(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】サイロ清掃装置
(51)【国際特許分類】
B08B 9/087 20060101AFI20240904BHJP
B08B 1/32 20240101ALI20240904BHJP
【FI】
B08B9/087
B08B1/32
(21)【出願番号】P 2019196787
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】519387955
【氏名又は名称】川瀬 信夫
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 信夫
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-111541(JP,U)
【文献】特開昭63-274485(JP,A)
【文献】実開昭52-116061(JP,U)
【文献】特開2004-138258(JP,A)
【文献】特開2016-112525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/00
B08B 1/00
E04H 7/22
E04G 3/30
A01F 25/14-16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイロの上部に設けられたサイロ搬入口から垂下され、頂部が楊重装置に取付けられる枠組み式足場と、
前記枠組み式足場に取付けられ、前記枠組み式足場から前記サイロの内壁に対して押し付け可能な先端部を有する支柱を少なくとも3カ所備えて構成される固定部と、
TVカメラと照明装置とを備えて構成される観測部と、
前記サイロの内壁を清掃するための清掃部と
を備え、
前記支柱の前記先端部と対向する基端は前記枠組み式足場に固定された枠組み固定可動接続部に接続され前記支柱が前記枠組み固定可動接続部を軸として回動することができ、前記支柱の中間に固定される支柱固定可動接続部に展開ロッドの一端が可動結合され、前記展開ロッドの他端は前記枠組み式足場に沿って移動可能な枠組み上移動可能接続部に結合されていることを特徴とするサイロ清掃装置。
【請求項2】
前記清掃部は、前記枠組み式足場の最下層に取付けられ前記枠組み式足場を中心として回転可能な回転部と、前記回転部に固定された可動接続部に枢支された基端を持つ第1の清掃ロッドと、前記第1の清掃ロッドの前記基端と対向する側に可撓継手と板バネとで接合される第2の清掃ロッドと、前記回転部内の巻き取りモータと前記第1の清掃ロッドとを接続するワイヤーとを備えることを特徴とする請求項1記載のサイロ清掃装置。
【請求項3】
前記枠組み式足場の中心から前記第
2の清掃ロッドの先端までの長さは前記サイロの内径より長く設定され、前記第1の清掃ロッドと前記第2の清掃ロッドとは前記可撓継手でくの字に折れ曲がり、前記板バネによって前記第2の清掃ロッドの先端は前記サイロの内壁に押しつけられることが可能であることを特徴とする請求項2記載のサイロ清掃装置。
【請求項4】
前記固定
部を複数多段に備えて構成されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のサイロ清掃装置。
【請求項5】
前記固定部の支柱は、前記枠組み式足場に沿って畳み込み可能であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のサイロ清掃装置。
【請求項6】
前記観測部は前記枠組み式足場周りに回転可能であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項記載のサイロ清掃装置。
【請求項7】
前記観測部は枠組式足場の全周に渡って観測できることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のサイロ清掃装置。
【請求項8】
前記清掃部の先端は交換可能な構造であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項記載のサイロ清掃装置。
【請求項9】
前記清掃部は欠き落とし清掃、高圧水流清掃、高圧空気清掃、の少なくともいずれか一つを実行することが可能な先端部に交換可能であることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項記載のサイロ清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえばサイロ清掃装置に係り、特に、大型サイロの内面に固着した穀物や飼料、粉体等の固着物を除去するサイロ清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物や種子、粉末を保管する大型のサイロにおいては、サイロ内壁面に生じた結露により貯蔵穀物がサイロ内壁面に付着し時間経過と共に内壁面に固着してしまう。この固着物は放置しておくとさらに増大し、サイロ中の貯蔵容量を減少させるとともに、穀物の腐敗や雑菌の増殖の温床となってしまう。そのため、サイロ内壁面を定期的に清掃する必要がある。
【0003】
一方、穀物貯蔵用のサイロなどは非常に巨大であり、内部には穀物の微細な粉末が充満していることから、作業員がサイロ内部に入って内壁面を清掃するには危険が伴う。また、作業員が壁面清掃作業をするためにはサイロ内部に作業用の足場や作業装置を設置する必要があり、膨大な作業準備と時間が必要となる。さらに足場から作業員の転落という危険もあり、現実に死亡事故の発生も報告されている。
【0004】
上記のような危険や事故を防ぐためには、サイロ内壁面の清掃は人力に頼らず無人の自動化した清掃装置によることが好ましいが、このためにはこれを可能とする清掃装置を開発する必要がある。
【0005】
特許文献1においては、容器(穀物サイロ)の内部を清掃する清掃する清掃装置において、可撓製ホースと、該ホースの基端側を軸心の周りに回転自在に保持するホース保持体と、前記ホースの先端側に配設された、前記容器内面の付着物を払拭するための払拭部材とを備えた清掃装置が開示されている。
【0006】
サイロ中に人が入る必要が無く、無人でサイロ内壁面を自動的に清掃することができるとする新しい技術を開示するものではあるが、港湾に設置されるような大型のサイロにおいては、可撓製のホースを垂下して清掃を行うことから、清掃すべきサイロが大型化するとホース直下のコニカル部以外にノズルが届かなくなり、十分な清掃ができない。また、清掃結果を確認するためには、清掃装置とは別の清掃結果確認用の機材が必要である。
【0007】
特許文献2においては、サイロの上部搬入口より可撓製を有する第1の中空管と、該中空管の先端に剛性を有する第2の中空管をスイベルにより中空が連続するよう結合する。第2の中空管の先端には可撓性のあるゴムホースが接続されている。前記第1と第2の中空管をサイロ上部よりロープにて下降させながら第1の中空管から加圧流体を圧入する。該加圧流体は第2の中空管の両先端のゴムホースから噴出し、サイロの内壁に付着した残留物を洗い流すという技術が開示されている。
【0008】
前記ゴムホースの長さを調節すれば、サイロコニカル部の下端まで清掃することは可能であるが、サイロ内壁の残留物がかなり固く固着した場合や、内壁場所によって固着厚さが変化している場合には、完全に清掃するのが難しく、かつ清掃時間が掛かり過ぎてしまう。また、特許文献1と同様に清掃状況を確認しながら清掃作業をすることについては考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2004-358291号公報
【文献】特開2016-52625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、こうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、本体の安全性が脅かされかねないような危険個所、たとえば高所等においても、向上された作業性をもって清掃作業を行うこと、また、これを極力無人状態で行うことを可能とするサイロ清掃装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため、本発明に第1の態様は、サイロ搬入口楊重装置に取付けられる枠組み式足場と、前記枠組み式足場に取付けられる固定部と、観測部と、清掃部とを備えて構成される。より具体的には、小型枠組み式足場と、前記足場に装置され、該足場をサイロ内部側壁へ固定するための固定部と、サイロ内部側壁を観測する観測部と、サイロ内部側壁を清掃する清掃部と、足場ガイドと、枠組み足場を垂下、上昇させるためのホイスト装置と、清掃作業をコントロールするための表示器を備えたパソコンとほぼ同等機能を有する制御部とを具備して構成されてもよい。
【0012】
本発明に係るサイロ清掃装置の第2の態様として、第1の態様において、前記固定部と前記清掃部とをサイロ内にて展開可能なる構造であるようにすることもできる。前記固定部として枠組み足場をサイロ内に固定するために、サイロ内壁に対して3か所以上の支柱を展開して固定し、安定した状態で危険なく清掃作業を行う。
【0013】
本発明に係るサイロ清掃装置の第3の態様として、第1もしくは第2の態様において、前記枠組み式足場が追加組み立てながらサイロ中に垂下させることが可能な構造を有することもできる。
【0014】
本発明に係るサイロ清掃装置の第4の態様として、第1~第3の態様のうちのいずれかの態様において、前記固定部は、前記枠組み式足場からサイロ内壁に対して3カ所以上の支柱を備えて構成されることもできる。
【0015】
本発明に係るサイロ清掃装置の第5の態様として、第1~第4の態様のうちのいずれかの態様において、前記固定部の支柱は、前記枠組み式足場に沿って畳み込み可能であるとすることもできる。
【0016】
本発明に係るサイロ清掃装置の第6の態様として、第1~第5の態様のうちのいずれかの態様において、前記観測部はTVカメラと照明装置とを備えて構成されるとすることもできる。すなわち、前記観測部はTVカメラのごとき映像撮影装置を備えることで、サイロ内壁を全周に渡って観測可能とし、リアルタイムで清掃状態を確認しながら清掃を行う。
【0017】
本発明に係るサイロ清掃装置の第7の態様として、第1~第6の態様のうちのいずれかの態様において、前記観測部は枠組式足場の全周に渡って観測できるとすることもできる。すなわち、前記観測部はTVカメラのごとき映像撮影装置と、該映像撮影装置と同軸に設置された照明装置から構成され、サイロ内壁を全周に渡って照明し、照明された映像を明確に観測可能となる。
【0018】
本発明に係るサイロ清掃装置の第8の態様として、第1~第7の態様のうちのいずれかの態様において、前記清掃部の先端は交換可能な構造であるとすることもできる。たとえば、清掃形態(機械式、空気、水流)により清掃部先端を交換可能とする。
【0019】
本発明に係るサイロ清掃装置の第9の態様として、第1~第8の態様のうちのいずれかの態様において、前記清掃部は欠き落とし清掃、高圧水流清掃、高圧空気清掃、の少なくともいずれか一つを実行することが可能な先端部に交換可能であるとすることもできる。これにより、サイロ内壁の残渣物の状態に応じて、サイロ内部側壁を接触清掃あるいは高圧洗浄水清掃あるいは高圧空気噴出清掃を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
上記のような本発明に係るサイロ清掃装置により、人間がサイロ内部に入って作業をする必要がなくなり、サイロ内壁の残渣物除去作業において高度な安全の確保、残渣物除去の作業状態を観測しながら作業を進めることができ、作業効率の大幅な改善と経済効率の改善が期待できる。また、本発明によれば、清掃部を交換することによりサイロ内の各種残渣物の種別による最適な除去方法を選択することが出来、貯蔵物の異なるサイロの清掃に広く応用することが可能となる。
【0021】
また、大型サイロの上部から、サイロ出口であるコニカル部のコーン状の部分から排出口に至るまでを無人で清掃できる。
【0022】
さらに、サイロ内部の各種の残渣物、固着物の状態に対応して清掃可能となる。
【0023】
さらにまた、サイロ内側壁の残渣物、固着物の状態の確認、清掃中の状況確認及び清掃後の側壁の状態確認をリアルタイムで観測できる。
【0024】
総じて、本願の一態様によれば、たとえばサイロのような巨大容器構造における清掃作業を安定した形態で行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の支持部の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の清掃部の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の清掃部折り畳み状態を示す概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の清掃部先端の概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の制御系を示すブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置の全体を説明のための概略的斜視図である。本発明の一実施形態に係るサイロ清掃装置1は、サイロ2への貯蔵物挿入口21より垂下、挿入される枠組式足場3と、該足場3に取り付けられる支持部4と、観測部5と、清掃部6と、サイロ清掃装置1全体を制御する制御部9(
図1では図示せず)を備えて構成される。なお、小型軽量の枠組式足場を用いることにより、万一の場合は枠組式足場を伝って観測者がサイロ内部に入ることも可能であり、更に後述の固定部4の支柱を利用して図
2点線表示のごとくサイロ内部全周に渡る作業足場を展開することも可能である。
【0028】
図1においては、ホイスト(図示せず)等により枠組式足場3の頂部がワイヤー等7で吊り下げられ、固定部4を展開してサイロ2の内壁に枠組式足場3を固定した状態で清掃部6が展開されて清掃が開始される状態を示している。貯蔵物挿入口21に枠組式足場3を固定するだけでは後述する清掃部6の回転により枠組式足場3が振られてしまう恐れがある。そこで、特にサイロ中に深く挿入した場合には特に、固定部4によりサイロ内壁に枠組足場4を固定することが必要である。
【0029】
図2は、固定部4の動作説明図である。同図に示されるように、固定部4の役割は、後述する清掃部6の回転清掃によって枠組式足場4が振れないよう、サイロ内壁41に対して複数の支持ロッド42を押し付けることにより枠組式足場4を固定することにある。その構造は後述するように、雨傘の開閉機構と略同様構造である。
【0030】
図2のうち(a)は、固定部4を折り畳んだ状態を示しており、この状態でサイロの挿入口からサイロ中に挿入される。固定部の支持ロッド42の一端は、枠組式足場に固定された可動接続部43に接続されており該可動接続部43を軸として回動することができる。支持ロッド42の中間には可動接続部44によって展開ロッド45の一端が可動結合され、該展開ロッド45の他端は枠組式足場3に沿って移動する可動接続部
46に結合されている。
【0031】
枠組式足場3の固定部4の位置が所望の位置にまで挿入された状態で、サイロ挿入口にて枠組式足場3を固定する一方、固定部4の可動接続部46が下方に押し下げられる。すると、丁番44と展開ロッド45とによって支持ロッド42が展開され、支持ロッド42の先端がサイロ内壁に到達した時点で可動接続部46を停止させる。可動接続部46の停止タイミングは、支持ロッド42の先端部47に設置されたマイクロスイッチ或いは圧力センサー(図示せず)によって、サイロ内壁に該先端部47が到達したことを検出することによって行い、この状態で枠組式足場3はサイロ中に固定される。
図2の(b)では支持ロッドが4本の場合を例にとって説明しているが、枠組式足場3をサイロ中でしっかり固定するには少なくとも3本以上の支持ロッド42を用いることが望ましい。なお、サイロが大型の場合は固定部4を複数多段に設置してしっかり固定を行うことも可能である。
【0032】
枠組式足場3の支持部4の下部には観測部5が設置されている。観測部5は複数のTVカメラのごとき撮映装置51と照明装置52とを備えて構成されている。撮映装置51としては、水平180度の広角レンズが望ましく、この場合は180度視野が異なる2台の固定した撮影装置によりサイロ内の全周を観測することができる。同軸装備する照明装置52は撮映装置51の視野をカバーすることはもちろんである。また、撮映装置51と照明装置52とを一組のみとして枠組式足場の周囲を回転させて、サイロ内全周を観測しても良い。サイロ内壁の残渣物の厚みを観測するために、撮映装置51を立体視可能な装置とすればさらに便利である。
【0033】
図3は、清掃部の概略的斜視図であり、そのうち上部Aは、サイロ2の最も広い部分を清掃する場合の説明図である。枠組式足場3の最下層に取付けられた回転部60は枠組式足場を中心として、
図3のAの例では時計方向に回転する場合を示している。回転部60には可動接続部65により清掃ロッドa62と清掃ロッドb61とがパイプ状の可撓継手63と板バネ64とで接合されている。清掃ロッドa62と回転部60とは板バネ66で接続されており、清掃ロッドa62はほぼ水平状態に保持されている。また、清掃ロッドa62にはワイヤー67の一端が接続されており、ワイヤー67の他端は回転部60内の巻き取りモーター68に接続されている。なお、
図3で対称位置に在る清掃ロッドの構造は全く同じである。
【0034】
枠組式足場3の中心、すなわち回転部60の中心から清掃ロッドb61の先端までの長さを、サイロ2の内径の最大部より長く設定してあるため、清掃ロッドa62と清掃ロッドb61とは可撓継手63でくの字に折れ曲がり、板バネ64によって清掃ロッドb61の先端69はサイロ内壁に押しつけられることができる。
【0035】
図3のAはサイロの内径が最大部分の清掃部6の設置状態を表しているのは上述のとおりである。この状態で回転部60を時計方向に回転すれば清掃ロッドb61の先端69がサイロ内壁を摺動し、サイロ内壁に固着した残渣物を欠き落とし清掃することができる。
【0036】
図3のBの状態は、清掃部6がサイロ下部のコニカル部の清掃を行う場合の概略図である。板バネ64の伸長力により清掃ロッドa62と清掃ロッドb61とは、最大長さまで直線状に伸長しようとする(Aの場合)ところ、Bの場合に、コニカル部の口径は下部に行くに従い減少するので、それに従い清掃ロッドa62と清掃ロッドb61とは継手63の部分で折れ曲がることにより清掃ロッドb61の先端をコニカル部の内周に密接させることができる。こうして、コニカル部70の下部まで清掃することが可能となる。清掃部6の先端部にはサイロ排出口に貯蔵物が詰まった時のためにオーガードリル70を装着しても良い。
【0037】
図4は、清掃部6を折り畳んでサイロ挿入口21を通過させる状態の概略図である。回転部60内の巻き取りモーター68を駆動してワイヤー67を巻き取ることにより清掃ロッドa62は回転部60の外壁に沿うように折り畳まれて、これにより全体の装置全体がスリム化して径が小さくなるため、
図4に示す如く貯蔵物挿入口21を通過することができる。即ち、本発明のサイロ清掃装置をサイロ中に挿入する場合は、固定部、清掃部を折り畳んだ状態で挿入し、清掃部分に到達した状態で両部を展開する。
【0038】
図5は、清掃部60の清掃ロッドb61の先端部69の各種構造を示す概略図である。
図5Aは金属製或いは樹脂製のスクレーパ51であり、サイロ内壁の残渣物を
掻き落とすために用いる。
図5Bは金属製或いは樹脂製のブラシ52であり、残渣物を払い落とす場合に用いる。
図5Cは高圧空気或いは高圧水或いはサンドブラストを噴出する噴出ノズル53であり、残渣物を吹き飛ばす或いは洗い流す場合に用いる。なお、高圧空気或いは高圧水、サンドブラストは、枠組式足場3上部よりチューブにて供給し、枠組式足場3及び回転部60の接合部のロータリージョイントと清掃ロッドa62と清掃ロッドb61とを経由して先端部69から噴出される。清掃ロッド先端に電動ブラシ54を装備することも可能であり(図示しない)、固くこびりついた残渣を剥がしとる場合に用いる。
図5においては、清掃部6の先端部形状を変えた3種類を示したが、本発明に係るサイロ清掃装置を構成する清掃ロッド先端部の形状は、これらの他にも種々考えられる。
図5に概略を示す吸引ノズルは事例の明示列挙であり、この他の形状においても本発明の目的を達することができる先端部形状においては本発明の技術思想の一部であり本願に内包するものである。
【0039】
図6は、本発明のサイロ清掃装置の制御ブロックダイヤグラムである。枠組式足場3に接続したワイヤー7による該足場の上下制御と、前記支持部4の開閉と、観測部5の制御と、清掃部6の開閉と、回転の制御と、清掃用の高圧空気或いは高圧水パイプの開閉制御10は、パソコンと略同様の表示器92とμCPU91を主体とするコントローラ及び表示器による制御部9によって制御される。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
上述したように、本発明の一実施形態によれば、サイロ内壁に固着した貯蔵物残渣等の除去清掃作業における安全性と作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な清掃方法が実現される。
【0042】
本発明は、サイロ内の堆積残渣物の除去清掃に限定されることなく、貯蔵タンクの内壁清掃や倉庫の清掃等、建設土木業に限定せず、製造業等あらゆる産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0043】
1…サイロ清掃装置
2…サイロ
3…枠組式足場
4…支持部
5…観測部
6…清掃部
7…ワイヤー
9…制御部
10…開閉制御
21…貯蔵物挿入口
22…コニカル部
23…排出口
41…サイロ内壁
42…支持ロッド
43…可動接続部
44…可動接続部
45…展開ロッド
46…可動接続部
47…先端部
51撮映装置
52…照明装置
53…噴出ノズル
54…電動ブラシ
60…回転部
61…清掃ロッドb
62…清掃ロッドa
63…継手
64…板バネ
65…可動接続部
66…板バネ
67…ワイヤー
68…巻き取りモーター
69…先端
70…オーガードリル
91…コントローラ
92…表示器