(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】飲料分配システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2023096967
(22)【出願日】2023-06-13
(62)【分割の表示】P 2020548746の分割
【原出願日】2019-03-11
【審査請求日】2023-06-13
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512187550
【氏名又は名称】グリノン・インダストリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スプリンガー、ジョシュア
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-517188(JP,A)
【文献】特表2017-518550(JP,A)
【文献】特表2014-502751(JP,A)
【文献】特開2014-019454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
G07F 13/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルフサービス飲料クライアント・サーバシステムであって、
少なくとも部分的にモバイルデバイスの一次メモリから実行され、モバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザ内にセルフサービスグラフィカルユーザインタフェース(セルフサービスGUI)を表示するように構成されたモバイルウェブアプリケーションであって、前記セルフサービスGUIが、
少なくとも飲料の種類、飲料のブランド、飲料の量、及び飲料の値段から選択される、消費者が選択可能な複数のセルフサービス飲料オプションと、
セルフサービス飲料オプションと結びつけられた1つ以上の支払い処理オプションと、を含む、モバイルウェブアプリケーションと、
飲料分配システムの組込みシステムの1つ以上のプログラムであって、該1つ以上のプログラムは、少なくとも部分的に、前記組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ及び前記組込みシステムのバルブ制御モジュールの一次メモリから実行されるように構成され、少なくとも前記中央モジュールの支払い処理プログラム及び前記バルブ制御モジュールのバルブ制御プログラムを含む、1つ以上のプログラムと、
少なくとも部分的に、バックエンドシステムの少なくとも1つのサーバホストの一次メモリから実行されるように構成されるアプリケーションスタックであって、ウェブサーバ、モバイルウェブアプリケーションを提供するように構成されたアプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びデータベースを含むアプリケーションスタックと、を備え、
前記1つ以上のプログラムは、前記バルブ制御モジュールに関する飲料分配に関連する機能を前記中央モジュールに実行させるように構成されるプログラムを含む、セルフサービス飲料クライアント・サーバシステム。
【請求項2】
前記中央モジュールが、二次メモリに記憶された少なくとも前記支払い処理プログラムを備えるマイクロコントローラ、外部ネットワーキングのために構成された1つ以上のネットワーキングインタフェース、及び1つ以上の電源コネクタ、から選択される表面実装部品を備えるプリント回路基板アセンブリを含む、請求項1に記載のセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のネットワーキングインタフェースが、
イーサネット(登録商標)ポート及び関連するマイクロチップを含む1つ以上の有線ネットワーキングインタフェース、
1つ以上の送受信機またはトランシーバと、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、もしくはそれらの組み合わせ、のために構成された少なくとも1つの関連するマイクロチップと、を備える、1つ以上の無線ネットワーキングインタフェース、及び
それらの組み合わせ、
からなるグループから選択される、請求項2に記載のセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のネットワーキングインタフェースのうちの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースが、1つ以上のPOSサービスプロバイダ、1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダ、もしくはその両方と通信するように構成され、
前記飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応した1つ以上のバルブ作動アセンブリが、前記1つ以上のPOSサービスプロバイダによって1つ以上の飲料についての支払いが正常に処理されるまで、身元または年齢確認サービスプロバイダもしくは無線ID(RFID)タグによって消費者の年齢が確認されるまで、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによって消費者の場所が確認されるまで、もしくはそれらの組み合わせが完了するまで、ロックされたままであるように構成される、請求項2に記載のセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム。
【請求項5】
前記中央モジュールが、位置確認のために、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによる消費者のグローバルポジションとの比較のために、飲料分配システムのグローバルポジションを決定するように構成されたGPSアンテナ及びGPSプロセッサを含む全地球測位システム(GPS)受信機を含む、請求項4に記載のセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム。
【請求項6】
セルフサービスで飲料を提供する方法であって、
モバイルウェブアプリケーションをモバイルデバイスの一次メモリ内でインスタンス化することと、
前記モバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザ内にセルフサービスグラフィカルユーザインタフェース(セルフサービスGUI)を表示することであって、前記セルフサービスGUIが、
少なくとも飲料の種類、飲料のブランド、飲料の量、及び飲料の値段から選択される、消費者が選択可能な複数のセルフサービス飲料オプションと、
前記セルフサービス飲料オプションと結びつけられた1つ以上の支払い処理オプションと、を含む、セルフサービスGUIを表示することと、
支払い処理プログラムを、飲料分配システムの組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ内でインスタンス化することと、
バルブ制御プログラムを、前記飲料分配システムの前記組込みシステムのバルブ制御モジュールの一次メモリ内でインスタンス化することと、
少なくとも部分的に、バックエンドシステムの少なくとも1つのサーバホストの一次メモリ内でアプリケーションスタックをインスタンス化することであって、前記アプリケーションスタックは、ウェブサーバ、モバイルウェブアプリケーションを提供するように構成されたアプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びデータベースを含む、アプリケーションスタックをインスタンス化することと、
前記バルブ制御モジュールに関する飲料分配に関連する機能を実行するためのプログラムを、前記中央モジュールの前記一次メモリ内でインスタンス化することと、を備えるセルフサービスで飲料を提供する方法。
【請求項7】
前記中央モジュールの1つ以上のネットワーキングインタフェースの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースと、1つ以上のPOSサービスプロバイダとで通信することと、
前記1つ以上のPOSサービスプロバイダを介して前記支払い処理プログラムによって1つ以上の飲料に対する支払いが正常に処理されるまで、前記飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリを、前記バルブ制御プログラムによってロックされたまま保持することと、をさらに備える請求項6に記載のセルフサービスで飲料を提供する方法。
【請求項8】
1つ以上の飲料に対して消費者の年齢が正常に確認されるまで、前記飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリを前記バルブ制御プログラムによってロックされたまま保持することをさらに備え、
前記消費者の年齢は、前記中央モジュールの1つ以上のネットワーキングインタフェースの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースと、1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダとの通信により確認される、もしくは、
前記消費者の年齢は、消費者が身につけた無線ID(RFID)タグを前記中央モジュールのRFIDタグ読み取り機で読み取ることにより確認される、請求項6に記載のセルフサービスで飲料を提供する方法。
【請求項9】
GPSアンテナ及びGPSプロセッサを含む前記中央モジュールの全地球測位システム(GPS)受信機によって、前記飲料分配システムのグローバルポジションを決定することと、
消費者に関連付けられたモバイルデバイスが前記モバイルウェブアプリケーションを介して前記飲料分配システムと共有している場所によって消費者のグローバルポジションを決定することと、
消費者のグローバルポジションと前記飲料分配システムのグローバルポジションとが、同じグローバルポジションであることが確認されるまで、前記飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリを前記バルブ制御プログラムによってロックされたまま保持することと、をさらに備える請求項6に記載のセルフサービスで飲料を提供する方法。
【請求項10】
1つ以上の飲料が飲料容器、消費者、または時間単位ごとにどれだけの量注がれたかを、前記飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応している1つ以上の飲料流量計、前記支払い処理プログラム、前記飲料分配システムの前記中央モジュールのリアルタイムクロック、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定すること、
前記飲料分配システムの空樽検出器からのデータを用いて、空樽についての前記モバイルウェブアプリケーションを介して、前記飲料分配システムの所有者または借主へ警告すること、
1つ以上の任意の飲料の温度を、1つ以上の飲料温度センサ、前記支払い処理プログラム、前記リアルタイムクロック、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定すること、
各飲料が提供された時刻を、前記支払い処理プログラム及び前記リアルタイムクロックからのデータを用いて決定すること、もしくは、
前記飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応する1つ以上の透明物体検出器からのデータを用いて、前記飲料分配システムの1つ以上の飲料ラインが清掃される必要があることを所有者または借主へ警告すること、をさらに備える請求項6に記載のセルフサービスで飲料を提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料分配システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
缶やボトルから段ボール箱や木樽まで、様々な種類の容器は、飲料を保持するようにデザインされている。飲料は大きな容器に貯蔵され、消費量に応じて注ぎ口、ホース、蛇口、ファウンテン等を介して相対的に小さな容器に移され得る。このような移し替え方法は、飲料容器の上部から、または既に飲料容器内に入っている飲料の表面を通して飲料容器に充填する。しかしながら、飲料容器の上部から飲料容器を充填する方法は炭酸飲料の泡を増やし得る。過剰な泡を減らすため、飲料を注ぐ人は一般的に飲料容器から泡をあふれ出させる。そのため、飲料を無駄にしている。あるいは、飲料を注ぐ人は過剰な泡が落ち着くまで待つことができる。これは余分な時間と注意を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上部充填式の飲料分配システム及びその方法は一般的に、飲料を注ぐ人に、飲料容器を適切に配置する、飲料の流入を開始する、飲料の流入を停止する、飲料分配システムから飲料容器を取り出す、を含むいくつもの動作を行うことを要求する。各動作は調整と、通常は充填プロセスの間の飲料容器との物理的な接触を必要とする。さらに、上部充填式の飲料分配システムはしばしばカウンターやサービングエリアのスペースの多くを占め、操作や制御に注意を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで開示されているのは、上部充填式の飲料分配システム及びその方法についての前述した問題に対処する飲料分配システム及びその方法である。
ここで開示されているのは、いくつかの実施形態では、分配プラットホームを含むハウジングと、少なくとも部分的に分配プラットホームの下方に位置する1つ以上のバルブと、ハウジングの1つ以上の切り抜き部にそれぞれ配置される1つ以上のバルブ制御モジュールと、1つ以上のバルブ制御モジュール及び1つ以上のバルブ制御モジュールに通信可能に結合された中央モジュールを含む組込みシステムと、を含む飲料分配システムである。各バルブは、同バルブから分配プラットホームの対応する開口を通って延びて、飲料分配システムで用いられる底部充填式の飲料容器に結合するように構成された飲料容器カプラを含む。各バルブ制御モジュールは、1つ以上のバルブのうちの対応するバルブを制御するように構成された1つ以上のボタンを有する、ユーザインタフェース用の使用者に向いたタッチパッドを含む。組込みシステムは、飲料分配及び飲料分配に関わる分析、通信、支払い処理、もしくはそれらの組み合わせのために構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、1つ以上のバルブ制御モジュールの各バルブ制御モジュールは、表面実装部品を備えるプリント回路基板アセンブリを有する。表面実装部品は、メモリに記憶された少なくともバルブ制御プログラムを備えるマイクロコントローラ、バルブ作動アセンブリのソレノイドを接続し制御するように構成されたソレノイドコネクタ、それぞれ1つ以上のセンサを接続し制御するように構成された1つ以上のセンサコネクタ、バルブ制御モジュールから少なくともセンサデータを送信するように構成された1つ以上のデータポート、及び1つ以上の電源コネクタ、から選択される。
【0006】
いくつかの実施形態では、中央モジュールは表面実装部品を備えるプリント回路基板アセンブリを有する。表面実装部品は、メモリに記憶された飲料分配に関連する1つ以上のプログラムを備えるマイクロコントローラ、外部ネットワーキング用に構成された1つ以上のネットワーキングインタフェース、飲料分配システムの直接的な操作のために構成された1つ以上の通信インタフェース、1つ以上のバルブ制御モジュールから少なくともセンサデータを受け取るために構成された1つ以上のデータポート、不揮発性メモリまたは取り外し可能な不揮発性メモリのために構成されたコネクタ、及び1つ以上の電源コネクタ、から選択される。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワーキングインタフェースは、1つ以上の有線ネットワーキングインタフェース、1つ以上の無線ネットワーキングインタフェース、もしくはそれらの組み合わせを含む。1つ以上の有線ネットワーキングインタフェースは、イーサネット(登録商標)ポート及び関連するマイクロチップを有する。1つ以上の無線ネットワーキングインタフェースは、1つ以上の送受信機またはトランシーバと、Wi-Fi,Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、もしくはそれらの組み合わせ、のために構成された、少なくとも1つの関連するマイクロチップと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワーキングインタフェースの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースが、1つ以上のPOSサービスプロバイダと通信するように構成される。1つ以上のバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダによって1つ以上の飲料についての支払いが正常に処理されるまで、身元または年齢確認サービスプロバイダもしくは無線ID(RFID)タグによって消費者の年齢が確認されるまで、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによって消費者の場所が確認されるまで、もしくはそれらの組み合わせが完了するまで、ロックされたままであるように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワーキングインタフェースのうちの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースが、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びデータベース、を含むバックエンドシステムと通信するように構成される。バックエンドサーバは、所有者、借主、消費者、もしくはそれらの組み合わせを含む、飲料分配システムの1つ以上の使用者に、飲料分配システムと対話するためのモバイルウェブアプリケーションを提供するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、飲料分配システムは、1つ以上の遠隔制御装置をさらに含む。1つ以上の通信インタフェースのうちの少なくとも1つの通信インタフェースは、所有者または借主を含む飲料分配システムの1つ以上の使用者が飲料分配システムと対話することを可能にするように構成された携帯式遠隔制御装置と通信するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、中央モジュールは、飲料分配システムのグローバルポジションを決定するように構成されたGPSアンテナ及びGPSプロセッサを含む全地球測位システム(GPS)受信機を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、中央モジュールは、1つ以上のバルブ制御モジュールを介して提供された、1つ以上のセンサからのセンサデータの統計的な分析のために構成された統計モジュールを含む。1つ以上のセンサは、少なくとも、飲料流量計、飲料温度センサ、及び1つ以上の環境センサから選択される。
【0013】
いくつかの実施形態では、中央モジュールは、少なくともセンサデータの統計的な分析、中央モジュールのリアルタイムクロックからの時刻、支払い処理データ、もしくはそれらの組み合わせからパターンを判定するように構成された分析モジュールを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、飲料分配システムは、1つ以上のバルブの各バルブに関連付けられた透明物体検出器をさらに含む。各透明物体検出器は、その対応するバルブに接続する飲料ライン内の透明度を検出するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、飲料分配システムは、1つ以上のバルブの各バルブに関連付けられた飲料容器位置センサをさらに含む。飲料容器位置センサは、飲料の分配の前に、対応するバルブの飲料容器カプラ上の飲料容器の位置を検出するように構成される。
【0016】
ここで開示されているのは、いくつかの実施形態では、モバイルデバイス用のモバイルウェブアプリケーション、飲料分配システムの組込みシステムの1つ以上のプログラム、及びバックエンドシステムの少なくとも1つのサーバホストのアプリケーションスタックを含む、セルフサービス飲料クライアント・サーバシステムである。モバイルウェブアプリケーションは、少なくとも部分的にモバイルデバイスの一次メモリから実行され、モバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザ内にセルフサービスグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を表示するように構成される。セルフサービスGUIは、少なくとも飲料の種類、飲料のブランド、飲料の量、及び飲料の値段から選択される、消費者が選択可能な複数のセルフサービス飲料オプションを含む。セルフサービスGUIは、セルフサービス飲料オプションと結びつけられた、1つ以上の支払い処理オプションをさらに含む。飲料分配システムの組込みシステムの1つ以上のプログラムは、少なくとも部分的に、組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ及び組込みシステムのバルブ制御モジュールの一次メモリから実行されるように構成される。組込みシステムの1つ以上のプログラムは、少なくとも中央モジュールの支払い処理プログラム及びバルブ制御モジュールのバルブ制御プログラムを含む。アプリケーションスタックは、少なくとも部分的にバックエンドシステムの少なくとも1つのサーバホストの一次メモリから実行されるように構成される。アプリケーションスタックは、ウェブサーバ、モバイルウェブアプリケーションを提供するように構成されたアプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びデータベースを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、中央モジュールは表面実装部品を備えるプリント回路基板アセンブリを有する。表面実装部品は、二次メモリに記憶された少なくとも支払い処理プログラムを備えるマイクロコントローラ、外部ネットワーキングのために構成された1つ以上のネットワーキングインタフェース、及び1つ以上の電源コネクタ、から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワーキングインタフェースは、1つ以上の有線ネットワーキングインタフェース、1つ以上の無線ネットワーキングインタフェース、もしくはそれらの組み合わせを含む。1つ以上の有線ネットワーキングインタフェースは、イーサネット(登録商標)ポート及び関連するマイクロチップを含む。1つ以上の無線ネットワーキングインタフェースは、1つ以上の送受信機またはトランシーバと、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、NFC、もしくはそれらの組み合わせ、のために構成された少なくとも1つの関連するマイクロチップと、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ以上のネットワーキングインタフェースのうちの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースは、1つ以上のPOSサービスプロバイダ、1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダ、もしくはその両方と通信するように構成される。飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応した1つ以上のバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダによって1つ以上の飲料についての支払いが正常に処理されるまで、身元または年齢確認サービスプロバイダもしくはRFIDタグによって消費者の年齢が確認されるまで、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによって消費者の場所が確認されるまで、もしくはそれらの組み合わせが完了するまで、ロックされたままであるように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、中央モジュールは、位置確認のために、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによる消費者のグローバルポジションとの比較のために、飲料分配システムのグローバルポジションを決定するように構成されたGPSアンテナ及びGPSプロセッサを含むGPS受信機を備える。
【0021】
ここで開示されているのは、いくつかの実施形態では、モバイルデバイスの一次メモリ内でモバイルウェブアプリケーションをインスタンス化することと、飲料分配システムの組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ内で支払い処理プログラムをインスタンス化することと、飲料分配システムの組込みシステムのバルブ制御モジュールの一次メモリ内でバルブ制御プログラムをインスタンス化することと、少なくとも部分的に、バックエンドシステムの少なくとも1つのサーバホストの一次メモリ内でアプリケーションスタックをインスタンス化することと、を含むセルフサービス飲料方法である。モバイルウェブアプリケーションをモバイルデバイスの一次メモリ内でインスタンス化すると、モバイルウェブアプリケーションは、モバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザ内にセルフサービスGUIを表示するように構成される。セルフサービスGUIは、少なくとも飲料の種類、飲料のブランド、飲料の量、及び飲料の値段から選択される、消費者が選択可能な複数のセルフサービス飲料オプションを含む。セルフサービスGUIは、セルフサービス飲料オプションと結びつけられた1つ以上の支払い処理オプションをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、中央モジュールの1つ以上のネットワーキングインタフェースの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースと、1つ以上のPOSサービスプロバイダとで通信することをさらに含む。飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダを介して支払い処理プログラムによって1つ以上の飲料に対する支払いが正常に処理されるまで、バルブ制御プログラムによってロックされたまま保持される。
【0023】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、1つ以上の成人用飲料に対して消費者の年齢が正常に確認されるまで、飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリをバルブ制御プログラムによってロックされたまま保持することをさらに含む。消費者の年齢は、中央モジュールの1つ以上のネットワーキングインタフェースの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースと、1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダとの通信により確認される。もしくは、消費者の年齢は、中央モジュールのRFIDタグ読み取り機で消費者が身につけたRFIDタグを読み取ることによって確認される。
【0024】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、飲料分配システムのグローバルポジションを決定することと、消費者のグローバルポジションを決定することと、消費者のグローバルポジションと飲料分配システムのグローバルポジションとが同じグローバルポジションであることが確認されるまで、飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリをバルブ制御プログラムによってロックされたまま保持することと、をさらに含む。飲料分配システムのグローバルポジションを決定することは、GPSアンテナ及びGPSプロセッサを含む中央モジュールのGPS受信機によってグローバルポジションを決定することを含む。消費者のグローバルポジションを決定することは、消費者に関連付けられたモバイルデバイスがモバイルウェブアプリケーションを介して飲料分配システムと共有している場所によってグローバルポジションを決定することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、1つ以上の飲料が飲料容器、消費者、または時間単位ごとにどれだけの量注がれたかを、飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応している1つ以上の飲料流量計、支払い処理プログラム、飲料分配システムの中央モジュールのリアルタイムクロック、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定することをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、飲料分配システムの空樽検出器からのデータを用いて、空樽のモバイルウェブアプリケーションを介して、飲料分配システムの所有者または借主へ警告することをさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、1つ以上の任意の飲料の温度を、1つ以上の飲料温度センサ、支払い処理プログラム、飲料分配システムの中央モジュールのリアルタイムクロック、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定することをさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、各飲料が提供された時刻を、支払い処理プログラム及び飲料分配システムの中央モジュールのリアルタイムクロックからのデータを用いて決定することをさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、セルフサービス飲料方法は、飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応する1つ以上の透明物体検出器からのデータを用いて、飲料分配システムの1つ以上の飲料ラインが清掃される必要がある場合に所有者または借主へ警告することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1はいくつかの実施形態に係る、飲料容器の底から飲料容器を充填する飲料分配システムの飲料分配アセンブリに接続された飲料容器を示す。
【
図2】
図2はいくつかの実施形態に係る、飲料容器の容器接続デバイスに接続されたディスペンサ接続デバイスを含む飲料分配アセンブリの分解図を示す。
【
図3】
図3はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの正面、上面及び右側面を含む斜視図を示す。
【
図4】
図4はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの平面図を示す。
【
図5】
図5はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの背面図を示す。
【
図6】
図6はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの左側面図を示す。
【
図7】
図7はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの背面、左側面及び上面を含む斜視図を示す。
【
図8】
図8はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの背面、左側面及び底面を含む斜視図を示す。
【
図9】
図9はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブの背面、左側面及び上面を含む分解図を示す。
【
図10】
図10はいくつかの実施形態に係る、バルブブロックと、バルブのいくつかの内部部品を図示するために破線で描かれた下側ブロックとを備えるバルブの背面、右側面及び上面を含む斜視図を示す。
【
図11】
図11はいくつかの実施形態に係る、複数のバルブを有する飲料分配システムのハウジングの正面、上面及び右側面を含む斜視図を示す。
【
図12】
図12はいくつかの実施形態に係る、複数のバルブを有する飲料分配システムの底面、正面及び右側面を含む斜視図を示す。
【
図13】
図13はいくつかの実施形態に係る、バルブに接続された飲料チューブを示している飲料分配システムの底面図を示す。
【
図14】
図14はいくつかの実施形態に係る、搬送の間どのように飲料の温度が制御されるかを示している冷却システムを示す。
【
図15】
図15はいくつかの実施形態に係る第1ユーザインタフェースの拡大図を示す。
【
図16】
図16はいくつかの実施形態に係る第2ユーザインタフェースの拡大図を示す。
【
図17】
図17はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムの組込みシステムを示す概略図を提供する。
【
図18】
図18はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムの組込みシステムの中心モジュールを示す概略図を提供する。
【
図19】
図19はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムの組込みシステムのバルブ制御モジュールを示す概略図を提供する。
【
図20】
図20はいくつかの実施形態に係る、飲料分配システム内で様々な接続を行うためのバルブ制御モジュールの正面の拡大図を示す。
【
図21】
図21はいくつかの実施形態に係る飲料分配のための組込みシステムの分配の論理図を示す。
【
図22】
図22はいくつかの実施形態に係る飲料分配のためのセルフサービス飲料クライアント・サーバシステムを示す。
【
図23】
図23はいくつかの実施形態に係る携帯式の遠隔制御装置により遠隔操作可能な飲料分配システムの組込みシステムを示す。
【
図24】
図24はいくつかの実施形態に係るセルフサービス飲料方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
いくつかの特定の実施形態についてより詳細に開示される前に、ここで開示されている特定の実施形態はここで提供されているコンセプトの範囲を限定しないことが理解されるべきである。ここで開示されている特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離できる特徴であって、ここで開示されている他のいくつかの実施形態のいずれかと任意に組み合わせるまたは置き換えることができる特徴を有し得ることも理解されるべきである。
【0032】
ここで用いられている用語に関して、用語はいくつかの特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、用語はここで提供されているコンセプトの範囲を限定しないことも理解されるべきである。序数(例えば第1、第2、第3など)は一般的に、特徴や段階のグループ内の異なる特徴や段階を区別もしくは識別するために用いられ、連続性や数値による制限を提供しない。例えば、第1、第2、第3の特徴や段階はその順序で現れる必要はなく、そのような特徴や段階を含む特定の実施形態がその3つの特徴や段階に制限される必要もない。「左」、「右」、「前」、「後」、「頂」、「底」、「表」、「裏」、「時計回り」、「反時計回り」、「上」、「下」等のラベルや、「上側」、「下側」、「後の」、「前の」、「垂直の」、「平行の」、「基部の」、「末端の」等のような他の類似の語句やそれらに似た語句は便宜上用いられ、例えば、特定の決められた位置、方角、方向等を意味することは意図していない。その代わりに、そのようなラベルは、例えば、相対的な位置、方角、方向等を反映させるために用いられる。“a”,“an”,“the”の単数形は、文脈が単数であることを明確に示していなければ、複数への参照を含む。
【0033】
その他の意味に定義されていなければ、ここで用いられる全ての技術的もしくは科学的な用語は、その分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
2010年12月28日に出願され2013年7月4日にWO2013/102130として公開された国際特許出願PCT/US12/72155は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0034】
飲料分配システム
図1はいくつかの実施形態に係る飲料容器102の底から飲料容器102を充填する飲料分配システムの飲料分配アセンブリ100に接続された飲料容器102を示している。
【0035】
図1を参照すると、飲料分配アセンブリ100は、結合されて充填の準備のできた飲料容器102とともに示されている。飲料分配アセンブリ100は、ソーダやビール等の炭酸飲料を含む飲料分配システム(例えば
図11の飲料分配システムを参照)の中で飲料を分配するために用いられ得る。飲料容器102は、例えば、パイントグラス、マグ、使い捨てコップ、ピッチャーを含む、飲料を入れるための任意の容器であり得る。飲料容器102は、飲料容器102の底104もしくはその近くにおいて飲料分配アセンブリ100に結合し得る。よって、飲料容器102は、飲料分配プロセスの間、飲料の表面よりも下側で充填される。
【0036】
いくつかの実施形態では、飲料容器102は、ディスペンサ接続デバイス108と結合するように設計された容器接続デバイス106を含む。飲料分配アセンブリ100は、樽または炭酸及びソーダライン等の飲料源に結合され得る。容器接続デバイス106は、ディスペンサ接続デバイス108と結合された際に開き、その中を飲料が流れることができるバルブを含み得る。容器接続デバイス106は飲料容器102が飲料分配アセンブリ100から取り出されると閉じ、それにより飲料容器102からの漏れを防ぎ得る。あるいは、容器接続デバイス106は、以下に説明するように飲料容器102の嵌合プレートであり、嵌合プレートは、ディスペンサ接続デバイス108が相補的な嵌合プレートである時、ディスペンサ接続デバイス108によって移動させられるように構成される。飲料分配アセンブリ100は、容器接続デバイス106をディスペンサ接続デバイス108に対して適切に並べるために形成されたハウジング110を含む。飲料分配アセンブリ100は、こぼれる可能性のある飲料を受け止める受け皿112も含み得る。受け皿112は鉢、隆起した唇形、窪んだ形等の様々な形状を含み得る。受け皿112は、受け止めた飲料の容易な処理のための排液管114を含み得る。
【0037】
使用されている間、飲料容器102は飲料分配アセンブリ100に結合される。飲料容器102が飲料分配アセンブリ100に結合されると、飲料容器102がその底部から充填されるように飲料容器102と飲料源との間に飲料が流れる経路を形成するために、容器接続デバイス106とディスペンサ接続デバイス108とは接続される。使用者は、充填プロセスの間、飲料容器の上部に形成され得る余分な泡を取り除くために飲料容器をあふれさせることができる。あるいは、いくらかの飲料は取り除くプロセスや充填プロセスの間にこぼれ得る。受け皿112はあふれた飲料を受け止めるように設計されており、受け止められた飲料は洗浄が容易になるように排液管114を通って取り除かれ得る。飲料容器102が飲料分配アセンブリ100から取り出されると、飲料容器102が漏れないように密封するために容器接続デバイス106はディスペンサ接続デバイス108から分離され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、飲料分配アセンブリ100は、飲料源から取り外されているがホースやチューブやその他の飲料搬送デバイスによって結合されている、分離したデバイスであり得る。飲料分配アセンブリ100は天板等の固定された表面に組み込まれる、もしくは結合され得る、または、飲料分配アセンブリ100は使用者の都合に合わせて配置されるように、独立して移動できるプラットホームに組み込まれ得る。飲料分配アセンブリ100は様々な形をとることもでき、ハウジング110、受け皿112、排液管114等の追加の特徴を含み得る。飲料分配アセンブリ100はオーディオデバイスまたはビジュアルデバイスのいずれかを含み得る。例えば、飲料分配アセンブリ100は、飲料分配アセンブリ100と関連付けられた内容を識別する情報、ロゴまたはデザインを含み得る。いくつかの実施形態では、飲料分配アセンブリ100は、色づけられた、もしくは点滅できるライト、または飲料容器102が飲料分配アセンブリ100に接続されるとオンになるスピーカを含み得る。
【0039】
図2はいくつかの実施形態に係る飲料容器1206の容器接続デバイス1202に接続されたディスペンサ接続デバイス1204を含む飲料分配アセンブリ1200の分解図を示している。
【0040】
いくつかの実施形態では、飲料容器1206は容器接続デバイス1202を含む。容器接続デバイス1202は、キャップ1208、キャップハウジング磁石1210、シール部材1212、リム1214、リムハウジング磁石1216、シール部材1218、底部セクション1222及び底部ハウジング磁石1220を含む。磁石1210,1216,1220は、容器接続デバイスの様々な凹凸に嵌る1つ以上の磁石片、硬い磁石のリング、もしくは容器接続デバイスの各部品に組み込まれた物質であり得る。シール部材1212,1218はOリングやゴムガスケット等、どのようなシール部材でも良い。
【0041】
いくつかの実施形態では、キャップハウジング磁石1210は、等間隔でキャップ1208の周囲に配置され、シール部材1212によって固定される5つのネオジウム磁石1210からなる。シール部材1212は、閉じた位置でキャップを密閉状態にする一般的にディスク形状のラバーガスケットであり得る。リム1214は、キャップが開いた位置にある時に飲料が流れることができる開口を有し、キャップ1208を閉じた位置に付勢するように共に働く5つのキャップハウジング磁石に対応した5つのネオジウム磁石からなるリムハウジング磁石1216を有する。シール部材1218はリム1214を飲料容器1206に対してシールする。底部セクション1222はリム1214に結合し、ディスペンサ接続デバイス1204を引きつけるネオジウム磁石1220を含み得る。
【0042】
図2に示されているように、飲料分配アセンブリ1200はディスペンサ接続デバイス1204を含むことができ、ディスペンサ接続デバイス1204はフィラーバルブ1226用の第1シール部材1224、フィラーバルブ磁石1228、ノズル1230、フィラーバルブ1226とノズル1230との間のカラー1232、及び第2シール部材1231を含む。第1及び第2シール部材1224,1231は、Oリングやガスケット、または、ディスペンサ接続デバイス1204と容器接続デバイス1202との間に流体密封シールを形成するその他のデバイスであり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、ノズル1230は、容器接続デバイス1202の中に入りキャップ1208を押して飲料分配アセンブリ1200と飲料容器1206との間に飲料流路を形成するシャフトであり得る。ノズルは飲料が中を流れることができる1つ以上の開口を有し得る。フィラーバルブ1226は、ノズルを通る飲料流路を開け閉めするためにノズル1230の長手軸線に沿って移動できる。フィラーバルブ1226は容器接続デバイス1202の底部セクション1222と嵌合するリムを含んだ外形を有し得る。この接続はディスペンサ接続デバイス1204と容器接続デバイス1202とが結合及び分離の間に漏れを減少するために共に動くことを可能にする。磁石1228は、容器接続デバイス1202の底部セクション1222の磁石1220を引き付けるように設計されており、さらに使用中に容器接続デバイス1202がディスペンサ接続デバイス1204と共に動くことを保証する、フィラーバルブ1226に結合されたネオジウム磁石のリングであり得る。磁石の引力はさらに、充填プロセスの間、飲料容器1206を安定させることができる。カラー1232はフィラーバルブ1226をノズル1230に結合させ、フィラーバルブ1226が使用中にノズルに結合されたままノズルに沿って移動することを可能にするカラー1232は、容易に圧縮する形状を有するが、ノズル1230を閉めるようにフィラーバルブ1226を付勢するために圧縮前の形状に戻るように膨張する、柔軟なゴム製の材料から形成され得る。カラー1232はさらに使用中の漏れを防ぎ得る。
【0044】
あるいは、容器接続デバイス1202は、以下に説明するように飲料容器1206の嵌合プレートであり、嵌合プレートは、ディスペンサ接続デバイス1204が相補的な嵌合プレートである時、ディスペンサ接続デバイス1204によって移動させられるように構成される。このような実施形態では、ノズル1230は一般的に閉じた位置にあり、相補的な嵌合プレートを含む。嵌合プレートが上昇すると、ノズル1230の1つ以上の開口は閉じられる。飲料容器がノズル1230に結合されると、相補的な嵌合プレートはノズル1230に沿って押し下げられ、1つ以上の開口は開き、飲料分配アセンブリと飲料容器との間に飲料流路が形成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、飲料分配アセンブリ1200はさらに、受け皿、排液管、ライト等のその他の特徴を含み得る。例えば、飲料分配アセンブリ1200はスイッチ、ライトまたはその他の特徴のためのハウジング1234を含み得る。ハウジングは、例えば飲料分配アセンブリ1200と結びつけられた飲料の種類やブランドを識別するような、広告もしくは識別スペースとして用いられ得る。ハウジング1234は、充填プロセスの間飲料を照らす発光ダイオード(LED)ライトを含み得る。圧力スイッチはLEDライトを操作するためにハウジングの中に組み込まれ得る、もしくは、飲料容器がハウジング上で検知されると充填プロセスを開始させるために用いられ得る。LEDライトはそれに替えて、またはさらに、受け皿もしくは飲料分配アセンブリ1200の他の部分の周りに取り付けられ得る。飲料分配アセンブリ1200は、充填プロセスの間にこぼれる飲料を受け止める受け皿1236も含み得る。受け皿1236は、その上部から余分な泡を取り除くために意図的に炭酸飲料をあふれさせるために用いられ得る。受け皿1236は使用後の清掃を容易にする排液管1238を含み得る。導管1240は、飲料源と飲料分配アセンブリ1200との両方に結合され得る。介在マニホールドは複数の飲料源への飲料分配アセンブリ1200の取り付けを可能にし、それにより飲料分配アセンブリ1200が複数の飲料に対して用いられることが可能となる。このような実施形態では、スイッチやマニホールド選択部材の回転によって、使用者により所望の飲料が選択される。
【0046】
図3はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブ1700の正面、上面及び右側面を含む斜視図を示している。
バルブ1700はハウジング本体1701、バルブブロック1709及び下部ブロック1711を含み得る。スライドロッド1702は下部ブロック1711に結合され、下部ブロック1711の窪んだ箇所に位置する。窪んだ箇所はスライドロッド1702を受け入れるように形成される。バルブ1700は、バルブ1700を飲料容器(図示されていない)へ結合させるノズル1705、バルブ1700を閉じた位置から開いた位置へ移動させるバルブ作動アセンブリ1710、及びバルブ1700を飲料源(図示されていない)へ結合させる継手1721も含み得る。バルブ1700の1つ以上の開口の第1セット1751は背圧逃がし孔/通気孔として働く。これらの通気孔は、カップがノズルから取り除かれるのが早すぎる場合に背圧がフィラーから放出されることを可能にするとともに、カプラが閉じた位置にあっても残った飲料が流れ出ることも可能にする。飲料は、カプラ2105(
図7参照)を1つ以上の開口1751の方へ押すと現れる、ノズル1705の開口の第2セットによってバルブ1700から飲料容器へ流れることができる。参照として、軸線1750が描かれ、軸線1750はバルブ1700とノズル1705の中心とを通るように位置し、ノズル1705をハウジング本体1701、バルブブロック1709及び下部ブロック1711と長手方向に接続する。
【0047】
図4はいくつかの実施形態に係る飲料分配システムのバルブ1700の平面図を示している。
この図では、継手1721は軸線1750の右へずれている。バルブ1700は、例えば、飲料容器の存在を検出する飲料容器センサ1714やバルブ1700を通って流れる飲料を追跡する流体センサ1707等の、1つ以上のセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、バルブ1700は、飲料の飲料容器への分配に関連する電気的及び/または機械的な分配論理を制御するために、プロセッサ(図示されていない)とともに用いられ得る。いくつかの実施形態では、バルブ1700は飲料源から流入してくる飲料を回転させるように構成され得る。流体センサ1707は飲料の回転速度を検出でき、その速度はプロセッサによって飲料容器へ分配する飲料の量を決定するために用いられる。
【0048】
図5はいくつかの実施形態に係るバルブ1700の背面図を示している。この図では、継手1721は軸線1750の右へずれている。
図6はいくつかの実施形態に係るバルブ1700の左側面図を示している。
【0049】
この図では、バルブ作動アセンブリ1710は軸線1750の右へずれている。飲料は飲料源から継手1721を通ってバルブ1700へ流れる。いくつかの実施形態では、継手1721は軸線1750からオフセットされる。これは飲料がバルブブロック1709の中で回転することを可能にする。回転している飲料はバルブ1700が流体センサ1707を用いて飲料の流れを追跡することを可能にする。ある時間内の回転数(飲料の角速度)に基づき、プロセッサはバルブ1700によって分配された飲料の量を計算できる。分配された飲料の量に基づき、プロセッサは結合された飲料容器が所望の量まで充填されるとバルブ1700を閉じることができる。
【0050】
図7はいくつかの実施形態に係るバルブ1700の背面、左側面及び上面を含む斜視図を示している。
バルブ1700はハウジング本体1701、バルブブロック1709及び下部ブロック1711を含む。バルブ1700はまた、バルブ作動アセンブリ1710、飲料源への継手1721、及び飲料容器(図示されていない)へ結合するカプラ2105も含む。いくつかの実施形態では、バルブ作動アセンブリ1710は、ソレノイド1706、ソレノイドばね2117、及びソレノイドプランジャ2207を含み得る(
図8参照)。作動させられると、ソレノイド1706はランプ2110をソレノイド1706へ向けて移動させる。いくつかの実施形態では、ランプ2110は、より広い幅の端部2311とより狭い幅の端部2312とを有する(
図9参照)。ランプ2110の上面は概して平坦であるが、ランプ2110の底面はくさび形である、もしくはより広い幅の端部2311からより狭い幅の端部2312へ向けてテーパ状になっている。ランプ2110がソレノイド1706に向けて動かされると、ランプ2110のより広い幅の端部2311はバルブ1700の軸線1750に向けて引かれる。このランプ2110及びそのテーパ状の底面の動きは、スライドロッド1702をバルブ1700から離れるようにハウジング本体1701に対して下にスライドさせる。スライドロッド1702はプランジャシャフト2322及びプランジャ2326(
図9参照)に結合される。スライドロッド1702がハウジング本体1701に対して下にスライドすると、プランジャシャフト2322及びプランジャ2326は下に引っ張られ、バルブ1700が開く。ソレノイドばね2117はソレノイド1706に結合され、ソレノイド1706が作動した後にプランジャシャフト2322(
図9参照)をもとの位置に戻してバルブ1700を閉めるように構成されている。
【0051】
図8はいくつかの実施形態に係るバルブ1700の背面、左側面及び底面を含む斜視図を示している。
4つのねじ2218は下部ブロック1711をバルブブロック1709に結合させるのに用いられ得る。2つのねじ2219はランプ2110を下部ブロック1711に結合させるのに用いられ得る。いくつかの実施形態では、ソレノイドばね2117は、ソレノイドばね2117の一端が他端の直径よりも大きい直径を有するような、一律に拡大する直径を有し得る。いくつかの実施形態では、ばね2117のより大きい直径を有する端部はハウジング本体1701に結合され、より小さい直径を有する端部は下部ブロック1711に結合される。ソレノイドプランジャ2207はソレノイドばね2115の内側に位置し、ソレノイド1706及びランプ2110に結合される。
【0052】
図9はいくつかの実施形態に係るバルブ1700の背面、左側面及び上面を含む分解図を示している。
図9の上から説明すると、バルブ1700は、ノズル1705、カプラ2105、第1Oリング、バルブケース2310、第2Oリング2315、及びハウジング本体1701を含み得る。カプラ2105は、バルブ1700を飲料容器(図示されていない)へ結合させるように構成される。飲料容器が適切に配置されると、カプラ2105はノズル1705によって飲料容器の底を開き、飲料容器がバルブ1700から飲料を受け取ることを可能にする。ノズル1705は飲料容器に結合されるように構成される。ノズル1705は、飲料容器の底部に対応する嵌合プレートに接合する嵌合プレートを有する。飲料容器の底部がノズル1705の上に押し付けられると、ノズル1705が飲料容器の内側に入って飲料容器の底を開き、ノズル1705の嵌合プレートは飲料容器の嵌合プレートと嵌合する。飲料分配システム及び飲料容器のための典型的な嵌合プレート及び結合デバイスは、参照により本明細書にその全体が組み込まれている2010年12月28日に出願された国際特許出願PCT/US12/72155に開示されている。カプラ2105はバルブケース2310とノズル1705との間で、第1Oリングまたはその他のシール部材とともに、バルブケース2310においてバルブ1700に結合され得る。第2Oリング2315もしくはその他のシール部材はバルブケース2310とハウジング本体1701との間において用いられ得る。ハウジング本体1701は、バルブを開閉するために用いられるソレノイドプランジャ2207、ソレノイドばね2117、及びソレノイド1706に結合され得る。
【0053】
ハウジング本体1701は流体センサ1708及び飲料容器センサ1714も有し得る。一組のねじ2320は流体センサ1708をハウジング本体1701に結合させるのに用いられ得る。一組のねじ2350は飲料容器センサ1714をハウジング本体1701に結合させるのに用いられ得る。流体センサ1708は飲料容器へ分配される飲料の量を検出するように構成される。飲料容器センサ1714は、飲料容器の存在と飲料容器が適切に配置されていることの、いずれかもしくはその両方を検出するように構成される。例えば、飲料容器センサ1714は、飲料容器の基部内の磁石を検出するために用いられるホール効果センサであり得る。任意の磁性材料が用いられ得る。圧力センサ等のその他のセンサ、もしくは結合された飲料容器と接触する押し板またはボタン等の機械的なデバイスも用いられ得る。例えば、飲料容器センサ1714によって飲料容器が適切な位置にあることを検出する限り、飲料分配システムの1つ以上のバルブのそれぞれにおける飲料容器の適切な位置の検出は、代替的または追加的に、カプラ2105もしくはノズル1705自身に組み込まれた飲料容器位置センサ1928(
図19参照)によって行われる。そのような飲料容器位置センサは、例えば、渦電流変位センサや容量性変位センサであり得る。飲料分配システムは、飲料の分配の前に各飲料容器位置センサが、対応するバルブまたは飲料容器カプラにおける飲料容器の位置を検出または報告するように構成され得る。
【0054】
第3Oリングはハウジング本体1701とバルブブロック1709との間に位置する。開口2350を介してバルブブロック1709に結合されているのは継手1721である。継手1721は、飲料導管もしくはチューブに取付けられるための返しのある端部を有し得る。ねじ状の嵌合部材を含む他の接続も考えられる。バルブ1700は、バルブの構成部品を取り囲み作動アセンブリ1710に結合されるために、ハウジング本体1701とともにバルブブロック1709及び下部ブロック1711を含み得る。いくつかの実施形態では、プランジャ2326は飲料の流れを制御するために用いられる。プランジャ2326はある位置に存在すると飲料流路を閉じるもしくは塞ぐことができ、プランジャ2326は他の位置へ長軸方向に動くと、飲料流路を開くことができる。例えば、プランジャ2326は作動アセンブリ1710に接続されたプランジャシャフト2322に結合される。閉じた位置では、プランジャ2326はバルブ1700を塞いでバルブ1700から飲料容器への飲料の流入を防ぐために、バルブケース2310に当接する。作動アセンブリ1710はソレノイド1706、ソレノイドばね2117及びソレノイドプランジャ2207を含み得る。ソレノイドプランジャ2207は直接もしくは間接的に(リンクを介して)バルブプランジャ2326を制御し得る。
【0055】
図9に示すように、ソレノイドプランジャ2207はランプ2110に結合される。ランプ2110は、ソレノイド1706から離れて位置するより広い幅の端部2311とともに、概してくさび状の底面を有する。プランジャシャフト2322に結合されたスライドロッド1702は、ランプ2110に当接する。作動させられると、ソレノイド1706はソレノイドプランジャ2207を、ハウジング本体1701から離れてソレノイド1706の方へ向かうように引き付ける。ソレノイドプランジャ2207が引き付けられると、それに結合したランプ2110も同じ方向に引き付けられ、ランプ2110のくさび状の底面が徐々にスライドロッド1702を下に押して、(軸線1750に沿って)ハウジング本体1701から遠ざける。ソレノイドプランジャ2207の引き付けはまた、ソレノイドばね2117を縮める。スライドロッド1702が下に押されると、スライドロッドは軸線1750に沿ってプランジャシャフト2322を引き付ける。これはプランジャ2326を開いた位置に動かし、バルブ1700を開け、プランジャ2326の頂部周辺に飲料流路ができることを許容する。ソレノイド1706が作動させられた後、ソレノイドばね2117は伸びてソレノイドプランジャ2207及びランプ2110をもとの位置に戻す。これはプランジャシャフト2322及びプランジャ2326をもとの位置に戻し、バルブ1700と飲料流路を閉じる。ランプ2110及びスライドロッド1702を含むリンクは、ソレノイドプランジャ2207の動きがプランジャシャフト2322の動きと垂直になることを許容する。よって、バルブ1700と作動アセンブリ1710はより狭い範囲に設置され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、プランジャシャフト2322は2つ以上のフィンを有するタービンを含む。飲料が継手1721を介してバルブブロック1709へ流入すると、飲料は軸線から離れているためバルブの軸線1750の周りを回転する。回転する飲料はタービン2327を回転させる。タービンのフィンは流体センサ1708で検出される磁石2329を有し得る。流体センサ1708は磁石2329の存在を検出するホール効果センサであり得る。タービン2327が回転すると、磁石が検出される。回転数はプロセッサによって飲料の流量を計算するのに用いられ得る。飲料の流量から、必要な分の時間だけ飲料が流れることを許容することで、所望の量が分配され得る。飲料の分配を検出するために様々なセンサや検出システムが用いられ得る。バルブ1700はまた、飲料の流れを方向づけ、流れの回転を減少させるためのフローガイド2323をプランジャ2326の近くに有し得る。フローガイド2323は、第4Oリング2330(例えばプランジャシール)がバルブ1700を閉めるためにバルブケース2310内に適切に配置されるように、プランジャシャフト2322をガイドするためにも用いられ得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、バルブ1700はバルブ1700内の圧力を一様にするために、ダイヤフラム2325をその下に位置する圧力板(図示されていない)とともに用いる。飲料の圧力は、圧力板がプランジャ2326を押し上げるのと同じ力でダイヤフラム2325及び圧力板(図示されていない)を押し下げる。よって、バルブ1700をより少ない力で開けることができ、ダイヤフラムがない場合に必要とされるよりもはるかに小さいソレノイド1706を許容し、コストがかかり設計を複雑にする可能性があるワイパーシールの必要性をなくす。バルブ1700はまた、分配の間飲料の温度を制御する温度制御システムを含み得る。導管2830(
図12参照)はバルブブロック1709のノッチ2360に挟みこまれ得る。導管2830は銅管であり得る。飲料導管はバルブ1700に挿入される際に導管2830に沿って延び得る。例えば、飲料が分配されるまで冷たい状態を維持できるように、冷却された飲料は導管2830の中を流れ得る。
【0058】
Oリングもしくは他のシール部材は、バルブ1700の様々な構成部品同士を結合させるのに用いられ得る。例えば、第1Oリング2316はバルブ2310とノズル1705との間にシールを形成し、第2Oリング2315はドレンパン(図示されていない)とバルブケース2310との間にシールを形成し、第3Oリング2304はバルブケース2310とバルブブロック1709との間にシールを形成する。ねじ、接着剤、ボンド(登録商標)等の様々な機械的なデバイスが部品同士を結合させるのに用いられ得る。例えば、ねじ2318は下部ブロック1711をバルブブロック1709に固定するのに用いられ、ねじ2319はランプ2110をソレノイドプランジャ2207に固定されるのに用いられ得る。保持リング2390はスライドロッド1702をプランジャシャフト2322に固定するためのeクリップであり得る。保持リング2328はタービン2327を所定の位置に保持するために用いられ得る。タービン2327の上に保持リング2328が、下に別の保持リング2328が存在し得る。
【0059】
図10はいくつかの実施形態に係る、バルブブロックと、バルブ1700のいくつかの内部部品を図示するために破線で描かれた下側ブロックとを備えるバルブの背面、右側面及び上面を含む斜視図を示している。
【0060】
バルブ1700はハウジング本体1701、及びバルブ1700のいくつかの構成部品を含む。これはスライドロッド1702、ランプ2110、ソレノイドばね2117、ソレノイドプランジャ2007、及びソレノイド1706を含む。バルブ1700はまた、プランジャシャフト2322、ダイヤフラム2325、及びタービン2327を含む。ランプ2110は、より広い幅の端部2311とより狭い幅の端部2312とともに、概してくさび状の底面を有し、より広い幅の端部2311はソレノイド1706から離れて位置する。ランプ2110はより狭い幅の端部2312においてソレノイドプランジャ2207に結合される。作動させられると、ソレノイド1706はソレノイドプランジャ2207を、両矢印2415の一方向に沿って、ハウジング本体1701から離れてソレノイド1706の方へ向かうように引き付ける。ランプ2110のくさび状の底面は、スライドロッド1702を押し下げ、両矢印2420の一方向に沿ってハウジング本体1701から離間させる。スライドロッド1702が押し下げられると、スライドロッドはプランジャシャフト2322を引き下げ、バルブ1700を開いて飲料流路を形成する。ソレノイドプランジャ2207がソレノイド1706によって引き付けられると、ソレノイドばね2117は縮む。ソレノイド1706が動作させられた後、ソレノイドばね2117は伸びて、両矢印2415の他方の方向に沿ってソレノイドプランジャ2207をもとの位置に戻す。ソレノイドプランジャ2117をもとの位置に戻すと、スライドロッド1702は両矢印2420の他方の方向に沿ってプランジャシャフト2322を押し上げ、バルブ1700を閉める。バルブ1700の開閉は、例えば、ソースホース2410を介した飲料供給源2405のような飲料源からの飲料の流れに影響を及ぼす。
【0061】
図11はいくつかの実施形態に係る複数のバルブを有する飲料分配システム2700の正面、上面及び右側面を含む斜視図を示している。
飲料分配システム2700のハウジング2702は、第2前壁2706に結合された第1前壁2705を有する。第2前壁2706は上壁2807に結合され、上壁2807は同様に背壁2808に結合される。第2前壁2706は第1前壁2705及び上壁2807に接続され、それらの間に斜めに配置される。いくつかの実施形態では、第2前壁2706は、使用者がオプションを選択したり、状態を見たりできるように、ユーザインタフェース(例えば、ユーザインタフェース1600または2772)を表示するように構成され得る。また、ハウジング2702は第1側壁2710及び第2側壁2810を有する。第1側壁2710及び第2側壁2810の各々は5つの縁を有する。第1の縁は第1前壁2707の幅と等しい長さ寸法2715を有する。第2の縁は第2前壁2706の幅と等しい長さ寸法2720を有する。第3の縁は上壁2807の幅と等しい長さ寸法2725を有する。第4の縁は背壁2808の幅と等しい長さ寸法2730を有する。第5の縁は第1前壁2705の底部から背壁2808の底部までの距離と等しい長さ寸法2735を有する。いくつかの実施形態では、ハウジング2702は、バルブ1700のような1つ以上のバルブ2755,2760,2765,2770を受け入れるための1つ以上の開口2701を含み得る。1つ以上の開口2701は上壁2807に存在し得る(
図12参照)。例えば、上壁2807は4つのバルブ2755,2760,2765,2770を受け入れるための4つの開口(
図12には示されていない)を有する。
図11に示されているのはバルブ2755~2770の4つのノズル及びカプラである。4つのバルブ2755~2770の残りの部分は上壁2807によって視界から隠されている。上壁2807の外表面は充填領域としてみなされ得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、分配プラットホーム2750が上壁2807とともに用いられ得る。例えば、分配プラットホーム2750は上壁2807の上方に配置されることができ、分配プラットホーム2750の表面と上壁2807の表面との間に隙間が存在し、持ち上げられた分配プラットホームを提供するように構成される。分配プラットホーム2750の表面には、複数の開口や穿孔が存在し得る。これらの穿孔は、こぼれた飲料が分配プラットホーム2750の表面を通って充填領域の上壁2807の表面に流れることを可能にする。いくつかの実施形態では、飲料分配システム2700はまた、充填領域の周りに排水システムを含み得る。排水システムはこぼれた飲料を分配プラットホーム2750から除去することができ、飲料をドレンやシンク等の処理システムへ搬送するための排水導管または排水管を用いる。排水システムは、サービングエリアでの飲料のよどみを比較的少なくするために、飲料分配システム2700または分配プラットホーム2750を取り囲むことができる。分配プラットホーム2750も、1つ以上のバルブ(例えばバルブ2755~2770)のそれぞれを収容する1つ以上の開口2701を有する。1つ以上のバルブ2755~2770は、それぞれのバルブから分配プラットホーム2750の対応する開口を通って延びる飲料容器カプラ(例えば
図7及び9のカプラ2105)を有するように、少なくとも部分的に分配プラットホームの下方に存在することができ、飲料容器カプラ2105は飲料分配システム2700で用いられる底部充填式の飲料容器に結合するように構成される。ハウジング2702及びバルブ2755~2770と飲料源への接続部との組み合わせは、既存のカウンタートップに配置されることや、カウンターやサービングサーフェイスに組み込まれることが可能な飲料分配システム2700を提供する。
【0063】
いくつかの実施形態では、飲料分配システム2700は、
図15の第1ユーザインタフェース2772や
図16の第2ユーザインタフェースのような、飲料分配システム2700の1つ以上のバルブ2755~2770に充填オプションを提供するユーザインタフェースを含み得る。例えば、第2ユーザインタフェース1600は飲料分配システム2700の1つのバルブに充填オプションを提供するのに対して、
図15の第1ユーザインタフェース2772は飲料分配システム2700の2つのバルブへの充填オプションを含む。以下で説明されるように、各ユーザインタフェースは、ハウジング2702の切り抜き部に配置されるように構成されたバルブ制御モジュールの一部である。第1ユーザインタフェース2772の一例は、ハウジング2702の切り抜き部、特にハウジング2702の第2前壁2706の切り抜き部に配置されているように
図11に示されている。実際に、第2前壁2706は第1ユーザインタフェース2772を有することができ、第1ユーザインタフェース2772と同様の第2ユーザインタフェース2774も有することができる。第1ユーザインタフェース2772はバルブ2755に関するオプションと、それに類似したバルブ2760に関するオプションとを含み得る。第2ユーザインタフェース2744はバルブ2765に関するオプションと、それに似たバルブ2770に関するオプションとを含み得る。
【0064】
飲料分配システム2700は上述のハウジング2702を含むように説明されているが、飲料分配システム2700は、壁に取り付けられるように構成されたハウジング等の異なるハウジングの構成や、カウンタートップやポータブルクーラ(つまりポータブルアイスチェスト)の蓋等の異なる種類のハウジングのすべてを含むことができ、好ましい場合はハウジングを全く含まなくとも良いということが理解されるべきである。そうは言うものの、ハウジング2702のようなハウジングは、飲料分配システム2700を使用するための任意のユーザインタフェース(例えば第1ユーザインタフェース2772や第2ユーザインタフェース2774等)とともに、飲料分配システム2700の1つ以上のバルブ2755~2770を取り付けるのに便利なオプションを提供する。
【0065】
図12はいくつかの実施形態に係る複数のバルブを有する飲料分配システム2700の底面、正面及び右側面を含む斜視図を示している。
図12に示されている4つのバルブは
図11に示されている4つのバルブ2755~2770に対応し、
図11で見えなかったバルブ2755~2770の部分を示している。図示されているように、バルブ2755~2770はいずれの飲料源にも接続されていない。いくつかの実施形態では、上壁2807はまた、充填領域にこぼれた飲料を排出する排出継手2815を受け入れる開口を有し得る。この例では、排出継手2815は背壁2808の近くに配置される。排出継手2815は排出導管(図示されていない)に結合され得る。排出導管は、飲料分配システム2700の充填領域からフロアドレンや流し等の排出場所へ排出領域を結合し得る。排出導管は排出領域を排出場所と接続する管であり得る。導管2830は、温度調整された飲料を供給するために、少なくとも熱伝導によってバルブを冷やすためにバルブ2755~2770にとめられ得る。飲料導管は、飲料導管内の飲料が搬送される間、所望の温度を維持できるように、導管2830に沿って延び得る。調整された流体は、概して飲料導管に平行に搬送されることができ、もしくは、概して飲料導管の周りを覆ったり取り囲んだりし得る。調整された流体と飲料源からの飲料はまた、同心の導管のような協働する導管内を流れ得る。バルブでの飲料の分配が行われるまで飲料を特定の温度に保つために、調整された流体をその供給源から飲料分配システム2700のバルブ2755~2770のうちの1つへ搬送するために、ポンプが用いられ得る。温度調整装置は、調整された流体の温度を、したがって飲料源からの飲料の温度を維持するために、加熱または冷却された液体もしくは気体の調整された流体を用いることができる。
【0066】
図13はいくつかの実施形態に係るバルブに接続された飲料導管を示している飲料分配システム2700の底面図を示している。
飲料導管2905は継手(例えば継手1721)に結合されることができ、もしくはバルブ(例えばバルブ2755)に直接結合され得る。継手は飲料導管2905に直接もしくは間接的に結合される竹の子継手またはねじ継手であり得る。飲料導管2905はタイゴン(登録商標)チューブのような管であり得る。各バルブ2755~2770は1つの飲料導管2905を有する。この例で示されているのは4つのバルブ2755~2770のための4つの飲料源導管である。ねじ部材は、飲料導管2905からの対応するねじ部材と接続するためにバルブに結合される。
【0067】
飲料分配システム2700は、各々が1つ以上のバルブに接続する飲料導管に関連付けられた1つ以上の透明物体検出器を含み得る。各透明物体検出器は飲料導管内の透明度を検出するように構成される。そのような透明物体検出器の1つは
図13に透明物体検出器1302として示されている。透明物体検出器の例は、LEDまたはレーザを用いた再帰反射センサである。他の透明物体検出器の例は、超音波センサである。
【0068】
図14はいくつかの実施形態に係る、搬送の間どのように飲料の温度が制御されるかを示している飲料分配システム2700の冷却システムを示している。
冷却システムは、冷却されたもしくは冷たい液体を含み得る。液体3240は、例えば、冷却もしくは氷冷されたグリコール、水、または生理食塩水、もしくはその他の冷たい液体であり得る。液体3240(例えばグリコール)は、飲料(例えばビール)が分配されるまでずっと冷却され続けることを助けることができる。液体3240はタンクまたは容器3205に入れられ得る。タンク3205は冷却液3240によって充填されるまたは一部充填され得る。タンク3205は注入口3204及び排出口3207を有し得る。タンク3205はまた、流入導管3225と結合する第1カプラと流出導管3208と結合する他方のカプラとを有し得る。タンク3205はまた、例えば、タンク3205内の液体3240の水位や液体3240の温度等を含む監視目的のための監視デバイス3209を有し得る。いくつかの実施形態では、冷却システムは持ち運び可能でも良く、タンク3205及び液体3240を(完全にもしくは部分的に)浸からせて冷やす氷浴を含み得る。
【0069】
ポンプ3210は液体3240をタンク3205から汲み上げるのに用いられ得る。ポンプ3210は飲料分配システム2700を駆動するために用いられるものと同じ動力源を用いて駆動されてもよく、もしくは別の動力源を用いてもよい。動力は動力線3212を介してポンプ3210に供給される。ポンプ3210は、液体3240を
図12に示されている導管2830を含む冷却導管システム内で循環させるために用いられ得る。例えば、流出導管3208は液体3240をタンク3205からポンプ3210へ搬送するために用いられる。導管3215は液体3240をタンク3205から飲料分配システム2700へ搬送するために用いられる。導管2830は、バルブ2755,2760,2765,2770に接続されるもしくは留められることにより、液体3240を飲料分配システム2700を通して搬送するために用いられる。導管3220は、液体3240がファンまたはラジエータ3250によって冷却されるように、液体3240をバルブ2755,2760,2765,2770から離れるように搬送するために用いられる。導管3220は、ラジエータ3250の流入カプラを介してラジエータ3250に結合され得る。流入導管3225は液体3240をファンもしくはラジエータ3250からタンク3205へ戻すために用いられる。流入導管3225は、ラジエータ3250の流出カプラを介してラジエータ3250に結合され得る。
図14に示されているのは、言及された各導管に沿った液体3240の方向を示す矢印である。
【0070】
導管3215は、飲料の搬送の間、所望の温度に維持するために、飲料導管2095に沿って延び得る。導管3215は、飲料導管2095に対して平行に延びても、飲料導管2095の外周を取り囲んでも(例えばコイル)よく、もしくは、それらの組み合わせ(例えば螺旋)でもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、導管3215,3220,3225はステンレス、銅、もしくはその他の高い熱伝導率を有する材料で作成される。いくつかの実施形態では、温度が調整された空気は、導管3215及び飲料源導管2095を所望の温度に維持するために用いられ得る。例えば、飲料源2405は飲料を所望の温度に維持するために冷却ユニット内に設けられ得る。冷却された空気の配管は、飲料源2405から飲料分配システム2700への搬送の間、飲料の温度を維持するために導管3215とともに用いられ得る。
【0072】
飲料分配システム2700は、既存のカウンタートップに配置されることや、カウンターやサービングサーフェイス3230に組み込まれることができる。あるいは、飲料分配システム2700は、場所によって要求されるように、サービングエリアに組み込まれ得る構成要素として供給され得る。いくつかの実施形態では、飲料分配システム2700は情報が表示され目に見えるようになる領域を含み得る。例えば、画像、図、製品のロゴ、顧客のアイコン等は第1前壁2705の任意の領域に表示され得る。情報は、例えば、オン/オフやスタート/ストップの機構を含む、バルブ(例えばバルブ2755~2770のうちの1つ)のいくつかの機能に統合され得る。情報は純粋に美的目的で表示され得る。例えば、顧客アイコンは飲料分配システム2700によって分配されるビールに関連する伝統的なビールの栓であり得る。
【0073】
図15はいくつかの実施形態に係る第1ユーザインタフェース2772の拡大図を示している。
ユーザインタフェース2772は、1つ以上の物理的なボタンを備えた使用者に向いたタッチパッド、または、1つ以上のスクリーン上のボタンを備えた使用者に向いたタッチスクリーンを含み得る。物理的なもしくはスクリーン上のボタンは、1つ以上のバルブ2755~2770のうちの対応するバルブを制御するように構成される。以下で説明されるように、使用者に向いたタッチパッドもしくはタッチスクリーンのいずれでも、ユーザインタフェース2772はバルブ制御モジュールの一部であり、同様に、バルブ制御モジュールは飲料分配システム2700の組込みシステムの一部である。
【0074】
ユーザインタフェース2772は自動、半自動、もしくは手動制御のためのオプションを含み得る。
図15に示されている図は、
図11の第1ユーザインタフェース2772もしくは
図11の第2ユーザインタフェースに対応し得る。自動充填のために、飲料容器のサイズ及び/または充填量が選択され得る。例えば、自動モードを設定するために、自動オプション2780Aが選択され、飲料容器サイズオプション2781A,2782A,2783Aのうちの1つが選択され得る。このモードでは、飲料容器が分配プラットホーム2750に適切に配置されると、飲料が自動的に飲料容器の中に分配され、事前に決定された量の飲料が分配された後、飲料の流れが自動的に止められる。分配されるべき飲料の量は、選択された飲料容器サイズオプションに基づいて決定される。ユーザインタフェース2772は、手動モードもしくは半自動モードで使用され得る開始オプション2790A及び停止オプション2792Aを有し得る。例えば、全手動モードでは、使用者は開始オプション2790Aを選択することにより、飲料の飲料容器への分配を開始することができる。使用者は、飲料容器への飲料の流れを止めるために、適当な時間に停止オプション2792Aを選択できる。
【0075】
半自動モードでは、使用者は自動オプション2780Aを選択し、飲料容器サイズオプション2781A~2783Aのうちの1つを選択し、飲料容器を分配プラットホーム2750に適切に配置することで、飲料が自動的に飲料容器へ流れるようにする。この例では、飲料の流れが自動的に止まるのを待つ代わりに、使用者は、事前に決定された量の飲料が飲料容器に分配される前に停止オプション2792Aを選択できる。半自動モードを使用する他の例では、使用者は飲料容器サイズオプション2781A~2783Aを選択し、分配プラットホーム2750に飲料容器を配置し、手動で開始オプション2790Aを選択することができる。飲料分配システム2700は飲料容器へ飲料を分配し、適切な量の飲料が分配された後に分配を停止する。分配されるべき量は、選択された飲料容器のサイズに基づいている。
【0076】
ユーザインタフェース2772はまた、清掃オプション2785A及びプライミング(priming)オプション2786Aを含み得る。ステータス情報もまたユーザインタフェース2772に表示され得る。ステータス情報は、飲料分配システム2700が分配を行う準備ができているかどうかを使用者に示し得る。いくつかの実施形態では、ステータス情報はライトのような目に見えるインジケータを用いて提供され得る。例えば、ユーザインタフェース2772は飲料分配システム2700が分配を行う準備ができていることを示す緑色を表示するライト2794Aを設ける、もしくは飲料分配システム2700が分配を行う準備ができていないことを示す赤色を表示するライト2794Aを設けることができる。他の例としては、開始及び停止オプション2790A,2792Aの周りに配置された緑色のライトのセットが、対応するバルブ(例えばバルブ2755~2770のうちの1つ)のノズルが開いていることを示すために点灯され得る。赤色のライトのセットは同様に配置され、対応するバルブが閉じている際に点灯され得る。前述したように、飲料容器センサ1714は分配プラットホーム2750上の飲料容器の存在及び/または適切に配置されていることを検出するために用いられ、流体センサ1708は分配される飲料の量を決定するために用いられ得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース2772はまた、飲料容器に自動的に分配される飲料の量(もしくは充填量)を制御するための飲料量オプション2795Aを有し得る。例えば、使用者は量を減らすために減量オプション2796A(例えばマイナス記号のついたボタン)を使い、量を増やすために増量オプション2798A(例えばプラス記号のついたボタン)を使い得る。図示されていないが、ユーザインタフェース2772はその他の制御装置、使用者情報、もしくはインジケータを含み得る。
【0078】
第1ユーザインタフェース2772は、2つ目のバルブ(例えばバルブ2755~2770のうちの1つ)のための、同じオプションのセットを有するように構成された別のユーザインタフェースを含んでいるように図示されている。これは、自動オプション2780Bと、飲料容器サイズオプション2781B,2782B,2783Bと、清掃オプション2785Bと、プライミングオプション2786Bと、開始オプション2790Bと、停止オプション2792Bと、ライト2794Bと、充填量の減量オプション2796B及び増量オプション2798Bを備える飲料量オプション2795Bと、等を含む。いくつかの実施形態では、各バルブ2755~2770と対応するユーザインタフェースは、同じ種類の飲料もしくは異なる種類の飲料に関連付けられ得る。
【0079】
ユーザインタフェース2772のオプションは、例えば、タッチスクリーン、ボタン、トグル、スイッチ、ダイヤル、ノブ、光、音等の電気的もしくは機械的なオプションを含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース2772はプロセッサを含む電子部品と関連付けられる。ユーザインタフェース2772及び電子機器は分離板2825によってバルブ及び飲料源から分離され得る。分離板2825は、空気の流れを供給し電子部品のオーバヒートを削減する開口を有し得る。ロック機構2835は分離板2825を適当な位置に保持するために用いられ得る。
【0080】
図16はいくつかの実施形態に係る第2ユーザインタフェース1600の拡大図を示している。
図示されているように、第2ユーザインタフェース1600は、1つ以上のバルブ2755~2770のうちの対応するバルブを制御するように構成された物理的なもしくはスクリーン上のボタンのうちのいずれかを有する。LEDは、物理的なボタンのトグル状態(例えばオンまたはオフ)を示す、もしくは物理的なボタンのインジケータを押すために、物理的なボタンに隣接して用いられ得る。スクリーン上のグラフィカルインジケータは同様に、スクリーン上のボタンのトグル状態(例えばオンまたはオフ)を示す、もしくはスクリーン上のボタンのインジケータを押すために、スクリーン上のボタンに隣接して用いられ得る。ボタンは、これに限定するものではないが、自動開始ボタン1602、手動開始ボタン1604、プライムボタン1606、1つ以上の飲料サイズボタン1608、開始/停止ボタン1610、バルブオン/オフボタン1612、及び充填量調整ボタン1614を含み得る。このようなボタンは、第1ユーザインタフェース2772を参照して説明される。
【0081】
組込みシステム
飲料分配システム2700は、飲料分配及び飲料分配に関わる分析、通信、支払い処理、もしくはそれらの組み合わせのために構成された組込みシステム1760を有する。
【0082】
図17はいくつかの実施形態に係る飲料分配システム2700の組込みシステム1760を示す概略図を提供している。
図示されているように、組込みシステム1760は、1つ以上のバルブ制御モジュール1900、1つ以上のセンサ1920、及び中央モジュール1800を有する。中央モジュール1800は、少なくとも1つ以上のバルブ制御モジュール1900と通信的に結合される。各バルブ制御モジュール1900は、少なくとも1つのセンサがバルブ動作の1つ以上の態様を感知するように構成された、1つ以上のセンサ1920のうちの、少なくとも1つと通信的に結合され得る。とは言うものの、中央モジュール1800は、さらに、または代わりに、バルブ動作の1つ以上の態様を感知するために、1つ以上のセンサ1920と通信的に結合され得る。上記に関わらず、中央モジュール1800は、少なくとも1つのセンサが飲料分配システム2700全体の動作の1つ以上の態様を感知するように構成され得る、1つ以上のセンサ1920のうちの、少なくとも1つと通信的に結合され得る。
【0083】
図18はいくつかの実施形態に係る飲料分配システム2700の組込みシステム1760の中央モジュール1800を示す概略図を提供している。
中央モジュール1800は、表面実装部品を備えるプリント回路基板アセンブリを有する。
図18に示されているように、表面実装部品は、読み取り専用メモリ(ROM)1804のようなメモリ(例えば二次メモリ)に記憶された飲料分配に関連する1つ以上のプログラム(例えば支払い処理プログラム1834)を備えるマイクロコントローラ1802、外部ネットワーキング用に構成されたアンテナ、チップ、もしくはそれらの組み合わせを含む1つ以上のネットワーキングインタフェース1806、飲料分配システム2700の直接的な操作のために構成された赤外線(IR)受信機1810のような1つ以上の通信インタフェース1808、1つ以上のAD変換器(図示されていない)、1つ以上のDA変換器(図示されていない)、少なくともセンサデータを1つ以上のバルブ制御モジュール1900から受け取るように構成された1つ以上のデータポート1812、センサデータ、統計、分析等の記憶装置として構成される不揮発性メモリ1814、取り外しできる不揮発性メモリ用に構成されたコネクタ、及び1つ以上の電源コネクタ1816、から選択される。
【0084】
1つ以上のネットワーキングインタフェース1806は、1つ以上の有線ネットワーキングインタフェース1818、1つ以上の無線ネットワーキングインタフェース1820、もしくはそれらの組み合わせを含む。1つ以上の有線ネットワーキングインタフェース1818は、イーサネット(登録商標)ポート及び関連するマイクロチップ1822を有する。1つ以上の無線ネットワーキングインタフェース1820は、1つ以上の送受信機またはトランシーバ(例えば1つのデバイス内の送信及び受信回路)、及び任意にマイクロチップ上に送受信機またはトランシーバを有する、少なくとも1つの関連するマイクロチップを有する。マイクロチップは、図示されているように、例えばWi-Fiマイクロチップ1824、Bluetooth(登録商標)(BT)マイクロチップ1826、NFCマイクロチップ1828によって、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、NFC、もしくはそれらの組み合わせのために構成され得る。
【0085】
1つ以上のネットワーキングインタフェース1806のうちの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースは、1つ以上のOracle Hospitality(かつてのMicros(登録商標))等のPOSサービスプロバイダと直接通信する、または1つ以上のPOSサービスプロバイダとバックエンドシステム2204(
図22参照)を通して間接的に通信するように構成され得る。バルブ作動アセンブリ1710(例えば、
図3,4,6参照)等の1つ以上のバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダによって1つ以上の飲料に対する支払いが正常に処理されるまで、ロックされたままになるように構成される。ロックされていない場合、1つ以上のバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダによって拒否された支払いに応じて、ロックするもしくはロックされていない状態からロック状態を採用するように構成される。
【0086】
1つ以上のネットワーキングインタフェース1806のうちの同じもしくは異なるネットワーキングインタフェースは、身元もしくは年齢確認サービスプロバイダと直接通信する、または1つ以上のPOSサービスプロバイダとバックエンドシステム2204(
図22参照)を通して間接的に通信するように構成され得る。バルブ作動アセンブリ1710(例えば、
図3,4,6参照)等の1つ以上のバルブ作動アセンブリは、1つ以上の成人用飲料のための身元もしくは年齢確認サービスプロバイダによって消費者の年齢が確かめられるまで、ロックされたままになるように構成される。そのような年齢確認のための消費者の身元確認情報は、国が発行した識別カードを読み取ること、もしくは以下で説明されるモバイルウェブアプリケーションを用いること等によって、1つ以上の飲料の支払いと同時に処理され得る。さらに、または代わりに、中央モジュール1800のRFIDタグ読み取り機1830が消費者の年齢確認に用いられ得る。例えば、飲料分配システム2700が設置されている場所の入り口における人力での年齢確認の後、消費者はRFIDタグを備える腕輪を支給され得る。腕輪内のRFIDタグは、1つ以上の飲料のための1つ以上のバルブ作動アセンブリのロックを解除するために、中央モジュール1800のRFIDタグ読み取り機1830によって読み取られることができる。
【0087】
RFIDタグ読み取り機1830を用いた消費者の年齢確認に加えて、または代わりに、中央モジュール1800のRFIDタグ読み取り機1830は、サービスの記録のためにサーバのRFIDタグを読み取るように構成され得る。
【0088】
中央モジュール1800はさらに、飲料分配システム2700のグローバルポジションを決定するように構成されたGPSアンテナ及びGPSプロセッサを含むGPS受信機1832を有し得る。飲料分配システム2700のグローバルポジションは、なりすまし等の詐欺行為を防ぐために、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによる消費者のグローバルポジションとの比較に用いられ得る。消費者のグローバルポジションは、以下で説明されるモバイルウェブアプリケーションを介して、消費者に関連付けられたモバイルデバイスが飲料分配システム2700と共有している場所によって、比較のために決定され得る。1つ以上の飲料のための1つ以上のバルブ作動アセンブリ(例えばバルブ作動アセンブリ1710)は、消費者の場所が飲料分配システム2700と適合すると確認されるまで、ロックされた状態を維持するように構成される。
【0089】
上記を考慮して、少なくとも3つまでの確認プロセスが飲料分配システム2700によって用いられ得る。つまり、1つ以上の飲料のための1つ以上のバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダによって1つ以上の飲料についての支払いが正常に処理されるまで、身元または年齢確認サービスプロバイダもしくはRFID読み取り機によって消費者の年齢が確認されるまで、消費者に関連付けられたモバイルデバイスによって消費者の場所が確認されるまで、もしくはそれらの組み合わせが完了するまで、ロックされた状態を維持するように構成され得る。
【0090】
中央モジュール1800はさらに、1つ以上のバルブ制御モジュール1900を介して提供された、1つ以上のセンサ1920からのセンサデータの統計的な分析のために構成された統計モジュール1836を有し得る。1つ以上のセンサ1920は、少なくとも、飲料流量計1922、飲料温度センサ1924、空樽検出器1926、容器位置センサ1928、及び、温度計、湿度計または気圧計等の1つ以上の環境センサ1930から選択される。
【0091】
中央モジュール1800はさらに、少なくともセンサデータの統計的な分析、タイムサーバまたは中央モジュール1800のリアルタイムクロック1840からの時刻、支払い処理データ、もしくはそれらの組み合わせからパターンを判定するために構成された、分析モジュール1838を含み得る。例えば、分析モジュール1838は、1つ以上の飲料が飲料容器、消費者、または時間単位ごとにどれだけの量注がれたかを、飲料分配システム2700の1つ以上のバルブ(例えば1つ以上のバルブ2755~2770)にそれぞれ対応している1つ以上の飲料流量計(例えば飲料流量計1922)、支払い処理プログラム1834、リアルタイムクロック1840、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定するように構成され得る。例えば、分析モジュール1838は、1つ以上の飲料の温度を、1つ以上の飲料温度センサ(例えば飲料温度センサ1924)、支払い処理プログラム1834、リアルタイムクロック1840、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定するように構成され得る。例えば、分析モジュール1838は、各飲料が提供された時刻を、飲料分配システム2700の中央モジュール1800の支払い処理プログラム1834及びリアルタイムクロック1840からのデータを用いて決定するように構成され得る。
【0092】
図19はいくつかの実施形態に係る飲料分配システム2700の組込みシステム1760のバルブ制御モジュール1900を示す概略図を提供している。
1つ以上のバルブ制御モジュール1900の各バルブ制御モジュールは、表面実装部品を備えるプリント回路基板アセンブリを有する。表面実装部品は、ROM1906のようなメモリ(例えば二次メモリ)に記憶された少なくともバルブ制御プログラム1904を備えるマイクロコントローラ1902、バルブ作動アセンブリのソレノイド(例えばバルブ作動アセンブリ1710のソレノイド1706)を接続し制御するように構成されたソレノイドコネクタ1908、それぞれ1つ以上のセンサ1920を接続し制御するように構成された1つ以上のセンサコネクタ1910、少なくともバルブ制御モジュール1900から中央モジュール1800へのセンサデータを送るように構成された1つ以上のデータポート1912、1つ以上のAD変換器(図示されていない)、1つ以上のDA変換器(図示されていない)、及び1つ以上の電源コネクタ1914、から選択される。
【0093】
バルブ制御モジュール1900のプリント回路基板アセンブリは、こぼれた飲料からプリント回路基板アセンブリを保護するように構成されたケース(
図20参照)に入れられ得る。プリント回路基板アセンブリの第1側面、すなわち前面では、例えば、1つ以上のバルブ2755~2770の対応するバルブを制御するように構成された、1つ以上の物理的なボタンを備える使用者に向いたタッチパッド、もしくは1つ以上のスクリーン上のボタンを備える使用者に向いたタッチスクリーン、を含み得る
図16のユーザインタフェースとなるようにケースが形成される。プリント回路基板アセンブリの第2側面、すなわち背面では、1つ以上のセンサコネクタ1910、1つ以上のデータポート1912、及び1つ以上の電源コネクタ1914が、様々な接続を形成するためにケースから露出している。
【0094】
図20はいくつかの実施形態に係る飲料分配システム2700内の様々な接続を行うためのバルブ制御モジュール1900の背面2000の拡大図を示している。
改めて、プリント回路基板アセンブリの背面2000では、1つ以上のセンサコネクタ1910、1つ以上のデータポート1912、及び1つ以上の電源コネクタ1914が、様々な接続を形成するためにケースから露出している。図示されているように、そのようなポート及びコネクタは、飲料容器センサコネクタ1910A、空樽検出器コネクタ1910B、飲料流量計コネクタ1910C、バルブ作動アセンブリ1710のソレノイド1706のためのソレノイドコネクタ1908、少なくともバルブ制御モジュール1900から中央モジュール1800へのセンサデータを送るためのデータポート1912、及び2つ以上のバルブ制御モジュール1900のデイジー変更のための2つの電源コネクタ1914A,1914B等のセンサコネクタを含み得る。
【0095】
図21はいくつかの実施形態に係る飲料分配のための組込みシステム1760の分配の論理
図2100を示している。
飲料分配システム2700は電気的及び機械的な構成部品を制御するための分配ロジックを有し得る。分配ロジックはハードウェア(回路、専用ロジック、状態機械等)、ソフトウェア、もしくはそれらの組み合わせによって、中央モジュール1800及び組込みシステム1760の1つ以上のバルブ制御モジュール1900の間で実行され得る。以下で説明される分配ロジックのそのようなハードウェア、ソフトウェア、もしくはそれらの組み合わせは、中央モジュール1800と1つ以上のバルブ制御モジュール1900との組み合わせに関連して説明される。分配ロジックは組み合わせ論理及び有限状態マシンによって実行され得る。分配ロジックは1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくはプロセッサ、もしくはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ソフトウェアが使用されることができ、ソフトウェアは機械語命令を含み得る。情報は周辺機器から受け取られ得る。情報は周辺機器に表示され得る。
【0096】
図21を参照すると、分配ロジックは、プロセッサ3305と、情報及び命令を記憶するように構成されたメモリ3310と、を含み得る。分配ロジックは、情報がプロセッサにより、及びプロセッサへ送信されることを可能にするバス3350を含む、電気回路を含み得る。情報は、飲料容器が適切に配置されていることを示すために、飲料容器センサ1714によってプロセッサ3305へ送信され得る。情報はまた、タービン2327の回転に基づいた飲料流量を示すために、流体センサ1708によってプロセッサ3305へ送信され得る。タイマー3355は流れる時間及び割合を決定するために用いられ得る。プロセッサ3305は、作動アセンブリ1710内のソレノイド1706を動かし、飲料を流れさせるために、情報を作動アセンブリ1710へ送信し得る。メモリ3310は、プロセッサ3305が飲料容器へ分配される飲料の量を計算し決定することを可能にする、命令及び/または情報を記憶し得る。
【0097】
プロセッサ3305はユーザインタフェース2772または1600から情報を受け取り、それらに情報を表示し得る。ユーザインタフェース2722または1600のインプリメンテーションは、使用者が自動充填モードを設定することを可能にする自動モードモジュール3352、及び使用者が手動充填モードを設定することを可能にする手動モードモジュール3255を含み得る。ユーザインタフェース2772または1600は、使用者が飲料を受け入れる飲料容器のサイズや容量を指定することを可能にする容器サイズモジュール3357、及び使用者が飲料容器に分配される量を調整することを可能にする充填制御モジュール3360を含み得る。電源モジュール3362は、飲料分配システム2700の電源をオンオフするために用いられ得る。状態モジュール3358は、使用者に状態情報を表示するために用いられ得る。これは、飲料分配システム2700が分配を行う準備ができているか否かについての情報を含み得る。図示されていないが、分配ロジックは、飲料分配システム2700がここで説明されている実施形態に従って飲料容器に飲料を分配することを可能にする、その他のモジュールも含み得る。
【0098】
セルフサービス飲料クライアント・サーバシステム
図22はいくつかの実施形態に係る飲料分配のためのセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム2200を示している。
【0099】
図18,19,22に示されているように、セルフサービス飲料クライアント・サーバシステム2200は、モバイルデバイス用のモバイルウェブアプリケーション2202、飲料分配システム(例えば飲料分配システム2700)の組込みシステム(例えば組込みシステム1760)の1つ以上のプログラム(例えば支払い処理プログラム1834、もしくは1つ以上のその他のプログラム1844)、及びバックエンドシステム2204の少なくとも1つのサーバホスト(例えばサーバホスト2206,2208,2210のうちの任意のサーバホスト)によってサポートされるアプリケーションスタックを含む。組込みシステム1760の1つ以上のプログラムは、少なくとも部分的に中央モジュール(例えば中央モジュール1800)の一次メモリ(例えばランダムアクセスメモリ”RAM”1844)から実行されるように構成され、1つ以上のプログラムは少なくとも中央モジュールの支払い処理プログラム(例えば支払い処理プログラム1834)を含む。組込みシステム1760の1つ以上のプログラムはさらに、少なくとも部分的にバルブ制御モジュール(例えばバルブ制御モジュール1900)の一次メモリ(例えばRAM1916)から実行されるように構成され、1つ以上のプログラムは少なくともバルブ制御モジュール1900のバルブ制御プログラム(例えばバルブ制御プログラム1904)を含む。アプリケーションスタックは、少なくとも部分的にバックエンドシステム2204の少なくとも1つのサーバホストの一次メモリ(例えばRAM)から実行されるように構成され、アプリケーションスタックは、ウェブサーバ、モバイルウェブアプリケーション2202を提供するように構成されたアプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びデータベースを含む。
【0100】
モバイルウェブアプリケーション2202は、少なくとも部分的にモバイルデバイスの一次メモリ(例えばRAM)から実行され、モバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザ内にセルフサービスGUIを表示するように構成され得る。セルフサービスGUIは、少なくとも飲料の種類、飲料のブランド、飲料の量、及び飲料の値段から選択される、消費者が選択可能な複数のセルフサービス飲料オプションを含み得る。セルフサービスGUIはさらに、セルフサービス飲料オプションと結びつけられた、Samsung Pay,Android Pay(登録商標),Apple Pay(登録商標)等の1つ以上の支払い処理オプションを含み得る。前述したモバイルウェブアプリケーション2202に加えて、同じもしくは異なるモバイルウェブアプリケーションは、ここで開示されているあらゆる種類の飲料分配をサポートする、飲料分配システム2700と対話するための所有者もしくは借主のGUIを、彼もしくは彼女のモバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザに表示するように構成され得る。
【0101】
バックエンドシステム2204は、モバイルウェブアプリケーション2202を、飲料分配システム2700のような特定の飲料分配システムに近い1人以上の使用者(例えば消費者、所有者、借主)に提供し、特定の飲料分配システム2700に近い1人以上の使用者の各々に、適切なGUI(例えばセルフサービスGUI、所有者GUI、借主GUI)を表示するように構成され得る。1つ以上の飲料分配システムのいずれかへの使用者の近接は、GPSに基づいた比較によって判定される。
【0102】
特定の飲料分配システム2700に近い1人以上の使用者は、例えば消費者であり、バックエンドシステム2204は、1つ以上のPOSサービスプロバイダを介した飲料の支払いを容易にするために、飲料分配システム2700に近い消費者にセルフサービスGUIを表示するように構成され得る。消費者の年齢確認も同様に実行され得る。すなわち、バックエンドシステム2204は、1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダを介した、飲料分配システム2700に近い消費者用のセルフサービスGUIを用いた、成人用飲料のための年齢確認を容易にするように構成され得る。バックエンドシステム2204はさらに、飲料分配システム2700に近い消費者にカスタマイズされたセルフサービスGUIを表示するように構成されることができ、セルフサービスGUIは、組込みシステム1760によってもしくは所有者または借主がそれぞれ所有者または借主のGUIを介してバックエンドシステム2204に伝達した、飲料分配システムの在庫によってカスタマイズされる。
【0103】
特定の飲料分配システム2700に近い1人以上の使用者は、例えば所有者または借主であり、バックエンドシステム2204は、飲料分配システム2700の遠隔操作を行う等の飲料分配システム2700と対話するために、それぞれ所有者または借主のGUIを飲料分配システム2700に近い前述の所有者または借主に表示するように構成され得る。飲料分配システム2700の遠隔操作を行うことは、携帯式遠隔制御装置を用いても行える。
【0104】
図23はいくつかの実施形態に係る携帯式遠隔制御装置2302により遠隔操作可能な飲料分配システム2300を示している。
独立している、もしくはセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム2200の一部である飲料分配システム2300はさらに、図示されている携帯式遠隔制御装置2302のような1つ以上の携帯式遠隔制御装置を含み得る。飲料分配システム2300の組込みシステム1760の中央モジュール1800の1つ以上の通信インタフェース1808のうちの少なくとも1つの通信インタフェース(例えばIR受信機、BT受信機等)(
図17,18参照)は、少なくとも1つの携帯式遠隔制御装置もしくはIRまたはBT送信機と通信する(例えば一方向に通信する)ように構成され得る。携帯式遠隔制御装置2302は、1人以上の所有者または借主のような飲料分配システム2300の1人以上の使用者が、飲料分配システム2300と対話する、もしくはその1つ以上の機能を制御することができるように構成され得る。
【0105】
方法
図24はいくつかの実施形態に係るセルフサービス飲料クライアント・サーバシステム2000のためのセルフサービス飲料方法2400を示している。
【0106】
図示されているように、方法2400はセルフサービス飲料方法のためのいくつかのステップを含む。しかしながら、方法2400のすべてのステップが必要とされる訳ではなく、すべてのステップが示されている順序で実行される必要もない。例えば、いずれか1つが、或いは、は第1ステップ2410、第3ステップ2430、第4ステップ2440、または第5ステップ2450が最初に実行され得る。
【0107】
方法2400の第1ステップ2410では、モバイルウェブアプリケーションがモバイルデバイスの一次メモリ内でインスタンス化される。
方法2400の第2ステップ2420では、セルフサービスGUIがモバイルデバイスのタッチスクリーン上のモバイルウェブブラウザ内に表示される。セルフサービスGUIは、少なくとも飲料の種類、飲料のブランド、飲料の量、及び飲料の値段から選択される、消費者が選択可能な複数のセルフサービス飲料オプションを含む。セルフサービスGUIはさらに、セルフサービス飲料オプションと結びつけられた、Samsung Pay,Android Pay(登録商標),Apple Pay(登録商標)等の1つ以上の支払い処理オプションを含む。
【0108】
方法2400の第3ステップ2430では、支払い処理プログラムが飲料分配システムの組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ内でインスタンス化される。セルフサービス飲料方法はさらに、中央モジュールの1つ以上のネットワーキングインタフェースのうちの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースによって、1つ以上のOracle Hospitality(かつてのMicros(登録商標))等のPOSサービスプロバイダと直接通信する、または少なくとも1つのネットワーキングインタフェースによってバックエンドシステムを介して、1つ以上のPOSサービスプロバイダと間接的に通信するために、支払い処理プログラムを用いることを含み得る。
【0109】
支払い処理プログラムに加えて、年齢確認プログラムも、飲料分配システムの組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ内にインスタンス生成され得る。セルフサービス飲料方法はさらに、中央モジュールの1つ以上のネットワーキングインタフェースの少なくとも1つのネットワーキングインタフェースによる1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダとの直接通信によって、もしくはバックエンドシステムを介した少なくとも1つのネットワーキングインタフェースによる1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダとの間接的な通信によって、年齢確認プログラムで消費者の年齢を確認することを含み得る。さらに、または代わりに、中央モジュールのRFIDタグ読み取り機で消費者が身につけたRFIDタグを読み取ることにより、消費者の年齢が確認され得る。RFIDタグは、飲料分配システムが設置されている場所の入り口における人力での年齢確認の後に、腕輪内にある状態で支給され得る。
【0110】
支払い処理プログラムに加えて、グローバルポジションプログラムも、飲料分配システムの組込みシステムの中央モジュールの一次メモリ内でインスタンス化され得る。セルフサービス飲料方法はさらに、グローバルポジションプログラムによって、飲料分配システムのグローバルポジション及び消費者のグローバルポジションを決定することを含む。飲料分配システムのグローバルポジションを決定することは、GPSアンテナ及びGPSプロセッサを含む中央モジュールのGPS受信機によってグローバルポジションを決定することを含む。消費者のグローバルポジションを決定することは、消費者に関連付けられたモバイルデバイスがモバイルウェブアプリケーションを介して飲料分配システムと共有している場所によって、グローバルポジションを決定することを含む。
【0111】
方法2400の第4ステップ2440では、バルブ制御プログラムが飲料分配システムの組込みシステムのバルブ制御モジュールの一次メモリ内でインスタンス化される。飲料分配システムのバルブのバルブ作動アセンブリは、1つ以上のPOSプロバイダを介して、支払い処理プログラムによって1つ以上の飲料に対する支払いが正常に処理されるまで、1つ以上の身元もしくは年齢確認サービスプロバイダを介して、1つ以上の成人用飲料のための年齢確認プログラムによって消費者の年齢が正常に確認されるまで、消費者のグローバルポジションと飲料分配システムのグローバルポジションとが、グローバルポジションプログラムによって同じグローバルポジションであると確認されるまで、もしくは上記のうちのいくつかの組み合わせが完了するまで、バルブ制御プログラムによってロックされたままである。
【0112】
方法2400の第5ステップ2450では、アプリケーションスタックが少なくとも部分的に、バックエンドシステムの少なくとも1つのサーバホストの一次メモリ内でインスタンス化される。アプリケーションスタックのインスタンス化は、ウェブサーバ、モバイルウェブアプリケーションを提供するように構成されたアプリケーションサーバ、データベースサーバ、及び少なくとも1つのサーバホストからのデータベース、の操作を含む。
【0113】
セルフサービス飲料方法はさらに、飲料分配に関する分析の実行を含む。
第1の例では、そのような分析は、1つ以上の飲料が飲料容器、消費者、または時間単位ごとにどれだけの量注がれたかを、飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応している1つ以上の飲料流量計、支払い処理プログラム、飲料分配システムの中央モジュールのリアルタイムクロック、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定することを含む。
【0114】
第2の例では、そのような分析は、飲料分配システムの空樽検出器からのデータを用いて、空樽(例えばビール樽、ソーダ樽等)のモバイルウェブアプリケーションを介して、飲料分配システムの所有者または借主(例えばレストラン、バー等)に警告することを含む。
【0115】
第3の例では、そのような分析は、1つ以上の任意の飲料の温度を、1つ以上の飲料温度センサ、支払い処理プログラム、飲料分配システムの中央モジュールのリアルタイムクロック、もしくはそれらの組み合わせからのデータを用いて決定することを含む。
【0116】
第4の例では、そのような分析は、各飲料が提供された時刻を、支払い処理プログラム及び飲料分配システムの中央モジュールのリアルタイムクロックからのデータを用いて決定することを含む。
【0117】
第5の例では、そのような分析は、飲料分配システムの1つ以上のバルブにそれぞれ対応する1つ以上の透明物体検出器からのデータを用いて、飲料分配システムの1つ以上の飲料ラインが清掃される必要があることを所有者または借主に警告することを含む。
【0118】
いくつかの特定の実施形態がここで開示され、特定の実施形態はある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態がここで提供されているコンセプトの範囲を制限することは意図されていない。追加の改良及び/または修正は当業者にとって明らかであり得て、より広い態様では、これらの改良及び/または修正も同様に包含される。従って、ここで提供されているコンセプトの範囲から逸脱せずに、ここで開示されている特定の実施形態から逸脱することができる。