(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】高圧ガス供給システム及び方法
(51)【国際特許分類】
F17C 7/00 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
F17C7/00 A
(21)【出願番号】P 2022552825
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 US2021020819
(87)【国際公開番号】W WO2021178633
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-02-29
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522348790
【氏名又は名称】ライト ブラザーズ グローバル ガス、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WRIGHT BROTHERS GLOBAL GAS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】ピンソン、マイケル、エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ライト、チャールズ、カミングス
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05975574(US,A)
【文献】米国特許第05704387(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0283351(US,A1)
【文献】国際公開第2012/091552(WO,A1)
【文献】特開2017-145903(JP,A)
【文献】特開2005-011753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 1/00-13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガス供給先に提供するシステムであって、
(i) a. 各一次シリンダが出口遮断弁を含む、HPガスを含む1つ又はそれ以上の一次シリンダ、
b. ガス入口及び調節ガス出口を有する一次HPレギュレータであって、1つ又はそれ以上の一次シリンダから放出される一次HPガスを一次調節圧P
1の一次低圧(LP)供給ガスに調節するように構成される一次HPレギュレータ、及び
c. 1つ又はそれ以上の一次シリンダの各々の遮断弁の出口と一次HPレギュレータのガス入口との間で流体連通して接続される一次HPマニホールド
を有する一次HPガスユニット;
(ii) a.各予備シリンダが出口遮断弁を含む、HPガスを含む1つ又はそれ以上の予備シリンダ、
b. ガス入口及び調節ガス出口を有する予備HPレギュレータであって、1つ又はそれ以上の予備シリンダから放出される予備HPガスを一次調節圧P
1より低い予備調節圧P
2の予備LP供給ガスに調節するように構成される予備HPレギュレータ、及び
c. 1つ又はそれ以上の予備シリンダの各々の遮断弁の出口と予備HPレギュレータのガス入口との間で流体連通して接続される予備HPマニホールド
を有する予備HPガスユニット;
(iii) 一次HPレギュレータの調節ガス出口及び予備HPレギュレータの調節ガス出口に流体連通して接続される供給マニホールド;
(iv) 供給マニホールドと流体連通するガス入口、使用ガス消費システムと流体連通する調節ガス出口、及び一次LP供給ガス又は予備LPガスを一次調節圧P
1及び予備調節圧P
2よりも低い使用圧P
3まで調節するように構成されるLP供給レギュレータを有するLP供給レギュレータ;及び
(v) 一次HPマニホールドと流体連通する入口、及び予備HPマニホールドと流体連通する出口を有する一方向流れ弁;
を有する上記システム。
【請求項2】
前記一方向流れ弁が逆止弁である請求項1に記載のHPガス供給システム。
【請求項3】
(i) 各一次シリンダが出口遮断弁を含む、
一次HPガスを含む1つ又はそれ以上の一次シリンダ、
(ii) 1つ又はそれ以上の一次シリンダの各々の出口遮断弁、及び別個の低圧ガスサブシステムと流体連通して接続される一次HPマニホールド、
(iii) 各予備シリンダが出口遮断弁を含む、
予備HPガスを含む1つ又はそれ以上の予備シリンダ、
(iv) 1つ又はそれ以上の予備シリンダの各々の出口遮断弁、及び前記別個の低圧ガスサブシステムと流体連通して接続される予備HPマニホールド、及び
(v) 一次HPマニホールドと流体連通する入口、及び予備HPマニホールドと流体連通する出口を有する一方向流れ弁、
を有するHPガス供給システム。
【請求項4】
前記一方向流れ弁が逆止弁である請求項3に記載のHPガス供給システム。
【請求項5】
低圧ガスサブシステムが
(i) 一次HPマニホールドと流体連通するガス入口、及び調節ガス出口を有する一次HPレギュレータであって、1つ又はそれ以上の一次シリンダから放出される一次出口ガスを調節圧P
1に調節するように構成される一次HPレギュレータ、
(ii) 予備HPマニホールドと流体連通するガス入口、及び調節ガス出口を有する予備HPレギュレータであって、1つ又はそれ以上の予備シリンダから放出される予備出口ガスを調節圧P
1より低い調節圧P
2に調節するように構成される予備HPレギュレータ、
(iii) 一次HPレギュレータの調節ガス出口、及び予備HPレギュレータの調節ガス出口に流体連通して接続される供給マニホールド、及び
(iv) 供給マニホールドと流体連通するガス入口、及び別の使用ガス消費システムと流体連通する調節ガス出口を有するLP使用レギュレータであって、一次出口ガス又は予備出口ガスを一次調節圧P
1及び予備調節圧P
2より低い使用圧P
3に調節するように構成されるLP使用レギュレータ、
を有する請求項3又は4に記載のHPガス供給システム。
【請求項6】
(i) 一次HPマニホールドに接続されるガス入口、及び調節ガス出口を有する一次HPレギュレータ、
(ii) 予備HPマニホールドに接続されるガス入口、及び調節ガス出口を有する予備HPレギュレータ、及び
(iii) 一次HPレギュレータの調節ガス出口、予備HPレギュレータの調節ガス出口、及び別個の低圧ガスサブシステムに流体連通して接続される供給マニホールド、
をさらに含む請求項3~5のいずれか一項に記載のHPガス供給システム。
【請求項7】
前記一次HPレギュレータは、前記1つ又はそれ以上の一次シリンダから放出される前記一次HPガスを一次調節圧P
1の一次低圧(LP)供給ガスに調節するように構成され、予備HPレギュレータは、前記1つ又はそれ以上の予備シリンダから放出される前記予備HPガスを、一次調節圧P
1より低い予備調節圧P
2の予備LP供給ガスに調節するように構成される請求項6に記載のHPガス供給システムシステム。
【請求項8】
一次HPガス供給源及び予備HPガス供給源を使用して高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガス供給先に提供する方法であって、
(1) 一次HPガス供給源から一次HPガス流を一次高圧P
Hで供給し、一次HPガス流を一次調節圧P
1の供給ガス流に圧力調節する工程、
(2) 予備HPガス供給源から予備HPガス流を予備高圧P
Rで供給し、予備HPガス流を一次調節圧P
1より低い予備調節圧P
2の供給ガス流に圧力調節する工程、
(3) 供給ガス流をP
1及びP
2より低い調節使用圧P
3の低圧(LP)使用流にさらに調節する工程であって
、一次高圧P
Hが予備調節圧P
2になるとき、一次HPガス供給源は枯渇し、予備HPガス流のみが調節使用圧P
3のLP使用流に調節される供給ガス流に供給される、上記工程;
(4) 一次HPガス供給源から予備HPガス供給源へのガスの流れのみを可能にする一方向流れ手段を提供する工程;
(5
) 枯渇した
一次HPガス供給源を置換一次ガス供給源で置換し、且つ置換一次高圧の一次HPガス流を再供給する工程;及び
(6) 置換一次HPガス供給源内のガス及び予備HP供給源内のガスのガス圧が平衡化するまで、ある量の一次HPガス流を置換一次HPガス供給源から一方向流れ手段を通して予備HPガス供給源に通過させる工程;
を有する上記方法。
【請求項9】
前記一方向流れ手段が逆止弁である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一次HPガス供給源が高圧ガスシリンダであり、前記予備HPガス供給源が高圧ガスシリンダである請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
予備高圧(HP)ガス供給源内のガスのガス貯蔵圧力を上げるための方法であって、
(a) (i)出口遮断弁を備え、一次高圧P
Hのガスを含む一次HPガス供給源、(ii)一次HPレギュレータと流体連通して接続される一次HPマニホールド、(iii)出口遮断弁を備え、予備高圧P
Rのガスを含む予備HPガス供給源、及び(iv)予備HPガス供給源の出口遮断弁の出口と予備HPレギュレータとの間で流体連通して接続される予備HPマニホールドを提供する工程であって、一次高圧P
Hが予備高圧P
Rよりも高い工程;
(b) 一次HPマニホールドと流体連通する入口、及び予備HPマニホールドと流体連通する出口を有する一方向流れ弁を提供する工程;
(c) 予備HPガス供給源の出口遮断弁を開いて予備HPガス供給源を予備HPマニホールドと流体連通させるように配置する工程;
(d) 一次HPガス供給源の出口遮断弁の出口を一次HPマニホールドと流体連通するように接続する工程;
(e) 一次HPガス供給源の出口遮断弁を開いて、一次HPガス供給源を一次HPマニホールドと流体連通させるように配置する工程;及び
(f) 一次HPガス供給源内のガス及び予備HPガス供給源内のガスのガス圧が平衡化するまで、ある量のガスを一次HPガス供給源から一方向流れ弁を介して予備HPガス供給源に通過させる工程;
を有し、これにより、予備HPガス供給源内のガスの予備高圧P
Rを上昇させる、上記方法。
【請求項12】
一方向流れ弁が逆止弁である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記一次HPガス供給源が高圧ガスシリンダであり、前記予備HPガス供給源が高圧ガスシリンダである請求項11又は12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
従来のガス供給システムは、医療や工業用計器などの使用ガス消費システムを供給するために高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガスに供給し且つ調節する。このような典型的なガスには、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、水素、ヘリウム、アセチレンを含む元素ガス及び化合物ガスの双方が含まれる。HPガス供給システムは、1つ又はそれ以上の一次HPガス供給シリンダを介して、通常は、1,000ポンド毎1平方インチゲージ(psig)まで及びそれを越える高圧ガス圧でHPガス供給を提供し、通常、高圧ガスをLP供給ガス流に調節する一次レギュレータを含む一連のガス圧レギュレータを介して、はるかに低圧で使用ガスを供給する。一例では、第1のレギュレータは、高圧ガスを約125psigの一次調節圧でLP供給ガスとして供給マニホールドまで調節し、第2の低圧(LP)供給レギュレータは、LP供給ガスを約100psigの使用調節圧の使用ガス流まで調節する。このようなシステムでは、一次シリンダ内の圧力、したがってHPガスの供給が使い果たされるか、枯渇すると、使用ガス消費システムへの使用ガスの流れの供給も終了する。
【0002】
一次HPガス供給が枯渇したことをある程度保護又は警告するために、予備HPガスシステムが一次HPガスシステムと並列に設置された。これも、高圧ガスを一次調節圧P1よりも低いように構成される予備調節圧P2、典型的には約5psigのLPガス供給流に典型的には調節する別の予備レギュレータを介して供給マニホールドに供給した。この構成では、一次シリンダ10の供給圧が予備調節圧P2まで低下した後、高圧ガス供給は予備シリンダに引き継がれる(置換される)。HPガス供給は、枯渇した一次シリンダが一次HPガスシステムから取り外されるまで、予備シリンダから引き出され続ける。一旦、置換一次シリンダが接続され、HPガスが一次HPガスシステムに流れ込むと、低圧(LP)供給レギュレータへのLPガスの流れは、一次調節圧125psigで一次HPガスユニットからのみ復元される。しかしながら、予備シリンダ及び予備HPガスユニットは、交換も補充もされないか、少なくとも滅多に交換されない。やがて、一次HPガスユニットの一連の使用と枯渇により、予備HPガスユニットと予備シリンダ内の予備ガスのガス圧、ひいてはその供給が低下し、一次シリンダが空になった直後に予備システムでさえも枯渇するかもしれないという状況となるリスクがある。
【0003】
予備HPガスユニットがHPガス供給システムの安定した作動を維持するために提供する保護にもかかわらず、本システムは、予備HPガスユニット(予備シリンジ)内のガス圧及びガス供給が誤って、予期せず、又は意図せずに枯渇するかもしれないというリスクを元来予防するというリスクが残り、使用ガス消費システムへの継続的かつ必要なLPガスの供給を危険にさらす。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガス供給先(destination)に提供するガス供給システムであって、調節低圧ガスを供給マニホールドに提供する一次HPガスユニット及び予備HPガスユニット、LP調節ガス供給を使用ガス消費システムに提供するLP供給先レギュレータを有するガス供給システムシステムを提供する。一次HPガスユニットから予備HPガスユニットに流体連通する一方向流れ弁により、一次HPガスユニットの枯渇及び置換を何度も繰り返した後でさえも、HP供給が予備HPガスユニットによって提供される間、予備HPガスユニットが実質的に満杯のままであることを保証する。
【0005】
本発明は、一次HPガスユニット、予備HPガスユニット、供給マニホールド、LP供給先レギュレータ、及び一次HPガスユニットから予備HPガスユニットへと流体連通する一方向流れ弁を有する、高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガス供給先に提供するシステムフローバルブを提供する。
【0006】
一次HPガスユニットは、各一次シリンダが出口遮断弁を含む、HPガスを含む1つ又はそれ以上の一次シリンダ、ガス入口及び調節ガス出口を有する一次HPレギュレータであって1つ又はそれ以上の一次シリンダから放出される一次HPガスを一次調節圧P1の一次低圧(LP)供給ガスに調節するように構成される一次HPレギュレータ、及び1つ又はそれ以上の一次シリンダの各々の遮断弁の出口と一次HPレギュレータとの間で流体連通して接続される一次HPマニホールドを有する。
【0007】
予備HPガスユニットは、各予備シリンダが出口遮断弁を含む、HPガスを含む1つ又はそれ以上の予備シリンダ、ガス入口及び調節ガス出口を有する予備HPレギュレータであって1つ又はそれ以上の予備シリンダから放出される予備HPガスを一次調節圧P1より低い予備調節圧P2の予備LP供給ガスに調節するように構成される予備HPレギュレータ、及び1つ又はそれ以上の予備シリンダの各々の遮断弁の出口と予備HPレギュレータのガス入口との間で流体連通して接続される予備HPマニホールドを有する。
【0008】
供給マニホールドは、一次HPレギュレータの調節ガス出口、及び予備HPレギュレータの調節ガス出口に流体連通して接続する。
【0009】
LP供給先レギュレータは、供給マニホールドと流体連通するガス入口、及び使用ガス消費システムと流体連通する調節ガス出口を有し、LP供給レギュレータは、一次LP供給ガス又は予備LPガスを一次調節圧P1及び予備調節圧P2よりも低い使用圧P3まで調節するように構成される。
【0010】
一方向流れ弁は、一次HPマニホールドと流体連通する入口、及び予備HPマニホールドと流体連通する出口を有する。本発明の一態様において、一方向流れ弁は逆止弁である。
【0011】
本発明は、1つ又はそれ以上の一次シリンダ、一次HPマニホールド、1つ又はそれ以上の予備シリンダ、予備HPマニホールド、及び一方向流れ弁を備えるHPガス供給システムを提供する。1つ又はそれ以上の一次シリンダは、HPガスを収容し、出口遮断弁を含む。一次HPマニホールドは、1つ又はそれ以上の一次シリンダのそれぞれの出口遮断弁、及び別個の低圧ガス消費サブシステムに流体連通して接続する。1つ又はそれ以上の予備シリンダは、HPガスを収容し、出口遮断弁を含む。予備HPマニホールドは、1つ又はそれ以上の予備シリンダの各々の出口遮断弁、及び低圧ガス消費サブシステムに流体連通して接続する。一方向流れ弁は、一次HPマニホールドと流体連通する入口、及び出口を有する、ある態様において、一方向流れ弁は逆止弁である。
【0012】
別個の低圧ガス消費サブシステムは、使用ガス流を調節して使用ガス消費システムに供給するため、一次圧レギュレータ、予備圧レギュレータ、供給マニホールド、及びLP供給先レギュレータを有する。
【0013】
一次圧レギュレータは、一次HPマニホールドと流体連通するガス入口、及び調節ガス出口を有し、1つ又はそれ以上の一次シリンダから放出される一次出口ガスを一次調節圧P1に調節するように構成される。
【0014】
予備圧レギュレータは、予備HPマニホールドと流体連通するガス入口、及び調節ガス出口を有し、1つ又はそれ以上の予備シリンダから放出される予備出口ガスを一次調節圧P1より低い予備調節圧P2に調節するように構成される。
【0015】
供給マニホールドは、一次HPレギュレータの調節ガス出口、予備HPレギュレータの調節ガス出口に流体連通して接続する。LP供給先レギュレータは、供給マニホールドと流体連通するガス入口、及び別個のLPガス供給先と流体連通する調節ガス出口を有し、一次出口ガス又は予備出口ガスを一次調節圧P1及び予備調節圧P2よりも低い使用圧P3に調節するように構成される。
【0016】
本発明はまた、一次HPガス供給源及び予備HPガス供給源を使用して高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガス供給先に提供する方法であって、一次HPガスを一次高圧PHで供給する工程;一次HPガスを一次調節圧P1の供給ガス流に圧力調節する工程;予備HPガスを予備高圧PRで供給する工程;予備HPガスを一次調節圧P1より低い予備調節圧P2の供給ガス流に圧力調節する工程;供給ガス流をP1及びP2より低い調節使用圧P3の低圧(LP)使用流にさらに圧力調節する工程;一次HPガスから予備HPガスへのガスの流れのみを可能にする一方向流れ手段を提供する工程;及び一次高圧PHが予備HP圧PRより高いとき、ある量の一次HPガスを一方向流れ手段を通して予備HPガスに通過させる工程;を有する上記方法を提供する。
【0017】
本発明はさらに、一次HPガス供給源及び予備HPガス供給源を使用して高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガス供給先に提供する方法を提供する。該方法は、一次HPガス供給源から一次高圧PHの一次HPガス流を供給し、一次HPガス流を一次調節圧P1の供給ガス流に圧力調節する工程;予備HPガス供給源から予備HP圧PRの予備HPガス流を供給し、予備HPガス流を一次調節圧P1より低い予備調節圧P2の供給ガス流に圧力調節する工程;供給ガス流をP1及びP2より低い調節使用圧P3の低圧(LP)使用流にさらに圧力調節し、一次高圧PHが一次調節圧P1になるとき、一次HPガス供給源は実質的に枯渇し、一次HPガス流及び予備HPガス流の双方が調節使用圧P3のLP使用流に調節される供給ガス流に供給され、一次高圧PHが予備調節圧P2になるとき、一次HPガス供給源は枯渇し、予備HPガス流のみが調節使用圧P3のLP使用流に調節される供給ガス流に供給される工程;一次HPガス供給源から予備HPガス供給源へのガスの流れのみを可能にする一方向流れ手段を提供する工程;実質的に枯渇するか又は枯渇したHPガス供給源を置換一次ガス供給源で置換し、且つ置換一次高圧PHの一次HPガス流を再供給する工程;及び置換一次HPガス供給源内のガス及び予備HPガス供給源内のガスのガス圧が平衡化するまで、ある量の一次HPガス流を置換一次HPガス供給源から一方向流れ手段を介して予備HPガス供給源に通過させる工程;を有する。本発明の一態様において、一方向流れ弁は逆止弁である。
【0018】
本発明は、多種多様なガス、又は圧縮空気を含む任意のガス又はガスの混合物のための高圧ガス供給システムにおいて有用である。ガスとして、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、水素、ヘリウム、及びアセチレンを含む元素ガス又は化合物ガスのいずれかである。
【0019】
一方向又は一方通行流れ弁の典型的な例には、ボール、スプリング、スイング、ポペット、及びピストン逆止弁が含まれる。構成材料は典型的には、ステンレス鋼、例えば、316ステンレス鋼、真鍮、青銅、及び他の金属又は合金であり、エラストマー材料及び複合材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、高圧(HP)ガスを低圧(LP)ガスに調節し、低圧ガス消費システムに供給する従来のガス供給システムを示す。HPガス供給は、一次HPガスユニット及び予備HPガスユニットを有する。
【
図2】
図2は、本発明のガス供給システムを示す。ガス供給システムは、一次HPガスユニットから予備HPガスユニットへの流体連通を提供する一方向流れ弁をさらに含む。
【
図3】
図3は、一次HPガスユニットからのHPガスの供給及び枯渇の数回のサイクル、及び枯渇した一次HPガスユニットが置換される短期間及びそれが置換されるまで予備HPガスユニットからのHPガスの供給を示す従来のガス供給スシテムの動作を示す。
【
図4】
図4は、
図3に示すような従来のガス供給システムの同様の動作を示し、枯渇した一次HPガスユニットが置換されるまでの期間は、HPガスの供給及び枯渇の典型的なサイクルで起こり得るように期間が変化し、最後のサイクルの終わりまでに、予備HPガスユニットがほぼ枯渇していることを示す。
【
図5】
図5は、本発明のガス供給システムの動作を示し、
図3に示すのと同じ枯渇及び同じ期間の置換期間の下で、予備HPガスユニットが同じサイクルの最後の終わりまで実質的に満杯のままであることを示す。
【発明の詳細な説明】
【0021】
図1は、高圧(HP)ガスを別個の使用ガス消費システム40に供給し調節する従来のガス供給システム1を示す。HPガス供給は、HPガス流を低圧(LP)ガス流として調節しLPガス流へ供給する一次HPガスユニット3及び予備HPガスユニット4を含み、LPガス流はその後、LPガスシステム6によって調節され、別個の使用ガス消費システム40による消費のための使用圧のLPガスを供給する。下記により詳細に示すように、ガス供給システムは、1つ又はそれ以上の一次HPガス供給シリンダ10を介して、典型的には1,000ポンド毎1平方インチゲージ(psig)まで及びそれを越える高圧ガス圧の高圧(HP)ガス供給を供給するように構成され、高圧ガスを典型的には約125psigの一次調節圧P
1のLP供給ガス流として供給マニホールド18へ調節する一次HPレギュレータ16を含む一連のガス圧レギュレータ、及びLP供給ガスを約100psigの使用調節圧P
3の使用ガス流に典型的には調節する第2の低圧(LP)供給レギュレータ32を介して、使用ガス消費システム40のための使用ガスを供給する。過去のこのようなシステムでは、一次シリンダ10内の圧力、ひいてはHPガスの供給が使い果たされるか又は枯渇すると、使用ガスの流れの使用ガス消費システム40への供給も終了した。
【0022】
一次HPガス供給が枯渇したことをある程度保護又は警告するために、予備HPガスシステムが一次HPガスシステムと並列に設置された。これも、一次調節圧P1よりも低いように構成される予備調節圧P2、典型的には約5psigのLPガス供給流に高圧ガスを典型的には調節する別の予備レギュレータ26を介して供給マニホールド18にLPガス流を供給した。この構成では、一次シリンダ10の供給圧が予備調節圧P2まで低下した後、高圧ガス供給は予備シリンダ20に引き継がれる(置換される)。HPガス供給は、消耗した一次シリンダ10が一次HPガスシステム3から取り外されるまで、予備シリンダ20から引き出され続ける。一旦、置換一次シリンダ10が接続され、HPガスが一次HPガスシステム3に流れ込むと、低圧(LP)供給レギュレータ32へのLPガスの流れは、一次調節圧125psigで一次HPガスユニット3からのみ復元される。しかしながら、予備シリンダ20及び予備HPガスユニット4は、交換も補充もされない。やがて、一次HPガスユニット3の一連の使用と枯渇により、予備HPガスユニット4と予備シリンダ20内の予備ガスのガス圧、ひいてはその供給が低下し、一次シリンダ10が空になった直後に予備システムでさえも枯渇するかもしれないという状況となるリスクとなる可能性がある。
【0023】
図2は、高圧(HP)ガスを別個の使用ガス消費システム40に供給し且つ調節する従来のガス供給システムに改良を提供する本発明のガス供給システム2を示す。改良は、一次HPガスユニット3と予備HPガスユニット4との間の一方向ガス流れ手段によって提供され、一方向ガス流れ手段は、一次HPマニホールド14と流体連通する入口ライン52、及び予備HPマニホールド24と流体連通する出口ライン54を有する一方向流れ弁50を含む。本明細書で説明するように、一方向ガス流れ手段は、一次シリンダが置換されるごと、置換一次シリンダ10から予備シリンダ20への新鮮なHPガスの一部の流れを提供する。HPガスの流れは、完全又は新鮮なガス圧P
Pの置換一次シリンダ10から、ほとんどの場合P
Pより低いガス圧P
Rの予備シリンダ20までの一方向のみである。
【0024】
一次HPガスユニット3は、HPガスを含む1つ又はそれ以上の一次シリンダ(タンクとしても知られる)10、10b、1つ又はそれ以上の一次シリンダ10の各々に流体連通して接続される一次HPマニホールド14、及び一次HPマニホールド14と流体(ガス)連通するガス入口、及びガス出口を有する一次HPレギュレータ16を含み、1つ又はそれ以上の一次シリンダ10の各々から放出される一次出口ガスを一次調節圧P1に調節する。
【0025】
予備HPガスユニット4は、HPガスを含む1つ又はそれ以上の予備シリンダ20、20b、1つ又はそれ以上の予備シリンダ20の各々に流体連通して接続される予備HPマニホールド24、及び予備HPマニホールド24と流体(ガス)連通するガス入口、及びガス出口を有する予備HPレギュレータ26を含み、1つ又はそれ以上の予備シリンダ20から放出される予備出口ガスを予備調節圧P2に調節する。
【0026】
一次シリンダ10又は予備シリンダ20のいずれかに収容されるガスは、満杯のときに典型的には少なくとも1000ポンド毎1平方インチゲージ(psig)、1500~3500psigの範囲内の高圧(PHで示される)で典型的には供給される。
【0027】
典型的な使用ガス消費システム40は、P3で示される使用圧、典型的には約100psig以下の圧力で低圧使用ガス流を供給することができ、LPガスは、使用ガス消費システム40内の圧力レギュレータによって別個に調節される。本発明の一態様において、一次調節圧P1は使用圧P3よりも高く、典型的には約10psig~約50psigであり、ある態様において、約25psigであり、予備調節圧P2は一次調節圧P1よりも低く、典型的には約2psig~約20psigであり、ある態様においては約5psigであり、典型的には約10psig~約45psigであり、ある態様においては約20psigであり、使用圧P3よりも高い。
【0028】
図1はまた、HPガスを含む1つ又はそれ以上の一次シリンダ10、10b、及びHPガスを含む1つ又はそれ以上の予備シリンダ20、20bを含むHPガス供給システム5として、本発明の特徴を示し、特徴付ける。
【0029】
一次シリンダ10及び予備シリンダ20は双方共に、典型的にはシリンダのガス出口と一体の出口遮断弁11、21をそれぞれ有する。
【0030】
HPガス供給システムはまた、1つ又はそれ以上の一次シリンダ10の各々の出口遮断弁11、及び低圧(LP)ガスサブシステム6と流体連通して接続される一次HPマニホールド14を含む。一次HPマニホールド14は典型的には、高圧ガスに適した長さの高圧ガス配管又はパイプ、及びコネクタ、ユニオン、及び一次シリンダ10の出口と流体連通する一次HPマニホールド14を他の弁、他のレギュレータ、及び一次ガス圧(PP)センサ15を含む他の器具と接続する他の接続具(fitting)を有する。高圧ガス配管及び接続具は典型的には、ステンレス鋼、例えば316ステンレンス鋼からなるが、他の金属、合金、及び弾性材料及び弾性複合材料を用いてもよい。一次HPマニホールド14はまた、一次シリンダ10の出口にねじ込み式又はスナップ式に接続する接続具又はコネクタを有する可撓性高圧ホース12(一般にピグテールとして知られている)を含むことができる。一次センサ15によって提供される一次HPガスの一次ガス圧を検出し表示する機能は、一次シリンダ10の出口と一体化することができることに留意する。
【0031】
HPガス供給システムは、1つ又はそれ以上のシリンダ20の各々の出口遮断弁21、及びLPガスサブシステム6と流体連通して接続される予備マニホールド24をさらに含む。同様に、予備HPマニホールドは典型的には、高圧ガスに適した長さの高圧ガス配管又はパイプ、及びコネクタ、ユニオン、及び予備シリンダ20の出口と流体連通する予備HPマニホールド24を他の弁、他のレギュレータ、及び予備ガス圧(PR)センサ25を含む他の器具と接続する他の接続具を有する。予備HPマニホールド24はまた、予備シリンダ20の出口にねじ込み式又はスナップ式に接続する接続具又はコネクタを有する可撓性高圧ホース22(又はピグテール)を含むことができる。予備センサ25によって提供される予備HPガスの予備ガス圧を検出し表示する機能は、予備シリンダ20の出口と一体化することができることに留意する。
【0032】
LPガスサブシステム6は、一次HPレギュレータ16及び予備HPレギュレータ26を含む。一次HPレギュレータ16は、一次HPマニホールド14と流体(ガス)連通するガス入口、及びガス出口を有し、1つ又はそれ以上の一次シリンダ10から放出される一次HPガスを一次調節圧P1に調節する。予備HPレギュレータ26は、予備HPマニホールド24と流体(ガス)連通するガス入口、及びガス出口を有し、1つ又はそれ以上の予備シリンダ20から放出される予備HPガスを予備調節圧P2に調節する。一次HPレギュレータ16及び予備HPレギュレータ26の出口は、供給マニホールド18からLP供給レギュレータ32への入口30を介して、供給マニホールド18と流体連通する。LP供給レギュレータ32は、入口で、一次調節ガス圧P1又は予備調節圧P2のいずれかのLP供給ガス流で供給され、出口34で、使用ガス消費システム40への使用圧P3の使用ガス流に調節する。
【0033】
実際には、一次HPレギュレータ16は、出口ガスを予備HPレギュレータ26の予備調節圧P1よりも高い一次調節圧P1に調節するように構成されるので、供給マニホールド18及び入口30を介するLP供給レギュレータ32へのLPガスの流れは、一次HPガスユニット3及び一次シリンダ10のみからであろう。一次圧レギュレータ16からのガスの圧力P1が予備HPレギュレータ26の調節設定ポイント圧P2(そのポイントで、一次シリンダ10及び一次HPマニホールド14内のガス圧は圧力P1に落ちる)以下に低下した後にのみ、LPガスの流れが開始し、予備HPガスユニット4及び予備シリンダ20からのみ開始するとともに、一次HPガスユニット3及び一次シリンダ10からの流れが止まる。
【0034】
図3~5は、システムの一連の使用時間における、高圧及び低圧供給システム内のガス圧のチャートを示す。垂直圧力線に沿って、図の上部は一般に、すべての置換一次シリンダの推定圧力である、任意の水平線P
Hに沿った初期又は満タンのガス圧を含む、高圧ガスの状態を示す。一番下に、低圧一次圧及び予備調節圧P
1及びP
2、及び使用圧P
3を含む、より低圧且つ調節圧がある。通常のシステムでは、通常、数週間、数か月、さらには数年の時間を表す使用時間は、左から右に進む。
【0035】
図3は、一次HPガスユニットからのHPガスの供給と枯渇、及び枯渇した一次HPガスユニットが置換され、置換されるまでの短期間の予備HPガスユニットからのHPガスの供給の数回のサイクルを示す、従来のガス供給システムの動作を示す。
【0036】
図3の、並びに
図4及び
図5の時点Aでは、一次ガス圧P
P及び予備ガス圧P
Rの双方は典型的には、約1000psigの初期「全圧」状態にある。上述したように、使用ガス消費システムは、使用圧P
3に調節された供給ガスを利用する。LPガスサブシステム6(
図1)は、一次HPガスユニット3及び予備HPガスユニット4の双方と流体連通し、一次HPレギュレータ16及び予備HPレギュレータ26の双方の出力によって供給される供給マニホールドからLP供給ガス流を受け取る。時間AとBの間、一次ガス供給システム3は、一次HPレギュレータ16からLP供給ガス流として引き出されるすべての消費ガスを、供給マニホールド18を介してLP供給レギュレータ32に供給する。やがて、時間Bにおいて、消費は、一次シリンダ10内のガス供給を圧力P
1まで実質的に使い果たし、時間Cにおいて、一次シリンダ10内のガス供給を圧力P
2まで完全に使い果たす。時点Cから、予備ガス供給システム4及び予備シリンダ20は、予備HPレギュレータ26から供給マニホールド18及びLP供給レギュレータ32へとLP供給ガス流として引き出される、消費されたすべてのガスを一時的に供給する。一次シリンダ10の枯渇が検出され、枯渇した一次シリンダ10を満杯の置換一次シリンダ10に置換する注文又は指示がなされ、置換一次シリンダ10を送達し取り付ける技術者又は他の訓練を受けた人のための期間を典型的に必要とする時間Dで、枯渇した一次シリンダ10が置換されるまで消費は一時的である。取付けには、枯渇した一次シリンダを一次HPマニホールド14から、典型的にはシリンダ出口からピグテール12の端を脱着することにより、脱着し、設備での安定した位置から除去し、置換一次シリンダを配置し、固定し、ピグテール12、及び遮断弁11の開口部の再装着により一次HPマニホールド14に接続することが必要である。時間Cと時間Dとの間、HPガスの供給、ひいては予備シリンダ20内の圧力は、時間Cでの初期圧P
R1から時間Dでの圧力P
R2まで下がる。時間Cと時間Dの期間は、例示のためであり、予備シリンダ20内のガス圧の時間Dでの圧力P
R2までの実質的な減少となるある期間、予備シリンダが用いられると仮定する。同様に、時間に伴う圧力欠損の割合は無数であり、説明のみを目的とする。
【0037】
同様の第2のサイクルが時間Dに開始し、時間E、F及びGまで同様に進行する。一次シリンダ10が枯渇し、HPガスの供給が予備シリンダ20からのものであり、次の置換一次シリンダ10がオンラインである時間Fから時間Gまでの期間は、予備シリンダ20内の圧力が最後の圧力P
R2から時間Gで圧力P
R3まで落ちる結果となる。追加の3つの使用サイクルが示され、予備シリンダ20内のガス圧が圧力P
R4に低下したことが示される。
図3に示す動作では、一次シリンダの5サイクルの枯渇化にもかかわらず、予備シリンダ20内の供給圧は、著しく減少するが、より多くのサイクルのための予備を提供するのが可能なままである。
【0038】
図4は、
図3に示す従来のガス供給システムの同様の動作を示すが、一次シリンダの枯渇とその置換及びシステムへの再接続との期間は、スケジューリング、他の優先順位又はスケジューリングにおける他の遅延など、さまざまな理由で遅延を経験する、より現実的な動作条件を示す。一次シリンダが枯渇している間のそのような動作の期間、予備シリンダ内のガス及び圧力の供給は著しく減らすことができる。
図4は、予備シリンダ20内の圧力が著しく低下する、特に例えば、時間Cと時間D’との期間、及び時間Iと時間J’との期間の多数の延長された期間、一次シリンダの置換で発生する可能性のある遅延の例示を示す。例示するように、一次シリンダが空になり、予備シリンダが外されている状態で操作が進行するこれらの延長された期間、動作は、予備シリンダ自体が空になる危険性がある。
【0039】
図5は、一次シリンダが使い果たされた後に予備シリンダが外されている
図3に示される期間における、本発明のガス供給システムの動作を示す。しかしながら、本発明の結果として、予備シリンダ内のガス供給及び圧力は、同じサイクルの最後の最後まで、高く、実質的に満杯のままである。
【0040】
本発明では、技術者が枯渇した一次シリンダ10を置換一次シリンダと交換するとき、一方向(一方通行)流れ弁は、高圧ガスの流れを交換一次シリンダ10から、一次HPマニホールド14を通って、予備HPマニホールド24を介して予備シリンダ20へとする。予備シリンダ20は、置換一次シリンダの一次ガス圧よりも著しく低い予備ガス圧を有し、これにより、シリンダガスの流れが一次シリンダ10から予備シリンダ20となり、一次シリンダ10及び予備シリンダ20内の圧力が圧力PREで平衡化するまで継続する。一次シリンダと予備シリンダの容積が実質的に同じであると仮定すると、平衡圧PREは、予備ガス圧PPと置換一次シリンダ10の初期又は満杯の一次ガス圧との約半分である。
【0041】
図5は、
図3に示す従来のガス供給システムのより現実的な動作と同様の動作を示し、一次HPマニホールドから予備HPマニホールドまで流体連通する一方向流れ弁を用いる本発明の高圧ガス供給システムの動作を示す。枯渇した一次シリンダを置換一次シリンダに置換するための
図4と同じ動作タイミングの下で、本発明を使用すると、
図1及び
図4に示す従来のガス供給システムと比較して、予備シリンダ内の供給圧及びガス圧が著しく増加する。
【0042】
図4は、予備シリンダ20がHPガスを供給し、一次シリンダ10が枯渇する間、特に例えば、時間Cと時間D’との間、及び時間Iと時間J’との間の数回の延長された期間にもかかわらず、予備シリンダ20内の供給及びガス圧は上昇したままであり、従来のガス供給システムでの
図4の場合のように枯渇することはない。本発明を用いる動作を説明するために、技術者が時間D’で枯渇した一次タンク10を置換するとき、予備シリンダ20は予備ガス圧P
Rを有する。一次HPマニホールド14に流体連通する置換一次タンクを取り付けて接続すると、一方向流れ弁50は、予備シリンダ20内の予備HP圧が、圧力P
Rと置換一次シリンダの初期圧P
Pとのおよそ中間であるHP圧P
R2Eでの一次シリンダ10内の一次HP圧に平衡化するまで、より高い一次HPガス圧でHPガスを予備シリンダに送る。その効果は、新鮮な一次シリンダが取り付けられる毎に、予備HPガス圧を上げることである。図示の動作では、枯渇した一次シリンダを新鮮な一次シリンダ10と置換する際の延長遅延にもかかわらず、予備ガス圧P
REは上昇したままである。図からわかるように、枯渇しれた一次タンクが技術者によって置換一次タンクと迅速に交換されるサイクルでは、予備シリンダ20内のHPガス圧と供給が実際に増加する。本発明を使用すると、技術者が枯渇した一次シリンダを置換するのに通常よりも多くの時間を要することがある場合でも、予備シリンダ内の予備HPガス圧が高いままであることを保証し、予備シリンダを置換する必要がなく、且つ予備タンクの圧力及び供給が誤って、予期せず又は意図せずに枯渇するリスクを回避する。