(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】粉体を無菌的に移し替えるための封じ込め装置を備える装置
(51)【国際特許分類】
B65B 1/04 20060101AFI20240903BHJP
B25J 15/00 20060101ALI20240903BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
B65B1/04
B25J15/00 Z
A61J3/00 310Z
(21)【出願番号】P 2022513989
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(86)【国際出願番号】 CH2020000010
(87)【国際公開番号】W WO2021042217
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512049513
【氏名又は名称】スカン・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Skan AG
【住所又は居所原語表記】Kreuzstrasse 5,4123 Allschwil,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ブロム・ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】レーマン・フランク・マルティン
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-140798(JP,A)
【文献】特開2015-167644(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03335844(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/04
B25J 15/00
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体(9)を無菌的に移し替えるため、すなわち、粉体(9)が充填された容器(6)の中身を回収容器(7)に空けるため、及び/又は、貯蔵容器(8)から粉体(9)を容器(6)に充填するために封じ込め装置(1)を備える
装置であって、
a)封じ込め装置(1)は、ハウジング(10)に囲まれた作業室(11)を有しており、
b)封じ込め装置(1)内にはロボット(17)が設置されており、ロボット(17)は、旋回範囲にわたって動かせるアーム機構(19)を有しており、
c
)回収容器(7)は作業室(11)から供給を受ける入口を有しており、また
、貯蔵容器(8)は作業室(11)へと供給を行う出口を有しており、
d)容器(6)は、少なくとも第1閉鎖要素(61)を用いて閉鎖可能である、装置において、
e)アーム機構(19)はツールキャリア(3)に接続されており、ツールキャリア(3)のベース(30)には少なくとも、容器(6)を把持するためのクランプ要素(32)、第1閉鎖要素(61)を把持するためのバキュームリフター(33)、及び、ダブルフラップの受動部(31)が備えられており、
f)回収容器(7)への入口及び/又は貯蔵容器(8)の出口には移送ヘッド(4)が取り付けられていてそれぞれが作業室(11)内に突出しており、
g)受動部(31)は、移送ヘッド(4)内に含まれている能動部(41)と共にダブルフラップを形成することを特徴とする
、封じ込め装置を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
a)ツールキャリア(3)のベース(30)が、アーム機構(19)に接続するための接続フランジ(300)を有しており、接続フランジ(300)には秤量セル(302)を設置することができ、及び、
b)ベース(30)には位置決め部材(301)が設けられており、位置決め部材(301)は、移送ヘッド(4)のベース(40)に配置された相補的なロッキング部材(401)に
形状結合的及び摩擦結合的に接続するためのものであり、また、ツールキャリア(3)と移送ヘッド(4)との間の耐圧的な組み付けを確保するものであることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、
a)ツールキャリア(3)のベース(30)は、吸引ツール(34)又は洗浄・殺菌ツール(35)又はつば出しツール(36)を一時的に収容できるようになっており、
b)ツール(34、35、36)をツールキャリア(3)のベース(30)に固定する役割はクランプ要素(32)が単独で又は追加的に担っており、
c)吸引ツール(34)は、作業室(11)内においてツールキャリア(3)及び第1閉鎖要素(61)を洗浄し、
d)洗浄・殺菌ツール(35)は、作業室(11)内においてダブルフラップの受動部(31)及び能動部(41)も含めて回収容器(7)の洗浄及び殺菌を行い、及び、
e)つば出しツール(36)は、作業室(11)内において第2閉鎖要素(62)を容器(6)に取り付けることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
ツール(34、35、36)は、作業室(11)内においてパークステーション(14)に着脱可能に置かれており、ロボット(17)のアーム機構(19)に設けられたツールキャリア(3)により把持されて使用されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置であって、完全に装備された状態のツールキャリア(3)は、以下のもの;
a)空にすべき容器(6)から粉体(9)の残りを落とすためのバイブレータ(37);
b)空にすべき容器(6)に第2閉鎖要素(62)が存在する場合には、これを取り除くためのリッパーフック(38)、及び
c)検査目的で粉体(9)の試料を採取するためのサンプリングツール(39)も有することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求
項3に記載の装置であって、
a)第1閉鎖要素(61)は、容器(6)の口に載せられる蓋又は容器(6)の口に挿入される栓として構成されており、また、
b)第2閉鎖要素(62)は、第1閉鎖要素(61)の上において容器(6)に取り付けられるフランジ付きキャップとして作られていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の装置であって、
a)ツールキャリア(3)を無菌状態で作業室(11)に運び入れるために、気密に覆われた移送容器(2)が設けられており、また、ハウジング(10)には移送ポート(12)が設けられおり、
b)移送容器(2)は、ツールキャリア(3)を受け入れて移送ポート(12)にドッキングするためのものであり、
c)移送容器(2)が移送ポート(12)にドッキングした状態において、移送ポート(12)及び移送容器(2)が開いている場合、ツールキャリア(3)は、ロボット(17)に把持されて移送容器(2)から作業室(11)内へと引き入れられることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載された装置であって、
a)空にすべき容器(6)又は充填すべき容器(6)を除染された状態で作業室(11)に運び入れるために、気密に覆われたロック(23)が設けられており、また、ハウジング(10)にはロックポート(13)が設けられており、
b)ロック(23)は、容器(6)を受け入れてロックポート(13)にドッキングするためのものであり、及び
c)ロックポート(13)にロック(23)がドッキングされた状態において、ロックポート(13)及びロック(23)が開いている場合、容器(6)は、ロボット(17)により把持されてロック(23)から作業室(11)内へと引き入れられること、又は、搬送装置によって作業室(11)内へと運ばれることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項2~8のいずれか1項に記載の装置であって、
接続フランジ(300)内に配置された秤量セル(302)が、比較により重量を求めること、すなわち、
(a)粉体(9)が充填された容器(6)の中身を回収容器(7)に空ける工程において、出発状態における粉体(9)が充填された容器(6)と空になった容器(6)との間の比較、又は、
(b)空の容器(6)に貯蔵容器(8)から粉体(9)を充填する工程において、出発状態における空の容器(6)と粉体(9)が充填された容器(6)との間の比較により重量を求めることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1項に記載された装置であって、
検査目的で粉体(9)から試料を採取するためのサンプリングツール(39)が、粉体(9)が充填された容器(6)の中身を回収容器(7)に空ける工程において、又は、空の容器(6)に貯蔵容器(8)から粉体(9)を充填する工程において使用されるこ
とを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項8
又は10に記載の装置であって、
a)ロック(23)は、空になった又は充填された容器(6)を作業室(11)から運び出すためにも、また、取り扱う粉体(9)の特性を検査するためにサンプリングツール(39)を用いて試験量を採取する目的で、粉体(9)が充填された容器(6)を作業室(11)に運び入れるため、もしくは、作業室(11)から運び出すためにも使用できること、又は、
b)空になった又は充填された容器(6)を作業室(11)から運び出すため、また、取り扱う粉体(9)の特性を検査するためにサンプリングツール(39)を用いて試験量を採取する目的で、粉体(9)が充填された容器(6)を作業室(11)に運び入れるため、もしくは、作業室(11)から運び出すために、封じ込め装置(1)には、
別のロッ
クが設けられていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の装置であって、
空の容器(6)に貯蔵容器(8)から粉体(9)を充填する工程において、貯蔵容器(8)と移送ヘッド(4)との間には粉体(9)の所望の充填量を分配するための計量装置(80)が配置されていることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の装置であって、
a)回収容器(7)に付属する移送ヘッド(4)が封じ込め装置(1)のハウジング(10)に、
又は床材に固定されており、移送ヘッド(4)から回収容器(7)へと導管部が延びており、及び、
b)貯蔵容器(8)に付属する移送ヘッド(4)が、封じ込め装置(1)のハウジング(10)に、
又は天井材に固定されていることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を無菌的に移し替えるため、すなわち、粉体が充填された容器の中身を回収容器に空けるため、及び/又は、貯蔵容器から粉体を容器に充填するために設計された、封じ込め装置を備えた装置に関するものである。封じ込め装置は、ハウジングにより囲まれた作業室を有している。封じ込め装置内にはロボットが設置されており、ロボットは、旋回範囲にわたって動かせるアーム機構を有している。回収容器がある場合、回収容器には作業室からの供給を受けるための入口があり、貯蔵容器がある場合は、貯蔵容器には作業室へと供給を行うための出口がある。本容器は、少なくとも第1閉鎖要素で閉鎖することができる。本装置は、多数の容器を空にするためもしくは充填するために特に有利である。
【背景技術】
【0002】
Comecer Netherlands社(所在地:NL-8500 AC Joure)より、粉体、特に缶に充填された医薬品を無菌的に移し替えるために、封じ込め装置を備えた装置が提供されている。この装置内には複数のロボットが設置されており、異なる作業工程ごとにツールの変更が必要となる(https://www.youtube.com/watch?v=ch8wiUysUZY;及びhttps://www.youtube.com/watch?v=mwaLyBz8pMk;リンクは2019年9月5日時点のもの)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来知られている先行技術より、本発明の課題は、粉体の無菌移し替えのために封じ込め装置を備えた装置をさらに発展させ、装置に関するコスト及び必要なスペースを可能な限り低減させたうえで生産効率を高める装置を提供することである。この装置は、多数の容器の中身を空けることもしくは充填することを生産ラインとして実現可能であるように、また同時に装置は、取り扱う粉体の試料を検査目的のために保護された条件の下で採取する目的のためにも、又は、その目的のためのみに使用できるように構想するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
封じ込め装置を備えた本発明の装置は、粉体を無菌的に移し替えるため、すなわち、粉体が充填された容器の中身を回収容器に空けるため、及び/又は、粉体を貯蔵容器から容器に充填するために構想されている。封じ込め装置は、ハウジングに囲まれた作業室を有している。封じ込め装置内にはロボットが設置されており、ロボットは、旋回範囲にわたって動かせるアーム機構を有している。回収容器がある場合、回収容器には作業室から供給を受ける入口があり、貯蔵容器がある場合は、貯蔵容器には作業室へと供給を行う出口がある。容器は、少なくとも第1閉鎖要素で閉鎖することができる。アーム機構はツールキャリアに接続されており、そのベースには少なくとも、容器を把持するためのクランプ要素、第1閉鎖要素を把持するためのバキュームリフター、ダブルフラップの受動部が装備される。回収容器の入口、及び/又は、貯蔵容器の出口には移送ヘッドが取り付けられ、それぞれ作業室内に突出している。受動部は、移送ヘッドに含まれる能動部と共にダブルフラップを形成する。
【0005】
本発明の具体的な実施形態を以下に定義する。ツールキャリアのベースには、アーム機構に接続するための接続フランジが設けられており、接続フランジには秤量セルを設置できる。ベースには位置決め部材が設けられており、この位置決め部材は、移送ヘッドのベースに設けられた相補的なロッキング部材に形状結合的及び摩擦結合的に接続するためのものであり、この位置決め部材によりツールキャリアと移送ヘッドとが耐圧的に組付けられることが確保される。
【0006】
ツールキャリアのベースは、吸引ツール、又は洗浄・殺菌ツール、又はつば出しツールを一時的に収容できるようになっている。これらのツールをツールキャリアのベースに固定する役割はクランプ要素が単独で又は追加的に担っている。吸引ツールは、作業室内においてツールキャリア及び第1閉鎖要素を洗浄するためのものである。洗浄・殺菌ツールは、作業室内において、ダブルフラップの受動部及び能動部を含めた回収容器の洗浄・殺菌を行うためのものである。つば出しツールは、作業室内において、第2閉鎖要素を容器に取り付けるためのものである。これらのツールは、作業室内において、ロボットのアーム機構に設けられたツールキャリアがこれらを把持して使用できるよう、パークステーションに着脱可能に置いておかれる。
【0007】
ツールキャリアの完全な構成においては、さらに以下のものが設けられている。
-空にすべき容器から粉体の残りを落とすするためのバイブレータ;
-空にすべき容器に第2閉鎖要素がある場合にそれを取り除くためのリッパーフック;及び、
-検査目的のために粉体の試料を採取するサンプリングツール。
【0008】
第1閉鎖要素は、容器の口の上に載せられた蓋、又は容器の口の中にセットされた栓として構成されている。第2閉鎖要素は、第1閉鎖要素の上において容器に取り付けられたフランジ付キャップとして構成されている。
【0009】
ツールキャリアを作業室に無菌状態で運び入れるために気密に覆われた移送容器が設けられており、また、ハウジングには移送ポートが設けられている。移送容器は、ツールキャリアを収容し、また、移送ポートにドッキングするためのものである。移送ポートに移送容器がドッキングされ、移送ポート及び移送容器が開いた状態において、ツールキャリアは、ロボットに把持されて移送容器から作業室内へと引き入れられる。
【0010】
中身を空けるべき容器又は充填すべき容器を除染された状態で作業室内に運び入れるために気密に覆われたロックが設けられており、また、ハウジングにはロックポートが設けられている。ロックは、容器を受け入れ、また、ロックポートにドッキングするためのものである。ロックポートにロックがドッキングしてロックポート及びロックが開いた状態において、容器はロボットにより把持されてロックから作業室内へと引き入れられるか、又は、容器が搬送装置により作業室内へと運ばれる。
【0011】
接続フランジに設置された秤量セルは、以下のように比較により重量を求める。
-粉体が充填された容器の中身を回収容器に空ける工程においては、粉体が充填された容器の出発状態と、空になった容器との間の比較、又は、
-空の容器に貯蔵容器から粉体を充填する工程においては、空の容器の出発状態と、粉体が充填された容器との間の比較。
【0012】
サンプリングツールは検査目的で粉体の試料を採取するために用いられ、粉体が充填された容器の中身を回収容器に空ける工程、又は、空の容器に貯蔵容器から粉体を充填する工程で使用される。代替的に本発明の装置。取り扱う粉体の特性をサンプリングツールを用いて検査するためのみに使用される。
【0013】
また、ロックは、空になった容器又は充填された容器を作業室から運び出すため、また、取り扱う粉体の特性を検査するためにサンプリングツールで試験量を採取する目的で、粉体が充填された容器を作業室に運び入れるため、もしくは、作業室から運び出すためにも使用できる。又は、空になった容器又は充填された容器を作業室から運び出すため、また、封じ込め装置において取り扱う粉体の特性を検査するためにサンプリングツールを用いて試験量を採取する目的で、粉体が充填された容器を作業室に運び入れるため、もしくは、作業室から運び出すために、第2ロック又はマウスホールが設けられている。
【0014】
空の容器に貯蔵容器から粉体を充填する工程のために、貯蔵容器と移送ヘッドとの間には所望の粉体充填量を分配するための計量装置が配置されている。
【0015】
回収容器に付属する移送ヘッドは、封じ込め装置のハウジング、好ましくは床材に取り付けられており、移送ヘッドから回収容器まで導管部が延びている。貯蔵容器に附属する移送ヘッドは、封じ込め装置のハウジング、好ましくは天井材に取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1-粉体を無菌的に移し替えるための封じ込め装置を備えた本発明の装置の全体図。
図2-
図1の装置の装置において、粉体が充填された容器の中身を回収容器に空けるための配置図。
図3A-粉体が充填された、
図1及び
図2の容器の拡大図。
図3B-
図1及び
図2に図示された、充填すべき回収容器の拡大図。
図4Aから
図4E-
図1及び
図2に図示されたツールキャリアに様々な装備品が取り付けられている図。
図4A-
図1及び
図2に図示された、常備基本装備品が取り付けられたツールキャリアの拡大正面図。
図4B-さらなる常備装備品が取り付けられた、
図4Aのツールキャリアの拡大上面図。
図4C-基本装備品及び一時的に取り付けられた吸引ツールを備えた
図4Aのツールキャリアの図。
図4D-基本装備品及び一時的に取り付けられた洗浄ツールを備えた、
図4Aのツールキャリアの図。
図4E-基本装備品及び一時的に取り付けられたつば出しツールを備えた、
図4Aのツールキャリアの図。
図5Aから
図5C-
図4Aによるツールキャリアと、
図1による回収容器もしくは貯蔵容器の移送ヘッドとからなるダブルフラップの構造及び機能を原理的に表現した図。
図5A-ダブルフラップの受動部及びそれに近づく能動部の図。
図5B-
図5Aのダブルフラップの受動部と能動部とが組み立てられた状態で、遮断位置にある図。
図5C-
図5Bのダブルフラップが開いた位置にある図。
図6Aから
図6R-
図2に示すように、粉体が充填された容器の中身を回収容器に空ける際の段階的な移し替え工程を示した図。
図7-
図1に示す装置において、貯蔵容器から容器に粉体充填物を充填するための配置図。
図8Aから
図8M-
図7に示すように、貯蔵容器から容器に粉体充填物を充填する際の段階的な工程を示した図。
図9Aから
図9C-
図4Aに図示した無菌ツールキャリアを封じ込め装置に運び入れる際の段階的な工程の原理図。
図10Aから
図10G-ツールキャリア及び回収容器を殺菌する際の段階的な工程の第1変形例の原理図。
図11Aから
図11H-ツールキャリア及び回収容器を殺菌する際の段階的な工程の第2変形例の原理図。
図12A-
図1より、封じ込め装置の床に設置された移送ヘッド及び、それに近づくツールキャリアを斜視図で表した図。
図12B-
図12Aに示す配置において、組み立てられた状態の図。
図12C-
図6Gのように倒立した状態で容器がクランプされている
図12Aのツールキャリアの図。
図12D-
図12Cの配置において
図12Aの移送ヘッドが組み立てられた図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、付属の図を用いて、粉体を無菌的に移し替えるため、すなわち、粉体で満たされた容器の中身を回収容器に空けるため、及び/又は、貯蔵容器から粉体を容器に充填するために封じ込め装置を備えた本発明による装置について詳細に説明する。
【0018】
次に述べる規定は、さらなる説明全体について適用される。ある図において図を分かりやすくするために符号が含まれており、図からそれが「繰り返し登場している」部品であることが明らかであるものの、それに直接関連する説明文では説明されていない場合、それは簡略化のためであるため、先行する図の説明を参照されたい。
【0019】
図1及び図9Aから図9C
ここに図示された、粉体9を無菌的に移し替えるための封じ込め装置1を備えた装置は、粉体9が充填された容器6の中身を回収容器7に空けるため、及び/又は、容器6に貯蔵容器8から粉体9を充填するための装置の適性に応じたものであり、本発明の概要を説明することを目的として表現されている。封じ込め装置1は、ハウジング10によって囲まれており、それにより作業室11を封じ込めており、作業室内には、土台18の上に載せられ、アーム機構19を有するロボット17(ここでは多関節アームロボットとして提供されている)がある。作業室11には、H
2O
2溶液スプレーなどの除染剤を導入するための供給管15がつながっている。
【0020】
作業室11には、粉体9が充填された容器6が設置されており、この容器は空にすることが意図されており、例えば蓋である第1の閉鎖要素61、及び、通常はフランジ付きキャップである第2の閉鎖要素62により閉鎖されている。この容器6は、除染された状態で、ロック23を介してロックポート13から次々と作業室11内へ運び込まれる。代替的に、ロック23及びロックポート13を通じて、充填すべき空の容器6を作業室11内へ連続的に搬送することもできる。
【0021】
ロック23は、空になった容器6又は充填された容器6を作業室11から運び出すために使用することも、また、取り扱う粉体9の特性を検査するためにサンプリングツール39(
図4B、6F参照)を用いて試験量を採取する目的で、粉体9が充填された容器6を作業室11に運び入れるため、もしくは、作業室11から運び出すために使用することもできる。代替的に、空になった容器6又は充填された容器6を作業室11から運び出すため、また、取り扱う粉体9の特性を検査するためにサンプリングツール39を用いて試験量を採取する目的で、粉体9が充填された容器6を作業室11に運び入れるため、もしくは、作業室11から運び出すために、封じ込め装置1に第2ロック又はマウスホールを設けることができる。
【0022】
回収容器7は、空になった容器6に入っていた粉体9を受け入れるためのものであり、作業室11から供給を受ける入口を有しており、その入口の上には、作業室11内に突出する移送ヘッド4が設置されている。移送ヘッド4からはハウジング10を貫通して導管部72が回収容器7まで延びている。粉体9が充填された貯蔵容器8は、空の容器6に供給を行うためのものであり、作業室11内へと供給を行う入口があり、その上にはやはり作業室11内に突出する移送ヘッド4が設置されている。貯蔵容器8と移送ヘッド4との間には、所望の充填量の粉体9を分配するための計量装置80が配置されている。回収容器7に附属する移送ヘッド4は、封じ込め装置1のハウジング10、好ましくは床材に取り付けられており、貯蔵容器8に付属する移送ヘッド4も、封じ込め装置1のハウジング10、好ましくは天井材に取り付けられている。回収容器7は、土台70の上に設置されており、洗浄・殺菌ツール35を用いた洗浄及び除染時において圧力及び流体を排出するための排出弁71を備えている。
【0023】
吸引ツール34、洗浄・殺菌ツール35、つば出しツール36は、作業室11内のパークステーション14に着脱可能に置かれており、ロボット17のアーム機構19に取り付けるべきツールキャリア3により把持されて使用される。吸引ツール34は、作業室11内においてツールキャリア3及び第1閉鎖要素61を洗浄するために使用される(
図4C参照)。洗浄・殺菌ツール35は、作業室11内においてダブルフラップの受動部31及び能動部41を含めて回収容器7を洗浄及び殺菌するために使用される(
図10A~
図10G参照)。つば出しツール36は、作業室11内において第2閉鎖要素62を容器6に取り付けるために使用される。
【0024】
ツールキャリア3を作業室11に無菌状態で運び入れるために、気密に覆われた移送容器2が設けられており、ハウジング10には移送ポート12が設けられている。移送容器2は、ツールキャリア3を収容するため、及び、移送ポート12にドッキングするためのものである。移送容器2が移送ポート12にドッキングされた状態において移送ポート12及び移送容器2が開いている場合に、ツールキャリア3は、ロボット17に把持されて移送容器2から作業室11内へと引き入れられる。
【0025】
図2
ここでは
図1の装置について、粉体9で完全に満たされた容器6の中身を、容器から出されるべき粉体9を受け入れる回収容器7に空ける機能に限定して図示されている。ロボット17のアーム機構19は、ツールキャリア3に接続されている。
【0026】
図3A及び図3B
空にすべき容器6には粉体9が入っており、少なくとも第1閉鎖要素61が設けられており、場合によってはその上に第2閉鎖要素62も取り付けられている。これに対して、充填された容器6は、多くの場合、第1閉鎖要素61のみを用いて閉鎖されている。回収容器7の入口に移送ヘッド4が取り付けられており、移送ヘッドは、ベース40とダブルフラップの能動部41を有しており、これらは駆動部42によって調整可能である。
【0027】
図4Aから
図4E
これらの図には、様々な装備品が装備されたツールキャリア3が示されている。ツールキャリア3はそのベース30に少なくとも、容器6を把持するためのクランプ要素32、第1閉鎖要素61及びダブルフラップの受動部31を把持するためのバキュームリフター33を有している。アーム機構19に接続するために、ツールキャリア3のベース30は接続フランジ300を有しており、接続フランジ300内には秤量セル302を設置することができる。ベース30は位置決め部材301を有しており、この位置決め部材は、移送ヘッド4のベース40に配置されている相補的なロッキング部材401に
形状結合的及び摩擦結合的に接続するためのものであり、また、ツールキャリア3と移送ヘッド4との間の耐圧的な組み付けを確保するためのものである(
図12A~
図12D参照)。
【0028】
ツールキャリア3のベース30は、吸引ツール34又は洗浄・殺菌ツール35又はつば出しツール36を一時的に収容できるようになっている。ツール34、35、36をツールキャリア3のベース30に固定するために、クランプ要素32が単独で又は追加的に使用される。吸引ツール34には管340が、洗浄・殺菌ツール35には管350がつながっている。
【0029】
ツールキャリア3は、完全な構成においてはさらに以下のもの:
-空にすべき容器6から粉体(9)の残りを落とすためのバイブレータ37;
-空にすべき容器6に場合によっては取り付けられている第2閉鎖要素62を取り除くためのリッパーフック38;
-検査目的で粉体9の試料を採取するためのサンプリングツール39
を有している。
【0030】
これらの図は、ツールキャリア3の受動部31と移送ヘッド4の能動部41とから構成されるダブルフラップの構造及び機能を説明するものである。受動部31及び能動部41は、それぞれツールキャリア3のベース30もしくは移送ヘッド4のベース40内に組み込まれている。受動部31及び能動部41は、移送ヘッド4の駆動装置42によって、閉じた位置から開いた位置へ、もしくはその逆へと動く。
【0031】
図6Aから図6R
これらの図は、粉体9が充填された容器6の中身を回収容器7に空ける際の段階的な移し替え工程を示している。
図6A:ツールキャリア3に設けられたトゲ状のリッパーフック38によって、第2閉鎖要素62がとらえられ、粉体9が充填された容器6から取り外される。
図6B:ツールキャリア3に設けられたバキュームリフター33によって第1閉鎖要素61が把持される。
図6C:ツールキャリア3に設けられたバキュームリフター33によって第1閉鎖要素61が取り外される。
図6D:追加の吸引ツール34′により、第1閉鎖要素61に付着している可能性のある粉体9が吸引される。
図6E:ツールキャリア3に設けられたサンプリングツール39を用いて、粉体9の試料が採取される。
図6F:採取された粉体9の試料は、検査のために試料容器90に入れられる。
図6G:ツールキャリア3が容器6に載せられる。
図6H:接続フランジ300内の秤量セル302により総重量が求められる。
図6J:容器6を空にするために、容器6は倒立させて回収容器7の移送ヘッド4に接続される。
図6K:駆動装置42によりダブルフラップ31、41が開位置に動かされ、粉体9が導管部72を通って回収容器7内に流入する。
図6L:容器の中身が空けられて、容器6は空になり、すべての粉体9が回収容器7に流れ込んでいる。バイブレータ7を作動させることにより(
図4B参照)、容器6内に残っている可能性のある粉体9も落とされる。
図6M:ツールキャリア3付きの空の容器6が、回収容器7の移送ヘッド4から分離される。
図6N:ツールキャリア3が空の容器6に載せられる。接続フランジ300内の秤量セル302により空の状態の重量が求められる。
図6O:ツールキャリア3内に挿入された吸引ツール34を用いて、ツールキャリア3、特にダブルフラップの受動部31の内部が洗浄される。
図6P:ツールキャリア3は、そのバキュームリフター33を用いて第1閉鎖要素61を把持する。
図6Q:第1閉鎖要素61が空の容器6に載せられる。
図6R:容器を空にする工程が完了し、第1閉鎖要素61で閉鎖された、空の容器6をここから搬送することができる。
【0032】
図7
ここでは、
図1に図示された装置が、空の容器6に貯蔵容器8から粉体9を充填する機能に限定して図示されている。第1閉鎖要素61が持ち上げられており、容器6は開いた状態であることが示されている。
【0033】
図8Aから図8M
これらの図には、空の容器6に貯蔵容器8から粉体9を充填する際の、段階的な詰め替え作業が示されている。
図8A:ツールキャリア3にあるバキュームリフター33を用いて、空の容器6の第1閉鎖要素61が把持される。
図8B:第1閉鎖要素61が持ち上げられる。
図8C:開いた容器6にツールキャリア3が載せられ、接続フランジ300内の秤量セル302を用いて空の状態の重量が求められる。
図8D:ツールキャリア3を載せた容器6が、貯蔵容器8の移送ヘッド4に近づけられる。
図8E:ツールキャリア3を載せた容器6が、貯蔵容器8の移送ヘッド4にドッキングされる。
図8F:ダブルフラップ31、41が駆動部42により開位置に動き、粉体9が計量装置80から容器6に流入する。
図8G:容器6が充填され、ダブルフラップ31、41が駆動装置42により閉位置に動く。
図8H:移送ヘッド4が載せられた、充填された容器6は、貯蔵容器8の移送ヘッドからドッキングを解除される。接続フランジ300内の秤量セル302によって総重量が求められる。
図8J:ツールキャリア3にあるバキュームリフター33を用いて第1閉鎖要素61が把持され、充填された容器6の上に載せられる。
図8K:ツールキャリア3にドッキングされたつば出しツール36を用いて、第2閉鎖要素62が準備される。
図8L:つば出しツール36が、充填された容器6に載せられる。
図8M;第2閉鎖要素62は、第1閉鎖要素61の上で、充填された容器6に取り付けられる。充填工程が完了し、確実に閉鎖された容器6をここから搬送することができる。
【0034】
図10Aから図10G
これらの図には、第1変形例において、ツールキャリア3及び回収容器7を殺菌するための工程が段階的に示されている。
図10A:ツールキャリア3により洗浄・殺菌ツール35が把持される。
図10B:ツールキャリア3と洗浄・殺菌ツール35とからなるアセンブリが、回収容器7の移送ヘッド4に近づけられる。
図10C:ツールキャリア3が回収容器7の移送ヘッド4に接続されており、ダブルフラップ31、41は閉位置にある。
図10D: ダブルフラップ31、41が開かれ、ダブルフラップ31、41及び回収容器7の洗浄及び殺菌が行われる。
図10E:洗浄及び殺菌が完了し、ダブルフラップ31、41が閉じられる。
図10F:洗浄・殺菌ツール35が取り付けられたツールキャリア3が、回収容器7の移送ヘッド4から持ち上げられる。
図10G:ツールキャリア3に付いている洗浄・殺菌ツール35が、パークステーション14に戻される。
【0035】
図11Aから図11H
これらの図には、第2の変形例においてツールキャリア3及び回収容器7を殺菌する工程が段階的に示されている。ここでも洗浄・殺菌ツール35の使用にはツールキャリア3が用いられるが、ダブルフラップの2つの部品31、41は取り外して擬似部品51で置き換える必要がある。
【0036】
図12A及び図12B
移送ヘッド4は封じ込め装置1のハウジング10に、好ましくは床に設置され、ツールキャリア3は上方から接近する。ツールキャリア3にある位置決め部材301は、ロッキング部材401に係合するよう向きが合わされている。移送ヘッド4の出口からは、導管部72が封じ込め装置1から回収容器7内へと延びている(
図1参照)。ツールキャリア3と移送ヘッド4とが組み立てられた状態においては、位置決め部材301とロッキング部材401とがしっかりとロックされているため、ツールキャリア3と移送ヘッド4とは互いに耐圧的に接続されている。
【0037】
図12C及び
図12D
ツールキャリア3のクランプ要素32は、倒立させた容器6をツールキャリア3上に載せる際、もしくは、ツールキャリア3から持ち上げる際には解放位置にあり(
図12C参照)、これに対して移し替え工程においてはクランプ位置にある(
図12D参照)。
本発明では以下の形態が可能である。
形態1
粉体(9)を無菌的に移し替えるため、すなわち、粉体(9)が充填された容器(6)の中身を回収容器(7)に空けるため、及び/又は、貯蔵容器(8)から粉体(9)を容器(6)に充填するために封じ込め装置(1)を備える設置であって、
a)封じ込め装置(1)は、ハウジング(10)に囲まれた作業室(11)を有しており、
b)封じ込め装置(1)内にはロボット(3)が設置されており、ロボット(3)は、旋回範囲にわたって動かせるアーム機構(31))を有しており、
c)回収容器(7)が存在する場合、回収容器(7)は作業室(11)から供給を受ける入口を有しており、また、貯蔵容器(8)が存在する場合、貯蔵容器(8)は作業室(11)へと供給を行う出口を有しており、
d)容器(6)は、少なくとも第1閉鎖要素(61)を用いて閉鎖可能である、装置において、
e)アーム機構(31)はツールキャリア(3)に接続されており、ツールキャリア(3)のベース(30)には少なくとも、容器(6)を把持するためのクランプ要素(32)、第1閉鎖要素(61)を把持するためのバキュームリフター(33)、及び、ダブルフラップの受動部(31)が備えられており、
f)回収容器(7)への入口及び/又は貯蔵容器(8)の出口には移送ヘッド(4)が取り付けられていてそれぞれが作業室(11)内に突出しており、
g)受動部(31)は、移送ヘッド(4)内に含まれている能動部(41)と共にダブルフラップを形成することを特徴とする装置。
形態2
形態1に記載の装置であって、
a)ツールキャリア(3)のベース(30)が、アーム機構(19)に接続するための接続フランジ(300)を有しており、接続フランジ(300)には秤量セル(302)を設置することができ、及び、
b)ベース(30)には位置決め部材(301)が設けられており、位置決め部材(301)は、移送ヘッド(4)のベース(40)に配置された相補的なロッキング部材(401)に確動的及び摩擦結合的に接続するためのものであり、また、ツールキャリア(3)と移送ヘッド(4)との間の耐圧的な組み付けを確保するものであることを特徴とする装置。
形態3
形態1又は2に記載の装置であって、
a)ツールキャリア(3)のベース(30)は、吸引ツール(34)又は洗浄・殺菌ツール(35)又はつば出しツール(36)を一時的に収容できるようになっており、
b)ツール(34、35、36)をツールキャリア(3)のベース(30)に固定する役割はクランプ要素(32)が単独で又は追加的に担っており、
c)吸引ツール(34)は、作業室(11)内においてツールキャリア(3)及び第1閉鎖要素(61)を洗浄し、
d)洗浄・殺菌ツール(35)は、作業室(11)内においてダブルフラップの受動部(31)及び能動部(41)も含めて回収容器(7)の洗浄及び殺菌を行い、及び、
e)つば出しツール(36)は、作業室(11)内において第2閉鎖要素(62)を容器(6)に取り付けることを特徴とする装置。
形態4
形態3に記載の装置であって、
ツール(34、35、36)は、作業室(11)内においてパークステーション(14)に着脱可能に置かれており、ロボット(17)のアーム機構(19)に設けられたツールキャリア(3)により把持されて使用されることを特徴とする装置。
形態5
形態1~4のいずれか1に記載の装置であって、完全に装備された状態のツールキャリア(3)は、以下のもの;
a)空にすべき容器(6)から粉体(9)の残りを落とすためのバイブレータ(37);
b)空にすべき容器(6)に第2閉鎖要素(62)が存在する場合には、これを取り除くためのリッパーフック(38)、及び
c)検査目的で粉体(9)の試料を採取するためのサンプリングツール(39)も有することを特徴とする装置。
形態6
形態1及び3に記載の装置であって、
a)第1閉鎖要素(61)は、容器(6)の口に載せられる蓋又は容器(6)の口に挿入される栓として構成されており、また、
b)第2閉鎖要素(62)は、第1閉鎖要素(61)の上において容器(6)に取り付けられるフランジ付きキャップとして作られていることを特徴とする装置。
形態7
形態1~6のいずれか1に記載の装置であって、
a)ツールキャリア(3)を無菌状態で作業室(11)に運び入れるために、気密に覆われた移送容器(2)が設けられており、また、ハウジング(10)には移送ポート(12)が設けられおり、
b)移送容器(2)は、ツールキャリア(3)を受け入れて移送ポート(12)にドッキングするためのものであり、
c)移送容器(2)が移送ポート(12)にドッキングした状態において、移送ポート(12)及び移送容器(2)が開いている場合、ツールキャリア(3)は、ロボット(17)に把持されて移送容器(2)から作業室(11)内へと引き入れられることを特徴とする装置。
形態8
形態1~7のいずれか1に記載された装置であって、
a)空にすべき容器(6)又は充填すべき容器(6)を除染された状態で作業室(11)に運び入れるために、気密に覆われたロック(23)が設けられており、また、ハウジング(10)にはロックポート(13)が設けられており、
b)ロック(23)は、容器(6)を受け入れてロックポート(13)にドッキングするためのものであり、及び
c)ロックポート(13)にロック(23)がドッキングされた状態において、ロックポート(13)及びロック(23)が開いている場合、容器(3)は、ロボット(17)により把持されてロック(23)から作業室(11)内へと引き入れられること、又は、搬送装置によって作業室(11)内へと運ばれることを特徴とする装置。
形態9
形態2~8のいずれか1に記載の装置であって、
接続フランジ(300)内に配置された秤量セル(302)が、比較により重量を求めること、すなわち、
(a)粉体(9)が充填された容器(6)の中身を回収容器(7)に空ける工程において、出発状態における粉体(9)が充填された容器(6)と空になった容器(6)との間の比較、又は、
(b)空の容器(6)に貯蔵容器(8)から粉体(9)を充填する工程において、出発状態における空の容器(6)と粉体(9)が充填された容器(6)との間の比較により重量を求めることを特徴とする装置。
形態10
形態5~9のいずれか1に記載された装置であって、
a)検査目的で粉体(9)から試料を採取するためのサンプリングツール(39)が、粉体(9)が充填された容器(6)の中身を回収容器(7)に空ける工程において、又は、空の容器(6)に貯蔵容器(8)から粉体(9)を充填する工程において使用されること、又は、
b)代替的に、装置が、取り扱われる粉体(9)の特性をサンプリングツール(39)を用いて検査することのみを目的としたものであることを特徴とする装置。
形態11
形態8及び10に記載の装置であって、
a)ロック(23)は、空になった又は充填された容器(6)を作業室(11)から運び出すためにも、また、取り扱う粉体(9)の特性を検査するためにサンプリングツール(39)を用いて試験量を採取する目的で、粉体(9)が充填された容器(6)を作業室(11)に運び入れるため、もしくは、作業室(11)から運び出すためにも使用できること、又は、
b)空になった又は充填された容器(6)を作業室(11)から運び出すため、また、取り扱う粉体(9)の特性を検査するためにサンプリングツール(39)を用いて試験量を採取する目的で、粉体(9)が充填された容器(6)を作業室(11)に運び入れるため、もしくは、作業室(11)から運び出すために、封じ込め装置(1)には、第2ロック又はマウスホールが設けられていることを特徴とする装置。
形態12
形態1~11のいずれか1に記載の装置であって、
空の容器(6)に貯蔵容器(8)から粉体(9)を充填する工程において、貯蔵容器(8)と移送ヘッド(4)との間には粉体(9)の所望の充填量を分配するための計量装置(80)が配置されていることを特徴とする装置。
形態13
形態1~12のいずれか1に記載の装置であって、
a)回収容器(7)に付属する移送ヘッド(4)が封じ込め装置(1)のハウジング(10)に、好ましくは床材に固定されており、移送ヘッド(4)から回収容器(7)へと導管部が延びており、及び、
b)貯蔵容器(8)に付属する移送ヘッド(4)が、封じ込め装置(1)のハウジング(10)に、好ましくは天井材に固定されていることを特徴とする装置。
【符号の説明】
【0038】
1 封じ込め装置
10 ハウジング
11 作業室
12 移送ポート
13 ロックポート
14 パークステーション
15 供給管
17 ロボット
18 土台
19 アーム機構
2 移送容器
23 ロック
3 ツールキャリア
30 ベース
300 接続フランジ
301 位置決め部材
302 秤量セル
31 受動部
32 クランプ要素
33 バキュームリフター
34 吸引ツール
34’ 吸引ツール
340 管
35 洗浄・殺菌ツール
350 管
36 つば出しツール
37 バイブレータ
38 リッパーフック
39 サンプリングツール
4 移送ヘッド
40 ベース
401 ロッキング部材
41 能動部
42 駆動装置
51 疑似部品
6 容器
61 第1閉鎖要素
62 第2閉鎖要素
7 回収容器
70 土台
71 排出弁
72 導管部
8 貯蔵容器
80 計量装置
9 粉体
90 試料容器