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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】磁気ロータアセンブリ及び電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240903BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20240903BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
F16K31/04 K
F16H25/20 E
F16K31/04 A
H02K1/22 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022525971
(86)(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2020109829
(87)【国際公開番号】W WO2021098301
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】201922007020.2
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】曽 慶軍
(72)【発明者】
【氏名】趙 俊
(72)【発明者】
【氏名】邸 志強
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106763989(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105202199(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103032620(CN,A)
【文献】中国実用新案第209196239(CN,U)
【文献】特開2010-043727(JP,A)
【文献】実開平01-169677(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0300918(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104482274(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110159821(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112413149(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00 - 31/05
F25B 41/35
H02K 1/22 - 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面に取り付け孔(21)が穿設されているロータ(20)と、
前記ロータ(20)内に設けられて、前記ロータ(20)と同期して回転するストッパ(30)であって、端面に前記取り付け孔(21)内に入り込む突起(31)を有し、前記突起(31)の前記取り付け孔(21)を貫通した一端に、前記突起(31)が前記取り付け孔(21)から抜けるのを防止するストップフランジ(32)を有する、ストッパ(30)と、
を含み、
記ストッパ(30)の内壁には第1ストップ突起(33)を備え、
前記ストッパ(30)の端面には離型孔(34)が穿設されており、前記離型孔(34)と前記第1ストップ突起(33)とは、前記ストッパ(30)の軸方向に沿って整列される、
磁気ロータアセンブリ。
【請求項2】
前記ストップフランジ(32)は、前記突起(31)の径方向に沿って延在する、請求項1に記載の磁気ロータアセンブリ。
【請求項3】
前記ストップフランジ(32)の最大直径が前記取り付け孔(21)の直径より大きい、請求項1に記載の磁気ロータアセンブリ。
【請求項4】
前記取り付け孔(21)は、前記ロータ(20)の軸線に対して偏心して設けられる、請求項1に記載の磁気ロータアセンブリ。
【請求項5】
前記取り付け孔(21)及び前記突起(31)は、いずれも複数あり、且つ前記ロータ(20)の周方向に沿って配列され、各前記突起(31)はいずれも1つの前記取り付け孔(21)に対応して係合される、請求項1に記載の磁気ロータアセンブリ。
【請求項6】
前記ロータ(20)は、
キャビティ内に前記ストッパ(30)が配置される外側スリーブ(22)と、
前記外側スリーブ(22)に接続され、前記取り付け孔(21)を有する接続板(23)と、を含む請求項1に記載の磁気ロータアセンブリ。
【請求項7】
前記外側スリーブ(22)の内壁には周方向に環状溝が穿設され、前記接続板(23)の外縁部分は前記環状溝に嵌め込まれる、請求項6に記載の磁気ロータアセンブリ。
【請求項8】
弁座アセンブリ(10)と、
前記弁座アセンブリ(10)内に回転可能に設けられる請求項1から7のいずれか一項に記載の磁気ロータアセンブリと、
前記弁座アセンブリ(10)内に設けられるナット(40)と、
前記ナット(40)に挿設されて、前記ナット(40)にねじ嵌めされた弁芯アセンブリ(50)であって、弁芯アセンブリ(50)は前記磁気ロータアセンブリに接続されて、それと同期して回転し、前記弁座アセンブリ(10)との位置関係を変えることによって、電子膨張弁のオンオフ状態を制御する、弁芯アセンブリ(50)と、
を含む電子膨張弁。
【請求項9】
前記ナット(40)の外壁には第2ストップ突起(41)を備え、前記第1ストップ突起(33)は、前記弁芯アセンブリ(50)の軸方向の移動範囲を制御するように、前記第2ストップ突起(41)に接触されてストップされる、請求項8に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はバルブの技術分野に関し、具体的には、磁気ロータアセンブリ及び電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ロータは、特殊な材質の部材として、構造上、非対称形状への加工に適しておらず、電磁弁、電子膨張弁等の分野においては磁気ロータ自体が衝突されることは不都合であるため、通常、接続部材を介してストップ機能を有する衝突されてもよい部品、即ちストッパが取り付けられる。
【0003】
従来の電子膨張弁の加工プロセスは、通常、ストッパの外面に磁性鋼を直接射出成形する形態を用いてストッパと磁性鋼とを接続しているが、磁性鋼を射出成形する際に高い温度及び圧力が発生し、且つストッパの多くが樹脂部品を用いているため、射出成形時にストッパが非常に変形しやすくなり、更には変形が深刻である。
【発明の概要】
【0004】
本出願の主な目的は、従来技術における電子膨張弁の、射出成形時にストッパの変形が深刻であるという課題を解決するための磁気ロータアセンブリ及び電子膨張弁を提供することにある。
【0005】
上記の目的を達成するために、本出願の選択的な一実施形態によれば、端面に取り付け孔が開設されるロータと、ロータ内に設けられて、ロータと同期して回転し、端面に突起を有し、突起が取り付け孔内に伸び込み、突起の取り付け孔を貫通した一端に、突起が取り付け孔から抜けるのを防止するストップフランジを有するストッパと、を含む磁気ロータアセンブリを提供している。
【0006】
選択的な一実施形態において、ストップフランジは、突起の径方向に沿って延在する。
【0007】
選択的な一実施形態において、ストップフランジの最大直径が取り付け孔の直径より大きい。
【0008】
選択的な一実施形態において、取り付け孔は、ロータの軸線に対して偏心して設けられる。
【0009】
選択的な一実施形態において、取り付け孔及び突起は、いずれも複数あり、且つロータの周方向に沿って配列され、各突起はいずれも1つの取り付け孔に対応して係合される。
【0010】
選択的な一実施形態において、ロータは、キャビティ内にストッパが配置される外側スリーブと、外側スリーブに接続され取り付け孔を有する接続板と、を含む。
【0011】
選択的な一実施形態において、外側スリーブの内壁には周方向に環状溝が開設され、接続板の外縁部分は環状溝に嵌め込まれる。
【0012】
本出願の選択的な一実施形態によれば、弁座アセンブリと、弁座アセンブリ内に回転可能に設けられる上述した磁気ロータアセンブリと、弁座アセンブリ内に設けられるナットと、ナットに穿設されて、ナットにねじ嵌めされ、且つ磁気ロータアセンブリに接続されて、それと同期して回転し、弁座アセンブリとの位置関係を変えることによって、電子膨張弁のオンオフ状態を制御する弁芯アセンブリと、を含む電子膨張弁を提供している。
【0013】
選択的な一実施形態において、磁気ロータアセンブリのストッパの内壁には第1ストップ突起があり、ナットの外壁には第2ストップ突起があり、第1ストップ突起は、弁芯アセンブリの軸方向の移動範囲を制御するように、第2ストップ突起に接触してストップさせることができる。
【0014】
選択的な一実施形態において、ストッパの端面には離型孔が開設され、離型孔と第1ストップ突起とは、ストッパの軸方向に沿って整列される。
【0015】
本出願の技術態様を適用すると、ロータに取り付け孔が開設され、ストッパに突起が設けられることによって、突起と取り付け孔との係合を利用して、ストッパとロータとを接続し、ロータの回転力により突起を押し出すことによって、ストッパを動かして共に回転することで、これらが同期して回転することを実現し、ロータとストッパとの接続の確実性を確保して、ストッパがロータから外れ落ちることを避けるために、突起の取り付け孔を貫通した一端にストップフランジが設けられ、ストップフランジにより、突起が取り付け孔から抜けるのを防止することができるため、ストッパをロータにしっかりと固定することを実現する。上記の設置形態は、ストッパとロータとを確実且つ安定的に接続することを実現するうえに、工程全体において射出成形を行う必要がないことから、ストッパが大きく変形することもないため、ストッパの形状の安定化を確保している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するために用いられ、本出願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0017】
図1】本出願の磁気ロータアセンブリの、ストッパがロータに取り付けられた後にストップフランジが加工された場合の構成模式図を示す。
図2図1における磁気ロータアセンブリの、ストッパがロータに仮取り付けされた場合の構成模式図を示す。
図3図2における磁気ロータアセンブリのストッパの、ロータに取り付けられていない場合の構成模式図を示す。
図4図3におけるストッパの別の視角の構成模式図を示す。
図5】本出願の電子膨張弁の構成模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁座アセンブリ、20 ロータ、21 取り付け孔、22 外側スリーブ、23 接続板、30 ストッパ、31 突起、32 ストップフランジ、33 第1ストップ突起、34 離型孔、40 ナット、41 第2ストップ突起、50 弁芯アセンブリ、60 ガイドスリーブ。
【0019】
なお、矛盾しない限り、本出願における実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照して実施例と併せて本出願を詳細に説明する。
【0020】
本出願は、従来技術における電子膨張弁の、射出成形時にストッパの変形が深刻であるという課題を解決するために、磁気ロータアセンブリ及び電子膨張弁を提供している。
【0021】
図1から図4に示すような磁気ロータアセンブリは、ロータ20とストッパ30とを含み、ロータ20の端面に取り付け孔21が開設され、ストッパ30は、ロータ20内に設けられて、ロータ20と同期して回転し、端面に取り付け孔21内に伸び込む突起31を有し、突起31の取り付け孔21を貫通した一端に、突起31が取り付け孔21から抜けるのを防止するストップフランジ32を有する。
【0022】
本実施例は、ロータ20に取り付け孔21が開設され、ストッパ30に突起31が設けられることによって、突起31と取り付け孔21との係合を利用して、ストッパ30とロータ20とを接続し、ロータ20の回転力により突起31を押し出すことによって、ストッパ30を動かして共に回転することで、これらが同期して回転することを実現し、ロータ20とストッパ30との接続の確実性を確保して、ストッパ30がロータ20から外れ落ちることを避けるために、突起31の取り付け孔21を貫通した一端にストップフランジ32が設けられ、ストップフランジ32により、突起31が取り付け孔21から抜けるのを防止することができるため、ストッパ30をロータ20にしっかりと固定することを実現する。上記の設置形態は、ストッパ30とロータ20とを確実且つ安定的に接続することを実現するうえに、工程全体において射出成形を行う必要がないことから、ストッパ30が大きく変形することもないため、ストッパ30の形状の安定化を確保している。
【0023】
好ましくは、ストップフランジ32は、突起31の径方向に沿って延在し、且つストップフランジ32の最大直径が取り付け孔21の直径より大きく、加工を容易にするために、取り付け孔21及びストップフランジ32は、通常、円形に加工され、従ってストップフランジ32の直径が取り付け孔21の直径より大きくなり、これによりストップフランジ32は、突起31が取り付け孔21から外れることができないように取り付け孔21全体を覆うことができる。もちろん、ストップフランジ32は、例えば、半円形、矩形等の他の形状に加工されてもよく、ストップフランジ32上の距離が最も遠い2つの点の間の距離が取り付け孔21の直径より大きければよい。
【0024】
なお、ストップフランジ32は、最初から突起31上に存在していたものではなくストッパ30をロータ20に取り付ける工程で加工されたものである。具体的には、図1及び図2に示すように、ストッパ30がロータ20に取り付けられていない場合、突起31は、円筒形をなし、ストップフランジ32が設けられておらず、取り付けられる場合、まず突起31を取り付け孔21に貫通させて、ストッパ30とロータ20とを仮接続してから、ストッパ30上における突起31の取り付け孔21から突き出た一端を超音波溶接又は熱かしめし、高温の物体を利用して突起31の表面に接触させて下方へ押し付ける。ストッパ30が樹脂射出成形品であるため、突起31の一端は、熔けて柔らかくなると同時に下向きの圧力作用を受けて太くなって、キノコ状の球面、即ちストップフランジ32を形成し、ストップフランジ32とロータ20とが密着することによってストッパ30がロータ20に対して揺れるのを防止し、ストップフランジ32が冷えた後にすぐ固定効果を実現することができる。
【0025】
本実施例において、突起31及び取り付け孔21はいずれも円形であるため、ロータ20とストッパ30とが同期して回転することを確保するために、図2に示すように、取り付け孔21をロータ20の軸線に対して偏心して設けて、同期して回転する効果を確保する。もちろん、突起31及び取り付け孔21の形状が対称的な円形ではなく、トルクを伝達できる四角形、プリズム形状等であれば、突起31及び取り付け孔21をロータ20の軸線の位置に設けてもよい。
【0026】
選択的には、取り付け孔21及び突起31は、いずれも複数あり、且つロータ20の周方向に沿って配列され、各突起31はいずれも1つの取り付け孔21に対応して係合される。本実施例は、3つの突起31及び4つの取り付け孔21が設けられ、4つの取り付け孔21の間の周方向の間隔が90度であり、3つの突起31のうちの隣接する2つは間隔が90度又は180度であり、3つの突起31は3つの取り付け孔21に対応して係合され、残りの1つの取り付け孔21は役割を果たさない。突起31が3つしか設けられていない理由は、本実施例の突起31とストッパ30上における離型孔34との間に干渉が発生しているためであり、ストッパ30の離型プロセスが円滑に行われることを確保するためには離型孔34を保つ必要があるため、離型孔34の位置にある突起31を除去しており、取り付け孔21が依然として4つに保たれている理由は、加工及び取り付けを容易にするためである。もちろん、突起31及び取り付け孔21の具体的な数及び対応関係は、実際の状況に応じて相応の変更を行ってもよい。
【0027】
選択的には、ロータ20は一部又は全部が磁性材料からなり、ストッパ30は非磁性材料からなり、これにより磁性のロータ20は外部コイルの駆動下で回転することができ、非磁性のストッパ30は、加工及び接続を容易にすると同時にコストも削減でき、非磁性材料と磁性材料とを組み合わせる形態を利用して、ロータ20が力を受けた後に磁性が低下して衝突を受けるのに適さないという問題を解決している。
【0028】
本実施例において、ロータ20は、外側スリーブ22と接続板23とを含み、ストッパ30は、外側スリーブ22のキャビティ内に位置し、接続板23は、外側スリーブ22に接続され、取り付け孔21及び電子膨張弁の弁芯アセンブリ50が貫通するための中心孔を有する。
【0029】
具体的には、外側スリーブ22は、全体として磁性部材、好ましくは磁性鋼であり、キャビティの側壁に環状溝が開設され、環状溝は、内壁の周方向に沿って一周にわたって開設され、接続板23の外縁部分は環状溝に嵌め込まれ、その工程は射出成形プロセスによって完成することができ、これにより接続板23と外側スリーブ22とを接続してロータ20全体を形成することができる。取り付け孔21は接続板23に開設され、接続板23自体の厚さを厚くしすぎる必要がないため、取り付け孔21は加工難易度が低い。
【0030】
本実施例は、図5に示すように、弁座アセンブリ10と、上述した磁気ロータアセンブリと、ナット40と、弁芯アセンブリ50と、を含み、磁気ロータアセンブリは弁座アセンブリ10内に回転可能に設けられ、ナット40は弁座アセンブリ10内に設けられ、ロータ20の外側スリーブ22は中部にキャビティを有し、ナット40、弁芯アセンブリ50及びストッパ30等の部材は全てキャビティに穿設又は収容され、接続板23の軸線の位置に中心孔が開設され、この中心孔は、通常大きく形成され、弁芯アセンブリ50を貫通させるために用いられ、弁芯アセンブリ50と頂部ブロックとを接続しやすくするようにし、弁芯アセンブリ50は、ナット40に穿設されて、ナット40にねじ嵌めされ、且つ磁気ロータアセンブリに接続されて、それと同期して回転し、弁座アセンブリ10との位置関係を変えることによって、電子膨張弁のオンオフ状態を制御する、電子膨張弁を更に提供している。
【0031】
本実施例において、ストッパ30の内壁には第1ストップ突起33があり、ナット40の外壁には第2ストップ突起41があり、第1ストップ突起33は、弁芯アセンブリ50の軸方向の移動範囲を制御するように、第2ストップカム41に接触してストップさせることができる。第1ストップ突起33及び第2ストップ突起41の数は、必要に応じて設定することができ、本実施例では、第1ストップ突起33は2つ設けられ、且つストッパ30の軸方向に沿って、ストッパ30の両端にそれぞれ位置し、第2ストップ突起41は1つ設けられ、2つの第1ストップ突起33がそれぞれ第2ストップ突起41と連係することによって、弁芯アセンブリ50の上下2つの位置に対する制限を実現する。
【0032】
本実施例のストッパ30は、一端が開いており、他端が閉じているため、開いている一端から離れた第1ストップ突起33はストッパ30を加工する際に一体に射出成形できるが、開口部に近い第1ストップ突起33は再び加工する必要があり、その工程で離型プロセスを行う必要があるため、離型を容易にするために、ストッパ30の閉じている一端の端面に離型孔34が更に開設され、また、この離型孔34が設けられることによって、突起31は3つしか設けられない。
【0033】
本実施例において、電子膨張弁はガイドスリーブ60を更に含み、弁座アセンブリ10は、上部スリーブ、下部弁座及び弁芯座の3つの部分を含み、上部スリーブ及び下部弁座は、共に部材を収容する弁室を形成し、下部弁座の側面及び底面にはそれぞれ貫通孔が開設され、これにより第1接続管及び第2接続管にそれぞれ連通され、底面の貫通孔には弁芯座が設けられ、弁芯座は中心貫通孔を有し、弁芯アセンブリ50は、まさに弁芯座の中心貫通孔と係合されることによって、中心貫通孔の開度を変えて、電子膨張弁に対する制御を実現し、同時に、ガイドスリーブ60も弁芯座の外側に嵌合されることによって、弁芯座に接続され、ナット40の一部もガイドスリーブ60の外側に嵌合された後に、弁座アセンブリ10に接続される押し板によって押し付けられて固定され、弁芯アセンブリ50は、ガイドスリーブ60及びナット40に同時に穿設され、ナット40は、主に、弁芯アセンブリ50の軸方向の移動を実現するために用いられ、ガイドスリーブ60は、主に、弁芯アセンブリ50の移動をガイドするために用いられ、弁芯アセンブリ50がずれることなく、その軸方向に沿って移動するようにする。
【0034】
本実施例において、弁芯アセンブリ50は、スピンドル、スクリュ及びバネの3つの部分を含み、スクリュの外側にはねじがあり、これによりナット40と係合され、スピンドルはスクリュに穿設され、スピンドルの一端は、弁芯座と係合されて電子膨張弁のオンオフを実現し、スピンドルの他端は、接続板23を貫通した後、頂部ブロックに接続され、且つスクリュの端部に当接され、バネがスクリュ内に設けられ、且つスピンドルの外側に嵌合されることによって、スクリュとスピンドルとが同期して移動するようになる。
【0035】
なお、上述した磁気ロータアセンブリは、電子膨張弁だけでなく、他の機器、分野にも適用できるが、この場合のストッパ30は、ロータ20の回転を停止させるためのものであってもよく、磁性材料の伝動強度が不十分であるという問題を克服するために、ロータ20が他の部品の回転を駆動するための伝動キャリアとされてもよく、即ち所謂ストッパ30の機能はストップに限らず、伝動に用いられてもよい。
【0036】
なお、上述した実施例における複数は、少なくとも2つを指す。
【0037】
以上の説明から、本出願の上記の実施例は以下のような技術効果を達成していることが分かる。
1、従来技術における電子膨張弁の、射出成形時にストッパの変形が深刻であるという課題を解決した。
2、突起と取り付け孔との係合を利用して、ストッパとロータとを接続し、共に回転することを実現した。
3、ストップフランジにより、突起が取り付け孔から抜けるのを防止することができるため、ストッパをロータにしっかりと固定することを実現した。
4、工程全体において射出成形を行う必要がないことから、ストッパが大きく変形することもないため、ストッパの形状の安定化を確保した。
5、非磁性材料と磁性材料とを組み合わせることを利用して、磁気ロータが力を受けた後に磁性が低下するという問題を解決した。
【0038】
上述した実施例は本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属するべきである。
【0039】
上述したものは本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5