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特許7549107文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/93 20190101AFI20240903BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20240903BHJP
【FI】
G06F16/93
G06Q10/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023177007
(22)【出願日】2023-10-12
(62)【分割の表示】P 2022076297の分割
【原出願日】2022-05-02
(65)【公開番号】P2023171972
(43)【公開日】2023-12-05
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】510084297
【氏名又は名称】株式会社ブロードリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】祖慶 良大
(72)【発明者】
【氏名】立谷 亮介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 知広
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 友克
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明子
(72)【発明者】
【氏名】間渕 育海
(72)【発明者】
【氏名】児玉 一成
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】大石 憲治
(72)【発明者】
【氏名】村上 省吾
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-15445(JP,A)
【文献】特開2007-34552(JP,A)
【文献】特開2019-212144(JP,A)
【文献】特開平1-113865(JP,A)
【文献】特開2017-54469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データを管理する文書管理装置であって、
電子商取引に関する取引データと、前記電子商取引に関する文書データとを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得した前記文書データと前記取引データの関連付けを行うデータ関連付け部と、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与するスタンプ付与部と、
前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存するデータ保存部と、
前記文書データに対して行われた処理の履歴情報を記録する履歴情報記録部と、を備え、
前記データ取得部が、所定フォーマットからなる前記取引データと前記文書データを一群で取得した場合には、
前記スタンプ付与部が、前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、
前記データ保存部が、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存し、
前記データ取得部が、前記取引データと前記文書データを別々に取得した場合には、
前記データ関連付け部が前記取引データと前記文書データの関連付けを行い、
ユーザによる確認処理がなされ、
前記スタンプ付与部が、前記取引データに関連付けられた前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、
前記データ保存部が、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存し、
前記履歴情報記録部が、前記文書データに対して行われた前記確認処理の履歴情報を記録する、文書管理装置。
【請求項2】
前記文書データから文字認識することによって電子商取引に関する取引内容の情報を抽出する取引情報抽出部と、
前記取引情報抽出部によって前記文書データから抽出された取引内容の情報と、前記文書データに関連付けられた前記取引データに含まれる取引内容の情報とを照合する取引情報照合部と、を備え、
前記履歴情報記録部は、前記文書データに対して行われた、前記取引情報照合部による照合結果に基づく前記確認処理の履歴情報を記録する、請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
文書データを管理するコンピュータによって実行される文書管理方法であって、
前記コンピュータが、
電子商取引に関する取引データと、前記電子商取引に関する文書データとを取得することと、
取得した前記文書データと前記取引データの関連付けを行うことと、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与することと、
前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存することと、
前記文書データに対して行われた処理の履歴情報を記録することと、を実行し、
前記取引データと前記文書データの取得にあたって、所定フォーマットからなる前記取引データと前記文書データを一群で取得した場合には、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、
関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存することを実行し、
前記取引データと前記文書データの取得にあたって、前記取引データと前記文書データを別々に取得した場合には、
前記取引データと前記文書データの関連付けを行い、
ユーザによる確認処理がなされ、
前記取引データに関連付けられた前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、
関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存し、
前記文書データに対して行われた前記確認処理の履歴情報を記録することを実行する、文書管理方法。
【請求項4】
文書データを管理する文書管理装置としてのコンピュータに、
電子商取引に関する取引データと、前記電子商取引に関する文書データとを取得する処理と、
取得した前記文書データと前記取引データの関連付けを行う処理と、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、
前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存する処理と、
前記文書データに対して行われた処理の履歴情報を記録する処理と、を実行させ、
前記取引データと前記文書データの取得処理として、所定フォーマットからなる前記取引データと前記文書データを一群で取得した場合には、
前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、
関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存する処理と、を実行させ、
前記取引データと前記文書データの取得処理として、前記取引データと前記文書データを別々に取得した場合には、
前記取引データと前記文書データの関連付けを行う処理と、
ユーザによる確認処理がなされ、
前記取引データに関連付けられた前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、
関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存する処理と、
前記文書データに対して行われた前記確認処理の履歴情報を記録する処理と、を実行させる、文書管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムに係り、特に、外部のサーバから出力される取引に関する文書データを管理する文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の外部サーバから出力された取引に関する文書データを保存し、当該文書データを管理する文書管理装置(文書管理システム)が知られている。
当該装置では、外部サーバから取得した文書データを登録し、当該文書データに対し所定時点で文書データが存在したことを証明するタイムスタンプを付与した上で保存すること、また文書データ中に含まれる取引内容を検索条件として文書データを検索し、検索対象となる文書データを抽出することが可能となっている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-34552号公報
【文献】特開2012-8992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような文書管理装置(文書管理システム)においては、文書データを出力する外部サーバ(外部出力装置)による出力方法の違い(出力データの違い)等に応じて適切に文書データを保存し、また当該文書データを信憑性が保証された状態で管理することが求められていた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、外部サーバ(外部出力装置)から出力される文書データを適切に保存することが可能な文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の文書管理装置によれば、文書データを管理する文書管理装置であって、電子商取引に関する取引データと、前記電子商取引に関する文書データとを取得するデータ取得部と、前記データ取得部によって取得した前記文書データと前記取引データの関連付けを行うデータ関連付け部と、前記文書データに対しタイムスタンプを付与するスタンプ付与部と、前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存するデータ保存部と、前記文書データに対して行われた処理の履歴情報を記録する履歴情報記録部と、を備え、前記データ取得部が、所定フォーマットからなる前記取引データと前記文書データを一群で取得した場合には、前記スタンプ付与部が、前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、前記データ保存部が、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存し、前記データ取得部が、前記取引データと前記文書データを別々に取得した場合には、前記データ関連付け部が前記取引データと前記文書データの関連付けを行い、ユーザによる確認処理がなされ、前記スタンプ付与部が、前記取引データに関連付けられた前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、前記データ保存部が、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存し、前記履歴情報記録部が、前記文書データに対して行われた前記確認処理の履歴情報を記録すること、により解決される。
【0007】
上記のように、文書管理装置は、所定フォーマットからなる取引データと文書データを一群で取得した場合には、文書データに対しタイムスタンプを付与し、関連付けされた文書データと取引データを保存することとしている。また、取引データと文書データを別々に取得した場合には、取引データと文書データの関連付けを行い、ユーザによる確認処理を契機として、取引データに関連付けられた文書データに対しタイムスタンプを付与し、関連付けられた文書データと取引データを保存することとしている。
そうすることで、文書データを出力する取引管理サーバによる出力方法の違い等に応じて適切に文書データを保存することが可能となる。また、取引管理サーバから出力された当該文書データ(文書データに含まれる文書内容)を信憑性が保証された状態で管理することが可能となる。
【0008】
また前記課題は、本発明の文書管理方法によれば、文書データを管理するコンピュータによって実行される文書管理方法であって、前記コンピュータが、電子商取引に関する取引データと、前記電子商取引に関する文書データとを取得することと、取得した前記文書データと前記取引データの関連付けを行うことと、前記文書データに対しタイムスタンプを付与することと、前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存することと、前記文書データに対して行われた処理の履歴情報を記録することと、を実行し、前記取引データと前記文書データの取得にあたって、所定フォーマットからなる前記取引データと前記文書データを一群で取得した場合には、前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存することを実行し、前記取引データと前記文書データの取得にあたって、前記取引データと前記文書データを別々に取得した場合には、前記取引データと前記文書データの関連付けを行い、ユーザによる確認処理がなされ、前記取引データに関連付けられた前記文書データに対しタイムスタンプを付与し、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存し、前記文書データに対して行われた前記確認処理の履歴情報を記録することを実行すること、によっても解決される。
【0009】
また前記課題は、本発明の文書管理プログラムによれば、文書データを管理する文書管理装置としてのコンピュータに、電子商取引に関する取引データと、前記電子商取引に関する文書データとを取得する処理と、取得した前記文書データと前記取引データの関連付けを行う処理と、前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、前記タイムスタンプが付与された前記文書データを保存する処理と、前記文書データに対して行われた処理の履歴情報を記録する処理と、を実行させ、前記取引データと前記文書データの取得処理として、所定フォーマットからなる前記取引データと前記文書データを一群で取得した場合には、前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存する処理と、を実行させ、前記取引データと前記文書データの取得処理として、前記取引データと前記文書データを別々に取得した場合には、前記取引データと前記文書データの関連付けを行う処理と、ユーザによる確認処理がなされ、前記取引データに関連付けられた前記文書データに対しタイムスタンプを付与する処理と、関連付けられた前記文書データと前記取引データを保存する処理と、前記文書データに対して行われた前記確認処理の履歴情報を記録する処理と、を実行させること、によっても解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムによれば、適切に文書データを保存することが可能となる。また、外部サーバから出力された当該文書データを信憑性が客観的に保証された状態で管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の文書管理システム全体の構成図である。
図2】文書管理装置、取引管理サーバのハードウェア構成を説明する図である。
図3】文書管理装置、販売サーバ、取引端末のハードウェア構成を説明する図である。
図4】文書管理装置、取引管理サーバの機能を説明する図である。
図5】販売サーバ、取引端末の機能を説明する図である。
図6】メニュー画面を示す図である。
図7】取込方法選択画面を示す図である。
図8】文書一覧表示画面を示す図である。
図9】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
図10】文書詳細画面(履歴表示)を示す図である。
図11】文書一覧表示画面を示す図である。
図12】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
図13】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
図14】文書詳細画面(履歴表示)を示す図である。
図15】メニュー画面を示す図である。
図16】文書一覧表示画面を示す図である。
図17】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
図18】文書詳細画面(プレビュー表示)を示す図である。
図19】メニュー画面を示す図である。
図20】文書照会画面を示す図である。
図21】文書管理方法を示す処理フロー図である。
図22】文書管理方法を示す処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図1図22を参照して説明する。
本実施形態の文書管理システムSは、図1に示すように、外部のサーバ(出力装置)とネットワークを通じて連携され、当該外部サーバから出力される「文書データ」を管理する文書管理装置1と、文書管理装置1に接続され、文書データを保存しておくデータベース100と、文書管理装置1とネットワークを通じてそれぞれ接続され、文書管理装置1に向けて文書データを出力する取引管理サーバ200、第2取引管理サーバ300、販売サーバ400、取引端末500と、から主に構成されている。
文書管理装置1は、「文書データ」を出力する外部のサーバ・端末による出力方法の違い(出力データの違い)等に応じて文書データを保存し、当該文書データの信憑性を保証した状態(100%保証した状態)で管理するものである。
【0013】
「文書データ」とは、取引に関する文書データであって、取引先との間で通知、依頼、請求、契約等の取り決め等を行う際に用いられる文書の電子データである。具体的には、見積書、注文書、納品書、請求書、領収書、契約書等の取引文書のデータである。より具体的には、国税関係の帳簿(仕訳帳、仕入帳、固定資産台帳など)、国税関係の書類(棚卸表、貸借対照表など)のデータである。また、電子データの形式は問わず、例えば、PDF形式・テキスト形式・各種の文書形式のほか、JPEG・PNGなどの画像形式、表計算ソフト形式などのデータ形式とすることが可能であるが、文書管理システムSに存在する各種の装置いずれもが認識できる単一の形式であることが望ましい。
本発明の文書管理装置1は、「電子的に作成した帳簿や書類を電子帳簿として保存する方法(電子帳簿保存)」、「紙媒体をスキャンして保存する方法(スキャナ保存)」、「電子的に受領した取引の情報を電子的に保存する方法(電子取引データ保存)」などの最適な保存形式で文書を保存することを可能とするものである。また、本発明の文書管理装置1では、文書を保存後、当該文書を容易に検索できるようにし、文書の取引履歴を確認できるようにするものである。
また、「取引」とは、複数の当事者間で商品や役務(サービス)を提供する若しくは提供を受ける行為を示し、対面販売での取引や電子商取引などの各種取引形式が存在する。このうち、インターネットやコンピュータ上での電子的な情報通信における取引が「電子商取引」である。「電子商取引」では、人の手が一切介在することなく、当該取引の成立及び当該取引に関する取引データの作成など全てが電子上の処理によって完結させることが可能である。
【0014】
文書管理装置1は、上述したように、文書データを出力する取引管理サーバ200、第2取引管理サーバ300、販売サーバ400及び取引端末500に対し、文書管理(文書保存)に関するソフトウェアサービスを提供する装置である。文書管理装置1は、クラウドコンピューティングに関する装置(クラウド装置)又はオンプレミスを構成する装置を示している。
詳しく述べると、文書管理装置1は、これら出力元となるサーバ(端末)に対し、主として(1)サーバ(端末)が作成した文書データを保存するサービスと、(2)サーバ(端末)から受け取った文書データを保存するサービスと、(3)保存した文書データを照会・送信するサービスとを提供する。
より具体的には、文書管理装置1は、出力元となるサーバとの連携状況の違い、出力方法の違い(出力データの違い)に対応させて文書データを適切に保存し、保存した文書データを信憑性が客観的に保証された状態で管理可能となっている。そして、保存した文書データを所定の検索条件の下で抽出し、抽出した文書データを照合すること、また抽出した文書データを送信することが可能となっている。
具体的には、文書管理装置1は、上記出力元から出力される「文書データ」を管理するにあたって、上記出力元から「文書データ」と「取引データ」を取得することと、これらデータの関連付けを行うことと、「文書データ」にタイムスタンプを付与することと、「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に保存することを行っている。
【0015】
「取引データ」とは、取引に関するデータであって、「文書データ」に含まれている取引内容の情報(「取引内容情報」とも称する)を示すデータ(例えば、CSV形式からなるデータ)である。具体的には、「取引先名」、「取引日」、「取引金額」その他の取引内容(取引文書の種類、取引メモなど)を示すデータである。
なお、「取引データ」と、当該取引データに対応する「文書データ」とは関連付けられた状態でデータベース100に保存される。
「取引データ」は、例えば、データベース100に保存された複数の文書データの中から、所定の文書データを検索する際に検索条件として用いられるデータである。
つまり、「文書データ」は、取引の信憑(エビデンス)として用いられるデータであって、「取引データ」は、文書データの確認、検索、データ集計の際に用いられるデータである。
【0016】
データベース100は、文書管理装置1の管理の下で、文書管理装置1によって保存された「文書データ」及び「取引データ」を格納(保存)しておくものである。
文書管理装置1によって保存された「文書データ」は、「取引データ」と関連付けられた状態で格納されている。なお、文書管理装置1がデータベース100を備えた構成としても良いし、文書管理装置1とデータベース100が別の構成としても良い。
このデータベース100では、上述する、「電子的に作成した帳簿や書類を電子帳簿として保存する方法(電子帳簿保存)」、「紙媒体をスキャンして保存する方法(スキャナ保存)」、「電子的に受領した取引の情報を電子的に保存する方法(電子取引データ保存)」などの最適な保存形式で文書が格納(保存)されている状態にある。
【0017】
取引管理サーバ200、第2取引管理サーバ300は、図2に示すように、電子商取引を管理するサーバであって、文書管理装置1に向けて「文書データ」、「取引データ」を出力し、文書管理装置1から文書管理サービスの提供を受けるものである。
これら取引管理サーバ200、第2取引管理サーバ300は、文書管理装置1によって管理された専用ウェブサイトにアクセスし、ユーザログインすることで、文書管理に関するサービス内容を表示画面上に表示する。
具体的には、ユーザログイン後、図6に示すメニュー画面を表示した状態で所望のユーザ操作の選択を受け付けることで画面遷移させ、図7図14に示す(1)サーバ(端末)で作成した文書データを保存するサービス、図15図18に示す(2)サーバ(端末)から受け取った文書データを保存するサービス、あるいは図19図20に示す(3)保存した文書データを照会・送信するサービスの提供を受けることができる。
【0018】
取引管理サーバ200、第2取引管理サーバ300では、電子商取引に関する商品やサービスの種別、当該取引に係る取引者、取引日、取引金額のほか、取引に関する一切の情報を記憶、管理している。
取引管理サーバ200、300は、上記電子商取引に関する「文書データ」、「取引データ」を作成し、その電子商取引を証明することを可能としている。取引管理サーバ200、300では、その電子商取引に関して他の装置から「文書データ」、「取引データ」を受け取り、その電子商取引を証明することも可能である。
取引管理サーバ200、300では、文書管理装置1に対してこれらのデータを出力(送信)することのほか、予め指定された保存領域にデータを出力することも可能である。詳細については後述する。
なお、取引管理サーバ200と第2取引管理サーバ300の違いは以下の通りである。
【0019】
取引管理サーバ200は、「第1取引管理サーバ」とも称し、文書管理装置1と同様に、クラウドコンピューティングに関する装置(クラウド装置)若しくはオンプレミスを構成する装置を示している。この取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携されており、文書管理装置1との間で取り決められた所定フォーマット(共通フォーマット)からなる「取引データ」、「文書データ」をそれぞれ出力する。
詳しく述べると、取引管理サーバ200は、文書管理装置1とクラウド連携(完全連携)されており、共通のクラウドストレージ(クラウド上の保存領域)に、所定フォーマットからなる取引データや文書データを出力して保存する。これによって、文書管理装置1は、上記保存領域に保存された取引データや文書データを読みだして所定の処理を実行することが可能となる。すなわち、文書管理装置1は、取引管理サーバ200から出力された、電子商取引に関する「取引データ」と、その電子商取引に関する「文書データ」を取得することが可能となる。
なお、取引管理サーバ200がデータ出力を行う契機として、所定のユーザ操作が行われたことや予め指定されたタイミングにおけるバッチ処理としても良い。もちろん、所定のタイミングで出力することとしても良い。
このほか、取引管理サーバ200は、文書管理装置1内に設けられた共有保存領域に「取引データ」や「文書データ」を出力し、文書管理装置1がこの共有保存領域から「取引データ」や「文書データ」を読み出すことにしても良い。もちろん、上記共有保存領域を取引管理サーバ200内に設けてもよい。
【0020】
上記クラウド連携(完全連携)により、取引管理サーバ200によって完結される電子商取引において電子的に作成された「取引データ」と、当該取引データに対応する「文書データ」とは、予め関連付けられた状態となっている。文書管理装置1は、両データそれぞれが取引管理サーバ200によって出力されたデータであることを保証し、また、両データ同士が関連するものであることを保証してデータベース100に保存する。
つまり、文書管理装置1が、取引管理サーバ200から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、取引管理サーバ200との完全連携がなされ、ユーザによる変更操作やデータ更新の手続が行われないため、所定条件の下で「文書データ」の取得から保存までの自動化処理(半自動化処理)を行うことが可能となる。
【0021】
このことから、取引管理サーバ200と文書管理装置1の「完全連携(第1連携態様)」とは、文書管理装置1とネットワークを通じて連携された態様であって、予め定められた所定フォーマットからなる「取引データ」と、この取引データと一群を構成する「文書データ」とを所定の保存領域を介してやり取りを行うことが可能な状態(ネットワークを通じた連携状態)である。また、予め指定された相手とデータ(取引データ)のやり取りを行うことが可能な状態である。
【0022】
第2取引管理サーバ300は、文書管理装置1や取引管理サーバ300と同様に、クラウドコンピューティングに関する装置(クラウド装置)若しくはオンプレミスを構成する装置を示している。この第2取引管理サーバ300は、文書管理装置1とクラウド連携(完全連携)されていないものの、文書管理装置1と「完全連携とは異なる連携態様」にて連携されており、文書管理装置1との間で取り決められた共通フォーマットからなる「取引データ」を含む「文書データ」を出力する。
詳しく述べると、第2取引管理サーバ300は、第2取引管理サーバ300又は文書管理装置1内に設けられた共有保存領域、あるいは他の保存装置の共有保存領域にデータ出力し、エージェントプログラムを実行することで当該共有保存領域に格納されている「文書データ」を文書管理装置1に向けて出力する。なお、所定のユーザ操作を受け付けて手動で文書管理装置1に向けて出力しても良い。
「取引データ」を含む「文書データ」とは、例えば文書データ(PDFデータ)の属性情報として取引データを保有するデータである。この取引データは、CSV形式(カンマ区切りのテキストファイル形式)等によって構成され、文書管理装置1との間で予め取り決められたフォーマット(形式)と共通フォーマット(共通形式)となっている。
そのため、第2取引管理サーバ300から、「取引データ」を組み込んだ「文書データ」が出力されると、文書管理装置1は、当該「文書データ」を取得することで、文書データそのものと、文書データに組み込まれた取引データとを取得することができる。
【0023】
つまり、第2取引管理サーバ300から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、文書管理装置1と「完全連携とは異なる連携態様」での連携がなされているため、ユーザによる確認処理を経ながら、「文書データ」の取得から保存までの処理を行うことが可能となる。
【0024】
このことから、取引管理サーバ200と文書管理装置1の「第1連携態様とは異なる連携態様(第2連携態様)」とは、文書管理装置1とネットワークを通じて連携された態様であって、予め定められた所定フォーマットからなる「取引データ」を含む「文書データ」を所定の保存領域を介してやり取りを行うことが可能な状態(ネットワークを通じた連携状態)である。また、予め指定された相手とデータ(取引データ)のやり取りを行うことが可能な状態である。
【0025】
以上のことから、取引管理サーバ200、300と文書管理装置1とは、第1連携態様、第2連携態様等の連携対応(出力方法)の違い(出力されるデータの種類の違い)に応じた適切な方法で文書データを保存し、当該文書データの信憑性を保証した状態(100%保証した状態)で管理するものである。
特に、取引管理サーバ200と文書管理装置1がともにクラウド装置であれば、マルチクラウドを構成することとなり、所定フォーマットにおける取引データの出力ややり取り(送受信)により、シームレスな処理を提供することができる。
また、第2取引管理サーバ300と文書管理装置1がともにクラウド装置であれば、同様の処理を提供することができる。このほか、取引管理サーバ200または第2取引管理サーバ300がオンプレミスであり、文書管理装置1がクラウド装置であればハイブリッドクラウドを構成することとなり、すでにオンプレミスで取引を行っている状態においてもそれらの資産を活用しながら効率的に本システムを構成することが可能となる。
【0026】
販売サーバ400は、図3に示すように、独立して販売サイトを運営、管理し、一般消費者となるユーザ(ユーザ端末)に対して商品・サービスの販売マーケットを提供するものである。
販売サーバ400は、文書管理装置1とはクラウド連携されておらず、販売サーバ400を運営する運営者の管理の下で「文書データ」を出力し、文書管理装置1が、この文書データを取り込むことによって文書データを管理する文書管理サービスの提供を受けることができる。
詳しく述べると、販売サーバ400は、文書管理装置1内に設けられた共有保存領域、あるいは他の保存装置の共有保存領域にデータ出力し、エージェントプログラムを実行することで共有保存領域に格納されている「文書データ」を文書管理装置1に向けて出力する。
上記「文書データ」は、当然ながら文書管理装置1によって取り決められたフォーマットの「取引データ(CSVデータ)」が組み込まれていないデータである。
つまり、販売サーバ400から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、文書管理装置1との連携がなされておらず、共通形式の取引データのやり取りがないため、随時ユーザによる確認処理、電子化処理を経て、「文書データ」の取得から保存までの処理を行う必要がある。
【0027】
取引端末500は、図3に示すように、電子商取引を行う情報端末であって、文書管理装置1に向けて「文書データ」を出力し、文書管理装置1からソフトウェアサービスの提供を受けるものである。
取引端末500は、文書管理装置1とはクラウド連携されておらず、取引端末500を利用する利用者の管理の下で「文書データ」を出力(送信)し、文書管理装置1がこの文書データを取り込む(受信する)ことで、文書データを管理する文書管理サービスの提供を受けることができる。
詳しく述べると、取引端末500は、文書管理装置1の専用メールアドレスに、文書データ(PDFデータ)を添付したメールを送信することで「文書データ」を出力する。あるいは、上記専用メールアドレスに文書データ(メール本文)を含むメールを送信することで「文書データ」を出力する。そして、文書管理装置1が上記メールを受信することによって「文書データ」を受信する。
つまり、取引端末500から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、文書管理装置1との連携がなされていないため、随時ユーザによる確認処理、電子化処理を経ながら、「文書データ」の取得から保存までの処理を行う必要がある。
【0028】
そのほか、文書管理装置1は、外部のユーザから送信された紙媒体の取引文書に基づいて「文書データ」を取得し、当該文書データを保存することがある。
その場合には、管理者(担当者)がスキャン装置(撮影データ取込装置)を利用して紙媒体の取引文書を電子化して「文書データ(PDFデータ)」を作成し、文書管理装置1のクラウドストレージに格納する。その後は、随時ユーザ(ユーザ端末)による確認処理を経ながら、「文書データ」の保存処理を行う。
【0029】
販売サーバ400、取引端末500は、文書管理装置1と連携されていない(連携されていない状態となっている)。詳しく述べると、文書管理装置1とネットワークを通じて接続されているものの、連携はなされていない。
「連携(ネットワークを通じた連携)されていない状態」とは、第1連携態様、第2連携態様とは異なり、所定フォーマットからなる「取引データ」又はこの取引データを含む「文書データ」を所定の保存領域を介してやり取りするものではなく、販売サーバ400、取引端末500が、文書管理装置1に対して任意のデータ形式からなるデータのやり取り(送受信等)を行う状態である(もちろん、第1連携態様、第2連携態様におけるデータ形式と同一であってもよい)。また、このときの販売サーバ400、取引端末500は、文書管理装置1において予め指定された相手とは異なる相手であって、任意の相手とすることが可能である。
【0030】
<文書管理システムのハードウェア構成>
文書管理装置1は、図2図3に示すように、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDD(SSD)と、インターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースと、を備えたコンピュータである。
文書管理装置1の記憶装置(メモリ)には、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、文書管理プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPU(プロセッサ)によって実行されることにより、文書管理装置1の機能が発揮されることになる。あるいは、CPUを実装した半導体集積回路又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)によって実行されても良い。
データベース100、取引管理サーバ200、300、販売サーバ400、取引端末500についても同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
なお、文書管理装置1は、有線又は無線通信を介してスキャン装置2と接続されている。取引管理サーバ200、300も同様に、それぞれスキャン装置201、301と接続されている。
【0031】
<文書管理システムの機能>
文書管理装置1は、図4に示すように、機能面から説明すると、「文書データ」、「取引データ」等、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10のほか、「サーバが作成した文書データを保存する機能」を実行すべく、データ取得部11と、データ登録部12と、データ提示部13と、データ関連付け部14と、スタンプ付与部15と、データ保存部16と、を主な構成要素として備えている。
また、「サーバが受け取った文書データを保存する機能」を実行すべく、取引情報抽出部17と、取引情報照合部18と、照合結果報知部19と、取引情報更新部20と、履歴情報記録部21と、をさらに備えている。
また、「保存した文書データを照会・送信する機能」を実行すべく、対象文書検索部22と、対象文書提示部23と、リンク付与部24と、をさらに備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
なお、記憶部10は、取引管理サーバ200、300、販売サーバ400、取引端末500から出力された「文書データ」及び「取引データ」を一時的に記憶する。一時記憶された「文書データ」及び「取引データ」は、文書管理装置1によって、データ登録され、関連付けが行われ、タイムスタンプが付与されて保存された後に、あるいは適宜、文書管理装置1による一元管理の下でデータベース100に格納される。
【0032】
取引管理サーバ200、300、販売サーバ400、取引端末500についても機能面から説明すると、図4図5に示すように、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶部210、310、410、510と、文書管理装置1との間で各種データを送受信する通信部211、311、411、511と、文書管理装置1によって提供される文書管理に関するサービス内容を画面表示する表示部212、312、412、512と、ユーザ操作の入力又は選択を受け付けて操作処理を実行する操作実行部213、313、413、513と、を主な構成要素として備えている。
【0033】
以下、文書管理装置1によって提供される(1)サーバ(端末)が作成した文書データを保存する機能と、(2)サーバ(端末)から受け取った文書データを保存する機能と、(3)保存した文書データを照会・送信する機能とについて詳しく説明する。
【0034】
<<(1)サーバ(端末)が作成した電子文書の保存>>
(1-1)取引管理サーバ200から、当該サーバによって電子的に作成された「文書データ」及び「取引データ」が出力された場合について説明する。
まず、データ取得部11が、取引管理サーバ200から同時出力された「文書データ」及び「取引データ」を一群で取得する。
詳しく説明すると、取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携(完全連携)されており、「文書データ」を出力すると、自動的に「文書データ」に対応する「取引データ」についても出力(同時出力)するように連携されている。
また、「取引データ」は、文書管理装置1と共通フォーマットからなる「取引データ(CSVデータ)」である。
【0035】
この場合には、データ取得部11による両データの取得を契機として(自動的に)、データ登録部12が「文書データ」及び「取引データ」を関連付けた状態で登録する。そして、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けされた「文書データ」にタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
つまり、取引管理サーバ200で一貫して電子的に作成された「文書データ」を保存するにあたっては、文書管理装置1との完全連携がなされ、「文書データ」と「取引データ」の信憑性が客観的に保証された状態で管理可能となっている。
【0036】
図6図10に基づいて具体的に説明すると以下の通りである。
まず、取引管理サーバ200を通じたユーザによるログイン操作を受け付けて、文書管理装置1が図6に示すメニュー画面30を提示する。メニュー画面30は、複数の選択項目から所定の選択項目をユーザ選択させるための一覧画面である。
図6に示すメニュー画面30には、左上に選択項目31「サーバが作成した電子文書を保存する」、左下に選択項目32「サーバが受け取った文書を保存する」、右上に選択項目33「保存した文書を照会する/送る」が表示されている。より詳細には、選択項目31において項目31a「電子文書取込」、項目31b「電子文書登録」が表示され、選択項目32において項目32a「電子文書取込」、項目32b「電子文書登録」が表示され、選択項目33において項目33a「電子文書照会」、項目33b「電子文書送信」が表示されている。
【0037】
そして、ユーザによる選択項目31「サーバが作成した電子文書を保存する」の項目31a「電子文書取込」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が図7に示す取込方法選択画面40を提示する。
図7に示す取込方法選択画面40には、ユーザによる取込方法の選択操作を受け付けるウインドウがポップアップ表示されており、左側に選択項目41「手動で取り込む」、右側に選択項目42「指定したフォルダから取り込む」が表示されている。
選択項目41「手動で取り込む」の選択操作を受け付けると、ユーザによって取り込むデータ(取引データ、文書データ等)が指定されることで、指定されたデータを文書管理装置1に取り込む。選択項目42「指定したフォルダから取り込む」の選択操作を受け付けると、データ取得部11が、共通のクラウドストレージ(指定した保管フォルダ)内に保管された「取引データ」及び「文書データ」を取り込む。
【0038】
そして、データ提示部13が、図8に示す文書一覧表示画面50を提示する。
図8には、文書一覧のトップに、登録状況「登録済」、文書名「請求書22040101A」、文書種類「請求書」、取引先名「リーフ一郎」、取引日「2022/4/1」、取引金額「194,000」、登録者「ブロード太郎」、タイムスタンプ「2022/4/7」、保存日「2022/4/7」が表示されている。
なお、登録状況が「登録済」の文書の場合には、既に「文書データ」及び「取引データ」が関連付けされ、タイムスタンプが付与され、データベース100に保存された状態である。
一方で、登録状況が「仮登録(未登録)」の文書の場合には、「文書データ」及び「取引データ」が(完全に)関連付けされておらず、タイムスタンプが付与されておらず、保存されていない状態(待ち状態)であって記憶部10に一時記憶された状態にある。また、「仮登録(未登録)」の場合には、「文書データ」のみが取り込まれた状態、「取引データ」のみが取り込まれた状態、あるいは「文書データ」及び「取引データ」が取り込まれているものの、互いに関連付けされていない状態であって記憶部10に一時記憶された状態にある。
【0039】
そして、ユーザによる文書名「請求書22040101A」の選択操作を受け付けると、データ提示部13が、図9図10に示す文書詳細画面60を提示する。
図9には、ウインドウ61「電子文書詳細」がポップアップ表示され、左側の表示領域61aには「取引内容の情報」が表示され、右側の表示領域61bには「文書データ(PDFデータ)」がプレビュー表示されている。
また、図10の右側の表示領域61cには「履歴情報」が一覧表示されている。つまり、ウインドウ61の右側の表示領域には、タブ切替によって異なる情報を表示することができる。
【0040】
上記説明の通り、(1-1)の場合には、データ取得部11による両データの取得を契機として(自動的に)、データ登録部12が「文書データ」及び「取引データ」を関連付けた状態で登録し、スタンプ付与部15が「文書データ」にタイムスタンプを付与し、データ保存部16が「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
つまり、図8図10に示すように、文書管理装置1が、所定のユーザ操作、ユーザによる確認処理を受け付けることなく、「電子文書(文書データ)」を「取引データ」と関連付けた状態でデータベース100に保存することができる。
図8図10は、電子文書が既にデータベース100に自動保存された後の様子を示している。)
【0041】
(1-2)次に、取引管理サーバ200から一群を構成する「文書データ」及び「取引データ」のうち、「取引データ」が先に出力された場合であって、かつ、その後に出力された「文書データ」がスキャン文書データ(サーバによって文書として出力され、当該文書を電子化することで作成された文書データ)である場合について説明する。
一例として、紙媒体(電子媒体とは異なる他の媒体)を用いた文書管理に対応する場合(アナログ対応の場合)について説明する。すなわち、データ取得部11が、所定フォーマットからなる取引データを取得した後に、文書データを取得した場合であって、その文書データの取得が、取引管理サーバ200、300とネットワークを通じた連携による取得とは異なる場合について説明する。
なお、「文書データ」がスキャン文書データではなく、サーバによって電子的に作成された文書データである場合には、後述のスキャン処理、文字認識処理(OCR処理)、照合処理を行う必要はない。
【0042】
まず、データ取得部11が取引管理サーバ200から「取引データ」を先に取得し、データ登録部12が「取引データ」を先に登録する。
詳しく説明すると、取引管理サーバ200は、文書管理装置1と連携されており、「文書データ」を外部に印刷出力すると、自動的に「文書データ」に対応する「取引データ」を文書管理装置1に向けて出力するように連携されている。
また、「取引データ」は、文書管理装置1と共通フォーマットからなる「取引データ(CSVデータ)」である。
【0043】
その後、データ取得部11が、取引管理サーバ200、300とネットワークを通じた連携による取得とは異なる形態で「スキャン文書データ」を取得した後に、取引管理サーバ200を通じたユーザ操作を受け付けて、データ関連付け部14が、予めデータ登録された「取引データ」に対し、当該取引データに対応する「スキャン文書データ」の関連付けを行う。そして、文字認識処理(OCR処理)、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられ、取引内容が確認された状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
ここで「文字認識処理」とは、文書を画像データに電子化することで作成された「スキャン文書データ」から文字認識することによって取引内容の情報(取引内容情報)を抽出する取引情報抽出部17と、取引情報抽出部17によって「スキャン文書データ」から抽出された取引内容の情報と、「スキャン文書データ」に関連付けられた「取引データ」に含まれる取引内容の情報とを照合する取引情報照合部18と、取引情報照合部18による照合結果を報知する(表示画面上に提示するほか、所定の送信先に送信する)照合結果報知部19と、によって実行される処理である。
また「ユーザによる確認処理」とは、ユーザ操作によって決定又は選択される確認処理である。
【0044】
このように、取引管理サーバ200から文書として印刷出力され、当該文書を電子化することで作成された「スキャン文書データ」を保存するにあたっては、まず、文書管理装置1に先に取り込まれ、登録された「取引データ」と、後に取り込まれた「スキャン文書データ」とをユーザ操作を受け付けて関連付けを行う。そして、文字認識処理、ユーザによる確認処理を契機として、「スキャン文書データ」にタイムスタンプを付与し、「スキャン文書データ」を保存する。
つまりは、文書として印刷出力され、再度電子化することで作成された「スキャン文書データ」の保存を行う場合には、「スキャン文書データ」と「取引データ」の間で必ずしも信憑性が保証された状態とはなっていない。そのため、「ユーザによる確認処理」を行う必要がある(自動処理によってデータを保存することはしない)。
【0045】
図6図7図11図14に基づいて具体的に説明すると以下の通りである。
まず、図6に示すメニュー画面30の項目31aのユーザ選択を受け付けて、図7に示す取込方法選択画面40の選択項目42のユーザ選択を受け付けると、データ取得部11が、共通のクラウドストレージ内に保管された「取引データ」を先に取り込む。
なお、この時点では、「スキャン文書データ」は保管されていない。
【0046】
そして、データ提示部13が、図11に示す文書一覧表示画面50を提示する。
図11には、文書一覧のトップに、登録状況「仮登録」、文書名「請求書23041101A」、文書種類「請求書」、取引先名「リーフ四郎」、取引日「2023/4/11」、取引金額「150,000」、登録者「ブロード太郎」、タイムスタンプ「-」、保存日「-」が表示されている。
つまり、文書名「請求書23041101A」は「仮登録」の状態であって、当該文書の「取引データ」のみがデータ登録された状態となっている。言い換えれば、「取引データ」に対応する「文書データ」の登録、関連付けを待っている状態(待ち状態、待ち受け状態)である。
【0047】
そして、ユーザによる文書名「請求書23041101A」の選択操作を受け付けると、データ提示部13が、図12図14に示す文書詳細画面60を提示する。
図12には、ウインドウ61の左側の表示領域61aに「取引内容の情報」が表示されている一方で、右側の表示領域61bには何も表示されていない。
つまり、この文書については、「取引データ」が登録されているものの、スキャン文書データが未だ登録されておらず、また関連付けられていないことが分かる。
【0048】
そして、データ取得部11が「スキャン文書データ」を追って取り込んだ後に、ユーザ操作を受け付けて、データ関連付け部14が、既にデータ登録された「取引データ」に対し「スキャン文書データ」の関連付けを行う。
データの関連付けについては、データ登録された「取引データ」と、クラウドストレージ内に保管された「スキャン文書データ」とを文書IDによって、または取引先名、取引日時及び取引金額によって突き合わせることで文書管理装置1が関連付けを行い、ユーザが確認操作を行うと良い。あるいは、ユーザによる「スキャン文書データ」の選択操作、図12においてユーザによる「スキャン文書データ」のドラッグ操作等によって、データの関連付けがなされても良い。
データの関連付けが行われると、図13に示すように、ウインドウ61の表示領域61aに「取引内容の情報」が表示され、右側の表示領域61bに「文書データ」がプレビュー表示される。
【0049】
そして、図13の文書詳細画面60においてユーザによる実行ボタン62「F7 AIOCR」の操作を受け付けて、取引情報抽出部17、取引情報照合部18、照合結果報知部19が、文字認識処理を行う。なお、後述するような学習データを用いてAI(人工知能)を用いた文字認識処理(AIOCR処理)を行うことも可能である。
この文字認識処理によって、照合結果報知部19が、表示領域61aにある「取引データ」の取引内容の情報と、表示領域61bにある「スキャン文書データ」から抽出された取引内容の情報との照合結果を提示する。
【0050】
具体的には、照合結果報知部19は、取引内容の照合が取れた場合(互いの取引内容が一致した場合)には、その旨(例えば照合結果「取引内容が一致しました」)を提示し、ユーザに対して照合結果を報知する。そして、ユーザによる確認処理後、ユーザによる実行ボタン63「F12 タイムスタンプ+保存」の操作を受け付けて、スタンプ付与部15が、取引内容の照合が取れた状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
あるいは、実行ボタン63の操作を受け付けることなく、照合結果を用いたユーザによる確認処理(取引内容の照合が取れたこと)を契機として、スタンプ付与部15がタイムスタンプを自動付与し、データ保存部16が両データを自動保存しても良い。
【0051】
一方で、照合結果報知部19は、取引内容の照合が取れなかった場合(互いの取引内容が不一致の場合、取引内容の情報が異なる場合)には、照合が取れなかった取引内容を報知する(表示画面に提示する、所定の送信先に送信する)。
例えば、図13に示す表示領域61aにある取引金額が「150,000」であって、表示領域61bにおいて抽出された取引金額が「160,000」であった場合には、照合が取れなかった取引内容(上記例では、表示領域61aにある取引金額と、表示領域61bにおいて抽出された取引金額とが異なる旨)を報知する。
ユーザは、照合結果として、表示領域61aにある取引金額と、表示領域61bにおいて抽出された取引金額とが異なることを認識することができ、ユーザがこの違いを許諾する確認処理を行うと、取引情報更新部20が、表示領域61aにある取引金額「150,000」を、表示領域61bにおいて抽出された取引金額「160,000」で更新する(上書きする)。反対に、ユーザがこの違いを許諾しない確認処理を行うと、更新されず当初の表示されていた内容が継続されることとなる。
そして、データ関連付け部14が、ユーザによる確認処理によって確認された後の取引内容の情報(更新情報)と「スキャン文書データ」とを関連付ける。
そして、ユーザによる実行ボタン63の操作を受け付けて、スタンプ付与部15が、「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が両データを保存する。あるいは、ユーザによる確認処理が行われたことを契機として(自動的に)、スタンプ付与部15がタイムスタンプを付与し、データ保存部16が両データを保存しても良い。
【0052】
ところで、図13に示す文書詳細画面60において右側の表示領域61bをタブ切り替えることで、図14に示すように、右側の表示領域61cに「履歴情報」が一覧表示される。表示領域61cには、履歴情報記録部21によって記録された履歴情報が一覧表示されている。
詳しく述べると、履歴情報記録部21は、取引管理サーバ200から出力された「文書データ」及び「取引データ」に対して行われたユーザ操作の履歴情報と、照合が取れなかった取引内容(異なる取引内容)の情報に対する更新情報と、を少なくとも記録している。言い換えれば、履歴情報記録部21は、「文書データ」及び「取引データ」に対して行われた一連の処理の履歴情報を記録している。
具体的には、ユーザ操作の履歴情報(ユーザによる確認処理の履歴情報)として、図14の表示領域61cには、更新者「ブロード太郎」、処理「新規」及び履歴内容「仮登録」や、処理「AIOCR」及び履歴内容「取引内容」が表示されている。
また、更新情報として図14の表示領域61cには、更新者「-」、処理「自動更新」、履歴内容「取引金額」が表示されている。
そうすることで、例えば更新された取引内容(取引金額)が間違った状態でデータ保存された場合であっても、間違った更新情報の履歴を記録しておくことで、時系列を遡って間違った情報の入力記録をたどることができる。すなわち、履歴情報を記録することで、トレーサビリティを確保することができる。
【0053】
なお、履歴情報記録部21が、取引内容に対する更新情報(更新情報の履歴)を記憶しておくことで、当該更新情報の履歴を、AIを用いた文字認識処理(AIOCR処理)の学習データとして利用することができる。この学習データを収集、蓄積することで、文字認識処理(取引情報抽出部17、取引情報照合部18)の認識精度を向上させることができる。
【0054】
上記説明の通り、(1-2)の場合には、取引管理サーバ200から両データが出力されるものの、「取引データ」と「スキャン文書データ」の間で必ずしも信憑性が保証された状態とはなっていない(スキャン文書データが加工されている場合がある)。すなわち、(1-1)のように自動処理によってデータを保存することはしない。
そのため、文書管理装置1に先に取り込まれ、登録された「取引データ」と、後に取り込まれた「スキャン文書データ」とをユーザによる確認処理を契機として関連付けを行う必要がある。そして、文字認識処理、ユーザによる確認処理を経て、スタンプ付与部15が「スキャン文書データ」にタイムスタンプを付与し、データ保存部16が「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
【0055】
(1-3)次に、第2取引管理サーバ300から「文書データ」が出力された場合について説明する。
第2取引管理サーバ300は、文書管理装置1とクラウド連携されていないものの、文書管理装置1と完全連携とは異なる連携態様にて連携されており、文書管理装置1との間で取り決められた所定フォーマット(共通フォーマット)からなる「取引データ」を含む「文書データ」を出力することができる。
「取引データ」を含む「文書データ」とは、文書データ(PDFデータ)の属性情報としてCSV形式の取引データが含まれたデータである。
なお、第2取引管理サーバ300は、文書管理装置1とは連携されておらず、当該連携による出力手段とは異なる出力手段によってデータを出力している。
言い換えれば、文書管理装置1は、第2取引管理サーバ300とは連携されておらず、データ取得部11は、当該連携による取得手段とは異なる取得手段でデータを取得している。
【0056】
まず、データ取得部11が、第2取引管理サーバ300から「取引データ」を含む「文書データ」(「取引データ」を組み込んだ「文書データ」とも称する)を取得する。
詳しく説明すると、第2取引管理サーバ300は、文書管理装置1との間で共有保存領域を有し、エージェントプログラムを実行することで共有保存領域(共有フォルダ)に格納された「文書データ」を文書管理装置1に向けて自動又はユーザ操作によって出力する。
文書管理装置1は、「文書データ」を取得することで、文書データそのものと、文書データに組み込まれた取引データとを取得する(取り込む)ことができる。すなわち、データ取得部11による「文書データ」の取得を契機として、データ登録部12が「文書データ」及び「取引データ」を関連付けた状態で登録することができる。
【0057】
その後、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられた状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
つまり、第2取引管理サーバ300から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、第2取引管理サーバ300が文書管理装置1とネットワークを通じた連携が可能であるため、「文書データ」の取得から保存までの処理を自動で行うことができる。
【0058】
表示画面例について簡単に説明すると以下の通りである。
データ取得部11による上記「文書データ」の取得を契機として、データ登録部12が「文書データ」及び「取引データ」を関連付けた状態で登録し、データ提示部13が図11のような文書一覧表示画面50、図13のような文書詳細画面60を提示する。
図13に示す文書詳細画面60では、左側の表示領域61aに「取引内容の情報」が表示され、右側の表示領域61bに「文書データ」がプレビュー表示されている。
これは、文書管理装置1が、第2取引管理サーバ300から、「取引データ」を組み込んだ「文書データ」を取得し、両データを取り込んだ状態であるため、両データを表示することが可能となっている。
一方で、「文書データ」の属性情報に含まれる「取引データ」はユーザ又は外部の者によって変更することが可能であるため、「文書データ」と「取引データ」の間で必ずしも完全一致であることを担保された状態ではない。そのため、「ユーザによる確認処理」を行う必要がある(自動処理によってデータを保存することはしない)。
【0059】
そのため、図13図14に示すような文書詳細画面60においてユーザによる確認処理を経た後に、ユーザによる実行ボタン「タイムスタンプ+保存」の操作を受け付けて、スタンプ付与部15が「文書データ」に対しタイムスタンプを付与し、データ保存部16が両データを保存する。あるいは、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が「文書データ」にタイムスタンプを自動付与し、データ保存部16が両データを保存しても良い。
【0060】
上記説明の通り、(1-3)の場合には、第2取引管理サーバ300から、「取引データ」を組み込んだ「文書データ」が出力されるものの、「取引データ」と「スキャン文書データ」の間で必ずしも完全一致であることを保証された状態とはなっていない(取引情報が加工されている場合がある)。すなわち、上記(1-1)に示す処理と同様に「文書データ」及び「取引データ」が関連付けられた状態で取り込まれるものの、一方で上記(1-1)で行われる自動処理によるデータを自動的に保存することは行わない。
そのため、ユーザによる確認処理を実施し、この確認処理を契機として、文書管理装置1が「文書データ」にタイムスタンプを付与し、「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
なお、第2取引管理サーバ300が「文書データ」を出力する際に、その文書データの属性情報に含まれる「取引データ」の取引内容をロック(更新不可能と)する処理、あるいは暗号化する処理を行うことで、「文書データ」と「取引データ」との完全一致を保証された状態となる。その場合には、上記(1-1)に示す処理と同様に自動処理によってスタンプ付与部15が「文書データ」にタイムスタンプを自動付与し、データ保存部16がデータをデータベース100に保存することとしても良い。
【0061】
(1-4)次に、販売サーバ400から「文書データ」が出力された場合について説明する。
販売サーバ400は、文書管理装置1とクラウド連携されておらず、文書管理装置1によって制御されておらず、販売サーバ400による独自の「文書データ」を出力する。
なお、販売サーバ400は、文書管理装置1とは連携されておらず、当該連携による出力手段とは異なる出力手段によってデータを出力している。
言い換えれば、文書管理装置1は、販売サーバ400とは連携されておらず、データ取得部11は、当該連携による取得手段とは異なる取得手段でデータを取得している。
【0062】
まず、販売サーバ400は、文書管理装置1との間で共有保存領域(共有フォルダ)を有し、ユーザ操作によってその共有保存領域に文書データを保存する。もちろん、エージェントプログラムを実行して共有保存領域に格納された「文書データ」を文書管理装置1に向けて出力するようにしても良い。
データ取得部11による「文書データ」の取得を契機として、データ登録部12が「文書データ」を登録し、データ提示部13が、図11のような文書一覧表示画面50を提示する。
この時点では、「文書データ」に対応する「取引データ」は作成されていないため、文書一覧表示画面50において所定の文書案件に対し、登録状況が「仮登録」となり、文書種類、取引先名、取引日、取引金額、タイムスタンプ、保存日については情報がない状態(空欄の状態)となる。具体的には、図16に示す文書一覧のイメージである。
【0063】
その後、ユーザによる所定の文書名の選択操作を受け付けると、データ提示部13が、図12のような文書詳細画面を提示する。
このとき、ウインドウの右側の表示領域に「文書データ」がプレビュー表示されている一方で、左側の表示領域には何も表示されない。
つまり、この文書については、「文書データ」が登録されているものの、「取引データ」が未だ作成されておらず、また関連付けられていないことが分かる。
【0064】
その後、文書詳細画面においてユーザによる実行ボタン「F7 AIOCR」の操作を受け付けて、文書管理装置1が文字認識処理(AIOCR処理)を行い、文字認識処理の結果に基づいて取引情報(取引内容)を更新する。
具体的には、図12のような文書詳細画面の左側の表示領域に、文字認識処理によって認識された取引情報が表示された状態となる。すなわち、所定の文書案件に対し「取引データ(CSVデータ)」が作成されたことになる。
【0065】
その後、ユーザによる確認処理を受け付けて、データ関連付け部14がデータの関連付けを行い、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられた状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
つまり、販売サーバ400から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、販売サーバ400による独自の「文書データ」が出力されること、また「取引データ」が作成されていないケースとなる。そのため、文書管理装置1が、文字認識処理(OCR処理)を行って「取引データ」を作成し、「文書データ」及び「取引データ」の関連付けを行うこと、またユーザによる確認処理を随時受け付けて「文書データ」に対しタイムスタンプを付与し、両データを保存することが必要となる。
【0066】
<<(2)サーバ(端末)から受け取った電子文書の保存>>
(2-1)取引端末500から、文書データ(PDFデータ)を添付したメールが送信されることで、「文書データ」が出力された場合について説明する。
この「文書データ」は、文書管理装置1が、取引端末500から受け取った、商取引に関する電子文書である。
なお、ケースによっては、文書管理装置1が、販売サーバ400から、商取引に関する「文書データ」を受け取ることもある。
【0067】
まず、データ取得部11が、取引端末500から「文書データ(PDFデータ)」を取得する(「文書データ」を受け取る)。
詳しく説明すると、取引端末500は、文書管理装置1の専用メールアドレスに、「文書データ」を添付したメールを送信することで、「文書データ」を出力する。
文書管理装置1は、メールを通じて取得した「文書データ」を取り込みことができる。すなわち、データ取得部11による「文書データ」の取得を契機として、データ登録部12が「文書データ」を登録する。
この時点では、「文書データ」に対応する「取引データ」は作成されていない。
【0068】
その後、ユーザ操作を受け付けて文字認識処理(AIOCR処理)、取引データの作成、データの関連付けを行い、ユーザ確認処理を経てタイムスタンプの付与、「文書データ」の保存を行う。
【0069】
図15図18に基づいて具体的に説明すると以下の通りである。
まず、図15に示すメニュー画面30の選択項目32「サーバから受け取った文書を保存する」の項目32a「電子文書取込」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が図16に示す文書一覧表示画面70を提示する。
図16には、文書一覧のトップに、登録状況「仮登録」、文書名「(仮)22050101」、登録者「ブロード花子」が表示されている。一方で、文書種類、取引先名、取引日、取引金額、タイムスタンプ、保存日については情報がない状態(空欄の状態)となっている。
【0070】
その後、ユーザによる文書名「(仮)22050101」の選択操作を受け付けると、データ提示部13が図17に示す文書詳細画面80を提示する。
このとき、ウインドウ81の右側の表示領域81bに「文書データ」がプレビュー表示されている一方で、左側の表示領域61aには取引内容が表示されない。
つまり、この文書については、「文書データ」が登録されているものの、「取引データ」が未だ作成されておらず、また関連付けられていないことが分かる。
【0071】
その後、文書詳細画面80においてユーザによる実行ボタン82「F7 AIOCR」の操作を受け付けて、文書管理装置1が文字認識処理(AIOCR処理)を行い、文字認識処理の結果に基づいて取引情報(取引内容)を更新する。
具体的には、文書詳細画面80の左側の表示領域81aに、文字認識処理によって認識された取引情報が反映された状態となる。すなわち、所定の文書案件に対し「取引データ(CSVデータ)」が作成されたことになる。
なお、ユーザ操作によって、左側の表示領域81aに取引内容が手動入力されても良い。すなわち、当該ユーザ操作の入力によって「取引データ」が作成されても良い。
「取引データ」の作成を経て、データ提示部13が図18に示す文書詳細画面80を提示する。
図18の左側の表示領域81aには、登録状況「仮登録」、文書名「請求書22050101A」、文書種類「請求書」、用途「受け取った書類」、取引先名「A車両部品工場」、取引日「2022/5/1」、取引金額「200,000」、登録者「ブロード花子」、タイムスタンプ「-」、保存日「-」が表示されている。また、メモ「A工場から部品調達」が表示されている。当該メモは、ユーザ操作を受け付けて入力されたものである。
【0072】
その後、ユーザによる確認処理を受け付けて、データ関連付け部14がデータの関連付けを行い、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられた状態の「スキャン文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、データ保存部16が、互いに関連付けられた「スキャン文書データ」及び「取引データ」を保存する。
【0073】
つまり、取引端末500からメール形式で送信される「文書データ」を管理するにあたっては、取引端末500による独自の「文書データ」が出力されること、また「取引データ」が作成されていないケースとなる。そのため、文書管理装置1が、文字認識処理を行って「取引データ」を作成し、「文書データ」及び「取引データ」の関連付けを行い、またユーザによる確認処理を随時受け付けて「文書データ」に対しタイムスタンプを付与し、両データを保存する必要がある。
【0074】
(2-2)取引端末500から、メール本文のみの取引メールが送信されることで、「文書データ」が出力された場合について説明する。
この「文書データ」は、文書管理装置1が、取引端末500から受け取った、商取引に関する電子メール(添付文書がないメール)であって、メール本文に取引内容が記載されたものである。
【0075】
この場合には、文書管理装置1が、「文書データ」のメール本文の内容を取り込み、メール本文をPDFデータ化することで、「文書データ(PDFデータ)」を取得する(「文書データ」を受け取る)。
その後の処理については、上記(2-1)の処理と同様である。
【0076】
(2-3)外部のユーザから、紙媒体の取引文書が送付された場合について説明する。
この場合には、文書管理装置1の管理者(担当者)が、紙媒体の取引文書を受け取り、スキャン装置2を利用して紙媒体の取引文書を電子化して「文書データ(PDFデータ)」を作成し、文書管理装置1のクラウドストレージに格納する。あるいは、管理者が携帯端末を利用して取引文書を撮影し電子化することで「文書データ(PDFデータ)」を作成しても良い。
そうすることで、文書管理装置1(データ取得部11)が「文書データ(PDFデータ)」を取得することができる(受け取ることができる)。
その後は、ユーザ(ユーザ端末)による確認処理を経ながら、「文書データ」の保存処理を行う。つまり、その後の処理については、原則、上記(2-1)、(2-2)の処理と同様である。
【0077】
<<(3)保存した文書データの照会・送信>>
(3-1)取引管理サーバ200から所定の文書データの照会を受け付けた場合について説明する。
なお、文書データの照会(問合せ)は、第2取引管理サーバ300、販売サーバ400、取引端末500から受け付けても良い。
【0078】
まず、図19に示すメニュー画面30の選択項目33「保存した文書を照会する/送る」の項目33a「電子文書照会」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が図20に示す文書照会画面90を提示する。
なお、図20に示す文書照会画面90では、既に文書データの一覧が表示されているものの、実際のところ、ユーザによる実行ボタン91「検索開始」の操作を受け付ける前は、文書データの一覧が表示されていない状態となる。
【0079】
文書照会画面90において、ユーザによる検索項目の入力を受け付けて、実行ボタン91「検索開始」の操作を受け付けると、文書管理装置1が検索項目に基づいて検索を開始する。
詳しく述べると、対象文書検索部22が、取引管理サーバ200から所定の文書データの検索要求を受け付けて、データベース100に保存された複数の文書データの中から、対象(照会対象)となる文書データを検索する。
対象文書検索部22は、「取引データ」に含まれる取引内容の情報を検索条件として、取引データに関連付けられた「文書データ」を検索する。
検索条件となる「取引内容の情報」は、図20に示すように、取引先名、取引日、取引金額の情報である。そのほか、登録状況、文書種類、文書名の情報である。なお、保存者、保存日、登録者、タイムスタンプの日付の情報をさらに検索候補としても良い。
【0080】
そして、対象文書提示部23が、対象文書検索部22によって対象となる「文書データ」が抽出された場合に、対象となる「文書データ」を表示画面上に提示する。
対象文書提示部23は、対象となる「文書データ」と、文書データに関連付けられた取引データとを表示画面上に提示する。
詳しく述べると、対象文書提示部23は、図20に示す文書照会画面90のように、対象となった文書データの一覧を表示する。
図20には、文書(文書データ)一覧のトップに、ダウンロード「ダウンロード先URL」、登録状況「登録済」、文書ID「*」、文書名「請求書22040101A」、文書種類「請求書」、取引先名「リーフ一郎」、相互リンク「リンク先URL」、取引日「2022/4/1」、取引金額「194,000」、登録者「ブロード太郎」、タイムスタンプ「2022/4/7」、保存日「2022/4/7」等が表示されている。
【0081】
また、ユーザによる文書名「請求書23041101A」の選択操作を受け付けると、対象文書提示部23が、不図示の文書詳細画面を提示する。
当該文書詳細画面では、例えば図9に示すように、左側の表示領域に「取引データ」の内容が表示され、右側の表示領域には「文書データ」の内容が表示される。
つまり、対象文書提示部23は、図20に示す文書照会画面90、不図示の文書詳細画面を通じて、対象となる「文書データ」と、文書データに関連付けられた「取引データ」とを提示する。
【0082】
ところで、図20には、対象となった文書(文書データ)の相互リンクの情報が表示されている。
これは、リンク付与部24が、データベース100に保存された「文書データ」に対し、取引管理サーバ200に記憶され、文書データに対応している「対応文書データ(元データ)」へのリンク(相互リンク)を付与したものである。
「対応文書データ」とは、取引管理サーバ200によって作成された文書データのオリジナルデータである。
例えば、図20において文書名「請求書23041101A」の実行ボタン92「相互リンク」の選択操作を受け付けると、対象文書提示部23は、取引管理サーバ200に記憶された「対応文書データ」にアクセスし、対応文書データの内容を表示画面上に提示する。
上記のようにリンクを付与することで、「文書データ」と「対応文書データ(元データ)」の繋がりを容易に把握することができる。また、取引管理サーバ200に記憶された元データに対し文書管理が行われていること、電帳法の要件を満たし、税制上の優遇措置を受けられることを確認することができる。
【0083】
(3-2)取引管理サーバ200から所定の文書データの送信要求を受け付けた場合について説明する。
なお、文書データの送信要求は、第2取引管理サーバ300、販売サーバ400、取引端末500から受け付けても良い。
【0084】
まず、図19に示すメニュー画面30の選択項目33「保存した文書を照会する/送る」の項目33b「電子文書送信」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1が不図示の文書一覧表示画面を提示する。
なお、当該文書一覧表示画面は、図20に示す文書照会画面90と同様である。
【0085】
基本的に(3-1)と同様であって、文書一覧表示画面において、ユーザによる検索項目の入力を受け付けて、実行ボタン91「検索開始」の操作を受け付けると、文書管理装置1が、対象(送信対象)となる「文書データ」を表示画面上に提示する。
また、ユーザによる文書名「請求書23041101A」の選択操作を受け付けると、対象文書提示部23が、不図示の文書詳細画面を提示する。
当該文書詳細画面においてメールアドレス、添付文書、メールタイトル、メール本文のユーザ入力、選択を受け付けた後、実行ボタン「メール送信」の選択操作を受け付けると、文書管理装置1がメールアドレス先に「文書データ」及び「取引データ」を送信する。
なお、メール送信後は、文書管理装置1(履歴情報記録部21)が、メール送信に関する履歴情報を記録する。
【0086】
上記文書管理装置1であれば、文書データを出力する外部サーバによる出力方法の違い等に応じて適切に文書データを保存することができる。また、外部サーバから出力された当該文書データ(文書データに含まれる文書内容)を信憑性を保証した状態で管理することができる。
【0087】
<文書管理方法>
次に、文書管理システムSで実行される文書管理プログラム(文書管理方法)の処理について、図21図22に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた文書管理装置1の機能的な構成要素として、上述したデータ取得部11と、データ登録部12と、データ提示部13と、データ関連付け部14と、スタンプ付与部15と、データ保存部16と、取引情報抽出部17と、取引情報照合部18と、照合結果報知部19と、取引情報更新部20と、履歴情報記録部21と、対象文書検索部22と、対象文書提示部23と、リンク付与部24とを実現させるためのプログラムであって、文書管理装置1のCPU(プロセッサ)がこの文書管理プログラムを実行する。
なお、文書管理装置1の記憶部10、データベース100には、「文書データ」、「取引データ」等がそれぞれ記憶されている。
【0088】
図21は、上記(1)サーバ(端末)が作成した電子文書の保存に関する「文書管理方法」の処理フローを示す。
図22は、上記(2)サーバ(端末)から受け取った電子文書の保存に関する「文書管理方法」の処理フローを示す。
なお、上記(3)保存した文書データの照会・送信については、上述の通りであって説明を省略する。
【0089】
図21に示す文書管理方法の処理フロー(1)では、まず、データ取得部11が、外部サーバから「文書データ」と「取引データ」を一群で取得するステップS1から始まる。
【0090】
そして、ステップS2で、文書管理装置1(データ取得部11)が「文書データ」及び「取引データ」を一群で同時に取得した場合(同時に取得したと判断した場合)には(ステップS2:Yes)、ステップS3に進む。そうではない場合には(ステップS2:No)、ステップS6に進む。
【0091】
ステップS3~S5では、上述の(1-1)又は(1-3)のケースとなる。
まず、(1-1)のケースについて説明する。すなわち、所定のフォーマットからなる取引データと文書データとを一群で出力されたケースを説明する。
ステップS3では、取引管理サーバ200から同時出力された「文書データ」及び「取引データ」の取得を契機として、データ登録部12が両データを関連付けた状態で記憶部10に自動登録する。
そして、ステップS4で、スタンプ付与部15が「取引データ」と関連付けされた「文書データ」にタイムスタンプを自動付与する。
そして、ステップS5で、データ保存部16が、関連付けられた「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に自動保存する。
上記の通り、取引管理サーバ200で一貫して電子作成された「文書データ」を保存するにあたっては、文書管理装置1との完全連携がなされ、「文書データ」と「取引データ」の信憑性が客観的に保証された状態で管理されている。そのため、「文書データ」及び「取引データ」を一群で同時に取得した後は、両データを自動登録し、文書データにタイムスタンプを自動付与し、両データを自動保存することができる。
上記(1-1)の場合、上記ステップS1~S5を経て図21のプロセスを終了する。
【0092】
次に、(1-3)のケースについて説明する。すなわち、「取引データ」を含む「文書データ」が出力されたケースを説明する。
ステップS3では、第2取引管理サーバ300から出力された、「取引データ」を含む「文書データ」の取得を契機として、データ登録部12が両データを関連付けた状態で自動登録する。
そして、ステップS4で、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられた状態の「文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、ステップS5で、データ保存部16が、関連付けられた「文書データ」及び「取引データ」をデータベース100に保存する。
上記の通り、第2取引管理サーバ300から、「取引データ」を組み込んだ「文書データ」が出力されるものの、「取引データ」と「文書データ」の間で必ずしも信憑性が保証された状態とはなっていない(取引データが加工されている場合がある)。そのため、ユーザによる確認処理を経て、文書管理装置1が「文書データ」にタイムスタンプを付与し、「文書データ」及び「取引データ」を保存する必要がある。
上記(1-3)の場合、上記ステップS1~S5を経て図21のプロセスを終了する。
【0093】
また、ステップS6では、文書管理装置1(データ取得部11)が「文書データ」及び「取引データ」を一群で同時に取得したのではない場合において、文書管理装置1(データ取得部11)が「文書データ」及び「取引データ」のうち、「取引データ」を先に取得したか否かを判断する。「取引データ」を先に取得した場合には(ステップS6:Yes)、ステップS7に進む。そうではない場合には(ステップS6:No)、ステップS14に進む。
【0094】
ステップS7~S13では、上述の(1-2)のケースとなる。
(1-2)のケースでは、データ取得部11が取引管理サーバ200から「取引データ」を先に取得し、その後に「取引データ」に対応する「文書データ」を取得するケースである。
ステップS7では、データ登録部12が出力された「取引データ」を先に登録する。
そして、「取引データ」が記憶部10で記憶して待機状態にあるときに、ステップS8で、データ取得部11が「文書データ」を取得すると、ステップS9で、データの取得を契機として、データ関連付け部14が、予めデータ登録された「取引データ」に対し「文書データ」の関連付けを行う。
【0095】
そして、「文書データ」がスキャン文書データである場合には(ステップS10:Yes)、ステップS11に進み、ステップS11では、文書管理装置1が文字認識処理(OCR処理)を行う。
詳しく述べると、ステップS11では、取引情報抽出部17が「スキャン文書データ」から文字認識することによって取引内容の情報を抽出する。そして、取引情報照合部18が「スキャン文書データ」から抽出された取引内容の情報と、「取引データ」に含まれる取引内容の情報とを照合する。そして、照合結果報知部19が、照合結果を表示画面上に提示する。
一方で、「文書データ」がスキャン文書データではなく、サーバによって電子的に作成された文書データである場合には(ステップS10:No)、ステップS11に係る文字認識処理を経ることなく、ステップS12に進む。
【0096】
そして、ステップS12で、ユーザによる確認処理を契機として、スタンプ付与部15が、「取引データ」と関連付けられ、取引内容が確認された「文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、ステップS13で、データ保存部16が、関連付けられた「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
上記の通り、取引管理サーバ200から両データが出力されるものの、「取引データ」と「(スキャン)文書データ」の間で必ずしも取引内容の情報の完全一致が担保されず、その取引データの信憑性が保証された状態とはなっていない(文書データが印刷出力時に加工される場合がある。また取引データが文字認識処理時に加工される場合がある)。すなわち、(1-1)のように自動処理によってデータを保存することはしない。
そのため、文書管理装置1に先に取り込まれた「取引データ」と、後に取り込まれた「(スキャン)文書データ」とを照合した照合結果を用いた、ユーザ確認処理を経て関連付けを行う必要がある。また、文字認識処理、ユーザによる確認処理を経てタイムスタンプを付与し、データ保存する必要がある。
上記(1-2)の場合、上記ステップS1、S2、ステップS6~S13を経て図21のプロセスを終了する。
【0097】
ステップS14~S19では、上述の(1-4)のケースとなる。すなわち、所定フォーマットからなる取引データは出力されず、取引管理サーバ200、300とネットワークを通じた連携がされていない販売サーバ400からデータ取得部11が「文書データ」を取得するケースである。
まず、ステップS14では、データ登録部12が販売サーバ400から取得した「文書データ」を先に登録する。
【0098】
そして、ステップS15で、文書管理装置1がこの「文書データ」に対して文字認識処理(OCR処理)を行い、その「文書データ」から取引内容の情報を抽出する。あるいは、文書管理装置1が、ユーザによる取引内容の操作の入力、選択を受け付ける。
そして、ステップS16で、取引情報更新部20が、文字認識処理の結果に基づいて取引情報を更新し、「取引データ」を新たに作成する。又は、ユーザ操作の入力、選択を受け付けて、「取引データ」を新たに作成する。すなわち、このときの取引データは、販売サーバ400から取得した「文書データ」に基づくデータである。
【0099】
そして、ステップS17で、販売サーバ400から取得した「文書データ」とその「文書データ」をもとに文字認識処理(OCR処理)を行って作成した「取引データ」を用いたユーザによる確認処理を受け付けて、データ関連付け部14が両データの関連付けを行う。ステップS18で、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられた状態の「文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、ステップS19で、データ保存部16が、「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
上記の通り、販売サーバ400から出力される「文書データ」を管理するにあたっては、販売サーバ400による独自の「文書データ」が出力されること、また「取引データ」が作成されていないケースとなる。そのため、文書管理装置1が、文字認識処理を行って「取引データ」を作成し、「文書データ」及び「取引データ」の関連付けを行うこと、またユーザによる確認処理を受け付けて「文書データ」にタイムスタンプを付与し、両データを保存することが必要となる。
上記(1-4)の場合、上記ステップS1、S2、S6、ステップS14~S19を経て図21のプロセスを終了する。
【0100】
次に、図22に示す文書管理方法の処理フロー(2)について説明する。
当該フローでは、まず、データ取得部11が、外部サーバから出力された「文書データ」を取得する(受け取る)ステップS101から始まる。
なお、ステップS101~S107ともに、上述の(2-1)、(2-2)、(2-3)のケースとなる。
(2-1)のケースでは、取引端末500から、文書データ(PDFデータ)を添付したメールが送信されることで、「文書データ」が出力された場合である。すなわち、文書管理装置1が、取引端末500から商取引に関する「文書データ」を受け取った場合である。
(2-2)のケースでは、取引端末500から、メール本文のみの取引メールが送信されることで、「文書データ」が出力された場合である。
(2-3)のケースでは、外部のユーザから、紙媒体の取引文書が送付された場合であって、文書管理装置1が紙媒体の取引文書を受け取り、当該取引文書を電子化して「文書データ(PDFデータ)」を作成し、「文書データ」を取り込んだ場合である。
【0101】
ステップS102では、データ登録部12が「文書データ」を登録する。
そして、ステップS103で、文書管理装置1が文字認識処理(OCR処理)を行い、「文書データ」から取引内容の情報を抽出する。あるいは、文書管理装置1が、ユーザによる取引内容の操作の入力、選択を受け付ける。
そして、ステップS104で、取引情報更新部20が、文字認識処理の結果に基づいて取引情報を更新し、「取引データ」を新たに作成する。又は、ユーザ操作の入力、選択を受け付けて、「取引データ」を新たに作成する。
【0102】
そして、ステップS105で、ユーザによる確認処理を経て、データ関連付け部14が両データの関連付けを行う。ステップS106で、スタンプ付与部15が、「取引データ」に関連付けられた状態の「文書データ」に対しタイムスタンプを付与する。そして、ステップS107で、データ保存部16が、「文書データ」及び「取引データ」を保存する。
上記ステップS101~S107を経て図22のプロセスを終了する。
【0103】
上記の通り、取引端末500からメール形式で送信される「文書データ」を管理するにあたっては、取引端末500による独自の「文書データ」が出力されること、また「取引データ」が作成されていないケースとなる。そのため、文書管理装置1が、文字認識処理を行って「取引データ」を作成し、「文書データ」及び「取引データ」の関連付けを行い、またユーザによる確認処理を受け付けて「文書データ」に対しタイムスタンプを付与し、両データを保存する必要がある。
紙媒体の取引文書が送付される場合についても、取引文書を電子化して「文書データ(PDFデータ)」を作成した後は、同様の処理を行ってデータを保存する必要がある。
【0104】
上記文書管理方法(1)、(2)、(3)により、文書データを出力する外部サーバ(外部出力装置)による出力方法の違い等に応じて適切に文書データを保存することができる。また、外部サーバから出力された当該文書データを信頼性を保証した状態で管理することができる。
【0105】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、文書管理装置1が読み取り可能な記録媒体に文書管理プログラムが記憶されており、文書管理装置1が当該プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで文書管理装置1が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。
そのほか、文書管理装置1となる端末(携帯端末)を利用して専用ウェブアプリを起動させて、ウェブブラウザ上で文書管理プログラムが実行されることとしても良い。
【0106】
上記実施形態では、主として本発明に係る文書管理装置、文書管理方法及び文書管理プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0107】
S 文書管理システム
1 文書管理装置
2 スキャン装置
10 記憶部
11 データ取得部
12 データ登録部
13 データ提示部
14 データ関連付け部
15 スタンプ付与部
16 データ保存部
17 取引情報抽出部
18 取引情報照合部
19 照合結果報知部
20 取引情報更新部
21 履歴情報記録部
22 対象文書検索部
23 対象文書提示部
24 リンク付与部
30 メニュー画面
31~33 選択項目
31a、31b、32a、32b、33a、33b 項目
40 取込方法選択画面
41、42 選択項目
50 文書一覧表示画面
51a、51b 表示領域
52 実行ボタン
60 文書詳細画面
61 ウインドウ
61a、61b、61c 表示領域
62、63 実行ボタン
70 文書一覧表示画面
80 文書詳細画面
81 ウインドウ
81a、81b 表示領域
82 実行ボタン
90 文書照会画面
91、92 実行ボタン
100 データベース
200、300 取引管理サーバ、第2取引管理サーバ
201、301 スキャン装置
210、310、410、510 記憶部
211、311、411、511 通信部
212、312、412、512 画面表示部
313、313、413、513 操作実行部
400 販売サーバ
500 取引端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22