(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】測定装置とその測定対象設定方法
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20240903BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240903BHJP
H04B 17/10 20150101ALI20240903BHJP
H04B 17/23 20150101ALI20240903BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W84/12
H04B17/10 100
H04B17/23
(21)【出願番号】P 2022179797
(22)【出願日】2022-11-09
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇田 泰子
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-22868(JP,A)
【文献】特開2022-138900(JP,A)
【文献】特開2018-201067(JP,A)
【文献】Jianhan Liu (Mediatek Inc.), Myeongjin KIM (Samsung),Subcarriers and Resource Allocation for Multiple RUs Update, IEEE 802.11-21/0104r3 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/21/11-21-0104-03-00be-subcarriers-and-resource-allocation-for-multiple-rus-update.docx>,2021年01月25日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 1/60
H04B 3/46-3/493
H04B 17/00-17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置(100)が送受信する無線信号に対して測定を行なって前記通信装置の送受信特性を測定する測定装置(1)であって、
画像を表示する表示部(15)と、
IEEE802.11の規格に従った通信の測定を行なう場合に、前記表示部に、チャネルの周波数帯域幅に配置されたリソースユニットを示す図形であるリソースユニット表示部(120)を選択可能に複数個表示させ、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、前記リソースユニット表示部の表示を異ならせ、複数の前記リソースユニット表示部のうちの少なくとも1つの前記リソースユニット表示部を選択させることにより測定対象となるリソースユニットを選択させる制御部(16)と、を備える測定装置。
【請求項2】
前記制御部は、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットの前記リソースユニット表示部が選択されると、マルチリソースユニットとして当該リソースユニットと対となることができるリソースユニットの前記リソースユニット表示部の表示を変更する請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記制御部は、マルチリソースユニットのタイプを設定させるRUタイプ設定部(131)と、マルチリソースユニットのインデックスを設定させるRUインデックス設定部(132)と、をさらに表示させ、
前記リソースユニット表示部の表示を、前記RUタイプ設定部及び前記RUインデックス設定部の設定に合わせる請求項1または請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記RUタイプ設定部に設定されたマルチリソースユニットのタイプに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、前記リソースユニット表示部の表示を異ならせる請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記リソースユニット表示部の選択に合わせて、前記RUタイプ設定部及び前記RUインデックス設定部の設定を変更する請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
画像を表示する表示部(15)を備え、通信装置(100)が送受信する無線信号に対して測定を行なって前記通信装置の送受信特性を測定する測定装置(1)の測定対象設定方法であって、
IEEE802.11の規格に従った通信の測定を行なう場合に、
前記表示部に、チャネルの周波数帯域幅に配置されたリソースユニットを示す図形であるリソースユニット表示部(120)を選択可能に複数個表示させるステップと、
IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、前記リソースユニット表示部の表示を異ならせるステップと、
複数の前記リソースユニット表示部のうちの少なくとも1つの前記リソースユニット表示部を選択させることにより測定対象となるリソースユニットを選択させるステップと、
を備える測定対象設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関し、特に、無線LAN(Local Area Network)の通信規格に従って動作する通信装置が送受信する無線信号に対して測定を行なう測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の発展に伴って多様な無線通信技術が開発されている。このうち無線LANの技術に関する通信規格としては、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11acやIEEE802.11axが知られている。
【0003】
IEEE802.11axでは、同じ周波数帯域幅でより多くのユーザが利用できるように、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を採用している。
【0004】
IEEE802.11axのOFDMAでは、チャネルの周波数帯域を分割してサブチャネルとし、サブチャネルをそれぞれユーザに割り当て、チャネルの周波数帯域を複数のユーザで使用可能にしている。
【0005】
特許文献1には、IEEE802.11ax規格の通信の測定を行なう測定装置において、チャネルの帯域幅にサブチャネルを示す複数の図形を表示部に表示させ、測定対象となるサブチャネルを選択させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、IEEE802.11axの次のバージョンとして、超高速スループット(Extremely High Throughput:EHT)無線LAN規格であるIEEE802.11beが提案されている。
【0008】
IEEE802.11beのOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)では、通信に使用する所定の周波数帯域幅のチャネルの周波数帯域を複数のリソースユニット(RU:Resource Unit)に分割して、複数のリソースユニットを1つの端末に割り当てることも可能になっている。
【0009】
しかしながら、複数のリソースユニットを選択する場合、どのリソースユニットを選択可能かは、規格に定められており、自由に選択することはできない。
【0010】
このようなIEEE802.11beの通信の測定を行う場合、リソースユニットを特定した測定が必要になるが、複数のリソースユニットを使った通信の場合、規格に従って選択可能なリソースユニットを選択しなければならないため、ユーザの誤りを招きやすく、設定の手間がかかり時間がかかってしまうなど、ユーザビリティが低下する課題があった。
【0011】
そこで、本発明は、IEEE802.11の通信の測定において、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の測定装置は、通信装置が送受信する無線信号に対して測定を行なって前記通信装置の送受信特性を測定する測定装置であって、画像を表示する表示部と、IEEE802.11の規格に従った通信の測定を行なう場合に、前記表示部に、チャネルの周波数帯域幅に配置されたリソースユニットを示す図形であるリソースユニット表示部を選択可能に複数個表示させ、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、前記リソースユニット表示部の表示を異ならせ、複数の前記リソースユニット表示部のうちの少なくとも1つの前記リソースユニット表示部を選択させることにより測定対象となるリソースユニットを選択させる制御部と、を備えるものである。
【0013】
この構成により、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、リソースユニット表示部が異なる表示にされる。このため、選択できるリソースユニットと、選択できないリソースユニットとを容易に確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0014】
また、本発明の測定装置において、前記制御部は、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットの前記リソースユニット表示部が選択されると、マルチリソースユニットとして当該リソースユニットと対となることができるリソースユニットの前記リソースユニット表示部の表示を変更するものである。
【0015】
この構成により、マルチリソースユニットとして選択されたリソースユニットと対となることができるリソースユニットのリソースユニット表示部の表示が変更される。このため、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0016】
また、本発明の測定装置において、前記制御部は、マルチリソースユニットのタイプを設定させるRUタイプ設定部と、マルチリソースユニットのインデックスを設定させるRUインデックス設定部と、をさらに表示させ、前記リソースユニット表示部の表示を、前記RUタイプ設定部及び前記RUインデックス設定部の設定に合わせるものである。
【0017】
この構成により、RUタイプ設定部及びRUインデックス設定部の設定に合わせてリソースユニット表示部の表示が変更される。このため、RUタイプ設定部とRUインデックス設定部の設定で選択されたリソースユニットがどの位置にあるのかを容易に確認することができる。
【0018】
また、本発明の測定装置において、前記制御部は、前記RUタイプ設定部に設定されたマルチリソースユニットのタイプに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、前記リソースユニット表示部の表示を異ならせるものである。
【0019】
この構成により、RUタイプ設定部に設定されたマルチリソースユニットのタイプに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、リソースユニット表示部が異なる表示にされる。このため、選択できるリソースユニットと、選択できないリソースユニットとを容易に確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0020】
また、本発明の測定装置において、前記制御部は、前記リソースユニット表示部の選択に合わせて、前記RUタイプ設定部及び前記RUインデックス設定部の設定を変更するものである。
【0021】
この構成により、リソースユニット表示部の選択に合わせて、RUタイプ設定部及びRUインデックス設定部の設定が変更される。このため、リソースユニットの構成イメージから選択したリソースユニットのマルチリソースユニットのタイプとインデックスを確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0022】
また、本発明の測定対象設定方法は、画像を表示する表示部を備え、通信装置が送受信する無線信号に対して測定を行なって前記通信装置の送受信特性を測定する測定装置の測定対象設定方法であって、IEEE802.11の規格に従った通信の測定を行なう場合に、前記表示部に、チャネルの周波数帯域幅に配置されたリソースユニットを示す図形であるリソースユニット表示部を選択可能に複数個表示させるステップと、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、前記リソースユニット表示部の表示を異ならせるステップと、複数の前記リソースユニット表示部のうちの少なくとも1つの前記リソースユニット表示部を選択させることにより測定対象となるリソースユニットを選択させるステップと、を備えるものである。
【0023】
この構成により、IEEE802.11のマルチリソースユニットに対応するリソースユニットと、対応していないリソースユニットとで、リソースユニット表示部が異なる表示にされる。このため、選択できるリソースユニットと、選択できないリソースユニットとを容易に確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、IEEE802.11の通信の測定において、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る測定装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る測定装置の無線通信設定画像の例を示す図である。
【
図3】
図3は、IEEE802.11beにおける、チャネルの周波数帯域幅が20MHzの場合の、MRUのタイプとMRUのインデックスによるRUの組み合わせを示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る測定装置のチャネルの周波数帯域幅が20MHzの場合のリソースユニット構成画像の例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る測定装置のチャネルの周波数帯域幅が40MHzの場合のリソースユニット構成画像の例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る測定装置のチャネルの周波数帯域幅が80MHzの場合のリソースユニット構成画像の例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る測定装置のチャネルの周波数帯域幅が160MHzの場合のリソースユニット構成画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る測定装置ついて詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施形態に係る測定装置1は、通信装置100と無線通信を行なって、通信装置100が送受信する無線信号に対して各種測定を行なう。本実施形態においては、測定装置1は、無線LAN親機(AP:Access Point)として動作し、通信装置100は、無線LAN子機(STA:STAtion)として動作するものとするが、これに限定されるものではなく、測定装置1がSTAとして動作し、通信装置100がAPとして動作するものとしてもよい。なお、測定装置1は、IEEE802.11に準拠する通信規格に従って通信装置100と通信する。
【0027】
測定装置1は、送信部10と、受信部11と、信号生成部12と、信号解析部13と、操作部14と、表示部15と、制御部16とを含んで構成される。
【0028】
送信部10は、信号生成部12が生成した信号を増幅や周波数変換などして通信装置100に送信する。
【0029】
受信部11は、通信装置100から受信した無線信号を増幅や周波数変換などして信号解析部13に出力する。
【0030】
信号生成部12は、通信装置100と通信するための制御パケットやデータパケットを含む信号を生成し、送信部10を介して通信装置100に送信する。
【0031】
信号解析部13は、受信部11を介して通信装置100から受信した無線信号の解析を行ない、通信装置100の送受信特性の測定処理を行なう。送受信特性としては、パケットエラー率、EVM(Error Vector Magnitude)、送信パワーなどがある。
【0032】
操作部14は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力機器で構成され、操作入力された情報などを制御部16に出力する。
【0033】
表示部15は、液晶ディスプレイ等の画像表示機器で構成され、測定に必要な情報を入力させる画像や測定結果を示す画像などを表示する。
【0034】
制御部16は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、ハードディスク装置と、入出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0035】
このコンピュータユニットのROM及びハードディスク装置には、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部16として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROM及びハードディスク装置に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部16として機能する。なお、ハードディスク装置は、フラッシュメモリによるCF(Compact Flash)カード等であっても良い。
【0036】
制御部16の入出力ポートには、信号生成部12、信号解析部13、操作部14、表示部15が接続され、制御部16と各部は信号の送受信をできるようになっている。
【0037】
本実施形態の測定装置1は、IEEE802.11beの規格に従った通信の測定を行なえるようになっている。
【0038】
IEEE802.11beでは、通信に使用する所定の周波数帯域幅のチャネルを、所定の数のサブキャリアからなるリソースユニットに分割し、リソースユニット毎に端末を割り当てたり、1つの端末に複数のリソースユニットを割り当てたりして通信を行なう。
【0039】
リソースユニットを構成するサブキャリアの最小数は26個(26-tone RU)であり、他に52個(52-tone RU)、106個(106-tone RU)、242個(242-tone RU)、484個(484-tone RU)、996個(996-tone RU)などがある。チャネルの周波数帯域幅は、20MHz、40MHz、80MHz、160MHzなどがある。
【0040】
制御部16は、
図2に示すような画像(ワイヤレス・セッティング画像)を表示部15に表示させて、無線通信の設定を行わせる。
【0041】
図2において、PPDUフォーマット選択部101は、PPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Protocol) Protocol Data Unit)のフォーマットを選択させる。PPDUタイプ選択部102は、チャネルの周波数帯域幅を選択させる。チャネルの周波数帯域幅は、例えば、20MHz、40MHz、80MHz、160MHzが選択可能となっている。
【0042】
PPDUフォーマット選択部101において、「EHT TB」が選択されると、制御部16は、RUタイプ設定部103と、RUインデックス設定部104と、RU割当選択アイコン105を表示させる。
【0043】
RUタイプ設定部103は、規格で規定されたRUのタイプを設定させる。例えば、RUのタイプとして26、52、106、242、484、996、2x996などのように、数字が1つのタイプが選択された場合は、RUを1つのみ利用するSingle RU(SRU)とする。
【0044】
RUのタイプとして52+26、106+26、484+242、996+484などのように、数字+数字のタイプが選択された場合は、RUを複数利用するMultiple RU(MRU)とする。
【0045】
RUインデックス設定部104は、Single RUまたはMultiple RUの、規格で規定されたRUのインデックスを設定させる。
【0046】
IEEE802.11beでは、例えばMRUの場合、
図3に示すように、MRUのタイプとMRUのインデックスによって利用するRUの組み合わせが規定されている。なお、
図3は、チャネルの周波数帯域幅が20MHzの場合のRUの組み合わせを示している。
【0047】
このようにすることで、規格で定義されたMRUのタイプとMRUのインデックスによりリソースユニットを選択することができ、容易にMRUのリソースユニットを選択することができる。
【0048】
なお、制御部16は、RUタイプ設定部103及びRUインデックス設定部104には、規格で割り当てられているRUのタイプ及びRUのインデックスしか設定できないようにする。
【0049】
例えば、RUタイプ設定部103には、規格で規定されたRUのタイプをドロップダウンリストで表示して選択させる。RUインデックス設定部104には、RUタイプ設定部103で選択されたRUのタイプで選択可能なRUのインデックスのみ設定可能とし、選択不可能なRUのインデックスが設定された場合は、その設定をキャンセルして、元の値に戻す。
【0050】
また、制御部16は、RUタイプ設定部103にRUのタイプが設定されたとき、RUインデックス設定部104に設定されている値が選択不可能な値になる場合は、選択可能なRUのインデックスで最小の値をRUインデックス設定部104に設定する。
【0051】
制御部16は、例えば、操作部14のマウスによりRU割当選択アイコン105がクリックされるなどして選択されると、PPDUタイプ選択部102で選択された周波数帯域幅に対応したRUの構成イメージの画像(RU構成画像)を表示部15に表示させて、測定対象とするRUを割り当てさせる。
【0052】
制御部16は、PPDUタイプ選択部102で選択された周波数帯域幅が20MHzで、RUタイプ設定部103で選択されたRUのタイプがMRUの場合、
図4に示すような画像を表示部15に表示させて、測定対象とするRUを割り当てさせる。
図4の横方向は、周波数帯域を表しており、右に行くほど周波数は高くなる。
【0053】
図4において、行方向の群である26-tone表示選択部111は、26-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。52-tone表示選択部112は、52-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。106-tone表示選択部113は、106-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。242-tone表示選択部114は、242-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。
【0054】
各表示選択部には、それぞれのリソースユニットを表すリソースユニット表示部120がリソースユニットの数だけ表示される。リソースユニット表示部120は、例えば、それぞれのリソースユニットの周波数帯域幅と、チャネルの周波数帯域幅上の位置を略台形の図形で表す。
【0055】
このようにすることで、選択中のリソースユニットや選択しようとしているリソースユニットがどの位置にあるのかを容易に確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0056】
制御部16は、リソースユニット表示部120の表示を、未選択、選択中(=選択済)、選択不可で変えて表示させる。選択不可とは、選択されたPPDUタイプでは使用できないとされているリソースユニットを示す。未選択とは、選択されたPPDUタイプで使用可能となっているが、選択されていない状態のリソースユニットを示す。
【0057】
制御部16は、例えば、選択中のリソースユニット表示部120の表示を、リソースユニット表示部120aのように表示させる。制御部16は、例えば、選択不可のリソースユニット表示部120の表示を、リソースユニット表示部120bのように表示させる。リソースユニット表示部120aとリソースユニット表示部120bとは、表示態様が識別可能に互いに異なっている。
【0058】
このように、リソースユニット表示部120の表示を、未選択、選択中、選択不可で変えているため、選択できないリソースユニットを容易に確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0059】
制御部16は、例えば、
図2のRUタイプ設定部103及びRUインデックス設定部104で設定されたRUのタイプとRUのインデックスに基づいて、設定されたRUのタイプとRUのインデックスから決まるリソースユニットのリソースユニット表示部120の表示を選択中とし、設定されたRUのタイプとRUのインデックスから決まる選択不可のリソースユニットのリソースユニット表示部120の表示を選択不可とし、その他の設定されたRUのタイプから決まる選択可能なリソースユニットのリソースユニット表示部120の表示を未選択とする。
【0060】
このようにすることで、選択中のリソースユニットがどの位置にあるのかを容易に確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0061】
RUタイプ設定部131は、初期値として、
図2のRUタイプ設定部103で設定されたRUのタイプを表示し、ユーザの操作によりRUのタイプを設定できる。
【0062】
RUインデックス設定部132は、初期値として、
図2のRUインデックス設定部104で設定されたRUのインデックスを表示し、ユーザの操作によりRUのインデックスを設定できる。
【0063】
このようにすることで、規格で定義されたRUのタイプとRUのインデックスによりリソースユニットを選択することができ、容易にMRUのリソースユニットを選択することができる。
【0064】
制御部16は、例えば、RUタイプ設定部131とRUインデックス設定部132の設定に合わせて、リソースユニット表示部120の表示を切り替える。
【0065】
制御部16は、RUタイプ設定部131及びRUインデックス設定部132で設定されたRUのタイプとRUのインデックスから決まるRUのリソースユニット表示部120の表示を選択中とし、設定されたRUのタイプとRUのインデックスから決まる選択不可のRUのリソースユニット表示部120の表示を選択不可とし、その他の設定されたRUのタイプから決まる選択可能なRUのリソースユニット表示部120の表示を未選択とする。
【0066】
このようにすることで、規格で定義されたRUのタイプとRUのインデックスによりリソースユニットを選択することができ、選択されたリソースユニットがどの位置にあるのかを容易に確認することができる。
【0067】
また、制御部16は、未選択の表示となっているリソースユニット表示部120が、例えば、操作部14のマウスの操作によりクリック操作が行なわれて選択されると、選択されたRUと対応するRUのリソースユニット表示部120を選択中の表示に切り替え、選択されたRUに合わせてRUタイプ設定部131とRUインデックス設定部132の表示を切り替える。
【0068】
制御部16は、例えば、選択されたRUに複数の組み合わせが存在する場合、MRUのインデックスの値が最小の組み合わせを採用し、表示を切り替える。
【0069】
このようにすることで、リソースユニットの構成イメージから測定対象のリソースユニットを選択することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0070】
また、選択されたリソースユニットと対となるリソースユニットを自動的に選択中とするため、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0071】
また、リソースユニットの構成イメージから選択したリソースユニットのMRUのタイプとインデックスを確認することができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0072】
また、未選択のRUのリソースユニット表示部120のいずれかが操作部14のマウスの操作によりクリック操作されるなどして選択されると、制御部16は、選択されたRUと対になる候補のRUのリソースユニット表示部120を、未選択、選択中、選択不可とは異なる候補の表示とする。なお、最初に選択されたRUによって、RUの組み合わせが一意に決まる場合は、対応する2つ目のRUのリソースユニット表示部120も選択中の表示とする。
【0073】
このように、選択されたリソースユニットと対となる候補のリソースユニットの表示が変わるため、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0074】
また、選択されたリソースユニットと対となるリソースユニットが一意に決まる場合は、そのリソースユニットを自動的に選択中とするため、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0075】
なお、制御部16は、RUタイプ設定部131とRUインデックス設定部132の設定に合わせて、リソースユニット表示部120の表示を切り替えるようにしてもよい。
【0076】
このようにすることで、RUタイプ設定部131とRUインデックス設定部132の設定で選択されたリソースユニットがどの位置にあるのかを容易に確認することができる。
【0077】
また、設定は、RUタイプ設定部103と、RUインデックス設定部104と、RUタイプ設定部131と、RUインデックス設定部132とで行なわせ、リソースユニット表示部120は表示を確認するのみとしてもよい。
【0078】
図4において、確定ボタン133は、選択中のリソースユニットの設定を確定させるものである。制御部16は、確定ボタン133が操作部14の操作により選択されると、選択中のリソースユニット表示部120aに対応するリソースユニットを測定対象のリソースユニットとして、表示部15の表示を
図2の表示に戻す(
図4の表示が消える)。このとき、制御部16は、選択されたリソースユニットのタイプをRUタイプ設定部103に、インデックスをRUインデックス設定部104に表示させる。
【0079】
図4において、キャンセルボタン134は、変更した選択中のリソースユニットの設定をキャンセルさせるものである。制御部16は、キャンセルボタン134が操作部14の操作により選択されると、
図4の画像を表示する前に選択されていたリソースユニットを測定対象のリソースユニットとして、表示部15の表示を
図2の表示に戻す。このとき、制御部16は、
図4の画像を表示する前のリソースユニットのタイプをRUタイプ設定部103に、インデックスをRUインデックス設定部104に表示させる。
【0080】
MRU切替ボタン135は、RUのタイプをMRUに切り替えるものである。SRU切替ボタン136は、RUのタイプをSRUに切り替えるものである。制御部16は、MRU切替ボタン135が操作部14のマウスの操作によりクリック操作が行なわれて選択されると、RUのタイプをMRUに切り替える。制御部16は、SRU切替ボタン136が操作部14のマウスの操作によりクリック操作が行なわれて選択されると、RUのタイプをSRUに切り替える。
【0081】
制御部16は、RUのタイプがMRUである場合、
図4に示すように、MRU切替ボタン135をSRU切替ボタン136より大きく表示させる。制御部16は、RUのタイプがSRUである場合、
図4に示すのとは逆に、SRU切替ボタン136をMRU切替ボタン135より大きく表示させる。
【0082】
このようにすることで、現在選択中のRUのタイプがSRUなのかMRUなのかを容易に知ることができ、容易に間違い無く所望の測定対象を指定することができる。
【0083】
制御部16は、PPDUタイプ選択部102で選択された周波数帯域幅が40MHzの場合、
図5に示すような画像を表示部15に表示させて、測定対象とするRUを割り当てさせる。
【0084】
図5において、周波数帯域幅が20MHzのときに加え、484-tone表示選択部115が表示される。484-tone表示選択部115は、484-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。
【0085】
制御部16は、PPDUタイプ選択部102で選択された周波数帯域幅が80MHzの場合、
図6に示すような画像を表示部15に表示させて、測定対象とするRUを割り当てさせる。
【0086】
図6において、周波数帯域幅が40MHzのときに加え、996-tone表示選択部116が表示される。996-tone表示選択部116は、996-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。
【0087】
制御部16は、PPDUタイプ選択部102で選択された周波数帯域幅が160MHzの場合、
図7に示すような画像を表示部15に表示させて、測定対象とするRUを割り当てさせる。
【0088】
図7において、周波数帯域幅が80MHzのときに加え、2x996-tone表示選択部117が表示される。2x996-tone表示選択部117は、2x996-tone RUのリソースユニットを表示し選択させる。
【0089】
制御部16は、このように設定されたリソースユニットを使って、通信装置100と通信を行なって、各種測定を行なわせる。例えば、操作者は、通信装置100にて送信させたいリソースユニットを、
図4のRU構成画像を用いて所望のリソースユニットを選択し、確定する。送信部10から当該選択したリソースユニットを含む測定条件が通信装置100に通知され、通信装置100は指定されたリソースユニットにて所定の信号を測定装置1に送り返す。測定装置1は受信部11にて送り返された信号を受け、送信特性等を信号解析部13にて測定する。
【0090】
なお、本実施形態においては、操作部14や表示部15が一体となった測定装置の例を示したが、例えば、ネットワークなどにより接続されたパーソナルコンピュータのプログラムから信号生成部12や信号解析部13を制御するような構成としてもかまわない。
【0091】
また、本実施形態においては、IEEE802.11beを例として挙げたが、規格に従って選択可能なリソースユニットを選択する必要がある他の通信規格に本発明を適用可能である。
【0092】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0093】
1 測定装置
14 操作部
15 表示部
16 制御部
100 通信装置
102 PPDUタイプ選択部
103、131 RUタイプ設定部
104、132 RUインデックス設定部
105 RU割当選択アイコン
120、120a、120b リソースユニット表示部