(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】注射装置で使用するためのシリンジ緩衝器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240903BHJP
A61M 5/24 20060101ALI20240903BHJP
A61M 5/31 20060101ALI20240903BHJP
A61M 5/30 20060101ALN20240903BHJP
【FI】
A61M5/20 510
A61M5/24
A61M5/31
A61M5/30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022153822
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2021062768の分割
【原出願日】2015-08-07
【審査請求日】2022-10-26
(32)【優先日】2014-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502142703
【氏名又は名称】アンタレス・ファーマ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】メハウェジ,ジョン・ピエール
(72)【発明者】
【氏名】トラヴァンティ,マイケル
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-521224(JP,A)
【文献】特表2008-528126(JP,A)
【文献】特表2007-503853(JP,A)
【文献】特表2003-512904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/24
A61M 5/31
A61M 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(102)と、
薬剤チャンバ (110)と、
伸張位置と引込み位置との間でハウジングに対して移動可能な針ガード (106)と、
薬剤チャンバを受け入れるように構成されたスリーブ (1916)を含む緩衝部材であって、前記スリーブは、中間部分によって接続された近位端及び遠位端を有する、緩衝部材と
を備え、
前記スリーブは、前記近位端と前記遠位端との間に変形可能な圧縮性要素 (1964)を含み、
前記圧縮性要素 (1964)は、1つまたは複数の長手方向に延びる開口を有する単一のスリーブである、
注射装置。
【請求項2】
前記スリーブは、何もない空間によって長手方向に隔離されている複数の圧縮性柱 (1964)を含む、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項3】
前記複数の圧縮性柱 (1964)が注射中に概ね所定の方向に屈曲するように、前記複数の圧縮性柱 (1964)は半径方向に屈曲される、
請求項2に記載の注射装置。
【請求項4】
前記複数の圧縮性柱 (1964)は、長手方向軸と概ね平行である、
または前記複数の圧縮性柱 (1964)は、長手方向軸の周りに絡み付き、またはらせん状に巻き付く、
請求項2に記載の注射装置。
【請求項5】
前記複数の圧縮性柱 (1964)は、4つの圧縮性柱(1964a~1964d)を備える、
請求項2に記載の注射装置。
【請求項6】
前記スリーブの全長が、荷重下に置かれたとき、その元の長さに対して0.40%を超えて短縮されるように、前記圧縮性要素は変形可能である、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項7】
前記スリーブは、前記荷重が取り除かれると実質的にその元の長さに戻る、
請求項6に記載の注射装置。
【請求項8】
前記スリーブは、前記荷重が取り除かれると不可逆的に圧縮されている、
請求項6に記載の注射装置。
【請求項9】
前記注射装置は、
前記薬剤チャンバから薬剤を吐出するために前記薬剤チャンバに対して移動可能であるプランジャ(118)と、
ラム (122)の移動がプランジャを移動させるようにプランジャに関連付けられるラム (122)と、
前記ラムを前記薬剤チャンバに対して移動させることによって、前記薬剤チャンバを加圧するとともに、前記圧縮性要素を荷重下に置くように構成されたエネルギー源 (120)と、
を備え、
前記薬剤チャンバ内の圧力は、注射中、2413166pa(350psi)である、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項10】
前記薬剤チャンバ内の初期圧力は2757904Pa(400psi)であり、
注入圧力の終わりは2068428Pa(300psi)である、
請求項9に記載の注射装置。
【請求項11】
前記スリーブの全長が、荷重下に置かれたとき短縮されるように、前記圧縮性要素は変形可能であり、
前記荷重は、82.3N (18.5ポンド)の力である、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項12】
前記スリーブの全長が、荷重下に置かれたとき短縮されるように、前記圧縮性要素は変形可能であり、
前記荷重は、235.8N (53ポンド)の力より小さい、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項13】
前記圧縮性要素は、前記スリーブの中間部分に配置される、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項14】
前記注射装置はさらに、薬剤が前記薬剤チャンバから針を通って使用者に送達されるように、前記薬剤チャンバ(110)と流体連通する前記針 (112)を備える、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項15】
前記注射装置はさらに、スリーブ(116)の近位端に薬剤チャンバ支持体 (1166)を含み、前記薬剤チャンバ支持体は、薬剤チャンバ(110)の近位部分を支持および固定するように構成される、
請求項1に記載の注射装置。
【請求項16】
ハウジング(102)と、
プランジャ (118)を含む薬剤チャンバ(110)と、
ハウジング (102)内に摺動可能に装着されたラムアセンブリ(122)、および前記ラムアセンブリを付勢するように構成されたエネルギー源 (120)を備える発射機構であって、
前記ラムアセンブリ (122)のラムは、前記プランジャ(118)に関連しており、前記ラムアセンブリ (122)は、前記エネルギー源 (120)によって付勢されたときに、前記プランジャを遠位方向に変位させるように構成される、発射機構と、
伸張位置と引込み位置との間でハウジングに対して移動可能な針ガード (106)と、
前記薬剤チャンバを受け入れるように構成されたスリーブ (1916)を含む緩衝部材と、
を備え、
前記スリーブは、中間部分によって接続された近位端及び遠位端を有し、
前記スリーブは、前記近位端と前記遠位端との間に変形可能な圧縮性要素 (1964)を含み、
前記圧縮性要素 (1964)は、1つまたは複数の長手方向に延びる開口を有する単一のスリーブである、
注射装置(100)。
【請求項17】
ハウジング(102)と、
プランジャ (118)を含む薬剤チャンバ(110)と、
前記薬剤チャンバ(110)の遠位端にある針(112)と、
ハウジング (102)内に摺動可能に装着されたラムアセンブリ(122)、および前記ラムアセンブリを付勢するように構成されたエネルギー源 (120)を備える発射機構と、
伸張位置と引込み位置との間でハウジングに対して移動可能な針ガード (106)であって、前記針ガードは、ばね(114)により伸張位置に向かって弾性的に付勢される、針ガード (106)と、
前記薬剤チャンバを受け入れるように構成されたスリーブ (1916)を含む緩衝部材と、
を備え、
前記スリーブは、中間部分によって接続された近位端及び遠位端を有し、
前記ラムアセンブリ (122)のラムは、前記プランジャ(118)に関連しており、前記ラムアセンブリ (122)は、前記エネルギー源 (120)によって付勢されたときに、前記プランジャを遠位方向に変位させるように構成され、
前記スリーブは、前記近位端と前記遠位端との間に変形可能な圧縮性要素 (1964)を含み、
前記圧縮性要素 (1964)は、1つまたは複数の長手方向に延びる開口を有する単一のスリーブである、
注射装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2014年8月10日に出願された係属中の米国仮出願第62/035,485号の優先権を主張する。
[0002]本開示は、任意のタイプの自動注射器および実施形態によっては針支援式注射器を含む注射装置のための緩衝器に関し、その注射装置または針支援式ジェット注射器は、テストステロンまたはミダゾラムなどの薬剤用、または高粘度の製剤や急速投与を必要とする薬などの特別な用途の注射装置または針支援式ジェット注射器であり得る。
【背景技術】
【0002】
[0003]患者への液体薬剤の注射を作動させるために自動化機構を使用する様々な注射装置が存在する。そのような装置の例は、(無針式および針支援式の両方の)ジェット注射器、動力駆動式注射器、ならびに(たとえば、自動針挿入の後、従来の指で駆動する皮下シリンジ注射の送達のような機械式薬剤送達を提供する)従来の低圧力自動注射器を含む。注射を完了するのに使用される正確な機構は様々であり得るが、ほとんどは、使用中に注射機構を駆動するのに使用できる運動エネルギーを貯蔵する特徴を含む。さらに、多くの注射器装置は、注射が望まれるまで運動エネルギーが貯蔵されたままであることを保証するように構成されたトリガ機構を含み、それにより、トリガの作動が注射機構を解放し、貯蔵された運動エネルギーが注射機構を駆動して注射を行うことを可能にする。
【0003】
[0004]無針ジェット注射器の例は、たとえば、米国特許第5,599,302号および第4,790,824号に説明されている。これらの強力注射器は、一般的にボタン作動式であり、ジェットが皮膚を通過できる十分な圧力の下で送達される精密な高速のジェットとして薬剤を投与する。そのような無針ジェット注射器における注射機構は、薬剤を注射するために必要な圧力がチャンバ内に発生するように、装置内の薬剤貯蔵チャンバに力を加えることができる。
【0004】
[0005]上述したように、本明細書に説明されるような緩衝器は、針支援式ジェット注射器だけでなく任意の動力駆動式注射器と共に使用され得る。たとえば、本発明は、針支援式ジェット注射器よりも小さい力であるが自動の針挿入をする動力駆動式注射器(次いで手動の針およびシリンジに近い速度で薬物を送達できる)よりも大きい力を示す、動力駆動式注射器と共に使用されてもよい。
【0005】
[0006]たとえば、米国特許第4,553,962号および第4,378,015号、ならびに国際公開WO/9714455に説明されるような従来の自己注射器または自動注射器は、手動操作の皮下シリンジと同様の速度および手法で薬剤を注射する。説明された自己注射器または自動注射器は、薬剤容器および関連する針の移動によって薬剤を送達するために、使用者の皮膚を突き通すように作動時に延びる針を有する。したがって、従来の低圧力の自己注射器および自動注射器において薬剤を送達する力を提供する機構を使用して、針を延ばし、薬剤容器を変位させて、使用者の皮膚への針の挿入を行い、薬剤容器内に移動可能に配置されたプランジャに力を加えて、薬剤が針を通して容器から吐出されるようにすることもできる。したがって、たとえばOwen Mumfordにより製造される、自動注射器は、薬剤を注射するために非常に低い圧力を使用し、この場合、一般的には、薬剤は相対的に低速の流れで針を通して注射される。他の自己注射器は、Simponi注射器を含み、これは、ハウジングに窓を含み、注射器が使用されると、窓を通して黄色いラムが透明な薬剤容器の内側で視認可能である。
【0006】
[0007]さらに、より強い射出力を有し、最初に皮膚を突き通すために針を利用する針支
援式ジェット注射器も開発されており、これは、従来の皮下注射器または低圧力自動注射器よりも浅いことがある針挿入深さの範囲を可能にする。皮膚が針で突き通されると、ジェット機構が作動され、注射器内の薬剤を含む液体が加圧されて針を通して皮膚内に吐出される。針支援式ジェット注射器内の注射機構は、薬物容器および針を順方向に移動させて、皮膚を突き通し、容器内に移動可能に配置されたプランジャに、必要な射出力を付与するように構成され得る。代替的に、針および薬物容器は、針および薬物容器を静止位置に維持しながら皮膚を突き通すように位置決めすることができ、注射機構は、容器を加圧するような構造とすることができる。皮膚の外層が針により既に刺されているため、注射器内の薬剤に加えられる圧力は、従来のジェット注射器の圧力よりも小さくすることができる。同様に、薬剤に加えられる圧力は、好ましくは、従来の自動注射器などの圧力より高くし、薬剤が皮膚を通るようにし、薬剤が実質的に身体内に留まるのに十分な深さで皮膚下の組織に分散または注射されるようにする。より高い圧力のさらなる利点は、より速い注射時間を含み、これは、患者の心的外傷を低減させ、また、注射部位から注射器を除去することで使用者が時期尚早に不注意に注射を中断する可能性を低減させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0008]本発明の一実施形態において、本発明は注射装置に関する。一実施形態では、注射装置は自動注射器である。別の実施形態では、注射装置はジェット注射器である。他の実施形態では、注射装置は動力駆動式注射器である。一実施形態では、注射装置は緩衝部材を含む。
【0008】
[0009]本発明の一実施形態において、本発明は緩衝部材に関する。一実施形態では、緩衝部材は、薬剤チャンバを保持するように構成されたスリーブを備え、スリーブは、中間部分によって接続された近位端および遠位端を有し、スリーブは、荷重下に置かれたとき、スリーブの全長がその元の長さに対して0.43%を超えて短縮されるように変形可能な圧縮性要素を含む。
【0009】
[0010]本発明の一実施形態では、荷重は、自動注射器において使用されるばね力の範囲内である。いくつかの実施形態では、荷重は82.288N(18.5lbf)である。他の実施形態では、荷重は235.744N(53lbf)未満である、
[0011]一実施形態では、スリーブは、荷重が取り除かれたときに実質的にその元の長さに戻る。
【0010】
[0012]一実施形態では、圧縮性要素は、荷重が取り除かれた後に不可逆的に変形されている。
[0013]一実施形態では、圧縮性要素は、スリーブの遠位端に配置される。別の実施形態では、圧縮性要素は、スリーブの近位端に配置される。他の実施形態では、圧縮性要素は、スリーブの中間部分に配置される。
【0011】
[0014]本発明の一実施形態において、本発明は、緩衝部材を有する注射装置を提供するステップを含む、注射装置の故障率を低減するための方法に関する。
[0015]本発明の一実施形態において、本発明は、緩衝部材を有する自動注射器を提供するステップを含む、自動注射器の故障率を低減するための方法に関する。
【0012】
[0016]本発明の上記および他の目的、特徴、および利点は、図面と併せて考慮される以下の非限定的な詳細な説明を検討することから明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0017]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の断面図である。
【
図2】[0018]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のキャップの断面図である。
【
図3】[0019]
図3Aは、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の浮動トリガ部材の斜視図である。[0020]
図3Bは、ラム保持位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の断面(section break)3B、3Cでの断面図である。[0021]
図3Cは、発射位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の断面3B、3Cでの断面図である。
【
図4】[0022]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の部分断面図である。
【
図5A】[0023]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部の斜視図である。
【
図5B】[0024]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部の斜視図である。
【
図6】[0025]
図6Aは、保持位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部および浮動トリガ部材の断面6B、6Cでの断面図である。[0026]
図6Bは、発射位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の端部ハウジング部および浮動トリガ部材の断面6B、6Cでの断面図である。
【
図7】[0027]
図7Aは、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のスリーブの側面図である。
図7Bは、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のスリーブの斜視図である。
【
図8】[0028]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の針ガードの側面および斜視図である。
【
図9】[0029]
図9Aは、発射されていない位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリ、針ガード、浮動トリガ部材、スリーブの側面図である。
図9Bは、発射された位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリ、針ガード、浮動トリガ部材、スリーブの側面図である。
【
図10】[0030]
図10Aは、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリの側面図である。
図10Bは、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリの斜視図である。
【
図11】[0031]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ係合部材とラム保持部材との係合の近接図である。
【
図12】[0032]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリの上面図である。
【
図13】[0033]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の分解図である。
【
図14A】[0034]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ部材の斜視図である。
【
図14B】[0035]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の断面図である。
【
図14C】[0036]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ部材の斜視図である。
【
図15A】[0037]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリ、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の側面図である。
【
図15B】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリ、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の側面図である。
【
図15C】[0038]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の針ガードおよびトリガ部材の側面図である。
【
図15D】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の針ガードおよびトリガ部材の側面図である。
【
図15E】[0039]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリ、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の側面図である。
【
図15F】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のラムアセンブリ、針ガード、ハウジング端部/端部キャップ、およびトリガ部材の側面図である。
【
図15G】[0040]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の針ガードおよびトリガ部材の側面図である。
【
図15H】本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の針ガードおよびトリガ部材の側面図である。
【
図16A】[0041]トリガ前の位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の側面図である。
【
図16B】トリガ中の位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の側面図である。
【
図16C】トリガ後の位置における本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置の側面図である。
【
図17A】[0042]
図16Aに示されるような端部キャップ、ラムアセンブリ、およびトリガの一部分の断面図である。
【
図17B】[0043]
図17Aに示されるような端部キャップ、ラムアセンブリ、およびトリガの一部分の拡大断面図である。
【
図17C】[0044]
図1に示される注射装置の端部キャップ、ラムアセンブリ、およびトリガの断面図である。
【
図17D】[0045]
図17Cに示される注射装置の端部キャップ、ラムアセンブリ、およびトリガの拡大断面図である。
【
図18】[0046]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のトリガ係合部材とラム保持部材との係合の近接図である。
【
図19】[0047]本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置のスリーブの側面図である。
【
図20】[0048]様々なプラスチックポリマーの相対的剛性を示す表である。
【
図21】[0049]ピン状安全機構の側面図および断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0050]図面を通して、同じ参照番号および文字は、別段の記載がない限り、図示された実施形態の同様の特徴、要素、部品、または部分を示すために使用される。さらに、本開示は、ここで図を参照して詳細に説明されるが、例示的な実施形態に関連してそのようにされるのであって、図に示される特定の実施形態によって限定されない。
【0015】
[0051]添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態が、より完全に以下に説明される。すべてではないがいくつかの本発明の実施形態が示される。実際に、本発明の様々な実施形態は、多くの異なる形態で具現化することが可能であり、明示的に説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。同様の番号は、全体を通して同様の要素を参照する。単数形(「a」、「an」、および「the」)は、文脈が別段に明示しない限り、単数形および複数形を含む。
【0016】
[0052]
図1は、本開示の例示的な実施形態による例示的な注射装置100を示す。本開示の文脈において、用語「遠位」および「近位」は、使用者に保持されたときに注射装置の使用者に対する注射装置の位置を参照して使用されることに留意されたい。したがって、第2のポイントより遠位に位置するポイントは、使用者からさらに遠くなり(すなわち、注射装置の注射端部に向かう)、また逆も同様である。図では、例示的な注射装置100を示す。しかしながら、本明細書のいくつかの特徴を使用する代替実施形態が、無針ジェット注射器、針支援式ジェット注射装置、動力駆動式注射器、低圧力自動注射器、または他の機械式注射器として構成され得ることは、当業者には理解されよう。いくつかの例示的な実施形態によれば、注射装置100は、1回限りの注射器である。いくつかの実施
形態では、注射装置100は、反復される注射に際して、複数のおよび/または変動する投薬を提供するように修正され得る。いくつかの例示的な実施形態によれば、注射装置100は、ロックアウト機能を有する1回限りの注射器である。たとえば、注射装置100は、注射装置100内に貯蔵された薬剤の注入を促進することができ、また、いったん薬剤が排出されると使用者が注射装置100を使用しようとするのを防止するロック機能を含むことができる。一実施形態では、ロック機能は、注射装置100の使用ではなく薬剤の排出が行われると作動される。たとえば、ロック機能が作動されると、注射装置が注射のために使用者により実際に使用されたわけではないが、(たとえば、装置の輸送や取扱いなどの際に)発射機構が偶発的に作動されて薬剤が排出された場合でも、注射装置100が使用者によりその後に使用を試みられることを防止することができる。ロック機能を含む注射装置100の動作はさらに詳細に後述される。
【0017】
[0053]いくつかの例示的な実施形態によれば、注射装置100は、任意の適切な液体薬物または薬剤を送達することができる。さらに、注射装置100は、公式な訓練を受けていない個人による注射の投与(たとえば、自己投与、または、子に薬物を投与する親など、他の個々の家族の一員、もしくは公式に訓練された医療提供者ではない可能性がある他の介護者による投与)を可能にすることができる。したがって、注射装置100は、自己注射/介護者が投与する注射が有益となる状況で役に立つ可能性があり、そのような状況としては、以下に限定されないが、炎症性疾患、低Tとしても知られている低テストステロン、性腺機能低下症、糖尿病、不妊症治療、性的機能不全、心血管疾患、腫瘍、腫瘍支持療法、アレルギー反応、多発性硬化症、関節リウマチ乾癬、クローン病および全身性エリテマトーデス(SLE)を含む他の自己免疫疾患、慢性疼痛、偏頭痛、急性発作、てんかん発作、腎臓病などが含まれる。さらに、注射装置100は幅広い薬物を注射するために使用することができる。たとえば、注射装置100は、薬物、水溶性薬剤、ペプチド、タンパク質、デポー製剤、および油溶性薬剤を注射するために使用することができる。一実施形態では、薬剤は、ミダゾラムを含むベンゾジアゼピンを含む。別の実施形態では、薬剤は、水溶液の代わりに油に溶かされ、男性および女性に使用されるホルモン剤(たとえばテストステロンまたはその誘導体もしくはエステル)を含むことができ、代替実施形態では、薬剤は、メトトレキサートのような小分子の注射可能薬物(たとえば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開WO2010/108116号を参照)を含み、さらに別の実施形態では、薬剤として、高粘度を有するものを含む生物学的製剤が含まれる。さらに、上述したように、注射装置100は、テストステロン製剤(たとえば、シピオン酸テストステロンおよびエナント酸テストステロン)を含むアンドロゲンを注射するために使用することができる。いくつかの実施形態では、注射装置は、これらに限定されないがテストステロン、生物製剤、または後発生物製剤のような、注射するのが複雑で難しい粘性の薬に関して、投与および性能を強化するように設計される。一実施形態では、注射装置は、生物製剤を含むがこれに限定されない粘性製剤について必要とされ得る薬剤の強力かつ円滑な放出を生じるように設計される。いくつかの実施形態では、注射装置は、薬剤を非常に急速に投与するように設計される。
【0018】
[0054]テストステロンは、アンドロゲングループのステロイドホルモンである。一般に、アンドロゲンは、アンドロゲン受容体とともにタンパク質合成およびその組織の成長を促進する。テストステロンは、同化作用があり、それは、骨および筋肉量を増大させることを意味する。テストステロンは、以下の構造式を有する。
【0019】
【0020】
[0055]テストステロンの当初および主要な使用は、テストステロンの自然な体内での産生が非常に少ないまたはない男性(低Tまたは性腺機能低下症を有する男性)の治療のためである。Massachusetts Male Aging Studyによれば、40歳から60歳の約6%から12%の男性は、症候性低テストステロン欠乏症である。しかしながら、年月とともに、テストステロンは、他の多くの状態、たとえば、不妊症の軽減、性欲欠如もしくは勃起不全の是正、骨粗しょう症の是正、陰茎増大の促進、身長成長の促進、骨髄刺激の促進、貧血効果の反転、および食欲刺激のために与えられている。
【0021】
[0056]いくつかの実施形態では、注射装置100は、エピネフリン、アトロピン、ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、抗生物質、抗うつ剤、血液凝固阻止剤、グルカゴン、ジアゼパム、ハロペリドール、アポモルフィン、ラブノックス、およびトラドールのうちの1つまたは複数を注射するために使用することができる。他の実施形態では、注射装置100は、Enbrel、Humira、Lantus、Epogen(Procrit)、Neulasta、Aranesp、Avonex、PEGasys、Rebif、Neupogen、Betaseron、Avastin、Remicade、Herceptin、Erbitux、Recombinate、Cerezyme、NovoSeven、Tysabri、Synagis、Copaxone、およびKogenate FS、長時間作用型ヒト成長ホルモン、ヒドロキシプロゲステロン、およびドネペジルを含むがこれらに限定されない、バイオシミラー、生物学的製剤、および/またはペプチド薬を注射するために使用することができる。
【0022】
[0057]他の実施形態では、注射装置100は、副甲状腺ホルモン(「PTH」)、およびエキセナチドなど様々な他の薬剤を注射するために使用することができる。また、注射装置100は、(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)Physicians’ Desk Reference(PDR(登録商標))、67版(2013)に列挙されている薬剤、以下に限定されないが、アレルゲン、抗アメーバ薬および抗トリコモナス剤、アミノ酸製剤、蘇生薬、鎮痛薬、鎮痛剤/制酸剤、麻酔薬、食欲抑制薬、制酸薬、抗蠕虫薬、抗アルコール製剤、抗関節炎薬、抗ぜんそく薬、抗菌剤および防腐剤、抗ウイルス性抗生物質、抗がん製剤、抗コリン作用薬阻害剤、血液凝固阻止剤、抗けいれん薬、抗糖尿病薬、下痢止め薬、抗利尿薬、抗遺尿症剤、抗線維素溶解剤、抗線維症薬(全身性)、整腸剤、抗真菌剤、抗ゴナドトロピン薬、抗ヒスタミン剤、抗高アンモニア剤、抗炎症剤、抗マラリア剤、代謝拮抗物質、抗偏頭痛製剤、制吐薬、抗新生物薬、抗肥満製剤、駆虫剤、抗パーキンソン薬、止痒剤、解熱剤、抗けいれん薬および抗コリン作用薬、抗トキソプラズマ剤、鎮咳薬、抗めまい剤、抗ウィルス剤、生物学的製剤、バイオシミラー、ビスマス製剤、骨代謝調節薬、腸瀉下薬、気管支拡張薬、カルシウム製剤、循環器官用薬、中枢神経刺激薬、耳垢水、キレート剤、利胆薬、コレステロール低下薬および抗高脂血症薬、結腸内容物酸性化剤、感冒薬、うっ血除去薬、ジアゼパム、エピネフリン去痰薬および配合剤、利尿薬、催吐薬、酵素および消化剤、妊娠促進薬、フッ素製剤、ガラクトキ
ネティック剤(galactokinetic agent)、全身麻酔剤、老人病薬(geriatrics)、殺菌剤、造血剤、痔疾薬、ヒスタミンH受容体拮抗剤、ホルモン、利胆剤、高血糖薬(hyperglycemic agents)、催眠薬、免疫抑制薬、緩下剤、粘液溶解薬、筋弛緩薬、麻薬拮抗剤、麻薬解毒剤、眼科用浸透脱水剤、耳製剤、分娩促進薬、副交感神経遮断薬、副甲状腺製剤、シラミ駆除剤、リン製剤、月経前治療薬、精神刺激薬、キニジン、放射性医薬品、呼吸刺激薬、塩代用品、殺疥癬虫薬、硬化剤、鎮静剤、交感神経遮断薬、交感神経作動薬、血栓溶解薬、甲状腺製剤、精神安定剤、結核製剤、尿酸排泄剤、尿酸性化剤、尿アルカリ化剤、尿路鎮痛剤、泌尿器洗浄液、子宮収縮剤、膣治療薬、ビタミン、ならびにPDR(登録商標)における上記のカテゴリーのそれぞれの下に列挙された各具体的な化合物および組成物を注射するために使用することができる。注射デバイス100とともに使用され得る他のいくつかの他の薬剤には、エルゴカルシフェロール(カルシフェロール)、ジエチルスチルベストロール、ディプリバン(プロポフォール)、吉草酸エストラジオール、デカン酸フルフェナジン、フルベストラント、イントラリピッド、リポシン、デカン酸ナンドロロン、ネビド、ニュートラリピッド(nutralipid)、パクリタキセル、プロゲステロン、プログラフ、シピオン酸テストステロン、ズクロペンチキソール、およびハロペリドールドデカン酸エステルが含まれる。いくつかの実施形態では、薬剤は、大豆油、オレイン酸エチル、ヒマシ油、ゴマ油、サフラワー油、ラッカセイ油、ポリオキシエチル化されたヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL)、ポリオキシル60水添ヒマシ油(HCO-60)、綿実油、またはココナツ油に由来の薄い油に溶かされる。
【0023】
[0058]いくつかの実施形態では、薬剤は、有害薬剤であり得る。本明細書で使用される「有害薬剤」は、毒物、細胞毒性薬剤、および/または、対象と接触すると重篤な影響を生じ得る他の危険な薬剤、さらに、高力価薬剤、低用量で強い生理的効果を有する薬剤である任意の1つまたは複数の薬剤を意味する。例示的な有害薬剤には、鎮痛薬、免疫調整剤、IL-1受容体拮抗剤、IL-2アルファ受容体拮抗剤、拒絶反応防止化合物、ホルモン剤、プロスタグランジン類、鎮静剤、抗コリン剤、パーキンソン病薬、高額薬剤、神経弛緩剤、組織壊死因子(TNF)遮断剤、および他の危険な薬剤が含まれるがこれらに限定されない。本発明に従って注射装置100とともに使用するのに適した有害薬剤の例には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Hazardous Agent
Injection System」という名称の(2012年6月21日に公開されたPaul Wottonらの)米国特許出願公開第2012/0157965号に開示されたものが含まれるがこれらに限定されない。特定の細胞毒性薬剤の例には、6-メルカプトプリン、6-チオイノシン酸、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、サイトホスファン、シタラビン、フルオロウラシル、メルファラン、メトトレキサート、ウラムスチン、抗サイトカイン生物製剤、細胞受容体拮抗剤、細胞受容体類縁体、およびそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。高力価薬剤の例には、デキサメタゾン、プロゲステロン、ソマトスタチン、およびそれらの類縁体のようなステロイド類、テリパラチドのような生物活性ペプチド類、およびスコポラミンのような抗コリン薬が含まれるがこれらに限定されない。低用量で強い生理学的効果を有する薬剤の例には、抗高血圧薬および/または血圧降下調整薬が含まれるがこれらに限定されない。鎮痛薬の例には、フェンタニル、クエン酸フェンタニル、モルヒネ、メペリジン、および他のオピオイド類が含まれるがこれらに限定されない。免疫調整剤の例には、アダリムマブ(抗組織壊死因子モノクローナル抗体または抗TNF)が含まれるがこれらに限定されない。IL-1受容体拮抗剤の例には、アナキンラが含まれるがこれに限定されない。IL-2アルファ受容体拮抗剤の例には、ダクリズマブおよびバシリキシマブが含まれるがこれらに限定されない。拒絶反応防止化合物の例には、アザチオプリン、シクロスポリン、およびタクロリムスが含まれるがこれらに限定されない。ホルモン剤の例には、テストステロン、エストロゲン、成長ホルモン、インスリン、甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エピネフリン/アドレナリン、プロゲステロン、副甲状腺ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GHRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、反対の性
別の人が接触すると副作用を引き起こす可能性があるホルモンなど他のホルモン類、およびそれらの誘導体が含まれるがこれらに限定されない。プロスタグランジン類の例には、ガンマ-リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、およびエイコサペンタエン酸が含まれるがこれらに限定されない。鎮静剤の例には、アモバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、およびフェノバルビタールのようなバルビツール酸系、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、およびアルプラゾラムのようなベンゾジアゼピン系、アシュワガンダ、ピチュリ、ストライプトミントブッシュ(prosanthera striatiflora)、カバ(カワカワ)、マンドレイク、カノコソウ、およびマリファナのようなハーブ系鎮静剤、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロンのような非ベンゾジアゼピン系鎮静剤(別名「Z薬」)、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキシラミン、およびプロメタジンのような抗ヒスタミン薬、ならびに抱水クロラールのような他の鎮静剤が含まれるがこれらに限定されない。抗コリン剤の例には、ジサイクロミン、アトロピン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、およびチオトロピウムが含まれるがこれらに限定されない。パーキンソン病薬の例には、レボドパ、ドーパミン、カルビドパ、ベンセラジド、コ-セラルドパ(co-ceraldopa)、コ-ベネルドパ(co-beneldopa)、トルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィン、およびリスリドが含まれるがこれらに限定されない。高額薬剤の例には、ヒト成長ホルモンおよびエリスロポエチンが含まれるがこれらに限定されない。神経弛緩剤の例には、抗精神病薬類、ハロペリドールおよびドロペリドールのようなブチロフェノン類、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、ペリシアジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、およびピモジドのようなフェノチアジン類、クロルプロチキセン、クロペンチキソール、フルペンチキソール、チオチキセン、およびズクロペンチキソールのようなチオキサンテン類、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルプリド、アセナピン、パリペリドン、イロペリドン、ゾテピン、およびセルチンドールのような非定型抗精神病薬類、ならびにアリピプラゾールおよびビフェプルノックスのような第三世代の抗精神病薬類が含まれるがこれらに限定されない。TNF遮断剤の例には、エタネルセプトが含まれるがこれに限定されない。
【0024】
[0059]いくつかの実施形態では、有害薬剤は、ボツリヌス毒素、注射可能な金、6-メルカプトプリン、6-チオイノシン酸、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、サイトホスファン、シタラビン、フルオロウラシル、メルファラン、メトトレキサート、ウラムスチン、抗サイトカイン生物製剤、細胞受容体拮抗剤、細胞受容体類縁体、デキサメタゾン、プロゲステロン、ソマトスタチン、デキサメタゾンの類縁体、プロゲステロンの類縁体、ソマトスタチンの類縁体、テリパラチド、スコポラミン、抗高血圧薬、血圧降下調整薬、フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、モルヒネ、メペリジン、他のオピオイド類、アダリムマブ(抗組織壊死因子モノクローナル抗体または抗TNF)、アナキンラ、ダクリズマブ、バシリキシマブ、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス、テストステロン、エストロゲン、成長ホルモン、インスリン、甲状腺ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エピネフリン/アドレナリン、ガンマ-リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、アモバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、フェノバルビタール、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、アシュワガンダ、ピチュリ、ストライプトミントブッシュ、カバ(カワカワ)、マンドレイク、カノコソウ、マリファナ、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ドキシラミン、プロメタジン、抱水クロラール、ジサイクロミ
ン、アトロピン、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム、レボドパ、ドーパミン、カルビドパ、ベンセラジド、コ-セラルドパ、コ-ベレルドパ、トルカポン、エンタカポン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィン、リスリド、ヒト成長ホルモン、エリスロポエチン、ハロペリドール、ドロペリドール、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、メソリダジン、ペリシアジン、プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、プロメタジン、ピモジド、クロルプロチキセン、クロペンチキソール、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、アミスルプリド、アセナピン、パリペリドン、イロペリドン、ゾテピン、セルチンドール、アリピプラゾール、ビフェプルノックス、エタネルセプト、上記のいずれかの誘導体、ならびに上記のいずれかの組合せから選択することができる。
【0025】
[0060]注射装置100は、注射毎に約3mLまでの注射を提供することができるが、代替実施形態では、他の体積分が注射され得る。いくつかの実施形態では、注射装置100は、注射毎に1mLより多い注射を提供することができる。他の実施形態では、注射装置100は、約0.2mLから約0.3mLの範囲の注射を提供することができる。
【0026】
[0061]一実施形態では、注射装置100は、水溶液に溶解された0.5mlの薬剤を、約0.1秒、約0.2秒、約0.3秒、約0.4秒、約0.5秒、約0.6秒、約0.7秒、約0.8秒、約0.9秒、約1.0秒、または上記の時間から決定可能な任意の範囲(たとえば、約0.5秒から約1.0秒もしくは約0.4秒から約0.6秒)で注射することができる。別の実施形態では、注射装置100は、油に溶解された0.5mlの薬剤を、約5秒、約6秒、約7秒、約8秒、約9秒、約10秒、約11秒、約12秒、約13秒、約14秒、約15秒、または上記の時間から決定可能な任意の範囲(たとえば、約6秒から約7秒もしくは約5秒から約15秒)で注射することができる。代替実施形態では、注射装置100は、粘着性物質を、およそ表1および表2に示されるような駆出時間で注射することができる。他の体積および時間は、上述の情報ならびに表1および表2から決定可能である。
【0027】
[0062]表1および表2は、注射装置100の一実施形態に関して、粘性油の薬剤の観測された注射時間を示す。
【0028】
【0029】
【0030】
[0063]例示的な実施形態によれば、注射装置100は、予め充填されたシリンジ内に貯蔵された薬剤を注射するように構成することができる。吹込みガラスプロセスにより製造された予め充填されたシリンジは、有意な寸法公差およびむらを有する可能性がある。したがって、注射装置100の特徴が、形状の不規則性に対応し、また、予め充填されたシリンジを注射装置100内に適切に位置決めおよび配置する役割を担うことができる。ポリマーで形成された予め充填されたシリンジなど他の薬剤容器も収容され得る。さらに、一実施形態では、注射装置100は、注射中、約6894760Pa(約1000psi)より小さい、一実施形態では3447380Pa(500psi)より小さい、別の実施形態では約2757904Pa(約400psi)より小さい圧力を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、注射装置100は、約689475.7Pa(約100psi)より小さい注入圧力を提供するように構成され得る。一実施形態では、注射装置100は、約2068428Pa(約300psi)、約2240797Pa(約325psi)、約2413166Pa(約350psi)、約2585535Pa(約375psi)、約2757904Pa(約400psi)、約2930273Pa(約425psi)、約3102642Pa(約450psi)、約3275011Pa(約475psi)、約3447380Pa(約500psi)、約3619749Pa(約525psi)、約3792118Pa(約550psi)、約3964487Pa(約575psi)、約4136856Pa(約600psi)、約4309225Pa(約625psi)、約4481594Pa(約650psi)、約4653963Pa(約675psi)、約4826332Pa(約700psi)、約4998701Pa(約725psi)、約5171070Pa(約750psi)、約5343439Pa(約775psi)、約5515808Pa(約800psi)、約5688177Pa(約825psi)、約5860546Pa(約850psi)、約6032915Pa(約
875psi)、約6205284Pa(約900psi)、約6377653Pa(約925psi)、約6550022Pa(約950psi)、約6722391Pa(約975psi)、約6894760Pa(約1000psi)、約7067129Pa(約1025psi)、またはピーク圧力から決定可能な任意の範囲(たとえば、約3447380Pa(約500psi)から約4481594Pa(約650psi)、もしくは約6894760Pa(約1000psi)から約7067129Pa(約1025psi))の注射中のピーク圧力を提供することができる。注射の終わりに薬剤に加えられる圧力は、一実施形態では、少なくとも約551580.8Pa(約80psi)であり、別の実施形態では、少なくとも約620528.4Pa(約90psi)であり、別の実施形態では、少なくとも約689476Pa(約100psi)である。一実施形態では、注射の終わりに薬剤に加えられる圧力は、約344738Pa(約50psi)、約413685.6Pa(約60psi)、約482633.2Pa(約70psi)、約551580.8Pa(約80psi)、約620528.4Pa(約90psi)、約689476Pa(約100psi)、約758423.6Pa(約110psi)、約827371.2Pa(約120psi)、約896318.8Pa(約130psi)、または圧力から決定可能な任意の範囲(たとえば、約344738Pa(約50psi)から約413685.6Pa(約60psi)、もしくは約689476Pa(約100psi)から約758423.6Pa(約110psi))である。一実施形態では、初期圧力は約2275270.8Pa(約330psi)とすることができ、最後の圧力は約1241056.8Pa(約180psi)とすることができ、他の実施形態では、初期圧力は約2757904Pa(約400psi)とし、注射の終わりで約2068428Pa(約300psi)に低下させることができる。これらの例示的な圧力は、たとえば、約0.2mL/sから約1.20mL/sの流量をもたらし、一実施形態では約1.0mL/sの流量をもたらす。一実施形態では、流量は約0.2mL/sより大きい。一実施形態では、注射装置100は、射出が難しい薬剤の迅速な射出のために必要とされるような、エネルギー源120、たとえば高荷重ばねを含むことができる。一実施形態では、エネルギー源120は、約8.165kg(約18lb)の荷重容量、約8.391kg(約18.5lb)の荷重容量、約8.618kg(約19lb)の荷重容量、約8.845kg(約19.5lb)の荷重容量、約9.072kg(約20lb)の荷重容量、約9.299kg(約20.5lb)の荷重容量、約9.525kg(約21lb)の荷重容量、約9.752kg(約21.5lb)の荷重容量、約9.979kg(約22lb)の荷重容量、約10.206kg(約22.5lb)の荷重容量、約10.433kg(約23lb)の荷重容量、または上記の荷重容量から決定可能な任意の範囲(たとえば、約8.165kg(約18lb)の荷重容量から約10.433kg(約23lb)の荷重容量、もしくは約8.165kg(約18lb)の荷重容量から約8.618kg(約19lb)の荷重容量)の高荷重ばねである。高荷重ばねは、薬物の迅速な送達が全用量の注射を保証するために重要な状況で所望されることがあり、これは、使用者が時期尚早に注射器を注射部位から除去するのを防止することになる。薬剤は、高い粘度のため、または、それらの粘度と、29ゲージの予め充填されたシリンジのような微細な穴の針を使用して薬剤を送達する治療上の必要性との組合せのため、射出が難しい可能性がある。注射が難しい薬剤のためのこれらの例示的な高ばね力の結果として、約0.03mL/sから約1.0mL/sの流量が生じ得る。いくつかの実施形態では、上述した実施形態の注射装置100は、針支援式ジェット注射器である。
【0031】
[0064]一実施形態では、使用される針は、22ゲージと29ゲージとの間とすることができる。いくつかの実施形態では、使用される針は25ゲージと28ゲージとの間であり、他の実施形態では、およそ27ゲージであるが、他の要素が協働的に所望の注射をもたらすように構成される場合、代替的に他の針ゲージを使用することができる。いくつかの実施形態では、薄壁の針が使用されることがある。いくつかの実施形態では、注射装置100が注射前に手動の針挿入で動作するように構成されているとき、折れ曲がる危険なし
に薄壁の針が使用され得る。水性薬剤を発射する特定の注射装置の実施形態では、発射機構、薬剤容器、針、およびエネルギー源は、針内の平均流速度が、少なくとも約1,000cm/s、いくつかの実施形態では、少なくとも約1,300cm/sから最大約3,000cm/s、他の実施形態では、最大約8,000cm/sで生じるように構成される。一実施形態では、注射中の平均流速度は、約1,300cm/sと約3,000cm/sとの間、または約2,000cm/sに到達するかまたはその辺りである。一実施形態では、注射中の平均流速度は、約500cm/s、約1,000cm/s、約1,500cm/s、約2,000cm/s、約2,500cm/s、約3,000cm/s、約3,500cm/s、約4,000cm/s、約4,500cm/s、約5,000cm/s、約5,500cm/s、約6,000cm/s、約6,500cm/s、約7,000cm/s、約7,500cm/s、約8,000cm/s、または平均流速度から決定可能な任意の範囲(たとえば、約1,000cm/sから約1,500cm/s、もしくは約1,500cm/sから約2,000cm/s)に到達するかまたはその辺りである。一実施形態では、注射中の平均流速度は約750cm/sより大きい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約1250cm/sより大きい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約5,000cm/sより小さい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約3,000cm/sより小さい。一実施形態では、注射中の平均流速度は約2,000cm/sより小さい。ジェット注射を生じるのに使用される速度は、他のタイプの薬剤に応じて、たとえばそれらの粘度に基づいて変わる。いくつかの粘性薬剤の場合、例示的な高ばね力が使用されて、約100cm/sから最大約1000cm/sまでの流速度を生じ得る。いくつかの実施形態では、上記の注射装置は針支援式ジェット注射器である。より弱いエネルギー源および/またはより穴の大きい針が、たとえば、従来の低圧力自動注射器の実施形態における、より遅い速度ならびにより低い圧力および/または流量を得るために使用され得る。すべてのそのような実施形態は、ハウジングに対する皮膚接触部材の近位方向の移動のときに予備発射条件から発射条件へ移動する際のトリガ係合部材と保持部との間の軸方向の回転から利点を得ることができる。その例は、回転運動に関わらないトリガ設計に適用され得るばね装荷部品の間の摩擦の低減であるが、これに限定されない。
【0032】
[0065]一実施形態では、
図1に示されるように、例示的な注射装置100は、外側ハウジング102およびハウジング端部/端部キャップ104を含むことができる。
図1に示されるように、一実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104は、ハウジング102の近位端に結合される。注射装置100はさらに、外側ハウジング102内に収容される様々な部品および/またはアセンブリを含むことができる。
図1に示されるように、これらの部品は、ガード106、たとえばスリーブ116のような容器支持体、発射機構108、薬剤チャンバ110、針112、およびばね114を含むことができる。
図1に示されるように、外側ハウジング102は単一部品とすることができ、あるいは代替的に、外側ハウジング102は、たとえばスナップ嵌め接続、圧力嵌め接続、ねじ係合、接着、または溶接などを介して互いに結合できる複数部品のアセンブリとすることができる。
【0033】
[0066]
図1に示されるように、一実施形態では、スリーブ116は、たとえばスナップ嵌め接続、圧力嵌め接続、ねじ係合、接着、または溶接などを介して、少なくとも部分的に外側ハウジング102内に収容され、外側ハウジング102に装着される。
図7Aおよび
図7Bに示されるように、スリーブ116は、ハウジング102の開口部に係合するように構成された突出部1168を含むことができる。スリーブ116は薬剤チャンバ110を保持するように構成され、これは、薬剤チャンバ110の遠位端において針112を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、薬剤チャンバ110は、たとえば、別個のガラスアンプルおよび針、もしくは予め充填されたシリンジを含むことができ、または、スリーブ116それ自体が一体的な薬剤チャンバを含むことができる。一実施形態では、プランジャ118が薬剤チャンバ110内に設けられる。プランジャ118は、
発射機構108のラム1232に関連付けられる。注射中、ラムアセンブリ122は、発射機構108のエネルギー源120により付勢されて、プランジャ118を薬剤チャンバ110内により深く遠位に変位させ、針112を通して薬剤を排出する。一実施形態では、針112は、使用者の皮膚を突き通すように構成された注射先端部112a、および薬剤チャンバ110と流体連通した中空ボア112bを含むことで、注射中に薬剤チャンバ110から使用者への薬剤の送達を促進する。
図1は、予備発射状態の注射装置100を示す。注射装置100の動作については、その様々な段階および位置を含めて、さらに詳細に後述される。
【0034】
[0067]また、
図1に示されるように、注射装置100は、いくつかの実施形態では発射機構108を含む。一実施形態では、発射機構108は、ハウジング102内に摺動可能に装着されたラムアセンブリ122、およびエネルギー源120を含む。例示的な実施形態では、エネルギー源120は、圧縮ばね120を含むが、エラストマもしくは圧縮ガスばね、ガス発生器、または他の適切なエネルギー貯蔵部材のような他の適切なエネルギー源を使用することもできる。
図1では、ラムアセンブリ122は予備発射最近位位置にある。注射中、ラムアセンブリ122は、エネルギー源120により解放されたエネルギーによって遠位方向に付勢される。注射が完了すると、発射ラムアセンブリ122は最遠位位置に配置される。この遠位位置では、ガード106がロックアウトされ針先端部を越えて延び、したがって、使用者がそれ以降注射を試みることができず、針ガード106は、尖り保護として機能することができる。単一部品として示されているが、ラムアセンブリ122は、たとえばスナップ嵌め接続、圧力嵌め接続、ねじ係合、接着、溶接、または他の適切な結合を介して互いに結合できる複数部品のアセンブリとすることができる。ラムアセンブリ122は、好ましくは、薬剤チャンバ110内に貯蔵された薬剤を排出するために、注射装置100の発射を促進するように構成され得る様々な特徴を含む。本開示のいくつかの例示的な実施形態によれば、注射装置100のトリガ機構は、ラムアセンブリ122と、保持部302を含むことができる浮動トリガ部材300と、ラム保持部材1042とを含むことができる。
【0035】
[0068]一実施形態では、
図2に示されるように、注射装置100はキャップ200を含む。キャップ200は、外側ハウジング102の遠位端に取外し可能に取り付けることができる。一実施形態では、キャップ200は、スリーブ116の遠位端に取外し可能に取り付けることができる。たとえば、キャップ200は、ねじ係合を介してハウジング102の遠位端に取外し可能に取り付けることができ、ハウジング端部/端部キャップ104は、ハウジング102の近位端の一部(たとえば開口部)に係合して、ハウジング端部/端部キャップ104をハウジング102に結合するように構成された機能(たとえば突出部)を含むことができる。キャップ200は、注射装置100に取り付けられると、ガード106に不注意に力が加えられることでは注射が引き起こされないことを保証することができる。一実施形態では、キャップ200は、2つの係合機能を含む。
図2に示されるように、キャップ200は、係合機能202および204を含むことができる。係合機能202および204は、注射装置100の他の機能とねじ係合するように構成されたねじ部とすることができる。たとえば、係合機能202は、ハウジング102の遠位端にキャップ200を固定するように構成することができ、またはスリーブ116の遠位部分にねじ係合するように構成することができる。一実施形態では、係合機能204は、ガード106の近位方向変位を防止するために、ガード106の機能(たとえば、ねじ)にねじ係合するように構成することができる。
【0036】
[0069]
図2に示されるように、キャップ200は、規則的または不規則な形状を有し、その軸に沿って見て非円形の断面であってもよく、その初期の閉鎖位置は、隣接するハウジングの部分の形状に整合するかまたは実質的に一致する。一実施形態では、機能202および204は、複数のねじ開始ポイントを有する複数のねじを含むことができ、ねじ開
始ポイントの1つだけが、初期の閉鎖位置でハウジングと整列するキャップをもたらす。したがって、キャップが取り外され交換されると、使用者により間違った開始ポイントが選択される可能性が生じ、その結果、キャップはもはや注射装置ハウジングに整合せず、不正変更を示す。一実施形態では、3つのねじが使用されるため、取り外されて交換されるキャップが間違って嵌合するキャップに基づいて即座に明らかになる3分の2の可能性がある。
【0037】
[0070]
図1に示されるように、一実施形態では、ハウジング102は、スリーブ116をハウジング102に結合し固定するためにスリーブ116に係合するように構成された開口部を含み、また、注射装置100が発射されたかどうかについて視覚的に示すことができる少なくとも1つの窓を含む。たとえば、予備発射状態において、窓は、使用者が貯蔵された薬剤とともに薬剤チャンバ110を見ることを可能にし、発射後の状態において、窓は、発射機構108の一部のような1つまたは複数の内部部品を見えるようにし、そのような内部部品は、注射装置100が発射されたことを使用者に警告するように特に選択された色とすることができ、一実施形態では、存在するまたは有意に存在する他の色とははっきりと異なるまたは対比されるように、使用者(一実施形態では通常の視覚を有する)が発射の前に注射装置100において視認可能な他の色と十分に異なる色である。たとえば、一実施形態では、この色は、目立つように、予備発射のまたは使用者の予備発射により視認可能な注射装置100の他のすべての部品と異なる(たとえば完全に新しい色系統を導入する)。一実施形態では、発射の後に現れる新しい色は、色相環の非類似の部分からの色であり、または注射装置100において視認可能な色に対して対比するもしくは補色とすることができる。一実施形態では、新しい色は、赤または橙色などのように注意を表す。一実施形態における予備発射条件での注射装置100における視認可能な色、さらに一実施形態においてはキャップ200が注射装置100上にあるときおよび/またはないときを含むそのような色は、たとえば、灰色または青である。一実施形態では、注射装置100が発射されると赤色が導入される。一実施形態では、この新しい色は、発射後であるが伸張位置においてガード106がロックアウトされる前に導入することができる。
【0038】
[0071]一実施形態では、注射装置100は、
図3A、3B、および3Cに示されるように、浮動トリガ部材300を含む。浮動トリガ部材300は、近位部分314および遠位部分316を有することができる。一実施形態では、浮動トリガ部材300は、開口部302を含むことができる。さらに、浮動トリガ部材300は、遠位部分316に開口部302を含むことができる。開口部302は、注射装置100の発射を促進する際にラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230を受け入れて係合するように構成された保持部306を含むことができる。開口部302は、一実施形態では、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230に係合して、それらが2つの位置のうちの1つで整合されるように構成される。たとえば、第1の位置302a(たとえば保持位置)において、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230が、保持部306によって阻止できるように整合され、それにより、発射機構108が薬剤を発射し排出するのを防止する。第2の位置302b(たとえば発射位置)において、開口部302は発射部304を含むことができ、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230が、トリガ係合部材1230が広がることができるように整合され、それにより、発射機構108による発射を可能にする。
図3Bは、第1の位置(302a)に整合するトリガ係合部材1230を示し、
図3Cは、第2の位置(302b)に整合するトリガ係合部材1230を示す。さらに、開口部302(たとえば第1の位置302a)の保持部306は、一実施形態では、第1および第2の位置から浮動トリガ部材300の回転を促進するように湾曲する。浮動トリガ部材300の遠位部分316の外表面は、カム表面308を含むことができる。一実施形態では、トリガ係合部材1230の一部が任意選択で残部320に係合し、浮動トリガ部材300が回転したときに、トリガ係合部材1230が残部320を係合解除するようにされ、発射
機構108による発射を可能にする。
【0039】
[0072]浮動トリガ部材の近位部分314は、
図6を参照して後でさらに説明されるリップ312を有するフランジ310を含むことができる。
[0073]一実施形態では、
図1に示されるように、エネルギー源120(たとえば、ばね)がガード106から分離される。一実施形態では、近位端エネルギー源120がハウジング102に結合される。エネルギー源120がガード106から分離されることにより、浮動トリガ部材300の回転の見かけの摩擦が著しく低減される。次いで、これが、
図9Aおよび
図9Bを参照して後で説明されるように、伸張位置から発射位置へガード106を移動するために必要な力の量を実質的に低減させる。詳細には、エネルギー源120によって引き起こされる部品の圧縮が実質的に取り除かれ、それにより、注射装置100の使用中のガード106の移動に対する見かけの摩擦および抵抗の量を著しく低減させる。
【0040】
[0074]
図1に示されるように、一実施形態では、注射装置100はまた、ハウジング端部/端部キャップ104を含む。ハウジング端部/端部キャップ104の一実施形態が
図5Aに示される。
図5Aに示されるように、一実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104は、本体部1040およびラム保持部材1042を含む。一実施形態では、ラム保持部材1042は突出部であり、発射機構108のトリガ係合部材に係合するように構成される。たとえば、
図4に示されるように、一実施形態では、ラム保持部材1042は、釣鐘形の突出部であり、発射機構108の相補的な形状機能(たとえば突出部)1230aに係合される。
図4に示されるように、例示的な実施形態では、ラム保持部材1042は、溝1042aおよび膨張部1042bを含むことができ、発射機構108の機能1230aは、注射装置100の発射を防止するために、膨張部1042bを保持するように溝1042aに整合するように構成することができる。一実施形態では、ラム保持部材1042、およびラム保持部材1042に係合する発射機構108の機能1230aは、円形断面を含むことで、注射装置100の発射中にラム保持部材1042に対する発射機構108の機能の回転を可能にする。さらに、
図5Aに示されるように、本体部1040は、ハウジング端部/端部キャップ104をハウジング102に結合するために、外側ハウジング102の開口部に係合するように構成された突出部1040aを含むことができる。
図5Bは、ハウジング端部/端部キャップ104の別の実施形態を示す。
【0041】
[0075]例示的な実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104は、
図5Aに示されるように、任意選択で係合部材1044を含む。
図6Aおよび
図6Bでさらに説明されるように、浮動トリガ部材300が第1の位置から第2の位置に回転すると、係合部材1044は浮動トリガ部材300のリップ312に係合する。係合部材1044およびリップ312を有するいくつかの実施形態では、閾値離脱力が、浮動トリガ部材300が少なくとも部分的に第1の位置から第2の位置に移動するとき、係合部1044によって引き起こされる浮動トリガ部材300上の抵抗に打ち勝つことが必要とされる。いくつかの実施形態では、離脱機能は、浮動トリガ部材300の意図しない回転を防止するための安全装置として機能する。
【0042】
[0076]
図7Aおよび
図7Bに示されるように、一実施形態では、スリーブ116は、環状構造1160、結合構成1162、および本体部1164を含む。結合構成1162は、スリーブ116の遠位部分に配置することができ、また、キャップ200に解放可能に係合するように構成することができる。たとえば、
図1および
図2に見られるように、結合構成1162は、スリーブ116とキャップ200との間のねじ係合を提供するように構成されたねじ山を含むことができる。さらに、スリーブ116は、薬剤チャンバ110を固定するように構成された本体部1164を含むことができる。本体部1164は、溝1164aのようなガイドを含むことができ、ガイドは、ガード106の機能に係合して
、ガード106の軸方向変位に整合しそれをガイドするように構成される。
図13に示されるように、スリーブ116の近位端は、薬剤チャンバ110の近位部分を支持および固定するように構成された薬剤チャンバ支持体1166を含むことができる。たとえば、支持体1166は、シリンジの近位端を保持するように構成されたシリンジ支持体(たとえば、予め充填されたシリンジのフランジ)として構成することができ、また、発射中にそれに力が加えられた際に薬剤チャンバ110を支持することができる。さらに、支持体1166は、エラストマまたはゴムを含むことができ、また、注射中に薬剤チャンバ110の表面に加えられた力を分散し、輸送中の衝撃または使用中の不注意の破損から薬剤容器を保護するように構成することができる。加えて、
図7Aおよび
図13に示されるように、スリーブ116は、突出部1168のような様々な機能を含むことができ、これは、スリーブ116を外側ハウジング102に結合するように構成される。たとえば、突出部1168は、同軸対称にされ、外側ハウジング102の開口部102bに係合して、スリーブ116を外側ハウジング102に固定するように構成することができる。例示的な実施形態では、突出部1168は、脚部1170に配置することができ、脚部1170は、同軸対称にされ、外側ハウジング102の機能に係合するように構成することができる。加えて、スリーブ116は、脚部1174に配置されたロック突出部1172のようなロック機能を含むことができ、これは、同軸対称にすることができ、また、発射機構108のガード106の機能に係合するように構成することができ、その結果、注射装置100をロックアウトして、既に発射した注射装置100を使用者が使用しようとするのを阻止する。
【0043】
[0077]一実施形態では、環状構造1160は、スリーブ116を、薬剤チャンバ110(たとえばガラス薬剤チャンバ110)、発射機構108、およびガード106に係合するように構成されたいくつかの機能を含む。たとえば、環状構造1160は、針112が受け入れられるようにする開口部を含むことができる。さらに、環状構造1160は、ガード106の脚部を受け入れるように構成できる同軸対称の開口部1178を含むことができる。加えて、環状構造1160は、薬剤チャンバ110の遠位部分を支持し、また、発射機構108に係合して、薬剤の排出中に発射機構108のさらなる軸方向変位を防止するように構成することができる。これらの部品の動作はさらに詳細に後述される。
【0044】
[0078]
図7Aおよび
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、薬剤チャンバを保持しまたは受け入れるスリーブ116の少なくとも一部は、注射中に薬剤チャンバ110に加えられる力を分散するために、かつ/あるいは輸送中の衝撃または使用中もしくは保管中の不注意による破損から薬剤チャンバ110を保護するために緩衝部材として機能するように十分に変形可能である。加えて、そのような衝撃吸収を含むことは、以下のような必要がある場合に有用であり得る。すなわち、かなり粘性のある薬剤を注射すること、または注射を迅速に(たとえば10秒未満で)行うこと、または高速で注射を行うこと(たとえば、筋弛緩薬、抗コリン薬、抗ヒスタミン剤、抗毒素、たとえばアトロピン、エピネフリン、および抗毒血清などを含むがこれらに限定されない、迅速な緩和が必要とされる救急薬)、または短い針を必要とする注射(たとえば、用量が皮内送達のために最適化もしくは較正される薬剤、または不注意な筋肉内投与が有害事象をもたらし得る皮下送達のためのワクチンおよび/もしくはトリプタンなどの薬剤を含むがそれらに限定されない)、またはリークバックと呼ばれる注射後の皮膚上の薬物の存在を最小限にする必要がある注射(狭い治療域を有する薬物、他者による不注意な接触が有害であり得る薬物を含むがこれらに限定されない)などが必要な場合に有用であり得る。
【0045】
[0079]いくつかの実施形態では、作用する力の荷重に応答して、スリーブ116の少なくとも一部が、装置の故障を発生させずまたは装置の有用性を実質的に損なわずに、注射装置100の作動のときに圧縮し、変形し、またはスリーブ116の全長の短縮を引き起こす(本明細書では総称的に「圧縮」または「圧縮性」と呼ばれる)。他の関連する実施
形態では、いったん長さが短縮されると、スリーブ116の長さは、薬剤の注射中にさらに短縮されることがない。荷重が除去された後、他のいくつかの実施形態では、スリーブ116が、その全体の長さがスリーブ116の元の長さに実質的に近似するように拡張または延長する。いくつかの実施形態では、スリーブ116の短縮および延長は迅速に(たとえば0.1秒以下で)行われる。上記の各態様が以下により詳細に説明される。
【0046】
[0080]
図19は、スリーブの別の例示的実施形態を示す。
図19に示されるように、スリーブ1916は、スリーブ1916の近位端をスリーブ1916の遠位端に接続する、柱(post)、支柱(pillar)、またはコラムなどの1つまたは複数の圧縮性要素1964を含むことができる。一実施形態では、スリーブ1916は、4つの圧縮性柱1964a、1964b、1964c、および1964dを含み、これらの圧縮性柱は、スリーブ1916の長手方向軸の周りに離間され、この長手方向軸に概ね沿って延びている。一実施形態では、圧縮性要素1964は、図示されるように半径方向に屈曲され、圧縮性要素1964が概ね所定の方向に屈曲するようにされている。他の実施形態では、圧縮性要素1964は、長手方向軸と概ね平行である。他の実施形態では、圧縮性要素1964は、長手方向軸の周りに絡み付き、またはらせん状に巻き付く。
【0047】
[0081]圧縮性要素は柱1964として図示されているが、圧縮性要素は、近位端、遠位端、または近位端、遠位端および接続部分の組合せに配置されてもよく、あるいは近位端、遠位端、または近位端、遠位端および接続部分の組合せであってもよい。
図19では、4つの圧縮性柱1964a、1964b、1964c、および1964dは、スリーブ1916内の何もない空間によって長手方向に隔離されているが、いくつかの実施形態では、単一の圧縮性要素1964が、スリーブ1916の近位端をスリーブ1916の遠位端に接続するために使用され得ることも考えられる(たとえば圧縮性管状部材)。一実施形態では、圧縮性要素1964は、1つまたは複数の長手方向に延びる切れ目または開口部を有する単一のスリーブである。
【0048】
[0082]一実施形態では、圧縮性要素1964は弾性的に変形可能であり得る。圧縮性要素1964は、変形可能で衝撃を吸収できる、エラストマ、ポリマー、クッション要素、金属、または他の固体を含む任意の適切な材料で構成されてよい。一実施形態では、スリーブ1916は、
図20に列挙されたポリマーのうちの1つまたは複数で構成され得る。
図19では、ポスト1964a、1964b、1964c、1964dは、スリーブ1916の近位端および遠位端と同じ材料で作られているが、支持ブレースを有しておらず、したがって、ポスト1964a、1964b、1964c、1964dの圧縮が容易である。
【0049】
[0083]スリーブ1916の圧縮性要素に作用する注射装置たとえば自動注射器での使用が見込まれるばね力の範囲内である荷重の下に置かれると、スリーブ1916の全長は、スリーブ1916の圧縮性要素1964を含んでいるので元の長さの0.40%以上短縮され得る。いくつかの実施形態では、全長は、元の長さの0.43%、0.45%、0.46%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%を超える分だけ短縮され得る。いくつかの実施形態では、スリーブ1916の全長は、スリーブ1916の元の長さの0.40%から0.80%だけ短縮され得る。
【0050】
[0084]たとえば、いくつかの実施形態では、82.288N(18.5lbf)に応答して、6.59638cm(2.597インチ)の開始全長を有するスリーブ1916が圧縮されて、その全長が6.56844cm(2.586インチ)未満になる。言い換えれば、82.288N(18.5lbf)の荷重下のとき、スリーブ1916の全長は0.02794cm(0.011インチ)を超えて短縮される。いくつかの他の実施形態で
は、82.288N(18.5lbf)に応答して、6.12394cm(2.411インチ)の開始全長を有するスリーブ1916が圧縮されて、その全長が6.08076cm(2.394インチ)未満にまで短縮される。いくつかの実施形態では、82.288N(18.5lbf)に応答して、スリーブ1916の全長は0.028194cm(0.0111インチ)以上短縮される。いくつかの実施形態では、82.288N(18.5lbf)に応答して、スリーブ1916の全長は、0.028194cm(0.0111インチ)と0.04572cm(0.0180インチ)の間、より典型的には0.028194cm(0.0111インチ)と0.04318cm(0.0170インチ)の間の分だけ短縮される。いくつかの実施形態では、82.288N(18.5lbf)で、スリーブ1916は圧縮して、その全長が0.04318cm(0.0170インチ)+/-0.014986cm(0.0059インチ)だけ短縮される。いくつかの実施形態では、82.288N(18.5lbf)で、スリーブ1916は圧縮して、その全長が0.04318cm(0.0170インチ)+/-0.01397cm(0.0055インチ)だけ短縮される。いくつかの実施形態では、82.288N(18.5lbf)で、スリーブ1916は圧縮して、その全長が0.04318cm(0.0170インチ)+/-0.0127cm(0.0050インチ)だけ短縮される。
【0051】
[0085]図表1
【0052】
【0053】
[0086]2柱構成部材は、圧縮性要素1964を含まず、したがって、4つの圧縮性要素1964を含む4柱構成部材と同じ程度には圧縮しない。圧縮性の差は、比較的小さい力の荷重において明らかとなっている。たとえば、17.792N(4lbf)または22
.24N(5lbf)においても、試験されたスリーブの間でかなりの圧縮性の差が見られる。
【0054】
[0087]いくつかの実施形態では、荷重下で圧縮または変形されたとき、圧縮性要素はデバイスの使用中にさらに圧縮しない。いくつかの実施形態では、荷重下で圧縮または変形された後、力の荷重が一定に維持される場合、圧縮性要素1964はさらに圧縮しない。一実施形態では、圧縮性要素は、力が取り除かれたとき永続的に変形されている(たとえば、くしゃくしゃにされる、つぶされる)。
【0055】
[0088]いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮性要素1964は、注射装置、たとえば自動注射器での使用が見込まれるばね力の範囲内の力で作用されると、弾性的に変形可能である。デバイスの使用が完了し、荷重が圧縮性要素1964から取り除かれると、スリーブ1916の全長はその元の長さに戻ることができる。いくつかの実施形態では、100.08N(22.5lbf)の荷重下で圧縮された場合、力が取り除かれると、スリーブ1916の全長はその元の長さ+/-0.00127cm(0.0005インチ)に戻る。いくつかの実施形態では、任意の圧縮性要素1964を含むスリーブ1916が、閾値の力を満たすまたは超えるまで降伏/故障に抵抗するように構成されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、以下の図表2に示されるように、故障に対する閾値力は、222.4N(50lbf)から244.64N(55lbf)の力で、または約222.4N(約50lbf)から約244.64N(約55lbf)の力である。
【0056】
[0089]図表2
【0057】
【0058】
[0090]
図1に示されるように、一実施形態では、注射装置100は、少なくとも部分的に外側ハウジング102内に摺動可能に装着されたガード106を含み、ガード106は、注射装置100の発射を作動させるためにトリガ部材300に係合するように構成される。
図9Aおよび
図9Bに示されるように、一実施形態では、ガード106は、それぞれ伸張(たとえば、遠位、保護)位置と引込み(たとえば、近位)位置との間で外側ハウジング102に対して摺動可能に移動可能である。一実施形態では、伸張位置において、ガード106は針112をカバーし、引込み位置において、針112はガード106にカバーされずに露出される。たとえば、
図9Aは、ガード106を伸張位置で示し、
図9Bは
、ガード106を引込み位置で示す。
図1に示されるように、一実施形態では、ガード106は、ばね114を介して伸張位置に向かって弾性的に付勢され、ばね114は、たとえば、スリーブ116の環状構造1160の遠位表面とガード106の遠位端の内側表面との間に配置することができる。
【0059】
[0091]例示的な実施形態では、ガード106は、遠位部分1060および脚部1062を含む。例示的な実施形態では、ガード106の遠位端は皮膚接触部材を含む。遠位部分1060は、針112が通過できる開口部、および突出部1060aを含む。例示的な実施形態では、突出部1060aは、キャップ200の係合機能204に係合ように構成することができ、そのため、ガード106がキャップ200の係合機能204に係合されたときに近位方向に変位できないようになる。例示的な実施形態では、ガード106は停止表面1070を含む。例示的な実施形態では、停止表面1070は、ガード106の近位方向変位を制限するように、スリーブ116の環状構造1160の内側表面に当接するように構成することができる。たとえば、ガード106が注射中に使用者により加えられる力のもとで近位方向に変位するとき、停止表面1070はスリーブ116の環状構造1160の内側表面に接触するようになり、したがって、ガード106はさらに近位方向へ変位することができなくなる。
【0060】
[0092]一実施形態では、ガード106の脚部1062は、環状構造1160の開口部1178に受け入れられるように構成される。さらに、脚部1062は、ガード106が軸方向に変位するときに脚部1062を整合およびガイドするのを促進するために、スリーブ116の溝1164aに係合するように構成されたリッジ1062aを含むことができる。
図8の例示的な実施形態に示されるように、脚部1062はまた、脚部1062の近位端におけるカム表面1064のような発射開始部材を含む。例示的な実施形態では、脚部1062およびカム表面1064は同軸対称とすることができる。カム表面1064は、注射装置100の発射を開始して薬剤チャンバ110に貯蔵された薬剤の注射を実行する際に、トリガ部材300に係合するように構成される。また、ガード106が伸張位置から引込み位置へ変位するときに脚部1062が発射機構108内に受け入れられやすいように、脚部1062の近位端を傾斜させることができる。
図9Aおよび
図9Bに示されるように、例示的な実施形態では、カム表面1064は、浮動トリガ部材300のカム表面308に係合するように構成される。一実施形態では、脚部1062は、傾斜表面1068aをさらに含むことができるばね1068上に配置された突出部1066を含む。
図13に示されるように、突出部1066は、伸張位置にガード106を付勢するばね114により加えられた力に対抗するように、スリーブ116の脚部1170の近位表面に係合するように構成することができる。さらに、ガード106の脚部1062の傾斜表面1068aは、スリーブ116の脚部1170の内側表面に係合するように構成することができ、その結果、ガード106が伸張位置から引込み位置に変位するとき、ガード106の脚部1062の傾斜表面1068aがスリーブ116の脚部1170の内側表面に係合し、注射装置100の内側に向かってガード106の脚部1062のばね1068を付勢する。
【0061】
[0093]
図9Aは、予備発射「使用準備済み(ready-to-use)」状態におけるガードのカム表面1064と浮動トリガ部材300のカム表面308との係合を示す。
図9Bは、トリガされたまたは「ちょうど発射された(just-fired)」状態におけるガードのカム表面1064と浮動トリガ部材300のカム表面308との係合を示す。ガード106が近位方向に移動すると、ガード106の軸方向運動が、カム表面1064および308の係合を介して浮動トリガ部材300の回転運動に変換される。
【0062】
[0094]
図10Aおよび
図10Bに示されるような例示的な実施形態では、ラム1232を含むラムアセンブリ122が、遠位部分1220および近位部分1222を含むことが
でき、これらは、エネルギー源120の座部として機能するように構成され得るリップ部や棚部のような機能1224によって分離される。
図13に示されるように、例示的な実施形態では、エネルギー源120としての圧縮ばねを、ハウジング102の近位端と機能1224との間に配置することができる。
図4に示されるように、例示的な実施形態では、ハウジング102は、エネルギー源120の座部として機能するように構成されたリップのような機能102aを含む。機能102aは、エネルギー源120がハウジング102内の機能102aと接触したときに圧縮ばねの回転による摩擦を低減する要素として設計されるまたはそれらの要素を含むことができる。遠位部分1220を含むラムアセンブリ122は、実質的に円筒形にすることができ、また、スリーブ116およびガード106の少なくとも一部を同軸に受け入れるように構成することができる。また、遠位部分1220は、スリーブ116の脚部1170およびガード106の突出部1066を受け入れるように構成された、開口部1226を含むことができる。
【0063】
[0095]一実施形態では、近位部分1222は、脚部1228、ラム1232、およびトリガ係合部材1230を含む。トリガ係合部材1230は突出部として示されているが、代替実装形態も考えられる。トリガ係合部材1230は、予備発射状態でラム保持部材に保持され得る、またトリガ係合部材の回転の際に解放され得る任意の機能(たとえば、細長いタブ、薄いタブ、凹部、突起部、膨張部、ねじなど)を含むことができる。
【0064】
[0096]
図9Aおよび
図9Bに示されるように、一実施形態では、ガード106のカム表面1064、および浮動トリガ部材300のカム表面308は、装置の発射のためにガード106を伸張位置から引込み位置に押圧するために必要な選択された力および移動距離を達成するために、装置の長手方向軸に対して所定の角度に向けられる。いくつかの実施形態では、カム表面は、軸に対して15°と75°との間の角度とされ、一実施形態では、約20°と45°との間の角度である。一実施形態では、カム表面は軸に対して約30°の角度である。
【0065】
[0097]
図10Aおよび
図10Bに示されるように、脚部1228は、スリーブ116のロック突出部1172に係合するように構成された開口部1234を含む。他の特定の送達体積を収容する開口部1234がスリーブ116のロック突出部1172に係合するように遠位部分1220に構成され得ることが理解されよう。
図10に示されるように、たとえば、スリーブ116のロック突出部1172は、注射装置100が発射された後に、ラムアセンブリ122の開口部1234に係合でき、注射装置100をロックアウトして、針112を露出するガード106の以降の引込みを使用者が開始できないようにする。ラム1232は、プランジャ118に関連付けられるようにし、また、注射中に薬剤チャンバ110に含まれる薬剤を排出するために、エネルギー源120の力のもとでプランジャ118を遠位方向に変位させるように構成される。加えて、トリガ係合部材1230は、近位部分1222の近位端に配置することができ、また、浮動トリガ部材300の開口部302およびハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042に係合するように構成することができる。トリガ係合部材1230と開口部302およびラム保持部材1042との係合は、開口部302内のトリガ係合部材1230の整合と同様に、注射装置100の発射を制御および実行可能にすることができる。たとえば、トリガ係合部材1230は、ラム保持部材1042の溝1042aに係合するように構成された膨張部1230a、および、ラム保持部材1042の膨張部1042bに係合するように構成された形状部1230bを含むことができる。上述したように、トリガ係合部材1230およびラム保持部材1042は、好ましくは、注射装置100の発射中に浮動トリガ部材300の回転を可能にするために、円形断面を含む。
図11は、トリガ係合部材1230(たとえば突出部)とラム保持部材1042の一実施形態との係合の実施形態の近接図である。
【0066】
[0098]いくつかの実施形態では、
図17A、17B、17C、および17Dに示されるように、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230の膨張部1230aとハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042との係合が、ラッチ保持角度172を形成する。一実施形態では、ラッチ保持角度172は、軸170、ならびにラム保持部材1042の溝1042aの遠位部分とラムアセンブリ122の膨張部1230aとの接触表面によって規定される。いくつかの実施形態では、突出部1230およびラム保持部材1042は、係合されたとき、約10°、約11°、約12°、約13°、約14°、約15°、約16°、約17°、約18°、約19°、約20°、約21°、約22°、約23°、約24°、約25°、約26°、約27°、約28°、約29°、約30°、約31°、約32°、約33°、約34°、約35°、約36°、約37°、約38°、約39°、約40°、約41°、約42°、約43°、約44°、約45°、約46°、約47°、約48°、約49°、約50°、約51°、約52°、約53°、約54°、約55°、約56°、約57°、約58°、約59°、約60°、約61°、約62°、約63°、約64°、約65°、約66°、約67°、約68°、約69°、約70°、約71°、約72°、約73°、約74°、約75°、約76°、約77°、約78°、約79°、約80°、約81°、約82°、約83°、約84°、約85°、約86°、約87°、約88°、約89°、または上記の角度から決定可能な任意の範囲(たとえば、約39°から約41°もしくは約79°から約81°)のラッチ保持角度172を形成するような寸法および形状とされる。
【0067】
[0099]いくつかの実施形態では、予備発射状態において、トリガ係合部材1230が、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302またはトリガ部材1400の開口部1408(後でより詳細に論じられる))の壁に係合され、ラムアセンブリ122の膨張部1230a、およびハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042が係合され、エネルギー源120がラムアセンブリ122に作用する。一実施形態では、膨張部1230aおよびラム保持部材1042の係合が、エネルギー源120によってラムアセンブリ122に加えられる遠位方向の力に対抗して所定位置にラムアセンブリ122を保持する。一実施形態では、予備発射状態において、エネルギー源120が軸方向の力をラムアセンブリ122に加え、その力がラムアセンブリ122の突出部1230の膨張部1230aをラム保持部材1042の膨張部1042bに係合させる。一実施形態では、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230とラム保持部材1042との係合が、エネルギー源120からラム保持部材1042まで力を伝達する。一実施形態では、膨張部1230aは付勢して、膨張部1230aによるラム保持部材1042に対する力の付与により、トリガ係合部材1230が広がり、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に対して半径方向力を付与するように構成される。一実施形態では、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に対するトリガ係合部材1230による半径方向力の付与は、それにより、トリガ部材(たとえば、浮動トリガ部材300またはトリガ部材1400)の任意の移動が摩擦力を受けるようになるものである。一実施形態では、トリガ部材とトリガ係合部材1230との間の摩擦力の量に影響する因子は、トリガ係合部材1230によるトリガ部材の開口部の壁に加えられる半径方向力の量、およびトリガ係合部材1230とトリガ部材の開口部の壁との接触表面間の相互作用を含む。一実施形態では、一般に、他のすべての変数を一定に保つ場合、トリガ係合部材1230によるトリガ部材の開口部の壁に加えられる半径方向力の量が大きいほど、トリガ部材の移動によって発生する摩擦力が大きくなる。一実施形態では、一般に、他のすべての変数を一定に保つ場合、トリガ係合部材1230によるトリガ部材の開口部の壁に加えられる半径方向力の量が小さいほど、トリガ部材の移動によって発生する摩擦力が小さくなる。一実施形態では、注射装置100を作動させるために、使用者は、ガード106の遠位端に力を加えなければならず、その力がガード106をトリガ部材(たとえば、浮動トリガ部材300またはトリガ部
材1400)に係合させ、注射装置100を作動させる。一実施形態では、ガード106の遠位端に加えられる力は、トリガ部材とトリガ係合部材1230との間の接触によって発生する摩擦力に打ち勝つのに十分でなければならない。
【0068】
[00100]主ばね力がその圧縮された予備発射状態において抑制部品に対して作用する設
計の実施形態において、圧縮された主ばねの力が径方向よりも軸方向の方が大きいようにされ、その結果、潜在的により低いトリガ力を生じることになる。これは、前述のように主ばね力の圧縮された力が高ばね力である場合に特に重要である。一実施形態では、予備発射状態において、トリガ係合部材1230上の膨張部1230aは、ラム保持部材1042に係合されたとき、ラム保持部材1042に対して軸方向力と半径方向力の両方を分配する。しかしながら、一実施形態では、膨張部1230aは、トリガ係合部材1230によってラム保持部材1042に向けられる半径方向力に向かう力を付勢して、トリガ係合部材1230を外方に広げ、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に係合させるように構成される。一実施形態では、ラッチ保持角度172は、ラム保持部材1042に変換される軸方向力および半径方向力の量を決定する。一実施形態では、ラッチ保持角度172が増大すると、トリガ係合部材1230によってラム保持部材1042に付与される半径方向力が小さくなり、したがって、ラム係合部材1230が広がることで生じる摩擦力が減少する。一実施形態では、トリガ係合部材1230を広げるように作用する力が減少すると、トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁に付与される力が小さくなり、したがって、より大きなラッチ保持角度172を有する実施形態におけるよりも、注射装置100を作動させるために必要とされる力が小さくなる。エネルギー源120が約8.618kg(約19lb)の荷重容量の高荷重ばねであり、ラッチ保持角度172が40°である、一実施形態において、使用者は、注射装置100を作動させるために、約1.134kg(約2.5lb)、約1.179kg(約2.6lb)、約1.225kg(約2.7lb)、約1.270kg(約2.8lb)、約1.315kg(約2.9lb)、約1.361kg(約3.0lb)、約1.406kg(約3.1lb)、約1.451kg(約3.2lb)、約1.497kg(約3.3lb)、約1.542kg(約3.4lb)、約1.588kg(約3.5lb)、約1.633kg(約3.6lb)、約1.678kg(約3.7lb)、約1.724kg(約3.8lb)、約1.769kg(約3.9lb)、約1.814kg(約4.0lb)、約1.860kg(約4.1lb)、約1.905kg(約4.2lb)、約1.950kg(約4.3lb)、約1.996kg(約4.4lb)、約2.041kg(約4.5lb)、約2.087kg(約4.6lb)、約2.132kg(約4.7lb)、約2.177kg(約4.8lb)、約2.223kg(約4.9lb)、約2.268kg(約5.0lb)、約2.313kg(約5.1lb)、約2.359kg(約5.2lb)、約2.404kg(約5.3lb)、約2.449kg(約5.4lb)、約2.495kg(約5.5lb)、約2.540kg(約5.6lb)、約2.585kg(約5.7lb)、約2.631kg(約5.8lb)、約2.676kg(約5.9lb)、約2.722kg(約6.0lb)、約2.767kg(約6.1lb)、約2.812kg(約6.2lb)、約2.858kg(約6.3lb)、約2.903kg(約6.4lb)、約2.948kg(約6.5lb)、約2.994kg(約6.6lb)、約3.039kg(約6.7lb)、約3.084kg(約6.8lb)、約3.130kg(約6.9lb)、約3.175kg(約7.0lb)、約3.221kg(約7.1lb)、約3.266kg(約7.2lb)、約3.311kg(約7.3lb)、約3.357kg(約7.4lb)、約3.402kg(約7.5lb)、約3.447kg(約7.6lb)、約3.493kg(約7.7lb)、約3.538kg(約7.8lb)、約3.583kg(約7.9lb)、約3.629kg(約8.0lb)、約3.674kg(約8.1lb)、約3.719kg(約8.2lb)、約3.765kg(約8.3lb)、約3.810kg
(約8.4lb)、約3.856kg(約8.5lb)、約3.901kg(約8.6lb)、約3.946kg(約8.7lb)、約3.992kg(約8.8lb)、約4.037kg(約8.9lb)、約4.082kg(約9.0lb)、約4.128kg(約9.1lb)、約4.173kg(約9.2lb)、約4.218kg(約9.3lb)、約4.264kg(約9.4lb)、約4.309kg(約9.5lb)、約4.354kg(約9.6lb)、約4.400kg(約9.7lb)、約4.445kg(約9.8lb)、約4.491kg(約9.9lb)、約4.536kg(約10.0lb)、または上記のキログラム(ポンド)から決定可能な任意の範囲(たとえば、約1.134kg(約2.5lb)から約1.588kg(約3.5lb)もしくは約1.542kg(約3.4lb)から約3.946kg(約8.7lb))の摩擦力に打ち勝つ必要がある。エネルギー源120が約8.165kg(約18lb)の荷重容量を有する高荷重ばねであり、ラッチ保持角度172が80°である、別の実施形態では、使用者は、注射装置100を作動させるために、約0.113kg(約0.25lb)、約0.136kg(約0.30lb)、約0.159kg(約0.35lb)、約0.181kg(約0.40lb)、約0.204kg(約0.45lb)、約0.227kg(約0.50lb)、約0.249kg(約0.55lb)、約0.272kg(約0.60lb)、約0.295kg(約0.65lb)、約0.318kg(約0.70lb)、約0.340kg(約0.75lb)、約0.363kg(約0.80lb)、約0.386kg(約0.85lb)、約0.408kg(約0.90lb)、約0.431kg(約0.95lb)、約0.454kg(約1.00lb)、約0.476kg(約1.05lb)、約0.499kg(約1.10lb)、約0.522kg(約1.15lb)、約0.544kg(約1.20lb)、約0.567kg(約1.25lb)、約0.590kg(約1.30lb)、約0.612kg(約1.35lb)、約0.635kg(約1.40lb)、約0.658kg(約1.45lb)、約0.680kg(約1.50lb)、約0.703kg(約1.55lb)、約0.726kg(約1.60lb)、約0.748kg(約1.65lb)、約0.771kg(約1.70lb)、約0.794kg(約1.75lb)、約0.816kg(約1.80lb)、約0.839kg(約1.85lb)、約0.862kg(約1.90lb)、約0.885kg(約1.95lb)、約0.907kg(約2.00lb)、約0.930kg(約2.05lb)、約0.953kg(約2.10lb)、約0.975kg(約2.15lb)、約0.998kg(約2.20lb)、約1.021kg(約2.25lb)、約1.043kg(約2.30lb)、約1.066kg(約2.35lb)、約1.089kg(約2.40lb)、約1.111kg(約2.45lb)、約1.134kg(約2.50lb)、約1.157kg(約2.55lb)、約1.179kg(約2.60lb)、約1.202kg(約2.65lb)、約1.225kg(約2.70lb)、約1.247kg(約2.75lb)、約1.270kg(約2.80lb)、約1.293kg(約2.85lb)、約1.315kg(約2.90lb)、約1.338kg(約2.95lb)、約1.361kg(約3.00lb)、約1.383kg(約3.05lb)、約1.406kg(約3.10lb)、約1.429kg(約3.15lb)、約1.451kg(約3.20lb)、約1.474kg(約3.25lb)、約1.497kg(約3.30lb)、約1.520kg(約3.35lb)、約1.542kg(約3.40lb)、約1.565kg(約3.45lb)、約1.588kg(約3.50lb)、約1.610kg(約3.55lb)、約1.633kg(約3.60lb)、約1.656kg(約3.65lb)、約1.678kg(約3.70lb)、約1.701kg(約3.75lb)、約1.724kg(約3.80lb)、約1.746kg(約3.85lb)、約1.769kg(約3.90lb)、約1.792kg(約3.95lb)、約1.814kg(約4.00lb)、約1.837kg(約4.05lb)、約1.860kg(約4.10lb)、約1.882kg(約4.15lb)、約1.905kg(約4.20lb)、約1.928kg(約4.25lb)、約1.950kg(約4.30lb)、約1.973kg(約4.35lb)、約1.996kg(約
4.40lb)、約2.018kg(約4.45lb)、約2.041kg(約4.50lb)、約2.064kg(約4.55lb)、約2.087kg(約4.60lb)、約2.109kg(約4.65lb)、約2.132kg(約4.70lb)、約2.155kg(約4.75lb)、約2.177kg(約4.80lb)、約2.200kg(約4.85lb)、約2.223kg(約4.90lb)、約2.245kg(約4.95lb)、約2.268kg(約5.00lb)、または上記のキログラム(ポンド)から決定可能な任意の範囲(たとえば、約0.113kg(約0.25lb)から約0.522kg(約1.15lb)、もしくは約0.953kg(約2.10lb)、から約1.724kg(約3.80lb))の摩擦力に打ち勝てればよい。
【0069】
[00101]表3は、エネルギー源120が約8.165kg(約18lb)の荷重容量を
有する高荷重ばねであり、ラッチ保持角度172が80°(設計A)および40°(設計B)である場合の、注射装置100を作動させるために摩擦力に打ち勝つのに必要とされる例示的な力の値を示す。
【0070】
【0071】
[00102]いくつかの実施形態では、使用者は、注射装置100を作動させるために、摩
擦力と、ばね114を介して伸張位置に向かってガード106を弾性的に付勢する力との両方に打ち勝つ必要がある。
【0072】
[00103]いくつかの実施形態では、エネルギー源120は、トリガ係合部材1230が
トリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁にもはや係合されないときに、膨張部1230aとトリガ係合部材1230との係合を解除するために十分な力を発生させるように構成される。一実施形態では、トリガ係合部材1230がトリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁にもはや係合されないときに、膨張部1230aとトリガ係合部材1230との係合を解除するために必要とされる最小の軸方向の力は、約0.227kg(約0.5lb)、約0.4
54kg(約1.0lb)、約0.680kg(約1.5lb)、約0.907kg(約2.0lb)、約1.134kg(約2.5lb)、約1.361kg(約3.0lb)、約1.588kg(約3.5lb)、約1.814kg(約4.0lb)、約2.041kg(約4.5lb)、約2.268kg(約5.0lb)、約2.495kg(約5.5lb)、約2.722kg(約6.0lb)、約2.948kg(約6.5lb)、約3.175kg(約7.0lb)、約3.402kg(約7.5lb)、約3.629kg(約8.0lb)、約3.856kg(約8.5lb)、約4.082kg(約9.0lb)、約4.309kg(約9.5lb)、約4.536kg(約10.0lb)、約4.763kg(約10.5lb)、約4.990kg(約11.0lb)、約5.216kg(約11.5lb)、約5.443kg(約12.0lb)、約5.670kg(約12.5lb)、約5.897kg(約13.0lb)、約6.123kg(約13.5lb)、約6.350kg(約14.0lb)、約6.577kg(約14.5lb)、約6.804kg(約15.0lb)、約7.031kg(約15.5lb)、約7.257kg(約16.0lb)、約7.484kg(約16.5lb)、約7.711kg(約17.0lb)、約7.938kg(約17.5lb)、約8.165kg(約18.0lb)、または上記の負荷から決定可能な任意の範囲(たとえば、約1.134kg(約2.5lb)から約1.588kg(約3.5lb)もしくは約3.856kg(約8.5lb)から約4.309kg(約9.5lb))である。他の実施形態では、部材1230がトリガ部材の開口部(たとえば、浮動トリガ部材300の開口部302、またはトリガ部材1400の開口部1408)の壁にもはや係合されないときに、膨張部1230aとトリガ係合部材1230との係合を解除するために必要とされる最小の軸方向の力は、ラムアセンブリ122に作用するエネルギー源120によって発生する力の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または上記のパーセンテージから決定可能な任意の範囲(たとえば、約15%から約20%もしくは約45%から約55%)である。
【0073】
[00104]一実施形態では、注射装置100は、ラムアセンブリ122がハウジング端部
/端部キャップ104に対して回転するのを防止する回転防止機構を含む。一実施形態では、回転防止機構は、ハウジング端部/端部キャップ104とラムアセンブリ122の整合を制御する。いくつかの実施形態では、ハウジング端部/端部キャップとラムアセンブリの不適切な整合により、ラムアセンブリ122のハウジング端部/端部キャップ104からの係合解除が妨げられる、または薬品送達が不完全になる。一実施形態では、
図18に示されるように、ハウジング端部/端部キャップ104が1つまたは複数の回転防止リブ1046を含む。他の実施形態では、ラムアセンブリ122が1つまたは複数の回転防止リブ1236を有する。一実施形態では、トリガ前に、ハウジング端部/端部キャップ104の回転防止リブ1046がトリガ部材1400の溝1412内でラムアセンブリ122の回転防止リブ1236と整合することで、ラムアセンブリ122がハウジング端部/端部キャップ104に対して回転するのを防止する。
【0074】
[00105]例示的な実施形態では、注射装置100は、予備発射「安全オン(safeties-on)」構成にあることが可能である。たとえば、予備発射「安全オン」構成において、注射装置100は予備発射状態であり、キャップ200は注射装置100に取り付けられている。この構成において、ガード106は、ばね114の力のもとで針112をカバーする伸張位置にあり、ラムアセンブリ122は、その近位位置にあり、エネルギー源120は、そのエネルギーを解放していない。さらに、この状態では、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230は、浮動トリガ部材300の開口部302に係合され、開口部302の第1の位置302a(たとえば予備発射条件)に整合される。さらに、トリガ係合部材1230はまた、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042に係合される。この位置において、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材104
2を伴ったトリガ係合部材1230は、エネルギー源120の力に対抗する。さらに、開口部302の第1の位置302a内に整合されたトリガ係合部材1230により、開口部302の保持部306は、トリガ係合部材1230が広がって開いてエネルギー源120の力のもとでラム保持部材1042を係合解除するのを防止する。
【0075】
[00106]例示的な実施形態では、注射装置100は、予備発射「使用準備済み」状態に
あることが可能である。たとえば、予備発射「使用準備済み」構成では、キャップ200が既に取り除かれているが、他の面で使用者は注射を開始していない。したがって、この状態では、薬剤はまだ薬剤チャンバ110内にあり、ガード106は、針112をカバーする伸張状態のままであり、エネルギー源120は、貯蔵したエネルギーを解放しておらず、ラムアセンブリ122のトリガ係合部材1230は、ラム保持部材1042に係合されたままで、浮動トリガ部材の開口部302の第1の位置(302a)内に整合されたままである。
【0076】
[00107]例示的な実施形態では、注射装置100は、トリガされたまたは「ちょうど発
射された」状態にあることが可能である。たとえば、トリガされたまたは「ちょうど発射された」状態では、ガード106は、伸張位置から引込み位置に(たとえば、ガード106の遠位端への力の付与により)近位方向に摺動可能に変位されており、それによって針112を露出する。エネルギー源120は、その貯蔵されたエネルギーをちょうど解放し始めており(たとえば、例示的な圧縮ばねは圧縮されたままであり)、ラムアセンブリ122は、最近位位置のままである。注射装置100は、たとえば、使用者による使用の最初の段階で、この状態にすることができる。たとえば、これは、注射を実行するために、使用者が注射部位に対して注射装置100のガード106を押したときに観察することができる。したがって、注射部位に対して注射装置100のガード106を押す際に使用者により付与される力は、ばね114の力に抗してガード106を近位方向へ変位させることができ、それにより、ガード106を引込み位置に変位させ、針112を露出させて、注射部位で使用者の皮膚を突き通す。
【0077】
[00108]一実施形態では、このトリガされた状態において、ガード106は引込み位置
に変位されており、ガード106のカム表面1064は、浮動トリガ部材300のカム表面308に係合し、それにより、浮動トリガ部材300をカム動作させる。このカム動作は、浮動トリガ部材300を回転させて、トリガ係合部材1230を開口部302の第1の位置から脱整合させ、開口部302の第2の位置に整合させる。この位置では、トリガ係合部材1230は、開口部302の保持部306によって広がって開くことをもはや阻止されない。したがって、トリガ係合部材1230は、エネルギー源120の力のもとで広がって開き、膨張部1230aを、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042から係合解除させる。膨張部1230aのラム保持部材1042からの係合解除は、ラムアセンブリ122が、エネルギー源120により発生した力のもとでハウジング102に対して遠位方向に摺動可能に変位することを可能にする。一実施形態では、ラムアセンブリ120の遠位方向変位は、スリーブ116の環状構造1160の近位表面に当接するラムアセンブリ120により阻止される。
【0078】
[00109]例示的な実施形態では、注射装置100は、「ちょうど注射された(just-injected)」状態にあることが可能である。この状態は、上述の膨張部1230aのラム保持部材1042からの係合解除およびラムアセンブリ122の遠位方向変位の後に続く。この状態において、エネルギー源120(たとえば圧縮ばね)は、そのエネルギーを解放しており、それにより、ラムアセンブリ122を遠位方向に変位させる。さらに、ガード106は、引込み位置に押し込まれたままである。この状態は、注射装置100の使用中に観察することができ、トリガまたは「ちょうど使用された(just-used)」状態の直後で
ある。上述したように、浮動トリガ部材300のカム動作は、突出部1230を開口部3
02により規定される第2の位置に整合させ、トリガ係合部材1230が広がって開いて、エネルギー源120により解放される力のもとでラム保持部材1042を係合解除することを可能にする。したがって、エネルギー源120は、貯蔵されたエネルギーの全部でないとしても少なくとも一部を解放しており(たとえば、圧縮ばねの圧縮が低減する)、ラムアセンブリ122はラム1232と同様に、遠位位置に遠位方向へ変位されている。ラム1232の遠位方向変位は、プランジャ118を遠位方向に付勢し、薬剤チャンバ110内の薬剤を針112を通して使用者に投与することで、薬剤を使用者に注射する。いくつかの実施形態では、この状態において注射が完了するが、ガード106が針112を露出する引込み位置のままであるので、注射装置100は依然として注射部位に対して押される可能性がある。さらに、いくつかの実施形態では、ラムアセンブリ122のこの遠位方向変位により、ハウジング102の窓に表示されるようにラムアセンブリ122を位置決めする。例示的な実施形態では、ラムアセンブリ122の遠位方向変位の後、ラムアセンブリ122は、窓を完全に塞ぐように薬剤容器110とハウジング102との間に配置され、ラムアセンブリ122だけが窓を通して視認可能になり、薬剤容器110はもはや見えないようになる(たとえば、ラムアセンブリは薬剤容器110と窓との間に配置される)。さらに、ラムアセンブリ122は、注射装置100が使用されたことを使用者に示す明確なインジケータとなる(上述のような)色を有することができ、この色は、発射の前に注射装置100の外側から視認可能な他の色と異なる。
【0079】
[00110]例示的な実施形態では、注射装置は、「ロックアウト(locked-out)」状態に
あることが可能である。たとえば、「ロックアウト」状態は、使用者が注射装置100を注射部位から除去した後に観察することができる。この状態において、ばね114の力に対して引込み位置にガード106を拘束するものがなく、したがって、ガード106は、ばね114の力のもとで引込み位置から伸張位置に遠位方向に変位され、それによって針112をカバーする。ガード106は、ばね114の力のもとで引込み位置から伸張位置へ遠位方向に移動し、外側方向に付勢されたばね1068上に配置された突出部1066は、スリーブ116の脚部1170の近位表面と開口部1226の近位壁との間に形成された開口部に係合する。したがって、突出部1066と開口部1226の近位壁との関連付けは、ガード106が近位方向に変位するのを防止し、また、突出部1066と脚部1170の近位表面との関連付けは、ガード106が遠位方向に変位するのを防止する。したがって、ガード106はロック位置にあり、それにより注射装置100をロックアウトして、針112がカバーされ、使用者が以降の注射を試みることができないように所定の位置にガード106がロックされるようにする。その後、使用者は、注射装置100の遠位端上にキャップ200を戻して取り付けることができる。
【0080】
[00111]有利には、一実施形態では、この「ロックアウト」状態は、ガード106の変
位には依存せず、むしろ、薬剤チャンバ110に貯蔵された薬剤の排出、および/またはラムアセンブリ122の移動に依存する。たとえば、注射装置100は、ガード106が変位していなくても、薬剤が不注意に排出される状況でロックアウト状態になる。注射装置100は、エネルギー源120が作動され、ラムアセンブリ122が遠位方向に変位し、ラム1232がプランジャ118を変位させ、それにより薬剤チャンバ110内の薬剤を排出させる場合に、ロックアウト状態になることができる。
【0081】
[00112]例示的な実施形態では、注射装置100の部品の多くが、弾性のあるプラスチ
ックもしくはポリマー、または金属で形成される。一実施形態では、ラムアセンブリ122の突出部1230は、ラムアセンブリ122を単一の型を使用して成形できるように配向される。たとえば、
図10に示されるように、突出部1230(いくつかの実施形態では互いに同軸対称である)は、脚部1228(いくつかの実施形態では互いに同軸対称である)のようなラムアセンブリ122の他の機能のアライメントに対して所定の角度で整合することができる。たとえば、
図12に示されるように、単一の型は、(すべての機能
、部品、開口部など、1228Aを含む)Aで示されるラムアセンブリ120の一部を成形することができ、また、単一の型は、(すべての機能、部品、開口部など、1228Bを含む)Bで示されるラムアセンブリの一部を形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、突出部1230の各表面は、2つの型を分割する方向に沿ってアクセス可能であり、また、2つの型は、型の分割および取外しを邪魔する分離方向に対して直交して面する、突出部1230の凹部なしに、直線的に分割することができる。
【0082】
[00113]さらに、キャップ200は、穴/開口部なしに成形できるように、らせん状に
構成することができる。たとえば、キャップ200は、キャップ200が型からねじ式に取り外されることを可能にするねじ部206を含むことができる。さらに、外側ハウジング102は、(たとえば、
図1に示されるように)使用者が注射装置100の内側の動作を視認できるように、また不具合がないかどうか確認できるように、半透明の材料を含むことができる。加えて、注射装置100は、注射装置100をより人間工学的にするため、使用しやすくするため、および使用者にとって快適にするために、リッジ、パッド、または外形などの様々な把持要素を含むことができる。さらに、注射装置100は、注射を行うのに必要な工程を指示するためのステッカー、ブランドマーク、薬物情報、数値、または矢印などのマーキング、およびブランドやロゴデザインのような広告マークの領域を含むことができる。
【0083】
[00114]本発明の例示的な実施形態が本明細書に開示されたが、多数の修正形態および
他の実施形態が当業者によって考案され得ることが理解されよう。たとえば、様々な実施形態の特徴が他の実施形態で使用され得る。他の実施形態は、トリガ係合部材1230およびトリガ部材に対する作用によりラムアセンブリ122を解放させるために異なる機構を含むことができる。たとえば、一実施形態では、注射装置100は、
図14Aおよび
図14Bに示されるように、トリガ部材1400を含む。一実施形態では、トリガ部材1400は、本体1402、および本体1402から延びる脚部1404を有する。一実施形態では、本体1402はリップ1410を含む。一実施形態では、リップ1410は、(より詳細に後述され
図15Dで見られるように)ガード1500の表面1504に係合するように構成される。いくつかの実施形態では、脚部1402は、脚部1404の遠位端から延びるタブ1406を有する。一実施形態では、タブ1406は、ガード1500に摺動可能に係合するような形状および寸法にされる。さらに、一実施形態では、トリガ部材1400は、本体1402を貫通して配置される開口部1408を含む。一実施形態では、開口部1408は、発射機構108のトリガ係合部材1230に係合するように構成される。一実施形態では、トリガ係合部材1230上の膨張部1230aの係合により、注射装置が発射するのを防止する。一実施形態では、トリガ部材1400は、近位方向の軸方向運動により、開口部308と突出部1230との係合を解除する。
図14Jは、トリガ部材1400の別の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、トリガ部材1400は、回転防止機構の一部として溝1412を含む。
【0084】
[00115]
図15Aから
図15Hに示されるように、一実施形態では、注射装置100は
ガード1500を含む。一実施形態では、ガード1500は脚部1502を含む。別の実施形態では、脚部1502は、脚部1500の近位端における表面1504のような発射開始部材を有する。一実施形態では、表面1504は、トリガ部材1400のリップ1410に係合するように構成される。一実施形態では、脚部1502は、環状構造1160の開口部1178に受け入れられるように構成される。一実施形態では、脚部1502はリッジ1506を含み、リッジ1506は、ガード1500が軸方向に変位されるときに、脚部1502を整合およびガイドするのを促進するために、スリーブ116の溝1164aに係合するように構成される。例示的な実施形態では、脚部1502および表面1504は同軸対称である。一実施形態では、表面1504は、注射装置100の発射を開始して薬剤チャンバ110に貯蔵された薬剤の注射を実行する際に、発射機構108に係合
するように構成される。一実施形態では、表面1504は、ガード1500が伸張位置から引込み位置へ変位するときにトリガ部材1400のリップ1410に係合するような形状にされる。一実施形態では、脚部1502はアパーチャ1508を含む。一実施形態では、アパーチャ1508は、トリガ部材1400のタブ1406に係合するような寸法および形状にされる。一実施形態では、アパーチャ1508は、タブ1406がアパーチャ1508に摺動可能に係合することができる寸法および形状にされる。一実施形態では、
図16Aおよび
図16Bに示されるように、アパーチャ1508とタブ1406が摺動可能に係合可能な構成であるとき、所定の距離について、ガード1500は、トリガ部材300の移動なしに軸方向に並進することができる。別の実施形態では、
図16A、
図16B、および
図16Cに示されるように、アパーチャ1508とタブ1406が摺動可能に係合可能な構成であるとき、ガード1500がトリガ部材1400を移動させることなく所定の距離を軸方向に並進した後、所定の距離を越えたガード1500の軸方向並進は、トリガ部材1400の軸方向並進を引き起こす。
【0085】
[00116]一実施形態では、アパーチャ1508は、アパーチャ1508内へのタブ14
06のスナップ嵌めを可能にする寸法および形状にされる。一実施形態では、アパーチャ1508およびタブ1406がスナップ嵌め構成であるとき、ガード1500の軸方向並進が、トリガ部材1400の直接的軸方向並進を引き起こし、トリガ部材1400も並進せずにはガード1500が軸方向並進できなくなる。一実施形態では、近位方向でのトリガ部材1400の直接的軸方向並進が、トリガ部材1400の開口部1408と発射機構のトリガ係合部材1230との係合を解除し、それが、膨張部1230aとラム保持部材1042との係合を解除する。一実施形態では、ハウジング端部/端部キャップ104のラム保持部材1042とトリガ係合部材1230との係合解除が、注射装置100に発射させる。
【0086】
[00117]図示されないが、トリガ部材1400に配置されたアパーチャとタブが摺動可
能にまたは直接的に連通できるように、タブまたは突起部がガード1500の脚部1502に配置され得ることも考えられる。
【0087】
[00118]他の実施形態は、スライドもしくはハウジングの外側でアクセス可能な他の要
素を介してなど使用者による浮動トリガ部材300の直接的な回転による、または指で押すボタンによる、または浮動トリガ部材を回転させる他の変換機構によるなど、トリガ係合部材1230をトリガ部材から解放するために、異なる機構を含むことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲に含まれるすべてのそのような修正形態および実施形態を包含することを意図することが理解されよう。
【0088】
[00119]
図21は、ピン状安全機構を有する注射装置、たとえば自動注射器の例示的な
実施形態である。一実施形態では、ピン状安全機構は、注射装置の組み立て中に高荷重ばねを圧縮された状態で維持するために使用される。
【0089】
[00120]本明細書のすべての各引用文献はその全体が参照により組み込まれる。米国特
許第8,496,619号、第8,021,335号、第7,776,015号、および第6,391,003号、米国特許出願公開第2013/0303985号、第2013/0331788号、第2013/0317431号、米国特許出願第13/184,229号、ならびに米国仮特許出願第61/621,298号および第61/643,845号の開示全体は、本明細書に完全に説明されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される「約」という語は、一般に、対応する数および数の範囲の両方を指すものと理解されたい。さらに、本明細書におけるすべての数値範囲は範囲内の各整数全部を含むものと理解されたい。
【0090】
[00121]明確化のために当業者が認識するであろう他の要素を排除することも本発明の一部分を構成し得るが、本発明の図および説明の少なくとも一部が本発明の明確な理解に関連する要素に焦点を合わせるために簡略化されていることが理解されよう。しかしながら、そのような要素は当技術分野で周知であるので、またそれらは必ずしも本発明のより良い理解を促進しないので、そのような要素の説明は本明細書で提供されない。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
形態1
薬剤チャンバを受け入れるように構成されたスリーブを備え、前記スリーブは、中間部分によって接続された近位端および遠位端を有し、
前記スリーブは、前記遠位端と前記近位端の間に変形可能な圧縮性要素を含む、緩衝部材。
形態2
前記スリーブの全長は、荷重下に置かれたとき、その元の長さに対して0.40%を超えて短縮される、形態1に記載の緩衝部材。
形態3
前記荷重は、自動注射器において使用されるばね力の範囲内である、形態1に記載の緩衝部材。
形態4
前記荷重は82.288N(18.5lbf)である、形態3に記載の緩衝部材。
形態5
前記荷重は235.744N(53lbf)未満である、形態3に記載の緩衝部材。
形態6
前記スリーブは、前記荷重が取り除かれると実質的にその元の長さに戻る、形態2に記載の緩衝部材。
形態7
前記スリーブは、前記荷重が取り除かれると不可逆的に圧縮されている、形態2に記載の緩衝部材。
形態8
前記圧縮性要素は、前記スリーブの前記遠位端に配置される、形態1に記載の緩衝部材。
形態9
前記圧縮性要素は、前記スリーブの前記近位端に配置される、形態1に記載の緩衝部材。
形態10
前記圧縮性要素は、前記スリーブの中間部分に配置される、形態1に記載の緩衝部材。
形態11
形態1に記載の緩衝部材を有する注射装置を提供するステップを含む、自動注射器の故障率を低減するための方法。
形態12
前記スリーブは、前記荷重が取り除かれると実質的にその元の長さに戻る、形態11に記載の方法。
形態13
前記スリーブは、前記荷重が取り除かれると不可逆的に圧縮されている、形態11に記載の方法。