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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】火炎光度検出器
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/74 20060101AFI20240903BHJP
   G01N 21/72 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
G01N30/74 Z
G01N21/72
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022571238
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 US2021033343
(87)【国際公開番号】W WO2021236898
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】16/881,296
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チャン,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス,ウィリス
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,スティーヴン・エス
【審査官】小澤 理
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-130642(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0015885(US,A1)
【文献】特開2005-201688(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108592647(CN,A)
【文献】特開昭51-003682(JP,A)
【文献】特開2005-201687(JP,A)
【文献】特開2017-156091(JP,A)
【文献】特開平09-061358(JP,A)
【文献】米国特許第04167334(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/74
G01N 21/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に燃焼室を画定する燃焼室本体;
プロセスガスのサンプルを燃焼室に導入するように構成されたサンプルインレットチューブ;
燃焼室内で燃焼を開始するように構成された点火装置;
燃焼室内の温度表示を提供するように構成された熱電対アセンブリ;
燃焼室本体内にねじ状に配置されたガス混合器;を含み、
サンプルインレットチューブは燃焼室に対して調節可能な端部を有し、
ガス混合器の回転が燃焼室に対するサンプルインレットチューブの端部の調節可能な位置に影響を与える、
プロセスガスクロマトグラフ用の火炎光度検出器。
【請求項2】
燃焼室が半円形である、請求項1記載の火炎光度検出器。
【請求項3】
燃焼室が平坦な底部を有する、請求項1記載の火炎光度検出器。
【請求項4】
点火装置と熱電対アセンブリが、燃焼室内に延びる単一の管に取り付けられている、請求項1記載の火炎光度検出器。
【請求項5】
サンプルインレットチューブの端部の調節可能な位置が検出器応答のために事前に最適化されている、請求項1記載の火炎光度検出器。
【請求項6】
火炎光度検出器が、少なくとも1つのクロマトグラフィカラムに動作可能に結合され、温度制御されたオーブン内に配置され、
火炎光度検出器がプロセスガスのサンプルを燃焼させ、火炎から特定の波長の光を発生させるように構成されている、請求項1記載の火炎光度検出器。
【請求項7】
火炎光度検出器は、点火装置と熱電対アセンブリを含み、点火装置と熱電対アセンブリは、単一の開口部を介して火炎光度検出器の燃焼室に入る、請求項6記載の火炎光度検出器。
【請求項8】
点火装置と熱電対アセンブリが、燃焼室内に延びる単一の管に取り付けられている、請求項7記載の火炎光度検出器。
【請求項9】
単一の管がセラミックで形成されている、請求項8記載の火炎光度検出器。
【請求項10】
燃焼室が平坦な底部を有する、請求項6記載の火炎光度検出器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガスクロマトグラフィ(gaschromatography)は、化学化合物の混合物を、その移動速度によりクロマトグラフィカラムを介して分離することである。ガスクロマトグラフィは、沸点、極性、又は分子サイズにおける違いに基づいて化合物を分離する。次に、分離された化合物は、火炎光度検出器(FPD)などの適切な検出器を横切って流れ、サンプル全体において示された各化合物の濃度及び/又は存在を決定する。個々の化合物の濃度及び存在を知ることにより、BTU又は比重などの特定の物理的性質を、業界標準の等式を使用して、計算することが可能になる。
【0002】
操作において、サンプルは、しばしば、充填剤を充填したクロマトグラフィカラムに注入される。典型的には、前記充填材は、カラム内で固定されたままであるため、「固定相」と呼ばれる。その後、注入されたサンプルを、強制的に固定相を通過させるために、不活性キャリアガスの供給がカラムに提供される。前記不活性ガスは、カラムを通過するため、「移動相」と呼ばれる。
【0003】
前記移動相が、前記サンプルを、カラムを通して中に押し込むと、さまざまな力が、サンプルの成分を分離させる。たとえば、より重い成分は、より軽い成分と比較して、カラムを通してよりゆっくりと移動する。前記分離された成分は、次いで、カラムを出て、溶出と呼ばれるプロセスに入る。得られた成分は、続いて溶出した成分の何らかの物理的特性に応じる検出器に送られる。
【0004】
検出器の1つのタイプは、火炎光度検出器として知られている。前記火炎光度検出器は、火炎の中で燃焼している化合物のスペクトル線を、光電子増倍管を使用して検出する。カラムから溶離した化合物は、前記分子中の特定の元素を励起する一般的に水素を燃料とする火炎に運ばれ、そして励起された元素(P、S、ハロゲン、いくつかの金属)は、特定の特性波長の光を放出する。前記放出された光は、光電子増倍管により、フィルタリングされ、そして検出される。具体的には、リンの発光は510nm~536nm付近、そして硫黄の発光は394nm付近である。
【発明の概要】
【0005】
プロセスガスクロマトグラフのための火炎光度検出器が、提供される。前記火炎光度検出器は、内部に燃焼室を画定する燃焼室本体をその中に含む。サンプルインレットチューブは、プロセスガスサンプルを燃焼室に導入するように構成される。点火装置は、燃焼室内で燃焼を開始するように構成される。熱電対アセンブリは、燃焼室内の温度の表示を提供するように構成される。前記サンプルチューブは、燃焼室に対して調整可能な端部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】従来技術にしたがった、公知の火炎光度検出器のサイドカートソリューション(side-cart solution)を採用したプロセスガスクロマトグラフの概略図である。
図2】本発明の実施態様で使用され得る、プロセスガスクロマトグラフの概略図である。
図3】本発明の1つの実施態様にしたがった、ガスクロマトグラフの概略系統図である。
図4】サイドカートソリューションにおいて使用される従来技術の火炎光度検出器の拡大図である。
図5】本発明の1つの実施態様にしたがった、ガスクロマトグラフ及び火炎光度検出器の概略斜視図である。
図6A】従来技術の火炎光度検出器の断面図である。
図6B】従来技術の火炎光度検出器の断面図である。
図7A】それぞれ、本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の斜視図及び側面図である。
図7B】それぞれ、本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の斜視図及び側面図である。
図7C】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の様々な概略破断図及び概略断面図である。
図7D】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の様々な概略破断図及び概略断面図である。
図7E】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の様々な概略破断図及び概略断面図である。
図7F】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の様々な概略破断図及び概略断面図である。
図8】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器のための、熱電対/点火装置組み合わせアセンブリの斜視図である。
図9】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器用のための、熱電対/点火装置の組み合わせアセンブリの分解図である。
図10】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器のサンプルチューブアセンブリの断面図である。
図11】本発明の実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器のガス混合器である。
図12】本発明の1つの実施態様にしたがった、マイクロ火炎光度検出器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
例示的な実施態様の詳細な説明
従来の火炎光度検出器のバーナーは、一般的に火炎室、外部に向けて配管された上部排気経路、点火装置、熱電対、及びガス混合器を含む。防爆仕様のガスクロマトグラフィなどの、比較的小さなフットプリントの用途においては、専用に温度制御されたオーブン内に取り付けるため、火炎光度検出器の物理的サイズを最小限に抑えることが有用で有り得る。火炎光度検出器(uFPD)のためのマイクロバーナーが提供され得、これは、内部排気経路及び一体型の点火装置/熱電対を含む。
【0008】
以下に記載の実施態様にしたがって、このマイクロ火炎光度検出器は、このような小さなフットプリント用途に設置することができる。以下に説明するいくつかの例では、マイクロ火炎光度検出器は、以前の設計に比べてサイズが縮小された実質的に半分の丸い形の火炎室を含むことができる。さらに、いくつかの例では、先端調整の手間を最小限に抑え、マイクロ火炎光度検出器の応答を最大化するために、サンプルチップの端部を混合ガス流の正確な位置に配置するために統合サンプルチューブが使用される。
【0009】
図1は、従来技術にしたがった、公知の火炎光度検出器サイドカートソリューションを採用した、プロセスガスクロマトグラフ20の概略図である。サイドカート10は、プロセスガスクロマトグラフ20の横に示され、多数の線を介してプロセスガスクロマトグラフ20に連結されている。サイドカートソリューションが一般的に使用されるのは、サイドカート10の火炎光度検出器が、プロセスガスクロマトグラフ20のスペースが制限された防爆オーブン22内に物理的に収めることができないためである。
【0010】
火炎光度検出器を詳細に説明する前に、まず、それが使用されるプロセスグラフクロマトグラフについて一般的に説明することが有用である。
【0011】
図2は、本発明の実施態様を使用することができるプロセスガスクロマトグラフの概略図である。図1は、RosemountInc.(EmersonAutomationSolutions)から入手可能なモデル700XAガスクロマトグラフ100を示しているが、ここで提供される方法及び実施態様は、他の例示的なガス分析器と共に利用することができる。これには、ローズマウント社から入手できるモデル1500XAプロセスガスクロマトグラフやモデル570天然ガスクロマトグラフィなど、様々なタイプやモデルのガスクロマトグラフが含まれる。さらに、ガスクロマトグラフ以外の多種多様な他の装置を本発明の実施態様で利用することも考えられる。図2に示すように、プロセスガスクロマトグラフ100は、ディスプレイと一つ以上のユーザ入力機構104を有するユーザインタフェース102を含む。さらに、プロセスガスクロマトグラフ100は温度制御されたオーブン106を含む。オーブン106内の部品は、分析プロセスを容易にするために、非常に正確に制御された温度に保つことができる。
【0012】
図3は、本発明の1つの実施態様によるガスクロマトグラフの系統図である。ここではガスクロマトグラフ200の一例を示すが、ガスクロマトグラフ200は他の様々な形態や配置をとることができることを理解すべきである。例えば、ガスクロマトグラフ200は、カラム、バルブ、検出器などに対して他の構成を有していてもよいことを理解すべきである。ただし、この例では、ガスクロマトグラフ200は、キャリアガス入口202、サンプル入口204、サンプル通気口206、及びメジャー通気口208を例示的に含む。動作中、キャリアガスはフローパネル210に供給され、そこでレギュレータ212とドライヤー214を通過した後、温度制御されたアナライザのオーブン216に入り、キャリアガスプレヒーター218を通過する。
【0013】
測定中、サンプルガスはサンプル入口204を経由してクロマトグラフ200に入り、分析器オーブン216に入る。既知のガスクロマトグラフィ技術に従って様々なクロマトグラフィカラム222を通して様々な体積のサンプル及び/又はキャリアガスを選択的に流すために、サンプルガス(測定中)又はキャリブレーションガス(キャリブレーション中)とキャリアガスの両方が最終的に複数の空気圧制御マルチポートセレクターバルブ260に入る。空気圧制御されたマルチポートセレクターバルブ260のそれぞれは、コントローラ226からの制御信号を受信するそれぞれのソレノイド224に流体的に結合される。さらに、制御器226は、オーブン216の温度制御を提供するために、オーブン216内の一つ以上の温度センサー、ならびにオーブン216に熱的に結合された一つ以上のヒーターに結合することができる。ただし、コントローラ226とは別の熱制御システムもまた使用できるとも考えられている。
【0014】
さらに、図3に示すように、各空気圧制御マルチポートセレクターバルブ260は一対の状態を有する。最初の状態では、各バルブ260の流体接続が実線で示されている。2番目の状態の各バルブ260の流体接続は、ファントムで示されている。コントローラ226は、後述する火炎光度検出器である検出器228に動作可能に結合される。したがって、コントローラ226は、ソレノイド224を制御することによって、ガスクロマトグラフ200を通過する流れを完全に制御することができる。さらに、コントローラ226は、サンプルガス中のさまざまな化学種を検出又は特性評価するための検出器228の応答を決定することができる。いくつかの実施例では、コントローラ226は制御モジュール34(図4に示す)からアナログ信号を読み取る。さらに、コントローラ226は、クロマトグラムのピークを特性化し、計算し、特定することができる。このようにして、コントローラ226は、選択された時間だけサンプルをクロマトグラフィカラムに選択的に導入し、クロマトグラフィカラムを通るガスの流れを逆にし、検出器を通る逆の流れを指示して、時間の経過に伴う検出器の応答を観察及び/又は記録することができる。これにより、サンプルに対するクロマトグラフィ分析が可能になる。
【0015】
図4は、サイドカートソリューションで使用される従来技術の火炎光度検出器の拡大図である。示されているように、火炎光度検出器バーナー30は光電子増倍モジュール32に近接して配置されている。制御モジュール34は光電子増倍管モジュール32の上に配置され、バーナー30と光電子増倍管モジュール32を制御する。例として、制御モジュール34は、光電子増倍管32からの応答信号を処理して増幅し、それをコントローラ226などの適切な処理デバイスに提供する。
【0016】
ここに記載されている実施態様に従って、図5に示すように、火炎光度検出器バーナーと光電子増倍管モジュールを切り離して、火炎光度検出器の主要な3つの構成要素を再配置し、制御モジュールと光電子増倍管モジュールを組み合わせた微小火炎光度検出器が提供される。見てわかるように、マイクロ火炎光度検出器300は、ファイバーケーブル304を介して光電子増倍管及び制御モジュール302に結合されている。ある実施態様によれば、マイクロ火炎光度検出器300は、プロセスガスクロマトグラフの温度制御されたオーブン22の容積内に完全に収まることができる。したがって、以前はサイドカート全体であったものが、現在では基本的にガスクロマトグラフの筐体内に収まるようになった。
【0017】
これらの重要な変化を容易にする構造変化のいくつかは、図4に関連して図5に示されており、火炎光度検出器自体の設計の変更によって促進される。
【0018】
図6A及び6Bは、従来技術の火炎光度検出器の断面図である。図6Bは、図6AのB-B線に沿った断面図である。図6A及び図6Bに示すように、ガスクロマトグラフの代表的な火炎光度検出器バーナー400が図のように配置されている。検出器400は、光学及び光電子増倍管に結合するための取り付け部421を有する。
【0019】
動作中は、取り付け具417から空気が入り、取り付け具415から水素が入る。カラム流出(サンプル)ガスは、サンプルチューブ423を通して供給される。空気と水素はガス混合器414で混合し、燃焼室412に入る。着火器419で着火し、燃焼室412内でガスを燃焼させる。熱電対413は、取り付け具411の排気経路410を通して放出される火炎と燃焼ガスの状態を監視する。火炎から特定の波長の光が発生し、検出される。火炎光度検出器の応答は、ガス混合器414に対するサンプルチューブ423の終了位置418に非常に敏感である。火炎光度検出器の応答は、同じガス混合比でサンプルチューブ423を上下に動かすことによって最大にすることができる。天然ガス中の硫黄成分の検出など、ほとんどの用途では安全上の理由から、火炎光度検出器バーナーから燃焼ガスを適切にベントする必要がある。
【0020】
図7A及び7Bは、それぞれ本発明の1つの実施態様によるマイクロ火炎光度検出器の透視図及び側面図である。燃焼炎からの排気を効率的に経路指定するために、マイクロ火炎光度検出器500内の内部排気経路は、バーナーの物理的サイズを最小化し配管を簡素化するために必要な正確な位置にベント取り付け具を再経路指定する。本発明の実施態様のこれらの内部流路は、図7C、7D、及び7Eにより詳細に示されている。マイクロ火炎光度検出器500は、燃焼室本体510、コネクタ512、カバー511を含む。
【0021】
説明を明確にするため、図7C図7BのA-A線を横断した断面図である。同様に、図7Dは、図7Bの線B-Bを横断した断面図である。図7Eは、マイクロ火炎光度検出器の部分断面図である。図7Fは、図7Dの円「C」から取った拡大断面図である。
【0022】
一般的に、空気は取り付け具516から、水素は取り付け具517から、サンプルガスはカラムから取り付け具530からバーナーに入る。空気と水素はガス混合器518で混合され、燃焼室560で燃焼される。
【0023】
燃焼ガスはその後、燃焼室本体510の排気経路540A及び540B、コネクタ512の経路541A、541B、及び541C、そして取り付け具514の経路542を通って排出される。排気経路の交差ドリル穴は、標準的な鋼球513Aと513Bで簡単に塞ぐことができ、バーナーの物理的なサイズを簡素化し、最小限に抑えることができる。ただし、排気経路は任意の適切な方法でプラグを差し込むことができる。
【0024】
図8は、本発明の1つの実施態様によるマイクロ火炎光度検出器のための熱電対/点火装置の組み合わせアセンブリの透視図である。図8の構造では、火炎光度検出器に必要な点火装置と熱電対が一体化されている。この一体構造550は、図7D及び7Eに示す燃焼室560へのシングルアクセスのみを必要とする。
【0025】
図9は、本発明の1つの実施態様によるマイクロ火炎光度検出器用の熱電対/点火装置の組み合わせアセンブリの分解図である。総合温度感知点火装置550は、一般に、軸方向に延びる四つのボアを有するセラミック管552のような高温絶縁材料で構成される。点火装置551と熱電対553は二つのボアを貫通し、点火装置551のリード551Aと551Bはセラミックチューブ552のボア552Aと552Bを貫通する。リード553A及び553Bは、セラミックチューブ552のボア552C及び552Dを通過する。リード551A、551B、553A、及び553Bは、点火を制御し、燃焼室560内の温度を検出するために、コントローラ226又は他の適切な回路に動作的に結合される。四口径セラミックチューブ552は、点火装置551と熱電対553の両方のリード間に費用対効果の高い絶縁を提供する。
【0026】
火炎光度検出器の応答は、サンプルチューブ532の端とガス混合器518の間の相対位置D(図7Fに示す)に非常に敏感である。火炎光度検出器の応答は、サンプルチューブ532の終了位置532Eを調整することによって変更することができる。火炎光度検出器の応答が最大になると最適位置「D」が求められる。
【0027】
図7F及び図10-12に示すように、寸法H1は図7Dに示すようにH1=D+H2+H3として計算できる。寸法H1は、取り付け具531に対して図10に示されている。サンプルチューブ532は一般に、寸法H1を機械的に容易に制御できるように改良された取り付け具531に押し込まれる。つまり、図10に示すように、サンプルチューブアセンブリの寸法H1を適切に制御することで、最適位置「D」を実現することができる。
【0028】
寸法H2は、ガス混合器518に関して図11に示されている。燃焼室本体510内のガス混合器518の位置は、燃焼室本体510のショルダー「A」(図11に示す)とストップ「B」(図12に示す)によって決定される。ガス混合器518は、燃焼室本体510の内糸とかみ合う外糸582によって燃焼室本体510に固定されている。
【0029】
燃焼室本体510に対する寸法H3を図12に示す。したがって、製造時にサンプルチューブアセンブリのH1、ガス混合器518のH2、燃焼室本体510のH3を制御することで最適位置Dを実現できる。これは、メーカーが位置を事前に最適化できるため、ユーザーによる追加の最適化を必要としないことを意味する。ここで使用される「事前最適化」とは、メーカー又はシステムの製造中にポジションDを最適化することを指す。これは、ユーザーによる各生産システムのユーザー最適化を必要とする、図6Bに関して示されたような以前の設計とは対照的である。その後、火炎光度検出器間の応答の再現性がよく制御され、火炎光度検出器を設定する手間が大幅に削減される。
【0030】
図12に示すように、燃焼室560は一般に、丸みを帯びた部分594で平坦化された下部592と交わる湾曲した上部590を含む。この燃焼室560の半円形の形状は、FPDバーナーの物理的なサイズを最小限に抑えるのに役立つと考えられている。
【0031】
これまでに記述された実施態様は、一般的に、プロセスガスクロマトグラフの温度制御されたオーブン内に取り付けることができるマイクロ火炎光度検出器を提供するが、ここに記述された少なくともいくつかの実施態様は、より簡単で低コストの製造も容易にすると考えられる。例えば、図7D図7E図7Fに示すように、燃焼室本体510とガス混合器518は、ガス混合器518を下から上に組み立てられるように設計されている。
【0032】
本発明は、好ましい実施態様を参照して説明されているが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更を加えることができることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9
図10
図11
図12