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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】制汗および脱臭用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20240903BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20240903BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20240903BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20240903BHJP
   A61K 8/28 20060101ALI20240903BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A61K8/19
A61Q15/00
A61K8/26
A61K8/27
A61K8/28
A61K8/29
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021560313
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2020058742
(87)【国際公開番号】W WO2020201103
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-15
(31)【優先権主張番号】102019000004805
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521440345
【氏名又は名称】カーリッヘム エス.アル.エル.
【氏名又は名称原語表記】KALICHEM S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Alessandrini,8,25086 Rezzato(BS),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ラストレッリ,ジアンバッティスタ
(72)【発明者】
【氏名】ラストレッリ,フランチェスコ
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107161974(CN,A)
【文献】特開2007-302586(JP,A)
【文献】特開2003-176220(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第1899045(CN,A)
【文献】特開2006-096719(JP,A)
【文献】特開2005-350357(JP,A)
【文献】特開2005-314283(JP,A)
【文献】特開2004-315467(JP,A)
【文献】特開昭62-135411(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111904892(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制汗および脱臭のための粧組成物であって、
アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する、0.05~35重量%(wt%)の多置換ヒドロキシアパタイト(ケイ素、ストロンチウム、およびフッ素イオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトを除く);ならびに、
水以外の液体担体、噴霧剤、制汗および/または脱臭効果を有する他の添加剤、乳化剤、構造化剤(structurant)、皮膚軟化薬、フレグランス、抗酸化剤または保存料の少なくとも1つ
を含む、前記化粧組成物。
【請求項2】
多置換ヒドロキシアパタイトが、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムの中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトである、請求項1に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項3】
多置換ヒドロキシアパタイトが、アルミニウムおよび亜鉛のカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトである、請求項1に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項4】
多置換ヒドロキシアパタイトが、亜鉛およびマグネシウムのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトである、請求項1に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項5】
多置換ヒドロキシアパタイトが、アルミニウムおよびマグネシウムのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトである、請求項1に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項6】
多置換ヒドロキシアパタイトが、Zn2+イオンを、0.2%~35%のZn/Caモル比で、および、Al3+イオンを、0.2%~50%のAl/Caモル比で含む、請求項3に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項7】
多置換ヒドロキシアパタイトが、Mg2+イオンを、0.2%~35%のMg/Caモル比で、および、Zn2+イオンを、0.2%~35%のZn/Caモル比で含む、請求項4に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項8】
多置換ヒドロキシアパタイトが、Mg2+イオンを、0.2%~35%のMg/Caモル比で、および、Al3+イオンを、0.2%~50%のAl/Caモル比で含む、請求項5に記載の制汗および脱臭のための粧組成物。
【請求項9】
下のステップ:
i)亜鉛カチオン(Zn2+)を含む、Ca(OH)の塩基性水溶性懸濁液a)を調製すること;
ii)ステップi)で調製された塩基性水溶液に、HPOの水溶液b)およびAlCl・6HOの溶液c)を同時に添加すること、
を含む請求項3に記載の制汗および脱臭特性のための粧組成物に含まれる多置換ヒドロキシアパタイトの調製方法
【請求項10】
身体の発汗の低減および/または発汗によって放出される体臭の低減のための化粧方法であって、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧組成物を皮膚に適用することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中から選択される少なくとも2つのカチオンで多置換されたヒドロキシアパタイトを含む、制汗および脱臭用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
発汗は、暑いエリアにおいて、および、運動の間の両方において、熱を分散するために生じる生理学的プロセスである:それは、一方では、重要な生理学的機能を解放し、他方では、汗はヒトの身体における匂いの形成のための基質である。汗は、汗腺の産物であり、および、それ自体は匂いがない;しかしながら、汗の構成要素は、ヒト皮膚に存在する微生物によって代謝され、不快な匂いを担う揮発性化合物を結果的に産生する。
【0003】
制汗に好適なパーソナルケア製品は、脱臭剤(汗によって引き起こされる悪臭をマスクする)および制汗剤(汗腺に直接作用して、発汗を阻害/抑制する)に分けられる。脱臭剤は静菌剤(皮膚微生物叢を変更することなく、不快な匂いを担う細菌叢の増殖を制限する物質)および/または匂いを担う分子との複合体を形成する吸着剤化合物として作用して、それらの揮発性を低減し、したがって、それらの拡散を制限し得る。
【0004】
一般的に使用される脱臭剤は、亜鉛塩、とりわけカルボン酸亜鉛に基づいている。これらは、悪臭のある分子と化学的に相互作用するかまたは反応することにより、悪臭相殺または除去効果を発揮するように作用する。
【0005】
従来の制汗剤製品は、典型的には、発汗および悪臭を制御するための活性成分としてアルミニウムをベースとした塩を使用する。最も頻繁に使用される制汗剤のアルミニウム塩は、塩化アルミニウムおよびアルミニウムクロロ水和物を包含する。制汗作用は、可溶性および酸性のアルミニウム塩を、汗腺に拡散させることによって達成される。汗との反応は、皮膚表面の自然の生理学的pHにおいて、または、それより低いpHにおいて生じ、および、汗腺の開口部を部分的にブロックする、ゼラチン質および不溶性の水酸化アルミニウムゲルを産生し、これにより、汗の流れを、完全には除去されないが、ある程度まで低減する。さらにまた、アルミニウム塩は、皮膚に対する収斂効果を有し、さらに狭い汗腺を締める。
【0006】
混合されたアルミニウムおよびジルコニウムの制汗剤の塩は、長年にわたって公知である(例えば、US2,814,585、US2,854,382、US4,871,525、WO2002/034223を参照のこと)。
【0007】
近年、制汗剤として使用されるクロロ水和物塩の安全性は、クロロ水和物塩の適用が皮膚刺激(刺傷、火傷、および紅斑)へ繋がるので、問題とされている。とりわけ、皮膚刺激は、汗に存在する水とのアルミニウム塩(塩化アルミニウムおよびアルミニウムクロロ水和物など)の相互作用に起因する塩酸の形成の結果として、皮膚の過酸性化によって引き起こされる(例えば D.F. Swaile, L.T. Elstun and K.W. Benzing, “Clinical studies of sweat rate by an over-the counter soft-solid antiperspirant and comparision with a prescription antiperspirant product in male panelists”, British Journal of Dermatology, 2012, 166 (Suppl. 1), pp 22-26またはR. Caputo, M. Monti, “Manuale di dermocosmetologia medica”, Raffaello Cortina Editore, 1999, p. 146を参照のこと)。
【0008】
チタン、マグネシウム、および亜鉛塩などの他の金属塩の収斂特性は、それらを、有害な制汗剤の塩の少なくとも部分的な置換の候補とするが、それらの有効性は実際には制限されている。
【0009】
化粧用組成物、亜鉛塩、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよび他の塩の脱臭活性への切り替えは、脱臭効果を有することが知られている(一例として、ヒドロキシアパタイト、JPS62135411およびJPH05309266を参照のこと)。
【0010】
JPH10118167は、エアフレッシュナー組成物での脱臭剤としての、様々な金属カチオンを有する、単置換または多置換のヒドロキシアパタイトの使用を開示する。
【0011】
空気中の悪臭吸収のための様々な金属カチオンを有する単置換ヒドロキシアパタイトの使用は、H. Nishida, M. Kimata, T. Ogata, T. Kawai, "Malodors adsorption behavior of metal cation incorporated hydoroxyapatite", Journal of Environmental Chemical Engineering, 5 (2017), 2815-2819によってもまた開示されている。
【0012】
JP2000219505は、アルミニウム塩酸塩およびアモルファスのヒドロキシアパタイトの複合粒子を含有する化粧用制汗組成物に関する。
【0013】
一般的な制汗剤の塩を有するヒドロキシアパタイトの様々な他の物理的な会合は、特許文献において記載されている;残念ながら、物理的に会合した形態において、制汗剤の塩は、上に提示されている欠点を被る。
【発明の概要】
【0014】
したがって、当該技術分野において、安全な様式で送達する、または、制汗/脱臭用組成物において一般的に使用される刺激イオンを交換する、必要性が存在する。
【0015】
カルシウムイオンがアルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択されるカチオンの少なくとも2種によって部分的に置換された多置換ヒドロキシアパタイト(本明細書では、「多置換ヒドロキシアパタイト」と称される)は、改善された制汗および脱臭用組成物を調製するために使用することができ、よって、一般的に使用される制汗剤の塩に関連する皮膚刺激に対する悪影響を除去または軽減できることが、今、見出された。
【0016】
本発明の概要
したがって、本発明の目的は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトを0.05~35重量%(wt%)含む、制汗および脱臭特性を有する化粧用組成物である。
【0017】
本発明のさらなる目的は、身体の発汗の低減、および/または、発汗によって放出される身体の匂いの低減のための化粧方法であり、方法は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトを0.05~35重量%を含む、制汗および脱臭特性を有する化粧用組成物を皮膚に適用することを含む。
【0018】
本発明の詳細な記載
アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、チタン、銅、銀および鉄のカチオンのための密接な担体としてのヒドロキシアパタイトの使用は、特に有利である。なぜなら、皮膚の酸性pHの作用下での低いヒドロキシアパタイトの可溶性に起因して、この間に、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀および鉄のカチオンの制御放出を達成し、よって、製品の適用の数を低減させることが実行可能であるためである。
【0019】
本発明の多置換ヒドロキシアパタイトは、皮膚にやさしく、長時間作用性の、非刺激性の、および、皮膚微生物叢に危険ではない、制汗および脱臭用組成物を得ることを可能にする。
【0020】
加えて、少なくとも2つの異なる金属カチオンを有する多置換のヒドロキシアパタイトは、発汗、増加した悪臭吸着、および、増加した静菌活性の観点で、他の無機塩との、ヒドロキシアパタイトの物理的会合に関して、改善された効果を生じることが想像される。
【0021】
好ましくは、制汗および脱臭特性を有する化粧用組成物は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトを0.5~25重量%(wt%)含む。
【0022】
結果的に、身体の発汗の低減、および/または、発汗によって放出される身体の匂いの低減のための化粧方法は、好ましくは、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトを0.5~25重量%含む、制汗および脱臭特性を有する化粧用組成物を、皮膚に適用することを含む。
【0023】
ヒドロキシアパタイトは、ヒトの身体に存在する化合物であり、骨組織の主要なミネラル構成物質である。実に、ヒト身体中の99%のカルシウムは、ヒドロキシアパタイトの形態で骨組織に貯蔵されている。ヒドロキシアパタイトは、骨の60~70%およびエナメルの98%を天然で構成する、水酸化リン酸カルシウムである。その化学組成は、一般的に、Ca(PO(OH)として示され、したがって、アパタイト基に属し、OH基を含有する。カルシウムは、該化学形態Ca(PO(OH)で天然に存在し得、Ca10(PO(OH)としても示され、基本的なセル(elemental cell)が、2つの分子から形成されることを示す。本発明の目的のために、用語「ヒドロキシアパタイト」はまた、前述に加えて、リン酸イオン、ヒドロキシルイオンおよびカルシウムの間の全ての比率の、全ての多形形態、相対的な水和物および溶媒和物を包含する。
【0024】
一般に、多置換(またはドープの)ヒドロキシアパタイトは、アニオン(OH基を置き換えることによって)またはカチオン(カルシウムカチオン、Ca2+を置き換えることによって)のヒドロキシアパタイト構造に部分的に組み込むことによって、得ることができる。アルミニウム(Al3+)、鉄(Fe3+およびFe2+)、コバルト(Co2+)、ニッケル(Ni2+)、銅(Cu2+)、銀(Ag2+)、亜鉛(Zn2+)またはマグネシウム(Mg2+)などの、様々な金属カチオンは、ヒドロキシアパタイト構造に組み込まれ得る。OH基は、アニオンまたはアニオン性基、カーボネート(CO 2-)、ケイ酸、フッ素イオン(F)または塩化物イオン(Cl)などによって置き換えられ得る。
【0025】
本発明の多置換ヒドロキシアパタイトは、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンで多置換されたヒドロキシアパタイトである。任意に、該多置換ヒドロキシアパタイトはまた、カーボネートおよびシリケートを含有し得る。
【0026】
好ましい態様に従って、本発明の多置換ヒドロキシアパタイトは、アルミニウム、亜鉛またはマグネシウムの中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトである。
【0027】
より好ましい態様に従って、本発明の多置換ヒドロキシアパタイトは、アルミニウムおよび亜鉛を有する多置換ヒドロキシアパタイト、亜鉛およびマグネシウムを有する多置換ヒドロキシアパタイト、またはアルミニウムおよびマグネシウムを有する多置換ヒドロキシアパタイトである。
【0028】
本発明の最も好ましい多置換ヒドロキシアパタイトは、アルミニウムおよび亜鉛を有する多置換ヒドロキシアパタイトである。
【0029】
有利なことに、アルミニウムおよび亜鉛を有する多置換ヒドロキシアパタイトは、Zn2+イオンを0.002~0.35(すなわち、0.2%~35%)、好ましくは0.05~0.25(すなわち、5~25%)のZn/Caモル比で、および、Al3+イオンを0.002~0.50(すなわち、0.2%~50%)、好ましくは0.05~0.35(すなわち、5~35%)のAl/Caモル比で含む。
【0030】
有利なことに、マグネシウムおよび亜鉛を有する多置換ヒドロキシアパタイトは、Mg2+イオンを0.002~0.35(すなわち、0.2%~35%)、好ましくは0.05~0.25(すなわち、5~25%)のMg/Caモル比で、およびZn2+イオンを0.002~0.35(すなわち、0.2%~35%)、好ましくは0.05~0.25(すなわち、5~25%)のZn/Caモル比で含む。
【0031】
有利なことに、アルミニウムおよびマグネシウムを有する多置換ヒドロキシアパタイトは、Al3+イオンを0.002~0.50(すなわち、0.2%~50%)、好ましくは0.05~0.35(すなわち、5~35%)のAl/Caモル比で、およびMg2+イオンを0.002~0.35(すなわち、0.2%~35%)、好ましくは0.05~0.25(すなわち、5~25%)のMg/Caモル比で含む。
【0032】
アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄の中で選択される少なくとも2つのカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイトは、置換ヒドロキシアパタイトの任意の公知の調製プロセス(例えば、乾性固相反応、湿性沈降反応、湿性加水分解または水熱加水分解など)により、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、チタン、銅、銀または鉄カチオンの好適な供給源の存在下で、カルシウムカチオンの供給源を、ホスファートアニオンの供給源と接触させることによって、得られ得る。
【0033】
ホスファートアニオンの好適な供給源は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、オルトリン酸、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二アンモニウムまたはそれらの組み合わせである。好ましくは、ホスファートアニオンの供給源は、オルトリン酸(HPO)である。
【0034】
多置換ヒドロキシアパタイトの調製プロセスにおいて、HPOは、5~1000g/l、好ましくは50~400g/lの初期濃度で使用される。
【0035】
カルシウムカチオンの好適な供給源は、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、酢酸カルシウム、またはそれらの組み合わせである。好ましくは、カルシウムカチオンの供給源は、水酸化カルシウム(Ca(OH))である。
【0036】
多置換ヒドロキシアパタイトを調製するためのプロセスにおいて、Ca(OH)は、10~1000g/l、好ましくは30~400g/lの初期濃度で使用される。
【0037】
多置換ヒドロキシアパタイトが亜鉛で多置換されたヒドロキシアパタイトである態様において、亜鉛カチオンの好適な供給源は、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛またはそれらの組み合わせである。好ましくは、亜鉛カチオンの供給源は、炭酸亜鉛(ZnCO)である。
【0038】
多置換ヒドロキシアパタイトを調製するためのプロセスにおいて、ZnCOは、1~600g/l、好ましくは10~150g/lの初期濃度で使用される。
【0039】
多置換ヒドロキシアパタイトがアルミニウムで多置換されたヒドロキシアパタイトである態様において、アルミニウムカチオンの好適な供給源は、塩化アルミニウム、アルミニウム塩酸塩、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムまたはそれらの混合物である。好ましくは、アルミニウムカチオンの供給源は、塩化アルミニウム(AlCl・6HO)である。
【0040】
多置換ヒドロキシアパタイトを調製するためのプロセスにおいて、AlCl・6HOは、5~100g/l、好ましくは25~700g/lの初期濃度で使用される。
【0041】
多置換ヒドロキシアパタイトがマグネシウムで多置換された態様において、マグネシウムカチオンの好適な供給源は、リン酸水素マグネシウム、第三リン酸マグネシウム、マグネシウム二水素ホスファート、塩化マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、グリセロリン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム(MgO)、クエン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムまたはそれらの混合物である。好ましくは、マグネシウムカチオンの供給源は、塩化マグネシウム六水和物(MgCl・6HO)である。
【0042】
多置換ヒドロキシアパタイトを調製するためのプロセスにおいて、MgCl・6HOは、1~600g/l、好ましくは10~150g/lの初期濃度で使用される。
【0043】
好ましくは、アルミニウム、ならびに、亜鉛および/またはマグネシウムを有する多置換ヒドロキシアパタイトを調製するためのプロセスは、i)便利な量の亜鉛カチオン(Zn2+)および/またはマグネシウムカチオン(Mg2+)を含むCa(OH)の塩基性水性懸濁液a)を調製すること、ii)ステップi)で調製された塩基性溶液に、HPOの水溶液b)、および、AlCl・6HOの溶液c)を同時に添加すること、のステップを包含する。
【0044】
溶液b)およびc)の添加は、20℃~60℃;好ましくは30℃~50℃の温度で実施される。
【0045】
溶液b)およびc)を水酸化カルシウムの懸濁液に滴下(dripping)した後、Zn2+および/またはMg2+カチオンを添加し、その結果得られる混合物は、1h攪拌し、次いで、24h静置する。母液は、次いで、実例として遠心分離によって取り出される。固体部分は、好ましくは、蒸留水に再分散され、および次いで、再度遠心分離される。この洗浄操作は、所望される場合、数回繰り返され得る。その終わりに、粉末は、乾燥され(実例として、凍結乾燥により、または、換気されたオーブン中で40~90℃で乾燥することにより)および以下の使用のために所望される粒度分布に低減される。
【0046】
本発明の脱臭および制汗用組成物は、固体形態または懸濁液、クリームまたは液体として、利用可能であり得る。異なる様式の適用はまた、異なる形態に対応する。スティック(stick)は、固体形態で利用可能な産物について使用されるが、産物が懸濁液またはクリームとして利用可能である場合、ロールオン(roll-on)は、最も一般的な適用様式である。エアロゾル、気化器または噴霧ディスペンサは、産物が液体形態で使用される場合に、使用される。
【0047】
脱臭および制汗用組成物はさらに、液体担体、噴霧剤(組成物がエアロゾルとして適用される場合に存在する)、制汗および/または脱臭効果を有する他の添加剤、乳化剤、構造化剤(structurant)、皮膚軟化薬、フレグランス、抗酸化剤および保存料を含み得る。
【0048】
液体担体は、組成物の30重量%~99重量%、好ましくは60重量%~98重量%を表し得る。好適な液体担体は、水、鉱油、シリコン油、水添ポリイソブテン、ポリデセン、パラフィン、イソパラフィン、脂肪族または芳香族エステル油(例として、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリルミリスタート、イソプロピルパルミタート、セバシン酸ジイソプロピル、ジイソプロピルアジパート、またはC-C18アルキルベンゾアート)、グリセリン、ポリグリコールエーテル、またはそれらの混合物の中で選択され得る。
【0049】
噴霧剤は、存在する場合、典型的には組成物の30~99重量%、好ましくは50~95重量%を表す。液化炭化水素またはハロゲン化炭化水素ガス(例として、1,1-ジフルオロエタンまたは1-トリフルオロ-2-フルオロエタンなどのフッ素化炭化水素)などの、非塩素化揮発性噴霧剤は、好ましい。好適な炭化水素ガスは、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタンおよびイソペンタンまたはそれらの混合物を包含する。他の好適な噴霧剤は、ジメチルエーテルなどのアルキルエーテル、または、空気、窒素または二酸化炭素などの圧縮非反応性ガスを包含する。
【0050】
制汗および/または脱臭効果を有する他の添加剤は、組成物の0重量%より高く、15重量%までの濃度で存在し得る。好適な添加剤は、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスグリシンまたはアルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスグリシンなどの、アルミニウムまたはアルミニウム/ジルコニウム塩化物またはクロロ水和物塩である。また好適なのは、ナトリウムステアラート、塩化ナトリウム、ステアリルアルコール、トリクロサン、および、Znグリシネート、ZnPCA(亜鉛ピロリドンカルボキシラート)、Znシトラート、Znグルコナート、Znフェノールスルホナート、Znリシンオレアート、Znウンデシレナートおよびコセス硫酸亜鉛などの亜鉛塩である。制汗および/または脱臭を有する好ましいさらなる添加剤は、アルミニウムフリー化合物である。
【0051】
乳化剤は、大抵、組成物の0.1重量%~10重量%で存在する。好適な乳化剤は、セテアレス-20、セテアリルグルコシド、セテス-10、セテス-2、セテス-20、セチルアルコール、コカミドMEA、グリセリルラウラート、グリセリルステアラートおよびPEG-100ステアラート、グリセリルステアラート、グリセリルステアラートSE、グリコールジステアラート、グリコールステアラート、イソセテス-20、イソステアレス-20、ラウレス-23、ラウレス-4、レシチン、セスキステアリン酸メチルグルコース、オレス-10/ポリオキシル10オレイルエーテルNF、オレス-10、オレス-2、オレス-20、PEG-100ステアラート、PEG-20アーモンドグリセリド、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、PEG-25水添ヒマシ油、PEG-30ジポリヒドロキシステアラート、PEG-4ジラウラート、オレイン酸PEG-40ソルビット、PEG-60アーモンドグリセリド、オリーブ油脂肪酸PEG-7、PEG-7グリセリルココエート、PEG-8ジオレアート、PEG-8ラウラート、PEG-8オレアート、PEG-80ソルビタンラウラート、ポリソルベート20、ポリソルベート20 NF、ポリソルベート60、ポリソルベート60 NF、ポリソルベート80、ポリソルベート80 NF、ポリソルベート85、PPG-11ステアリルエーテル、プロピレングリコールイソステアラート、ソルビタンイソステアラート、ソルビタンラウラート、ソルビタンモノステアラートNF、ソルビタンオレアート、セスキステアリン酸ソルビタン、ソルビタンステアラートおよびスクロースココエート、ソルビタンステアラート、ソルビタントリオレアート、ステアラミドMEA、ステアレス-100、ステアレス-2、ステアレス-20、ステアレス-21およびシリコーンをベースとした乳化剤を包含する。
【0052】
構造化剤(structurant)は、大抵、組成物の1重量%~30重量%で存在し、および、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ジベンジリデンソルビトール、ナトリウムステアラート、ステアリルアルコール、セチルアルコール、水添ヒマシ油、合成ワックス、パラフィンワックス、ヒドロキシステアリン酸、ジブチルラウロイルグルタミド、アルキルシリコーンワックス、クオタニウム-18ベントナイト、クオタニウム-18ヘクトライト、シリカ、またはプロピレンカーボネートを包含する。
【0053】
皮膚軟化薬は、当該技術分野において知られている、および、皮膚に対して鎮静効果を付与するために使用される。これらは、組成物の0.1~20重量%を表し得る。好適な例は、PPG-14ブチルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、PPG-3ミリスチルエーテル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、グリセリルモノリシンオレアート、イソブチルパルミタート、グリセリルモノステアラート、イソセチルステアラート、硫酸化獣脂、オレイルアルコール、プロピレングリコール、イソプロピルラウラート、ミンクオイル、ソルビタンステアラート、セチルアルコール、水添ヒマシ油、ステアリルステアラート、水添大豆グリセリド、イソプロピルイソステアラート、ヘキシルラウラート、ジメチルブラシレート、デシルオレアート、ジイソプロピルアジパート、セバシン酸n-ジブチル、セバシン酸ジイソプロピル、2-エチルヘキシルパルミタート、イソノニルイソノナノアート、イソデシルイソノナノアート、イソトリデシルイソノナノアート、2-エチルヘキシルパルミタート、2-エチルヘキシルステアラート、ジ-(2-エチルヘキシル)アジパート、ジ-(2-エチルヘキシル)スクシナート、ミリスチン酸イソプロピル、イソプロピルパルミタート、イソプロピルステアラート、オクタコサノール、ブチルステアラート、グリセリルモノステアラート、ポリエチレングリコール、オレイン酸、トリエチレングリコール、ラノリン、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、アセチル化ラノリン、ワセリン、ラノリンのイソプロピルエステル、脂肪酸、鉱油、ブチルミリスタート、イソステアリン酸、パルミチン酸、PEG-23オレイルエーテル、オレイルオレアート、リノール酸イソプロピル、セチルラクタート、ラウリルラクタート、ミリスチルラクタート、植物油、イソデシルオレアート、イソステアリルネオペンタノアート、ミリスチルミリスタート、オレイルエトキシミリスタート、ジグリコールステアラート、エチレングリコールモノステアラート、ミリスチルステアラート、ラノリン脂肪酸イソプロピル、パラフィンワックス、グリチルリチン酸、アルキルベンゾアート、ヒドロキシエチルステアラートアミド、および水添ポリイソブテンを包含する。
【0054】
制汗および脱臭用組成物は、1以上のフレグランスを包含し得る。様々なフレグランスは、匂い製品が所望される場合、制汗および脱臭用組成物において使用され得る。パーソナルケア用途に好適な任意のフレグランスは、制汗および脱臭用組成物に組み込まれ得る。フレグランスが使用される場合、それは、遊離の(非カプセル化された)フレグランスの(任意に乳化された)形態で存在し得るか、または、それは、このために、複数の封入材料の1つにカプセル化され得る。フレグランスは、組成物の0~5重量%で存在する。
【0055】
抗酸化剤は、組成物の0.001~2重量%の濃度で存在し得、および、トコフェロールおよびその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エリトルビン酸、没食子酸プロピル、エリトルビン酸ナトリウム、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ローズマリー抽出物、アスコルビン酸またはそれらの混合物を包含する。
【0056】
保存料は、大抵、組成物の0.001~2重量%で存在し得、および、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン、クエン酸、安息香酸、乳酸またはそれらの混合物の中で選択される。
【0057】
好ましくは、脱臭および制汗用組成物はさらに、水、噴霧剤、制汗および/または脱臭効果を有する他の添加剤、乳化剤、構造化剤、皮膚軟化薬、フレグランス、抗酸化剤または保存料以外の、少なくとも1つの液体キャリアを含む。
【0058】

例1
アルミニウムおよび亜鉛のカチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイト (HAP-AlZn)の調製
Ca(OH)の塩基性の水性懸濁液a)(206,7g/l)は、調製される。該懸濁液は、ZnCOに由来する亜鉛カチオン(Zn2+)を添加される(62,8g/l)。次いで、HPOの水溶液b)(289,5g/l)、および、同時に、AlCl・6HOの溶液c)(536,6g/l)は、添加される。
【0059】
溶液b)およびc)の添加は、40℃の温度で3~4時間実施される。
【0060】
溶液b)およびc)を、水酸化カルシウムの懸濁液に滴下した後、Zn2+カチオンを添加し、その結果得られる混合物は、1h撹拌され、および次いで24h静置される。母液は、次いで、遠心分離(1分あたり6000回転にて20分間)によって取り出される。固体部分は、蒸留水中に再分散され、および次いで再度遠心分離される。この洗浄操作は、少なくとも3回反復される。その終わりに、粉末は、乾燥される(換気されたオーブン中80℃での乾燥によって)。このように得られた多置換ヒドロキシアパタイトの粉末は、150μmに篩過される。得られた多置換ヒドロキシアパタイトは、Zn2+イオンを、0.176(17.6%)のZn/Caモル比で、およびAl3+イオンを、0.264(26.4%)のAl/Caモル比で含有する。
【0061】
例2
制汗および脱臭特性を有する化粧用組成物の調製
組成物1
制汗および脱臭特性を有する化粧用組成物は、例1において調製されたアルミニウムおよび亜鉛カチオンを有する多置換ヒドロキシアパタイト(HAP-AlZn)を20.0重量%使用することによって調製された。
【0062】
組成物は、以下の成分(HAP-AlZn以外はINCI名として報告される)を使用することによって調製された:
水(aqua)、HAP-AlZn、エチルヘキシルパルミタート、ミリスチン酸イソプロピル、セチルアルコール、グリセリン、オリーブ油加水分解小麦タンパク質、セテアリルアルコール、グリセリルステアラート、ジメチコン、ギョリュウバイ(Leptosperum Scopiarum)油、フェノキシエタノール、プロピレングリコール、コパイババルサムノキ(Copaifera Officianalis)樹脂、アンディロバ油、オリーブ(Olea Europaea)果実油、尿素、ソルビタンラウラート、ベンジルアルコール、グルコース、ナトリウムPCA、加水分解水添デンプン、フルクトース、水酸化カリウム、加水分解小麦タンパク質、ジクロロベンジルアルコール、ナトリウムグルタマート、グリシン、EDTA二ナトリウム、BHT、リシン、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、水酸化ナトリウム、ポリアクロイルジメチルタウリンナトリウム、トリデセス-10、水添ポリデセン、パルファム、ゲラニオール、3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、クマリン、シトロネロール、ヒドロキシシトロネラール、D-リモネン、シトラール、リナロール。
【0063】
組成物2(比較)
プラセボ対照組成物(HAP-AlZnを含有しない)は、以下の成分(INCI名)を使用することによって調製された:
変性アルコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、水(aqua)、パルミチン酸、パルファム、オクチルドデカノール、ステアリン酸、水酸化ナトリウム、ミリスチン酸、パンテノール、トコフェロールアセタート、ビサボロール、ペンチレングリコール、ジメチルフェニルプロパノール、メントール、アミルシンナマル、ベンジルベンゾアート、シンナミルアルコール、シトラール、シトロネロール、クマリン、オイゲノール、ゲラニオール、ヘキシルシンナマル、ヒドロキシシトロネラール、リモネン、リナロール、ブチルフェニルメチルプロパナール、アルファ-イソメチルイオノン。
【0064】
例3
汗低減試験
組成物1および2は、汗低減試験を用いて、それらの制汗効力について試験された。
【0065】
試験は、16人の成人対象に対して行われた。試験対象は、熱的に発汗を誘導するために、制御された環境(40℃の温度および30%~40%の相対湿度)に配置された。
対象の半分は、左側の腋窩に組成物1および右側の腋窩に組成物2を適用し、残りの対象は、その反対に割り当てられた。
【0066】
脇の下の発汗は、毎日の最後の処置の24時間後および48時間後に評価された。秤量前の吸収パッドは、制御された環境で、ウォームアップ期間(40分)の終わりに、各試験対象の両脇に配置された。対象は、制御された環境にさらに20分間(収集期間)とどまった:発汗は、吸収パット上に収集され、および、パッドは、収集期間の終わりに秤量された。脇の下のパッドは、全ての汗を吸収するのに好適な位置に配置され、および、収集期間においてそれらを無傷に維持するように注意した。
【0067】
全ての対象によって適用される各組成物の分量は、物理的なヒトが通常の使用条件を適用するであろう量を反映した。消費者の習慣を踏まえて、対象は、ほぼ300mgの産物(+/-10%)を適用した。組成物は、4日の処置期間、毎日1回適用された。
【0068】
毎日の最後の処置の24時間および48時間後の、16人の対象の腋窩の平均発汗(グラム)は計算され、および、結果は、表1に示される。
【0069】
【表1】
【0070】
表2は、組成物2で処置された腋窩に対する、組成物1で処置された腋窩についての、平均の発汗パーセントの低減を報告する。
【表2】
【0071】
表1および表2に報告される結果によって示されるとおり、組成物1(HAP-AlZnを含有する)は、制汗効力を実証する。