(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】APマルチバンド通信装置、通信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 76/15 20180101AFI20240903BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240903BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240903BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240903BHJP
H04W 12/0431 20210101ALI20240903BHJP
【FI】
H04W76/15
H04W84/12
H04W72/0457 110
H04W72/0453
H04W12/0431
(21)【出願番号】P 2023112550
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2021505818の分割
【原出願日】2019-06-12
【審査請求日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】10201807626Y
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チトラカール ロジャン
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-531817(JP,A)
【文献】特表2018-504067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチバンドで同時に通信するためのマルチバンド設定が要求される複数の周波数帯域を示すアソシエーション要求フレームを、1つの周波数帯域上でノンアクセスポイント(non-AP)マルチバンド通信装置から受信する受信部と、
アソシエーションに成功した周波数帯域を示すアソシエーション応答フレームを、前記1つの周波数帯域上で前記non-APマルチバンド通信装置に送信する送信部と、
を備えるAPマルチバンド通信装置。
【請求項2】
前記マルチバンドの設定は、前記複数の周波数帯域のうちのいずれで行われてもよい、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項3】
前記アソシエーション要求フレームは、共通情報フィールドと複数の帯域毎フィールドとを含む、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項4】
前記複数の周波数帯域について、単一のアソシエーションレコードを維持する制御回路をさらに備える、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項5】
前記単一のアソシエーションレコードは、前記複数の周波数帯域の各々について、アソシエーション状態変数、アソシエーションID(AID)、及びセキュリティ鍵のうちの少なくとも1つを含む、
請求項4に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項6】
前記non-APマルチバンド通信装置を特定するのに統一MACアドレスが用いられる、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項7】
前記non-APマルチバンド通信装置に、1つのアソシエーションID(AID)が割り当てられる、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項8】
複数の帯域毎のMACレイヤと複数の帯域毎のPHYレイヤとを管理するのに、統一MACサービスアクセスポイント(SAP)を用いる、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項9】
前記APマルチバンド通信装置に関連づけられた複数のAPについて、単一のタイミングクロックが用いられる、
請求項1に記載のAPマルチバンド通信装置。
【請求項10】
アクセスポイント(AP)マルチバンド通信装置のための通信方法であって、
マルチバンドで同時に通信するためのマルチバンド設定が要求される複数の周波数帯域を示すアソシエーション要求フレームを、1つの周波数帯域上でノンアクセスポイント(non-AP)マルチバンド通信装置から受信し、
アソシエーションに成功した周波数帯域を示すアソシエーション応答フレームを、前記1つの周波数帯域上で前記non-APマルチバンド通信装置に送信する、
通信方法。
【請求項11】
前記マルチバンドの設定は、前記複数の周波数帯域のうちのいずれで行われてもよい、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項12】
前記アソシエーション要求フレームは、共通情報フィールドと複数の帯域毎フィールドとを含む、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項13】
前記複数の周波数帯域について、単一のアソシエーションレコードを維持する、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項14】
前記単一のアソシエーションレコードは、前記複数の周波数帯域の各々について、アソシエーション状態変数、アソシエーションID(AID)、及びセキュリティ鍵のうちの少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の通信方法。
【請求項15】
前記non-APマルチバンド通信装置を特定するのに統一MACアドレスが用いられる、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項16】
前記non-APマルチバンド通信装置に、1つのアソシエーションID(AID)が割り当てられる、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項17】
複数の帯域毎のMACレイヤと複数の帯域毎のPHYレイヤとを管理するのに、統一MACサービスアクセスポイント(SAP)を用いる、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項18】
前記APマルチバンド通信装置に関連づけられた複数のAPについて、単一のタイミングクロックが用いられる、
請求項10に記載の通信方法。
【請求項19】
マルチバンドで同時に通信するためのマルチバンド設定が要求される複数の周波数帯域を示すアソシエーション要求フレームを、1つの周波数帯域上でノンアクセスポイント(non-AP)マルチバンド通信装置から受信するステップと、
アソシエーションに成功した周波数帯域を示すアソシエーション応答フレームを、前記1つの周波数帯域上で前記non-APマルチバンド通信装置に送信するステップと、
を制御する集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、マルチバンド動作のための、マルチバンド通信装置、マルチバンドアクセスポイント、及び通信方法に関し、より詳細には、無線ネットワークにおいて、複数の周波数帯域において動作するマルチバンド通信デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチバンド通信を提供する無線ネットワークは、電子デバイスが複数の異なる周波数帯域を介して通信することを可能にする。このようなネットワークは、無線通信が単一の周波数帯域に制限される他の無線ネットワークよりも有利である。
【発明の概要】
【0003】
非限定的且つ例示的な一実施形態は、無線ネットワークにおいて電子デバイス間で複数の周波数帯域を介する通信を提供することを容易にする。例えば、この通信は、単一の周波数帯域を介して、複数の異なる周波数帯域にわたってマルチバンド通信デバイスを認証及び/又はアソシエーションすることを含む。
【0004】
概括的な一態様において、ここに開示されている技術は、送信機と受信機とを含むマルチバンド通信装置を特徴とする。送信機は、動作中、無線ネットワークにおいて、1つの周波数帯域で、本マルチバンド通信装置が送信を行う1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域に関連するアクションを含むフレームを、マルチバンド通信デバイスに送信する。受信機は、動作中、無線ネットワークにおいて、マルチバンド通信デバイスから、1つの周波数帯域で、本マルチバンド通信装置が受信を行う1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域に関連するアクションを含むフレームを受信する。
【0005】
なお、一般的な実施形態又は特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、又はこれらの任意の選択的な組み合わせとして、実現可能であることに留意されたい。
【0006】
開示されている実施形態の更なる恩恵及び利点は、本明細書及び図面から明らかになるであろう。これらの恩恵及び/又は利点は、本明細書及び図面の様々な実施形態及び特徴によって個別に得ることができる。ただし、このような恩恵及び/又は利点のうちの1つ以上を得るために、これらの特徴全てを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面において、同様の参照符号は、別々の図を通して同一の要素又は機能的に類似する要素を示す。添付の図面は、以下の詳細な説明とともに本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。添付の図面は、様々な実施形態を例示するとともに、本実施形態に従った様々な原理及び利点を説明する役割を果たす。当業者は、図面中の要素が、単純且つ明確にするために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを理解するであろう。
【
図1】無線送信機/受信機が、マルチバンド通信デバイスとともに複数の異なる周波数帯域にわたって動作するマルチバンド無線ネットワークを示す図。
【
図2】無線送信機/受信機が、マルチバンド通信デバイスとともに複数の異なる周波数帯域にわたって動作するマルチバンド無線ネットワークを示す図。
【
図3】マルチバンドケイパビリティを通知する要素の図。
【
図4】近傍APのマルチバンドケイパビリティを通知する要素の図。
【
図5】コロケーテッドEHT APが動作する任意の1つの周波数帯域で単一の認証フレーム及び/又はアソシエーションフレーム交換を用いて、非AP STAが、コロケーテッドEHT APの全てのBSSに対して認証及び/又はアソシエーションされることを示すフロー図。
【
図6】複数の異なる周波数帯域にわたってマルチバンドSTAを認証及び/又はアソシエーションするためのフレームの図。
【
図7】マルチバンドEHT APによって保持される例示的なアソシエーションレコードの図。
【
図8】トライバンド対応EHT AP及び/又はSTAの参照モデルの図。
【
図9】STAとAPとの間のマルチバンド認証に関わるプリミティブ及びフレーム交換のプロセスを示す図。
【
図10】STAとAPとの間のマルチバンドアソシエーションに関わるプリミティブ及びフレーム交換のプロセスを示す図。
【
図11】マルチバンドAPに対してマルチバンドSTAを認証及び/又はアソシエーションするために使用される要素を示す図。
【
図12】STAについての2.4GHzアソシエーションレコードのテーブルの図。
【
図13】2つのステーション(STA1及びSTA2)についての5GHzアソシエーションレコードのテーブルの図。
【
図14】2つのステーション(STA1及びSTA2)についての6GHzアソシエーションレコードのテーブルの図。
【
図15】2.4GHz AID、5GHz AID、及び6GHz AIDに関する、2つのステーション(STA1及びSTA2)についての例示的なSTA AIDデータを示すテーブルの図。
【
図16】STAとAPとの間のマルチバンドアソシエーションに関わるプリミティブ及びフレーム交換のプロセスを示す図。
【
図17】APが、複数の異なる周波数帯域における単一の統一BSSをセットアップする無線ネットワークを示す図。
【
図18】マルチバンドBSSを通知するために使用されるビーコンフレーム及び/又はプローブ応答フレームの図。
【
図19】マルチバンド通信デバイス(マルチバンド対応EHT AP及び/又はSTA)の参照モデルの図。
【
図20】マルチバンド通信デバイスの簡略化された参照モデルの図。
【
図21】(n個(nは2以上の整数)の帯域として示される)複数の異なる周波数帯域において動作するマルチバンド通信デバイスの簡略化されたブロック図。
【
図22】(n個(nは2以上の整数)の帯域として示される)複数の異なる周波数帯域において動作するマルチバンド通信デバイスの詳細なブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
マルチバンド通信デバイスは、無線ネットワークにおいて、複数の異なる周波数帯域を介してデータを送信及び受信することができる。これらの電子デバイスは、単一の周波数帯域において動作することができる従来の電子デバイスよりも多くの利点を有する。しかしながら、無線ネットワークにおいてマルチバンド通信デバイスを動作させることは、多くの技術的問題を有する。
【0009】
1つの例示的な問題として、マルチバンド無線ネットワークにおいて動作するマルチバンド通信デバイスは、この無線ネットワークの各周波数帯域において、別々に又は独立して、発見、認証、及びアソシエーションされなければならない。例えば、アクセスポイント(AP)が3つの異なる周波数帯域において動作する場合、マルチバンド通信デバイスは、3回(このデバイスが動作する周波数帯域ごとに1回)、発見、認証、及びアソシエーションされなければならない。このタイプの発見、認証、及びアソシエーションは、不必要なネットワークトラフィックをもたらし、処理リソース、メモリリソース、及びネットワークリソースのその利用において非効率的である。
【0010】
別の例示的な問題として、マルチバンド通信デバイスが無線ネットワークにおいて認証及びアソシエーションを行う場合、マルチバンドAPは、各マルチバンド通信デバイスについて、周波数帯域ごとに異なるアソシエーションレコードを保持する。マルチバンドAPは、異なる各周波数帯域において動作する各電子デバイスを、別個の電子デバイスとみなす。この状況は、APが多数のアソシエーションレコードを保持及び管理することを必要とし、したがって非効率的である。
【0011】
更に別の例示的な問題として、APは、このAPが動作する各周波数帯域を介して、このAPの存在を継続的にブロードキャスト又は通知しなければならない。同様に、マルチバンド通信デバイスは、様々な異なる周波数を介して、これらのブロードキャストを継続的にモニタ又はスキャンしなければならない。この方法によるブロードキャスト及びスキャンは、不必要なネットワークトラフィックをもたらす。
【0012】
無線ネットワークにおいてマルチバンド通信デバイスを動作させることには、他の技術的問題も存在する。これらの問題の一部は、無線ネットワークにおいて動作するマルチバンド通信デバイスの発見、認証、認証解除、アソシエーション、アソシエーション解除、及び管理のうちの1つ以上に関連する。
【0013】
例示的な実施形態は、マルチバンド無線ネットワークにおけるマルチバンド通信デバイスの動作に伴って生じるこれらの技術的問題及び他の技術的問題を解決する。
【0014】
例示的な実施形態は、マルチバンド無線ネットワークにおいてマルチバンド通信デバイスを動作させる装置及び方法を含む。このような装置及び方法は、1つ以上の無線ネットワークにおいて、複数の異なる周波数帯域を介してマルチバンド電子デバイスと通信する送信機及び/又は受信機を有する電子デバイスを含む。この通信は、AP等の1つ以上のマルチバンド通信装置に対して、マルチバンド通信デバイスを認証すること、アソシエーションすること、認証解除すること、及びアソシエーション解除することのうちの1つ以上を含む。
【0015】
例示的な実施形態において、マルチバンド通信デバイスは、単一の周波数帯域を介して、複数の異なる周波数帯域にわたって、発見、認証、アソシエーション、認証解除、及び/又はアソシエーション解除される。このような実施形態は、マルチバンド通信デバイスが動作する異なる各周波数帯域について、マルチバンド通信デバイスが、別々に、発見、認証、アソシエーション、認証解除、及びアソシエーション解除されなければならない従来技術に対する改善を提供する。
【0016】
例示的な実施形態において、マルチバンドAPは、各マルチバンド通信デバイスについて、当該マルチバンド通信デバイスが動作する異なる周波数帯域の数にかかわらず、単一のアソシエーションレコードを保持する。したがって、マルチバンドAPは、全ての動作周波数帯域に対する、マルチバンド通信デバイスについての単一のアソシエーションレコードを保持する。このような実施形態は、各マルチバンド通信デバイスについて、当該マルチバンド通信デバイスが動作する各周波数帯域に対する、異なる又は固有のアソシエーションレコードを保持する従来技術に対する改善を提供する。
【0017】
例示的な実施形態において、マルチバンドAPは、単一の周波数帯域において、複数の周波数帯域についてのマルチバンドAPの利用可能性をブロードキャスト又は通知する。マルチバンドAPはまた、近傍マルチバンドAPについてもブロードキャスト又は通知することができる。このプロセスは、ネットワークトラフィック及び輻輳を低減させ、認証及びアソシエーションを促進し、より効率的な無線ネットワーク動作を提供する。
【0018】
図1は、無線送信機/受信機110が、マルチバンド通信デバイス120A及び120Bとともに複数の異なる周波数帯域にわたって動作するマルチバンド無線ネットワーク100を示している。例えば、マルチバンド通信デバイス110は、APとして示されており、マルチバンド通信デバイス120A及び120Bは、非APステーション(STA:station)STA1及びSTA2として示されている。複数の異なる周波数帯域は、6GHz、5GHz、及び2.4GHzを含むが、これらに限定されるものではない。図示されているように、AP110は、3つの基本サービスセット(BSS)を、6GHz BSS 130A、5GHz BSS 130B、及び2.4GHz BSS 130Cとして提供する。
【0019】
このように、AP110は、シングルバンドデバイスとともに単一の周波数帯域において動作することができるAPとは対照的に、複数の異なる周波数帯域において動作するマルチバンド通信デバイスとして機能する。AP110は、複数の異なる周波数帯域の各周波数帯域において、独立したAPとして機能することができる。更に、STA 120A及び120Bは、マルチバンド通信デバイスである(例えば、2つ以上の周波数帯域において動作することができる)が、シングルバンド通信デバイスも、無線ネットワーク100において動作することができる。
【0020】
例示的な実施形態において、APは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzにおいて動作するトライバンドAP等のEHT(Extremely High Throughput) APである。STAは、シングルバンド、デュアルバンド、トライバンド等であってよい。例えば、STA1 120Aは、5GHz及び/又は6GHzにおいて動作するデュアルバンドSTAであり、STA2 120Bは、2.4GHz、5GHz、及び6GHzにおいて動作するトライバンドSTAである。EHT APは、複数の周波数帯域(例えば、2.4GHz、5GHz、及び6GHz)におけるBSSを、別個のBSSとしてセットアップする。
【0021】
無線ネットワークが、ピークスループット及びマルチバンド伝送を向上させるIEEE802.11に従って動作する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)である例示的な実施形態について考える。2.4GHz BSS 130C及び5GHz BSS 130Bは、独立したビーコンフレームを(例えば、100ms間隔又は別の間隔で)送信し、アクティブスキャン及び/又はパッシブスキャンによってAP110を発見することを可能にする。しかしながら、6GHz BSS 130Aにおける動作は、管理及び/又は制御トラフィック(例えば、アソシエーション前のフレーム交換)を低減させるために制限される。6GHz BSS 130Aにおけるビーコンフレームは、全く送信されないこともあるし、あるいは、はるかに低い頻度で(例えば、1秒に1回又は別の間隔で)送信されることもある。プローブ要求フレームを送信することによるアクティブスキャンは、6GHz BSS 130Aにおいて許可されないことがある。代わりに、2.4GHz帯域が、6GHzにおいて動作するAP110の存在を通知する役割を果たす。この例において、STAは、2.4GHz帯域及び/又は5GHz帯域におけるビーコンフレーム及び/又はプローブ応答フレームを通じて、6GHz帯域におけるAPに関する基本情報(例えば、動作チャネル、MACアドレス等)を受信する。
【0022】
この例示的な実施形態において、マルチバンド対応STAは、別の周波数帯域においてコロケーテッド(同一位置の:co-located)APの基本情報を受信した後、アクティブ/パッシブスキャンを実行することによって又はコロケーテッドAPとプローブ要求/応答を交換することによって、コロケーテッドAPに関する更なる情報(例えば、帯域固有ケイパビリティ(能力:capability)等)を収集することができる。
【0023】
第1に、非AP STAは、示される帯域(この例では6GHz)においてアクティブスキャン及び/又はパッシブスキャンを実行することができる。この場合、非AP STAは、受信したフレーム(例えば、ビーコンフレーム又はプローブ応答フレーム)に基づいて、その帯域における接続リンクの品質を判定することができる。
【0024】
第2に、非AP STAは、例えばOn-Channel Tunneling(OCT)を用いて、別の周波数帯域においてコロケーテッドAPとプローブ要求及び/又は応答フレームを交換することができる。OCTは、第2の帯域においてAP/STAのMACサブレイヤ管理エンティティ(MLME)にアドレス指定された管理フレームが、On-Channel Tunnel要求フレームを用いて第1の帯域においてトンネルされることを可能にする。この場合、実際のフレーム交換は、1つの帯域において行われるので、非AP STAは、他の帯域における接続リンクの品質を判定することができない。一般に、伝送範囲は、より高い周波数帯域において短いため、特に、より低い周波数帯域(2.4GHz又は5GHz)を使用して、より高い周波数帯域(5GHz又は6GHz)を発見する場合には、このことは問題となることがある。
【0025】
例えば、非AP STAは、2.4GHzにおいてOCTを用いてマルチバンドAPを発見することができるが、他の帯域においてこのAPに到達できるかどうかは定かではない。そのような場合、非AP STAは、プローブ応答フレームに送信電力制御(TPC)報告要素を含めるようにAPに要求するために、プローブ要求フレームにTPC要求要素を含めることができる。TPC報告要素において報告された送信電力値とプローブ応答フレームが受信された実際の受信電力とに基づいて、非AP STAは、他の帯域における接続リンクの品質を大まかに計算することができる。
【0026】
上述したように得られた帯域固有情報及びリンク品質に基づいて、非AP STAは、ここで説明するように、マルチバンド接続を開始するための周波数帯域を決定することができる。レガシーデバイスのサポートに関して、全てのEHT APは、レガシー802.11 STA(HT(11n)、VHT(11ac)、HE(11ax))をサポートすることも予想され、したがって、それぞれの機能をサポートすることが予想される。全てではないにしてもほとんどのレガシー非AP STAは、シングルバンドデバイスであるので、EHT APも、それぞれの帯域の各帯域における、シングルバンドHE AP、シングルバンドVHT AP、又はシングルバンドHE APとして、認識され、動作するであろう。
【0027】
図2は、無線送信機/受信機を有するマルチバンド通信デバイス210が、マルチバンド通信デバイス220A及び220Bとともに複数の異なる周波数帯域にわたって動作するマルチバンド無線ネットワーク200を示している。例えば、マルチバンド通信デバイス210は、3つのアンテナ230A、230B、及び230Cを有するAPとして示されている。マルチバンド通信デバイス220A及び220Bは、2つのアンテナ240A及び240Bを有するSTA1、及び、3つのアンテナ250A、250B、及び250Cを有するSTA2として示されている。マルチバンド対応APは、かなり一般的であるが、マルチバンド対応STAは、それほど一般的はなく、複数の帯域において動作する少数のSTAでさえも、通常、一度に1つの周波数帯域でしか通信しない。異なる周波数帯域における複数のチャネルでの同時通信(送信若しくは受信又はこれらの両方)は、マルチバンド通信と称されることがあり、伝送スループットを劇的に増大させる有効な手段である。
【0028】
AP210がトライバンド(2.4GHz、5GHz、及び6GHz)対応APであり、STA1 220Aがデュアルバンド(5GHz及び6GHz)対応STAであり、STA2 220Bがトライバンド(2.4GHz、5GHz、及び6GHz)対応STAである例について考える。AP210は、5GHz帯域及び6GHz帯域を介して、STA1 220Aとのマルチバンド通信に関与することができる一方で、AP210は、2.4GHz帯域、5GHz帯域、及び6GHz帯域を介して、STA2 220Bとのマルチバンド通信に関与することができる。
【0029】
図3は、マルチバンドケイパビリティを通知する要素300である。例えば、要素300は、マルチバンド要素であってよく、要素ID(Element ID)、長さ(Length)、マルチバンド制御(Multi-band Control)、帯域ID(Band ID)、動作クラス(Operating Class)、チャネル番号(Channel Number)、基本サービスセット識別子(BSSID:Basic Service Set Identifier)、ビーコン間隔(Beacon Interval)、TSFオフセット(TSF Offset)、マルチバンド接続ケイパビリティ(Multi-band Connection Capability)、高速セッション切り替え(FST:Fast Session Transfer)セッションタイムアウト(Fast Session Transfer Session Timeout)、STA MACアドレス(STA MAC Address)、ペアワイズ暗号スイートカウント(Pairwise Cipher Suite Count)、ペアワイズ暗号スイートリスト(Pairwise Cipher Suite List)、及びオプションのサブ要素(Optional Subelements)(例えば、サポートされるチャネル(Supported Channels)、サポートされる動作クラス(Supported Operating Classes)、電力ケイパビリティ要素(Power Capability element)等)のうちの1つ以上を含む。
【0030】
APが、ビーコンフレーム及びプローブ応答フレームのうちの1つ以上にマルチバンド要素300を含めることによって、このAPがマルチバンド対応APであることをブロードキャスト又は通知する例について考える。例えば、これらのフレームは、1つ以上のマルチバンド要素を含むことができ、ここで、1つの要素は、APもBSSを動作させる、帯域IDフィールド302によって特定される各帯域(ビーコン/プローブフレームが伝送される帯域を除く)に対応する。例えば、マルチバンド要素は、帯域IDフィールド302によって特定される帯域における動作に必要とされる追加的な帯域固有情報(例えば、ケイパビリティ、動作要素、EDCAパラメータセット、サポートレート及びBSSメンバーシップセレクタ、拡張サポートレート及びBSSメンバーシップセレクタ等)を提供するオプションの要素310を含む。例えば、電力ケイパビリティ要素312は、当該帯域におけるその送信電力ケイパビリティを示す。
【0031】
図4は、近傍APのマルチバンドケイパビリティを通知する要素400である。例えば、要素400は、要素ID、長さ、BSSID、BSSID情報(BSSID Information)、動作クラス、チャネル番号、PHYタイプ(PHY Type)、及びオプションのサブ要素のうちの1つ以上を含む。BSSID情報402は、AP到達可能性(AP Reachability)、セキュリティ(Security)、キースコープ(Key Scope)、ケイパビリティ(Capabilities)、モビリティドメイン(Mobility Domain)、高スループット(High Throughput)、超高スループット(Very High Throughput)、FTM、高効率性(High Efficiency)、HE ER BSS、EHT BSS、コロケーテッド(Co-located)、及び予約(Reserved)のうちの1つ以上を含む。
【0032】
APが、マルチバンド対応近傍EHT AP(コロケーテッドAPも含む)を通知するためにフレーム400を送信する例について考える。例えば、APは、近傍報告(Neighbor Report)要素を使用する。例えば、要素410に従うと、EHT BSSビットは、これがEHT BSSであることを特定する。要素420に従うと、コロケーテッドBSSビットは、通知されているAPが、近傍報告要素を送信しているAPとコロケーテッドであることを特定するために、追加される。動作クラスフィールド及びチャネル番号フィールドは一緒になって、周波数帯域を暗示的に特定する。
【0033】
代替的に、APは、マルチバンド対応近傍EHT APを通知するために、縮小近傍報告(Reduced Neighbor Report)要素を使用してもよい。TBTT情報ヘッダ(TBTT Information Header)サブフィールド内の予約ビットは、通知されているAPが、縮小近傍報告要素を送信しているAPとコロケーテッドであることを特定するために、使用されてよい。動作クラスフィールド及びチャネル番号フィールドは一緒になって、周波数帯域を暗示的に特定する。
【0034】
図5は、コロケーテッドEHT AP504が動作する任意の1つの周波数帯域で単一の認証フレーム及び/又はアソシエーションフレーム交換を用いて、非AP STA502が、コロケーテッドEHT AP504の全てのBSSに対して認証及び/又はアソシエーションされることを示すフロー
図500である。例えば、STA502は、2.4GHz、5GHz、及び6GHzという3つの周波数帯域にわたって認証及び/又はアソシエーションされる。一例として、EHT AP504はAP200であってよく、非AP STA502はSTA2 220Bであってよい。
【0035】
複数の帯域を介して通信するために、非AP STA502が、全ての適用可能な周波数帯域において認証及び/又はアソシエーションされることが必要とされる例について考える。AP504は、5GHz帯域においてビーコンフレーム508をブロードキャストし、これを通じて、5GHz帯域において現在動作しているSTA502は、例えば、含まれるマルチバンド要素300をチェックすることによって、APのマルチバンドケイパビリティを発見し、AP504が動作する全ての周波数帯域(2.4GHz、5GHz、及び6GHz)について認証されることを決定し、また、アソシエーションされる周波数(この例では全ての3つの帯域(2.4GHz、5GHz、及び6GHz))を決定する。STA502は、5GHz帯域に加えて2.4GHz帯域及び6GHz帯域についてSTA502を認証するようにAP504に要求する認証フレーム510を、5GHz帯域において送信する。この送信(この例では5GHzにおいて行われた)に基づいて、APは、全ての3つの帯域(2.4GHz、5GHz、及び6GHz)についてSTA502を認証し、認証の成功を肯定確認応答する認証フレーム520を、STA502に送信する。
【0036】
次いで、STA502は、5GHz帯域に加えて2.4GHz帯域及び6GHz帯域についてSTA502をアソシエーションするようにAP504に要求するアソシエーション要求フレーム530を、5GHz帯域においてAP504に送信する。この送信(この例では5GHzにおいて行われた)に基づいて、APは、全ての3つの帯域(2.4GHz、5GHz、及び6GHz)についてSTAをアソシエーションし、アソシエーションの成功を肯定確認応答するアソシエーション応答フレーム540をもって応答する。
【0037】
図5は、マルチバンドAPとマルチバンドSTAとの認証及び/又はアソシエーションについての、従来技術に対する改良を示している。例えば、従来の802.11 WLANでは、STAは、各周波数帯域について、他の帯域とは独立して、BSSに対して認証/アソシエーションすることが必要とされる。この従来技術は、各帯域において認証/アソシエーションフレームを交換すること、複数の帯域において同時マルチバンドAPを維持すること、及び、異なる帯域におけるアソシエーションされた各STAについて別個のアソシエーションレコード(アソシエーション状態変数、アソシエーションID(AID)、セキュリティ鍵等)を保持することを必要とする且つ/又は含む。
【0038】
この従来技術とは対照的に、例示的な実施形態は、APが、マルチバンド対応STAについての単一のアソシエーションインスタンスを保持することによって単純化されるマルチバンド動作を提供する。APは、アソシエーションに使用される帯域にかかわらず、この単一のアソシエーションインスタンスを保持する。マルチバンドSTAを、異なる周波数帯域における独立したエンティティとして扱う代わりに、例示的な実施形態におけるEHT APは、マルチバンドSTAを、複数の周波数帯域にわたって動作することができる単一のエンティティとして扱う。
【0039】
プロセス500は、認証、アソシエーション、及びセキュリティのセットアップを含むが、単純にするために、プロセス500全体は、マルチバンド接続と称されることがある。図示されていないが、マルチバンド動作は、認証解除/アソシエーション解除という逆の動作にも適用可能である。APは、任意のアクティブな帯域において、単一の認証解除フレーム/アソシエーション解除フレームをそれぞれ送信することによって、複数の帯域についてマルチバンドSTAを認証解除/アソシエーション解除することができる。
【0040】
図6は、複数の異なる周波数帯域にわたってマルチバンドSTAを認証及び/又はアソシエーションするためのフレーム600である。例えば、フレーム600は、MACヘッダ610及びフレームボディ620を含む。MACヘッダ610は、フレーム制御(Frame Control)、持続時間(Duration)、アドレス1(Address 1)、アドレス2(Address 2)、アドレス3(Address 3)、シーケンス制御(Sequence Control)、及びHT制御(HT Control)のうちの1つ以上を含む。フレームボディ620は、マルチバンド要素630(
図3における要素300であってよい)、EHTオプション要素(EHT Options element)640、及びFCSのうちの1つ以上を含む。EHTオプション要素は、要素ID、長さ、要素ID拡張(Element ID Extension)、及びEHT制御ビットマップ(EHT Control Bitmap)650のうちの1つ以上を含む。EHT制御ビットマップ650は、マルチバンド認証(Multi-band Authentication)、マルチバンドアソシエーション(Multi-band Association)、及び予約を含む。
【0041】
マルチバンド要素630は、マルチバンド認証及び/又はアソシエーションに使用される追加的な周波数帯域固有情報を示す。EHT制御ビットマップ650は、マルチバンド認証及び/又はアソシエーションが、(マルチバンド要素630内の)示される帯域に対して要求されているかどうかを示す。
【0042】
例示的な実施形態において、認証、アソシエーション、認証解除、アソシエーション解除、及び/又は再アソシエーションフレームは、類似するフレームフォーマットを共有する。フレームが伝送される周波数帯域とは別に、認証、アソシエーション、再アソシエーション、認証解除、及び/又はアソシエーション解除される追加的な帯域が、それぞれのフレームに1つ以上のマルチバンド要素630を含めることによって示され、ここで、各要素は、1つの帯域を特定する。オプションのサブ要素フィールド(例えば、
図3における310)は、マルチバンド要素の帯域IDフィールド(例えば、
図3における302)によって示される帯域について認証及び/又はアソシエーションするために必要とされる追加的な1つ以上のサブ要素を運ぶ。いくつかの共通パラメータは、フレーム内の他のフィールド(例えば、HT/VHT/HE動作/ケイパビリティ要素等)によって示されてよい。多くのパラメータ(例えば、サポートされるMCSレート、サポートされる空間ストリームの数、EDCAパラメータ)は、特定の周波数帯域に固有であり得るので、共通パラメータのうちのいずれかが異なる場合、帯域固有パラメータも、マルチバンド要素に含められてよい。
【0043】
非AP STAは、帯域におけるその送信電力ケイパビリティを示すために、
図5の認証フレーム510及びアソシエーション要求フレーム530に、電力ケイパビリティ要素(例えば、
図3における312)を含めることもできる。APは、そのような帯域固有情報を利用して、任意の特定の帯域について非AP STAを許可するか否かを決定することができる。
【0044】
図5におけるプロセス500に従ったマルチバンド接続は、全ての3つの周波数帯域についての認証/アソシエーションの成功の例を示しているが、いくつかの帯域については認証/アソシエーションが成功するのに対し、他の帯域については認証/アソシエーションが成功しないこともあり得る。APは、認証フレーム520及びアソシエーション応答フレーム540に、その帯域のマルチバンド要素を含めることによって、認証/アソシエーションが成功した帯域を示すことができる。
【0045】
図7は、マルチバンドEHT APによって保持される例示的なアソシエーションレコード700である。レコードは、STA AID、アソシエーション状態(Association State)、2.4GHz MACアドレス(2.4GHz MAC Address)、5GHz MACアドレス(5GHz MAC Address)、6GHz MACアドレス(6GHz MAC Address)、秘密暗号鍵(Private Cipher Key)、及びグループ暗号鍵(Group Cipher Key)のうちの1つ以上を含む。レコードは、2つのステーション(STA1及びSTA2)について、これらのフィールドの一部において例示的なデータを含む。
【0046】
STAは、異なるMACアドレスを使用して、異なる周波数帯域におけるチャネルで通信することができるので、APは、(例えば、マルチバンド要素から抽出された)STAの帯域固有MACアドレスも記録する。レコードの行1は、STA1のレコードを示し得るのに対し、行2は、STA2のレコードを示し得る。
【0047】
レコードにリストされないが、APは、各STAについての他の帯域固有パラメータ(例えば、サポートされるレート、EDCAパラメータセット等)を保持することもできる。シングルバンドデバイスであるレガシー非AP STA(11nデバイス、11acデバイス、11axデバイス)に関して、EHT APは、ベースラインルールに従って、シングルバンド認証/アソシエーションをサポートし続ける。EHT APは、そのようなデバイスのために、同じアソシエーションレコード700を使用することを選択してもよいし、アソシエーションされたシングルバンドデバイスのために、別個のレコードを保持することを選択してもよい。異なる帯域にわたる動作を単純化するために、APは、アソシエーションされたデバイスがアソシエーションされている帯域に関係なく、アソシエーションされたデバイスにAIDを割当てる統一AID割当てスキームを維持することを選択することができる。更に、AIDは、AID管理を単純化するために、異なる帯域にわたって再度使用されない。
【0048】
図8は、トライバンド対応EHT AP及び/又はSTA800の参照モデルである。例えば、AP/STA800は、2.4GHz、5GHz、及び6GHzを含む複数の周波数帯域において動作する。したがって、AP/STA800は、各周波数帯域に対して1つのSTAが対応する、3つの別個のSTA810A、810B、及び810Cを含む。
【0049】
図示されているように、各STAは、各周波数帯域について、物理レイヤ(PHY)、MACサブレイヤ、PHY管理エンティティ(PLME)、及びMACサブレイヤ管理エンティティ(MLME)のうちの1つ以上を含むのに対し、共通ステーション管理エンティティ(SME)は、全ての3つの帯域におけるPHY及びMACレイヤを管理することを担う。
【0050】
例示的な実施形態において、単一のステーション管理エンティティは、それぞれのMACレイヤ管理エンティティ(MLME)及びPHY管理エンティティ(PLME)を介して、各帯域のMAC及びPHYレイヤにアクセスすることができる。各STAのMACサービスアクセスポイント(SAP)は、帯域固有MAC及びPHYサブレイヤへのインタフェースを上位レイヤプロトコルに提供する。
【0051】
図8に示されているように、共有状態情報は、ブロックack合意、TS、アソシエーション状態、RSNA、セキュリティ鍵、シーケンスカウンタ、及びPNカウンタのうちの1つ以上を含む。
【0052】
図9は、STA910とAP920との間のマルチバンド認証に関わるプリミティブ及びフレーム交換のプロセス900を示している。
【0053】
プロセス900に関して、MLME-AUTHENTICATEプリミティブ内のマルチバンド認証フラグは、マルチバンド認証プリミティブを通常のシングルバンド認証と区別するために使用されてよい。非AP STA910のSMEは、MLME-AUTHENTICATE.requestプリミティブ930(マルチバンド認証フラグがセットされている)をアクティブな周波数帯域のうちのいずれかの周波数帯域のMLMEに発行することによって、マルチバンド認証を開始し、このMLMEは、次いで、認証フレーム940(
図5における認証フレーム510であってよい)がこの周波数帯域における動作チャネルで伝送されるようにトリガする。この帯域のAPのMLMEは、認証フレーム940を受信すると、MLME-AUTHENTICATE.indicationプリミティブ950(マルチバンド認証フラグがセットされており、認証が要求されている追加的な周波数帯域も示す)を生成する。APのSMEが、マルチバンド認証フラグがセットされているMLME-AUTHENTICATE.indicationプリミティブ950を受信すると、APは、マルチバンド認証を実行し(955)、認証フレーム940が受信された周波数帯域に加えて、認証フレーム940において運ばれたマルチバンド要素によって示される全ての他の帯域について、STAを認証する。マルチバンド認証が成功裏に完了すると、APのSMEは、MLME-AUTHENTICATE.responseプリミティブ960(ステータスコードがSUCCESS(成功)に設定されている)を、認証フレーム940が受信された周波数帯域のMLMEに発行することによって、マルチバンド認証の成功を確認し、このMLMEは、次いで、認証フレーム970(
図5における認証フレーム520であってよい)がこの周波数帯域における動作チャネルで伝送されるようにトリガする。この帯域の非AP STAのMLMEは、認証フレーム970を受信すると、マルチバンド認証の成功を示すMLME-AUTHENTICATE.confirmプリミティブ980を生成する。
【0054】
図10は、STA1010とAP1020との間のマルチバンドアソシエーションに関わるプリミティブ及びフレーム交換のプロセス1000を示している。
【0055】
プロセス1000に関して、MLME-ASSOCIATEプリミティブ内のマルチバンドアソシエーションフラグは、マルチバンドアソシエーションプリミティブを通常の(シングルバンド)アソシエーションと区別するために使用されてよい。非AP STA1010のSMEは、MLME-ASSOCIATE.requestプリミティブ1030(マルチバンドアソシエーションフラグがセットされており、アソシエーションが要求されている追加的な周波数帯域も示す)をアクティブな周波数帯域のうちのいずれかの周波数帯域のMLMEに発行することによって、マルチバンドアソシエーションを開始し、このMLMEは、次いで、アソシエーション要求フレーム1040(
図5におけるアソシエーション要求フレーム530であってよい)がこの周波数帯域における動作チャネルで伝送されるようにトリガする。この帯域のAPのMLMEは、アソシエーション要求フレーム1040を受信すると、MLME-ASSOCIATE.indicationプリミティブ1050(マルチバンドアソシエーションフラグがセットされており、アソシエーションが要求されている追加的な周波数帯域も示す)を生成する。APのSMEが、マルチバンドアソシエーションフラグがセットされているMLME-ASSOCIATE.indicationプリミティブ1050を受信すると、APは、マルチバンドアソシエーションを実行し(1055)、アソシエーション要求フレーム1040が受信された周波数帯域に加えて、アソシエーション要求フレーム1040において運ばれたマルチバンド要素によって示される全ての他の帯域について、STAをアソシエーションする。マルチバンドアソシエーションが成功裏に完了すると、APのSMEは、MLME-ASSOCIATE.responseプリミティブ1060(ステータスコードがSUCCESSに設定されている)を、アソシエーション要求フレーム1040が受信された周波数帯域のMLMEに発行することによって、マルチバンドアソシエーションの成功を確認し、このMLMEは、次いで、アソシエーション応答フレーム1070(
図5におけるアソシエーション応答フレーム540であってよい)がこの周波数帯域における動作チャネルで伝送されるようにトリガする。この帯域の非AP STAのMLMEは、アソシエーション応答フレーム1070を受信すると、マルチバンドアソシエーションの成功を示すMLME-ASSOCIATE.confirmプリミティブ1080を生成する。
図9又は
図10には示されていないが、マルチバンド動作は、認証解除/アソシエーション解除という逆の動作に使用されるMLME-DEAUTHENTICATE/MLME-DISASSOCIATEプリミティブにも適用可能である。APは、任意のアクティブな帯域において、単一の認証解除フレーム/アソシエーション解除フレームをそれぞれ送信することによって、複数の帯域についてマルチバンドSTAを認証解除/アソシエーション解除することができる。
【0056】
図11は、マルチバンドAPに対してマルチバンドSTAを認証及び/又はアソシエーションするために使用される要素1100を示している。例えば、要素1100は、マルチバンド要素300であってよく、要素ID、長さ、マルチバンド制御、帯域ID、動作クラス、チャネル番号(図示せず)、BSSID(図示せず)、ビーコン間隔(図示せず)、TSFオフセット(図示せず)、マルチバンド接続ケイパビリティ、FSTセッションタイムアウト、STA MACアドレス(オプション)、ペアワイズ暗号スイートカウント(オプション)、ペアワイズ暗号スイートリスト(オプション)、及びオプションのサブ要素を含む。更に、マルチバンド制御1110は、STAロール(STA Role)、STA MACアドレス存在(STA MAC Address Present)、ペアワイズ暗号スイート存在(Pairwise Cipher Suite Present)、マルチバンドアクション(Multi-band Action)、及び予約を含む。
【0057】
図6に示されている認証/アソシエーションフレーム内のEHTオプション要素640を使用する代わりに、STA又はAPは、マルチバンド要素のマルチバンド制御フィールド1110内の「マルチバンドアクション」ビット1120を使用して、マルチバンド要素を運ぶフレームが、帯域IDフィールド1130によって示される帯域についてのマルチバンド認証又はアソシエーションの一部であることを示してもよい。「マルチバンドアクション」ビット1120は、例えば、マルチバンド要素1140が認証フレームにおいて運ばれる場合にはマルチバンド認証を示し、マルチバンド要素1140がアソシエーション要求フレーム又はアソシエーション応答フレームにおいて運ばれる場合にはマルチバンドアソシエーションを示す。
【0058】
オプションのサブ要素フィールド1150は、マルチバンド要素の帯域IDフィールドによって示される帯域について認証/アソシエーションするために必要とされる追加的なサブ要素を運ぶ。
【0059】
図12は、STAについての2.4GHzアソシエーションレコードのテーブル1200である。テーブルは、STA AID、アソシエーション状態、MACアドレス、ペアワイズ暗号鍵(Pairwise Cipher Key)、及びグループ暗号鍵を含む。例示的なデータが、STA2について提供されている。
【0060】
図13は、2つのステーション(STA1及びSTA2)についての5GHzアソシエーションレコードのテーブル1300である。テーブルは、STA AID、アソシエーション状態、MACアドレス、ペアワイズ暗号鍵、及びグループ暗号鍵を含む。例示的なデータが、STA1及びSTA2について提供されている。
【0061】
図14は、2つのステーション(STA1及びSTA2)についての6GHzアソシエーションレコードのテーブル1400である。テーブルは、STA AID、アソシエーション状態、MACアドレス、ペアワイズ暗号鍵、及びグループ暗号鍵を含む。例示的なデータが、STA1及びSTA2について提供されている。
【0062】
図15は、2.4GHz AID、5GHz AID、及び6GHz AIDに関する、2つのステーション(STA1及びSTA2)についての例示的なSTA AIDデータを示すテーブル1500である。
【0063】
図15におけるマルチバンド接続500では、マルチバンドSTA502は、マルチバンド接続500を開始するときに、いかなる帯域についてもマルチバンドAP504に対してアソシエーションされていないと仮定していた。しかしながら、STAが、少なくとも1つの帯域(例えば、5GHz帯域)についてAPにすでにアソシエーションされている場合もある。5GHz帯域についてのアソシエーションプロセスの間又は後に、STAは、APのマルチバンドケイパビリティを発見し、マルチバンド通信を利用できるように他の帯域についてもアソシエーションすることを決定する。あるいは、当初は、6GHz帯域のカバレッジ外であり5GHz帯域の範囲にしかなかったが、その後、モビリティに起因して、6GHz帯域のカバレッジにも入った可能性もある。そのような場合、マルチバンド接続500は、STAがすでにアソシエーションされている帯域とは別に他の追加的な帯域についての新しい認証/アソシエーションに関することもある。異なる帯域についてのアソシエーションのそのような動的な追加が有効化された場合、このことは、APによって保持される、STAのアソシエーション状態が、異なる帯域において異なる状態を有することがあり、したがって、APが、異なる帯域について別個のアソシエーションインスタンスを保持することがより効率的であり得ることを意味する。例示的な実施形態において、
図12~
図15に従うと、APは、帯域固有状態変数、AID、セキュリティアソシエーション等、周波数帯域ごとに1つ、別個のアソシエーションインスタンスを保持する。一例として、STA502は、当初は、ベースライン(シングルバンド)アソシエーション手順を用いて、5GHz帯域についてAP504に対してアソシエーションされていることがある。続いて、STA502は、2.4帯域及び6GHz帯域に「加入する」ために、マルチバンド接続500を開始することを決定する。マルチバンド認証を完了した後、STA502についてのアソシエーションレコードは、2.4GHz帯域については行1210に示されているように見え、6GHz帯域については行1410に示されているように見えるであろう(アソシエーション状態「2」は、STA502が成功裏に認証されていることを示す)。異なる帯域におけるSTAパラメータを追跡するために、APは、異なる帯域におけるマルチバンドSTA ID(例えば、AID)をリストしているテーブル1500を保持し、このテーブルを使用して、帯域固有パラメータについて、各帯域におけるそれぞれのアソシエーションレコードを相互参照することもできる。続いて、2.4GHz帯域及び6GHz帯域についてマルチバンドアソシエーションを成功裏に完了した後、STA502についてのアソシエーションレコード(行1210及び行1410)は、新しいアソシエーション状態「4」と割当てられたAIDとを反映するように更新される。同様に、テーブル1500も、2.4GHz帯域及び6GHz帯域における割当てられたAIDをもって更新される。
【0064】
図16は、STA1610とAP1620との間のマルチバンドアソシエーションに関わるプリミティブ及びフレーム交換のプロセス1600を示している。アソシエーションは、適用可能な各周波数帯域について実行され、APは、各帯域について別個のアソシエーションインスタンスを保持する。APは、任意のアクティブな帯域において、単一の認証解除フレーム及び/又はアソシエーション解除フレームをそれぞれ送信することによって、複数の帯域についてマルチバンドSTAを認証解除及び/又はアソシエーション解除してもよいし、又は、認証解除及び/又はアソシエーション解除は、個々の帯域について、他の帯域とは独立して実行されてもよい。
【0065】
プロセス1600に関して、MLME-ASSOCIATEプリミティブ内のマルチバンドアソシエーションフラグは、マルチバンドアソシエーションプリミティブを通常の(シングルバンド)アソシエーションと区別するために使用されてよい。非AP STA 1610のSMEは、MLME-ASSOCIATE.requestプリミティブ1630(マルチバンドアソシエーションフラグがセットされている)をアクティブな周波数帯域のうちのいずれかの周波数帯域のMLMEに発行することによって、マルチバンドアソシエーションを開始し、このMLMEは、次いで、アソシエーション要求フレーム1640がこの周波数帯域における動作チャネルで伝送されるようにトリガする。この帯域のAPのMLMEは、アソシエーション要求フレーム1640を受信すると、MLME-ASSOCIATE.indicationプリミティブ1650を生成する。APのSMEが、マルチバンドアソシエーションフラグがセットされているMLME-ASSOCIATE.indicationプリミティブ1650を受信すると、APは、第1の帯域についてのアソシエーション、第2の帯域についてのアソシエーション、及び第3の帯域についてのアソシエーションを実行することによって、マルチバンドアソシエーションを実行する(1655)。マルチバンドアソシエーションが成功裏に完了すると、APのSMEは、MLME-ASSOCIATE.responseプリミティブ1660(ステータスコードがSUCCESSに設定されている)を、アソシエーション要求フレーム1640が受信された周波数帯域のMLMEに発行することによって、マルチバンドアソシエーションの成功を確認し、このMLMEは、次いで、アソシエーション応答フレーム1670がこの周波数帯域における動作チャネルで伝送されるようにトリガする。この帯域の非AP STAのMLMEは、アソシエーション応答フレーム1670を受信すると、マルチバンドアソシエーションの成功を示すMLME-ASSOCIATE.confirmプリミティブ1680を生成する。
【0066】
異なる周波数帯域において別個のBSSを維持する代わりに、BSS動作は、APの全ての動作周波数帯域にわたって単一のBSSを維持することによって、単純化されてもよい。
図17は、AP1710が、STA1 1720A及びSTA2 1720Bとして示されている複数のSTAのために、複数の異なる周波数帯域における単一の統一BSSをセットアップする無線ネットワーク1700を示している。例えば、無線ネットワーク1700は、2.4GHz、5GHz、及び6GHzという3つの周波数帯域を含む。
【0067】
例示的な実施形態において、サポートされるサブ7GHz周波数帯域の数にかかわらず、EHT APは、全ての帯域における単一の統一BSSをセットアップする。例えば、
図17は、2.4GHz周波数帯域、5GHz周波数帯域、及び6GHz周波数帯域において同時に動作する単一のマルチバンドBSSを表す。EHT AP(AP1710等)は、その動作帯域の一部又は全てにおいてビーコンフレームを送信する。全てのビーコンフレーム及び/又はプローブ応答フレームは、これらのフレームが伝送される周波数帯域に関係なく、同じBSSを示す。単一のBSSIDは、適用可能な周波数帯域における統一BSSを表すために使用される。AP1710は、AP1710のサブ7GHz無線インタフェースのうちのいずれか1つの無線インタフェースのMACアドレスを、BSSIDとして使用することができる。
【0068】
図18は、マルチバンドBSSを通知するために使用されるビーコンフレーム及び/又はプローブ応答フレーム1800である。フレーム1800は、フレーム制御、持続時間、アドレス1(DA)(Address 1 (DA))、アドレス2(SA)(Address 1 (SA))、アドレス3(BSSID)(Address 3 (BSSID))、及びシーケンス制御を含む。フレームボディ1820は、数あるフィールドの中でもとりわけ、タイムスタンプ(Timestamp)フィールド及び1つ以上のマルチバンド要素を含む。
【0069】
ビーコンフレーム及び/又はプローブ応答フレーム1800を送信するために使用される周波数帯域にかかわらず、アドレス3フィールド1830は、マルチバンドBSSを表すBSSIDに設定される。アドレス2 1840は、送信元アドレスを運び、フレームが伝送される周波数帯域の無線インタフェースのハードウェアMACアドレスに設定されてよい。
【0070】
様々な帯域にわたる動作を単純化するために、APは、タイミング目的で、単一のクロックを保持することを選択することができる。この場合、タイムスタンプフィールド1850は、統一タイミング同期機能(TSF)値を運ぶ。
【0071】
APは、ビーコンフレーム及び/又はプローブ応答フレームにおいて、このAPがマルチバンド対応であることを通知する。例えば、フレーム1800は、1つ以上のマルチバンド要素1860を含み、ここで、1つの要素は、APも動作する、帯域IDフィールドによって特定される各帯域(ビーコン/プローブフレームが伝送される帯域を除く)に対応する。
図18には示されていないが、フレーム1800は、周波数帯域に関係なく無線ネットワークを表す同じサービスセット識別子(SSID)も運ぶ。このことは、BSSIDが、単一のSSIDに一意にマッピングされることを意味し、更に、無線ネットワークの管理を単純化する。しかしながら、現在の動作と同様に、2つ以上のBSSIDが同じSSIDにマッピングされることも可能である。
【0072】
ビーコン/プローブ応答フレームを送信するために使用される周波数帯域にかかわらず、ビーコン/プローブ応答フレームは、同じBSSID及びSSIDを通知するので、非AP STAは、単一のBSSを認識することになる。しかしながら、このことは、レガシー(非マルチバンド)非AP STAに対して、いくつかの問題をもたらす可能性がある。なぜならば、レガシー(非マルチバンド)非AP STAは、アソシエーションすることを望む周波数帯域を明示的に指定することができないからである。この問題は、非AP STAが加入することを望む周波数帯域において認証フレーム及び/又はアソシエーションフレームを送信することによって、克服され得る。アソシエーションフレームにおいて指定されたBSSID/SSIDにかかわらず、APは、フレームが受信された周波数帯域について非AP STAをアソシエーションする。この場合、マルチバンド接続は更に単純である。認証及び/又はアソシエーションするために使用される周波数帯域にかかわらず、例えば、マルチバンドAPとマルチバンドSTAとの間では単一のアソシエーションインスタンスが必要とされ、帯域固有アソシエーションは不要である。異なるケイパビリティに起因して、認証及び/又はアソシエーション中に、非AP STAは、本明細書において説明されているように、1つ以上のマルチバンド要素を使用して、非AP STAのサポートされる帯域を依然として示すことができる。
【0073】
図19は、マルチバンド対応EHT AP及び/又はSTA 1900のモデルである。例えば、AP/STA 1900は、3つの帯域1910A(帯域1)、1910B(帯域2)、及び1910C(帯域3)を含む。各帯域は、物理レイヤ(PHY)、MACサブレイヤ、PHY管理エンティティ(PLME)、及びMACサブレイヤ管理エンティティ(MLME)のうちの1つ以上を含むのに対し、単一のステーション管理エンティティ(SME)は、全ての帯域固有PHY及びMACレイヤにアクセスすることができる。
【0074】
図19に示されているように、マルチバンドデバイスは、各周波数帯域に対して1つ以上のセットが対応する、別個のPHY及びMACレイヤセットを含む。単純にするために、
図19は、トライバンドデバイスを示しているが、例示的な実施形態は、デュアルバンドデバイス、クワッドバンドデバイス等の他のタイプのバンドデバイスも含む。
【0075】
4つの別個のPHY及びMACレイヤセットを含むクワッドバンドデバイスの例について考える(1つのセットは、2.4GHz帯域用であり、1つのセットは、5GHz帯域用であり、1つのセットは、6GHz帯域の低帯域部分(例えば6GHz~6.49GHz)用であり、1つのセットは、6GHz帯域の高帯域部分(例えば6.5GHz~6.99GHz)用である)。ただし、それぞれのMACレイヤ管理エンティティ(MLME)及びPHY管理エンティティ(PLME)を介して各帯域のMAC及びPHYレイヤにアクセスすることができる単一のステーション管理エンティティのみが存在する。様々な帯域固有PHY及びMACレイヤの管理を単純化するために、マルチバンド適応サブレイヤ1920が、帯域固有MACレイヤの上に存在し、統一MAC SAP 1930を上位レイヤに提供する。マルチバンド適応サブレイヤ1920は、各帯域固有MACレイヤのMACサービスアクセスポイント(SAP)を介して、帯域固有MAC及びPHYサブレイヤとインタラクトする。
【0076】
このモデルの1つの利点は、EHT MACレイヤが、上位レイヤに対する単一のMACエンティティとして認識され、上位レイヤが、単一のレイヤ(マルチバンド適応サブレイヤ1920)を扱い、単一のレイヤ(マルチバンド適応サブレイヤ1920)が、帯域固有MAC/PHYレイヤを管理する役割を果たすことである。
【0077】
例示的な実施形態において、マルチバンド動作は、マルチバンド接続中にネイティブに有効化されてネゴシエートされる。マルチバンドSTAは、アソシエーションの成功の後、全ての適用可能な周波数帯域において有効化されたWMを介して通信するとみなされ(すなわち、STAは、無線媒体(WM)を介して通信することを開始することができ)、APとSTAとの間の更なるネゴシエーションなく、あらゆる/全てのアソシエーションされている帯域にわたるマルチバンド通信に関与することに進むことができる。例えば、高速セッション切り替え(FST)は、マルチバンド接続を完了したデバイス間のマルチバンド通信には必要とされない。
【0078】
追加的な60GHz I/Fを有するデバイスに関して、60GHz I/Fは、ベースラインに従って、例えば、FST、OCT等を用いて、管理されてよい。このようなデバイスは、2つのSTA、すなわち、サブ7GHz STA(7GHzよりも低い周波数帯域においてマルチバンド通信が可能である)及び60GHz STAを含むと言える。
【0079】
図20は、マルチバンド通信デバイス2000のモデルである。マルチバンド通信デバイス2000は、上位レイヤ2010、論理リンク制御(LLC)サブレイヤ2020、統一上位MAC(UMAC)2030、及びマルチバンド適応サブレイヤ2040を含む。サブレイヤ2040は、2.4GHz下位MAC(LMAC)(それ自体のハードウェアMAC ID(HMAC-ID1)を有する)、2.4GHz PHY、5GHz LMAC(それ自体のハードウェアMAC ID(HMAC-ID2)を有する)、5GHz PHY、6GHz LMAC(それ自体のハードウェアMAC ID(HMAC-ID3)を有する)、及び6GHz PHYに結合する且つ/又はこれらと通信する。LLCサブレイヤ2020は、上位MAC(UMAC)2050、60GHz LMAC(それ自体のハードウェアMAC ID(HMAC-ID4)を有する)、及び60GHz PHYに結合する且つ/又はこれらと通信する。UMAC 2030は、マルチバンド管理2060を介してUMAC2050と通信する。
【0080】
図20に示されているように、上位レイヤ2010及びLLCサブレイヤ2020は、全ての帯域間で共用されてよい。左下側は、サブ7GHz帯域に固有のレイヤを示しているのに対し、右側は、60GHz帯域に固有のレイヤである。MACレイヤは、上位MAC(UMAC)レイヤと下位MAC(LMAC)レイヤとに更に分割されてもよい。下位MACレイヤは、A-MDPUアグリゲーション/デアグリゲーション、CRC生成、アドレス1フィルタリング、MPDU暗号化/復号、重複検出、ACK送信、ブロックAckスコアボーディング、MCS適応等といった、通信に使用される実際の周波数帯域に依存し得るMAC機能を担う。上位MACは、A-MSDUアグリゲーション/デアグリゲーション、シーケンス番号割当て、再送等といった、帯域非依存(band agnostic)MAC機能を担う。
【0081】
60GHz MAC機能は、サブ7GHz MAC機能とは大きく異なる場合があるので、別個の上位MACレイヤが維持される。しかしながら、単一の上位MACレイヤ2030は、上位レイヤと帯域固有下位MACレイヤとの間のインタフェースを提供する。従来から、各無線インタフェースには、ハードウェアMACアドレス(HMAC-ID)が割当てられている。したがって、各帯域固有下位MACは、当該帯域固有下位MACがその送信機/受信機アドレスとして使用するそれ自体のMACアドレスを有することができる。EHTデバイスは、そのHMAC-IDのうちのいずれかのHMAC-IDを、その統一MACアドレス(U-MAC-ID)として選択することができ、U-MAC-IDは、EHTデバイスを特定するために使用されてよい。EHT APは、マルチバンドEHT BSSについてのBSSIDとして、U-MAC-IDを選択することができる。
【0082】
サブ7GHz MACレイヤは、上位レイヤには単一のMACエンティティとして認識される。通信に使用される実際の帯域は、上位レイヤに対して透過的である。マルチバンド適応サブレイヤ2040は、パケットを送出するために使用する実際の帯域を決定することを担う。マルチバンド適応サブレイヤ2040は、必要に応じて、送信/受信中のMACアドレス切り替え(U-MAC-IDからHMAC-IDへの切り替え及びHMAC-IDからU-MAC-IDへの切り替え)も担う。
【0083】
EHT APは、そのアソシエーションレコードの一部として、アソシエーションされたSTAのU-MAC-IDを記録することもできる。したがって、上位MACレイヤは、特定の周波数帯域において送信先デバイスによって使用される実際のHMAC-IDについて関知する必要はないが、送出MPDUの送信先アドレス(DA)として、送信先デバイスのU-MAC-IDを直接的に使用してもよい。マルチバンド適応サブレイヤ1720は、送出MPDUのDAを正しいHMAC-IDに置き換える処理を行う。60GHz帯域に関して、ベースラインマルチバンド管理2060とFST等の関連プロトコルとが、サブ7GHz帯域と60GHz帯域との間のセッション切り替えに利用されてよい。
【0084】
異なる帯域において動作するアソシエーションされたシングルバンド非AP STA(例えば、5GHzにおけるSTA1及び6GHzにおけるSTA2)が存在する場合、STA1とSTA2との間の従来の通信は、分散システム(DS)におけるルータに転送される前にAPを経由する必要があり、これは、同じAPを介してSTAにそれを送り返す。このことを回避するために、マルチバンドAPは、異なる帯域にわたって、全てのアソシエーションされたデバイスのL3アドレス(例えば、IP)のレコードを保持する単純なL3ルーティング機能をマルチバンドAP内で実施することを選択することもできる。APが、このAP自体のルーティングテーブルにおいて送信先L3アドレスを見つけた場合、パケットをDSに転送する代わりに、APは、単に、デバイスがアソシエーションされている帯域を介してパケットを送信することができる。
【0085】
図21は、(n個(nは2以上の整数)の帯域として示される)複数の異なる周波数帯域において動作するマルチバンド通信デバイス2100の簡略化されたブロック図である。アンテナ2110は、RF/アナログフロントエンド2112、PHY処理2114、及び下位MAC処理2116を含む帯域-1におけるハードウェア/ソフトウェアに結合する且つ/又はこれと通信する。アンテナ2120は、RF/アナログフロントエンド2122、PHY処理2124、及び下位MAC処理2126を含む帯域-2におけるハードウェア/ソフトウェアに結合する且つ/又はこれと通信する。アンテナ2130は、RF/アナログフロントエンド2132、PHY処理2134、及び下位MAC処理2136を含む帯域-nにおけるハードウェア/ソフトウェアに結合する且つ/又はこれと通信する。
図21では、各周波数帯域において単一のアンテナが示されているが、各周波数帯域において、例えば空間ダイバーシチ、マルチユーザMIMO(MU-MIMO)等に使用される複数のアンテナが存在することも可能である。下位MAC処理2116/2126/2136は、互いに結合し且つ/又は互いと通信し、マルチバンド適応2140とアソシエーションレコード2152を含む上位MAC処理2150とに結合する且つ/又はこれらと通信する。アソシエーションレコード2152は、APデバイスに含まれるが、非APデバイスには含まれない。
【0086】
図22は、(n個(nは2以上の整数)の帯域として示される)複数の異なる周波数帯域において動作するマルチバンド通信デバイスの詳細なブロック
図2200である。帯域-1無線I/F2250は、送信機/受信機2252に結合し且つ/又はこれと通信し、MAC2254及びPHY2256を含む。帯域-2無線I/F2260は、送信機/受信機2262に結合し且つ/又はこれと通信し、MAC2264及びPHY2266を含む。帯域-n無線I/F2270は、送信機/受信機2272に結合し且つ/又はこれと通信し、MAC2274及びPHY2276を含む。帯域無線I/F 2250/2260/2270は、互いに結合し且つ/又は互いと通信し、中央処理装置(CPU)2230、メモリ2220、二次記憶装置2240、及び有線通信I/F 2080に結合する且つ/又はこれらと通信する。回路は、非APデバイスの場合にはバッテリであり得るのに対して、APデバイスの場合にはほとんどのケースで主電源であり得る、電源2210によって給電される。ブロック
図2200は、APデバイス及び非APデバイスの両方に適用可能であるが、APデバイスにおいて使用される構成要素の各々は、非APデバイスにおいて使用される構成要素よりもはるかに複雑且つ強力であり得る。ブロック
図2200がAPデバイスに適用可能である場合、CPU2230は、APデバイスが送信を行う第1の周波数帯域(例えば、帯域-1)及び少なくとも1つの他の周波数帯域(例えば、帯域-2)に関連するアクションを含むフレームを生成する。ブロック
図2200が非APデバイスに適用可能である場合、CPU2230は、APデバイスからの受信されたフレームに応答してフレームを生成する。
【0087】
図22において、下位MAC機能は、(ハードウェア/ファームウェアによって)無線I/F内に実装されてよいのに対し、マルチバンド適応レイヤ及び上位MAC機能は、CPU内のソフトウェアとして実装されてよい。
【0088】
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、又はハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現可能である。上述した各実施形態の説明において使用されている各機能ブロックは、その一部又は全てを、集積回路等のLSIによって実現可能であり、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部又は全てを、同じLSI又はLSIの組み合わせによって制御可能である。LSIは、チップとして個別に形成可能である、又は、機能ブロックの一部又は全てを含むように1つのチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、ここでは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと称されることがある。しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、又は専用プロセッサを使用することによって実現可能である。更に、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続及び設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現可能である。半導体技術又は別の派生技術の進歩の結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0089】
他の例示的な実施形態は、以下の例を含むが、これらに限定されるものではない。
【0090】
マルチバンド通信装置は、送信機と受信機とを含む。送信機は、無線ネットワークにおいて、1つの周波数帯域で、マルチバンド通信装置が送信を行う1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域に関連するアクションを含むフレームを、マルチバンド通信デバイスに送信する。受信機は、無線ネットワークにおいて、マルチバンド通信デバイスから、1つの周波数帯域で、マルチバンド通信装置が受信を行う1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域に関連するアクションを含むフレームを受信する。
【0091】
マルチバンド通信装置について、1つの周波数帯域でのフレームのアクションは、マルチバンド通信装置の1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域についてマルチバンド通信デバイスを認証することを含む。
【0092】
マルチバンド通信装置について、1つの周波数帯域でのフレームのアクションは、マルチバンド通信装置の1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域についてマルチバンド通信デバイスをアソシエーション又は再アソシエーションすることを含む。
【0093】
マルチバンド通信装置について、1つの周波数帯域でのフレームのアクションは、マルチバンド通信装置の1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域についてマルチバンド通信デバイスを認証解除することを含む。
【0094】
マルチバンド通信装置について、1つの周波数帯域でのフレームのアクションは、マルチバンド通信装置の1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域についてマルチバンド通信デバイスをアソシエーション解除することを含む。
【0095】
マルチバンド通信装置について、マルチバンド通信装置は、マルチバンドアクセスポイント(AP)であり、1つの周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域に適用可能である、マルチバンド通信デバイスについての単一のアソシエーションレコードを保持する。
【0096】
マルチバンド通信装置について、マルチバンド通信デバイスについての単一のアソシエーションレコードは、アソシエーション状態変数、アソシエーションID(AID)、及びセキュリティ鍵を含む。
【0097】
マルチバンドアクセスポイント(AP)は、送信機と受信機とを含む。送信機は、複数の周波数帯域において同時に動作する単一の無線ネットワークにおいて、非APステーション(STA)にフレームを送信する。受信機は、複数の周波数帯域において同時に動作する単一の無線ネットワークにおいて、非AP STAからフレームを受信する。
【0098】
マルチバンドAPについて、単一の無線ネットワークは、複数の周波数帯域の全てにおける単一の基本サービスセット識別子(BSSID)によって特定される。
【0099】
マルチバンドAPについて、BSSIDは、複数の周波数帯域のうちのいずれかの周波数帯域についての無線インタフェースのMACアドレスである。
【0100】
マルチバンドAPについて、マルチバンドAPは、複数の周波数帯域のうちの1つの周波数帯域についての非AP STAのアソシエーションの成功の後、複数の周波数帯域のうちの1つ以上の周波数帯域において非AP STAと通信する。
【0101】
マルチバンドAPについて、複数の周波数帯域を介してマルチバンドAPによって送信される全てのビーコンフレーム及びプローブ応答フレームは、同じ基本サービスセット識別子(BSSID)を通知する。
【0102】
通信方法は、無線ネットワークにおけるアクセスポイント(AP)が、非APステーション(STA)から、単一の周波数帯域で、APが無線ネットワークにおいて動作する複数の異なる周波数帯域にわたって非AP STAを認証及びアソシエーションするように要求する要求フレームを受信することと、APが、単一の周波数帯域で、APが無線ネットワークにおいて動作する複数の異なる周波数帯域にわたって非AP STAを認証及びアソシエーションした応答フレームを、非AP STAに送信することと、を含む。
【0103】
通信方法は、無線ネットワークにおけるAPが、単一の周波数帯域で、2.4GHz、5GHz、及び6GHzのうちの少なくとも2つを含む複数の異なる周波数帯域において動作しているとしてAPを通知するビーコンフレーム及びプローブ応答フレームを、非AP STAに送信することを更に含む。
【0104】
通信方法は、無線ネットワークにおけるAPが、単一の周波数帯域で、複数の異なる周波数帯域において動作しているとして近傍APを通知するプローブ応答フレームを、非AP STAに送信することを更に含む。
【0105】
マルチバンド通信デバイスと通信するマルチバンド通信装置は、プロセッサと送受信機とを含む。プロセッサは、マルチバンド通信装置が送信を行う第1の周波数帯域及び少なくとも1つの他の周波数帯域に関連するアクションを含むフレームを生成する。送受信機は、第1の周波数帯域でフレームを送信する。
【0106】
例示的な実施形態が、本実施形態の上記の詳細な説明において提示されたが、多数の変形例が存在することを理解されたい。例示的な実施形態は、例に過ぎず、本開示の範囲、適用可能性、動作、又は構成をいかなるようにも限定するように意図されていないことを更に理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、当業者に、本開示の例示的な実施形態を実施するための適切なロードマップを提供し、添付の特許請求の範囲に記載されるような本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態において説明されたステップ及び動作方法の機能及び配置について様々な変更がなされてもよいことが理解されるであろう。
【0107】
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、又はハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現可能である。上述した各実施形態の説明において使用されている各機能ブロックは、その一部又は全てを、集積回路等のLSIによって実現可能であり、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部又は全てを、同じLSI又はLSIの組み合わせによって制御可能である。LSIは、チップとして個別に形成可能である、又は、機能ブロックの一部又は全てを含むように1つのチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、ここでは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと称されることがある。しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、又は専用プロセッサを使用することによって実現可能である。更に、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続及び設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現可能である。半導体技術又は別の派生技術の進歩の結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0108】
加えて、本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム(通信装置と総称)によって実現可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピュータ(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ネットブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0109】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されるものではなく、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター、コントロール・パネル等)、自動販売機、及びその他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(things)」をも含む。
【0110】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0111】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置には、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0112】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、及びその他あらゆる装置、デバイス、又はシステムが含まれる。