(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】内視鏡ツール安定化、及び関連の使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/018 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
A61B1/018 514
(21)【出願番号】P 2022502196
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(86)【国際出願番号】 US2020041890
(87)【国際公開番号】W WO2021011517
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-06-06
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ワイルダー、エバン
(72)【発明者】
【氏名】ブレッチビール、スコット イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-268225(JP,A)
【文献】特開昭54-081690(JP,A)
【文献】特開2006-223358(JP,A)
【文献】実開昭52-158587(JP,U)
【文献】特開2012-070792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端とルーメンとを有するシャフトを備え、前記ルーメンは、遠位側に臨む開口で終端し、ツールが、前記ルーメンを通って開口から延出可能であり、
前記ツールに係合するための起上台を備え、該起上台は、
前記シャフトの少なくとも一部分を通って延びるアクチュエータと、
前記アクチュエータに結合された本体
であって、前記本体の一部分が、前記ツールを選択的に位置決めするために、前記ルーメン内に延びるように構成され
る、前記本体と、
を含み、
前記本体は、第1の延長部と、第2の延長部と、前記第1の延長部と前記第2の延長部とを接続する近位部と、揺動部材とを含み、
前記アクチュエータは、前記揺動部材に結合されるとともに前記揺動部材の曲面に接触し、
前記第1の延長部の一部分は、前記アクチュエータが近位側に動かされる場合、前記ルーメン内で動くように構成されており、
前記第2の延長部の一部分は、前記アクチュエータが遠位側に動かされる場合、前記ルーメン内で動くように構成される、
装置。
【請求項2】
前記第2の延長部は、前記ツールに係合するために、U字形状の本体面を有する、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記本体は、前記アクチュエータが近位側又は遠位側に動かされる場合、前記近位部内に位置決めされた軸の周りで回転する、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の延長部の径方向の内側面と前記第2の延長部の径方向の内側面とは、前記ルーメンの径方向の内側面と整合するように構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記本体の回転軸から偏倚された位置で、前記揺動部材に結合され、且つ前記第1の延長部の長手方向軸と前記第2の延長部の長手方向軸とは平行である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
遠位端とルーメンとを有するシャフトを備え、前記ルーメンは、遠位側に臨む開口で終端し、ツールが、前記ルーメンを通って開口から延出可能であり、
前記ツールに係合するための起上台を備え、該起上台は、
前記シャフトの少なくとも一部分を通って延びるアクチュエータと、
前記アクチュエータに結合された本体であって、前記本体の一部分が、前記ツールを選択的に位置決めするために、前記ルーメン内に延びるように構成される、前記本体と、
を含み、
前記本体は、前記ルーメンの径方向の内側面にある開口から遠位側に延びるチャネル内に位置決めされ、
前記チャネルは、前記ルーメン
の長手方向軸に交差する長手方向軸を有し、前記本体の面は、前記アクチュエータが近位側又は遠位側に動かされる場合、前記チャネルと摺動自在に連動するように構成される
、装置。
【請求項7】
前記本体は、前記アクチュエータが近位側に動かされる場合、前記チャネル内で近位側に摺動し、前記ルーメンの前記径方向の内側面にある前記開口を通って動き、さらに前記チャネルに入るように構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
遠位端とルーメンとを有するシャフトを備え、前記ルーメンは、遠位側に臨む開口で終端し、ツールが、前記ルーメンを通って開口から延出可能であり、
前記ツールに係合するための起上台を備え、該起上台は、
前記シャフトの少なくとも一部分を通って延びるアクチュエータと、
前記アクチュエータに結合された本体であって、前記本体の一部分が、前記ツールを選択的に位置決めするために、前記ルーメン内に延びるように構成される、前記本体と、
ルーメンに対して揺動可能にしたタブ部材と、
前記シャフトに固定的に結合されるとともに前記本体の第2の面と接触する第1の面を含むブロックであって、前記第1の面は、前記ルーメン
の長手方向軸に交差しており、前記第2の面は、前記アクチュエータが近位側又は遠位側に動かされる場合、前記第1の面と摺動自在に連動するように構成される、ブロックと
を
含み、
前記本体は、前記ルーメンの方へ向かって動き、且つ前記タブ部材を前記ルーメン内に強制的に押し込むように構成される
、装置。
【請求項9】
前記タブ部材は、前記ルーメンから離れるように付勢される、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記ブロック内のチャネルを通って延びる、請求項
8に記載の装置。
【請求項11】
遠位端と第1のルーメンとを有するシャフトを備え、前記第1のルーメンは、遠位側に臨む開口で終端し、ツールが、前記第1のルーメンを通って開口から延出可能であり、
前記ツールに係合するための起上台を備え、該起上台は、
前記シャフトの少なくとも一部分を通って延びるアクチュエータと、
前記アクチュエータに結合するスネアループ
を備え、前記スネアループの一部分が、前記ツールを選択的に位置決めするために、前記第1のルーメン内に延びるように構成される、前記スネアループと、
支持体
であって、第2のルーメンと、前記第2のルーメンの径方向の内側面の周囲に延びるチャネルとを含み、前記第2のルーメンは前記第1のルーメンと整合し、前記チャネルは前記スネアループを受け入れ
る、前記支持体と、
を含み、
前記スネアループは、前記アクチュエータが近位側に動かされる場合、前記第2のルーメンに入るように構成される
、装置。
【請求項12】
前記スネアループは前記チャネルの方へ向かって付勢される、請求項
11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な態様は、概して、内視鏡装置に関する。より具体的には、本発明は、内視鏡ツールの安定化用の装置先端及び関連の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
診断及び治療の双方の内視鏡的処置中に、付属装置が内視鏡の作業チャネルを通過させられ得る。付属装置の外径は、作業チャネルの内径と適合する必要がある。専ら診断処置のために使用される内視鏡は、一般的に、(診断及び治療の)併用品や治療専用に使用されるものと比べて、作業チャネルが細い。例えば、診断用の胃鏡と治療用の胃鏡は、一般に、それぞれ、2.8mm、3.7mmの作業チャネル内径を有する。診断用のスコープに使用されるように設計された付属装置は、一般的に、治療用のスコープとも互換性がある。しかしながら、診断用のスコープに使用されるように設計された付属装置は、治療用のスコープと一緒に使用される場合には、サイズが小さい場合があるので、その結果、作業チャネル内に緩く嵌る。
【0003】
この緩い嵌りは、スコープが処置全体を通じて関節動作をするため、付属装置の不安定性につながり得る。処置中の付属装置の不安定性は、直接可視化下で見えるように、作業チャネル内での装置の向きに変動を生じ得る。装置の不安定性は、いくつかの処置中には問題とはならないかもしれないが、より精密な処置(例えば管腔内手術など)の最中の課題となり得る。管腔内の外科的処置中、カッティングナイフが、組織を切除するために使用され得る。いくつかの既存のカッティングナイフは、関節動作の機能がなく、しかも医師によって実施される切る動きは、スコープの関節動作によって制御される。カッティングナイフが、内視鏡の作業チャネルの内径に対してサイズが小さい場合、ナイフと作業チャネルとの間は緩く嵌り、それゆえ、ナイフは、医師がスコープを関節で動かす場合に、不随意な動作をし得る。これは、処置を実施する医師に対してはある程度の予測不能さを、及び患者に対しては潜在的なリスクをもたらす。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、とりわけ、スコープ又は同様の装置内で医療ツールを安定させる機構に関する。本明細書で開示する実施形態のそれぞれは、他の開示の実施形態のいずれかに関連して説明する特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0005】
一態様によれば、装置は、遠位端とルーメンとを有するシャフトを含み得、ルーメンは、遠位側に臨む開口で終端する。ツールが、シャフトを通して挿入され得るとともに、ルーメンを通って開口から出て延び得る。装置は、さらに、ツールに係合するための起上台(elevator)を含み得る。起上台は、シャフトの少なくとも一部分を通って延びるアクチュエータと、アクチュエータに結合され得る本体とを含み得る。本体の一部分は、ツールを選択的に位置決めするために、ルーメン内に延びるように構成され得る。
【0006】
本発明の他の態様では、装置は、下記の特徴のうちの1つ以上を含み得る。本体は、第1の延長部と、第2の延長部と、第1の延長部と第2の延長部とを接続する近位部とを含み得る。アクチュエータは第1の延長部の遠位部に結合され得るとともに、第2の延長部の一部分は、アクチュエータが近位側に動かされる場合、ルーメン内で動くように構成され得る。第2の延長部の一部分は、アクチュエータが遠位側に動かされる場合、ルーメンから出るように構成され得る。第1の延長部の長手方向軸は、第2の延長部の長手方向軸に交差し得る。第2の延長部は、ツールに係合するために、U字形状の本体面を有し得る。本体は、アクチュエータが近位側又は遠位側に動かされる場合、近位部内に位置決めされた軸の周りで回転し得る。本体は、第1の延長部と、第2の延長部と、第1の延長部と第2の延長部とを接続する近位部と、揺動部材を含み得る。アクチュエータは、揺動部材に結合され得るとともに、揺動部材の曲面と接触し得る。第1の延長部の一部分は、アクチュエータが近位側に動かされる場合、ルーメン内で動くように構成され得るとともに第2の延長部の一部分は、アクチュエータが遠位側に動かされる場合、ルーメン内で動くように構成され得る。
【0007】
本発明の他の態様では、装置は、下記で説明する特徴のうちの1つ以上を含み得る。第1の延長部の径方向の内側面及び第2の延長部の径方向の内側面は、ルーメンの径方向の内側面と整合するように構成され得る。アクチュエータは、本体の回転軸から偏倚された位置で、揺動部材に結合され得る。第1の延長部の長手方向軸と第2の延長部の長手方向軸は平行であり得る。本体が、ルーメンの径方向の内側面にある開口から遠位側に延びるチャネル内に位置決めされ得る。チャネルは、ルーメンの長手方向軸に交差する長手方向軸を有し得る。本体の面は、アクチュエータが近位側又は遠位側に動かされる場合、チャネルと摺動自在に連動するように構成され得る。本体は、アクチュエータが近位側に動かされる場合、チャネル内で近位側に摺動し、ルーメンの径方向の内側面にある開口を通って動くとともに、チャネルに入るように構成され得る。起上台は、さらに、ルーメンに対して揺動可能にしたタブ部材と、シャフトに固定的に結合され、且つ本体の第2の面と接触する第1の面を含むブロックとを含み得る。第1の面は、ルーメンの長手方向軸に交差し得るとともに第2の面は、アクチュエータが近位側又は遠位側に動かされる場合、第1の面と摺動自在に連動するように構成され得る。本体は、ルーメンの方へ向かって動くとともにタブ部材をルーメン内に強制的に押し込むように構成され得る。タブ部材は、ルーメンから離れるように付勢され得る。アクチュエータは、ブロック内のチャネルを通って延び得る。ルーメンは第1のルーメンであり得るとともに、本体はスネアループであり得る。起上台は、さらに、第2のルーメンと、第2のルーメンの径方向の内側面の周囲に延びるチャネルとを含む支持体を含み得る。第2のルーメンは第1のルーメンと整合し得る。チャネルは、スネアループを受け入れ得るとともにスネアループは、アクチュエータが近位側に動かされる場合、第2のルーメンに入るように構成され得る。
【0008】
他の態様では、装置は、遠位端と第1のルーメンとを有するシャフトを含み得、第1のルーメンは、遠位側に臨む開口で終端し、シャフトを通して挿入されたツールが、ルーメンを通って開口から出て延び得る。装置は、さらに、ツールに係合するための起上台を含み得る。起上台は、シャフトの少なくとも一部分を通って延びる第1のアクチュエータと、第1のアクチュエータに結合された回転自在板とを含み得る。回転自在板は、回転自在板の遠位部が回転自在板の近位部に対してより遠位側となるように、角度が付けられ得る。回転自在板は、第1のルーメンと整合するように構成された第2のルーメンと凹部とを含み得る。起上台は、さらに、シャフトの少なくとも一部分を通って延びる第2のアクチュエータと、第2のアクチュエータに結合された摺動部材とを含み得る。摺動部材は、凹部内に位置決めされ得るとともに、第1のルーメンと整合するように構成された第3のルーメンを含み得る。起上台はまた、シャフト内に固定して位置決めされたフレームを含み得る。回転自在板は、フレームに回転自在に結合され得る。
【0009】
他の態様では、装置は、下記の特徴のうちの1つ以上を含み得る。摺動部材の一部分は、第2のアクチュエータが動かされる場合、第1のルーメン内に延び、且つツールに力を加えるように構成され得る。摺動部材は、ツールが第1のルーメンの径方向の内側面に接触するように、ツールを動かすように構成され得る。回転自在板は、第1のアクチュエータが動かされる場合、フレームに対して回転するように構成され得るとともに、回転自在板の回転によって、摺動部材を回転させ得る。フレームは壁を含み得るとともに、壁は、回転自在板の凹部内での摺動部材の動きを制限するように構成され得る。
【0010】
他の態様では、装置は、遠位端と、遠位側に臨む開口で終端するルーメンとを有するシャフトであって、該シャフトを通して挿入されたツールが、ルーメンを通って開口から出て延び得る、該シャフトと、ツールに係合するための起上台とを含み得る。起上台は、シャフトを通って延びるアクチュエータと、アクチュエータに結合され且つ開口を含む本体とを含み得る。本体は、シャフトの開口の遠位側に位置決めされ、且つアクチュエータがアクチュエータの長手方向軸の周りで回転されると、ツールに力を加えるように構成され得る。本体は、ツールがルーメンの径方向の内側面と接触するように、ツールを動かすように構成され得る。
【0011】
他の態様では、装置は、下記の特徴のうちの1つ以上を含み得る。本体の開口は、ルーメンと整合するように構成され得るとともに、付勢部材は、本体に結合され得るとともに、本体を、本体の開口がルーメンと整合する位置の方へ向かって付勢し得る。
【0012】
上記の概要及び以下の詳細な説明は双方とも、例示及び説明にすぎず、特許請求されるものとして本発明を限定するものではないことが理解され得る。本明細書では、用語「備える/からなる(comprises)」、「備えている/からなる(comprising)」又はそれらの任意の他の変形例は、非排他的な包含を網羅するものとし、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明白にリストされていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の、他の要素も含み得る。用語「例示的な」は、「理想的」ではなく、「例」という意味で使用される。用語「遠位」は、装置を患者の体内に導入する場合に、ユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、用語「近位」は、装置を患者の体内に配置する場合に、ユーザに最も近い部分を指す。近位方向及び遠位方向は、図面を通して、それぞれ「P」及び「D」の印のある矢印によってラベルを付けられる。本明細書では内視鏡について言及しているが、内視鏡又は内視鏡検査法への言及は、開示の態様の考えられる応用を限定するとみなされるべきではない。例えば、開示の態様は、十二指腸鏡、気管支鏡、尿管鏡、結腸鏡、カテーテル、診断若しくは治療ツール若しくは装置、又は他のタイプの医療装置と一緒に使用されてもよい。さらに、相対的な用語、例えば、「約」、「概ね/実質的に」、「ほぼ」などは、述べられた数値又は数値範囲における±10%の考えられる変動を示すために使用される。
【0013】
本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の例示的な態様を示し、且つ記載と一緒に、本発明の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の態様による、内視鏡システムの斜視図、及び内視鏡システムの内視鏡の遠位端の拡大図。
【
図2A】本発明の態様による、装置チップの斜視図。
【
図2B】本発明の態様による、装置チップの前面図。
【
図2C】本発明の態様による、装置チップの斜視図。
【
図2D】本発明の態様による、装置チップの前面図。
【
図3A】本発明の態様による、装置チップの構成要素の斜視図。
【
図3B】本発明の態様による、装置チップの構成要素の前面図。
【
図4A】
図3A~3Bの構成要素を回転させるためのシステムの斜視図。
【
図4B】
図3A~3Bの構成要素を回転させるためのシステムの斜視図。
【
図5A】本発明の態様による、装置チップの斜視図。
【
図5B】本発明の態様による、装置チップの前面図。
【
図6A】本発明の態様による、装置チップの斜視図。
【
図6B】本発明の態様による、装置チップの前面図。
【
図7A】本発明の態様による、装置チップの内部構成要素の側面図。
【
図7B】本発明の態様による、装置チップの内部構成要素の側面図。
【
図7C】本発明の態様による、装置チップの内部構成要素の側面図。
【
図8】本発明の態様による、
図7A~
図7Cの装置チップの構成要素のうちのいくつかの前面図。
【
図9】本発明の態様による、装置チップの一部分の斜視図。
【
図10】本発明の態様による、
図9に示す装置チップの複数の構成要素の斜視図。
【
図11A】本発明の態様による、装置チップの複数の構成要素の前面図。
【
図11B】本発明の態様による、装置チップの複数の構成要素の前面図。
【
図11C】本発明の態様による、装置チップの複数の構成要素の前面図。
【
図11D】本発明の態様による、装置チップの複数の構成要素の前面図。
【
図12】本発明の態様による、装置チップの構成要素の斜視図。
【
図13A】本発明の態様による、
図12の構成要素を含む、装置チップの作業チャネルの斜視図。
【
図13B】本発明の態様による、
図12の構成要素を含む、装置チップの作業チャネルの斜視図。
【
図13C】本発明の態様による、
図12の構成要素を含む、装置チップの作業チャネルの斜視図。
【
図14】本発明の態様による、
図12の構成要素を含む、装置チップの作業チャネルの斜視図。
【
図15A】本発明の態様による、装置チップの前面図。
【
図15B】本発明の態様による、装置チップの前面図。
【
図16A】本発明の態様による、装置チップの斜視図。
【
図16B】本発明の態様による、装置チップの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、本発明の態様について詳細に言及し、その例は添付図面に示される。可能にした限り、複数の図面を通して、同じ又は同様の部分を指すために同じ又は同様の参照符号を使用する。
【0016】
本発明の実施形態は、ルーメンに対してサイズが小さくされるツールに関し、スコープ、例えば内視鏡などのルーメンすなわち作業チャネル内での付属装置(例えば、作動ツール(working tools))の安定性を高めることを求めている。いくつかの実施形態では操縦可能にした構成要素が含まれ、スコープの遠位端でツールを操作する場合に、ユーザに、追加的な自由度を与える。本発明の実施形態は、内視鏡の作業チャネル内で付属装置を操作する医師の能力を高めることを求めている。
【0017】
例示的な内視鏡検査システム100が
図1に示される。内視鏡検査システム100は内視鏡104を含み得る。内視鏡104は、ハンドルアセンブリ120及び可撓性チューブ状シャフト102を含み得る。シャフト102の可撓性は、対象者の曲がりくねった解剖学的通路を通るシャフト102のナビゲーションを容易にするために、シャフト102が曲がることができるのに十分であり得る。シャフト102は、遠位チップ101で終端し得る。シャフト102は、遠位チップ101を上方向、下方向、左方向、及び/又は右方向に偏向させるための関節セクション122を含み得る。一例では、関節セクション122は、完全な反転(例えば、180度の弧にわたる遠位チップ101の回転)を提供し得るか、又は、部分的な反転のみ(例えば、180度未満の弧にわたる遠位チップ101の回転)を提供し得る。内視鏡104はまた、そこを通って延びる1つ以上のルーメン、及び1つ以上のルーメンと連通する1つ以上の開口を含み得る。例えば、1つ以上のルーメンは、ハンドルアセンブリ120及びシャフト102を通って延び得るとともに、1つ以上の開口は、ハンドルアセンブリ120及び遠位チップ101にあり得る。内視鏡104は、患者の体に挿入するための任意の好適な部材、例えば内視鏡、胃鏡、尿管鏡、腎盂鏡(nephroscope)、結腸鏡、子宮鏡、尿管鏡、気管支鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、シース、又はカテーテルなどであり得る。
【0018】
1つ以上の補助装置が、内視鏡104に動作可能に結合され得る。例示的な補助装置は、コントローラ106、撮像システム108、電力供給装置112、ディスプレイ114、流体供給装置116、及び/又は真空源118を含み得、それらそれぞれについて下記で簡潔に説明する。コントローラ106は、例えば、1つ以上のプログラムによって与えられる命令に従って、データを受信、記憶、処理、生成、及び/又は送信できるいずれかの電子装置を含み得る。コントローラ106は、内視鏡104及び他の補助装置の1つ以上に動作可能に結合されるか、又はそれらの一部とし、それらの動作の1つ以上の態様を制御し得る。電力供給装置112は、補助装置及び内視鏡104内の電子的構成要素に電力を供給するために、任意の好適な電源、及び関連のコネクタ(例えば、導電性ワイヤ)を含み得る。流体供給アセンブリ116は、リザーバ、医療用洗浄袋、ポンプ、及び任意の好適なコネクタ(例えば、流体供給装置116と内視鏡104を流体結合するためのチューブ)を含み得る。ポンプは、内視鏡104中のルーメンのうちの1つ以上に加圧流体の流れを供給し得るとともに、加圧流体の流れは、遠位チップ101に存在する拡張可能にした構成要素を膨張させるために、遠位チップ101から放出され得る及び/又は使用され得る。真空源118は、内視鏡の1つ以上のルーメンに吸引又は真空圧力を提供し、それにより吸引力をもたらして、物質を内視鏡104の方へ向かって引く及び/又はそこに引き入れ、及び/又は拡張可能にした構成要素をしぼませ得る。
【0019】
撮像システム108は、撮像用電子装置を含み得、例えば、内視鏡104内の画像センサから受信した信号を処理し、画像センサを制御するために信号を送り、画像センサによって見られている領域の照明レベルを調整し、及び/又はディスプレイ114上での画像センサデータの表示を容易にする。
【0020】
遠位チップ101は、
図1の遠位チップ101の拡大図に示す、1つ以上の画像センサ129及び1つ以上の照明器131を含み得る。1つ以上の画像センサ129は、内視鏡104のシャフト102を通って延びるケーブル又はワイヤに結合された、電荷結合素子画像センサ、画像用相補型金属酸化膜半導体などを含み得る。1つ以上の照明器131は、発光ダイオード(LEDs)などを含み得る。
【0021】
ツール127が、内視鏡104のルーメンすなわち作業チャネル125内に挿入され得るとともに、ルーメン125の遠位端から出るようにし得る。ツール127は、例えば、ガイドワイヤ、カッティング用又は把持用鉗子、生検装置、スネアループ、注射針、切刃、ハサミ、格納式バスケット、回収装置、アブレーション及び/又は電子生理カテーテル、ステント留置装置、外科用ステープル留め装置、バルーンカテーテル、レーザ発光装置、及び/又は任意の他の好適な治療若しくは診断用ツールを含み得る。遠位チップ101の拡大図に示しているように、ツール127は、その長手方向軸の周りに、ルーメン125の長手方向軸の周囲と比べて、より小さい周囲を有し、及びルーメン125の直径と比べて、より小さい断面の直径を含み得る。本発明の態様は、例えば遠位チップ101のような医療装置チップの実施形態を提供する。該医療装置チップは、ユーザが遠位チップ101を動かした場合に、ツール127も同じ方向に動くように、ツール127などのツールを遠位チップ101に固定的に結合することを容易にし得る。
【0022】
図2A~
図2Dは、画像センサ229と、照明器231、233と、ルーメンすなわち作業チャネル225と、起上台242とを含む、医療装置チップ201の斜視図及び前面図を示す。ツール227は作業チャネル225内に配置されて示される。起上台242は、ツール227を起上台242と作業チャネル225の径方向内壁との間に挟むことによって、ツール227を遠位チップ201に固定するための手段を提供し得る。起上台242はまた、起上台242の運動経路全体にわたってツール227を動かし得る。例えば起上台242の運動経路全体にわたって、弧を描く動きでツール227を動かす。起上台242に係合している場合のツール227の経路は、起上台242がツール227と係合していない状態でのツール227のスタート位置に依存し得る。いくつかの例では、ツール227のスタート位置は、ツール227の剛性、遠位チップ201の関節、及び/又は患者の解剖学的構造を通る医療装置の動きの経路による影響を受け得る。いくつかの例では、起上台242は、医療装置チップ201の長手方向軸に対して角度を付けて配置され得るとともに、作業チャネルの遠位開口が医療装置チップ201の遠位前面に対して近位側に配置された状態で、医療装置チップ201の側壁から出るツールの作業チャネル内に位置決めされる位置を調整するように、構成され得る(この形態は、図面には示していないことに留意されたい)。
【0023】
起上台242は、ツール227を受け入れる第2の延長部246に関連して後述されるように、U字形状の面を含み得る。起上台242は、起上台242の近位部248において、遠位チップ201の一部分に留まり得る。起上台242の近位部248は、作業チャネル225の長手方向軸に概ね交差する軸の周りで回転自在であり得る。いくつかの例では、近位部248は、ヒンジを形成する遠位チップ201の一部分に回転自在に結合され得るとともに、起上台242が、近位部248を通って延びる軸の周りで回転可能にし得る。
【0024】
起上台242は、第1の延長部244及び第2の延長部246を含み得、それら双方共、近位部248から延び得る。いくつかの例では、第1の延長部244は、第2の延長部246から(延長部246の側部に)偏倚され得るとともに、第2の延長部246に対して角度が付けられ得る。いくつかの例では、第1の延長部244は、当該第1の延長部が作業チャネル225の外側になるように作業チャネル225の長手方向軸から偏倚され得る。いくつかの例では、第2の延長部246は、作業チャネル225に隣接して又はその内部に位置決めされる。第2の延長部246の外面252は、作業チャネル225の径方向の内側面に対し概ね整合するように構成され得る。或いはそうでなければ、作業チャネル225の径方向の内側面と同一平面になるように構成され得る。作業チャネル225の径方向の内側面は凹部の部分を含み得、そこに、起上台の第2の延長部246が位置決めされる。いくつかの例では、第1の延長部244の遠位部は締結室250を含み得る。締結室250は、ケーブル、すなわちアクチュエータ240を収容するように構成され得る。いくつかの例では、ケーブル240の遠位端は、第1の延長部244の遠位部に回転自在に結合され得る。これにより、ケーブル240が近位方向に引かれると、第1の延長部244が近位側に引かれて近位部248を通る軸の周りで揺動するとともに、ケーブル240の一部分が締結室250を通って延びる軸の周りで回転し得る。ケーブル240は剛性及び/又は非圧縮性とされ得る。これによって、第1の延長部244を遠位側に動かすとともに、近位部248を通る軸の周りで起上台を回転させるように、ケーブルは遠位側に直進可能である。いくつかの例では、ケーブル240は、ハンドル120又は内視鏡104の別の近位部に位置決めされたレバー(図示せず)に結合され得る。いくつかの例では、起上台242は、遠位前面から20mm未満に位置決めされ得る。
【0025】
動作中、起上台242は、
図2A及び
図2Bに示す第1の形態と、
図2C及び
図2Dに示す第2の形態との間で移行するように構成され得る。ユーザが、内視鏡104の近位部にあるレバーを引き寄せ、それによりケーブル240を近位側に引き得る。ケーブル240が近位側に引かれると、起上台242は、近位部248を通って延びる軸の周りで回転し得るとともに、
図2A及び
図2Bに示す第1の形態から、
図2C及び
図2Dに示す第2の形態へ移行し得る。いくつかの例では、作業チャネル225が開放してツール227を作業チャネル225内で動かすことができるように起上台242が位置決めされる場合、レバーは開放位置にあり得る。
【0026】
ユーザがレバーを開放位置から閉鎖位置へ動かす場合、ケーブル240は近位側へ動かされ、且つ起上台242(具体的には第2の延長部246)は作業チャネル225の一部分を遮り得る(
図2C及び
図2Dに示す)。起上台242が作業チャネル225の一部分を遮る場合、第2の延長部246は作業チャネル225内に延びるとともに、ツール227に接触して、ツール227を作業チャネル225の径方向の内側面に押し付けるようにし得る。いくつかの例では、ツール227は、作業チャネル225の径方向の内側面に押し付けられる場合、医療装置チップ201の長手方向軸及び/又は作業チャネル225に対して平行なままであり得る。他の例では、ツール227は、作業チャネル225の径方向の内側面に押し付けられる場合、医療装置チップ201の長手方向軸及び/又は作業チャネル225に対してある角度に傾けられ得る。ユーザは、ツール227を適所に保持するべく、起上台242を回転させるとともに第2の延長部246をツール227に押し付けるために、レバーを閉鎖位置へ動かし及び/又はケーブル240を近位側に引き得る。ユーザはレバーを閉鎖位置にロックし得る。これにより、ユーザがツール227を個別に保持することなく、遠位チップ201とツール227とを同時に協調して動かすことが可能になる。第2の延長部246をツール227に押し付けることによって、ユーザはツール227を安定させ、且つツール227が作業チャネル225内で動くことを防止し得る。起上台242の位置は、起上台242がツール227に係合する場合に、ツール227を作業チャネル225の径方向の内側面の任意の部分に位置決めするように、例えばツール227を画像センサ229及び/又は照明器231、233に対して特定の箇所に位置決めするように、最適にされ得る。いくつかの例では、レバー制御ケーブル240は、閉鎖位置にロックされて、ツール227を適所に保持する位置にユーザが起上台242をロックできるように、構成され得る。レバー制御ケーブル240が、閉鎖位置にロックされるように構成される場合、ユーザは、ハンドル120の生検ポートにツール227の近位部を保持する必要はないかもしれず、それゆえ、ユーザの疲労を軽減し、且つユーザが自由に手を動かすことが可能となり得る。
【0027】
図3A及び
図3Bは、装置チップに組み込まれ得る起上台302の代替的な実施形態を示す。起上台302は、起上台242に関連して既述した特徴のいずれかを有し得る。
図3Aには、起上台302は、内視鏡104又は同様の医療装置内にあり得る作業チャネル325に対して位置決めされて示される。起上台302は、第1の延長部304、第2の延長部306、及び第1の延長部304と第2の延長部306を接続する近位部307を含む。第1の延長部304は第2の延長部306に対向するとともに、ルーメン315が、起上台302の長さ部分を長手方向に延び得る。起上台302が装置の遠位チップ内、例えば遠位チップ101内に位置決めされると、ルーメン315は、装置の作業チャネルと長手方向に整合し得る。第1の延長部304及び第2の延長部306の径方向の内側面310、312はそれぞれ、湾曲し得るとともに、作業チャネル325に一致するように構成され得る。近位部307は接続部308を含み得る。接続部308は、起上台302の長手方向軸から径方向外向きに延び得るとともに、起上台302の径方向の外側面から突出し得る。接続部308は、ユーザが起上台302を接続部308の周りで回転できるようにする機構、例えば
図2A~
図2Dに示す第1の延長部244と同様の機構に接続するように構成され得る。接続部308は、作業チャネル325の外側又は部分的に外側であって、医療装置の遠位チップ部内に位置決めされ得る。タブ316が、接続部308に対向する起上台302の部分において、起上台302の径方向の外側面に位置決めされ得る。タブ316は、医療装置の遠位チップの一部分に回転自在に結合され得るとともに、作業チャネル325の部分的に外側に位置決めされ得る。いくつかの例では、第1の延長部304及び第2の延長部306は、環状部307から延びる長手方向の湾曲アームであり得る。環状部307は、内視鏡ツールを受け入れるための近位開口を有し得る。第1の延長部304及び第2の延長部306は、それらの間に2つの長手方向スロット309を画成し得る。遠位開口311は、起上台302の最遠位端にあり得るとともに、ツール325がそれを通って延びるように構成され得る。
【0028】
いくつかの例では、接続部308は回転体452に結合され得る。回転体452は、接続部308に結合される、回転自在ハブ454を含み得る。作業チャネル325の外側に位置決めされたケーブル、すなわちアクチュエータ450が、ハブ454から長手方向に偏向されて、回転自在ハブ454に固定的に結合され得る。ケーブル450は、回転体452内のルーメンを通って延び得るとともに、回転自在ハブ454から延びる延長部461に結合され得る。ユーザがケーブル450を遠位側に動かすと、延長部461は、ケーブル450によって延長部461へ加えられる力の結果、回転し得るとともに、回転自在ハブ454は、延長部461の動きによって回転し得、それゆえ、接続部308を介して起上台302を回転させて、起上台302を偏向させる。いくつかの例では、起上台302を偏向させることによって、第1の延長部304が作業チャネル325を遮り且つ作業チャネル325の第1の側320の方へ向かって回転するように、第1の延長部304を動かし得る。第1の延長部304が作業チャネル325を遮ると、第1の延長部304は、ツール427に接触し、且つツール427を作業チャネル325の第1の側320の方へ向かって押して、ツール427を第1の側320と第1の延長部304との間に保持し、このようにして、作業チャネル325内でのツール427の動きを防止し得る。ユーザがケーブル450を近位側に動かすと、ケーブル450は延長部461を引き寄せ得るとともに、回転自在ハブ454は、延長部461の動きによって回転し得る。このようにして、接続部308を介して起上台302を回転させ、且つ、第2の延長部306が作業チャネル325を遮るとともに作業チャネル325の第2の側321の方へ向かって回転するように起上台302を偏向させる。いくつかの例では、第1の延長部304又は第2の延長部306は作業チャネル325の一部分を塞ぐため、ツール427は、作業チャネル325全体にわたって動き得る。
【0029】
ケーブル450は、ケーブル240に関して上述したものと同じ方法で、ユーザによって動かされ得る。いくつかの例では、ユーザが、ケーブル450を引いたり又は押したりし得、それにより、ハブ454の周りでの延長部461の回転を生じるとともに、延長部461の回転によって、第1の延長部304又は第2の延長部306のいずれかを、作業チャネル325の一部を越えて偏向させる。起上台302は、ユーザが第1の延長部304を作業チャネル325内に位置決めしてツール427を作業チャネル325の第1の側320の方へ向かって保持できるようにするとともに、第2の延長部306を作業チャネル325内に位置決めしてツール427を作業チャネル325の第2の側321の方へ向かって保持できるようにするため、起上台302は、ユーザに、ツール427を作業チャネル325内の複数の異なる箇所に保持する能力をもたらす。いくつかの例では、起上台302は、当該起上台302の長手方向軸が作業チャネル325の長手方向軸に対して平行である場合に、部分的に作業チャネル325内に位置決めされ得る。他の例では、起上台302は、作業チャネル325の長手方向軸が起上台302の長手方向軸に対して平行である場合に、作業チャネル325の完全に外側に位置決めされ得る。いくつかの例では、起上台302の径方向の内側面310、312は、作業チャネル325の径方向の内側面と整合され得る。
【0030】
図5A及び
図5B並びに
図6A及び
図6Bは、装置チップ501内にある別の起上台510の斜視図及び前面図を示す。いくつかの例では、起上台510は、U字形状の凸状外面511を含み得、対向するフランジ513がU字形状の外面511の底部から径方向外向きに延びている。他の例では、起上台510の外面は、開口518を通って延びてツール527と接触するように構成された任意の好適な形状であり得る。フランジ513は、起上台510の底部515の上面を画成する。底部515は、作業チャネル525の径方向の内側面にある開口518から延びるチャネル514内に位置決めされ、及びその内部で摺動し得る。起上台510及び/又はチャネル514は、作業チャネル525に概ね交差する長手方向軸を有し得る。いくつかの例では、チャネル514は、作業チャネル525にある開口518から遠位側に、ある角度で延び得る。他の例では(図示せず)、チャネル514は、作業チャネル525の長手方向軸に対してある角度で開口518から近位側に延び得る。起上台510は、チャネル514内で動くように構成され得る。いくつかの例では、チャネル514は、長手方向にチャネル514内に延びる開口516を含み得る。開口516は、ケーブル、すなわちアクチュエータ550を受け入れるように構成され得るとともに、ケーブル、すなわちアクチュエータ550が開口516内で動くことができるようにする。いくつかの例では、起上台510は、内視鏡の遠位チップに取り付け自在である内視鏡キャップ内にあり得る。
【0031】
ケーブル、すなわちアクチュエータ550は、起上台510に固定的に結合され得るか、又は、ケーブルが、ケーブル550が起上台510に結合される点の周りで回転し得るように起上台510に回転自在に結合され得する。いくつかの例では、ケーブル550は、遠位チップ501が患者の体内に位置決めされる場合にユーザがケーブル550を動かし得るように、起上台510から装置の近位部まで延び得る。ケーブル550は、剛性及び/又は非圧縮性であり得るため、ケーブル550は、遠位側に又は近位側に、回転せずに動かされ、起上台510を遠位側に又は近位側に動かし、それにより起上台をチャネル514内で動かすようにし得る。いくつかの例では、ケーブル550は、起上台242に関して上述したものと同じ方法で、ハンドル120又は内視鏡104の別の近位部に位置決めされたレバー(図示せず)に結合され得る。
【0032】
図5A及び
図5Bは、作業チャネル525内に延出しないようにチャネル514内に完全に受け入れられている起上台510を示す。例えばケーブル550を近位側に引くようにハンドル120上のレバーを作動させることによって、ユーザがケーブル550を近位側に直進させると、起上台510は、チャネル514内で直進し、且つ作業チャネル525内に延び得、作業チャネル525を遮る。他の例では(図示せず)、ケーブル550を遠位側に直進させることによって、起上台510を作業チャネル525内へと動かす。いくつかの例では、ケーブル550を近位側に直進させることによって、起上台510を、
図5A及び
図5Bに示す第1の形態から、
図6A及び
図6Bに示す第2の形態へ移行させる。ツール527が作業チャネル525内に位置決めされる場合に、起上台510を作業チャネル525内へ動かすことによって、ツール527を動かし得る。ケーブル550を近位側に引き寄せることによって、ユーザは、起上台510を作業チャネル525内で動かし、且つツール527を起上台510と作業チャネル525の径方向の内側面との間に挟み得る(
図6A及び
図6Bに示す)。ユーザが起上台510を動かして、起上台510がツール527を押し、且つツール527を起上台510と作業チャネル525の径方向の内側面との間に保持する場合、ツール527は適所に保持され得るとともに、ユーザは、ツール527が作業チャネル525内で動くことなく、遠位チップ501及びツール527を一斉に動かし得る。ツール527を作業チャネル525内の特定の位置に保持することによって、起上台510は、作業チャネル525内でツール527を安定させることを助け得る。他の例では、好ましい起上台の性能及び付属装置の互換性を達成するために、起上台510の角度、形状、及び/又はサイズは、最適にされ得る。いくつかの例では、起上台510は、作業チャネル525を通してツール527を動かすことによって、作業チャネル525内の位置から、作業チャネル525の外側のチャネル514内の位置へ動かされ得る。
【0033】
図7A~
図7Cは、医療装置の遠位チップ701内に位置決めされた楔706を含む、起上台システム702の別の実施形態を示す。
図7A~
図7Cは、作業チャネル725内の遠位チップ701、作業チャネル725内に位置決めされたツール727、楔706、及び作業チャネル725の径方向の内側面にある開口709の側面図を示す。開口709は、楔706が位置決めされるキャビティ(図示せず)と、作業チャネル725とを接続する。楔706は、作業チャネル725の長手方向軸に概ね交差する一対の面を含み得る。これら面は、楔706の近位端に位置決めされた縁で接するため、この対の面で楔を形成し得る。いくつかの例では、楔706は、楔706及び遠位チップ701の一部分に結合されたバネなどの付勢部材によって、作業チャネル725の外側の位置に固着され得る。付勢部材(図示せず)は、楔706を作業チャネル725の外側の位置に、起上台の長手方向軸が作業チャネル725に対して概ね平行の状態で保持するように付勢され得る。いくつかの例では、楔706は、タブ部材710によって、作業チャネル725から離れるように付勢され得る。楔706の少なくとも1つの角度のついた面712は、ブロック707の角度のついた面708と整合するように構成され得る。いくつかの例では、付勢部材、例えばコイルバネは、ヒンジ751に結合され得る。コイルバネは、ヒンジ751をブロック707及び/又は楔706の方へ向かって付勢し得る。ケーブル、すなわちアクチュエータ750を近位側に引き寄せることによって、楔706をタブ部材710の方へ向かって摺動させ得るとともに、付勢部材の力に抗してタブ部材710を作業チャネル725の方へ向かって押し得る。
【0034】
ブロック707は、ブロック707が楔706に対して動かないように遠位チップ701に固定的に結合され得る。いくつかの例では、楔706及びブロック707が互いに対して動かない場合、タブ部材710の位置は変化しない。ブロック707は、作業チャネル725に対して概ね平行な長手方向軸、及び作業チャネル725の長手方向軸に実質的に交差する角度のついた面708を有し得る。面708は、楔706の面と整合するように構成され得る。ブロック707は、ブロック707を通って長手方向に延びるチャネル755(
図8に示す)を含み得る。
図8は、チャネル755とケーブル750とを含むブロック707、並びに楔706及び作業チャネル725に対するブロック707の位置を示す。タブ部材710は、
図8には示されていない。チャネル755は、ケーブル750を受け入れるように構成され得るとともに、ケーブル750がチャネル755を通って近位側に及び遠位側に回転せずに動くことができるようにし得る。チャネル755はまた、楔706が作業チャネル725の方へ向かって動き得る距離を制限するように、ケーブル750がブロック707の径方向最外部の外側に延びることを防止し得る。ケーブル750は、楔706(
図8において点線で示す)に固定的に結合され得る。これによってケーブルを近位側に動かすことによって楔706を近位側に動かすとともにケーブル750を遠位側に動かすことによって楔706を遠位側に動かす。
【0035】
タブ部材710は、遠位チップ701の近位部から遠位部まで延び得る。タブ部材710は硬質であり得るとともに、タブ部材710の近位部にヒンジ751を含み得る。他の例では、タブ部材710は可撓性を有し得るとともに、ヒンジ751は一体丁番であり得る。いくつかの例では、ヒンジ751は、コイルバネ又は他の付勢部材を含み得る。タブ部材710の最遠位端は、タブ部材710がヒンジ751の周りを揺動する場合にタブ部材710が作業チャネル725内に延び得るように、開口709に隣接して位置決めされ得る。いくつかの例では、タブ部材710は、ブロック707の外面及び楔706の外面に当接し得る。タブ部材710は、ツール727に接触し且つ作業チャネル725内のある位置にツール727を保持するように構成され得る。タブ部材710は、タブ部材710に加えられる力がない場合には、タブ部材710が作業チャネル725の外側の位置に動くように、ヒンジ/コイルバネ751によって作業チャネル725から離れるように付勢され得る。楔706、タブ部材710、及びブロック707は、任意の好適な生体適合性材料で作製され得るとともに、本明細書で説明したように動作するように十分に硬質であり得る。
【0036】
動作中、ユーザは、ケーブル750を近位側に動かし得る。そうして楔706を近位側に引き寄せ得る。楔706の角度のついた面712は、楔706が近位側に動くにつれて、ブロック707の角度のついた面708にわたって摺動し得る。このようにして、楔706を作業チャネル725の方へ向かって動かす。楔706が作業チャネル725の方へ向かって動くにつれて、楔706は、タブ部材710を作業チャネル725の方へ向かって動かす。タブ部材710が作業チャネル725の方へ向かって動くにつれて、タブ部材710はまた、ヒンジ751の周りで回転する。タブ部材710が作業チャネル725の方へ向かって動く場合、タブ部材710は、開口709を通って作業チャネル725内へと延び得るとともに、ツール727に接触し得る。このようにして、ユーザがケーブル750を近位側に引き寄せると、タブ部材710は作業チャネル725内へと動くとともに、ツール727を作業チャネル725の径方向の内側面の方へ引き寄せる。
図7Cに示すように、ユーザがケーブル750を近位側に引き寄せた後、タブ部材710は、作業チャネル725の径方向の内側面にツール727を当てて、作業チャネル725内でツール727が動くことを防止し得る。ツール727は、作業チャネル725内に延びるタブ部材710によって偏向させられ得る。いくつかの例では、起上台242、302、及び510に関連して既述したものと同様の方法で、タブ部材710がツール727を作業チャネル725の径方向の内側面に当てる位置にユーザが楔706をロックできるように、閉鎖位置にロックするべくレバー制御ケーブル750が構成され得る。ツール727を解放するとともにツール727を作業チャネル725内で動かすことができるようにするために、ユーザは、ケーブル750を遠位側に動かす。このようにして楔706を遠位側に動かし得る。代替的に、近位位置からケーブル750を解放することによって、タブ部材710はヒンジ751の周りで揺動でき、自動的に楔706を遠位側に動かす。
【0037】
図7A~
図7Cは、遠位チップ701内に位置決めされた楔706を示すが、代替的な実施形態(図示せず)は、楔706、ブロック707、及び遠位チップ701の遠位側に及び/又は遠位チップ701の本体760の外側に位置決めされた遠位部709を含み得る。
【0038】
図9~
図11Dは、医療装置の遠位チップ901内に位置決めされ得る、回転板930、摺動子932、及びフレーム943(
図11A~
図11Dに示す)を含む起上台アセンブリ902の別の実施形態を示す。板930は、板930の中心部分を通って延びる円形開口すなわちルーメン936、及び板930の第1の縁941からこれに対向する第2の縁940まで延びる凹部935を含み得る。いくつかの例では、板930は円形の外形を有し得る。ケーブル、すなわちアクチュエータ931が、板930に固定的に結合され得る。ケーブル、すなわちアクチュエータ931は、板930を動かすように、例えばフレーム943の凹んだ部分内で板930を回転させるように構成され得る。凹部935は、摺動子932を受け入れるように構成され得るとともに、摺動子932に摺動自在に係合するように構成された、対向するストレート縁941、940を含み得る。ルーメン936の周囲は、作業チャネル925の周囲よりも大きくなるように構成され得、作業チャネル925がルーメン936を通って延び得るようにする。
【0039】
摺動子932は、ほぼ円形の外形を有し得るとともに、摺動子932の中心部分を通って延びる開口又はルーメン937を含み得る。摺動子932は、対向するストレート縁950、951を含み得る。対向するストレート縁950、951は、縁950、951が縁940、941と摺動自在に連動するように凹部935の対向するストレート縁940、941と整合するように構成され得る。摺動子932は、凹部935内で平行移動し、且つ凹部935の長手方向軸977に沿って動くように、凹部935によって制限されるように構成され得る。いくつかの例では、ケーブル933を経由して摺動子932に力が加えられる場合、縁940、941と縁950、951との間の連動は、板930に対する摺動子932の回転を防止する。
図9に示すように、ルーメン937は、作業チャネル925がルーメン937を通って延び得るようなサイズにされ得る。摺動子932は、ケーブル933に固定的に結合され得る。いくつかの例では、ケーブル933は、硬質であり得るとともに、凹部935内で摺動子932を動かすように構成され得る。近位側又は遠位側のいずれかへのケーブル933の平行移動は、摺動子932を長手方向軸977に沿って動かし得る。
【0040】
図11A~
図11Dは、板930、摺動子932、及びフレーム943を含む起上台アセンブリ902を示す。起上台アセンブリ902は、ツール927に対して位置決めされて、
図11A~
図11Dに示されており、医療装置の遠位チップの他の構成要素は示されていない。いくつかの例では、フレーム943は、円形の外形を有し得るとともに、複数のルーメン960、961、962を含み得、医療装置の複数の構成要素、例えば起上台アセンブリ902の複数の構成要素が、複数のルーメン960、961、962を通って動くことを可能にする。例えば、フレーム943は、1つ以上の画像センサ及び/又は1つ以上の照明器からのケーブルが通って延び得るように構成される1つ以上のルーメン960、961を含み得る。いくつかの例では、フレーム943は、医療装置の遠位チップ901の一部であり得るとともに、遠位チップ901の一部分内に形成され得る。ルーメン962は、作業チャネル、例えば装置チップ901の作業チャネル925と整合するように構成され得る。フレーム943は、医療装置の遠位チップ901に固定的に結合され得る、及び/又はそこに組み込まれ得る。フレーム940は、回転板930及び摺動子932を保持して、回転板930がフレーム940に対して回転し得且つ摺動子932が凹部935内で回転せずに動き得るように、構成され得る。フレーム940は、板930と及び摺動子932をフレーム943に結合するが、板930及び摺動子932がフレームに対して動くことができるようにするように構成された1つ以上のブラケット970、971を含み得る。凹部の部分976が、摺動子932が板930の径方向最外部を越えて動くことを防止し得る。いくつかの例では、フレーム943は、例えば板930を90度回転させるように構成されるとともにケーブル931に接触する縁によって板930の回転を止めるように構成されたルーメン961を有することによって、板930の回転量を90度の回転に制限し得る。フレーム943は、遠位チップ901の長手方向軸に対してある角度で、遠位チップ901のような遠位チップ内に位置決めされ得る。遠位チップ901の長手方向軸に対してある角度でフレーム943を位置決めすることによって、ユーザは、ケーブル931を近位側又は遠位側に直進し、板930をフレーム943に対して回転させ得る。なぜなら、板930はフレーム943内で回転するが、フレーム943に対して近位側又は遠位側に直進し得ないためである。また、遠位チップ901の長手方向軸に対してある角度でフレーム943を位置決めすることは、ケーブル933を押す/引き寄せることによって、摺動子932の動きを容易にし得る。いくつかの例では、ケーブル931の回転によって、板930を回転させ得る。いくつかの例では、突起又は他の「ハードストップ」機構が回転板930に組み込まれ得、それが、フレーム943上の機構、例えばフレーム943上の突起と相互作用して、所望の範囲を越えた板930の回転を制限する。
【0041】
起上台アセンブリ902を含む遠位チップを備える医療装置の動作では、ユーザは、最初に、ケーブル931を近位方向又は遠位方向に動かすことによって、回転板930を回転させ得る。それにより、ケーブル931の遠位端は、遠位チップ901の長手方向軸に概ね交差する方向に、又はそうでなければチップ901の長手方向軸の周りで、動き得る。ユーザが板930を回転させる場合、凹部935の長手方向軸に対応する摺動子932の動作軸977は、回転し、及び摺動子932は、作業チャネル925に対して異なる位置へ動く。板930の回転後、ユーザは、ケーブル、すなわちアクチュエータ933を動かすことによって、凹部935を通して摺動子932を動かし得る。摺動子932を動かすことによって、摺動子932の一部分は、作業チャネル925内で動き得るとともに、ツール927に接触し得る。摺動子932がツール927に接触するとともにツール927を作業チャネル925の径方向の内側面に押圧し、ツール927を作業チャネル925の径方向の内側面に当て得るように、ユーザは摺動子932を動かし得る。
図11A~
図11Dは、起上台アセンブリ902を使用して、ツール927が作業チャネル、例えば作業チャネル925の径方向内壁に当てられ得る様々な位置を示す。
図11A~
図11Dに示すように、ユーザは、作業チャネル925の径方向の内側面に沿ったいずれかの箇所にツール927を配置するために、板943を回転させ、且つ摺動子932を直進させ得る。いくつかの例では、ツール927が、摺動子932によって、作業チャネル925の、ある側との間で挟持された後で、回転板930などによってツール927が作業チャネル925内で安定された後、起上台アセンブリ902は、ユーザがツール927を作業チャネル内の所望の位置へ動かすことができるようにする。起上台アセンブリ902は、より大きな作業チャネル及び/又はより小さなツールを使用できるようにし得る。なぜなら、起上台アセンブリ902は、ユーザに、ツールを作業チャネル内のユーザが規定した箇所で安定させる手段を提供し、且つツールの向きの予測可能性をより高くできるためである。
【0042】
いくつかの例では(図示せず)、板930は、ユーザが医療装置のノブを回転させて板930の回転を作動させる機構によって、回転され得るとともに、摺動子932は、ユーザが医療装置のノブを回転させて摺動子932を動かす機構によって、直進し得る。例えば、医療装置のハンドル、例えばハンドル120の回転の中心の周りでのアクチュエータの回転は、ケーブル(例えばケーブル931又はケーブル933)を押し(遠位側に動かし)得る又は引き寄せ(近位側に動かし)得る。板930又は摺動子932の動きがケーブルの直進によって制御されるいくつかの例では、ユーザは、回転の中心の周りでレバーを回転させ得る。それにより、医療装置のハンドル、例えばハンドル120内にアームを延ばし得るか又は引き込み得、それに続いて、ケーブルを押すか又は引き寄せる。他の例では、ケーブル(例えばケーブル931又はケーブル933)の近位端は、ダイアルに結合され得るとともに、ダイアルは、ダイアルの回転によってケーブルをケーブルの長手方向軸の周りで回転させるように、位置決めされ得る。
【0043】
他の例では、起上台アセンブリは、摺動子932とフレーム943とを含み得る。該フレームワーク943は、板930を受け入れる凹部がなく、且つ凹部935と同様の、摺動子932を受け入れるように構成された凹部を含む。この例では、板930は、起上台アセンブリ902と同じ方法で医療装置の遠位チップに固定され得るとともに、摺動子932は、フレーム内での摺動子932及び凹部の向きは固定されるため、単一の動きの軸977に制限され得る。起上台アセンブリのこの例では、摺動子932をフレームの凹部内で動かすために、単一のケーブルが必要とされるであろう。
【0044】
図12~
図14は、起上台アセンブリ1270の別の実施形態を示す。起上台アセンブリ1270は、支持ブロック1203、スネアループ1211、及びスネアループ1211に結合されたケーブル、すなわちアクチュエータ1210を含み得る。
図12は、スネアループ1211又はケーブル1210のない、支持ブロック1203を示す。支持ブロック1203は、支持ブロック1203の中心部分を通って及び支持ブロック1203の長手方向軸に沿って延びるルーメン1209を含み得る。ルーメン1209は、装置チップの作業チャネル1225と整合するように構成され得る(作業チャネル1225は、例示目的で点線で示されることに留意されたい)。ルーメン1209は、ブロック1203の第1の近位面1230にある開口から、ブロック1203の第2の遠位面1231にある開口まで延び得る。第1の面1230は、作業チャネル1225の長手方向軸に対して概ね直角であり得るとともに、第2の面1231は、作業チャネル1225の長手方向軸に概ね交差し得る。いくつかの例では、第2の遠位面1231は、第1の面1230と第2の面1231との間の距離が、第2の面1231が遠位側に延びるにつれて増大するように、角度が付けられ得る。チャネル1205が、ルーメン1209の径方向の内側面に及び第2の面1231の近くに位置決めされ得る。
【0045】
いくつかの例では、チャネル1205は、スネアループ1211を受け入れるように構成され得る。チャネル1205は、ルーメン1209の径方向の内側面の周囲に延び得るとともに、出口ルーメン1207に接続され得るか、又は他の方法でそれと連通し得る。出口ルーメン1207は、チャネル1205から第1の面1230にある開口まで延び得る。チャネル1207は、スネアループ1211及び/又はケーブル1210を受け入れるように構成され得る。いくつかの例では、作業チャネル1225がルーメン1209を通って延びるようにブロック1203が位置決めされる場合、チャネル1207は、作業チャネル1225の外側の部分に位置決めされる。作業チャネル1225の径方向内壁にある間隙が、チャネル1205に隣接して配置されて、スネアループ1211がチャネル1205から作業チャネル1225内へ入る及びそこから出るように動くことができるようにし得る。チャネル1205は、スネアループ1211がチャネル1205に嵌り込んで、チャネル1205内に載ることができるようなサイズにされ得る。
【0046】
図13A~
図13Cは、スネアループ1211がチャネル1205内に受け入れられている状態(
図13A)、スネアループ1211がチャネル1205から部分的に出て、作業チャネル1225内に位置決めされる状態(
図13B)、及びスネアループ1211がツール1227をルーメン1209の径方向の内側面に当てている状態(
図13C)の、起上台アセンブリ1270を示す。スネアループ1211は、チャネル1205内、チャネル1207内、又はブロック1203の外側で、ケーブル1210に結合され得る。スネアループ1211は、ユーザがケーブル1210を近位側に回転せずに動かされてスネアループ1211をチャネル1205の外側の位置からチャネル1205内の位置へと動かすことができるように、十分に剛性であり得る。医療装置の遠位チップは、作業チャネル1225内に又はそれに隣接してキャビティを含み得、これは、ブロック1203を受け入れて、ブロック1203が遠位チップに対して近位側又は遠位側に動かないようにし得るように構成され得る。
【0047】
いくつかの例では、ケーブル1210は、医療装置のハンドル、例えばハンドル120又は内視鏡104の別の近位部に位置決めされたレバー(図示せず)に結合され得る。ユーザは、内視鏡104の近位部にあるレバーを引き寄せ得る。それにより、ケーブル1210を近位側に引き寄せ得る。ケーブル1210が近位側に引き寄せられると、スネアループ1211は、チャネル1205から出て作業チャネル1225内へと動き得る。いくつかの例では、スネアループ1211がチャネル1205内に位置決めされ且つ作業チャネル1225が開放してツール1227が作業チャネル1225内で動くことができる場合、レバーは開放位置にあり得る。いくつかの例では、スネアループ1211が作業チャネル1225内に位置決めされ且つツール1227をルーメン1209の径方向の内側面に当て、それゆえツール1227を作業チャネル1225内で安定させて、ツール1227が作業チャネル1225内で動くことを防止している場合、レバーは閉鎖位置にあり得る。
【0048】
いくつかの例では、ケーブル1210は、ルーメンが延びているシース部を含み得るとともに、スネアループは、そのルーメン内に位置決めされた近位延長部を含み得る。この例では、ユーザは、近位延長部を近位側に引き寄せて、スネアループ1211を作業チャネル1225内に展開させ得るとともに、スネアループ1211の一部分は、シースによって受け入れられ得る。
【0049】
図14は、スネアループ1211が
図13Cと同じ位置に位置決めされる状態の、起上台アセンブリ1270の代替的な斜視図を示す。
起上台アセンブリ1270を含む遠位チップを備える医療装置の動作では、ユーザは、最初に、作業チャネル1225内にツール1227を位置決めし得る。その後、ユーザは、ケーブル1210を近位側に引き寄せて、スネアループ1211をチャネル1205から引き出し、且つ作業チャネル1225内にスネアループ1211を位置決めし得る。ユーザがケーブル1210を近位側に引き寄せると、スネアループ1211の近位部がチャネル1207を通して引き寄せられるため、スネアループ1211はツール1227に接触する。ツール1227は、作業チャネル1225にわたって動かされ得、その後、作業チャネル1225の径方向の内側面に当てられ得る。ツール1227を作業チャネル1225の径方向の内側面に当てている場合、ツール1227は、作業チャネル1225内で安定され得る。ユーザがツール1227を解放して、作業チャネル1225内により大きな空間を生み出したい場合、ユーザは、ケーブル1210を遠位側に動かし得るため、スネアループをチャネル1205内で動かし、作業チャネル1225から出るようにし得る。いくつかの例では、ユーザがケーブル1210を近位側に動かすと、スネアループ1211はチャネル1225内へ戻るように摺動する。いくつかの例では、スネアループ1211は、ブロック1203の幾何学的形状と組み合わされて、それ自体の硬さに起因して、引っ込み得るか、又はチャネル1225内の適所に戻って嵌り得る。いくつかの例では、スネアループ1211は、チャネル1225内でのスネアループ1211の配置を容易にする湾曲を有し得る。ブロック1203は、チャネル1225内へのスネアループ1211の動きを容易にする、角度のついた面を含み得る。他の例では、付勢部材、例えばバネが、スネアループ1211に結合され得るとともに、チャネル1225内でスネアループ1211を引き寄せ得る/押し得る。
【0050】
いくつかの例では、作業チャネル1225は、各ブロック1203が互いのブロック1203に対して回転される状態で、作業チャネル1225に沿って位置決めされた複数の起上台アセンブリ(ブロック1203、スネアループ1211、及びケーブル1210)を含み得る。複数のブロック1203及びスネアループ1211を使用することによって、ユーザは、ツール1227を作業チャネル1225内の異なる領域へ動かし且つツール1227を異なる位置で安定させる能力を有し得る。
【0051】
図15A~
図16Bは、医療装置の遠位チップ1501に位置決めされた起上台アセンブリ1502の別の実施形態を示す。起上台アセンブリ1502は、起上台1512及びケーブル、すなわちアクチュエータ1514を含み得る。起上台1512は、概ね円形の外形を有し得るとともに、遠位チップ1501の遠位前面に位置決めされ得る。起上台1512は、起上台1512を通って延びる開口又はルーメン1522を含み得る。いくつかの例では、ルーメン1522の長手方向軸は、遠位チップ1501の長手方向軸と平行であり得る。ルーメン1522は、作業チャネル1525と整合するように構成され得る。いくつかの例では、起上台1512は、ルーメン1522が作業チャネル1525の開口と整合されるように遠位前面1520に位置決めされ得る。起上台1512は、さらに、ケーブル1514を受け入れ且つそれに結合するように構成されたキャビティ1511を含み得る。いくつかの例では、キャビティ1511は、ケーブル1514が起上台1512に結合され且つキャビティ1511内に位置決めされる場合、回転の中心の機能を果たし得、ユーザがケーブル1514をケーブル1514の軸の周りで回転させる場合、起上台1512が、キャビティ1511に位置決めされた回転の中心の周りで回転し得るようにする。
【0052】
ケーブル1514は、起上台1512から医療装置の近位部まで延び得る。ケーブル1514は、ケーブル1514の近位部の回転によってケーブル1514の遠位部の回転を生じ得るように、硬質であり得る。ケーブル1514は、遠位チップ1501にあるルーメン(図示せず)を通って延び得る。ケーブル1514の遠位部は、起上台1512に固定的に結合され得る、例えばキャビティ1511に結合されてその内部に位置決めされ得る。ケーブル1514の近位部は、ノブ、例えばハンドル120(
図1参照)に位置決めされたノブに固定的に結合され得るとともに、ノブの回転によって、遠位チップ1501における起上台1512の回転を生じ得る。起上台1512が回転すると、起上台1512の一部分は、ツール1527に接触し得るとともに、ツール1527を作業チャネル1525の径方向の内側面の方へ動かし得る。それゆえ、起上台1512の回転は、ユーザに、ツール1527を動かし且つツール1527を作業チャネル1525の径方向の内側面に当て、それゆえ、作業チャネル1525内でのツール1527の動きを防止する手段をもたらし得る。
【0053】
いくつかの例では、起上台1512、ケーブル1514、及び/又はケーブル1514に結合されたノブは、付勢部材、例えばバネに結合され得、
図15A及び
図16Aに示すように、起上台1512を、ルーメン1255が作業チャネル1525と整合される位置の方へ向かって付勢する。いくつかの例では、付勢部材は、起上台1512の突起1529に結合され得る(例えば、バネが突起1529及びチップ1501の遠位面1520に取り付けられる)。ユーザがケーブル1514を回転させて、起上台1512が回転し、且つ作業チャネル1525を遮り、その後、ユーザがケーブル1514を解放すると、起上台1512は、付勢部材によって、ルーメン1522が作業チャネル1525と整合される位置へ戻るように動かされる。
【0054】
起上台アセンブリ1502を含む遠位チップ1501を備える医療装置の動作では、ユーザは、最初に、作業チャネル1525内にツール1527を位置決めし得る。その後、起上台1512を回転させ、起上台1512の一部分を、作業チャネル1525の中心長手方向軸の方へ向かって動かすとともに、起上台1512の一部分を、作業チャネル1525の遠位開口を横切って延ばすために、ユーザはケーブル1514をノブ又は任意の他の手段によって回転させ得る。ユーザがケーブル1514を回転させると、起上台1512はツール1527に接触し、且つツール1527を作業チャネル1525の径方向の内側面の方へ向かって動かす。ツール1527は、作業チャネル1525を通して動かされ得、その後、作業チャネル1525の径方向の内側面に当てられ得る。ツール1527を作業チャネル1525の径方向の内側面に当てている場合、ツール1527は、作業チャネル1525内で安定され得る。ユーザがツール1527を解放したい場合、ユーザは、ケーブル1514を反対方向に回転させ得るため、起上台1512を作業チャネル1525の遠位開口と整合させ、且つ作業チャネル1525の中心長手方向軸から離れるように作業チャネル1525の遠位開口にわたって延びていた起上台1512の部分を動かす。
【0055】
いくつかの例では、ケーブル、すなわちアクチュエータ1514は、ルーメン1522が作業チャネル1525と整合される場合、遠位チップ1501内の停止構成要素(図示せず)又は遠位前面1520から延びる突起(図示せず)によって、時計回り又は反時計回りの方向での回転を防止され得る。ルーメン1522が作業チャネル1525と整合される場合の、反時計回り又は時計回りの方向の起上台1512の回転を防止することは、ツール1527を起上台1512によって安定させた後に、ユーザがルーメン1522を作業チャネル1525と整合するように戻すように位置決めすることを容易にし得る。
【0056】
いくつかの例では、医療装置の遠位チップは複数の起上台を含み得、これら起上台は、起上台1512と同じ構造を備えるが、回転の中心は異なる位置にある。複数の起上台1512を使用することによって、ユーザはツール1527を安定させることができる及び/又はツール1527を作業チャネル1525内の複数の異なる位置で遠位チップ1501に結合することができる。
【0057】
起上台アセンブリの開示の実施形態のいずれかは、内視鏡又は他の医療装置の遠位チップの近位側に位置決めされ得る。例えば、起上台アセンブリの開示の実施形態のいずれかは、内視鏡の関節ジョイントの近位側及び/又は内視鏡の関節セクションの近位側に位置決めされ得る。起上台アセンブリの開示の実施形態のいずれかは、調整可能にしたロッキング機構及び/又は調整可能にしたアクチュエータ、例えばラチェットを含み、起上台の位置を調整し、且つ異なるサイズのツールに適応し得る。
【0058】
当業者には、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変形が開示の装置及び方法においてなされ得ることが明らかである。本発明の他の態様は、当業者に、本明細書及び本明細書で開示する特徴の実施を考慮して、明らかとなる。本明細書及び実施形態は、例示としてのみ考慮されるものとする。