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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】パネル、特に床パネルまたは壁パネル
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20240903BHJP
   E04F 15/10 20060101ALI20240903BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F15/10 104F
E04F13/08 M
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022526024
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2020081373
(87)【国際公開番号】W WO2021089837
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】2024191
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】セッテルス,ダニエル・カスパー
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/105266(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202011000194(DE,U1)
【文献】国際公開第2016/010414(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(1)であって、
上側(2a)および下側(2b)を備える、中心に位置するコア(2)であって、平面(P)を画定し、前記上側(2a)と前記下側(2b)の間の距離が前記パネル(1)の厚み(T)を画定するコア(2)と、
前記コア(2)の対向し合う側部上に配置された少なくとも一つの第一の結合部(3)および少なくとも一つの第二の結合部(4)であって、別のパネル(1)の前記第一の結合部(3)および前記第二の結合部(4)が下方への運動または垂直運動で結合されるように配置される、第一の結合部(3)および第二の結合部(4)と、を備え、
前記第一の結合部(3)が、上向き舌部(7)と、該上向き舌部から距離を置いた少なくとも一つの上向きフランク(8)と、該上向き舌部(7)と該上向きフランク(8)の間に形成された上向き溝部(9)と、を含み、該上向き溝部(9)が、別のパネル(1)の第二の結合部(4)の下向き舌部(10)の少なくとも一部を受容するように適合され、前記上向きフランク(8)に対向する前記上向き舌部(7)の側部が、前記上向き舌部(7)の内側であり、前記上向きフランク(8)から離れる方に向いた前記上向き舌部(7)の側部が、前記上向き舌部(7)の外側であり、
前記第二の結合部(4)が、下向き舌部(10)と、該下向き舌部(10)から距離を置いた少なくとも一つの下向きフランク(11)と、該下向き舌部(10)と該下向きフランク(11)の間に形成された下向き溝部(12)とを含み、該下向き溝部(12)が、別のパネル(1)の第一の結合部(3)の上向き舌部(7)の少なくとも一部を受容するように適合され、前記下向きフランク(11)に対向する前記下向き舌部(10)の側部が、前記下向き舌部(10)の内側であり、前記下向きフランク(11)から離れる方に向いた前記下向き舌部(10)の側部が、前記下向き舌部(10)の外側であり、
前記上向き舌部(7)の前記内側の少なくとも一部が前記上向きフランク(8)に向かって傾いており、前記下向き舌部(10)の内側の少なくとも一部が、前記下向きフランク(11)に向かって傾いており、前記上向き舌部(7)の上側(13)の少なくとも一部は、該上向き舌部の該上側(13)が最高点(14)を含むように、前記パネル(1)の前記平面(P)に対して傾いており、かつ、前記下向き溝部(12)の上側(15)の少なくとも一部は、該下向き溝部(12)の該上側(15)が最高点(16)を含むように、前記パネル(1)の前記平面(P)に対して傾いており、前記上向き舌部(7)が、前記パネルの前記平面(P)内で測定される幅を有し、前記上向き舌部(7)の前記最高点が、前記上向き舌部の前記外側から該幅の50%未満に配置され、かつ、前記下向き溝部(12)が、前記パネルの前記平面(P)内で測定される幅を有し、下向き溝部(12)の前記最高点が、前記下向きフランク(11)から該幅の50%未満に配置される、パネル(1)。
【請求項2】
前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)が、前記上向き舌部(7)の前記内側よりも前記上向き舌部(7)の前記外側に近く、かつ/または、前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)が、前記下向き舌部(10)の前記内側よりも前記下向きフランク(11)に近い、請求項1に記載のパネル(1)。
【請求項3】
前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)と前記上向き舌部(7)の前記外側の間の前記パネル(1)の前記平面(P)内の距離、および/または前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)と前記下向きフランク(11)の間の前記パネル(1)の前記平面(P)内の距離が、前記パネル(1)の前記厚みの0.1倍未満である、請求項1または2に記載のパネル(1)。
【請求項4】
前記上向き舌部(7)の前記上側(13)が、前記上向き舌部(7)の前記内側と前記外側の間に配置され、前記上向き舌部(7)の前記上側(13)の前記傾いた部分が真っ直ぐな部分である、請求項1~3の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項5】
前記上向き舌部(7)の前記内側の少なくとも一部が、前記上向きフランク(8)から離れるように傾いており、該傾きの角度が0.5度と10度の間にあり、該角度が、前記パネル(1)の前記平面(P)に垂直な方向に対して測定される、請求項1~4の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項6】
前記上向き舌部(7)の前記外側が第一のロック要素(17)を含み、かつ/または、前記下向きフランク(11)が第二のロック要素(18)を備え、前記第一および第二のロック要素(17,18)が協働するように適合されている、請求項1~5の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項7】
前記下向き舌部(10)の前記外側が第三のロック要素(19)を含み、かつ/または、前記上向きフランク(8)が第四のロック要素(20)を含み、前記第三および第四のロック要素(19、20)が協働するように適合されている、請求項1~6の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項8】
前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)と前記上向き舌部の前記外側の間の移行部分が丸みを帯びており、かつ/または、前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)と前記下向きフランク(11)の間の移行部分が丸みを帯びている、請求項1~7の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項9】
結合状態において、
a)前記下向き舌部の前記外側と前記上向きフランクの間の隙間、
b)前記上向き舌部の前記外側と前記下向きフランクの間の隙間、
c)前記上向き舌部と前記下向き溝部の間の隙間、
d)前記下向き舌部と前記上向き溝部の間の隙間、
e)前記上向き舌部の前記最高点と前記下向き溝部の前記最高点の間の隙間、
f)前記下向きフランクに向かって延在する、前記上向き舌部の下の隙間
の群から選択されるいくつかの隙間(21)が前記パネル(1)間に存在している、請求項1~8の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項10】
前記コア(2)が、
a)鉱物材料の量が前記コアの材料の少なくとも50%である、鉱物材料と、熱可塑性材料、
b)フィラー材料の量が前記コアの材料の少なくとも50%である、フィラー材料と、熱可塑性材料、
)二つの異なる材料が混合されてから押出成形された、押出成形複合材
の群から選択される複合材料を含む、請求項1~9の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項11】
前記第一の結合部(3)が、前記コア(2)と前記上向き舌部(7)の間に配置された第一のブリッジ部(25)を含み、前記第二の結合部(4)が、前記コア(2)と前記下向き舌部(10)の間に配置された第二のブリッジ部(26)を含み、前記第一のブリッジ部(25)が、結合中に前記第一のブリッジ部(25)の変形を容易にする、厚みを減少させた脆弱区間を含み、かつ/または、前記第二のブリッジ部(26)が、結合中に前記第二のブリッジ部(26)の変形を容易にする、厚みを減少させた脆弱区間(27)を含み、前記第二のブリッジ部が、前記コアの最も近くで最も薄くなっている、請求項1~10の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項12】
前記上向き舌部(7)の前記外側が、前記上向きフランク(8)から前記パネルの前記平面(P)内で測定される距離(D)に位置し、該距離(D)が、前記コア(2)の前記厚み(T)未満である、請求項1~11の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項13】
前記パネルが細長く、前記第一および第二の結合部が、前記パネルの短辺上に存在し、長辺が、アングリングダウン(angling‐down)ロックプロファイルを備える、または同様に前記第一および第二の結合部を備える、請求項1~12の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項14】
前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)が、前記上向き溝部(9)よりも前記上向き舌部(7)の前記外側に近く、かつ/または、前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)が、前記下向き舌部(10)よりも前記下向きフランク(11)に近い、請求項1~13の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項15】
前記上向きフランクが、横向き舌部(23)を収容するための実質的に横向きの溝部(22)を備え、かつ/または、前記下向き舌部(10)の前記外側が、横向き溝部(22)に収容されるように配置された横向き舌部(23)を備える、請求項1~14の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項16】
前記上向き舌部の幅(W)が、前記上向き舌部(7)の前記内側と前記上向きフランク(8)とによって囲まれた前記上向き溝部の幅よりも小さい、請求項1~15の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項17】
前記下向き舌部(10)の幅が、前記下向き舌部(10)の前記内側と前記下向きフランク(11)とによって囲まれた前記下向き溝部(12)の幅よりも大きい、請求項1~16の何れか一項に記載のパネル(1)。
【請求項18】
請求項1~17の何れか一項に記載の複数の相互に結合されたパネル(1)を含む、カバー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパネルに関し、特に床パネルまたは壁パネルに関する。また、本発明は、本発明に係る複数の相互に結合されたパネルを含むカバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材に関する。
【背景技術】
【0002】
過去十年の間に硬質床カバー材用ラミネートの市場は大きく進歩してきた。様々なやり方で下地床に床パネルを設置することが知られている。例えば、前記床パネルは、前記床パネルを接着または釘打ちすることによって前記下地床に取り付けられることが知られている。この技法は、かなり複雑であることと、前記床パネルを壊して取り外さなければ後で変更することができないという欠点がある。代替的な設置方法によれば、前記床パネルは下張り床に緩く設置され、舌部と溝部による結合を用いて前記床パネルを互いに合致させ、大抵の場合はこれらも前記舌部および溝部にて接着させる。このようにして得られた床は、フローティングパーケットフローリングとも言い、設置が容易であることと、完成した床面が動くことができ、起こり得る膨縮現象を受け入れるには都合がよい場合が多いという利点がある。とりわけ前記床パネルが前記下張り床に緩く設置される場合の、上述のタイプの床カバー材に伴う欠点は、前記床の膨張およびその後の収縮の間に、前記床パネル自体が徐々に互いから離れていく可能性があるということにあり、その結果、例えば接着剤による接続が壊れると、不要な隙間が形成されるおそれがある。この欠点を改善するために、単一の床パネル同士をくっつけた状態に保つために前記単一の床パネル間に金属製の接続要素を設ける技法が既に考えられている。しかしながら、このような接続要素は、製造がかなり高価で、さらに、それらの提供またはその設置は時間のかかる作業である。互いに反対側のパネル縁部に相補的な形状の結合部を有する床パネルも知られている。これらの既知のパネルは典型的には長方形であり、互いに反対側のパネル長縁に相補的な形状のアングリングダウン(angling‐down)結合部を有し、互いに反対側のパネル短縁に相補的な形状のフォールドダウン(fold‐down)結合部を有する。これらの既知の床パネルの設置はいわゆるフォールドダウン(fold‐down)技法に基づいており、まず、設置しようとする第一のパネルの前記長縁が、第一の列に既に設置されている第二のパネルの前記長縁に結合または挿入され、その後、前記第一のパネルを下ろす(フォールドダウンする(folding‐down))間に、前記第一のパネルの前記短縁が、第二の列に既に設置されている第三のパネルの前記短縁に結合されるものであり、この設置は、目標とする単純設置の要件を満たしている。このようにして、複数の、平行な向きに置かれた、相互に結合された床パネルの列からなる床カバー材を実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一つの目的は、改善したやり方で複数のパネルを相互に結合させることができるパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そのための本発明は、請求項1に記載のパネルを提供する。上向き舌部の上側は、当該上向き舌部の当該上側が最高点を含むように、前記パネルの平面に対して傾いている。前記上向き舌部の前記上側のこの傾きは、前記上向き舌部の内側から前記上向き舌部の外側に向かって上方へ延びている。下向き溝部の上側の少なくとも一部も、当該下向き溝部の当該上側が最高点を含むように、前記パネルの前記平面に対して傾いていてよい。前記下向き溝部の前記上側のこの傾きは、下向きフランクから下向き舌部に向かって下方へ延びている。
【0005】
前記上向き舌部は、前記パネルの前記平面内で測定される、最小幅、平均幅、または最大幅を有してよく、前記上向き舌部の前記最高点は、前記上向き舌部の前記外側から当該幅の50%未満、好ましくは25%未満に配置されている。この構成の結果、前記上向き舌部の前記最高点は、前記上向き舌部の前記外側にある、または当該外側の近くにある。
【0006】
前記下向き溝部も同様に、前記パネルの前記平面内で測定される、最小幅、平均幅、または最大幅を有してよく、前記下向き溝部の前記最高点は、前記下向きフランクから当該幅の50%未満、好ましくは25%未満に配置されている。この構成の結果、前記下向き溝部の前記最高点は、前記下向き舌部にある、またはその近くにある。
【0007】
前記上向き舌部の前記傾いた上側を設けることにより、前記上向き舌部は、前記上向き舌部の前記外側で最も厚くなる。前記上向き舌部のこの側部は最も突き出た部分であるので、結合中および輸送中に最も損傷しやすいのが、典型的には当該側部である。この側部を最も厚くすることによって、より頑強な結合部を作り出すことができる。前記最高点を前記上向き舌部の前記外側の比較的近くに有する、さらには当該外側に有することによって、この頑強性が作り出される。
【0008】
好ましくは、この(全)上面は傾いた向きを有し、より好ましくは、この上面が、前記上向きフランクから離れる方向に上方へ延びている。したがって、この傾いた上面は、位置合わせ縁部としても機能してよく、パネル同士の結合がさらに容易になる。前記「位置合わせ縁部」という表現は、「案内縁部」または「案内面」という表現で置き換えることができる。前記上向き舌部の前記上面は、前記上向き舌部の外側面に隣接し、当該外側面は、任意選択的に第一のロック要素を備える。前記外側面は、好ましくは実質的に垂直な向きを有する。したがって、好ましくは、前記第一のロック要素は、前記上向き舌部が、実質的に垂直な向きの表面を当該ロック要素の上下に有するように、前記上向き舌部の実質的に垂直な部分上に位置している。
【0009】
前記上向き舌部の前記上面または上側の前記傾きが、水平平面または前記パネルの前記平面に対して、好ましくは10度と45度の間、より好ましくは25度と35度の間にあり、最も好ましくは約30度である。前記上向き舌部の前記上面の前記傾きは好ましくは一定である、つまり、当該上面は平らな向きを有する。好ましくは、前記下向き溝部の上側が、好ましくは(前記上向き舌部の前記上面の前記傾き(適用される場合)と比べて)同様に傾いた向きを有する。前記下向き舌部をコアに接続するブリッジの下面が、前記下向き溝部の前記上面によって形成されている。
【0010】
このように、前記上向き舌部の前記最高点は、前記上向き舌部の前記内側よりも前記上向き舌部の前記外側の近くでよく、かつ/または、前記下向き溝部の前記最高点は、前記下向き舌部の内側よりも前記下向きフランクの近くでよい。このように、前記最高点は中央にはなく、前記最高点は、前記上向き溝部または前記下向き舌部に近くもない。その結果、前記上向き舌部の前記最も厚い部分は、このように前記上向き舌部の前記外側の比較的近くにあり、さらには当該外側にある。この特徴は、前記上向き舌部および下向き溝部の前記上側の要件、および本発明の厚み要件と置き換えることもできる。言い換えれば、前記上向き舌部の前記最高点は、前記上向き溝部よりも前記上向き舌部の前記外側の近くでよく、かつ/または、前記下向き溝部の前記最高点は、前記下向き舌部よりも前記下向きフランクの近くでよい。
【0011】
一実施形態では、前記上向き舌部の前記最高点と前記上向き舌部の前記外側との間の前記パネルの前記平面内の距離、および/または前記下向き溝部の前記最高点と前記下向きフランクの間の前記パネルの前記平面内の距離が、前記パネルの厚みの0.1倍未満である。この特徴は、前記上向き舌部および下向き溝部の前記上側の要件、および本発明の厚み要件と置き換えることもできる。
【0012】
前記上向き舌部の前記上側は、前記上向き舌部の前記内側と前記外側の間に配置されてよく、前記上向き舌部の前記上側の前記傾いた部分は真っ直ぐな部分でよい。真っ直ぐとは、当該傾きが一定であり、湾曲せず、丸みを帯びてもいないことを意味する。これは、前記上向き舌部の前記上側の全体が、一定の傾いた向きを有していなければならないという意味ではない。
【0013】
前記上向き舌部の前記内側の少なくとも一部は、前記上向きフランクに向かって傾いていてもよいし、前記上向き舌部の前記内側の少なくとも一部は、前記上向きフランクから離れるように傾いていてもよい。前記下向き舌部の前記内側の少なくとも一部は、前記下向きフランクに向かって傾いていてもよいし、前記下向き舌部の前記内側の少なくとも一部は、前記下向きフランクから離れるように傾いていてもよい。当該傾きの角度は0.5度と10度の間にあってよく、当該角度は、好ましくは、前記パネルの前記平面に垂直な方向に対して測定される。前記上向き舌部のこのような傾いた側部すなわち内側により、いわゆる「閉じ溝」システムが作り出される。閉じ溝システムは、反対の「開き溝」システムよりも互いに結合することが難しい場合が多いが、一旦結合された二つのパネルの垂直方向および水平方向のロックを提供する。これに関して垂直および水平とは、上記に説明した方向が水平(床)面に関連することを意図している。前記パネルが天井パネルのときは、同じ垂直方向および水平方向のロック基準が適用される。前記パネルが壁パネルのときは、前記ロックは、水平方向のロック、および前後方向のロックすなわち奥行方向のロックになる。前記傾きの角度が大きいほど、前記ロックの効果が大きくなり、典型的には前記パネルが結合(したがって分離)し難しくなる。
【0014】
前記上向き舌部の前記外側は、例えば第一のロック要素を含んでよく、かつ/または、前記下向きフランクは第二のロック要素を備えてよく、好ましくは、前記第一および第二のロック要素は協働するように適合されている。ロック要素は、結合またはロックされたパネル同士のロックに寄与する。前記第一のロック要素は、例えば外向きの膨らみとすることができ、前記第二のロック要素は、例えば(内向きの)窪みでよいが、当該要素が、ある方向に何らかのロックを提供する限り、ロック要素の他の実施形態も使用してよい。これに関するロックは、摩擦係合も含んでよい。この後者の実施形態では、前記第一のロック要素および第二のロック要素のうちの少なくとも一方のロック要素は、係合(結合)状態で別のパネルの前記ロック要素の他方との摩擦を生じるように構成された、任意選択的に別体の、プラスチック材料によって構成された(平らまたは他の形状の)接触面によって形成されてよい。摩擦を生じるのに適したプラスチックの例としては、以下のものが挙げられる。
【0015】
―アセタール(POM)、剛性かつ強固で、良好な耐クリープ性を有する。アセタール(POM)は、低い摩擦係数を有し、高温で安定性を保ち、良好な耐温水性を示す。
―ナイロン(PA)、大抵のポリマーよりも多くの水分を吸収するものであり、水分を吸収するので、衝撃強度および全体的なエネルギー吸収品質が実際に向上する。ナイロンは、低い摩擦係数、良好な電気的特性、および良好な耐化学性も有する。
―ポリフタルアミド(PPA)。この高性能ナイロンは、徹底的に改善した耐温度性を有し、より低い吸湿性を有する。ポリフタルアミド(PPA)は良好な耐化学性も有する。
―ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、高温熱可塑性物質であり、高い強度と相まって良好な耐化学性および耐炎性を有する。PEEKは、航空宇宙産業で好まれているプラスチックである。
―ポリフェニレンスルファイド(PPS)、耐化学性、耐高温性、難燃性、流動性、寸法安定性、および良好な電気的特性を含む特性のバランスを提供する。
―ポリブチレンテレフタレート(PBT)、寸法安定性があり、良好な電気的特性とともに高い耐熱性および耐化学性を有する。
―熱可塑性ポリイミド(TPI)、本質的に難燃性であり、良好な物理的特性、化学的特性および耐摩耗性を有する。
―ポリカーボネート(PC)、良好な衝撃強度、高い耐熱性、および良好な寸法安定性を有する。PCは、良好な電気的特性も有し、水中および鉱酸中または有機酸中で安定している。
―ポリエーテルイミド(PEI)、高温で強度および剛性を維持する。ポリエーテルイミド(PEI)は、良好な長期の耐熱性、寸法安定性、本質的な難燃性、および炭化水素、アルコール、およびハロゲン化溶剤に対する抵抗性も有する。
【0016】
前記膨らみが前記窪み内に配置または差し込まれると、前記膨らみを前記窪みから外すことは難しく、前記上向き舌部の前記内側上の「閉じ溝」ロックシステムと組み合わされたときは特に難しい。前記上向き舌部の前記外側上に前記ロック要素を設けることにより、前記ロック要素が配置された(高さの)レベルに可撓性が提供され、当該箇所により、前記ロック要素は、二つのパネルの回転による分離またはロック解除の防止を支援することも可能になる。
【0017】
前記下向き舌部の前記外側は第三のロック要素を含んでよく、かつ/または、前記上向きフランクは第四のロック要素を含んでよく、好ましくは、前記第三および第四のロック要素は協働するように適合されている。前記「閉じ溝」ロックおよび/または前記第一および第二のロック要素の構成とは別に、または前記「閉じ溝」ロックおよび/または前記第一および第二のロック要素の構成と組み合わせて、前記パネルは、前記下向き舌部の前記外側上および前記上向きフランク上にロック要素を備えてよい。この場合も同様に、当該ロック要素は、膨らみ/窪みの組み合わせとして設けてもよいが、当該要素が、ある方向に何らかのロックを提供する限りは、ロック要素の他の実施形態も使用してよい。これに関するロックは、摩擦係合も含んでよい。
【0018】
前記上向き舌部の前記最高点と前記上向き舌部の前記外側の間の移行部分は丸みを帯びていてよく、かつ/または、前記下向き溝部の前記最高点と前記下向きフランクの間の移行部分は丸みを帯びていてよい。丸みを帯びた移行部分の利点は、前記パネル、特に結合されたパネルにかかる力が、丸みを帯びたまたは湾曲した移行部分によってより均等に分散されることができ、ピーク荷重が発生しにくくなることである。これにより、少なくともある程度、亀裂の発生が防止すなわち阻止される。
【0019】
結合状態では、前記下向き舌部の前記外側と前記上向きフランクの間の隙間、前記上向き舌部の前記外側と前記下向きフランクの間の隙間、前記上向き舌部と前記下向き溝部の間の隙間、前記下向き舌部と前記上向き溝部の間の隙間、前記上向き舌部の前記最高点と前記下向き溝の前記最高点の間の隙間、および前記下向きフランクに向かって延在する、前記上向き舌部の下の隙間の群から好ましくは選択されるいくつかの隙間が、前記パネル間に存在してよい。隙間の意図的な存在は、いくつかの潜在的な目的に適う。一つは、前記隙間により、前記結合部の成形または切削時にやや大きめの公差が可能になる。例えば前記結合部のうちの一方が僅かに大き過ぎる場合、前記隙間を使用して当該僅かに大き過ぎる要素を収容してよい。さらに、これらの隙間を使用して、異物、または、例えば結合中に前記パネルから放出される、剥げ落ちたコア材料および削り落ちたコア材料を溜めてよい。
【0020】
前記コアは、鉱物材料の量が当該コアの材料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%または70%である、鉱物材料、例えば酸化マグネシウム系と、合成材料、例えば熱可塑性材料、フィラー材料の量が当該コアの材料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%または70%である、チョークまたは粉塵などのフィラー材料と、熱可塑性材料などの合成材料、または、例えば二つの異なる材料が混合されてから押出成形された、押出成形複合物の群から好ましくは選択される複合材料を含んでよい。
【0021】
前記第一の結合部が、前記コアと前記上向き舌部の間に配置された第一のブリッジ部を含んでよく、前記第二の結合部が、前記コアと前記下向き舌部の間に配置された第二のブリッジ部を含んでよい。前記第一のブリッジ部は、結合中に前記第一のブリッジ部の変形を容易にする、厚みを減少させた脆弱区間を含んでよく、かつ/または、前記第二のブリッジ部は、結合中に前記第二のブリッジ部の変形を容易にする、厚みを減少させた脆弱区間を含んでよく、特に、前記第二のブリッジ部は、前記コアの最も近くで最も薄くなっている。前記コアの最も近くで最も薄いというのは、前記パネルの前記平面に沿って、前記コアから前記舌部へ向かう前記ブリッジ部に従って、前記第二のブリッジ部の厚みが大きくなることを意図している。これは、典型的には、前記下向き溝部の前記最高点が前記下向き溝部と前記下向きフランクの間の前記移行部分にあるときに生じる。
【0022】
前記上向き舌部の前記外側は、前記上向きフランクから前記パネルの前記平面内で測定される距離を置いて位置してよく、当該距離は、前記コアの厚み未満でよい。前記上向き舌部と前記上向き舌部の前記外側の間の前記距離は、典型的には、前記ブリッジ部の長さと前記上向き舌部の厚みとを含んでよい。上記に述べた比較的小さな距離により、比較的コンパクトな結合部とすることができ、前記結合部が例えばコア材板から削り出されるときに取り除く必要のある材料が節約される。
【0023】
前記パネルは細長くてよく、前記第一および第二の結合部は、前記パネルの短辺上に存在する。好ましくは、長辺は、アングリングダウン(angling‐down)ロックプロファイルを備える、または同様に前記第一および第二の結合部を備える。上記に提案したロックプロファイルまたはロック法は、いくつかの様式のパネルで有用であるが、ラミネートフローリングと類似の細長いパネルで特に有用である。上記に提案したロックプロファイルは、例えば、前記短辺上での垂直運動または下方への運動を前記長辺上のアングリング(angling)運動と組み合わせたドロップロック(drop‐lock)ロックプロファイルとして特に良好に働く。これとともに、一種のジッパーのような運動を使用してパネル同士を容易に結合させることができる。
【0024】
前記上向きフランクは、横向き舌部を収容するための実質的に横向きの溝部を備えてよく、かつ/または、前記下向き舌部の前記外側は、横向き溝部内に収容されるように配置された横向き舌部を備えてよい。これにより、二つのパネルが、旋回運動、枢動運動、またはアングリング(angling)運動によって結合されることができ、前記横向き舌部は、斜めに前記横向き溝部内に部分的に差し込まれ、前記パネルは相互に角度が付けられる。前記上向き舌部の前記上側が傾いており、当該舌部の前記外側に向かって大きさが増大しているため、前記上向き舌部の前記最も厚い部分には、前記アングリング(angling)過程で比較的遅くに出会うことができ、結合が容易になる。前記横向き舌部および横向き溝部を前記下向き舌部および上向きフランクと区別するには、垂直平面を使用することができる。二つのパネルの接続箇所の頂点にて、当該パネル同士は接触する。その点に、垂直線、すなわち、前記パネルの前記平面に垂直な線を引くことができる。この線から(前記横向き舌部に関しては外方へ、前記横向き溝部に関しては内方へ)突き出た部分はいずれも前記横向き舌部または溝部の一部とみなすことができる。
【0025】
第一の結合プロファイル(および/または第三の結合プロファイル)および第二の結合プロファイル(および/または第四の結合プロファイル)が、結合状態において、結合されたパネル同士をそれぞれの縁部にて互いに向かって付勢する予張力が存在するように構成されることを想像することができ、これは、好ましくは、前記第一の結合プロファイル(および/または第三の結合プロファイル)および前記第二の結合プロファイル(および/または第四の結合プロファイル)の重複輪郭、特に下向き舌部および前記上向き溝部の重複輪郭、および/または前記上向き舌部および前記下向き溝部の重複輪郭を適用することによって行われ、前記第一の結合プロファイル(および/または第三の結合プロファイル)および前記第二の結合プロファイル(および/または第四の結合プロファイル)は、このようなパネルのうちの二つがフォールドダウン(fold‐down)移動および/または垂直移動を用いて互いに結合されることができるように構成され、結合状態では、前記第二の結合プロファイル(および/または第四の結合プロファイル)の前記下向き舌部の少なくとも一部が、前記第一の結合プロファイル(および/または第三の結合プロファイル)の前記上向き溝部に挿入されるようになっており、前記下向き舌部が前記第一の結合プロファイル(および/または第三の結合プロファイル)に挟持され、かつ/または、前記上向き舌部が前記第二の結合プロファイル(および/または第四の結合プロファイル)に挟持されるようになっている。
【0026】
上記で言及した予張力とは、前記結合部同士が結合状態で互いに対して力を及ぼすことを意味し、当該力は、前記結合部同士が、したがって前記それぞれのパネルがそれぞれの縁部にて、互いに向かって付勢される(押される)ような力であり、前記第一の結合部および前記相補的な第二の結合部は、挟持するようにして相互に協働する。これにより、前記第一の結合部と前記第二の結合部の結合の安定性および信頼性が大幅に向上することになり、前記結合部が徐々に互いから離れていくこと(その結果、隣接パネル間に隙間が形成されること)が防止されるのと同時に、前記パネル同士が、はさみのような移動またはジッパーのような移動とも言うフォールドダウン(fold‐down)移動および/または垂直移動を用いて、したがって使い勝手の良いフォールドダウン(fold‐down)技術を用いて結合されるように構成されるという大きな利点が維持されることになる。前記予張力は、好ましくは、前記第一の結合部および前記第二の結合部の重複輪郭、特に前記下向き舌部および前記上向き溝部の重複輪郭、および/または前記上向き舌部および前記下向き溝部の重複輪郭を使用することによって実現される。重複輪郭とは、全輪郭が重なるべきという意味ではなく、前記第一の結合部の(外)輪郭の少なくとも一部が前記第二の結合部の(外)輪郭の少なくとも一部と重複することを要求しているに過ぎない。前記輪郭同士は、典型的には、前記第一の結合部および前記第二の結合部の前記輪郭を側面図(または横断面図)から考察することによって比較される。重複輪郭を提供することによって、前記第一の結合部および/または前記第二の結合部は、典型的には、結合状態において、(弾性的に)変形、特に圧迫かつ/または屈曲されたままになり、当該結合の所望の安定性が提供される。通常、重複輪郭により、前記下向き舌部が、前記上向き溝部に対して(僅かに)過大になり、かつ/または前記上向き舌部が、前記下向き溝部に対して(僅かに)過大になる。しかしながら、重複輪郭は、別のやり方で実現してもよく、例えば、重複する第一および第二のロック要素を適用することによって実現してもよいと理解されたい。
【0027】
前記パネルの結合中、前記上向き舌部は、(弾性的に)変形、特に圧迫かつ/または屈曲されてよい。屈曲は、前記上向き舌部の初期位置から(僅かに)外方への方向に、すなわち前記上向きフランクから離れるように生じることになる。前記上向き舌部の屈曲状態は、二つのパネルの結合状態において維持されてよい。前記上向きフランクに対向する、前記上向き舌部の近位側の屈曲角度は、一般的に規制され、0度と2度の間にあることになる。
【0028】
前記過大とは、前記所望の予張力を実現するのに十分な大きくあるべきであり、前記予張力は、通常、最小限の過大で既に生じるが、一方で、好ましくは、適切かつ使い勝手の良い設置を可能かつ確実にするのに十分に制限されるべきである。好ましくは、前記下向き舌部の幅は、前記上向き溝部の幅に対して過大である。この過大は、典型的には0.05mmから0.5mm程度である。前記下向き舌部の最大幅は、好ましくは、前記上向き溝部の最大幅を超過する。これは、一般に、前記パネルが互いに押し合った状態を保って、前記結合を、したがってつなぎ目を、できる限りきつく(遊びがないように)保つことにさらに寄与することになる。前記パネル同士を単一の(水平)平面内に固定するには、前記下向き舌部の高さが前記上向き溝の高さに等しい、またはそれより低い場合が有利である。
【0029】
既に述べたように、前記上向き舌部が前記下向き溝に対して過大であることも考えられる。好ましくは、前記上向き舌部の前記幅は、前記下向き溝部の前記幅に対して過大である。ここで、前記上向き舌部の前記最大幅が、前記下向き溝部の前記最大幅を超過しているとより好ましく、このことも、前記第一の結合部と第二の結合部の間の予張力につながる。しかしながら、この場合、前記パネル間のきついつなぎ目を確保し、前記パネル間のずれを防止するためには、前記下向き溝部が、結合中に拡幅されないこと、または少なくとも結合状態において拡幅状態を維持しないことが好ましい。前記パネル縁部が面取りされている、特にベベルを付けられている場合、小さなずれは見えなくなり、その結果、(結合状態における前記下向き溝部の(僅かな)拡幅および前記下向き舌部の上方への屈曲による)小さなずれが許容される。前記上向き舌部の高さは、好ましくは、前記下向き溝部の高さに等しい、またはそれより小さい。これにより、結合されたパネル同士を(ジョイント(水平平面)内で)同じレベルに維持することが容易になる。
【0030】
前記コアは、例えば、少なくとも一つの酸化マグネシウム(マグネシア)および/または水酸化マグネシウム系の組成物、特にマグネシアセメント、を含む複合層と、前記マグネシアセメント中に分散させた、粒子、特にセルロース系粒子と、好ましくは、前記複合層中に埋め込まれた少なくとも一つの補強層とから作られてよい。酸化マグネシウムおよび/または水酸化マグネシウム系の組成物、特にマグネシアセメントの適用により、装飾パネル自体の引火性(不燃性)を大幅に向上させることが分かっている。しかも、本発明に係る前記比較的防火性のパネルは、通常使用中に温度変動を受けたときの寸法安定性も大幅に改善している。マグネシア系セメントは、マグネシア(酸化マグネシウム)を主成分とするセメントであり、当該セメントは、酸化マグネシウムが反応物の一つとして作用した化学反応の反応生成物である。前記マグネシアセメント中には、マグネシアがまだ存在していてよく、かつ/または、下記でより詳細に明らかにするように、別の化学結合が形成される化学反応が起きている。他のセメントのタイプとも比較したマグネシアセメントのさらなる利点を下記に提示する。一つ目のさらなる利点は、マグネシアセメントが、比較的エネルギー効率良く、したがってコスト効率良く製造することができることである。しかも、マグネシアセメントは、比較的大きな圧縮引張強度を有する。マグネシアセメントの別の利点は、このセメントが、植物繊維、木粉(木屑)および/または木材チップなどの―典型的には安価な―セルロース材料に対する本質的な親和性を有することであり、これは、前記マグネシアセメントの結合を向上させるだけでなく、軽量化および遮音性(消音性)の強化にもつながる。酸化マグネシウムは、セルロース、および任意選択的に粘土と組み合わされたとき、水蒸気を吸入および吐出するマグネシアセメントを生じ、このセメントは、効率的に水分を吐出するので劣化(腐食)しない。しかも、マグネシアセメントは、熱的にも電気的にも比較的良好な絶縁材料であり、本発明に係る前記パネルが、レーダ基地用および病院の手術室用のフローリングに特に適したものになる。マグネシアセメントのさらなる利点は、他のセメントのタイプと比べて比較的低いpHを有することであり、セメントマトリックス中の分散粒子として、かつ/または補強層として(の繊維ガラスとして)、ガラス繊維の高い耐久性を付与することが完全に可能になり、しかも、他の種類の繊維を耐久性良く使用することが可能になる。その上、前記装飾パネルのさらなる利点は、屋内と屋外での使用の両方に適していることである。
【0031】
本発明に係るパネルの一実施形態において、前記マグネシア系組成物、特に前記マグネシアセメントは、塩化マグネシウム(MgCl)を含む。典型的には、マグネシア(MgO)が水溶液中で塩化マグネシウムと混合されると、オキシ塩化マグネシウム(MOC)を含むマグネシアセメントが形成されることになる。結合相は、Mg(OH)、5Mg(OH)・MgCl・8HO(5形態)、3Mg(OH)・MgCl・8HO(3形態)、およびMg(OH)ClCO・3HOである。前記5形態は、機械的特性が優れているので、好ましい相である。ポルトランドセメントのような他のセメントのタイプに対して、MOCは優れた特性を有する。MOCは、湿潤養生を必要とせず、高い耐火性、低い熱伝導性、良好な耐摩耗性を有する。MOCセメントは、良好な付着抵抗を有する様々な骨材(添加剤)および繊維とともに使用することができる。MOCセメントは、様々な種類の表面処理を受けることもできる。MOCは、48時間以内に高い圧縮強度(例えば、8,000psiから10,000psi)を発現する。圧縮強度利得は、養生中の早期に発生する―48時間強度は極限強度の少なくとも80%になる。MOCの圧縮強度は、好ましくは40N/mmと100N/mmの間にある。曲げ引張強度は、好ましくは10N/mmから17N/mmである。MOCの表面硬さは、好ましくは50N/mmから250N/mmである。弾性係数は、好ましくは1×10N/mmから3×10N/mmである。MOCの曲げ強度は比較的低いが、繊維、特にセルロース系繊維の添加によって大幅に改善することができる。MOCは、多種多様なプラスチック繊維、鉱物繊維(バサルト繊維など)、および、バガス、木繊維、およびヘンプなどの有機繊維との相性が良い。本発明に係る前記パネルで使用されるMOCは、これらの繊維のタイプのうちの一つまたは複数によって強化されてよい。MOCは、非収縮性で、許容できる程度に耐摩耗性であり、耐衝撃性、耐圧痕性かつ耐引っ掻き性である。
【0032】
MOCは、熱および凍結融解サイクルに耐えることができ、耐久性を向上させるためにAE(air entrainment)処理を必要としない。しかも、MOCは、極めて良好な熱伝導性、低い電気伝導性、および様々な基材および添加剤に対する極めて良好な結合性を有し、許容できる程度の耐火性を有する。MOCは、前記パネルが、凝結特性とオキシ塩化マグネシウム相発達の両方に影響を及ぼす比較的極端な天候条件(温度および湿度)にさらされることになっている場合はあまり好ましくない。経時的に、大気中の二酸化炭素がオキシ塩化マグネシウムと反応して、Mg(OH)ClCO・3HOの表面層を形成することになる。この層は、溶脱プロセスを遅らせるように働く。最終的には、さらなる溶脱により、不溶性で、前記セメントが構造的完全性を維持することを可能にする、ハイドロマグネサイトすなわち4MgO・3CO・4HOの形成に至る。
【0033】
前記コアは、少なくとも一つのポリマー、特に熱可塑性材料および/または熱硬化性材料から少なくとも部分的に作られてよく、好ましくは、前記コアは、少なくとも一つのポリマー、特に熱可塑性材料および/または熱硬化性材料と、少なくとも一つの非ポリマー材料とを含む複合材を含む。前記非ポリマー材料は、好ましくは、鋼、ガラス、ポリプロピレン、木、アクリル、アルミナ、クラワ、炭素、セルロース、ココナッツ、ケブラー、ナイロン、ペルロン、岩綿、サイザル麻、フィケ、鉱物フィラー、特にチョークからなる群から選択される少なくとも一つの材料である。これにより、前記パネルの強度および/または前記パネル自体の耐水性および/または耐火性をさらに高めることができ、かつ/または前記パネル自体の原価を下げることができる。
【0034】
好ましい熱可塑性材料は、PVC,PET,PP,PSまたは(熱可塑性)PURである。PSは、前記パネルの密度をさらに減少させるために発泡PS(EPS)の形でよく、コストの削減につながり、前記パネルの取り扱いが容易になる。好ましくは、使用される前記ポリマーの少なくとも一部は、再生PVCなどの再生熱可塑性物質によって形成されてよい。また、可撓性および/または耐衝撃性を少なくともある程度向上させるために、少なくとも一つの複合層内にゴムおよび/またはエラストマーの部分(粒子)を散在させることも想像することができる。
【0035】
好ましくは、前記コアは、その重量の50%からその重量の100%までの熱可塑性材料を含む。前記コアは、前記パネル自体の可撓性を増大するために少なくとも一つの可塑剤を含んでよい。好ましい一実施形態では、前記コアの面密度は、9000g/m未満、好ましくは6000g/m未満である。
【0036】
前記コア層の前記複合材は、塩、ステアレート塩、カルシウムステアレートおよび亜鉛ステアレートからなる群から選択される少なくとも一つのフィラーを含んでよい。ステアレートは安定剤の機能を有し、より有益な加工温度につながり、加工中および加工後の前記複合材の成分の分解に対抗し、その結果、長期安定性を提供する。ステアレートの代わりに、またはステアレートに加えて、例えばカルシウム亜鉛を安定剤として使用してもよい。前記複合材中の前記(一つまたは複数の)安定剤の重量含有率は、好ましくは1%と5%の間、より好ましく1.5%と4%の間になる。
【0037】
前記コア層の前記複合材は、少なくとも一つのアルキルメタクリレートを含む少なくとも一つの衝撃改質剤も含んでよく、前記アルキルメタクリレートは、好ましくは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t‐ブチルメタクリレート、およびイソブチルメタクリレートからなる群から選択される。前記衝撃改質剤は、典型的には、製品性能、特に耐衝撃性を向上させる。しかも、前記衝撃改質剤は、典型的には前記コア層を強化するものであり、したがって、破損のおそれをさらに低減させる強化剤とみなすこともできる。多くの場合、例えば、既に述べたように、比較的一貫した(一定の)発泡構造を有する発泡体の形成を制御するために、前記改質剤によって製造工程も容易になる。前記複合材料中の前記衝撃改質剤の重量含有率は、好ましくは1%と9%の間、より好ましくは3%と6%の間になる。好ましくは、前記コア層の実質的に全てが、発泡複合材または非発泡(中実)複合材のいずれかによって形成される。前記コア層中で使用される少なくとも一つのプラスチック材料は、好ましくは、前記コア層の所望の剛性を高めるために可塑剤を全く含まず、これはしかも、環境的観点からも好まれる。
【0038】
前記コア層の密度は、典型的には約0.1グラム/cmから約1.5グラム/cmまで、好ましくは約0.2グラム/cmから約1.4グラム/cmまで、より好ましくは約0.3グラム/cmから約1.3グラム/cmまで、さらに好ましくは約0.4グラム/cmから約1.2グラム/cmまで、さらに好ましくは約0.5グラム/cmから約1.2グラム/cmまで、最も好ましくは約0.6グラム/cmから約1.2グラム/cmまでのばらつきがある。
【0039】
前記パネルは装飾頂部構造を備えてよい。当該装飾頂部構造は、好ましくは、少なくとも一つの装飾層と、当該装飾層を覆う少なくとも一つの透明な摩耗層とを含む。前記装飾頂部構造は、前記装飾層と前記コアの間に位置する少なくとも一つのバック層をさらに含んでよく、当該バック層は、好ましくはビニル化合物から作られている。前記摩耗層の上には、ラッカー層または他の保護層が施されてよい。前記装飾層と前記摩耗層の間には仕上げ層が施されてよい。前記装飾層は見えるようになり、前記パネルに魅力的な外観を提供するために使用されることになる。この目的のために、前記装飾層はデザイン模様を有してよく、当該デザイン模様は、考え得るデザインをいくつか挙げるとすれば、例えば、木目調デザイン、大理石、花崗岩、または任意のその他の天然石の石目などの、鉱物の石目調デザイン、または色模様、混色、または単色とすることができる。前記パネルの製造工程中にデジタル印刷によって実現される場合が多い、カスタマイズされた外観も想像することができる。前記装飾頂部構造は単層によって形成してもよい。代替的な一実施形態において、本発明に係る前記パネルでは、前記装飾頂部構造は省略される、つまり、施されない。この後者の実施形態では、前記コアの前記上側が前記パネルの上側を構成する。
【0040】
前記装飾層は、印刷された熱可塑性層または印刷された熱可塑性フィルムによって形成されてよい。使用される熱可塑性材料は、様々な性質のものが考えられるが、一般的にはPVCが材料として好ましい。前記装飾層は、前記コアに直接または間接的に、印刷、好ましくはデジタル印刷されたインク層によって形成してもよい。
【0041】
前記装飾頂部構造は、当該装飾頂部構造から上方へ突出したパイルヤーンを有するカーペット基部も含んでよく、かつ/または当該カーペット基部も構成してよい。前記パイルヤーンは、多くの天然または合成繊維から作ることができる。多様なヤーンが様々に作られているが、典型的には、スパンとフィラメントという二つの主なタイプのヤーンが存在する。前記ヤーンはナイロン製でよいが、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、またはそれらのブレンドなどの、他の適した合成ヤーンを採用することができる。カーペットタイルは剛性でも可撓性でもよい。また、前記基部は、ヤーンまたは繊維を全く含まないことも考えられる。前記パイルヤーンはループパイルからなってよい。しかしながら、前記パイルヤーンは、例えばレベル構成またはマルチレベル構成のカットパイル、ツイストパイル、または任意の他の適したパイルヤーンからなる可能性もある。前記ループパイルは、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、またはそれらのブレンドなどの、合成ヤーンであることが考えられる。図示の実施形態では、前記ループパイルは、前記カーペット基部にタフティングされる。前記カーペット基部は、好ましくはバッキングシートも含み、当該バッキングシートは、例えば、不織シート、織物シート、不織ポリエステルシート、ポリプロピレンシート、ガラス繊維のスクリムまたは組織シート、またはそれらの組み合わせとすることができる。前記バッキングシートは、典型的には、前記ヤーンを保持するための支持構造(保持構造)として機能する。前記カーペット基部上、特に前記バッキングシート上の適所にタフトをより効率的に接着させるために、好ましくはプレコート層が施される。このプレコート層は、例えばラテックス層とすることができる。
【0042】
前記上向きフランクから離れる方に向いた前記上向き舌部の側部と前記上向きフランクとの間に位置する前記第一の結合部の下部は、前記第一の結合部の底部でよく、前記第一の結合部の前記底部は、窪み部、特に前記上向きフランクと前記上向きフランクから離れる方に向いた前記上向き舌部の前記側部との間に延在する窪み部を含んでよく、当該窪み部は、好ましくは前記上向き溝部が一時的に拡幅されて二つのパネルの結合を容易にするように、二つの隣接するパネルの結合中の前記窪み部への前記上向き舌部の下方への移動を可能にするように構成されている。前記窪み部は、例えば、削り出された溝によって形成されてよく、当該溝は、前記パネルが水平な下地床または表面上に載置されたときに、同様に水平方向に延在する。あるいは、前記溝は、前記パネルの底側の距離から延在する。
【0043】
前記上向きフランクから離れる方に向いた前記上向き舌部の前記側部は、前記上向きフランクから距離を置いて位置してよく、当該距離は、前記コアの厚み未満であり、前記窪み部は、当該距離の少なくとも75%に延在し、好ましくは前記距離の全体にわたって延在する。前記上向き舌部の前記外側と前記上向きフランクの間の距離を前記コアの厚み未満になるように配置することにより、相対的に短い突出要素が生成され、前記結合部の脆弱性が制限される。一方、前記窪み部を前記距離の大部分にわたって延在させることによって、いくつかの利益を得ることができる。一つは、これにより、比較的多くの材料の節約が可能になる。前記窪み部を形成するために取り除かれる材料は、新たなパネルで再利用することができ、また、より多くの材料を取り除くことによって、システムにより多くの材料を再導入することができる。第二に、前記比較的大きな窪みにより、前記上向き舌部の屈曲をより大きな表面積に広げることができるため、当該屈曲を緩やかなものにすることができる。
【0044】
本発明は、さらに、本発明に係る複数の相互に結合されたパネルを含む、カバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材に関する。
【0045】
本発明の好ましい実施形態を、次に提示する非限定的な一組の項に記述する。
【0046】
1.パネル(1)、特に床パネルまたは壁パネルであって、
上側(2a)および下側(2b)を備える、中心に位置するコア(2)であって、平面(P)を画定し、前記上側(2a)と前記下側(2b)の間の距離が前記パネル(1)の厚み(T)を画定するコア(2)と、
前記コア(2)の対向し合う側部上に配置された少なくとも一つの第一の結合部(3)および少なくとも一つの第二の結合部(4)であって、別のパネル(1)の前記第一の結合部(3)および前記第二の結合部(4)が下方への運動、アングリング(angling)運動、または垂直運動で結合されるように配置される、第一の結合部(3)および第二の結合部(4)と、を備え、
前記第一の結合部(3)が、上向き舌部(7)と、当該上向き舌部から距離を置いた少なくとも一つの上向きフランク(8)と、当該上向き舌部(7)と当該上向きフランク(8)の間に形成された上向き溝部(9)と、を含み、当該上向き溝部(9)が、別のパネル(1)の第二の結合部(4)の下向き舌部(10)の少なくとも一部を受容するように適合され、前記上向きフランク(8)に対向する前記上向き舌部(7)の側部が、前記上向き舌部(7)の内側であり、前記上向きフランク(8)から離れる方に向いた前記上向き舌部(7)の側部が、前記上向き舌部(7)の外側であり、
前記第二の結合部(4)が、下向き舌部(10)と、当該下向き舌部(10)から距離を置いた少なくとも一つの下向きフランク(11)と、当該下向き舌部(10)と当該下向きフランク(11)の間に形成された下向き溝部(12)とを含み、当該下向き溝部(12)が、別のパネル(1)の第一の結合部(3)の上向き舌部(7)の少なくとも一部を受容するように適合され、前記下向きフランク(11)に対向する前記下向き舌部(10)の側部が、前記下向き舌部(10)の内側であり、前記下向きフランク(11)から離れる方に向いた前記下向き舌部(10)の側部が、前記下向き舌部(10)の外側であり、
前記上向き舌部(7)の上側(13)の少なくとも一部は、当該上向き舌部の当該上側(13)が最高点(14)を含むように、前記パネル(1)の前記平面(P)に対して傾いており、かつ/または、前記下向き溝部(12)の上側(15)の少なくとも一部は、当該下向き溝部(12)の当該上側(15)が最高点(16)を含むように、前記パネル(1)の前記平面(P)に対して傾いている、パネル(1)。
【0047】
2.(i)前記上向き舌部(7)が、前記パネルの前記平面(P)内で測定される、最小幅、平均幅、または最大幅を有し、前記上向き舌部(7)の前記最高点が、前記上向き舌部の前記外側から当該幅の50%未満、好ましくは25%未満に配置され、かつ/または、前記下向き溝部(12)が、前記パネルの前記平面(P)内で測定される、最小幅、平均幅、または最大幅を有し、下向き溝部(12)の前記最高点が、前記下向きフランク(11)から当該幅の50%未満、好ましくは25%未満に配置され、かつ/または
(ii)前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)が、前記上向き舌部(7)の前記内側よりも前記上向き舌部(7)の前記外側に近く、かつ/または、前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)が、前記下向き舌部(10)の前記内側よりも前記下向きフランク(11)に近い、項1に記載のパネル(1)。
【0048】
3.前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)と前記上向き舌部(7)の前記外側の間の前記パネル(1)の前記平面(P)内の距離、および/または前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)と前記下向きフランク(11)の間の前記パネル(1)の前記平面(P)内の距離が、前記パネル(1)の前記厚みの0.1倍未満である、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0049】
4.前記上向き舌部(7)の前記上側(13)が、前記上向き舌部(7)の前記内側と前記外側の間に配置され、前記上向き舌部(7)の前記上側(13)の前記傾いた部分が真っ直ぐな部分である、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0050】
5.前記上向き舌部(7)の前記内側の少なくとも一部が、前記上向きフランク(8)に向かって傾いており、または、前記上向き舌部(7)の前記内側の少なくとも一部が、前記上向きフランク(8)から離れるように傾いており、当該傾きの角度が0.5度と10度の間にあり、当該角度が、好ましくは前記パネル(1)の前記平面(P)に垂直な方向に対して測定される、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0051】
6.前記上向き舌部(7)の前記外側が第一のロック要素(17)を含み、かつ/または、前記下向きフランク(11)が第二のロック要素(18)を備え、好ましくは、前記第一および第二のロック要素(17,18)が協働するように適合されている、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0052】
7.前記下向き舌部(10)の前記外側が第三のロック要素(19)を含み、かつ/または、前記上向きフランク(8)が第四のロック要素(20)を含み、好ましくは、前記第三および第四のロック要素(19,20)が協働するように適合されている、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0053】
8.前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)と前記上向き舌部の前記外側の間の移行部分が丸みを帯びており、かつ/または、前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)と前記下向きフランク(11)の間の移行部分が丸みを帯びている、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0054】
9.結合状態において、
a)前記下向き舌部の前記外側と前記上向きフランクの間の隙間、
b)前記上向き舌部の前記外側と前記下向きフランクの間の隙間、
c)前記上向き舌部と前記下向き溝部の間の隙間、
d)前記下向き舌部と前記上向き溝部の間の隙間、
e)前記上向き舌部の前記最高点と前記下向き溝部の前記最高点の間の隙間、
f)前記下向きフランクに向かって延在する、前記上向き舌部の下の隙間
の群から好ましくは選択されるいくつかの隙間(21)が前記パネル(1)間に存在している、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0055】
10.前記コア(2)が、
a)鉱物材料の量が前記コアの材料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%または70%である、鉱物材料、例えば酸化マグネシウム系と、合成材料、例えば熱可塑性材料、
b)フィラー材料の量が前記コアの材料の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%または70%である、チョークまたは粉塵などのフィラー材料と、熱可塑性材料などの合成材料、
c)例えば二つの異なる材料が混合されてから押出成形された、押出成形複合材
の群から好ましくは選択される複合材料を含む、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0056】
11.前記第一の結合部(3)が、前記コア(2)と前記上向き舌部(7)の間に配置された第一のブリッジ部(25)を含み、前記第二の結合部(4)が、前記コア(2)と前記下向き舌部(10)の間に配置された第二のブリッジ部(26)を含み、前記第一のブリッジ部(25)が、結合中に前記第一のブリッジ部(25)の変形を容易にする、厚みを減少させた脆弱区間を含み、かつ/または、前記第二のブリッジ部(26)が、結合中に前記第二のブリッジ部(26)の変形を容易にする、厚みを減少させた脆弱区間(27)を含み、特に前記第二のブリッジ部が、前記コアの最も近くで最も薄くなっている、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0057】
12.前記上向き舌部(7)の前記外側が、前記上向きフランク(8)から前記パネルの前記平面(P)内で測定される距離(D)に位置し、該距離(D)が、前記コア(2)の前記厚み(T)未満である、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0058】
13.前記パネルが細長く、前記第一および第二の結合部が、前記パネルの短辺上に存在し、好ましくは、長辺が、アングリングダウン(angling‐down)ロックプロファイルを備える、または同様に前記第一および第二の結合部を備える、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0059】
14.前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)が、前記上向き溝部(9)よりも前記上向き舌部(7)の前記外側に近く、かつ/または、前記下向き溝部(12)の前記最高点(16)が、前記下向き舌部(10)よりも前記下向きフランク(11)に近い、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0060】
15.前記上向きフランクが、横向き舌部(23)を収容するための実質的に横向きの溝部(22)を備え、かつ/または、前記下向き舌部(10)の前記外側が、横向き溝部(22)に収容されるように配置された横向き舌部(23)を備える、先行項のいずれかに記載のパネル(1)。
【0061】
16.先行項のいずれかに記載の複数の互いに結合されたパネルを含む、カバー材、特に床カバー材、天井カバー材、または壁カバー材。
【0062】
本発明を、次の図面に示す非限定的な例示的実施形態に基づいて明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】閉じ溝構成を有する本発明に係るパネルを概略的に示す図である。
図2】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図3】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図4】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図5】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図6】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図7】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図8】開き溝構成における本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図9】閉じ溝構成を有する本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
図10】開き溝構成における本発明に係る二つの結合されたパネルを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、上側(2a)および下側(2b)を備える、中心に位置するコア(2)であって、平面(P)を画定し、前記上側(2a)と前記下側(2b)の間の距離が前記パネル(1)の厚み(T)を画定するコア(2)を含む床パネル(1)の、本発明に係る一実施形態を概略的に示している。前記パネル(1)は、前記コア(2)の互いに反対側に配置された第一の結合部(3)および第二の結合部(4)であって、別のパネル(1)の前記第一の結合部(3)および前記第二の結合部(4)が下方への運動または垂直運動によって結合されるように配置される、第一の結合部(3)および第二の結合部(4)を備える。この下方への運動または垂直運動は、ジッパーのような運動および/または押すことも含む。しかしながら、この下方への運動または垂直運動は、アングリング(angling)運動とは明確に区別することができる。旋回運動または回転運動とも言うアングリング(angling)運動を用いた結合の場合は、結合しようとする前記パネルが傾斜姿勢に保たれながら(横向き)舌部が相補的な溝部に挿入され、回転軸が前記(横向き)舌部および前記溝部と一致する。下方への運動または垂直運動の場合は、下向き舌部が、隣接するパネルの上向き溝部の中に垂直に押し込まれ、かつ/または、設置しようとする前記パネルの下降中に前記上向き溝部の中にジッパーのように入れ込まれ、前記設置しようとするパネルが、典型的には、結合しようとする結合部の長手方向に垂直な回転軸を中心に回転される。
【0065】
前記第一の結合部(3)は、上向き舌部(7)と、当該上向き舌部から距離を置いた上向きフランク(8)と、当該上向き舌部(7)と当該上向きフランク(8)の間に形成された上向き溝部(9)と、を含み、当該上向き溝部(9)は、別のパネル(1)の第二の結合部(4)の下向き舌部(10)の少なくとも一部を受容するように適合されている。前記上向きフランク(8)に対向する前記上向き舌部(7)の側部が、前記上向き舌部(7)の内側であり、前記上向きフランク(8)とは逆向きの前記上向き舌部(7)の側部が、前記上向き舌部(7)の外側である。
【0066】
前記第二の結合部(4)は、下向き舌部(10)と、当該下向き舌部(10)から距離を置いた下向きフランク(11)と、当該下向き舌部(10)と当該下向きフランク(11)の間に形成された下向き溝部(12)とを含み、当該下向き溝部(12)は、別のパネル(1)の第一の結合部(3)の上向き舌部(7)の少なくとも一部を受容するように適合されている。前記下向きフランク(11)に対向する前記下向き舌部(10)の側部が、前記下向き舌部(10)の内側であり、前記下向きフランク(11)とは逆向きの前記下向き舌部(10)の側部が、前記下向き舌部(10)の外側である。
【0067】
前記上向き舌部(7)の上側(13)は、当該上向き舌部の当該上側(13)が最高点(14)を含むように、前記パネル(1)の前記平面(P)に対して傾いている。前記下向き溝部(12)の上側(15)も、当該下向き溝部(12)の当該上側(15)が最高点(16)を含むように、前記パネル(1)の前記平面(P)に対して傾いている。
【0068】
前記上向き舌部(7)は、前記パネルの前記平面(P)内で測定される幅(W)を有し、前記上向き舌部(7)の前記最高点(14)は、前記上向き舌部の前記外側から当該幅の50%未満、好ましくは25%未満に配置されている。前記下向き溝部(12)も、前記パネルの前記平面(P)内で測定される幅を有し、下向き溝部(12)の前記最高点は、前記下向きフランク(11)から当該幅の50%未満、好ましくは25%未満に配置されている。
【0069】
図1に示す実施形態では、前記上向き舌部(7)の前記幅(W)は、前記舌部(7)上に存在し得る付加的な特徴を除いた幅として示されている。図1では、前記上向き舌部(7)の前記外側が第一のロック要素(17)を備え、前記下向きフランクが第二のロック要素(18)を備えており、当該ロック要素同士は互いに協働して、パネル(1)を垂直方向にロックし、かつ/または回転分離しないようにロックする。
【0070】
前記上向き舌部(7)の前記傾いた上側を設けることにより、前記上向き舌部(7)は、前記上向き舌部(7)の前記外側において最も厚くなる。典型的には、前記上向き舌部(7)のこの側部は、最も突き出た部分であるので、結合中および輸送中に最も損傷しやすい部分である。この側部を最も厚くすることによって、より頑強な結合部(3)を作り出すことができる。
【0071】
好ましくは、この(全)上面(13)は傾いた向きを有し、より好ましくは、この上面(13)は、前記上向きフランク(8)から離れる方向に上方へ延びている。したがって、この傾いた上面は、パネル同士の結合をさらに容易にする位置合わせ縁部としても機能してよい。前記「位置合わせ縁部」という表現は、「案内縁部」または「案内面」という表現で置き換えることができる。前記上向き舌部の前記上面は、前記上向き舌部の外側面に隣接しており、当該外側面は、任意選択的に前記第一のロック要素を備えている。前記外側面は、好ましくは実質的に垂直な向きを有する。したがって、好ましくは、前記第一のロック要素は、前記上向き舌部が実質的に垂直な向きの表面を当該ロック要素の上下に有するように、前記上向き舌部の実質的に垂直な部分上に位置している。
【0072】
前記上向き舌部の前記上面または上側の前記傾きは、水平平面または前記パネル(1)の前記平面(P)に対して、好ましくは10度と45度の間、より好ましくは25度と35度の間にあり、最も好ましくは約30度である。前記上向き舌部の前記上面の前記傾きは好ましくは一定である、つまり、当該上面は平らな向きを有する。好ましくは、前記下向き溝部の上側は、好ましくは(前記上向き舌部の前記上面の前記傾き(適用される場合)と比べて)同様に傾いた向きを有する。前記下向き舌部を前記コアに接続するブリッジの下面が、前記下向き溝部の前記上面によって形成されている。
【0073】
図2は、結合状態の二つのパネルを概略的に示しており、当該パネル(1)は、図1に示す前記パネルと類似のものである。図1と比べて実質的に同一または類似の構成要素には、同一の参照番号が付されている。
【0074】
図1図2は両方とも本発明に係る一実施形態を示しており、前記舌部(7,10)の前記内側が前記コア(2)に向かって少なくとも部分的に傾いている。これは、いわゆる「閉じ溝」システムを作り出し、結合されたパネル(1)間のロックに寄与する。このような「閉じ溝」システムを結合またはロックするには、典型的には、前記結合部(3、4)の少なくとも一方が、結合のための十分な空間または余地を作り出すために少なくとも一時的に変形する必要がある。前記上向き舌部(7)および下向き溝部(12)の前記上側(13,15)は傾いた向きを有するので、前記コア(2)と前記下向き舌部(10)を接続している第二のブリッジ部(26)は、前記下向き溝部の前記最高点(16)が位置する箇所に、最も薄い部分を有する。当該箇所では、変形に抵抗する材料の量が最も少ないので、この最高点(16)において、したがって前記第二のブリッジ部(26)の前記最も薄い部分において、最も変形が起こりやすい。
【0075】
この変形点は、前記下向きフランクの近くに位置しているので、前記下向き舌部の外側の端部と前記変形点の間の距離は比較的大きい。この増大した距離により、いわゆるアームが増大し、したがって、二つのパネル(1)を結合するために前記第二の結合部(4)の端部にかけられる必要のある力の量が減少する。隣接する床パネル(1)同士の結合状態では、前記下向き溝部の前記上面は、好ましくは少なくとも部分的に、および好ましくは実質的に完全に、前記上向き舌部の前記上面によって支持され、結合自体にさらなる強度が提供される。この目的で、前記下向き溝の前記上面の前記傾きが、前記上向き舌部の前記上面の前記傾きに実質的に対応していることが有利である。これは、前記下向き溝の前記上面の前記傾きが、水平平面または前記パネル(1)の前記平面(P)に対して、好ましくは10度と45度の間、より好ましくは25度と35度の間にあり、最も好ましくは約30度であることを意味する。既に述べたように、この傾きは、平らでも丸みを帯びていてもよいし、最終的に鉤状になっていてもよい。図2では、前記傾いた部分間に小さな隙間を有する一実施形態が示されている。
【0076】
図3から図7は、図1および図2と類似の、本発明に係る実施形態を示している。この場合も同様に、図1および図2と比べて実質的に同一または類似の構成要素には、同一の参照番号が付されている。図3図4図5および図7は全て、図1および図2と類似のいわゆる「閉じ溝」システムを示している。
【0077】
図3は、例えば、前記下向き溝部(12)の前記上側(16)と前記下向きフランク(11)の間の移行部分が丸みを帯びているまたは湾曲しているという点で、図1とは異なっており、これについては、前記上向き舌部(7)の前記上側(13)と前記上向き舌部(7)の前記外側との間の移行部分も同様である。
【0078】
図4および図5は、前記下向き舌部(10)の前記外側が第三のロック要素(19)を備え、前記上向きフランク(8)が第四のロック要素(20)を備えている、本発明に係る実施形態を示している。この実施形態では、前記上向き舌部(7)の前記外側および前記下向きフランク(11)はロック要素を備えていないが、前記図示の第三および第四のロック要素(19,20)に加えて、前記上向き舌部(7)の前記外側および前記下向きフランク(11)も、図1から図3に示す前記ロック要素を備えることができる。前記上向き舌部(7)の前記外側と前記下向きフランク(11)の間には、介在する空間が示されている。図4では、前記上向き舌部(7)は向きが屈曲された状態で示されている。この屈曲状態が、能動的なロック力を提供し、前記二つのパネル(1)同士を能動的にくっつけている。前記上向き舌部(7)のこの屈曲により、前記上向き舌部(7)の前記上側(13)が外見上水平になる。前記上向き舌部(7)の前記下方への屈曲を容易にするために、前記上向き舌部(7)の下に空間(24)が設けられている。この空間は図5にも存在している。
【0079】
図6は、図1および図2と類似の一実施形態を示しているが、前記上向き舌部(7)の下に前記空間(24)も備え、かつ、任意選択的に、前記上向き舌部(7)と前記コア(2)を接続するブリッジ部の少なくとも一部の下にも前記空間(24)が設けられている。図6の当該実施形態では、前記下向き舌部(10)の前記外側は、前記下向きフランク(8)と比べて角度が付けられており、前記結合状態の二つのパネル(1)間に隙間を作り出している。前記下向き舌部(10)の前記外側と前記上向きフランク(8)が互いに成す角度は、0度と10度の間、好ましくは0度と5度の間にあってよく、典型的には約2度から約3度でよい。
【0080】
図7は、前記上向き舌部(7)と下向き溝部(12)の両方の前記上側(13,15)の傾きが、先の複数の図面の前記傾きと比べて大きくなっており、より急な角度になっている一実施形態を示している。また、図6の前記下向き舌部(10)は形状が異なっており、当該下向き舌部の前記外側は、先の複数の図面に示す傾きよりもやや大きな傾きを有している。図4および図5と同様に、前記上向き舌部(7)の下には空間(24)が配置されている。
【0081】
図8は、いわゆる「開き溝」システムが示されているという点で、先の複数の実施形態とは異なる一実施形態を示している。前記舌部(7,10)の前記内側は、前記コア(2)の方ではなく、前記コア(2)から離れるように傾いている。このような「開き溝」システムは、「閉じ溝」システムと比べて結合または接続が容易であるが、同じロック効果は提供されない。図8に示すように、前記上向き舌部(7)の前記幅(W)は、前記上向き溝部から上方へ前記上向き舌部への移行を観察することができる点から測定される。これは、この「開き溝」システムでは、例えば、前記溝部の最低点、すなわち、前記上向き溝部から前記上向き舌部の前記上側または外側へ向かう、曲線内で最も急な移行部分を有する箇所である。
【0082】
図9および図10は、それぞれ図7および図8の二つの変形例を示す。両実施形態において、前記下向き舌部(10)は横向き舌部(23)をさらに備え、前記上向きフランク(8)は、前記横向き舌部(23)を収容するための横向き溝部(22)を備えている。これにより、両実施形態では、前記二つのパネル(1)は、旋回運動、枢動運動、またはアングリング(angling)運動によって結合されることができ、前記横向き舌部は、斜めに前記横向き溝部の中に部分的に差し込まれ、前記パネルは相互に角度が付けられる。前記上向き舌部の前記上側は傾いており、当該舌部の前記外側に向かって大きさが増大しているので、前記上向き舌部の前記最も厚い部分には、前記アングリング(angling)過程で比較的遅くに出会うことができ、結合が容易になる。図9および図10に示すように、これに関しては、前記「閉じ溝」システム(図9に示す)と前記「開き溝」システム(図10に示す)の両方とも同様である。図9に示す前記「閉じ溝」システムでは前記結合を容易にするために、前記上向き舌部(7)の下には空間(24)が設けられてよい。
【0083】
前記横向き舌部(23)および横向き溝部(22)を前記下向き舌部(10)および上向きフランク(8)と区別するために、垂直平面(V)を使用することができる。二つのパネル(1)の接続の頂点にて、前記パネル(1)同士が接触する。その点に、(仮想の)垂直線(V)、すなわち、前記パネルの前記平面(P)に垂直な線を引くことができる。前記線から突出するいずれの部分も、前記横向き舌部(23)または溝部(22)の一部とみなすことができる。
【0084】
以上により、上記の発明概念を、いくつかの例示的な実施形態によって示した。個別の発明概念を適用する際は、上記した例の他の細部まで適用しなくてもよいと考えられる。当業者であれば、具体的な適用に想到するために数多くの発明概念を組み合わせる(組み換える)ことができることが分かるので、上記の発明概念の全ての考え得る組み合わせの例を明らかにする必要はない。例えば、前記アングリング(angling)または開き溝システムの特徴または要素は、前記ドロップロック(drop‐lock)または閉じ溝システムに適用することができ、または、前記ドロップロック(drop‐lock)または閉じ溝システムの特徴または要素は、前記アングリング(angling)または開き溝システムに適用することができると考えられる。本発明は、ここに図示および説明した実施例に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲内で、当業者に明らかになる数多くの変形が可能であることが明らかになるだろう。この特許公報で使用される「含む」(comprise)という動詞およびその活用形は、「含む」(comprise)を意味するだけではないと理解し、「含有する」(contain)、「から実質的になる」(substantially consist of)、「によって形成される」(formed by)というフレーズおよびそれらの活用形をも意味すると理解する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10