(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】給餌装置
(51)【国際特許分類】
A01K 5/00 20060101AFI20240904BHJP
【FI】
A01K5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020195230
(22)【出願日】2020-11-25
【審査請求日】2023-09-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年7月6日に金山征広の畜舎で行った評価性能
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】松村 晃秀
(72)【発明者】
【氏名】広嶋 啄也
(72)【発明者】
【氏名】横井 和弘
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02616041(FR,A1)
【文献】米国特許第03790138(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02076678(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬装置を移動させることによって、機体に収容された飼料を排出口から排出させて当該飼料を飼槽に落下させるようにした給餌装置において、
前記排出口から排出された飼料を
落下させる傾動可能な餌寄せ板と、
当該餌寄せ板の左右に設けられた回動可能なガイドアームと、
前記機体に設けられたガイドプレートと、
当該ガイドプレートに設けられた複数の係止溝と、
前記ガイドアームに設けられたガイドピンと、
を設け、
前記ガイドアームに設けられたガイドピンを、前記係止溝に係合させることで前記餌寄せ板を傾斜させるようにしたことを特徴とする給餌装置。
【請求項2】
前記ガイドアームが、下端側を回動支点とし、上端側にガイドピンを設けて構成されたものである請求項1に記載の給餌装置。
【請求項3】
前記左右のガイドアームが、連動可能に連結させたものである請求項1に記載の給餌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餌を飼槽に投入できるようにした給餌装置に関するものであって、より詳しくは、トラクターやフォークリフトなどの運搬装置によって持ち上げられた機体内の飼料を、飼槽の上方から落下させることができるようにした給餌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、牛や豚などの家畜は、畜舎内の飼槽に飼料が投入されて飼育されるようになっているが、この畜舎内で飼料を投入する際、給餌装置を用いて飼料が投入される。
【0003】
この給餌装置の一般的構造(特許文献1参照)について、
図9を用いて説明する。
【0004】
図9において、符号2は横長ボックス形状に構成された機体であり、内部にフィルムを剥がしたロールベール7が投入されるものである。また、符号3は、フロアコンベアであって、機体に収容されたロールベール7を排出口24に向けて押し付けて回転させるようにしたものであり、また、符号4は、解体装置4であって、複数のタイン41を回転させて、ロールベール7の表面から飼料を解体し、排出口24からその解体した飼料を排出させるようにしたものである。
【0005】
そして、このように構成された給餌装置を用いて飼料を飼槽8に投入する場合、図示しないフォークリフトのフォークやトラクターなどの運搬装置によって機体2を持ち上げて飼槽8上に沿って搬送するとともに、フロアコンベア3や解体装置4を駆動させて排出口24から飼料を飼槽8に落下させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような給餌装置を用いて飼料を飼槽8に投入する場合、次のような問題がある。
【0008】
すなわち、機体2の排出口24から飼料を落下させる場合、機体2の排出口24を飼槽8の上方に位置させて移動しなければならないため、フォークリフトや機体2そのものを飼槽8のぎりぎりの位置に近づけなければならなくなる。
【0009】
しかるに、このように飼槽8にフォークリフトや機体2を近づけるには、運転手の死角に位置するタイヤを飼槽8の直近の位置に沿わせて運転しなければならず、高度なテクニックを要する。
【0010】
また、タイヤと飼槽8の位置を離して運転した場合、排出口24からの飼料が飼槽8の外に落下してしまい、こぼれた飼料を係員が、手作業で飼槽8に投入していかなければならなくなる。
【0011】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、運搬装置を飼槽に近づけなくても、確実に飼料を飼槽に投入できるようにした給餌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、運搬装置を移動させることによって、機体に収容された飼料を排出口から排出させて当該飼料を飼槽に落下させるようにした給餌装置において、前記排出口から排出された飼料を落下させる傾動可能な餌寄せ板と、当該餌寄せ板の左右に設けられた回動可能なガイドアームと、前記機体に設けられたガイドプレートと、当該ガイドプレートに設けられた複数の係止溝と、前記ガイドアームに設けられたガイドピンと、を設け、前記ガイドアームに設けられたガイドピンを、前記係止溝に係合させることで前記餌寄せ板を傾斜させるようにしたものである。
【0013】
また、このような発明において、前記ガイドアームとして、下端側を回動支点とし、上端側にガイドピンを設けて構成する。
【0014】
さらに、前記左右のガイドアームを、連動可能に連結させるようにする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、運搬装置や機体を飼槽に近づけなくても、簡単に傾斜状態を維持させておくことができ、飼料を機体から離れた位置に落下させて、確実に飼料を飼槽に投入することができるようになる。これにより、タイヤで解体後の飼料を踏む危険性が低減されるとともに、車軸に飼料が巻き付く危険性もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す給餌装置の概略図
【
図3】同形態における運搬装置側から見た背面の概略図
【
図4】同形態における餌寄せ装置の動作状態を示す図
【
図6】他の実施の形態における餌寄せ装置の外観斜視図
【
図7】同形態における餌寄せ板の裏面とバネを示す図
【
図8】他の形態における餌寄せ板を伸縮させる状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
この実施の形態における給餌装置1は、
図1に示すように、ロールベール7を収容する機体2と、この機体2に収容されたロールベール7を排出口24側に押し付けて回転させるフロアコンベア3と、このフロアコンベア3によって押し付けられたロールベール7を解体させるロールベール解体装置4などを有して構成され、そのロールベール解体装置4によって解体された飼料を、側方の排出口24から排出させて落下させるようにしたものである。そして、特徴的に、その排出口24の下方に、飼料を機体2から離れた位置に落下させるための餌寄せ装置6を設け、機体2を飼槽8に近づけることなく、飼料を離れた位置の飼槽8に落下させるようにしたものである。以下、本実施の形態について、詳細に説明する。なお、本実施の形態において、運搬装置の進行方向を前方とし、それに直交する左右方向を側方として説明する。
【0019】
まず、機体2は、図示しないトラクターやフォークリフトなどの運搬装置によって持ち上げられた状態で搬送される横長ボックス状ものであって、
図3に示すように、トラクターのトップリンクやロアリンクに連結される連結部22を背面側に設け、また、底面側にフォークリフトのフォークを挿し込むことができるようにした挿入口23を設けるようにしている。なお、このように、トラクターやフォークリフトで機体2を持ち上げた際に、進行方向に沿って左側に飼槽8や排出口24を位置させるようにする。
【0020】
この機体2の内部に設けられるフロアコンベア3は、投入されたロールベール7を排出口24側に押し付けるとともに、その状態でロールベール7を回転させるようにしたものであって、
図1や
図2に示すように、左右に設けられたスプロケットに伝導チェーン31(
図2参照)を掛け渡してローラーを回転させるともに、そのローラーに取り付けられたベルト32を回転させるように構成されている。また、このベルト32の中央部分の下方には、ロールベール7を支持するための板状の支持プレート33(
図1参照)が設けられており、これによって、ロールベール7の重みを支えながらベルト32によってロールベール7を排出口24側に押し付けて回転させるようにしている。
【0021】
一方、ロールベール解体装置4は、押し付けられたロールベール7を解体して飼料を排出口24から排出させるようにしたものであって、
図1や
図5に示すように、ローター42に取り付けられたタイン41を回転させ、そのタイン41によって解体された飼料を排出口24へ導くためのガイドプレート43などを設けて構成されている。このタイン41は、ローター42に複数設けられており、タイン41を取り付けたローター42を回転させることによって、タイン41の先端部分でロールベール7を表面から掻き取ってロールベール7を解体させるように構成されている。一方、ガイドプレート43は、このタイン41を突出させた状態で、飼料を排出口24に向かって移送させるようにしたものであって、タイン41の回転領域に溝44(
図2や
図5参照)を有するように構成されている。そして、ローター42を回転させることによって、タイン41でロールベール7を掻き取り、その掻き取られた飼料をガイドプレート43に沿って移送させる。そして、ガイドプレート43の排出口24付近で、タイン41を溝44の内側に引き込んで、ガイドプレート43の傾斜に沿って飼料を排出口24から排出させるようにしている。
【0022】
このように構成されたロールベール解体装置4やフロアコンベア3は、運搬装置からの油圧による駆動機構5を用いて駆動される。この駆動機構5は、機体2の右側に設けられた油圧モーター51(
図1参照)を回転させることによって、その油圧モーター51との間に掛け渡されたチェーンによってフロアコンベア3のスプロケットを回転させる。一方、ロールベール解体装置4については、油圧モーター51との間に図示しないチェーンを掛け渡し、複数のギアを介して、ロールベール解体装置4のローター42を回転させるようにしている。
【0023】
このような構成のもと、この実施の形態では、機体2の排出口24の下方に、解体されたロールベール7の飼料を、機体2から離れた位置に落下させるための餌寄せ装置6を設けるようにしている。
【0024】
この餌寄せ装置6は、
図4や
図5などに示すように、上面を滑らかな板状に構成した餌寄せ板61と、この餌寄せ板61を傾動させる機構を設けて構成されている。
【0025】
このうち、餌寄せ板61は、機体2の側壁21に設けられた回動軸62を中心に、下端側を持ち上げられるようにしたものであって、少なくとも排出口24とほぼ同じ幅に構成される。一方、この餌寄せ板61の上下方向の長さについては、餌寄せ板61を側壁21に沿わせた場合に、下端部分が底面とほぼ一致する長さか、もしくは、底面よりも若干高い位置にくるような長さに設定される。この餌寄せ板61の上面は、飼料を滑りやすくした平面状に構成されるが、このようにすると、飼料が餌寄せ板61の左右両脇から零れてしまう可能性がある。このため、
図6に示すように、餌寄せ板61の左右両辺部に、縁部に沿った起立壁61wを設けて、飼料を横から零さないようにしてもよい。
【0026】
また、この餌寄せ板61を回動可能に取り付ける場合、餌寄せ板61と機体2との隙間に飼料が挟まり込み、回動軸62に飼料が挟まり込んで、餌寄せ板61が動かなくなる可能性がある。そこで、ここでは、
図5に示すように、餌寄せ板61の上部に、飼料が餌寄せ板61との間に入り込まないようにした屋根部25を設けるようにしている。この屋根部25は、餌寄せ板61の厚み幅とほぼ同じ突出長さを有するように構成されており、これによって、飼料を回動軸62に入り込ませないようにしている。
【0027】
一方、餌寄せ板61を傾動させる機構は、この餌寄せ板61を、傾斜させるとともに、その傾斜させた状態に維持できるようにしたものであって、ここでは、餌寄せ板61の両脇に設けられたガイドプレート63と、このガイドプレート63の係止溝65a、65bに係止するガイドアーム66などを有して構成されている。
【0028】
このうち、ガイドプレート63は、機体2の側壁21に設けられるものであって、餌寄せ板61を機体2の側壁21に沿って固定させておくための縦長溝64や、また、餌寄せ板61を所定の角度に維持させておくための係止溝65a、65bなどを有するように構成されている。
【0029】
一方、ガイドプレート63に係止するガイドアーム66は、下端側が餌寄せ板61の側面に回動可能に取り付けられ、上端側に、前記係止溝65a、65bに係止するガイドピン67を有するように構成される。そして、餌寄せ板61の下端部分を持って餌寄せ板61を持ち上げた場合に、ガイドアーム66を自重で回動させ、所定の位置で餌寄せ板61を離すことによって、ガイドアーム66を傾動させ、その先端に設けられたガイドピン67を係止溝65a、65bに係合させるようにしている。なお、このように餌寄せ板61の自重によってガイドピン67を係止溝65a、65bに係合させるだけでは、走行途中の振動によって、係止状態が外れてしまう可能性がある。そのため、餌寄せ板61の裏面と機体2との間に、
図7に示すようなバネ68を取り付け、このバネ68の力によって、常に餌寄せ板61を機体2側に引き寄せるようにしておく。
【0030】
次に、このように構成された給餌装置1を用いた給餌作業の状態について説明する。
【0031】
まず、給餌を行うに際しては、事前にロールベール7に巻き付けられたフィルムを剥がしておき、そのフィルムを剥がしたロールベール7を機体2に投入する。このとき、ロールベール7のフロアコンベア3による回転方向に沿って、螺旋状に巻き付けられたロールベール7が捲れて行く方向にロールベール7を投入する。
【0032】
そして、このようにロールベール7を投入した後、機体2をフォークリフトやトラクターなどの運搬装置で持ち上げるとともに、その運搬装置の油圧ポンプと機体2の油圧ポンプを接続する。
【0033】
次に、このように機体2を持ち上げた状態で、畜舎の飼槽8に沿った位置に運搬装置を移動させ、飼槽8と機体2の距離の位置合わせを行う。
【0034】
この位置合わせを行う際、飼槽8と機体2の側壁21との位置を若干離しておき、機体2や運搬装置を飼槽8に接触させないようにしておくとともに、餌寄せ板61の下端部分を持ち上げて、その餌寄せ板61の下端縁部を飼槽8の上部に位置させる。
【0035】
このとき、餌寄せ板61の下端部分を持ち上げると、左右に設けられたガイドアーム66の回動支点が機体2から離れるようになるが、これに伴って、先端部分のガイドピン67が、自重によって、ガイドプレート63の縦長溝64に沿って下方に移動するようになる。そして、所定の位置で餌寄せ板61を離すと、今度は、餌寄せ板61の自重やバネ68の力によって餌寄せ板61が機体2側に回動し、これに伴って、ガイドアーム66が機体2側に押し付けられるようになる。これにより、左右に設けられたガイドピン67が係止溝65a、65bに入り込み、所定の角度で餌寄せ板61を維持させることができるようになる。
【0036】
このように餌寄せ板61を傾斜させた後、運搬装置の油圧をONにさせて、運搬装置を飼槽8に沿って移動させる。すると、フロアコンベア3やロールベール解体装置4が駆動し、フロアコンベア3のベルト32の回転によって、ロールベール7がロールベール解体装置4側に押し付けられ、タイン41の回転によって、ロールベール7の表面が掻き取られる。
【0037】
このように掻き取られたロールベール7の飼料は、ガイドプレート43上を移送され、排出口24から落下する。そして、その落下した飼料は、餌寄せ板61の傾斜面に沿って、機体2から離れた位置に落下するようになる。なお、この排出口24から真下に落下した飼料は、餌寄せ板61と機体2との隙間に入り込もうとするが、屋根部25を設けているため、飼料が隙間に入り込むようなことがなくなる。
【0038】
次に、このような給餌作業が終了した場合、今度は、逆に、餌寄せ板61を機体2の側壁21に沿わせるように収容する。この餌寄せ板61を機体2に沿わせる場合、餌寄せ板61の下端部分を持ち上げて機体2から離すように回動させ、ガイドアーム66の回動部を機体2から離すようにする。すると、ガイドピン67が係止溝65a、65bから離れ、ガイドピン67の係止状態が解除されるようになる。そして、ガイドピン67を縦長溝64に沿ってスライドさせるように手でガイドアーム66をガイドし、餌寄せ板61を機体2の側壁21に沿わせるようにする。
【0039】
このように餌寄せ板61を側壁21に沿わせ、その給餌装置1を保管場所まで運搬して機体2を下ろし、油圧ポンプの接続を解除する。このとき、餌寄せ板61は、機体2の底部から突出した状態になっていないため、餌寄せ板61が地面に接触するようなことがなくなる。
【0040】
このように上記実施の形態によれば、機体2に収容されたロールベール7を解体させて、その解体された飼料を排出口24から飼槽8に落下させるようにした給餌装置1において、前記排出口24から排出された飼料を落下させる傾動可能な餌寄せ板61と、当該餌寄せ板61の左右に設けられた回動可能なガイドアーム66と、前記機体2に設けられたガイドプレート63と、当該ガイドプレート63に設けられた複数の係止溝65a、65bと、前記ガイドアーム66に設けられたガイドピン67と、を設け、前記ガイドアーム66に設けられたガイドピン67を、前記係止溝65a、65bに係合させることで前記餌寄せ板61を傾斜させるようにしたので、運搬装置や機体2を飼槽8に近づけなくても、簡単に傾斜状態を維持させておくことができ、飼料を機体2から離れた位置に落下させて、確実に飼料を飼槽8に投入することができるようになる。これにより、タイヤで解体後の飼料を踏む危険性が低減されるとともに、車軸に飼料が巻き付く危険性もなくなる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0042】
例えば、上記実施の形態では、餌寄せ装置6として、一枚の餌寄せ板61を設けて構成したが、
図8に示すように、複数枚の餌寄せ板61、61aで構成し、傾斜方向に沿って先端側の餌寄せ板61aを伸ばすようにしてもよい。この場合、上方に位置する餌寄せ板61の側面に長穴などのスライド部61bを設けるとともに、先端側の餌寄せ板61aに蝶ネジなどを取り付けておく。として、このスライド部61bに沿って先端側の餌寄せ板61aを伸ばし、所定の位置で蝶ネジ61cを締め付けて固定できるようにしてもよい。なお、このように餌寄せ板61、61aを複数枚で構成するようにした場合、どうしても先端側の餌寄せ板61が撓んでしまう可能性があり、また、落下する飼料の重みに耐えることができなくなる可能性がある。このため、例えば、延出される側の餌寄せ板61の裏面側などに、機体2の側壁21に接触させる棒状部材61d(
図8の下図参照)などを回動可能に設けておき、餌寄せ板61aを伸ばした状態で、その裏面側の棒状部材61dを回動させて機体2の側壁21に接触させ、先端側の餌寄せ板61aを撓ませないようにすることもできる。
【0043】
また、上記実施の形態では、餌寄せ板61の左右にガイドアーム66を設けて餌寄せ板61の傾斜状態を維持させるようにしたが、このように左右のガイドアーム66を独立して回動させるようにした場合は、係止状態を解除する際に、左右のガイドアーム66を左右の手で持って解除しなければならない。しかるに、この際、手で餌寄せ板61を持ち上げるとともに、左右のガイドアーム66を左右の手で持って係合状態を解除しなければならず、一人で作業するのが難しくなる。そこで、左右のガイドアーム66の回動軸62を餌寄せ板61の裏面側でそれぞれ連結させておき、一方のガイドアーム66の係止状態を解除させるように回動させた際に、他方のガイドアーム66も連動させて係止状態を解除させるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、フロアコンベア3やロールベール解体装置4を有する給餌装置1を例に挙げて説明したが、すでに解体された飼料を用いて給餌する装置についても、同様の機構を用いることもできる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・給餌装置
2・・・機体
21・・・側壁
23・・・挿入口
24・・・排出口
25・・・屋根部
6・・・餌寄せ装置
61・・・餌寄せ板
61w・・・起立壁
62・・・回動軸
63・・・ガイドプレート
64・・・縦長溝
65a、65b・・・係止溝
66・・・ガイドアーム
67・・・ガイドピン
68・・・バネ
7・・・ロールベール
8・・・飼槽