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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20240903BHJP
【FI】
G05B19/05 Z
G05B19/05 L
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023509010
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2022010779
(87)【国際公開番号】W WO2022202392
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2021050066
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 正博
(72)【発明者】
【氏名】桑畑 眞一
(72)【発明者】
【氏名】前田 翌檜
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-228900(JP,A)
【文献】特開平8-65918(JP,A)
【文献】特開2016-110460(JP,A)
【文献】特開2004-38743(JP,A)
【文献】特開昭56-157088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の入出力を行う電子機器(10)であって、
前記信号の入出力を行う複数の処理回路(36)と、
複数の前記処理回路の各々に電力を供給するために、互いに異なる前記処理回路に接続された複数のコモン電力端子(42)と、
複数の前記処理回路の各々に電力を供給するために、互いに異なる前記処理回路に接続された複数の個別電力端子(40)と、
着脱可能に設けられ、複数の前記コモン電力端子を互いに導通させる導通部材(32)と、
を備える、電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
複数の個別電力端子の各々は、対応する前記処理回路に電力を供給するために、電源と前記処理回路とを接続する端子である、電子機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子機器であって、
前記導通部材は、第1方向で前記電子機器と隣り合う第1の他の電子機器と導通し、前記第1の他の電子機器から供給された電力を複数の前記処理回路に供給する、電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
前記導通部材は、前記第1方向とは逆向きの第2方向で前記電子機器と隣り合う第2の他の電子機器と導通し、前記電力を前記第2の他の電子機器に供給する、電子機器。
【請求項5】
請求項1または2に記載の電子機器であって、
前記導通部材は、複数の前記個別電力端子のうちの少なくとも1つから供給された電力を複数の前記処理回路に供給する、電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であって、
前記導通部材は、所定の設置方向で前記電子機器と隣り合う他の電子機器と導通し、前記電力を他の前記電子機器に供給する、電子機器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電子機器であって、
第1面(34a)と第2面(34b)とを有し、複数の前記処理回路が設けられた回路基板(34)を備え、
複数の前記コモン電力端子は、前記第1面に設けられた1以上の第1の前記コモン電力端子と、前記第2面に設けられた1以上の第2の前記コモン電力端子とを有する、電子機器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電子機器であって、
複数の前記処理回路、複数の前記コモン電力端子、および複数の前記個別電力端子を有する信号処理ユニット(50)と、
前記信号処理ユニットに対して着脱可能であり、前記導通部材を着脱可能に支持するベースユニット(48)と、に分割されている、電子機器。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記信号の入出力相手となる機器(16)と接続するための端子台(46)を有し、
前記端子台には、複数の前記個別電力端子と複数の電源とを接続するためのコネクタ(24)が設けられている、電子機器。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記電子機器はI/Oユニットである、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-110460号公報には、プログラマブル・ロジック・コントローラシステムが開示されている。このプログラマブル・ロジック・コントローラシステムは、基本ユニット(マスター)と、複数の拡張ユニット(電子機器)とを有する。複数の電子機器は、基本ユニットのスレーブである。基本ユニットは、複数の電子機器を介して、被制御装置に信号を送受信する。複数の電子機器は、基本ユニットを先頭にして連設される。被制御装置は、例えばセンサ、またはアクチュエータ等の機器である。
【発明の概要】
【0003】
電子機器は、電源から供給される電力を用いて出力信号を出力する。電子機器には、他の電子機器と共に一つの電源(コモン電源)から電力供給を受ける機種と、電子機器ごとに異なる電源(個別電源)から電力供給を受ける機種とがある。
【0004】
オペレータは、状況に応じて、一つの電源から複数の電子機器に電力を供給するか、電子機器ごとに別々の電源から電力を供給するかを選択したい場合がある。しかしながら、従来の電子機器には、上記の通り電子機器の機種に応じて電源との接続方法が制限されるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【0006】
本発明の態様は、信号の入出力を行う電子機器であって、前記信号の入出力を行う複数の処理回路と、複数の前記処理回路の各々に電力を供給するために、互いに異なる前記処理回路に接続された複数のコモン電力端子と、複数の前記処理回路の各々に電力を供給するために、互いに異なる前記処理回路に接続された複数の個別電力端子と、着脱可能に設けられ、複数の前記コモン電力端子を導通させる導通部材と、を備える。
【0007】
本発明によれば、電源への接続方法を容易に変更可能な電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る電子機器を含んで構成される通信システムを表す図である。
図2図2は、図1の電子機器の斜視図である。
図3図3は、図2の電子機器の信号処理モジュールを表す図である。
図4図4は、図3の信号処理モジュールに関し、導通部材を取り付けた状態を表す図である。
図5図5は、変形例1に係る導通部材が設けられた電子機器を表す図である。
図6図6は、図5とは別例であって、変形例1に係る導通部材が設けられた電子機器を表す図である。
図7図7は、変形例2に係る導通部材が設けられた電子機器の個別電力端子に電源を接続した状態を表す図である。
図8図8Aは、変形例3に係る電子機器を表す図である。図8Bは、図8Aの電子機器の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
図1は、実施の形態に係る電子機器10を含んで構成される通信システム12を表す図である。なお、図1の矢印は、説明に用いる各方向(前・後・左・右・上・下)を示す。前後方向と、左右方向と、上下方向とは、互いに直交する。他の図面の矢印は、特に断らない限り、図1の矢印に準ずる。
【0010】
通信システム12は、制御装置14と機器16との間で信号を伝送するシステムである。通信システム12は、通信カプラユニット18と、複数の電子機器10とを有する。通信カプラユニット18は、マスターユニットである。複数の電子機器は、通信カプラユニット18のスレーブユニットである。電子機器10は、例えばI/Oユニットである。
【0011】
通信カプラユニット18は、制御装置14に接続される。制御装置14は、例えば工作機械、ロボット等の機械装置を制御する電子装置である。通信カプラユニット18は、電子機器10に接続可能な接続端子をさらに備える。この接続端子は、通信カプラユニット18のうち電子機器10と隣り合う方向の部位に設けられる。なお、通信カプラユニット18の上記接続端子の図示は割愛する。
【0012】
複数の電子機器10の各々は、機器16に接続される。機器16は、例えばスイッチ等のアクチュエータである。アクチュエータは、例えば上記工作機械またはロボットに設けられる。アクチュエータは、電子機器10から入力される信号に応じて動作する。これに関し、機器16は、電子機器10と接続するための端子(外部端子)16aを有する。なお、機器16は、電子機器10を介して制御装置14に信号を出力してもよい。
【0013】
通信カプラユニット18と、複数の電子機器10とは、左右方向に沿って並べられる。ここで、通信カプラユニット18と、複数の電子機器10とは、所定の設置部材20上に設置される。設置部材20は、例えばDINレールである。図1の設置部材20は、左右方向に沿って延在する。また、設置部材20は、通信カプラユニット18と、複数の電子機器10との後方向に設置される。
【0014】
制御装置14と機器(複数の機器)16とは、通信システム12を介して接続される。制御装置14は、通信システム12を介して、機器16に信号を送信する。また、制御装置14は、通信システム12を介して、機器16から信号を受信する。通信カプラユニット18と電子機器10とは、制御装置14と機器16との間で信号が適切に送受信されるように、各々において信号処理を行う。通信カプラユニット18が行う信号処理の内容についての説明は、割愛する。
【0015】
図2は、図1の電子機器10の斜視図である。
【0016】
電子機器10は、通信カプラユニット18と、他の電子機器10との連設方向(左右方向)に薄い略平板状を有すると好ましい。これにより、通信システム12がコンパクトになる。電子機器10は、複数の被挿入部22と、複数の電源コネクタ24と、複数のコンタクタ26と、端部係合部28と、信号処理モジュール30と、導通部材32とを備える(図2参照)。
【0017】
複数の被挿入部22は、電子機器10の前側に設けられる。複数の被挿入部22には、複数の外部端子16a(図1参照)が挿入される。複数の被挿入部22の各々には、挿入された外部端子16aと導通する端子が適宜設けられる。なお、外部端子16aと導通する上記端子の図示は割愛する。
【0018】
複数の電源コネクタ24の各々は、外部電源と接続するためのコネクタである。複数の電源コネクタ24は、複数の被挿入部22と同じく電子機器10の前側に設けられる。電源コネクタ24の数は、後述する個別電力端子40(図3参照)の数と同数である。図1図2では、複数の電源コネクタ24は電子機器10の最下方に設けられているが、これに限定されない。
【0019】
複数のコンタクタ26の各々は、電子機器10が他ユニット100(図4も参照)と導通するための部材である。他ユニット100は、電子機器10に左右方向で隣り合う他の電子機器(10)、または通信カプラユニット(18)である。コンタクタ26は、電子機器10の左側と、電子機器10の右側とにそれぞれ1以上設けられる。なお、電子機器10の右側の図示は割愛した。複数のコンタクタ26は、電子機器10と他ユニット100との間で信号の入出力を行うための伝送路を構成する。
【0020】
端部係合部28は、電子機器10を設置部材20(図1参照)に係合させる。端部係合部28は、例えばツメ28aを有する。ツメ28aは、設置部材20と係合可能である。端部係合部28は、電子機器10のうち後方向の部位に設けられる。
【0021】
信号処理モジュール30は、複数の外部端子16aと、他ユニット100とのそれぞれに導通するモジュール(電子部品群、回路)である。信号処理モジュール30は、導通した他ユニット100との間で信号を入出力する。
【0022】
図3は、図2の電子機器10の信号処理モジュール30を表す図である。
【0023】
本実施の形態で例示する信号処理モジュール30は、回路基板34と、複数の処理回路36と、複数の信号出力端子38と、複数の個別電力端子40と、複数のコモン電力端子42とを有する。複数の処理回路36と、複数の信号出力端子38と、複数の個別電力端子40と、複数のコモン電力端子42とは、回路基板34に設けられている。
【0024】
複数の処理回路(通信回路)36の各々は、例えばドライバ回路と制御IC(Integrated Circuit)とを適宜含む。ドライバ回路は、供給される電力を用いて機器16に信号を出力する。制御ICは、ドライバ回路への電力の供給制御を行う。また、複数の処理回路(特に、制御IC)36の各々は、コンタクタ26を通じて他ユニット100から入力される信号の処理と、外部端子16aを通じて機器16から入力される信号の処理とを行う。なお、処理回路36のより具体的な構成についての説明は、割愛する。
【0025】
複数の処理回路36の数は、本実施の形態では例示のために2つとする。また、回路基板34は、一方の面(第1面)34aと、他方側の面(第2面)34bと、を有する。2つの処理回路36は、第1面34aと、第2面34bとに一つずつ設けられる。
【0026】
第1面34aに設けられる処理回路36は、以下において第1の処理回路36Aとも記載される。第2面34bに設けられる処理回路36は、以下において第2の処理回路36Bとも記載される。
【0027】
複数の信号出力端子38は、複数の被挿入部22に挿入された複数の外部端子16aと複数の処理回路36とを導通させるために設けられる。信号出力端子38の数は、被挿入部22の数と同数である。ただし、図が煩雑化することを避けるため、図3では図示する信号出力端子38の数を「4」とし、これ以外の信号出力端子38については図示を割愛した。
【0028】
複数の信号出力端子38は、複数の処理回路36と接続される。処理回路36一つ当たりに接続される信号出力端子38の数は特に限定されない。処理回路36ごとに接続される信号出力端子38の数が異なってもよい。ただし、全ての信号出力端子38は、複数の処理回路36のいずれかに接続される。
【0029】
複数の個別電力端子40の各々は、例えば電極パッドである。複数の個別電力端子40は、電源と導通するために設けられる。複数の個別電力端子40は、自身に対応して設けられた電源コネクタ24を通じて電源と導通する。
【0030】
複数の個別電力端子40は、互いに異なる処理回路36と導通する。複数の個別電力端子40は、第1の個別電力端子40Aと、第2の個別電力端子40Bとを有する。第1の個別電力端子40Aは、第1の処理回路36Aと導通する。第2の個別電力端子40Bは、第2の処理回路36Bと導通する。
【0031】
複数のコモン電力端子42の各々は、例えば電極パッドである。複数のコモン電力端子42は、互いに異なる処理回路36と導通する。複数のコモン電力端子42は、第1のコモン電力端子42Aと、第2のコモン電力端子42Bとを有する。第1のコモン電力端子42Aは、第1の処理回路36Aと導通する。第2のコモン電力端子42Bは、第2の処理回路36Bと導通する。
【0032】
第1のコモン電力端子42Aと第1の個別電力端子40Aとは、導線44aを介して導通する。導線44aと第1の処理回路36Aとは、導線44bを介して導通する。また、第2のコモン電力端子42Bと第2の個別電力端子40Bとは、導線44cを介して導通する。導線44cと第2の処理回路36Bとは、導線44dを介して導通する。
【0033】
図4は、図3の信号処理モジュール30に関し、導通部材32を取り付けた状態を表す図である。
【0034】
導通部材32は、電子機器10に着脱可能な部材である。導通部材32は、導電性を有する。導通部材32は、第1のコモン電力端子42Aと第2のコモン電力端子42Bとに接触する。これにより、第1のコモン電力端子42Aと第2のコモン電力端子42Bとは互いに導通する。
【0035】
導通部材32は、電子機器10の左側から露出する。これにより、導通部材32は、電子機器10の左方向に設置される他ユニット100(100L)と導通することができる。また、導通部材32は、電子機器10の右側からも露出する。これにより、導通部材32は、電子機器10の右方向に設置される他ユニット100(100R)と導通することができる。導通部材32は、電子機器10の左側と、電子機器10の右側とから、略対称的に露出する。ただし、導通部材32は、電子機器10の左側と、電子機器10の右側とから、非対称的に露出してもよい。
【0036】
図4の破線矢印は、電力供給の流れを簡単に例示する。この破線矢印が示すように、他ユニット100Lと導通部材32とが導通することにより、第1の処理回路36Aと第2の処理回路36Bとに、他ユニット100Lから電力を供給することができる。なお、導通部材32は、他ユニット100Rとも導通している。したがって、他ユニット100R(他ユニット100Rの処理回路)に、他ユニット100Lから導通部材32を介して電力を供給することもできる。また、第1の処理回路36Aと、第2の処理回路36Bと、他ユニット100L(他ユニット100Lの処理回路)とに、導通部材32を介して他ユニット100Rから電力が供給されてもよい。
【0037】
また、電子機器10から、他ユニット100Lと他ユニット100Rとに電力が供給されてもよい。つまり、複数の個別電力端子40と、他ユニット100Lと、他ユニット100Rとは、導通部材32を介して導通する。複数の個別電力端子40のうち1つが、電源コネクタ24を介して電源に接続される。これにより、その電源から、電子機器10を介して、他ユニット100Lと他ユニット100Rとに電力を供給することができる。
【0038】
導通部材32は、電子機器10から取り外されてもよい。この場合は、第1の個別電力端子40Aが電源に接続される。第1の個別電力端子40Aは、自身に対応する電源コネクタ24を通じて電源に接続される。これにより、第1の個別電力端子40Aに接続された電源は、第1の処理回路36Aに電力を供給することができる。また、第2の個別電力端子40Bは、自身に対応する電源コネクタ24を通じて別の電源に接続されてもよい。これにより、第2の個別電力端子40Bに接続された電源は、第2の処理回路36Bに電力を供給することができる。
【0039】
本実施の形態によれば、オペレータは、電源一つ当たりに接続される処理回路の数を容易に変更することができる。オペレータは、電子機器10に導通部材32を取り付けることで、1つの電源から複数の電子機器10に電力を供給させることが可能である。これはオペレータにしてみると、電源の必要点数を減らすことができる点で好ましい。また、電源の配線が簡潔になる点でも、オペレータにとって好ましい。一方、オペレータは、導通部材32を取り外してもよい。これにより、オペレータは、複数の処理回路36を複数のグループに分散させることができる。複数の処理回路36は、グループ単位で互いに異なる電源から電力供給を受ける。これにより、例えば一つの電源に異常が発生した場合であっても、その電源以外の電源に対応するグループの処理回路36は、動作を続行することができる。つまり、通信システム12の可用性が確保される。
【0040】
[変形例]
以下、実施の形態に係る変形例が、いくつか具体例を挙げて説明される。ただし、実施の形態で既に説明した構成要素には実施の形態と同一の符号が付される。また、以下では実施の形態との相違点を主に説明することとし、重複する説明はできるだけ省略する。
【0041】
(変形例1)
図5は、変形例1に係る導通部材32A(32)が設けられた電子機器10を表す図である。
【0042】
導通部材32Aは、他ユニット100Lと他ユニット100Rとのうち一方と、電子機器10の複数の処理回路36とに導通する部材である。図5の例示において、導通部材32Aは、他ユニット100Lと、電子機器10の複数の処理回路36とに導通する。この場合、導通部材32Aを備える電子機器10は、他ユニット100Lから電力供給を受けることができる。ただし、電子機器10から他ユニット100Lに電力が供給されてもよい。他ユニット100Rは、電子機器10と他ユニット100Lとに電力を供給する電源とは別の電源に接続される。
【0043】
図6は、図5とは別例であって、変形例1に係る導通部材32Aが設けられた電子機器10を表す図である。
【0044】
他ユニット100Rと、電子機器10の複数の処理回路36とが導通部材32Aを介して導通する場合、導通部材32Aを備える電子機器10は、他ユニット100Rから電力供給を受けることができる。電子機器10から他ユニット100Rに電力が供給されてもよい。
【0045】
(変形例2)
図7は、変形例2に係る導通部材32B(32)が設けられた電子機器10の個別電力端子40に電源を接続した状態を表す図である。
【0046】
導通部材32Bは、電子機器10の複数の処理回路36(36A、36B)に導通し、且つ、他ユニット100に導通しない部材である。この場合、第1の個別電力端子40Aと第2の個別電力端子40Bとのうちのいずれか一方が、電源と接続される。これにより、第1の個別電力端子40Aと第2の個別電力端子40Bとの両方に、電源から電力が供給される。
【0047】
なお、実施の形態の導通部材32と、変形例1の導通部材32Aと、本変形例の導通部材32Bとのそれぞれがオペレータに提供されてもよい。
【0048】
(変形例3)
図8Aは、変形例3に係る電子機器10A(10)を表す図である。図8Bは、図8Aの電子機器10Aの分解図である。
【0049】
電子機器10Aは、複数のユニットに分離可能であってもよい。本変形例の電子機器10Aは、コネクタユニット(端子台)46と、ベースユニット48と、信号処理ユニット50とに分離可能である。コネクタユニット46と、信号処理ユニット50と、ベースユニット48とは、この順番で後方向に並ぶ(図8B)。
【0050】
コネクタユニット46は、複数の被挿入部22と、複数の電源コネクタ24とを有するユニットである。ベースユニット48は、複数のコンタクタ26と、端部係合部28とを有するユニットである。ベースユニット48には、導通部材32が着脱可能に設置される。信号処理ユニット50は、信号処理モジュール30を有するユニットである。電子機器10を複数のユニットに分割することで、電子機器10の保守と、メンテナンスとが行いやすくなる。
【0051】
導通部材32が設けられたベースユニット48と、導通部材32が設けられていないベースユニット48とが別個にオペレータに提供されてもよい。また、導通部材32を着脱可能なベースユニット48がオペレータに提供されてもよい。特に前者の場合、オペレータは、ベースユニット48を交換するだけで、電源への接続方法を容易に変更することができる。
【0052】
(変形例4)
電子機器10の分割は図8Aの例示に限定されない。例えばベースユニット48と信号処理ユニット50とは、一体的に構成されてもよい。また、信号処理ユニット50とコネクタユニット46とは、一体的に設けられてもよい。
【0053】
[実施の形態から得られる発明]
上記実施の形態および変形例から把握しうる発明が、以下に記載される。
【0054】
信号の入出力を行う電子機器(10)は、前記信号の入出力を行う複数の処理回路(36)と、複数の前記処理回路の各々に電力を供給するために、互いに異なる前記処理回路に接続された複数のコモン電力端子(42)と、複数の前記処理回路の各々に電力を供給するために、互いに異なる前記処理回路に接続された複数の個別電力端子(40)と、着脱可能に設けられ、複数の前記コモン電力端子を導通させる導通部材(32)と、を備える。
【0055】
これにより、電源への接続方法を容易に変更可能な電子機器が提供される。
【0056】
複数の個別電力端子の各々は、対応する前記処理回路に電力を供給するために、電源と前記処理回路とを接続する端子であってもよい。これにより、複数の個別電力端子に電源を接続することで、複数の処理回路に電力を供給することができる。
【0057】
前記導通部材は、第1方向で前記電子機器と隣り合う第1の他の電子機器(100L、100R)と導通し、前記第1の他の電子機器から供給された電力を複数の前記処理回路に供給してもよい。これにより、第1の他の電子機器から複数の処理回路に電力を供給することができる。
【0058】
前記導通部材は、前記第1方向とは逆向きの第2方向で前記電子機器と隣り合う第2の他の電子機器(100R、100L)と導通し、前記電力を前記第2の他の電子機器に供給してもよい。これにより、電子機器に電力を供給することで、第2の他の電子機器の処理回路に電力を供給することができる。
【0059】
前記導通部材は、複数の前記個別電力端子のうちの少なくとも1つから供給された電力を複数の前記処理回路に供給してもよい。これにより、必要な電源点数を削減することができる。
【0060】
前記導通部材は、所定の設置方向で前記電子機器と隣り合う他の電子機器(100R、100L)と導通し、前記電力を前記他の電子機器に供給してもよい。これにより、電子機器に電力を供給することで、他の電子機器の処理回路に電力を供給することができる。
【0061】
前記電子機器は、第1面(34a)と第2面(34b)とを有し、複数の前記処理回路が設けられた回路基板(34)を備え、複数の前記コモン電力端子は、前記第1面に設けられた1以上の第1の前記コモン電力端子と、前記第2面に設けられた1以上の第2の前記コモン電力端子とを有してもよい。
【0062】
前記電子機器は、複数の前記処理回路、複数の前記コモン電力端子、および複数の前記個別電力端子を有する信号処理ユニット(50)と、前記信号処理ユニットに対して着脱可能であり、前記導通部材を着脱可能に支持するベースユニット(48)と、に分割されてもよい。これにより、電子機器の保守、メンテナンスが行い易くなる。
【0063】
前記電子機器は、前記信号の入出力相手となる機器(16)と接続するための端子台(46)を有し、前記端子台には、複数の前記個別電力端子と複数の電源とを接続するためのコネクタ(24)が設けられてもよい。
【0064】
前記電子機器は、I/Oユニットであってもよい。
図1
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図7
図8