(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】作成方法、制御プログラム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240903BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20240903BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2023217610
(22)【出願日】2023-12-25
【審査請求日】2023-12-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515345919
【氏名又は名称】株式会社メドレー
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 彩華
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優樹
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】AI採用パートナーのJOB(求人)自動生成機能[β版]の使い方,[online],2023年08月03日,全文、全図,[2024年5月10日検索],インターネット,<URL:https://hr-tech-lab.lapras.com/lapras-scout/ai-partner-job-auto-maker/>
【文献】人事向けChatGPT活用術#1:採用求人票を爆速で作成する方法!,[online],2023年10月02日,P.1-3,[2024年2月5日検索],インターネット,<URL:https://note.com/hisalo_syacho/n/na7d83adf6a08>
【文献】ダイレクトリクルーティングを伴走支援するAI機能シリーズ「AI採用パートナー」開始。第一弾はChatGPT活用の「求人自動生成」を提供。,[online],2023年08月03日,P.1-5,[2024年1月29日検索],インターネット,<URL:https://corp.lapras.com/news/866/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
募集要項を含む求人用原稿の作成方法であって、
前記募集要項が複数の項目を含み、
コンピュータに、
求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するステップと、
前記複数の項目のうち少なくとも一部の項目について複数の選択肢を出力するステップと、
前記複数の選択肢のいずれかの選択をユーザから受け付けるステップと、
前記複数の選択肢のうち前記ユーザによって選択された選択肢に関係する記載を前記Webページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成するステップと、
前記抽出用プロンプトを前記生成AIモデルへ送信するステップと
、
前記生成AIモデルの出力に基づいて前記求人用原稿の作成フォームへの入力を行なうステップと、
前記作成フォームにおける入力内容の修正をユーザから受け付けるステップとを実行させることを含み、
前記生成AIモデルの出力に基づいた前記求人用原稿の作成フォームへの入力が行なわれた後であり、かつ、前記入力内容の修正が前記ユーザから受け付けられる前の段階で、前記複数の項目のうち一部の項目が常に未入力である、作成方法。
【請求項2】
前記少なくとも一部の項目が、職種及び雇用形態の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の作成方法。
【請求項3】
前記抽出用プロンプトが、第1及び第2プロンプトを含み、
前記第1及び第2プロンプトの各々には、複数のキーワードが割り当てられており、
前記第1プロンプトに割り当てられた複数のキーワードと、前記第2プロンプトに割り当てられた複数のキーワードとが互いに異なる、請求項1又は請求項2に記載の作成方法。
【請求項4】
前記コンピュータに
、前記修正後の入力内容に基づいて前記求人用原稿における訴求文を作成するように前記生成AIモデルに指示する訴求文作成用プロンプトを前記生成AIモデルへ送信するステッ
プを実行させることをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の作成方法。
【請求項5】
前記複数の選択肢のうち前記ユーザによって選択された選択肢に関係する記載が前記Webページに存在しない場合にエラーを出力するように前記生成AIモデルに指示する指示文が前記抽出用プロンプトに含まれる、請求項1又は請求項2に記載の作成方法。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記抽出用プロンプトに対する前記生成AIモデルの出力を受信するステップと、
受信した前記出力を校正するように前記生成AIモデルへ指示する校正用プロンプトを前記生成AIモデルへ送信するステップとを実行させることをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の作成方法。
【請求項7】
募集要項を含む求人用原稿の作成をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記募集要項が複数の項目を含み、
求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するステップと、
前記複数の項目のうち少なくとも一部の項目について複数の選択肢を出力するステップと、
前記複数の選択肢のいずれかの選択をユーザから受け付けるステップと、
前記複数の選択肢のうち前記ユーザによって選択された選択肢に関係する記載を前記Webページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成するステップと、
前記抽出用プロンプトを前記生成AIモデルへ送信するステップと、
前記生成AIモデルの出力に基づいて前記求人用原稿の作成フォームへの入力を行なうステップと、
前記作成フォームにおける入力内容の修正をユーザから受け付けるステップとを前記コンピュータに実行させ、
前記生成AIモデルの出力に基づいた前記求人用原稿の作成フォームへの入力が行なわれた後であり、かつ、前記入力内容の修正が前記ユーザから受け付けられる前の段階で、前記複数の項目のうち一部の項目が常に未入力である、制御プログラム。
【請求項8】
募集要項を含む求人用原稿を作成するように構成されたサーバであって、
前記募集要項が複数の項目を含み、
求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するように構成された取得部と、
前記複数の項目のうち少なくとも一部の項目についての複数の選択肢のいずれかの選択をユーザから受け付けるように構成された
第1受付部と、
前記複数の選択肢のうち前記ユーザによって選択された選択肢に関係する記載を前記Webページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成するように構成された生成部と、
前記抽出用プロンプトを前記生成AIモデルへ送信するように構成された送信部と、
前記生成AIモデルの出力に基づいて前記求人用原稿の作成フォームへの入力を行なうように構成された入力部と、
前記作成フォームにおける入力内容の修正をユーザから受け付けるように構成された第2受付部とを備え、
前記生成AIモデルの出力に基づいた前記求人用原稿の作成フォームへの入力が行なわれた後であり、かつ、前記入力内容の修正が前記ユーザから受け付けられる前の段階で、前記複数の項目のうち一部の項目が常に未入力である、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作成方法、制御プログラム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004-326712号公報(特許文献1)は、求人情報収集システムを開示する。この求人情報収集システムにおいては、企業・機関・団体・各種法人等が運営するWebサイトに掲載されている求人情報が自動的に収集される。収集された求人情報が解析され、各求人情報が一定のフォーマットに変換される。一定のフォーマットに変換された求人情報がデータベースに記憶され、データベースに記憶された求人情報が求職者へ供給される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、求人情報を掲載するWebページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載を抽出して求人用原稿を作成可能な作成方法、制御プログラム及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある局面に従う作成方法は、募集要項を含む求人用原稿の作成方法である。募集要項は、複数の項目を含む。作成方法は、求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するステップと、複数の項目のうち少なくとも一部の項目についての入力を受け付けるステップと、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成AIモデルへ送信するステップとを含む。
【0006】
この作成方法においては、抽出用プロンプトが生成AIモデルへ送信される。抽出用プロンプトは、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する。すなわち、この作成方法においては、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載の抽出が生成AIモデルによって行なわれる。したがって、この作成方法によれば、Webページにおける記載のうち必要な記載が生成AIモデルによって抽出されるため、Webページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載をWebページから抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0007】
上記作成方法において、少なくとも一部の項目が、職種及び雇用形態の少なくとも一方を含んでもよい。
【0008】
この作成方法においては、職種及び雇用形態の少なくとも一方についての入力内容に関係する記載の抽出が生成AIモデルによって行なわれる。したがって、この作成方法によれば、職種及び雇用形態の少なくとも一方についての入力内容に関係しない記載がWebページに含まれていたとしても、職種及び雇用形態の少なくとも一方についての入力内容に関係する記載を適切にWebページから抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0009】
上記作成方法において、抽出用プロンプトが、第1及び第2プロンプトを含んでもよく、第1及び第2プロンプトの各々には、複数のキーワードが割り当てられてもよく、第1プロンプトに割り当てられた複数のキーワードと、第2プロンプトに割り当てられた複数のキーワードとが互いに異なってもよい。
【0010】
多数のキーワードが割り当てられたプロンプトが生成AIモデルに入力されると、所望の出力が得られにくくなることを本発明者(ら)は見出した。この作成方法においては、抽出用プロンプトが複数のプロンプトを含んでおり、1つのプロンプトに割り当てられるキーワードの数が制限されている。したがって、この作成方法によれば、生成AIモデルから所望の出力が得られやすいため、Webページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載をWebページから抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0011】
上記作成方法は、生成AIモデルの出力に基づいて求人用原稿の作成フォームへの入力を行なうステップと、作成フォームにおける入力内容の修正を受け付けるステップと、修正後の入力内容に基づいて求人用原稿における訴求文を作成するように生成AIモデルに指示する訴求文作成用プロンプトを生成AIモデルへ送信するステップとをさらに含んでもよい。
【0012】
この作成方法においては、訴求文作成用プロンプトが生成AIモデルへ送信される。訴求文作成用プロンプトは、修正後の入力内容に基づいて求人用原稿における訴求文を作成するように生成AIモデルに指示する。したがって、この作成方法によれば、ユーザによる修正後の入力内容に基づいて求人用原稿における訴求文が作成されるため、入力内容の修正を受け付けることなく訴求文が作成される場合と比較して、よりユーザの意図に合った訴求文を作成することができる。
【0013】
上記作成方法において、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載がWebページに存在しない場合にエラーを出力するように生成AIモデルに指示する指示文が抽出用プロンプトに含まれてもよい。
【0014】
この作成方法によれば、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載がWebページに存在しない場合に生成AIモデルによってエラーが出力されるため、ユーザの意図からかけ離れた記載がWebページから抽出され求人用原稿が作成されるという事態の発生を抑制することができる。
【0015】
上記作成方法は、抽出用プロンプトに対する生成AIモデルの出力を受信するステップと、受信された出力を校正するように生成AIモデルへ指示する校正用プロンプトを生成AIモデルへ送信するステップとをさらに含んでもよい。
【0016】
この作成方法によれば、抽出用プロンプトに対する生成AIモデルの出力の校正が生成AIモデルによって行なわれるため、求人用原稿を作成するための記載としてより好ましい記載を生成AIモデルに出力させることができる。
【0017】
本発明の他の局面に従う制御プログラムは、募集要項を含む求人用原稿の作成をコンピュータに実行させる。募集要項は、複数の項目を含む。制御プログラムは、求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するステップと、複数の項目のうち少なくとも一部の項目についての入力を受け付けるステップと、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成AIモデルへ送信するステップとをコンピュータに実行させる。
【0018】
この制御プログラムが実行されると、抽出用プロンプトが生成AIモデルへ送信される。抽出用プロンプトは、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する。すなわち、この制御プログラムが実行されると、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載の抽出が生成AIモデルによって行なわれる。したがって、この制御プログラムによれば、Webページにおける記載のうち必要な記載が生成AIモデルによって抽出されるため、Webページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載をWebページから抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0019】
本発明の他の局面に従うサーバは、募集要項を含む求人用原稿を作成するように構成される。募集要項は、複数の項目を含む。サーバは、取得部と、受付部と、送信部とを備える。取得部は、求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するように構成される。受付部は、複数の項目のうち少なくとも一部の項目についての入力を受け付けるように構成される。送信部は、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成AIモデルへ送信するように構成される。
【0020】
このサーバにおいて、送信部は、抽出用プロンプトを生成AIモデルへ送信する。抽出用プロンプトは、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する。すなわち、このサーバは、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載の抽出を生成AIモデルに行なわせる。したがって、このサーバによれば、Webページにおける記載のうち必要な記載が生成AIモデルによって抽出されるため、Webページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載をWebページから抽出して求人用原稿を作成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、求人情報を掲載するWebページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載を抽出して求人用原稿を作成可能な作成方法、制御プログラム及びサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】求人用原稿作成システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】所定求人サイトにおいて提供されるWebページの一例を模式的に示す図である。
【
図3】入力フォームの一例の一部を模式的に示す図である。
【
図4】求人用原稿作成サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【
図5】ユーザ端末のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【
図6】求人用原稿の半自動作成の手順を示すフローチャートである。
【
図7】URL等入力画面の一例を模式的に示す図である。
【
図8】抽出用プロンプトを構成する各プロンプトの一例の一部を模式的に示す図である。
【
図9】部分的入力済画面データが示す画面の一例を模式的に示す図である。
【
図10】エラー画面データが示す画面の一例を模式的に示す図である。
【
図11】訴求文の自動作成の手順を示すフローチャートである。
【
図12】入力フォームの一例の他の一部を模式的に示す図である。
【
図13】訴求文作成用プロンプトの一例の一部を模式的に示す図である。
【
図14】他の実施の形態における、求人用原稿の半自動作成の手順を示すフローチャートである。
【
図15】校正用プロンプトの一例の一部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0024】
[1.概要]
図1は、本実施の形態に従う求人用原稿作成システム10の構成を模式的に示す図である。
図1に示されるように、求人用原稿作成システム10は、求人用原稿作成サーバ100と、ユーザ端末200と、AIチャットボットサーバ300とを含んでいる。求人用原稿作成システム10においては、求人用原稿作成サーバ100、ユーザ端末200及びAIチャットボットサーバ300が、インターネットN1を通じて互いに通信するように構成されている。
【0025】
求人用原稿作成システム10は、複数の事業主(企業、機関、団体、各種法人及び個人事業主等)の求人情報を提供する所定のWebサイト(以下、「所定求人サイト」とも称する。)に掲載される求人用原稿の作成を補助するように構成されている。所定求人サイトにおいては、例えば、求人を行なっている事業主(以下、単に「事業主」とも称する。)毎のWebページが設けられている。各Webページには、各事業主によって作成された求人用原稿が示す求人情報が掲載される。
【0026】
図2は、所定求人サイトにおいて提供されるWebページ(以下、「求人用Webページ」とも称する。)の一例を模式的に示す図である。
図2に示されるように、求人用WebページIM1は、領域TE1,TE2,TE3を含んでいる。領域TE1には、事業主の名称が含まれている。領域TE2には、求人の特徴を示す訴求文、及び、当該訴求文のタイトル(以下、「訴求文タイトル」とも称する。)が含まれている。この例では、「年間休日122日!育児休業あり!」という部分が訴求文タイトルに該当し、それ以外の部分が訴求文に該当する。領域TE3には、募集要項が含まれている。募集要項には、複数の項目(募集職種、仕事内容、雇用形態、給与及び給与の備考等)が含まれている。
【0027】
再び
図1を参照して、求人用原稿作成サーバ100は、事業主が求人用Webページを作成するための入力フォーム(「作成フォーム」の一例)を提供する。事業主は、ユーザ端末200を通じて入力フォームへの入力を行なう。求人用原稿作成サーバ100は、事業主(ユーザ)による入力フォームへの入力内容に従って求人用Webページを生成する。
【0028】
図3は、入力フォームの一例の一部を模式的に示す図である。
図3に示されるように、入力フォームIM2は、領域TE4,TE5,TE6,TE7,TE8を含んでいる。領域TE4には、各々が仕事内容を示す複数のチェックボックスが設けられている。ユーザは、求人に合った仕事内容を示すチェックボックスを選択する。領域TE5には、仕事内容に関する自由記述欄が設けられている。ユーザは、仕事内容に関する説明文を自由記述欄に入力する。領域TE6には、各々が雇用形態を示す複数のチェックボックスが設けられている。ユーザは、求人に合った雇用形態を示すチェックボックスを選択する。
【0029】
ユーザによって雇用形態が選択されると、領域TE6には、選択された雇用形態に対応した給与の入力欄が表示される。ユーザは、給与の入力欄に給与情報を入力する。領域TE7には、給与の備考に関する自由記述欄が設けられている。ユーザは、給与の備考に関する説明文を自由記述欄に入力する。領域TE8には、各々が応募要件を示す複数のチェックボックスが設けられている。ユーザは、求人に合った応募要件を示すチェックボックスを選択する。
【0030】
再び
図1を参照して、上述のように、求人用原稿作成サーバ100においては、入力フォームへの入力内容に従って求人用Webページが生成される。事業主の中には、例えば、自社のWebサイト等の所定求人サイト以外のWebサイト(以下、「別サイト」とも称する。)に求人情報を掲載している事業主も存在する。求人用原稿作成システム10においては、所定求人サイトにおける入力フォームへの入力を簡易にするために、別サイトに掲載されている求人情報を利用して入力フォームへの入力を半自動的に行なう機能が提供されている。
【0031】
AIチャットボットサーバ300は、生成AIモデル310を提供する。生成AIモデル310は、例えば、インターネットN1を通じて様々なサイトから定期的に取得された情報を用いた学習を通じて生成されている。生成AIモデル310は、例えば、自然文の入力を受け付け、世間の常識知に基づいて当該自然文に応じた種々の回答を生成するように構成されている。生成AIモデル310の例としては、例えば、ChatGPT及びMarvinが挙げられる。
【0032】
求人用原稿作成サーバ100は、入力フォームへの入力に必要な情報を別サイトに掲載されている求人情報から抽出するように指示するプロンプトをAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信する。求人用原稿作成サーバ100は、生成AIモデル310の出力をAIチャットボットサーバ300から受信し、生成AIモデル310の出力に基づいて入力フォームへの入力を行なう。これにより、入力フォームへの入力が半自動的に行なわれる。以下、求人用原稿作成システム10の詳細について説明する。
【0033】
[2.構成]
<2-1.サーバの構成>
図4は、求人用原稿作成サーバ100のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。求人用原稿作成サーバ100は、例えば、汎用コンピュータによって実現される。
図4に示されるように、求人用原稿作成サーバ100は、制御部110と、通信I/F(interface)130と、記憶部120とを含んでいる。各構成は、バスを通じて電気的に接続されている。
【0034】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)112、RAM(Random Access Memory)114及びROM(Read Only Memory)116等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0035】
通信I/F130は、インターネットN1を通じて、ユーザ端末200及びAIチャットボットサーバ300(
図1)と通信するように構成されている。通信I/F130は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0036】
記憶部120は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置で構成される。記憶部120は、例えば、制御プログラム122、求人用原稿DB(database)124及びプロンプト雛形データ群126を記憶している。制御プログラム122がCPU112によって実行されることにより、求人用原稿作成サーバ100における各種機能が実現される。
【0037】
求人用原稿DB124は、各事業主によって作成された求人用原稿(入力フォームへの入力内容)を、各事業主のID(identification)と対応付けて管理するように構成されている。プロンプト雛形データ群126は、複数のプロンプト雛形データを含む。複数のプロンプト雛形データの各々は、生成AIモデル310への指示文によって構成されている。プロンプト雛形データについては、後程詳しく説明する。
【0038】
<2-2.ユーザ端末の構成>
図5は、ユーザ端末200のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。ユーザ端末200は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット又はスマートフォンによって実現される。
図5に示されるように、ユーザ端末200は、制御部210と、通信I/F230と、操作部240と、ディスプレイ250と、記憶部220とを含んでいる。ユーザ端末200において、各構成はバスを通じて電気的に接続されている。
【0039】
制御部210は、CPU、RAM及びROM等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。通信I/F230は、インターネットN1を通じて、求人用原稿作成サーバ100及びAIチャットボットサーバ300と通信するように構成されている。通信I/F230は、例えば、有線LANモジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0040】
操作部240は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されている。操作部240は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。入力フォームへの入力は、例えば、操作部240を通じて行なわれる。
【0041】
ディスプレイ250は、画像を表示するように構成されている。ディスプレイ250は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。ディスプレイ250は、例えば、求人用原稿作成サーバ100から提供される入力フォーム及び求人用Webページを表示する。
【0042】
記憶部220は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部220は、例えば、制御プログラム222を記憶している。制御プログラム222が制御部210のCPUによって実行されることにより、ユーザ端末200における各種機能が実現される。
【0043】
[3.求人用原稿の半自動作成手順]
求人用原稿作成システム10においては、まず、事業主(ユーザ)の求人内容に合った「職種」及び「雇用形態」、並びに、別サイトのURL(Uniform Resource Locator)の入力がユーザに求められる。ここで、入力が求められるURLは、別サイトに含まれるWebページのうち求人情報を掲載するWebページのURLである。ユーザ端末200を通じて「職種」及び「雇用形態」並びに別サイトのURLが入力されると、入力された「職種」及び「雇用形態」に合った記載を別サイトに掲載された求人情報から抽出するように指示するプロンプトが求人用原稿作成サーバ100からAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信される。生成AIモデル310の出力が求人用原稿作成サーバ100によって受信されると、生成AIモデル310の出力が反映された入力フォームがユーザ端末200のディスプレイ250に表示される。以下、具体的な処理手順について説明する。
【0044】
図6は、求人用原稿の半自動作成の手順を示すフローチャートである。
図6を参照して、左側のフローチャートに示される処理はユーザ端末200の制御部210によって実行され、右側のフローチャートに示される処理は求人用原稿作成サーバ100の制御部110によって実行される。
【0045】
図6の左側のフローチャートを参照して、ユーザ端末200の制御部210は、事業主の求人内容に合った「職種」及び「雇用形態」、並びに、別サイトのURLの入力画面(以下、「URL等入力画面」とも称する。)を表示するようにディスプレイ250を制御する(ステップS100)。
【0046】
図7は、URL等入力画面の一例を模式的に示す図である。
図7に示されるように、URL等入力画面IM3は、領域TE9,TE10,TE11と、ボタンB1とを含んでいる。領域TE9には、求人内容に合った職種を選択するためのプルダウンが設けられている。ユーザは、プルダウンに示される複数の職種から求人内容に合った職種を選択する。領域TE10には、各々が雇用形態を示す複数のチェックボックスが設けられている。ユーザは、求人に合った雇用形態を示すチェックボックスを選択する。領域TE11には、別サイトのURLの入力欄が設けられている。ユーザは、求人用原稿の作成に利用する別サイトのURLを入力欄に入力する。ボタンB1は、決定ボタンであり、各種入力が完了した場合にユーザによって押下される。
【0047】
再び
図6の左側のフローチャートを参照して、ディスプレイ250にURL等入力画面が表示されると、制御部210は、URL等入力画面における入力が完了したか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、制御部210は、領域TE11(
図7)に設けられた入力欄にURLが入力され、かつ、ユーザによってボタンB1が押下されたか否かを判定する。URL等入力画面における入力が完了していないと判定されると(ステップS110においてNO)、制御部210は、URL等入力画面における入力が完了するまでステップS110の処理を繰り返す。
【0048】
一方、URL等入力画面における入力が完了したと判定されると(ステップS110においてYES)、制御部210は、URL等入力画面における入力内容を求人用原稿作成サーバ100へ送信するように通信I/F230を制御する(ステップS120)。
【0049】
その後、制御部210は、求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されたか否かを判定する(ステップS130)。画面データは、ユーザ端末200のディスプレイ250に画面を表示させるためのデータであり、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルによって構成される。詳細については後述するが、求人用原稿作成サーバ100から受信される画面データの種類としては、一部の項目が入力された入力フォームを表示させる画面データ(以下、「部分的入力済画面データ」とも称する。)、及び、URLの再入力を促すメッセージを含む画面を表示させる画面データ(以下、「エラー画面データ」とも称する。)が存在する。ユーザによって入力されたURLが適切である場合には部分的入力済画面データが受信される一方、ユーザによって入力されたURLが適切でない場合にはエラー画面データが受信される。
【0050】
求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されていないと判定されると(ステップS130においてNO)、制御部210は、求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されるまでステップS130の処理を繰り返す。一方、求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されたと判定されると(ステップS130においてYES)、制御部210は、求人用原稿作成サーバ100から受信された画面データに従って画面を表示するようにディスプレイ250を制御する(ステップS140)。
【0051】
次に、
図6の右側のフローチャートを参照して、求人用原稿作成サーバ100の制御部110は、URL等入力画面における入力内容がユーザ端末200から受信されたか否かを判定する(ステップS200)。URL等入力画面における入力内容がユーザ端末200から受信されていないと判定されると(ステップS200においてNO)、制御部110は、URL等入力画面における入力内容がユーザ端末200から受信されるまでステップS200の処理を繰り返す。
【0052】
一方、URL等入力画面における入力内容がユーザ端末200から受信されたと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部110は、URL等入力画面における入力内容が反映されたプロンプト(抽出用プロンプト)を生成し、生成されたプロンプトをAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS210)。具体的には、制御部110は、プロンプト雛形データ群126に含まれる複数のプロンプト雛形データのうち抽出用プロンプト雛形データにURL等入力画面における入力内容を反映することによって抽出用プロンプトを生成する。なお、抽出用プロンプト雛形データは、入力された「職種」及び「雇用形態」に関係する記載を別サイトから抽出することを生成AIモデル310へ指示するプロンプトの雛形データである。また、抽出用プロンプト雛形データへのURLの反映は、例えば、(1)求人用原稿作成サーバ100がURLに対応するWebページを示すデータ(例えば、HTMLファイル)を取得し、取得されたWebページを示すデータを抽出用プロンプト雛形データに組み込むことによって行なわれてもよいし、(2)URL自体を抽出用プロンプト雛形データに組み込むことによって行なわれてもよい。URL自体が抽出用プロンプト雛形データに組み込まれる場合には、AIチャットボットサーバ300がURLに対応するWebページにアクセスすることとなる。また、本実施の形態においては、抽出用プロンプトがプロンプトPT1,PT2によって構成される。
【0053】
図8は、抽出用プロンプトを構成する各プロンプトの一例の一部を模式的に示す図である。
図8を参照して、プロンプトPT1,PT2の各々は、URL等入力画面において入力された「職種」及び「雇用形態」に関係する記載を、URL等入力画面において入力されたURLに対応する別サイトのWebページから抽出することを生成AIモデル310へ指示する指示文によって構成されている。
【0054】
プロンプトPT1は、例えば、指示文MS1,MS2,MS3を含んでいる。指示文MS1は、各項目に関係する記載が別サイトのWebページに存在しない場合には「N/A(Not Applicable)」(エラー値)を出力する旨を指示する。指示文MS2は、URL等入力画面において入力された「職種」及び「雇用形態」に関係する記載を別サイトのWebページから抽出する旨を指示する。なお、User messageには、URL等入力画面において入力された「職種」及び「雇用形態」並びにURLを示す情報が含まれる。User messageの内容以外の部分が、抽出用プロンプト雛形データに対応している。指示文MS3は、入力された「職種」及び「雇用形態」に関係する記載のうち各項目に関係する記載を、入力フォームにおける反映位置を示す情報と対応付けて抽出する旨を指示する。プロンプトPT1がAIチャットボットサーバ300へ送信されると、URL等入力画面において入力された「職種」及び「雇用形態」に関係する記載が別サイトのWebページからまず抽出され、その後に、抽出された記載を用いることによって、入力フォームに含まれる各自由記述欄に反映される文章が生成される。プロンプトPT1,PT2においては、指示文MS3以外の指示文が互いに共通である。プロンプトPT1,PT2においては、指示文MS3において指定されるキーワードの内容が互いに異なる。
【0055】
多数のキーワードが割り当てられた1つのプロンプトが生成AIモデル310に入力されると、所望の出力が得られにくくなることを本発明者(ら)は見出した。本実施の形態においては、抽出用プロンプトが複数のプロンプトを含んでおり、1つのプロンプトに割り当てられるキーワードの数が制限されている。したがって、本実施の形態に従う求人用原稿作成システム10によれば、生成AIモデル310から所望の出力が得られやすいため、別サイトのWebページに不要な記載が含まれていたとしても別サイトのWebページから適切な記載を抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0056】
また、抽出用プロンプトが複数のプロンプトによって構成される場合に、似て非なる2つのキーワード(例えば、「有給休暇」及び「特別休暇」)が互いに異なるプロンプトに含まれると、各キーワードに関係する記載として略同一の記載が抽出されやすいことを本発明者(ら)は見出した。本実施の形態においては、募集要項に含まれる複数の項目のうちの共通の項目に関係する複数のキーワードが共通のプロンプトに割り当てられている。したがって、本実施の形態に従う求人用原稿作成システム10によれば、生成AIモデル310からより精度の高い所望の出力を得ることができる。
【0057】
再び
図6の右側のフローチャートを参照して、抽出用プロンプトがAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信されると、制御部110は、生成AIモデル310の出力を受信したか否かを判定する(ステップS220)。生成AIモデル310の出力を受信していないと判定されると(ステップS220においてNO)、制御部110は、生成AIモデル310の出力を受信するまでステップS220の処理を繰り返す。
【0058】
一方、生成AIモデル310の出力を受信したと判定されると(ステップS220においてYES)、制御部110は、生成AIモデル310の出力に応じた画面データを生成する(ステップS230)。具体的には、制御部110は、上述の部分的入力済画面データ又はエラー画面データを生成する。制御部110は、生成AIモデル310の出力がエラー値以外のデータを含む場合には部分的入力済画面データを生成する一方、生成AIモデル310の出力がエラー値のみを含む場合にはエラー画面データを生成する。
【0059】
図9は、部分的入力済画面データが示す画面の一例を模式的に示す図である。
図9を参照して、この画面には、入力フォームIM2が含まれている。入力フォームIM2においては、生成AIモデル310の出力を反映することによって、領域TE5,TE6,TE7における入力が行なわれている。すなわち、領域TE5,TE6,TE7における入力は、別サイトの記載を用いることによって自動的に行なわれている。本実施の形態に従う求人用原稿作成システム10においては、職種及び雇用形態についての入力内容に関係する記載の抽出が生成AIモデル310によって行なわれる。したがって、求人用原稿作成システム10によれば、職種及び雇用形態についての入力内容に関係しない記載(例えば、入力された職種が「薬剤師」である場合における「医師」に関する求人情報)が別サイトに含まれていたとしても、職種及び雇用形態についての入力内容に関係する記載を適切に別サイトから抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0060】
一方、領域TE4,TE8に設けられているチェックボックスの選択は自動的には行なわれていない。チェックボックによって選択される項目は所定求人サイトにおける選択式の検索項目になっており、間違ったチェックボックスが選択された場合の影響が大きく、このような項目の選択はユーザ自身によって行なわれることが好ましいためである。
【0061】
図10は、エラー画面データが示す画面の一例を模式的に示す図である。
図10を参照して、この画面には、URL等入力画面IM3と、ポップアップ画面PU1とが含まれている。ポップアップ画面PU1は、URL等入力画面IM3上に重畳されている。ポップアップ画面PU1は、入力された職種及び雇用形態に合った求人を掲載しているURLを再入力することをユーザへ求めるメッセージを示す。入力された「職種」及び「雇用形態」に関係する記載が別サイトに存在しない場合にエラー画面データが生成されるため、ユーザの意図からかけ離れた記載が別サイトから抽出され求人用原稿が作成されるという事態の発生を抑制することができる。
【0062】
再び
図6の右側のフローチャートを参照して、生成AIモデル310の出力に応じた画面データが生成されると、制御部110は、生成された画面データをユーザ端末200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS240)。
【0063】
部分的入力済画面データが示す画面がディスプレイ250に表示された状態で、ユーザは、未入力の項目における入力、及び、自動的に入力された項目における修正を行なうことができる。未入力の項目における入力、及び、自動的に入力された項目における修正の各々は、例えば、ユーザ端末200の操作部240を通じて行なわれる。
【0064】
求人用原稿作成システム10においては、さらに、求人に関する訴求文、及び、訴求文タイトル(
図2の領域TE2参照)を自動的に作成する機能が提供されている。なお、後述のように、訴求文及び訴求文タイトルの入力欄は入力フォームに設けられている。
【0065】
求人用原稿作成システム10においては、入力フォームがディスプレイ250に表示された状態で、未入力の項目における入力、及び、自動的に入力された項目における修正がユーザによって行なわれる。その後、訴求文又は訴求文タイトルの作成がユーザによって指示されると、入力フォームの入力内容に従って訴求文又は訴求文タイトルを自動的に作成するように指示するプロンプトが求人用原稿作成サーバ100からAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信される。生成AIモデル310の出力が求人用原稿作成サーバ100によって受信されると、生成AIモデル310の出力が反映された入力フォームがユーザ端末200のディスプレイ250に表示される。なお、訴求文を自動的に作成する手順と訴求文タイトルを自動的に作成する手順とでは、生成AIモデル310へ送信されるプロンプトの内容が異なるが、実質的な手順は同一であるため、ここでは代表的に訴求文を自動的に作成する手順について説明する。
【0066】
図11は、訴求文の自動作成の手順を示すフローチャートである。
図11を参照して、左側のフローチャートに示される処理はユーザ端末200の制御部210によって実行され、右側のフローチャートに示される処理は求人用原稿作成サーバ100の制御部110によって実行される。これらのフローチャートに示される処理は、入力フォームがディスプレイ250に表示された状態で開始される。
【0067】
図12は、入力フォームの一例の他の一部を模式的に示す図である。
図12に示されるように、入力フォームIM2は、さらに領域TE12,TE13,TE14,TE15を含んでいる。領域TE12には、訴求文タイトルに関する自由記述欄が設けられている。ユーザは、訴求文タイトルを自由記述欄に入力する。領域TE13には、ボタンBT1が設けられている。ボタンBT1が押下されると、訴求文タイトルの作成が生成AIモデル310によって行なわれ、作成された訴求文タイトルが領域TE13に表示される。領域TE14には、訴求文に関する自由記述欄が設けられている。ユーザは、訴求文を自由記述欄に入力する。領域TE15には、ボタンBT2が設けられている。ボタンBT2が押下されると、訴求文の作成が生成AIモデル310によって行なわれ、作成された訴求文が領域TE15に表示される。
【0068】
図11の左側のフローチャートを参照して、ユーザ端末200の制御部210は、訴求文の作成指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS300)。具体的には、制御部210は、ユーザによってボタンBT2(
図12)が押下されたか否かを判定する。訴求文の作成指示を受け付けていないと判定されると(ステップS300においてNO)、制御部210は、訴求文の作成指示を受け付けるまでステップS300の処理を繰り返す。
【0069】
一方、訴求文の作成指示を受け付けたと判定されると(ステップS300においてYES)、制御部210は、訴求文の作成指示を求人用原稿作成サーバ100へ送信するように通信I/F230を制御する(ステップS310)。
【0070】
その後、制御部210は、求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されたか否かを判定する(ステップS130)。求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されていないと判定されると(ステップS320においてNO)、制御部210は、求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されるまでステップS320の処理を繰り返す。一方、求人用原稿作成サーバ100から画面データが受信されたと判定されると(ステップS320においてYES)、制御部210は、求人用原稿作成サーバ100から受信された画面データに従って画面を表示するようにディスプレイ250を制御する(ステップS330)。なお、求人用原稿作成サーバ100から受信される画面データが示す画面においては、領域TE15(
図12)に訴求文が表示されている。
【0071】
次に、
図11の右側のフローチャートを参照して、求人用原稿作成サーバ100の制御部110は、訴求文の作成指示がユーザ端末200から受信されたか否かを判定する(ステップS400)。訴求文の作成指示がユーザ端末200から受信されていないと判定されると(ステップS400においてNO)、制御部110は、訴求文の作成指示がユーザ端末200から受信されるまでステップS400の処理を繰り返す。
【0072】
一方、訴求文の作成指示がユーザ端末200から受信されたと判定されると(ステップS400においてYES)、制御部110は、現在の入力フォームにおける入力内容が反映されたプロンプト(訴求文作成用プロンプト)を生成し、生成されたプロンプトをAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS410)。具体的には、制御部110は、プロンプト雛形データ群126に含まれる複数のプロンプト雛形データのうち訴求文作成用プロンプト雛形データに入力フォームにおける入力内容を反映することによって訴求文作成用プロンプトを生成する。なお、訴求文作成用プロンプト雛形データは、入力フォームにおける入力内容に基づいて求人内容の訴求文を作成することを生成AIモデル310へ指示するプロンプトの雛形データである。
【0073】
図13は、訴求文作成用プロンプトの一例の一部を模式的に示す図である。
図13を参照して、プロンプトPT3は、入力フォームにおける入力内容に基づいて求人内容の訴求文を作成することを生成AIモデル310へ指示する指示文によって構成されている。
【0074】
再び
図11の右側のフローチャートを参照して、訴求文作成用プロンプトがAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信されると、制御部110は、生成AIモデル310の出力を受信したか否かを判定する(ステップS420)。生成AIモデル310の出力を受信していないと判定されると(ステップS420においてNO)、制御部110は、生成AIモデル310の出力を受信するまでステップS420の処理を繰り返す。
【0075】
一方、生成AIモデル310の出力を受信したと判定されると(ステップS420においてYES)、制御部110は、生成AIモデル310の出力に応じた画面データを生成する(ステップS430)。具体的には、制御部110は、領域TE15(
図12)に訴求文が含まれた画面を表示させる画面データを生成する。制御部110は、生成された画面データをユーザ端末200へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS440)。
【0076】
本実施の形態に従う求人用原稿作成システム10においては、訴求文作成用プロンプトが生成AIモデル310へ送信される。訴求文作成用プロンプトは、入力フォームにおける修正後の入力内容に基づいて求人用原稿における訴求文を作成するように生成AIモデル310に指示する。したがって、求人用原稿作成システム10によれば、入力フォームにおける修正後の入力内容に基づいて求人用原稿における訴求文が作成されるため、入力内容の修正を受け付けることなく訴求文が作成される場合と比較して、よりユーザの意図に合った訴求文を作成することができる。
【0077】
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う求人用原稿作成システム10においては、抽出用プロンプトが生成AIモデル310へ送信される。抽出用プロンプトは、募集要項における少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載を別サイトのWebページから抽出するように生成AIモデル310に指示する。すなわち、求人用原稿作成システム10においては、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載の抽出が生成AIモデル310によって行なわれる。したがって、求人用原稿作成システム10によれば、別サイトのWebページにおける記載のうち必要な記載が生成AIモデル310によって抽出されるため、別サイトのWebページに不要な記載が含まれていたとしても別サイトのWebページから適切な記載を抽出して求人用原稿を作成することができる。
【0078】
[5.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0079】
<5-1>
上記実施の形態においては、「職種」及び「雇用形態」に関する入力がユーザによって行なわれ、入力された「職種」及び「雇用形態」に合った記載が別サイトから抽出された。しかしながら、ユーザによって入力される情報はこれらに限定されない。例えば、新卒採用、中途採用といった「採用区分」がユーザによって入力され、「採用区分」に合った記載が別サイトから抽出されてもよい。
【0080】
<5-2>
上記実施の形態において、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力が、そのまま用いられるわけではなく、生成AIモデル310によって校正され、校正後の出力に基づいて画面データが生成されてもよい。例えば、求人用原稿作成サーバ100は、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力を受信した後、受信した出力の内容を生成AIモデル310に校正させる指示である校正用プロンプトを生成AIモデル310へ送信し、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力を生成AIモデル310に校正させてもよい。ここで、校正用プロンプトは、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力を校正するように生成AIモデル310へ指示するプロンプトである。例えば、求人用原稿作成サーバ100は、生成AIモデル310によって校正された出力に基づいて画面データを生成してもよい。この求人用原稿作成システム10によれば、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力の校正が生成AIモデル310によって行なわれるため、求人用原稿を作成するための記載としてより好ましい記載を生成AIモデル310に出力させることができる。
【0081】
図14は、他の実施の形態における、求人用原稿の半自動作成の手順を示すフローチャートである。
図14に示されるフローチャートにおいては、ステップS220とステップS230との間においてステップS222,S224が実行される。
図14に示されるフローチャートにおけるその他の処理は、
図6に示されるフローチャートと同様である。以下では、
図6と異なる点を中心に説明する。
【0082】
図14の右側のフローチャートを参照して、ステップS220において生成AIモデル310の出力を受信したと判定されると(ステップS220においてYES)、制御部110は、出力の内容を校正するように生成AIモデル310へ指示するプロンプト(校正用プロンプト)をAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信するように通信I/F130を制御する(ステップS222)。なお、校正用プロンプトは、例えば、予め準備されており、求人用原稿作成サーバ100の記憶部120に記憶されている。
【0083】
図15は、校正用プロンプトの一例の一部を模式的に示す図である。
図15を参照して、プロンプトPT4は、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力を生成AIモデル310に校正させる指示文によって構成されている。プロンプトPT4は、例えば、抽出用プロンプトに対する生成AIモデル310の出力が、抽出用プロンプトにおける命令通りのものとなっているかを生成AIモデル310にチェックさせる指示文、及び、出力が命令通りになっていない場合に出力を校正させる指示文を含んでいる。
【0084】
再び
図14の右側のフローチャートを参照して、校正用プロンプトがAIチャットボットサーバ300(生成AIモデル310)へ送信されると、制御部110は、生成AIモデル310の出力を受信したか否かを判定する(ステップS224)。生成AIモデル310の出力を受信していないと判定されると(ステップS224においてNO)、制御部110は、生成AIモデル310の出力を受信するまでステップS224の処理を繰り返す。
【0085】
一方、生成AIモデル310の出力を受信したと判定されると(ステップS224においてYES)、制御部110は、生成AIモデル310の出力(校正後の出力)に応じた画面データを生成する(ステップS230)。ここで受信される出力は、例えば、所望のルールに従うように校正されている。
【0086】
<5-3>
上記実施の形態においては、生成AIモデル310の出力を反映することによって入力フォームへの入力が行なわれた場合に、自動的に入力された項目の修正がユーザによって手動で行なわれた。しかしながら、自動的に入力された項目の修正が自動的に行なわれてもよい。例えば、ユーザ毎の修正傾向が学習された学習済モデルが予め生成されており、入力フォームにおいて自動的に入力された項目とユーザ情報とが学習済モデルに入力されることによって入力フォームにおける入力内容が自動的に修正されてもよい。訴求文作成用プロンプトは、修正後の入力内容に基づいて生成される。
【0087】
<5-4>
上記実施の形態においては、別サイトの一例として、ユーザ自身のWebサイトが挙げられた。しかしながら、別サイトはこれに限定されない。別サイトは、例えば、ユーザにとっての同業他社のWebサイトであってもよいし、求人内容が近い他社のWebサイトであってもよいし、所定求人サイト以外の求人サイトであってもよい。
【0088】
<5-5>
上記実施の形態においては、抽出用プロンプト雛形データとして、プロンプトPT1を生成するための抽出用プロンプト雛形データと、プロンプトPT2を生成するための抽出用プロンプト雛形データとが用意されていた。しかしながら、用意される抽出用プロンプト雛形データの種類はこれに限定されない。例えば、「職種」及び「雇用形態」毎に抽出用プロンプト雛形データが用意されてもよい。例えば、「雇用形態」が「正職員」である場合には社会保険完備であることが一般的であるため、「雇用形態」が「正職員」である場合に用いられる抽出用プロンプト雛形データにおいては社会保険に関する情報を抽出する指示文が含まれていなくてもよい。
【0089】
<5-6>
上記実施の形態において、不明点が存在する場合にはユーザに問い合わせるように指示する指示文が抽出用プロンプト雛形データに含まれていてもよい。求人用原稿作成サーバ100が生成AIモデル310から問合せを受けた場合には、求人用原稿作成サーバ100の制御部110が問合せ内容を含む画面データをユーザ端末200へ送信するように通信I/F130を制御する。ユーザは、操作部240を通じて問合せに対する回答を行なう。ユーザ端末200の制御部210は、回答内容を求人用原稿作成サーバ100へ送信するように通信I/F230を制御する。求人用原稿作成サーバ100の制御部110は、回答内容を生成AIモデル310へ送信するように通信I/F130を制御する。求人用原稿作成サーバ100の制御部110は、回答後の生成AIモデル310の出力に基づいて入力フォームへの入力を行なう。これにより、入力フォームへの入力をより高精度に行なうことができる。
【0090】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0091】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。例えば、いずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成と、他のいずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成とが組み合わされてもよい。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0092】
10 求人用原稿作成システム、100 求人用原稿作成サーバ、110,210 制御部、112 CPU、114 RAM、116 ROM、120,220 記憶部、122,222 制御プログラム、124 求人用原稿DB、126 プロンプト雛形データ群、130,230 通信I/F、240 操作部、250 ディスプレイ、200 ユーザ端末、300 AIチャットボットサーバ、310 生成AIモデル、B1,BT1,BT2 ボタン、IM1 求人用Webページ、IM2 入力フォーム、IM3 URL等入力画面,MS1-MS3 指示文、N1 インターネット、PT1-PT4 プロンプト、PU1 ポップアップ画面、TE1-TE15 領域。
【要約】
【課題】求人情報を掲載するWebページに不要な記載が含まれていたとしても適切な記載を抽出して求人用原稿を作成可能な作成方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】本発明のある局面に従う作成方法は、募集要項を含む求人用原稿の作成方法である。募集要項は、複数の項目を含む。作成方法は、求人情報を掲載するWebページに関連する情報を取得するステップと、複数の項目のうち少なくとも一部の項目についての入力を受け付けるステップと、少なくとも一部の項目についての入力内容に関係する記載をWebページから抽出するように生成AIモデルに指示する抽出用プロンプトを生成するステップとを含む。
【選択図】
図1