前記利用客候補に分類する分類手段と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出手段と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する送信手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人が前記バス停留所の付近に滞留している時間と、前記停留所画像に含まれる人物の行動とのうち、少なくともいずれか一つに基づいて、前記停留所画像に含まれる人物を、前記利用客、前記利用客候補、または前記通行人のいずれかに分類する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人物を前記通行人に分類し、前記通行人が前記バス停留所の付近に滞留している時間が、第1の閾値を超えたとき、前記利用客候補に分類し、さらに、前記利用客候補が前記バス停留所の付近に滞留している時間が、第2の閾値を超えたとき、前記利用客に分類する
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人物の移動速度に基づいて、前記停留所画像に含まれる人物を、前記利用客、前記利用客候補、または前記通行人のいずれかに分類する
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記バス停留所へ向かうバスの位置に応じて、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、前記通信手段に送信する
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分類手段は、前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる前記利用客及び前記利用客候補のうち、前記バス停留所の付近の予め指定された領域に含まれる人物を特定し、
前記検出手段は、前記領域に含まれる前記利用客及び前記利用客候補の人数を検出し、
前記送信手段は、前記領域に含まれる前記利用客及び前記利用客候補の人数を、前記通信手段に送信する
ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記停留所画像を撮影する撮影手段と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、前記送信手段から受信する、バス内の通信手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得し、
前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類し、前記利用客候補が前記停留所画像から検出されなくなった状態で一定時間経過した場合、前記利用客候補の情報を削除し、前記利用客が前記停留所画像から検出されなくなった場合、前記利用客を前記利用客候補に分類し、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出し、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する
情報処理方法。
【請求項9】
バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得処理と、
前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類し、前記利用客候補が前記停留所画像から検出されなくなった状態で一定時間経過した場合、前記利用客候補の情報を削除し、前記利用客が前記停留所画像から検出されなくなった場合、前記利用客を前記利用客候補に分類する分類処理と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出処理と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する送信処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バス停留所の情報を処理する装置等に関し、特にバス停留所の利用客の情報を処理する装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
バス停留所において、バスを待つ客の人数や車いす等利用の有無などの情報を処理する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、乗客の身体情報を含む個人情報をICカードの識別情報と共に事前に管理センター装置に登録し、客が駅でICカードを読み取らせることで管理センター装置が駅の乗客情報を取得し、管理センター装置が、次の停車駅の乗客情報を登録データから抽出して、運行中の車両の乗務員端末装置に送信する乗客情報管理システムが開示されている。
【0004】
特許文献2には、バス停留所のカメラでバスを待っている人を検出し、検出した情報に応じて、バス停留所でバスを待っている人やバスの端末装置に情報を提供する乗り物情報提供装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-231560号公報
【文献】特開2020-112866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された乗客情報管理システムは、バス乗務員が乗客の情報を得るために、客が、ICカードを持つこと、ICカードに情報を登録すること、バス停でICカードを読み取らせることが必要になる。
【0007】
また、特許文献2に記載された乗り物情報提供装置では、バス停のカメラの撮像画像に含まれている人を検出し、バスを待っている人の情報を取得するが、撮像画像に含まれている人がバスを必ずしも利用するとは限らない。
【0008】
本開示の目的の一例は、バス停留所において、バスの運転手が客を見落としてしまうことをより確実に防止することができる情報処理装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様における情報処理装置は、バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得手段と、前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する分類手段と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出手段と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する送信手段と、を備える。
【0010】
本開示の一態様における情報処理システムは、情報処理装置と、前記停留所画像を撮影する撮影手段と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、前記送信手段から受信する、バス内の通信手段と、を備える。情報処理装置は、バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得手段と、前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する分類手段と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出手段と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する送信手段と、を備える。
【0011】
本開示の一態様における情報処理方法は、バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得し、前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類し、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出し、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する。
【0012】
本開示の一態様における情報処理プログラムは、コンピュータに、バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得処理と、前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する分類処理と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出処理と、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する送信処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による効果の一例は、バス停留所において、バスの運転手が客を見落としてしまうことを、より精度よく防止できることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本開示における情報処理システムの利用シーンの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示におけるバス内の表示画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第一実施形態における情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第一実施形態における情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第一実施形態における情報処理装置をコンピュータ装置とその周辺装置で実現したハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本開示の概略の一例を、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0016】
図1は、本開示における情報処理システムの利用シーンの一例を示す図である。
【0017】
図1において、撮影装置200は、バス停留所3000の周辺を撮影する。撮影装置200が撮影する領域は、例えば
図1に示す撮影範囲201のように表される。撮影装置200は、バスを利用する人物を撮影できるよう、撮影範囲201を調整して設置される。撮影した画像は停留所画像として情報処理装置100に送信される。情報処理装置100は、停留所画像の解析を行い、停留所画像に含まれる人物を、通行人、利用客候補、利用客に分類する。そして、情報処理装置100は、利用客候補の人数と利用客の人数を、バス停留所3000に向かうバス2000の運転手が取得可能に送信する。このように、利用客の他に利用客候補、通行人に分類し、バス停留所3000での利用客の人数を把握できるので、運転手が、走行中のバス2000内からバス停留所3000の客を見落とすことが防止される。また、送信された利用客及び利用客候補の人数よりも少ない人数しかバス停留所3000で乗車しなかった場合に、バス2000を利用する可能性のある人物が乗車していない可能性がある。この場合、バスの運転手は、バス停留所3000を注意深く確認してから出発すればよい。その結果、本開示では、より確実に客の見落としを防止できる。
【0018】
さらに、例えば、人物4002のように、バス2000の内部から見えにくい場所である死角にいる人物が利用客候補である場合、利用客候補としてバスの運転手に通知することによって、バス停留所3000における客の見落としを、さらに確実に防ぐことができる。この時、本開示におけるバス内の表示画面の一例を示す
図2のように、死角に利用客候補がいることをバス2000の運転手に通知を行う。また、暗くて見えにくいバス停留所や時間帯であれば、バス2000の運転手に注意喚起する通知を行ってもよい。
【0019】
以上説明したように、本開示によれば、バス2000の運転手がバス停留所3000で待つ客を見落とすことを、より確実に防止することができる。特に、本開示では、見通しの悪いバス停留所や、バス内部から死角となる場所がある停留所、または夜間において、バス停留所でバスを待つ利用客の視認が難しく、利用客を見落としてしまうことを防止することができる。
【0020】
次に、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
[第一実施形態]
図3は、第一実施形態における情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
図3を参照すると、情報処理装置100は、取得部101と分類部102と検出部103と送信部104と、を備える。
【0022】
次に、第一実施形態における情報処理装置100の構成について詳しく説明する。
【0023】
図3において、取得部101は、バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する。停留所画像は、停留所付近に設置された撮影装置によって撮影される。
【0024】
分類部102は、取得部101が取得した停留所画像を解析することにより、停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する。本実施形態において、利用客は、バス停留所からバスに乗車する可能性が高い人物である。また、通行人は、バス停留所からバスに乗車する可能性が低い人物である。利用客候補は、バス停留所からバスに乗車する可能性が、利用客より低く、通行人より高い人物であり、利用客となる可能性がある人物である。
【0025】
例えば、分類部102は、抽出部と人物分類部を持つ。抽出部が、停留所画像から、人物と、その人物の特徴情報を画像解析によって抽出する。抽出部が抽出した人物の情報に基づいて、人物分類部が、停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する。特徴情報とは、例えば、人物を識別するための特徴、人物がバス停留所の付近に滞留している時間、または人物の行動を示す情報である。また、特徴情報は、人物の年代や、乗車に介助が必要な車いす等の利用有無などの、人物に関する属性の情報を含んでもよい。分類部102は、停留所画像に含まれる人がバス停留所の付近に滞留している時間と、停留所画像に含まれる人物の行動とのうち、少なくともいずれか一つに基づいて、停留所画像に含まれる人を、前述のように分類する。
【0026】
分類部102が行う分類の方法の一例を説明する。この例では、停留所画像に含まれる人物を、人物が滞留している時間に基づいて、分類部102が利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する。分類部102は、まず、抽出された人物を通行人に分類する。次に、通行人がバス停留所の付近に滞留している時間が、第1の閾値を超えたとき、分類部102は、当該通行人を利用客候補に分類する。さらに、利用客候補が、バス停留所の付近にさらに滞留し続け、滞留している時間が第2の閾値を超えたとき、分類部102は、当該利用客候補を利用客に分類する。このとき、第1の閾値と第2の閾値の各値は、第2の閾値が第1の閾値よりも大きいという条件内で、設定される。すなわち、分類部102は、停留所画像に含まれる人物がバス停留所の付近に滞留する時間が長いほど利用客である可能性が高いとして、停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する。
【0027】
また、例えば、停留所画像に含まれていた人物が停留所画像に含まれなくなった場合の処理を、以下のように通行人、利用客候補、利用客によって変えてもよい。停留所画像に含まれていた人物が停留所画像に含まれなくなることは、停留所画像の撮影範囲から撮影範囲外に当該人物が移動した場合に生じる。分類部102は、通行人に分類されている人物が停留所画像に含まれなくなったことを検出した場合、当該人物がバス停留所を離れたと判断する。そして、分類部102は、当該人物の情報を削除する。また、利用客候補に分類されている人物が停留所画像に含まれなくなった状態で、一定時間経過した場合、当該人物の情報を削除する。さらに、利用客に分類されている人物が停留所画像に含まれなくなった場合は、分類部102は、一定時間経過するまでは当該人物の情報を削除しない。さらに、当該人物を利用客から利用客候補に分類してもよい。これにより、一時的にバス停留所を離れた利用客の見落としを防止することができる。
【0028】
また、分類部102が行う分類の他の例を説明する。この例では、停留所画像に含まれる人物を、人物の行動を示す情報に基づいて、分類部102が利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する。分類部102は、停留所画像に含まれる人物が一定以上の速さで移動している、すなわち停留所画像に含まれる人物の移動速度が一定の値以上であることが特徴情報として抽出された場合、当該人物を通行人に分類する。また、分類部102は、停留所画像に含まれる人物がバス停留所の付近に滞留している場合、あるいは移動速度が一定の値未満の場合、当該人物を利用客候補に分類する。また例えば、停留所画像に含まれる人物がバス停留所の時刻表を見ている、ベンチに座る、などの行動があった場合に、当該人物を利用客候補に分類してもよい。さらに、分類部102は、停留所画像に含まれる人物がバス停留所の列に並んでいる場合、当該人物を利用客に分類する。なお、上述した移動速度の一定の値は、例えば人間が歩行する際の速さに基づいて定められればよい。
【0029】
さらに、上記2つの分類の方法の例を組み合わせて、分類部102は停留所画像に含まれる人物の分類を行ってもよい。また、分類部102は、事前に、停留所画像に含まれる人物の特徴情報を収集する。そして、分類部102は、収集された特徴情報と通行人、利用客候補または利用客のいずれかとの関係性を示す学習モデルを、例えば、ニューラルネットワークを用いた機械学習によって生成してよい。さらに分類部102は、停留所画像に含まれる人物の特徴情報を学習モデルの入力とし、学習モデルを用いて人物を通行人、利用客候補、または利用客に分類するようにしてもよい。
【0030】
分類部102は、例えば、バス停留所にバスが停留し、その後出発したタイミングで、停留所画像、停留所画像から抽出された人物の特徴情報、および停留所画像に含まれる人物を分類した情報をすべて削除することによって初期化してもよい。この場合、バス停留所にバスが停留し、その後出発したタイミングは、停留所画像の解析によって検出されてもよいし、バスの運行予定の停留および発車時刻でもよい。または、分類部102は、停留所画像から抽出された人物のうち、バスに乗車した人物の特徴情報、または停留所画像をデータベースに蓄積することによって、分類部102が行う分類を最適化してもよい。
【0031】
検出部103は、分類部102によって分類された、利用客の人数および利用客候補の人数を検出する。
【0032】
送信部104は、検出部103によって検出された、利用客の人数および利用客候補の人数を、バス停留所に向かうバス内の通信部に送信する。バス内の通信部は送信部104から受信した利用客の人数および利用客候補の人数を、バスの運転手に対して出力する。または、送信部104が、利用客の人数および利用客候補の人数をバス会社の端末等に送信し、バス会社がバス内の通信部に対して、利用客の人数および利用客候補の人数を送信してもよい。
【0033】
送信部104が行う送信は、一定間隔で行われてもよいし、利用客および利用客候補の人数に変更があった場合のみ行われてもよい。あるいは、送信部104は、バス停留所へ向かうバスの位置を検出し、バスの位置に応じて、人数の送信を開始してもよい。この場合、バスは、例えばGPS(Global Positioning System)を搭載し、位置信号を送信部104に送信する。例えば、バス停留所へ向かうバスが、当該バス停留所までの距離が近くなったときに、送信部104が利用客の人数および利用客候補の人数を送信する。送信部104が送信を開始するバス停留所までの距離は、あらかじめ設定されてもよいし、バスの運転手によって選択されてもよい。また、送信部104が利用客の人数および利用客候補の人数を送信するタイミングは、距離以外の条件に基づいて定められてもよい。例えば、送信部104は、バスが対象とするバス停留所の前のバス停留所を発車した、所定の地点を通過した、等の条件に応じて、利用客の人数および利用客候補の人数を送信してもよい。
【0034】
次に、
図4は、第一実施形態における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図4を参照すると、情報処理システム1000は、上述の情報処理装置100と、撮影装置200と、バス2000と、を備える。バス2000は、通信部2001を備える。
【0035】
撮影装置200とバス2000の通信部2001は、情報処理装置100と通信可能に接続される。また、撮影装置200とバス2000は、それぞれ1つずつしか図示されていないが、それぞれ複数あってよい。
【0036】
撮影装置200は、バス停留所の周辺の画像である、停留所画像を撮影する。撮影装置は、各バス停留所に一つ以上設置される。一つのバス停留所に複数の撮影装置を設置し、撮影装置の死角がなくなるようにしたり、撮影範囲、すなわち人物を抽出及び分類する範囲が広くなるようにしたりしてもよい。また、暗視カメラや電灯を用いることによって、夜間のバス停留所でもより確実に人物を確認できるようにしてもよい。撮影装置200が撮影した停留所画像は、情報処理装置100の取得部101に送信される。
【0037】
バス2000は、バス停留所に停留しながら既定の進路を走行する。バス2000も複数あってよい。
【0038】
通信部2001は、バス2000内で、情報処理装置100の送信部104から利用客の人数および利用客候補の人数を受信する。そして、通信部2001は、バス2000の運転手が取得可能に、利用客の人数および利用客候補の人数を、画面への表示、または音声などによって出力する。通信部2001は、バス内に設置される車載装置や、バスの運転手が持つ端末装置であってよい。
【0039】
以上のように構成された情報処理装置100の動作について、
図5のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
図5は、第一実施形態における情報処理装置100の動作の概要を示すフローチャートである。尚、このフローチャートによる処理は、プロセッサによるプログラム制御に基づいて、実行されてもよい。
【0041】
図5に示すように、まず、取得部101は、撮影装置200が撮影した停留所画像を取得する(ステップS101)。
【0042】
次に、分類部102は、停留所画像から人物と当該人物の特徴情報を抽出する(ステップS102)。
【0043】
次に、分類部102は、特徴情報に基づいて、人物を通行人、利用客候補、または利用客に分類する(ステップS103)。
【0044】
次に、検出部103は、分類部102の分類に基づいて、利用客候補の人数及び利用客の人数を検出する(ステップS104)。
【0045】
次に、送信部104は、検出部103が検出した、利用客候補の人数及び利用客の人数を、バス2000の通信部2001に送信する(ステップS105)。
【0046】
以上で、情報処理装置100は、一連の動作を終了する。この一連の動作は、一定間隔で行われる。ステップS105の送信の動作は、ステップS101乃至ステップS104とは別のタイミングで行われてもよい。上述の人物の滞留時間によって人物を分類する場合、一定間隔は第1の閾値及び第1の閾値と第2の閾値との差分よりも短い時間である。また、一定間隔が短い場合、例えば、バスがバス停留所に到着して客の乗車後に、利用客が0人になったことを確認してからバス停留所を出発することができ、見落としをより確実に防ぐことができる。また、一定間隔が長い場合、情報処理装置100の処理量や記憶領域、撮影装置200の電力などを節約することができる。
【0047】
上述した本実施形態における情報処理装置は、取得部が、バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する。取得部が取得した停留所画像を解析することにより、停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する。そして、検出部が、利用客の人数および利用客候補の人数を検出し、送信部が、利用客の人数および利用客候補の人数を、バス内の通信部に送信する。
【0048】
その結果、本実施形態における情報処理装置は、バス停留所において、バスの運転手が客を見落としてしまうことをより確実に防止することができる。
【0049】
また、本実施形態における情報処理装置は、利用客の人数に加えて利用客候補の人数をバス内の通信部に送信する。その結果、バスの運転手が、利用客および利用客候補に対して、利用客が乗車しなければ声をかけ、利用客候補が乗車しなければ目視の確認にとどめるなどと、柔軟に対応することができる。
【0050】
[変形例1]
次に、本開示の第一実施形態の変形例1について説明する。
【0051】
変形例1において、分類部102は、利用客候補及び利用客のうち、バス停留所の付近のあらかじめ指定された領域に含まれる人物を特定する。検出部103は、当該領域に含まれる利用客及び利用客候補の人数を検出し、送信部104が、当該領域に含まれる利用客及び利用客候補の人数をバスの通信部に送信する。
【0052】
ここで、あらかじめ指定された領域は、例えば、バス停留所の付近のうち、バスから死角になる領域である。利用客及び利用客候補のうち、死角になる領域にいる人物の数を、バスの通信部に送信することで、バスの運転手は死角に利用客または利用客候補がいることを知ることができる。バスの運転手は、死角に利用客または利用客候補がいることを知ることで、声掛けをしたり、注意深く確認したりすることができる。その結果、第一実施形態の変形例1における情報処理装置100は、バスの運転手が死角にいる人物を見落としてバス停留所を出発してしまうことを、防止することができる。または、死角だけでなく、日差しや雨などが強く、人物がバス停留所から少し離れて日差しや雨を避けられる領域にいる場合に、利用客または利用客候補であれば、その人数をバスの通信部に送信することで、見落としを防ぐことができる。すなわち、この場合におけるあらかじめ指定された領域は、バスの利用客または利用客候補が滞在する可能性があるが、バスの運転手からは視認が難しい場合がある領域である。
【0053】
あるいは、あらかじめ指定された領域は、バス停留所において、複数の路線のバスが停留する場合に、それぞれのバスに応じた並び場所である領域である。バスAとバスBが停留するバス停留所において、分類部102は、バス停留所の利用客及び利用客候補のうち、バスAの並び場所である領域に含まれる人物を特定する。検出部103は、バスAの並び場所である領域に含まれる利用客の人数及び利用客候補の人数を検出し、送信部104がバスAの利用客の人数及び利用客候補の人数を、バスAの通信部に送信する。同様に、分類部102は、バス停留所の利用客及び利用客候補のうち、バスBの並び場所である領域に含まれる人物を特定する。検出部103は、バスBの並び場所である領域に含まれる利用客の人数及び利用客候補の人数を検出し、送信部104がバスBの利用客の人数及び利用客候補の人数を、バスBの通信部に送信する。その結果、バス停留所に複数の路線のバスが停留する場合においても、それぞれのバスを利用する利用客の人数及び利用客候補の人数をバスの運転手が知ることができ、見落としを防ぐことができる。
[変形例2]
次に、本開示の第一実施形態の変形例2について説明する。
【0054】
変形例2において、分類部102は、停留所画像に含まれる人物のうち、利用客の情報を利用履歴情報として蓄積し、例えば、ある人物が一定回数以上バスを利用している場合、定期利用客として、当該人物を利用客に分類してもよい。その結果、例えば、通勤や通学にバスを利用している利用客の分類が簡単にできるようになる。
[変形例3]
次に、本開示の第一実施形態の変形例3について説明する。
【0055】
変形例3において、分類部102は、停留所画像を解析して得る人物の特徴情報の一部として、属性情報を得る。属性情報とは、人物の年代や、車いす等の利用有無、ベビーカーの利用有無、大きな荷物の有無などである。
【0056】
車いす、ベビーカーあるいは荷物を検出する場合、情報処理装置100の分類部102は、次のように検出処理を行う。例えば、分類部102は、車いす、ベビーカーあるいは荷物の画像特徴を学習させた検出器を用いて、人物が利用する車いす、ベビーカーあるいは荷物を検出する。検出すべきオブジェクトが、車いす、ベビーカーあるいは荷物以外の特定物体の場合も、分類部102は、その特定物体の画像特徴を学習させた検出器を構築し、用いるようにすればよい。さらに、分類部102は、検出されたオブジェクトを利用するが保有している状態の人物を、機械学習によって学習されたモデルを構成する検出器によって検出してもよい。
【0057】
変形例3のより具体的な例を説明する。例えば、高齢な人物、車いす等利用する人物、または大きな荷物を持った人物が利用客または利用客候補であることを、分類部102が分類とともに検出する。そして、送信部104が、高齢な人物、車いす等利用する人物、または大きな荷物を持った人物が利用客または利用客候補であることを、バスの運転手に対して送信する。これにより、バスの運転手がバス停留所に到着する前に、介助の必要がある可能性を知ることができ、介助が必要な利用客に対して、バスの運転手がスムーズに対応できる。
【0058】
あるいは、車いすを利用する人物またはベビーカーを利用する人物が利用客または利用客候補であることを、分類部102が分類とともに検出する。そして、送信部104が、車いすを利用する人物またはベビーカーを利用する人物が利用客または利用客候補であることを、バスの運転手に対して送信する。こうすることで、バスの運転手が乗客に向けて、車いすやベビーカーのスペースを空けるようアナウンスすることができる。または、送信部104がバス内の通信部に、車いすを利用する人物またはベビーカーを利用する人物が利用客または利用客候補であることを送信する。そして、通信部が音声や表示によって、車いすやベビーカーのスペースを空けるよう乗客に伝える。これにより、車いすやベビーカーを利用する人物がバスに乗車してきた場合に、他の乗客が場所を開け、当該人物が乗車しやすくなる。
【0059】
[コンピュータによるハードウェア構成]
以上説明した、本開示の各実施形態における各構成要素は、機能的なブロックで表されており、
図6に示すコンピュータ装置と同様に、その機能をハードウェア的に実現することはもちろん、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアで実現することができる。
【0060】
図6は、本開示の実施形態における情報処理装置100を、プロセッサを含むコンピュータ装置10で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示されるように、コンピュータ装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置13、入力装置および出力装置接続用の入出力I/F(Interface)14、およびネットワーク接続用の通信I/F(Interface)15を含む。
【0061】
CPU11は、オペレーティングシステムを動作させて本開示の情報処理装置の全体を制御する。また、CPU11は、例えばドライブ装置などに装着された記憶媒体からメモリ12にプログラムやデータを読み出す。また、CPU11は、例えば第一実施形態における分類部102、検出部103の一部として機能し、プログラムに基づいて処理または命令を実行する。
【0062】
記憶装置13は、例えば光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、外付けハードディスク、または半導体メモリ等である。記憶装置の一部の記憶媒体は、不揮発性記憶装置であり、そこにプログラムを記録する。また、プログラムは、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからダウンロードされてもよい。
【0063】
入出力I/F(Interface)14に接続される入力装置は、例えばマウスやキーボード、内蔵のキーボタンなどで実現され、入力操作に用いられる。入力装置は、マウスやキーボード、内蔵のキーボタンに限らず、例えば撮影装置でもよい。
【0064】
同様に入出力I/F(Interface)14に接続される出力装置は、例えばディスプレイやスピーカーで実現され、出力を確認するために用いられる。
【0065】
通信I/F(Interface)15は、他装置との有線通信または無線通信を行う。例えば、外部の撮影装置、端末装置、または情報処理装置などとの通信を行う。
【0066】
以上のように、本開示の実施形態および各変形例の情報処理装置は、
図6に示されるコンピュータ・ハードウェアによって実現される。ただし、情報処理装置が備える各部の実現手段は、以上説明した構成に限定されない。また、情報処理装置は、物理的に結合した一つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した二つ以上の装置を有線または無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。例えば、入力装置および出力装置は、コンピュータ装置10とネットワークを経由して接続されていてもよい。
【0067】
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0068】
たとえば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0069】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0070】
(付記1)
バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得手段と、
前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する分類手段と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出手段と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段 に送信する送信手段と、
を備える情報処理装置。
【0071】
(付記2)
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人が前記バス停留所の付近に滞留している時間と、前記停留所画像に含まれる人物の行動とのうち、少なくともいずれか一つに基づいて、前記停留所画像に含まれる人物を、前記利用客、前記利用客候補、または前記通行人のいずれかに分類する
ことを特徴とする、付記1に記載の情報処理装置。
【0072】
(付記3)
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人物を前記通行人に分類し、前記通行人が前記バス停留所の付近に滞留している時間が、第1の閾値を超えたとき、前記利用客候補に分類
し、さらに、前記利用客候補が前記バス停留所の付近に滞留している時間が、第2の閾値を超えたとき、前記利用客に分類する
ことを特徴とする、付記1または2に記載の情報処理装置。
【0073】
(付記4)
前記分類手段は、前記通行人が前記停留所画像から検出されなくなった場合、前記通行人の情報を削除する
ことを特徴とする、付記1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【0074】
(付記5)
前記分類手段は、前記利用客候補が前記停留所画像から検出されなくなった状態で一定時間経過した場合、前記利用客候補の情報を削除する
ことを特徴とする、付記1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0075】
(付記6)
前記分類手段は、前記利用客が前記停留所画像から検出されなくなった場合、前記利用客を前記利用客候補に分類する
ことを特徴とする、付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0076】
(付記7)
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人物の移動速度が一定の値以上である場合、前記通行人に分類し、前記停留所画像に含まれる人物が止まっている場合、あるいは移動速度が一定の値未満である場合、前記利用客候補に分類し、前記停留所画像に含まれる人物が列に並んでいる場合、前記利用客に分類する
ことを特徴とする、付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0077】
(付記8)
前記分類手段は、前記停留所画像に含まれる人物が、定期的にバスを利用しているか否かを利用履歴情報に基づいて判定し、定期的にバスを利用していると判定された前記停留所画像に含まれる人物を、前記利用客に分類する
ことを特徴とする、付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0078】
(付記9)
前記送信手段は、前記バス停留所へ向かうバスの位置に応じて 、前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、前記通信手段に送信する
ことを特徴とする、付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
【0079】
(付記10)
前記分類手段は、前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる前記利用客及び前記利用客候補のうち、前記バス停留所の付近の予め指定された領域に含まれる人物を特定し、
前記検出手段は、前記領域に含まれる前記利用客及び前記利用客候補の人数を検出し、
前記送信手段は、前記領域に含まれる前記利用客及び前記利用客候補の人数を、前記通信手段に送信する
ことを特徴とする、付記1乃至9のいずれかに記載の情報処理装置。
【0080】
(付記11)
付記1乃至10のいずれかに記載の情報処理装置と、
前記停留所画像を撮影する撮影手段と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、前記送信手段から受信する、バス内の通信手段 と、
を備える情報処理システム。
【0081】
(付記12)
バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得し、
前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類し、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出し、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する
情報処理方法。
【0082】
(付記13)
バス停留所の付近を撮影した停留所画像を取得する取得処理と、
前記停留所画像を解析することにより、前記停留所画像に含まれる人物を、利用客、利用客候補、または通行人のいずれかに分類する分類処理と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を検出する検出処理と、
前記利用客の人数および前記利用客候補の人数を、バス内の通信手段に送信する送信処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0083】
10 コンピュータ装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入出力I/F
15 通信I/F
100 情報処理装置
101 取得部
102 分類部
103 検出部
104 送信部
200 撮影装置
201 撮影範囲
2000 バス
2001 通信部
3000 バス停留所
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4003 人物