(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】トロリーとスーツケース
(51)【国際特許分類】
A45C 13/26 20060101AFI20240903BHJP
A45C 5/03 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
A45C13/26 Z
A45C5/03
(21)【出願番号】P 2023159210
(22)【出願日】2023-09-22
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】202321745539.0
(32)【優先日】2023-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523363534
【氏名又は名称】広東錦鋭旅行用品有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG JINRUI TRAVEL PRODUCTS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Zhouxin Industrial Park, B47 New city Zone, Qingyuan City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 海銀
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0153351(US,A1)
【文献】特開2020-050206(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2012-0008829(KR,U)
【文献】登録実用新案第3208872(JP,U)
【文献】米国特許第05961134(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0032443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/26
A45C 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロッドアセンブリと、ハンドルアセンブリ及び支持部品とを含むトロリーにおいて、
前記ハンドルアセンブリは、前記コンロッドアセンブリに設けられ、前記ハンドルアセンブリは、第一の予め設定された方向に沿って間隔を置いて配置された第一ハンドルと第二ハンドルを含み、
前記ハンドルアセンブリは、両端が前記第一ハンドル及び前記第二ハンドルにそれぞれ接続される接続部品を備え、前記接続部品の数量は、少なくとも二つであり、少なくとも二つの前記接続部品は、第二の予め設定された方向に沿って、間隔を置いて配置され、
前記支持部品は、前記ハンドルアセンブリに設けられ、前記コンロッドアセンブリに対向する側に凹設され、前記支持部品と前記第一ハンドルと前記第二ハンドルとは収納空間を形成することを特徴とするトロリー。
【請求項2】
前記支持部品は、互いに固定されたU字状の支持部と、2つの接続部とを備え、2つの前記接続部の前記支持部から遠く離れた端部は、2つの前記接続部品にそれぞれ接続されることを特徴とする、請求項
1に記載のトロリー。
【請求項3】
前記第一ハンドルと前記第二ハンドルとの間の距離aは、50mm≦a≦80mmを満たし、
2つの前記接続部品の間の距離bは、100mm≦b≦200mmを満たし、
前記収納空間の深さcは、10mm≦c≦60mmを満たすことを特徴とする、請求項
1に記載のトロリー。
【請求項4】
前記支持部には、電子機器を載置するための第一溝が設けられることを特徴とする、請求項
2に記載のトロリー。
【請求項5】
前記第一溝の前記第一の予め設定された方向に沿った幅dは、10mm≦d≦15mmを満たし、
前記第一溝の前記第二の予め設定された方向に沿った長さeは、60mm≦e≦190mmを満たし、
前記第一溝の深さfは、5mm≦f≦25mmを満たすことを特徴とする、請求項
4に記載のトロリー。
【請求項6】
各々の前記接続部品は、電子機器を同じ位置に置くための第二溝が設けられ、前記第二溝の両端は、前記第二の予め設定された方向に沿って前記接続部品の縁まで延びていることを特徴とする、請求項
1に記載のトロリー。
【請求項7】
前記第一の予め設定された方向に沿った前記第二溝の幅gは、10mm≦g≦15mmを満たし、
前記第二溝の深さhは、12mm≦h≦38mmを満たすことを特徴とする、請求項
6に記載のトロリー。
【請求項8】
前記第二溝が前記第二ハンドルに近接する内壁面は、傾斜面として設けられることを特徴とする、請求項
6に記載のトロリー。
【請求項9】
前記傾斜面の傾斜角度θは、0°≦θ≦25°を満たすことを特徴とする、請求項
8に記載のトロリー。
【請求項10】
前記第二ハンドルが前記収納空間に面する側面には、複数の凹部が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のトロリー。
【請求項11】
前記トロリーは、さらに前記ハンドルアセンブリ又は前記支持部品に配置されたフックも含むことを特徴とする、請求項1~
10のいずれかの一項に記載のトロリー。
【請求項12】
前記コンロッドアセンブリは、伸縮ロッドを含み、前記ハンドルアセンブリは、前記伸縮ロッドの伸縮端に設置されることを特徴とする、請求項1~
10のいずれかの一項に記載のトロリー。
【請求項13】
ケース本体と、前記請求項1~
10のいずれかの一項に記載のトロリーを含むスーツケースにおいて、前記トロリーは、前記ケース本体に配置されることを特徴とするスーツケース。
【請求項14】
前記ケース本体には、前記ハンドルアセンブリ及び前記支持部品を収容するための収容溝が設けられ、前記収容溝の大きさは、前記ハンドルアセンブリ及び前記支持部品の大きさと等しく、或いは、前記収容溝の大きさは、前記ハンドルアセンブリ及び前記支持部品の大きさより大きいことを特徴とする、請求項
13に記載のスーツケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連特許出願>
本願は、2023年7月4日に出願した、出願番号が202321745539.0であり、発明の名称が「トロリーとスーツケース」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本発明は、スーツケースの技術分野に関し、特に、トロリーとスーツケースに関する。
【背景技術】
【0003】
人々は、外出の際、飲み物のボトルやコーヒーカップを持ちながら、スーツケースのトロリーを引く必要があるが、移動が困難になることがある。
【0004】
従来のスーツケースには、ボトルやカップを置くためのカップホルダがスーツケースの側面やトロリーの側面に設けられているものがある。しかしながら、スーツケースを持って歩くと、カップホルダに足が当たりやすいので、使いにくい。そして、スーツケースの高さの制限により、ボトルやカップをスーツケースの側面のカップホルダに置く場合、使用者がボトルやカップを取り出すには、しゃがむ必要があり、且つ忘れられやすい。
【0005】
本発明のさまざまな実施形態によれば、トロリーとスーツケースが提供される。
【0006】
トロリーは、コンロッドアセンブリと、ハンドルアセンブリ及び支持部品とを含む。前記ハンドルアセンブリは、前記コンロッドアセンブリに設けられ、前記ハンドルアセンブリは、第一の予め設定された方向に沿って間隔を置いて配置された第一ハンドルと第二ハンドルを含む。前記支持部品は、前記ハンドルアセンブリに設けられ、前記コンロッドアセンブリに対向する側に凹設され、前記支持部品と前記第一ハンドルと前記第二ハンドルとは収納空間を形成する。
【0007】
前記ハンドルアセンブリは、両端が前記第一ハンドル及び前記第二ハンドルにそれぞれ接続される接続部品を備え、前記接続部品の数量は、少なくとも二つであり、少なくとも二つの前記接続部品は、第二の予め設定された方向に沿って、間隔を置いて配置される。
【0008】
前記支持部品は、互いに固定されたU字状の支持部と、2つの接続部とを備え、2つの前記接続部の前記支持部から遠く離れた端部は、2つの前記接続部品にそれぞれ接続される。
【0009】
前記第一ハンドルと前記第二ハンドルとの間の距離aは、50mm≦a≦80mmを満たし、2つの前記接続部品の間の距離bは、100mm≦b≦200mmを満たし、前記収納空間の深さcは、10mm≦c≦60mmを満たす。
【0010】
前記支持部には、電子機器を載置するための第一溝が設けられる。
【0011】
前記第一溝の前記第一の予め設定された方向に沿った幅dは、10mm≦d≦15mmを満たし、前記第一溝の前記第二の予め設定された方向に沿った長さeは、60mm≦e≦190mmを満たし、前記第一溝の深さfは、5mm≦f≦25mmを満たす。
【0012】
各々の前記接続部品は、電子機器を同じ位置に置くための第二溝が設けられ、前記第二溝の両端は、前記第二の予め設定された方向に沿って前記接続部品の縁まで延びている。
【0013】
前記第一の予め設定された方向に沿った前記第二溝の幅gは、10mm≦g≦15mmを満たし、前記第二溝の深さhは、12mm≦h≦38mmを満たす。
【0014】
前記第二溝が前記第二ハンドルに近接する内壁面は、傾斜面として設けられる。
【0015】
前記傾斜面の傾斜角度θは、0°≦θ≦25°を満たす。
【0016】
前記第二ハンドルが前記収納空間に面する側面には、複数の凹部が設けられる。
【0017】
前記トロリーは、さらに前記ハンドルアセンブリ又は前記支持部品に配置されたフックも含む。
【0018】
前記コンロッドアセンブリは、伸縮ロッドを含み、前記ハンドルアセンブリは、前記伸縮ロッドの伸縮端に設置される。
【0019】
スーツケースは、ケース本体と、前記トロリーを含み、前記トロリーは、前記ケース本体に配置される。
【0020】
前記ケース本体には、前記ハンドルアセンブリ及び前記支持部品を収容するための収容溝が設けられ、前記収容溝の大きさは、前記ハンドルアセンブリ及び前記支持部品の大きさと等しく、或いは、前記収容溝の大きさは、前記ハンドルアセンブリ及び前記支持部品の大きさより大きい。
【0021】
収容溝は、ハンドルアセンブリ及び支持部品がケース本体から突出して、スーツケースの全体の体積を増加することを防止できる。スーツケースは、その全体のサイズを変更することもなく、大きな容量を有する。また、収容溝の大きさがハンドルアセンブリの大きさよりも大きい場合、第二ハンドルと収容溝の内壁との間に一定の距離があり、使用者は第二ハンドルを握りやすくなる。
【0022】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0023】
本願の実施形態又は従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態又は従来技術の説明に使用される添付図面を簡単に紹介する。以下の説明における図面は、本願の一部の実施形態にすぎず、当業者であれば、創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態におけるトロリーの立体構造を示す図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態の
図1におけるハンドルアセンブリ及び支持部品の立体構造を示す図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態の
図2の断面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態の
図2の上面図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態のスーツケースの立体構造を示す図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態の
図2の断面図である。
【0025】
本発明の上述の目的、特徴及び利点をより明確かつ理解しやすくするために、以下、本発明の具体的な実施形態を添付の図面と併せて詳細に説明する。以下の説明では、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明は、ここで説明したものとは異なる他の多くの方法で実施することができ、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、類似の改良を行うことができるので、本発明は、以下に開示された特定の実施形態によって限定されない。
【0026】
あるコンポーネントが別のコンポーネントに「固定される」又は「設けられる」と言われる場合、それは、他のコンポーネントに直接存在する場合もあれば、介在するコンポーネントが存在する場合もあることに留意されたい。一つのコンポーネントが他のコンポーネントに「接続される」と言われる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接接続されるか、中間コンポーネントが同時に存在する可能性がある。本発明の明細書で使用される「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」という用語及び類似の表現は、説明のみを目的としており、唯一の実施形態を表すものではない。
【0027】
さらに、「第一」及び「第二」という用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数量を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。従って、「第一」及び「第二」として定義される特徴は、これらの特徴の少なくとも一つを明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、特に限定しない限り、2つ、3つ等の少なくとも2つを意味する。
【0028】
本発明において、特に明記及び限定されない限り、第一の特徴が第二の特徴の「上」又は「下」にあるということは、第一の特徴が第二の特徴と直接接触すること、又は第一の特徴と第二の特徴が媒介物を介して間接的に接触することを意味する場合がある。また、第一の特徴は第二の特徴の「上」、「上方」、「上面」にあるという用語は、第一の特徴が第二の特徴の真上又は斜め上にあることを意味する場合もあれば、単に第一の特徴が第二の特徴よりもレベルの高さが高いことを意味する場合もある。第一の特徴が第二の特徴の「下」、「下方」、「下面」にあるという用語は、第一の特徴が第二の特徴の真下又は斜め下にあることを意味する場合もあれば、単に第一の特徴が第二の特徴よりもレベルの高さが低いことを意味する場合もある。
【0029】
他に定義されない限り、本発明の説明で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明の技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的として、本発明を限定することを意図したものではない。本発明の明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のいずれかの組み合わせ又はあらゆる組み合わせを含む。
【0030】
人々は、外出の際、飲み物のボトルやコーヒーカップを持ちながら、スーツケースのトロリーを引く必要があるが、移動が困難になることがある。従来のスーツケースには、スーツケースの側面やトロリーの側面にカップホルダが設けられ、使用者は、バスを待つときや歩くときに、ボトルやカップをカップホルダに置くことができる。しかしながら、使用者がスーツケースを持って歩くと、カップホルダに足が当たりやすく、使いにくいことや、スーツケースの高さの制限により、ボトルやカップをスーツケースの側面に置く時、使用者がボトルやカップを取り出すにはしゃがむ必要があり、且つ忘れられやすい。
【0031】
上記の問題を解決するために、
図1~
図4に示すように、本発明は、トロリー100を提供する。トロリー100は、使用者がボトルやカップを置くことに便利であり、且つボトルやカップを忘れにくく、カップホルダに足が当たりにくく、使用に便利である。
【0032】
図1~
図4に示すように、第一の予め設定された方向は±X軸方向として定義され、第二の予め設定された方向は±Y軸方向として定義され、コンロッドアセンブリ1の延在方向は±Z軸方向として定義される。
【0033】
具体的には、
図1に示すように、トロリー100は、コンロッドアセンブリ1と、ハンドルアセンブリ2及び支持部品3とを含む。ハンドルアセンブリ2は、コンロッドアセンブリ1に設けられ、ハンドルアセンブリ2は、±X軸方向に沿って間隔を置いて配置された第一ハンドル21と第二ハンドル22を含む。支持部品3は、ハンドルアセンブリ2に設けられ、コンロッドアセンブリ1に対向する側に凹設され、即ち、支持部品3は、-Z軸方向に向かって凹み、支持部品3と第一ハンドル21と第二ハンドル22とが収納空間33を形成して、収納空間33にはボトルやカップなどの他の物品を置くことができる。
【0034】
上述したように、従来のスーツケースには、カップホルダがスーツケースの側面やトロリーの側面に配置されているので、使用者がスーツケースを持って歩行する場合、カップホルダに足が当たりやすく、使用するには不便である。本実施形態で提供されるトロリー100では、使用者は、第一ハンドル21、第二ハンドル22及び支持部品3によって形成される収納空間33にボトル又はカップなどの他の物品を置くことができる。支持部品3は、ボトル又はカップを支持するために使用され、第一ハンドル21及び第二ハンドル22は、ボトル又はカップの落下を防止するために、ボトル又はカップの位置を制限することに使用される。これにより、ボトル又はカップを手で保持する必要がない。ボトルやカップが第一ハンドル21と第二ハンドル22との間に配置されているので、使用者がスーツケース200を引いて歩くときに、ボトルやカップに足が当たることがなく、使いやすい。また、ボトルやカップをスーツケース200の側面に置くよりも高い位置の収納空間33に置くことで、使用者が取りやすくなり、ボトルやカップを忘れないようにするための注意喚起としても機能する。
【0035】
同時に、本実施形態によって提供されるトロリー100は、第一ハンドル21と第二ハンドル22を利用して収納空間33を形成し、コンロッドアセンブリ1に追加の構造を設ける必要がない。それによって、トロリー100のコンロッドアセンブリ1が、スーツケース200などの装置で過度のスペースを占めることを防止して、スーツケース200などの装置の全体の体積を変えることなく、その内部容量を増加させることができる。
【0036】
図1及び
図2に示すように、図示の実施形態では、コンロッドアセンブリ1は、コネクティングロッド12と、コネクティングロッド12の両端にそれぞれ接続された2つの伸縮ロッド11とを含み、伸縮ロッド11は、コネクティングロッド12から遠く離れた端部は、伸縮端111であり、伸縮端111がコネクティングロッド12に対して±Z軸方向に沿って伸縮することができ、二つの伸縮ロッド11の伸縮端111は、それぞれ第一ハンドル21の両端に接続される。第一ハンドル21には伸縮ロッド11の伸縮を制御するボタン211が設けられ、使用者はボタン211を押して、第一ハンドル21を通じて伸縮ロッド11の伸縮を制御することができる。ハンドルアセンブリ2及び支持部品3も、伸縮ロッド11の伸縮によって高さを調整することができる。使用者が第一ハンドル21を通してスーツケース200などの装置を持って歩くとき、伸縮ロッド11は引き上げられ、収納空間33に置かれたボトル又はカップも、ハンドルアセンブリ2及び支持部品3とともに引き上げられ、それによって使用者はより取りやすくなる。伸縮ロッド11が縮んだ状態では、使用者は第二ハンドル22を介してスーツケース200などの装置を持ち上げることができ、第一ハンドル21より、第二ハンドル22がスーツケース200などの装置の中間位置に近いので、スーツケース200などの装置が第二ハンドル22を介して持ち上げられたときに、スーツケース200などの装置のバランスが保たれることを確保することができる。
【0037】
他の実施形態では、二つの伸縮ロッド11の伸縮端111は、それぞれ第一ハンドル21及び第二ハンドル22に接続してもよく、二つの伸縮ロッド11をコネクティングロッド12を介して接続せずに別個に設けてもよい。もちろん、他の実施形態では、コンロッドアセンブリ1は、伸縮ロッド11を一つだけ有してもよく、伸縮ロッド11の伸縮端111は、第一ハンドル21又は第二ハンドル22の中間位置に接続され、トロリー100の強度を保証できればよい。
【0038】
図1に示すように、ハンドルアセンブリ2は、両端が第一ハンドル21及び第二ハンドル22にそれぞれ接続される接続部品23を備え、接続部品23の数量は、少なくとも二つであり、少なくとも二つの接続部品23は、±Y軸方向に沿って、間隔を置いて配置される。図示の実施形態では、接続部品23は、二つであり、二つの接続部がそれぞれ第一ハンドル21の両端に設けられ、且つ二つの接続部品23がそれぞれ第二ハンドル22の両端に設けられる。第一ハンドル21、第二ハンドル22及び二つの接続部品23は、取り囲まれて長方形の構造を形成する。第一ハンドル21及び第二ハンドル22は、収納空間33に置かれたボトルやカップの±X軸方向の位置を制限するために使用される。接続部品23は、収納空間33に置かれたボトルやカップの±Y軸方向の位置を制限するために使用され、ボトルやカップの転倒や落下を防止することができる。もちろん、他の実施形態では、接続部品23の数量は3つ、4つ又はそれ以上であってもよく、隣接する2つの接続部品23の間に1つ又は複数のボトル又はカップを配置することができ、ボトル又はカップの位置を制限できればよい。本実施形態は、特に限定されない。
【0039】
ここで、接続部品23と第一ハンドル21との間、及び接続部品23と第二ハンドル22との間は、円弧部を介して接続することができ、円弧部により応力集中を回避してハンドルアセンブリ2の強度を向上させることができる。これによって、トロリー100は、スーツケース200などの装置の強度要件を満たすことができる。
【0040】
図2に示すように、一つの実施形態では、支持部品3は、互いに固定されたU字状の支持部31と、2つの接続部32とを備える。支持部31は、±Y軸方向に沿って延在することができ、2つの接続部32の支持部31から遠く離れた端部は、2つの接続部品23にそれぞれ接続される。支持部31は、収納空間33に置かれたボトルやカップなどの物品を支持するために使用される。接続部32は、支持部31をハンドルアセンブリ2に接続するために使用され、ボトル又はカップの位置をさらに制限することができ、ボトルやカップの落下を防止することができる。ここで、支持部品3は1つであり、且つ支持部品3は接続部品23の中間位置に配置されているので、支持部品3と第一ハンドル21との間及び支持部品3と第二ハンドル22との間に大きな空間が形成され、収納空間33に置かれたボトル又はカップが落ちないことを保証するとともに、使用者が第一ハンドル21及び第二ハンドル22を握ることに影響を与えない。もちろん、支持部品3の数量は複数であってもよく、複数の支持部品3は±X軸方向に沿って間隔を置いて配置されてもよく、使用者が第一ハンドル21及び第二ハンドル22を握ることに影響を与えなければよい。本実施形態では、特に限定されない。
【0041】
他の実施形態では、支持部31は、±X軸方向に沿って延在することもでき、2つの接続部32の支持部31から離れた端部は、それぞれ、第一ハンドル21及び第二ハンドル22に接続され、支持部品3の数量は、1つであっても2つ以上であってもよく、複数の支持部品3は、±Y軸方向に沿って間隔を置いて配置される。あるいは、複数の支持部品3を交叉して配置することもできる。即ち、一部の支持部31が±X軸方向に沿って延び、他の支持部31が±Y軸方向に沿って延び、複数の支持部31が十字状に接続される。±X軸方向に延びる支持部31が対応する接続部32は、第一ハンドル21及び第二ハンドル22に接続され、±Y軸方向に延びる支持部31が対応する接続部32は、接続部品23に接続され、収納空間33に置かれたボトルやカップが落下することはなく、使用者が第一ハンドル21や第二ハンドル22を握ることに影響を与えなければよい。本実施形態では特に限定されない。
【0042】
図3及び
図4に示すように、第一ハンドル21と第二ハンドル22との間の距離aは、50mm≦a≦80mmを満たす。このようにして、使用者は第一ハンドル21と第二ハンドル22を容易に握ることができ、異なる直径のボトル又はカップは、収納空間33に入れることができ、入れた後は、収納空間33内で大きな揺れが発生しにくくなる。2つの接続部品23の間の距離bは、100mm≦b≦200mmを満たす。このように、ボトルやカップを縦置きする場合には、収納空間33に2つ以上のボトルやカップを並べて置くことができ、或いは、高さの低いボトルやポップ缶等を横置きすることもでき、適用範囲が広い。収納空間33の深さcは、10mm≦c≦60mmを満たす。収納空間33の深さcは、収納空間33が±Z軸方向に沿ったサイズである。これにより、ボトルやカップを収納空間33に置かった際の安定性を確保することができ、ボトルやカップの落下を防止することができる。同時に、収納空間33の全方向のサイズを制限することにより、トロリー100が過大になり、スーツケース200などの装置の内部のスペースを占有しすぎることを防ぐこともできる。
【0043】
図2に示すように、支持部31には、携帯電話やタブレットコンピュータ等の電子機器34を載置するための第一溝311が設けられる。携帯電話、タブレットコンピュータ等の電子機器34は、縦置きにすると重心が比較的高いので倒れやすい。従って、携帯電話、タブレットコンピュータ等の電子機器34を縦置きで使用する必要がある場合には、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34を第一溝311に配置することができ、収納空間33が一定の深さを有するので、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34が第一溝311に配置される場合、第一ハンドル21又は第二ハンドル22にもたれかかることになる。これにより、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34の安全性及び安定性が確保され、電子機器34の転倒や落下を防止することができる。
【0044】
図3及び
図4に示すように、第一溝311の±X軸に沿った幅dは、10mm≦d≦15mmを満たし、第一溝311の±Y軸に沿った長さeは、60mm≦e≦190mmを満たす。このようにして、異なる幅や厚さを有する携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34、又は保護シェルを備えた電子機器34を第一溝311に確実に入れることができ、応用範囲が広い。第一溝311の深さfは、第一溝311の±Z軸方向に沿ったサイズであり、5mm≦f≦25mmを満たす。これにより、携帯電話やタブレットコンピュータ等の電子機器34を第一溝311に配置された際の安定性を確保し、電子機器34の滑りを防止することができる。同時に、第一溝311の全方向のサイズを制限することにより、支持部31のサイズが大きすぎて、トロリー100の全体のサイズが過大になったり、使用者の第一ハンドル21及び第二ハンドル22を握る能力に影響を与えたりすることを防ぐこともできる。
【0045】
図2及び
図6に示すように、各接続部品23は、電子機器34を同じ位置に置くための第二溝231が設けられ、第二溝231の両端は、第二の予め設定された方向に沿って接続部品23の縁まで延びている。携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34を横向きにして使用する必要がある場合、第二溝231に電子機器34を置くことができる。第二溝231の両端が接続部品23の縁まで延びているので、第二溝231は、電子機器34を横向きにして使用するときの±Y軸方向に沿ったサイズを制限することはない。そして、複数の接続部品23は、電子機器34が第二溝231に置かれた安定性が向上し、電子機器34の転倒又は落下することを防止することができる。
【0046】
図3及び
図4に示すように、第一の予め設定された方向に沿った第二溝231の幅gは、10mm≦g≦15mmを満たす。このようにして、異なる厚さを有する携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34、又は保護シェルを備えた電子機器34を第二溝231に確実に入れることができ、第二溝231で滑りにくくなることを確保することができる。第二溝231の深さhは、12mm≦h≦38mmを満たす。これにより、携帯電話やタブレットコンピュータ等の電子機器34が第二溝231に置かれた際の安定性を確保し、電子機器34の転倒や落下を防止することができる。同時に、第二溝231の全方向のサイズを制限することにより、接続部品23及び第二ハンドル22の過大なサイズによって、トロリー100の全体のサイズが過大になることを防止することもできる。
【0047】
図3に示すように、使用者が第二ハンドル22を介してスーツケース200などの装置を確実に持ち上げることができるようにするために、第二ハンドル22は、第一ハンドル21と同一面になるか、又は第一ハンドル21よりわずかに高くする必要があり、第二ハンドル22とスーツケース200などの装置との間に、使用者が第二ハンドル22を握ることができるように、ある程度の隙間を存在させる。第一ハンドル21と第二ハンドル22とが同一面になる場合には、第二溝231の深さは、第二溝231の両側の内壁面が±Z軸方向に沿ったサイズであり、第二ハンドル22が第一ハンドル21よりもわずかに高い場合、第二溝231の深さは、第二溝231が第二ハンドル22に近接する内壁面のZ軸方向に沿ったサイズである。
【0048】
図2及び
図3に示すように、第二溝231が第二ハンドル22に近接する内壁面は、傾斜面2311として設けられる。このように、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34が第二溝231に配置されると、これらの電子機器34は傾斜面2311に寄りかかることになり、電子機器34の安定性が確保され、使用者の快適性も向上する。ここで、傾斜面2311の傾斜角度θは、0°≦θ≦25°を満たしており、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34をこの角度範囲に傾けると、使用者は、携帯電話やタブレットコンピュータなどの電子機器34の画面を見るときに、最高の視聴効果が得られ、より快適になる。
【0049】
図2及び
図4に示すように、使用者は通常、スーツケース200などの装置を持ち上げるために第二ハンドル22を握る必要があり、且つスーツケース200などの装置は通常重いので、第二ハンドル22が収納空間33に面する側面には複数の凹部221が設けられる。凹部221は、使用者の手の形状に適応することができ、使用者が第二ハンドル22を握るときにより快適になる。また、ボトルやカップを縦置きした場合に、凹部221は、ボトルやカップの位置を制限することもでき、ボトルやカップの±Y軸方向への滑りを防止する。もちろん、第一ハンドル21を握るときに使用者がより快適になるように、第一ハンドル21に複数の凹部221を設けることもできる。
【0050】
図2に示すように、外出の際、スーツケース200のトロリー100を引きながらバッグを持ち歩く必要がある場合、バッグがスーツケース200や使用者の足に衝突しやすく、移動が不便になる場合がある。従って、トロリー100は、さらにハンドルアセンブリ2又は支持部品3に配置されたフック4も含む。フック4にはバッグ等の他の物品を掛けることができ、フック4に掛けた物品がスーツケース200や足に衝突しにくくなる。これによって、使用者の旅行がさらに容易になる。ここで、フック4の数量は、1つであっても、2つ以上であってもよく、他の構造と干渉しない限り、ハンドルアセンブリ2と支持部品3の両方にフック4を設けることもできる。本実施形態では、特に制限されない。
【0051】
図5に示すように、本発明は、さらにスーツケース200を提供する。スーツケース200は、ケース本体5と、ケース本体5に配置された上述のトロリー100とを含む。ケース本体5の側面には、コンロッドアセンブリ1の形状に合わせた取付け溝52が設けられる。コンロッドアセンブリ1が取付け溝52に埋め込まれることで、コンロッドアセンブリ1がケース本体5から突出して、スーツケース200の全体のサイズが大きくなるのを防止することができる。第一ハンドル21はコンロッドアセンブリ1に接続されるので、使用者は第一ハンドル21を介してケース本体5を押すことができ、第二ハンドル22がケース本体5の中間位置に近いので、使用者は第二ハンドル22を介してケース本体5を持ち上げることができ、ケース本体5のバランスを確保する。
【0052】
図5に示すように、ケース本体5には、ハンドルアセンブリ2及び支持部品3を収容するための収容溝51が設けられ、収容溝51は取付け溝52と連通して、収容溝51の大きさは、ハンドルアセンブリ2及び支持部品3の大きさと等しく、或いは、収容溝51の大きさは、ハンドルアセンブリ2及び支持部品3の大きさより大きい。収容溝51は、ハンドルアセンブリ2及び支持部品3がケース本体5から突出して、スーツケース200の全体の体積を増加することを防止できる。スーツケース200のサイズを計算する時には、通常、スーツケース200のハンドル、車輪等が考慮されるので、スーツケース200は、トロリー100がケース本体5から突出することがなく、スーツケース200の全体のサイズを変更することもなく、大きな容量を有する。また、収容溝51の大きさがハンドルアセンブリ2の大きさよりも大きい場合、第二ハンドル22と収容溝51の内壁との間に一定の距離があり、使用者は第二ハンドル22を握りやすくなる。
【0053】
もちろん、上述のトロリー100は、トロリーランドセル、トロリーオーディオシステム、カートなどのプッシュプル機能を備えた他の装置にも使用することができ、本発明はここで特に限定されない。
【0054】
前述の実施形態の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができるが、説明を簡潔にするために、前述の実施形態における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせがすべて記載されているわけではないが、これらの技術的特徴の組み合わせが矛盾しない限り、すべてが本明細書の記載範囲であると見なされるべきである。
【0055】
前述の実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を表現するにすぎず、その説明は比較的具体的でありかつ詳細であるが、特許出願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかの変形及び修正を行うことができ、それらはすべて本発明の保護範囲に属することに留意されたい。従って、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に基づくべきである。
【符号の説明】
【0056】
100 トロリー
1 コンロッドアセンブリ
11 伸縮ロッド
111 伸縮端
12 コネクティングロッド
2 ハンドルアセンブリ
21 第一ハンドル
211 ボタン
22 第二ハンドル
221 凹部
23 接続部品
231 第二溝
2311 傾斜面
3 支持部品
31 支持部
311 第一溝
32 接続部
33 収納空間
34 電子機器
4 フック
5 ケース本体
51 収容溝
52 取付け溝
【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、トロリー及びスーツケースを提供する。
【解決手段】トロリー(100)は、コンロッドアセンブリ(1)と、ハンドルアセンブリ(2)及び支持部品(3)とを含む。前記ハンドルアセンブリ(2)は、前記コンロッドアセンブリ(1)に設けられ、前記ハンドルアセンブリ(2)は、第一の予め設定された方向に沿って間隔を置いて配置された第一ハンドル(21)と第二ハンドル(22)を含む。前記支持部品(3)は、前記ハンドルアセンブリ(2)に設けられ、前記コンロッドアセンブリ(1)に対向する側に凹設され、前記支持部品(3)と前記第一ハンドル(21)と前記第二ハンドル(22)とが収納空間(33)を形成する。
【選択図】
図1