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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/04 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
A47C19/04 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022044019
(22)【出願日】2022-03-18
(65)【公開番号】P2023137701
(43)【公開日】2023-09-29
【審査請求日】2023-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻澤 晃平
【審査官】松山 雛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03688321(US,A)
【文献】特開2011-005156(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0003358(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に延びる第1フレームと、
前記第1フレームと連結され、前記幅方向と直交する長さ方向に延びるとともに、前記幅方向に間隔をおいて対向する一対の第2フレームと、
前記長さ方向において前記第1フレームと前記一対の第2フレームとの間に設けられた一対の延長フレームと、を備え、
前記第2フレームは、前記幅方向において他の前記第2フレームと対向する第1側面、および第1上面を有するフレーム本体と、前記第1フレーム側の端部に設けられた第1連結具と、を有し、
前記延長フレームは、第2側面および第2上面を有する延長フレーム本体と、前記第2側面と対向するとともに、前記第1連結具と前記第1フレームとを連結する第2連結具と、を有し、
記延長フレーム本体は、前記第2上面が前記第1上面と同一平面上に位置するように、前記長さ方向および前記幅方向と直交する高さ方向の位置を調整可能に前記第2連結具に取り付けられている、
ベッド装置。
【請求項2】
前記延長フレームは、前記延長フレーム本体に取り付けられるとともに、前記第2連結具に向けて延びる固定部材をさらに有し、
前記第2連結具は、前記第1フレームと対向する第1部分と、前記第1連結具と対向する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有し、
前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記高さ方向に延び、
前記第3部分は、前記高さ方向に沿って形成され、前記固定部材が挿入された長孔を有し、
前記延長フレーム本体は、前記長孔と前記固定部材とによって、前記高さ方向の位置を調整可能に前記第3部分に取り付けられている、
請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
前記第2連結具は、前記延長フレーム本体よりも内側に位置し、
前記延長フレーム本体は、前記高さ方向に前記第2連結具よりも突出している部分および前記高さ方向と反対の方向に前記第2連結具よりも突出している部分の双方を有している、
請求項1または2に記載のベッド装置。
【請求項4】
床板をさらに備え、
前記第2フレームは、前記第1側面に設けられ、前記床板を支持する支持部をさらに有し、
前記高さ方向において、前記第2連結具の上端は、前記支持部に配置された前記床板の上面よりも下方に位置している、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドボードおよびサイドフレームなどを有するベッドフレームと、ベッドフレームに配置された床板と、を備えるベッド装置が知られている。従来、利用者の身長などに応じて長さを変更することができるベッド装置について、様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ヘッド枠とフット枠とをサイドフレーム又はボックス引出し等の左右のサイド部材で連結したベッドにおけるヘッド枠とサイド部材との間に介設してベッド長さを延長させるためのベッド長さ延長具であって、ベッド長さ方向に所定の幅を有した左右一対の延長具本体を使用しているとともに、各延長具本体には、延長具本体のヘッド枠対面部に延長具本体をヘッド枠に連結できるヘッド枠連結手段と、延長具本体のサイド部材対面部に延長具本体をサイド部材に連結できるサイド枠連結手段とをそれぞれ設けている、ことを特徴とするベッド長さ延長具が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献2では、幅方向に延びるヘッドフレーム及びフットフレームと、該両フレーム間で長さ方向に延びる左右一対のサイドフレームと、前記フレーム上にて寝具を下側から支持する寝具支持具とを備え、前記サイドフレームは、前記ヘッドフレーム側に位置するヘッド側サイドフレームと、前記フットフレーム側に位置するフット側サイドフレームとを備え、前記ヘッド側サイドフレームまたはフット側サイドフレームの一方が他方に対して進退可能であって、ヘッド側またはフット側の何れかのサイドフレームを左右でそれぞれ進退させることによって全長を調節するようにしたことを特徴とする伸縮自在ベッドが開示されている。
【0005】
例えば、特許文献3では、標準サイズのベッドがサイドフレームを引き伸ばすことにより、ロングサイズになりスペンサーとサイドマットをのせることにより、ロングサイズとさせたことを特徴とする機構が開示されている。
【0006】
例えば、特許文献4では、長方形の辺に沿って配したフレームと、該フレームの一方の短辺対応部位に立ち上がる前端柵と、該フレームから垂下する複数の脚体とからなる伸縮ベッドに於いて、前記フレームの両長辺対応部位を、それぞれ、前記前端柵側から延長する一対の支分フレームと、該フレームの前端柵と平行な短辺対応部位から延長する一対の支分フレームとで構成し、該二対の支分フレームの内、一方の一対の支分フレームを大
径のパイプ体で構成し、他方の一対の支分フレームを該一方の一対のパイプ体の支分フレームに挿脱自在、かつ複数の挿入深さ位置でその挿入状態を固定可能な嵌合部材に構成した伸縮ベッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-5156号公報
【文献】特開2005-204992号公報
【文献】特開昭63-209612号公報
【文献】実用新案登録第3152947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1-4における提案であっても、ベッド装置に関しては、種々の改善の余地がある。ベッド装置には、サイズなどが異なる、多くの種類のベッドフレームが存在する。そのため、各種類のベッドフレームに対して、長さを変更するための部材をそれぞれ準備することは困難である。
【0009】
そこで、本発明は、利便性を向上させることができる延長フレームを備えるベッド装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るベッド装置は、幅方向に延びる第1フレームと、前記第1フレームと連結され、前記幅方向と直交する長さ方向に延びるとともに、前記幅方向に間隔をおいて対向する一対の第2フレームと、前記長さ方向において前記第1フレームと前記一対の第2フレームとの間に設けられた一対の延長フレームと、を備える。
【0011】
前記第2フレームは、前記幅方向において他の前記第2フレームと対向する第1側面、および第1上面を有するフレーム本体と、前記第1フレーム側の端部に設けられた第1連結具と、を有している。
【0012】
前記延長フレームは、第2側面および第2上面を有する延長フレーム本体と、前記第2側面と対向するとともに、前記第1連結具と前記第1フレームとを連結する第2連結具と、を有し、記延長フレーム本体は、前記第2上面が前記第1上面と同一平面上に位置するように、前記長さ方向および前記幅方向と直交する高さ方向の位置を調整可能に前記第2連結具に取り付けられている。
【0013】
前記延長フレームは、前記延長フレーム本体に取り付けられるとともに、前記第2連結具に向けて延びる固定部材をさらに有し、前記第2連結具は、前記第1フレームと対向する第1部分と、前記第1連結具と対向する第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有してもよい。
【0014】
前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記高さ方向に延び、前記第3部分は、前記高さ方向に沿って形成され、前記固定部材が挿入された長孔を有し、延長フレーム本体は、前記長孔と前記固定部材とによって、前記高さ方向の位置を調整可能に前記第3部分に取り付けられてもよい。前記第2連結具は、前記延長フレーム本体よりも内側に位置してもよい。前記延長フレーム本体は、前記高さ方向に前記第2連結具よりも突出している部分および前記高さ方向と反対の方向に前記第2連結具よりも突出している部分の双方を有してもよい。
【0015】
前記ベッド装置は、床板をさらに備えてもよい。前記第2フレームは、前記側面に設けられ、前記床板を支持する支持部をさらに有し、前記高さ方向において、前記第2連結具の上端は、前記支持部に配置された前記床板の上面よりも下方に位置してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利便性を向上させることができる延長フレームを備えるベッド装置を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施形態に係るベッド装置の概略的な斜視図である。
図2図2は、一実施形態に係るベッド装置の概略的な斜視図である。
図3図3は、ベッド装置の一部を拡大して示す概略的な部分拡大図である。
図4図4は、ベッド装置が備える延長フレームの概略的な斜視図である。
図5図5は、ベッド装置が備える延長フレームの概略的な側面図である。
図6図6は、延長フレームが備える第2連結具の概略的な正面図である。
図7図7は、延長フレームが備える第2連結具の概略的な平面図である。
図8図8は、延長フレームが備える第2連結具の概略的な断面図である。
図9図9は、延長フレーム本体と第2連結具との位置を説明するための図である。
図10図10は、ベッド装置の一部を拡大して示す概略的な部分拡大図である。
図11図11は、延長フレームと床板との位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一実施形態につき図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本実施形態に係るベッド装置100の概略的な斜視図である。図2は、図1に示すベッド装置100から床板3を外した状態を示している。
【0019】
図示したように、互いに直交するX方向、Y方向、およびZ方向を定義する。X方向はベッド装置100の幅方向に相当し、Y方向はベッド装置100の長さ方向に相当し、Z方向はベッド装置100の高さ方向に相当する。さらに、Z方向を上または上方と定義し、Z方向と反対側の方向を下または下方と定義する。
【0020】
Z方向と平行にベッド装置100を見ることを平面視と呼ぶ。Y方向におけるベッド装置100の一方側を頭側と呼び、他方側を足側と呼ぶ場合がある。Y方向は、例えばベッド装置100の頭側から足側に向かう方向である。ベッド装置100は、床面などの設置面に設置されている。
【0021】
ベッド装置100は、ベッドフレーム1と、脚部2と、床板3と、を備えている。ベッド装置100は、床板3上に配置される、図示しないマットレスなどをさらに備えてもよい。ベッドフレーム1は、例えば、主に木材によって形成されるが、金属材料、および樹脂材料などで形成される部分を含んでもよい。
【0022】
ベッドフレーム1は、枠状に形成されている。ベッドフレーム1は、平面視において、X方向に沿う短辺と、Y方向に沿う長辺とを有する略長方形状である。ベッドフレーム1は、第1フレーム10と、一対の第2フレーム20A,20Bと、第3フレーム30と、一対の延長フレーム40A,40Bと、を備えている。
【0023】
第1フレーム10および第3フレーム30は、X方向に延びるとともに、Y方向に並んでいる。Y方向において、第1フレーム10は頭側に位置し、第3フレーム30は足側に位置している。第1フレーム10は、ヘッドボードと呼ばれる場合がある。
【0024】
第1フレーム10は、例えば平板状に形成されている。第1フレーム10のZ方向の一端は、設置面と接している。第1フレーム10は、一対の第2フレーム20A,20Bおよび第3フレーム30と対向する面11を有している。
【0025】
ベッドフレーム1は、一対の延長フレーム40A,40Bによって、Y方向の長さを変更することができる。より具体的には、ベッドフレーム1は、一対の延長フレーム40A,40BのY方向の長さに相当する分、ベッドフレーム1のY方向の長さを長くすることができる。一対の延長フレーム40A,40Bは、Y方向において、第1フレーム10と一対の第2フレーム20A,20Bとの間に設けられている。
【0026】
一対の第2フレーム20A,20Bは、Y方向に延びるとともに、X方向に間隔をおいて対向している。一対の第2フレーム20A,20Bは、頭側において、一対の延長フレーム40A,40Bを介して第1フレーム10のX方向の両端部と連結されている。
【0027】
一対の第2フレーム20A,20Bは、足側において、第3フレーム30のX方向の両端部と連結されている。一対の第2フレーム20A,20Bは、例えば図示しない連結具などによって第3フレーム30と連結されている。
【0028】
図2に示すように、第2フレーム20A,20Bは、フレーム本体21と、支持部22と、をそれぞれ有している。フレーム本体21は、Y方向に延びている。フレーム本体21のX方向に沿う断面は、略長方形状である。
【0029】
第2フレーム20A(第2フレーム20B)のフレーム本体21は、X方向において他の第2フレーム20B(第2フレーム20A)と対向する側面211を有している。側面211には、支持部22がY方向に沿って設けられている。支持部22は、床板3(図1に示す)を支持する。支持部22は、受桟などと呼ばれる場合がある。支持部22のX方向に沿う断面は、略長方形状である。
【0030】
図1に示すように、床板3は、一対の第2フレーム20A,20Bの間において支持部22上に配置されている。床板3は、例えば、複数(例えば、2つ)の床板部31から構成されている。
【0031】
床板部31は、X方向に延びる複数の板材32と、複数の板材32を固定する固定板33(図11に示す)と、を有している。床板部31は、複数の板材32がY方向に所定の間隔で並ぶとともに、複数の板材32の下面側のX方向の両端部が固定板33によって固定されている。
【0032】
図2に示すように、脚部2は、一対の第2フレーム20A,20Bの足側に設けられている。脚部2は、固定板51と、2つの脚部材52と、によって構成されている。固定板51は、支持部22の下面と固定されている。2つの脚部材52は、固定板51のX方向の両端部に設けられ、設置面に向けて延びている。
【0033】
2つの脚部材52のZ方向の一端は、設置面と接している。一対の第2フレーム20A,20Bは、例えば、脚部2と第1フレーム10とによって、設置面から離れた所定の位置で、設置面に対して平行に支持されている。
【0034】
図3は、ベッド装置100の一部を拡大して示す概略的な部分拡大図である。ここでは、第2フレーム20A側について主に説明するが、第2フレーム20B側についてもX方向に沿う向きは異なるが、同様に構成されている。
【0035】
第1フレーム10は、Z方向に並ぶ、複数(例えば、2つ)のねじ12をさらに有している。ねじ12は、例えば、十字穴付き頭を有している。複数のねじ12は、第1フレーム10のX方向の端部に設けられた、図示しない取付孔に取り付けられている。
【0036】
第2フレーム20Aは、第1連結具23をさらに有している。第1連結具23は、側面211における第1フレーム10側の端部211aに設けられている。第1連結具23は、例えば金属材料で形成されている。第1連結具23は、平面視において、L字状に形成されている。
【0037】
第1連結具23は、側面211と対向する固定部24と、第1フレーム10と対向する固定部25と、を有している。固定部25は、固定部24からX方向と反対側の方向に向けて突出している。固定部24は、ねじなどによって、フレーム本体21と固定されている。固定部24は、例えば5つのねじによってフレーム本体21と固定されているが、この例に限られない。
【0038】
固定部25は、Z方向に並ぶ、2つの切欠き251,252を有している。上側に位置する切欠き251はX方向と反対側の方向に向けて開口し、下側に位置する切欠き252はZ方向と反対側の方向に向けて開口している。
【0039】
延長フレーム40Aは、延長フレーム本体41と、第2連結具42と、複数のねじ43,44と、を有している。第2連結具42は、第1連結具23と第1フレーム10との間に設けられ、第1連結具23の固定部25と第1フレーム10とを連結している。
【0040】
複数のねじ43,44は、固定部材の一例である。複数(例えば、2つ)のねじ43は、延長フレーム本体41に取り付けられ、複数(例えば、2つ)のねじ44は第2連結具42に取り付けられている。複数のねじ43,44は、例えば、十字穴付き頭を有している。
【0041】
Y方向において、延長フレーム本体41は、第1フレーム10とフレーム本体21との間に設けられている。延長フレーム本体41は、例えばフレーム本体21と同一の材料で形成されている。延長フレーム本体41のX方向に沿う断面の大きさは、例えばフレーム本体21のX方向に沿う断面の大きさと等しい。
【0042】
延長フレーム本体は、上面411と、上面411と反対側の下面412と、上面411と下面412とを接続する側面413と、を有している。側面413は、第2連結具42と対向している。
【0043】
フレーム本体21は、上面212と、上面212と反対側の下面213と、を有している。側面211は、上面212と下面213とを接続している。図3に示す例において、Z方向において、延長フレーム本体41の上面411および下面412の位置は、フレーム本体21の上面212および下面213の位置と等しい。
【0044】
他の観点からは、延長フレーム本体41の上面411はフレーム本体21の上面212と同一平面上に位置し、延長フレーム本体41の下面412はフレーム本体21の下面213と同一平面上に位置している。延長フレーム本体41の側面413は、フレーム本体21の側面211と同一平面上に位置している。
【0045】
図4乃至図8を用いて、延長フレーム40Aについて、説明する。ここでは、延長フレーム40Aについて主に説明するが、延長フレーム40Bにおいても同様に構成されている。図4以降において、ベッド装置100におけるX方向、Y方向、およびZ方向に沿って、説明する。
【0046】
図4は、ベッド装置100が備える延長フレーム40Aの概略的な斜視図である。図5は、ベッド装置100が備える延長フレーム40Aの概略的な側面図である。図6は、延長フレーム40Aが備える第2連結具42の概略的な正面図である。図7は、延長フレーム40Aが備える第2連結具42の概略的な平面図である。図8は、延長フレーム40Aが備える第2連結具42の概略的な断面図である。
【0047】
上述の通り、延長フレーム40Aは、延長フレーム本体41、第2連結具42、および複数のねじ43,44を有している。図5に示すように、複数のねじ43は、X方向に沿って延長フレーム本体41から第2連結具42に向けて延びている。複数のねじ43は、延長フレーム本体41に設けられた、複数の取付孔414に取り付けられている。
【0048】
延長フレーム本体41は、複数のねじ43によって、第2連結具42に取り付けられている。第2連結具42は、例えば、金属材料で形成されている。第2連結具42は、平面視において、U字状に形成されている。図3に示す例において、第2連結具42は、X方向と反対側の方向に向けて開口している。
【0049】
第2連結具42は、第1フレーム10(図3に示す)と対向する第1部分61と、第1連結具23と対向する第2部分62(図3に示す)と、第1部分61と第2部分62とを接続する第3部分63と、を有している。第3部分63は、延長フレーム本体41の側面413と対向している。
【0050】
図7に示すように、例えば、第1部分61と第3部分63とがなす角度、および第2部分62と第3部分63とがなす角度は、それぞれおおよそ90度である。第1部分61、第2部分62、および第3部分63は、Z方向にそれぞれ延びている。第2連結具42のZ方向の長さは、延長フレーム本体41のZ方向の長さよりも小さい。
【0051】
第1部分61は、Z方向に並ぶ、複数(例えば、3つ)の孔64を有している。複数の孔64は、第1部分61を貫通している。例えば、複数の孔64は、上側に設けられた1つの孔64と、下側に設けられ2つの孔64と、で構成されている。
【0052】
複数の孔64には、ねじ12(図3に示す)が挿入される。複数の孔64の形状は、例えば円形状であって、ねじ12が挿入可能な大きさに形成されている。第1部分61は、複数のねじ12によって第1フレーム10と連結される。
【0053】
第2部分62は、Z方向に並ぶ、複数(例えば、3つ)の孔65を有している。複数の孔65は、第2部分62を貫通している。図8に示すように、第2部分62には、第1部分61側の面に複数のナット66が設けられている。複数のナット66は、複数の孔65と対応する位置に溶接などによって、それぞれ固定されている。
【0054】
ねじ44は、孔65に挿入されるととともに、ナット66に取り付けられている。例えば、複数の孔65の形状は、複数の孔64の形状と同じである。複数の孔65のZ方向の位置は、複数の孔64のZ方向の位置とおおよそ等しい。第2部分62は、複数のねじ44によって第1連結具23の固定部25と連結される。
【0055】
一対の延長フレーム40A,40Bを使用する場合、例えば第1部分61および第3部分63が有する複数の孔64,65から、第2フレーム20A,20Bのフレーム本体21と第1連結具23との位置などに応じて、適当な位置に設けられた孔(例えば、2つの孔)を適宜選択することができる。
【0056】
第3部分63は、Z方向に並ぶ、複数(例えば、2つ)の長孔67を有している。複数の長孔67は、X方向に第3部分63を貫通している。複数の長孔67には、ねじ43がそれぞれ挿入されている。
【0057】
長孔67は、例えばZ方向に沿って延びる細長い形状であって、ねじ43が挿入可能な大きさである。図6に示すように、長孔67は、上側の内周面671と、内周面671と反対側に位置する下側の内周面672と、内周面671と内周面672とを接続する一対の内周面と、を有している。内周面671,672は、例えば円弧状の曲面である。長孔67は、上述の例に限られず、例えば略長方形状であってもよい。
【0058】
図9は、延長フレーム本体41と第2連結具42との位置を説明するための図である。図9においては、複数のねじ44を省略している。延長フレーム本体41は、複数の長孔67と複数のねじ43とによって、Z方向の位置を調整可能に第3部分63に取り付けられている。より具体的には、延長フレーム本体41は、第2連結具42に対して、実線で示す位置と破線で示す位置との間を移動可能に設けられている。
【0059】
延長フレーム本体41は、長孔67のZ方向の長さに対応する分、移動することができる。延長フレーム本体41は、複数のねじ43を緩めることで、第2連結具42に対してZ方向、およびZ方向と反対側の方向に移動可能となり、複数のねじ43を締め付けることで第2連結具42に対してZ方向の位置を決めることができる。
【0060】
ここで、ねじ43を緩めるとは、ねじ43を延長フレーム本体41から遠ざかる方向に向けて移動させることをいい、ねじ43を締め付けるとは、ねじ43を延長フレーム本体41に向けて移動させることをいう。
【0061】
延長フレーム本体41は、複数の長孔67と複数のねじ43とによって第2連結具42と取り付けられているため、Y方向の移動は制限され、Z方向に対して傾きにくくなっている。
【0062】
第2連結具42は、Z方向において、上端421と、上端421と反対側の下端422と、を有している。実線で示す延長フレーム本体41の位置において、複数のねじ43は、長孔67の内周面672と接している。
【0063】
この場合、延長フレーム本体41は、第2連結具42の下端422に対して、最もZ方向と反対側の方向に突出するように位置している。延長フレーム本体41の上面411は、第2連結具42の上端421よりも上方に位置している。
【0064】
延長フレーム本体41および複数のねじ43は、破線で示す延長フレーム本体41の位置に向けて、Z方向において、矢印Aで示すように移動することができる。例えば、破線で示す延長フレーム本体41の位置において、複数のねじ43は、長孔67の内周面671と接する。
【0065】
この場合、延長フレーム本体41は、第2連結具42の上端421に対して、最もZ方向に突出するように位置する。延長フレーム本体41の下面412は、第2連結具42の下端422よりも下方に位置する。
【0066】
延長フレーム本体41は、第2連結具42に対する位置に関わらず、Z方向およびZ方向と反対側の方向に突出する部分を有している。他の観点は、第2連結具42は、延長フレーム本体41よりもZ方向およびZ方向と反対側の方向に突出しない。そのため、利用者は、ベッド装置100の外側から第2連結具42には、到達しにくい。
【0067】
ここで、ベッド装置100の長さを変更する手順について、説明する。
まず、第1フレーム10の面11に第2連結具42の第1部分61を接触させた状態で、複数のねじ12を第1フレーム10の取付孔に締め付けることによって、一対の延長フレーム40A,40Bは第1フレーム10と固定される。ここで、ねじ12を第1フレーム10の取付孔に締め付けるとは、ねじ12を第1フレーム10に向けて移動させることをいう。
【0068】
ただし、第1フレーム10と一対の第2フレーム20A,20Bとが連結されている場合には、あらかじめ第1フレーム10から一対の第2フレーム20A,20Bおよび複数のねじ12を取り外しておく。
【0069】
第1連結具23と第2連結具42とを連結する前に、あらかじ第2連結具42の第3部分63には、複数のねじ44を取り付けておくと、次の工程が行いやすくなる。第1連結具23の固定部25が有する切欠き251,252を複数のねじ44に引っ掛けることができるためである。
【0070】
次に、第2連結具42の第2部分62に第1連結具23の固定部25を接触させた状態で、複数のねじ44を第2連結具42のナット66に締め付けることによって、一対の第2フレーム20A,20Bは一対の延長フレーム40A,40Bと固定される。ここで、ねじ44をナット66に締め付けるとは、ねじ44をナット66に向けて移動させることをいう。
【0071】
図10は、ベッド装置100の一部を拡大して示す概略的な部分拡大図である。図10は、延長フレーム本体41のZ方向の位置が図3に示す位置とは異なっている。図10における延長フレーム本体41は、Z方向において、図3における延長フレーム本体41よりも下側(設置面側)に位置している。ただし、図10における第2連結具42のZ方向の位置は、図3における第2連結具42のZ方向の位置と同じである。
【0072】
図10に示す例において、延長フレーム本体41の上面411はフレーム本体21の上面212と同一平面上に位置しておらず、延長フレーム本体41の下面412はフレーム本体21の下面213と同一平面上に位置していない。
【0073】
そのため、図10においては、延長フレーム本体41とフレーム本体21とによって、Z方向と反対側の方向に向けて凹む凹部Sが形成されている。凹部Sは、ベッド装置100の美観を損なう原因となり得る。
【0074】
さらに、延長フレーム本体41の上面411とフレーム本体21の上面212との段差、および延長フレーム本体41の下面412とフレーム本体21の下面213との段差が生じる。これらの段差は、ベッド装置100の安全性を低下させる原因となり得る。
【0075】
ベッド装置100の長さを変更した際、延長フレーム本体41とフレーム本体21とが図10に示す位置にある場合、本実施形態における一対の延長フレーム40A,40Bであれば、延長フレーム本体41の位置をフレーム本体21の位置と揃えることができる。
【0076】
まず、複数のねじ43を緩め、延長フレーム本体41をZ方向、およびZ方向と反対側の方向に移動可能な状態とする。次に、Z方向における延長フレーム本体41の上面411および下面412の位置がフレーム本体21の上面212および下面213の位置とそれぞれ等しくなるように、延長フレーム本体41を移動させる。
【0077】
例えば、図10に示す例においては、延長フレーム本体41をZ方向へ移動させる。そして、複数のねじ43を締め付けることで、第2連結具42に対して延長フレーム本体41を固定する。これにより、延長フレーム本体41の位置をフレーム本体21の位置と揃えることができる。この状態において、凹部Sは形成されていない。
【0078】
以上の手順によって、Y方向の長さが長くなったベッドフレーム1が完成する。さらに、床板3、マットレスなどを配置することでベッド装置100が完成する。図10においては、延長フレーム本体41をZ方向に移動させる例を説明したが、同様の手順によって、延長フレーム本体41をZ方向と反対側の方向に移動させることもできる。
【0079】
次に、延長フレーム40Aと床板3との関係について、説明する。
図11は、延長フレーム40Aと床板3との位置を説明するための図である。図11においては、X方向に沿って第2フレーム20Aと延長フレーム40Aとを見ている。支持部22には、床板3を構成する床板部31が配置されている。
【0080】
床板部31は、マットレスなどが配置される上面を有している。床板部31の上面は、床板3の上面に相当する。床板部31の上面は、複数の板材32の上面321によって構成されている。床板部31の上面321は、第2連結具42の上端421よりも上方に位置している。
【0081】
第2連結具42の観点からは、Z方向において、第2連結具42の上端421は、床板部31の上面321よりも下方に位置している。つまり、ベッドフレーム1において、第2連結具42は、上端421が床板3の上面を越えない位置に設定されている。
【0082】
図11に示した例においては、床板部31の上面321は、第2連結具42の上端421よりも上方に位置しているが、床板部31の上面321のZ方向の位置は第2連結具42の上端421のZ方向の位置と等しくてもよい。
【0083】
以上のように構成されたベッド装置100であれば、一対の延長フレーム40A,40Bは、延長フレーム本体41と、第1連結具23と第1フレーム10とを連結する第2連結具42と、をそれぞれ有し、延長フレーム本体41は、Z方向の位置を調整可能に第2連結具42に取り付けられている。
【0084】
より具体的には、延長フレーム本体41は、複数の長孔67と複数のねじ43とによって、Z方向およびZ方向と反対側の方向に移動可能に第2連結具42に取り付けられている。そのため、第1フレーム10と第2フレーム20A,20Bとを第2連結具42によって連結した後に、延長フレーム本体41は、Z方向の位置を調整することができる。
【0085】
これにより、図10を用いて説明したように、延長フレーム本体41の位置がフレーム本体21の位置と揃っていない場合であっても、延長フレーム本体41の位置をフレーム本体21の位置と揃えることができる。
【0086】
ベッドフレームの種類によって、Z方向におけるフレーム本体21と第1連結具23との位置関係は異なる場合がある。一対の延長フレーム40A,40Bであれば、第1連結具23に対するフレーム本体21の位置が異なる複数のベッドフレームに対応することができる。このように利便性が向上された一対の延長フレーム40A,40Bであれば、ベッドフレーム1の種類の数と同数の延長フレームをそれぞれ準備する必要がない。
【0087】
さらに、本実施形態に係るベッド装置100であれば、延長フレーム本体41とフレーム本体21とによって、凹部Sが形成されないため、ベッド装置100の美観を損なうことなく、ベッドフレーム1の長さを長くすることができる。
【0088】
さらに、延長フレーム本体41の上面411とフレーム本体21の上面212との段差、および延長フレーム本体41の下面412とフレーム本体21の下面213との段差が生じないため、ベッド装置100の安全性が低下せずに、ベッドフレーム1の長さを長くすることができる。
【0089】
さらに、本実施形態に係るベッド装置100であれば、Z方向において、第2連結具42の上端421が床板部31の上面321よりも下方に位置しているため、床板3にマットレスなどを配置する際に第2連結具42が邪魔になりにくい。
【0090】
本実施形態によれば、利便性を向上させることができる延長フレーム40A,40Bを備えるベッド装置100を提供することができる。以上の実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、本実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【0091】
なお、本実施形態において、一対の延長フレーム40A,40Bは、第1フレーム10と一対の第2フレーム20A,20Bとの間に設けられているが、一対の第2フレーム20A,20Bと第3フレーム30との間に設けられてもよい。
【0092】
一対の延長フレーム40A,40Bは、第1フレーム10と一対の第2フレーム20A,20Bとの間、および一対の第2フレーム20A,20Bと第3フレーム30との間にそれぞれ設けられてもよい。
【0093】
第1フレーム10の形状は、図示した例に限られず、第3フレーム30と同様の形状でもよい。本実施形態において、第3部分63は2つの長孔67を有しているが、長孔67の数量は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。固定部材の一例として、十字穴付き頭を有するねじ12,43,44を開示したが、固定部材には、他の種類のねじなどを適用することもできる。
【0094】
ベッドフレーム1を長くすると、床板3と第1フレーム10との間に空間が形成されるが、当該空間に適した床板をさらに設けてもよい。さらに、ベッド装置100には、長さを変更後のベッドフレーム1に対応するマットレスを適用してもよいし、一対の延長フレーム40A,40BのY方向の長さに対応する補助マットレスを適用してもよい。床板3には、屈曲することが可能な床板や、背上げ機構などの電動機構を有するフレームなども含まれる。
【符号の説明】
【0095】
100…ベッド装置、1…ベッドフレーム、10…第1フレーム、20A,20B…第2フレーム、21…フレーム本体、22…支持部、23…第1連結具、3…床板、40A,40B…延長フレーム、41…延長フレーム本体、42…第2連結具、43…ねじ(固定部材)、61…第1部分、62…第2部分、63…第3部分、67…長孔、211…側面、211a…端部。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11