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特許7549116タイトル作成システム、タイトル作成方法、タイトル作成プログラム、および配信者端末
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  • 特許-タイトル作成システム、タイトル作成方法、タイトル作成プログラム、および配信者端末 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】タイトル作成システム、タイトル作成方法、タイトル作成プログラム、および配信者端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240903BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20240903BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20240903BHJP
   H04L 67/561 20220101ALI20240903BHJP
【FI】
G06Q50/10
G11B27/00 A
H04N21/235
H04L67/561
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023206996
(22)【出願日】2023-12-07
【審査請求日】2023-12-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 令和5年8月28日 ウェブサイトのアドレス(URL)https://site.live.nicovideo.jp/app/guide.html ウェブサイトの掲載日 令和5年9月26日 ウェブサイトのアドレス(URL)https://live.nicovideo.jp/watch/lv342606010 上記動画(〔ゲスト:小山乃舞世〕月刊ニコニコインフォ第19号MC:百花繚乱)の1:36:52~
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(74)【代理人】
【識別番号】100208591
【弁理士】
【氏名又は名称】井後 智哉
(72)【発明者】
【氏名】米田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】武田 直己
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-092146(JP,A)
【文献】特開2020-113900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G11B 27/00
H04N 21/235
H04L 67/561
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得するステップと
前記配信者情報および前記コンテンツ情報を用いて、前記コンテンツのタイトルを作成するステップと
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させるステップと、
前記タイトルが前記配信者端末に表示された後の前記配信者による操作に応答して前記コンテンツを作成するステップとを含む処理を実行し、
前記作成されたコンテンツを配信する、
タイトル作成システム。
【請求項2】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報であり、過去に配信を行った配信履歴を含む配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得し、
前記配信者情報および前記コンテンツ情報、ならびに前記配信履歴に対応するテキストを用いて、前記コンテンツのタイトルを作成し、
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させる、
タイトル作成システム。
【請求項3】
配信者情報は、前記配信者のニックネームを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記ニックネームを用いて、前記タイトルを作成する、
請求項1に記載のタイトル作成システム。
【請求項4】
前記コンテンツ情報は、前記コンテンツのカテゴリを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記カテゴリに対応するテキストを用いて、前記タイトルを作成する、
請求項1に記載のタイトル作成システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記コンテンツ情報が変更されたことに応答して、前記配信者情報および変更後のコンテンツ情報を用いてタイトルを再作成し、
前記再作成されたタイトルを前記配信者端末に表示する、
請求項1に記載のタイトル作成システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記コンテンツの配信中に、既に配信された前記コンテンツの映像、音声およびコメントの少なくとも一部を解析して、前記タイトルを変更する、請求項1に記載のタイトル作成システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記コンテンツを連続的に配信することによって、ライブ配信を行う、請求項1に記載のタイトル作成システム。
【請求項8】
少なくとも一つのプロセッサを備えるタイトル作成システムによって実行されるタイトル作成方法であって、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得
前記配信者情報および前記コンテンツ情報を用いて、前記コンテンツのタイトルを作成
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させ、
前記タイトルが前記配信者端末に表示された後の前記配信者による操作に応答して前記コンテンツを作成するステップと、
前記作成されたコンテンツを配信するステップと
を備えるタイトル作成方法。
【請求項9】
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得
前記配信者情報および前記コンテンツ情報を用いて、前記コンテンツのタイトルを作成
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させ、
前記タイトルが前記配信者端末に表示された後の前記配信者による操作に応答して前記コンテンツを作成するステップと、
前記作成されたコンテンツを配信するステップと
をコンピュータに実行させるタイトル作成プログラム。
【請求項10】
少なくとも一つのプロセッサを備え、通信ネットワークを介して、コンテンツを視聴者端末に配信する配信者端末であって、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得するステップと
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツ情報を用いて作成された前記コンテンツのタイトルを表示するステップと、
前記タイトルが表示された後の前記配信者による操作に応答して前記コンテンツを作成するステップとを含む処理を実行し、
前記作成されたコンテンツを配信する、
配信者端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、タイトル作成システム、タイトル作成方法、タイトル作成プログラム、および配信者端末に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のコンテンツのタイトルを自動的に作成する技術が知られている。特許文献1には、メディア内に記録された動画等のタイトルを設定する技術が開示されている。特許文献2には、電子商取引において、出品された商品のタイトルを提案する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開第2006-109135号公報
【文献】特開第2023-028548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンテンツの配信前にタイトルが設定される場合がある。この場合、コンテンツの配信者は、これから配信する予定のコンテンツに対し、タイトルを設定する必要がある。配信者にとっては、適切なタイトルの設定が困難であると共に、手間がかかっていた。そこで、配信者の手間を抑制しながら、コンテンツのタイトルを提案する仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るタイトル作成システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、コンテンツの配信が開始される前に、コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、およびコンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得し、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成し、タイトルを配信者の端末である配信者端末に表示させる。
【0006】
このような側面においては、コンテンツの配信が開始される前に、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルが作成され、当該タイトルが配信者端末に表示される。これにより、配信者の手間を抑制しながら、コンテンツのタイトルを自動的に提案することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、配信者の手間を抑制しながら、コンテンツのタイトルを自動的に提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、タイトル作成システムの適用の一例を示す図である。
図2図2は、タイトル作成システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、タイトル作成システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
図4図4は、番組作成画面の一例を示す図である。
図5図5は、タイトル作成システムの動作の一例を示すフロー図である。
図6図6は、変形例に係るタイトル作成システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、別の変形例に係るタイトル作成システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[システムの概要]
本開示に係るタイトル作成システムは、ユーザに配信されるコンテンツのタイトルを作成するコンピュータシステムである。コンテンツとは、コンピュータまたはコンピュータシステムによって提供され、人が認識可能な情報をいう。コンテンツを示す電子データをコンテンツデータという。一例では、コンテンツは、音声を含み得る映像によって表現される動画コンテンツである。動画コンテンツは、カメラなどの撮像装置によって作成された映像を含んでもよいし、コンピュータグラフィック(CG)を含んでもよいし、これらの双方を含んでもよい。別の例では、コンテンツは、音声によって表現されるラジオ形式であってもよい。コンテンツは様々な態様の情報伝達またはコミュニケーションのために用いることができ、例えば、ニュース、教育、医療、ゲーム、チャット、商取引、講演、セミナー、研修、コンサート、アンケートなどの様々な場面または目的で利用され得る。コンテンツの配信とは、ユーザにコンテンツを提供するために実行される処理をいい、例えば、通信ネットワークを経由して情報をユーザに向けて送信する処理をいう。
【0011】
タイトル作成システムは、コンテンツを示すコンテンツデータを視聴者端末に送信することで、当該コンテンツを視聴者に提供する。一例では、コンテンツは配信者から提供される。配信者とは、タイトル作成システムによって視聴者に情報を提供しようとする人であり、コンテンツの発信者である。視聴者とは、タイトル作成システムによって情報を得ようとする人であり、コンテンツの利用者である。タイトル作成システムは、配信者端末から提供されたコンテンツデータを視聴者端末に送信する。視聴者端末は、コンテンツデータを処理して画面上にコンテンツを表示する。コンテンツは、配信者端末の画面上にも表示される。
【0012】
本開示では、いわゆるライブ配信を行うプラットフォームにタイトル作成システムが適用される例を説明する。例えば、配信者端末は、撮影した映像を処理してコンテンツデータを作成し、当該コンテンツデータをサーバに向けてリアルタイムに送信する。サーバは、コンテンツデータを受信し、視聴者端末に向けてコンテンツデータをリアルタイムに送信する。これはインターネット生放送の一態様である。コンテンツデータはタイトル作成システムにおいて作成されてもよい。すなわち、タイトル作成システムは、配信者端末から提供されるリアルタイムの映像を処理してコンテンツデータを作成し、当該コンテンツデータを視聴者端末に向けてリアルタイムに送信してもよい。
【0013】
ライブ配信の開始前に、コンテンツのタイトルが設定される。タイトルは、ライブ配信を視聴する前の視聴者が得られる情報の一つである。例えば、視聴者は、視聴者端末を用いてタイトル作成システムにアクセスすると、それぞれのコンテンツのタイトルが視聴者端末に表示される。視聴者は、タイトル等の情報を確認し、視聴するコンテンツを選択する。タイトル作成システムは、配信者に関する情報である配信者情報(第1情報)およびコンテンツに関する情報であるコンテンツ情報(第2情報)を用いてタイトルを作成し、配信者に提案する。配信者情報は、配信者自身を示す情報であってもよいし、過去の配信に伴う実績を示す情報であってもよい。配信者情報は、予め所定の記憶装置等に記憶されている。コンテンツ情報は、ライブ配信する予定のコンテンツの少なくとも一部を示す情報である。コンテンツ情報は、ライブ配信の直前に、配信者端末を介して設定可能である。
【0014】
[システムの構成]
図1は、タイトル作成システム1の適用の一例を示す図である。タイトル作成システム1は、サーバ10を備える。サーバ10は、コンテンツデータを配信するコンピュータである。サーバ10は、通信ネットワークNを介して1つ以上の配信者端末20および1つ以上の視聴者端末30と接続する。サーバ10は、通信ネットワークNを介してデータベース40とも接続する。通信ネットワークNはインターネットを含んで構成されていてもよいし、イントラネットを含んで構成されていてもよい。
【0015】
配信者端末20は、配信者によって用いられるコンピュータである。一例では、配信者端末20は、コンテンツを作成する機能と、コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する機能とを有する。配信者端末20は、パーソナルコンピュータ、高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、または携帯電話機であってもよい。配信者端末20は、映像を撮影、収録、および送信する機能を有する撮影システムであってもよい。
【0016】
視聴者端末30は、視聴者によって用いられるコンピュータである。一例では、視聴者端末30は、サーバ10からコンテンツデータを受信し、コンテンツデータを表示する機能を有する。視聴者端末30は、パーソナルコンピュータ、高機能携帯電話機、タブレット端末、ウェアラブル端末、または携帯電話機であってもよい。
【0017】
配信者は、配信者端末20を操作してタイトル作成システム1にログインし、コンテンツを視聴者に提供する。視聴者は、視聴者端末30を操作してタイトル作成システム1にログインし、コンテンツを視聴する。本開示では、タイトル作成システム1の視聴者および配信者が既にログインしていることを前提とする。視聴者によるログインは省略されてもよい。すなわち、タイトル作成システム1は、ログインしていない一般の視聴者の視聴者端末30にコンテンツデータを送信してもよい。この場合、ログインしていない一般の視聴者もコンテンツを視聴できる。
【0018】
データベース40は、非一時的な記憶装置である。データベース40は、単一のデータベースとして構築されてもよいし、複数のデータベースの集合であってもよい。データベース40は、タイトル作成システム1の構成要素であってもよいし、タイトル作成システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0019】
データベース40は、配信者に関する配信者情報を記憶する。配信者情報としては、例えば配信者を一意に特定する識別子であるID、配信履歴、ニックネーム、イベントへの参加履歴、イベントの参加結果、コミュニティ規模および注目度等が挙げられるがこれらに限られない。配信履歴は、過去に配信を行った情報である。例えば、配信履歴は、配信回数または初めての配信からの経過日数である。ニックネームは、各配信者が予め設定したユーザ名である。例えば、配信者は、ニックネームを用いてライブ配信を行う。イベントは、ライブ配信を行うプラットフォーム内で開催される。イベントは、ライブ配信を行うことによって参加可能となる。イベントへの参加履歴は、配信者が過去に参加したイベントの情報である。イベントの参加結果は、配信者がイベントで取得したポイント数等の情報である。コミュニティ規模は、配信者が属するコミュニティの大きさを示す情報である。コミュニティ規模は、例えば所属者(フォロワー)数、視聴者数またはコメント数によって示すことができる。注目度は、過去の配信における視聴回数、コメント数またはコメントスコア等である。コメントスコアは、例えばコメントの内容または文字数等に基づいて、コメントが示す感情等をスコアリングした数値である。
【0020】
図2は、タイトル作成システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。図2は、サーバ10として機能するサーバコンピュータ100と、配信者端末20または視聴者端末30として機能する端末コンピュータ200とを示す。
【0021】
一例として、サーバコンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)である。主記憶部102は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、サーバコンピュータ100をサーバ10として機能させるためのサーバプログラムP1と各種のデータとを記憶する。通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0022】
本実施形態では、タイトル作成プログラムはサーバプログラムP1として実装される。サーバ10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上にサーバプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。サーバプログラムP1は、サーバ10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はサーバプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。
【0023】
サーバ10は、一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークNを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで、論理的に一つのサーバ10が構成される。
【0024】
一例として、端末コンピュータ200はハードウェア構成要素として、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、および撮像部207を備える。プロセッサ201は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置であり、例えばCPUまたはGPUである。主記憶部202は、実行されようとするプログラム、演算結果などを記憶する装置であり、例えばROMまたはRAMにより構成される。補助記憶部203は、一般に主記憶部202よりも大量のデータを記憶可能な装置であり、例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部203は、端末コンピュータ200を配信者端末20または視聴者端末30として機能させるためのクライアントプログラムP2と各種のデータとを記憶する。通信部204は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置であり、例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。入力インタフェース205は、ユーザの操作または動作に基づいてデータを受け付ける装置であり、例えば、キーボード、操作ボタン、ポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォン、センサ、およびカメラのうちの少なくとも一つによって構成される。出力インタフェース206は、端末コンピュータ200で処理されたデータを出力する装置であり、例えば、モニタ、タッチパネル、HMDなどの表示装置を含んで構成される。撮像部207は、現実世界を写した画像(映像または写真)を撮影する装置であり、例えばカメラである。撮像部207は入力インタフェース205としても機能し得る。
【0025】
配信者端末20または視聴者端末30の各機能要素は、対応するクライアントプログラムP2をプロセッサ201または主記憶部202に読み込ませてプロセッサ201にそのプログラムを実行させることで実現される。クライアントプログラムP2は、配信者端末20または視聴者端末30の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ201はクライアントプログラムP2に従って通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、または撮像部207を動作させ、主記憶部202または補助記憶部203におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。
【0026】
サーバプログラムP1およびクライアントプログラムP2の少なくとも一つは、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に非一時的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、これらのプログラムの少なくとも一つは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークNを介して提供されてもよい。これらのプログラムは別々に提供されてもよいし、一緒に提供されてもよい。
【0027】
図3は、タイトル作成システム1に関連する機能構成の一例を示す図である。サーバ10は、機能要素として取得部11およびコンテンツ転送部12を備える。取得部11は、データベース40から配信者情報を取得する。コンテンツ転送部12は、配信者端末20からコンテンツデータを受信し、当該コンテンツデータを視聴者端末30に送信する。
【0028】
配信者端末20は、機能要素として取得部21、タイトル作成部22、タイトル表示部23、コンテンツ作成部24およびコンテンツ表示部25を備える。取得部21は、配信者情報およびコンテンツ情報を取得する。タイトル作成部22は、配信者情報およびコンテンツ情報を用いてコンテンツのタイトルを作成する。タイトル表示部は、タイトルを配信者端末20の画面上に表示する。コンテンツ作成部24は、コンテンツを作成し、当該コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する。コンテンツ表示部25は、コンテンツを配信者端末20の画面上に表示する。
【0029】
視聴者端末30は、コンテンツ表示部31を備える。コンテンツ表示部31は、サーバ10からコンテンツデータを受信し、当該コンテンツデータに基づいてコンテンツを視聴者端末30の画面上に表示する。
【0030】
図4は、番組作成画面Vの一例を示す図である。番組作成画面Vは、ライブ配信を開始する前に、コンテンツ情報およびタイトルを設定する画面である。番組作成画面Vは、配信者端末20に表示される。番組作成画面Vは、配信モード欄51、タイトル欄52、カテゴリ欄53、番組タグ欄54、番組説明欄55および配信ボタン56を含む。
【0031】
配信モード欄51は、コンテンツの配信モードの選択を受け付ける。配信モードは、コンテンツ情報の一例である。配信モードとしては、例えばカメラ配信、ラジオ配信、バーチャルライブ配信または画面キャプチャ配信が挙げられるが、これらに限られない。カメラ配信は、カメラを用いて配信を行う形式である。ラジオ配信は、音声のみの配信を行う形式である。バーチャルライブ配信は、アバターを用いて配信を行う形式である。画面キャプチャ配信は、配信者端末20上に表示されている画面を用いて配信を行う形式である。番組作成画面Vにおいて、配信モード欄51には「ラジオ配信」が設定されている。
【0032】
タイトル欄52は、コンテンツのタイトルを表示する。タイトル欄52は、タイトル作成システム1により自動的に作成されたタイトルを表示する。番組作成画面Vにおいて、タイトル欄52には「[初配信]テストユーザの雑談配信」が表示されている。
【0033】
タイトル欄52は、コンテンツのタイトルの入力を受け付けてもよい。この場合、タイトル欄52は、配信者によって手動で入力されたタイトルを表示する。別の例では、タイトル欄52は、タイトルに用いられるキーワードを表示してもよい。
【0034】
カテゴリ欄53は、コンテンツのカテゴリの選択を受け付ける。カテゴリは、コンテンツ情報の一例である。カテゴリとしては、例えば一般(その他)、ゲームまたは料理が挙げられるが、これらに限られない。番組作成画面Vにおいて、カテゴリ欄53には「一般(その他)」が設定されている。
【0035】
番組タグ欄54は、コンテンツに付与される番組タグの入力を受け付ける。番組タグは、コンテンツ情報の一例である。番組タグは、コンテンツの内容に関連するキーワードである。番組作成画面Vにおいて、番組タグ欄は「未設定」である。
【0036】
番組説明欄55は、コンテンツの説明文の入力を受け付ける。説明文は、コンテンツ情報の一例である。番組作成画面Vにおいて、番組説明欄55には「アプリから番組放送中です」が表示されている。
【0037】
配信ボタン56は、コンテンツを作成し、ライブ配信を開始するためのボタンである。配信ボタン56の押下に応答して、配信者端末20上でコンテンツ等が作成される。
【0038】
[システムの動作]
図5を参照しながら、タイトル作成システム1の動作を説明するとともに、一例に係るタイトル作成方法について説明する。図5は、タイトル作成システム1の動作の一例を処理フローM1として示すフロー図である。
【0039】
ステップS1では、配信者端末20がライブ配信のための番組作成を開始する。番組作成とは、コンテンツ情報の設定に進むことをいう。
【0040】
ステップS2では、タイトル作成システム1が、配信者情報およびコンテンツ情報を取得する。配信者情報およびコンテンツ情報の取得順序は限定されない。
【0041】
配信者端末20の取得部21は、配信者情報の取得をサーバ10に要求する。例えば、取得部21は、配信者のIDを含む要求をサーバ10に送信してもよい。サーバ10の取得部11は、配信者情報をデータベース40から取得する。例えば、取得部11は、要求に含まれる配信者のIDを用いて、配信者情報をデータベース40から取得してもよい。取得部11は、配信者情報を含む応答を配信者端末20に送信する。取得部21は、サーバ10から配信者情報を含む応答を受信することによって、配信者情報を取得する。一例では、配信者情報は、配信履歴「初回配信」およびニックネーム「テストユーザ」を含んでもよい。
【0042】
取得部21は、配信者によって設定されたコンテンツ情報を取得してもよい。別の例では、取得部21は、初期設定のコンテンツ情報を取得してもよい。初期設定のコンテンツ情報は、タイトル作成システム1の運営者によって予め設定されていてもよい。コンテンツ情報は、配信モード、カテゴリ、番組タグまたは説明文等を含んでもよい。一例では、コンテンツ情報は、カテゴリ「一般(その他)」を含んでもよい。
【0043】
ステップS3では、配信者端末20のタイトル作成部22が、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成する。例えば、タイトル作成部22は、配信者情報に含まれる一部または全部の情報、およびコンテンツ情報に含まれる一部または全部の情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成する。
【0044】
配信者情報は、過去に配信を行った配信履歴を含んでもよい。タイトル作成部22は、配信履歴に対応するテキスト(第1テキスト)を用いて、タイトルを作成してもよい。一例では、タイトル作成部22は、配信履歴「初回配信」に対応する第1テキスト「[初配信]」をタイトルに追加してもよい。別の例では、タイトル作成部22は、配信履歴「初配信から30日以内」に対応する第1テキスト「[ルーキー]」をタイトルに追加してもよい。さらに別の例では、タイトル作成部22は、配信履歴「初配信から30日経過後」である場合、第1テキストを未設定またはブランクとしてもよい。この場合、タイトル作成部22は、タイトルの先頭に第1テキストを追加しなくてもよい。
【0045】
配信者情報は、配信者のニックネームを含んでもよい。タイトル作成部22は、ニックネームを用いて、タイトルを作成してもよい。一例では、タイトル作成部22は、ニックネーム「テストユーザ」をタイトルに追加してもよい。
【0046】
コンテンツ情報は、コンテンツのカテゴリを含んでもよい。タイトル作成部22は、カテゴリに対応するテキスト(第2テキスト)を用いて、タイトルを作成してもよい。一例では、タイトル作成部22は、カテゴリ「一般(その他)」に対応する第2テキスト「雑談」をタイトルに追加してもよい。別の例では、タイトル作成部22は、カテゴリ「ゲーム」に対応する第2テキスト「ゲーム」をタイトルに追加してもよい。すなわち、第2テキストは、カテゴリと同一の文字列であってもよいし、異なる文字列であってもよい。
【0047】
タイトル作成部22は、タイトルの先頭に第1テキストを追加してもよい。タイトル作成部22は、第1テキストの後にニックネームを追加し、タイトルを作成してもよい。タイトル作成部22は、ニックネームの後に第2テキストを追加してもよい。一例では、タイトル作成部22は、タイトル「[初配信]テストユーザの雑談配信」を作成してもよい。この場合、「[初配信]」は第1テキストである。「テストユーザ」はニックネームである。「雑談配信」は第2テキストである。第2テキストの前後における「の」および「配信」は固定の文字列であってもよい。
【0048】
ステップS4では、配信者端末20のタイトル表示部23が、タイトルを配信者端末20の画面上に表示する。例えば、タイトル表示部23は、番組作成画面Vのタイトル欄52にタイトルを表示してもよい。
【0049】
ステップS5では、タイトル表示部23が、タイトルの手動入力の有無によって、処理を振り分ける。例えば、タイトル表示部23は、番組作成画面Vのタイトル欄52に対し、配信者による手動入力が行われたか否かを判定してもよい。
【0050】
タイトルの手動入力がない場合(ステップS5において「なし」)、処理はステップS6に進む。タイトルの手動入力がある場合(ステップS5において「あり」)、処理はステップS7に進む。
【0051】
ステップS6では、取得部21が、コンテンツ情報の変更の有無によって、処理を振り分ける。例えば、取得部21は、番組作成画面Vにおいて、配信者によるコンテンツ情報の変更が行われたか否かを判定してもよい。一例では、取得部21は、配信モード欄51、カテゴリ欄53、番組タグ欄54または番組説明欄55に対し、配信者による変更の有無を取得してもよい。
【0052】
コンテンツ情報の変更がある場合(ステップS6において「あり」)、処理はステップS3に戻る。ステップS3では、コンテンツ情報が変更されたことに応答して、タイトル作成部22が、配信者情報および変更後のコンテンツ情報を用いてタイトルを再作成してもよい。ステップS4では、タイトル表示部23が、再作成されたタイトルをタイトル欄52に表示する。
【0053】
コンテンツ情報の変更がない場合(ステップS6において「なし」)、処理はステップS8に進む。
【0054】
ステップS7では、タイトル表示部23が、手動入力されたタイトルを配信者端末20の画面上に表示する。例えば、タイトル表示部23は、番組作成画面Vのタイトル欄52に手動入力されたタイトルを表示する。すなわち、タイトル欄52には、ステップS3の処理によって作成されたタイトルではなく、手動入力されたタイトルが表示される。
【0055】
ステップS8では、配信者端末20のコンテンツ作成部24が、コンテンツを作成する。例えば、コンテンツ作成部24は、番組作成画面Vの配信ボタン56の押下に応答して、コンテンツの作成を開始する。一例では、コンテンツ作成部24は、撮像部207によって撮影された映像を含むコンテンツを作成してもよい。別の例では、コンテンツ作成部24は、補助記憶部203に記憶されたコンテンツ素材に基づいてコンテンツを作成してもよい。
【0056】
コンテンツ作成部24は、コンテンツを示すコンテンツデータをサーバ10に送信する。例えば、コンテンツ作成部24は、コンテンツを連続的に配信することによって、ライブ配信を行う。一例では、コンテンツ作成部24は、作成したコンテンツを示すコンテンツデータを連続的にサーバ10に送信する。サーバ10は、コンテンツデータを受信する。
【0057】
サーバ10のコンテンツ転送部12は、コンテンツデータを視聴者端末30に送信する。例えば、視聴者は、視聴者端末30を用いてタイトル作成システム1にアクセスすると、それぞれのコンテンツのタイトルが視聴者端末30に表示される。視聴者は、タイトル等の情報を確認し、視聴するコンテンツを選択する。視聴するコンテンツの選択に応答して、視聴者端末30は、サーバ10にコンテンツ要求を送信する。例えば、コンテンツ転送部12は、視聴者端末30からのコンテンツ要求に応答して、視聴者端末30にコンテンツデータを送信する。コンテンツ要求は、コンテンツの再生をサーバ10に要求するためのデータ信号である。視聴者端末30は、コンテンツデータを受信する。
【0058】
配信者端末20のコンテンツ表示部25は、コンテンツ作成部24によって作成されたコンテンツを画面上に表示する。視聴者端末30のコンテンツ表示部31は、コンテンツデータを処理してコンテンツを画面上に表示する。コンテンツが音声を含む場合には、コンテンツ表示部25およびコンテンツ表示部31は、コンテンツに含まれる音声をスピーカから出力し得る。
【0059】
以上説明したように、本開示の一側面に係るタイトル作成システム1は、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、コンテンツの配信が開始される前に、コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、およびコンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得し、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成し、タイトルを配信者の端末である配信者端末に表示させる。
【0060】
本開示の一側面に係るタイトル作成方法は、少なくとも一つのプロセッサを備えるタイトル作成システム1によって実行される。タイトル作成方法は、コンテンツの配信が開始される前に、コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、およびコンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得するステップと、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成するステップと、タイトルを配信者の端末である配信者端末に表示させるステップとを備える。
【0061】
本開示の一側面に係るタイトル作成プログラムは、コンテンツの配信が開始される前に、コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、およびコンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得するステップと、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成するステップと、タイトルを配信者の端末である配信者端末に表示させるステップとをコンピュータに実行させる。
【0062】
本開示によれば、コンテンツの配信が開始される前に、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルが作成され、当該タイトルが配信者端末に表示される。これにより、配信者の手間を抑制しながら、コンテンツのタイトルを自動的に提案することができる。
【0063】
配信者情報は、過去に配信を行った配信履歴を含む。少なくとも一つのプロセッサが、配信履歴に対応するテキストを用いて、タイトルを作成する。この場合、配信履歴に対応するテキストがタイトルに反映される。すなわち、配信者の経験をタイトルに反映することが可能になる。これにより、コンテンツの視聴者に対し、タイトルから得られる情報量をより増加させることができる。
【0064】
配信者情報は、配信者のニックネームを含む。少なくとも一つのプロセッサが、ニックネームを用いて、タイトルを作成する。この場合、配信者のニックネームがタイトルに反映される。これにより、コンテンツの視聴者に対し、タイトルから得られる情報量をより増加させることができる。
【0065】
コンテンツ情報は、コンテンツのカテゴリを含む。少なくとも一つのプロセッサが、カテゴリに対応するテキストを用いて、タイトルを作成する。この場合、コンテンツのカテゴリがタイトルに反映される。これにより、コンテンツの視聴者に対し、タイトルから得られる情報量をより増加させることができる。
【0066】
少なくとも一つのプロセッサが、コンテンツ情報が変更されたことに応答して、配信者情報および変更後のコンテンツ情報を用いてタイトルを再作成し、再作成されたタイトルを配信者端末に表示する。この場合、コンテンツ情報の変更に応答して、変更後のコンテンツ情報がタイトルに反映される。すなわち、コンテンツ情報の変更に伴って、タイトルが自動的に再作成される。これにより、配信者の手間を抑制しながら、より適切なタイトルを自動的に提案することができる。
【0067】
少なくとも一つのプロセッサが、コンテンツを連続的に配信することによって、ライブ配信を行う。ライブ配信は、コンテンツの配信前にタイトルが設定される例の一つである。本開示のタイトル作成システム1は、ライブ配信を行うプラットフォームに適用できる。
【0068】
[変形例]
本開示は、上記実施形態に限定されない。本開示の実施において各構成要素は、請求項の主旨を逸脱しない範囲において、その形状および配置などを適宜変更することができる。
【0069】
配信者情報は、イベントへの参加履歴、イベントの参加結果、コミュニティ規模および注目度の少なくとも一つを含んでもよい。タイトル作成部22は、イベントへの参加履歴、イベントの参加結果およびコミュニティ規模の少なくとも一つを用いて、タイトルを作成してもよい。一例では、配信者が特定のイベントXに参加した参加履歴があるとする。この場合、タイトル作成部22は、参加履歴に対応する「イベントX参加者」等のテキストをタイトルに追加してもよい。別の例では、配信者が特定のイベントXの優勝経験があるとする。この場合、タイトル作成部22は、参加結果に対応する「イベントX優勝者」等のテキストをタイトルに追加してもよい。また別の例では、配信者が小規模のコミュニティに属しているとする。この場合、タイトル作成部22は、コミュニティ規模に対応する「過疎好きさんいらっしゃい」等のテキストをタイトルに追加してもよい。さらに別の例では、直近の1か月間における配信者の注目度が高いとする。「注目度が高い」とは、注目度が所定の閾値を超えるか否か、または注目度が複数の配信者の中で上位n番以内にある等であってもよい。タイトル作成部22は、注目度に対応する「急上昇」等のテキストをタイトルに追加してもよい。
【0070】
コンテンツ情報は、配信モード、番組タグおよび説明文の少なくとも一つを含んでもよい。コンテンツ作成部24は、配信モード、番組タグおよび説明文の少なくとも一つを用いて、タイトルを作成してもよい。一例では、配信モードが「カメラ配信」であるとする。この場合、タイトル作成部22は、配信モードに対応する「顔出し」等のテキストをタイトルに追加してもよい。別の例では、ゲーム実況のコンテンツに付与された番組タグが「リメイク」であるとする。この場合、タイトル作成部22は、番組タグに対応する「リメイク」等のテキストをタイトルに追加してもよい。また別の例では、タイトル作成部22は、説明文の一部または全部に対応するテキストをタイトルに追加してもよい。
【0071】
タイトル作成システムは、配信開始時に配信する内容を決定するプラットフォームに適用されてもよい。例えば、タイトル作成システムは、ゲーム実況の配信開始時に、配信するゲームを選択するプラットフォームに適用されてもよい。この場合、タイトル作成部22は、配信者によって選択されたゲームに対応するテキストをタイトルに追加してもよい。
【0072】
コンテンツ情報は、サムネイル画像を含んでもよい。タイトル作成部22は、サムネイル画像をAI(Artificial Intelligence)等によって解析し、解析結果を用いてタイトルを作成してもよい。一例では、サムネイル画像は、アバターを含んでもよい。この場合、タイトル作成部22は、サムネイル画像にアバターが存在するという解析結果を取得してもよい。タイトル作成部22は、解析結果に対応する「Vtuber」等のテキストをタイトルに追加してもよい。
【0073】
タイトル作成部22は、タイトルと視聴者数との関連についての統計情報を用いて、タイトルを作成してもよい。例えば、データベース40は、過去の配信において用いられたタイトルの一部のキーワードと、視聴者数とを関連付けて記憶していてもよい。一例では、取得部11および21は、特定のキーワードがタイトルに含まれている場合に、視聴者数が増加しやすい傾向等の相関を取得してもよい。すなわち、取得部11および21は、視聴者数が増加しやすい傾向を有する特定のキーワードを抽出してもよい。タイトル作成部22は、相関に基づいて、特定のキーワードをタイトルに追加してもよい。タイトル表示部23は、特定のキーワードを含むタイトルを配信者端末20の画面上に表示してもよい。この場合、視聴者数が増加しやすい傾向を有する特定のキーワードがタイトルに反映される。別の例では、取得部11および21は、視聴者数が減少しやすい傾向を有する特定のキーワードを抽出してもよい。タイトル表示部23は、視聴者数が増加しやすい傾向、または視聴者数が減少しやすい傾向を有する特定のキーワードを配信者端末20の画面上に表示してもよい。この場合、タイトルを設定する際に用いるキーワードが自動的に選別される。これにより、配信者の利便性が向上する。
【0074】
タイトル作成部22は、生成AIを用いて、タイトルを作成してもよい。生成AIは、配信者情報およびコンテンツ情報等を入力として、タイトルを出力してもよい。タイトル作成部22は、生成AIとして、例えば大規模言語モデルに基づいて構築された汎用的なチャットボットを用いてもよい。一例では、タイトル作成部22は、配信者情報およびコンテンツ情報、および指示テキストを入力として、タイトルを出力してもよい。指示テキストは、例えば「これらの情報を基に、より多くの視聴者を誘引する事が出来る適切なタイトルを〇文字以内で生成してください。」等であってもよい。大規模言語モデルの学習データは、例えば過去の配信の視聴者数またはコメント数と、タイトルとの関連についての統計情報または人からのフィードバックであってもよい。大規模言語モデルは、このような学習データを用いて、教師あり学習または強化学習を行うことによって、視聴者数が増加しやすい傾向にあるタイトルを出力するように訓練されたモデルであってもよい。
【0075】
タイトル作成部22は、コンテンツの配信中に、タイトルを変更してもよい。例えば、タイトル作成部22は、コンテンツの配信中に、既に配信されたコンテンツの映像、音声およびコメントの少なくとも一部を解析して、タイトルを変更してもよい。すなわち、タイトル作成部22は、コンテンツの配信が開始されてから、所定の時点までの配信内容に基づいて、配信の途中でタイトルを変更してもよい。この場合、コンテンツの配信中に、配信されたコンテンツに沿ってタイトルが変更される。これにより、配信者の手間を抑制しながら、より適切なタイトルを自動的に提案することができる。
【0076】
タイトル作成システムは、オンデマンド配信を行うプラットフォームに適用されてもよい。例えば、タイトル作成システムは、動画または音声を示すコンテンツのオンデマンド配信を行うプラットフォームに適用されてもよい。タイトル作成部22は、アップロードされたコンテンツをAIによって解析し、解析結果を用いてタイトルを作成してもよい。
【0077】
タイトル作成部22は、複数のタイトル候補を作成してもよい。タイトル表示部23は、複数のタイトル候補を配信者端末20の画面上に表示してもよい。タイトル表示部23は、配信者によるタイトル候補の選択を受け付けてもよい。
【0078】
図6は、変形例に係るタイトル作成システム1Aに関連する機能構成の一例を示す図である。タイトル作成システム1Aは、サーバ10A、配信者端末20A、視聴者端末30およびデータベース40を備える。サーバ10Aは、タイトル作成部22を備える点でサーバ10とは異なる。配信者端末20Aは、タイトル作成部22を備えない点で配信者端末20とは異なる。すなわち、タイトル作成システム1Aは、サーバ10Aによってタイトルが作成される点で、タイトル作成システム1とは異なる。
【0079】
タイトル作成システム1Aでは、配信者端末20Aの取得部21が、取得したコンテンツ情報をサーバ10Aに送信してもよい。サーバ10Aの取得部11は、データベース40から配信者情報を取得してもよい。サーバ10Aのタイトル作成部22は、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、タイトルを作成してもよい。タイトル作成部22は、配信者端末20Aにタイトルを送信してもよい。配信者端末20Aのタイトル表示部23は、サーバ10Aから受信したタイトルを配信者端末20Aの画面上に表示してもよい。
【0080】
本開示の一側面に係る配信者端末20Aは、通信ネットワークNを介して、コンテンツを視聴者端末30に配信する。配信者端末20Aは、コンテンツの配信が開始される前に、コンテンツ情報を取得する。配信者端末20Aは、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて作成されたタイトルを表示する。
【0081】
本開示の一側面に係る配信者端末20Aでは、コンテンツの配信が開始される前に、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルが作成され、当該タイトルが配信者端末20Aに表示される。これにより、配信者の手間を抑制しながら、コンテンツのタイトルを自動的に提案することができる。
【0082】
図7は、別の変形例に係るタイトル作成システム1Bに関連する機能構成の一例を示す図である。タイトル作成システム1Bは、サーバ10B、配信者端末20B、視聴者端末30およびデータベース40を備える。サーバ10Bは、取得部11を備えない点でサーバ10とは異なる。配信者端末20Bは、配信者情報の取得をサーバ10Bに委譲しない点で配信者端末20とは異なる。すなわち、タイトル作成システム1Bは、配信者端末20Bによってタイトルの作成処理が完結する点でタイトル作成システム1とは異なる。
【0083】
タイトル作成システム1Bでは、配信者端末20Bの取得部21が、データベース40から配信者情報を取得してもよい。配信者端末20Bのタイトル作成部22は、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、タイトルを作成してもよい。配信者端末20Bのタイトル表示部23は、作成したタイトルを配信者端末20Bの画面上に表示してもよい。
【0084】
本開示の一側面に係る配信者端末20Bは、通信ネットワークNを介して、コンテンツを視聴者端末30に配信する。配信者端末20Bは、コンテンツの配信が開始される前に、配信者情報およびコンテンツ情報を取得する。配信者端末20Bは、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成する。配信者端末20Bは、タイトルを表示する。
【0085】
タイトル作成システムは、モデレータ端末を備えてもよい。モデレータ端末は、コンテンツを管理するモデレータによって用いられるコンピュータである。他の種類のユーザ端末を備えてもよい。モデレータ端末は、配信者端末20、20Aまたは20Bと同様の機能要素を備えてもよい。
【0086】
タイトル作成システムは、サーバを用いて構成されてもよいし、サーバを用いることなく構成されてもよい。すなわち、タイトル作成システムは、クライアント-サーバ方式によって実装されてもよく、クライアント-クライアント方式であるP2P(Peer to Peer)またはE2E(End to End)暗号化によって実装されてもよい。クライアント-クライアント方式では、コンテンツ配信の秘匿性が向上する。タイトル作成プログラムはクライアントプログラムとして実現されてもよい。
【0087】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0088】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップの一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0089】
本明細書で述べた各機能部の任意の一部または全部をプログラムによって実現するようにしてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0090】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形例を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0091】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材、以下同じ)として説明されるもの(図面において1台の装置として描かれているものを含む)を複数の装置によって実現してもよい。逆に、本明細書において複数の装置として説明されるもの(図面において複数の装置として描かれているものを含む)を1台の装置によって実現してもよい。あるいは、ある装置(例えばサーバ)に含まれるとした手段や機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれるようにしてもよい。また、「システム」とは、1台の装置から構成されてもよいし、2以上の装置(例えばサーバとユーザ端末、あるいは複数のユーザ端末)から構成されてもよい。
【0092】
また、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項ということができる。
【0093】
本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているにすぎず、本発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【0094】
[付記]
以下、本開示の要旨を示す。
[1]
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得し、
前記配信者情報および前記コンテンツ情報を用いて、前記コンテンツのタイトルを作成し、
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させる、
タイトル作成システム。
[2]
前記配信者情報は、過去に配信を行った配信履歴を含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記配信履歴に対応するテキストを用いて、前記タイトルを作成する、
[1]に記載のタイトル作成システム。
[3]
配信者情報は、前記配信者のニックネームを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記ニックネームを用いて、前記タイトルを作成する、
[1]または[2]に記載のタイトル作成システム。
[4]
前記コンテンツ情報は、前記コンテンツのカテゴリを含み、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記カテゴリに対応するテキストを用いて、前記タイトルを作成する、
[1]~[3]のいずれかに記載のタイトル作成システム。
[5]
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記コンテンツ情報が変更されたことに応答して、前記配信者情報および変更後のコンテンツ情報を用いてタイトルを再作成し、
前記再作成されたタイトルを前記配信者端末に表示する、
[1]~[4]のいずれかに記載のタイトル作成システム。
[6]
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記コンテンツの配信中に、既に配信された前記コンテンツの映像、音声およびコメントの少なくとも一部を解析して、前記タイトルを変更する、[1]~[5]のいずれかに記載のタイトル作成システム。
[7]
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記コンテンツを連続的に配信することによって、ライブ配信を行う、[1]~[6]のいずれかに記載のタイトル作成システム。
[8]
少なくとも一つのプロセッサを備えるタイトル作成システムによって実行されるタイトル作成方法であって、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得するステップと、
前記配信者情報および前記コンテンツ情報を用いて、前記コンテンツのタイトルを作成するステップと、
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させるステップと
を備えるタイトル作成方法。
[9]
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得するステップと、
前記配信者情報および前記コンテンツ情報を用いて、前記コンテンツのタイトルを作成するステップと、
前記タイトルを前記配信者の端末である配信者端末に表示させるステップと
をコンピュータに実行させるタイトル作成プログラム。
[10]
少なくとも一つのプロセッサを備え、通信ネットワークを介して、コンテンツを視聴者端末に配信する配信者端末であって、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
コンテンツの配信が開始される前に、
前記コンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得し、
前記コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、および前記コンテンツ情報を用いて作成された前記コンテンツのタイトルを表示する、
配信者端末。
【符号の説明】
【0095】
1、1A、1B…タイトル作成システム、10、10A、10B…サーバ、11…取得部、12…コンテンツ転送部、20、20A、20B…配信者端末、21…取得部、22…タイトル作成部、23…タイトル表示部、24…コンテンツ作成部、25…コンテンツ表示部、30…視聴者端末、31…コンテンツ表示部、40…データベース、51…配信モード欄、52…タイトル欄、53…カテゴリ欄、54…番組タグ欄、55…番組説明欄、56…配信ボタン、N…通信ネットワーク、V…番組作成画面。
【要約】
【課題】配信者の手間を抑制しながら、コンテンツのタイトルを自動的に提案する。
【解決手段】本開示の一側面に係るタイトル作成システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、コンテンツの配信が開始される前に、コンテンツの配信者に関する情報である配信者情報、およびコンテンツに関する情報であるコンテンツ情報を取得し、配信者情報およびコンテンツ情報を用いて、コンテンツのタイトルを作成し、タイトルを配信者の端末である配信者端末に表示させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7