IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノードソン コーポレーションの特許一覧

特許7548929ホットメルト接着剤フォーム吐出システム
<>
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図1
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図2
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図3
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図4
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図5
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図6
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図7
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図8
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図9
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図10
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図11
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図12
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図13
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図14
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図15
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図16
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図17
  • 特許-ホットメルト接着剤フォーム吐出システム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ホットメルト接着剤フォーム吐出システム
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20240903BHJP
   B01F 23/20 20220101ALI20240903BHJP
   B01F 25/62 20220101ALI20240903BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20240903BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240903BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20240903BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240903BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20240903BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B05C11/10
B01F23/20
B01F25/62
B01F35/75
B05C5/00 101
B05D1/26 Z
B05D3/00 B
B05D3/00 D
B05D3/12 Z
B05D7/24 301B
B05D7/24 301L
B05D7/24 301P
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021555424
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 US2020022634
(87)【国際公開番号】W WO2020190721
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】62/819,119
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】サイドマン,ローレンス,ビー.
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-077568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00- 5/04
7/00-21/00
B05D 1/00- 7/26
B01F21/00-25/90
29/00-33/87
35/00-35/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト接着剤フォームを基材上に吐出するための吐出システムであって、
ホットメルト接着剤を受容する第1の入力部と、気体を受容する第2の入力部と、を有するポンプであって、前記ホットメルト接着剤と前記気体とを混合して溶液を生成するポンプと、
前記溶液の温度を検出する温度センサと、
前記ポンプから前記溶液を受容し、前記溶液を吐出し前記ホットメルト接着剤フォームを生成するディスペンサと、
前記温度センサおよび前記ポンプと信号通信するコントローラであって、前記コントローラは、1)第1の速度で動作するように前記ポンプに指示し、2)前記溶液の前記温度を示す信号を前記温度センサから受信し、3)前記信号に応答じて前記第1の速度とは異なる第2の速度で動作するように前記ポンプに指示するコントローラと、を備える、吐出システム。
【請求項2】
前記コントローラは、さらに、前記温度が所定の最高温度を上回るかどうかを判定し、前記温度が前記所定の最高温度を上回るときに、前記ポンプに前記第1の速度よりも低い前記第2の速度で動作するように指示する請求項1に記載の吐出システム。
【請求項3】
前記コントローラは、さらに、前記温度が前記所定の最高温度を下回るときに、前記ポンプに前記第1の速度での動作を維持するように指示する請求項2に記載の吐出システム。
【請求項4】
前記所定の最高温度は摂氏185度から摂氏210度である請求項3に記載の吐出システム。
【請求項5】
前記コントローラは、さらに、前記温度が所定の最高温度を下回るかどうかを判定し、前記温度が前記所定の最高温度下回るときに、前記ポンプに、前記第1の速度よりも高い前記第2の速度で動作するように指示する請求項1に記載の吐出システム。
【請求項6】
前記コントローラは、さらに、前記温度が前記所定の最高温度を上回っていて、かつ前記ポンプが前記第2の速度で動作しているときに、前記ポンプに前記第1の速度で動作するように指示する請求項5に記載の吐出システム。
【請求項7】
前記コントローラはヒューマンマシンインタフェース(HMI)機器を含み、前記HMI機器は前記ホットメルト接着剤フォームの検査を要求する通知を生成する請求項1に記載の吐出システム。
【請求項8】
前記HMI機器は、前記ポンプに前記第1および第2の速度とは異なる第3の速度で動作するように指示する入力を受信する請求項7に記載の吐出システム。
【請求項9】
前記HMI機器は、前記ホットメルト接着剤フォームの気体含有量が所望のレベルを下回ることを示す入力を受信するように構成されている、請求項7に記載の吐出システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記入力に応答して、前記ポンプに、前記第2の速度未満である第3の速度で動作するように指示する請求項9に記載の吐出システム。
【請求項11】
前記温度センサは前記ポンプの出口に隣接して配置されている請求項1に記載の吐出システム。
【請求項12】
前記ポンプの前記第1の速度は前記ポンプの最高速度である請求項1に記載の吐出システム。
【請求項13】
前記最高速度は毎分1000回転である請求項12に記載の吐出システム。
【請求項14】
前記溶液を前記ディスペンサから前記ポンプの入力部に選択的に方向付ける再循環チャネルと、
前記再循環チャネルを通って流れる前記溶液の圧力を制御するための圧力調整器と、
前記圧力調整器を選択的に作動させる電空トランスデューサと、
前記再循環チャネルを通って流れる前記溶液の前記圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力を示す信号を前記圧力センサから受信し、前記電空トランスデューサに前記圧力に基づいて前記圧力調整器を作動させるように指示する比例-積分-微分コントローラと、をさらに備える、請求項1に記載の吐出システム。
【請求項15】
ホットメルト接着剤フォームを基材上に吐出する方法であって、
ホットメルト接着剤源からホットメルト接着剤を受容する工程と、
気体源から気体を受容する工程と、
前記ホットメルト接着剤と前記気体とを混合して溶液を生成する工程と、
第1の速度で動作しているポンプから前記溶液をディスペンサに送出する工程と、
前記ディスペンサから前記溶液を吐出して前記ホットメルト接着剤フォームを生成する工程と、
前記溶液の温度を測定する工程と、
前記温度の測定に応じて前記第1の速度から前記第1の速度とは異なる第2の速度に前記ポンプの動作速度を調節する工程と、を備える方法。
【請求項16】
さらに、前記温度が所定の最高温度を上回るかどうかを判定する工程を含み、
前記ポンプの前記動作速度を調節する前記工程は、前記温度が前記所定の最高温度を上回るときに前記第1の速度から前記第2の速度まで前記動作速度を低下させることを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記温度が所定の最高温度を下回るかどうかを判定する工程を含み、
前記ポンプの前記動作速度を調節する工程は、前記温度が前記所定の最高温度を下回るときに前記第1の速度から前記第2の速度まで前記動作速度を上昇させる工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
さらに、前記ホットメルト接着剤フォームの検査を要求する通知を生成する工程を含む請求項15に記載の方法。
【請求項19】
さらに、前記ポンプに前記第1の速度および第2の速度と異なる第3の速度で動作するように指示する入力を受信する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1に記載の吐出システムであって、
前記コントローラは、さらに前記温度が所定の最高温度を下回っているかどうかを判定し、かつ前記温度が所定の最高温度を上回っているかどうかを判定し、
前記温度が所定の最高温度を下回っているときは前記第1の速度より大きな前記第2の速度で動作するように前記ポンプに指示し、または前記温度が所定の最高温度を上回っているときは前記第1の速度より小さな前記第2の速度で動作するように前記ポンプに指示する吐出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年3月15日に出願された米国仮特許出願第62/819,119号に対する優先権を主張するものであり、その教示は、それらの全体があたかも本明細書に記載されるかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、一般には、ホットメルト接着剤フォーム吐出システムに関し、より特には、フォーム吐出システムから基材上へのホットメルト接着剤フォームの吐出を制御するための機器および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ホットメルト熱可塑性接着剤は、梱包および製品アセンブリなどのいくつかの用途で使用される。従来のホットメルト接着剤フォーム吐出システムでは、ポンプが接着剤および気体溶液をガンと称され得る接着剤ディスペンサに供給する。このガンは、出口ノズルに弁を収容しており、出口ノズルを通って溶液が大気圧に吐出される。溶液が吐出されると、気体が溶液から放出されて接着剤中に閉じ込められ、接着剤が塗布された基材上にフォームを形成する。
【0004】
このような吐出システムの起動中、オペレータは、ホットメルト接着剤と気体を混合し、得られた溶液をディスペンサに送出するように、ポンプを動作させる適切な速度を決定しなければならない。従来では、オペレータは、低速度でポンプの動作を開始し、次に、ディスペンサが質の高いホットメルト接着剤フォームを吐出するまでポンプの動作速度を上昇させることによって、このことを行なっていた。しかしながら、この方法には問題があることが判明した。ポンプの速度が増加するにつれて、ポンプと溶液との間の相互作用が、吐出システムを通して送出される溶液の温度の対応する増加を引き起こすことになる。再循環される溶液中の泡がポンプの効率を低下させることがあり、安定したフォームを生成するために再循環される材料をより多く必要とすることから、この温度上昇は、他の吐出可能な材料と比べて、ホットメルト接着剤フォームを使用することによって悪化され得る。場合によっては、この方法では、溶液の温度が、吐出システムまたは材料が付着される基材に悪影響を及ぼすレベルに達するまで、最適なフォームが生成されないことがある。
【0005】
その結果、質の高いホットメルト接着剤フォームを生成し、吐出システムを通して送出される溶液を過熱しないポンプの動作速度を決定することができる吐出システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、基材上にホットメルト接着剤フォームを吐出するための吐出システムである。吐出システムは、ホットメルト接着剤を受容する第1の入力部と、気体を受容する第2の入力部とを有するポンプを有し、そのポンプはホットメルト接着剤と気体とを混合して溶液を生成する。吐出システムはまた、溶液の温度を検出する温度センサと、ポンプから溶液を受容し、溶液を吐出してホットメルト接着剤フォームを生成するディスペンサと、温度センサおよびポンプと信号通信するコントローラと、を有する。コントローラは、ポンプに第1の速度で動作するように指示し、温度センサから溶液の温度を示す信号を受信し、信号に応じてポンプに第1の速度とは異なる第2の速度で動作するように指示する。
【0007】
本開示の実施形態は、基材上にホットメルト接着剤フォームを吐出する方法である。本方法は、ホットメルト接着剤源からホットメルト接着剤を受容する工程と、気体源から気体を受容する工程と、ホットメルト接着剤と気体とを混合して溶液を生成する工程と、を含む。本方法はまた、溶液を、第1の速度で動作するポンプからディスペンサに送出する工程と、ディスペンサから溶液を吐出してホットメルト接着剤フォームを生成する工程と、溶液の温度を測定する工程と、温度を測定することに応じて第1の速度から第1の速度と異なる第2の速度にポンプの動作速度を調節する工程と、も有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
前述の「発明の概要」、および以下の「発明を実施するための形態」は、添付の図面と併せて読むと、よりよく理解されるであろう。図面は、本開示の例示的な実施形態を示している。しかしながら、本願は、図示されている正確な配置および手段に制限されるものではないことを理解されたい。
【0009】
図1】本開示の一実施形態による吐出システムの概略図を示す。
図2図1に示される吐出システムの流量計を実装するために使用され得る、一実施例によるギア流量計の上面斜視図である。
図3】ハウジングカバーが取り外された、図2の流量計の上面斜視図である。
図4図2の流量計の上面分解斜視図である。
図5図2の流量計の底面部分分解斜視図である。
図6図2の流量計の底部の斜視図である。
図7図6の線7-7に沿って取られた図2の流量計のハウジングカバーの断面図である。
図8図1に示される吐出システムの流量計を実装するために使用され得る、別の実施例によるギア流量計の斜視図を示す。
図9図8に示すギア流量計の平面図を示す。
図10図8に示すギア流量計の底面図を示す。
図11図9の線A-Aに沿って取った、図8に示すギア流量計の長手方向断面図を示す。
図12図9の線B-Bに沿って取った、図8に示すギア流量計の長手方向断面図を示す。
図13図12に示されるギア流量計の一部分の拡大図を示す。
図14】本開示の実施形態による、ホットメルト接着剤フォームを基材上に吐出する方法のプロセスフロー図を示す。
図15図14に示す方法の第1の続きのプロセスフロー図を示す。
図16図14に示す方法の第2の代替的な続きのプロセスフロー図を示す。
図17図14から図16に示す方法の続きのプロセスフロー図を示す。
図18】本開示の実施形態による、ホットメルト接着剤フォームを基材上に吐出する方法のプロセスフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に図1を参照すると、本開示の実施形態による、ホットメルト接着剤フォームを基材上に吐出するための吐出システム10は、ポンプ11を含み得る。ポンプ11は、第1の段12および第2の段13を有する2段式ポンプなどのギアポンプまたは任意の他の好適なポンプであり得る。第1の段12および第2の段13の各々は、反対方向に回転する噛合ギアの対を含むことができる。例えば、ポンプ11の第1の段12は、第1のギア12aおよび第2のギア12bを含み得る。同様に、ポンプ11の第2の段13は、第1のギア13aおよび第2のギア13bを含み得る。一実施形態では、第1の段12の第1のギア12aおよび第2の段13の第1のギア13aは、共通の駆動シャフト14によって接続され画定された従動ギアをする。この実施形態では、第1の段12の第2のギア12bおよび第2の段13の第2のギア13bは、共通のアイドラシャフト16によって接続されたアイドラギアを画定する。ポンプ11は、ホットメルト接着剤を受容するように構成された第1の入力部10aを含むことができる。具体的には、ホットメルト接着剤は、ホットメルト接着剤源17から第1の入力部10aを通じてポンプ11に供給され得る。ホットメルト接着剤源17は、固体接着剤を収容し、固体接着剤をホットメルト接着剤に溶融し、ポンプ11にホットメルト接着剤を選択的に供給するように構成された従来型の接着剤溶融機であることができる。しかしながら、ホットメルト接着剤源17は、所望により、任意の従来型のホットメルト接着剤源であることができる。
【0011】
第1の入力部10aを通して受容されると、ホットメルト接着剤は、ポンプ11の第1の段12の低圧入口18に大気圧で供給され得る。第1の段12はまた、第1の段12が計量された流量でホットメルト接着剤を出口19に送達することができるような出口19も含むことができる。第1の段12の出口19から出た後、ホットメルト接着剤は、計量された流量で流れるポンプ11の第2の段13の入口21内に導入され得る。ホットメルト接着剤に加えて、気体が、気体源22からポンプ11の第2の入力部10bに供給され得る。具体的には、気体は、気体源22から、気体ライン23を通り、第2の入力部10bを通って、第2の段13の入口21内に流れることができる。気体は、例えば、窒素、空気、または二酸化炭素であってもよいが、他の気体も想定される。吐出システム10はまた、気体源22と第2の入力部10bとの間の気体ライン23と流体連通する気体弁24も含むことができる。気体弁24は、第2の入力部10bを通じてポンプ11に供給される気体の量を制御するように構成され得る。気体弁24の動作については、以下でより詳細に説明する。
【0012】
第2の段13の入口21を介して受容された後、気体源22からの気体および第1の段12の出口19からのホットメルト接着剤は、ポンプ11の第2の段13で混合される。ポンプ11は、気体が溶融接着剤との溶液になるような圧力下で、ホットメルト接着剤と気体とを混合するように構成される。次いで、ポンプ11は、ポンプ11の第2の段13の出口26からある体積流量で溶液を送出することができる。出口26を出た後、溶液と流体連通する温度センサ56は、以下で更に説明するように、溶液の温度を検出するように構成され得る。図示した実施形態では、温度センサ56は、第2の段13の出口26に隣接して配置され得るが、他の位置も想定される。いくつかの実施例では、熱交換機器57は、出口26に隣接して配置することができ、熱交換器は、出口26を出る溶液の温度を選択的に低下させるように構成され得る。このような実施例では、温度センサ56は、出口26に、熱交換器57の出口に、またはそれらの両方に、配置することができる。温度センサ56は、流体流内に受容される浸漬プローブを含むことができる。加えて、または代替的に、温度センサ56は、流体流と接触しており、流体流の温度に応答する温度を有する壁または表面の温度を監視することができる。
【0013】
次いで、溶液はフィルタ27を通って流量計100に流れることができる。したがって、フィルタ27は、ポンプ11と流量計100との間に流体的に配置され得る。フィルタ27は、ポンプ11を通過する間に固化した可能性があるか、またはホットメルト接着剤源17によって溶融されなかったホットメルト接着剤のあらゆる硬化粒子を分離するように構成され得る。流量計100は、ポンプ11によって送出される溶液の体積流量を測定するように構成され得る。したがって、流量計100は、体積測定の流量計として実装され得る。いくつかの実施例では、流量計100は、ギア流量計として実装されてもよいが、他の好適な流量計が採用され得ることが理解されるであろう。流量計100を通って流れた後、溶液は、弁付き接着剤吐出ガンを備え得るディスペンサ28に供給され得る。ディスペンサ28は、溶液をポンプ11から受容し、溶液を基材上に吐出して、以前は溶液を構成していた気体が溶液から放出され、接着剤中に捕捉されたホットメルト接着剤フォームを生成するようにしてもよい。
【0014】
システムの通常動作中、ポンプ11の第2の段13の出口26から流れる溶液は、ポンプ11の第1の入力部10aに流体連通する。例えば、吐出システム10は、ディスペンサ28からポンプ11に溶液を選択的に方向付けるように構成された第1の再循環チャネル35および第2の再循環チャネル29を含み得る。ディスペンサ28は、溶液を基材上に吐出してホットメルト接着剤フォームを形成するために、ディスペンサ28が溶液の少なくとも一部を吐出する開位置と、ディスペンサ28が溶液を吐出しない閉位置との間で移行するように構成されたディスペンサ弁32を含むことができる。したがって、ディスペンサ弁32が開位置にあるとき、したがってディスペンサ28が溶液を吐出しているとき、例えば、溶液の75%などの一部分は、第1の再循環チャネル35および第2の再循環チャネル29を通って再循環されている。同様に、ポンプ11からの溶液の流れの残りの25%は、ディスペンサ28によって吐出され得る。溶液の特定の1つの分割が記載されているが、これは例示的なものに過ぎず、溶液は、所望に応じて異なる割合で分割され得る。例えば、ディスペンサ弁32が開位置にあるとき、溶液の1%から100%の任意の割合がディスペンサ28から吐出され得る。ディスペンサ弁32が閉じているときには、ポンプ11の第2の段13の出口26から流れる溶液の全ては、第2の再循環チャネル29を通って再循環され得る。
【0015】
吐出システム10は、ディスペンサ28に接続された半透明パネル43を含むことができる。半透明パネル43は、窓を備えることができ、これは、溶液が第1の再循環チャネル35内に流れ込む際に、吐出システム10のオペレータが、溶液、特に溶液内の泡を観察することを可能にする。基材に塗布されるホットメルト接着剤フォームの質を客観的に測定することは、様々な測定機器を使用しても困難であることがあるため、半透明パネル43は、オペレータが溶液の質を容易に監視し、質に応じて吐出システム10の動作を調節することを可能にする。オペレータはまた、ディスペンサ28から吐出されているホットメルト接着剤フォームの質を監視し、それに従って吐出システム10の動作を調節することもできる。
【0016】
第1の再循環チャネル35および第2の再循環チャネル29を通って流れる溶液の量は、吐出システム10の動作中に上述のように変化し得ることから、ディスペンサ28内の溶液の圧力は、第1の再循環チャネル35および第2の再循環チャネル29を通って流れる材料の圧力によって影響を受けることがある。したがって、吐出システム10は、第1の再循環チャネル35および第2の再循環チャネル29を通って流れる溶液の圧力を制御するための機器を含むことができる。一実施形態では、吐出システム10は、第1の再循環チャネル35および第2の再循環チャネル29と流体連通する圧力調整器31を含むことができ、圧力調整器31は、第1の再循環チャネル35を通って流れる溶液の圧力を制御するように構成されている。圧力調整器31は、第1の再循環チャネル35に接続されているように示されているが、他の実施形態では、圧力調整器31は、第2の再循環チャネル29に接続されることがある。圧力調整器31は、圧力調整器を選択的に作動するように構成された電空(E/P)トランスデューサなどのトランスデューサ52によって制御されてもよい。しかしながら、圧力調整器31の動作を制御するための任意の従来型機器を代替的に利用することができる。
【0017】
吐出システム10はまた、第1の再循環チャネル35と流体連通する圧力センサ44も含むことができ、圧力センサ44は、圧力調整器31より上流の第1の再循環チャネル35を通って流れる溶液の圧力を測定するように構成されている。圧力センサ44は、圧力トランスデューサであり得るが、他の従来型圧力測定機器も利用されてもよい。トランスデューサ52および圧力センサ44の両方は、コントローラ48と信号通信することができ、コントローラ48は、第1の再循環チャネル35を通って流れる溶液の圧力を示す信号を圧力センサ44から受信するように構成されている。コントローラ48は、圧力センサ44によって測定された圧力に基づいて圧力調整器31を作動させるようにトランスデューサ52に指示するために、この信号を利用して、トランスデューサ52、したがって圧力調整器31を制御することができる。結果として、吐出システム10は、ディスペンサ28における溶液の実質的に一貫した圧力を維持することができる。一実施形態では、コントローラ48は比例-積分-微分(PID)コントローラである。しかしながら、コントローラ48は、代替的に、比例コントローラ、または圧力センサ44から受信した信号に基づいてトランスデューサ52を制御することができる任意の他の種類のコントローラであることができる。更に、コントローラ48は、第1の再循環チャネル35を通って流れる溶液の所望の圧力を設定するように、吐出システム10のオペレータからユーザ入力を受信するように構成され得る。
【0018】
吐出システム10の動作中、溶液は、システムの様々な構成要素内で詰まる場合がある。例えば、ポンプ11の第2の段13の出口26を通って溶液が流れるにつれ、フィルタ27またはディスペンサ28内などで溶液が詰まり得る。このような詰まりは、出口26での圧力上昇をもたらし、したがって、吐出システム10の動作に悪影響を及ぼす可能性がある。これを防止するために、吐出システム10は、圧力逃がし経路34を含むことができ、圧力逃がし経路34は、ポンプ11の第2の段13の出口26と連通しており、第2の再循環チャネル29まで延在している。圧力逃がし弁33は、圧力逃がし経路34に接続することができ、出口26から流れる流体の圧力が所定の閾値に達すると開くように構成することができる。溶液の圧力が所定の閾値に達すると、圧力逃がし弁33を開くことにより、溶液が第2の再循環チャネル29に漏れ出て、ポンプ11の第1の入力部10aに流れることが可能となる。したがって、圧力逃がし弁33および圧力逃がし経路34は、過剰に加圧された溶液がポンプ11の第2の段13の出口26に蓄積することを防止することができる。
【0019】
吐出システム10の様々な構成要素を制御するために、吐出システム10はコントローラ37を含み得る。一実施形態では、コントローラ37は、PIDコントローラを備えることができる。別の実施形態では、コントローラ37は、比例コントローラを備えることができる。しかしながら、コントローラ37は、本明細書に記載されるように、吐出システム10の様々な動作を監視および制御するためのソフトウェアアプリケーションをホストするように構成された任意の好適なコンピューティング機器を含むことができることが想定される。コントローラ37は、任意の適切なコンピューティング機器を含むことができ、その例は、プロセッサ、デスクトップコンピューティング機器、サーバコンピューティング機器、またはラップトップ、タブレット、若しくはスマートフォンなどのポータブルコンピューティング機器を含むことが理解されるであろう。具体的には、コントローラ37は、メモリ40およびヒューマンマシンインタフェース(HMI)機器41を含むことができる。メモリ40は、揮発性(例えば、いくつかの種類のRAM)、不揮発性(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはこれらの組み合わせであり得る。コントローラ37は、テープ、フラッシュメモリ、スマートカード、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶機器、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶装置、ユニバーサルシリアルバス(USB)互換性メモリ、または情報を記憶するために使用され得、かつコントローラ37によってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない、追加の記憶装置(例えば、リムーバブル記憶装置および/または非リムーバブル記憶装置)を含むことができる。HMI機器41は、例えば、ボタン、ソフトキー、マウス、音声作動制御、タッチスクリーン、コントローラ37の動き、視覚的合図(例えば、コントローラ37上のカメラの前で手を動かす)などを介してコントローラ37を制御する能力を提供する入力を含むことができる。HMI機器41は、ディスプレイを介して、グラフィカルユーザインターフェースにより、気体、ホットメルト接着剤、および/または溶液の現在の圧力値の視覚的表示、並びにこれらのパラメータの許容可能な範囲などの視覚的情報を含む出力を提供することができる。他の出力は、オーディオ情報(例えば、スピーカを介して)、機械的に(例えば、振動機構を介して)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。様々な構成において、HMI機器41は、ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、動き検出器、スピーカ、マイクロフォン、カメラ、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。HMI機器41は、例えば、コントローラ37にアクセスするための特定の生体情報を必要とするように、例えば、指紋情報、網膜情報、音声情報、および/または顔特性情報などの生体情報を入力するための任意の好適な機器を更に含むことができる。
【0020】
コントローラ37は、各構成要素からの信号を受信し、および/または各構成要素に指示を提供するために、吐出システム10の様々な構成要素と信号通信することができる。コントローラ37は、信号接続部38aを介して流量計100と、信号接続部38bを介して気体弁24と、信号接続部38cを介してポンプ11と、そして信号接続部38dを介して温度センサ56と信号通信することができる。信号接続部38aから38dの各々は、有線および/または無線の接続を含み得る。
【0021】
ここで図2から図7を参照して、図1の流量計100を実装するために使用され得るギア流量計80を更に詳細に説明する。吐出システム10は、所望に応じて、代替的に構成された流量計を含み得ることが理解されるであろう。流量計80は、流入口通路84と流出口通路85とを有するハウジング本体82を備える。流入口通路84は、ポンプ11などの上流構成要素からの溶液を受容するように構成されている。流出口通路85は、ディスペンサ28などの下流構成要素に溶液を放出するように構成されている。流量計80のハウジング本体82は、ねじまたはボルトなどの締結具87aを介して、ハウジングのような吐出システム10の本体(図示せず)に取り外し可能に接続され得る。流量計80は、ねじまたはボルトなどの複数の締結具87bによってハウジング本体82に取り外し可能に接続されたハウジングカバー83を更に含む。
【0022】
流量計80は、一対の回転可能なギア86と、磁気ピックアップセンサなどの、流量計を通って流れる液体接着剤の量を測定するように構成された少なくとも1つのセンサ88とを備える。一対のセンサ88a、88bが、図に示される流量計80の実装形態に示されている。特に、一対のセンサ88a、88bは、回転可能な駆動ギア86の回転を測定して、流出口85から流出する接着剤の量を判定するように構成されている。
【0023】
ハウジング本体82は、細長いまたは楕円形のOリングなどのエラストマーシール89を備え、カバーとの水密封止を維持して、流量計からの流体漏れを防止する。ギア86は、ハウジング本体82の中空の中央凹部82a内に収容されて、それらが回転軸を中心に自由に回転するようになっている。特に、ギアは、ハウジング本体82とハウジングカバー83との間に固定されて回転可能であるようになっている。一実装形態では、ギア86は、実質的に線形に繋がって相互に噛み合う流量計スパーギアであり、これらはハウジング本体82内の対応するブッシング81a内に設けられたそれぞれのピン81を中心に回転するようにそれぞれ構成されている。ギア86は、それらが実質的に同一平面上にあるように配置されており、各ギアが少なくとも1つの隣接するギアに平行であり、かつ間隔を空けている。更に、各ギアの回転軸が共通の中心線に沿って配置されているようにギア86は配置されている。ギア86はまた、各ギアメッシュの歯が隣接するギアの歯と相互に噛み合うように配置されている。
【0024】
流入口通路84は、相互に噛み合う一対のギア86の入口側への導管を提供する。同様に、流出口通路85は、相互に噛み合う一対のギア86の放出側からの導管を提供する。ギア86は、溶液を凹部82a内に方向付け、相互に噛み合う一対のギアの入口側に導く流入口通路84と流体連通している。結果として、溶液はギア86をタンデムで駆動し、各ギアが互いに対して反対方向に回転するようになっている。例えば、ギアのうちの1つは反時計回り方向に回転し、一方で、そのすぐ隣のギアは時計回り方向に回転する。逆回転ギア86を採用することにより、液体ホットメルト接着剤の正確な計量のために確実な変位が生じる。
【0025】
このギア86の回転の結果、溶液が流入口通路84を介してギアの噛合部分の入口側に方向付けられた後、溶液は2つのギアによって半分に分割される。このことは、ギアが回転すると、反対方向に回転する一対の相互に噛み合うギアのそれぞれの歯間の空間に溶液が流れ込むことから生じる。したがって、2つの溶液ストリームは、それぞれ反対方向に回転する各ギアの歯によって、中央凹部82aの周囲の周りで反対方向にそれぞれ運ばれ、2つの溶液ストリームが流出口通路85の近くに収束するようになっている。したがって、ギア86と中央凹部82aの周壁との間を流れる溶液の体積は、パルス当たりの溶液の体積を表す。各隣接するギアのそれぞれのギア歯が互いに噛み合うと、溶液は、各ギアのギア歯の間の空間から変位され、このことが、溶液を相互に噛み合う一対のギアに隣接する流出口通路85の中に、かつそこを通るように押し進める。したがって、このプロセスの間、流量計80を通って移動する溶液は、ギア86に回転力を及ぼし、特定の速度でそれらを回転させる。センサ88a、88bは、流量計80を通って移動する溶液の流量を判定するために、ギア86のこの回転速度を測定するように構成されている。ギア歯流量計80は、例えば約25mgの分解能を提供するように構成されている。
【0026】
図3および図4に示されるように、ギア86は、ハウジングカバー83の平坦な内面によって凹部82a内に拘束される。各ギアは、ハウジングカバー83内に設けられたそれぞれの硬化した支持シャフト83aによって更に拘束され得る。薄膜83bは、ハウジングカバー83の平坦な内面上の各センサ88a、88bの下に設けられ、薄膜83bがセンサ88a、88bとギア86との間に配置されるようになっている。
【0027】
ここで図8から図13を参照すると、図1の流量計100を実装することができる別の実施形態によるギア流量計102が示されている。ギア流量計102は、上部ハウジング部分112と、上部ハウジング部分112に接続された下部ハウジング部分116とを含む、多部品ハウジング108を備え得る。ギア流量計102はまた、上部ハウジング部分112と下部ハウジング部分116との間に配置されたギアチャンバ120を含むことができる。1つ以上の接続部124は、光ファイバ104を含むプローブ154を受容して接続するために、上部ハウジング部分112の上側に含まれ得る。加えて、接続部124のうちの1つは、ギア流量計102をコントローラ37に接続する信号接続部38aと接続するように構成され得る。
【0028】
上部ハウジング部分112、下部ハウジング部分116およびギアチャンバ120は、ねじ接続部142によって互いに接続され得る。上部ハウジング部分112の上側上のプローブ154および光ファイバ104の接続部124は、ねじ146によって固定され得る。下部ハウジング部分116は、複数の流体入口134および流体出口138を有することができる。上部ハウジング部分112および下部ハウジング部分116内に配置された流体チャネルを介してギア流量計102を通過する流体は、流体入口134を通ってポンプ11から受容され、流体出口138を通ってギア流量計102から出るように方向付けられ得る。
【0029】
流体入口134および流体出口138に隣接して配置され得る回転軸130は、ハウジング108の一部を通って延在する。ギア流量計102のギアチャンバ120は、シール要素150によって上部ハウジング部分112および下部ハウジング部分116に対して密封されることができ、溶液がハウジング108から流出するのを防止する。軸130は、回転するように構成されてもよく、ギア128に隣接して配置された流体入口134を通って入る流体によって駆動されるギア128をそれぞれ支えることができる。ギア128は、ギア128の回転方向で溶液を流体出口138に移送するように構成されてもよく、溶液は、この流体出口138からディスペンサ28に流れ続ける。流体は、係合ギア128とギア128を取り囲むギアチャンバ120の壁との間に形成されたキャビティを通って移送され得る。描かれた実施形態は、プローブ154の位置決めを示す。この実施形態では、プローブ154は、回転軸130に対して実質的に平行に、断面A-Aからオフセットして配置されている。
【0030】
少なくとも1つのプローブ154は、測定ユニットの一部として上部ハウジング部分112に挿入されてもよく、この測定ユニットは、ギア128のうちの1つの回転速度の非接触光学的検出を実行するように構成され得る。プローブ154は、ギア流量計102のハウジング108内の対応する形状の凹部162に光学的密閉、かつ流体的密閉状態で挿入させることができる。プローブ154を締結するために、プローブ154は、ねじ146のねじ頭によって部分的に重なり合った円周フランジ158を有する形状166を備え得る。プローブ154は、光を生成するように設計された光源に光ファイバ104を介して接続され、光源は測定ユニットの一部になっている。測定ユニットのプローブ154は、光が反射されるギア128のうちの1つの一部分の上に光を発するように適合されている。プローブ154は、ギア128の回転軸130から間隔を空けられることができ、プローブ154がその上に光を発するギア128の一部分がギア128の先端直径と根元直径との間になるようになっている。プローブ154は、光を発するギア128の一部分から反射された光をプローブ154が受光するように適合され得る。プローブ154から受信した光を分析するために、測定ユニットは、信号トランスデューサを含み、信号トランスデューサは、ギア128の回転速度を表す反射光の強度に対応する電気信号を生成するために、プローブ154によって受光され、光ファイバ104を介して信号トランスデューサに戻された光を検出するように適合されている。次いで、ギア流量計102は、コントローラ37が溶液の体積流量を判定することができるギア128の回転速度を示す信号をコントローラ37に送信することができる。
【0031】
図1に戻ると、コントローラ37は、吐出システム10の起動中に吐出システム10の様々な構成要素から受信した情報を制御および利用することができ、吐出システム10を通って流れる溶液を過熱せずに質の高いホットメルト接着剤フォームをもたらすポンプ11の動作速度を決定するようになっている。起動時に、コントローラ37は、第1の速度で動作するようにポンプ11に指示することができる。一実施形態では、第1の速度はポンプ11の最高速度であり得るが、第1の速度はまた、ポンプ11の最高速度未満であり得ることが想定される。例えば、第1の速度は、毎分約1000回転であり得る。しかしながら、第1の速度は、吐出システム10で利用されるポンプ11の種類に応じて異なり得る。
【0032】
ポンプ11がディスペンサ28に溶液を送出している間のポンプ11と溶液との間の相互作用により、ポンプ11の第2の段13の出口26における溶液の温度は、ホットメルト接着剤および/またはポンプ11によって受容される気体の温度よりも高くなり得る。一般に、より高いポンプ速度は、より多くの混合およびより良好なフォームの質をもたらす。しかしながら、ポンプの非効率性により、ポンプ速度が高すぎると、過剰な温度上昇となる可能性がある。温度が特定の点まで上昇すると、溶液の上昇した温度は、吐出システム10内およびホットメルト接着剤フォームが塗布される基材上に問題を生じ得る。
【0033】
したがって、コントローラ37は、溶液の測定温度に応じてポンプ11の速度を調節することができる。例えば、コントローラ37は、良好な混合および許容可能な温度上昇をもたらす速度を見出すことができる。いくつかの例では、コントローラ37は、最も良好な、または最良に近い混合および許容可能な温度上昇をもたらす最高速度または最高に近い速度を見出すことができる。一実施形態では、コントローラ37は、より高速でポンプ11の動作を開始し、溶液の温度が所定の最高温度になるまで、またはそれを下回るまでポンプ11の速度を体系的に低下させるように構成され得る。例えば、所定の最高温度は、約202℃であり得る。しかしながら、所定の最高温度は、約185℃から約210℃であることができ、ポンプ11によって混合される溶液の種類、または実行される吐出動作の種類に基づいて変化し得ることが想定される。所定の最高温度は、これらのファクタに基づいてコントローラ37から呼び戻されることができ、または、吐出システム10のオペレータによってHMI機器41に入力され得る。ユーザ入力は、所定の値の組み合わせから選択され得ることが理解されるであろう。温度およびポンプ速度などの所定の値は、例えば、データベース、ライブラリ、または別の好適な場所に格納され得る。別の実施形態では、コントローラ37は、より低速でポンプ11の動作を開始し、溶液の温度が所定の最高温度になるまで、またはそれを下回るまでポンプ11の速度を体系的に上昇させることができる。
【0034】
第1の速度でポンプ11の動作を開始した後、温度センサ56は、溶液の温度を検出することができる。上述のように、温度センサ56は、ポンプ11の第2の段13の出口26に隣接して配置され得る。この位置付けは、温度センサ56が、ポンプ11との相互作用によって引き起こされる溶液のいずれの温度上昇も正確に検出することを可能にするために有利になり得る。コントローラ37は、溶液の温度を示す信号接続部38dを介して温度センサ56から信号を受信することができる。この信号を受信すると、コントローラ37は、信号に応答して第1の速度とは異なる第2の速度で動作するようにポンプ11に指示することができる。第2の速度は、起動後のポンプ11の動作速度であり得る。
【0035】
一実施形態では、ポンプ11の動作がより高速で開始されると、コントローラ37は、溶液の温度を所定の最高温度と比較し、温度が所定の最高温度を上回るかどうかを判定することができる。温度が所定の最高温度を下回るとき、コントローラ37は、第1の速度での動作を維持するようにポンプ11に指示するように構成され得る。しかしながら、溶液の温度が所定の最高温度を上回るとき、コントローラ37は、第1の速度よりも低い第2の速度で動作するようにポンプに指示するように構成され得る。この速度の低下は、PID制御アルゴリズムに従って実行され得る。あるいは、この低下は、比例制御アルゴリズムに従って実行され得る。
【0036】
第1の速度から第2の速度に移行するとき、コントローラ37は、ポンプの速度を設定された増分で低下させるようにポンプ11に指示することができる。この増分は毎分10回転(RPM)とすることができるが、速度低下における他の増分が利用されてもよい。例えば、増分は、ポンプ11の最大RPMの約1%であり得る。ポンプ11が溶液の温度が安定化できるよう第2の速度で、一定の長さの時間(この時間は約5から15分であり得るが、他の時間も想定される)にわたって動作した後、温度センサ56は、溶液の温度を再び検出することができる。上記のように、コントローラ37は、信号接続部38dを介して温度センサ56から溶液の温度を示す信号を受信することができる。この信号を受信すると、コントローラ37は、第2の速度で動作するポンプ11での溶液の温度を所定の最高温度と比較して、温度が所定の最高温度を上回るかどうかを判定することができる。温度が所定の最高温度を下回るとき、コントローラ37は、第2の速度での動作を維持するようにポンプ11に指示するように構成され得る。しかしながら、溶液の温度が所定の最高温度を上回るとき、コントローラ37は、第2の速度を下回る第3の速度で動作するようにポンプ11に指示するように構成され得る。このプロセスは、温度センサ56によって検知された温度が所定の最高温度を下回るまで繰り返して継続することができる。
【0037】
別の実施形態では、ポンプ11の動作がより低速で開始されると、コントローラ37は、溶液の温度を所定の最高温度と比較して温度が所定の最高温度を下回るかどうかを判定することができる。温度が所定の最高温度を上回るとき、または所定の最高温度にあるとき、コントローラ37は、第1の速度での動作を維持するように、またはポンプの速度を第1の速度を下回るように低下させるようポンプ11に指示するように構成され得る。しかしながら、溶液の温度が所定の最高温度を下回る場合、コントローラ37は、第1の速度よりも速い第2の速度で動作するようポンプに指示するように構成され得る。この速度の増加は、PID制御アルゴリズムに従って実行され得る。あるいは、この増加は比例制御アルゴリズムに従って実行され得る。
【0038】
第1の速度から第2の速度に移行するとき、コントローラ37は、ポンプの速度を設定された増分で増加させるようにポンプ11に指示することができる。増分は毎分10回転(RPM)とすることができるが、他の速度増加の増分を利用することもできる。例えば、増分は、ポンプ11の最大RPMの約1%であり得る。ポンプ11が溶液の温度が安定化できるよう第2の速度で、一定の長さの時間(この時間は約5から15分であり得るが、他の時間も想定される)にわたって動作した後、温度センサ56は、溶液の温度を再び検出することができる。上記のように、コントローラ37は、信号接続部38dを介して温度センサ56から溶液の温度を示す信号を受信することができる。この信号を受信すると、コントローラ37は、第2の速度で動作するポンプ11での溶液の温度を所定の最高温度と比較して、温度が所定の最高温度を下回るかどうかを判定することができる。温度が所定の最高温度を上回るとき、または所定の最高温度にあるとき、コントローラ37は、第2の速度での動作を維持するように、またはポンプ11の速度を第2の速度を下回るように低下させるようポンプ11に指示するように構成され得る。しかしながら、溶液の温度が所定の最高温度を下回るとき、コントローラ37は、第2の速度を上回る第3の速度で動作するようにポンプ11に指示するように構成され得る。このプロセスは、温度センサ56によって検知された温度が所定の最高温度を上回るか、所定の最高温度になるまで繰り返して継続することができる。この方法に従って、ポンプ11の速度が最終的に、溶液の温度が所定の最高温度を満たすか、またはそれを超過する温度になる速度に到達すると、コントローラ37は、ポンプ11にその速度を下げるよう指示することができ、それによって、溶液の温度を所定の最高温度に、またはそれを下回るように低減することができる。
【0039】
吐出システム10を通って流れる溶液が所定の最高温度を下回ることを可能にするポンプ11の動作速度を見出すことに加えて、ポンプ11の動作速度もまた、他の要因を考慮するように調節され得る。特に、上述のように、吐出システム10を通って流れる溶液であり、したがってディスペンサ28から最終的に吐出されるホットメルト接着剤フォームは、特定の気体含有量を有し得る。溶液の温度に応じて上述したようなポンプ11の動作速度の調節の間、またはその後に、HMI機器41は、ディスペンサ28から吐出されたホットメルト接着剤フォームの検査を要求する通知を生成するように構成され得る。特に目視検査が用いられ得るが、溶液および/またはホットメルト接着剤フォームの質を判定するための他の方法または機器が利用され得ることが想定される。
【0040】
ホットメルト接着剤フォームを検査すると、オペレータは、ホットメルト接着剤フォームの質が最適であるかどうかを判定することができる。特に、吐出システム10は、ホットメルト接着剤フォームのビーズを吐出することができ、このビーズは、オペレータが切り開いて点検することができる。フォームの質が準最適である場合、それはポンプ11の速度がポンプ11が供給される気体の量に対して高すぎるためである可能性がある。結果として、オペレータがホットメルト接着剤フォームの質が最適でないと判定した場合、オペレータは、ホットメルト接着剤フォームの気体含有量が所望のレベルを下回ることを示す入力をHMI機器41に提供することができる。したがって、コントローラ37は、動作速度を低下させるようにポンプ11に指示することができる。ポンプ11が、溶液の温度に応じて既にその動作速度を第2の速度に下げた状況では、コントローラ37は、入力に応答して第2の速度未満の第3の速度で動作するようにポンプ11に指示するように構成され得る。第2の速度から第3の速度に移行するとき、コントローラ37は、ポンプの速度を上述のように設定された増分で低減するようにポンプ11に指示することができる。ホットメルト接着剤フォームの質に関するこの評価およびフィードバックプロセスは、オペレータがホットメルト接着剤の質に満足するまで、したがって、溶液を含む気体の量を満足するまで継続することができる。質の高いフォームの生成に応じて、オペレータは、溶液の気体含有量が所望のレベルにあることを示す入力をHMI機器41に提供することができる。更に、溶液の温度に応じてポンプ11の速度を調節した後に発生するものとして説明しているが、溶液の気体含有量に応じてポンプ11の速度を調節することは、溶液温度による調節の前に、または同時に発生することができる。
【0041】
溶液の気体含有量または溶液の感知温度に関するオペレータ入力に応答して、コントローラ37がポンプ11の動作に対する調節を決定することに加えて、コントローラ37は、HMI機器41が特定の速度で動作するようにポンプ11に指示する入力を受信すると、ポンプ11の動作を調節することができる。例えば、コントローラ31が、ポンプ11の速度を第1の速度から第2の速度に既に調節したとき、HMI機器41は、ポンプ11が第1および第2の速度とは異なる第3の速度で動作するように指示する入力を受信するように構成され得る。オペレータが、産業での経験により、または以前に実行された試験から得た知識により、ポンプ11を特定の速度に設定することを望む場合に、オペレータは、この方法でポンプ11を制御することができる。
【0042】
ここで図14から図17を参照して、ホットメルト接着剤フォームを基材上に吐出する方法200を説明する。本方法は、ホットメルト接着剤源17からホットメルト接着剤を受容することを含む工程202を含み得る。方法200はまた、気体源22から気体を受容することを含む工程206を含むことができる。実際には、工程202および工程206は、同時に、または任意の所望の順序で開始することができる。ポンプ11がホットメルト接着剤および気体を受容すると、工程210が実行され得る。工程210では、溶液を生成するためにホットメルト接着剤および気体がポンプ11によって混合され得る。ホットメルト接着剤と気体とを混合して溶液を形成した後、工程214が実行されることができ、工程214は、ポンプ11からディスペンサ28に溶液を送出する工程を含む。工程214では、ポンプ11は、一実施形態ではポンプ11の最高速度を含み得る第1の速度で動作することができる。次いで、工程218において、ディスペンサ28は、溶液を吐出してホットメルト接着剤フォームを生成することができる。
【0043】
図15へ続くと、一実施形態では、ポンプ11の第1の速度はより高速であり、場合によってはポンプ11の最高速度である。このような実施形態では、工程218でディスペンサ28が溶液を吐出し始めると、工程220において、温度センサ56は、溶液の温度を検出することができる。上述のように、温度センサ56は、ポンプ11の第2の段13の出口26に隣接し得る。溶液の温度を感知すると、温度センサ56は、信号接続部38dを介してコントローラ37に溶液の温度を示す信号を送信することができる。次いで、工程222において、コントローラ37は、溶液の温度が所定の最高温度を上回っているかどうかを判定することができる。上記のように、所定の最高温度は、約202℃であり得る。しかしながら、所定の最高温度は、約185℃から約210℃であり得ることが想定される。
【0044】
コントローラ37が、温度が所定の最高温度を上回ると判定すると、工程230において、コントローラ37は、ポンプの動作速度を第1の速度から第1の速度とは異なる第2の速度に調節するようにポンプ11に指示するように構成され得る。工程230では、動作速度を調節することは、第1の速度から第2の速度まで動作速度を低下させることを含む。上述のように、コントローラ37は、ポンプの速度を設定された増分で減少させるようにポンプ11に指示することができる。増分は10RPMであり得るが、速度低下において、ポンプ11の最高速度の1%のような他の増分を利用することもできる。あるいは、コントローラ37が、溶液の温度が所定の温度に等しいか、または所定の温度の所定の許容範囲内にあると判定した場合、コントローラ37は、工程226においてポンプの速度を第1の速度に維持するようポンプ11に指示するように構成され得る。コントローラ37は、溶液の温度が所定の最高温度になるまで、または所定の最高温度の所定の許容範囲内になり、工程226が実行されるまで工程220、222および230を繰り返すように構成され得る。例えば、コントローラ37は、ポンプの動作速度を第2の速度から第3の速度まで低下させるようにポンプ11に指示することができる。
【0045】
あるいは、図16へ続くと、一実施形態では、ポンプ11の第1の速度はより低速になっている。このような実施形態では、工程218においてディスペンサ28が溶液を吐出し始めると、工程221において、温度センサ56は、溶液の温度を検出することができる。溶液の温度を感知すると、温度センサ56は、信号接続部38dを介してコントローラ37に溶液の温度を示す信号を送信することができる。次いで、工程223において、コントローラ37は、溶液の温度が所定の最高温度を下回るかどうかを判定することができる。上記のように、所定の最高温度は、約202℃であり得る。しかしながら、所定の最高温度は、約185℃から約210℃であり得ることが想定される。
【0046】
コントローラ37が、温度が所定の最高温度を下回ると判定すると、工程231において、コントローラ37は、ポンプの動作速度を第1の速度から第1の速度とは異なる第2の速度に調節するようにポンプ11に指示するように構成され得る。工程231では、動作速度を調節することは、動作速度を第1の速度から第2の速度まで上げることを含む。上述のように、コントローラ37は、ポンプの速度を設定された増分で上昇させるようにポンプ11に指示することができる。増分は10RPMであり得るが、ポンプ11の最高速度の1%のような速度低下における他の増分を利用することもできる。あるいは、溶液の温度が所定の最高温度に等しいか、または所定の最高温度の所定の許容範囲内であるとコントローラ37が判定した場合、コントローラ37は、工程227においてポンプの速度を第1の速度に維持するようにポンプ11に指示するように構成され得る。コントローラ37は、溶液の温度が所定の最高温度に等しいか、または所定の最高温度の所定の許容範囲内になり、工程227が実行されるまで工程221、223および231を繰り返すように構成され得る。例えば、コントローラ37は、ポンプの動作速度を第2の速度から第3の速度まで低下させるようにポンプ11に指示することができる。
【0047】
図17へ続くと、方法200はまた、HMI機器41が、ディスペンサ28によって吐出されたホットメルト接着剤フォームの検査を要求する通知を生成するように構成される工程234を含むことができる。工程238において、吐出システム10のオペレータは、目視検査に基づいて、ホットメルト接着剤フォームの気体含有量が所望よりも低いかどうかを判定することができる。オペレータが、ホットメルト接着剤フォームの気体含有量が低すぎると判定すると、工程240において、コントローラ37は、ポンプ11への気体出力量を弁24によって調節することができる。工程240を実施する方法の1つが、図18に関連して以下で説明されている。追加的に、または代替的に、工程244において、オペレータは、目視検査に基づいて、フォームの質、気泡サイズ、および稠度のうちの1つ以上、最大で全てが所望のレベルを下回るかどうかを判定することができる。フォームの質、気泡サイズ、および稠度のうちの1つ以上、最大で全てが所望のレベルを下回る場合、工程246においてコントローラ37は、ポンプ11の動作速度を低下させることができる。代わりに、フォームの質、気泡サイズ、および粘稠度が所望のレベルにある場合、工程248において、コントローラ37はポンプの現行速度で動作し続けるようにポンプ11に指示することができる。通常、より小さな気泡は、より大きな気泡よりも高い質に対応する。コントローラ37は、オペレータが、ホットメルト接着剤フォームの気体含有量、フォームの質、気泡サイズ、および稠度が許容できるとオペレータが判定するまで、工程234、238、240、244、246および248を繰り返すように構成することができる。
【0048】
本方法は、追加的にまたは代替的に、工程236を含むことができ、コントローラ37は、特定の速度、例えば第1および第2の速度とは異なる第3の速度で動作するようにポンプ11に指示する、HMI機器41からの入力を受信することができる。前述したように、オペレータが業界の経験によって、または以前に実行された試験から得た知識によってポンプ11を特定の速度に設定を望むときに、オペレータはポンプ11をこのように制御することができる。任意選択的に、本方法は工程250を含むことができ、そこでは吐出システム10が、熱交換機器57を介してポンプ11を出る溶液の温度を選択的に低下させる。このことが、吐出システム10が、ポンプ11の速度を低下させることなく、より低い温度の溶液を生成することを可能にし得る。
【0049】
ここで図18を参照すると、弁24によってポンプ11に供給される気体の量を調節するために工程240を実行する方法について論じる。一実施例では、気体の量は、ポンプ11の効率に基づいて調節されることができ、これは流量計100によって測定される溶液の体積流量に基づいて決定され得る。ポンプ11の効率は、吐出システム10の動作全体を通して維持される目標パラメータとして利用されることができ、これは、効率がポンプ11の速度、並びに溶液の粘度および温度によって比較的影響され得ず、これら全てが吐出システム10の動作全体を通じて調節または変更され得ることからである。したがって、ホットメルト接着剤フォームの質が最適であるときにポンプ11の効率を判定した後、コントローラ37は、吐出システム10の態様を調節して、特定の吐出動作全体を通して、この所望の効率レベルを維持することができる。
【0050】
一実施形態では、コントローラ37は、ポンプ11によって送出された溶液の体積流量を示す信号を流量計100から受信するように構成されている。この信号を使用して、コントローラ37は、体積流量に基づいてポンプ11の効率を判定することができる。コントローラは、式(1)と等しくなるように、または式(1)に比例するように、判定するように構成させることができる。
ここで、
AFRは、流量計100によって測定される実際の体積流量であり、
RPMは、ポンプ11が動作している1分当たりの回転数(RPM)であり、
DPRは、ポンプ11の1回転当たりの体積変位である。
AFRは流量計100によって測定することができるが、ポンプ11のRPMは、ポンプ11をコントローラ37と接続する信号接続38cを介してコントローラ37によって受信され得るか、または、吐出システム10のオペレータによってポンプ11を制御するためにコントローラ37に入力され得る。加えて、DPRは、吐出システム10内で利用される特定のポンプ11に対応する既知の変数であることができ、コントローラ37によって、同様に信号接続38cを介してポンプ11から受信されてもよく、またはオペレータによってコントローラ37に入力されてもよい。ポンプ11のDPRで乗じたポンプ11のRPMはまた、ポンプ11の理論体積流量とも称され得る。したがって、ポンプ11の効率は、実際の体積流量を理論体積流量で除算することによって、式(1)に等しいかまたは比例するように計算され得る。
【0051】
動作中、吐出システム10のオペレータは、吐出システム10が特定の吐出動作に最適なホットメルト接着剤フォームを生成するまで、上述のようにポンプ11の速度を調節することができる。この時点で、コントローラ37は、ポンプ11の効率を計算することができる。この効率は、ホットメルト接着剤フォームを所望の質に維持するためにポンプ11が維持されなければならない効率を表すことから、ポンプ11の効率用の所定の設定点と称され得る。しかしながら、経時的に、ポンプ11の効率は、吐出システム10内の多くの要因に基づいて増減し得る。したがって、コントローラ37は、所定の設定点におけるポンプ11の効率を維持するために、補正動作を行うことができなければならない。
【0052】
ポンプの効率に影響を及ぼす1つの方法は、溶液の気体含有量を調節することである。溶液の気体含有量が増加すると、圧力調整器31が第2の再循環チャネル29内の圧力を大気圧に実質的に等しくなるように制御するように構成され得るため、ポンプ11の効率が低下する。結果として、溶液を含む相当量の気体は、圧力調整器31を通過した後に溶液から非混合になり、結果として溶液内に泡を形成し、泡はポンプ11の効率を低下させることができる。結果として、溶液がより多くの気体を含有すると、ポンプ11の効率がより低下し得る。同様に、溶液の気体含有量が減少すると、ポンプ11の効率は向上する。一実施形態では、気体弁24が選択的に開閉されることができ、相当量の気体がポンプ11へ流れることを可能にする。気体弁24は、設定時間にわたって別個の間隔で開かれることができ、この設定時間は、気体弁24のデューティサイクルと称され得る。デューティサイクルは約10から100ミリ秒であり得るが、他のデューティサイクルも想定される。コントローラ37は、ポンプ11に供給される気体の量を調節して、これによりポンプ11の効率を調節するように、気体弁24が開閉されるデューティサイクルの割合を制御することができる。別の実施形態では、気体弁24は、単に開閉するよりも、多くの位置間で移行するように構成され得る。例えば、気体弁24は、気体源22からポンプ11の第2の入力部10bを通って受容した気体流の0%から100%の任意の割合を可能にすることができることが想定される。その結果、気体弁24が開放される割合を制御することにより、溶液の気体含有量が制御され得る。
【0053】
所定の設定点が設定された後、コントローラ37は、効率が所定の設定点を下回るときに、ポンプに供給される気体の量を減少するように気体弁24に指示するように構成され得る。この減少は、比例-積分-微分(PID)制御アルゴリズムに従って実行され得る。あるいは、この低下は、比例制御アルゴリズムに従って実行され得る。提供される気体の量は、効率が、所定の設定点に等しいか、(以下の所定の量内など)わずかに下回るまで減少され得る。溶液の気体含有量が低下すると、ポンプ11の効率を高めることができる。
【0054】
同様に、コントローラ37は、効率が所定の設定点を上回るときに、ポンプ11に供給される気体の量を増加させるように気体弁24に指示するように構成され得る。気体含有量の減少と同様に、この増加はPID制御アルゴリズムに従って実行され得る。あるいは、この増加は比例制御アルゴリズムに従って実行され得る。提供される気体の量は、効率が、所定の設定点に等しくなるまで、または(以下の所定の量内のように)わずかに下回るまで増加され得る。溶液の気体含有量が増加すると、ポンプ11の効率が低下することがある。これら上述した気体弁24が開閉するデューティサイクルの割合への変更の各々は、ポンプ11の効率が正確な所定の設定点から逸脱したときにのみ起こり得ない。例えば、コントローラ37によって計算されるポンプ11の効率が所定の設定点から特定の割合だけ逸脱したときに、コントローラ37は、気体弁24が開閉されるデューティサイクルの割合を増減させるように気体弁24に指示することができ、この割合は、実行されている特定の吐出動作、または吐出システム10のオペレータによるHMI機器41を介したコントローラ37への入力に基づいてコントローラ37によって決定され得る。
【0055】
吐出動作中、ポンプ11の効率を調節し、それにより、吐出システム10によって製造されたホットメルト接着剤フォームの特性を調節するように、所定の設定点を変更することが必要となることがある。これを行うために、吐出システム10のオペレータは、所定の設定点を調節するHMI機器41に少なくとも1つのユーザ入力を提供することができる。次いで、コントローラ37は、溶液の気体含有量を変更し、ポンプ11を所望の効率で動作させるように、上述のように気体弁24に指示することができる。
【0056】
少なくとも1つのユーザ入力は、例えば、フォーム密度(例えば、ポンド/立方フィートまたはキログラム/リットル)、密度減少率(DR%)、固体体積分率(例えば、固体体積/総体積)、または気体体積分率(例えば、気体体積/総体積)を含み得る。密度減少率は、接着剤がいずれの気体も保持しなくなる最大密度減少(例えば、60%から80%)までの効率と比較的線形の関係を有することが示されている。したがって、線形領域では、密度減少率の増加は、一般的に効率の対応する減少をもたらすが、密度減少率の減少は、一般的に効率の対応する増加をもたらす。この関係は、様々な接着剤に関して一般的に当てはまるが、直線関係の勾配および交点は、接着剤の組成に基づいて変化し得る。ユーザは、直接測定および計算によって上のユーザ入力を決定することができ、またはユーザ入力は、所定の値のセットから選択され得ることが理解されるであろう。効率、密度、密度減少率、固体体積分率、気体体積分率、および効率に対するこれらの値のいずれかの曲線といった所定の値は、例えば、データベース、ライブラリ、または別の好適な場所に格納され得る。
【0057】
ここで図18を参照すると、方法300は、溶液がポンプ11によって送出されている間に、流量計100を介して溶液の体積流量を測定する工程318を含むことができる。流量計100は、体積流量を示す信号を信号接続部38aを介してコントローラ37に送信することができる。工程318において溶液の体積流量が測定されると、ポンプ11の効率は、工程322においてコントローラ37によって決定され得る。一実施形態では、ポンプ11の効率は、上述したように、流量計100によって測定される溶液の体積流量を使用して、式(1)に従って決定することができる。ポンプ11の効率が決定されると、コントローラ37は、効率が工程326で所定の設定点を上回るかまたは下回るかどうかを判定することができる。所定の設定点は、実行される特定の吐出動作、ポンプ11の速度、などに基づいて、メモリ40からコントローラ37によって再呼び出しされ得る。更に、吐出システム10のオペレータは、所定の設定点を設定するHMI機器41へのユーザ入力を提供することができる。所定の設定点は、別個の値、または別個の値からの割合偏差を含むことができ、特定の割合は、コントローラ37によって決定され得るか、またはHMI機器41を介してオペレータによって選択され得る。
【0058】
コントローラ37が、ポンプ11の効率が所定の設定点を上回ると判定した場合、工程330が実行される。工程330において、コントローラ37は、気体弁24が開放されるデューティサイクルの割合を増加させるように気体弁24に指示することができ、これによりポンプ11に供給される気体の量を増加させる。したがって、ポンプ11によって生成される溶液の気体含有量が増加し、ポンプ11の効率が同様に低下する。あるいは、コントローラ37が、ポンプ11の効率が所定の設定点を下回ると判定した場合、工程334が実行される。工程334において、コントローラ37は、気体弁24が開放されるデューティサイクルの割合を減少させるように気体弁24に指示することができ、これによりポンプ11に供給される気体の量を減少させる。したがって、ポンプ11によって生成される溶液の気体含有量が減少し、ポンプ11の効率も同様に増加する。
【0059】
本発明の様々な発明的態様、概念、および特徴は、例示的な実施形態において、組み合わせて具現化されるように本明細書で説明され、例示され得るが、これらの様々な態様、概念、および特徴は、多くの代替の実施形態において、個々にまたはそれらの様々な組み合わせおよび副次的な組み合わせのいずれかで使用され得る。本明細書で明示的に除外されない限り、全てのそのような組み合わせおよび副次的な組み合わせは、本発明の範囲内であることを意図する。また更に、代替の材料、構造、構成、方法、回路、機器および構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、制御論理、形態、適合、および機能に関する代替物、などといった、本発明の様々な態様、概念、および特徴に関する様々な代替の実施形態が本明細書で説明され得るが、そのような記載は、現在知られているか、後に開発されるかにかかわらず、利用可能な代替の実施形態の完全な、または包括的なリストであることを意図しない。加えて、本発明のいくつかの特徴、概念、または態様は、好ましい配設または方法であるように本明細書で説明され得るが、そのような説明は、明示的にそのように述べられていない限り、そのような特徴が要求されることまたは必要であることを示唆することを意図しない。また更に、例示的または代表的な値および範囲は、本開示を理解するのを支援するために含まれ得るが、そのような値および範囲は限定する意味に解釈されるべきではなく、そのように明示的に述べられている場合にのみ決定的な値または範囲であることを意図する。更に、様々な態様、特徴、および概念が、本発明の発明的部分または形成部分であるように本明細書で明示的に識別され得るが、そのような識別は、排他的であることを意図せず、むしろ、そのような特定の発明またはその一部として明示的に識別されることなく、本明細書で完全に説明される発明の態様、概念、および特徴が存在してもよく、その代わりに、本発明は、添付の特許請求の範囲に、または関連出願若しくは継続出願の特許請求の範囲に記載されている。例示的な方法または過程の説明は、全ての場合に必要とされるように全ての工程を含むことに限定されるものではなく、工程が表される順序は、明示的にそのように述べられていない限り、要求されるものまたは必要であるものと解釈されるものでもない。具体的には、方法の工程は、図中のブロックの連続的な一連の参照記号および進行を参照して説明されているが、方法は、所望により特定の順序で実行され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18