(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】電気掃除機の延長管、及び電気掃除機ユニット
(51)【国際特許分類】
A47L 9/24 20060101AFI20240904BHJP
A47L 9/00 20060101ALI20240904BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
A47L9/24 C
A47L9/00 104
A47L9/28 U
(21)【出願番号】P 2022020701
(22)【出願日】2022-02-14
(62)【分割の表示】P 2020104031の分割
【原出願日】2020-06-16
【審査請求日】2022-06-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】河阪 雅之
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 万央
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210697474(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110754994(CN,A)
【文献】特開2019-136338(JP,A)
【文献】特開2003-047577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/24
A47L 9/00
A47L 9/28
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵埃を吸い込むための吸込口を有する吸込具を管軸方向一端側に接続し、管軸方向他端側に掃除機本体を接続するための電気掃除機の延長管であって、前記掃除機本体に対して当該延長管が上下方向における下側に接続されている状態とした場合、当該延長管は前記掃除機本体の下端側に有する管接続部に接続され、
前記掃除機本体側に設けられたバッテリーに給電するための電力を受電して供給する受電部と、
風路を構成する管部と、
前記管部との間で前記受電線を配するためのカバー部と、を備え、
前記管部、前記カバー部、又は前記管部と前記カバー部との間において、管軸方向と交差する方向に連通した連通部を有し、
当該延長管の背面側かつ前記管軸方向一端側に、前記バッテリーを充電するための充電台の支柱部の上端側と係合する係合構造を有し、
前記受電部が、
前記管軸方向他端側において、前記掃除機本体に接続される第一通電部と、
前記第一通電部よりも前記管軸方向一端側に設けられる第二通電部と、
前記第一通電部及び前記第二通電部を電気的に接続する受電線と、を有し、
前記受電線は、前記連通部を通ることにより正面側から背面側に配索されることで、前記第一通電部及び前記第二通電部を電気的に接続し、
前記第二通電部から前記バッテリーへ給電され、
当該延長管が前記管接続部および前記吸込具と接続されている状態で、前記充電台の第三通電部と前記第二通電部とが当該延長管の外周にて接続可能であることを特徴とする、電気掃除機の延長管。
【請求項2】
塵埃を吸い込むための吸込口を有する吸込具を管軸方向一端側に接続し、管軸方向他端側に掃除機本体を接続するための電気掃除機の延長管であって、前記掃除機本体に対して当該延長管が上下方向における下側に接続されている状態とした場合、当該延長管は前記掃除機本体の下端側に有する管接続部に接続され、
前記掃除機本体側に設けられたバッテリーに給電するための電力を受電して供給する受電部と、
風路を構成する管部と、
前記管部との間で前記受電線を配するためのカバー部と、を備え、
前記管部、前記カバー部、又は前記管部と前記カバー部との間において、管軸方向と交差する方向に連通した連通部を有し、
当該延長管の背面側かつ前記管軸方向一端側に、前記バッテリーを充電するための充電台の支柱部の上端側と係合する係合構造を有し、
前記受電部が、
前記管軸方向他端側において、前記掃除機本体に接続される第一通電部と、
前記第一通電部よりも前記管軸方向一端側に設けられる第二通電部と、
前記第一通電部及び前記第二通電部を電気的に接続する受電線と、を有し、
前記受電線は、正面側および背面側のうち背面側に配索されることで、前記第一通電部及び前記第二通電部を電気的に接続し、
前記第二通電部から前記バッテリーへ給電され、
当該延長管が前記管接続部および前記吸込具と接続されている状態で、前記充電台の第三通電部と前記第二通電部とが当該延長管の外周にて接続可能であることを特徴とする、電気掃除機の延長管。
【請求項3】
前記バッテリーから前記吸込具に給電するための給電部を備え、
前記給電部が、
前記管軸方向他端側において、前記掃除機本体に接続される第四通電部と、
前記管軸方向一端側において、前記吸込具に接続される第五通電部と、
前記第四通電部及び前記第五通電部を電気的に接続する給電線と、を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の電気掃除機の延長管。
【請求項4】
前記給電線は、前記連通部を通ることにより、正面側から背面側、または、背面側から正面側に配索されることで、前記第四通電部及び前記第五通電部を電気的に接続することを特徴とする、請求項3に記載の電気掃除機の延長管。
【請求項5】
前記給電線は、正面側および背面側のいずれか一方側に配索されることで、前記第四通電部及び前記第五通電部を電気的に接続することを特徴とする、請求項3に記載の電気掃除機の延長管。
【請求項6】
当該延長管が前記吸込具と接続されている状態で、前記第二通電部が当該延長管の外周面に露出することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の電気掃除機の延長管。
【請求項7】
バッテリーを有する掃除機本体と、
塵埃を吸い込むための吸込口を有する吸込具と、
請求項1~
6のいずれかに記載の延長管と、
第三通電部、及び前記バッテリーを充電するための充電機構を有する充電台と、を備え、
前記充電台が、
前記吸込具を載置するための載置部と、
前記延長管を支持するとともに、前記延長管と係合する支柱部とを有し、
前記支柱部が前記延長管を支持するとともに、前記延長管と係合する状態において、前記第三通電部と前記第二通電部とを電気的に接続し、前記充電機構によって前記第三通電部から前記第二通電部に給電して前記バッテリーを充電できることを特徴とする、電気掃除機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の延長管、及び電気掃除機ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されている掃除機システムのようなものが提供されている。この掃除機システムは、掃除機と、前記掃除機を支持するための支持装置と、を備えたものとされている。また、この掃除機システムが備える掃除機は、ハンドルを有した本体と、ごみを吸込むための吸込具と、前記本体及び前記吸込具を接続する管体とを備えると共に、前記支持装置が支持体を備えたものとされている。この掃除機システムは、前記掃除機が前記支持装置に支持された状態において、前記吸込具の前側が後ろ側よりも前記支持体に近い位置に配置される構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1の掃除機のように、掃除機本体に設けられた通電端子やジャック等の通電部を介して電源に接続することにより、掃除機本体に設けられたバッテリーを充電できるようにしたものが提供されている。しかしながら、このような構成とした場合、ユーザが把持したり、触れたりし易い掃除機本体に通電部を設けることで静電気が発生する場合があり、通電部や他の部材の配置に配慮したり、静電気対策を別途行ったりせねばならないという課題(以下、便宜上「第一の課題」という)がある。
【0005】
一方、特許文献1の掃除機システムでは、掃除機を支持するための支持装置によって、掃除機を充電するよう構成されている。掃除機本体に接続端子を設けているため、その接続端子と接続するための給電端子の高さを接続端子が位置する高さに合わせて支持装置を設計しなければならない。このように、支持装置を用いて掃除機を充電する場合には、支持装置が大型化するという課題(以下、便宜上「第二の課題」という)がある。
【0006】
そこで、本発明は、掃除機本体とは別の位置から給電可能とするための電気掃除機の延長管の提供を目的とした。また、本発明は、充電台を小型化することが可能な電気掃除機ユニットの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した第一の課題を解決すべく提供される本発明の実施形態における電気掃除機の延長管は、管軸方向一端側に塵埃を吸い込むための吸込口を有する吸込具を接続し、管軸方向他端側に掃除機本体を接続するための電気掃除機の延長管であって、前記掃除機本体側に設けられたバッテリーに給電するための電力を受電して供給する受電部を有し、前記受電部が、前記管軸方向他端側において、前記掃除機本体に接続される第一通電部と、前記第一通電部よりも前記管軸方向一端側に設けられる第二通電部と、前記第一通電部及び前記第二通電部を電気的に接続する受電線と、を備えることを特徴とする、ものである。
【0008】
本発明の実施形態における電気掃除機の延長管は、掃除機本体側に設けられたバッテリーに給電するための電力を受電して供給する受電部を備えている。また、本発明の実施形態における電気掃除機の延長管は、管軸方向他端側において、第一通電部が掃除機本体に接続され、第一通電部よりも管軸方向一端側に第二通電部が設けられ、受電線を介してバッテリーに対して給電可能な状態になる。従って、本発明の実施形態における電気掃除機の延長管によれば、掃除機本体とは別の位置にある第二通電部からバッテリーへの給電が可能となる。
【0009】
また、本発明の実施形態における電気掃除機ユニットは、バッテリーを有する掃除機本体と、塵埃を吸い込むための吸込口を有する吸込具と、上述した延長管と、第三通電部、及び前記バッテリーを充電するための充電機構を有する充電台と、を備え、前記充電台が、前記吸込具を載置するための載置部と、前記延長管を支持するとともに、前記延長管と係合する支柱部とを有し、前記支柱部が前記延長管を支持するとともに、前記延長管と係合する状態において、前記第三通電部と前記第二通電部とを電気的に接続し、前記充電機構によって前記第三通電部から前記第二通電部に給電して前記バッテリーを充電できることを特徴とする、ものである。
【0010】
また、本発明の実施形態における電気掃除機ユニットは、上記第一の課題とは異なる第二の課題を主たる課題として解決するために提供される。すなわち、特許文献1の掃除機システムでは、掃除機本体に接続端子を設けているため、その接続端子と接続するための給電端子の高さを接続端子が位置する高さに合わせて充電台を設計しなければならない。これにより、充電台が大型化するといった問題があった。
【0011】
このような第二の課題を解決すべく提供される本発明の実施形態における電気掃除機ユニットは、バッテリーを有する掃除機本体と、塵埃を吸い込むための吸込口を有する吸込具と、上記の延長管と、第三通電部、及び前記バッテリーを充電するための充電機構を有する充電台とを備え、前記充電台が、前記吸込具を載置するための載置部と、前記延長管を支持するとともに、前記延長管と係合する支柱部とを有し、前記支柱部が前記延長管を支持するとともに、前記延長管と係合する状態において、前記第三通電部と前記第二通電部とを電気的に接続し、前記充電機構によって前記第三通電部から前記第二通電部に給電して前記バッテリーを充電できることを特徴とする、ものである。
【0012】
このように、充電台の支柱部に対して延長管を支持及び係合させることにより、延長管にある第二通電部と充電台の第三通電部とを電気的に接続させ、充電機構によって給電してバッテリーを充電することができる。従って、本発明の実施形態における電気掃除機ユニットは、掃除機本体より低い位置に設けられた第二通電部に合わせて、第三通電部を充電台に設けることが可能となる。これにより、充電台をコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、掃除機本体とは別の位置から給電可能とするための電気掃除機の延長管を提供できる。また、本発明によれば、充電台を小型化することが可能な電気掃除機ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機の側面図である。
【
図2】
図1の電気掃除機が備える吸込具を、ケース体の天面側を取り外した状態で示した斜視図である。
【
図3】
図1の電気掃除機が備える充電台を示す斜視図である。
【
図4】
図1の電気掃除機が備える延長管を示す斜視図である。
【
図5】
図1の電気掃除機が備える延長管の管軸方向他端側を拡大した斜視図である。
【
図6】
図1の電気掃除機が備える延長管を正面側カバー部を取り外しつつ、管軸方向一端側を拡大した斜視図である。
【
図7】
図1の電気掃除機が備える延長管の正面側カバー部を取り外した状態を示す正面図である。
【
図8】
図1の電気掃除機が備える延長管の管軸方向一端側を拡大した分解斜視図である。
【
図9】
図1の電気掃除機が備える延長管の交差方向配索部近傍において断面視した断面図である。
【
図10】
図1の電気掃除機が備える延長管を管軸方向一端側から見た状態を示す斜視図である。
【
図11】
図1の電気掃除機が備える延長管の管軸方向一端側において配設部の近傍を示す背面図である。
【
図12】
図1の電気掃除機が備える延長管に設けられた受電部及び給電部を示す斜視図である。
【
図13】
図1の電気掃除機が備える充電台の支柱部を拡大視した斜視図である。
【
図14】
図1の電気掃除機が備える充電台の支柱部を拡大視した平面図である。
【
図15】変形例に係る第二通電部を備えた延長管、及び変形例に係る第三通電部を備えた充電台の構成を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機ユニット1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機ユニット1の全体構成について概略を説明した後、要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向等の位置関係については、
図1に示すように電気掃除機ユニット1を立設させた状態を基準として説明する。
【0016】
≪電気掃除機ユニット1の全体構成について≫
図1に示すように、電気掃除機ユニット1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機ユニット1は、例えば、充電式のものや、電源コードを介して外部電源から電力を得るものとすることができる。電気掃除機ユニット1は、掃除機本体10、集塵部20(集塵装置)、延長管30(管部)、吸込具70、及び充電台90を備えている。
【0017】
掃除機本体10は、電気掃除機ユニット1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、掃除機本体10は、筐体をなす本体ケース12の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための電動送風機14やその他の電子部品を駆動する駆動回路、その他の部品等を備えている。
【0018】
また、掃除機本体10は、把持部16を備えている。把持部16は、電気掃除機ユニット1の使用者が掃除機本体10を把持するために設けられた部分である。すなわち、電気掃除機ユニット1は、例えば把持部16により構成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、掃除機本体10を把持できる構成とされている。より具体的には、掃除機本体10の一端側には、バッテリー17aが配されるバッテリー部17が設けられ、把持部16の一端がバッテリー部17と接続され、バッテリー部17と離れるよう延在し、把持部16の他端が電動送風機14より前側に接続される。
【0019】
集塵部20は、電気掃除機ユニット1により吸引された塵芥が集められる部分である。集塵部20は、サイクロン方式のものであってもよいし、紙パック(袋)式のものであってもよい。集塵部20は、掃除機本体10に対して連続するように設けられている。集塵部20に沿った下端側には、延長管30または吸込具70を接続可能とされている。
【0020】
延長管30は、掃除機本体10と吸込具70とを着脱可能に接続する筒状の部材である。延長管30は、一端側が管接続部22に差し込み可能な形状とされ、他端が吸込具70に対して接続可能な形状とされている。延長管30を介して掃除機本体10と吸込具70とを接続することにより、吸込具70から掃除機本体10に至る一連の連通した経路(風路)を形成できる。延長管30は、電気掃除機ユニット1において特徴的な部分であるため、各部の構成については後に詳述する。
【0021】
図2に示すように、吸込具70は、ケース体72と、継手部74とを備えている。また、吸込具70は、ケース体72の底部に吸込口73を有すると共に、ケース体72の内部に回転清掃体76や、回転体駆動装置77、清掃体駆動機構78等の部材を備えている。吸込具70は、バッテリー17aから供給された電力を吸込具接続端子75a,75bを介し、モータ等からなる回転体駆動装置77に供給し、駆動させることができる。回転体駆動装置77において発生した動力は、清掃体駆動機構78を介して回転清掃体76に伝達される。これにより、回転清掃体76が回転駆動する。ケース体72は、清掃時に床に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。ケース体72の内部には、床面側を開口端とし、外部から空気や塵埃を吸い込むための吸込空間が形成されている。また、継手部74は、ケース体72に対して所定の回転範囲(前後方向及び左右方向)で回転可能に取り付けられている。継手部74は、上述した延長管30の端部が接続される部分である。継手部74は、筒状とされており、内部空間が吸込空間と連通している。継手部74は、直立姿勢とすることによりケース体72側と嵌合した状態になるものとされている。
【0022】
充電台90は、掃除機本体10を延長管30及び吸込具70を取り付けた状態として載置することにより、バッテリー17aを充電可能としたものである。充電台90は、吸込具70が載置される載置部94と、延長管30を支持する支柱部96とを有する。充電台90は、電気掃除機ユニット1において特徴的な部分であるため、各部の構成については後に詳述する。
【0023】
電気掃除機ユニット1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機ユニット1は、延長管30及び充電台90に特徴を有するものとされている。以下、電気掃除機ユニット1の各部の構造について、さらに詳細に説明する。
【0024】
≪延長管30について≫
延長管30は、上述したように管軸方向一端側に吸込具70を接続し、管軸方向他端側に掃除機本体10を接続するための電気掃除機用の管体である。延長管30は、
図4に示すような全体像を有するとともに、
図5~
図12の各図に示すように、各部に特徴的な構成を備えている。
図4~
図12の各図に示すように、延長管30は、管部32、カバー部34、受電部36(
図12参照)、給電部38(
図12参照)、及び配設部40を備えたものとされている。
【0025】
管部32は、吸込具70から掃除機本体10に至る風路を構成する管である。管部32は、管軸方向一端側(吸込具70との接続側)から管軸方向他端側(掃除機本体10との接続側)に向けて略直線状に延びる中空の筒によって構成されている。
図6に示すように、管部32は、管軸方向一端側に段部32bを介して拡径した拡径部32aを有する。これにより、拡径部32aに対して吸込具70の継手部74を差し込み可能とされている。
【0026】
図4や
図5に示すように、カバー部34は、正面側カバー部34a及び背面側カバー部34bを有する。正面側カバー部34aは、掃除機本体10に対して管部32を接続した状態において、管部32のうち正面側となる部分に取り付けられる。正面側カバー部34aは、管軸方向一端側から管軸方向他端側に亘って取り付けられる。背面側カバー部34bは、掃除機本体10に対して管部32を接続した状態において、管部32のうち背面側となる部分である。背面側カバー部34bは、延長管30の管軸方向一端側(吸込具70の接続側)の部分である。背面側カバー部34bは、本実施形態では管部32の一部(一体の部品)であるが、管部32に取り付けるよう構成し、正面側カバー部34aとの組み合わせにより一体化されるようにしてもよい。
【0027】
また、管部32の外周面とカバー部34の内周面との間に配索部33が形成される。
図6や
図7に示すように、配索部33は、後に詳述する受電線46や給電線56の配索に用いられる空間である。配索部33は、管軸方向配索部33aと、交差方向配索部33b(連通部)とを有する。管軸方向配索部33aは、管部32と正面側カバー部34aとの間において、管部32の管軸方向に沿って受電線46や給電線56を配するための空間である。また、交差方向配索部33bは、受電線46を配するために管軸方向に対して交差する方向に連通した空間である。交差方向配索部33bは、管部32あるいはカバー部34の少なくとも一方に貫通孔または溝を設ける等して形成しても良いが、本実施形態では、
図6や
図7、
図9に示すように、管部32において段部32bが設けられた部分に対し、管軸方向他端側(掃除機本体10側)の位置において、管部32とカバー部34との間に形成された空間が交差方向配索部33bとされている。また、交差方向配索部33bは、管軸方向配索部33aと連続または連通するように形成されている。さらに、
図7~
図9に示すように、背面側カバー部34bにおいて、交差方向配索部33b及び連通孔33cが設けられている。これにより、受電線46を管部32の正面側から背面側(配設部40側)に引き回すことができる。なお、連通孔33cは、背面側カバー部34bにおいて、詳述する配設部40と対向する位置に設けられていると表現することもできる。
【0028】
受電部36は、上述した掃除機本体10に設けられたバッテリー17aを充電するための電力供給を受けるために設けられたものである。
図12に示すように、受電部36は、第一通電部42、第二通電部44、及び受電線46を有する。
【0029】
図5や
図7に示すように、第一通電部42は、延長管30の管軸方向他端側(掃除機本体10の接続側)に設けられている。第一通電部42は、第一端子42a,42bを有する。第一端子42a,42bは、管部32と正面側カバー部34aとの間で保持または被覆される。第一端子42a,42bは、掃除機本体10側においてバッテリー17aに対して電気的に接続された接続端子(図示せず)に対応して設けられたものである。第一端子42a,42bは、延長管30を掃除機本体10に接続することにより、掃除機本体10側の接続端子に対して電気的に接続可能とされている。第一端子42a,42bは、掃除機本体10側の端子と電気的に接続可能なものであれば良い。本実施形態では、第一端子42a,42bとして雄型の端子が用いられ、掃除機本体10側の接続端子として雌型の端子が用いられている。
【0030】
図8や
図11に示すように、第二通電部44は、第一通電部42よりも延長管30の管軸方向一端側(吸込具70の接続側)に設けられている。第二通電部44は、後に詳述する充電台90側に設けられた第三通電部98に接続されるものである。第二通電部44は、第二端子44a,44bを有する。第二端子44a,44bは、それぞれ第一端子42a,42bに対応して設けられている。
図8に示すように、第二端子44a,44bは、背面側カバー部34bに設けられた連通孔33cを介してカバー部34の外側に引き出された受電線46に設けられている。また、
図8や
図11に示すように、第二端子44a,44bは、後に詳述する配設部40の内側に配されている。第二端子44a,44bは、後に詳述する充電台90側に設けられた第三通電部98側の端子と電気的に接続可能なものであれば良い。本実施形態では、充電台90側の接続端子として雄型の端子が用いられていることから、第二端子44a,44bには、雌型の端子が用いられている。
【0031】
図12に示すように、受電線46は、第一通電部42及び第二通電部44を電気的に接続する配線である。本実施形態では、第一通電部42として第一端子42a,42b、第二通電部44として第二端子44a,44bが設けられているのに対応して、受電線46a,46bが設けられている。受電線46aは第一端子42aと第二端子44aとを接続し、受電線46bは第一端子42bと第二端子44bとを接続している。受電線46(46a,46b)は、配索部33内に配されている。具体的には、受電線46は、第一通電部42から管軸方向配索部33aにおいて管軸方向に沿って配索されると共に、交差方向配索部33bにおいて管軸方向に対して交差する方向に配索されている。
【0032】
給電部38は、掃除機本体10に設けられたバッテリー17aから吸込具70に対して給電するために設けられたものである。給電部38は、概ね受電部36と同様の構成とされている。具体的には、
図12に示すように、給電部38は、第四通電部52、第五通電部54、及び給電線56を有する。
【0033】
図5や
図7に示すように、第四通電部52は、上述した第一通電部42と同様に、延長管30の管軸方向他端側(掃除機本体10の接続側)に設けられている。第四通電部52は、第四端子52a,52bを有する。第四端子52a,52bは、管部32と正面側カバー部34aとの間で保持または被覆される。第四端子52a,52bは、掃除機本体10側においてバッテリー17aに対して電気的に接続された給電用(電力出力用)の接続端子(図示せず)に対応して設けられたものである。第四端子52a,52bは、延長管30を掃除機本体10に接続することにより、掃除機本体10側の接続端子に対して電気的に接続可能とされている。第四端子52a,52bは、掃除機本体10側の端子と電気的に接続可能なものであれば良い。本実施形態では、第四端子52a,52bとして雄型の端子が用いられ、掃除機本体10側の接続端子として雌型の端子が用いられている。
【0034】
図6や
図7、
図10に示すように、第五通電部54は、第四通電部52よりも延長管30の管軸方向一端側(吸込具70の接続側)に設けられている。第五通電部54は、吸込具70の電気部品に給電するために、吸込具70に設けられた接続端子に接続されるものである。そのような電気部品は、例えば回転体駆動装置77や、回転体駆動装置77を制御するための制御部(制御基板)等である。第五通電部54は、第五端子54a,54bを有する。第五端子54a,54bは、管部32の正面側に設けられた溝状の配設部に固定される。第五端子54a,54bは、それぞれ第四端子52a,52bに対応して設けられている。第五端子54a,54bは、上述した第二端子44a,44bとは異なり、延長管30に対して吸込具70を接続することにより、吸込具70側の接続端子(吸込具接続端子75a,75b)に対して電気的に接続可能な位置に設けられている。本実施形態では、吸込具70に設けられた接続端子として雄型のものが用いられているため、第五端子54a,54bは、雌型の端子とされている。
【0035】
図12に示すように、給電線56は、第四通電部52及び第五通電部54を電気的に接続する配線である。本実施形態では、第四通電部52として第四端子52a,52b、第五通電部54として第五端子54a,54bが設けられているのに対応して、給電線56a,56bが設けられている。給電線56aは第四端子52aと第五端子54aとを接続し、給電線56bは第四端子52bと第五端子54bとを接続している。給電線56(56a,56b)は、配索部33内に配されている。具体的には、給電線56は、第四通電部52から管軸方向配索部33aにおいて管軸方向に沿って延び、第五通電部54に到達するように配索されている。
【0036】
図4や
図6、
図10等に示すように、配設部40は、延長管30の背面側に設けられている。配設部40は、上述した第二通電部44の第二端子44a,44bを配設したものである。そのため、配設部40は、延長管30の背面側に設けられた連通孔33cに対応する位置に設けられている。すなわち、配設部40は、延長管30の管軸方向一端側(吸込具70との接続側)の位置に設けられている。また、配設部40は、後に詳述する充電台90の支柱部96と係合して係合構造を構成できるものとされている。
【0037】
配設部40は、延長管30の背面側に向けて膨出するように設けられた受部60を有する。配設部40は、受部60の内部に第二端子44a,44bを配設したものとされている。受部60は、中空状であって、管軸方向一方側(吸込具70との接続側)に向けて開放された第一開口部62を有する。そのため、配設部40は、第一開口部62を介して受部60に対して充電台90の支柱部96に設けられた第一突起部110を進入させることにより、充電台90の支柱部96に対して延長管30を係合させることができる。すなわち、配設部40は、第二通電部44を配する機能に加え、延長管30を支柱部96に係合させるための被係合部としての機能も有する。
【0038】
また、配設部40は、充電台90の支柱部96に係合させた状態において、支柱部96と対向する側にある当接面60aに第二開口部64を有する。第二開口部64は、受部60の内部に配された第二通電部44に対し、充電台90に設けられた第三通電部98を接続可能とするための開口である。
【0039】
配設部40は、延長管30の背面側の面(第二開口部64が設けられた面に対して対向する面)に、端子開口66を有する。端子開口66は、第二通電部44の第二端子44a,44bに対し、後述する第三通電部98の第三端子98a,98bを挿入及び離脱可能とするための開口である。端子開口66は、管軸方向一方側(吸込具70との接続側)及び第二開口部64側に向けて開放されている。これにより、端子開口66の管軸方向一方側にて第三端子98a,98bが挿入され、端子開口66の第二開口部64側にて第三端子98a,98bが固定される。
【0040】
≪充電台90について≫
電気掃除機ユニット1は、上述した延長管30に対応して、充電台90についても特徴的な構成とされている。
図3に示すように、充電台90は、充電台本体92をなす載置部94及び支柱部96に対し、第三通電部98や充電機構100を設けたものとされている。
【0041】
載置部94は、吸込具70を載置するための台座となる部分である。載置部94は、正面側にストッパ102を有する。ストッパ102は、載置部94の天面側から上方に向けて突出するように形成されている。また、ストッパ102は、載置部94の幅方向に延びるように形成されている。そのため、ストッパ102は、載置部94の天面に配置された吸込具70がストッパ102を越えて正面側に移動しないように位置決めすることができる。
【0042】
支柱部96は、載置部94の背面側(ストッパ102とは反対側)において上下方向に立設された支柱状の部分である。支柱部96は、載置部94に配置された吸込具70に対して接続された延長管30と係合して支持する部分である。具体的には、支柱部96は、上端側に設けられた係合部104に対し、延長管30の配設部40をなす受部60を係合させることにより、延長管30を支持することができる。
【0043】
図13や
図14に示すように、係合部104は、第一突起部110、第二突起部112、第三突起部114、及び第四突起部116からなる4つの突起部を有する。第一突起部110は、支柱部96の正面側において、幅方向に延びるように形成された突起状の部分である。第一突起部110は、上述した延長管30に設けられた第一開口部62を介して受部60内に挿入される部分である。第二突起部112は、支柱部96の上端側において正面側及び天面側に向けて開放された空間120の内側において、第一突起部110に対して所定の間隔を開けて対向するように設けられている。第三突起部114は、第一突起部110と交差するように配される突起状の部分である。第三突起部114は、第二突起部112と同様に、空間120の内側に配されている。また、第一突起部110及び第三突起部114は離間していても良いが、本実施形態では、第一突起部110の幅方向中間部において、第三突起部114が第一突起部110と連結されている。そのため、第一突起部110及び第三突起部114は、平面視において略「T」字型の形状に形成されている。また、第四突起部116は、第一突起部110の空間120側に向く面において、空間120の内側に向けて突出するように設けられている。第四突起部116は、第二突起部112に対向する位置に設けられている。
【0044】
空間120は、第二突起部112及び第三突起部114が配された部分である。空間120の上端側の縁部には、延長管30に設けられた受部60を誘い込みやすくするために、例えばテーパー状等の形状に面取りされた面取部120aが設けられている。また、空間120は、正面側の開口幅が、延長管30に設けられた受部60の幅と同等、あるいはそれ以上とされている。また、上述した第三突起部114の幅は、延長管30において受部60に形成された第二開口部64の幅と同等あるいはそれ以下とされている。さらに、第二突起部112は、第三突起部114に対して幅方向両側に設けられている。そのため、空間120を目がけて延長管30において受部60を差し込むことにより、第一突起部110と第二突起部112との間に、受部60の当接面60aが進入すると共に、当接面60aに設けられた第二開口部64に第三突起部114が進入する。これにより、延長管30側に設けられた受部60と、支柱部96側に設けられた係合部104とが係合した状態になる。
【0045】
第三通電部98は、第三端子98a,98bを有する。第三端子98a,98bは、ブレード状の端子である。第三端子98a,98bは、それぞれ上述した第一突起部110に対して交差し、第一突起部110よりも正面側に向けて突出するように設けられている。第三端子98a,98bは、第一突起部110を正面視した姿勢において、第三突起部114を介して左右対称となるように配置されている。また、第三端子98a,98bは、第二突起部112や第四突起部116が設けられた位置よりも幅方向中心側(第三突起部114側)に設けられている。第三端子98a,98bは、それぞれ充電機構100に対して接続されている。
【0046】
充電機構100は、外部電源から供給された電力により、第三通電部98に対して電力供給するものである。充電機構100をなす制御基板等は、充電台90をなす充電台本体92(例えば載置部94、支柱部96等)に内蔵されている。
【0047】
≪電気掃除機ユニット1及び延長管30の特徴的構成と効果について≫
続いて、上述した電気掃除機ユニット1及び延長管30について、その特徴的な構成と、当該構成による効果について説明する。
【0048】
(1)本実施形態の延長管30は、管軸方向一端側に塵埃を吸い込むための吸込口73を有する吸込具70を接続し、管軸方向他端側に掃除機本体10を接続するためのものであって、掃除機本体10に設けられたバッテリー17aに給電するための電力を受電して供給する受電部36を有し、受電部36が管軸方向他端側において、掃除機本体10に設けられたバッテリー17aに給電するための受電側の第一通電部42と、管軸方向一端側よりも他方側に設けられる第二通電部44と、第一通電部42及び第二通電部44を電気的に接続する受電線46と、を備えることを特徴とするものである。
【0049】
上述した延長管30は、掃除機本体10側に設けられたバッテリー17aに給電するための電力を受電して供給する受電部36を備えている。また、延長管30は、管軸方向他端側において、第一通電部42を掃除機本体10側に設けられたバッテリー17a側に接続することにより、第一通電部42よりも管軸方向一端側に設けられた第二通電部44から、受電線46を介してバッテリー17aに対して給電可能な状態になる。従って、上述した延長管30によれば、掃除機本体10とは別の位置にある第二通電部44からバッテリー17aへの給電が可能となる。
また、このような構成とした場合、ユーザが把持したり、触れたりし易い掃除機本体に通電部を設けることを避けることで、静電気の発生を抑制することができる。
【0050】
(2)本実施形態の延長管30は、風路を構成する管部32と、管部32との間で受電線46を配するためのカバー部34と、を備え、管部32、カバー部34、又は管部32とカバー部34との間において、管軸方向と交差する方向に連通した交差方向配索部33b(連通部)を有し、受電線46が、交差方向配索部33bを介して配索され、第一通電部42及び第二通電部44を電気的に接続することを特徴とするものである。
【0051】
かかる構成によれば、受電線46を延長管30の管軸方向に沿って配策するだけでなく、交差方向配索部33bを介して管軸方向に対して交差する方向にも受電線46を配策することが可能となる。従って、上述した構成によれば、第一通電部42に対する第二通電部44の配置の自由度が向上する。また、例えば第二通電部44を背面側カバー部34bに設ける場合には、正面側から見た場合に第二通電部44を管部32によって隠すことができるため、意匠性を向上させることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、交差方向配索部33bとして管部32とカバー部34との間を通過して管軸方向と交差する方向に連通したものを設けた例を示したが、本発明はこれに限定されない。具体的には、延長管30は、管部32あるいはカバー部34の少なくとも一方に貫通孔または溝を設ける等して、管軸方向と交差する方向に受電線46を配策できるようにしたものであっても良い。また、例えば、管軸方向と交差する方向に受電線46を配策する必要がない場合等においては、延長管30は、交差方向配索部33bを備えていないものでも良い。
【0053】
(3)ここで、本実施形態の延長管30によって解決される課題としては、例えば、ユーザが把持したり、触れたりして静電気の発生が懸念される掃除機本体に通電部を設けることになり、通電部や他の部材の配置に配慮したり、静電気対策を別途行ったりせねばならないというものがある。一方、本実施形態の電気掃除機ユニット1によれば、本実施形態の延長管30によって解決される課題とは全く別の課題を解決することができる。具体的に、特許文献1の掃除機システムでは、掃除機本体に接続端子を設けているため、その接続端子と接続するための給電端子の高さを接続端子が位置する高さに合わせて充電台を設計しなければならない。これにより、充電台が大型化するといった問題があった。
【0054】
本実施形態の電気掃除機ユニット1は、充電台が大型化するといった上述の問題を解決するために、バッテリー17aを有する掃除機本体10と、塵埃を吸い込むための吸込口73を有する吸込具70と、上述した延長管30と、第三通電部98、及びバッテリー17aを充電するための充電機構100を有する充電台90と、を備え、充電台90が、吸込具70を載置するための載置部94と、延長管30を支持するとともに、延長管30と係合する支柱部96とを有し、支柱部96が延長管30を支持するとともに、延長管30と係合する状態において、第三通電部98と第二通電部44とを電気的に接続し、充電機構100によって第三通電部98から第二通電部44に給電してバッテリー17aを充電できることを特徴とするものである。
【0055】
本実施形態で例示した電気掃除機ユニット1は、充電台90の支柱部96に対して延長管30を支持及び係合させることにより、延長管30にある第二通電部44と充電台90の第三通電部98とを電気的に接続させ、充電機構100によって給電してバッテリー17aを充電することができる。従って、本実施形態における電気掃除機ユニット1は、掃除機本体10より低い位置に設けられた第二通電部44に合わせて、第三通電部98を充電台90に設けることが可能となる。これにより、充電台90をコンパクトにすることができる。
また、本実施形態で例示した電気掃除機ユニット1は、上述した延長管30を備えたものである。従って、上述した電気掃除機ユニット1は、掃除機本体10とは別の位置において充電機構100に対して電気的に接続し、バッテリー17aに給電することが可能となる。
【0056】
(4)本実施形態の電気掃除機ユニット1は、第二通電部44を配するための配設部40を備え、配設部40が、支柱部96と係合する係合構造を構成することを特徴とするものである。
【0057】
かかる構成によれば、配設部40と支柱部96とによって構成される係合構造により、第二通電部44を第三通電部98に対して確実に接続させてバッテリー17aを充電することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、第二通電部44が配される配設部40を、支柱部96と係合させるための構成として活用した例(受部60)を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第二通電部44が配される配設部40に受部60を設けず、支柱部96と係合するための係合構造の一方を延長管30に設ける等しても良い。例えば、延長管30を径方向から一部を覆うように挟む収容部を支柱部96に設け、その収容部に、延長管30と径方向から係合する係合構造を設けるとともに、配設部40内の第二通電部44と接続される第三通電部98を設ける構成としてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、第二通電部44が配される配設部40を設ける例を説明したが、管部32と背面側カバー部34bとの間に第二通電部44を配する構成であってもよい。そのような場合において、背面側カバー部34bの外面に第二通電部44が露出する構成としてもよいし、第三通電部98が挿入されるための端子開口を有する構成としてもよい。
【0060】
(5)本実施形態の電気掃除機ユニット1は、配設部40が、管軸方向一方側を向くよう開口された第一開口部62が配される中空状の受部60を有し、支柱部96が、第一開口部62を介して受部60内に挿入される第一突起部110(突起部)を有することを特徴とするものである。
【0061】
かかる構成によれば、延長管30において配設部40をなす受部60に対し、支柱部96側に設けられた第一突起部110が挿入されるように延長管30を支柱部96に対して配置することにより、延長管30を支柱部96に対して係合させることができる。
【0062】
(6)本実施形態の電気掃除機ユニット1は、第一突起部110に、第三通電部98が設けられることを特徴とするものである。
【0063】
かかる構成によれば、延長管30を支柱部96に対して係合させることにより、配設部40内に設けられた第二通電部44と第三通電部98とを接続することが可能となる。これにより、第二通電部44と第三通電部98との接続作業が容易かつ確実に行える。
【0064】
(7)本実施形態の電気掃除機ユニット1は、受部60が、支柱部96と対向する側に第二開口部64を有し、第三通電部98が、第二開口部64を介して、第二通電部44と接続されることを特徴とするものである。
【0065】
かかる構成によれば、受部60の内側において第二通電部44と第三通電部98とを接続できる。これにより、第二通電部44と第三通電部98との接続作業の安全性をより一層向上させることができる。
【0066】
上述した電気掃除機ユニット1及び延長管30の構成は、本発明の一実施形態や変形例を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記変形例においては、係合部104として、第一突起部110、第二突起部112、第三突起部114、及び第四突起部116からなる4つの突起部を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第一突起部110のみを備えたもの等、第一突起部110を除く他の突起部(第二突起部112、第三突起部114、及び第四突起部116)のうち、いずれか一つ又は複数の突起部を備えていないものであっても良い。
【0067】
また、上記実施形態においては、第一通電部42、第二通電部44、第三通電部98、第四通電部52、及び第五通電部54として雄型の端子や雌型の端子を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、これらのうちの一部又は全部について、金属製の端子同士を接触することにより通電するタイプものや、ワイヤレスにより通電可能なものとして用いても良い。また、これらの通電部のうち一部又は全部として、従来公知のジャックやプラグを用いても良い。具体的には、例えば
図15に示すように、第二通電部44としてジャック44xを設け、延長管30を支柱部96に対して係合させたときに第二通電部44をなすジャック44xと接続可能な位置に、第三通電部98としてプラグ98xを設けた構成としても良い。また、
図15のような構成において、ジャック44xを支柱部96に設け、プラグ98xを延長管30に設ける構成としてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、延長管30の管軸方向他端側において、第一通電部42をなす第一端子42a,42b、第四通電部52をなす第四端子52a,52bが設けられ、管部30の周方向における位置であって、管軸を通る仮想断面と交差する位置を基準位置として、基準位置の一方側(正面側カバー部34aから見た場合に管軸と交差する方向の一方)に第一端子42a及び第四端子52aを、この順に並ぶよう配し、上記基準位置の一方側とは反対側である他方側(正面側カバー部34aから見た場合に管軸と交差する方向の他方)に第四端子52b及び第一端子42bを、この順に並ぶように配した例を示したが、このような順に限定されるものではない。上記基準位置の一方側に第一端子42a及び第四端子52aを配し、上記基準位置の他方側に第一端子42b及び第四端子52bを配するようにすればよい。また、このような構成としたのは、第一端子42aと第一端子42bとの間及び第四端子52aと第四端子52bとの間を離すことで、端子の湾曲や端子間に埃が溜まった場合に端子間のショートを可能な限り避けるためであるが、これらの端子間の距離についても適宜変更可能である。他に、例えば、第一通電部42をなす第一端子42a,42bの組を上記基準位置の一方側に並べて配置すると共に、第四通電部52をなす第四端子52a,52bの組を上記基準位置の他方側に並べて配置しても良い。
【0069】
また、上記実施形態では、第一通電部42、第四通電部52及び第五通電部54を管部32の正面側に配する構成としたが、このような構成に限定されるものではない。第一通電部42、第四通電部52及び第五通電部54の位置変更により変形例1~7が考えられる。ここで、管軸方向他端側において、第一通電部42及び第四通電部52が管部32の正面側に配される構成を構成Aとし、管軸方向他端側において、第一通電部42及び第四通電部52の一方が管部32の正面側に配され、他方が管部32の背面側に配される構成を構成Bとし、管軸方向他端側において、第一通電部42及び第四通電部52が管部32の背面側に配される構成を構成Cとする。構成A~Cおいて、第一通電部42または第四通電部52の少なくとも一方が管部32の背面側に配される場合には、給電線56または受電線46の少なくとも一方が管部32との間に配されるよう背面側カバー部34b1~34b6が設けられる。そして、管軸方向一端側において、第五通電部54が管部32の正面側に配される構成を構成Dとし、管軸方向一端側において、第五通電部54が管部32の背面側に配される構成を構成Eとする。
【0070】
変形例1においては、構成Aと構成Eとを組み合わせた形態である。この形態においては、受電線46とともに給電線56を交差方向配索部33bを利用して、管部32の正面側から背面側に引き回せばよい。
【0071】
変形例2~5としては、構成Bと構成D,Eとを組み合わせた形態である。第一通電部42が管部32の正面側に配され、第四通電部52が管部32の背面側に配される場合の構成Bと構成Dとの組み合わせである変形例2においては、管部32の背面側で第四通電部52を保持または被覆する背面側カバー部34b1を設けるようにしてもよい。そして、給電線56を管部32の背面側から正面側に引き回すために、交差方向配索部33bを利用すればよい。
【0072】
また、第一通電部42が管部32の正面側に配され、第四通電部52が管部32の背面側に配される場合の構成Bと構成Eとの組み合わせである変形例3においては、管部32の背面側で第四通電部52及び第五通電部54を保持または被覆する背面側カバー部34b2を設けるようにしてもよい。
【0073】
また、第四通電部52が管部32の正面側に配され、第一通電部42が管部32の背面側に配される場合の構成Bと構成Dとの組み合わせである変形例4においては、管部32の背面側で第一通電部42を保持または被覆する背面側カバー部34b3を設けるようにしてもよい。この形態においては、受電線46を管部32の正面側から背面側に引く回す必要がなくなるため、交差方向配索部33bは不要となる。
【0074】
また、第四通電部52が管部32の正面側に配され、第一通電部42が管部32の背面側に配される場合の構成Bと構成Eとの組み合わせである変形例5においては、管部32の背面側で第一通電部42を保持または被覆する背面側カバー部34b4を設けるようにしてもよい。その場合、受電線46を管部32の正面側から背面側に引く回す必要がなくなる。そして、給電線56を交差方向配索部33bを利用して、管部32の正面側から背面側に引き回せばよい。
【0075】
変形例6においては、構成Cと構成Dとを組み合わせた形態である。この形態において、管部32の背面側で第一通電部42及び第四通電部52を保持または被覆する背面側カバー部34b5を設けるようにしてもよい。その場合、給電線56を交差方向配索部33bを利用して、管部32の背面側から正面側に引き回せばよい。
【0076】
変形例7においては、構成Cと構成Eとを組み合わせた形態である。この形態においては、正面側カバー部34aに代えて、管部32の背面側で第一通電部42及び第四通電部52を保持または被覆する背面側カバー部34b6を設けるようにしてもよい。その場合、交差方向配索部33bは無くすことが可能である。
【0077】
なお、変形例1~7によって、第一通電部42、第四通電部46及び第五通電部54の位置を実施形態から変更する場合には、それに伴って、掃除機本体10の端子及び吸込具70の端子75aの位置も変更すればよい。
【0078】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、電気掃除機の延長管、及びこれを備えた電気掃除機ユニット全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0080】
1 :電気掃除機ユニット
10 :掃除機本体
17a :バッテリー
30 :延長管
32 :管部
33c :連通部
34 :カバー部
36 :受電部
40 :配設部
42 :第一通電部
44 :第二通電部
46 :受電線
60 :受部
62 :第一開口部
64 :第二開口部
70 :吸込具
73 :吸込口
90 :充電台
94 :載置部
96 :支柱部
98 :第三通電部
100 :充電機構
110 :第一突起部