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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】出力回路、送信回路及び半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/003 20060101AFI20240904BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240904BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20240904BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240904BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20240904BHJP
   H04B 3/02 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
H03K19/003 230
H01L27/04
H01L27/04 H
H03K17/687 F
H03K19/0175 220
H04B3/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022502713
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2020008029
(87)【国際公開番号】W WO2021171482
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】舟山 拓実
(72)【発明者】
【氏名】松田 晶詳
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-167748(JP,A)
【文献】特開2016-54542(JP,A)
【文献】特開2015-164248(JP,A)
【文献】特表2003-504860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B3/02
H03K19/0175-19/0185
H03K19/003
H03K17/687-17/695
H01L21/822-21/8249
H01L27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源電位を有する第1の電源線と第1の中間ノードの間に設けられ、ゲートに第1の入力信号が供給される、第1の導電型の第1の入力トランジスタと、
第2の中間ノードと第2の電源電位を有する第2の電源線の間に設けられ、ゲートに前記第1の入力信号と論理が同じである第2の入力信号が供給される、第2の導電型の第2の入力トランジスタと、
前記第1の中間ノードと出力ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第1のクリップ電圧が供給される第1のカスコードトランジスタと、
前記出力ノードと前記第2の中間ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第2のクリップ電圧が供給される第2のカスコードトランジスタと、
前記第1の中間ノードと前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第1のスイッチトランジスタと、
前記第2の中間ノードと前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第2のスイッチトランジスタと、
前記第1のクリップ電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
前記第2のクリップ電圧を生成する第2の電圧生成回路とを有し、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第1の電圧生成回路及び前記第2の電圧生成回路を介して電気的に接続される出力回路。
【請求項2】
前記第1の電圧生成回路は、
前記第1の電源線と前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第1の抵抗と、
前記第2の電源線と前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第2の抵抗とを有し、
前記第2の電圧生成回路は、
前記第1の電源線と前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第3の抵抗と、
前記第2の電源線と前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第4の抵抗とを有し、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第1の抵抗、前記第1の電源線及び前記第3の抵抗を介して電気的に接続され、かつ、前記第2の抵抗、前記第2の電源線及び前記第4の抵抗を介して電気的に接続される請求項1に記載の出力回路。
【請求項3】
前記第1の電圧生成回路は、
第3の電源電位を有する第3の電源線と前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第1の抵抗と、
前記第2の電源線と前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第2の抵抗とを有し、
前記第2の電圧生成回路は、
第4の電源電位を有する第4の電源線と前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第3の抵抗と、
前記第2の電源線と前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられる第4の抵抗とを有し、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第2の抵抗、前記第2の電源線及び前記第4の抵抗を介して電気的に接続される請求項1に記載の出力回路。
【請求項4】
前記第1の電圧生成回路と前記第2の電圧生成回路は、
第5の電源電位を有する第5の電源線と第3の中間ノードの間に設けられる第1の抵抗と、
前記第2の電源線と前記第3の中間ノードの間に設けられる第2の抵抗とを共有し、
前記第1の電圧生成回路は、前記第3の中間ノードと前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗よりも大きい抵抗値を有する第3の抵抗を有し、
前記第2の電圧生成回路は、前記第3の中間ノードと前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、前記第1の抵抗及び前記第2の抵抗よりも大きい抵抗値を有する第4の抵抗を有し、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第3の抵抗、前記第3の中間ノード及び前記第4の抵抗を介して電気的に接続される請求項1に記載の出力回路。
【請求項5】
前記第5の電源電位は、前記第1の電源電位に等しい請求項4に記載の出力回路。
【請求項6】
前記第1のクリップ電圧と前記第2のクリップ電圧は、前記第1の電圧生成回路及び前記第2の電圧生成回路によって、相互に独立して生成される電圧である請求項1~3のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項7】
前記第1のカスコードトランジスタは、前記第1導電型のトランジスタであり、
前記第2のカスコードトランジスタは、前記第2導電型のトランジスタである請求項1~6のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項8】
前記第1のスイッチトランジスタは、前記第2導電型のトランジスタであり、
前記第2のスイッチトランジスタは、前記第1導電型のトランジスタである請求項1~7のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項9】
前記第1の入力トランジスタは、pチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第2の入力トランジスタは、nチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第1のカスコードトランジスタは、pチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第2のカスコードトランジスタは、nチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第1のスイッチトランジスタは、nチャネル電界効果トランジスタであり、
前記第2のスイッチトランジスタは、pチャネル電界効果トランジスタである請求項1~8のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項10】
前記第1の入力トランジスタは、ソースが前記第1の電源線に接続され、ドレインが前記第1の中間ノードに接続され、
前記第2の入力トランジスタは、ソースが前記第2の電源線に接続され、ドレインが前記第2の中間ノードに接続され、
前記第1のカスコードトランジスタは、ソースが前記第1の中間ノードに接続され、ドレインが前記出力ノードに接続され、
前記第2のカスコードトランジスタは、ソースが前記第2の中間ノードに接続され、ドレインが前記出力ノードに接続され、
前記第1のスイッチトランジスタは、ソースが前記第1の中間ノードに接続され、ドレインが前記第1のカスコードトランジスタのゲートに接続され、
前記第2のスイッチトランジスタは、ソースが前記第2のカスコードトランジスタのゲートに接続され、ドレインが前記第2の中間ノードに接続される請求項1~9のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項11】
前記第1の入力信号は、第1の範囲の電圧であり、
前記第2の入力信号は、前記第1の範囲とは異なる第2の範囲の電圧である請求項1~10のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項12】
前記第1のスイッチトランジスタのゲートは、前記第1の範囲の電圧の第1のパワーダウン信号を入力し、
前記第2のスイッチトランジスタのゲートは、前記第2の範囲の電圧の第2のパワーダウン信号を入力する請求項11に記載の出力回路。
【請求項13】
前記第2の範囲の電圧は、前記第1の範囲の電圧より低い請求項11又は12に記載の出力回路。
【請求項14】
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、それぞれ、受けとる信号がパワーダウンを示す時に、相互に異なるタイミングでオフからオンに変化する請求項1~13のいずれか1項に記載の出力回路。
【請求項15】
第2の入力信号に対してレベルが変換され、かつ論理が同じである第1の入力信号を出力するレベル変換回路と、
前記第1の入力信号と前記第2の入力信号が入力される出力回路とを有し、
前記出力回路は、
第1の電源電位を有する第1の電源線と第1の中間ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の入力信号が供給される第1の導電型の第1の入力トランジスタと、
第2の中間ノードと第2の電源電位を有する第2の電源線の間に設けられ、ゲートに前記第2の入力信号が供給される第2の導電型の第2の入力トランジスタと、
前記第1の中間ノードと出力ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第1のクリップ電圧が供給される第1のカスコードトランジスタと、
前記出力ノードと前記第2の中間ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第2のクリップ電圧が供給される第2のカスコードトランジスタと、
前記第1の中間ノードと前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第1のスイッチトランジスタと、
前記第2の中間ノードと前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第2のスイッチトランジスタと、
前記第1のクリップ電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
前記第2のクリップ電圧を生成する第2の電圧生成回路とを有し、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第1の電圧生成回路及び前記第2の電圧生成回路を介して電気的に接続される送信回路。
【請求項16】
第2の入力信号を出力する内部回路と、
前記第2の入力信号が入力される送信回路とを有し、
前記送信回路は、
前記第2の入力信号に対して、レベルが変換され、かつ論理が同じである第1の入力信号を出力するレベル変換回路と、
前記第1の入力信号と前記第2の入力信号が入力される出力回路とを有し、
前記出力回路は、
第1の電源電位を有する第1の電源線と第1の中間ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の入力信号が供給される第1の導電型の第1の入力トランジスタと、
第2の中間ノードと第2の電源電位を有する第2の電源線の間に設けられ、ゲートに前記第2の入力信号が供給される第2の導電型の第2の入力トランジスタと、
前記第1の中間ノードと出力ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第1のクリップ電圧が供給される第1のカスコードトランジスタと、
前記出力ノードと前記第2の中間ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第2のクリップ電圧が供給される第2のカスコードトランジスタと、
前記第1の中間ノードと前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第1のスイッチトランジスタと、
前記第2の中間ノードと前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第2のスイッチトランジスタと、
前記第1のクリップ電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
前記第2のクリップ電圧を生成する第2の電圧生成回路とを有し、
前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第1の電圧生成回路及び前記第2の電圧生成回路を介して電気的に接続される半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力回路、送信回路及び半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、高電位側電源と出力ノード間に直列に接続される第1PMOSトランジスタと第2PMOSトランジスタと、低電位側電源と出力ノードとの間に直列に接続される第1NMOSトランジスタと第2NMOSトランジスタを有する出力回路が開示されている。第1PMOSトランジスタは高電位側電源の側に接続され、第2PMOSトランジスタは出力ノード側に接続される。第1NMOSトランジスタは低電位側電源の側に接続され、第2NMOSトランジスタは出力ノード側に接続される。
【0003】
第1容量結合部は、第1端子と第2端子とを含み、第1PMOSトランジスタのゲート端子に第1端子が接続され、第2PMOSトランジスタのゲート端子または第2NMOSトランジスタのゲート端子に第2端子が接続されて、第1PMOSトランジスタのゲート端子の電位に基づいて第1、第2端子間の容量結合を制御する。
【0004】
第2容量結合部は、第3端子と第4端子とを含み、第1NMOSトランジスタのゲート端子に第3端子が接続され、第2NMOSトランジスタのゲート端子または第2PMOSトランジスタのゲート端子に第4端子が接続されて、第1NMOSトランジスタのゲート端子の電位に基づいて第3、第4端子間の容量結合を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-209715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トランジスタの耐圧よりも高い電圧がトランジスタに印加されると、トランジスタが破壊される可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、パワーダウン開始時に、トランジスタの耐圧よりも高い電圧がトランジスタに印加されることを防止することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
出力回路は、第1の電源電位を有する第1の電源線と第1の中間ノードの間に設けられ、ゲートに第1の入力信号が供給される、第1の導電型の第1の入力トランジスタと、第2の中間ノードと第2の電源電位を有する第2の電源線の間に設けられ、ゲートに前記第1の入力信号と論理が同じである第2の入力信号が供給される、第2の導電型の第2の入力トランジスタと、前記第1の中間ノードと出力ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第1のクリップ電圧が供給される第1のカスコードトランジスタと、前記出力ノードと前記第2の中間ノードの間に設けられ、ゲートに前記第1の電源電位と前記第2の電源電位の中間電位を有する第2のクリップ電圧が供給される第2のカスコードトランジスタと、前記第1の中間ノードと前記第1のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第1のスイッチトランジスタと、前記第2の中間ノードと前記第2のカスコードトランジスタのゲートの間に設けられ、受けとる信号がパワーダウンを示す時にオンする第2のスイッチトランジスタと、前記第1のクリップ電圧を生成する第1の電圧生成回路と、前記第2のクリップ電圧を生成する第2の電圧生成回路とを有し、前記第1のスイッチトランジスタと前記第2のスイッチトランジスタは、前記第1の電圧生成回路及び前記第2の電圧生成回路を介して電気的に接続される。
【発明の効果】
【0009】
パワーダウン開始時に、トランジスタの耐圧よりも高い電圧がトランジスタに印加されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態による半導体集積回路の構成例を示す図である。
図2図2は、本実施形態によるドライバの構成例を示す回路図である。
図3図3は、1個の1.65V電源を有するドライバの構成例を示す回路図である。
図4図4は、パワーダウン信号の電圧と中間ノードの電圧を示すタイミングチャートである。
図5図5は、1.65V電源の構成例を示す回路図である。
図6図6は、1.65V電源の他の構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態による半導体集積回路100の構成例を示す図である。半導体集積回路100は、内部回路101と、送信回路102を有する。内部回路101は、送信するための入力信号DT1と、パワーダウンを示すパワーダウン信号PDを出力する。入力信号DT1は、例えば、0V~1.8Vの範囲の電圧の2値信号である。パワーダウン信号PDは、例えば、パワーダウンモードではハイレベルであり、通常モードではローレベルである。送信回路102は、入力信号DT1と、パワーダウン信号PDを受けとる。
【0012】
送信回路102は、レベル変換回路111と、レベル変換回路112と、インバータ113と、レベル変換回路114aと、レベル変換回路114bと、ドライバ115aと、ドライバ115bを有する。
【0013】
レベル変換回路111は、パワーダウン信号PDに対して、論理反転し、かつレベル変換し、パワーダウン信号PD1をドライバ115a及び115bに出力する。パワーダウン信号PD1は、パワーダウン信号PDに対して、論理が反転し、かつ、レベルが変換された信号である。パワーダウン信号PDは、例えば、0V~0.9Vの範囲の電圧の2値信号である。パワーダウン信号PD1は、例えば、0V~1.8Vの範囲の電圧の2値信号である。
【0014】
レベル変換回路112は、パワーダウン信号PD1に対して、論理反転し、かつレベル変換し、パワーダウン信号PD2をドライバ115a及び115bに出力する。図4に示すように、パワーダウン信号PD2は、パワーダウン信号PD1に対して、論理が反転し、かつ、レベルが変換された信号である。レベル変換回路112により、パワーダウン信号PD2は、パワーダウン信号PD1に対して、わずかに遅延した信号になる。パワーダウン信号PD2の立ち上がり時刻t2は、パワーダウン信号PD1の立ち下がり時刻t1よりわずかに遅れた時刻である。パワーダウン信号PD1は、例えば、0V~1.8Vの範囲の電圧の2値信号である。パワーダウン信号PD2は、例えば、1.8V~3.3Vの範囲の電圧の2値信号である。パワーダウンモードでは、パワーダウン信号PD1はローレベルであり、パワーダウン信号PD2はハイレベルである。通常モードでは、パワーダウン信号PD1はハイレベルであり、パワーダウン信号PD2はローレベルである。
【0015】
レベル変換回路114aは、入力信号DT1を受けとり、入力信号DT1に対して、レベルが変換され、かつ論理が同じである入力信号DT2を出力する。入力信号DT1は、例えば、0V~1.8Vの範囲の電圧の2値信号である。入力信号DT2は、例えば、1.8V~3.3Vの範囲の電圧の2値信号である。
【0016】
ドライバ115aは、出力回路であり、入力ノードIN1と、入力ノードIN2と、出力ノードOUTを有する。ドライバ115aの入力ノードIN1は、入力信号DT1を受けとる。ドライバ115aの入力ノードIN2は、入力信号DT2を受けとる。ドライバ115aの出力ノードOUTは、入力信号DT1及びDT2に対して、論理が反転した出力信号を出力する。ドライバ115aの詳細は、図2を参照しながら後述する。
【0017】
インバータ113は、入力信号DT1を受けとり、入力信号DT1を論理反転した入力信号DT3を出力する。レベル変換回路114bは、入力信号DT3を受けとり、入力信号DT3に対して、レベルが変換され、かつ論理が同じである入力信号DT4を出力する。入力信号DT3は、例えば、0V~1.8Vの範囲の電圧の2値信号である。入力信号DT4は、例えば、1.8V~3.3Vの範囲の電圧の2値信号である。
【0018】
ドライバ115bは、出力回路であり、入力ノードIN1と、入力ノードIN2と、出力ノードOUTを有する。ドライバ115bの入力ノードIN1は、入力信号DT3を受けとる。ドライバ115bの入力ノードIN2は、入力信号DT4を受けとる。ドライバ115bの出力ノードOUTは、入力信号DT3及びDT4に対して、論理が反転した出力信号を出力する。ドライバ115aの出力ノードOUTの出力信号とドライバ115bの出力ノードOUTの出力信号は、相互に位相が反転した差動信号である。ドライバ115bの構成は、ドライバ115aの構成と同様である。
【0019】
ドライバ115aの出力ノードOUTとドライバ115bの出力ノードOUTは、ケーブル103を介して、終端抵抗104の両端に接続される。送信回路102は、ケーブル103を介して、差動信号を送信する。なお、送信回路102は、差動信号の代わりに、シングルエンド信号を送信してもよい。
【0020】
図2は、本実施形態によるドライバ115aの構成例を示す回路図である。ドライバ115bもドライバ115aと同様の構成を有するが、ドライバ115aの構成を例に説明する。
【0021】
ドライバ115aは、3.3V電源201と、1.65V電源202a,202bと、バッファ203a,203bと、nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a,206bと、pチャネル電界効果トランジスタ204b,205b,206aを有する。
【0022】
nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a及び206bは、pチャネル電界効果トランジスタ204b,205b及び206aに対して、異なる導電型の電界効果トランジスタである。例えば、nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a,206bとpチャネル電界効果トランジスタ204b,205b,206aは、それぞれ、耐圧が1.8Vである。
【0023】
したがって、nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a,206bとpチャネル電界効果トランジスタ204b,205b,206aのそれぞれに1.8Vより高い電圧が印加されると、nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a,206bとpチャネル電界効果トランジスタ204b,205b,206aが破壊される可能性がある。
【0024】
nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a,206bとpチャネル電界効果トランジスタ204b,205b,206aのそれぞれに1.8Vより高い電圧が印加されないようにすることにより、nチャネル電界効果トランジスタ204a,205a,206bとpチャネル電界効果トランジスタ204b,205b,206aの破壊を防止する。
【0025】
3.3V電源201は、基準電位線207と3.3V線208の間に接続され、3.3V線208に3.3Vを供給する。3.3V線は、3.3Vの電源電位を有する電源線である。基準電位線207は、基準電位を有する電源線である。基準電位は、例えばグランド電位(0Vの電源電位)である。3.3Vは、基準電位より高い。
【0026】
1.65V電源202aは、電圧生成回路であり、基準電位線207と中間ノードN2aの間に接続され、1.65Vのクリップ電圧を生成し、1.65Vのクリップ電圧を中間ノードN2aに供給する。
【0027】
1.65V電源202bは、電圧生成回路であり、基準電位線207と中間ノードN2bの間に接続され、1.65Vのクリップ電圧を生成し、1.65Vのクリップ電圧を中間ノードN2bに供給する。
【0028】
1.65V電源202bが供給する1.65Vのクリップ電圧は、1.65V電源202aが供給する1.65Vのクリップ電圧と同じ電圧である。1.65Vのクリップ電圧は、3.3V線208の3.3Vと基準電位線207の0Vとの中間電位である。
【0029】
pチャネル電界効果トランジスタ204bは、入力トランジスタであり、ソースが3.3V線208に接続され、ゲートがバッファ203bを介して入力ノードIN2に接続され、ドレインが中間ノードN1bに接続される。pチャネル電界効果トランジスタ204bのゲートには、バッファ203bを介して、入力信号DT2が供給される。バッファ203bは、1.8V~3.3Vの範囲の入力信号DT2をpチャネル電界効果トランジスタ204bのゲートに供給する。
【0030】
nチャネル電界効果トランジスタ204aは、入力トランジスタであり、ソースが基準電位線207に接続され、ゲートがバッファ203aを介して入力ノードIN1に接続され、ドレインが中間ノードN1aに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ204aのゲートには、バッファ203aを介して、入力信号DT1が供給される。バッファ203aは、0V~1.8Vの範囲の入力信号DT1をnチャネル電界効果トランジスタ204aのゲートに供給する。
【0031】
入力信号DT1は、0V~1.8Vの範囲の電圧である。入力信号DT2は、1.8V~3.3Vの範囲の電圧である。入力信号DT2は、入力信号DT1に対して、い範囲の電圧であり、異なる範囲の電圧であり、論理が同じである。すなわち、入力信号DT1がハイレベル(1.8V)の場合には、入力信号DT2もハイレベル(3.3V)である。入力信号DT1がローレベル(0V)の場合には、入力信号DT2もローレベル(1.8V)である。
【0032】
pチャネル電界効果トランジスタ205bは、カスコードトランジスタであり、ソースが中間ノードN1bに接続され、ゲートが中間ノードN2bに接続され、ドレインが出力ノードOUTに接続される。1.65V電源202bは、pチャネル電界効果トランジスタ205bのゲートに1.65Vのクリップ電圧を供給する。
【0033】
nチャネル電界効果トランジスタ205aは、カスコードトランジスタであり、ソースが中間ノードN1aに接続され、ゲートが中間ノードN2aに接続され、ドレインが出力ノードOUTに接続される。1.65V電源202aは、nチャネル電界効果トランジスタ205aのゲートに1.65Vのクリップ電圧を供給する。
【0034】
nチャネル電界効果トランジスタ206bは、スイッチトランジスタであり、ソースが中間ノードN1bに接続され、ドレインが中間ノードN2bに接続される。nチャネル電界効果トランジスタ206bのゲートは、パワーダウン信号PD2を受けとる。図4に示すように、パワーダウン信号PD2は、1.8V~3.3Vの範囲の電圧の2値信号である。パワーダウン信号PD2は、パワーダウンモードではハイレベル(3.3V)になり、通常モードではローレベル(1.8V)になる。
【0035】
pチャネル電界効果トランジスタ206aは、スイッチトランジスタであり、ソースが中間ノードN2aに接続され、ドレインが中間ノードN1aに接続される。pチャネル電界効果トランジスタ206aのゲートは、パワーダウン信号PD1を受けとる。図4に示すように、パワーダウン信号PD1は、0V~1.8Vの範囲の電圧の2値信号である。パワーダウン信号PD1は、パワーダウンモードではローレベル(0V)になり、通常モードではハイレベル(1.8V)になる。
【0036】
nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインとpチャネル電界効果トランジスタ206aのソースは、1.65V電源202b及び1.65V電源202aを介して、電気的に接続される。
【0037】
まず、通常モードの動作を説明する。通常モードでは、パワーダウン信号PD1がハイレベルになり、パワーダウン信号PD2がローレベルになる。pチャネル効果トランジスタ206aとnチャネル電界効果トランジスタ206bは、オフ状態になる。
【0038】
pチャネル電界効果トランジスタ204bのゲートは、入力信号DT2を受けとる。nチャネル電界効果トランジスタ204aのゲートは、入力信号DT1を入力する。
【0039】
入力信号DT1がローレベルである場合には、入力信号DT2もローレベルである。pチャネル電界効果トランジスタ204bがオン状態になり、nチャネル電界効果トランジスタ204aがオフ状態になる。すると、出力ノードOUTの電圧は、ハイレベルになる。
【0040】
入力信号DT1がハイレベルである場合には、入力信号DT2もハイレベルである。pチャネル電界効果トランジスタ204bがオフ状態になり、nチャネル電界効果トランジスタ204aがオン状態になる。すると、出力ノードOUTの電圧は、ローレベルになる。
【0041】
以上のように、ドライバ115aは、入力信号DT1及びDT2に対して、論理反転した信号を出力端子OUTから出力する。
【0042】
次に、パワーダウンモードの動作を説明する。パワーダウンモードでは、パワーダウン信号PD1がローレベルになり、パワーダウン信号PD2がハイレベルになる。pチャネル効果トランジスタ206aとnチャネル電界効果トランジスタ206bは、オン状態になる。
【0043】
内部回路101は、pチャネル電界効果トランジスタ204bのゲート電圧をハイレベルに固定し、nチャネル電界効果トランジスタ204aのゲート電圧をローレベルに固定する。pチャネル電界効果トランジスタ204bとnチャネル電界効果トランジスタ204aは、オフ状態になる。これにより、電流が流れないので、パワーダウンモードでは、消費電力を低減することができる。
【0044】
1.65V電源202bは、nチャネル電界効果トランジスタ206bを介して、中間ノードN1bに1.65Vを印加する。これにより、pチャネル電界効果トランジスタ204b及び205bのそれぞれに1.8Vより高い電圧が印加されることを防止し、pチャネル電界効果トランジスタ204b及び205bの破壊を防止することができる。
【0045】
1.65V電源202aは、pチャネル電界効果トランジスタ206aを介して、中間ノードN1aに1.65Vを印加する。これにより、nチャネル電界効果トランジスタ204a及び205aのそれぞれに1.8Vより高い電圧が印加されることを防止し、nチャネル電界効果トランジスタ204a及び205aの破壊を防止することができる。
【0046】
ドライバ115aは、2個の1.65V電源202a及び202bを有する。これにより、通常モードからパワーダウンモードへの切り替え時に、pチャネル電界効果トランジスタ204b,205bとnチャネル電界効果トランジスタ204a,205aのそれぞれに1.8Vより高いスパイクノイズが印加されることを防止することができる。この効果を説明するため、図3及び図4を参照しながら、ドライバ115aが1個の1.65V電源202を有する場合の課題を説明する。
【0047】
図3は、1個の1.65V電源202を有するドライバ115aの構成例を示す回路図である。図3のドライバ115aは、図2のドライバ115aに対して、2個の1.65V電源202a及び202bの代わりに、1個の1.65V電源202を設けたものである。
【0048】
1.65V電源202は、中間ノードN2に1.65Vを供給する。nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインとpチャネル電界効果トランジスタ205bのゲートは、中間ノードN2に接続される。pチャネル電界効果トランジスタ206aのソースとnチャネル電界効果トランジスタ205aのゲートは、中間ノードN2に接続される。
【0049】
図4は、パワーダウン信号PD1,PD2の電圧と中間ノードN2の電圧を示すタイミングチャートである。時刻t1の前は、通常モードであり、パワーダウン信号PD1がハイレベルであり、パワーダウン信号PD2がローレベルである。pチャネル電界効果トランジスタ206aとnチャネル電界効果トランジスタ206bは、オフ状態になる。1.65V電源202は、中間ノードN2に1.65Vを印加する。
【0050】
通常モードからパワーダウンモードへの切り替え時には、時刻t1では、パワーダウン信号PD1がハイレベルからローレベルに遷移し、時刻t2では、パワーダウン信号PD2がローレベルからハイレベルに遷移する。時刻t2以降は、パワーダウンモードである。
【0051】
パワーダウン信号PD1の立ち下がり時刻t1とパワーダウン信号PD2の立ち上がり時刻t2を一致させることは困難である。図1のように、レベル変換回路112は、パワーダウン信号PD1を基にパワーダウン信号PD2を生成する。そのため、パワーダウン信号PD2の立ち上がり時刻t2は、パワーダウン信号PD1の立ち下がり時刻t1よりわずかに遅れてしまう。
【0052】
時刻t1では、pチャネル電界効果トランジスタ206aは、オフ状態からオン状態に変化する。例えば、中間ノードN1aは0.3Vであり、中間ノードN1bは2.8Vである。中間ノードN1aが0.3Vであるので、pチャネル電界効果トランジスタ206aがオン状態になると、中間ノードN2には、0.3Vのスパイクノイズが発生する。
【0053】
nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインには、中間ノードN2の0.3Vのスパイクノイズが印加される。nチャネル電界効果トランジスタ206bのソースには、中間ノードN1bの2.8Vが印加される。これにより、nチャネル電界効果トランジスタ206bのソース及びドレイン間には、1.8Vより高い2.5V(=2.8V-0.3V)が印加される。そのため、nチャネル電界効果トランジスタ206bは、破壊される可能性が高くなる課題が生じる。
【0054】
また、pチャネル電界効果トランジスタ205bのゲートには、中間ノードN2の0.3Vのスパイクノイズが印加される。pチャネル電界効果トランジスタ205bのソースには、中間ノードN1bの2.8Vが印加される。これにより、pチャネル電界効果トランジスタ205bのソース及びゲート間には、1.8Vより高い2.5V(=2.8V-0.3V)が印加される。そのため、pチャネル電界効果トランジスタ205bは、破壊される可能性が高くなる課題が生じる。
【0055】
時刻t2では、nチャネル電界効果トランジスタ206bは、オフ状態からオン状態に変化する。pチャネル電界効果トランジスタ206aとnチャネル電界効果トランジスタ206bは、パワーダウン時に、相互に異なるタイミングでオフ状態からオン状態に変化する。例えば、中間ノードN1aは0.3Vであり、中間ノードN1bは2.8Vである。中間ノードN1bが2.8Vであるので、nチャネル電界効果トランジスタ206bがオン状態になると、中間ノードN2には、2.8Vのスパイクノイズが発生する。
【0056】
pチャネル電界効果トランジスタ206aのソースには、中間ノードN2の2.8Vのスパイクノイズが印加される。pチャネル電界効果トランジスタ206aのドレインには、中間ノードN1aの0.3Vが印加される。これにより、pチャネル電界効果トランジスタ206aのソース及びドレイン間には、1.8Vより高い2.5V(=2.8V-0.3V)が印加される。そのため、pチャネル電界効果トランジスタ206aは、破壊される可能性が高くなる課題が生じる。
【0057】
また、nチャネル電界効果トランジスタ205aのゲートには、中間ノードN2の2.8Vのスパイクノイズが印加される。nチャネル電界効果トランジスタ205aのソースには、中間ノードN1aの0.3Vが印加される。これにより、nチャネル電界効果トランジスタ205aのソース及びゲート間には、1.8Vより高い2.5V(=2.8V-0.3V)が印加される。そのため、nチャネル電界効果トランジスタ205aは、破壊される可能性が高くなる課題が生じる。
【0058】
図2のドライバ105aは、上記のスパイクノイズに起因する課題を解決することができる。以下、図2のドライバ105aが2個の1.65V電源202a及び202bを有することによる効果を説明する。
【0059】
時刻t1では、0.3Vのスパイクノイズが中間ノードN2aに発生する。しかし、中間ノードN2aは、直接、中間ノードN2bに接続されず、1.65V電源202a及び202bを介して、中間ノードN2bに接続されている。そのため、中間ノードN2aの0.3Vのスパイクノイズが中間ノードN2bに伝搬することを防止することができる。
【0060】
1.65V電源202bは、1.65Vを中間ノードN2bに供給する。これにより、nチャネル電界効果トランジスタ206bのソース及びドレイン間には、1.8Vより低い電圧が印加される。同様に、pチャネル電界効果トランジスタ205bのソース及びゲート間には、1.8Vより低い電圧が印加される。これにより、nチャネル電界効果トランジスタ206bとpチャネル電界効果トランジスタ205bの破壊を防止することができる。
【0061】
時刻t2では、2.8Vのスパイクノイズが中間ノードN2bに発生する。しかし、中間ノードN2bは、直接、中間ノードN2aに接続されず、1.65V電源202b及び202aを介して、中間ノードN2aに接続されている。そのため、中間ノードN2bの2.8Vのスパイクノイズが中間ノードN2aに伝搬することを防止することができる。
【0062】
1.65V電源202aは、1.65Vを中間ノードN2aに供給する。これにより、pチャネル電界効果トランジスタ206aのソース及びドレイン間には、1.8Vより低い電圧が印加される。同様に、nチャネル電界効果トランジスタ205aのソース及びゲート間には、1.8Vより低い電圧が印加される。これにより、pチャネル電界効果トランジスタ206aとnチャネル電界効果トランジスタ205aの破壊を防止することができる。
【0063】
図5は、図2の1.65V電源202a及び202bの構成例を示す回路図である。1.65V電源202aは、抵抗501aと、抵抗502aを有し、中間ノードN2aに1.65Vのクリップ電圧を供給する。抵抗501aは、3.3V線208と中間ノードN2aの間に接続される。抵抗502aは、中間ノードN2aと基準電位線207の間に接続される。抵抗501a及び502aが3.3Vを分圧することにより、中間ノードN2aには、3.3Vと0Vの中間電位である1.65Vが供給される。
【0064】
1.65V電源202bは、抵抗501bと、抵抗502bを有し、中間ノードN2bに1.65Vを供給する。抵抗501bは、3.3V線208と中間ノードN2bの間に接続される。抵抗502bは、中間ノードN2bと基準電位線207の間に接続される。抵抗501b及び502bが3.3Vを分圧することにより、中間ノードN2bには、3.3Vと0Vの中間電位である1.65Vが供給される。
【0065】
すなわち、図5に示した回路の場合、nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインとpチャネル電界効果トランジスタ206aのソースは、抵抗501a、3.3V線208及び抵抗501bを介して電気的に接続され、かつ、抵抗502a、基準電位線207及び抵抗502bを介して電気的に接続される。中間ノードN2a及び中間ノードN2bに供給されるクリップ電圧は、1.65V電源202a及び202bによって、相互に独立して生成される電圧である。
【0066】
これにより、中間ノードN2a及びN2bの一方にスパイクノイズが発生したとしても、そのスパイクノイズが中間ノードN2a及びN2bの他方に伝搬することを防止することができる。
【0067】
なお、図5においては、1.65V電源202aの抵抗501aと1.65V電源202bの抵抗501bはともに3.3V線208に接続される構成としたが、共通の電源線に接続される必要はなく、変形例として、1.65V電源202a及び202bは、抵抗501aと抵抗501bの一方、又は、両方を3.3V線208とは異なる電源電位を有する、3.3V線208とは別の電源線に接続するように構成してもよい。
【0068】
この変形例の回路の場合も、同様に、nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインとpチャネル電界効果トランジスタ206aのソースは、抵抗502a、基準電位線207及び抵抗502bを介して電気的に接続される。中間ノードN2a及び中間ノードN2bに供給されるクリップ電圧は、1.65V電源202a及び202bによって、相互に独立して生成される電圧である。
【0069】
これにより、中間ノードN2a及びN2bの一方にスパイクノイズが発生したとしても、そのスパイクノイズが中間ノードN2a及びN2bの他方に伝搬することを防止することができる。
【0070】
図6は、図2の1.65V電源202a及び202bの他の構成例を示す回路図である。1.65V電源202a及び202bは、抵抗601と、抵抗602を共有する。抵抗601は、3.3V線208と中間ノードN3の間に接続される。抵抗602は、中間ノードN3と基準電位線207の間に接続される。抵抗601及び602が3.3Vを分圧することにより、中間ノードN3には、3.3Vと0Vの中間電位である1.65Vが供給される。
【0071】
1.65V電源202aは、さらに、高抵抗603aを有する。高抵抗603aは、中間ノードN3と中間ノードN2aの間に接続される。1.65V電源202bは、さらに、高抵抗603bを有する。高抵抗603bは、中間ノードN3と中間ノードN2bの間に接続される。ここで、高抵抗603a及び603bの抵抗値はそれぞれ、抵抗601及び抵抗602の抵抗値よりも十分に大きいものである。高抵抗603a及び603bの抵抗値は、各トランジスタの耐圧とスパイクノイズの電圧に応じて設定すればよく、例えば、図2に示した回路の場合、5倍程度大きいものであればよい。1.65V電源202aは、中間ノードN2aに1.65Vのクリップ電圧を供給する。1.65V電源202bは、中間ノードN2bに1.65Vのクリップ電圧を供給する。
【0072】
すなわち、図6に示した回路の場合、nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインとpチャネル電界効果トランジスタ206aのソースは、高抵抗603a、1.65Vの分圧電圧が供給されるノードN3及び高抵抗603bを介して電気的に接続される。
【0073】
これにより、中間ノードN2a及びN2bの一方にスパイクノイズが発生したとしても、そのスパイクノイズが中間ノードN2a及びN2bの他方に伝搬することを防止することができる。
【0074】
なお、図6においては、1.65V電源202a及び202bの抵抗601は、3.3V線208に接続される構成としたが、これには限定されず、変形例として、1.65V電源202a及び202bの抵抗601は、抵抗601を3.3V線208とは異なる電源電位を有する、3.3V線208とは別の電源線に接続するように構成してもよい。
【0075】
この変形例の回路の場合も、同様に、nチャネル電界効果トランジスタ206bのドレインとpチャネル電界効果トランジスタ206aのソースは、高抵抗603a、1.65Vの分圧電圧が供給されるノードN3及び高抵抗603bを介して電気的に接続される。
【0076】
これにより、中間ノードN2a及びN2bの一方にスパイクノイズが発生したとしても、そのスパイクノイズが中間ノードN2a及びN2bの他方に伝搬することを防止することができる。
【0077】
以上のように、ドライバ115a及び115bは、それぞれ、2個の1.65V電源202a及び202bを有する。これにより、パワーダウンモードの開始時に、電界効果トランジスタ205a,205b,206a,206bの耐圧よりも高い電圧が電界効果トランジスタ205a,205b,206a,206bに印加されることを防止することができる。
【0078】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
パワーダウン開始時に、トランジスタの耐圧よりも高い電圧がトランジスタに印加されることを防止することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6