IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーダブリュ ペイパーシステムズ シュトゥットガルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7548959シートの位置的に定められた搬送のための装置及び方法
<>
  • 特許-シートの位置的に定められた搬送のための装置及び方法 図1
  • 特許-シートの位置的に定められた搬送のための装置及び方法 図2
  • 特許-シートの位置的に定められた搬送のための装置及び方法 図3
  • 特許-シートの位置的に定められた搬送のための装置及び方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】シートの位置的に定められた搬送のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/66 20060101AFI20240903BHJP
   B65H 35/04 20060101ALI20240903BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65H29/66
B65H35/04
B65H29/24 C
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022064281
(22)【出願日】2022-04-08
(62)【分割の表示】P 2020519846の分割
【原出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2022093379
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】102017005661.7
(32)【優先日】2017-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018103563.2
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102018103597.7
(32)【優先日】2018-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519448186
【氏名又は名称】ビーダブリュ ペイパーシステムズ シュトゥットガルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】シリング アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クライン ハンスイェルク
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-078000(JP,A)
【文献】特開2004-043106(JP,A)
【文献】米国特許第05275394(US,A)
【文献】特表2015-514651(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0069696(US,A1)
【文献】特表2015-524781(JP,A)
【文献】特開2000-296960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/54-29/70
B65H 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するための搬送デバイスを有し、シート(3)を領域単位でアンダーラップする又はオーバーラップするための鱗状列化デバイス(10)を有し、シート(3)の搬送方向(X)に前記鱗状列化デバイス(10)の下流に位置し、鱗状列形態に寄せ合わされたシート(3)の通過のための制動ギャップを形成することによって鱗状列化されたシート(3)を制動するように機能する制動デバイス(17)を有し、前記鱗状列化デバイス(10)の上流に位置決めされ、材料ストリップを個々のシート(3)に切断するように機能する横切りデバイス(5)を有し、
吸引取り込みセクション(24)が、前記鱗状列化デバイス(10)と前記制動デバイス(17)の間に設けられ、鱗状列流内で後続するシート(3)を吸引して前記制動デバイス(17)の中に更に搬送するように機能し、
更に別の吸引取り込みセクション(25)が、前記横切りデバイス(5)と前記鱗状列化デバイス(10)の間に設けられた、アンダーラップ又はオーバーラップするシート(3)の鱗状列流を形成するための装置(1)であって、
前記吸引取り込みセクション(24)の負圧及び前記更に別の吸引取り込みセクション(25)の負圧は、別々の吸引取り込みデバイスでそれぞれ形成され、各吸引取り込みデバイスは、吸引ボックスを有し、
前記吸引取り込みセクション(24)及び前記更に別の吸引取り込みセクション(25)は前記搬送デバイスの吸引ベルト(9)の下方に配置され、
前記吸引取り込みセクション(24)と前記更に別の吸引取り込みセクション(25)とは、前記吸引ベルト(9)の下方で、前記鱗状列化デバイス(10)の叩きシャフト(15)の領域で分断され、前記吸引取り込みセクション(24)と前記更に別の吸引取り込みセクション(25)との間には、負圧が発生しない前記シートの搬送平面内の領域があり、前記吸引取り込みセクション(24)及び前記更に別の吸引取り込みセクション(25)にそれぞれ異なる負圧がもたらされ、前記吸引取り込みセクション(24)の領域で吸引される圧力レベルは、前記更に別の吸引取り込みセクション(25)の領域で吸引される圧力レベルよりも低く、前記吸引取り込みセクション(24)で発生された負圧と周囲圧力との圧力差が、前記更に別の吸引取り込みセクション(25)で発生された負圧と前記周囲圧力との圧力差よりも小さく形成される、ことを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記鱗状列化デバイス(10)は、該鱗状列化デバイス(10)の位置が、切断長さに依存する方式で前記シート(3)の前記搬送方向に及び/又はその逆方向に調節可能であるように設計されることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記吸引ベルト(9)は、前記吸引取り込みセクション(24)、前記鱗状列化デバイス(10)の領域、及び前記更に別の吸引取り込みセクション(25)にわたって前記シート(3)の前記搬送方向に連続的に案内されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
分離されたシート(3)が、鱗状列化デバイス(10)に搬送され、鱗状列流(2)を発生させるために領域単位でアンダーラップ又はオーバーラップされ、鱗状列化されたシート(3)が、シート(3)の搬送方向(X)に前記鱗状列化デバイス(10)の下流に位置する制動デバイス(17)を用いて制動される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置(1)を用いて実施される、アンダーラップ又はオーバーラップするシート(3)の鱗状列流(2)を形成する方法であって、
鱗状列流の後続シート(3)が、取り込み吸引のアクションの下で前記制動デバイス(17)の中に搬送される、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンダーラップ又はオーバーラップするシート、特に、紙又は段ボールシートの鱗状列流(shingled stream)を形成するための装置、特に、いわゆるロールタイプ横切りカッターに関連し、この装置は、シートを搬送するための搬送デバイスを有し、シートを領域単位でアンダーラップ又はオーバーラップするための鱗状列化デバイス(shingling device)を有し、シートの搬送方向に鱗状列化デバイスの下流に位置付けられ、特に、鱗状列形態(shingled form)に寄せ合わされたシートの通過のための制動ギャップを形成することによって鱗状列化されたシートを制動するように機能する制動デバイスを有し、かつ鱗状列化デバイスの上流に位置決めされ、材料ストリップを個々のシートに切断するように機能する横切りデバイスを有する。本発明は、更に、アンダーラップ又はオーバーラップするシート、特に箔又は紙又は段ボールシートの鱗状列流を形成する方法、更に、特に、横切りカッターを用いて材料ストリップから切断された個々のシートの鱗状列流を形成する方法に関連し、分離されたシートは、鱗状列化デバイスに搬送され、かつ鱗状列流を発生させるために領域単位でアンダーラップ又はオーバーラップされ、鱗状列化されたシートは、シートの搬送方向に鱗状列化デバイスの下流に位置付けられた制動デバイスを用いて制動される。
【背景技術】
【0002】
ロールタイプの横切りカッターは、例えば、DE 101 03 040 A1から公知である。公知のロールタイプの横切りカッターを用いて、紙又は段ボールシートは、紙ロールの形態の実質的に無限のストリップとして提供することができる。ロール又はドラムを有する給送デバイスを用いて、ストリップは、横切りデバイスに給送され、かつそこで定められた長さを有するシートに切断される。紙のある一定のウェブ長さを維持するために、多くの場合に給送デバイスの上流に紙ストアが位置決めされる。切断シートは、シートのアンダーラップする構成を形成するための鱗状列化デバイスに高速稼動搬送ベルトの支援によって給送される。鱗状列化デバイスは、持ち上げシャフトと、後者の上方に配置された吸引ベルトとを含む。鱗状列化デバイスを通って延びるシートは、シートの定められた点で、特にシートの後縁に関連して、持ち上げシャフトによって搬送平面に対して持ち上げられ、かつその上方に配置された吸引ベルトに対して押圧される。吸引ベルトは、横切りデバイスからシートを前方に搬送する高速稼動搬送ベルトよりも低速で回転する。従って、シートの後縁が、吸引ベルトがその上方に配置された持ち上げシャフトによって押圧されて吸引ベルトによって保持された時に、シートは制動される。鱗状列化デバイスは、ここでは第1の後部制動ユニットとして作用する。
【0003】
第2の前部制動ユニットとしての制動デバイスは、鱗状列流の搬送方向に鱗状列化デバイスの下流に位置決めされる。そのような制動デバイスは、例えば、DE 38 12 685 A1に説明されている。制動デバイスは、搬送ベルト、更に別のロール、又はドラムと共に制動ギャップを形成する少なくとも1つのいわゆるニップロールを有することができる。制動デバイスと鱗状列化デバイスの間の間隔は、シートのシート前縁が、好ましくは制動デバイスの制動ギャップの中に真っ直ぐに延び、かつ後部シート領域、特にシートの後縁が鱗状列化デバイスの持ち上げシャフトによって吸引ベルトに対して正に押圧された時に減速されるように設定される。このようにして、シートは、前部シート領域でニップロールにより、及び後部シート領域で鱗状列化デバイスの吸引ベルトにより、好ましくは同時に制動又は減速される。シートのその前縁及び後縁の領域での同時制動を用いて、制動工程中のシート内の波の形成が防止される。後続シートは、既に上昇された先行シートよりも高速で移動する。先行シートは吸引ベルト上でその後縁によって持ち上げられるので、後続シートの前縁は、先行シートの下に搬送することができる。先行及び後続シート間の速度の差は、すなわち、シートのアンダーラップする構成をもたらす。連続鱗状列流が、それによって生成される。制動デバイスに続いて、アンダーラップされたシートによって形成された鱗状列流は、同じ速度及びアンダーラップされたシートの同じ鱗状部長さで、更に別の加工機械までの低速稼動搬送ベルトを有する移送テーブルの上に前方に搬送される。
【0004】
前出段落で上述したように、シートは、それらの前縁及び後縁でほぼ同時に制動される。特に、長いシートフォーマットの場合に、シートの垂みが発生する場合があり、垂れ下がる先行シートは、その前方移動において後続シートを妨げる場合がある。これは、制動ギャップでの後続シートの位置決め精度における問題に至る可能性がある。シートの垂みを防止するために、上述のアンダーラップする構成の場合に、叩きシャフトによって押し上げられた後のシートは、吸引ベルトによって引かれ、保持され、更に引き締められる又は引っ張られる。
【0005】
シートの引張は、吸引ベルトの速度が制動デバイスのニップロールの速度よりも幾分低く設定されることによって実現される。ニップロールと吸引ベルトの間の速度差によってシート上に掛けられる引張力に起因して、シートは引張され、垂みは低減される。先行シートが吸引ベルトの係合領域の外に搬送される時に、このシートは、もはや吸引ベルトによって保持されない。下に落ちるシートは、位置的に定められたアンダー鱗状列化構成がもはや可能ではないと考えられる方式で後続シートの前縁を邪魔するであろう。先行シートの自重によって生じたより大きい摩擦に起因して、より高速稼動する後続シートは、その前方移動を妨げられるであろう。この理由で、その後縁で上昇されたシートは、吸引ベルトのアクションの領域内に1サイクルよりも長く留まる。サイクルは、第1の先行シートの上昇と第2の後続シートの上昇の間の時間周期を指す。従って、先行シートは、それが吸引ベルトの影響の領域を離れる時に、後続の上昇して既に吸引されたシートによって持ち上げられ続けることが保証され、その理由は、後続シートの後縁が、吸引ベルトのアクションの領域にこうして既に位置付けられ、後続シートが先行シートを持ち上げるからである。吸引ベルトは、従って、上昇したシート及び同じく上昇したシートによって保持されるシートの両方を確実に保持することができるように十分に高い吸引パワーを印加しなければならない。
【0006】
シート長さの増加は、後続シートによって担持されるべきである先行シートの重量の増加を引き起こす。従って、大きいシートフォーマットの場合に、シートの垂みのリスクが増大する。更に、低速運転搬送ベルトと鱗状列化デバイスの吸引ベルト、すなわち、シートの後縁を案内する吸引ベルトとの間の速度差にも関わらず、シートの垂みを完全に防止することは可能ではない。この理由で、特に長いシートフォーマットの場合に、先行シートのより大きい垂みが発生し、その結果として、摩擦接触に起因して後続シートの前縁に対する制動アクションが生成される場合がある。これは、後続シートの位置決め及び位置に対して悪影響を有する。滑ったか又は鱗状列流内に最適に位置しないシートは、シートの損傷に至る位置誤差に至るが、むしろ更に装置全体の停止に至る場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】DE 101 03 040 A1
【文献】DE 38 12 685 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、制動デバイスの中へのシートストリーム内の後続シートの正確な又は定められた流入を可能にする導入部で言及したそれぞれのタイプの装置及び方法を提供することである。更に、高い搬送速度であっても、制動デバイスの中に正確に延びないシートに起因する損傷を確実に回避することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、好ましくはシートの搬送平面の下方に形成され、かつ制動デバイスの中への鱗状列流内の後続シートのシート前縁の前方搬送に関して機能する吸引取り込みセクションが鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の領域に設けられるという点で導入部に言及したタイプのデバイスの場合に本発明によって達成される。従って、本発明による方法では、鱗状列流の後続シートは、吸引取り込みのアクションの下で制動デバイスの中に好ましくは下方から搬送されるように規定される。
【0010】
本発明は、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の領域での吸引取り込みを用いて定められた方式で制動デバイスに後続シートの前縁を給送するという根本的概念に基づいている。後続シートのシート前縁は、先行シートに対してここでは少なくともセクション単位で前方に移動され、アンダー鱗状列化構成の場合に、シート前縁は、下方から吸引されて先行シートの下方に位置付けられる。オーバー鱗状列化構成の場合に、後続シートのシート前縁は、上方から吸引され、次に先行シートの上方に位置付けられる。前縁の及び従ってシート全体の位置決め精度は、それによって有意に増大する。本発明の支援により、前縁の位置不正確性に起因して生じる場合がある制動点でのシートの損傷を防止することも可能である。
【0011】
吸引取り込みセクションは、例えばアンダー鱗状列化構成の場合に、シートの搬送平面の下方の負圧の発生によって形成される。本発明によるソリューションは、シートのオーバー鱗状列化と共に適切な適応化を用いて実現することもできることは言うまでもない。
【0012】
吸引取り込みセクションを形成するために、少なくとも1つの吸引取り込みデバイスが設けられる。例えば、吸引取り込みデバイスは、搬送方向に移動されて鱗状列化デバイスを通過した後のシートの前方搬送に関して機能する少なくとも1つの吸引ベルトと相互作用することができる。吸引取り込みデバイスによって発生される負圧は、シートの少なくとも前縁又は前縁の領域がシートが望ましい位置において正確に搬送されるように固定される方式で形成される。
【0013】
吸引取り込みセクションは、好ましくは、搬送方向に関して横断方向に互いに背後に配置されて互いに平行に延びる複数の吸引ベルトによって形成される。吸引ベルトは、シートを吸引して搬送するのに使用される。吸引ベルトの各々には、専用吸引取り込みデバイスを割り当てることができる。しかし、単に単一の吸引取り込みデバイス、例えば吸引ボックスを設けることも可能であり、それを通じて、負圧が吸引ベルトの全てに対して発生される。これに代えて、吸引取り込みセクションは、搬送方向に関して横断方向に互いに背後に配置されて互いに平行に延びる複数の搬送ベルトによって形成されることも可能であり、こうして負圧は、搬送ベルトを通じて発生されない。この実施形態では、負圧を発生させるために搬送ベルト間に位置する吸引取り込みゾーンを形成することができる。吸引取り込みデバイスは、次に、シートに作用して後者を搬送ベルトによるシート搬送中に搬送ベルトに対して引き出す負圧を吸引取り込みゾーンの領域に発生させるように設計される。
【0014】
その前縁を吸引取り込みセクションの領域の中に入れて通過するシートは、少なくともシート前縁の領域で引っ張られ、従って、シートの搬送方向の定められた位置で搬送される。シートの前縁は、シートの前縁が搬送中に解除されないように、ここでは少なくとも1つの吸引ベルト又は搬送ベルト上に固定される。この理由で、シート前縁は、制動デバイスの制動ギャップの中に損傷なく搬送することができる。アンダー鱗状列化構成の場合に、鱗状列化デバイス内のシートの後縁は、正にシート前縁が制動デバイスに入る時に、鱗状列化デバイスの叩きシャフトにより、その上方に配置された鱗状列化デバイスの吸引ベルトに対して押すことができる。シートの後縁は、次に、鱗状列化デバイスの吸引ベルトによって持ち上げられ、シート前縁及びシート後縁の領域で同時に制動される。後続シートは、高速稼動搬送デバイス上に位置付けられ続けることができ、少なくともその前縁の領域は、吸引取り込みセクションの領域に入る。後続シートは、シートの搬送方向の定められた位置を用いて、制動デバイスまで先行シートの下方で先行シートに対してここではより高速で搬送される。吸引取り込みセクションからのシートの前縁の離脱は、従って防止される。後続シートは、従って、損傷なくかつ先行シートとの衝突なく先行シートの下方で制動デバイスまで搬送することができる。シートストリームのアンダー鱗状列化構成が、それによって達成される。当業者は、異なる配置ではシートストリームのオーバー鱗状列化構成も達成することができることを知っている。本発明は、従って、シートストリームのアンダー鱗状列化構成及びオーバー鱗状列化構成の両方に明示的に言及する。
【0015】
更に別の吸引取り込みセクションが、好ましくは、横切りカッターと鱗状列化デバイスの間に設けられる。鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクション、及び更に別の吸引取り込みセクションは、同じ吸引取り込みデバイスを用いて又は複数の別々の吸引取り込みデバイスを用いて形成することができる。更に別の吸引取り込みセクションは、シートを定められた方式で望ましい位置において横切りカッターから鱗状列化デバイスまで搬送するように機能する。それによってシートの高い位置決め精度が達成され、これは、横切りカッター及び鱗状列化デバイスの両方が更に別の加工機と同じサイクルで作動すべきであるので必要である。このサイクルに起因して、どの時点でもシート前縁がこの時点に関して定められた位置を取ることが重要である。位置精度は、勿論シート全体を指している。
【0016】
鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクション及び鱗状列化デバイスの領域での更に別の吸引取り込みセクションは、分断されるように更に規定することができる。鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションと更に別の吸引取り込みセクションとの間には、次に、負圧が発生しない又は有意に少ない負圧が発生するシートの搬送平面内の領域がある。これは、シート後縁が叩きシャフトを用いて上昇される時に特に有利である。それによってシートの後縁の上昇は、仮にあるとしても有意に低減された吸引力がシートの後縁に作用するので、上昇工程中に容易にされる。吸引取り込みセクションは、シートが少なくとも前縁の領域で吸引され、かつシート後縁が叩きシャフトによって把持されてその上方に位置する鱗状列化デバイスの吸引ベルトの上に押されている間及びその後に搬送方向に定められた位置で搬送されるようにここでは設計される。鱗状列化デバイスの叩きシャフトの領域では、仮にあるとしても有意に低減された吸引力がシートに作用するので、上昇工程中にシートが受ける負荷は低減される。上昇工程中のシートの後縁に対する高い吸引アクションは、シートが上昇工程中に損傷する又は滑ってその定められた位置から外れることに至る可能性があると考えられる。
【0017】
有利な方式では、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションの領域での圧力レベルは、横切りカッターと鱗状列化デバイスの間の更に別の吸引取り込みセクションの領域内ほど激しくなく低減される。「ほど激しくなく」とは、この関連では、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションで発生された負圧と周囲圧力との圧力差が、更に別の吸引取り込みセクションの領域よりもそれほど厳格に形成されないことを意味する。これは、シートが高い位置的精度を達成するために横切りカッターと鱗状列化デバイスの間の領域で高い力で引かれることに至る。鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションの領域では、シート又は少なくともシートの前縁は、それほど激しくは引かれない。鱗状列化デバイスの両側の異なる負圧レベルは、横切りカッターから制動デバイスへの正確かつ迅速なシート搬送を可能にする。
【0018】
鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションの領域では、2mbar未満、好ましくは1mbar未満、より好ましくは0.5mbar未満、特に好ましくは0.1mbar未満の周囲圧力に対する圧力の低減が生じる場合に好都合とすることができる。しかし、圧力の低減は、有意により高い可能性もあり、0.5~10mbar、好ましくは1~5mbar、特に2mbarまでの周囲圧力に対する圧力の低減を提供することができる。圧力の低減によって有利に達成される効果は、シート前縁及び従ってシート全体を定められた位置で搬送することができることである。
【0019】
更に有利な方式では、更に別の吸引取り込みセクションの領域では、すなわち、横切りカッターと鱗状列化デバイスの間の領域では、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の領域よりも10倍から100倍大きい圧力の低減が生じる。より大きい負圧を用いて、シートは、正確な位置において横切りカッターから鱗状列化デバイスに搬送される。
【0020】
有利な実施形態では、鱗状列化デバイスは、切断長さに依存する方式でシートの搬送方向に及び/又はその逆方向に調節可能であるように設計される。それによってシートフォーマット変更に対する装置の簡単な適応化が可能である。「切断長さに依存する」という語は、シートのフォーマット変更に関して横切りカッターに対する及び好ましくは制動デバイスに対する鱗状列化デバイスの配置の変更を指す。更に別の有利な実施形態では、制動デバイスは、シートの搬送方向に及び/又はその逆方向に調節不能であるように設計される。従って、移送点と制動デバイスの間の間隔は、各シートフォーマットに対して同じであり、すなわち、切断長さとは独立である。
【0021】
鱗状列化デバイスは、次に、現在の(新しい)シート長さに依存してシートの搬送方向に又はその逆方向に制動デバイスに対して移動され、オフセットされ、又は変位することができ、従って、設定することができるどのシート長さに対しても、先行シートは、制動デバイスによって前部でかつ鱗状列化デバイスによって後部でほぼ同時に制動される。特に、フォーマット変更の事象において移送点と制動デバイスの間の間隔又は移送長さ定数を保つことが可能であり、フォーマット変更の事象において、制動デバイスは、好ましくは調節されない。これに代えて、好ましくは固定された位置に配置された制動デバイスと鱗状列化デバイスの間の間隔は、鱗状列化デバイスの調節によって実際のシート長さに適応される。シート加工機械へのシートの前部移送点と制動デバイスの間の間隔、又は異なるフォーマット又は切断長さに対する移送長さは、すなわち、同じに留まり、これは、異なるシートフォーマットに装置を設定する時にかなりの簡略化に至る。特に、同じに留まる移送長さを用いて、フォーマット変更の事象において鱗状列流内のシートのオーバーラップする長さを変更することは不要である。
【0022】
更に、各シートフォーマットに対して同一である装置の定められた停止点を定義することができる。鱗状列化又はオーバーラップする長さの程度は、移送点と制動デバイスの間に固定された間隔がある時に各シートフォーマットに対して同じに保つことができる。移送点と制動デバイスの間の長さは、鱗状部長さの整数倍に正確に対応する。停止の事象において、先行シートは、常に吸引ベルトの影響の領域に位置付けられ、その結果として、後続シートが先行シートの下に押されることが可能である。システム停止の事象において、後続シートは、先行シートの下に搬送して先に進めることができる。その結果、オーバーラップする長さが、後続シートのためのバッファとして作用するので、高速稼動ベルトを低速稼動ベルトほどは激しく又は急速に制動しなくてもよいことが可能である。それによって高速稼動ベルトの及びその制動ユニットの実質的な応力は、有意に低減することができる。シートの非制御滑りのリスクが制動の低減によって最小にされるので、シートの制動は、それほど強く支援されなくてもよい。それによってシステム停止の事象でのエネルギ要求を更に低減することができる。装置が再始動する時に、低速稼動ベルトは、時間の観点から高速稼動ベルトの直前に駆動することができ、その結果として、正しい位相位置が装置内に回復される。この関連において、位相位置は、叩きシャフトに対するシートの相対位置及び横切りデバイス上のブレードの位置が常に互いに対して固定位置を取ることを意味する。従って、システム始動は、単純方式で短時間内に可能である。
【0023】
横切りデバイスが現在切断位置にある間の装置の停止を防止することが更に可能である。横切りデバイスが現在切断を実行している間の装置の停止は、シートの及び/又は材料ウェブの非制御損傷に至る可能性がある。この点に関して、切断位置での装置の停止は回避しなければならない。後続シートは、既に上昇された先行シートに対するバッファとして鱗状列化長さ又はオーバーラップする長さを有するので、低速稼動搬送ベルト及び横切りデバイスは、特に横切りデバイスが切断位置の外側で停止するように停止することができる。
【0024】
搬送デバイスは、少なくとも1つの吸引ベルト、特に、互いに平行に延びる複数の吸引ベルトを有するベルト配置を有利に有し、吸引ベルトは、横切りカッターから制動デバイスまで、すなわち、2つの吸引取り込みセクション及び鱗状列化デバイスの領域にわたってシートの搬送方向に連続的に案内される。従って、単に1つの好ましくは高速稼動吸引ベルト又は単に1つのベルト配置が、2つの吸引取り込みセクション及び鱗状列化デバイスの領域にわたって延びる。この手段により、容易かつ簡単な制御が達成される。従って、搬送方向に順々に配置されたベルトセクションの同期は不要である。しかし、これに代えて、2つの吸引取り込みセクションの領域でのシート搬送を可能にするために、互いから分離されたベルトセクションを設けることもできる。
【0025】
少なくとも1つの吸引取り込みデバイスが、吸引取り込みセクションを形成するために有利に設けられ、吸引取り込みデバイスは、吸引プロファイル又は吸引ボックスを有する。吸引プロファイル又は吸引ボックスの使用は、ターゲット方式かつ局所限定方式で発生される負圧を発生させることを可能にする。有利な方式では、連続吸引プロファイルが設けられ、特に、圧力を低減し、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションを形成し、かつ更に別の吸引取り込みセクションを形成するために、シートの搬送方向に対して横断方向に互いの背後に位置する複数の吸引プロファイル又は連続的な吸引ボックスの配置が提供される。単純方式での横切りカッターから制動デバイスまでの連続吸引プロファイルは、シートの搬送方向にプロファイル長さにわたる簡単な密封及び負圧の発生の適応化を可能にする。
【0026】
好ましい実施形態では、圧力の低減の非連続的な減少又は急激な圧力降下が、鱗状列化デバイスの領域で吸引プロファイル又は吸引ボックスの長さにわたって提供される。これは、吸引プロファイル内の負圧が、鱗状列化デバイスの上流のシートの搬送方向でのより低い負圧から鱗状列化デバイスの下流でのそれ程低くない負圧までオーバーラッピングデバイスの領域で増加することを意味する。この目的に対して、簡単な分断なし吸引プロファイル又は簡単な分断なし又は連続的な吸引ボックスを設けることができ、吸引プロファイル又は吸引ボックス内の負圧レベルは、ロック又はシールによって分割される。換言すると、吸引取り込みセクションの長さは、ロックの位置の変化によって変更することができる。ロック又はシールにより、吸引プロファイル又は吸引ボックスの長さにわたって圧力の低減の非連続的な変化が発生する。シートの搬送方向の吸引プロファイル又は吸引ボックス内の圧力の急激な増加の位置は、移動可能なロックによって単純方式で変更することができ、特に鱗状列化デバイスがシートフォーマットに依存して調節可能であるように設計される時に鱗状列化デバイスの位置と位置合わせすることができる。
【0027】
本発明の更に別の好ましい実施形態では、移動可能なロック又はシールは、シートの搬送方向に及び/又はその逆方向に鱗状列化デバイスと共に調節可能であるように設計される。共通の調節可能性は、鱗状列化デバイス及び移動可能シール又はロックのための共通台車が設けられるという点で達成することができ、共通台車は、シートの搬送方向に及び/又はその逆方向に調節可能であるように設計される。圧力の非連続的な変化の位置は、鱗状列化デバイスの調節中にシートの搬送方向に又はその逆方向に鱗状列化デバイスの位置と共に移動する。従って、それ程低くない圧力レベルが、横切りカッターと鱗状列化デバイスの間の領域内よりも鱗状列化デバイスの位置に一貫して常に存在することが保証される。
【0028】
これに代えて、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の長さ変更可能な吸引取り込みセクションを形成するために、少なくとも1つの入れ子式の吸引プロファイル及び/又は少なくとも2つの噛み合う吸引プロファイルを設けることができる。入れ子式及び/又は噛み合う吸引プロファイルは、長さ変化可能な吸引取り込み装置の簡単な機械的構成である。入れ子式は、補完的設計の複数の吸引プロファイルを互いに変位させることができ、従って、吸引プロファイル全体の長さを変更することができることをこの場合に意味する。2つの補完的な噛み合う吸引プロファイルは、実質的に同一の圧力プロファイルを吸引プロファイルの長さにわたって達成することができるように例えば動的シールの支援によって互いに緊密に接続されることをここで保証しなければならない。
【0029】
吸引取り込みセクションはまた、交替方式で配置された吸引プロファイルから形成することができ、第1の吸引プロファイルは、鱗状列化デバイスから搬送方向に発生し、第2の吸引プロファイルは、制動デバイスから搬送方向の逆に発生し、2つの吸引プロファイルは、搬送方向に対して横断方向に少なくともセクション単位でオーバーラップする。2つの吸引プロファイルは、一方の吸引プロファイルの前縁が他方の吸引プロファイルの後縁に到達するまでかつその逆になるまで噛み合い方式で互いに逆に変位することができる。吸引取り込みセクションの最大長さが次に到達される。
【0030】
鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の長さ変化可能な吸引取り込みセクションを形成するための2つの上述の可能性はまた、鱗状列化デバイスに対する制動デバイスの調節可能な配置を可能にする。制動デバイスが、例えば、変更されたシートフォーマットに装置を適応させるためにシートの搬送方向に及び/又はその逆方向に調節されるように意図される場合に、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の吸引取り込みセクションは、鱗状列化デバイスと制動デバイスの間の変更された長さに対して単純方式で適応させることができる。
【0031】
本発明の上述の実施形態は、必要に応じて互いに組み合わせることができる。本発明の開示の内容は、選択された段落フォーマット設定によって予め決められた本発明の特徴の組合せに限定されない。
【0032】
本発明の更に別の特徴は、図面に基づいて及び図面自体から本発明の例示的実施形態の以下の説明から現れるであろう。ここで説明する及び/又は図に示す特徴の全ては、特許請求の範囲又はその従属参照におけるそれらの組合せとは無関係に個々に又はいずれかの望ましい組合せで本発明の主題を形成する。
【0033】
図面を参照して本発明をより詳細に以下に解説する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】側面図に従来技術によるアンダーラップするシートの鱗状列流を形成するための装置の概略を示す図である。
図2】側面図に作動状態にあるアンダーラップするシートの鱗状列流を形成するための本発明による装置の概略を示す図である。
図3】側面図に作動状態にあるアンダーラップするシートの鱗状列流を形成するための本発明による装置の更に別の実施形態の概略を示す図である。
図4】側面図に作動状態にあるアンダーラップするシートの鱗状列流を形成するための本発明による装置の更に別の実施形態の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、紙、箔、又は段ボールのアンダーラップするシート3のシートストリーム2を形成するための従来技術で公知の装置1を概略的に示している。装置1は、実質的に無限の箔、紙、又は段ボールストリップ4を搬送する給送デバイス(図示せず)を有する。ストリップは、巻き出しデバイス(図示せず)によって給送側で紙又は段ボールロールから提供され、間に接続された紙ストアを通って案内することができる。シート3の搬送方向Xに給送デバイスの下流に位置決めされた横切りデバイス5は、ストリップ4を定められた長さのシート3に切断する。横切りデバイス5は、円周上に刃先7を有する回転可能に装着されたシャフト6の形態に設計される。シャフト6上に配置された刃先7及び固定式刃先8が係合する場合に、ストリップ4は切断される。シート長さは、シャフト6の回転速度及び給送速度を変更することによって設定することができる。
【0036】
シート3は、少なくとも1つの高速稼動搬送ベルト9を用いてベルトセクション上で搬送方向Xに同じ速度で前方へ搬送される。複数の搬送ベルト9を有するベルトセクションが好ましくは設けられ、搬送ベルトは、搬送方向Xに対して互いの背後に位置し、横断方向に互いから離間している。搬送ベルト9に関する以下の説明は、このベルトセクションを指している。
【0037】
横切りデバイス5の下流に位置する鱗状列化デバイス10は、持ち上げユニット11及び減速ユニット12で構成される。減速ユニット12は、シート3の搬送平面Yの上方に配置された少なくとも1つの吸引ベルト13を有する。吸引ベルト13は、孔が設けられて真空を発生させる吸引ボックス14と相互作用する搬送ベルトによって形成される。持ち上げユニット11は、少なくとも1つの叩き器16を有する叩きシャフト15を有する。持ち上げユニット11の叩き器16は、叩きシャフト15の各回転中にシート3を吸引ベルト13に押圧する。吸引ベルト13は、高速稼動搬送ベルト9よりも低速で移動するので、後続シート3の前縁は、先行シート3の持ち上げられた後縁の下に搬送される。叩きシャフト16の次の回転を用いて、後続シート3は、次の後続シート3を後続シート3の下に搬送することができるように後縁で持ち上げられる。このようにして、アンダーラップするシート3のシートストリーム2が発生される。先行シート3の後縁がもはや吸引ベルト13の係合領域に位置していない場合に、先行シート3は、後続シート3が、先行シート3が吸引ベルト13の係合領域を去る前に吸引ベルト13によって既に持ち上げられているので、後続シート3によって搬送平面の上方に保持される。
【0038】
制動デバイス17は、シートストリーム2の搬送方向Xに鱗状列化デバイス10の下流に設けられる。制動デバイス17は、少なくとも1つの低速稼動搬送ベルト19と共に制動ギャップを形成する少なくとも1つのニップロール18を有する。制動デバイス17と鱗状列化デバイス10の間の間隔は、シートのシート前縁が好ましくは制動ギャップに直線的に入り、かつ後部シート領域、特にシートの後縁が持ち上げユニット11の叩き器16によって吸引ベルト13に対して正に押圧された時に減速されるように設定される。それによってシート3は、ニップロール18により、前部領域での低速稼動搬送ベルト19により、かつ後部シート領域での吸引ベルト13によって好ましくはほぼ同時に制動又は減速される。シートを引張し、かつシートの垂みを低減するために、吸引ベルト13は、低速稼動搬送ベルト19と比較して僅かに低減された速度を有する。制動デバイス17に続いて、シートストリーム2は、同じ速度で及び特に実質的に同じ鱗状部長さで、すなわち、先行シート3の前縁から後続シート3の前縁まで同じ間隔で移送テーブル(例示せず)上で更に別の加工機械(例示せず)の移送点まで前方に搬送される。
【0039】
横切りデバイス5と鱗状列化デバイス10間の領域では、吸引ボックス20は、搬送ベルト9の下方に配置することができる。搬送ベルト9は、次に、好ましくは吸引ベルトとして設計される。負圧が、吸引ボックス20内に発生され、その結果、シートは、搬送ベルト9に対して引っ張られる。この手段により、シート3又は材料ウェブ4は、横切りデバイス5における切断前、切断中、及び切断後に搬送ベルト9上で搬送される。
【0040】
図1に見ることができるように、制動デバイス17は、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に移動可能であるように設計される。これは、双方向矢印21によって示されている。装置1が異なるシートフォーマットに即して変更される時に、制動デバイス17は、制動デバイス17と鱗状列化デバイス10の間の間隔が新しいシートフォーマットのシート長さに実質的に対応するように調節される。制動デバイス17と鱗状列化デバイス10の間の間隔は、シート3が、前縁で制動デバイス17により、及び後縁で鱗状列化デバイス10の吸引ベルト13によって実質的に同時に制動されるように設定されることを意図している。
【0041】
鱗状列化デバイス10は、次に、現在の(新しい)シート長さに依存してシート3の搬送方向に又はその逆方向に制動デバイス17に対して移動され、オフセットされ、又は変位することができ、従って、設定することができる各シート長さに対して、先行シート3は、制動デバイス17によって前部で及び鱗状列化デバイス10によって後部でほぼ同時に制動される。特に、フォーマット変更の事象において移送点と制動デバイス17間の間隔又は移送長さは、一定に保つことが可能になり、制動デバイス17は、好ましくはフォーマット変更の事象において調節されない。これに代えて、好ましくは固定された位置に配置された制動デバイス17と鱗状列化デバイス10の間の間隔は、鱗状列化デバイス10の調節によって実際のシート長さに適応される。従って、シート加工機械に対するシート3の前部移送点と制動デバイス17の間の間隔又は移送長さは、異なるフォーマット又は切断長さに対して同じままであり、それによって異なるシートフォーマットへのデバイスの設定におけるかなりの簡略化をもたらす。特に、移送長さが同じに留まる場合に、フォーマット変更の事象において鱗状列流内のシート3のオーバーラップする長さを変更することは不要である。
【0042】
図1に示す装置1の場合に、鱗状列化デバイス10と制動デバイス17の間のシート3のシート前縁の搬送は故障を受けやすいことが示されている。従って、シート3の前縁は、特に高い搬送速度時に高速稼動搬送ベルト9から離脱する場合がある。シート前縁が搬送ベルト9から離脱すると、シート3が制動デバイス17の制動ギャップに入った時に損傷する場合がある。更に、シート前縁が離脱すると、これに起因して、シート3は、その位置から外れる可能性があり、従って、次に不正確な鱗状部長さが先行シート3の前縁と後続シート3の前縁の間に形成される。更に、高速稼動搬送ベルト9からの離脱中に又は滑ることにより、シート前縁は、先行シート3と摩擦接触する可能性がある。それによってシート3は、更に制動される可能性があり、従って、望ましい鱗状部長さには同じく達しない。
【0043】
図2は、側面図にアンダーラップするシート3の鱗状列流2を形成する別の装置1を概略的に示している。図1及び図2に示す装置1の同一又は対応する機能ユニット、アセンブリ、構成要素、及び他の対応する特徴は、同じ参照符号に示されている。紙、箔、又は段ボールからのアンダーラップするシート3の鱗状列流2の形成は、図2に示す実施形態では、図1の装置1における鱗状列流の上述の形成と相応に行われる。
【0044】
図1に示す装置1とは一線を画して、図2による実施形態では、鱗状列化デバイス10は、シート長さ又はシートフォーマットに依存して搬送方向Xに及び/又はその逆方向に調節可能であるように設計されることが規定される。これは、双方向矢印21によって図2に概略的に示されている。対照的に、制動デバイス17は、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に調節不能であるように設計される。換言すると、これは、シート3の切断長さが変更される時又はシートフォーマットに変化がある時に、鱗状列化デバイス10が、設定された各シート長さに関して、先行シート3が制動デバイス17によって前部で及び鱗状列化デバイス10の減速ユニット12によって後部でほぼ同時に制動されるように制動デバイス17に対してオフセット、変位、又は移動されることを意味する。従って、更に別の加工機械へのシート3の移送点(例示せず)と制動デバイス17の間の間隔、すなわち、移送長さは、シート3の異なるフォーマット又は切断長さに対して同じままであり、それによって異なるシートフォーマットへの図2に示す装置1の設定におけるかなりの簡略化をもたらす。フォーマット変更に関して、鱗状列化デバイス10は、シートストリーム2の搬送方向Xに又はその逆方向に全体的に調節することができ、すなわち、持ち上げユニット11及び減速ユニット12は、互いに移動され、この目的に対して、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に移動可能な車台又はフレーム又はキャリアに収容又は装着することができる。しかし、原則的に、吸引ベルト13が搬送方向Xに十分に延びる場合に、叩き器16を有する叩きシャフト15のみを搬送方向Xに又はその逆方向に調節することも可能である。
【0045】
図2に示す装置1において、吸引プロファイル22が、鱗状列化デバイス10及び制動デバイス17の間に高速稼動搬送ベルト9の下方に設けられ、この吸引プロファイルは、中空プロファイルとして設計され、吸引取り込みデバイス(例示せず)、例えば、吸引送風機に接続される。好ましくは、吸引ベルトとして設計された複数の搬送ベルト9を有するベルトセクションの場合に、各搬送ベルト9には、吸引プロファイル22が割り当てられる。
【0046】
吸引プロファイル22の長さ部分及び搬送ベルト9の割り当てられた部分の上方に、第1の吸引取り込みセクション24が鱗状列化デバイス10と制動デバイス17の間に形成され、更に別の吸引取り込みセクション25は、鱗状列化デバイス10と横切りデバイス5の間の領域内に形成される。吸引プロファイル22及び搬送ベルト9を通して、負圧がシート3の前縁の領域で少なくともシート3に作用する。印加された負圧は、シート3の前縁が離脱することを防止する。同時に、吸引取り込みセクション24の形成により、これに起因して、後続シート3は、鱗状列化デバイス10を通過した後に定められた位置で前方に搬送される。従って、シート3の定められたアンダー鱗状列化構成は、シート3が互いに妨げることなく可能である。吸引プロファイル22は、好ましくは、横切りデバイス5と制動デバイス17の間の領域の全長にわたって延びる。鱗状列化デバイス10の上流の領域で、更に別の吸引取り込みセクション25が、吸引プロファイル22によって形成される。
【0047】
吸引プロファイル22に存在する負圧は、搬送方向Xに鱗状列化デバイス10の下流に位置決めされた吸引取り込みセクション24の領域では横切りデバイス5と鱗状列化デバイス10の間の更に別の吸引取り込みセクション25の領域に存在する負圧よりも強さが有意に小さいように意図している。鱗状列化デバイス10の領域では、より正確には、叩き器16を有する叩きシャフト15の領域では、負圧が存在しない又は強さが比較的小さい負圧が存在する部分23が設けられる。それによってシート3は領域23内では簡単に持ち上げられ、吸引ベルト13を押圧することができる。従って、シート後縁の領域では、持ち上げユニット11は、高速稼動搬送ベルト9上では後縁によってシート3を保持すると考えられる負圧に対抗する必要はない。従って、上昇した先行シート3の下の後続シート3の位置的に正確な搬送が可能であり、一方で同時にシート後縁は、叩き器16によって損なわれることなく吸引ベルト13に押圧することができる。
【0048】
吸引プロファイル22は、好ましくは、連続中空プロファイルによって構成することができる。吸引取り込みセクション24及び吸引取り込みセクション25の領域での真空の異なる大きさは、鱗状列化デバイス10の領域でのロック又はシールによって達成することができる。この場合に、負圧を発生し、吸引取り込みセクション25の領域で吸引プロファイル22に接続される1つのデバイスのみを設けることが可能である。低い負圧が、ロックを通して吸引取り込みセクション24内に同時に発生される。周囲圧力に対する吸引取り込みセクション24の領域での圧力の低減は、好ましくは、吸引取り込みセクション25の領域での圧力の低減よりも有意に小さい。
【0049】
吸引取り込みセクション24、25を形成するプロファイル内のロックが、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に移動可能、特に変位可能であるように設計されることは有利である。従って、吸引取り込みセクション24の長さは、ロックの調節によって簡単にシートフォーマットに適応させることができる。同時に、吸引取り込みセクション25の長さも変更され、従って、シート3は、横切りデバイス5から鱗状列化デバイス10までの位置の観点から定められた位置で適切に搬送される。
【0050】
特に、移動可能なロックがシート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に持ち上げユニット11及び/又は鱗状列化デバイス10全体と共に調節可能であるように設計されることは有利である。この目的に対して、鱗状列化デバイス10及び移動可能なロックが位置決めされる台車、フレームワーク、又はフレーム(例示せず)を設けることができ、台車は、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に移動することができる。従って、装置1は、新しいか又は変更されたシートフォーマットに簡単に設定することができる。
【0051】
鱗状列化デバイス10の吸引ベルト13がシートの搬送方向Xに十分に長いセクションにわたって延びる場合に、持ち上げユニット11及び移動可能なロックのみがシート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に一緒に調節されることも規定することができる。
【0052】
図3は、側面図にアンダーラップするシート3の鱗状列流2を形成する別の装置1を概略的に示している。図1図2、及び図3に示す装置1の同一又は対応する機能ユニット、アセンブリ、構成要素、及び他の対応する特徴は、同じ参照符号に示されている。紙、箔、又は段ボールからのアンダーラップするシート3の鱗状列流2の形成は、図3に示す実施形態の場合に図1の装置1における鱗状列流の上述の形成と相応に行われる。
【0053】
図2の装置1とは一線を画して、制動デバイス17は、装置1を変更されたシートフォーマットに適応させることができるように、双方向矢印21に従ってシート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に変位可能又は調節可能であるように設計される。図3に示す装置1内の鱗状列化デバイス10は、定められた位置で固定され、従って、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に調節可能ではない。
【0054】
吸引取り込みセクション24は、図3によれば、互いに押し込むことができて吸引取り込みデバイスに接続された吸引プロファイル部分26及び27から構成された少なくとも1つの入れ子式吸引プロファイルによって形成される。吸引プロファイル部分27は、好ましくは、固定された位置に配置され、吸引プロファイル部分26は、シート3の搬送方向Xに及び/又はその逆方向に変位することを意図している。従って、吸引取り込みセクション24の長さも、同様にシートフォーマットに適応させることができる。
【0055】
図4は、側面図にアンダーラップするシート3の鱗状列流2を形成する更に別の装置1を概略的に示している。図1図2図3、及び図4に示す装置1の同一又は対応する機能ユニット、アセンブリ、構成要素、及び他の対応する特徴は、同じ参照符号に示されている。紙、箔、又は段ボールからのアンダーラップするシート3の鱗状列流2の形成は、図2に示す実施形態の場合に図1の装置1における鱗状列流の上述の形成と相応に行われる。
【0056】
図4に示す装置1の実施形態は、吸引取り込みセクション24がシート3の搬送方向Xに対して横断方向に少なくともセクション単位でオーバーラップすることができる少なくとも2つの噛み合い吸引プロファイル28及び29から形成されるという主旨で、図3に示す装置1の実施形態と異なっている。吸引プロファイル28、29は、次に、少なくとも1つの吸引取り込みデバイスに接続される。噛み合い吸引プロファイル28、29は、シート3の搬送方向Xに対して横断方向に交互方式で形成することができる。
【0057】
吸引プロファイル29の後縁が吸引プロファイル28の前縁の高さに位置付けられる場合に、吸引取り込みセクション24の最大長に到達する。吸引プロファイル28、29が噛み合い方式で、例えば、吸引プロファイル28がシートの搬送方向Xとは逆に互いに押し込まれた場合に、吸引取り込みセクション24の長さは低減される。
【0058】
参照符号のリスト
1 装置
2 シートストリーム
3 シート
4 ベルト
5 横切りデバイス
6 シャフト
7 刃先
8 刃先
9 搬送ベルト
10 鱗状列化デバイス
11 持ち上げユニット
12 減速ユニット
13 吸引ベルト
14 吸引ボックス
15 叩きシャフト
16 叩き器
17 制動デバイス
18 ニップロール
19 搬送ベルト
20 吸引ボックス
21 双方向矢印
22 吸引プロファイル
23 部分
24 吸引取り込みセクション
25 吸引取り込みセクション
26 吸引プロファイル部分
27 吸引プロファイル部分
28 吸引プロファイル
29 吸引プロファイル
X 搬送方向
Y 搬送平面
図1
図2
図3
図4