IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イノサイエンス (スーチョウ) セミコンダクター カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7549002窒化物系双方向スイッチング装置とその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】窒化物系双方向スイッチング装置とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/337 20060101AFI20240903BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20240903BHJP
   H01L 29/808 20060101ALI20240903BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240903BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20240903BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L29/80 W
H01L29/44 Y
H01L29/80 H
H01L29/80 F
H01L29/80 C
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022513933
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2021143702
(87)【国際公開番号】W WO2023123363
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】522077801
【氏名又は名称】イノサイエンス (スーチョウ) セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーユエ ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウーハオ ガオ
(72)【発明者】
【氏名】ティアンヘン シアン
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/159559(WO,A1)
【文献】特表2007-526633(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113016074(CN,A)
【文献】特開2011-244459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/812
H01L 29/808
H01L 29/778
H01L 21/337
H01L 29/41
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー保護制御器と共に稼働する窒化物系双方向スイッチング装置であって、
基板上に設置されている窒化物系活性層と、
前記窒化物系活性層上に設置され、且つ前記窒化物系活性層のバンドギャップより大きいバンドギャップを有している窒化物系バリア層と、
前記窒化物系バリア層の上に設置され、且つ少なくとも第一スペーサー層及び第二スペーサー層を含み、前記第一スペーサー層及び前記第二スペーサー層は前記窒化物系バリア層の上に位置している複数のスペーサー層と、
デュアルゲートトランジスタと、を備え
前記バッテリー保護制御器は、電源入力端子と、過電流放電保護(discharge over-current protection、 DO)端子と、過電流充電保護(charge over-current protection、 CO)端子と、電圧監視端子(voltage monitoring、 VM)と、接地端子と、を有し、
前記デュアルゲートトランジスタは、
前記複数のスペーサー層上に設置されている第一及び第二ソース電極であって、前記第一ソース電極は前記バッテリー保護制御器の前記接地端子に電気的に接続されるように配置され、且つ前記第二ソース電極は電圧監視抵抗器を介して前記バッテリー保護制御器の前記VM端子に接続されるように配置されている第一及び第二ソース電極と、
前記窒化物系バリア層上に設置されていると共に前記第一及び前記第二ソース電極の間に横方向に位置している第一及び第二ゲート構造であって、前記第一ゲート構造は第一ゲート電極を含み、前記第二ゲート構造は第二ゲート電極を含み、前記第一ゲート電極は前記バッテリー保護制御器の前記DO端子に電気的に接続されるように配置され、前記第二ゲート電極は前記バッテリー保護制御器の前記CO端子に電気的に接続されるように配置されている第一及び第二ゲート構造と、を含み、
前記窒化物系双方向スイッチング装置は、前記第一スペーサー層上に設置される第一下部フィールドプレートと、前記第一スペーサー層上に設置される第二下部フィールドプレートと、を更に備え、前記第一及び前記第二下部フィールドプレートは相互に横方向に間隔を空けて配置され、
前記窒化物系双方向スイッチング装置は、前記第二スペーサー層上に設置される第一上部フィールドプレートと、前記第二スペーサー層上に設置される第二上部フィールドプレートと、を更に備え、前記第一及び第二上部フィールドプレートは相互に横方向に間隔を空けて配置され、
前記第一上部フィールドプレートから前記第二上部フィールドプレートまでの距離が前記第一下部フィールドプレートから前記第二下部フィールドプレートまでの距離より短く、
前記第一下部フィールドプレート及び前記第一ゲート構造が横方向に重複している距離は前記第一ゲート構造の全長より短く、前記第二下部フィールドプレート及び前記第二ゲート構造が横方向に重複している距離は前記第二ゲート構造の全長より短いことを特徴とする窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項2】
前記第一下部フィールドプレートは、前記第一ゲート構造と分離していると共に前記第一ゲート構造の少なくとも一部分及び領域を横方向に跨ぎ、前記領域は前記第一ゲート構造に直接隣接していると共に前記第一ゲート構造及び前記第二ゲート構造の間に位置し、
前記第二下部フィールドプレートは、前記第二ゲート構造と分離していると共に前記第二ゲート構造の少なくとも一部分及び領域を横方向に跨ぎ、前記領域は前記第二ゲート構造に直接隣接していると共に前記第一ゲート構造及び前記第二ゲート構造の間に位置することを特徴とする請求項1に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項3】
前記第一上部フィールドプレートは、前記第一下部フィールドプレートと分離していると共に前記第一下部フィールドプレートの少なくとも一部分及び領域を横方向に跨ぎ、前記領域は前記第一下部フィールドプレートに直接隣接していると共に前記第一及び第二下部フィールドプレートの間に位置し、
前記第二上部フィールドプレートは、前記第二下部フィールドプレートと分離していると共に前記第二下部フィールドプレートの少なくとも一部分及び領域を横方向に跨ぎ、前記領域は前記第二下部フィールドプレートに直接隣接していると共に前記第一及び第二下部フィールドプレートの間に位置することを特徴とする請求項2に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項4】
前記第一下部フィールドプレートの側壁の輪郭は前記第一上部フィールドプレートの側壁の輪郭とは異なり、前記第二下部フィールドプレートの側壁の輪郭は前記第二上部フィールドプレートの側壁の輪郭とは異なることを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項5】
前記第一及び第二下部フィールドプレートの側壁は前記第一スペーサー層から上向きに延伸されていると共に前記第二スペーサー層を受け止めるように内向きに凹設されていることを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項6】
前記第一及び第二上部フィールドプレートは傾斜する側壁を有していることを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項7】
前記第一及び第二下部フィールドプレートの厚さ及び前記第一及び第二上部フィールドプレートの厚さは略同じであることを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項8】
前記第一及び第二下部フィールドプレートの側壁は第一表面粗度を有し、前記第一及び第二上部フィールドプレートの側壁の第二表面粗度は前記第一表面粗度より大きいことを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項9】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第一下部フィールドプレートの全長に等しく、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第二下部フィールドプレートの全長に等しいことを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項10】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第一下部フィールドプレートの全長より短く、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第二下部フィールドプレートの全長より短いことを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項11】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一ゲート構造は横方向に重複する、前記距離が前記第一ゲート構造の全長に等しく、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二ゲート構造が横方向に重複している距離は前記第二ゲート構造の全長に等しいことを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項12】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一ゲート構造が横方向に重複している距離は前記第一ゲート構造の全長より短く、前記第二上部フィールドプレート及び第二ゲート構造が横方向に重複している距離は前記第二ゲート構造の全長より短いことを特徴とする請求項3に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項13】
基板上に窒化物系活性層を形成することと、
前記窒化物系活性層上に窒化物系バリア層を形成し、前記窒化物系バリア層が有しているバンドギャップは前記窒化物系活性層のバンドギャップより大きいことと、
前記窒化物系バリア層上方に第一及び第二ゲート電極を形成することと、
前記窒化物系バリア層上に第一不動態層を形成して前記第一及び第二ゲート電極を被覆することと、
前記第一不動態層上に下部ブランケットフィールドプレートを形成することと、
ウェットエッチングプロセスにより前記下部ブランケットフィールドプレートをパターン化し、前記第一ゲート電極及び前記第二ゲート電極上方に第一及び第二下部フィールドプレートをそれぞれ形成することと、
前記第一不動態層上に第二不動態層を形成して前記第一及び第二下部フィールドプレートを被覆することと、
前記第二不動態層上に上部ブランケットフィールドプレートを形成することと、
ドライエッチングプロセスを使用して前記上部ブランケットフィールドプレートをパターン化し、前記第一及び第二下部フィールドプレート上方に第一及び第二上部フィールドプレートをそれぞれ形成することと、を含み、
前記第一上部フィールドプレートから前記第二上部フィールドプレートまでの距離が前記第一下部フィールドプレートから前記第二下部フィールドプレートまでの距離より短く、
前記第一下部フィールドプレート及び前記第一ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第一ゲート電極の全長より短く、前記第二下部フィールドプレート及び前記第二ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第二ゲート電極の全長より短いことを特徴とする窒化物系双方向スイッチング装置の製造方法。
【請求項14】
第三不動態層を形成して前記第一及び第二上部フィールドプレートを被覆することと、を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の窒化物系双方向スイッチング装置の製造方法。
【請求項15】
前記窒化物系バリア層上方に1対の第一及び第二ソース電極を形成し、前記第一及び第二ゲート電極、前記第一及び第二下部フィールドプレート、並びに前記第一及び第二上部フィールドプレートを前記第一及び第二ソース電極の間に位置させることを更に含むことを特徴とする請求項14に記載の窒化物系双方向スイッチング装置の製造方法。
【請求項16】
前記下部ブランケットフィールドプレートに対しパターン化を行うことにより、
前記第一下部フィールドプレートが前記第一ゲート電極の少なくとも一部分及び領域を横方向に跨ぎ、前記領域及び前記第一ゲート電極が直接隣接すると共に前記第一ゲート電極及び前記第二ゲート電極の間に位置し、
前記第二下部フィールドプレートが前記第二ゲート電極の少なくとも一部分及び領域を跨ぎ、前記領域及び前記第二ゲート電極が直接隣接すると共に前記第一ゲート電極及び前記第二ゲート電極の間に位置し
前記第一及び第二下部フィールドプレートが相互に横方向に間隔を空けていることを特徴とする請求項13に記載の窒化物系双方向スイッチング装置の製造方法。
【請求項17】
前記上部ブランケットフィールドプレートに対しパターン化を行うことにより、
前記第一上部フィールドプレートが前記第一下部フィールドプレートの少なくとも一部分及び領域を跨ぎ、前記領域与前記第一下部フィールドプレートが直接隣接すると共に前記第一及び第二下部フィールドプレートの間に位置し、
前記第二上部フィールドプレートが前記第二下部フィールドプレートの少なくとも一部分及び領域を跨ぎ、前記領域及び前記第二下部フィールドプレートが直接隣接すると共に前記第一及び第二下部フィールドプレートとの間の領域に位置し、
前記第一及び第二上部フィールドプレートが相互に横方向に間隔を空けていることを特徴とする請求項13に記載の窒化物系双方向スイッチング装置の製造方法。
【請求項18】
バッテリー保護制御器と共に稼働する窒化物系双方向スイッチング装置であって、
窒化物系活性層と、
前記窒化物系活性層上に設置され、且つ前記窒化物系活性層のバンドギャップより大きいバンドギャップを有している窒化物系バリア層と、
デュアルゲートトランジスタと、を備え、
前記バッテリー保護制御器は、電源入力端子と、過電流放電保護(discharge over-current protection、DO)端子と、過電流充電保護(charge over-current protection、CO)端子と、電圧監視端子(voltage monitoring、VM)と、接地端子と、を有し、
前記デュアルゲートトランジスタは、
前記バッテリー保護制御器の前記接地端子に電気的に接続されている第一ソース電極と、
電圧監視抵抗器を介して前記バッテリー保護制御器の前記VM端子に接続されるように配置されている第二ソース電極と、
前記バッテリー保護制御器の前記DO端子に電気的に接続されるように配置されている第一ゲート電極と、
前記バッテリー保護制御器の前記CO端子に電気的に接続されるように配置されている第二ゲート電極と、
前記第一ゲート電極上方に設置されている第一下部フィールドプレートと、
前記第二ゲート電極上方に設置されている第二下部フィールドプレートと、
前記第一下部フィールドプレート上方に設置されている第一上部フィールドプレートと、
前記第二下部フィールドプレート上方に設置されている第二上部フィールドプレートであって、前記第一上部フィールドプレートから前記第二上部フィールドプレートまでの距離が前記第一下部フィールドプレートから前記第二下部フィールドプレートまでの距離より短い第二上部フィールドプレートと、を含み、
前記第一下部フィールドプレート及び前記第一ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第一ゲート電極の全長より短く、前記第二下部フィールドプレート及び前記第二ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第二ゲート電極の全長より短いことを特徴とする窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項19】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第一下部フィールドプレートの全長に等しく、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第二下部フィールドプレートの全長に等しいことを特徴とする請求項18に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項20】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第一ゲート電極の全長に等しく、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第二ゲート電極の全長に等しいことを特徴とする請求項18に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項21】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第一下部フィールドプレートの全長より短く、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二下部フィールドプレートが横方向に重複している距離は前記第二下部フィールドプレートの全長より短いことを特徴とする請求項18に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【請求項22】
前記第一上部フィールドプレート及び前記第一ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第一ゲート電極の全長より短く、前記第二上部フィールドプレート及び前記第二ゲート電極が横方向に重複している距離は前記第二ゲート電極の全長より短いことを特徴とする請求項18に記載の窒化物系双方向スイッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物系半導体装置に関する。より具体的には、本発明はバッテリー保護制御器と共に稼働する状態に適合させるためのデュアルゲートトランジスタを備えている窒化物系双方向スイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高電子移動度トランジスタ(high-electron-mobility transistors、 HEMTs)に対する精力的な研究が非常に盛んに行われており、特にハイパワースイッチング及び高周波の応用面では顕著である。III族窒化物系HEMTは異なるバンドギャップを有している2種類の材料の間にあるヘテロ接合界面により量子井戸様構造(quantum well-like structure)を形成し、これにより二次元電子ガス(two-dimensional electron gas、 2DEG)領域を収容し、高パワー/周波数装置の要求を満たしている。HEMT以外、ヘテロ構造を有している装置の例として、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(heterojunction bipolar transistors、 HBT)、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(heterojunction field effect transistor、 HFET)及び変調ドープFET(modulation-doped FETs、 MODFET)を更に含む。現在、HMET装置の歩留まりを高めて、大規模生産に適合させることが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一態様によれば、窒化物系半導体装置を提供する。窒化物系双方向スイッチング装置はバッテリー保護制御器と共に稼働するために用いられている。バッテリー保護制御器は、電源入力端子と、過電流放電保護(discharge over-current protection、 DO)端子と、過電流充電保護(charge over-current protection、 CO)端子と、電圧監視(voltage monitoring、 VM)端子と、接地端子と、を有している。窒化物系双方向スイッチング装置は、窒化物系活性層と、窒化物系バリア層と、複数のスペーサー層と、デュアルゲートトランジスタと、を含む。窒化物系活性層は基板上に設置されている。窒化物系バリア層は窒化物系活性層上に設置され、且つこれが有しているバンドギャップは窒化物系活性層のバンドギャップよりも大きい。スペーサー層は窒化物系バリア層の上に設置され、且つ第一スペーサー層及び第一スペーサー層の上に位置している第二スペーサー層を少なくとも備えている。デュアルゲートトランジスタは第一及び第二ソース電極並びに第一及び第二ゲート構造を備えている。第一及び第二ソース電極は複数のスペーサー層上に設置されている。第一ソース電極はバッテリー保護制御器の接地端子に電気的に接続されるように配置されている。第二ソース電極は電圧監視抵抗器を介して制御器のVM端子に接続されるように配置されている。第一及び第二ゲート構造は窒化物系バリア層上に設置されていると共に第一及び第二ソース電極の間に横設されている。第一ゲート構造は第一ゲート電極を含み、第一ゲート電極はバッテリー保護制御器のDO端子に電気的に接続されるように配置されている。第二ゲート構造は第二ゲート電極を備え、第二ゲート電極はバッテリー保護制御器のCO端子に電気的に接続されるように配置されている。
【0004】
本発明の一態様によれば、窒化物系双方向スイッチング装置の製造方法を提供する。この方法は以下のステップを含む。基板上方に窒化物系活性層を形成する。窒化物系活性層上に窒化物系バリア層を形成し、窒化物系バリア層が有しているバンドギャップは窒化物系活性層のバンドギャップより大きい。窒化物系バリア層上方に第一及び第二ゲート電極を形成する。第二窒化物系半導体層上に第一不動態層を形成し、第一及び第二ゲート電極を被覆する。第一不動態層上に下部ブランケットフィールドプレートを形成する。ウェットエッチングプロセスにより、下部ブランケットフィールドプレートに対しパターン化を行い、第一及び第二ゲート電極上方に第一及び第二下部フィールドプレートをそれぞれ形成する。第一不動態層上に第二不動態層を形成して第一及び第二下部フィールドプレートを被覆する。第二不動態層上に上部ブランケットフィールドプレートを形成する。ドライエッチングプロセスにより、上部ブランケットフィールドプレートに対しパターン化を行い、第一及び第二下部フィールドプレート上方に第一及び第二上部フィールドプレートをそれぞれ形成する。
【0005】
本発明の一態様によれば、窒化物系半導体装置を提供する。窒化物系双方向スイッチング装置はバッテリー保護制御器と共に稼働するために用いられている。バッテリー保護制御器は電源入力端子と、過電流放電保護(discharge over-current protection、 DO)端子と、過電流充電保護(charge over-current protection、 CO)端子と、電圧監視(voltage monitoring、 VM)端子と、接地端子と、を有している。窒化物系双方向スイッチング装置は窒化物系活性層と、窒化物系バリア層と、デュアルゲートトランジスタと、を備えている。窒化物系バリア層は窒化物系活性層上に設置され、且つ窒化物系バリア層が有しているバンドギャップは窒化物系活性層のバンドギャップより大きい。デュアルゲートトランジスタは第一ソース電極と、第二ソース電極と、第一ゲート電極と、第二ゲート電極と、第一下部フィールドプレートと、第二下部フィールドプレートと、第一上部フィールドプレートと、第二上部フィールドプレートと、を含む。第一ソース電極はバッテリー保護制御器の接地端子に電気的に接続されている。第二ソース電極は電圧監視抵抗器を介して制御器のVM端子に接続されるように配置されている。第一ゲート電極はバッテリー保護制御器のDO端子に電気的に接続されるように配置されている。第二ゲート電極はバッテリー保護制御器のCO端子に電気的に接続されるように配置されている。第一下部フィールドプレートは第一ゲート電極上方に設置されている。第二下部フィールドプレートは第二ゲート電極上に設置されている。第一上部フィールドプレートは第一下部フィールドプレート上方に設置されている。第二上部フィールドプレートは第二下部フィールドプレート上方に設置されている。第一上部フィールドプレートから第二上部フィールドプレートまでの距離は第一下部フィールドプレートから第二下部フィールドプレートまでの距離より短い。
【0006】
よって、第一上部フィールドプレートから第二上部フィールドプレートまでの距離は第一下部フィールドプレートから第二下部フィールドプレートまでの距離より短い。フィールドプレートを配置することにより耐電圧を高める要素としている。双方向スイッチング装置がターンオフ状態となると、複数のゲート構造の間にある領域に破壊が発生するかどうかはそれがある位置の電界の分布に関連する。これは複数のゲート構造の間に他の導電素子が形成されていないため、フィールドプレートの配置及びターンオフ状態の制御状況に高い相関関係があるためである。本発明のフィールドプレートの配置によりターンオフ状態が安定することにより、窒化物系双方向スイッチング装置がバッテリー保護制御器と共に良好に稼働する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面を結合して参照すると、以下の具体的な実施形態から本開示の各性質を容易に理解できる。各特徴は比率に基づいて描写しているわけではない点に留意すべきである。実際には、本開示を明確にするため、各特徴のサイズは任意で増減できる。下記明細書中では図面を参照して更に詳しく本発明の実施例を説明する。
【0008】
図1は本発明の幾つかの実施例に係るバッテリー保護制御器と共に稼動する窒化物系双方向スイッチング装置を示す回路図である。
図2は本発明の幾つかの実施例に係る窒化物系双方向スイッチング装置を示す等価回路図である。
図3Aは本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す配置図である。
図3B図3C図3A中の双方向スイッチング装置の線I-I'及び線II-II'に沿う横断面図である。
図4A図3Cに示す区域を示す拡大図である。
図4B図3Cに示す区域を示す拡大図である。
図5は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図6は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図7は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図8は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図9は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図10は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図11は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図12は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図13は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図14は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置を示す横断面図である。
図15A乃至図15Lは本発明の幾つかの実施例に係る半導体装置の製造方法を示す異なる工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書を添付した図面及び詳細説明において、同一または相似する部件には同一符号を付して表示する。以下の添付図面を結合した詳細な説明により、本開示の内容の実施形態を容易に理解できる。
【0010】
空間の説明において、例えば「上」、「上方」、「下」、「上向き」、「左側」、「右側」、「下方」、「上部」、「底部」、「縦方向」、「横方向」、「一側」、「高い」、「低い」、「上寄り」、「の上」、「の下」等の用語は、ある部材または部材で構成されているグループのある平面に対し定義するものであり、部材の方位は対応する図に示す。ちなみに、ここで使用する空間の描写は説明のために用いるにすぎず、ここで説明する構造は実務上の実施においてあらゆる方向または方式で空間中に設置可能であり、この前提により、本発明の内容の実施形態の利点がこのような設置により偏ることはない。
【0011】
また、ここで留意すべき点は、矩形に近似するように描かれている各種構造の実際の形状については、装置の製造条件により、湾曲していたり、円形の辺縁を有していたり、僅かに不均一な厚さを有している等する点である。本発明の内容において、直線及び直角を使用した描写は層体及び技術的特徴を示すために用いているに過ぎない。
【0012】
以下の説明において、半導体装置/ダイ/パッケージ及びそれらの製造方法等を優先的な実例とする。当業者ならば、本発明の範囲及び精神を逸脱せずに添加及び/または代替を含む改修が可能であることが容易に理解できる。本発明が不明確にならないようにするため、特定の細部を省略することができる。然しながら、本発明の内容は当業者が過度な実験を行わずに本発明の内容の教示を実現出来るようにしている。
【0013】
図1は本発明の幾つかの実施例に係るバッテリー保護制御器10と共に稼動する窒化物系双方向スイッチング装置Q1を示す回路図である。図2は本発明の幾つかの実施例に係る窒化物系双方向スイッチング装置Q1を示す等価回路図である。バッテリー12がバッテリー保護制御器10に電気的に接続されている。キャパシタC1及び抵抗器R1はバッテリー12及びバッテリー保護制御器10の間に接続可能であり、その間の信号を変調する。充電器14は回路中に電気的に接続可能である。抵抗器R2は充電器14及びバッテリー保護制御器10の間に接続可能であり、その間の信号を変調する。窒化物系双方向スイッチング装置Q1はバッテリー保護制御器10に電気的に接続されている。
【0014】
窒化物系双方向スイッチング装置Q1は回路中で双方向ターンオン及び双方向ターンオフ機能を提供するように配置されている。充電操作過程では、電流が充電器14の正極P+からバッテリー12の正極B+に向けて流れる。放電操作過程では、電流がバッテリー12の正極B+から負荷16に向けて流れる。
【0015】
バッテリー保護制御器10は、電源入力端子Vccと、接地端子Vssと、過電流放電保護端子DOと、過電流充電保護端子COと、電圧監視端子VMと、を有している。2つの出力ポート、過電流放電保護端子DO及び過電流充電保護端子COを有しているため、特定のスイッチのより充電操作及び放電操作を制御する必要がある。
【0016】
双方向スイッチング装置Q1はソース電極S1及びS2並びにゲート電極G1及びG2を有している。ソース電極S1はバッテリー保護制御器10の接地端子Vssに電気的に接続されるように配置されている。ソース電極S2は抵抗器R2を介してバッテリー保護制御器10の電圧監視端子VMに接続されるように配置されている。抵抗器R2は電圧監視抵抗器としている。ゲート電極G1はバッテリー保護制御器10の過電流放電保護端子DOに電気的に接続されるように配置されている。ゲート電極G2はバッテリー保護制御器10の過電流充電保護端子COに電気的に接続されるように配置されている。
【0017】
図2を参照すると、双方向スイッチング装置Q1はデュアルゲートトランジスタを備えている。デュアルゲートトランジスタは直列接続されている1対の窒化物系トランジスタ素子M1及びM2により実現している。窒化物系トランジスタ素子M1はソース電極S1及びゲート電極G1を備えている。窒化物系トランジスタ素子M2はソース電極S2及びゲート電極G2を備えている。
【0018】
ゲート電極G1及びG2のうちの何れか1つが切断される条件において、対応する窒化物系トランジスタM1またはM2がターンオフとなることにより、充電操作または放電操作を終了することができる。この状態において、双方向スイッチング装置Q1がそのうちの少なくとも1つのターンオフトランジスタ素子を備えることにより、耐圧構造とする。双方向スイッチング装置Q1が提供する耐圧程度は双方向スイッチング装置Q1の性能によって決まる。
【0019】
一例を挙げると、双方向スイッチング装置が十分な耐電圧を提供する状況において、この装置に終端接続して行う充電操作または放電操作がスムーズになる。然しながら、双方向スイッチング装置が提供する耐電圧(withstand voltage)が低い場合、この装置に終端接続して行う充電操作または放電操作が失敗する可能性がある。この点について、低い耐電圧は双方向スイッチング装置中の破壊に起因する可能性がある。
【0020】
また、充電操作または放電操作を実行する際に、双方向スイッチング装置Q1が低い電圧降下を実現する。その原因の1つは、窒化物系トランジスタ素子M1及びM2が低い導通状態抵抗を有することをできるためである。低い電圧降下により負荷16が予め設計した稼働状態となる。本発明は改善した耐電圧を有している双方向スイッチング装置を提供し、回路中のバッテリー保護制御器と結合して適切に稼働させる。
【0021】
図3Aは本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Aを示す配置図である。配置図は双方向スイッチング装置1Aのゲート電極264及び284、フィールドプレート122及び124、並びにソース電極30及び32の間の関係を示す。これらの部材は双方向スイッチング装置1A中のデュアルゲートトランジスタを構成している。この図の配置は双方向スイッチング装置1Aの上面図を反映し、即ち、この配置は、ゲート電極264及び284、フィールドプレート122、123、124及び125、ソース電極30及び32が層方式で形成され、これらの層に垂直になる方向に沿って観察したものを反映している。以下、双方向スイッチング装置1Aの更に多くの構造の仔細を提供する。
【0022】
図3B及び図3C図3A中の双方向スイッチング装置1Aの線I-I'及び線II-II'に沿う横断面図である。双方向スイッチング装置1Aは基板20と、窒化物系半導体層22及び24と、ゲート構造26及び28と、スペーサー層116、118、120、130、132と、ビア134、136、138、140、142と、パターン化導電層144、146と、保護層148と、を更に備えている。
【0023】
基板20は半導体基板でもよい。基板20の例示材料としては、例えば、ケイ素(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム、pドープSi、nドープSi、サファイア、semiconductor on insulator(例えば、SOI (silicon on insulator、 SOI))、或いは他の適合する基板材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施例において、基板102は、例えば、第3族元素、第4族元素、第5族元素、或いはそれらの組合せ(例えば、III-V族化合物)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の実施例では、基板20が、例えば1つまたは複数の他の特徴が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、ドープ領域(doped region)、埋込層(buried layer)、エピタキシャル層(epitaxial (epi) layer )或いはそれらの組み合わせを含む。
【0024】
窒化物系半導体層22は基板20上に設置されている。窒化物系半導体層22の例示材料としては、例えば、窒化物またはIII-V族化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、InxAlyGa(1-x-y)N(ここでは、x+y≦1)、AlyGa(1-y)N(ここでは、y≦1)を含む。窒化物系半導体層24は窒化物系半導体層22上に設置されている。窒化物系半導体層24の例示材料として、窒化物またはIII-V族化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、 InxAlyGa(1-x-y)N(ここでは、x+y≦1)、AlyGa(1-y)N(ここでは、y≦1)を含む。
【0025】
窒化物系半導体層22及び24の例示材料を選択し、窒化物系半導体層24のバンドギャップ(即ち、禁制帯幅(forbidden band width))を窒化物系半導体層22のバンドギャップより大きくすることにより、これらの電子親和力を互いに相違するようにし、且つこれらの間にヘテロ接合(heterojunction)を形成する。例えば、窒化物系半導体層22が約3.4evのバンドギャップを有している未ドープ窒化ガリウム層である場合、窒化物系半導体層24として約4.0evのバンドギャップを有している窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)層を選択可能である。よって、窒化物系半導体層22及び24はそれぞれチャンネル層(channel layer)及びバリア層(barrier layer)とすることができる。チャンネル層及びバリア層の間の結合界面箇所に三角井戸が発生し、電子が三角井戸中に蓄積することにより、ヘテロ接合に隣接する二次元電子ガス(two-dimensional electron gas、 2DEG)領域が発生する。よって、双方向スイッチング装置1Aが少なくとも1つの窒化ガリウム系(GaN-based)の高電子移動度トランジスタ(high-electron-mobility transistor、 HEMT)を含む。
【0026】
幾つかの実施例において、双方向スイッチング装置1Aはバッファ層、核生成層、或いはそれらの組み合わせ(図示省略)を更に備えている。バッファ層は基板20と窒化物系半導体層22との間に設置されている。バッファ層は基板20と窒化物系半導体層22との間の格子及び熱的不整合を減少させるように配置され、これにより不整合(mismatches)/差異(difference)により引き起こされた欠陥を修復する。バッファ層はIII-V族化合物を含む。III-V族化合物として、アルミニウム、ガリウム、インジウム、窒素、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。よって、バッファ層の例示材料として、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(InAlGaN)、或いはそれらの組み合わせを更に含むが、これらに限定されるものではない。基板20とバッファ層との間に核生成層を形成してもよい。核生成層は基板20とバッファ層のIII族窒化物層との間の不整合/差異に適合するように変遷するように配置されている。核生成層の例示材料としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)またはそのあらゆる合金が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
ゲート構造26は窒化物系半導体層24上/上方/の上に設置されている。ゲート構造26は図3Aで描かれているpドープIII-V族化合物半導体層262及びゲート電極264を備えてもよい。pドープIII-V族化合物半導体層262及びゲート電極264は窒化物系半導体層24上に積層されている。pドープIII-V族化合物半導体層262は窒化物系半導体層24とゲート電極264との間に位置している。幾つかの実施例において、ゲート構造26はpドープIII-V族化合物半導体層262とゲート電極264との間に選択可能な誘電層(図示省略)を更に備えてもよい。
【0028】
ゲート構造28は窒化物系半導体層24上/上方/の上に設置されている。ゲート構造28は選択可能なpドープIII-V族化合物半導体層282及び図3Aで描かれているゲート電極284を備えている。ゲート構造26の配置はゲート構造28に応用可能である。
【0029】
本実施例の例示説明において、双方向スイッチング装置1Aはエンハンスモード装置(enhancement mode device)であり、ゲート電極264及び284に約ゼロバイアス(zero bias)が印加されると、ノーマリーオフ状態(normally-off state)となる。具体的には、pドープIII-V族化合物半導体層262及び282が窒化物系半導体層24と共に少なくとも1つのp-n接合を形成して2DEG領域を消耗させ、対応するゲート構造26及び28の下方の位置に対応する2DEG領域の少なくとも1つの区域が2DEG領域の残りの部分とは異なる特性(例えば、異なる電子濃度)を有しているため、ブロックされる。
【0030】
このようなメカニズムにより、双方向スイッチング装置1Aがノーマリーオフ特性(normally-off characteristic)を有している。換言すれば、ゲート電極264及び284に電圧が印加されていない場合、または、ゲート電極264及び284に印加された電圧が閾値電圧(即ち、ゲート構造26及び28下方に反転層を形成するのに必要な最小電圧)より低い場合、ゲート構造26または28下方にある2DEG領域の区域がブロックされた状態に保持され、これにより電流が流れなくなっている。また、pドープIII-V族化合物半導体層262及び282を提供することにより、ゲートの漏電が減少し、且つオフ状態過程における閾値電圧が増加する。
【0031】
pドープIII-V族化合物半導体層262及び282の例示材料としては、例えば、pドープIII-V族窒化物半導体材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、p型窒化ガリウム、p型窒化ガリウムアルミニウム、p型窒化インジウム、p型窒化アルミニウムインジウム、p型窒化インジウムガリウム、p型窒化アルミニウムインジウムガリウム、或いはそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施例において、p型不純物(例えば、ベリリウム(Be)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、及びマグネシウム(Mg))を使用してpドープ材料を実現している。
【0032】
幾つかの実施例において、窒化物系半導体層22は未ドープ窒化ガリウムを含み、窒化物系半導体層24は窒化ガリウムアルミニウムを含み、且つpドープIII-V族化合物半導体層262及び282はp型窒化ガリウム層であり、底層バンド構造を上向きに湾曲すると共に2DEG領域の対応する区域を消耗させることにより、双方向スイッチング装置1Aをオフ状態(an off-state condition)にする。
【0033】
幾つかの実施例において、ゲート電極262及び284は金属または金属化合物を含む。ゲート電極262及び284は単層、或いは、同じまたは異なる組成の多層として形成されてもよい。金属または金属化合物の例示材料としては、例えば、タングステン(W)、金(Au)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、モリブデン(Mo)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、金属合金またはその化合物、或いは他の金属化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施例において、ゲート電極262及び284の例示材料としては、例えば、窒化物、酸化物、ケイ化物、ドープ半導体、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施例において、選択可能な誘電層は単層または多層の誘電材料で形成されている。例示誘電材料として、例えば、1つまたは複数の酸化物層、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、高k誘電材料(例えば、酸化ケイ素(SiOx)層、窒化ケイ素(SiNx)層、高k誘電材料(例えば、二酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウムジルコニウム(HfZrO)、三酸化二タンタル(Ta2O3)、ケイ酸ハフニウム(HfSiO4)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化ケイ素ジルコニウム(ZrSiO2)等)、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
ソース電極30及び32は窒化物系半導体層24上に設置されている。ソース電極30及び32はゲート構造26及び28の対応する両側に位置している。ゲート構造26及び28はソース電極30及び32の間に位置している。各ゲート構造26及び28はソース電極30及び32の間に横方向に位置している。ゲート構造26及び28並びにソース電極30及び32は共に2DEG領域を有しているデュアルゲートトランジスタとしてもよく、窒化物系(nitride-based)/窒化ガリウム系(GaN-based)のデュアルゲートトランジスタと称してもよい。
【0035】
本実施例の例示説明において、ソース電極30及び32はその間にあるゲート構造26及び28に対し対称になっている。幾つかの実施例において、ソース電極30及び32は選択的にその間にあるゲート構造26及び28に対し非対称になっていてもよい。
【0036】
幾つかの実施例において、ソース電極30及び32は、例えば、金属、合金、ドープ半導体材料(例えばドープ結晶ケイ素)、化合物(例えばケイ化物及び窒化物)、他の導体材料、或いはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。ソース電極30及び32の例示材料としては、例えば、チタン(Ti)、アルミニウムケイ素(AlSi)、窒化チタン(TiN)、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ソース電極30及び32は単層でもよく、同じまたは異なる組成による多層でもよい。幾つかの実施例において、ソース電極30及び32は窒化物系半導体層24とのオーミック接触を形成している。ソース電極30及び32にチタン(Ti)、アルミニウム(Al)、或いは他の適合する材料を付加してオーミック接触を実現している。幾つかの実施例において、各ソース電極30及び32は少なくとも1つの保形層及び導電充填材料で形成されている。保形層は導電充填材料を被覆可能である。保形層の例示材料として、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、アルミニウム(Al)、金(Au)、アルミニウムケイ素(AlSi)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。導電充填の例示材料としては、例えば、アルミニウムケイ素(AlSi)、アルミニウム銅(AlCu)、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
スペーサー層116、118、120、130、132は窒化物系半導体層24上方に設置されている。スペーサー層116、118、120は窒化物系半導体層24上に順に積層されている。スペーサー層116、118、120は保護ためにまたは装置の電気的特性(例えば、異なる層/素子の間に絶縁効果を提供する)を増強するために形成されている。スペーサー層116は窒化物系半導体層24の上面を被覆している。スペーサー層116はゲート構造26及び28を被覆してもよい。スペーサー層116はゲート構造26及び28の対向する2つの側壁を少なくとも被覆している。ソース電極30及び32はスペーサー層116、118、120を貫通/通過して窒化物系半導体層24と接触している。
【0038】
スペーサー層116、118、120の例示材料としては、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化酸化ケイ素(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素ホウ素SiBN)、窒化炭素ケイ素ホウ素(SiCBN)、酸化物、窒化物、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施例において、スペーサー層116、118、120のうちの少なくとも1つは多層構造でもよく、例えば、酸化アルミニウム/窒化ケイ素(Al2O3/SiN)、酸化アルミニウム/二酸化ケイ素(Al2O3/SiO2)、窒化アルミニウム/窒化ケイ素(AlN/SiN)、窒化アルミニウム/二酸化ケイ素(AlN/SiO2)、或いはそれらを組み合わせた複合誘電層でもよい。
【0039】
フィールドプレート122、123、124、及び125はゲート構造26及び28上方に設置されている。フィールドプレート122及び123はスペーサー層116及び118の間に位置している。フィールドプレート124及び125はスペーサー層118及び120の間に位置している。即ち、スペーサー層116、フィールドプレート122及び123、スペーサー層118、フィールドプレート124及び125、並びにスペーサー層120は窒化物系半導体層24上に順に積層/形成されている。フィールドプレート122、123、124、及び125はソース電極30及び32の間に位置している。フィールドプレート122、123、124、及び125の例示材料として、例えば、導電材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、或いはそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施例において、他の導電材料を更に使用してもよく、例えば、アルミニウム、銅ドープケイ素、及びこれらの材料を含む合金を使用してもよい。
【0040】
図3Cを参照すると、フィールドプレート122及び123は双方向スイッチング装置1A中の下部フィールドプレートとしてもよい。フィールドプレート122はスペーサー層116上に設置されているため、ゲート構造26と分離している。フィールドプレート122は少なくとも一部分のゲート構造26を横方向に跨いでいる。フィールドプレート122は領域を横方向に跨ぎ、この領域はゲート構造26に直接隣接していると共にゲート構造26及び28の間に位置している。フィールドプレート123はスペーサー層116上に設置されているため、ゲート構造28と分離している。フィールドプレート123はゲート構造28の少なくとも一部分を横方向に跨いでいる。フィールドプレート123は領域を横方向に跨ぎ、この領域はゲート構造28に直接隣接していると共にゲート構造26及び28の間に位置している領域である。フィールドプレート122及び123は互いに横方向に間隔を空けている。
【0041】
フィールドプレート124及び125は双方向スイッチング装置1A中の上部フィールドプレートとしてもよい。フィールドプレート124はスペーサー層118上に設置されているため、フィールドプレート122と分離している。フィールドプレート124はフィールドプレート122の少なくとも一部分を横方向に跨いでいる。フィールドプレート124は領域を横方向に跨ぎ、この領域はフィールドプレート122に直接隣接していると共にフィールドプレート122及び123の間に位置している。フィールドプレート125はスペーサー層118上に設置されているため、フィールドプレート123と分離している。フィールドプレート125はフィールドプレート123の少なくとも一部分を横方向に跨いでいる。フィールドプレート125は領域を横方向に跨ぎ、この領域はフィールドプレート123に直接隣接していると共にフィールドプレート122及び123の間に位置している。フィールドプレート124及び125は互いに横方向に間隔を空けている。
【0042】
よって、フィールドプレート124からフィールドプレート125までの距離はフィールドプレート122からフィールドプレート123までの距離より短い。フィールドプレート122、123、124、125の配置は耐電圧を高める要素としている。双方向スイッチング装置1Aがターンオフ状態にある場合、ゲート構造26及び28の間の領域に破壊が生じているかどうかは、その部分の電界の分布に関連している。これはゲート構造26及び28の間に他の導電素子が形成されていないためであり、よって、フィールドプレート122、123、124、125の配置はターンオフ状態の制御程度と高い相関関係がある。
【0043】
フィールドプレート124からフィールドプレート125までの距離がフィールドプレート122からフィールドプレート123までの距離より短いため、ゲート構造26及び28の間の領域の電界の分布を抑制でき、電界のピーク値の出現を回避している。ゲート構造26及び28の間の領域箇所の電界の分布が平滑に変化する。この点について、一旦電界の分布の集中程度が高まると、分布中にピーク値が発生し、破壊が生じる可能性があり、その後ターンオフ状態が失効することになる。ターンオフ状態の失効を回避するため、フィールドプレート124及び125をフィールドプレート122及び123の間の領域まで延伸するように形成している。
【0044】
また、フィールドプレート122及び123の形成過程はフィールドプレート124及び125の過程と異なっていてもよく、これは双方向スイッチング装置1Aの電気的特性を改善するのに利する。その理由の1つは、このような方法により双方向スイッチング装置1Aが原設計の配置から偏るのを回避している点である。
【0045】
例えば、下部スペーサー層、下部フィールドプレート、上部スペーサー層、及び上部フィールドプレートで形成されている積層構造を備えている半導体装置に関連する。下部フィールドプレートの形成過程はブランケット導電層をパターン化して下部フィールドプレートを形成することを含む。然しながら、パターン化過程に、下部スペーサー層の幾つかの部分を除去することにより(下部スペーサー層の上面に近接する部分)、下部スペーサー層の厚さが減少する。このため、下部スペーサー層の厚さが減少することで、上部スペーサー層及び下部スペーサー層上にある上部フィールドプレートが原先設計よりも低い位置に形成される。これにより、半導体装置の安定性が影響を受け、且つ半導体装置の性能が低下する。
【0046】
図4Aを参照すると、図4A図3Cの区域2Aを示す拡大図であり、フィールドプレート122及び123の形成及びフィールドプレート124及び125の形成の異なる過程により発生する詳細な構造の特徴を図示する。フィールドプレート122及び123のパターン化は、ウェットエッチングプロセスにより実現している。フィールドプレート124及び125のパターン化技術は、ドライエッチングプロセスを使用して実現している。
【0047】
この点について、ウェットエッチングプロセスの化学技術はエッチングの選択性を高めている。エッチングの選択性が高まることは、エッチング速度が目標材料に対しより強化され、但し、非目標材料に対しては弱まることを意味している。比較すると、ドライエッチングプロセスは選択性が低いという欠点を有している。ドライエッチングプロセスを使用してフィールドプレート124及び125をパターン化する理由の1つは、ドライエッチングプロセスがイオン衝撃に関連し、例えば、反応性イオンエッチング(reactive-ion etching、 RIE)は、エッチングが高速になるという特徴を有し、且つ目標材料に対し制御可能である点である。ドライエッチングプロセスの選択性が低くとも、低い選択性と上述の利点のトレードオフにより、上部フィールドプレート(即ち、フィールドプレート124及び125)にポジティブな効果を提供している。
【0048】
このため、フィールドプレート122のパターン化過程において、不動態層116がエッチングを受けず、その形態の輪郭を保留している。フィールドプレート122及び123のパターン化後に、不動態層116の厚さが同じまたは略同じに保持される(即ち、減少する数量が略無視できる)。
【0049】
一方では、フィールドプレート124のパターン化過程において、不動態層118がフィールドプレート124により露出されてエッチングが施され、これはオーバーエッチング(over-etching)と呼ばれ、これによりその形態の輪郭が改変されている。このため、フィールドプレート124に対しパターン化を行った後には、不動態層118の厚さが顕著に減少する。不動態層118上にオーバーエッチングが発生しても、フィールドプレート122及び124の位置がすでに決定しているため、オーバーエッチングが双方向スイッチング装置1Aの性能に顕著な影響を与えない。然しながら、フィールドプレート124に用いるドライエッチングプロセスは良好な可制御性を有しているため、双方向スイッチング装置1Aの製造過程の効率を高めている(例えば、製造過程を加速する)。
【0050】
また、ウェットエッチング及びドライエッチングの間の差異がフィールドプレート122及び124の辺縁/側壁箇所に対し異なる輪郭を発生させる。フィールドプレート122は不動態層116から上向きに延伸されている側壁SW1を有している。フィールドプレート122の側壁SW1は内向きに凹設されて不動態層118を受け止めている。フィールドプレート124は不動態層118から上向きに延伸されている傾斜側壁SW2を有している。この差異の発生原因は等方性エッチング(isotropic etching)及び異方性エッチング(anisotropic etching)に関連し、等方性エッチング及び異方性エッチングはそれぞれウェットエッチング及びドライエッチングにより発生する。フィールドプレート122の側壁SW1はフィールドプレート124の傾斜側壁SW2とは異なる輪郭を有している。また、フィールドプレート122及び124は異なる粗度を有していてもよい。幾つかの実施例において、傾斜側壁SW2の表面粗度は側壁SW1の表面粗度より大きい。ここでは、表面粗度とは表面の質感の一部分を指している(即ち、そのサイズがその層の厚さよりずっと小さい)。
【0051】
フィールドプレート124の側壁SW2はドライエッチングの異方性技術により形成されているため、フィールドプレート124の側壁SW2は平坦で傾斜している。例えば、フィールドプレート124の傾斜側壁SW2は不動態層118から上向きに延伸され、且つ不動態層118の上面に対し傾斜している。また、不動態層118にオーバーエッチングが発生すると、不動態層118の側面がフィールドプレート124の傾斜側壁SW2より低くなる。不動態層118の側面は平坦で傾斜している輪郭を有していてもよい。不動態層118の側面は不動態層118の上面の位置よりも低くなるように傾斜側壁SW2から傾斜するように延伸されている。傾斜側壁SW2及び不動態層118の側面中の傾斜程度が異なる可能性があるが、これはこれらの間のエッチングの選択性に起因する(即ち、フィールドプレート124及び不動態層118が同一のエッチング剤に対し異なるエッチング速度を有している)。
【0052】
幾つかの実施例において、フィールドプレート122の厚さはフィールドプレート124の厚さと略同じである。幾つかの実施例において、フィールドプレート122の厚さはフィールドプレート124の厚さより厚い。幾つかの実施例において、フィールドプレート122の厚さはフィールドプレート124の厚さより薄い。フィールドプレート122及び124の間の厚さの関係は実際の要求によって決定し、例えば、電界の分布の設計または技術条件によって決定している。幾つかの実施例において、フィールドプレート122及び124は同じ導電材料で製造されている。幾つかの実施例において、フィールドプレート122及び124は異なる導電材料で製造されている。
【0053】
図4Bを参照すると、図4B図3Cにおける区域2Bを示す拡大図であり、フィールドプレート123及び125を形成するための異なる技術が発生させる詳細な構造の特徴を図示している。フィールドプレート123のパターン化はウェットエッチングプロセスにより実現してもよい。また、フィールドプレート125のパターン化はドライエッチングプロセスを使用して実現してもよい。フィールドプレート122及び124の構造の特徴はフィールドプレート123及び125に応用可能である。即ち、フィールドプレート123及び125の間の差異は上述の説明を参照する。
【0054】
図3B及び図3Cを再度参照すると、スペーサー層130はスペーサー層120並びにソース電極30及び32の上方に設置されている。スペーサー層130はスペーサー層120並びにソース電極30及び32を被覆している。スペーサー層130は平面化層としてもよく、他の層/素子を支持するための水平上面を有している。幾つかの実施例において、スペーサー層130は更に厚く形成されてもよく、且つスペーサー層130上に平坦化技術を実行し、例えば、化学機械研磨(chemical mechanical polish、 CMP)技術により余剰部分を除去し、水平上面を形成してもよい。スペーサー層130の例示材料としては、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化酸化ケイ素(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素ホウ素(SiBN)、窒化炭素ケイ素ホウ素(SiCBN)、酸化物、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施例において、スペーサー層130は多層構造であり、例えば、酸化アルミニウム/窒化ケイ素(Al2O3/SiN)、酸化アルミニウム/二酸化ケイ素(Al2O3/SiO2)、窒化アルミニウム/窒化ケイ素(AlN/SiN)、窒化アルミニウム/二酸化ケイ素(AlN/SiO2)、或いはそれらが組み合わせられた複合誘電層である。
【0055】
接触ビア134はスペーサー層130に内設されている。接触ビア132はスペーサー層130を貫通している。接触ビア134は縦方向に延伸されてソース電極30及び32にそれぞれ電気的に接続されている。接触ビア136、138及び140は少なくともスペーサー層130に内設されている。接触ビア136、138及び140はスペーサー層116、118、120及び130のうちの少なくとも1つを貫通している。接触ビア136は縦方向に延伸されてフィールドプレート124及び125に電気的に接続されている。接触ビア138は縦方向に延伸されてフィールドプレート122及び123に電気的に接続されている。接触ビア140は縦方向に延伸されてゲート電極264及び284に電気的に接続されている。ビア134、136、138及び140の例示材料としては、例えば、金属や合金のような導電材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0056】
パターン化導電層144はスペーサー層130及び接触ビア142上に設置されている。パターン化導電層144は接触ビア142に接触している。パターン化導電層144は金属線、パッド、トレース、或いはそれらの組み合わせを有し、パターン化導電層144が少なくとも1つの回路を形成している。パターン化導電層144の例示材料としては、例えば、導電材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。パターン化導電層144は銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、それらの合金、それらの酸化物、それらの窒化物、或いはそれらが組み合わせられた単層フィルムまたは多層フィルムを含む。
【0057】
スペーサー層132はスペーサー層130及びパターン化導電層144上方に設置されている。スペーサー層132はスペーサー層130及びパターン化導電層144を被覆している。スペーサー層132は平坦化層として用いられ、他の層/素子を支持するための水平上面を有している。幾つかの実施例において、スペーサー層132は更に厚く形成されてもよく、且つスペーサー層132上でCMP処理のような平坦化処理を実行し、余剰部分を除去することにより、水平上面を形成している。スペーサー層132の例示材料としては、例えば、窒化ケイ素(SiNx)、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化酸化ケイ素(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素ホウ素SiBN)、窒化炭素ケイ素ホウ素(SiCBN)、酸化物、或いはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。幾つかの実施例において、スペーサー層132は多層構造であり、例えば、酸化アルミニウム/窒化ケイ素(Al2O3/SiN)、酸化アルミニウム/二酸化ケイ素(Al2O3/SiO2)、窒化アルミニウム/窒化ケイ素(AlN/SiN)、窒化アルミニウム/二酸化ケイ素(AlN/SiO2)、或いはそれらが組み合わせられた複合誘電層である。
【0058】
接触ビア142はスペーサー層132に内設されている。接触ビア142はスペーサー層132を貫通している。接触ビア142は縦方向に延伸されてパターン化導電層144に電気的に接続されている。接触ビア142の上面はスペーサー層132により被覆されていない。接触ビア142の例示材料としては、例えば、金属や合金のような導電材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0059】
パターン化導電層146はスペーサー層132及び接触ビア142上に設置されている。パターン化導電層146は接触ビア142に接触している。パターン化導電層146は金属線(metal lines)、パッド(pads)、トレース(traces)、或いはそれらの組み合わせを有し、パターン化導電層146が少なくとも1つの回路を形成している。パターン化導電層146の例示材料として導電材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。パターン化導電層146は銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、それらの合金、それらの酸化物、それらの窒化物、或いはそれらが組み合わせられた単層フィルムまたは多層フィルムを含む。
【0060】
パターン化導電層144または146の回路は構造中の異なる層/素子に接続され、これら層または素子が同じ電位を有している。例えば、ビア136、138、140はゲート電極264及び284並びにフィールドプレート122、123、124、125上に設置されていると共にゲート電極264及び284に電気的に接続されている。このような接続により、ゲート電極264及び284並びにフィールドプレート122、123、124、125がパターン化導電層144の回路を介して相互に電気的に接続されて同じ電位を有することで、フィールドプレート122、123、124、125をゲートフィールドプレートとしている。
【0061】
保護層148はスペーサー層132及びパターン化導電層146上方に設置されている。保護層148はスペーサー層132及びパターン化導電層146を被覆している。保護層148はパターン化導電層146の酸化を防止している。パターン化導電層146の幾つかの部分は保護層148中の開口部から露出され、これら開口部は外部素子(例えば、外部回路)に電気的に接続されるように配置されている。
【0062】
ゲート電極264及び284とフィールドプレート122、123、124、125との間の関係は可変である。変化は装置の設計の要求によって決定する。例えば、高圧装置に対し、寄生容量が2つの導電層の間で発生する。このため、導電層の輪郭に対して改修を行い、構造の要求に適合させる必要がある。例えば、電界の分布を抑制するため、大面積を有している少なくとも1つのフィールドプレートを形成する。
【0063】
図5は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Bを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Bは、ゲート構造26B及び28Bと、フィールドプレート122B、123B、124B、及び125Bと、を備えている。ゲート構造26BはpドープIII-V族化合物半導体層262B及びゲート電極264Bを含む。ゲート構造28BはpドープIII-V族化合物半導体層282B及びゲート電極284Bを含む。
【0064】
フィールドプレート122B及びゲート構造26Bは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122B及びゲート構造26Bは横方向に重複する、距離D1がゲート構造26Bの全長に等しい。フィールドプレート124B及びゲート構造26Bは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124B及びゲート構造26Bは横方向に重複する、距離D1がゲート構造26Bの全長に等しい。フィールドプレート124B及びフィールドプレート122Bは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124B及びフィールドプレート122Bは横方向に重複する、距離D2がフィールドプレート122Bの全長に等しい。
【0065】
フィールドプレート123B及びゲート構造28Bは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123B及びゲート構造28Bは横方向に重複する、距離D3がゲート構造28Bの全長に等しい。フィールドプレート125B及びゲート構造28Bは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125B及びゲート構造28Bは横方向に重複する、距離D3がゲート構造28Bの全長に等しい。フィールドプレート125B及びフィールドプレート123Bは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125B及びフィールドプレート123Bは横方向に重複する、距離D4がフィールドプレート123Bの全長に等しい。
【0066】
図6は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Cを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Cは図5に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Bに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124B及び125Bがフィールドプレート124C及び125Cにより代替されている点である。
【0067】
双方向スイッチング装置1Cはゲート構造26C及び28Cと、フィールドプレート122C、123C、124C、及び125Cと、を備えている。ゲート構造26CはpドープIII-V族化合物半導体層262C及びゲート電極264Cを含む。ゲート構造28CはpドープIII-V族化合物半導体層282C及びゲート電極284Cを含む。
【0068】
フィールドプレート122C及びゲート構造26Cは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122C及びゲート構造26Cは横方向に重複する、距離D5がゲート構造26Cの全長に等しい。フィールドプレート124C及びゲート構造26Cは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124C及びゲート構造26Cは横方向に重複する、距離D5はゲート構造26Cの全長に等しい。フィールドプレート124C及びフィールドプレート122Cは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124C及びフィールドプレート122Cは横方向に重複する、距離D6がフィールドプレート122Bの全長より短い。
【0069】
フィールドプレート123C及びゲート構造28Cは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123C及びゲート構造28Cは横方向に重複するされ、距離D7がゲート構造28Cの全長に等しい。フィールドプレート125C及びゲート構造28Cは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125C及びゲート構造28Cは横方向に重複する、距離D7がゲート構造28Cの全長に等しい。フィールドプレート125C及びフィールドプレート123Cは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125C及びフィールドプレート123Cは横方向に重複する、距離D8がフィールドプレート123Cの全長より短い。
【0070】
図7は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Dを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Dは図5に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Bに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124B及び125Bがフィールドプレート124D及び125Dにより代替されている点である。
【0071】
双方向スイッチング装置1Dはゲート構造26D及び28Dと、フィールドプレート122D、123D、124D、及び12Dと、を備えている。ゲート構造26DはpドープIII-V族化合物半導体層262D及びゲート電極264Dを含む。ゲート構造28DはpドープIII-V族化合物半導体層282D及びゲート電極284Dを含む。
【0072】
フィールドプレート122D及びゲート構造26Dは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122D及びゲート構造26Dは横方向に重複する、距離D9がゲート構造26Dの全長に等しい。フィールドプレート124D及びゲート構造26Dは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124D及びゲート構造26Dは横方向に重複する、距離D10がゲート構造26Dの全長より短い。フィールドプレート124D及びフィールドプレート122Dは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124D及びフィールドプレート122Dは横方向に重複する、距離D11はフィールドプレート122Dの全長より短い。
【0073】
フィールドプレート123D及びゲート構造28Dは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123D及びゲート構造28Dは横方向に重複する、距離D12がゲート構造28Dの全長に等しい。フィールドプレート125D及びゲート構造28Dは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125D及びゲート構造28Dは横方向に重複する、距離D13がゲート構造28Dの全長より短い。フィールドプレート125D及びフィールドプレート123Dは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125D及びフィールドプレート123Dは横方向に重複する、距離D14がフィールドプレート123Dの全長より短い。
【0074】
図8は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Eを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Eは図5に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Bに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124B及び125Bがフィールドプレート124E及び125Eにより代替されている点である。
【0075】
双方向スイッチング装置1Eはゲート構造26E及び28Eと、フィールドプレート122E、123E、124E、及び12Eと、を備えている。ゲート構造26EはpドープIII-V族化合物半導体層262E及びゲート電極264Eを含む。ゲート構造28EはpドープIII-V族化合物半導体層282E及びゲート電極284Eを含む。
【0076】
フィールドプレート122E及びゲート構造26Eは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122E及びゲート構造26Eは横方向に重複する、距離D15がゲート構造26Eの全長に等しい。フィールドプレート124E及びゲート構造26Eは横方向に重複していない。フィールドプレート124E及びフィールドプレート122Eは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124E及びフィールドプレート122Eは横方向に重複する、距離D16がフィールドプレート122Eの全長より短い。
【0077】
フィールドプレート123E及びゲート構造28Eは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123E及びゲート構造28Eは横方向に重複する、距離D17がゲート構造28Eの全長に等しい。フィールドプレート125E及びゲート構造28Eは横方向に重複していない。フィールドプレート125E及びフィールドプレート123Eは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125E及びフィールドプレート123Eは横方向に重複する、距離D18がフィールドプレート123Eの全長より短い。
【0078】
図9は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Fを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Fは図5に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Bに類似し、当該相違点については、フィールドプレート122B、123B、124B及び125Bがフィールドプレート122F、123F、124F及び125Fにより代替されている点である。
【0079】
双方向スイッチング装置1Fはゲート構造26F及び28Fと、フィールドプレート122F、123F、124F、及び125Fと、を備えている。ゲート構造26FはpドープIII-V族化合物半導体層262F及びゲート電極264Fを含む。ゲート構造28FはpドープIII-V族化合物半導体層282F及びゲート電極284Fを含む。
【0080】
フィールドプレート122F及びゲート構造26Fは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122F及びゲート構造26Fは横方向に重複する、距離D19がゲート構造26Fの全長より短い。フィールドプレート124F及びゲート構造26Fは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124F及びゲート構造26Fは横方向に重複する、距離D20がゲート構造26Fの全長に等しい。フィールドプレート124F及びフィールドプレート122Fは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124F及びフィールドプレート122Fは横方向に重複する、距離D21がフィールドプレート122Fの全長に等しい。
【0081】
フィールドプレート123F及びゲート構造28Fは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123F及びゲート構造28Fが横方向に重複している距離D22はゲート構造28Fの全長より短い。フィールドプレート125F及びゲート構造28Fは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125F及びゲート構造28Fは横方向に重複する、距離D23がゲート構造28Fの全長に等しい。フィールドプレート125F及びフィールドプレート123Fは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125F及びフィールドプレート123Fは横方向に重複する、距離D24がフィールドプレート123Fの全長に等しい。
【0082】
図10は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Gを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Gは図9に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Fに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124F及び125Fがフィールドプレート124G及び125Gにより代替されている点である。
【0083】
双方向スイッチング装置1Gはゲート構造26G及び28Gと、フィールドプレート122G、123G、124G、及び125Gと、を備えている。ゲート構造26GはpドープIII-V族化合物半導体層262G及びゲート電極264Gを含む。ゲート構造28GはpドープIII-V族化合物半導体層282G及びゲート電極284Gを含む。
【0084】
フィールドプレート122G及びゲート構造26Gは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122G及びゲート構造26Gは横方向に重複する、距離D25がゲート構造26Gの全長より短い。フィールドプレート124G及びゲート構造26Gは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124G及びゲート構造26Gは横方向に重複する、距離D25がゲート構造26Gの全長より短い。フィールドプレート124G及びフィールドプレート122Gは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124G及びフィールドプレート122Gは横方向に重複する、距離D26はフィールドプレート122Gの全長に等しい。
【0085】
フィールドプレート123G及びゲート構造28Gは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123G及びゲート構造28Gは横方向に重複する、距離D27がゲート構造28Gの全長より短い。フィールドプレート125G及びゲート構造28Gは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125G及びゲート構造28Gは横方向に重複する、距離D27がゲート構造28Gの全長より短い。フィールドプレート125G板は横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125G及びフィールドプレート123Gは横方向に重複する、距離D28がフィールドプレート123Gの全長に等しい。
【0086】
図11は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Hを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Hは図9に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Fに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124F及び125Fがフィールドプレート124H及び125Hにより代替されている点である。
【0087】
双方向スイッチング装置1Hはゲート構造26H及び28Hと、フィールドプレート122H、123H、124H、及び125Hと、を備えている。ゲート構造26HはpドープIII-V族化合物半導体層262H及びゲート電極264Hを含む。ゲート構造28HはpドープIII-V族化合物半導体層282H及びゲート電極284Hを含む。
【0088】
フィールドプレート122H及びゲート構造26Hは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122H及びゲート構造26Hが横方向に重複している距離D29はゲート構造26Hの全長より短い。フィールドプレート124H及びゲート構造26Hは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124H及びゲート構造26Hは横方向に重複する、距離D30がゲート構造26Hの全長より短い。フィールドプレート124H及びフィールドプレート122Hは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124H及びフィールドプレート122Hは横方向に重複する、距離D31がフィールドプレート122Hの全長より短い。
【0089】
フィールドプレート123H及びゲート構造28Hは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123H及びゲート構造28Hは横方向に積層され、距離D32がゲート構造28Hの全長より短い。フィールドプレート125H及びゲート構造28Hは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125H及びゲート構造28Hは横方向に重複する、距離D33がゲート構造28Hの全長より短い。フィールドプレート125H及びフィールドプレート123Hは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125H及びフィールドプレート123Hは横方向に重複する、距離D34がフィールドプレート123Hの全長より短い。
【0090】
図12は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Iを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Iは図9に描写及び図示する双方向スイッチング装置1Fに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124F及び125Fがフィールドプレート124I及び125Iにより代替されている点である。
【0091】
双方向スイッチング装置1Iはゲート構造26I及び28Iと、フィールドプレート122I、123I、124I、及び125Iと、を備えている。ゲート構造26IはpドープIII-V族化合物半導体層262I及びゲート電極264Iを含む。ゲート構造28IはpドープIII-V族化合物半導体層282I及びゲート電極284Iを含む。
【0092】
フィールドプレート122I及びゲート構造26Iは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート122I及びゲート構造26Iが横方向に重複している距離D35はゲート構造26Iの全長より短い。フィールドプレート124I及びゲート構造26Iは横方向に重複していない。フィールドプレート124I及びフィールドプレート122Iは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート124I及びフィールドプレート122Iが横方向に重複している距離D36はフィールドプレート122Iの全長より短い。
【0093】
フィールドプレート123I及びゲート構造28Iは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート123I及びゲート構造28Iは横方向に重複する、距離D37がゲート構造28Iの全長に等しい。フィールドプレート125I及びゲート構造28Iは横方向に重複していない。フィールドプレート125I及びフィールドプレート123Iは横方向に重複している。本実施例の例示図において、フィールドプレート125I及びフィールドプレート123Iが横方向に重複している距離D38はフィールドプレート123Iの全長より短い。
【0094】
図13は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Jを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Jは図3A図3Cに描写及び図示する双方向スイッチング装置1Aに類似し、当該相違点については、フィールドプレート124B及び125Bがフィールドプレート124J及び125Jにより代替されている点である。本実施例において、フィールドプレート124J及び125J並びにソース電極30J及び32Jは同じ導電材料で製造されている。製造工程において、フィールドプレート124J及び125J並びにソース電極30J及び32Jは同じブランケット導電層で形成されてもよい。
【0095】
図14は本発明の幾つかの実施例に係る双方向スイッチング装置1Kを示す横断面図である。双方向スイッチング装置1Kは図3A図3Cに描写及び図示する双方向スイッチング装置1Aに類似している。但し、フィールドプレート122及び123がフィールドプレート122K及び123Kにより代替されている。本実施例において、フィールドプレート122K及び123K並びにソース電極30K及び32Kは同じ導電材料で製造されている。製造工程において、フィールドプレート122K及び123K並びにソース電極30K及び32Kは同じブランケット導電層で形成されて形成されてもよい。
【0096】
上述したように、デュアルゲートトランジスタのフィールドプレートの設計に基づいて、このような設計を応用した各種構造を実現している。前記設計は異なる要求に適合する。即ち、本発明のデュアルゲートトランジスタのフィールドプレートの設計はフレキシブルであり、よって、HEMT装置分野において高い互換性を有している。
【0097】
双方向スイッチング装置の製造方法を示す異なる工程図は図15A図15Lに示す。下述する。下記説明において、積層技術として、例えば、原子層堆積法(atomic layer deposition、 ALD)、物理気相成長法(physical vapor deposition、 PVD)、化学気相成長法(chemical vapor deposition、 CVD)、有機金属CVD(metal organic CVD、 MOCVD)、プラズマエンハンスCVD(plasma enhanced CVD、 PECVD)、減圧CVD(low-pressure CVD、 LPCVD)、プラズマアシスト気相成長(plasma-assisted vapor deposition)、エピタキシャル成長(epitaxial growth)、或いは他の適合する技術が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
図15Aを参照すると、基板20を提供する。上述の積層技術を使用し、基板20上に窒化物系半導体層22及び24を順に形成可能である。上述の積層技術を使用し、窒化物系半導体層24上方にブランケットpドープIII-V族化合物半導体層262及びブランケット導電層28を順に形成可能である。
【0099】
図3Bを参照すると、ブランケットpドープIII-V族化合物半導体層262及びブランケット導電層28に対しパターン化を行い、窒化物系半導体層24上に複数のゲート構造26及び28を形成している。各ゲート構造26及び28はpドープIII-V族化合物半導体層262/282及びゲート電極264/284を備えている。パターン化技術はフォトリソグラフィ(photolithography)、露光及び現像(exposure and development)、エッチング(etching)、他の適合する技術、或いはそれらの組み合わせにより実行する。上述の積層技術を使用し、不動態層116を形成してゲート構造26の表面を被覆することができる。ゲート構造26及び28を被覆することで、不動態層116がゲート電極264及び282を有している窒化物系半導体層24上方に複数の突出部分を形成可能である。
【0100】
図15Cを参照すると、上述の積層技術を使用し、不動態層116上方にブランケット導電層121及びマスク層150を順に形成可能である。マスク層150はパターン形成過程でブランケット導電層121のウェットエッチングマスクとしている。幾つかの実施例において、ブランケット導電層121は窒化チタン(TiN)で製造され、マスク層150は酸化ケイ素(SiOx)(例えば二酸化ケイ素SiO2)で製造されている。
【0101】
図15Dを参照すると、マスク層150がパターン化されて開口部を有しているマスク層152が形成されている。ブランケット導電層121の幾つかの部分がマスク層152の開口部から露出されている。マスク層152の輪郭はパターン化技術を実行することでブランケット導電層121に転移可能である。
【0102】
図15Eを参照すると、ブランケット導電層121がパターン化されてゲート電極264上方にフィールドプレート122が形成されている。フィールドプレート122はマスク層150の輪郭と相似する輪郭を有し、フィールドプレート122が対応するゲート電極264を横方向に跨いでいる。パターン化技術はウェットエッチングプロセスにより実行している。ウェットエッチングプロセスにおいて、マスク層152は底部ブランケット導電層121の部分を保護している。これにより、マスク層152の開口部から露出されている部分的なブランケット導電層121を除去している。上述したように、ウェットエッチングプロセスが高い選択性を提供するため、不動態層116箇所にオーバーエッチングが発生せず、不動態層116の厚さが同じまたは略同じに保持されている。幾つかの実施例において、ブランケット導電層121は窒化チタン(TiN)で製造され、不動態層116は窒化ケイ素(Si3N4)で製造され、これらがウェットエッチングプロセス中に同一のエッチング剤に対し高い選択性を有している。
【0103】
図15Fを参照すると、マスク層152を除去する。その後、上述の積層技術を使用し、不動態層116及びフィールドプレート122上に不動態層118及びブランケット導電層123を順に形成している。不動態層118はブランケット不動態層116及びフィールドプレート122として形成してもよい。ブランケット導電層123は不動態層118を被覆するように形成できる。
【0104】
図15Gを参照すると、上述の積層技術を使用し、ブランケット導電層123上/上方/の上にマスク層154を形成している。マスク層154はパターン形成過程においてブランケット導電層123のドライエッチングマスクとしている。幾つかの実施例において、ブランケット導電層121は窒化チタン(TiN)で製造され、マスク層154は、例えば、ポリマー(polymer)、感光剤(sensitizer)、及び溶剤の混合物のような光感応材料で製造されている。
【0105】
図15Hを参照すると、マスク層154がパターン化されて開口部を有しているマスク層156が形成されている。ブランケット導電層123の幾つかの部分はマスク層156の開口部から露出されている。マスク層156の輪郭はパターン化技術を実行することによりブランケット導電層123に転移可能である。図3Hの例示図において、ドライエッチングプロセスを使用してパターン化技術を実行している。例えば、ドライエッチングプロセスはRIE技術であり、その応用はプラズマ源からの高エネルギーイオン158によりブランケット導電層123の露出部分を攻撃すると共にその反応により前記部分を除去することにより、パターン化を実現している。パターン化後に、ブランケット導電層123によりフィールドプレート124が形成されている。
【0106】
図15Iを参照すると、パターン化後にマスク層156を除去している。フィールドプレート124はフィールドプレート122上方に形成されている。フィールドプレートはフィールドプレート122を横方向に跨いでいる。その後、上述の積層技術を使用し、不動態層118及びフィールドプレート124上に不動態層120が形成されている。不動態層120はブランケット不動態層118及びフィールドプレート124として形成してもよい。
【0107】
図15Jを参照すると、不動態層116、118、120の幾つかの部分を除去することにより接触領域160が形成されている。窒化物系半導体層24の少なくとも一部分は接触領域160から露出されている。
【0108】
図15Kを参照すると、図15Jで発生した構造上方にブランケット導電層125が形成されている。ブランケット導電層125は図153Jの合成構造と一致している。ブランケット導電層125は窒化物系半導体層24及び不動態層116、118、120を被覆するように形成されている。ブランケット導電層125を形成して接触領域160を充填することにより、窒化物系半導体層24と接触している。次の工程ではブランケット導電層125に対しパターン化を行っている。需要に応じて、ブランケット導電層125を異なる輪郭を有するようにパターン化してもよい。
【0109】
図15Lを参照すると、図15Lはブランケット導電層125のパターン化結果の1つを示し、ソース電極30及び32はブランケット導電層125に対してパターン化を行うことで形成されている。ブランケット導電層125の幾つかの部分を除去し、且つ接触領域160内にあるブランケット導電層125の残りの部分をソース電極30及び32として保留している。幾つかの実施例において、ソース電極30及び32(即ち、余剰のブランケット導電層125)の全体は不動態層120より低い。幾つかの実施例において、ブランケット導電層125を更に厚く形成し、ソース電極30及び32(即ち、余剰のブランケット導電層125)を不動態層120よりも高い位置にしてもよい。
【0110】
図15Lの工程後に、後続の工程を実行して獲得した構造上に不動態層、ビア及びパターン化導電層を形成し、上述したような構造を獲得している。
【0111】
本発明の以上の説明は説明及び描写した目的を達成するために提供している。本発明は全面的に、または本発明を発明した精確な形式に制限することを意図していない。発明した精確な形式に徹底するか限定することを意図している。当業者にとっては、多くの改修及び変化の余地があることは明らかである。
【0112】
本明細書で使用される別途定義のない「実質上」、「実質的」、「近似する」及び「約」等の用語は、小さな変化を説明及び解釈するために用いている。事象や状况と共に使用する場合、用語は事象や状况の精確に発生した例、及び事象や状况が発生しそうな例を含む。例えば、数値と共に使用する場合、用語は前記数値の±10%以下の変化範囲を含み、例えば、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、0.1%以下、或いは±0.05%以下の変化範囲を含む。「実質的な共面」という用語については、数マイクロメートル(μm)以内で同一の平面に沿って位置決めされている2つの表面を指し、例えば、40マイクロメートル(μm)以内、30μm以内、20μm以内、10μm以内、或いは1μm以内で同一の平面に沿って位置決めされている。
【0113】
本明細書で使用される前後の文中に別途明確な規定のない「単一」、「1つ」及び「前記単一」という単数の用語は、複数の指示物を含んでもよい。幾つかの実施形態の説明において提供する他の部材「上方」または「上面」にある部材とは、前の部材が後の部材上に直接位置する(例えば、後の部材と物理的に接触する)状况、及び1つまたは複数の中間部材が前の部材と後の部材との間に位置する状况を含む。
【0114】
本発明の内容の具体的な実施形態を参照して本開示の内容を描写及び説明しているが、但し、これらの描写及び説明は制限されない。当業者ならば、添付する請求項に定義する本発明の内容の実際の精神及び範囲を逸脱せずに、各種改修を行って等価物により代替することができる。添付図面は必ずしも比率に基づいて描画しているわけではない。製造技術及び公差の要因により、本発明の内容に示す技術と実際の装置との間には違いが存在する可能性がある。本発明の内容の他の実施形態については具体的に説明していない。明細書及び添付図面は説明のためのものであり、制限するためのものではない。改修により特定の状況、材料、物質の組成、方法、或いは過程を本発明の内容の目的、精神及び範囲に適合させることができる。全てのこれらの改修は本明細書に添付する請求項の範囲内に含まれる。本明細書に記載の方法は特定の順序を参照して特定の操作を実行することを説明しているが、但し、本発明の教示を逸脱せずにこれら操作を組み合せ、細分化し、或いは再配列することにより同等の効果を発生させる方法を形成することができることを理解すべきである。よって、特別に指摘がない限り、これらの操作の順序及びグループ化には制限がない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図15I
図15J
図15K
図15L