(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240904BHJP
【FI】
A63F5/04 603E
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2022044493
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】内山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】阪田 真奈
【審査官】鶴岡 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-176395(JP,A)
【文献】特開2020-048941(JP,A)
【文献】特開2018-134285(JP,A)
【文献】特開2013-176419(JP,A)
【文献】特開2011-142928(JP,A)
【文献】特開2019-141354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報の変動表示をする変動表示手段と、
開始操作手段と、
前記変動表示を停止させる操作を受け付ける停止操作手段と、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
所定の特典を付与する特典付与手段と、
音を出力する音出力手段と、
前記音出力手段から出力される音に関する制御を行う音制御手段と、
記憶手段と、を備え、
前記停止操作手段に対する操作に基づいて出力される音として、
前記内部抽選の結果が第1の結果となった場合に出力可能な第1音と、
前記内部抽選の結果が第2の結果となった場合に出力可能な第2音と、
前記内部抽選の結果が第3の結果となった場合に出力可能な第3音と、を含む複数種類の音があり、
前記内部抽選の結果が前記第1の結果となった場合の方が、前記第2の結果となった場合に比べ、前記所定の特典の付与に対する期待度が高く、
前記内部抽選の結果が前記第2の結果となった場合の方が、前記第3の結果となった場合に比べ、前記所定の特典の付与に対する期待度が高く、
前記記憶手段には、前記第1音に係るデータと、前記第2音に係るデータと、前記第3音に係るデータと、が記憶されており、
前記音制御手段は、前記記憶手段に記憶されたデータを再生することにより出力される各音について音量を変化させることが可能であり、
前記第1音と前記第2音と前記第3音とは、データ上の音量の大小関係が、前記第1音の方が前記第2音よりも大きくかつ前記第2音の方が前記第3音よりも大きいものとはなっておらず、
前記音制御手段は、前記音出力手段からの出力音量
の大小関係が、前記第1音の方が前記第2音よりも大きく
かつ前記第2音の方が前記第3音よりも大き
くなるように、各音の音量についての制御を行う
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシン等の遊技機として、リールが停止したときに、遊技の結果に応じた演出音(入賞音)を出力するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、遊技の興趣を向上させることが求められている。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
識別情報の変動表示をする変動表示手段と、
開始操作手段と、
前記変動表示を停止させる操作を受け付ける停止操作手段と、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
所定の特典を付与する特典付与手段と、
音を出力する音出力手段と、を備え、
前記停止操作手段に対する操作に基づいて出力される音として、
前記内部抽選の結果が第1の結果となった場合に出力可能な第1音と、
前記内部抽選の結果が第2の結果となった場合に出力可能な第2音と、
前記内部抽選の結果が第3の結果となった場合に出力可能な第3音と、を含む複数種類の音があり、
前記内部抽選の結果が前記第1の結果となった場合の方が、前記第2の結果となった場合に比べ、前記所定の特典の付与に対する期待度が高く、
前記内部抽選の結果が前記第2の結果となった場合の方が、前記第3の結果となった場合に比べ、前記所定の特典の付与に対する期待度が高く、
前記音出力手段からの出力音量は、前記第1音の方が前記第2音よりも大きく、前記第2音の方が前記第3音よりも大きい。
【0008】
本発明によれば、内部抽選の結果が、特典の付与に対する期待度が高い結果となった場合の方が、識別情報の変動表示が停止する際に鳴る演出音の音量がより大きいものとなる。すなわち、期待度の高低と音量の大小とが互いに対応したものとなる。このため、遊技者は、音量の観点から特典の付与に対する期待度を把握しやすくなる。したがって、識別情報の変動表示が停止する際に鳴る演出音の音量によって遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図5】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0013】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0014】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄(識別情報)が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0015】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0016】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0017】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図2参照)が設けられている。
【0018】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0019】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0020】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0021】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0022】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行っても良い。
【0023】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0024】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0025】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0026】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RB内部中状態およびRB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0027】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図3に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0028】
図3に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役43が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「ベル」、「強ベル」、「打順ベル1A」~「打順ベル6A」、「打順ベル1B」~「打順ベル6B」、「JAC-A」および「JAC-B」が用意されている。また、小役1、小役2は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役3~小役9は入賞すると7枚のメダルが払い出される7枚役となっており、小役10~小役43は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順ベル1A」~「打順ベル6A」および「打順ベル1B」~「打順ベル6B」をまとめて当選エリア「打順ベル」と呼ぶこととする。また、以下では、当選エリア「1枚A」、「1枚B」、「1枚C」、「1枚D」、「1枚E」および「1枚F」をまとめて当選エリア「択1枚」と呼ぶこととする。
【0029】
当選エリア「JAC-A」は、全ての小役(小役1~43)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「JAC-B」は、複数の1枚役(小役10、11、14~31、34、36~43)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベル」は、7枚役のうちいずれか1つと、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「ベル」は、複数の7枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル」は、複数の7枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「択1枚」は、複数の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0030】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ5が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ」、「チェリー」、「スイカ」および「チャンス」が用意されている。
【0031】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、レギュラーボーナス(RB)が用意されている。また、当選エリア「択1枚」および「1枚G」は、レギュラーボーナス(RB)が重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「択1枚」および「1枚G」は、遊技状態が一般中状態の場合には、レギュラーボーナス(RB)が重複して当選する一方、遊技状態がRB内部中状態の場合には、レギュラーボーナス(RB)が重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物を想定しているが、これ以外のボーナス、例えば第一種特別役物に係る役物連続作動装置(ビッグボーナス(RBB))等を用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。例えば、レギュラーボーナス(RB)が単独で当選する当選エリアが設けられていてもよい。
【0032】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0033】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図3では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。
【0034】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、一般中状態とRB内部中状態とでリプレイの当選確率が同一となっている。また、RB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRB内部中状態では、RB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0035】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0036】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選すると、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグの当選状態を、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナス(RB)の当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0037】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0038】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0039】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0040】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0041】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0042】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0043】
当選エリア「打順ベル」のそれぞれには、正解打順と不正解打順とが設定されている。具体的には、当選エリア「打順ベル」のいずれかが当選した場合に、正解打順で操作がされると7枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得る(7枚役が入賞しない)ようになっている。また、当選エリア「打順ベル」のそれぞれは、正解打順が1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。
当選エリア「打順ベル」のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役4~9を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役10~43を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。また、「打順ベル1A」~「打順ベル6A」では互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、「打順ベル1B」~「打順ベル6B」では互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0044】
また、当選エリア「択1枚」のそれぞれには、レギュラーボーナス(RB)を入賞させることが不可能なボーナス回避打順と、レギュラーボーナス(RB)を入賞させることが可能なボーナス入賞打順とが定められている。当選エリア「択1枚」のいずれかが当選した場合に、ボーナス回避打順で操作がされると1枚役が必ず入賞し、ボーナスの入賞が回避されるようになっている。一方、ボーナス入賞打順で操作がされるとボーナスが入賞し得るようになっている。
【0045】
なお、当選エリア「1枚G」は、いずれの打順で停止操作がされても必ず1枚役が入賞するようになっている。すなわち、当選エリア「1枚G」の当選時には、ボーナスを入賞させることができないようになっている。
【0046】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0047】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0048】
本実施形態の遊技機では、小役1、2に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役3~9に入賞すると7枚のメダルが払い出され、小役10~43に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0049】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0050】
遊技状態制御手段49は、
図4に示すように、一般中状態(通常状態)、RB内部中状態(ボーナス内部中状態)およびRB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0051】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、レギュラーボーナス(RB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RB内部中状態では、レギュラーボーナス(RB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RB作動中状態では、レギュラーボーナス(RB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0052】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。
また、一般中状態からはRB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合に、遊技状態をRB内部中状態へ移行させる。
【0053】
RB内部中状態は、内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RB内部中状態では、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまでレギュラーボーナス(RB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRB内部中状態からRB作動中状態へ移行させる。
【0054】
RB作動中状態は、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、RB作動中状態では、小役の入賞回数と遊技回数とによってRB作動中状態の終了条件が成立したか否かが判断される。具体的には、RB作動中状態における小役の入賞回数が8回に達するか、RB作動中状態における遊技回数が12回に達するとRB作動中状態の終了条件が成立したと判断される。遊技状態制御手段49は、RB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技状態をRB作動中状態から一般中状態へ移行させる。
なお、ボーナス状態の終了条件は、メダルの払出数の合計等によって定められていてもよい。
【0055】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において所定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、当選エリア「打順ベル」が当選した場合に、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13等に実行させるようになっている。
【0056】
また、指示機能制御手段51は、特別役が入賞し得る場合(特別役が当選した場合)に、特別役の入賞を回避する指示演出を行うか否かを決定する。具体的には、指示機能制御手段51は、特別役としてのレギュラーボーナス(RB)が当選状態に設定され、かつレギュラーボーナス(RB)を入賞させることが可能な状況において、レギュラーボーナス(RB)の入賞の回避を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、当選エリア「択1枚」が当選した場合に、ボーナス回避打順を報知してレギュラーボーナス(RB)の入賞の回避を補助する指示演出(ボーナス回避演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、ボーナス回避演出を液晶ディスプレイ13等に実行させるようになっている。
なお、本実施形態の遊技機においては、所定の当選エリア(当選エリア「択1枚」)の当選時に、ボーナス回避打順で停止操作を行うことでボーナスの入賞が回避されるようになっているが、所定の当選エリアの当選時に所定のタイミングで停止操作を行うことでボーナスの入賞を回避できる構成の場合には、当該所定のタイミングで停止操作を行うことを指示する演出をボーナス回避演出としてもよい。
【0057】
遊技区間制御手段80は、
図5に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。
【0058】
非有利区間においては、特典付与手段82は、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0059】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「3000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が3000回に設定されており、有利区間において3000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0060】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0061】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0062】
演出状態制御手段81は、
図5に示すように、通常演出状態、非AT演出状態、チャンス演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0063】
通常演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に設定している。通常演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態、チャンス演出状態またはAT演出状態に移行させる。
【0064】
非AT演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、非AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。非AT演出状態においては、特典付与手段82は、チャンス演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、非AT演出状態において所定の役(例えば、当選エリア「チェリー」、「スイカ」、「チャンス」、「強ベル」等:以下、これらの当選エリアをレア役と呼ぶ)に当選した場合に、CZ抽選を行う。そして、CZ抽選に基づいてチャンス演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態をチャンス演出状態へ移行させる。
なお、各当選エリア当選時に、チャンス演出状態への移行が決定される確率(CZ抽選における当選期待度)は、「チェリー」<「スイカ」<「チャンス」<「強ベル」の順で高くなっている。
【0065】
チャンス演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、チャンス演出状態においてレア役に当選した場合に、AT抽選を行う。そして、AT抽選に基づいてAT演出状態への移行が決定されると演出状態制御手段81は演出状態をAT演出状態へ移行させる。具体的には、AT抽選に当選し、演出状態をAT演出状態へ移行することが決定された場合、特典付与手段82は、記憶手段60のRAMに設けられたATセット数カウンタ67の記憶値にAT演出状態の1セットに相当する値「1」を設定し、AT演出状態へ移行する権利を付与する。なお、AT抽選の当選によって付与されるセット数は1セットに限らず2セット以上であってもよく、複数種類のセット数からAT抽選の当選時に選択される等としてもよい。
なお、各当選エリア当選時に、AT演出状態への移行が決定される確率(AT抽選における当選期待度)は、「チェリー」<「スイカ」<「チャンス」<「強ベル」の順で高くなっている。
なお、AT抽選は、非AT演出状態等において行われてもよい。
【0066】
演出状態制御手段81は、ATセット数カウンタ67の値が「1」以上の場合に、演出状態をAT演出状態に移行させる。また、演出状態制御手段81は、AT演出状態を開始する際に、ATセット数カウンタ67の記憶値から「1」を減算する処理を行う。また、演出状態制御手段81は、AT演出状態を開始する際に、記憶手段60のRAMに設けられたナビ回数カウンタ66に、AT演出状態1セット分の打順ナビの回数に相当する所定値を設定する。なお、ここで設定される打順ナビの回数は複数種類の回数から選択されるものであってもよく、本実施形態の遊技機においては、「10」、「20」、「30」、「50」または「100」の中から所定契機で決定されるようになっている。
【0067】
また、AT演出状態においては、特典付与手段82は、レア役に当選した場合に、AT演出状態のセット数を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選結果に基づいてセット数の増加が決定された場合に、所定のセット数に相当する値をATセット数カウンタ67に加算(上乗せ)する。
なお、各当選エリア当選時の上乗せに対する期待度は、「チェリー」<「スイカ」<「チャンス」<「強ベル」の順で高くなっている。ここで、上乗せに対する期待度とは、上乗せ抽選で上乗せが決定される確率であってもよく、上乗せ数の期待値等であってもよい。
【0068】
また、AT演出状態には、通常AT演出状態と、通常AT演出状態に比べて遊技者にとっての有利度が相対的に高い特別AT演出状態とが含まれる。特典付与手段82は、通常AT演出状態においてレア役に当選した場合に、特別AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(特別AT抽選)を行う。そして、特別AT抽選に基づいて特別AT演出状態への移行が決定されると演出状態制御手段81は演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。なお、特別AT演出状態は、例えば、滞在中のメダルの増加に対する期待度が通常AT演出状態よりも高いいわゆる疑似ボーナス状態であってもよく、上乗せに対する期待度が通常AT演出状態よりも高いいわゆる特化ゾーン等であってもよい。
なお、各当選エリア当選時に、特別AT演出状態への移行が決定される確率(特別AT抽選の当選期待度)は、「チェリー」<「スイカ」<「チャンス」<「強ベル」の順で高くなっている。
【0069】
指示機能制御手段51は、AT演出状態において当選エリア「打順ベル」が当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。また、指示機能制御手段51は、打順ナビ演出が実行される毎に、ナビ回数カウンタ66の記憶値から「1」を減算する処理を行う。そして、ナビ回数カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の1セットの終了条件が成立したとして、演出状態制御手段81は、AT演出状態の1セットを終了させる。
【0070】
演出状態制御手段81は、AT演出状態の1セットの終了条件が成立した場合に、ATセット数カウンタ67の値が「1」以上であれば、演出状態を再度AT演出状態に移行させる。また、演出状態制御手段81は、AT演出状態を再度開始する際に、ATセット数カウンタ67の記憶値から「1」を減算する処理を行う。なお、AT演出状態の1セットが終了してからAT演出状態を再開させる場合に、一度他の演出状態に移行させてからAT演出状態を再開させることとしてもよい。例えば、AT演出状態の1セットの終了後に、メダルの増加数に関する期待値がAT演出状態よりも低い低期待値演出状態で所定回数の遊技を実行させ、その後AT演出状態を再開させることとしてもよい。この場合に、低期待値演出状態においては、打順ナビ演出が行われないこととするか、あるいは打順ナビ演出の発生頻度をAT演出状態よりも低く設定してもよい。
【0071】
また、演出状態制御手段81は、AT演出状態の1セットの終了条件が成立した場合に、ATセット数カウンタ67の値が「0」であれば、演出状態を再度AT演出状態に移行させることなく、AT演出状態を終了させる。
【0072】
なお、チャンス演出状態は、非AT演出状態に比べAT演出状態への移行の期待度が高く、非AT演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。また、AT演出状態は、非AT演出状態やチャンス演出状態に比べ打順ナビ演出の実行頻度が高くメダルの獲得が容易となっており、非AT演出状態やチャンス演出状態に比べ遊技者にとって有利な演出状態となっている。
【0073】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、ATセット数カウンタ67の記憶値およびナビ回数カウンタ66の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。
【0074】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、当選エリア「打順ベル」が当選すると、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。当選エリア「打順ベル」が当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず7枚役が入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0075】
前述のように本実施形態では、レア役の当選に基づいてCZ抽選、AT抽選、上乗せまたは特別AT抽選等が行われるようになっている。換言すると、レア役の当選に基づいて遊技者に有利な所定の演出状態(チャンス演出状態、AT演出状態または特別AT演出状態)への移行や、AT演出状態の継続期間に係る上乗せ等がされるようになっている。すなわち、レア役の当選に基づいて所定の特典が付与されるようになっている。また、当該所定の特典の付与に関する期待度は、「チェリー」<「スイカ」<「チャンス」<「強ベル」の順で高くなっている。
なお、当該所定の特典は、指示演出に関する所定のポイント(例えば、蓄積することでチャンス演出状態やAT演出状態への移行の期待度が上昇するポイント等)等であってもよい。また、当該所定の特典は、CZ抽選やAT抽選等の所定の抽選に関するもの(例えば、当該所定の抽選で所定の結果が得られる確率を上昇させるものや、当該所定の抽選自体等)であってもよい。また、このように当該所定の特典は、指示演出に関する特典であってもよいが、指示演出に関するものでなくてもよい。例えば、「チェリー」<「スイカ」<「チャンス」<「強ベル」の順で、ボーナスが重複して当選する確率が高くなっていてもよい。
また、当該所定の特典は、特定の遊技状態あるいは特定の演出状態に関するものであってもよい。具体的には、例えば、当該所定の特典は、一般中状態、RB内部中状態およびRB作動中状態のうちの少なくとも1つの遊技状態(特定の遊技状態)におけるCZ抽選やAT抽選等の所定の抽選に関する特典等であってもよい。また、例えば、当該所定の特典は、通常演出状態、非AT演出状態、チャンス演出状態、通常AT演出状態および特別AT演出状態のうちの少なくとも1つの演出状態(特定の演出状態)におけるCZ抽選やAT抽選等の所定の抽選に関する特典等であってもよい。より具体的には、例えば、RB内部中状態かつチャンス演出状態におけるAT抽選に関する特典等であってもよい。また、例えば、一般中状態におけるボーナス抽選に関する特典等であってもよい。
なお、レア役以外の役、例えば、当選エリア「ベル」や「リプレイ」の当選時にも、CZ抽選、AT抽選、上乗せ、特別AT抽選、所定のポイントの付与またはボーナスの重複当選等が発生することとしてもよい。換言すると、当選エリア「ベル」や「リプレイ」等の当選時にも当該所定の特典が付与されるようになっていてもよい。また、当選エリア「ベル」や「リプレイ」は、当選エリア「チェリー」に比べ、所定の特典の付与に関する期待度が低くなっていることが好ましい。なお、ここで「低い」とは、特典の付与がされる確率が0%の場合(CZ抽選やAT抽選等の所定の抽選が行われない場合等)を含む。
なお、当該所定の特典は、特定の遊技状態あるいは特定の演出状態において所定の当選エリアに当選した場合に付与されるものであってもよい。具体的には、当該所定の特典は、一般中状態、RB内部中状態およびRB作動中状態のうちの少なくとも1つの遊技状態(特定の遊技状態)において、付与されうるものであってもよい。また、当該所定の特典は、通常演出状態、非AT演出状態、チャンス演出状態、通常AT演出状態および特別AT演出状態のうちの少なくとも1つの演出状態(特定の演出状態)において、付与されうるものであってもよい。具体的には、例えば、RB内部中状態かつチャンス演出状態において所定の当選エリア(各レア役等)に当選した場合に付与されるものであってもよい。また、例えば、一般中状態において所定の当選エリア(各レア役等)に当選した場合に付与されるものであってもよい。換言すると、所定の特典といった場合には、ある遊技状態やある演出状態において付与される特典を指すこととしてもよく、遊技状態や演出状態によっては、特典の付与に対する期待度が前述の関係とならない場合があってもよい。また、当該所定の特典には、ここで例示した特典のうちの一部しか含まれなくてもよい。
【0076】
演出制御手段100は、各当選エリアの当選後、リール20a~20cが停止して、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技の結果を報知する入賞音をスピーカ14に出力させる。換言すると、演出制御手段100は、ストップボタン26a~26cに対する操作(第3停止操作)に基づいて、入賞音をスピーカ14に出力させる。本実施形態では、入賞音として、チェリー音、スイカ音、チャンス音、強ベル音、ベル音およびリプレイ音を含む複数種類の入賞音が用意されている。
【0077】
チェリー音は、当選エリア「チェリー」の当選時に得られうる停止態様(当選エリア「チェリー」の当選時に入賞する役)に対応付けられた入賞音である。当選エリア「チェリー」が当選し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、演出制御手段100は、スピーカ14にチェリー音を出力させる。すなわち、チェリー音は、当選エリア「チェリー」が当選したことを認識可能とする(報知する)音となっている。換言すると、チェリー音は、当選エリア「チェリー」に対応する所定の役の入賞を認識可能とする(報知する)音となっている。さらに換言すると、チェリー音は、レア役としての「チェリー」に対応する入賞音となっている。
なお、当選エリア「チェリー」が当選した場合に、入賞音としてチェリー音が必ず出力されることとしてもよく、チェリー音以外の音が出力され得る(あるいはいずれの音も出力されない場合がある)こととしてもよい。例えば、当選エリア「チェリー」が当選した場合において、特定の役が入賞した場合や、特定の図柄(例えば、チェリーの形状の図柄)が所定の表示位置に表示されるようにリール20a~20cが停止した場合等にチェリー音が出力されることとし、これ以外の場合にはチェリー音が出力されないこととしてもよい。
【0078】
スイカ音は、当選エリア「スイカ」の当選時に得られうる停止態様(当選エリア「スイカ」の当選時に入賞する役)に対応付けられた入賞音である。当選エリア「スイカ」が当選し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、演出制御手段100は、スピーカ14にスイカ音を出力させる。すなわち、スイカ音は、当選エリア「スイカ」が当選したことを認識可能とする(報知する)音となっている。換言すると、スイカ音は、当選エリア「スイカ」に対応する所定の役の入賞を認識可能とする(報知する)音となっている。さらに換言すると、スイカ音は、レア役としての「スイカ」に対応する入賞音となっている。
なお、当選エリア「スイカ」が当選した場合に、入賞音としてスイカ音が必ず出力されることとしてもよく、スイカ音以外の音が出力され得る(あるいはいずれの音も出力されない場合がある)こととしてもよい。例えば、当選エリア「スイカ」が当選した場合において、特定の役が入賞した場合や、特定の図柄(例えば、スイカ形状の図柄)が所定の表示位置に表示されるようにリール20a~20cが停止した場合等にスイカ音が出力されることとし、これ以外の場合にはスイカ音が出力されないこととしてもよい。
【0079】
チャンス音は、当選エリア「チャンス」の当選時に得られうる停止態様(当選エリア「チャンス」の当選時に入賞する役)に対応付けられた入賞音である。当選エリア「チャンス」が当選し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、演出制御手段100は、スピーカ14にチャンス音を出力させる。すなわち、チャンス音は、当選エリア「チャンス」が当選したことを認識可能とする(報知する)音となっている。換言すると、チャンス音は、当選エリア「チャンス」に対応する所定の役の入賞を認識可能とする(報知する)音となっている。さらに換言すると、チャンス音は、レア役としての「チャンス」に対応する入賞音となっている。
なお、当選エリア「チャンス」が当選した場合に、入賞音としてチャンス音が必ず出力されることとしてもよく、チャンス音以外の音が出力され得る(あるいはいずれの音も出力されない場合がある)こととしてもよい。例えば、当選エリア「チャンス」が当選した場合において、特定の役が入賞した場合や、特定の図柄が所定の表示位置に表示されるようにリール20a~20cが停止した場合(例えば、いわゆるチャンス目が表示される場合)等にチャンス音が出力されることとし、これ以外の場合にはチャンス音が出力されないこととしてもよい。
【0080】
強ベル音は、当選エリア「強ベル」の当選時に得られうる停止態様(当選エリア「強ベル」の当選時に入賞する役)に対応付けられた入賞音である。当選エリア「強ベル」が当選し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、演出制御手段100は、スピーカ14にスイカ音を出力させる。すなわち、強ベル音は、当選エリア「強ベル」が当選したことを認識可能とする(報知する)音となっている。換言すると、強ベル音は、当選エリア「強ベル」に対応する所定の役の入賞を認識可能とする(報知する)音となっている。さらに換言すると、強ベル音は、レア役としての「強ベル」に対応する入賞音となっている。
なお、当選エリア「強ベル」が当選した場合に、入賞音として強ベル音が必ず出力されることとしてもよく、強ベル音以外の音が出力され得る(あるいはいずれの音も出力されない場合がある)こととしてもよい。例えば、当選エリア「強ベル」が当選した場合において、特定の役が入賞した場合や、特定の図柄(例えば、ベル形状の図柄)が所定の表示位置に表示されるようにリール20a~20cが停止した場合等に強ベル音が出力されることとし、これ以外の場合には強ベル音が出力されないこととしてもよい。
【0081】
ベル音は、当選エリア「ベル」または「打順ベル」の当選時に得られうる停止態様(当選エリア「ベル」または「打順ベル」の当選時に入賞する役)に対応付けられた入賞音である。当選エリア「ベル」または「打順ベル」が当選し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、演出制御手段100は、スピーカ14にベル音を出力させる。すなわち、ベル音は、当選エリア「ベル」または「打順ベル」が当選したことを認識可能とする(報知する)音となっている。換言すると、ベル音は、当選エリア「ベル」または「打順ベル」に対応する所定の役の入賞を認識可能とする(報知する)音となっている。
なお、本実施形態では、当選エリア「ベル」または「打順ベル」が当選し7枚役が入賞する場合にはベル音が出力される一方で、当選エリア「強ベル」が当選し7枚役が入賞する場合には強ベル音が出力されるようになっている。換言すると、ベル音が出力される際に払い出されるメダルの枚数と、強ベル音が出力される際に払い出されるメダルの枚数とは同一となっている。また、ベル音が出力されるときと、強ベル音が出力されるときとでは、リール20a~20cの停止態様が異なっている。
【0082】
リプレイ音は、当選エリア「リプレイ」の当選時に得られうる停止態様(当選エリア「リプレイ」の当選時に入賞する役)に対応付けられた入賞音である。当選エリア「リプレイ」が当選し、所定の役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、演出制御手段100は、スピーカ14にリプレイ音を出力させる。すなわち、リプレイ音は、当選エリア「リプレイ」が当選したことを認識可能とする(報知する)音となっている。換言すると、リプレイ音は、当選エリア「リプレイ」に対応する所定の役の入賞を認識可能とする(報知する)音となっている。
【0083】
なお、本実施形態では、強ベル音およびベル音は、メダルの払出に対応する払出音(払い出しをイメージさせる音)となっており、チェリー音、スイカ音、チャンス音は、それぞれ所定の効果音(例えば「バシュン」などの音や所定のメロディー)となっている。
【0084】
各入賞音のデータ(音データ)は、WAV形式でサブ側記憶手段72の音データ記憶領域(ROM)74に記憶されている。そして、演出制御手段100は、リール20a~20cが停止すると、当該音データを再生し、遊技の結果に応じた所定の入賞音をスピーカ14に出力させる。
【0085】
音データ記憶領域74には、チェリー音の音データと、スイカ音の音データと、チャンス音の音データと、強ベル音の音データと、ベル音の音データと、リプレイ音の音データと、が記憶されている。そして、演出制御手段100が、チェリー音の音データを再生するとチェリー音がスピーカ14から出力され、スイカ音の音データを再生するとスイカ音がスピーカ14から出力され、チャンス音の音データを再生するとチャンス音がスピーカ14から出力され、強ベル音の音データを再生すると強ベル音がスピーカ14から出力され、ベル音の音データを再生するとベル音がスピーカ14から出力され、リプレイ音の音データを再生するとリプレイ音がスピーカ14から出力されるようになっている。
【0086】
各音データの音量は以下のようになっている。すなわち、所定の基準値を0dBとしたときに、チェリー音の音データの音量(データ上の音量)は-8.5dB、スイカ音の音データの音量(データ上の音量)は-9.0dB、チャンス音の音データの音量(データ上の音量)は-5.5dB、強ベル音の音データの音量(データ上の音量)は-8.2dBとなっている。すなわち、各音データの音量は、スイカ音<チェリー音<強ベル音<チャンス音の順で大きくなっている。換言すると、後述する音量制御手段76の音量設定を同一として各音データを再生した場合、スピーカ14から出力される音量は、スイカ音<チェリー音<強ベル音<チャンス音の順となるようにされている。
なお、ここで示す音量は、RMS値となっている。
【0087】
また、演出制御手段100は、音量制御手段76を有している。そして、音量制御手段76は、音データ記憶領域74から読み出され再生される音データについて、音量を変化させることが可能となっている。具体的には、音量制御手段76は、音データ毎に予め設定された量だけ音量を変化させるようになっている。すなわち、演出制御手段100は、音データを再生する際に、音データ自体の音量を、予め設定されている量だけ増幅あるいは減衰させてスピーカ14から出力させるようになっている。
【0088】
具体的には、演出制御手段100は、チェリー音については音量を9.0dB増幅させ、スイカ音については音量を9.5dB増幅させ、チャンス音については音量を8.5dB増幅させ、強ベルについては音量を11.5dB増幅させるようになっている。すなわち、各演出制御手段100(音量制御手段76)による音量の増幅量は、チャンス音<チェリー音<スイカ音<強ベル音の順で大きくなっている。
なお、本実施形態では、演出制御手段100は、各入賞音について音量を増幅させるようになっており、減衰はさせないようになっている。
【0089】
そして、以上のように各音データの音量および音量制御手段76での音量の変化量が設定されていることから、スピーカ14から出力される各入賞音の音量(出力音量)は以下のようになる。すなわち、チェリー音の出力音量を基準(0dB)とした場合に、スイカ音の出力音量は0dBとなり、チャンス音の出力音量は2.5dBとなり、強ベル音の出力音量は2.8dBとなる。すなわち、各入賞音の出力音量は、チェリー音=スイカ音<チャンス音<強ベル音の順で大きくなっている。ここで、当選エリア「チェリー」および「スイカ」は、所定の特典の付与に対する期待度がともに所定値以下のレア役であるため、チェリー音とスイカ音とを同等の出力音量としているが、チェリー音<スイカ音としてもよい。なお、本明細書において、同等(=)といった場合、略等しい(≒)場合を含む。
なお、ここで示す音量は、RMS値となっている。
【0090】
なお、ベル音やリプレイ音の出力音量は、チェリー音よりも小さいことが好ましい。なお、ここで「小さい」とは、音が出力されない場合を含む。
【0091】
また、音量制御手段76による音量の変化量は、予め定められた所定量となっており、遊技者による所定の操作(前扉12に設けられた所定の操作手段(ボタン)に対する操作)や、遊技機内に設けられた所定の操作手段(ボリュームスイッチ)に対する操作等に基づいて変化させることはできないようになっている。換言すると、音量制御手段76は、チェリー音については音量を9.0dB増幅させ、スイカ音については音量を9.5dB増幅させ、チャンス音については音量を8.5dB増幅させ、強ベル音については音量を11.5dB増幅させるようになっているが、これらの値(各入賞音同士の音量の変化量の相対的な関係)は、変化させることができないようになっている。ただし、演出制御手段100は、音量制御手段76の他にも音量制御手段(アンプ等)を有していてもよく、当該他の音量制御手段は、遊技者による操作や、遊技機内に設けられた所定の操作手段(ボリュームスイッチ)に対する操作等に基づいて、全ての入賞音(スピーカ14から出力される全ての音)についての音量を一律に変化(増幅あるいは減衰)させることが可能となっていてもよい。換言すると、遊技者による操作等に基づいて、各入賞音同士の音量の大小関係を変化させることはできないようになっていてもよい。
【0092】
なお、本実施形態では、当選エリア「チェリー」、「スイカ」および「チャンス」をリプレイに係る当選エリアとしたが、各当選エリアは、小役に係る当選エリアであってもよい。また、当選エリア「強ベル」を小役に係る当選エリアとしたが、リプレイに係る当選エリアであってもよい。
【0093】
なお、一般中状態やRB内部中状態等の所定の遊技状態における各当選エリアの当選確率(内部抽選で各当選エリアが当選となる確率)は、例えば、「強ベル」<「チャンス」<「スイカ」<「チェリー」<「リプレイ」、「ベル」、「打順ベル」の順で高くなっていてもよい。
【0094】
なお、本実施形態では、各音データの音量や、スピーカ14からの出力音量等の各音量(dB値)をRMS値としたが、前述の各音量(dB値)は振幅の最大値であるものとして読み替えてもよい。前述の各音データの音量の大小関係は、各音データを同条件で(音量制御手段76の設定を同一として)再生し遊技者が聴いたときに、遊技者が感じる大小関係となっている。また、前述の各出力音量の大小関係は、スピーカ14から出力される音量を遊技者が聴いたときに、遊技者が感じる大小関係となっている。
【0095】
本実施形態の遊技機は、
識別情報(図柄)の変動表示をする変動表示手段(リール20a~20c)と、
開始操作手段(スタートレバー24)と、
前記変動表示を停止させる操作を受け付ける停止操作手段(ストップボタン26a~26c)と、
内部抽選を行う内部抽選手段42と、
所定の特典を付与する特典付与手段82と、
音を出力する音出力手段(スピーカ14)と、を備え、
前記停止操作手段に対する操作に基づいて出力される音として、
前記内部抽選の結果が第1の結果(当選エリア「強ベル」が当選)となった場合に出力可能な第1音(強ベル音)と、
前記内部抽選の結果が第2の結果(当選エリア「チャンス」が当選)となった場合に出力可能な第2音(チャンス音)と、
前記内部抽選の結果が第3の結果(当選エリア「スイカ」が当選)となった場合に出力可能な第3音(スイカ音)と、を含む複数種類の音があり、
前記内部抽選の結果が前記第1の結果となった場合の方が、前記第2の結果となった場合に比べ、前記所定の特典の付与に対する期待度が高く、
前記内部抽選の結果が前記第2の結果となった場合の方が、前記第3の結果となった場合に比べ、前記所定の特典の付与に対する期待度が高く、
前記音出力手段からの出力音量は、前記第1音の方が前記第2音よりも大きく、前記第2音の方が前記第3音よりも大きい。
本実施形態の遊技機によれば、内部抽選の結果が、特典の付与に対する期待度が高い結果となった場合の方が、リール20a~20cが停止する際に鳴る演出音(入賞音)の音量がより大きいものとなる。すなわち、期待度の高低と音量の大小とが互いに対応したものとなる。このため、遊技者は、音量の観点から特典の付与に対する期待度を把握しやすくなる。したがって、リールが停止する際に鳴る演出音の音量によって遊技者の期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、このように本実施形態では、内部抽選の結果が特定の結果となった場合に、特定の演出音(入賞音)が出力可能となっているが、ここで「出力可能」とは、内部抽選の結果が特定の結果となった場合に必ず出力される構成のみならず、当該特定の結果が得られ、さらに特定の役が入賞した場合や、特定の図柄が所定の表示位置に表示されるようにリール20a~20cが停止した場合等に出力される構成も含むものである。
【0096】
なお、各音データの音量は、互いに同等となっている等してもよい。例えば、所定の基準値を0dBとしたときに、チェリー音、スイカ音、チャンス音および強ベル音の音データの音量(データ上の音量)を全て0dBとしてもよい。すなわち、音量制御手段76は、各入賞音の音データの音量(音量の大小関係)が特典の付与に対する期待度に応じたものとなっていない場合(期待度が高いものほど音データの音量が大きくなっていない場合)に、各入賞音のスピーカ14からの出力音量が特典の付与に対する期待度に応じたものとなるように入賞音の音量を調整する(変化させる)ものであればよい。
【0097】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0098】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0099】
14 スピーカ(音出力手段)
20a,20b,20c リール
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
82 特典付与手段
100 演出制御手段