(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】バッテリーパック及びそれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240903BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240903BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240903BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240903BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240903BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240903BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20240903BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240903BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20240903BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20240903BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240903BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/227
H01M50/291
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/625
H01M10/643
H01M50/507
H01M50/293
H01M10/6568
H01M10/6557
H01M50/242
(21)【出願番号】P 2022577375
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 KR2022003122
(87)【国際公開番号】W WO2022186663
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0029091
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-オ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クワン-クン・オ
(72)【発明者】
【氏名】イン-ヒュク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ-ウォン・チェ
【審査官】吉川 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-193961(JP,A)
【文献】特表2016-537799(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105977578(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0287287(US,A1)
【文献】特開2010-114063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/305395(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20 - 50/298
H01M 50/50 - 50/77
H01M 10/60 - 10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルを含むバッテリーセルアセンブリと、
前記バッテリーセルアセンブリの一側に配置されたバスバーアセンブリと、
前記複数のバッテリーセル同士の間に配置されたクーリングユニットと、
前記クーリングユニットと共に前記複数のバッテリーセルを区画するセル収容ユニットと、
少なくとも前記クーリングユニットと前記複数のバッテリーセルとの間の空間に満たされた充填部材と、
を含
み、前記充填部材は、さらに、前記バスバーアセンブリを少なくとも部分的に覆うように前記バスバーアセンブリに満たされている、バッテリーパック。
【請求項2】
前記充填部材は、前記バッテリーセルアセンブリ及び前記セル収容ユニットをすべて覆うように満たされている、請求項
1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記充填部材は、前記バッテリーセルアセンブリの上下方向において、前記バスバーアセンブリと前記バッテリーセルとの間に連続的に満たされている、請求項
1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記充填部材は、ポッティング樹脂を含む、請求項
1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記セル収容ユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って所定の長さで形成され、前記バッテリーセルの少なくとも一側面を覆う少なくとも一つの収容部材を含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記少なくとも一つの収容部材は、対向する複数のバッテリーセルの外面に対応する形状を有する、請求項
5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記収容部材は、複数備えられ、
前記複数の収容部材は、前記バッテリーセルアセンブリの幅方向に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置されている、請求項
5に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
それぞれの収容部材は、対向するバッテリーセルを収容する複数のセル収容部を含む、請求項
7に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記複数のセル収容部は、所定の深さを有するように凹状に形成されている、請求項
8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記複数のセル収容部は、対向するバッテリーセルの外側面に対応する形状を有する、請求項
8に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記バッテリーセルと前記セル収容部との間には、接着剤が備えられる、請求項
8に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記接着剤は、ポッティング樹脂を含む、請求項
11に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記クーリングユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの幅方向において、前記複数の収容部材同士の間に配置されている、請求項
7に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記クーリングユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って所定の長さで形成され、前記複数のバッテリーセル同士の間に配置され、内部に冷却水の循環のための冷却流路が設けられた複数の冷却チューブと、
前記複数の冷却チューブの冷却流路と連通するように前記複数の冷却チューブと連結された冷却水流出入部と、
を含む、請求項
13に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記複数の冷却チューブは、前記複数の収容部材同士の間に配置されている、請求項
14に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記冷却流路は、
前記バスバーアセンブリの近くに備えられる上側流路と、
前記上側流路と離隔して配置される下側流路と、
前記上側流路と前記下側流路とを連結する連結流路と、
を含む、請求項
14に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
前記連結流路は、前記冷却水流出入部の反対側に備えられる、請求項
16に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記冷却水流出入部は、
前記上側流路と連結された冷却水供給ポートと、
前記下側流路と連結された冷却水排出ポートと、
を含む、請求項
16に記載のバッテリーパック。
【請求項19】
前記上側流路と前記下側流路は、複数個備えられる、請求項
16に記載のバッテリーパック。
【請求項20】
前記セル収容ユニットと結合され、前記バッテリーセルアセンブリ及び前記クーリングユニットを支持するセル支持部を含む、請求項1から
19のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項21】
前記セル支持部には、前記セル収容ユニットを支持するように所定の高さで突出する支持リブが形成されている、請求項
20に記載のバッテリーパック。
【請求項22】
前記支持リブは、複数備えられ、
前記複数の支持リブ同士の間には、前記クーリングユニットが配置されている、請求項
21に記載のバッテリーパック。
【請求項23】
前記支持リブには、前記セル収容ユニットの底部が挿入される所定の深さの挿入溝が備えられる、請求項
21に記載のバッテリーパック。
【請求項24】
前記セル支持部は、前記セル収容ユニットに垂直に配置されている、請求項
20に記載のバッテリーパック。
【請求項25】
前記セル収容ユニットは、前記バッテリーセルの側面部を支持し、
前記セル支持部は、前記バッテリーセルの底部を支持する、請求項
20に記載のバッテリーパック。
【請求項26】
前記セル支持部には、前記バッテリーセルが載置されるセル載置部が備えられる、請求項
20に記載のバッテリーパック。
【請求項27】
前記セル載置部は、所定の大きさの開口で形成されている、請求項
26に記載のバッテリーパック。
【請求項28】
前記開口は、前記バッテリーセルの直径を超えない大きさを有する、請求項
27に記載のバッテリーパック。
【請求項29】
前記セル収容ユニットは、ハニカム状で配列されている、請求項1から
28のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項30】
前記バスバーアセンブリは、前記バッテリーセルアセンブリの上側に配置されている、請求項1から
29のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項31】
請求項1から
30のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含む、自動車。
【請求項32】
前記セル収容ユニットは、最外郭の両側に前記バッテリーセルアセンブリの剛性を補強するための補強構造が備えられる、請求項
1に記載のバッテリーパック。
【請求項33】
前記補強構造は、前記セル収容ユニットの外側に突出した角形凹凸構造で設けられている、請求項
32に記載のバッテリーパック。
【請求項34】
前記補強構造は、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って連続的に形成されている、請求項
32に記載のバッテリーパック。
【請求項35】
前記補強構造は、三角柱状または台形柱状である、請求項
32に記載のバッテリーパック。
【請求項36】
前記充填部材は、前記補強構造を覆うように満たされている、請求項
32に記載のバッテリーパック。
【請求項37】
前記セル収容ユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って所定の長さで形成され、前記バッテリーセルの少なくとも一側面を覆う少なくとも一つの収容部材を含み、
前記セル収容ユニットは、前記セル収容ユニットの上部に、所定の高さで突設されたガイド段を含み、
前記ガイド段の前記所定の高さは、前記バスバーアセンブリの上面よりも高い高さであり、
前記充填部材は、前記ガイド段を通じてガイドされた高さで満たされている、請求項1に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック及びそれを含む自動車に関する。
本出願は、2021年3月4日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0029091号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに一般的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0003】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列に接続してバッテリーパックを構成することがある。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーセルを並列に接続してバッテリーパックを構成することもある。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は、求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0004】
一方、複数のバッテリーセルを直列/並列に接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールに、その他の構成要素を付け加えてバッテリーパック又はバッテリーラックを構成する方法が一般的である。
【0005】
従来のバッテリーパックの場合、一般に、複数のバッテリーセル及びこのような複数のバッテリーセルを収容するセルフレームを含んで構成される。従来のセルフレームは、一般に、複数のバッテリーセルを収容し、剛性などを確保するため、前面プレート、後面プレート、側面プレート、下面プレート及び上面プレートなどの複数のプレートの組立体から構成される。
【0006】
しかし、従来のバッテリーパックの場合、このような複数のプレートの組立体から構成されるセルフレーム構造の特性上、製造コストが嵩み、組立工程が複雑であり、さらに価格競争力及び製造効率の面で不利である。
【0007】
さらに、従来のバッテリーパックの場合、複数のプレートの組立体から構成されるセルフレーム構造のため、バッテリーパックの全体サイズが増加してエネルギー密度の面で不利であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、エネルギー密度を向上させると共に剛性を確保することができるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、価格競争力及び製造効率を向上させることができるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することを他の目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、冷却性能を向上させることができるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、バッテリーパックであって、複数のバッテリーセルを含むバッテリーセルアセンブリと、前記バッテリーセルアセンブリの一側に配置されたバスバーアセンブリと、前記複数のバッテリーセル同士の間に配置されたクーリングユニットと、前記クーリングユニットと共に前記複数のバッテリーセルを区画するセル収容ユニットと、を含む、バッテリーパックを提供する。
【0012】
望ましくは、前記バッテリーパックは、前記クーリングユニットと前記複数のバッテリーセルとの間の空間に満たされる充填部材を含み得る。
【0013】
望ましくは、前記充填部材は、前記バスバーアセンブリを少なくとも部分的に覆うように前記バスバーアセンブリに満たされ得る。
【0014】
望ましくは、前記充填部材は、前記バッテリーセルアセンブリ及び前記セル収容ユニットをすべて覆うように満たされ得る。
【0015】
望ましくは、前記充填部材は、前記バッテリーセルアセンブリの上下方向において、前記バスバーアセンブリと前記バッテリーセルとの間に連続的に満たされ得る。
【0016】
望ましくは、前記充填部材は、ポッティング樹脂(potting resin)を含み得る。
【0017】
望ましくは、前記セル収容ユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って所定の長さで形成され、前記バッテリーセルの少なくとも一側面を覆う少なくとも一つの収容部材を含み得る。
【0018】
望ましくは、前記少なくとも一つの収容部材は、対向する複数のバッテリーセルの外面に対応する形状を有し得る。
【0019】
望ましくは、前記収容部材は、複数個備えられ、複数個の収容部材は、前記バッテリーセルアセンブリの幅方向に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0020】
望ましくは、それぞれの収容部材は、対向するバッテリーセルを収容する複数のセル収容部を含み得る。
【0021】
望ましくは、前記複数のセル収容部は、所定の深さを有するように凹状に形成され得る。
【0022】
望ましくは、前記複数のセル収容部は、対向するバッテリーセルの外側面に対応する形状を有し得る。
【0023】
望ましくは、前記バッテリーセルと前記セル収容部との間には、接着剤が備えられ得る。
【0024】
望ましくは、前記接着剤は、ポッティング樹脂を含み得る。
【0025】
望ましくは、前記クーリングユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの幅方向において、前記複数の収容部材同士の間に配置され得る。
【0026】
望ましくは、前記クーリングユニットは、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って所定の長さで形成され、前記複数のバッテリーセル同士の間に配置され、内部に冷却水の循環のための冷却流路が設けられる複数の冷却チューブと、前記複数の冷却チューブの冷却流路と連通するように前記複数の冷却チューブと連結される冷却水流出入部と、を含み得る。
【0027】
望ましくは、前記複数の冷却チューブは、前記複数の収容部材同士の間に配置され得る。
【0028】
望ましくは、前記冷却流路は、前記バスバーアセンブリの近くに備えられる上側流路と、前記上側流路と離隔して配置される下側流路と、前記上側流路と前記下側流路とを連結する連結流路と、を含み得る。
【0029】
望ましくは、前記連結流路は、前記冷却水流出入部の反対側に備えられ得る。
【0030】
望ましくは、前記冷却水流出入部は、前記上側流路と連結される冷却水供給ポートと、前記下側流路と連結される冷却水排出ポートと、を含み得る。
【0031】
望ましくは、前記上側流路と前記下側流路は、複数個備えられ得る。
【0032】
望ましくは、前記セル収容ユニットと結合され、前記バッテリーセルアセンブリ及び前記クーリングユニットを支持するセル支持部を含み得る。
【0033】
望ましくは、前記セル支持部には、前記セル収容ユニットを支持するように所定の高さで突出する支持リブが形成され得る。
【0034】
望ましくは、前記支持リブは、複数個備えられ、複数個の支持リブ同士の間には前記クーリングユニットが配置され得る。
【0035】
望ましくは、前記支持リブには、前記セル収容ユニットの底部が挿入される所定の深さの挿入溝が備えられ得る。
【0036】
望ましくは、前記セル支持部は、前記セル収容ユニットに垂直に配置され得る。
【0037】
望ましくは、前記セル収容ユニットは、前記バッテリーセルの側面部を支持し、前記セル支持部は、前記バッテリーセルの底部を支持し得る。
【0038】
望ましくは、前記セル支持部には、前記バッテリーセルが載置されるセル載置部が備えられ得る。
【0039】
望ましくは、前記セル載置部は、所定の大きさの開口で形成され得る。
【0040】
望ましくは、前記開口は、前記バッテリーセルの直径を超えない大きさを有し得る。
【0041】
望ましくは、前記セル収容ユニットは、ハニカム状で配列され得る。
【0042】
望ましくは、前記バスバーアセンブリは、前記バッテリーセルアセンブリの上側に配置され得る。
【0043】
また、本発明は、自動車であって、上述したバッテリーパックを少なくとも一つ含む、自動車を提供する。
【0044】
さらに、本発明は、バッテリーパックであって、複数のバッテリーセルを含むバッテリーセルアセンブリと、相互に結合されて前記複数のバッテリーセルを支持するセル収容ユニット及びセル支持部と、前記バッテリーセルアセンブリ及び前記セル収容ユニットを覆うように満たされた充填部材と、を含む、バッテリーパックを提供する。
【0045】
望ましくは、前記セル支持部は、前記セル収容ユニットと垂直に結合され得る。
【0046】
望ましくは、前記セル収容ユニットは、最外郭の両側に前記バッテリーセルアセンブリの剛性を補強するための補強構造が備えられ得る。
【0047】
望ましくは、前記補強構造は、前記セル収容ユニットの外側に突出した角形凹凸構造で設けられ得る。
【0048】
望ましくは、前記補強構造は、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向に沿って連続的に形成され得る。
【0049】
望ましくは、前記補強構造は、三角柱状または台形柱状であり得る。
【0050】
望ましくは、前記充填部材は、前記補強構造を覆うように満たされ得る。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、エネルギー密度を向上させると共に剛性を確保できるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することができる。
【0052】
また、本発明によれば、価格競争力及び製造効率を向上できるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することができる。
【0053】
さらに、本発明によれば、冷却性能を向上できるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することができる。
【0054】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーパックの分解斜視図である。
【
図3】
図2に示されたバッテリーセルアセンブリに含まれるバッテリーセルを説明するための図である。
【
図4】バッテリーセルアセンブリに含まれるバッテリーセルの他の実施例を説明するための図である。
【
図5】
図2に示されたバスバーアセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5に示されたバスバーアセンブリの連結バスバーの斜視図である。
【
図7】
図2に示されたクーリングユニットの斜視図である。
【
図8】
図7に示されたクーリングユニットの断面図である。
【
図9】
図2に示されたセル収容ユニットの斜視図である。
【
図10】
図2に示されたセル支持部の斜視図である。
【
図11】
図10に示されたセル支持部の他の実施例による支持リブを説明するための図である。
【
図12】
図1に示されたバッテリーパックの充填部材を通じたパックケース構造の形成を説明するための図である。
【
図13】セル収容ユニットの他の実施例を説明するための図である。
【
図14】
図13に示されたセル収容ユニットの要部の拡大図である。
【
図15】
図13のセル収容ユニットが備えられたバッテリーパックにおいて、充填部材を通じたパックケース構造の形成を説明するための図である。
【
図16】本発明の他の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明することで本発明をより明確にする。後述する実施形態は発明の理解を助けるため例示的に示されるものであり、本発明が後述する実施形態から多様に変形されて実施できることを理解せねばならない。また、発明の理解を助けるため、添付された図面は、実際の縮尺ではなく、一部構成要素の寸法が誇張して示され得る。
【0057】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図であり、
図2は
図1のバッテリーパックの分解斜視図である。
【0058】
図1及び
図2を参照すると、バッテリーパック10は、エネルギー源として電気自動車またはハイブリッド自動車に備えられ得る。以下、このように電気自動車などに備えられるバッテリーパック10について、関連図面を参照してより詳しく説明する。
【0059】
前記バッテリーパック10は、バッテリーセルアセンブリ100と、バスバーアセンブリ200と、クーリングユニット300と、セル収容ユニット400とを含む。
【0060】
前記複数のバッテリーセル150は、二次電池であって、円筒形二次電池、パウチ型二次電池または角形二次電池であり得る。以下、本実施例では、前記複数のバッテリーセル150が円筒形二次電池であることに限定して説明する。
【0061】
図3は、
図2に示されたバッテリーセルアセンブリに含まれるバッテリーセルを説明するための図である。
【0062】
図3及び
図2を参照すると、前記複数のバッテリーセル150は、相互に電気的に接続されるように積層され得る。前記複数のバッテリーセル150は、上端部に正極175及び負極170が一緒に備えられ得る。具体的には、前記バッテリーセル150の正極175は前記バッテリーセル150の上端部の中央に備えられ、前記バッテリーセル150の負極170は前記バッテリーセル150の上端部の周縁に備えられ得る。
【0063】
本実施例の場合、このように前記複数のバッテリーセル150の前記正極175及び前記負極170が前記バッテリーセル150の一側(+Z軸方向)、具体的には、前記バッテリーセル150の上側(+Z軸方向)にすべて備えられるため、後述するバスバーアセンブリ200との電気的接続がより容易になり得る。
【0064】
これにより、本実施例では、前記複数のバッテリーセル150の正極175及び前記負極170が両方とも同じ方向(+Z軸方向)に配置される構造を有するため、反対方向である両側にそれぞれ配置される構造よりも、後述するバスバーアセンブリ200との連結構造をさらに単純化でき、このような電気的接続構造が占める体積も減らすことができる。
【0065】
したがって、本実施例では、前記バッテリーセル150と後述するバスバーアセンブリ200との電気的接続構造を単純化させ、前記バッテリーパック10の構造の小型化及びエネルギー密度の向上を具現することができる。
【0066】
以下、前記バッテリーセル150についてより具体的に説明する。
【0067】
前記バッテリーセル150は、電極組立体160、電池缶(負極)170及びトップキャップ(正極)175を含み得る。前記バッテリーセル150は、上述した構成要素の他にも、気密ガスケット180、集電プレート185、絶縁プレート190、及び連結プレート195をさらに含み得る。
【0068】
前記電極組立体160は、第1極性を有する第1電極板、第2極性を有する第2電極板、及び第1電極板と第2電極板との間に介在される分離膜を含む。前記電極組立体160は、ゼリーロール(jelly-roll)状であり得る。すなわち、前記電極組立体160は、第1電極板、分離膜、第2電極板を順次に少なくとも1回積層して形成された積層体を、巻取中心Cを基準にして巻き取ることで製造され得る。この場合、前記電極組立体160の外周面上には、前記電池缶170との絶縁のために分離膜が備えられ得る。前記第1電極板は正極板または負極板であり、第2電極板は第1電極板と反対極性を有する電極板に該当する。
【0069】
前記第1電極板は、第1電極集電体、及び第1電極集電体の一面または両面上に塗布された第1電極活物質を含む。前記第1電極集電体の幅方向(Z軸に平行な方向)の一側端部には第1電極活物質が塗布されていない無地部が存在する。前記無地部は、第1電極タブ162として機能する。前記第1電極タブ162は、電池缶170内に収容された電極組立体160の高さ方向(Z軸に平行な方向)の上部に備えられる。
【0070】
前記第2電極板は、第2電極集電体、及び第2電極集電体の一面または両面上に塗布された第2電極活物質を含む。前記第2電極集電体の幅方向(Z軸に平行な方向)の他側端部には第2電極活物質が塗布されていない無地部が存在する。前記無地部は、第2電極タブ164として機能する。前記第2電極タブ164は、電池缶170内に収容された電極組立体160の高さ方向(Z軸に平行な方向)の下部に備えられる。
【0071】
前記電池缶170は、上方に開口部が形成された円筒形の収容体であって、導電性を有する金属材質からなる。前記電池缶170は、上方開口部を通じて電極組立体160を収容し、電解質も一緒に収容する。
【0072】
前記電池缶170は、電極組立体160の第2電極タブ164と電気的に接続される。したがって、前記電池缶170は、第2電極タブ164と同じ極性を有する。本実施例において、前記電池缶170は前記負極170として機能することができる。
【0073】
前記電池缶170は、その上端に形成されたビーディング(beading)部171及びクリンピング(crimping)部172を備える。前記ビーディング部171は、電極組立体160の上部に形成される。前記ビーディング部171は、電池缶170の外周面を押し込んで形成する。前記ビーディング部171は、電池缶170の幅と対応するサイズを有する電極組立体160が電池缶170の上端開口部から抜け出ることを防止し、トップキャップ175が載置される支持部として機能することができる。
【0074】
前記電池缶170のビーディング部171の上面周縁173は、後述するバスバーアセンブリ200の負極連結部248のガイド溝249に嵌め込まれるか又は接触して配置され得る。これは、後述するバスバーアセンブリ200と負極170として機能する前記電池缶170との電気的接続のための溶接工程の際、溶接工程をより容易にするためである。
【0075】
前記クリンピング部172は、ビーディング部171の上部に形成される。前記クリンピング部172は、ビーディング部171上に配置されるトップキャップ175の外周面、そしてトップキャップ175の上面の一部を囲むように延長されて折り曲げられた形態を有する。
【0076】
前記トップキャップ175は、伝導性を有する金属材質からなる部品であり、前記電池缶170の上端開口部を覆う。前記トップキャップ175は、電極組立体160の第1電極タブ162と電気的に接続され、電池缶170とは電気的に絶縁される。したがって、前記トップキャップ175は、前記バッテリーセル150の正極175として機能することができる。
【0077】
前記トップキャップ175は、電池缶170に形成されたビーディング部171上に載置され、クリンピング部172によって固定される。前記トップキャップ175と前記電池缶170のクリンピング部172との間には、前記電池缶170の気密性を確保し、電池缶170とトップキャップ175との間の電気的絶縁のため、気密ガスケット180が介在され得る。
【0078】
前記トップキャップ175は、その中心部から上方に突設された突出部を備え得る。前記突出部は、バスバーなどの電気的接続部品との接触が容易になるようにガイドすることができる。
【0079】
前記集電プレート185は、電極組立体160の上部に結合される。前記集電プレート185は導電性を有する金属材質からなり、第1電極タブ162と連結される。前記集電プレート185にはリード187が連結され、リード187は電極組立体160の上方に延びてトップキャップ175に直接結合されるか又はトップキャップ175の下面に結合される連結プレート195に結合され得る。
【0080】
前記集電プレート185は、第1電極タブ162の端部に結合される。前記第1電極タブ162と集電プレート185との間の結合は、例えばレーザー溶接によって行われ得る。前記レーザー溶接は、集電プレート185の母材を部分的に溶融させる方式で行われてもよく、集電プレート185と第1電極タブ162との間に溶接のための半田を介在させた状態で行われてもよい。この場合、前記半田は、集電プレート185及び第1電極タブ162と比べてさらに低い融点を有し得る。
【0081】
前記集電プレート185は、電極組立体160の下面にも結合され得る。この場合、前記集電プレート185の一面は電極組立体160の第2電極タブ164と溶接によって結合され、他面は電池缶170の内側底面上に溶接によって結合され得る。前記電極組立体160の下面に結合される集電プレート185と第2電極タブ164との間の結合構造は、上述した電極組立体160の上面に結合される集電プレート185と実質的に同一である。
【0082】
前記絶縁プレート190は、電極組立体160の上端とビーディング部171との間、または、電極組立体160の上部に結合された集電プレート185とビーディング部171との間に配置され、第1電極タブ162と電池缶170との接触または集電プレート185と電池缶170との接触を防止する。
【0083】
前記絶縁プレート190は、集電プレート185から又は第1電極タブ162から上方に延長されるリード187が引き出されるリード孔193を備える。前記リード187は、リード孔193を通って上方に引き出されて、連結プレート195の下面またはトップキャップ175の下面に結合される。
【0084】
上述したように、本発明の一実施例によるバッテリーセル150は、電池缶170の長手方向(
図2のZ軸に平行な方向)において、上側に備えられるトップキャップ175及び電池缶170の上面周縁173をそれぞれ正極175及び負極170として活用可能な構造を有する。したがって、本発明の一実施例によるバッテリーセル150は、複数個を電気的に接続させる場合において、バスバーアセンブリ200などの電気的接続部品をバッテリーセル150の一側のみに配置可能であり、これにより構造の単純化及びエネルギー密度の向上をもたらすことができる。
【0085】
図4は、バッテリーセルアセンブリに含まれるバッテリーセルの他の実施例を説明するための図である。
【0086】
本実施例によるバッテリーセル155は、上述した実施例の前記バッテリーセル150と類似するため、上述した実施例と実質的に同一または類似の構成については重なる説明を省略し、以下、上述した実施例との相違点を中心に説明する。
【0087】
図4を参照すると、バッテリーセル155は、上述したバッテリーセル150の構成の他に、金属ワッシャー197及び絶縁ワッシャー199をさらに含み得る。
【0088】
前記金属ワッシャー197は、伝導性を有する金属材質からなり、その中心部に孔が形成された略円盤状の部品である。前記金属ワッシャー197は、電池缶170のクリンピング部172上に結合される。前記金属ワッシャー197とクリンピング部172との間の結合は、例えばレーザー溶接によって行われ得る。
【0089】
前記金属ワッシャー197は、トップキャップ175とは電気的に絶縁される。前記金属ワッシャー197の中心部に形成された孔を通ってトップキャップ175が露出し、金属ワッシャー197とトップキャップ175の中央部分に形成された突出部とは互いに離隔する。また、前記金属ワッシャー197は、トップキャップ175の突出部を除いた他の部分と上下に離隔する。したがって、前記金属ワッシャー197は、第2電極タブ164及び電池缶170と電気的に接続され、前記バッテリーセル155の負極として機能することができる。
【0090】
前記金属ワッシャー197の幅D2は、電池缶170のクリンピング部172の上面の幅D1よりも広く形成される。これは、複数のバッテリーセル155を接続するためにバスバーアセンブリ200などの電気的接続部品を金属ワッシャー197に結合させる場合において、電気的接続部品と金属ワッシャー197との結合面積を拡大するためである。このように、電気的接続部品と金属ワッシャー197との間の結合面積が拡がることで、溶接工程が円滑に行われ、二つの部品間の締結力が向上し、結合部位での電気抵抗を減少させることができる。
【0091】
前記絶縁ワッシャー199は、トップキャップ175と金属ワッシャー197との間に介在される。前記絶縁ワッシャー199は、絶縁性を有する材質からなる。本発明の一実施例によるバッテリーセル155において、前記トップキャップ175は正極として機能し、金属ワッシャー197は負極として機能するため、トップキャップ175と金属ワッシャー197とは電気的絶縁状態を維持しなければならない。したがって、このような絶縁状態を安定的に維持するため、絶縁ワッシャー199が適用されることが有利である。
【0092】
前記絶縁ワッシャー199は、金属ワッシャー197の下面とトップキャップ175との間に介在される。上述したように、前記金属ワッシャー197は、クリンピング部172の上面の幅D1よりも広い幅D2を有し、クリンピング部172からトップキャップ175の中央部分の突出部に向かって延長される形態を有する。したがって、前記絶縁ワッシャー199は、金属ワッシャー197の中心部に形成された孔の内側面とトップキャップ175の突出部とが接触しないように、金属ワッシャー197の中心部に形成された孔の内側面を覆うように延長された形態を有し得る。
【0093】
前記絶縁ワッシャー199が樹脂材質からなる場合、絶縁ワッシャー199は熱融着によって金属ワッシャー197及びトップキャップ175と結合され得る。この場合、前記絶縁ワッシャー199と金属ワッシャー197との結合界面及び絶縁ワッシャー199とトップキャップ175との結合界面における気密性が強化できる。
【0094】
以下、このような複数のバッテリーセル150の電気的接続のための前記バスバーアセンブリ200についてより具体的に説明する。
【0095】
図5は
図2に示されたバスバーアセンブリの斜視図であり、
図6は
図5に示されたバスバーアセンブリの連結バスバーの斜視図である。
【0096】
図5及び
図6を参照すると、前記バスバーアセンブリ200は、前記バッテリーセルアセンブリ100の上側(+Z軸方向)に備えられ、前記複数のバッテリーセル150と電気的に接続され得る。前記バスバーアセンブリ200の電気的接続は、並列及び/または直列接続であり得る。
【0097】
このようなバスバーアセンブリ200は、前記複数のバッテリーセル150(
図2を参照)の前記正極175(
図3を参照)及び前記負極170(
図3を参照)と電気的に接続され、外部充放電ラインなどとコネクタ260、270などを通じて電気的に接続され得る。
【0098】
以下、前記バスバーアセンブリ200の構成についてより詳しく説明する。
【0099】
前記バスバーアセンブリ200は、一対のメインバスバー210、220、連結バスバー230、クーリングユニット挿入スリット250、及び一対のコネクタ260、270を含み得る。
【0100】
前記一対のメインバスバー210、220は、前記バッテリーセルアセンブリ100と電気的に接続され、外部充放電ラインと連結されるコネクタ260、270を備え得る。
【0101】
このような一対のメインバスバー210、220は、前記バッテリーセルアセンブリ100のバッテリーセル150のうちの最外郭の両側(X軸方向)に配置されるバッテリーセル150と電気的に接続され得る。具体的には、前記一対のメインバスバー210、220は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)において、それぞれ最外郭に配置されるバッテリーセル150と電気的に接続され得る。
【0102】
前記一対のメインバスバー210、220は、メイン正極バスバー(メインバスバー)210及びメイン負極バスバー(メインバスバー)220を含み得る。
【0103】
前記メイン正極バスバー210は、前記バッテリーセルアセンブリ100の上側(+Z軸方向)において前記バスバーアセンブリ200の一側(-X軸方向)に配置され得る。このようなメイン正極バスバー210は、前記バッテリーセルアセンブリ100の最外郭の一側(-X軸方向)に配置されるバッテリーセル150の正極175と電気的に接続され得る。電気的接続は、レーザー溶接や超音波溶接のような電気的接続のための溶接工程などを通じて行われ得る。
【0104】
前記メイン正極バスバー210には、前記充放電ラインとの連結のための後述する正極コネクタ(コネクタ)260が備えられ得る。前記正極コネクタ260は、前記メイン正極バスバー210の一側(-X軸方向)に突設され得る。
【0105】
前記メイン負極バスバー220は、前記バッテリーセルアセンブリ100の上側(+Z軸方向)において前記バスバーアセンブリ200の他側(+X軸方向)に配置され得る。このようなメイン負極バスバー220は、前記バッテリーセルアセンブリ100の最外郭の他側(+X軸方向)に配置されるバッテリーセル150の負極170と電気的に接続され得る。電気的接続は、レーザー溶接や超音波溶接のような電気的接続のための溶接工程などを通じて行われ得る。
【0106】
前記メイン負極バスバー220には、前記充放電ラインとの連結のための後述する負極コネクタ(コネクタ)270が備えられ得る。前記負極コネクタ270は、前記メイン負極バスバー220の他側(+X軸方向)に突設され得る。
【0107】
前記連結バスバー230は、前記複数のバッテリーセル150の電気的接続のためのものであって、複数個備えられ得る。前記複数の連結バスバー230は、前記一対のメインバスバー210、220と電気的に接続され、前記複数のバッテリーセル150の前記正極175及び前記負極170と接続され得る。
【0108】
前記複数の連結バスバー230は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され得る。さらに、前記複数の連結バスバー230は、前記バスバーアセンブリ200の長手方向(X軸方向)において、前記メイン正極バスバー210と前記メイン負極バスバー220との間に配置され得る。
【0109】
前記複数の連結バスバー230はそれぞれ、レイヤボディ242及び電極連結部246、248を含み得る。
【0110】
前記レイヤボディ242は、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)に沿って所定の長さで形成され得る。このようなレイヤボディ242は、前記バッテリーセル150との電気的接続のため、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)におけるバッテリーセル150の配置構造に対応する形状で備えられ得る。
【0111】
前記レイヤボディ242は、導電性材質からなり得る。例えば、前記レイヤボディ242は、金属材質、例えばアルミニウムまたは銅材質からなり得る。しかし、これに限定されず、前記レイヤボディ242は、電気的接続のためのその他の材質を含んでもよい。
【0112】
前記レイヤボディ242の底部には、支持レイヤが備えられ得る。前記支持レイヤは、前記レイヤボディ242の底部(-Z軸方向)に備えられ、前記レイヤボディ242を支持することができる。このような支持レイヤは、前記レイヤボディ242に対応する形状を有し得、前記レイヤボディ242の底部(-Z軸方向)に接触して固定され得る。
【0113】
前記支持レイヤは、前記複数のバッテリーセル150と前記レイヤボディ242との間の短絡を防止できるように絶縁材質からなり得る。例えば、前記支持レイヤは、ポリイミドフィルムを含み得る。しかし、これに限定されず、前記支持レイヤが絶縁材質からなるその他の絶縁部材を含み得ることは勿論である。
【0114】
前記電極連結部246、248は、前記レイヤボディ242から突出し、前記バッテリーセル150の正極175及び負極170と連結され得る。具体的には、前記電極連結部246、248は、正極連結部(電極連結部)246及び負極連結部(電極連結部)248を含み得る。
【0115】
前記正極連結部246は、複数個備えられ、前記レイヤボディ242の一側(+X軸方向)に所定の大きさで突出し、前記レイヤボディ242の長手方向(Y軸方向)に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0116】
前記複数の正極連結部246は、前記バスバーアセンブリ200の下側(-Z軸方向)に配置される前記バッテリーセルアセンブリ100の前記バッテリーセル150の前記正極175と電気的に接続され得る。電気的接続は、レーザー溶接や超音波溶接のような電気的接続のための溶接工程などを通じて行われ得る。
【0117】
前記負極連結部248は、複数個備えられ、前記レイヤボディ242の他側(-X軸方向)に所定の大きさで突出し、前記レイヤボディ242の長手方向(Y軸方向)に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0118】
前記複数の負極連結部248は、前記バスバーアセンブリ200の下側(-Z軸方向)に配置される前記バッテリーセルアセンブリ100の前記バッテリーセル150の前記負極170と電気的に接続され得る。電気的接続は、レーザー溶接や超音波溶接のような電気的接続のための溶接工程などを通じて行われ得る。
【0119】
前記クーリングユニット挿入スリット250は、メインバスバー220に備えられ、後述するクーリングユニット300の一端部370を通過させ得る。具体的には、クーリングユニット挿入スリット250は、前記メイン負極バスバー220に複数個備えられ、後述するクーリングユニット300の冷却水流出入部(一端部)370を通過させ得る。後述する冷却水流出入部370は、前記クーリングユニット挿入スリット250を通過して、後述するコネクタ270と共に、前記メインバスバー220の前方(+X軸方向)に露出するように配置され得る。
【0120】
前記一対のコネクタ260、270は、外部充放電ラインとの連結のためのものであって、正極コネクタ260及び負極コネクタ270を含み得る。前記正極コネクタ260は前記メイン正極バスバー210の一側(-X軸方向)に突設され、前記負極コネクタ270は前記メイン負極バスバー220の他側(+X軸方向)に突設され得る。
【0121】
図2をさらに参照すると、前記クーリングユニット300は、前記バッテリーセルアセンブリ100の冷却のためのものであって、前記バスバーアセンブリ200の下側(-Z軸方向)に配置され、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)に沿って前記複数のバッテリーセル150同士の間に配置され得る。
【0122】
このようなクーリングユニット300は、複数個備えられ得る。
【0123】
前記複数のクーリングユニット300は、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)において、前記複数のバッテリーセル150と対向するように配置され得る。ここで、前記複数のクーリングユニット300は、冷却性能を高めるため、対向するバッテリーセル150と接触するように配置され得る。
【0124】
以下、このようなクーリングユニット300についてより具体的に説明する。
【0125】
図7は
図2に示されたクーリングユニットの斜視図であり、
図8は
図7に示されたクーリングユニットの断面図である。
【0126】
図7、
図8、及び
図2をさらに参照すると、前記クーリングユニット300は、冷却チューブ310、冷却流路350、及び冷却水流出入部370を含み得る。
【0127】
前記冷却チューブ310は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)に沿って所定の長さで形成され、前記複数のバッテリーセル150同士の間に配置され、内部に後述する冷却水の循環のための冷却流路350が設けられ得る。
【0128】
前記冷却チューブ310は、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)において、対向する前記複数のバッテリーセル150の外面に対応する形状で形成され得る。
【0129】
このような冷却チューブ310は、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)に向かって凹凸状に形成される複数の凸部312と凹部316とが、前記バッテリーセルアセンブリの長手方向(X軸方向)に沿って交互に配置されるように形成され得る。
【0130】
前記冷却チューブ310は、前記バッテリーセルアセンブリ100の冷却性能をさらに高めるため、前記複数のバッテリーセル150の外面に接触するように配置され得る。このような冷却チューブ310は、後述する充填部材500または別途の接着部材などを通じて前記複数のバッテリーセル150に接着固定され得る。
【0131】
前記冷却流路350は、前記バッテリーセルアセンブリ100の冷却のための冷却水を循環させ、前記冷却チューブ310内に備えられ、後述する冷却水流出入部370と連通するように連結され得る。
【0132】
このような冷却流路350は、上側流路352、下側流路354、及び連結流路356を含み得る。
【0133】
前記上側流路352は、前記バスバーアセンブリ200の近くに備えられるように前記冷却チューブ310の上側に配置され、前記冷却チューブ310の長手方向(X軸方向)に沿って所定の長さで形成され得る。このような上側流路352は、前記冷却水流出入部370の前記冷却水供給ポート374と連通するように連結され得る。
【0134】
前記上側流路352は、少なくとも一つ備えられ得る。以下、本実施例では、冷却性能の確保のため、前記上側流路352が複数個備えられることに限定して説明する。
【0135】
前記下側流路354は、少なくとも一つの前記上側流路352と離隔して前記冷却チューブ310の下側(-Z軸方向)に配置され、前記冷却チューブ310の長手方向(X軸方向)に沿って所定の長さで形成され得る。このような下側流路354は、前記冷却水流出入部370の前記冷却水排出ポート376と連通するように連結され得る。
【0136】
前記下側流路354は、少なくとも一つ備えられ得る。以下、本実施例では、冷却性能の確保のため、前記下側流路354が複数個備えられることに限定して説明する。
【0137】
前記連結流路356は、少なくとも一つの前記上側流路、本実施例の場合、複数の上側流路352と、少なくとも一つの前記下側流路、本実施例の場合、複数の下側流路354とを連結し得る。
【0138】
前記連結流路356は、前記冷却流路350を最大限に確保できるように、前記冷却水流出入部370の反対側である前記冷却チューブ310の他端部(+X軸方向)に備えられ得る。
【0139】
本実施例の場合、前記冷却流路350における冷却水循環の際、前記冷却水供給ポート374から供給された冷却水が前記バスバーアセンブリ200の近くに配置される前記上側流路352にまず供給された後、前記連結流路356、前記下側流路354を通って前記冷却水排出ポート376側に流動する。
【0140】
これにより、本実施例では、前記バッテリーパック10内において相対的に高い温度分布を有する前記バスバーアセンブリ200の付近領域に冷たい冷却水が優先的に供給されるため、前記バッテリーセルアセンブリ100の冷却性能を著しく向上させることができる。
【0141】
前記冷却水流出入部370は、前記冷却チューブ310の前記冷却流路350と連通するように前記冷却チューブ310と連結され得る。このような冷却水流出入部370は、前記クーリングユニット挿入スリット250を通過して外部冷却ラインと連通するように連結され得る。
【0142】
前記冷却水流出入部370は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)において一側面(+X軸方向)に備えられ得る。前記冷却水流出入部370と連結される前記冷却チューブ310は、前記冷却水流出入部370から前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)において前記バッテリーセルアセンブリ100の他側面(-X軸方向)に向かって所定の長さで形成され得る。
【0143】
前記冷却水流出入部370は、流出入部ボディ372、冷却水供給ポート374、及び冷却水排出ポート376を含み得る。
【0144】
前記流出入部ボディ372は、前記冷却チューブ310の一端部(+X軸方向)と連結され得る。前記流出入部ボディ372の上側(+Z軸方向)には、後述する連結パイプ390が備えられ得る。
【0145】
前記冷却水供給ポート374は、前記流出入部ボディ372に備えられ、前記上側流路352と連通するように連結され得る。このような冷却水供給ポート374は、前記外部冷却ラインと連通するように連結され得る。
【0146】
前記冷却水排出ポート376は、前記流出入部ボディ372に備えられ、前記下側流路354と連通するように連結され得る。このような冷却水排出ポート376は、前記冷却水供給ポート374と所定の距離だけ離隔して配置され、前記外部冷却ラインと連通するように連結され得る。
【0147】
図2をさらに参照すると、前記セル収容ユニット400は、前記バッテリーセルアセンブリ100の剛性を確保するためのものであって、ハニカム状で配列され得る。前記セル収容ユニット400は、前記クーリングユニット300及び前記バッテリーセルアセンブリ100を少なくとも部分的に囲むように配置され得る。このようなセル収容ユニット400は、前記クーリングユニット300と共に前記複数のバッテリーセル150を区画することができる。
【0148】
図9は、
図2に示されたセル収容ユニットの斜視図である。
【0149】
図9及び
図2をさらに参照すると、前記セル収容ユニット400は、最外郭の両側に前記バッテリーセルアセンブリ100の剛性を補強するための補強構造が備えられ得る。
【0150】
前記補強構造は、前記セル収容ユニットの外側に突出した角形凹凸構造で設けられ得る。例えば、前記補強構造は三角柱状または台形柱状であり得る。すなわち、本実施例では、前記補強構造が備えられた前記セル収容ユニット400の最外郭の両側が、曲面形状ではなく、突出した角形凹凸構造で形成され得る。このような補強構造は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)に沿って連続的に形成され得る。もし、最外郭面を凹をなした曲面で形成する場合、最外郭側のセル収容ユニット400の厚さが減少して剛性確保の面で不利であり、凸をなした曲面で形成する場合、最外郭面が厚くなって最外郭側で適切なレジン注入量を確保し難くなるおそれがある。本実施例では、上述した角形凹凸構造を通じて、剛性確保とともに最外郭側でも最適のレジン注入量を確保することができる。
【0151】
前記セル収容ユニット400は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)に沿って所定の長さで形成され、前記バッテリーセル150の少なくとも一側面を覆う少なくとも一つの収容部材450を含み得る。このような少なくとも一つの収容部材450は、対向する複数のバッテリーセル150を収容できるように、対向するバッテリーセル150の外面に対応する形状を有し得る。
【0152】
前記収容部材450は、複数個備えられ、前記複数の収容部材450は、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)に沿って相互に所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0153】
前記複数の収容部材450同士の間には前記クーリングユニット300が配置され得る。具体的には、前記クーリングユニット300は、前記バッテリーセルアセンブリ100の幅方向(Y軸方向)において、前記複数の収容部材450同士の間に配置され得る。より具体的には、前記クーリングユニット300の前記複数の冷却チューブ310(
図7を参照)が前記複数の収容部材450同士の間に配置され得る。
【0154】
このような複数の収容部材450は、前記バッテリーセルアセンブリ100及び前記クーリングユニット300の剛性を確保すると同時に、前記バッテリーパック10内で所定の空間を占めることで、後述する充填部材500の注入量を減らすことができる。後述するシリコーン樹脂を含む充填部材500の場合、相対的に高価であるため、前記複数の収容部材450を通じてシリコーン樹脂の注入量を減らすことで、前記バッテリーパック10の製造時の価格競争力をさらに確保することができる。
【0155】
それぞれの収容部材450は、複数のセル収容部455を含み得る。
【0156】
前記複数のセル収容部455は、対向するバッテリーセル150を少なくとも部分的に収容するためのものであって、前記収容部材450内に前記バッテリーセル150を収容するとき、対向するバッテリーセル150に対応する位置に対応する個数で設けられ得る。
【0157】
前記複数のセル収容部455は、対向するバッテリーセル150の外面に対応する形状を有し、対向するバッテリーセル150の外面を少なくとも部分的に収容できるように、所定の深さを有するように形成され得る。具体的には、前記複数のセル収容部455は、所定の深さを有するように凹状に形成され得、対向するバッテリーセル150の外側面に対応する形状を有し得る。
【0158】
前記複数のセル収容部455に前記バッテリーセル150を収容するとき、前記バッテリーセル150の固定力を高めるため、前記バッテリーセル150と前記セル収容部455との間には接着剤が塗布され得る。一方、ここで、前記接着剤は、所定の接着力を有する接着物質や接着テープであり得、後述する充填部材500を接着剤として用いてもよい。すなわち、前記接着剤は、ポッティング樹脂を含み得る。
【0159】
一方、最外郭に配置される収容部材450の間に配置される収容部材450には、前記複数のセル収容部455が幅方向(Y軸方向)の両側に備えられ得る。ここで、各収容部材450の幅方向(Y)の両側に設けられるセル収容部455は、前記収容部材450の長手方向(X軸方向)に沿って互いにずれて配置され得る。これは、円筒形のバッテリーセル150の収容個数を最大限に確保するためである。
【0160】
図2をさらに参照すると、前記充填部材500は、前記バッテリーパック10の高さ方向(Z軸方向)において、前記クーリングユニット300と前記複数のバッテリーセル150との間の空間に満たされ得る。
【0161】
一方、
図2においては、理解の便宜上、前記充填部材500が直方体状の点線で示されているが、前記充填部材500は、前記クーリングユニット300と前記複数のバッテリーセル150との間の空間にすべて満たされ得る。
【0162】
このような充填部材500は、前記バッテリーセル150の熱暴走を防止し、前記バッテリーセル150をより安定的に固定し、前記複数のバッテリーセル150の熱分散効率を高めて前記バッテリーセル150の冷却性能をさらに向上させることができる。
【0163】
前記充填部材500は、ポッティング樹脂(potting resin)を含み得る。前記ポッティング樹脂は、緩いレジン物質を前記複数のバッテリーセル150側に注入して硬化させることで形成し得る。ここで、前記レジン物質の注入は、前記複数のバッテリーセル150の熱損傷を防止するため、約15℃~25℃の常温状態で行われ得る。
【0164】
具体的には、前記充填部材500は、シリコーン樹脂を含み得る。しかし、これに限定されず、前記充填部材500は、前記シリコーン樹脂の他にも、前記バッテリーセル150の固定及び熱分散効率を向上可能なその他のレジン物質を含んでもよい。
【0165】
より具体的には、前記充填部材500は、前記バッテリーセル150において前記冷却チューブ310と接触していない部分を覆うことで、前記バッテリーセル150の熱平衡をガイドし、前記バッテリーセル150の冷却のバラツキを防止して前記バッテリーセル150の局所的な退化を防止することができる。また、バッテリーセル150の局所的な退化を防止することで、前記バッテリーセル150の安全性も著しく向上することができる。
【0166】
また、前記充填部材500は、前記複数のバッテリーセル150のうちの少なくとも一つの特定のバッテリーセル150で異常状況による破損などが発生したとき、隣接したバッテリーセル150側への通電を防止する絶縁体の役割を果たすことができる。
【0167】
また、前記充填部材500は、高い比熱性能を有する材質を含み得る。これにより、前記充填部材500は、熱容量(thermal mass)を増加させて、前記バッテリーセル150の急速充放電などのような状況でも前記バッテリーセル150の温度上昇を遅延させることで、前記バッテリーセル150の急激な温度上昇を防止することができる。
【0168】
また、前記充填部材500は、ガラスバブル(glass bubble)を含み得る。前記ガラスバブルは、前記充填部材500の比重を低めて重量に対するエネルギー密度を高めることができる。
【0169】
また、前記充填部材500は、高い耐熱性能を有する材質を含み得る。これにより、前記充填部材500は、前記複数のバッテリーセル150のうちの少なくとも一つの特定のバッテリーセル150で過熱などによる熱的イベントが発生したとき、隣接したバッテリーセル側への熱暴走を効果的に防止することができる。
【0170】
また、前記充填部材500は、高い難燃性能を有する材質を含み得る。これにより、前記充填部材500は、前記複数のバッテリーセル150のうちの少なくとも一つの特定のバッテリーセル150で過熱などによる熱的イベントが発生したとき、火災発生の危険性を最小化することができる。
【0171】
前記充填部材500は、前記バッテリーセル150の他にも、前記バスバーアセンブリ200にも満たされ得る。具体的には、前記充填部材500は、前記バスバーアセンブリ200を少なくとも部分的に覆うように前記バスバーアセンブリ200に満たされ得る。
【0172】
ここで、前記充填部材500は、前記バッテリーセルアセンブリ100の上下方向(Z軸方向)において、前記バスバーアセンブリ200と前記バッテリーセル150との間に断絶空間や離隔空間なしに、前記バスバーアセンブリ200と前記バッテリーセル150との間に連続的に満たされ得る。
【0173】
このような充填部材500は、前記複数のバッテリーセル150と前記バスバーアセンブリ200とをより安定的に固定することができる。さらに、前記充填部材500は、熱的イベントなどによって前記バッテリーセル150の上側で火炎などが発生しても、隣接した周辺のバッテリーセル150及び前記バスバーアセンブリ200側への火炎と熱の拡散を効果的に防止することができる。
【0174】
このように、本実施例による前記充填部材500は、前記バッテリーセル150と前記バスバーアセンブリ200とに断絶することなく連続的に満たされるため、前記バッテリーセル150と前記バスバーアセンブリ200との間の領域で熱分散のバラツキがなく均一な熱分散を具現し、前記バッテリーパック10の冷却性能を著しく高めることができる。
【0175】
さらに、前記充填部材500は、後述するセル収容ユニット400をすべて覆うように満たされ得る。ここで、前記充填部材500は、前記バッテリーセル150、前記バスバーアセンブリ200、及び前記セル収容ユニット400に断絶することなく連続的に満たされ得る。これにより、前記バッテリーパック10の冷却性能をさらに向上させることができる。また、前記充填部材500は、前記セル収容ユニット400の補強構造を覆うように満たされ得る。
【0176】
また、前記充填部材500は、後述するセル支持部600を少なくとも部分的に覆うように満たされ得る。ここで、前記充填部材500は、前記バッテリーセル150、前記バスバーアセンブリ200、前記クーリングユニット300及び前記セル収容ユニット400に断絶することなく連続的に満たされ得る。これにより、前記バッテリーパック10の冷却性能がさらに向上することができる。
【0177】
ここで、前記充填部材500は、前記バッテリーセル150、前記バスバーアセンブリ200、前記クーリングユニット300、前記セル収容ユニット400及び前記セル支持部600に断絶することなく連続的に満たされ得る。これにより、前記バッテリーパック10の冷却性能がさらに向上することができる。
【0178】
また、前記充填部材500は、前記バッテリーセル150同士の間をすべて充填するように満たされるため、特定バッテリーセルに熱的イベントが発生したとき、隣接したバッテリーセル150側への熱暴走の拡散を効果的に防止することができる。
【0179】
図2をさらに参照すると、前記バッテリーパック10は、セル支持部600をさらに含み得る。
【0180】
前記セル支持部600は、前記セル収容ユニット400の下側に備えられ、前記バッテリーセルアセンブリ100及び前記クーリングユニット300を支持することができる。このようなセル支持部600は、前記セル収容ユニット400と共に前記バッテリーセルアセンブリ100を支持することができる。具体的には、前記セル支持部600は前記バッテリーセル150の底部を支持し、前記セル収容ユニット400は前記バッテリーセル150の側面部を支持することができる。
【0181】
前記セル支持部600は、前記セル収容ユニット400に垂直に配置され得る。具体的には、前記セル支持部600は、前記セル収容ユニット400と垂直に結合され、前記セル収容ユニット400と共に前記バッテリーパック10の剛性を確保することができる。
【0182】
以下、このようなセル支持部600についてより具体的に説明する。
【0183】
図10は
図2に示されたセル支持部の斜視図であり、
図11は
図10に示されたセル支持部の他の実施例による支持リブを説明するための図である。
【0184】
図10を参照すると、前記セル支持部600は、セル載置部610及び支持リブ630を含み得る。
【0185】
前記セル載置部610には、前記複数のバッテリーセル150が載置されるか又は挿着され得る。
【0186】
具体的には、前記セル載置部610は、所定の大きさの開口で形成され、前記複数のバッテリーセル150の個数に対応するように複数個備えられ得る。ここで、前記開口は、前記バッテリーセル150の直径を超えない大きさを有し得る。前記セル載置部610は、前記バッテリーセル150の支持をガイドすると共に、前記開口を通じて前記バッテリーセル150の底部のベント部からのガス排出をより円滑に且つ迅速にガイドすることができる。
【0187】
前記支持リブ630は、前記セル支持部600の上面に備えられ、前記セル収容ユニット400の底部を支持するように所定の高さで突出し得る。このような支持リブ630は、前記バッテリーセルアセンブリ100の長手方向(X軸方向)に沿って所定の長さで形成され得る。
【0188】
前記支持リブ630は、複数個備えられ、複数の支持リブ630同士の間には、前記クーリングユニット300、具体的には、前記クーリングユニット300の前記冷却チューブ310が配置され得る。これにより、前記冷却チューブ310は、前記セル支持部600の上面で前記支持リブ630同士の間に載置され得る。ここで、前記冷却チューブ310の底面は、前記支持リブ630と段差を設けて配置され得る。したがって、前記支持リブ630は、前記冷却チューブ310において振動のような流動が発生しても、前記支持リブ630の外側へと前記冷却チューブ310が離脱することなどを効果的に防止することができる。
【0189】
前記複数の支持リブ630には、前記セル収容ユニット400の底部が載置され得る。前記複数の支持リブ630の上面には、前記セル収容ユニット400をより安定的に支持できるように、熱接着剤などの接着部材が塗布され得る。
【0190】
図11を参照すると、前記セル支持部605の複数の支持リブ650には、前記セル収容ユニット400の底部が挿入される所定の深さの挿入溝655が備えられ得る。
【0191】
前記挿入溝655は、前記セル支持部605の上側(+Z軸方向)に突出した支持リブ650の内部に所定の深さで備えられ得、前記セル収容ユニット400の底部が挿入可能な大きさを有し得る。前記セル収容ユニット400は、前記セル支持部605に固定されるとき、前記支持リブ650の前記挿入溝655に挿入されることで、より安定的な前記セル支持部605への固定が可能である。
【0192】
図12は、
図1に示されたバッテリーパックの充填部材を通じたパックケース構造の形成を説明するための図である。
【0193】
図12を参照すると、作業者などは、レジン注入装置Iを用いて前記充填部材500を注入及び塗布することで、前記レジン物質を含む前記充填部材500を通じて前記バッテリーパック10のパックケースを形成し得る。ここで、前記充填部材500は、前記シリコーン樹脂を含み得る。
【0194】
このとき、前記充填部材500をより円滑に注入及び塗布するため、前記バッテリーセルアセンブリ100、前記バスバーアセンブリ200、前記クーリングユニット300、前記セル収容ユニット400、及び前記セル支持部600を組み立てた後、前記充填部材500の注入をガイドするための型枠(図示せず)に臨時的に取り付け得る。ここで、前記型枠は、前記パックケースの形状に対応する形状を有し得、前記正極コネクタ260、前記負極コネクタ270、前記冷却水流出入部370、及び前記セル支持部600の一端部などのように外部装置などと連結される構成部品などを外部に露出させる形状を有し得る。
【0195】
前記型枠内で前記充填部材500が硬化すれば、前記充填部材500は、前記バッテリーパック10の外観を形成するパックケースを形成し、その後、作業者などは前記型枠を除去し得る。
【0196】
これにより、本実施例では、前記ポッティング樹脂を含む前記充填部材500を通じて前記パックケースを形成するため、従来のように複数のプレートの複雑な組立体としてパックケースを形成する場合よりも、前記バッテリーパック10の組立工程を単純化でき、製造コストを著しく下げて価格競争力も確保することができる。
【0197】
さらに、本実施例によれば、前記充填部材500で形成されるパックケース構造を通じて、複数のプレートの組立体で構成される従来のセルフレーム構造に比べて、全体的なバッテリーパック10のサイズを減少できてエネルギー密度も著しく高めることができる。
【0198】
図13はセル収容ユニットの他の実施例を説明するための図であり、
図14は
図13に示されたセル収容ユニットの要部の拡大図である。
【0199】
本実施例によるセル収容ユニット405は、上述した実施例の前記セル収容ユニット400と類似するため、上述した実施例と実質的に同一または類似の構成については重なる説明を省略し、以下、上述した実施例との相違点を中心に説明する。
【0200】
図13及び
図14を参照すると、前記セル収容ユニット405は、複数の収容部材460を含み得る。前記複数の収容部材460は、上述した実施例と同様に、複数のセル収容部465を含み得る。これについてはセル収容ユニット400で詳述したため、以下、重なる説明は省略する。
【0201】
前記複数の収容部材460のうちの最外郭の両側に配置される収容部材460には、ガイド段467が備えられ得る。
【0202】
前記ガイド段467は、前記最外郭の両側に配置される収容部材460の長手方向(X軸方向)に沿って両側上端部に所定の高さで突設され得る。このようなガイド段467は、前記収容部材460の組立が完了したとき、前記セル収容ユニット405の長手方向(X軸方向)において所定の縁部を形成し得る。
【0203】
このようなガイド段467は、後述する充填部材500の注入時に、充填部材500の注入正確性を高め、注入工程の効率も高めることができる。
【0204】
図15は、
図13のセル収容ユニットが備えられたバッテリーパックにおいて、充填部材を通じたパックケース構造の形成を説明するための図である。
【0205】
図15を参照すると、作業者などが型枠及びレジン注入装置Iを用いて前記シリコーン樹脂を含む充填部材500を注入及び塗布するとき、前記ガイド段467によって前記充填部材500の注入正確度が向上できる。
【0206】
具体的には、前記ガイド段467は、前記セル収容ユニット405の長手方向において、前記セル収容ユニット405の上面の縁部に所定の高さで備えられ、前記バスバーアセンブリ200の上面より高くなり得る。作業者などは、前記セル収容ユニット405の上下方向(Z軸方向)において、前記ガイド段467の高さと前記バスバーアセンブリ200の高さとの差だけ前記充填部材500を注入し得る。前記ガイド段467がない場合は、作業者などが前記バスバーアセンブリ200を十分に覆う程度の充填部材500の適切な注入量を確認し難い。
【0207】
本実施例の場合、前記バスバーアセンブリ200を覆うため充填部材500を注入するとき、上述したガイド段467を通じてガイドされる所定の高さだけ前記充填部材500を注入すればよいため、作業者による注入正確度及び注入効率を著しく高めることができる。また、作業者などは、前記ガイド段467を通じて、前記充填部材500の注入終了時点をより容易に確認することができる。
【0208】
したがって、作業者などは、前記充填部材500の注入工程において、注入正確度を高め、工程時間も短縮することができる。また、前記充填部材500の最適な注入量も確保することができ、前記バッテリーパック10の製造コストを下げて価格競争力も著しく高めることができる。
【0209】
図16は、本発明の他の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【0210】
図16を参照すると、自動車1は、電気自動車またはハイブリッド自動車であり得、エネルギー源として、上述したバッテリーパック10を少なくとも一つ含み得る。
【0211】
本実施例の場合、上述した前記バッテリーパック10が高いエネルギー密度を有するコンパクトな構造で備えられるため、自動車1に搭載されたとき、複数のバッテリーパック10のモジュール化構造を具現し易く、前記自動車1の多様な形状の内部空間においても相対的に高い搭載自由度を確保することができる。
【0212】
以上のような多様な実施例によって、エネルギー密度を向上させると共に剛性を確保できるバッテリーパック10及びそれを含む自動車1を提供することができる。
【0213】
また、以上のような多様な実施例によって、価格競争力及び製造効率を向上できるバッテリーパック10及びそれを含む自動車1を提供することができる。
【0214】
さらに、以上のような多様な実施例によって、冷却性能を向上できるバッテリーパック10及びそれを含む自動車1を提供することができる。
【0215】
以上、本発明の望ましい実施形態を図示し説明したが、本発明が上述した特定の実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0216】
100 バッテリーセルアセンブリ
150 バッテリーセル
200 バスバーアセンブリ
300 クーリングユニット
400、405 セル収容ユニット