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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-02
(45)【発行日】2024-09-10
(54)【発明の名称】コンデンサユニットおよび電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/02 20060101AFI20240903BHJP
   H01G 2/04 20060101ALI20240903BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20240903BHJP
   H01G 4/224 20060101ALI20240903BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01G2/02 101E
H01G2/04
H01G2/10 A
H01G4/32 301F
H01G4/38 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023549612
(86)(22)【出願日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 JP2023007371
【審査請求日】2023-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 啓司
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-3187(JP,A)
【文献】特開2017-11056(JP,A)
【文献】特開2021-9904(JP,A)
【文献】特開2008-34516(JP,A)
【文献】実開昭61-22330(JP,U)
【文献】実開昭57-3110(JP,U)
【文献】特開平9-308267(JP,A)
【文献】国際公開第2022/102097(WO,A1)
【文献】特表2017-532764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02 - 2/04
H01G 2/10
H01G 4/224
H01G 4/32
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサユニットであって、
第1の方向に延在する筒部を有する複数のコンデンサと、
前記複数のコンデンサを実装するハウジングと、
前記複数のコンデンサを前記ハウジングにそれぞれ固定するための複数の固定部材とを備え、各固定部材は、前記筒部に装着される帯状の主部と、前記主部の延在方向の両端部に接合される一対のヒレ部とを有し、
前記複数のコンデンサは、複数の第1のコンデンサを含み、
前記複数の固定部材は、前記複数の第1のコンデンサにそれぞれ対応する複数の第1の固定部材を含み、
前記ハウジングは、前記複数の第1のコンデンサを実装する第1のベース部材を含み、
前記第1のベース部材は、
前記第1の方向に直交する第2の方向に延在し、前記第2の方向を整列方向として前記複数の第1のコンデンサが配置される第1の底板部と、
前記第1の底板部の、前記第1の方向および前記第2の方向の各々に直交する第3の方向における端部に接合され、前記第1の底板部から前記第1の方向に立設する第1の側板部とを含み、
各前記複数の第1の固定部材の前記一対のヒレ部が前記第1の側板部に取り付けられることにより、前記複数の第1のコンデンサが前記第1のベース部材に固定され、
前記第1の側板部において、
前記整列方向の奇数列の第1の固定部材は、前記第1の方向の位置が互いに等しく、
前記整列方向の偶数列の第1の固定部材は、前記第1の方向の位置が互いに等しく、かつ、前記奇数列の第1の固定部材とは、前記第1の方向の位置が異なり、
前記第2の方向に隣り合う2個の第1の固定部材のヒレ部同士は、前記第1の方向に並ぶように配置される、コンデンサユニット。
【請求項2】
前記2個の第1のコンデンサの間には第1の隙間が形成され、
前記第3の方向からみた平面視において、前記2個の第1の固定部材のヒレ部は、前記第1の隙間に位置する、請求項1に記載のコンデンサユニット。
【請求項3】
前記第1の底板部には、前記第1の底板部を厚み方向に貫通する複数の第1の開口部が形成され、
前記第1の方向からみた平面視において、前記複数の第1の開口部の各々は、前記第1の隙間と重なる位置に形成される、請求項2に記載のコンデンサユニット。
【請求項4】
前記第1の底板部は、
前記複数の第1のコンデンサが載置される、矩形平板状の第1の実装部と、
矩形平板状の第1の固定部と、
前記第1の実装部と前記第1の固定部とを繋ぐ、矩形平板状の第1の連結部とを含み、
前記第1の実装部と前記第1の固定部とは、前記第1の方向からみた平面視において、前記第3の方向に並べて配置され、
前記第1の連結部は、前記第1の実装部および前記第1の固定部に対して直交し、
前記第1の実装部の前記第1の方向の位置は、前記第1の固定部の前記第1の方向の位置よりも高い、請求項1に記載のコンデンサユニット。
【請求項5】
前記複数のコンデンサは、複数の第2のコンデンサをさらに含み、
前記複数の固定部材は、前記複数の第2のコンデンサにそれぞれ対応する複数の第2の固定部材をさらに含み、
前記ハウジングは、前記複数の第2のコンデンサを実装する第2のベース部材をさらに含み、
前記第2のベース部材は、
前記第2の方向に延在し、前記第2の方向を整列方向として前記複数の第2のコンデンサが配置される第2の底板部と、
前記第2の底板部の、前記第3の方向における端部に接合され、前記第2の底板部から前記第1の方向に立設する第2の側板部とを含み、
各前記複数の第2の固定部材の前記一対のヒレ部が前記第2の側板部に取り付けられることにより、前記複数の第2のコンデンサが前記第2のベース部材に固定され、
前記第1の側板部の前記複数の第1の固定部材が取り付けられる面とは反対の面と、前記第2の側板部の前記複数の第2の固定部材が取り付けられる面とは反対の面とが面接触するように、前記第1の側板部と前記第2の側板部とは接合され、
前記第2の底板部において、
前記整列方向の奇数列の第2の固定部材は、前記第1の方向の位置が互いに等しく、
前記整列方向の偶数列の第2の固定部材は、前記第1の方向の位置が互いに等しく、かつ、前記奇数列の第2の固定部材とは、前記第1の方向の位置が異なり、
前記第2の方向に隣り合う2個の第2の固定部材のヒレ部同士は、前記第1の方向に並ぶように配置され、
同列の前記第2の固定部材と前記第1の固定部材とは、前記第2の方向の位置が等しく、かつ、前記第1の方向の位置が異なる、請求項1から4のいずれか1項に記載のコンデンサユニット。
【請求項6】
前記2個の第2の第2のコンデンサの間には第2の隙間が形成され、
前記第3の方向からみた平面視において、前記2個の第2の固定部材のヒレ部は、前記第2の隙間に位置する、請求項5に記載のコンデンサユニット。
【請求項7】
前記第2の底板部には、前記第2の底板部を厚み方向に貫通する複数の第2の開口部が形成され、
前記第1の方向からみた平面視において、前記複数の第2の開口部の各々は、前記第2の隙間と重なる位置に形成される、請求項6に記載のコンデンサユニット。
【請求項8】
前記第2の底板部は、
前記複数の第2のコンデンサが載置される、矩形平板状の第2の実装部と、
矩形平板状の第2の固定部と、
前記第2の実装部と前記第2の固定部とを繋ぐ、矩形平板状の第2の連結部とを含み、
前記第2の実装部と前記第2の固定部とは、前記第1の方向からみた平面視において、前記第3の方向に並べて配置され、
前記第2の連結部は、前記第2の実装部および前記第2の固定部に対して直交し、
前記第2の実装部の前記第1の方向の位置は、前記第2の固定部の前記第1の方向の位置よりも高い、請求項5に記載のコンデンサユニット。
【請求項9】
前記第1の側板部は、
前記第2の側板部に接合される、矩形平板状の第3の固定部と、
前記複数の第1の固定部材が取り付けられる、矩形平板状の接続部と、
前記第3固定部と前記接続部とを繋ぐ、矩形平板状の第3の連結部とを含み、
前記第3の固定部、前記第3の連結部および前記接続部は、前記第3の方向からみた平面視において、前記第1の方向に並べて配置され、
前記第3の連結部と前記第3の固定部とは鈍角を形成し、前記第3の連結部と前記接続部とは鈍角を形成し、かつ、前記第3の連結部と前記接続部とが形成する角度は、前記第3の連結部と前記第3の固定部が形成する角度と等しい、請求項5に記載のコンデンサユニット。
【請求項10】
前記第2の側板部には、前記第2の側板部を厚み方向に貫通する複数の第3の貫通孔が形成され、
前記第3の固定部には、前記複数の第3の貫通孔にそれぞれ重なる複数の第4の貫通孔が形成される、請求項9に記載のコンデンサユニット。
【請求項11】
請求項1に記載のコンデンサユニットと、
複数の素子ユニットと、
前記コンデンサユニットおよび前記複数の素子ユニットを前記第1の方向に積層して収容する筐体とを備える、電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンデンサユニットおよび電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006-173417号公報(特許文献1)には、電力変換装置などに用いられる円筒型電界コンデンサをコンデンサ取付体に固定するためのコンデンサ取付保持具が開示されている。コンデンサ取付保持具は、円板上の底部と、当該底部から立設され、コンデンサを保持する空間を囲んで環状に配設された複数の保持部片とを有する。底部には、固定用取付穴を有する突起からなる複数の取付部が設けられている。複数の取付部は、底部から径方向外方に突出している。コンデンサ取付保持具は、複数の取付部の固定用取付穴に嵌合する保持具固定用ねじによって、コンデンサ取付体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-173417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、コンデンサ取付保持具の外周部分に、複数の取付部をコンデンサ取付体にねじ止めするためのスペースが必要となる。そのため、隣り合うコンデンサとの間にこのスペース分の隙間を確保することが必要となる。したがって、複数のコンデンサを備えたコンデンサユニットにおいては、コンデンサの個数に比例してコンデンサ取付保持具の個数が増えるに従って、コンデンサユニットの占有面積が大きくなってしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のコンデンサを有するコンデンサユニットにおいて、各コンデンサに対する作業性を確保しつつ、小型化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るコンデンサユニットは、第1の方向に延在する筒部を有する複数のコンデンサと、複数のコンデンサを実装するハウジングと、複数のコンデンサをハウジングにそれぞれ固定するための複数の固定部材とを備える。各固定部材は、筒部に装着される帯状の主部と、主部の延在方向の両端部に接合される一対のヒレ部とを有する。複数のコンデンサは、複数の第1のコンデンサを含む。複数の固定部材は、複数の第1のコンデンサにそれぞれ対応する複数の第1の固定部材を含む。ハウジングは、複数の第1のコンデンサを実装する第1のベース部材を含む。第1のベース部材は、第1の底板部と、第1の側板部とを含む。第1の底板部は、第1の方向に直交する第2の方向に延在し、第2の方向を整列方向として複数の第1のコンデンサが配置される。第1の側板部は、第1の底板部の、第1の方向および第2の方向の各々に直交する第3の方向における端部に接合され、第1の底板部から第1の方向に立設する。各複数の第1の固定部材の一対のヒレ部が第1の側板部に取り付けられることにより、複数の第1のコンデンサが第1のベース部材に固定される。第1の側板部において、整列方向の奇数列の第1の固定部材は、第1の方向の位置が互いに等しい。整列方向の偶数列の第1の固定部材は、第1の方向の位置が互いに等しく、かつ、奇数列の第1の固定部材とは、第1の方向の位置が異なる。第2の方向に隣り合う2個の第1の固定部材のヒレ部同士は、第1の方向に並ぶように配置される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数のコンデンサを有するコンデンサユニットにおいて、各コンデンサに対する作業性を確保しつつ、小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に従う電力変換装置の構成例を示す概略的な外観図である。
図2】無停電電源装置の構成を示す回路図である。
図3】コンデンサユニットの外観図である。
図4】コンデンサユニットの上面図である。
図5】コンデンサユニットの正面図である。
図6】コンデンサユニットの側面図である。
図7】コンデンサユニットの側面図である。
図8】固定部材の構成例を示す図である。
図9】ベース部材の斜視図である。
図10】ベース部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さないものとする。
【0010】
<電力変換装置の構成例>
図1は、本開示の実施の形態に従う電力変換装置の構成例を示す概略的な外観図である。本実施の形態に従う電力変換装置は、代表的には、無停電電源装置100に適用することができる。無停電電源装置100は、商用電源などの交流電源と負荷との間に接続される。無停電電源装置100は、通常時には交流電源から供給される交流電力により、負荷に電力を供給する。交流電源が停電した場合には、無停電電源装置100は、蓄電装置から供給される直流電力により、負荷に電力を供給する。
【0011】
図1に示すように、無停電電源装置100は、盤形状(直方体形状)の筐体110と、複数のユニット1~7と、ファン8とを備える。以下の説明では、筐体110を正面側から見たときの左右方向(水平方向)をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、鉛直方向をZ軸方向とする。Z軸方向は「第1の方向」の一実施例に対応し、Y軸方向は「第2の方向」の一実施例に対応し、X軸方向は「第3の方向」の一実施例に対応する。
【0012】
なお、+X方向はX軸方向を右側に進む方向であり、-X方向は+X方向とは反対方向である。+Y方向は無停電電源装置100の正面から背面に向かう方向であり、-Y方向は+Y方向とは反対方向である。+Z方向はZ軸方向を上方に進む方向であり、-Z方向は+Z方向とは反対方向である。
【0013】
筐体110は、複数のユニット1~7を収容する。筐体110は、-Y方向に開口する開口部111と、開口部111を覆う前面カバー(図示せず)とを有する。前面カバーは、開口部111を開閉可能に設けられている。前面カバーには、筐体110の外部の空気を筐体110内に導入するための通風口が形成されている。
【0014】
複数のユニット1~7は、略直方体の形状を有しており、Z軸方向に互いに間隔をあけて積み重ねられている。複数のユニット1~7は、複数のコンデンサが含まれるコンデンサユニット1と、コンデンサ以外の素子が含まれる素子ユニット2~7とを含む。素子ユニット2~7は、チョッパ回路2、電力変換器(以下、「コンバータユニット」とも称する)3~5、制御装置6、および遮断器ユニット7を含む。コンデンサユニット1および素子ユニット2~7の構成については後述する。
【0015】
複数のユニット1~7は、開口部111を通じて筐体110の外部から筐体110の内部に挿入される。複数のユニット1~7の各々は、保守点検および新品への交換が容易となるように、Y軸方向に挿脱可能に設けられている。
【0016】
ファン8は、筐体110の上面に配置されている。ファン8は、筐体110内部の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を筐体110の外部に排気する。これにより、筐体110の前面カバーの通気口を通じて筐体100内部に空気が導入され、この導入された空気が複数のユニット1~7を通過することによって、複数のユニット1~7の放熱が促進される。複数のユニット1~7を通過することによって暖められた空気は、筐体110の外部に排気される。
【0017】
図2は、無停電電源装置100の構成を示す回路図である。図2に示すように、無停電電源装置100は、チョッパ回路2と、コンバータユニット3~5と、制御装置6と、ファン8と、コンデンサC1,C2と、遮断器CB1~CB3と、リアクトルL1~L3と、スイッチSWとを備える。無停電電源装置100は、蓄電装置104と接続されている。無停電電源装置100は、交流電源102と三相三線式で接続され、負荷106と三相四線式で接続されている。
【0018】
コンバータユニット3~5は、U相、V相およびW相にそれぞれ対応して設けられている。コンバータユニット3~5の各々は、コンバータCNVおよびインバータINVを有する。
【0019】
交流電源102から入力された三相交流電力は、遮断器CB1およびリアクトルL2を順次に介して、相ごとにコンバータユニット3~5に入力される。コンバータユニット3~5は、入力された三相交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を負荷106に供給する三相交流電力に変換する。コンバータユニット3~5は、変換した三相交流電力をリアクトルL3および遮断器CB3を順次に介して、負荷106およびファン8に出力する。ファン8の入力側にはスイッチSWが設けられている。
【0020】
無停電電源装置100の入力側の各相は、コンデンサC1を介して無停電電源装置100の出力側の中性点と接続されている。無停電電源装置100の出力側の各相は、コンデンサC2を介して、無停電電源装置100の出力側の中性点と接続されている。
【0021】
蓄電装置104は、交流電源102の停電時に電力を供給するためのエネルギーを蓄える。交流電源102の停電時、蓄電装置104から出力された直流電力は、遮断器CB2およびリアクトルL1を順次に介してチョッパ回路2に供給される。
【0022】
チョッパ回路2は、蓄電装置104から与えられた直流電圧を昇圧して、コンバータユニット3~5の各々の直流リンクに直流電力を供給する。蓄電装置104を充電する場合、チョッパ回路2は、コンバータユニット3~5の直流リンクより入力された直流電力により蓄電装置104を充電するように動作する。チョッパ回路2およびコンバータユニット3~5の各々は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体スイッチング素子で構成される電気回路を有する。
【0023】
制御装置6は、無停電電源装置100全体の動作を制御する。制御装置6は、交流電源102の停電が発生したか否かを検出し、検出結果に応じてチョッパ回路2およびコンバータユニット3~5の動作を制御する。制御装置6はさらに、遮断器CB1~CB3およびスイッチSWのオンオフを制御する。
【0024】
コンデンサC1,C2は、図1に示すコンデンサユニット1に収納されている。リアクトルL1~L3は、図示は省略するが、筐体110内部において、コンバータユニット3~5が実装されている空間の背面側の空間に設置されている。遮断器CB1~CB3は、図1に示す遮断器ユニット7に収納されている。
【0025】
図1の例では、W相のコンバータユニット5の上にV相のコンバータユニット4が設置され、V相のコンバータユニット4の上にU相のコンバータユニット3が設置され、U相のコンバータユニット3の上にチョッパ回路2が設置されている。
【0026】
コンデンサユニット1は、チョッパ回路2の上に設置されている。制御装置6および遮断器ユニット7は、コンデンサユニット1の上に設置されている。
【0027】
なお、図1では、素子ユニット2~7として、図2に示したチョッパ回路2、コンバータユニット3~5、制御装置6および遮断器ユニット7が実装されている構成例を示したが、この他にも無停電電源装置100内には、図2に示す電気回路を構成する素子および機器などが実装されている。
【0028】
<コンデンサユニットの構成例>
図3は、図1に示したコンデンサユニット1の外観図である。図3に示す外観図は、コンデンサユニット1を筐体110の正面側から見た斜視図である。
【0029】
図3に示すように、コンデンサユニット1は、複数のコンデンサ10と、ベース部材20,30,40とを含んで構成される。複数のコンデンサ10には、図2に示したコンデンサC1,C2が含まれている。
【0030】
各コンデンサ10は、円筒形状を有する筒部11と、筒部11の一方端に設けられた蓋部12と、蓋部12上に形成された正極端子13および負極端子14とを有する。筒部11の形状は円筒に限定されない。複数のコンデンサ10は、端子13,14が上端に位置するように、ベース部材20,30,40上に実装される。ベース部材20,30,40は、X軸方向に隣り合うベース部材同士が連結されることによって一体化されて、複数のコンデンサ10を収容するためのハウジング15を構成する。
【0031】
ベース部材20は、矩形平板状の底板部21と、矩形平板状の側板部23,22とを有する。ベース部材20は、例えば、板金部品が折り曲げられることによって形成される。ベース部材20は「第1のベース部材」の一実施例に対応する。
【0032】
底板部21は、Y軸方向に延在する。底板部21は、コンデンサ10が実装される部分である。底板部21上には、複数(図3では4個)のコンデンサ10がY軸方向に整列するように配置されている。複数のコンデンサ10の各々は「第1のコンデンサ」の一実施例に対応する。底板部21は「第1の底板部」の一実施例に対応する。
【0033】
側板部23は、底板部21の+X軸方向における第1端部に接合され、底板部21からZ軸方向に立設されている。側板部23は、Y軸方向に延在する。側板部23には、コンデンサ10をベース部材20に固定するための固定部材70が取り付けられる。側板部23は「第1の側板部」の一実施例に対応する。
【0034】
側板部22は、底板部21の-X軸方向における第2端部に接合され、底板部21に対して垂直に突出している。
【0035】
ベース部材30は、矩形平板状の底板部31と、矩形平板状の側板部33,32とを有する。ベース部材30は、例えば、板金部品が折り曲げられることによって形成される。ベース部材30は「第2のベース部材」の一実施例に対応する。
【0036】
底板部31は、Y軸方向に延在する。底板部31は、コンデンサ10が実装される部分である。底板部31には、複数(図3では3個)のコンデンサ10がY軸方向に整列するように配置されている。複数のコンデンサ10の各々は「第2のコンデンサ」の一実施例に対応する。底板部31は「第2の底板部」の一実施例に対応する。
【0037】
側板部33は、底板部31の-X軸方向における第1端部に接合され、底板部31からZ軸方向に立設されている。側板部33は、Y軸方向に延在する。側板部33には、コンデンサ10をベース部材30に固定するための固定部材70が取り付けられる。側板部33は「第2の側板部」の一実施例に対応する。
【0038】
側板部33は、側板部33の固定部材70が取り付けられる面とは反対の面と、側板部23の固定部材70が取り付けられる面とは反対の面とが面接触するように配置される。側板部33は、リベットなどの締結部材により側板部23に接合される。底板部21と底板部31とはZ軸方向の位置が同じである。側板部33は、側板部23よりもZ軸方向の長さが短い。
【0039】
側板部32は、底板部31の+X軸方向における第2端部に接合され、底板部31に対して垂直に突出している。
【0040】
ベース部材40は、矩形平板状の底板部41と、矩形平板状の側板部43,42とを有する。ベース部材40は、例えば、板金部品が折り曲げられることによって形成される。底板部41は、Y軸方向に延在する。底板部41は、コンデンサ10が実装される部分である。底板部41には、複数(図3では4個)のコンデンサ10がY軸方向に整列するように配置されている。
【0041】
側板部43は、底板部41の-X軸方向における第1端部に接合され、底板部41からZ軸方向に立設されている。側板部43は、Y軸方向に延在する。側板部43には、コンデンサ10をベース部材40に固定するための固定部材70が取り付けられる。側板部43は、側板部43の固定部材70が取り付けられる面とは反対の面と、側板部32とが面接触するように配置される。側板部43は、リベットなどの締結部材により側板部32に接合される。底板部31と底板部41とはZ軸方向の位置が同じである。すなわち、底板部21、底板部31および底板部41はZ軸方向の位置が同じである。側板部43は、側板部32よりもZ軸方向の長さが長い。
【0042】
側板部42は、底板部41の+X軸方向における第2端部に接合され、底板部41に対して垂直に突出している。
【0043】
ハウジング15のZ軸方向上方には、複数の矩形平板状のブスバー50が配設される。複数のブスバー50は、コンデンサユニット1をコンバータユニット3~5と電気的に接続するための金属導体である。各ブスバー50は、Y軸方向に延在する。各ブスバー50には、ブスバー50を厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、Y軸方向に沿って並べて形成されている。各コンデンサ10の正極端子13および負極端子14は、図示しない配線部材によって、対応するブスバー50に接続される。
【0044】
各ブスバー50のY軸方向における両端部は、X軸方向に垂直に折り曲げられている。各ブスバー50の両端部は、碍子52により一対の支持部材54に取り付けられる。碍子52は、絶縁性の材料により形成されている。一対の支持部材54は、矩形平板状に形成されており、X軸方向に延在する。一対の支持部材54は、Y軸方向に対向するように配置されている。複数のブスバー50は、一対の支持部材54により支持されている。
【0045】
<コンデンサの実装構造>
次に,図4から図7を参照して、コンデンサユニット1におけるコンデンサ10の実装構造について説明する。
【0046】
図4は、コンデンサユニット1におけるコンデンサ10の配置の一例を示す上面図である。図5は、図4に示すコンデンサユニット1を正面(-Y軸方向)からみた正面図である。図6は、図4に示すコンデンサユニット1を図中左方向(-X軸方向)からみた側面図である。図7は、図4に示すコンデンサユニット1を図中右方向(+X軸方向)からみた側面図である。図4から図7では、実装構造の理解を容易にするために、ハウジング15のうちのベース部材20,30のみを記載している。
【0047】
図4に示すように、ベース部材20の底板部21上には、4個のコンデンサ10がY軸方向に整列するように配置されている。以下の説明では、コンデンサユニット1の最前列(1列目)に配置されるコンデンサ10を「コンデンサ10_1」とも称し、2列目に配置されるコンデンサ10を「コンデンサ10_2」とも称し、3列目に配置されるコンデンサ10を「コンデンサ10_3」とも称し、4列目に配置されるコンデンサ10を「コンデンサ10_4」とも称する。
【0048】
Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10の間には隙間が設けられている。この隙間は、各コンデンサ10の取り付けおよび取り外しの作業性を確保するために設けられている。底板部21には、Z軸方向からみた平面視において、この隙間と重なる位置に開口部210が形成されている。開口部210は、底板部21を厚み方向に貫通する。開口部210は、後述するように、通気孔として機能し得る。開口部210は「第1の開口部」の一実施例に対応する。
【0049】
ベース部材30の底板部31上には、3個のコンデンサ10がY軸方向に整列するように配置されている。Y軸方向に隣り合う2つのコンデンサの間には隙間が設けられている。底板部31には、Z軸方向からみた平面視において、この隙間と重なる位置に開口部310が形成されている。開口部310は、底板部31を厚み方向に貫通する。開口部310は、後述するように、通気孔として機能し得る。開口部310は「第2の開口部」の一実施例に対応する。
【0050】
底板部21上のコンデンサ10_1と底板部31上のコンデンサ10_1とは、側板部23,33を隔ててX軸方向に沿って並べて配置されている。2個のコンデンサ10_2もX軸方向に沿って並べて配置されている。2個のコンデンサ10_3もX軸方向に沿って並べて配置されている。このようにハウジング15にY軸方向およびX軸方向に沿って複数のコンデンサ10を行列状に並べて配置することにより、コンデンサユニット1の占有面積を小さくすることができる。
【0051】
図5から図7に示すように、各コンデンサ10は、固定部材70によってベース部材20,30に固定される。図8は、固定部材70の構成例を示す図である。図8に示すように、固定部材70は、U字形状を有する主部72と、一対のヒレ部74とを有する。
【0052】
主部72は、帯状の素材が曲げ加工されることにより形成されている。主部72は、第1の表面である内表面72aと、第2の表面である外表面72bとを有する。
【0053】
一対のヒレ部74は、主部72の延在方向における両端部に接合される。各ヒレ部74は、矩形平板状の形状を有し、主部72の端部に対して垂直に突出している。一対のヒレ部74は、同一平面上に設けられている。各ヒレ部74には、ヒレ部74を厚み方向に貫通する貫通孔76が形成されている。
【0054】
固定部材70は、主部72がコンデンサ10の筒部11を取り囲むように、コンデンサ10に装着される。主部72の内表面72aは、筒部11の側面に面接触する。コンデンサ10が底板部21に載置された状態で一対のヒレ部74が側板部23に取り付けられることにより、コンデンサ10がベース部材20に固定される。同様に、コンデンサ10が底板部31に載置された状態で一対のヒレ部74が側板部33に取り付けられることにより、コンデンサ10がベース部材30に固定される。
【0055】
図5には、2個のコンデンサ10_1が固定部材70によってベース部材20,30にそれぞれ固定されている様子が示されている。以下の説明では、コンデンサ10_1に取り付けられる1列目の固定部材70を「固定部材70_1」とも称し、コンデンサ10_2に取り付けられる2列目の固定部材70を「固定部材70_2」とも称し、コンデンサ10_3に取り付けられる3列目の固定部材70を「固定部材70_3」とも称し、コンデンサ10_4に取り付けられる4列目の固定部材70を「固定部材70_4」とも称する。
【0056】
図5に示すように、側板部23に接合される固定部材70_1のZ軸方向の位置と、側板部33に接合される固定部材70_1のZ軸方向の位置とは異なっている。すなわち、2個の固定部材70_1は、Z軸方向にずらして配置されている。なお、2個の固定部材70_1のY軸方向の位置は同じである。
【0057】
図6には、4個のコンデンサ10が4個の固定部材70によってそれぞれベース部材20に固定されている様子が示されている。図6に示すように、Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10の一方のコンデンサ10に取り付けられる固定部材70のZ軸方向の位置と、他方のコンデンサ10に取り付けられる固定部材70のZ軸方向の位置とは異なっている。すなわち、Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10にそれぞれ取り付けられる2個の固定部材70は、Z軸方向にずらして配置されている。
【0058】
さらに、固定部材70_1のZ軸方向の位置と、固定部材70_3のZ軸方向の位置とは同じである。また、固定部材70_2のZ軸方向の位置と、固定部材70_4のZ軸方向の位置とは同じである。すなわち、偶数列の固定部材70のZ軸方向の位置は互いに等しく、奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置は互いに等しい。そして、偶数列の固定部材70のZ軸方向の位置と、奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置とは異なっている。
【0059】
側板部23には、側板部23を厚み方向に貫通する複数の貫通孔290,292が形成されている(図9参照)。複数の貫通孔290,292は、4個の固定部材70の取り付け位置に対応するように形成されている。1つの固定部材70の一対のヒレ部74に形成された貫通孔76と、当該固定部材70に対応して側板部23に形成された一対の貫通孔とは、互いに重なり、それぞれ同心に配置される。互いに重なる2つの貫通孔に挿通されるネジなどの締結部材によって、当該固定部材70が側板部23に取り付けられる。これにより、コンデンサ10がベース部材20に固定される。
【0060】
奇数列の固定部材70と偶数列の固定部材70とは、お互いのヒレ部74がZ軸方向に並ぶように配置されている。具体的には、固定部材70_1の+Y軸方向における第1ヒレ部74_1と、固定部材70_2の-Y軸方向における第1ヒレ部74_2とはZ軸方向に並ぶように配置されている。固定部材70_2の+Y軸方向における第2ヒレ部74_2と、固定部材70_3の-Y軸方向における第1ヒレ部74_3とはZ軸方向に並ぶように配置されている。固定部材70_3の+Y軸方向における第2ヒレ部74_3と、固定部材70_4の-Y軸方向における第1ヒレ部74_4とはZ軸方向に並ぶように配置されている。
【0061】
このような配置とすることにより、4個の固定部材70をY軸方向に一列に並べて側板部23に取り付ける構成に比べて、側板部23のY軸方向の長さを短くすることができる。すなわち、Z軸方向に並んで配置される2個のヒレ部74のオーバーラップ長さの総和分だけ側板部23のY軸方向の長さを短くすることができる。これによると、ベース部材20に実装されるコンデンサ10の数の増加によってベース部材20がY軸方向に大きくなることを抑えることができる。
【0062】
さらに、Z軸方向に並ぶ2個のヒレ部74は、X軸方向(紙面垂直方向)からみた平面視において、Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10の間の隙間に位置している。この隙間は、2個のヒレ部74への締結部材の取り付けおよび取り外しを行うことができる最小の間隔に設定することができる。これによると、コンデンサ10の取り付けおよび取り外しの作業性を確保しつつ、コンデンサユニット1の小型化を実現することができる。
【0063】
図7には、3個のコンデンサ10が3個の固定部材70によってそれぞれベース部材30に固定されている様子が示されている。図6と同様に、図7においても、奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置は互いに等しい。偶数列の固定部材70のZ軸方向の位置と、奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置とは異なっている。なお、各列の2個の固定部材70のY軸方向の位置は同じである。
【0064】
側板部33には、側板部33を厚み方向に貫通する複数の貫通孔330,332が形成されている(図10参照)。さらに、側板部33に面接触する側板部23には、側板部23を厚み方向に貫通する複数の貫通孔270が形成されている(図9参照)。側板部33に形成される複数の貫通孔330,332と、側板部23に形成される複数の貫通孔270とは、互いに重なり、それぞれ同心に配置される。
【0065】
側板部33に形成される複数の貫通孔330,332は、3個の固定部材70の取り付け位置に対応するように形成されている。1個の固定部材70の一対のヒレ部74に形成された貫通孔76と、当該固定部材70に対応して側板部33,23に形成された一対の貫通孔とは、互いに重なり、それぞれ同心に配置される。互いに重なる2つの貫通孔に挿通されるネジなどの締結部材によって、固定部材70が側板部33に取り付けられる。これにより、コンデンサ10がベース部材30に固定される。
【0066】
ベース部材30においても、ベース部材20と同様に、固定部材70_1の+Y軸方向における第1ヒレ部74と、固定部材70_2の-Y軸方向における第1ヒレ部74とはZ軸方向に並ぶように配置されている。固定部材70_2の+Y軸方向における第2ヒレ部74と、固定部材70_3の-Y軸方向における第1ヒレ部74とはZ軸方向に並ぶように配置されている。
【0067】
ここで、図6図7とを対比すると、側板部23に取り付けられる4個の固定部材70のZ軸方向の位置と、側板部33に取り付けられる3個の固定部材70のZ軸方向の位置とは異なっている。4個の固定部材70のZ軸方向の位置は、3個の固定部材70のZ軸方向の位置よりも高い。詳細には、側板部23に取り付けられる奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置が最も高い。側板部23に取り付けられる偶数列の固定部材70は、側板部23に取り付けられる奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置よりも低く、側板部33に取り付けられる奇数列の固定部材70のZ軸方向の位置よりも高い。側板部33に取り付けられる偶数列の固定部材70のZ軸方向の位置が最も低い。
【0068】
このように各列の2個のコンデンサ10にそれぞれ取り付けられる2個の固定部材70をZ軸方向にずらして配置することにより、側板部23に対する固定部材70の取り付け位置と、側板部33に対する固定部材70の取り付け位置とが重なることを回避することができる。これによると、図4に示したように、各列の2個のコンデンサ10をX軸方向に並べて配置することが可能となる。よって、複数のコンデンサ10をX軸方向およびY軸方向に沿って行列状に配置することができる。
【0069】
なお、Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10の間の隙間には、4個の固定部材70のヒレ部74がZ軸方向に並んで配置されることになる。そのため、各ヒレ部74への締結部材の取り付けおよび取り外しの作業性を確保することができる。
【0070】
<ベース部材の構成例>
次に、図9および図10を参照して、ベース部材20,30の構成例について詳細に説明する。
【0071】
図9は、-X軸方向からみたベース部材20,30の斜視図である。ベース部材20は、底板部21と、側板部22,23とを有する。底板部21は、実装部24と、連結部25と、固定部26とを有する。実装部24、連結部25および固定部26は、各々矩形平板状の形状を有しており、Y軸方向に延在する。
【0072】
実装部24には、複数のコンデンサ10が載置される。固定部26は、無停電電源装置100の筐体110に固定される。連結部25は、実装部24と固定部26とを繋いでいる。実装部24と固定部26とは、Z軸方向からみた平面視において、X軸方向に並べて配置されている。実装部24は「第1の実装部」の一実施例に対応し、固定部26は「第1の固定部」の一実施例に対応し、連結部25は「第1の連結部」の一実施例に対応する。
【0073】
実装部24の+X軸方向における第1端部は、側板部23に接合される。固定部26の-X軸方向における第1端部は、側板部22に接合される。実装部24の-X軸方向における第2端部と、固定部26の+X軸方向における第2端部とは、連結部25を介して繋ぎ合わされている。連結部25は、実装部24および固定部26に対して直交する。
【0074】
これにより、実装部24のZ軸方向の位置は、固定部26のZ軸方向の位置よりも高くなっている。すなわち、底板部21には、実装部24と固定部26との高低差による段差が設けられている。この段差により、コンデンサユニット1を筐体110内に収容したときに、実装部24の下面と筐体110の床面部との間に空間240が形成される。この空間240は、Y軸方向に延在し、コンデンサユニット1に導入された空気が通流する通気路として機能し得る。
【0075】
実装部24には、実装部24を厚み方向に貫通する、複数の開口部210が形成されている。図4で説明したように、各開口部210は、Z軸方向からみた平面視において、Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10の間の隙間と重なる位置に形成されている。このような構成とすることにより、図中に矢印で示すように、コンデンサユニット1の前面からコンデンサユニット1内に導入された空気は、空間240内を通流し、各開口部210を通じて2個のコンデンサ10の間の隙間を流れるという流路が形成される。この空気の流れによって、各コンデンサ10からの放熱を促進させることができる。
【0076】
側板部23は、固定部27と、連結部28と、接続部29とを有する。固定部27、連結部28および接続部29は、各々矩形平板状の形状を有しており、Y軸方向に延在する。固定部27は、リベットなどの締結部材60を用いて、ベース部材30の側板部33に接合される。固定部27は側板部33と略同じ形状を有している。接続部29には、図6に示したように、複数の固定部材70が取り付けられる。連結部28は、固定部27と接続部29とを繋いでいる。固定部27は「第3の固定部」の一実施例に対応し、接続部29は「接続部」の一実施例に対応し、連結部28は「第3の連結部」の一実施例に対応する。
【0077】
固定部27は、実装部24の+X軸方向における第1端部に接合され、実装部24に対して直交する。固定部27には、固定部27を厚み方向に貫通する複数の貫通孔270が形成されている。複数の貫通孔270は、側板部33に形成された複数の貫通孔330,332(図10参照)と互いに重なり、それぞれ同心に配置される。典型的には、貫通孔270,330,332は同一形状に形成される。
【0078】
接続部29は、X軸方向からみた平面視において、Z軸方向に並べて配置されている。接続部29は、実装部24に対して直交する。接続部29には、接続部29を厚み方向に貫通する複数の貫通孔290,292が形成されている。複数の貫通孔290は、Y軸方向に並べて形成されている。複数の貫通孔290は、奇数列の固定部材70を接続部29に取り付けるために用いられる。奇数列の固定部材70は、一対のヒレ部74の貫通孔76が貫通孔290と重なるように配置される。貫通孔76,290を貫通する締結部材を用いて、固定部材70が接続部29に取り付けられる。
【0079】
複数の貫通孔292は、偶数列の固定部材70を接続部29に取り付けるために用いられる。偶数列の固定部材70は、一対のヒレ部74の貫通孔76が貫通孔292と重なるように配置される。貫通孔76,292を貫通する締結部材を用いて、固定部材70が接続部29に取り付けられる。
【0080】
固定部27の+Z軸方向における第1端部と、接続部29の-Z軸方向における第1端部とは、連結部28を介して繋ぎ合わされている。連結部28と固定部27とは鈍角を形成している。連結部28と接続部29とは鈍角を形成している。連結部28と接続部29とが形成する角度は、連結部28と固定部27とが形成する角度と等しい。
【0081】
これにより、接続部29のX軸方向の位置は、固定部27のX軸方向の位置とは異なる。接続部29のX軸方向の位置は、固定部27のX軸方向の位置よりも、-X軸側に寄っている。接続部29のX軸方向の位置と固定部27のX軸方向の位置との差は、連結部28と固定部27とが形成する角度によって調整することができる。
【0082】
ベース部材20の底板部21上には、図4および図6で示したように、筒部11の側面が接続部29に接触するように4個のコンデンサ10が実装される。ベース部材30の底板部31上には、図4および図7で示したように、筒部11の側面が側板部33に接触するように3個のコンデンサ10が実装される。側板部33は固定部27に面接触しているため、接続部29と側板部33とをX軸方向に近接させることで、各列の2個のコンデンサ10をX軸方向に近接して配置することができる。ただし、コンデンサ10の形状によっては、各列の2個のコンデンサ10の蓋部12同士が衝突してしまう場合がある。このような場合には、図9のように、接続部29を固定部27から-X軸方向にずらして、接続部29を側板部33からX軸方向に離すことによって、各列の2個のコンデンサ10の蓋部12同士が衝突することを回避することができる。
【0083】
なお、各列の2個のコンデンサ10の蓋部12同士が衝突することがなければ、固定部27のX軸方向の位置と接続部29のX軸方向の位置とを等しくすることができる。すなわち、固定部27と接続部29とを同一平面上に設けることができる。
【0084】
図10は、+X軸方向からみたベース部材20,30の斜視図である。ベース部材30は、底板部31と、側板部32,33とを有する。底板部31は、実装部34と、連結部35と、固定部36とを有する。実装部34、連結部35および固定部36は、各々矩形平板状の形状を有しており、Y軸方向に延在する。実装部34は「第2の実装部」の一実施例に対応し、固定部36は「第2の固定部」の一実施例に対応し、連結部35は「第2の連結部」の一実施例に対応する。
【0085】
実装部34には、図4および図7に示したように、複数のコンデンサ10が載置される。固定部36は、無停電電源装置100の筐体110に固定される。連結部35は、実装部34と固定部36とを繋いでいる。実装部34と固定部36とは、Z軸方向からみた平面視において、X軸方向に並べて配置されている。
【0086】
実装部34の-X軸方向における第1端部は、側板部33に接合される。固定部36の+X軸方向における第1端部は、側板部32に接合される。実装部34の+X軸方向における第2端部と、固定部36の-X軸方向における第2端部とは、連結部35を介して繋ぎ合わされている。連結部35は、実装部34および固定部36に対して直交する。
【0087】
これにより、実装部34のZ軸方向の位置は、固定部36のZ軸方向の位置よりも高くなっている。すなわち、底板部31には、実装部34と固定部36との高低差による段差が設けられている。この段差により、コンデンサユニット1を筐体110内に収容したときに、実装部34の下面と筐体110の床面部との間に空間340が形成される。この空間340は、Y軸方向に延在し、コンデンサユニット1に導入された空気が通流する通気路として機能し得る。
【0088】
実装部34には、実装部34を厚み方向に貫通する、複数の開口部310が形成されている。図4で説明したように、各開口部310は、Z軸方向からみた平面視において、Y軸方向に隣り合う2個のコンデンサ10の間の隙間と重なる位置に形成されている。このような構成とすることにより、図中に矢印で示すように、コンデンサユニット1の前面からコンデンサユニット1内に導入された空気は、空間340内を通流し、各開口部310を通じて2個のコンデンサ10の間の隙間を流れるという流路が形成される。この空気の流れによって、各コンデンサ10からの放熱を促進させることができる。
【0089】
側板部33は、実装部34の-X軸方向における第1端部に接合され、実装部34に対して直交する。側板部33には、側板部33を厚み方向に貫通する複数の貫通孔330,332が形成されている。複数の貫通孔330,332は、固定部27に形成された複数の貫通孔270(図9参照)と互いに重なり、それぞれ同心に配置される。典型的には、貫通孔270,330,332は同一形状に形成される。貫通孔330,332は「第3の貫通孔」の一実施例に対応し、貫通孔270は「第4の貫通孔」の一実施例に対応する。
【0090】
複数の貫通孔330は、Y軸方向に並べて形成されている。複数の貫通孔330は、奇数列の固定部材70を側板部33に取り付けるために用いられる。奇数列の固定部材70は、一対のヒレ部74の貫通孔76が貫通孔330と重なるように配置される。貫通孔76,330を貫通する締結部材を用いて、固定部材70が側板部33に取り付けられる。
【0091】
複数の貫通孔332は、偶数列の固定部材70を側板部33に取り付けるために用いられる。偶数列の固定部材70は、一対のヒレ部74の貫通孔76が貫通孔332と重なるように配置される。貫通孔76,332を貫通する締結部材を用いて、固定部材70が側板部33に取り付けられる。
【0092】
<作用効果>
以上説明したように、本実施の形態に従うコンデンサユニット1によれば、各コンデンサ10に対する作業性を確保しつつ、複数のコンデンサ10を互いに密集して実装することができる。よって、コンデンサユニット1の小型化を実現することができる。
【0093】
また、ハウジング15を構成するベース部材20,30,40の底板部の下面に段差を設けたことにより、コンデンサユニット1に導入された空気が通流する流路を形成することができる。さらに、当該底板部に、隣接する2個のコンデンサ10間の隙間に重なるように開口部を形成したことにより、上記流路から当該隙間に空気を通流させることができる。これにより、各コンデンサ10の放熱を促進させることができる。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
1 コンデンサユニット、2 チョッパ回路、3~5 コンバータユニット、6 制御装置、7 遮断器ユニット、10,C1,C2 コンデンサ、11 筒部、12 蓋部、13 正極端子、14 負極端子、15 ハウジング、20,30,40 ベース部材、21,31,41 底板部、22,23,32,33,42,43 側板部、24,34 実装部、25,28,35 連結部、50 ブスバー、52 碍子、54 支持部材、60 締結部材、70 固定部材、72 主部、74 ヒレ部、76,270,290,292,330,332 貫通孔、100 無停電電源装置、102 交流電源、104 蓄電装置、106 負荷、110 筐体、CB1,CB2 遮断器、L1~L3 リアクトル、SW スイッチ、CNV コンバータ、INV インバータ。
【要約】
ベース部材(20)は、底板部(21)と、側板部(23)とを含む。底板部(21)は、第2の方向を整列方向として複数の第1のコンデンサ(10)が配置される。側板部(23)は、底板部(21)の第3の方向における端部に接合され、底板部(21)から第1の方向に立設する。各複数の固定部材(70)の一対のヒレ部が側板部(23)に取り付けられることにより、複数のコンデンサ(10)がベース部材(20)に固定される。側板部(23)において、整列方向の奇数列の固定部材(70)は、第1の方向の位置が互いに等しい。整列方向の偶数列の固定部材(70)は、第1の方向の位置が互いに等しく、かつ、奇数列の固定部材(70)とは、第1の方向の位置が異なる。第2の方向に隣り合う2個の固定部材(70)のヒレ部同士は、第1の方向に並ぶように配置される。
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