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  • 特許-灯具取外具及び灯具取外方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】灯具取外具及び灯具取外方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/00 20060101AFI20240904BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240904BHJP
   E04B 9/00 20060101ALI20240904BHJP
   B25B 27/14 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
F21V21/00 100
F21V19/00 500
E04B9/00 H
B25B27/14 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024030983
(22)【出願日】2024-03-01
【審査請求日】2024-03-01
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502306615
【氏名又は名称】株式会社ノア・テクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】泉 敏行
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-082273(JP,A)
【文献】特開2023-050708(JP,A)
【文献】実開平03-011567(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0038443(US,A1)
【文献】米国特許第04183503(US,A)
【文献】登録実用新案第3197470(JP,U)
【文献】電気おやじ,ダウンライトの固定金物 Part2 外し方・小技,YouTube,[online][video],2021年06月12日,1:00-2:46,https://www.youtube.com/watch?v=5Ef6cOf6R5o
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00-19/06
F21V 21/00-21/40
B25B 27/14
E04B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な天面を有する押片と、
柄及び前記柄の長手方向に対して屈曲して延びて先細な爪先を有する爪を有するレバーと、を備え、
前記レバーは、前記押片に対して、前記天面と平行で前記柄の長手方向に垂直な軸を中心として回動自在に支持されており、
前記押片に固定され、前記天面と平行で前記軸に垂直な方向に延びるガイド孔を有する連結部を備え、
前記軸は、前記天面に対して平行移動可能に前記ガイド孔に係止されている
灯具取外具。
【請求項2】
前記押片の先端は、円弧状の凹部を有する
請求項1に記載の灯具取外具。
【請求項3】
前記押片と前記レバーとは、着脱自在に連結されている
請求項1に記載の灯具取外具。
【請求項4】
前記押片は、下方に隆起する壁部を後端に有する
請求項1に記載の灯具取外具。
【請求項5】
平坦な天面を有する押片と、柄及び前記柄の長手方向に対して屈曲して延びて先細な爪先を有する爪を有し、前記押片に対して前記天面と平行で前記柄の長手方向に垂直な軸を中心として回動自在に支持されるレバーと、を備える灯具取外具を用いた灯具取外方法であって、
灯具が埋め込まれた天井ボードの設置孔の周縁部分を前記押片で押さえながら、前記レバーを倒して前記爪を下方に傾けていき、前記軸を前記設置孔の中心に向けて前進させて、前記灯具を引き下げる工程を含む
灯具取外方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具取外具及び灯具取外方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光灯等の灯具の取付け取外し工具があった(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、従来の灯具の取付け取外し工具は、天井に固定された灯具取付金具のソケットに差し込まれた管体を取り外すものであるものの、天井に埋め込まれた灯具を取り外すものではなかった。そのため、従来の灯具の取付け取外し工具では、天井に埋め込まれた灯具を取り外すことはできない上、天井を傷付けるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-306420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、天井への損傷を抑制しつつ灯具を取り外しできる灯具取外具及び灯具取外方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決する手段は、次のとおりである。
(1)本発明の一態様に係る灯具取外具は、平坦な天面を有する押片と、柄及び前記柄の長手方向に対して屈曲して延びて先細な爪先を有する爪を有するレバーと、を備え、前記レバーは、前記押片に対して、前記天面と平行で前記柄の長手方向に垂直な軸を中心として回動自在に支持されている。
(2)上記(1)において、前記天面と平行で前記軸に垂直な方向に延びるガイド孔を有する連結部を備え、前記軸は、前記天面に対して平行移動可能に前記連結部に支持されていてよい。
(3)上記(1)又は(2)において、前記押片は、円弧状の先端を有してよい。
(4)上記(1)又は(2)において、前記押片と前記レバーとは、着脱自在に連結されていてよい。
(5)上記(1)又は(2)において、前記押片は、下方に隆起する壁部を後端に有してよい。
(6)本発明の一態様に係る灯具取外方法は、灯具が埋め込まれた天井ボードの設置孔の周縁部分を押さえながら、前記灯具を引き下げる工程を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天井への損傷を抑制しつつ灯具を取り外しできる灯具取外具及び灯具取外方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】灯具取外具と天井に設けられた灯具を下方から見た概要図である。
図2】灯具取外具を上方から見た概要図である。
図3】灯具取外具を天井ボードの下面に当てて灯具の側方に添えた状態を示す図である。
図4】押片を天井ボードと鍔との間の隙間に差し込んだ状態を示す図である。
図5】爪を押片と鍔との間に差し込んだ状態を示す図である。
図6】レバーを回動させて爪で鍔を押して灯具を引き下げている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面を参照し、実施形態に係る灯具取外具100を説明する。なお、以下、共通する機能を有する部分には、同じ符号又は記号が付される場合がある。
図1は、灯具取外具100と天井Cに設けられた灯具Lを下方から見た概要図である。図2は、灯具取外具100を上方から見た概要図である。図3は、灯具取外具100を天井ボードCbの下面に当てて灯具Lの側方に添えた状態を示す図である。図4は、押片10を天井ボードCbと鍔Lfとの間の隙間eに差し込んだ状態を示す図である。図5は、爪22を押片10と鍔Lfとの間に差し込んだ状態を示す図である。図6は、レバー20を回動させて爪22で鍔Lfを押して灯具Lを引き下げている状態を示す図である。
【0010】
図1から図6に示すように、実施形態に係る灯具取外具100は、天井Cを構成する天井ボードCbに設けられた灯具L(照明器具、シーリングライト、ともいう。)を取り外すために用いられる。灯具取外具100は、特に、埋込型LEDダウンライトと呼ばれるもののように、天井Cの内部に埋め込まれて底面視で円形状の灯具Lを取り外すために好適に用いられる。
【0011】
天井Cは、一般的に、建築物のスラブ又は梁から吊り材で吊られた野縁受け及び野縁と、野縁に取り付けられて水平な下面を有する板状の天井仕上材を備えている。天井仕上材は、石膏ボード、合板等の天井ボードCbと、天井ボードCbの下面に張り付けられたクロスを備えている。
【0012】
取り外す対象となる灯具Lは、例えば、ダウンライト又は埋込型照明器具と呼ばれるものであってよい。灯具Lは、埋込型照明器具である場合、天井ボードCbに係止される係止ばねLs、LED等の光源Ll、光源Llを収容する円筒状のケースLc(ハウジング)、光源Llに電力を供給するための不図示の配線及び電源基板等から構成されている。
【0013】
灯具Lは、天井ボードCbに設けられた円形の設置孔Chに取り付けられている。灯具Lは、係止ばねLsにより設置孔Chの中心から外側に向けて付勢された状態で設置孔Chに係止されている。係止ばねLsの基端は、ケースLcの円筒部の下部に固定されている。係止ばねLsの他端は、ケースLcの円筒部の下部から上方に向けて拡がるように延びている。係止ばねLsは、例えば、板ばねである。係止ばねLsは、ケースLcの円筒部の周縁に、周方向に均等配置されて複数設けられている。ケースLcに固定されている係止ばねLsの数は、3の場合が多く、2の場合又は4以上の場合もある。灯具Lが係止ばねLsを3つ有する場合、係止ばねLsは、ケースLcの円筒部の下方の周縁に、周方向に120度間隔で均等配置されて設けられている。
【0014】
灯具Lは、下端が天井ボードCbの下面から下方にあまり出っ張ることなく天井ボードCbに取り付けられている。これにより、灯具Lの下端と天井ボードCbの下面との間に生じる段差が目立つことなく灯具Lの下端が天井ボードCbの下面に馴染むので、室内空間を広く見せてすっきりとした美観を与えることができる。
【0015】
円筒状のケースLcは、下端の周縁に、横に拡がる環状の鍔Lf(フランジ)を有している。ケースLcは、鍔Lfを有しているので、天井ボードCbに形成された灯具設置用の設置孔ChにケースLcがはめ込まれた状態で、天井ボードCbにおける設置孔Chの周縁端部及び設置孔ChとケースLcとの間に生じる隙間を室内側から覆うことができる。これにより、設置孔Chの周縁端部及び設置孔ChとケースLcとの間に生じる隙間を室内側に露出しないように隠すことができ、灯具Lの下端を天井ボードCbの下面に馴染ませることができる。
【0016】
このように、特に、灯具Lが上述のような埋込型である場合、灯具Lは天井ボードCbに対して係止ばねLsによる強い付勢力(弾発力、ばね反力)によって強固に支持されている。そのため、天井ボードCbから灯具Lを取り外すには、室内側から強い力で灯具Lを下方に引き抜く必要がある。しかしながら、灯具Lにおいて室内側に露出している部分には、下方への力を作用させる場所がほとんどないので、従来、天井ボードCbと鍔Lfとの間の僅かな隙間eに無理矢理にヘラ等の薄く平らな工具を差し込むことで隙間eを少しずつこじ開けていって、作業者の指先が鍔Lfにかかるようになったら、作業者の手により灯具Lを下方に引き抜くといった煩わしい作業を必要としていた。また、天井ボードCbから灯具Lを取り外すために、室内側から強い力で灯具Lを下方に引き抜くと、天井ボードCbに対する係止ばねLsによる強い付勢力によって、天井ボードCbの設置孔Chの周縁が部分的に破損してしまうことがあり、見栄えが悪くなったり、設置孔Chの周縁の下面に不陸が生じたりしてしまい、新たな灯具と交換するのに支障が出る場合がある。そこで、このような作業を簡便にしつつ、天井ボードCbに加わる損傷を軽減するため、本実施形態に係る灯具取外具100を用いることが好ましい。
【0017】
灯具取外具100は、平坦な天面11を有する押片10と、柄21及び柄21の長手方向pに対して屈曲して延びて先細な爪先221を有する爪22を有するレバー20と、を備えている。
【0018】
押片10は、例えば、板厚1mm未満の薄い平板であってよい。天面11は、特に、設置孔Chの周縁の下面を押さえる先端12の部分が平坦であればよく、隆起のないことが好ましく、全面が平坦であることがより好ましい。
【0019】
レバー20は、押片10に対して、天面11と平行で柄21の長手方向に垂直な軸qを中心として回動自在に支持されている。柄21は、垂直姿勢で使用者が手で握った状態で天井Cに向けて押し上げる力を作用させる部分であるので、人間工学的に手の形状に収まる棒状であってよい。爪22は、灯具Lの鍔Lfに掛けて下方に押し下げる力を作用させる部分であるので、例えば、板厚3mm以上を有し、押片10に比べて剛性の高い構造であることが好ましい。爪先221は、テーパ状に先細になっていることが好ましい。これにより、爪22を、天井ボードCb(又は押片10)と鍔Lfとの間の狭い隙間eに挿入しやすくできる。
【0020】
このように、灯具取外具100は、平坦な天面11を有する押片10を備えているので、押片10を天井ボードCbと灯具Lの鍔Lfとの間に差し込むことができるとともに、灯具Lを引き抜く際に、係止ばねLbによって天井ボードCbの設置孔Chに作用する付勢力が強くても、平坦な天面11によって天井ボードCbの設置孔Chの周縁の下面を変形しないように押さえておくことができる。よって、天井ボードCnの損傷を抑制できる。また、灯具取外具100は、柄21及び柄21の長手方向pに対して屈曲して延びて先細な爪先221を有する爪22を有するレバー20を備えているので、爪22を天井ボードCbと鍔Lfとの間に差し込むことができる。なお、柄21と爪22との屈曲角度は略90°が好ましい。この屈曲角度が90°であると、柄21を鉛直姿勢にした状態で爪22が水平姿勢になるので、使用者が柄21に力をいれやすくなり、爪22で押片10を上方に押さえやすくなり、柄21を側方から横方向に打撃することで爪22を隙間eに差し込みしやすくなる。また、灯具取外具100は、レバー20が、押片10に対して、天面11と平行で柄21の長手方向pに垂直な軸qを中心として回動自在に支持されているので、爪22の爪先221が天井ボードCbと鍔Lfとの間の隙間eに差し込まれた状態でレバー20を天井Cに向けて倒すと、爪22が下方に移動して、梃の原理により、レバー20への作用点(使用者が手で持って力を加える場所)から軸qまでの長さと爪22の爪先221から軸qまでの長さとの比に応じた大きな力で鍔Lfを下方に押すので、僅かな力で天井ボードCbと鍔Lfとの間の隙間eを大きくでき、灯具Lを簡単に引き抜くことができる。よって、実施形態に係る灯具取外具100によれば、天井Cへの損傷を抑制しつつ灯具Lを取り外しできる。
【0021】
灯具取外具100は、押片10に固定され、天面11と平行で軸qに垂直な方向に延びるガイド孔31を有する連結部30を備えていることが好ましい。そして、軸qは、天面11に対して平行移動可能にガイド孔31に係止されている。詳細には、軸qは、例えば、レバー20における柄21と爪22との境となる屈曲部に固定されたパイプに挿通されたボルトであってよい。すなわち、レバー20の一部であるパイプが軸qの軸受けとなっていて、パイプと軸qによってヒンジ構造を構成している。連結部30は、例えば、長板が延在方向に沿って90度に折れ曲がって二つの面板で形成された断面L字状のアングル材を向かい合わせて二つ並べたものであってよく、それぞれのアングル材の一方の面板が押片10にビス等によって固定され、他方の面板がガイド孔31を有している。ガイド孔31は、押片10の天面11と平行に、押片10の先端12に向けて延在している。ガイド孔31の幅(ガイド孔31の延在方向に直角な方向の寸法)は、軸qの径より僅かに大きい寸法に設定されている。軸qは、一対の向かい合うガイド孔31のそれぞれを貫通して掛け渡されており、天面11に対して平行移動自在に支持されている。このように、灯具取外具100は、押片10に固定された連結部30を備えているので、押片10とレバー20を連結でき、爪22で鍔Lfを押し下げる際の反力としてレバー20から上方に作用する力を押片10に伝達させることができる。よって、押片10で設置孔Chの周縁の天井ボードCbの下面を押さえて変形を抑えながら、灯具Lを引き下げることができる。また、連結部30は、天面11と平行で軸qに垂直な方向に延びるガイド孔31を有しているので、先ず押片10を天井ボードCbと鍔Lfとの間に差し込んで設置孔Chの中心に向けて前進させた後に、爪22を設置孔Chの中心に向けて前進させることができる。そして、レバー20を倒して爪22を下方に傾けていっても、軸qを更に前進させることで、爪22の爪先221が鍔Lfにかかっている状態から抜けないようにできる。
【0022】
押片10は、円弧状の先端12を有していることが好ましい。これにより、押片10の先端12を設置孔Chの周縁に合わせて押し当てることができる。よって、灯具Lを引き抜く際の係止ばねLsによる天井ボードCbの損傷を効果的に抑制できる。先端12は、テーパ状に先細っていることが好ましい。これにより、押片10の先端12を隙間eに差し込みやすくできる。
【0023】
押片10とレバー20とは、着脱自在に連結されていることが好ましい。これにより、レバー20をそのままにして、押片10を、例えば、先端12の円弧の曲率が異なるものに交換できる。すなわち、レバー20に対して、押片10をアタッチメントとして交換自在にできる。よって、設置孔Chの孔径に応じて設置孔Chの孔径に適した押片10を交換できる。また、灯具Lの引き抜きの作業時において、設置孔Chの孔径に適した押片10によって設置孔Chの周縁の下面の変形を確実に抑えることができる。
【0024】
押片10は、下方に隆起する壁部13を後端に有することが好ましい。これにより、壁部13を指先又は別の工具等によって簡単に押すことができるので、押片10の先端12を横方向に移動して隙間eに差し込みやすくできる。
【0025】
押片10は、軸qを基準に押片10の先端12に向けてばね(不図示)で付勢されていることが好ましい。言い換えると、レバー20は、軸qを介して、押片10に対して、先端12から離れる方向に向けてばねで付勢されていることが好ましい。これにより、灯具取外具100に力が作用していないフリーな状態において、爪先221の位置が押片10の先端12の位置から横方向にセットバックした状態にできる。例えば、図5に示すような押片10の先端12の位置とレバー20の爪22の爪先221の位置が揃っている状態から、図4に示すような爪先221の位置が押片10の先端12の位置から横方向にセットバックした状態に戻るようにできる。よって、使用者の負担を減らすことができ、繰り返し作業をより省力化できる。
【0026】
レバー20は、軸qを中心に爪22が押片10に接する方向(図3において反時計回り)に向けてばね(不図示)で付勢されていることが好ましい。これにより、灯具取外具100に力が作用していないフリーな状態において、爪22の位置が押片10に接した状態にできる。例えば、図6に示すような爪22が押片10から離れている状態(押片10と柄21とが垂直でない状態)から、図5に示すような爪22が押片10に接していて、押片10と柄21とが垂直な状態に戻るようにできる。よって、使用者の負担を減らすことができ、繰り返し作業をより省力化できる。
【0027】
次に、灯具取外具100を用いて灯具Lを天井Cから取り外す手順を示しつつ、実施形態に係る灯具取外具100の作用及び実施形態に係る灯具取外方法を説明する。を説明する。
【0028】
(1)まず、図3に示すように、灯具取外具100の押片10の天面11を天井Cの天井ボードCbの下面に当てた状態で、押片10を灯具Lの鍔Lfの側方に添える。
【0029】
(2)次に、図4に示すように、適宜、押片10の後端に隆起した壁部13に指先等をかけて、押片10を灯具Lの中心(設置孔Chの中心)に向けて横方向に押して、押片10の先端12を隙間eに差し込む。
【0030】
(3)続いて、又は、上記(2)の工程とほとんど同時に、図5に示すように、レバー20の柄21を灯具Lの中心(設置孔Chの中心)に向けて横方向に押して、爪22の爪先221を押片10の先端12と鍔Lfとの間に差し込む。柄21が押されると、柄21と一体となった爪22は、押片10と一体となった連結部30に形成されたガイド孔31に案内される軸qと一緒に移動する。
【0031】
(4)続いて、図6に示すように、レバー20を倒して、爪22で鍔Lfを下方に引き下げる。柄21が倒れると、柄21と一体となった爪22は軸qを中心に回動し、鍔Lfを下方に引き下げる方向に作用する。この際、引き下げる方向に作用する力の反力は、押片10によって天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分を上方に押す力として伝わる。ここで、爪22が鍔Lfを下方に引き下げると同時に、押片10は、天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分を下方に変形しないように押さえている。このようにして、灯具Lが埋め込まれた天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分を押さえながら、灯具Lを引き下げる。
【0032】
(5)上記(1)から(3)までの工程を、設置孔Chの周方向における位置を変えて繰り返す。係止ばねLsで係止されている天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分が、比較的強固に固定されていて、損傷を受けやすいので、隙間eが拡がってその部分を目視できるようになったら、その部分に位置を変えて、灯具取外具100を添えるようにすると効果的である。
【0033】
(6)隙間eが充分大きくなったら、作業者が指先で直接鍔Lfを掴んで、係止ばねCsの付勢力に抗して灯具Lを天井Cから引き抜く。本実施形態に係る灯具取り外し具によれば、このような手順で、天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分の破損を抑制しつつ、灯具Lを簡単に引き抜くことができる。
【0034】
このように、灯具Lの取外方法は、灯具Lが埋め込まれた天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分を押さえながら、灯具Lを引き下げる工程を含んでいる。
【0035】
以上、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の技術常識の範囲内で、本発明の趣旨を逸脱することなく様々な変更を行うことができる。
【0036】
以上説明したように、実施形態に係る灯具取外具100は、平坦な天面11を有する押片10と、柄21及び柄21の長手方向pに対して屈曲して延びて先細な爪先221を有する爪22を有するレバー20と、を備えている。レバー20は、押片10に対して、天面11と平行で柄21の長手方向pに垂直な軸qを中心として回動自在に支持されている。これにより、押片10を天井ボードCbと灯具Lの鍔Lfとの間に差し込むことができるとともに、灯具Lを引き抜く際に、係止ばねLbによって天井ボードCbの設置孔Chに作用する付勢力が強くても、平坦な天面11によって天井ボードCbの設置孔Chの周縁の下面を変形しないように押さえておくことができる。よって、実施形態に係る灯具取外具100によれば、天井Cへの損傷を抑制しつつ灯具Lを取り外しできる。
【0037】
実施形態に係る灯具取外方法は、灯具Lが埋め込まれた天井ボードCbの設置孔Chの周縁部分を押さえながら、灯具Lを引き下げる。よって、実施形態に係る灯具取外方法によれば、天井Cへの損傷を抑制しつつ灯具Lを取り外しできる。
【符号の説明】
【0038】
100 灯具取外具
10 押片
11 天面
12 先端
20 レバー
21 柄
22 爪
221 爪先
30 連結部
31 ガイド孔
L 灯具
Lf 鍔
Ls 係止ばね
Lc ケース
Ll 光源
C 天井
Cb 天井ボード
Ch 設置孔
e 隙間
p 長手方向
q 軸
【要約】
【課題】天井への損傷を抑制しつつ灯具を取り外しできる灯具取外具及び灯具取外方法を提供する。
【解決手段】灯具取外具100は、平坦な天面11を有する押片10と、柄21及び柄21の長手方向pに対して屈曲して延びて先細な爪先221を有する爪22を有するレバー20と、を備えている。レバー20は、押片10に対して、天面11と平行で柄21の長手方向に垂直な軸qを中心として回動自在に支持されている。灯具取外具100は、押片10に固定され、天面11と平行で軸qに垂直な方向に延びるガイド孔31を有する連結部30を備え、軸qは、天面11に対して平行移動可能にガイド孔31に係止されている。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6