(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】注文支援システム、注文支援方法、及び注文支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240904BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2020103182
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 真治
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-251439(JP,A)
【文献】特開2002-063659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物を提供する施設の利用者
から当該飲食物の注文を受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部が前記利用者から第1飲食物について第1注文数の注文を受け付けた場合に、前記第1注文数と前記第1飲食物の注文を受け付けた時間帯とに基づいて設定された設定数を、前記第1注文数に加算して合計注文数を算出する算出処理部と、
前記受付処理部が前記利用者から受け付けた前記第1飲食物について、前記算出処理部により算出される前記合計注文数の注文情報を出力する出力処理部と、
を備える注文支援システム。
【請求項2】
前記算出処理部は、前記受付処理部が利用者から飲食物の注文を受け付けるごとに、時間帯と注文数と設定数とを予め対応付けて記憶する記憶部を参照して、前記第1注文数及び前記第1飲食物の注文を受け付けた前記時間帯に対応付けられた前記設定数を取得する、
請求項1に記載の注文支援システム。
【請求項3】
前記出力処理部は、前記第1飲食物の注文数よりも多い予め設定された所定数の前記注文情報を出力する、
請求項1
又は2に記載の注文支援システム。
【請求項4】
前記出力処理部は、前記第1飲食物の注文数が予め設定された所定数よりも少ない場合に、当該所定数の前記注文情報を出力する、
請求項1
~3のいずれかに記載の注文支援システム。
【請求項5】
前記算出処理部は、前記第1飲食物が予め設定された飲食物である場合に、前記第1飲食物の注文数に前記設定数を加算して前記合計注文数を算出する、
請求項
1~4のいずれかに記載の注文支援システム。
【請求項6】
さらに、前記第1飲食物の内容又は種別に基づいて前記設定数を設定す
る、
請求項
1~
5のいずれかに記載の注文支援システム。
【請求項7】
飲食物を提供する施設の利用者
から当該飲食物の注文を受け付ける
ことと、
前記利用者から第1飲食物について第1注文数の注文を受け付けた場合に、前記第1注文数と前記第1飲食物の注文を受け付けた時間帯とに基づいて設定された設定数を、前記第1注文数に加算して合計注文数を算出することと、
前記利用者から受け付けた前記第1飲食物について前記合計注文数の注文情報を出力する
ことと、
を一又は複数のプロセッサー
が実行する注文支援方法。
【請求項8】
飲食物を提供する施設の利用者
から当該飲食物の注文を受け付ける
ことと、
前記利用者から第1飲食物について第1注文数の注文を受け付けた場合に、前記第1注文数と前記第1飲食物の注文を受け付けた時間帯とに基づいて設定された設定数を、前記第1注文数に加算して合計注文数を算出することと、
前記利用者から受け付けた前記第1飲食物について前記合計注文数の注文情報を出力する
ことと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための注文支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設で提供可能な飲食物の注文を受け付ける注文支援システム、注文支援方法、及び注文支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの施設では、例えば、接客スタッフが利用者からの注文を受け付けると当該注文内容を厨房に伝達し、厨房スタッフが注文に応じた調理などを行い、接客スタッフが調理済みの料理を利用者に配膳する。従来、飲食店の厨房において注文の料理を映像表示することにより厨房スタッフを支援する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、施設では、厨房における調理作業の作業効率の観点から、複数の利用者が同じメニューを注文した場合に、厨房スタッフは当該メニューをまとめて調理することが望ましい。しかし、厨房スタッフは、同じメニューが複数注文されるか否かを判断することが難しいため、現状では、例えば同じテーブルで同じメニューが複数注文された場合、又は、厨房に略同時に同じメニューの注文が複数伝達された場合に、厨房スタッフの判断により当該メニューをまとめて調理する対応を取っている。このように、調理作業は厨房スタッフの裁量に任されることが多いため、調理作業の作業効率を向上させることが困難である。
【0005】
本発明の目的は、施設における厨房の作業効率を向上させることが可能な注文支援システム、注文支援方法、及び注文支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る注文支援システムは、飲食物を提供する施設の利用者の第1飲食物の注文を受け付ける受付処理部と、前記受付処理部により受け付けられる前記第1飲食物の注文数よりも多い注文数の注文情報を出力する出力処理部と、を備える。
【0007】
本発明に係る注文支援方法は、飲食物を提供する施設の利用者の第1飲食物の注文を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられる前記第1飲食物の注文数よりも多い注文数の注文情報を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する方法である。
【0008】
本発明に係る注文支援プログラムは、飲食物を提供する施設の利用者の第1飲食物の注文を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにより受け付けられる前記第1飲食物の注文数よりも多い注文数の注文情報を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設における厨房の作業効率を向上させることが可能な注文支援システム、注文支援方法、及び注文支援プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る注文支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る注文支援システムで使用される商品情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る注文支援システムで使用される注文受付情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る注文支援システムで使用される設定情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る注文支援システムで使用される設定情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る注文支援システムで使用される設定情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る注文支援システムにおける表示例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る注文支援システムにおける表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る注文支援システムにおける表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る注文支援システムにおける注文票の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る注文支援システムで実行される注文支援処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[注文支援システム1]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る注文支援システム1は、注文支援装置2と注文端末3と厨房端末4とを含む。注文支援装置2と注文端末3と厨房端末4とは、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。なお、注文支援装置2、注文端末3、及び厨房端末4はそれぞれ、複数設けられてもよい。
【0013】
注文端末3は、例えば、飲食店、カラオケ店など飲食物を提供可能な施設の各テーブル(席、部屋)に設置される。注文端末3は、施設の利用者が操作して所望の飲食物の注文を行うことが可能な操作端末(セルフオーダー端末、テーブルトップ端末など)である。なお、注文端末3は、施設の接客スタッフが操作する操作端末(施設端末)であって、接客スタッフが利用者から受け付けた注文を入力する操作端末(ハンディ端末など)であってもよい。また、注文端末3は、利用者が所有する利用者端末(スマートフォンなど)であって、利用者が施設のウェブサイトにアクセスして所望の飲食物の注文を入力する操作端末であってもよい。すなわち、注文端末3には、利用者の飲食物の注文を受け付けることが可能な種々の操作端末が含まれる。
【0014】
注文支援装置2は、注文端末3から注文を受け付けて注文情報を厨房端末4に出力する。注文支援装置2は、施設に設置されてもよいし、施設の外部に設置され、通信網N1を介して注文端末3及び厨房端末4とデータ通信を行ってもよい。
【0015】
厨房端末4は、注文端末3と同様に、例えば、飲食店、カラオケ店など飲食物を提供可能な施設に設置される。厨房端末4は、注文支援装置2から注文情報を取得し、当該注文情報が表示された注文票を出力(印刷又は表示)する。
【0016】
本実施形態では、注文支援装置2単体が本発明に係る注文支援システムに相当するが、本発明に係る注文支援システムは、注文支援装置2、注文端末3、及び厨房端末4のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、注文支援装置2、注文端末3、及び厨房端末4のうち複数の構成要素が協働して後述する各種の注文支援処理(
図11参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る注文支援システムとして捉えることが可能である。例えば、本発明に係る注文支援システムは、注文支援装置2及び厨房端末4により構成されてもよい。
【0017】
以下では、注文端末3が飲食物を提供する飲食店の各テーブルに設置され、各テーブルを利用する一又は複数の利用者が注文端末3に注文を入力し、注文支援装置2が注文端末3から注文を取得して注文情報を厨房端末4から出力させる構成を例に挙げて説明する。前記飲食店は、本発明の施設の一例である。
【0018】
[注文支援装置2]
図1に示されるように、注文支援装置2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備える。注文支援装置2は、例えばタブレット端末又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。また、注文支援装置2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0019】
通信I/F24は、注文支援装置2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して注文端末3、厨房端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0020】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0021】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22は、商品情報D1、注文受付情報D2、及び設定情報D3を含む。
図2は商品情報D1の一例を示す図であり、
図3は注文受付情報D2の一例を示す図であり、
図4~
図6は設定情報D3の一例を示す図である。
【0022】
商品情報D1は、飲食店で提供可能な商品(飲食物)に関する情報(メニュー情報)である。
図2に示されるように、商品情報D1には、商品ID、商品名、金額、画像などの情報が含まれる。前記商品IDは、飲食物の識別情報である。前記商品名は、飲食物の名前である。前記画像は、前記飲食物を表す写真又はイラストである。なお、本実施形態では、便宜上、前記画像を画像名で表す。
【0023】
また、商品情報D1には、メニューのカテゴリー(ジャンル)ごとに複数の商品の情報が登録される。例えば、商品ID「A・・・」の飲食物は「定食メニュー」のカテゴリーに含まれる商品であり、商品ID「B・・・」の商品は「一品(アラカルト)メニュー」のカテゴリーに含まれる商品であり、商品ID「C・・・」の商品は「デザートメニュー」のカテゴリーに含まれる商品であり、商品ID「D・・・」の商品は「ドリンクメニュー」のカテゴリーに含まれる商品である。各カテゴリーには、具体的な複数の飲食物が含まれる。例えば「定食メニュー」には、「日替わり定食」、「刺身定食」、「煮魚定食」などが含まれる。
【0024】
商品情報D1は、飲食店の管理者により予め登録され、必要に応じて適宜更新される。例えば、飲食店の管理者は、注文支援装置2が管理するメニュー登録ページにアクセスして商品情報D1の登録、編集などを行うことが可能である。
【0025】
注文受付情報D2は、注文端末3を介して利用者から受け付けた注文に関する情報である。
図3に示されるように、注文受付情報D2には、テーブル番号、利用人数、注文番号、注文商品、注文数などの情報が含まれる。前記テーブル番号は、注文を受け付けたテーブルを識別する識別情報である。前記利用人数は、前記テーブルを利用する利用者の人数である。前記利用人数の情報は、注文端末3から取得する情報に含まれる。なお、前記利用人数の情報は、飲食店のスタッフが操作する施設端末(不図示)、予約を管理する管理端末(不図示)などから取得する情報に含まれてもよい。例えば、接客スタッフが飲食店に来店した利用者をテーブルに案内する際に利用者から利用人数を聞き取ると、前記施設端末にテーブル番号及び利用人数を入力する。制御部21は、前記施設端末からテーブル番号及び利用人数の各情報を取得すると、注文受付情報D2にテーブル番号及び利用人数を互いに関連付けて登録する。また、利用者が飲食店を予約する際に利用人数を登録した場合、前記施設端末は前記管理端末から利用者情報(利用者名、利用人数など)を取得して、当該利用者情報と利用者に割り当てるテーブルのテーブル番号とを互いに関連付ける。制御部21は、前記施設端末からテーブル番号及び利用人数の各情報を取得すると、注文受付情報D2にテーブル番号及び利用人数を互いに関連付けて登録する。
【0026】
前記注文番号は、利用者の注文を識別する識別情報である。制御部21は、例えば利用者から注文を受け付けた順、すなわち注文端末3から注文を受け付けた順に番号(注文番号)を注文受付情報D2に登録する。前記注文商品は、注文内容を示す情報である。前記注文商品には、商品情報D1に含まれる商品名のうち利用者に選択された商品(飲食物)の商品名が登録される。各注文商品には、前記注文番号が関連付けられる。
【0027】
前記注文数は、飲食物ごとの注文数を示す情報である。例えば、制御部21は、テーブル番号「1」のテーブルにおいて「日替わり定食」3点の注文を受け付けると、「日替わり定食」に対応する注文数に「3」を登録する。その後、制御部21は、テーブル番号「2」のテーブルにおいて、「刺身定食」、「日替わり定食」、「ビール」、「烏龍茶」の注文を各々1点ずつ受け付けると、各注文商品の注文数に「1」を登録する。同一のテーブルにおいて同一の商品を複数受け付け場合には、当該注文商品の注文数に合計注文数が登録される。
【0028】
制御部21は、注文端末3から注文を受け付けるごと注文受付情報D2を登録する。注文受付情報D2には現在時刻における情報が登録され、当該情報はリアルタイムに更新される。なお、注文受付情報D2は、利用者の利用代金に関する会計処理に利用されてもよい。また、注文受付情報D2は、会計処理が完了した場合などに削除されてもよい。
【0029】
設定情報D3は、利用者から受け付けた注文に対応する飲食物の注文数に加算する数(設定数)の情報である。すなわち、制御部21は、利用者から受け付けた注文に対応する飲食物の注文数に前記設定数を加算した合計注文数の注文情報を厨房端末4に出力する。前記設定数は、所定の条件に応じて設定される。例えば、前記設定数は、以下に示す第1の条件、第2の条件、又は第3の条件に応じて設定される。
【0030】
第1の条件として、前記設定数は、飲食物の注文数に基づいて設定される。
図4には、設定情報D3の一例を示している。
図4に示す設定情報D3には、注文数、設定数などの情報が含まれる。前記注文数は、注文端末3が利用者から受け付ける注文の飲食物の注文数である。前記設定数は、前記注文数に対応付けて登録される。例えば、前記注文数「a1」(例えば1~4個)に対して前記設定数「Xa1」(例えば「1個」)が設定され、前記注文数「a2」(例えば5~7個)に対して前記設定数「Xa2」(例えば「2個」)が設定され、前記注文数「a3」(例えば8個以上)に対して前記設定数「Xa3」(例えば「3個」)が設定される。すなわち、前記設定数は、前記注文数が多い程、大きい数に設定される。例えば、複数の利用者から同一の飲食物を5個受け付けた場合に、制御部21は、前記設定数として「2個」を取得して、当該飲食物の合計注文数「7個」を厨房端末4に出力する。
【0031】
第2の条件として、前記設定数は、飲食物の内容又は種別に基づいて設定される。例えば、前記設定数は、飲食物が定食メニューの場合に第1設定数に設定され、飲食物が定食メニューとは異なるメニュー(一品メニュー、ドリンクメニュー、デザートメニューなど)の場合に第1設定数より少ない第2設定数に設定される。
図5には、前記飲食物の内容に基づいて設定される設定数を含む設定情報D3の一例を示している。
図5に示す設定情報D3には、商品ID、商品名、設定数などの情報が含まれる。前記商品ID及び前記商品名は商品情報D1(
図2参照)の前記商品ID及び前記商品名に対応する。前記設定数は、前記商品ID(飲食物)ごとに、飲食物の内容に応じた数に設定される。例えば、注文頻度が最も高いと予想される「日替わり定食」に対しては、最も大きい設定数Xb1(例えば「3個」)が設定され、「日替わり定食」の次に注文頻度が高いと予想される他の定食メニューに対しては、設定数Xb1よりも小さい設定数Xb2(例えば「2個」)が設定され、調理及び準備に手間が掛からない一品メニューに対して、設定数Xb2よりも小さい設定数Xb3(例えば「1個」)が設定される。また、調理及び準備に手間が掛からないデザートメニューのうち注文頻度が高いメニューに対しては、設定数Xb3と同一又は同等の設定数Xb4(例えば「1個」)が設定され、注文頻度が低いデザートメニューに対しては前記設定数が設定されない。また、注文を受け付けてからすぐに提供可能なドリンクメニューに対しては、前記設定数が設定されない。また、前記設定数は、調理時間、準備時間に基づいて設定されてもよい。例えば、注文頻度が高く調理時間が長い飲食物の前記設定数を、注文頻度が高く調理時間が短い飲食物の前記設定数よりも大きい数に設定する。このように、前記設定数は、飲食物の内容、種別、調理時間、準備時間などに基づいて設定される。なお、前記調理時間及び前記準備時間は、履歴情報に基づいて算出されてもよい。例えば、複数の利用者から「日替わり定食」を3個受け付けた場合に、制御部21は、前記設定数として「2個」を取得して、「日替わり定食」の合計注文数「5個」を厨房端末4に出力する。
【0032】
第3の条件として、前記設定数は、時間帯に基づいて設定される。例えば、前記設定数は、飲食店の営業時間を所定時間ごとに(例えば1時間)ごとに区切った時間帯に基づいて設定される。
図6には、前記時間帯に基づいて設定される設定時間を含む設定情報D3の一例を示している。
図6に示す設定情報D3には、時間帯、設定数などの情報が含まれる。前記時間帯は、例えば繁忙状況に応じた時間帯に分類される。前記繁忙状況は、例えば履歴情報に基づいて取得される。例えば、飲食店のランチタイムである「11:00~14:00」のうち最も繁忙状態である「12:00~13:00」の時間帯に対して、最も大きい設定数Xc2(例えば「3個」)が設定され、次に繁忙状態である「13:00~14:00」の時間帯に対して、設定数Xc2よりも小さい設定数Xc3(例えば「2個」)が設定され、閑散状態である「11:00~12:00」の時間帯に対して、設定数Xc3よりも小さい設定数Xc1(例えば「1個」)が設定される。例えば、複数の利用者から「12:00~13:00」の時間帯に同一の飲食物を2個受け付けた場合に、制御部21は、前記設定数として「2個」を取得して、当該飲食物の合計注文数「4個」を厨房端末4に出力する。
【0033】
制御部21は、前記第1の条件、前記第2の条件、又は前記第3の条件に基づいて前記設定時間を設定する。また、制御部21は、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第3の条件の少なくとも2つを組み合わせて前記設定時間を設定してもよい。例えば、制御部21は、前記第1の条件及び前記第2の条件を組み合わせて、注文内容と注文数とに基づいて前記設定数を設定してもよい。また、制御部21は、前記第2の条件及び前記第3の条件を組み合わせて、注文内容と注文を受け付けた時間帯とに基づいて前記設定数を設定してもよい。
【0034】
なお、他の実施形態として、商品情報D1、注文受付情報D2、及び設定情報D3などの情報の一部又は全部が、注文端末3、又は、注文支援装置2からアクセス可能なサーバに記憶されてもよい。この場合、注文支援装置2の制御部21は、注文端末3又は前記サーバから前記情報を取得して、後述の注文支援処理(
図11参照)などの各処理を実行してもよい。
【0035】
また、記憶部22には、注文端末3に表示されるトップ画面(
図7参照)、メニュー画面(
図8参照)、注文画面(
図9参照)、会計画面(不図示)などのデータも記憶される。
【0036】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の注文支援処理(
図11参照)を実行させるための注文支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記注文支援プログラムは、USB、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、注文支援装置2に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。また、前記注文支援プログラムは、注文支援装置2からアクセス可能なサーバからダウンロードされて、記憶部22に記憶されてもよい。
【0037】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより注文支援装置2を制御する。
【0038】
ところで、飲食店では、厨房における調理作業の作業効率の観点から、複数の利用者が同じメニューを注文した場合に、厨房スタッフは当該メニューをまとめて調理することが望ましい。しかし、厨房スタッフは、同じメニューが複数注文されるか否かを判断することが難しいため、現状では、例えば同じテーブルで同じメニューが複数注文された場合、又は、厨房に略同時に同じメニューの注文が複数伝達された場合に、厨房スタッフの判断により当該メニューをまとめて調理する対応を取っている。このように、調理作業は厨房スタッフの裁量に任されることが多いため、調理作業の作業効率を向上させることが困難である。これに対して、本実施形態に係る注文支援装置2では、飲食店における厨房の作業効率を向上させることが可能である。
【0039】
具体的に、制御部21は、
図1に示されるように、取得処理部211、受付処理部212、特定処理部213、算出処理部214、出力処理部215、設定処理部216などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記注文支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって、取得処理部211、受付処理部212、特定処理部213、算出処理部214、出力処理部215、及び設定処理部216として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記注文支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0040】
設定処理部216は、所定の条件に応じて前記設定数を設定する。具体的には、設定処理部216は、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第3の条件の少なくともいずれに応じて前記設定数を設定する。設定処理部216は、設定した設定数を設定情報D3(
図4~
図6参照)に登録する。設定処理部216は、本発明の設定処理部の一例である。
【0041】
ここで、例えば注文を受け付けた飲食物の注文数が多い場合、当該飲食物は注文頻度が高くさらに他の利用者からも注文されることが予想される。そこで、設定処理部216は、厨房においてまとめて調理できるように、注文数が多い程、前記設定数を大きい数に設定する。具体的には、設定処理部216は、飲食物の注文数に応じた前記設定数を設定する。例えば、設定処理部216は、前記注文数「a1」(例えば1~4個)に対して前記設定数「Xa1」(例えば「1個」)を設定し、前記注文数「a2」(例えば5~7個)に対して前記設定数「Ta2」(例えば「2個」)を設定し、前記注文数「a3」(例えば8個以上)に対して前記設定数「Ta3」(例えば「3個」)を設定する。すなわち、設定処理部216は、前記設定数を、前記注文数が多い程、大きい数に設定する。設定処理部216は、設定情報D3に前記注文数及び前記設定数を登録する(
図4参照)。また、設定処理部216は、飲食店で提供される飲食物ごとに設定情報D3を記憶してもよい。
【0042】
なお、設定処理部216は、注文頻度に応じて前記設定数を設定してもよい。例えば、設定処理部216は、注文頻度が高い程、前記設定数を大きい数に設定する。なお、前記注文頻度は、例えば注文と注文との間の時間間隔である。
【0043】
また、設定処理部216は、直前の注文数に応じて前記設定数を設定してもよい。具体的には、設定処理部216は、出力処理部215が飲食物の注文情報を出力した時刻と当該注文情報に含まれる注文数とに基づいて、受付処理部212により次回受け付けられる注文における飲食物に対応する前記設定数を設定する。例えば、直前に受け付けた飲食物の注文数が多い場合には、当該注文数の調理等に時間が掛かるため、設定処理部216は、次に受け付ける飲食物に対応する前記設定数を前回の設定数よりも小さい数に設定する。
【0044】
また、設定処理部216は、出力処理部215が出力した第1飲食物の注文情報に含まれる合計注文数に基づいて、受付処理部212により次回受け付けられる注文における第1飲食物に対応する前記設定数を設定してもよい。例えば、直前に受け付けた飲食物「日替わり定食」の注文数が多い場合には、当該注文数の調理等に時間が掛かるため、設定処理部216は、次に受け付ける「日替わり定食」に対応する前記設定数を前回の設定数よりも小さい数に設定する。
【0045】
また、例えば受け付けた注文の飲食物が頻繁に注文されるメニュー(例えば日替わり定食など)の場合、実際に受け付けた注文数よりも多い数を調理及び準備しておくことにより、その後に受け付けた注文に迅速に対応することができ、厨房の作業効率が向上することが考えられる。そこで、設定処理部216は、注文の内容に応じた前記設定数を設定する。
【0046】
例えば、設定処理部216は、注文頻度が最も高い「日替わり定食」に対しては、最も大きい設定数Xb1(例えば「3個」)を設定し、「日替わり定食」の次に注文頻度が高い他の定食メニューに対しては、設定数Xb1よりも小さい設定数Xb2(例えば「2個」)を設定し、調理及び準備に手間が掛からない一品メニューに対して、設定数Xb2よりも小さい設定数Xb3(例えば「1個」)を設定する。また、設定処理部216は、調理及び準備に手間が掛からないデザートメニューのうち注文頻度が高いメニューに対しては、設定数Xb3と同一又は同等の設定数Xb4(例えば「1個」)を設定し、注文頻度が低いデザートメニューに対しては前記設定数を設定しない。また、設定処理部216は、注文を受け付けてからすぐに提供可能なドリンクメニューに対しては、前記設定数を設定しない。なお、設定処理部216は、ドリンクメニューのうち調理及び準備に時間が掛かり、かつ注文頻度が高いドリンクについては、前記設定数を設定してもよい。このように、前記設定数は、飲食物の内容、種別、調理時間、準備時間などに基づいて設定される。設定処理部216は、設定情報D3に商品(飲食物)ごとに前記設定数を登録する(
図5参照)。
【0047】
また、例えば飲食店の営業時間のうち繁忙時間帯には多くの注文が受け付けられる。このため、繁忙時間帯には実際に受け付けた注文数よりも多い数を調理及び準備しておくことにより、その後に受け付けた注文に迅速に対応することができ、厨房の作業効率が向上することが考えられる。そこで、設定処理部216は、時間帯に応じた前記設定数を設定する。
【0048】
例えば、設定処理部216は、飲食店のランチタイムである「11:00~14:00」のうち最も繁忙状態である「12:00~13:00」の時間帯に対して、最も大きい設定数Xc2(例えば「3個」)を設定し、次に繁忙状態である「13:00~14:00」の時間帯に対して、設定数Xc2よりも小さい設定数Xc3(例えば「2個」)を設定し、閑散状態である「11:00~12:00」の時間帯に対して、設定数Xc3よりも小さい設定数Xc1(例えば「1個」)を設定する。このように、前記設定数は、飲食店(例えば厨房)の繁忙状況、作業状況に基づいて設定される。設定処理部216は、設定情報D3に時間帯ごとに前記設定数を登録する(
図6参照)。
【0049】
なお、設定処理部216は、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第3の条件に関わらず、共通の前記設定数を予め設定してもよい。例えば、飲食店の管理者が前記設定数を登録した場合に、設定処理部216は前記設定数を設定する。
【0050】
取得処理部211は、飲食店を利用する利用者の人数(利用人数)の情報と、当該利用者が利用するテーブルのテーブル番号の情報とを取得する。例えば、接客スタッフが飲食店に来店した利用者を所定のテーブルに案内する際に利用者から利用人数を聞き取ると、前記施設端末にテーブル番号及び利用人数を入力する。取得処理部211は、前記施設端末からテーブル番号及び利用人数の各情報を取得する。また、利用者が飲食店を予約する際に利用人数を登録した場合、前記施設端末は前記管理端末から利用者情報(利用者名、利用人数など)を取得して、当該利用者情報と利用者に割り当てるテーブルのテーブル番号とを互いに関連付けて予約管理台帳に登録する。取得処理部211は、前記予約管理台帳からテーブル番号及び利用人数の各情報を取得する。取得処理部211は、テーブル番号及び利用人数の各情報を取得すると、注文受付情報D2(
図3参照)にテーブル番号及び利用人数を互いに関連付けて登録する。
【0051】
テーブルに対応するテーブル番号及び利用人数の各情報が注文受付情報D2に登録されると、制御部21は、当該テーブルの利用者からの注文の受け付けを許可する。例えば、制御部21は、
図7に示すトップ画面などを注文端末3に表示させる。制御部21は、トップ画面(
図7参照)に対応するトップページ、メニュー画面(
図8参照)に対応するメニューページ、注文画面(
図9参照)に対応する注文ページ、会計画面(不図示)に対応する会計ページなどを生成してこれらのページの情報を注文端末3に送信することにより、注文端末3に各ページを表示させることが可能である。
【0052】
図7に示すトップ画面には、カテゴリー(「定食」、「一品(アラカルト)」、「デザート」、「ドリンク」)ごとのメニューボタンM1が表示される。
図8に示すメニュー画面には、
図7に示すトップ画面のカテゴリーに含まれる具体的な飲食物の情報が表示される。例えば、「定食メニュー」のメニュー画面(
図8参照)には、「日替わり定食」、「刺身定食」、「煮魚定食」、「…」などの情報が表示される。前記メニュー画面において、複数の飲食物が1ページに収まらない場合には、複数ページに渡って表示される。例えば利用者が前記メニュー画面の「次へ」を選択すると、次ページのメニュー画面が表示される。
【0053】
また、
図8に示すメニュー画面には、
図7に示すトップ画面のメニューボタンM1と、メニュー欄M2に表示される複数の飲食物情報(画像M3、商品名M4、金額など)とが表示される。画像M3は、飲食物の画像を表すとともに、利用者が飲食物を選択するための選択ボタンとしての機能を有する。また前記メニュー画面には、お気に入りページに移行するためのお気に入りページボタンM5と、注文画面(
図9参照)に移行するための注文ページボタンM6と、会計画面に移行するための会計ボタンM7とが含まれる。
【0054】
また、
図9に示す注文画面には、利用者がメニュー画面において選択した飲食物の一覧が表示される。前記注文画面には、一覧表示された飲食物の注文を確定させる注文確定ボタンM8が含まれる。利用者は、前記注文画面において、注文確定ボタンM8を押下することにより選択した飲食物の注文を確定させる操作、選択した飲食物の数量を変更、削除する操作などを行う。
【0055】
このように、利用者は、注文端末3を利用して飲食物を注文する場合、前記メニュー画面において所望の飲食物を選択し、前記注文画面において選択した飲食物の注文を確定させる操作を行う。
【0056】
受付処理部212は、注文端末3に表示される各種画面において利用者からの操作を受け付ける。例えば、受付処理部212は、
図7~
図9に示す各画面において利用者の選択操作(タッチ操作など)を受け付ける。受付処理部212は、利用者が所有するモバイル端末(例えばスマートフォン)から利用者の飲食物の注文を受け付けてもよいし、施設のスタッフが所持するモバイル端末(例えばハンディ端末)から利用者の飲食物の注文を受け付けてもよいし、施設のテーブルに設置されたセルフオーダー端末(テーブルトップ端末)から利用者の飲食物の注文を受け付けてもよい。受付処理部212は、本発明の受付処理部の一例である。
【0057】
例えば、
図7に示すトップ画面において利用者が「定食メニュー」を選択した場合、受付処理部212はカテゴリー選択操作を受け付ける。この場合、制御部21は、カテゴリー選択操作に応じた
図8に示すメニュー画面を注文端末3に表示させる。また例えば、
図8に示すメニュー画面において利用者が「日替わり定食」を選択した場合、受付処理部212は商品選択操作を受け付ける。また、例えば
図9に示す注文画面において利用者が注文を確定させる操作(注文確定ボタンM8の押下操作)を行った場合、受付処理部212は注文確定操作を受け付ける。ここで、受付処理部212は、利用者による注文確定操作を受け付けた場合に、当該利用者の注文を受け付ける。例えば、受付処理部212は、複数の利用者を含む利用者グループのテーブルについて、当該利用者グループの各利用者が飲食物を選択して、その後に注文確定操作を行った場合に当該利用者グループの注文を受け付ける。なお、利用者グループの各利用者が個別に商品選択操作及び注文確定操作を行った場合、受付処理部212は、利用者ごとに注文を受け付ける。すなわち、受付処理部212が受け付ける一度の注文には、一人の利用者の一つの飲食物が含まれてもよいし、一人又は複数の利用者の複数の飲食物が含まれてもよい。
【0058】
また、受付処理部212は、利用者の注文を受け付けた場合、注文番号及び注文商品の情報を、当該利用者が利用するテーブルのテーブル番号に関連付けて注文受付情報D2(
図3参照)に登録する。なお、各注文端末3には予めテーブル番号が関連付けられており、受付処理部212が注文端末3から受け付ける注文には、テーブル番号の情報が含まれる。このため、受付処理部212は、各注文に対応するテーブル番号を把握することが可能である。
【0059】
特定処理部213は、受付処理部212により受け付けられる注文に対応する前記設定数を特定する。前記設定数は、上述のように、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第3の条件の少なくともいずれかに応じて設定される。
【0060】
具体的には、特定処理部213は、前記第1の条件に対応する設定情報D3(
図4参照)を参照して、受付処理部212が受け付けた注文の飲食物の注文数に対応する前記設定数を特定する。例えば、特定処理部213は、受付処理部212が注文を受け付けると、
図4に示す設定情報D3を参照して、当該注文に含まれる飲食物の注文数に対応する前記設定数を特定する。例えば、受付処理部212が受け付けた注文の注文数が「a1」(例えば2個)である場合に、特定処理部213は、前記設定数を「Xa1」(例えば「1個」)と特定する。また例えば、受付処理部212が受け付けた注文の注文数が「a2」(例えば5個)である場合に、特定処理部213は、前記設定数を「Xa2」(例えば「2個」)と特定する。
【0061】
また、特定処理部213は、前記第2の条件に対応する設定情報D3(
図5参照)を参照して、受付処理部212が受け付けた注文の飲食物に対応する前記設定数を特定する。例えば、特定処理部213は、受付処理部212が注文を受け付けると、
図5に示す設定情報D3を参照して、当該注文に含まれる飲食物に対応する前記設定数を特定する。例えば、受付処理部212が受け付けた注文の飲食物が「日替わり定食」である場合に、特定処理部213は、前記設定数を「Xb1」(例えば「3個」)と特定する。また例えば、受付処理部212が受け付けた注文の飲食物が「刺身定食」である場合に、特定処理部213は、前記設定数を「Xb2」(例えば「2個」)と特定する。
【0062】
また、特定処理部213は、前記第3の条件に対応する設定情報D3(
図6参照)を参照して、受付処理部212が注文を受け付けた時間帯に対応する前記設定数を特定する。例えば、特定処理部213は、受付処理部212が注文を受け付けると、
図6に示す設定情報D3を参照して、当該注文を受け付けた時間帯に対応する前記設定数を特定する。例えば、受付処理部212が注文を受け付けた時間帯が「11:00~12:00」である場合に、特定処理部213は、前記設定数を「Xc1」(例えば「1個」)と特定する。また例えば、受付処理部212が注文を受け付けた時間帯が「12:00~13:00」である場合に、特定処理部213は、前記設定数を「Xc2」(例えば「3個」)と特定する。
【0063】
算出処理部214は、受付処理部212により受け付けられる飲食物の注文数に、所定の条件に応じて設定される前記設定数を加算して合計注文数を算出する。具体的には、算出処理部214は、受付処理部212により受け付けられる飲食物の注文数に、特定処理部213により特定される前記設定数を加算して合計注文数を算出する。また、算出処理部214は、受付処理部212により受け付けられる飲食物が予め設定された飲食物である場合に、当該飲食物の注文数に前記設定数を加算して合計注文数を算出する。また、算出処理部214は、受付処理部212が飲食物の注文を受け付けた時間帯が予め設定された時間帯である場合に、当該飲食物の注文数に前記設定数を加算して合計注文数を算出する。算出処理部214は、本発明の算出処理部の一例である。
【0064】
例えば、受付処理部212が複数の利用者から同一の飲食物を5個受け付け、特定処理部213が設定情報D3(
図4参照)を参照して前記設定数として「2個」を特定した場合に、算出処理部214は、当該飲食物の合計注文数として「7個」を算出する。また例えば、受付処理部212が複数の利用者から「日替わり定食」を3個受け付け、特定処理部213が設定情報D3(
図5参照)を参照して前記設定数として「2個」を特定した場合に、算出処理部214は、当該飲食物の合計注文数として「5個」を算出する。また例えば、受付処理部212が複数の利用者から「12:00~13:00」の時間帯に同一の飲食物を2個受け付け、特定処理部213が設定情報D3(
図6参照)を参照して前記設定数として「2個」を特定した場合に、算出処理部214は、当該飲食物の合計注文数として「4個」を算出する。
【0065】
出力処理部215は、受付処理部212が受け付けた注文の情報(注文情報F1)を厨房端末4に出力する。具体的には、出力処理部215は、利用者が注文した飲食物の注文内容と、当該利用者が利用するテーブルのテーブル番号と、注文番号とを含む注文情報F1を厨房端末4に出力する。注文情報F1には、注文日時(受付日時)が含まれてもよい。すなわち、出力処理部215は、前記注文情報F1と、受付処理部212が前記注文を受け付けた受付時刻とを注文票に表示させてもよい。また、出力処理部215は、前記注文内容、前記テーブル番号、及び注文番号を含む注文票を厨房端末4から出力(印刷又は表示)させる。
【0066】
また、出力処理部215は、算出処理部214により算出される飲食物に対応する前記合計注文数の注文情報F1を出力する。出力処理部215は、本発明の出力処理部の一例である。
【0067】
例えば、受付処理部212がテーブル番号「1」のテーブルにおいて3個の「日替わり定食」の注文を受け付け、特定処理部213が前記設定数として「1個」(
図4の「Xa1」)を特定した場合に、出力処理部215は、算出処理部214が算出した合計注文数「4個」の「日替わり定食」の注文情報F1を厨房端末4に出力する。また例えば、受付処理部212がテーブル番号「2」のテーブルにおいて1個の「刺身定食」の注文を受け付け、特定処理部213が前記設定数として「2個」(
図5の「Xb2」)を特定した場合に、出力処理部215は、算出処理部214が算出した合計注文数「3個」の「刺身定食」の注文情報F1を厨房端末4に出力する。また例えば、受付処理部212がテーブル番号「3」のテーブルにおいて「12:00~13:00」の時間帯に1個の「日替わり定食」の注文を受け付け、特定処理部213が前記設定数として「3個」(
図6の「Xc2」)を特定した場合に、出力処理部215は、算出処理部214が算出した合計注文数「4個」の「日替わり定食」の注文情報F1を厨房端末4に出力する。
【0068】
図10は、前記注文票T1の一例を示す図である。ここでは、前記設定数が前記第1の条件(飲食物の注文数)に応じて設定された場合の例を示している。例えば、受付処理部212がテーブル番号「1」のテーブルにおいて3個の「日替わり定食」の注文を受け付け、特定処理部213が前記設定数として「1個」(
図4の「Xa1」)を特定した場合に、出力処理部215は、合計注文数「4個」の「日替わり定食」の注文情報F1を厨房端末4に出力する。具体的には、
図10に示すように、出力処理部215は、テーブル番号「1」に対応する「日替わり定食」の注文情報F1を含む3枚の注文票T1を厨房端末4から出力させる。なお、出力処理部215は、テーブル番号「1」に対応する「日替わり定食」3点の注文情報F1を含む注文票T1を1枚出力してもよい。前記注文票T1には、テーブル番号が表示される。また、出力処理部215は、テーブル番号を含まない、「日替わり定食」の注文情報F1を含む1枚の注文票T1を厨房端末4から出力させる。また、出力処理部215は、テーブル番号を含まない、「日替わり定食」の注文情報F1を含む1枚の注文票T1を厨房端末4から出力させる。すなわち、出力処理部215は、受付処理部212が受け付けた分の注文についてはテーブル番号を含む注文票T1を出力させ、特定処理部213が特定した前記設定数分の注文についてはテーブル番号を含ない注文票T1を出力させる。
【0069】
出力処理部215は、受付処理部212が受け付けた注文に対応する注文票T1(本発明の第1注文票の一例)と、特定処理部213が特定した前記設定数に対応する注文票T1(本発明の第2注文票の一例)とを識別可能に出力してもよい。例えば、出力処理部215は、前記設定数に対応する注文票T1について、「新規注文」の文字の表示態様を異ならせ(白抜き表示し)、かつテーブル番号を空欄にして出力する。これにより、厨房スタッフ及び接客スタッフは、利用者が注文したものであるか否かを判断することができる。
【0070】
厨房スタッフは、出力された4枚の注文票T1を確認して、例えば4人分の「日替わり定食」の調理を行う。4人分の「日替わり定食」の調理が完了すると、例えば接客スタッフは、3人分の「日替わり定食」をテーブル番号「1」に配膳する。また、接客スタッフは、残りの1人分の「日替わり定食」を、「日替わり定食」の注文をした他の利用者に配膳する。なお、接客スタッフは、前記他の利用者のテーブル番号を注文票T1の空欄に記入することが可能である。
【0071】
ここで、前記設定数に対応する予備の「日替わり定食」は、テーブル番号「1」において注文を受け付けた後に他の利用者が「日替わり定食」の注文を行った場合に、当該他の利用者に対して提供することが可能になる。この場合、制御部21は、前記他の利用者に予備の「日替わり定食」を割り当て、前記他の利用者に対応する「日替わり定食」の注文情報F1の出力を省略する処理を行う。例えば、制御部21は、テーブル番号「1」において注文を受け付けた後にテーブル番号「2」において「日替わり定食」1点の注文を受け付けた場合に、注文受付情報D2(
図3参照)の注文数欄に、予備の「日替わり定食」を割り当てたことを示す識別情報「※」を登録する。出力処理部215は、前記識別情報が付された注文に対応する注文情報F1の出力を省略する。これにより、厨房スタッフが重複して調理することを防止することができる。また、接客スタッフは、例えば注文受付情報D2を確認することにより、予備の「日替わり定食」がテーブル番号「2」の利用者に割り当てられたことを把握することができる。なお、制御部21は、前記設定数に対応する注文情報F1を出力する時点で、前記設定数に対応する飲食物を割り当てるテーブルが確定している場合には、当該テーブルのテーブル番号を含む注文情報F1を出力してもよい。
【0072】
このように、制御部21は、利用者から受け付けた飲食物の注文数に、所定の条件に応じて設定される前記設定数を加算した合計注文数の注文情報F1を出力する。また前記設定数は、厨房の作業効率を考慮した前記第1の条件、前記第2の条件、前記第3の条件に応じて設定される。これにより、厨房の作業効率を向上させることが可能となる。
【0073】
[注文端末3]
図1に示されるように、注文端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。注文端末3は、例えば飲食店の各テーブルに設置されるセルフオーダー端末である。
【0074】
通信I/F34は、注文端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して注文支援装置2、厨房端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0075】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部33は、利用者から飲食物の注文操作を受け付けるトップ画面(
図7参照)、メニュー画面(
図8参照)、及び注文画面(
図9参照)、利用者から会計操作を受け付ける会計画面(不図示)などを表示する。操作表示部33は、例えばタッチパネルで構成され、利用者のタッチ操作を受け付ける。
【0076】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って注文支援装置2などの外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。
【0077】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより注文端末3を制御する。
【0078】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、注文支援装置2から通信網N1を介して提供される各種情報(トップ画面、メニュー画面、注文画面、会計画面など)を操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を注文支援装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0079】
[厨房端末4]
図1に示されるように、厨房端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。厨房端末4は、例えばプリンタ装置、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。なお、厨房端末4は、注文支援装置2と同一の機能をさらに備えてもよいし、注文支援装置2と一体の情報処理装置であってもよい。ここでは、厨房端末4は、飲食店の厨房に設置されるプリンタ装置であると仮定する。
【0080】
通信I/F44は、厨房端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して注文支援装置2、注文端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0081】
操作表示部43は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0082】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部42には、注文支援装置2、注文端末3との間で各種の情報を送受信するための制御プログラムなどが記憶される。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、厨房端末4に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部42に記憶される。また、記憶部42に、制御部41に後述の注文支援処理(
図11参照)を実行させるための注文支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されてもよい。
【0083】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより厨房端末4を制御する。
【0084】
具体的に、制御部41は、
図1に示されるように、取得処理部411、及び出力処理部412などの各種の処理部を含む。なお、制御部41は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0085】
取得処理部411は、注文支援装置2から出力される注文情報F1を取得する。例えば、注文支援装置2が、注文端末3から「日替わり定食」の注文を受け付け、受け付けた注文数に前記設定数を加算した合計注文数に対応する注文情報F1を厨房端末4に出力する。これにより、取得処理部411は、注文支援装置2から出力される注文情報F1を取得する。
【0086】
出力処理部412は、取得処理部411により取得される情報を外部に出力する。具体的には、出力処理部412は、取得処理部411により取得される注文情報F1を外部に出力させる。厨房端末4には、例えばロール紙がセットされており、ロール紙を搬送する搬送部(不図示)、ロール紙に画像を形成する画像形成部(不図示)、ロール紙を所定位置で切断する切断部(不図示)などが設けられている。
【0087】
例えば
図10に示すように、出力処理部412は、取得処理部411により注文情報F1が取得された場合に注文情報F1を注文票T1に印刷(白黒印刷)させる印刷処理を前記画像形成部に実行させる。具体的には、出力処理部412は、注文情報F1に応じた画像データが入力されるごとに当該画像データに応じた注文内容の画像をロール紙に形成(白黒印刷)させる印刷処理を前記画像形成部に実行させ、その後、ロール紙を所定位置で切断させる切断処理を前記切断部に実行させて外部に排出させる。これにより、一つの注文ごとに一枚の注文票T1が作成される。厨房スタッフは、注文票T1を受け取ると、注文内容の飲食物を用意する。
【0088】
例えば
図10に示すように、厨房スタッフは、続けて出力される「日替わり定食」の注文票T1を4枚取得すると、4人分の「日替わり定食」を用意する。接客スタッフは、3個の「日替わり定食」をテーブル番号「1」の利用者に配膳する。また、接客スタッフは、残りの1個の「日替わり定食」が割り当てられたテーブル番号「2」を注文票T1の空欄に記入して、「日替わり定食」を注文したテーブル番号「2」の利用者に配膳する。このように、厨房スタッフは、同一の注文(飲食物)をまとめて用意することができ、また接客スタッフは、当該飲食物をまとめて配膳することができる。
【0089】
各注文票T1には、注文を受け付けた日時(受付日時、注文日時)が含まれる。このため、厨房スタッフは、各利用者が実際に注文した時間(注文確定操作の時間)からの経過時間を把握することができるため、注文された飲食物の調理、準備の優先順位などを調整することが可能となる。
【0090】
ここで、前記設定数に対応する予備の飲食物(上記の例では「日替わり定食」)を、テーブル番号「2」の利用者に提供した場合、テーブル番号「2」の他の利用者の注文商品(「刺身定食」)の提供時間とのズレが大きくなる可能性がある。そこで、注文支援装置2の制御部21は、注文を受け付けたテーブルのうち前記予備の飲食物を前記設定数と同一の数だけ注文したテーブルに、前記予備の飲食物を割り当ててもよい。例えば、予備の「日替わり定食」が3個である場合に、制御部21は、「日替わり定食」だけを3個注文したテーブルの利用者に予備の「日替わり定食」を割り当てる。これにより、同一テーブルにおける注文商品の提供タイミングのズレを低減することができる。なお、制御部21は、前記予備の飲食物を割り当てるテーブルを判定する際に、一品メニュー、デザートメニュー、ドリンクメニューを除外して、定食メニューについて前記予備の飲食物を前記設定数と同一の数だけ注文したか否かを判定してもよい。
【0091】
[注文支援処理]
次に、
図11を参照しつつ、注文支援システム1において実行される注文支援処理について説明する。具体的に、本実施形態では、注文支援装置2の制御部21によって注文支援処理が実行される。また、制御部21は、各注文端末3からのアクセスに応じて各注文端末3に対応して注文支援処理を並行して実行することが可能である。なお、制御部21は、注文端末3の所定の操作によって注文支援処理を途中で終了することがある。
【0092】
なお、本発明は、前記注文支援処理に含まれる一又は複数のステップを実行する注文支援方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記注文支援処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記注文支援処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって前記注文支援処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサーによって前記注文支援処理における各ステップが分散して実行される注文支援方法も他の実施形態として考えられる。
【0093】
ステップS11において、制御部21は、飲食店に来店した利用者の人数(利用人数)と、当該利用者が利用するテーブルのテーブル番号とを取得する。例えば、飲食店のスタッフが利用者が来店したことを示す情報を登録すると、制御部21は、施設端末(予約管理台帳)から当該利用者に対応する利用人数及びテーブル番号を取得する。
【0094】
次にステップS12において、制御部21は、飲食店が提供する飲食物の注文を受け付ける注文受付画面(トップ画面、メニュー画面など)を注文端末3に表示させる。例えば、制御部21は、
図7に示すトップ画面を、利用者が利用するテーブル番号のテーブルに設置された注文端末3に表示させる。また、制御部21は、
図7に示すトップ画面においていずれかのメニューボタンM1が選択された場合に、
図8に示すメニュー画面を注文端末3に表示させる。
【0095】
次にステップS13において、制御部21は、注文端末3を介して利用者の注文を受け付けたか否かを判定する。制御部21により利用者の注文を受け付けたと判定された場合(S13:Yes)、処理はステップS14に移行する。制御部21は、利用者の注文を受け付けるまで待機する(S13:No)。例えば、テーブル番号「1」のテーブルの利用者が注文端末3を利用して「日替わり定食」を選択して注文(注文確定操作)した場合に、制御部21は、当該利用者の注文を受け付ける。また、制御部21は、利用者の注文に対応する注文番号及び注文商品「日替わり定食」の情報を、テーブル番号「1」に関連付けて注文受付情報D2(
図3参照)に登録する。ステップS13は、本発明の受付ステップの一例である。
【0096】
ステップS14において、制御部21は、受け付けた注文に対応する前記設定数を特定する。具体的には、制御部21は、
図4、
図5及び
図6の各設定情報D3の少なくともいずれかに基づいて前記設定数を特定する。例えば、制御部21は、テーブル番号「1」のテーブルにおいて3個の「日替わり定食」の注文を受け付けた場合に、設定情報D3(
図4参照)を参照して、前記設定数を「Xa1」(例えば「1個」)と特定する。
【0097】
次にステップS15において、制御部21は、受け付けた飲食物の注文数に、特定した前記設定数を加算して合計注文数を算出する。例えば、制御部21は、「日替わり定食」の注文数「3個」に前記特定した設定数「1個」を加算して合計注文数「4個」を算出する。ステップS15は、算出ステップの一例である。
【0098】
次にステップS16において、制御部21は、受け付けた注文の情報(注文情報F1)を厨房端末4に出力する。例えば、制御部21は、テーブル番号「1」において利用者が注文した「3個」の「日替わり定食」の注文情報F1と前記設定数に対応する「1個」の「日替わり定食」の注文情報F1とを厨房端末4に出力する。制御部21は、利用者から受け付けた注文に対応する注文票T1と、前記設定数に対応する注文票T1とを識別することができるように(
図10参照)、それぞれの注文情報F1を出力する。なお、制御部21は、前記設定数に対応する注文情報F1に、前記設定数に対応する飲食物を割り当てるテーブル番号を含めてもよい。ステップS16は、本発明の出力ステップの一例である。以上のようにして前記注文支援処理が行われる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態に係る注文支援システム1は、飲食物を提供する施設の利用者の飲食物の注文を受け付け、当該飲食物の注文数よりも多い注文数の注文情報F1を出力する。また、注文支援システム1は、飲食物を提供する施設において飲食物の注文を受け付け、当該飲食物の注文数に設定数を加算して合計注文数を算出し、算出した合計注文数の注文情報F1を出力する。また、前記設定数は、注文の情報(注文数、注文頻度、注文内容、種別、時間帯など)に基づいて設定される。これにより、例えば厨房が繁忙状態でかつ注文頻度が高い定食メニューを受け付けた場合に、受け付けた注文数よりも多い注文数の注文情報F1を厨房端末4に出力することができる。そして、余分に用意した飲食物を、他の利用者に割り当てて提供することができる。このため、厨房の作業効率を向上させることが可能となる。
【0100】
また、注文支援システム1によれば、例えば複数の同一メニューの注文の注文情報F1をまとめて出力することができるため、個別に注文情報F1を出力する場合よりも通信トラフィックの低減、及びコンピュータリソースの有効利用が可能となる。
【0101】
本発明の注文支援システムは、上述の実施形態に限定されない。
【0102】
本発明の他の実施形態として、設定処理部216は、飲食店において飲食物を注文済みの利用者の人数と飲食物を未だ注文していない利用者の人数との割合に基づいて前記設定数を設定してもよい。飲食物を未だ注文していない利用者が多い場合には、飲食物を注文済みの利用者が注文した飲食物と同じ飲食物を注文する可能性が高くなる。そこで、設定処理部216は、飲食物を未だ注文していない利用者の割合が高い程、前記設定数を大きい数に設定する。これにより、厨房の作業効率を向上させることができ、また利用者に注文商品を迅速に提供することができる。
【0103】
また、本発明の他の実施形態として、設定処理部216は、飲食店の空席数又は空席率に基づいて前記設定数を設定してもよい。具体的には、設定処理部216は、飲食店の空席数が多い程、又は空席率が高い程、前記設定数を小さい数に設定する。これにより、予備で用意した飲食物の割当先がなく無駄になることを防ぐことができる。
【0104】
また、本発明の他の実施形態として、設定処理部216は、出力処理部215が出力した第1飲食物の注文情報F1に含まれる合計注文数に基づいて、受付処理部212により次回受け付けられる注文における第1飲食物に対応する前記設定数を設定してもよい。例えば、出力処理部215が出力した注文の合計注文数が多い場合、厨房が繁忙状態になり、出力処理部215が次に第1飲食物の注文を出力した場合に当該第1飲食物の提供が遅くなることが考えられる。そこで、設定処理部216は、出力処理部215が前回出力した第1飲食物の合計注文数が多い程、次回出力する第1飲食物に対応する前記設定数を小さい数に設定する。このように、設定処理部216は、直前又は直近に出力した注文数に基づいて、次回出力する注文に対応する前記設定数を決定してもよい。
【0105】
また、本発明の他の実施形態として、出力処理部215は、受付処理部212が1又は複数の注文数の飲食物の注文を受け付けた場合に、当該注文数よりも多い所定数の注文情報を出力してもよい。前記所定数は、予め設定された共通の数であってもよい。この場合、出力処理部215は、受付処理部212が受け付けた注文数に関わらず、前記所定数の注文情報F1を出力する。例えば、受付処理部212が1個の第1飲食物の注文を受け付けた場合に、出力処理部215は5個の第1飲食物の注文情報F1を出力し、受付処理部212が3個の第1飲食物の注文を受け付けた場合にも、出力処理部215は5個の第1飲食物の注文情報F1を出力する。また、出力処理部215は、受付処理部212が1又は複数の注文数の飲食物の注文を受け付けた場合に、当該注文数よりも多い所定数の注文情報F1を出力してもよい。また、算出処理部214は、受付処理部212が1又は複数の注文数の飲食物の注文を受け付けた場合において、当該注文数が予め設定された所定数よりも少ない場合に、当該所定数の注文情報F1を出力してもよい。
【0106】
また、設定処理部216は、所定の条件に応じて前記所定数を設定してもよい。具体的には、設定処理部216は、飲食物の内容又は種別に基づいて前記所定数を設定してもよい。例えば、設定処理部216は、注文頻度が最も高いと予想される「日替わり定食」に対しては前記所定数を「5個」に設定し、「日替わり定食」の次に注文頻度が高いと予想される他の定食メニューに対しては前記所定数を「3個」に設定する。また、設定処理部216は、時間帯に基づいて前記所定数を設定してもよい。例えば、設定処理部216は、最も繁忙状態である「12:00~13:00」の時間帯に対しては前記所定数を「5個」に設定し、他の時間帯に対しては前記所定数を「3個」に設定する。
【0107】
以上のように、本発明の注文支援システムは、飲食物を提供する施設の利用者の第1飲食物の注文を受け付ける受付処理部と、前記受付処理部により受け付けられる前記第1飲食物の注文数よりも多い注文数の注文情報を出力する出力処理部と、を備えて構成されてもよい。また、前記出力処理部は、前記第1飲食物の注文数よりも多い予め設定された所定数の注文情報を出力してもよい。また、前記出力処理部は、前記第1飲食物の注文数が予め設定された所定数よりも少ない場合に、当該所定数の注文情報を出力してもよい。また、前記出力処理部は、前記飲食物の注文数に設定数を加算した合計注文数の注文情報を出力してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 :注文支援システム
2 :注文支援装置
3 :注文端末
4 :厨房端末
211 :取得処理部
212 :受付処理部
213 :特定処理部
214 :算出処理部
215 :出力処理部
216 :設定処理部
411 :取得処理部
412 :出力処理部