(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】容器を検査するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 57/10 20060101AFI20240903BHJP
B65B 57/12 20060101ALI20240903BHJP
G01G 15/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65B57/10 C
B65B57/10 B
B65B57/12
G01G15/00 A
(21)【出願番号】P 2022500845
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2020056404
(87)【国際公開番号】W WO2021005518
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】102019000011109
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】チェラティ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ビオンディ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ノフェリニ,ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】ゾルダン,ノエミ
(72)【発明者】
【氏名】シニガルディ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】デ・マリア,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】カヴァッツァ,ルカ
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0327254(US,A1)
【文献】特表2017-538939(JP,A)
【文献】特表2006-526770(JP,A)
【文献】特開2019-099280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B57/00-57/20
G01G15/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(100)、特にカプセルを検査するための検査装置(1)であって、各容器は、食品の調製のための粉末状または粒状の製品の用量を収容しており、前記装置(1)は、
対応するそれぞれの容器(100)のための複数の受け入れキャビティ(5)を備えたコンベヤ(2)であって、前記容器(100)を搭載するためのローディングステーション(200)と前記容器(100)を降ろすためのアンローディングステーション(300)との間で供給経路(A)に沿って前記複数の受け入れキャビティ(5)を移動させるように構成されたコンベヤ(2)と、
前記ローディングステーション(200)と前記アンローディングステーション(300)との間に前記供給経路(A)に沿って配置された測定ステーション(400)であって、各容器を、当該容器(100)が前記コンベヤ(2)によって支持されて移動している間に、検査するように構成された測定ステーション(400)と、を備え、
前記測定ステーション(400)は、各容器(100)が通過する測定ゾーン(410)を備えたマイクロ波検出器を備え、前記装置(1)はさらに、前記マイクロ波検出器から測定信号を受信して、前記容器または前記容器に収容された前記用量の少なくとも1つの特性に関する、好ましくは密度または重量に関連する情報項目を生成するように構成された処理ユニットを備え
、
前記コンベヤ(2)が、前記供給経路(A)を規定する移送要素(3)と、前記移送要素(3)から前記供給経路(A)に対して横方向に延び且つ各々が前記複数の受け入れキャビティ(5)の少なくとも1つを有する複数の支持体(4)とを備え、
各支持体(4)は、2つ以上の受け入れキャビティ(5)を備えており、旋回軸(Y)周りに回転可能であり、少なくとも、当該支持体(4)の前記2つ以上の受け入れキャビティが前記供給経路(A)に対して横方向に、好ましくは垂直に、位置合わせされて配置された第1の位置と、当該支持体(4)の前記2つ以上の受け入れキャビティ(5)が前記測定ゾーン(410)を連続して次々に通過するように、当該支持体(4)の前記2つ以上の受け入れキャビティ(5)が前記供給経路(A)に沿って位置合わせされて配置された第2の位置とをとる、装置。
【請求項2】
前記処理ユニットは、前記マイクロ波検出器から受信した前記測定信号の関数として、重量または密度、前記容器(100)内の製品のタイプ、前記容器(100)内の異物の存在、の少なくとも1つに関連する情報項目を生成するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マイクロ波検出器が、前記測定ゾーン(410)を取り囲むような形状、好ましくはUまたはC形状を有する導波路要素(420)を備え、前記導波路要素(420)は、2つの対向する端部(430)を有し、前記2つの対向する端部(430)は、それらの間に前記複数の支持体(4)が通過するギャップ(440)を規定し、前記供給経路(A)に垂直に測定された前記ギャップ(440)のサイズは、前記容器(100)が通過する前記測定ゾーンよりも小さい、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
各支持体(4)は、前記ギャップ(440)の厚さよりも薄く且つ当該支持体(4)が前記第2の位置をとるときに前記ギャップ(440)を通過するように構成される部分(4a)を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コンベヤ(2)は、回転軸(X)周りに、好ましくは連続的に、回転するカルーセルの形態で作られており、前記旋回軸(Y)は前記回転軸(X)に平行である、請求項1から
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記処理ユニットは、1つまたは複数の参照モデルを含むメモリユニットに関連付けられており、前記1つまたは複数の参照モデルは、対応するそれぞれの参照測定値と相関し且つ前記容器(100)または前記容器(100)に収容される前記製品の用量の異なる重量値を参照し、前記処理ユニットは、前記マイクロ波検出器から受信した前記測定値を前記参照モデルと比較することによって、前記情報項目を生成するように構成されている、請求項1から
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
食品の調製のための粉末状または粒状の製品を収容する容器、特にカプセルのための自動包装機は、
一連の容器(100)を製造するためのユニットと、
前記製造ユニットの下流に配置された、請求項1から
6のいずれか一項に記載の検査装置(1)と、
前記検査装置(1)の下流に配置された排除装置と、
前記製造ユニットおよび前記検査装置(1)に接続されたフィードバック制御システムであって、前記検査装置(1)の前記処理ユニットによって生成された前記情報項目に応じて、以下の是正措置の少なくとも1つを実行するように構成されたフィードバック制御システムと、を備え、前記是正措置は、
前記製造ユニットの、特に前記容器(100)を充填するための装置の1つまたは複数の動作パラメータを変更すること、および
生成された前記情報項目に基づいて不適合と見なされた1つまたは複数の容器(100)を排除するために、前記排除装置に作用すること、である、自動包装機。
【請求項8】
各々が食品の調製のための粉末状または粒状の製品の用量を収容する容器、具体的にはカプセルを検査するための検査方法であって、
各容器(100)を測定するための
測定ステーション(400)であって、
各容器(100)が通過する測定ゾーン(410)を備えたマイクロ波検出器を備えた測定ステーション(400)を通って供給経路(A)に沿って一連の容器(100)を供給するステップと、
一連の測定値を取得するために、前記測定ステーション(400)の間に前記マイクロ波検出器を使用して各容器(100)を測定するステップと、
各測定に基づいて、前記容器または前記容器に収容される前記用量の少なくとも1つの特性に関連する、好ましくは密度または重量に関連する情報項目を生成するステップと、を含
み、
前記供給経路(A)に沿って一連の容器(100)を供給する前記ステップが、
前記容器(100)を、2つ以上の容器(100)のグループとして且つ各グループの前記容器(100)が互いに位置合わせして配置された状態で、支持することによって、および、
少なくとも、マイクロ波で測定する前記ステップの前後に得られる第1の位置であって、前記グループの前記容器(100)が前記供給経路(A)に対して横方向に、好ましくは垂直に、位置合わせされて配置される第1の位置と、少なくともマイクロ波で測定する前記ステップの間維持される第2の位置であって、前記グループの前記容器(100)が、それらが連続して次々に前記測定ゾーン(410)を通過するように、前記供給経路(A)に沿って位置合わせされて配置される第2の位置との間で、各グループをそれぞれの旋回軸(Y)周りに回転させることによって、実行される、検査方法。
【請求項9】
前記情報項目を生成する前記ステップは、
メモリユニットに格納され且つそれぞれの参照測定値と相関する1つまたは複数の参照モデルであって、前記容器(100)または前記容器(100)に収容された前記製品の用量の異なる重量値を参照する1つまたは複数の参照モデルを呼び出すことによって、および、
前記マイクロ波検出器から受信した前記測定値を前記参照モデルと比較して前記情報項目を生成することによって、実行される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
各容器(100)を測定する前記ステップは、前記容器(100)が連続的に、好ましくは一定の速度で、前進するときに実行される、請求項
8または
9に記載の方法。
【請求項11】
各測定値に基づいて情報項目を生成する前記ステップは、重量または密度、前記容器(100)内の製品のタイプ、前記容器(100)内の異物の存在の少なくとも1つに関連する情報項目を生成するステップをさらに含む、請求項
8から
10の
いずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記検査方法は、請求項1から7のいずれか一項に記載の検査装置(1)を使用して実施される、請求項8から11の一項に記載の方法。
【請求項13】
前記検査装置(1)を較正するための較正方法を含み、前記較正方法は、
前記コンベヤ(2)から1つまたは複数の容器(100)をピックアップし、それらをチェック計量器(20)に移送するステップと、
前記チェック計量器(20)で前記容器(100)を計量するステップと、
前記マイクロ波検出器を使用して前記容器(100)の各々の重量値を特定するステップと、
好ましくは処理ユニットを用いて、前記チェック計量器(20)でおよび前記マイクロ波検出器で得られた各容器の前記重量値を比較するステップと、
前記比較の結果が所定の値よりも大きい差である場合に、前記検査装置(1)に是正措置を適用するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を検査するための装置および方法に関し、具体的には、食品、例えば、凍結乾燥された食品材料(肉または野菜ストックなど)を製造するための粒状のまたは粉末状の事前にドーズされた分量の材料、または煎じ出し飲料を製造するための事前にドーズされた分量の粒状の材料を収容するタイプの容器、さらに具体的には、そのような食品を製造するためのカプセルを検査するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、煎じ出し飲料(例えばコーヒー)用のカプセルは、カプセルを製造する機械の下流にある、カプセル供給ラインに沿って配置されたチェック計量器を使用して検査される。計量の目的は、カプセルが所望の分量の製品を収容していること、したがって、所定の製品基準に準拠していることをチェックすることである。
【0003】
従来技術の製造ラインでは、カプセルは、複数のカプセルを保持するためのハウジングを備えたトレイまたは適切な支持プレートを使用して、種々の製造ステーション(装填、ドージング、封止など)間で移送される。
【0004】
従来技術の用途では、計量には各カプセルがチェック計量器上に具体的にはロードセル上に所定の時間留まることが必要になるので、インラインのチェック計量器の使用は、カプセルを断続的に供給する必要性を伴う。
【0005】
不利なことに、これらの解決策は遅く柔軟性に欠ける。カプセルを断続的に供給することは、機械の生産性を低下させ、そして、カプセルが移動中である区間の速度を上げることは、この欠点を克服するための望ましい解決策ではない。なぜなら、粒状または粉末状の材料を収容するカプセルは、高加速度または振動のために損傷を受け易いからである。
【0006】
さらに、支持トレイの使用は、ハウジングがトレイに配されることによってカプセルの相互位置が決定されるので、機械の柔軟性を低下させる。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明は、従来技術の上記の欠点を克服するための、容器を検査するための装置および方法を提供することを目的としている。
【0008】
より具体的には、本発明の目的は、生産性の向上を可能にするための、容器を検査するための装置および方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、全体的な動作の柔軟性を改善するための、容器を検査するための装置および方法を提供することである。
【0010】
これらの目的は、添付の特許請求の範囲の請求項1および10、並びに請求項1および10に従属する1または複数の請求項においてそれぞれ特徴付けられるように、本発明による容器を検査するための装置および方法によって完全に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上記の目的に関する本発明の技術的特徴は、添付の特許請求の範囲に明確に記載されており、その利点は、本発明の好ましい非限定的な例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、以下の詳細な説明からより明白である。
【
図2】
図1の装置で使用されているマイクロ波検出器の断面図を示す。
【
図3】
図1の装置で使用されているマイクロ波検出器の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面中の数字1は、本発明による検査装置全体を示す。検査装置1は、煎じ出し飲料(コーヒー、紅茶、ハーブ茶など)を製造するための、事前にドーズされた分量の粒状のまたは粉末状の材料を収容する外部ケースを備えるタイプの容器100を検査するように構成される。好ましい実施形態では、これらの容器は、この種の飲料を調製するためのカプセルであり、例えば、下向きに先細りの「カップ」の形状を有し得る。
【0013】
本発明は、封止されていない容器に適用され、したがって、例えば、外部ケースを閉じるために蓋を適用するためのステーションの上流の容器に適用されるか、または既に封止された容器に適用されてもよい。好ましくは、これらの容器は非金属タイプのものである。
【0014】
装置1は、ターンテーブル3を備えた回転カルーセルの形態のコンベヤ2を備え、ターンテーブル3は、垂直回転軸X周りに回転し、ターンテーブル3上に一連の支持体4が配置されている。
【0015】
より具体的には、コンベヤ2は、個々の容器100に対して電磁的な非接触な検査を実行するように構成された測定ステーション400を経由して、ローディングステーション200とアンローディングステーション300との間で供給経路Aに沿って上記のタイプの一連の容器100を移送する機能を有する。
【0016】
上記の一連の支持体4は、ターンテーブル3の回転軸X周りに、特にその先端ゾーンに均一に配されており、供給経路Aに対して横切るように、特に回転軸Xに平行なそれぞれの方向に沿って、ターンテーブル3から離れるように延びる。
【0017】
各支持体4は、その上部に、対応するそれぞれの容器100を受け入れるように構成された1つまたは複数の受け入れキャビティ5を備える。図示の実施形態では、各支持体4は、その上部に、2つの受け入れキャビティ5を備えるが、任意の数の受け入れキャビティ5(1つまたは3つ以上)があってもよい。
【0018】
好ましくは、同じ支持体4の2つ以上の受け入れシート5は、この説明が続くにつれてより明確になる理由のために、一列に互いに位置合わせされる。
【0019】
各受け入れキャビティ5は、
図1および2に示されるように、容器100自体の少なくとも1つの底部で重力で当該容器100を保持する上部が開いた「カップ」の形態で構成される。
【0020】
本発明の有利な態様によれば、各支持体4は、ターンテーブル3の回転軸Xに平行なそれぞれの旋回軸Y周りに回転可能にターンテーブル3(またはコンベヤ2の一般的な移送要素)に取り付けられる。そのような構成では、支持体4は、少なくとも、同じ支持体4の受け入れキャビティ5が、供給経路Aに対して横方向に、好ましくは垂直に、位置合わせされて配置される第1の位置(
図1のローディングステーション200およびアンローディングステーション300に見える)と、同じ支持体4の受け入れキャビティ5が、それらが測定ステーション400を1つずつ通過するように、供給経路Aに沿って連続して互いに位置合わせされる第2の位置(
図1の測定ステーション400に見える)と、をとり得る。
【0021】
上述の支持体4は、対応するそれぞれの独立したアクチュエータ(例えば、独立して制御可能な電気モータ)または機械的伝達装置(例えば、ターンテーブル3内に収容されたカムシステム)によって、それぞれの旋回軸Y周りに回転され得る。
【0022】
ローディングステーション200およびアンローディングステーション300でそれぞれ、2つ以上の容器100を同時に搭載および同時に除去するために、2つ以上の容器100を同時に把持および解放するように構成され且つ対応するそれぞれの移送ホイールのそれぞれの動作ユニットに取り付けられたジョーを備えた適切なローディングおよびアンローディング手段(図示せず)が提供される。ジョーは、容器が前述の第1の位置に従って位置合わせされている間に、2つ以上の容器100を同時に解放およびピックアップするように配置されている。
【0023】
さらに、より詳細に見ると、各支持体4は、板状の中間部分4aであって、(ターンテーブル3に回転可能に接続されているその下部と、前述の受け入れキャビティ5を備えるその上部との間に配置された)板状の中間部分4aを有し、板状の中間部分4aの大部分は、受け入れキャビティ5の相互アライメントの方向に平行である平面内にある(
図1および2)。
【0024】
変形の実施形態では、支持体4のその旋回軸Y周りの移動は、2つの端部位置間の旋回運動(すなわち、回転が逆になる)ではないかもしれないが、それは、常に同じ方向に、且つ必要に応じて断続的である、完全な回転であるかもしれない。
【0025】
さらに、各支持体4が1つの受け入れキャビティ5のみを有する実施形態(図示せず)では、支持体4のその旋回軸Y周りの前述の回転は、それが必要ではないので、存在しないかもしれない。
【0026】
測定ステーション400は、容器100がコンベヤ2によって(好ましくは、連続運動で、すなわち、一定速度または接線速度で)支持および移動されている間、各容器100を測定するように構成されている。この目的のために、コンベヤ2は一定の角速度で回転するように設定されている。
【0027】
より詳細には、測定ステーション400は、供給ロジックに従って各容器100が通過する測定ゾーン410を備えたマイクロ波検出器を備え、これにより、測定ゾーン410は、一度に1つの容器100と擦れ違う。
【0028】
好ましくは、測定ステーション400は単一のマイクロ波検出器を備え、単一の長手方向ラインに整列された一連の容器100が、容器100が一度に1つずつマイクロ波検出器を通過するように、単一のマイクロ波検出器を通過する。
【0029】
好ましくは、マイクロ波検出器は共振器であり、測定ゾーン410は共振キャビティである。
【0030】
マイクロ波検出器はまた、好ましくは、測定ゾーン410を取り囲むような形状、好ましくは、開口部が下向きの(すなわち、コンベヤ2に向かう)UまたはC形状を有する導波路要素420を備える。詳細には、
図2および3に見られるように、マイクロ波検出器の導波路要素420は、実質的にリング形状であり、その内部は、キャビティ、すなわち、測定ゾーン410を規定する。
【0031】
導波路要素420は2つの対向する端部430を有し、2つの対向する端部430は、それらの間に、支持体4が次々に通過するギャップ440を規定する。
【0032】
供給経路Aに垂直に測定された、コンベヤ2に面するギャップ440のサイズ(または幅)は、測定ゾーン410よりも小さく、それにより、測定ゾーン410は、上記の端部430によって底部で部分的に区切られる。
【0033】
さらに、各支持体4の板状の中間部分4aの厚さは、ギャップ440よりも薄いので、対応する支持体4が前述の第2の位置をとるとき、中間部分4aはギャップ440を通過することができる(
図2)。
【0034】
有利には、装置1はまた、マイクロ波検出器から測定信号を受信し、容器の内容物の少なくとも1つの特性に関連する情報項目を生成するように構成された処理ユニット(図示せず)を備える。
【0035】
一実施形態では、少なくとも1つの特性は、以下のうちの少なくとも1つであるか、または以下のうちの少なくとも1つと相関している。すなわち、全体としての容器100のまたは容器100に含まれる製品の用量の重量、容器100内の製品のタイプ、容器100内の異物の存在、のうちの少なくとも1つであるか、これらのうちの少なくとも1つと相関している。好ましい選択では、測定される特性は、少なくとも、内容物または容器全体(したがって、外部ケースを含む)の密度または重量である。
【0036】
より具体的には、処理ユニットは、マイクロ波検出器によって検出されるように容器および/またはその内容物の種々の特性を特定することを可能にし、特に容器100内の製品のタイプを参照して、内容物のタイプを特定する(例えば、紅茶、コーヒー、その他を区別する)だけではなく、種々のグレードまたはブランドの同一タイプの製品(例えば、種々のブランドのコーヒーパウダー)を区別することもできる。
【0037】
好ましい実施形態では、情報項目を生成するステップは、例えば特定の較正手順を受けて、マイクロ波検出器から受信した測定値を、ストレージユニットに格納された参照モデル、具体的にはプリセットされた参照モデルの適切な選択と比較することによって実行される。参照モデルは、特に種々の「情報項目」を種々の参照測定値に関連付けることにより、種々の重量値および/または種々のタイプおよび/または容器内の製品の特性、および/または異物が容器内に存在する種々の状況を参照し得る。
【0038】
このようにして、処理ユニットは、ストレージユニットに格納され且つ対応するそれぞれの参照測定値と相関する1つまたは複数の参照モデルを呼び出すことができ、次に、これらのモデルに関連付けられた参照測定値とマイクロ波検出器から受信した実際の測定値とを比較することができ、したがって、測定されている現在の状況に最も近いモデルを特定することができる。
【0039】
上記の装置は、容器を包装するための機械の一部を形成してもよく、機械は、一連の容器を製造するためのユニットと、その下流に、本発明による検査装置1とを備えることができる。
【0040】
この機械はまた、検査装置1の下流に配置された排除装置と、製造ユニットおよび検査装置に接続され且つ検査装置の処理ユニットによって生成された情報項目の関数として、以下の是正措置の少なくとも1つを実行するように構成されたフィードバック制御システムとを備える。是正措置は、
製造ユニットの、特に(ドージングまたは充填エラーを是正するために)容器を充填するための装置の1つまたは複数の動作パラメータを変更すること、および
生成された情報項目に基づいて不適合と見なされる1つまたは複数の容器、例えば、異物を含む容器または重量が所定の許容範囲外の容器を排除するように排除装置を動作させること、である。
【0041】
以下に説明するのは、本発明による検査方法であり、特に、上記のタイプの検査装置によって実施される検査方法である。
【0042】
この方法は、
マイクロ波測定ステーション400を通って供給経路Aに沿って一連の容器100を供給するステップと、
一連の測定値を得るために、各容器100を、当該容器100が測定ステーション400を通過させられている間に、マイクロ波によって測定するステップと、
各測定に基づいて、容器全体の重量または容器に含まれる製品の用量の重量、容器内の製品のタイプ、容器内の異物の存在の少なくとも1つに関連する情報項目を生成するステップと、を含む。
【0043】
容器100が供給経路Aに沿って前進するとき、容器100は2つ以上のグループで支持されており、各グループの容器100は互いに位置合わせされて配置されており、各グループは、第1の位置と第2の位置との間で、それぞれの旋回軸Y周りに回転する。
【0044】
また、本発明の目的は、各々が食品の調製のための粉末状または粒状の製品の用量を収容する容器、特にカプセルを検査するための検査装置を較正するための方法である。
【0045】
較正方法で較正できる検査装置は、基本的に、
容器を供給するための供給コンベヤであって、供給経路に沿って容器を移動させるように構成された供給コンベヤと、
供給経路に沿って配置された測定ステーションであって、各容器を検査するためにマイクロ波検出器を備えた測定ステーションと、
マイクロ波検出器から測定信号を受信し、容器または容器に含まれる用量の少なくとも1つの特性、好ましくは密度または重量、に関連する情報項目を生成するように構成された処理ユニットと、を備える。
【0046】
本発明による較正方法は、
コンベヤから1つまたは複数の容器をピックアップし、それらをチェック計量器に移送するステップと、
チェック計量器で容器を計量するステップと、
マイクロ波検出器を使用して各容器の重量値を特定するステップと、
好ましくは処理ユニットを用いて、チェック計量器20およびマイクロ波検出器で得られた各容器の重量値を比較するステップと、
比較の結果が所定の値よりも大きい差である場合に、検査装置に是正措置を適用するステップと、を含む。
【0047】
本発明による検査装置1は、
図4に概略的に示されるような較正プロセス、例えば、上記のタイプの較正プロセスに供され得る。
【0048】
較正は、定期的に、または必要に応じてオンデマンドで実行され得る。
【0049】
検査装置1を較正するための方法によれば、1つまたは複数の容器100は、特定のピックアップ手段10によってコンベヤ2からピックアップされる。
【0050】
好ましい実施形態では、ピックアップ手段10は、実質的に既知のタイプの協働ロボットとして知られているもの、例えば、「デルタ」タイプの協働ロボットを備える。
【0051】
ピックアップ手段10は、容器100の測定値を処理ユニット(CPU)に送信するチェック計量器20に(例えば、スクリューコンベヤなどによって)容器100を移送し、これにより、容器100の測定値をマイクロ波検出器400によって取られた対応する測定値と比較することができる。
【0052】
チェック計量器20によって計量された後、容器100は、容器を排除またはリサイクルラインに降ろす排除装置30によって排除される。
【0053】
チェック計量器20で取られた測定値と、好ましくは容器100がピックアップ手段10によってコンベヤ2からピックアップされる前に、マイクロ波検出器400で取られた対応する測定値との間の(好ましくは処理ユニットによって行われる)比較は、比較の結果が所定の値よりも大きい差である場合に、起こり得る不一致を特定し、検査装置1に対して是正措置を適用することを可能にする。
【0054】
本発明のさらなる態様によれば、装置1の基準制御チェックが実行される。基準制御チェックに従って、検査方法は、正確でよく知られた特性を持ち且つ検査される通常の容器と同じ形状の1つまたは複数の(例えば、高密度ポリエチレンまたはPEEKでできている)基準部品に適用される。
【0055】
コンベヤへの基準部品の搭載およびコンベヤからの基準部品の除去は、較正に使用されるのと同じ手段10、30を使用して、または専用の手段を使用して手動で行われてもよい。
【0056】
マイクロ波検出器でマイクロ波測定が行われると、得られた測定値は、処理ユニットによって対応する(プリセットされた、例えば、ストレージユニットから取得可能な)参照測定値と比較される。許容範囲外の差異の場合、装置1に対して、さらなる診断手順または是正および/または保守アクションがとられてもよい。例えば、非常に変わった測定値は、共振チャンバ内の湿気の存在を示している可能性があり、適切な保守アクションを必要とする。
【0057】
前述のように、本発明は、明確に示されていないが、すべて本発明の概念の範囲内にあるいくつかの変形を許容する。
【0058】
特に、コンベヤが上記のように作られ且つ受け入れキャビティの数および旋回の可能性に関して同じ考慮事項の影響下にある一連の支持体を備えることを常に条件として、コンベヤはターンテーブルではなく、リニアコンベヤ、閉ループコンベヤ、または他の種類のコンベヤ、つまり、供給経路を規定する一般的な移送手段の形で作られていてもよい。
【0059】
本発明は、従来技術の不利な点を克服して、事前に設定された目的を達成する。
【0060】
非接触システム、具体的には電磁、さらに具体的には、マイクロ波測定システムによって個々の容器の測定を行う検査装置の能力は、生産性を向上させることを可能にする。なぜなら、検査装置(ひいては包装機全体)が連続動作で動作でき、必ずしも断続的に動作する必要がなくなるからである。
【0061】
ローディングおよびアンローディング動作が容器のペアに対して実行されながら、コンベヤが長手方向に再配置され且つマイクロ波測定によって個別に検査される供給経路の区間内でのみ相互に位置合わせされる容器のダブルラインで動作できるという事実によって、生産性がさらに向上する。さらに、この特徴により、ローディングとアンローディングの速度を下げることができるので、容器を損傷するリスクを減らすことができる。
【0062】
最後に、トレイや支持プレートを使用せずに容器を個別に移動させることにより、所定の配置アレイに従った容器の固定された静的な配置が必要ないので、製造効率を向上させることが可能である。