IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テックス理研株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-外周検査装置 図1
  • 特許-外周検査装置 図2
  • 特許-外周検査装置 図3
  • 特許-外周検査装置 図4
  • 特許-外周検査装置 図5
  • 特許-外周検査装置 図6
  • 特許-外周検査装置 図7
  • 特許-外周検査装置 図8
  • 特許-外周検査装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】外周検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/952 20060101AFI20240904BHJP
   G01N 21/892 20060101ALI20240904BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
G01N21/952
G01N21/892
G01N21/84 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021027444
(22)【出願日】2021-02-24
(65)【公開番号】P2022128955
(43)【公開日】2022-09-05
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】517166756
【氏名又は名称】テックス理研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 裕二
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-062835(JP,A)
【文献】特開2016-206071(JP,A)
【文献】特開2017-152443(JP,A)
【文献】特開平06-066529(JP,A)
【文献】特開2010-025642(JP,A)
【文献】米国特許第6122045(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の円柱状の被検材の外周面を検査する外周検査装置であって、
前記被検材の軸方向と直交する方向に4分割された周面の対向する第1分割周面及び第2分割周面を映し出す第1曲面ミラー部と、
前記第1曲面ミラー部に映し出された前記第1分割周面及び前記第2分割周面を含む前記被検材の外周面を撮像する第1撮像部と、
前記第1曲面ミラー部に対して前記被検材の軸方向に離れて配置されるとともに、前記第1分割周面と直交する第3分割周面及び前記第2分割周面と直交する第4分割周面を映し出す第2曲面ミラー部と、
前記第1撮像部に対して前記被検材の軸方向に離れて配置されるとともに、前記第2曲面ミラー部に映し出された前記第3分割周面及び前記第4分割周面を含む前記被検材の外周面を撮像する第2撮像部と、
前記第1撮像部と前記第2撮像部による前記外周面の画像情報に基づき前記外周面を判別する画像検査部と、を有する外周検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外周検査装置であって、
前記第1曲面ミラー部は、前記被検材の軸方向に対して直交して配置した一対の曲面ミラーにより構成し、
前記第2曲面ミラー部は、前記被検材の軸方向に対して直交して配置した一対の曲面ミラーにより構成する、外周検査装置
【請求項3】
請求項1又は2に記載の外周検査装置であって、
前記第1曲面ミラー部に光を照射する第1照明部と、
前記第2曲面ミラー部に光を照射する第2照明部と、
をさらに備える、外周検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の外周検査装置であって、
前記被検材と第1撮像部、前記被検材と第2撮像部との間にそれぞれハーフミラーを配し、
前記第1照明部からの照明光がハーフミラーで反射されて前記第1曲面ミラー部へ案内され、前記第1曲面ミラー部からの反射光が前記ハーフミラーを透過し前記第1撮像部に与えられ、
前記第2照明部からの照明光がハーフミラーで反射されて前記第2曲面ミラー部へ案内され、前記第2曲面ミラー部からの反射光が前記ハーフミラーを透過し前記第1撮像部に与えられる、外周検査装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の外周検査装置であって、
前記円柱状の被検材は、丸棒材、鋼管材であり、前記被検材が移動しながら外周の全周を検査する、外周検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周検査装置に関する。さらに詳しくは、長尺の円柱状被検材の外周を検査する外周検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、円筒状の被検材の外周面等の外観を検査する外周検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の外周検査装置は、基台、反射体、光照射手段、1つの撮像手段、及び画像手段を備える。基台は、円筒状の被検材を載置する。反射体は、被検材の円筒の中心軸と同軸でその外方に配置され、被検材の外周面に対向する側に円錐状ミラーが形成されている。光照射手段は、被検材の外周に光を照射する。撮像手段は、被検材の中心軸上方に配置され、被検材の外周面で反射する反射光を受光して撮像する。画像判別手段は、撮像手段の情報に基づいて、被検材の外周面を検査する。
【0003】
上記特許文献1の第8実施形態には、ホースやチューブなどの連続体からなる被検材の外周を検査する装置が開示されている。この装置は、4個の撮像部と1個の全周ミラーを有する。4個の撮像部は、全周ミラーに対向するように配置される。そして、全周ミラーの反射面を介して4個の撮像部は、被検材の外周面を周方向に4つに分割して撮像する。得られた分割画像は画像合成され全周画像に変換されて、被検材の外周面が検査される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-45470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に記載した装置においては、被検材の中心軸上に撮像手段が設けられている。このため、検査対象となる被検材は、撮像手段までの距離までの部材に限定され、長さ方向に対して制限があり、長尺の被検材を検査することはできない。
【0006】
また、上記した特許文献1の第8実施形態においては、ホースやチューブなどの連続体からなる被検材の外周を検査する装置が開示されている。しかしながら、上記した特許文献1は、被検材の外周を撮像するために4個の撮像部を用いているため、装置が複雑になるとともに、コストも嵩むという問題があった。
【0007】
本発明は、撮像部の数を削減して長尺の円柱状の被検材の外周を検査することができる外周検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、長尺の円柱状の被検材の外周面を検査する外周検査装置であって、前記被検材の軸方向と直交する方向に4分割された周面の対向する第1分割周面及び第2分割周面を映し出す第1曲面ミラー部と、前記第1曲面ミラー部に映し出された前記第1分割周面及び前記第2分割周面を含む前記被検材の外周面を撮像する第1撮像部と、前記第1曲面ミラー部に対して前記被検材の軸方向に離れて配置されるとともに、前記第1分割周面と直交する第3分割周面及び前記第2分割周面と直交する第4分割周面を映し出す第2曲面ミラー部と、前記第1撮像部に対して前記被検材の軸方向に離れて配置されるとともに、前記第2曲面ミラー部に映し出された前記第3分割周面及び前記第4分割周面を含む前記被検材の外周面を撮像する第2撮像部と、前記第1撮像部と前記第2撮像部による前記外周面の画像情報に基づき前記外周面を判別する画像検査部と、を有する。
【0009】
また、本発明は、前記第1曲面ミラー部は、前記被検材の軸方向に対して直交して配置した一対の曲面ミラーにより構成し、前記第2曲面ミラー部は、直交して配置した一対の曲面ミラーにより構成することが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記第1曲面ミラー部に光を照射する第1照明部と、前記第2曲面ミラー部に光を照射する第2照明部と、をさらに備えるように構成することが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記被検材と第1撮像部、前記被検材と第2撮像部との間にそれぞれハーフミラーを配し、前記第1照明部からの照明光がハーフミラーで反射されて前記第1曲面ミラー部へ案内され、前記第1曲面ミラー部からの反射光が前記ハーフミラーを透過し前記第1撮像部に与えられ、前記第2照明部からの照明光がハーフミラーで反射されて前記第2曲面ミラー部へ案内され、前記第2曲面ミラー部からの反射光が前記ハーフミラーを透過し前記第1撮像部に与えられるように構成することが好ましい。
【0012】
また、前記円柱状の被検材は、丸棒材、鋼管材であり、前記被検材が移動しながら外周の全周を検査するように構成できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被検材の軸長方向の長さに依存されずに、長尺の円柱状の被検材の外周を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の概略構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の概略正面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の概略上面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の概略底面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の概略側面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の第1曲面ミラー部の被検材の映り込み状態を示す説明図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る外周検査装置の第2曲面ミラー部の被検材の映り込み状態を示す説明図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る外周検査装置の第1曲面ミラー部の被検材の映り込み状態を示す説明図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る外周検査装置の第2曲面ミラー部の被検材の映り込み状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態に係る外周検査装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る外周検査装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0016】
本発明の第1の実施形態につき、図1図7に従い説明する。
図1図7に示すように、長尺の円柱状の被検材8の外周を検査する外周検査装置100は、第1曲面ミラー部2、第2曲面ミラー部3、第1撮像部6及び第2撮像部7を有する。この実施形態においては、第1撮像部6に近接して第1照明部4、第2撮像部7に近接して第2照明部5が設けられている。ここで、被検材8は、丸棒材、管鋼材など円柱状の長尺部材である。
【0017】
この実施形態においては、第1曲面ミラー部2は、曲面ミラー21と曲面ミラー22とからなる一対の曲面ミラーを有する。図6に示すように、第1曲面ミラー部2を構成する曲面ミラー21と曲面ミラー22は、第1対称軸線2cに対して線対称に配置され、曲面ミラー21と曲面ミラー22は被検材8の軸方向に対して直交する。
【0018】
第1曲面ミラー部2は、被検材8の軸方向と直交する方向に4分割された周面のうち対向する2つの分割周面を映し出すように構成されている。この実施形態においては、図6に示すように、第1曲面ミラー部2の曲面ミラー21は、第1分割周面8aを映し出し、曲面ミラー22は、第1分割周面8aに対して被検材8の軸心を中心として対向する第2分割周面8bを映し出す。
【0019】
図3図5に示すように、第2曲面ミラー部3は、第1曲面ミラー部2に対して前記被検材8の軸方向に離れて配置される。
【0020】
第2曲面ミラー部3は、曲面ミラー31と曲面ミラー32とからなる一対の曲面ミラーを有する。図7に示すように、第2曲面ミラー部3を構成する曲面ミラー31と曲面ミラー32は、第2対称軸線3cに対して線対称に配置され、曲面ミラー31と曲面ミラー32は被検材8の軸方向に対して直交する。
【0021】
第2曲面ミラー部3は、被検材8の軸方向と直交する方向に4分割された周面のうち対向する2つの分割周面を映し出すように構成されている。この実施形態においては、図7に示すように、第2曲面ミラー部3の曲面ミラー31は、第3分割周面8cを映し出し、曲面ミラー32は第3分割周面8cに対して被検材8の軸心を中心として対向する第4分割周面8dを映し出す。
【0022】
図6及び図7に示すように、第1分割周面8a、第2分割周面8b、第3分割周面8c、第4分割周面8dは、軸心から周面に対して90度の角度でそれぞれ分割された円弧で構成される外周面である。第1分割周面8aと第3分割周面8cは直交し、第2分割周面8bと第4分割周面8dは直交する位置関係となる。
【0023】
図2に示すように、第1対称軸線2cと第2対称軸線3cは直交するように第1曲面ミラー部2及び第2曲面ミラー部3が配置される。第1対称軸線2cと第2対称軸線3cとの交点に被検材8の軸心が通るように、被検材8と外周検査装置100とが相対移動する。
【0024】
第1対称軸線2cの延長上に第1撮像部6が配置され、第1曲面ミラー部2に映し出された2つの分割周面8a、8bを含む被検材8の外周面を撮像する。第1撮像部6により撮像された画像情報は、制御部9の画像メモリ91に格納される。画像メモリ91に格納された画像情報が画像検査部90に与えられる。第1撮像部6は、撮像レンズ及びイメージセンサを有し、撮影光軸を第1対称軸線2cに一致させて配置される。
【0025】
第2対称軸線3cの延長上に第2撮像部7が配置され、第2曲面ミラー部3に映し出された2つの分割周面8c、8dを含む被検材8の外周面を撮像する。第2撮像部7により撮像された画像情報は、制御部9内の画像メモリ91に格納される。画像メモリ91に格納された画像検査部90に与えられる。第2撮像部7は、撮像レンズ及びイメージセンサを有し、撮影光軸を第2対称軸線3cに一致させて配置される。
【0026】
図3図5に示すように、第2撮像部7は、第1撮像部6に対して被検材8の軸方向に離れて配置される。
【0027】
第1照明部4は、第1撮像部6を挟むようにして配置される一対の平面光源41、42を有する。平面光源41、42は、白色LEDで構成され、制御部9により、点灯制御される。第2照明部5は、第2撮像部7を挟むようにして配置される一対の平面光源51、52を有する。平面光源51、52は、白色LEDで構成され、制御部9により、点灯制御される。
【0028】
この実施形態においては、第1照明部4を構成する平面光源41、42の光の出射面が第1対称軸線2cに対して直交する方向に配置されている。同様に、第2照明部5を構成する平面光源51、52の光の出射面が第2対称軸線3cに対して直交する方向に配置されている。
【0029】
第1照明部4からの照明光は第1曲面ミラー部2を介して2つの分割周面8a、8bに案内される。検査対象の分割周面8a、8bが照射されることにより、第1曲面ミラー部2に映し出された2つの分割周面8a、8bは、明るい映像となり、第1撮像部6に撮像される画像情報は明度が高いものが得られ、外周面の傷などの欠陥が容易に判別できる。
【0030】
第2照明部5からの光は第2曲面ミラー部3を介して2つの分割周面8c、8dに案内される。検査対象の分割周面8c、8dが照射されることにより、第2曲面ミラー部3に映し出された2つの分割周面8c、8dは、明るい映像となり、第2撮像部7に撮像される画像は明度が高いものが得られ、外周面の欠陥の判別が容易となる。
【0031】
さらに、この実施形態においては、第1曲面ミラー部2及び第2曲面ミラー部3をそれぞれ曲面ミラーにより構成しているので、照明光が被検材8の軸心を中心に集光する光学系となる。このため、被検材8の外周面に対して光が垂直に入射することになる。そして、被検材8からの反射光も入射光と同じ光路で反射され、各曲面ミラーのミラー面に被検材8の外周面が映し出される。第1撮像部6及び第2撮像部7は、光のむらがない外周面の画像を撮像することができる。
【0032】
また、曲面ミラーを採用することで、照明光が被検材8の軸心を中心に集光する光学系となり、各光線が入射角0度で被検材8の外周面を反射することになる。これにより、被検材8の外径が変更された場合にも同じ照明条件で外周面の検査を行うことができる。
【0033】
図3図5に示すように、第2照明部5は、第1照明部4に対して被検材8の軸方向に離れて配置される。
【0034】
第1撮像部6及び第2撮像部7から4分割された被検材8の外周面の画像情報が制御部9内の画像メモリ91に格納される。画像メモリ91に格納された画像情報が画像検査部90に与えられる。
【0035】
画像検査部90は、与えられた画像情報により、被検材8の外周面を判別し、傷などの欠陥の有無を判別する。第1撮像部6及び第2撮像部7が撮像した画像情報は、曲面ミラーを介しての画像情報と被検材8の外周面を直接撮像した画像情報とがある。この実施形態においては、被検材8の画像判別に使用する画像情報は、曲面ミラーを介しての画像だけである。このため、画像検査部90は、画像処理により曲面ミラーを介しての画像情報のみを抽出し、抽出した画像情報により被検材8の外周面を判別している。
【0036】
上記した第1曲面ミラー部2(曲面ミラー21、22)、第2曲面ミラー部3(曲面ミラー31、32)、第1撮像部6、第1照明部4(41、42)及び第2照明部5(51、2)は、ケース10に固定される。ケース10は、被検材8が通過するための開口11が設けられている。
【0037】
被検材8の軸心と第1対称軸線2cと第2対称軸線3cとの交点が一致するようにして、外周検査装置100と被検材8を相対移動させる。外周検査装置100を固定し、被検材8を移動させる、あるいは被検材8を固定し、被検材8の軸長方向に外周検査装置100を移動させることにより、被検材8の外周検査を行う。
【0038】
制御部9は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)で構成され、内部メモリに格納されたプログラムにより画像検査部90としての動作を司る。
【0039】
第1撮像部6及び第2撮像部7により撮像された画像情報は、時系列的に制御部9内の画像メモリ91に格納される。画像検査部90は、画像メモリ91に格納された画像情報を読み出し、被検材8の外周面の検査を行う。
【0040】
制御部9は、外周検査装置100と被検材8との相対移動速度に基づき、画像メモリ91に格納された画像データが被検材8のどの位置かを判別することとができる。これにより、被検材8の外周の位置に対応した検査結果を得ることができる。
【0041】
このようにして、2つの撮像部6、7により長尺の円柱状の被検材8の外周を検査することができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付し、説明を省略する。
この第2の実施形態は、被検材8へ照射する光路と被検材8から撮像部6、7への反射光路が同軸になるように、被検材8への照明を同軸照明に構成している。
【0043】
図8及び図9に示すように、被検材8と第1撮像部6との間に、ハーフミラー4bを設ける。ハーフミラー4bは、例えば、L字状のプレート型ビームスプリッタで構成され、L字の角を第1対称軸線2cに一致させて配置されている。
【0044】
第2の実施形態の第1照明部4aは、第1対称軸線2cに対して直交して互いに対向して配置される一対の平面光源41a、42aを有する。
【0045】
平面光源41a、42aの間にはハーフミラー4bが配置される。平面光源41a、42aは、白色LEDで構成され、制御部9により、点灯制御される。
【0046】
第1照明部4aを構成する平面光源41a、42aとハーフミラー4bにより同軸照明を構成する。
【0047】
同様に、被検材8と第2撮像部7との間に、ハーフミラー5bを設ける。ハーフミラー5bは、例えば、L字状のプレート型ビームスプリッタで構成され、L字の角を第2対称軸線3cに一致させて配置されている。
【0048】
第2の実施形態の第2照明部5aは、第2対称軸線3cに対して直交して互いに対向して配置される一対の平面光源51a、52aを有する。
【0049】
平面光源51a、52aの間にはハーフミラー5bが配置される。平面光源51a、52aは、白色LEDで構成され、制御部9により、点灯制御される。
【0050】
第2照明部5aを構成する平面光源51a、52aとハーフミラー5bにより同軸照明を構成する。
【0051】
上記したように、この実施形態においては、ハーフミラー4b、5bは、プレート型ビームスプリッタで構成される。プレート型ビームスプリッタは、非偏光タイプのビームスプリッタを用いることができ、例えば、可視光領域で透過率と反射率がそれぞれ50%のものを用いればよい。
【0052】
図8に示すように、第1照明部4aの平面光源41aからの照明光は、ハーフミラー4bで反射され、第1曲面ミラー部2の曲面ミラー21に与えられる。曲面ミラー21に与えられた照明光が被検材8の軸心を中心に集光され、分割周面8aに与えられる。この分割周面8aには、光が垂直に入射する。分割周面8aで反射された反射光も入射光と同じ光路で曲面ミラー21に戻り、曲面ミラー21で反射されて、反射光が入射光と同軸にハーフミラー4bに与えられる。そして、分割周面8aで反射し、曲面ミラー21で反射した光は、ハーフミラー4bを透過し、第1撮像部6に与えられて撮像される。
【0053】
同様に、第1照明部4aの平面光源42aからの照明光は、ハーフミラー4bで反射され、第1曲面ミラー部2の曲面ミラー22に与えられる。曲面ミラー22に与えられた照明光が被検材8の軸心を中心に集光され、分割周面8bに与えられる。この分割周面8bには、光が垂直に入射する。分割周面8bで反射された反射光も入射光と同じ光路で曲面ミラー22に戻り、曲面ミラー22で反射されて、反射光が入射光と同軸にハーフミラー4bに与えられる。そして、分割周面8bで反射し、曲面ミラー22で反射した光は、ハーフミラー4bを透過し、第1撮像部6に与えられて撮像される。
【0054】
図9に示すように、第2照明部5aの平面光源51aからの照明光は、ハーフミラー4bで反射され、第2曲面ミラー部3の曲面ミラー31に与えられる。曲面ミラー31に与えられた照明光が被検材8の軸心を中心に集光され、分割周面8cに与えられる。この分割周面8cには、光が垂直に入射する。分割周面8cで反射された反射光も入射光と同じ光路で曲面ミラー31に戻り、曲面ミラー31で反射されて、反射光が入射光と同軸にハーフミラー4bに与えられる。そして、分割周面8cで反射し、曲面ミラー31で反射した光は、ハーフミラー4bを透過し、第2撮像部7に与えられて撮像される。
【0055】
同様に、第2照明部5aの平面光源52aからの照明光は、ハーフミラー4bで反射され、第2曲面ミラー部3の曲面ミラー32に与えられる。曲面ミラー32に与えられた照明光が被検材8の軸心を中心に集光され、分割周面8dに与えられる。この分割周面8bには、光が垂直に入射する。分割周面8bで反射された反射光も入射光と同じ光路で曲面ミラー32に戻り、曲面ミラー32で反射されて、反射光が入射光と同軸にハーフミラー4bに与えられる。そして、分割周面8dで反射し、曲面ミラー32で反射した光は、ハーフミラー4bを透過し、第2撮像部7に与えられて撮像される。
【0056】
このようにして、第1撮像部6、第2撮像部7に同軸照明により撮像された4分割された被検材8の外周面の画像情報が制御部9内の画像メモリ91に格納される。画像メモリ91に格納された画像情報が画像検査部90に与えられる。
【0057】
画像検査部90は、与えられた画像情報により、被検材8の外周面を判別し、傷などの欠陥の有無を判別する。
【0058】
この第2の実施形態においては、同軸照明により被検材8の外周面を検査することにより、反射などの影響をなくして、外観の検査を行うことができる。
【0059】
尚、上述した実施形態においては、第1曲面ミラー部2及び第2曲面ミラー部3を直交して配置した一対の曲面ミラーによりそれぞれ構成したが、一つの曲面ミラーで対向する分割周面を映し出すように構成しても良い。
【0060】
また、上述した実施形態においては、第1照明部4、4a、第2照明部5、5aを設けているが、これら照明部を設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0061】
2 :第1曲面ミラー部
3 :第2曲面ミラー部
3c :第2対称軸線
4 :第1照明部
5 :第2照明部
6 :第1撮像部
7 :第2撮像部
8 :被検材
8a :第1分割周面
8b :第2分割周面
8c :第3分割周面
8d :第4分割周面
8d :分割周面
9 :制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9