(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20240904BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
A61M5/20
A61M5/142 522
(21)【出願番号】P 2023515208
(86)(22)【出願日】2021-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2021011186
(87)【国際公開番号】W WO2022050613
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114094
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114117
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114131
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114132
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523049225
【氏名又は名称】イオフロー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EOFLOW CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギウン
(72)【発明者】
【氏名】パン,ウンギョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,テジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンハ
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/132937(WO,A1)
【文献】特開2020-018493(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0088216(US,A1)
【文献】国際公開第2019/231713(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/142
A61M 5/145
A61M 5/168
A61M 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースボディと、
前記ベースボディに取り付けられ
、針を有する針組立体と、
前記針組立体と流体接続され、
前端の内面に案内溝を有するリザーバーと、
前記リザーバーの内部に配置されるプランジャーを移動させる駆動ユニットと、
前記針組立体の下に取り付けられ、フィルタ部材を有する針カバー組立体と
、
を含み、
前記リザーバーは、薬液が注入される入口端と、前記針組立体の前記針と接続される出口端を有し、
前記案内溝は、前記入口端と前記出口端とを接続し、
前記リザーバーの前端に前記プランジャーが配置され、前記リザーバーに
前記入口端を介して薬液が注入されるとき、
注入された前記薬液によって前記リザーバーの内部空間に残留する空気が
前記案内溝を通じて、前記出口端を介して前記針組立体の針に押し出され、前記針を通過した空気は、前記針カバー組立体の前記フィルタ部材を通じて
外部に吐出され、その後、前記薬液が前記リザーバーから前記針
を介して吐出されるとき、前記薬液は前記フィルタ部材を通過せず、前記フィルタ部材が突出することをもたらす、薬液注入装置。
【請求項2】
前記案内溝は、一部区間が前記リザーバーの内面に沿って傾斜して配置される、請求項1に記載の薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、インスリン注入装置などの薬液注入装置は、患者の体内に薬液を注入するために使用される。このような薬液注入装置は、医師や看護師などの医療従事者によって使用されることもあるが、ほとんどの場合、患者自身や保護者などの一般人によって使用されている。
【0003】
糖尿病患者、特に、小児糖尿病患者の場合、インスリンなどの薬液を定められた時間間隔を置いて人体に注入する必要がある。一定期間、人体に付着して使用するパッチ式の薬液注入装置が開発されており、このような薬液注入装置は、患者の腹部または腰などの人体に一定期間パッチ式に付着した状態で使用することができる。
【0004】
薬液注入による効果の増大のために、薬液注入装置は、薬液を患者の体に精密に注入することを制御する必要があり、小型の薬液注入装置を介して少量の薬液を精密に注入することが重要である。
【0005】
薬液注入装置は、人体に付着する場合、着用感に優れ、使いやすく、耐久性に優れ、低電力で駆動される必要がある。特に、薬液注入装置は、患者の皮膚に直接付着されて使用されるため、ユーザが便利かつ安全に薬液注入装置を駆動することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、正確に薬物を送達できる薬液注入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられる針組立体、前記針組立体と流体接続され、内面に案内溝を有するリザーバー及びリザーバーの内部に配置されるプランジャーを移動させる駆動ユニットを含む薬液注入装置を提供する。
【0008】
本発明の一側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられる針組立体、前記針組立体と流体接続され、薬液が注入される入口端を有するリザーバー、前記入口端に取り付けられるシール部材及び前記シール部材と対向するように前記ベースボディまたは前記リザーバーに取り付けられるガイドキャップを含む薬液注入装置を提供する。
【0009】
本発明の一側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられる針組立体、前記針組立体と流体接続され、内部にプランジャーを有するリザーバー、前記プランジャーと接続され、外周面に第1ねじ山と第1ねじ溝を有する雄ねじを備えたロッド及び内周面の少なくとも一部に第2ねじ山と第2ねじ溝を有する雌ねじを備え、挿入される前記ロッドとねじ結合される接続部材を含み、前記ロッドは、前記第1ねじ山と前記第1ねじ溝との間の高さの中心で、半径方向の外側でのみ前記接続部材と雌ねじと接触する薬液注入装置を提供する。
【0010】
本発明の一側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられ、内部にプランジャーが配置されるリザーバー、前記プランジャーと接続されるロッド、前記ロッドが挿入される接続部材、前記リザーバーの一端から離隔して配置され、前記接続部材に駆動力を伝達する駆動ホイール及び前記接続部材に挿入されるが、前記リザーバーと前記駆動ホイールとの間に配置される抵抗部材を含む薬液注入装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、ユーザに安全に薬液を注入することができる。薬液注入装置は、リザーバーの気体を除去し、薬液を安全にリザーバーに貯蔵することで、ユーザに気体が注入される危険性をなくすことができる。薬液注入装置は、針に排出された気体を外部に排出して安全性を高めることができ、薬液の貯蔵の有無を確認することができる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、薬液を注入するために既定の正確な位置に注入針が挿入されるように案内し、薬物を安全にリザーバーに貯蔵することができる。
【0013】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、薬液を注入するために注入針を挿入する際、傷による異物が生成されず、薬液注入装置の高い安全性を確保することができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、外部異物の接触を最小限に抑え、ユーザが容易に薬液注入器の注入針をリザーバーに挿入することができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、消毒のために滅菌ガスが移動する経路が設定され、薬液注入装置の安全性を高めることができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、薬液を正確に定量排出することができる。薬液注入装置は、駆動モジュールで生成された駆動力がプランジャーに正確に伝達され、薬液を針に定量排出することができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置は、少ない駆動力によってもプランジャーが直線移動することができる。プランジャーに接続されたロッドは、接続部材とねじ結合するが、ロッドの雄ねじと接続部材の雌ねじが接触する領域を減らし、少ない駆動力が接続部材を回動させても、ロッドが直線移動することができる。ロッドの雄ねじ及び接続部材の雌ねじは、ねじ山に凸状の曲率が形成されるか、ねじ溝に凹状の曲率が形成されるため、雌ねじと雄ねじが接触する領域が減って摩擦力を減らすことができ、少ない駆動力が接続部材に伝達されてもロッドが直線運動することができる。
【0018】
本発明に係る薬液注入装置は、高圧の薬液をリザーバーに貯蔵することができる。リザーバーに貯蔵される薬液が高圧で貯蔵されるため、少ない駆動力がプランジャーに作用するとしても、プランジャーが前進しながら薬液を迅速かつ定量的に吐出することができる。
【0019】
本発明に係る薬液注入装置は、薬液が針に吐出される時間を遅らせることなく、薬液を迅速にユーザに注入することができる。高圧で貯蔵された薬液は、プランジャーに少ない駆動力が加えられるとしても針に吐出されることができる。したがって、薬液注入装置がユーザに付着されると、すぐに薬液をユーザに注入することができる。もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬液注入システムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る薬液注入装置を示す斜視図である。
【
図6a】
図5のリザーバーユニットの断面図である。
【
図7】
図2の薬液注入装置の一部断面を示す斜視図である。
【
図9】
図2の薬液注入装置の一部断面を示す図である。
【
図10】
図7の変形例に係る薬液注入装置の一部断面を示す図である。
【
図11】
図7の滅菌カバーの結合関係を示す断面図である。
【
図13】リザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液を針に排出する駆動を示す断面図である。
【
図14】リザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液を針に排出する駆動を示す断面図である。
【
図15】リザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液を針に排出する駆動を示す断面図である。
【
図16】リザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液を針に排出する駆動を示す断面図である。
【
図18】
図13のねじ結合されるロッドと接続部材の断面を示す図である。
【
図20】ロッドの他の実施形態を示す断面図である。
【
図21】ロッドの他の実施形態を示す断面図である。
【
図22】ロッドの他の実施形態を示す断面図である。
【
図23】ロッドの他の実施形態を示す断面図である。
【
図24】ロッドの他の実施形態を示す断面図である。
【
図25】抵抗部材が組み立てられた
図3の一部構成を示す斜視図である。
【
図28】薬液注入装置の駆動による薬液量の変化及び駆動モードの変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(発明を実施するための最善の形態)
本発明の一側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられる針組立体、前記針組立体と流体接続され、内面に案内溝を有するリザーバー及びリザーバーの内部に配置されるプランジャーを移動させる駆動ユニットを含む薬液注入装置を提供する。
【0022】
また、前記リザーバーは、薬液が注入される入口端と、前記針組立体の針と接続される出口端とを有し、前記案内溝は、前記入口端と前記出口端とを接続することができる。
【0023】
また、前記案内溝は、前記リザーバーに薬液を注入する際に、前記リザーバーの内部空間に残留する気体を前記針組立体に案内することができる。
【0024】
また、前記案内溝は、一部区間が前記リザーバーの内面に沿って傾斜して配置されることができる。
【0025】
本発明の他の側面は、内部空間に薬液が貯蔵されるが、プランジャーの移動により前記薬液が針に吐出されるリザーバーにおいて、前記リザーバーは、前記薬液が注入される入口端、前記針が設置される出口端及び前記リザーバーの内面に配置されるが、少なくとも一部区間が前記入口端と前記出口端との間を接続する案内溝を備える薬液注入装置用リザーバーを提供する。
【0026】
本発明の他の側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられる針組立体、前記針組立体と流体接続され、薬液が注入される入口端を有するリザーバー、前記入口端に取り付けられるシール部材及び前記シール部材と対向するように前記ベースボディまたは前記リザーバーに取り付けられるガイドキャップを含む薬液注入装置を提供する。
【0027】
また、前記ガイドキャップは、前記ベースボディの着座端に取り付けられるフランジ及び前記フランジから内側に延びるが、開放断面積が減少する傾斜端を有することができる。
【0028】
また、前記ガイドキャップは、前記フランジから外側に延び、前記ベースボディに支持される翼片をさらに備えることができる。
【0029】
また、前記ガイドキャップは前記フランジと前記傾斜端とが接続される領域において曲面を有することができる。
【0030】
また、前記ガイドキャップは、前記ベースボディの表面において既定の深さに挿入されることができる。
【0031】
本発明のまた他の側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられる針組立体、前記針組立体と流体接続され、内部にプランジャーを有するリザーバー、前記プランジャーと接続され、外周面に第1ねじ山と第1ねじ溝を有する雄ねじを備えたロッド及び内周面の少なくとも一部に第2ねじ山と第2ねじ溝を有する雌ねじを備え、挿入される前記ロッドとねじ結合される接続部材を含み、前記ロッドは、前記第1ねじ山と前記第1ねじ溝との間の高さの中心で、半径方向の外側でのみ前記接続部材と雌ねじと接触する薬液注入装置を提供する。
【0032】
また、前記ロッドは、隣接する前記第1ねじ山との間の距離をピッチとして有し、前記第1ねじ山と前記第1ねじ溝との間の距離を第1高さとして有するが、前記高さは前記ピッチの50%以下に設定されることができる。
【0033】
また、前記第1ねじ山と前記第1ねじ溝との間の第1高さは、前記第2ねじ山と前記第2ねじ溝との間の第2高さより小さくてもよい。
【0034】
また、前記第1ねじ山は第1曲率半径を有し、前記第1ねじ溝は第2曲率半径を有し、前記第2ねじ山は第3曲率半径を有し、前記第2ねじ溝は第4曲率半径を有するが、前記第1曲率半径及び前記第2曲率半径のうち少なくとも1つは前記第3曲率半径の大きさと異なり、前記第4曲率半径の大きさとは異なることができる。
【0035】
また、前記第1曲率半径及び前記第2曲率半径のうち少なくとも1つは、前記第3曲率半径と前記第4曲率半径との間であることができる。
【0036】
本発明のまた他の側面は、ベースボディ、前記ベースボディに取り付けられ、内部にプランジャーが配置されるリザーバー、前記プランジャーと接続されるロッド、前記ロッドが挿入される接続部材、前記リザーバーの一端から離隔して配置され、前記接続部材に駆動力を伝達する駆動ホイール及び前記接続部材に挿入されるが、前記リザーバーと前記駆動ホイールとの間に配置される抵抗部材を含む薬液注入装置を提供する。
【0037】
また、前記抵抗部材は、前記プランジャー及び前記接続部材が前記リザーバーの後方に移動すると、一側が前記駆動ホイールに支持されることができる。
【0038】
また、前記抵抗部材は、前記接続部材の外周面と摩擦力を生成することができる。
【0039】
また、前記抵抗部材は、前記接続部材が挿入される挿入開口を有するが、前記挿入開口の最小直径が前記接続部材の直径より小さくてもよい。
【0040】
また、前記抵抗部材は、前記接続部材が挿入される挿入開口の外側に延びるベース部及び前記ベース部の一側に切開されて前記挿入開口に接続される切開部を有することができる。
【0041】
(発明を実施するための形態)
本発明は、様々な変換を加えることができとともに、様々な実施形態を有することができ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとする。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施形態を参照することで明らかになるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で具現されてもよい。
【0042】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するものとし、図面を参照して説明するとき、同一又は対応する構成要素は同一の図面符号を付与し、これに対する重複の説明は省略する。
【0043】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0044】
以下の実施形態において、含むまたは有するなどの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0045】
ある実施形態が他の方法で具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なる方法で実行されてもよい。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に実行されてもよく、説明される順序とは逆の順序で実施されてもよい。
【0046】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張または縮小されてもよい。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上任意に示しているため、以下の実施形態は必ずしも示されたものに限定されるものではない。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬液注入システム1を示すブロック図である。
【0048】
図1を参照すると、薬液注入システム1は、薬液注入装置10、ユーザ端末20、コントローラ30及び生体情報センサ40を備えることができる。薬液注入システム1は、ユーザ端末20を用いてユーザがシステムを駆動及び制御することができ、生体情報センサ40でモニタリングされる血糖情報に基づいて、薬液注入装置10から薬液を定期的に注入することができる。
【0049】
薬液注入装置10は、生体情報センサ40でセンシングされたデータに基づいて、ユーザに注入されるべき薬物、例えばインスリン、グルカゴン、麻酔薬、鎮痛剤、ドーパミン、成長ホルモン、禁煙補助剤などの薬物を注入する機能を果たすこともある。
【0050】
また、薬液注入装置10は、装置の残りの電池容量情報、装置の起動が成功したか否か、注入が成功したか否かなどを含む装置状態メッセージをコントローラ30に送信することができる。コントローラに送信されたメッセージは、コントローラ30を介してユーザ端末20に送信されることができる。または、コントローラ30は、受信したメッセージを加工した改良データをユーザ端末20に送信することができる。
【0051】
一実施形態として、薬液注入装置10は、生体情報センサ40とは別に備えられ、対象体に離隔して設置されることができる。別の実施形態として、薬液注入装置10と生体情報センサ40は1つのデバイスに備えられることができる。
【0052】
一実施形態として、薬液注入装置10はユーザの身体に取り付けられることができる。また、他の実施形態として、薬液注入装置10は、動物にも取り付けられ薬液を注入することができる。
【0053】
ユーザ端末20は、薬液注入システム1を駆動及び制御するためにユーザから入力信号を入力されることができる。ユーザ端末20は、コントローラ30を駆動させる信号を生成し、コントローラ30を制御して薬液注入装置10を駆動させることができる。また、ユーザ端末20は、生体情報センサ40から測定された生体情報を表示することができ、薬液注入装置10の状態情報を表示することができる。
【0054】
ユーザ端末20は、有無線通信環境で利用可能な通信端末を意味する。例えば、ユーザ端末20は、スマートフォン、タブレットPC、PC、スマートTV、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ、メディアプレーヤー、マイクロサーバ、GPS(global positioning system)装置、電子書籍端末、デジタル放送用端末、ナビゲーション、キオスク、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、家電機器、カメラが搭載されたデバイス及びその他モバイルまたは非モバイルコンピューティング装置であることができる。また、ユーザ端末2は、通信機能及びデータプロセッシング機能を備えた時計、メガネ、ヘアバンド及びリングなどのウェアラブルデバイスであることができる。しかしながら、上述したようにインターネット通信が可能なアプリケーションを搭載した端末は制限なく借用することができる。
【0055】
ユーザ端末20は、予め登録されたコントローラ30と一対一に接続されることができる。ユーザ端末20は、外部装置からのコントローラ30が駆動及び制御されることを防ぐために、コントローラ30と暗号化して接続されることができる。
【0056】
一実施形態として、ユーザ端末20とコントローラ30は、それぞれ分離されて別々の装置として備えられることができる。例えば、コントローラ30は、薬液注入装置10が取り付けられた対象者に備えられ、ユーザ端末20は対象者または第三者に備えられることができる。保護者によってユーザ端末20が駆動され、薬液注入システム1の安全性を高めることができる。
【0057】
他の実施形態として、ユーザ端末20とコントローラ30とを1つのデバイスとして備えられることができる。ユーザ端末20と一体に備えられたコントローラ30が薬液注入装置10と通信し、薬物の注入を制御することができる。
【0058】
コントローラ30は、薬液注入装置10とデータを送受信する機能を果たし、薬液注入装置10にインスリンなどの薬物の注入に関連する制御信号を送信し、生体情報センサ40から血糖値などの生体情報の測定に関連する制御信号を受信することができる。
【0059】
コントローラ30は、一例として、薬液注入装置10にユーザの現在の状態を測定するように指示要求を送信し、指示要求に応じて薬液注入装置10から測定データを受信することができる。
【0060】
生体情報センサ40は、目的に応じてユーザの血糖値、血圧、心拍数などの生体情報を測定する機能を果たすことができる。生体情報センサ40で測定されたデータはコントローラ30に送信されることができ、測定されたデータに基づいて薬物の周期及び/または注入量が設定されることができる。生体情報センサ40で測定されたデータは、ユーザ端末20に送信されて表示されることができる。
【0061】
一例として、生体情報センサ40は、対象体の血糖量を測定するセンサであってもよい。連続血糖測定(CGM:Continuous Glucose Monitoring)センサであってもよい。連続血糖測定センサは対象体に付着され、連続的に血糖量をモニタリングすることができる。
【0062】
ユーザ端末20、コントローラ30及び薬液注入装置10は、ネットワークを用いて通信を行うことができる。例えば、ネットワークは、近距離通信網(Local Area Network;LAN)、広域通信網(Wide Area Network;WAN)、付加価値通信網(Value Added Network;VAN)、移動通信網(mobile radio communication network)、衛星通信網及びそれらの相互の組み合わせを含み、各ネットワーク構成の主体が互いに円滑に通信できるようにする包括的な意味のデータ通信網であり、有線インターネット、無線インターネット及びモバイル無線通信網を含むことができる。また、無線通信は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)、ブルートゥース(登録商標)、ブルートゥース低エネルギー(Bluetooth low energy)、ZigBee、WFD(Wi-Fi Direct)、UWB(ultra wideband)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、5Gなどがあり得るが、これに限定されるものではない。
【0063】
図2は本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10を示す斜視図であり、
図3は
図2の薬液注入装置10の分解斜視図であり、
図4は
図2のIV-IVに沿った断面図である。
【0064】
図2~
図4を参照すると、薬液注入装置10は、薬液を注入するユーザに付着され、内部に貯蔵された薬液をユーザに設定された定量で注入することができる。
【0065】
薬液注入装置10は、注入される薬液の種類に応じて様々な用途に用いることができる。例えば、薬液は、糖尿病患者のためのインスリン系の薬液を含むことができ、他の膵臓のための薬液、心臓用の薬液など、様々な種類の薬液を含むことができる。
【0066】
薬液注入装置10の一実施形態は、外側を覆うハウジング11、ユーザの皮膚に隣接して位置する付着部12を備えることができる。薬液注入装置10は、ハウジング11と付着部12との間の内部空間に配置された複数の部品を含む。付着部12とユーザの皮膚との間には別の接合手段がさらに介在されることができ、接合手段により薬液注入装置10を皮膚に固定することができる。
【0067】
薬液注入装置10は、針組立体100、リザーバーユニット200、駆動モジュール300、バッテリー350、駆動ユニット400、クラッチユニット500、トリガ部材600、針カバー組立体700、アラームユニット800及び複数のセンサユニットを含むことができる。
【0068】
薬液注入装置10は、ベースボディが、少なくとも1つ以上のボディが内部部品を支持するフレームを形成することができる。ベースボディは、配置によって第1ボディ13、第2ボディ14及び第3ボディ15を有することができる。
【0069】
第1ボディ13はハウジング11の下に配置され、各開口または溝に針組立体100、リザーバーユニット200、駆動モジュール300、バッテリー350などを支持することができる。第2ボディ14は、第1ボディ13の下に配置され、付着部12と接続されることができる。第2ボディ14は、薬液注入装置10の下部を覆うことができる。第3ボディ15は、第1ボディ13の上側に配置され、各開口または溝にリザーバーユニット200、駆動モジュール300、バッテリー350、駆動ユニット400などを支持することができる。図では、第1ボディ13、第2ボディ14及び第3ボディ15を示しているが、これに限定されず、一体的として備えられるか、複数備えられることができる。
【0070】
薬液注入装置10の内部には制御モジュール16が配置されることができる。第2ボディ14の下には回路基板である制御モジュール16が配置され、薬液注入装置10の全体的な駆動を制御することができる。制御モジュール16は、駆動モジュール300、バッテリー350、アラームユニット800及び複数のセンサユニットと電気的に接触し、それらの駆動を制御することができる。
【0071】
針組立体100は第1ボディ13に取り付けられることができる。針組立体100は、スリーブ110の回転によって針N及び/またはカニューレCが軸方向に移動されることができる。針組立体100は、スリーブ110、弾性部材120、第1ホルダー130、第2ホルダー140、針N、カニューレC及びパッチPを備えることができる。
【0072】
スリーブ110は針組立体100の外観を形成し、長手方向を中心軸に回転することができる。スリーブ110の内部には弾性部材120が配置され、スリーブ110は弾性部材120から膨張力を伝達されることができる。
【0073】
弾性部材120は、スリーブ110と第1ホルダー130との間に配置されることができる。弾性部材120が膨張すると、第1ホルダー130を下方向に移動させることができる。また、第1ホルダー130が上方向に移動すると、弾性部材120は圧縮されることができる。
【0074】
第1ホルダー130は針Nを支持することができる。第1ホルダー130の一側には針Nが挿入及び固定されるため、第1ホルダー130が軸方向に移動すると、針Nも一緒に移動する。第1ホルダー130はスリーブ110の内部空間に配置されるが、上部には弾性部材120が配置される。
【0075】
第2ホルダー140は、第1ホルダー130の一側に面するように配置され、カニューレCを支持することができる。第2ホルダー140はフレキシブルな材料で形成され、外力が加わると瞬時に形状が変形されることができる。また、第2ホルダー140は、リジッドな材料で形成され、第1ホルダー130が加える力によって位置移動することができる。
【0076】
針Nは、第1ホルダー130に固定されるため、第1ホルダー130の軸方向移動によってカニューレCに挿入または挿入解除されることができる。針Nの一端はリザーバー210に接続されて薬液が送達されることができ、他端はカニューレCに挿入されてカニューレCに沿って移動することができる。
【0077】
カニューレCは、第2ホルダー140に固定されるため、第2ホルダー140の軸方向移動によってユーザの皮膚に挿入されることができる。カニューレCは、針Nを受け入れることができる導管状を有するため、針Nから吐出された薬液がユーザに注入されることができる。
【0078】
パッチPは薬液注入装置10の一側に支持され、カニューレCの位置を固定することができる。カニューレCの端部がパッチPに支持されるため、保管中や移動中にカニューレCが分離されることを防止することができる。
【0079】
パッチPには、針Nの端部及び/またはカニューレCの端部が挿入される。薬物がユーザに注入される前、すなわち針NとカニューレCがユーザに挿入される前に、針Nの端部及び/またはカニューレCの端部がパッチPに支持され、位置が設定されることができる。薬液をリザーバー210に注入する際、針NとカニューレCの位置が固定され、安定的にリザーバー210の内部に残留した気体を排出させることができる。
【0080】
カニューレCはユーザの皮膚に挿入された状態を維持するが、針Nは上昇して対象体から分離される。ただし、カニューレCと針Nとは流体が移動される経路を形成し、リザーバー210から注入される薬液は針NとカニューレCを介してユーザに注入されることができる。
【0081】
薬液注入装置10は、ユーザが簡単に針組立体100を回転させ、カニューレCを対象体に挿入し、薬液注入を開始することができる。薬液注入装置10は、ユーザがスリーブ110を一次回転させてカニューレCが対象体に挿入され、針組立体100のノブ(図示せず)がトリガ部材600を加力して駆動されることができる。その後、駆動モジュール300が駆動され、リザーバー210から薬液が定量的に吐出されることができる。したがって、ユーザは便利で安定的に薬液注入装置10を使用することができる。
【0082】
図5は、
図2のリザーバーユニット200を示す図であり、
図6aは、
図5のリザーバーユニットの断面図であり、
図6bと
図6cはリザーバーユニットの変形例である。
【0083】
図5及び
図6aを参照すると、リザーバーユニット200は、第1ボディ13及び第3ボディ15に取り付けられ、針組立体100に接続される。リザーバーユニット200は、内部空間に薬液Dが貯蔵され、プランジャー230の移動によって薬液を針Nに定量的に移動させることができる。リザーバーユニット200は、リザーバー210、キャップカバー220、プランジャー230、シールリング240を含むことができる。また、リザーバーユニット200は、コネクタ部材233を備えることができる。
【0084】
リザーバー210は、長手方向に既定の長さに延び、内部空間に薬液を貯蔵することができる。リザーバー210は、プランジャー230の移動により薬液が針Nに吐出されることができる。リザーバー210の端部にはキャップカバー220が取り付けられ、キャップカバー220に配置された開口(図示せず)を介してロッド410及び/または接続部材520が移動することができる。
【0085】
リザーバー210は、入口端210Iと出口端210Eを有することができる。入口端210Iには薬液が注入され、出口端210Eに針Nが設けられ、針Nに薬液が排出されることができる。
【0086】
入口端210Iは薬液注入装置10の下部に接続され、別途の薬液注入器NIによって薬物が注入されることができる。入口端210Iには第1シール部材251が配置され、第1シール部材251が薬液の漏れを防止することができる。入口端210Iは、案内溝211と接続される第1接続開口212を有することができる。
【0087】
出口端210Eは、入口端210Iと離隔して配置され、針Nに接続されて薬物を排出することができる。出口端210Eには第2シール部材252が配置され、針Nが第2シール部材252に固定されることができる。出口端210Eは、案内溝211と接続される第2接続開口213を有することができる。
【0088】
入口端210Iの第1直径DIは、出口端210Eの第2直径DEより大きく設定されることができる。入口端210Iは、薬液注入器NIの針が挿入されるため、針が挿入されることができる十分な開口面積を有することができる。
【0089】
案内溝211は、リザーバー210の内面に配置されることができる。案内溝211は、少なくとも一部区間が入口端210Iと出口端210Eとの間を接続するように延びることができる。
【0090】
案内溝211は、リザーバー210の内部空間に残留する気体を針組立体100に案内する経路を形成することができる。リザーバー210の内部には、より詳細には、リザーバー210の前端とプランジャー230との間の隙間には、組立や製造過程で残る気体(空気)がある。外部の薬液注入器NIを介して薬物がリザーバー210に注入されると、前記気体は案内溝211に沿って針Nに排出されることができる。
【0091】
一実施形態として、案内溝211は、入口端210Iと出口端210Eとの間を接続するように延びることができる(
図6a参照)。
【0092】
案内溝211は、互いに接続された第1案内溝211Aと第2案内溝211Bとを備えることができる。第1案内溝211Aは入口端210Iから接続され、第2案内溝211Bは出口端210Eと接続されることができる。入口端210Iと出口端210Eが互いに異なる高さに配置されると、第1案内溝211A及び第2案内溝211Bのうち少なくとも1つは傾斜して配置されることができる。
【0093】
一例として、図面を参照すると、第1案内溝211Aは第1接続開口212から延びるが、上昇方向に延びることができる。第2案内溝211Bは第1案内溝211Aと接続されるが、第2接続開口213と接続されることができる。このとき、第2案内溝211Bは水平方向に延びることができる。
【0094】
第1案内溝211Aと第2案内溝211Bは所定の幅を有することができる。第1案内溝211Aは、入口端210Iに隣接する部分の第1幅W1が他の部分より大きく設定されることができる。第1案内溝211Aの一部と第2案内溝211Bは第2幅W2の大きさを有し、第1案内溝211Aで第1接続開口212に隣接する部分は第2幅W2より大きい第1幅W1を有することができる。第1案内溝211Aで第1幅W1が拡張した形態で配置されるため、入口端210Iで注入される薬液をリザーバー210に案内することができ、入口端210Iで薬液が注入されると、第1幅W1の部分から第2幅W2の部分への気体の移動が案内され、空気が容易に排出されることができる。
【0095】
案内溝211の断面形状は様々に設定されることができる。案内溝211の断面は多角形状であるが、少なくとも一部に曲面を有するように形成されることができる。
【0096】
案内溝211は、リザーバー210の前方の内側面に配置されることができる。リザーバー210の前方は、プランジャー230の形状に対応して傾斜部と平坦部を有することができる。案内溝211は、傾斜部と平坦部に沿って第1接続開口212と第2接続開口213に延びることができる。
【0097】
他の実施形態として、案内溝は入口端210Iと出口端210Eとの間に配置されるが、入口端210Iと出口端210Eのうち少なくとも1つと接続され、他の1つとは接続されなくてもよい。例えば、案内溝の一端は入口端210Iに接続され、他端は出口端210Eと離隔して配置されることができる。案内溝211の一端は出口端210Eに接続され、他端は入口端210Iと離隔して配置されることができる。
【0098】
また他の実施形態として、案内溝は入口端210Iと出口端との間に配置されるが、入口端210I及び出口端210Eの両方と離隔して配置されることができる。例えば、案内溝211は、入口端210Iと出口端210Eと接続されず、入口端210Iと出口端210Eとの間に配置されることができる。
【0099】
また他の実施形態として、案内溝は複数備えられ、入口端210Iと出口端210Eとの間に配置されることができる。例えば、複数に分割された案内溝が入口端210Iと出口端210Eとの間の空間に配置されることができる。
【0100】
図6bを参照すると、リザーバー210Aは、入口端210I、出口端210Eを備え、入口端210Iと出口端210Eとを接続するように延びる案内溝211-1を有することができる。
【0101】
案内溝211-1は、第1接続開口212Aと第2接続開口213Aとを接続することができる。第1接続開口212Aと第2接続開口213Aが同じ高さに配置され、案内溝211-1は水平に延びることができる。
【0102】
図6cを参照すると、リザーバー210Bは、入口端210I、出口端210Eを備え、入口端210Iと出口端210Eとを接続するように延びる案内溝211-2を有することができる。
【0103】
案内溝211-2は、第1接続開口212Bと第2接続開口213Aを接続することができる。第1接続開口212Bと第2接続開口213Bは互いに異なる高さに配置されるため、案内溝211-2を傾斜して配置されることができる。
【0104】
プランジャー230はリザーバー210の内部に配置され、駆動モジュール300及び駆動ユニット400の駆動によって直線移動することができる。プランジャー230の前進によって、薬液は内部空間から針Nに排出されることができる。
【0105】
プランジャー230は、エンド端231と傾斜面232を有することができる。エンド端231はリザーバー210の前方に向けて移動し、薬液を移動させることができる。傾斜面232はリザーバー210の傾斜部に密着されることができる。
【0106】
プランジャー230は、後方に延びるコネクタ部材233を備えることができる。コネクタ部材233はプランジャー230に設けられ、プランジャー230の直線移動によって一緒に直線移動されることができる。
【0107】
コネクタ部材233は、電気伝導性を有する素材で備えられ、シャフト形状を有することができる。コネクタ部材233が移動しながら第1センサユニット910Aと接触することにより、薬物の貯蔵量を測定したり、薬液注入装置10の駆動を開始することができる。
【0108】
コネクタ部材233はプランジャー230の後端に接続され、プランジャー230の移動によって一緒に移動することができる。図では、コネクタ部材233がシャフト形状を有することを示しているが、これに限定されず、第1センサユニット910Aと接触して電気的信号を生成する様々な形態を有することができる。
【0109】
薬液がリザーバー210に貯蔵され、プランジャー230が後退すると、コネクタ部材233はプランジャー230と共に後退することができる。また、薬液がリザーバー210から針Nに吐出されるようにプランジャー230が前進すると、コネクタ部材233はプランジャー230と共に前進することができる。
【0110】
プランジャー230は、リザーバー210の内壁に接触する部分にシールリング240が備えられ、プランジャー230の移動時に薬液が漏れることを防止することができる。
【0111】
図7は、
図2の薬液注入装置10の一部断面を示す斜視図であり、
図8は、
図7のガイドキャップ250を示す斜視図であり、
図9は、
図2の薬液注入装置10の一部断面を示す図である。
【0112】
図7~
図9を参照すると、ガイドキャップ250はシール部材260と対向するように配置され、ベースボディに取り付けられることができる。ガイドキャップ250は、シール部材260に隣接して配置されるが、薬液注入器NIの注入針の挿入及び移動を案内することができる。
【0113】
ガイドキャップ250は第2ボディ14に挿入され、付着部12の開口12Hの下に配置されることができる。詳細には、第2ボディ14とリザーバー210との間にシール部材260が取り付けられ、ガイドキャップ250はシール部材260と対向し、第2ボディ14の開口に取り付けられる。ユーザが薬液注入器NIの注入針を挿入すると、ガイドキャップ250を通過してシール部材260を貫通するようになる。
【0114】
ガイドキャップ250は、フランジ251、傾斜端252及び翼片253を有することができる。
【0115】
フランジ251は、ベースボディの着座端に取り付けられることができる。第2ボディ14は平坦な着座端を有し、着座端にフランジ251が接触するように挿入される。
【0116】
傾斜端252はフランジ251から延びるが、開放断面積が減少するように傾斜を有する。傾斜端252は、フランジ251からシール部材260に断面積が減少するように延びることができる。したがって、フランジ251の開口面積は、傾斜端252の端部での開口面積より大きく形成される。
【0117】
傾斜端252は、薬液注入器NIの注入針が既定の位置に挿入されるように案内することができる。ユーザが薬液注入器NIを挿入すると、傾斜端252によって一定位置に薬液注入器NIの注入針が挿入されることができる。
【0118】
翼片253はフランジ251から外側に延び、ベースボディに支持されることができる。翼片253は、複数個がフランジ251の外側から離隔するように配置されることができる。翼片253は互いに離隔して配置されるため、外部装置(図示せず)に力を加え、第2ボディ14に挿入されることができる。
【0119】
第2ボディ14は、翼片253が挿入される挿入溝14Gが互いに離隔して配置され、挿入溝14Gの間にはフランジ251を支持する突起14Pが配置されることができる。翼片253は第2ボディ14の挿入溝14Gに挿入され、ガイドキャップ250が第2ボディ14に固定されることができる。翼片253は、弾性力及び剛性によって挿入溝14Gの側壁に支持されることができる。また、フランジ251の上端は、突起14Pに支持されて位置が設定されることができる。翼片253と突起14Pの固定構造は、ガイドキャップ250が第2ボディ14に安定的に結合させることができる。
【0120】
ガイドキャップ250は、フランジ251と傾斜端252が接続される領域において曲面を有することができる。フランジ251と傾斜端252が接する部分が滑らかに繋がるため、薬液注入器NIの注入針が滑らかに傾斜端252に沿ってシール部材260に挿入されることができる。
【0121】
ガイドキャップ250は、所定の剛性を有する材料で形成されることができる。一例として、ガイドキャップ250は金属材料で形成されることができ、一例として、ガイドキャップ250はSUS系列の材料で製造されることができる。
【0122】
ガイドキャップ250の剛性は、薬液注入器NIの注入針の剛性より大きく設定されることができる。ガイドキャップ250は、薬液注入器NIの注入針で傷つかない剛性を有することができる。すなわち、ガイドキャップ250の剛性が薬液注入器NIの注入針の剛性より大きいため、薬液注入器NIを挿入する際にガイドキャップ250を掻いても削りくずなどの異物がリザーバー210に流入しない。
【0123】
ガイドキャップ250は、ベースボディの表面で既定の深さに挿入されることができる。ガイドキャップ250は、第2ボディ14の表面で下に配置され、薬液注入装置10の下面から入るように取り付けられる。ガイドキャップ250が外部に突出しないため、異物がリザーバー210に流入することを防止することができる。
【0124】
ガイドキャップ250は、ユーザが外部から見ることができるように薬液注入装置10の開放された部分に取り付けられる。ユーザは、付着部12及び第2ボディ14の開口を介してガイドキャップ250の位置を認識することができるため、薬液注入器NIの注入針を容易かつ正確にガイドキャップ250の中央に整列して前記注入針をシール部材260に挿入することができる。
【0125】
シール部材260は、第1幅を有する第1パーツ261を有し、第1パーツ261がリザーバー210の入口端210Iに挿入される。シール部材260は、第1幅より大きい第2幅を有する第2パーツ262を有し、第1パーツ261の端部で拡張される。第2パーツ262の上部は第2ボディ14が支持し、下部は入口端210Iが支持するため、シール部材260の位置は堅固に固定される。すなわち、シール部材260がリザーバー210の入口端210Iで第2パーツ262によって支持され、薬液がリザーバー210から漏れることを完全に防止することができる。
【0126】
図10は、
図7の変形例による薬液注入装置の一部断面を示す図である。
【0127】
図10を参照すると、薬液注入装置は、リザーバー210の入口端210Iにガイドキャップ250Aが配置され、ガイドキャップ250Aの上部にシール部材260が配置されることができる。
【0128】
ガイドキャップ250Aは、リザーバー210の入口端210Iとシール部材260との間に配置され、薬液注入器NIの注入針の移動を案内し、薬液の移動を案内することができる。
【0129】
ガイドキャップ250Aは、フランジ251Aと傾斜端252Aとを有することができる。フランジ251Aは入口端210Iの外側に取り付けられ、傾斜端252Aは入口端210Iの内側に挿入されることができる。フランジ251Aはガイドキャップ250Aの位置を固定し、シール部材260に支持されることができる。
【0130】
傾斜端252Aは、入口では注入針を介して薬液が流入され、出口ではリザーバー210に接続される。傾斜端252Aは所定の傾斜を有しているため、薬液の移動を案内することができる。
【0131】
傾斜端252Aの剛性は、薬液注入器NIの注入針の剛性より大きく設定されることができる。薬液注入器NIの注入針が傾斜端252Aの表面を掻いても、異物がリザーバー210に流入されない。
【0132】
シール部材260はガイドキャップ250Aの上端に配置され、リザーバー210から薬液が漏れることを防止する。また、リザーバー210に薬液を注入するために、シール部材260に注入針が挿入されることができる。
【0133】
シール部材260は、ガイドキャップ250Aが見えるように透明または半透明に設定されることができる。注入針がガイドキャップ250Aの中央に挿入されてから薬液が安全にリザーバー210に貯蔵されるため、ユーザがガイドキャップ250Aの中央に注入針を挿入することが重要である。ユーザはシール部材260を通過してガイドキャップ250Aを見ることができるため、注入針を正確にガイドキャップ250Aに挿入することができる。
【0134】
図11は、
図7の滅菌カバー270の結合関係を示す断面図である。
【0135】
図11を参照すると、滅菌カバー270は薬液注入装置10の下端に配置され、滅菌ガスが注入されることができる。
【0136】
薬液注入装置10は、人体に付着されるデバイスであるため、ユーザに付着される前に各部品を消毒しなければならない。薬液注入装置10の各部品を組み立てた後、滅菌カバー270に滅菌ガスSGを注入し、薬液注入装置10の内部部品を消毒することができる。
【0137】
滅菌ガスなどの気体は滅菌カバー270を通過するが、薬液などの液体は滅菌カバー270を通過しない。したがって、滅菌ガスSGを滅菌カバー270に注入すると、滅菌気体が第2ボディ14を通過して薬液注入装置10の内部空間に流入する。滅菌ガスSGは、各内部部品を消毒して薬液注入装置10の安全性を高めることができる。
【0138】
第2ボディ14には滅菌カバー270と対向する位置に開口14OPが形成され、滅菌ガスが内部空間に移動することができる。
【0139】
第2ボディ14の内部には滅菌ガスSGが移動可能な経路が設定されることができる。第2ボディ14と制御モジュール16との間に隙間またはグルーブの移動経路14Gが形成され、開口14OPを通過した滅菌ガスSGが内部に移動することができる。
【0140】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、消毒のために滅菌ガスSGが移動する経路が設定され、薬液注入装置10の安全性を高めることができる。
【0141】
図3を再び参照すると、駆動モジュール300は、駆動力を生成して駆動ユニット400に駆動力を伝達することができる。駆動ユニット400によって伝達された駆動力は、プランジャー230をリザーバー210の内部に直線移動させて薬液を排出することができる。
【0142】
クラッチユニット500によって駆動ユニット400が互いに接続されると(engaged)、駆動モジュール300は駆動ユニット400の駆動ホイール420を回転させ、駆動ホイール420の回転でロッド410が直線移動してプランジャー230が移動することができる。プランジャー230が移動すると、コネクタ部材233も共に直線移動することができる。
【0143】
駆動モジュール300は、電気によって薬液吸引力と薬液吐出力を有するあらゆる種類の装置を用いることができる。例えば、機械変位型マイクロポンプや電磁気運動型マイクロポンプなどのあらゆる種類のポンプを用いることができる。機械変位型マイクロポンプは、流体の流れを誘導するために圧力差を生じさせるようにギアやダイヤフラムなどの固体または流体の運動を利用するポンプであり、ダイヤフラム変位ポンプ(Diaphragm displacement pump)、流体変位ポンプ(Fluid displacement pump)、回転ポンプ(Rotary pump)などがある。電磁気運動型マイクロポンプは、電気的または磁気的形態のエネルギーを直に流体の移動に利用するポンプであり、電気流体力学ポンプ(Electro hydrodynamic pump、EHD)、電気浸透流ポンプ(Electro osmotic pump)、磁気流体力学ポンプ( Magneto hydrodynamic pump)、エレクトロウェッティングポンプ(Electro wetting pump)などがある。
【0144】
バッテリー350は薬液注入装置10に電気を供給し、各部品を活性化させることができる。図では一対のバッテリー350を示しているが、これに限定されず、薬液注入装置10の容量、使用範囲、使用時間などに応じて様々に設定されることができる。
【0145】
バッテリー350は駆動ユニット400に隣接して配置され、駆動ユニット400に電気を供給することができる。また、バッテリー350は制御モジュール16と接続され、センサユニットで測定された電気信号に基づいて、センサユニットは駆動ユニット400の回転数または回転速度、リザーバー210に貯蔵された薬液量、ユーザに注入された薬液量などのデータを測定することができる。
【0146】
図12は、
図2の一部構成を示す斜視図であり、
図13~
図16はリザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液を針に排出する駆動を示す断面図である。
【0147】
図12~
図16を参照すると、駆動ユニット400は、駆動モジュール300とリザーバーユニット200との間に設置され、駆動モジュール300から生成された駆動力でリザーバー210内に配置されたプランジャー230を移動させることができる。ただし、駆動ユニット400は、ロッド410と駆動ホイール420がクラッチユニット500によってカップリングまたは接続されている場合にのみプランジャー230を前進移動させることができる。
【0148】
ロッド410はプランジャー230に接続され、一方向に延びる。ロッド410はキャップカバー220の開口に挿入され、ロッド410はプランジャー230を移動させるためにリザーバー210の長手方向に移動することができる。ロッド410は表面にねじ山形状を有することができる。ロッド410は、接続部材520に挿入され、薬液を定量吐出する際は、クラッチユニット500によって駆動ホイール420と接続され、ロッド410が前方に移動されることができる。
【0149】
駆動ホイール420は駆動モジュール300に駆動的に接続され、駆動モジュール300の駆動で回転することができる。駆動ホイール420は、第1接続端421と第2接続端422とを有し、内部にロッド410が移動可能な空間を備えることができる。第1接続端421及び第2接続端422のうち少なくとも1つは、コネクタCNによって駆動モジュール300と常に駆動的に接続されるため、駆動モジュール300の駆動で駆動ホイール420が回転することができる。
【0150】
一実施形態として、第1接続端421と第2接続端422はギア歯の形状を有することができる。駆動モジュール300に接続されるコネクタCNはギア歯を加力して駆動ホイール420が回転することができる。
【0151】
詳細には、コネクタCNは、駆動モジュール300の直線往復運動に応じて回転軸を基準に繰り返し回転する。コネクタCNの端部は、第1接続端421及び第2接続端422のうち少なくとも1つを加力して駆動ホイール420を回転させることができる。例えば、コネクタCNの一端は、第1接続端421を加力するように配置され、コネクタCNの他端は第2接続端422を加力するように配置されることができる。
【0152】
コネクタCNが回動軸を中心に回動すると、第2センサユニット920はコネクタCNの駆動を測定することができる。第2センサユニット920は、コネクタCNとの接触有無を測定し、駆動モジュール300の駆動力が駆動ホイール420に伝達されるか否かを測定することができる。また、第2センサユニット920は、コネクタCNとの接触有無を測定し、駆動ホイール420の回転角度を測定することができる。
【0153】
クラッチユニット500は、駆動モジュール300と駆動ユニット400とを駆動的に接続させることができる。クラッチユニット500は、ロッド410と駆動ホイール420との間に配置され、カプラー510と接続部材520を備えることができる。
【0154】
カプラー510は、接続部材520の外側に配置され、非活性化時には接続部材520と所定の間隔で離隔され(
図13及び
図14)、活性化時にはロッド410と駆動ホイール420を接続させることができる(
図15及び
図16)。カプラー510は、弾性力で接続部材520の外側を加力できる部品であり、特定の形態に限定されない。ただし、以下では説明の便宜のためにばね状の場合を中心に説明する。
【0155】
接続部材520は、少なくとも一部がロッド410に挿入されるように配置されることができる。接続部材520は、ロッド410の外側を覆うように配置される。接続部材520は、カプラー510の動作によって駆動モジュール300とロッド410とを接続させることができる。
【0156】
一実施形態として、ロッド410と接続部材520はそれぞれねじとねじ山の形態を有することができる。ロッド410の外周面にはねじ山が形成され、接続部材520の内周面にはねじ山が形成されてねじ結合形態に接続されることができる。
【0157】
一実施形態として、接続部材520は、一端には内周面にねじ山が形成されているが、他端にねじ山が配置されていなくてもよい。
【0158】
図13を参照すると、接続部材520の第1区間L1には内周面にねじ山が形成され、第1区間L1でのみロッド410とねじ結合される。また、第1区間L1の直径はロッド410に対応し、D1の大きさを有することができる。
【0159】
接続部材520の第2区間L2には、内周面にねじ山が形成されない。また、第2区間L2の直径D2は、第1区間L1の直径D1より大きく設定されることができる。第2区間L2では、接続部材520がロッド410と接触しない。
【0160】
第1区間L1の長さは、接続部材520が後方に移動する際にカプラー510と重なるように設定されることができる。
図14及び
図15を参照すると、プランジャー230が最後方に延びる際、第1区間L1の少なくとも一部はカプラー510と重なるように、すなわち少なくとも一部がカプラー510に面するように配置される。カプラー510の活性化時に、カプラー510が第1区間L1の少なくとも一部をグリップするように、接続部材520で第1区間L1の長さが設定されることができる。
【0161】
ロッド410は、接続部材520の第1区間L1でのみねじ結合されるため、接続部材520が回転してロッド410を前方に移動させる際に、接続部材520とロッド410のねじ結合による負荷を減らすことができる。
【0162】
図15及び
図16のように、カプラー510が活性化されると、カプラー510は接続部材520をグリップし、駆動ホイール420の回転によって接続部材520も共に回転する。接続部材520とロッド410は第1区間L1でのみねじ結合されているため、駆動ホイール420に小さなトルクで回転するとしても接続部材520がロッド410を前方に移動させることができる。すなわち、第1区間L1でのみロッド410と接続部材520がねじ結合をするため、駆動ユニット400の駆動によってプランジャー230は多少弱い力でも前方に移動することができる。したがって、薬液注入装置10は、駆動モジュール300に小さな力が生成されるとしても、薬液を針Nに排出することができ、駆動ユニット400及びクラッチユニット500にも比較的小さい駆動力が伝達されるため、部品の耐久性を高めることができる。
【0163】
図17は、
図13のロッド410を示す図であり、
図18は、
図13のねじ係合されるロッド410と接続部材520の断面を示す図であり、
図19は、
図17のロッド410の断面を示す図である。
【0164】
図17~
図19を参照すると、ロッド410と接続部材520とはねじ結合で接続されるが、雌ねじと雄ねじの接触領域を最小限に抑えるようにねじ山及び/またはねじ溝が湾曲するように形成されることができる。
【0165】
ロッド410は、外周面に雄ねじETHが配置されることができる。ロッド410の雄ねじETHは、第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1とを有することができる。第1ねじ山RD1は凸状の第1曲率半径R1を有し、第1ねじ溝GR1は凹状の第2曲率半径R2を有することができる。
【0166】
また、ロッド410の雄ねじETHは、第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1との間を接続させる第1接続部CP1を有することができる。第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1は所定の曲率を有するが、第1接続部CP1はロッド410の長手方向に対して所定の傾斜を有すると定義する。
【0167】
接続部材520は、内周面に雌ねじ(ITH)が配置されることができる。接続部材520の雌ねじITHは、第2ねじ山RD2と第2ねじ溝GR2を有することができる。雌ねじITHは、接続部材520の内周面で少なくとも一部に配置されることができる。
図5において、雌ねじITHは、接続部材520のL1区間に配置されることができる。第2ねじ山RD2は凸状の第3曲率半径R3を有し、第2ねじ溝GR2は凹状の第4曲率半径R4を有することができる。
【0168】
また、接続部材520の雌ねじITHは、第2ねじ山RD2と第2ねじ溝GR2との間を接続させる第2接続部CP2を有することができる。第2ねじ山RD2と第2ねじ溝GR2は所定の曲率を有するが、第2接続部CP2は接続部材520の長手方向に対して所定の傾斜を有すると定義する。
【0169】
雄ねじETHは、隣接する第1ねじ山RD1の間の距離または隣接する第1ねじ溝GR1の間の距離をピッチPとして定義することができる。雌ねじITHは、隣接する第2ねじ山RD2の間の距離または隣接する第2ねじ溝GR2の間の距離をピッチPとして定義することができる。
【0170】
ロッド410は、第1ねじ山RD1の最高点と第1ねじ溝GR1の最低点との間の距離を第1高さT1として有することができ、接続部材520は第2ねじ山RD2の最高点と第2ねじ溝GR2の最低点との間の距離を第2高さT2として有することができる。
【0171】
ロッド410の雄ねじETHは、接続部材520の雌ねじITHとねじ結合をするが、雄ねじETHと雌ねじITHの湾曲した形状によって接触領域を最小化することができる。ロッド410と接続部材520とがねじ結合する際、ロッド410の第1ねじ溝GR1の表面で接続部材520の雌ねじITHが接触する領域を最小化し、接続部材520を回転させる際に少ない駆動力が作用するとしても、ロッド410は直線移動することができる。
【0172】
一例として、ロッド410は、第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1との間の第1高さT1の中心で、半径方向の外側でのみ接続部材520の雌ねじITHと接触することができる。
【0173】
一例として、接続部材520は、第2ねじ山RD2と第2ねじ溝GR2との間の第2高さT2の中心から半径方向の内側にのみ、すなわち接続部材520の中心に向けた方向の内側でのみ、ロッド410の雄ねじETHと接触することができる。
【0174】
一例として、雄ねじETHと雌ねじITHが結合する際、雄ねじETHは、第1ねじ溝GR1の表面より第1ねじ山RD1の表面で雌ねじITHとより広い接触領域を形成することができる。このとき、雌ねじITHは、第2ねじ溝GR2の表面よりも第2ねじ山RD2の表面で雄ねじETHとより広い接触領域を形成することができる。
【0175】
一例として、雄ねじETHと雌ねじITHとが結合する時に、雄ねじETHの第1ねじ山RD1の表面と雌ねじITHの第2ねじ山RD2の表面が接触されることができる。
【0176】
一例として、雄ねじETHの第1ねじ山RD1の表面と第1接続部CP1の表面のうち少なくとも1つと、雌ねじITHの第2ねじ山RD2の表面と第2接続部CP2の表面のうち少なくとも1つと接触することができる。
【0177】
ロッド410の第1高さT1は、ピッチPの50%以下の大きさを有することができる。
図9の従来のねじであるレファレンスREと比較すると、第1曲率半径R1によって第1ねじ山RD1の端部が削られて最高点が低くなり、第2曲率半径R2によって第1ねじ溝GR1の端部が満たされて最低点が高くなる。したがって、ロッド410の第1の高さT1は、レファレンスREの第3高さT3より小さく形成される。
【0178】
ロッド410の第1高さT1は、接続部材520の第2高さT2より小さく設定されることができる。接続部材520の第2高さT2はピッチPより小さく、ロッド410の第1高さT1より大きく設定されることができる。
【0179】
従来のレファレンスREを参照すると、第3高さT3はピッチPの60%~80%程度に設定され、通常は70%内外に設定される。従来のねじは、組み立てられる2つの部品の結合力を高めるために、雌ねじと雄ねじの接触面積を広く設定する。雌ねじと雄ねじの接触面積を広げるためには、できるだけ第3高さを大きく設定する。
【0180】
本発明は、接続部材520が回転する際に少ない駆動力でもロッド410が直線運動するために、雌ねじITHと雄ねじETHの接触面積を減らし、雌ねじITHと雄ねじETHの結合力を減らすことができる。そのために、第1高さT1の大きさを小さく設定し、ロッド410の雄ねじETHと接続部材520の雌ねじITHが小さい接触領域を形成することができる。
【0181】
一実施形態として、第1ねじ山RD1の第1曲率半径R1は、第1ねじ溝GR1の第2曲率半径R2と同様に、公差範囲内で実質等しく設定されることができる。
【0182】
他の実施形態として、第1ねじ山RD1の第1曲率半径R1は、第1ねじ溝GR1の第2曲率半径R2と異なるように設定されることができる。これについては、以下で詳細に説明する。
【0183】
第1曲率半径R1の中心は、第2曲率半径R2の中心より低く設定されることができる。第1曲率半径R1の中心は中心ラインCLの下に配置され、第2曲率半径R2の中心は中心ラインCLの上に配置されることができる。
【0184】
一実施形態として、図面には示されていないが、第2ねじ山RD2の第3曲率半径R3は、第2ねじ溝GR2の第4曲率半径R4と同様に、公差範囲内で実質等しく設定されることができる。
【0185】
別の実施形態として、第2ねじ山RD2の第3曲率半径R3は、第2ねじ溝GR2の第4曲率半径R4とは異なるように設定されることができる。一例として、
図9のように、第3曲率半径R3が第4曲率半径R4より大きく設定されることができる。第1ねじ山RD1は、第3曲率半径R3の表面(第2ねじ山の表面)で接触することができる。
【0186】
ロッド410と接続部材520とがねじ結合すると、第1ねじ溝GR1と第2ねじ山RD2との間には第1スペースV1が形成され、第1ねじ山RD1と第2ねじ溝GR2との間には第2スペースV2が形成されることができる。第1スペースV1と第2スペースV2の大きさは、第1~第4曲率半径R1~R4によって設定されることができる。第1スペースV1と第2スペースV2とが空いている空間を形成するため、雌ねじITHと雄ねじETHの接触領域を最小化することができる。
【0187】
第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2のうち少なくとも1つの大きさは、第3曲率半径R3及び第4曲率半径のうち少なくとも1つの大きさと異なるように設定されることができる。第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2のうち少なくとも1つの大きさは、第3曲率半径R3と第4曲率半径の大きさと異なるように設定されることができる。また第1曲率半径R1及び第2曲率半径R2のうち少なくとも1つは、第3曲率半径R3と第4曲率半径の間に設定されることができる。
【0188】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、薬液Dを正確に定量排出することができる。薬液注入装置10は、駆動モジュール300で生成された駆動力がプランジャー230に正確に伝達され、薬液Dを針Nに定量排出することができる。
【0189】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、少ない駆動力によってもプランジャー230が直線移動することができる。プランジャー230に接続されたロッド410は接続部材520とねじ結合するが、ロッド410の雄ねじETHと接続部材520の雌ねじITHが接触する領域を減らし、少ない駆動力が接続部材520を回動させても、ロッド410が直線移動することができる。
【0190】
ロッド410の雄ねじETH及び接続部材520の雌ねじITHは、ねじ山に凸状の曲率が形成されるか、ねじ溝に凹状の曲率が形成されるため、雌ねじと雄ねじが接触する領域が減少して摩擦力を減らすことができ、少ない駆動力が接続部材520に伝達されてもロッド410が直線運動することができる。
【0191】
【0192】
図20を参照すると、ロッド410Aは、第1曲率半径R1を有する第1ねじ山RD1と、第2曲率半径R2を有する第1ねじ溝GR1とを有することができる。第1曲率半径R1と第2曲率半径R2は同じであったり、公差範囲内で実質等しく設定されることができる。
【0193】
図19のロッド410と比較すると、ロッド410Aはそれぞれ所定の曲率を有する第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1が互いに接続されるように形成されることができる。接続部材520の雌ねじITHと接触する領域は、第1ねじ山RD1の表面にのみ形成されるか、第1ねじ溝GR1の表面より第1ねじ山RD1の表面に大きく形成されることができる。
【0194】
ロッド410Aは、第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1との間の第1高さを低く設定し、ロッド410Aと接続部材520との接触領域を減らすことができ、少ない駆動力で接続部材520が回転しても、ロッド410Aが直線移動することができる。
【0195】
図21を参照すると、ロッド410Bは、第1曲率半径R1を有する第1ねじ山RD1と、第2曲率半径R2を有する第1ねじ溝GR1と、第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1とを接続させる第1接続部CP1を有することができる。第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2より小さく設定されることができる。
【0196】
一例として、接続部材520の雌ねじITHと結合する際に、ロッド410Bは、第1ねじ山RD1の表面及び第1接続部CP1の表面のうち少なくとも1つに接触することができる。他の例として、接続部材520の雌ねじITHと結合する際に、ロッド410Bは、第1ねじ溝GR1の表面より、第1ねじ山RD1の表面及び/又は第1接続部CP1の表面により大きな接触面積を有することができる。
【0197】
図22を参照すると、ロッド410Cは、第1曲率半径R1を有する第1ねじ山RD1と、第2曲率半径R2を有する第1ねじ溝GR1とを有することができる。第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2より小さく設定されることができる。
【0198】
図21のロッド410Bと比較すると、ロッド410Cはそれぞれ所定の曲率を有する第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1が互いに接続されるように形成されることができる。接続部材520の雌ねじITHと接触する領域は、第1ねじ山RD1の表面にのみ形成されるか、第1ねじ溝GR1の表面より第1ねじ山RD1の表面に大きく形成されることができる。
【0199】
図23を参照すると、ロッド410Dは、第1曲率半径R1を有する第1ねじ山RD1と、第2曲率半径R2を有する第1ねじ溝GR1と、第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1とを接続させる第1接続部CP1を有することができる。第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2より大きく設定されることができる。
【0200】
一例として、接続部材520の雌ねじITHと結合する際に、ロッド410Dは、第1ねじ山RD1の表面及び第1接続部CP1の表面のうち少なくとも1つに接触することができる。ロッド410Dは、第1ねじ山RD1の表面にのみ接続部材520の雌ねじITHが結合されることができる。他の例として、接続部材520の雌ねじITHと結合する際に、ロッド410Dは、第1ねじ溝GR1の表面より、第1ねじ山RD1の表面及び/又は第1接続部CP1の表面により広い接触面積を有することができる。
【0201】
図24を参照すると、ロッド410Eは、第1曲率半径R1を有する第1ねじ山RD1と、第2曲率半径R2を有する第1ねじ溝GR1とを有することができる。第1曲率半径R1は、第2曲率半径R2より大きく設定されることができる。
【0202】
図23のロッド410Dと比較すると、ロッド410Eはそれぞれ所定の曲率を有する第1ねじ山RD1と第1ねじ溝GR1が互いに接続されるように形成されることができる。接続部材520の雌ねじITHと接触する領域は、第1ねじ山RD1の表面にのみ形成されるか、第1ねじ溝GR1の表面より第1ねじ山RD1の表面に大きく形成されることができる。
【0203】
図25は、抵抗部材530が組み立てられた
図3の一部構成を示す斜視図であり、
図26は、
図25の抵抗部材530を示す斜視図である。
【0204】
図25及び
図26を参照すると、抵抗部材530は接続部材520に挿入されることができる。抵抗部材530は接続部材520と接触し、接続部材520が後退する際に摩擦力を形成することができる。
【0205】
抵抗部材530は、接続部材520に挿入され、接続部材520に抵抗力を生成する部品として様々に設定されることができる。図では、抵抗部材530が中央に開口を有し、薄い板状であることを示しているが、これに限定されず様々に設定されることができる。例えば、抵抗部材は、接続部材520の外側に挿入されるシリコンで形成されることができる。また、抵抗部材は、キャップカバー220と接続部材520とを接続させるばねであることができ、ばねは接続部材520が後退するのに抵抗することができる。ただし、以下では説明の便宜のために抵抗部材530がプレート形態を有する実施形態を中心に説明する。
【0206】
抵抗部材530は、接続部材520が挿入される挿入開口OPを有し、挿入開口OPの外側に延びるベース部531を備えることができる。また、抵抗部材530は、ベース部531の一側に切開されて挿入開口OPと接続される切開部CFを備えることができる。
【0207】
接続部材520は、抵抗部材530の挿入開口OPを貫通するように設置されることができる。抵抗部材530は、リザーバー210の後端と駆動ホイール420との間に配置されることができる。リザーバー210内のプランジャー230はロッド410と接続され、ロッド410は接続部材520に挿入される。駆動ホイール420は、リザーバー210の後端に離隔して配置され、内部空間に接続部材520が挿入されることができる。
【0208】
抵抗部材530は、プランジャー230及び接続部材520がリザーバー210の後方に移動すると、一側が駆動ホイール420に支持されることができる。抵抗部材530は、リザーバー210と駆動ホイール420との間に配置され、接続部材520が移動する際に駆動ホイール420の前端420Fに接触するまで接続部材520と共に移動することができる。抵抗部材530のベース部531が駆動ホイール420の前端420Fに接触すると、接続部材520が後方に移動する際に前端420Fによって後退せず、接続部材520の移動方向と反対方向に抵抗力(摩擦力)を形成することができる。すなわち、抵抗部材530は、接続部材520の外周面に摩擦力を生成することができる。
【0209】
ベース部531は、挿入開口OPの外側に延び、所定の厚さを有することができる。ベース部531は駆動ホイール420に支持されることができる。
【0210】
翼端532は、ベース部531の外側に配置されることができる。
図10では、2つの翼端532を示しているが、これに限定されず、1つまたは3つ以上に設定されることができる。翼端532は駆動ホイール420に支持され、駆動ホイール420から抵抗力を伝達されることができる。
【0211】
接続端533は、ベース部531と翼端532とを接続させることができる。接続端533は所定の厚さを有し、ベース部531と翼端532から伝達された抵抗力を均等に分布させることができる。
【0212】
切開端534は、ベース部531から外側に延び、切開部CFが配置されることができる。切開端534は互いに離隔して配置され、切開部CFを形成することができる。
【0213】
挿入開口OPは、接続部材520が挿入され、一実施形態として、
図10と同様に、挿入開口OPは円形に形成されることができる。他の実施形態として、挿入開口は多角形状に形成されることができる。また他の実施形態として、挿入開口は、ベース部の内周面から中心に向かって突出した複数の突起が配置されることができる。複数の突起が接続部材の外周面と接触することができる。
【0214】
挿入開口OPの最小直径M2は、接続部材520の直径M1より小さく設定されることができる。挿入開口OPが接続部材520にタイトに組み立てられるために、挿入開口OPの最小直径M2が接続部材520の直径M1より小さく設定されることができる。これにより、抵抗部材530が駆動ホイール420に接触すると、接続部材520に抵抗力を生成することができる。
【0215】
切開部CFは、ベース部531の一側が切開されて形成され、挿入開口OPと接続されることができる。切開部CFは、抵抗部材530に弾性力を形成することができる。
【0216】
図13及び
図14を参照すると、薬液Dがリザーバー210に注入されると、プランジャー230、ロッド410、接続部材520は駆動ホイール420に向かって後退するようになる。抵抗部材530は、リザーバー210に薬液Dが注入されてプランジャー230及び接続部材520が後退すると、駆動ホイール420に接触して接続部材520に抵抗力を生成させる。
【0217】
薬液Dは、抵抗力を克服するより大きな圧力でリザーバー210に注入する際にのみ、接続部材520が後退しながらリザーバー210に薬液Dが注入されることができる。薬液Dが抵抗力を克服する大きな圧力でリザーバー210に注入及び貯蔵されるため、
図6a~
図6cに貯蔵された薬液Dは高い圧力を有するようになる。
【0218】
図15に示すように、クラッチユニット500のカプラー510が接続部材520をグリップし、駆動ホイール420が回転すると、薬液Dは迅速に針Nに吐出されることができる。リザーバー210に貯留された薬液Dは、外部圧力より高い圧力で貯蔵されているため、駆動モジュール300で少ない駆動力が伝達されても、プランジャー230、ロッド410及び接続部材520が前進しながら薬液Dが針Nに定量吐出されることができる。
【0219】
【0220】
図27を参照すると、抵抗部材530Aは、挿入開口OP、切開部CF、ベース部531A及び切開端532Aを有することができる。挿入開口OPに接続部材520が挿入され、ベース部531Aは挿入開口OPに沿って延び、接続部材520の移動時に駆動ホイール420の前端420Fに接触することができる。切開部CFは、ベース部531で切開され、互いに対向する切開端532Aの間に配置されることができる。
【0221】
抵抗部材530Aは接続部材520に挿入され、薬液Dをリザーバー210に注入する際に接続部材520に抵抗力が生成され、リザーバー210に薬液Dが高い圧力で貯蔵されるようにする。
【0222】
他の実施形態として、抵抗部材530Aは、前述した抵抗部材530と共に設置され、接続部材520により大きな抵抗力が生成され、リザーバー210に貯蔵される薬液Dがさらに高い圧力で貯蔵されることができる。
【0223】
図3を再び参照すると、トリガ部材600は、薬液注入装置10の薬液が注入される機械的信号を生成することができる。トリガ部材600は、第3ボディ15の一側に回動可能に配置され、トリガ部材600が回動して駆動モジュール300の駆動を開始し、同時にクラッチユニット500が駆動ユニット400を駆動接続することができる。
【0224】
トリガ部材600は、回動軸を中心に一方向に回転することができる。このとき、トリガ部材600はクラッチユニット500を加力してロッドと駆動ホイール420とをカップリングさせることができる。
【0225】
詳細には、ユーザが針組立体100を回転させると、針組立体100のノブがトリガ部材600の端部を加力し、トリガ部材600の回動が開始されることができる。トリガ部材600が回転すると、トリガ部材600がカプラー510の端部を加力し、カプラー510は接続部材520と結合されてクラッチユニット500が活性化される。
【0226】
針カバー組立体700は、針組立体100の下に取り付けられることができる。針カバー組立体700は、薬液を注入する前にリザーバーユニット200に貯蔵された空気をプライミング(Priming)することができる。薬液注入器NIを介して、薬液がリザーバー210に貯蔵される際、リザーバー210に残留した気体(空気)を外部に排出することができる。
【0227】
針カバー組立体700は、第1カバー710、第2カバー720、フィルタ部材730及び接着層740を有することができる。
【0228】
第1カバー710は、薬液注入装置10の下部に配置されることができる。第1カバー710の開口には、第2カバー720が挿入されて組み立てられることができる。第1カバー710の一側には、第2ボディ14に挿入されて針カバー組立体700を固定する挿入突起711が配置されることができる。
【0229】
第2カバー720は、第1カバー710に組み立てられ、中央に針N及び/またはカニューレが整列されることができる。第2カバー720は、中央の高さ方向に貫通され、薬液Dが貯蔵される貯蔵空間を有することができる。
【0230】
第1カバー710は、第2カバー720より剛性が大きい。第1カバー710は、外部に露出する部分であり、剛性がやや大きい材料で形成される。第2カバー720は第1カバー710に組み立てられ、第3ボディ15の開口に挿入されるために第1カバー710より剛性が小さい材料で形成される。
【0231】
第2カバー720の中央には、第3ボディ15に挿入される突出部721を備えることができる。また、第2カバー720は固定突起722を備え、固定突起722が第1カバー710に挿入され、第1カバー710と第2カバー720が組み立てられることができる。
【0232】
第2カバー720の突出部721は、第3ボディ15の下端の開口に挿入される。前記開口の直径G1より突出部721の直径G2がやや大きく設定される。第2カバー720は所定の弾性を有するため、突出部721が前記開口に挿入されて固定されることができる。
【0233】
第2カバー720は内径G3を有し、上部に針NとカニューレCが整列されることができる。内径G3は第2カバー720の貯蔵空間を形成し、薬液が貯蔵または気体が移動及び排出されることができる。
【0234】
フィルタ部材730は第2カバー720に取り付けられる。フィルタ部材730は、第2カバー720の貯蔵空間の下に配置され、空気などの気体はフィルタ部材730を通過するが、薬液などの液体はフィルタ部材730を通過しない。したがって、針Nから吐出された空気はフィルタ部材730を通過して外部に排出されるが、針から吐出された薬液は第2カバー720とフィルタ部材730と定義される貯蔵空間に貯蔵されることができる。
【0235】
フィルタ部材730は、貯蔵空間に貯蔵される薬液の量に応じて形状が変わることができる。例えば、貯蔵空間に薬液が満たされると、フィルタ部材730が下方向に膨張し、ユーザが針カバー組立体700に薬液が流入したことを認識することができる。
【0236】
接着層740は、針カバー組立体700の一面に配置され、付着部12に針カバー組立体700を付着させることができる。
【0237】
図4、
図13及び
図14を参照して、リザーバーユニット200に薬液を貯蔵しながら、リザーバー210の内部に残留した気体をプライミングする動作を説明すると次の通りである。
【0238】
図13に示すように、薬液を注入する前には、リザーバー210の前端にプランジャー230が配置され、プランジャー230の後端にロッド410が接続部材520に組み立てられている。このとき、カプラー510は接続部材520をグリップしないため、駆動ホイール420はロッド410と接続されない。
【0239】
ユーザは、薬液注入器NIに注入される薬液Dを入れ、薬液注入器NIをリザーバーユニット200の入口端210Iに挿入する。このとき、リザーバー210の内部に残留した空気は、プライミングされることができる。
【0240】
詳細には、リザーバーユニット200の組み立て過程において、リザーバー210とプランジャー230との間に空気が残留する。空気がリザーバー210に残留した状態で薬液を注入すると、空気も一緒にユーザに注入される危険性があるため、空気を除去する動作(プライミング動作)が必要である。
【0241】
薬液が薬液注入器NIからリザーバー210に流入し始めると、リザーバー210の内面とプランジャー230との間に流入しながら残留気体を針Nに押し出す。このとき、案内溝211に沿って気体が移動することができる。すなわち、リザーバー210の内部に残留した気体は、流入される薬液Dによって案内溝211の案内に沿って針Nに排出される。針Nを通過した気体は、針カバー組立体700に移動し、針カバー組立体700のフィルタ部材730を通過して外部に排出される。
【0242】
案内溝211のガイドにより、リザーバー210の内部に残留した気体は速やかに外部に排出され、リザーバー210の気体を除去することができる。
【0243】
その後、
図14に示すように、薬液はリザーバー210の内部空間に流入し、流入した薬液がプランジャー230を後方に押し出し、薬液がリザーバー210の内部空間に貯蔵される。
【0244】
気体がすべて除去されると、薬液Dが針Nを介して排出されることができる。薬液Dはフィルタ部材730を通過しないため、針カバー組立体700の貯蔵空間に貯蔵される。フィルタ部材730は形状が変形されることができるため、薬液Dが貯蔵空間に貯蔵されると、下方向に凸状に突出されることができる。ユーザは、フィルタ部材730の突出有無を見て、リザーバーユニット200の内部に気体がないことを確認し、リザーバー210に薬液が貯蔵されたか否かを確認することができる。
【0245】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、ユーザに安全に薬液を注入することができる。薬液注入装置10は、リザーバー210の気体を除去し、薬液を安全にリザーバーに貯蔵することで、ユーザに気体が注入される危険性をなくすことができる。リザーバー210の内面に案内溝211が配置され、薬液を貯蔵するために薬液をリザーバー210に注入すると、内部にある気体を案内溝211に沿って外部に迅速かつ完全に排出することができる。
【0246】
アラームユニット800は、薬液注入装置10の内部または外部に配置され、薬液注入装置10の正常動作または誤動作をユーザに知らせることができる。
【0247】
一例として、アラームユニット800はハウジング11の下に配置され、回路基板に接続される。アラームユニット800は、警告音を生成したり、光を生成して、外部ユーザにアラームを伝達することができる。
【0248】
図4を参照すると、複数のセンサユニットは薬液注入装置10の駆動を測定することができる。複数のセンサユニットは、リザーバー210の薬液の貯蔵量を測定したり、駆動モジュール300の駆動有無、駆動ユニット400の駆動有無、駆動ホイール420の回転角、プランジャー230の移動距離などを測定することができる。
【0249】
センサユニットはそれぞれ複数の接触端を有することができる。接触端は、電気的接触の有無を測定して各イベントまたはデータを測定することができる。
【0250】
接触端は、他の部品との接触によっていずれか1つの端部の位置が変更されることができ、他の部品との接触が解除されると、復元力によって元の位置に戻ることができる。
【0251】
一実施形態として、接触端は弾性ばね状を有することができる。接触端は、第1端部が回路基板である制御モジュール16に接続され、第2端部が第1端部から延びるが、コネクタ部材233に接触されることができる。
【0252】
第1端部の直径は、第2端部の直径より大きく設定されることができる。第1端部の直径は第2端部の直径より大きく形成されるため、第1端部が回路基板に堅固に支持されることができる。第1端部は制御モジュール160に安定的に支持され、第2端部が容易に位置や形状が変形され、安定的に他の部品との接触を維持することができる。
【0253】
第1端部の長さは、第2端部の長さより短く設定されることができる。第1端部の長さが第2端部の長さより短いため、第1端部を回路基板に堅固に支持されることができる。第1端部は制御モジュール160に安定的に支持され、第2端部が容易に位置や形状が変形され、安定的に他の部品との接触を維持することができる。
【0254】
特に、第2端部の直径が第1端部の直径より小さいか、第2端部の長さが第1端部の長さより長く設定されるため、第2端部がコネクタ部材233、ベースカバー933のような他の部品と接触しても、第2端部が容易に位置や形状が変形され、安定的に他の部品との接触を維持することができる。
【0255】
第1センサユニット910Aは、リザーバーユニット200に隣接して配置される。第1センサユニット910Aは、コネクタ部材233の移動経路上に配置されることができる。第1センサユニット910Aは複数の接触端を備えることができ、複数の接触端は第2ボディ14の固定溝14Aに取り付けられとこができる。コネクタ部材233が移動しながら複数の接触端のうち少なくとも1つ以上と接触することができる。
【0256】
一実施形態として、第1センサユニット910Aは、第1接触端911と第2接触端912を備えることができる。第1接触端911と第2接触端912は互いに離隔して配置され、コネクタ部材233が直線移動して第1接触端911及び/又は第2接触端912と接触することができる。
【0257】
コネクタ部材233は、第1位置P1で第1接触端911と接触し、第2位置P2で第2接触端912と接触することができる。
【0258】
図4、
図5及び
図6a~
図6cを参照すると、薬液Dがリザーバー210に注入される過程で、コネクタ部材233が第1位置P1で第1接触端911と先に接触し、(プランジャー230はP-1位置)、その後コネクタ部材233は第2位置P2で第2接触端912と接触する(プランジャー230はP-2位置)。
【0259】
一実施形態として、コネクタ部材233は、第1接触端911及び第2接触端912を電気的に接続させることができる。第1接触端911と第2接触端912がコネクタ部材233を介して電気的に接続されると、制御モジュール16はリザーバーユニット200の特定イベントを認識することができる。
【0260】
例えば、コネクタ部材233が第1接触端911と第2接触端912とに接触すると、第1センサユニット910Aは、リザーバー210に貯蔵された薬液が第1基準量(一例として、10%、20%、30%など)で貯蔵されたことをセンシングすることができる。
【0261】
リザーバー210に薬液Dが設定された第1基準量で貯蔵されたことを認識すると、制御モジュール16は薬液注入装置10を起こす(AWAKE)ことができる。すなわち、制御モジュール16は、リザーバー210にある程度の薬液が貯蔵されたことを確認し、一部の駆動を開始して薬液注入装置10を予熱させることができる(第1モード)。
【0262】
他の実施形態として、コネクタ部材233が第1センサユニット910Aの接触端のうち少なくとも1つと接触し、電気的信号を生成することができる。コネクタ部材233が第1接触端911に接触すると、制御モジュール16は第1イベントを認識し、コネクタ部材233が第2接触端912に接触すると、制御モジュール16は第2イベントを認識することができる。
【0263】
例えば、コネクタ部材233が第1接触端911と接触して薬液注入装置10を起こすことができ、第2接触端912と接触して薬液注入装置10に貯蔵される薬液の貯蔵量をセンシングすることができる。
【0264】
例えば、コネクタ部材233が第1接触端911と接触して薬液注入装置10を起こしながらリザーバー210に貯蔵された薬液量を1次的にセンシングすることができ、第2接触端912と接触して薬液注入装置10に貯蔵される薬液の貯蔵量を2次的にセンシングすることができる。
【0265】
図4、
図7及び
図8のように薬液Dが針Nに排出される過程で、コネクタ部材233は第2位置P2で第2接触端912と先に接触が解除され、(プランジャー230はP-2位置)、その後コネクタ部材233は第1位置P1で第1接触端911と接触が解除される(プランジャー230はP-1位置)。
【0266】
一実施形態として、コネクタ部材233が第1接触端911と第2接触端912との接触を維持し、第2接触端912の接触が分離されると、第1接触端911と第2接触端912の電気的接続が解除される。第1接触端911と第2接触端912の電気的接続が解除されると、制御モジュール16はリザーバーユニット200の特定イベントを認識することができる。
【0267】
詳細には、第2接触端912が分離されると、制御モジュール16は、リザーバー210に貯蔵された薬液Dが不十分であるという信号を生成することができる。制御モジュール16はアラーム信号を生成し、コントローラ30、ユーザ端末20、及び/またはアラームユニット800に前記アラーム信号を送信してユーザが薬液量を認識することができる。
【0268】
また、薬液注入装置10で第3モードが設定されると、第2センサユニット920及び/又はエンコーダユニット930を用いて、リザーバー210内でプランジャー230の前進距離を正確に測定し、リザーバー210の内部に貯蔵された薬液量を精密に測定及びモニタリングすることができる。
【0269】
他の実施形態として、コネクタ部材233が第1センサユニット910Aの接触端のうち少なくとも1つと接触を解除し、互いに異なるイベントを認識することができる。コネクタ部材233が第2接触端912との接触を解除すると、制御モジュール16は第3イベントを認識し、コネクタ部材233が第1接触端911との接触を解除すると、制御モジュール16は第4イベントを認識することができる。
【0270】
例えば、コネクタ部材233が第2接触端912との接触を解除すると、制御モジュール16はユーザにアラーム信号を送信することができ、第1接触端911との接触を解除すると、制御モジュール16は薬液注入装置10を強制的に終了したり、ユーザ端末20に続けてアラーム信号を生成させたり、ユーザに注入される薬液の量を減らしたり、注入周期を長くすることができる。
【0271】
第2センサユニット920は、駆動モジュール300及び/または駆動ユニット400の駆動有無をセンシングすることができる。駆動モジュール300と駆動ホイール420は、コネクタCNによって駆動的に接続される。駆動モジュール300が直線移動すると、コネクタが回動軸を中心に繰り返し回動し、コネクタCNの両端が駆動ホイール420の第1接続端421と第2接続端422を交互に加力して駆動ホイール420が回転する。第2センサユニット920は、コネクタCNが回動軸を中心に回動するか否かを確認及び回動数を測定することができる。
【0272】
第2センサユニット920は、プランジャー230の移動距離、針Nを介して排出された薬液の吐出量、リザーバー210に残った薬液の量を測定することができる。第2センサユニット920は、コネクタCNが駆動ホイール420をどの程度回転させるかを測定する。第2センサユニット920で駆動ホイール420の回転角を測定すると、プランジャー230の直線移動距離を算出することができ、前記移動距離を通じてリザーバー210から排出された薬液とリザーバー210に残留する薬液とを測定することができる。
【0273】
第2センサユニット920は、第1A接触端921と第2A接触端922を有することができる。コネクタCNが第1A接触端921に接触すると、第2センサユニット920はコネクタCNが第1接続端421及び第2接続端422のうちいずれか1つを加力したこととして測定する。第2センサユニット920は、コネクタCNが第2A接触端922に接触すると、コネクタCNが第1接続端421及び第2接続端422のうち他方を加力したこととして測定する。
【0274】
エンコーダユニット930は、駆動ユニット400の一端に配置され、駆動ユニット400の回転を測定することができる。エンコーダユニット930は、駆動ホイール420の回転を測定することができる。
【0275】
エンコーダユニット930は、第1B接触端931、第2B接触端932及びカバー端933Aと歯端933Bを有するベースカバー933を有することができる。
【0276】
第1B接触端931は、ベースカバー933の端部に配置され、常にベースカバー933と接触を維持することができる。第1B接触端931は、カバー端933Aと選択的に接触を維持することができる。
【0277】
図では、第1B接触端931が第2B接触端932とは反対側に配置されていることを示しているが、これに限定されない。例えば、第1B接触端931と第2B接触端932が駆動ホイール420の同じ側に配置されることができる。また、第1B接触端931は、駆動ホイール420の後方に配置されることができる。
【0278】
第2B接触端932は、ベースカバー933の端部に配置されるが、第1B接触端931と離隔して配置される。第2B接触端932は、歯端933Bに接触するように配置され、駆動ホイール420の回転に応じて接触または接触解除されることができる。
【0279】
ベースカバー933は、駆動ホイール420の一端に挿入される。カバー端933Aは駆動ホイール420の外周面を一周するように延びるが、歯端933Bはカバー端933Aから延び、複数個が駆動ホイール420の外周面に沿って離隔して配置されることができる。歯端933Bは、カバー端933Aで駆動ホイール420の長手方向に沿って延びることができる。
【0280】
エンコーダユニット930は駆動ホイール420の回転をセンシングして、第2センサユニット920が正しく駆動されているかを測定することができる。薬液注入装置10が正常に作動している際に、エンコーダユニット930で駆動ホイール420の回転が測定されると、第2センサユニット920でもコネクタCNが接触されなければならない。エンコーダユニット930で駆動ホイール420が回転しないと測定されると、第2センサユニット920でもコネクタCNの接触が発生してはいけない。したがって、エンコーダユニット930で測定された信号と第2センサユニット920で測定された信号とを比較し、エンコーダユニット930は第2センサユニット920の誤りを点検することができる。
【0281】
図28は、薬液注入装置の駆動による薬液量の変化及び駆動モードの変化を示すグラフである。
【0282】
図13~
図16及び
図28を参照すると、薬液注入装置10をユーザに付着する前に、リザーバー210に薬液Dを貯蔵し、その後リザーバー210から針Nへ薬液Dを吐出して薬液Dをユーザに注入する過程を説明すると、次の通りである。
【0283】
<薬物貯蔵段階>
ユーザは、外部の薬液注入器(図示せず)を用いて薬液注入装置10のリザーバーユニット200に薬液を注入する。
図5を参照すると、薬液を注入する前には、リザーバー210の前端にプランジャー230が配置され、プランジャー230の後端にロッド410が接続部材520に組み立てられている。このとき、カプラー510は接続部材520をグリップしないため、駆動ホイール420はロッド410と接続されない。
【0284】
ユーザは、薬液注入器(図示せず)に注入される薬液Dを入れ、前記薬液注入器をリザーバーユニット200の入口端に挿入する。薬液Dが注入されると、プランジャー230は接続部材520と共に後退する。このとき、接続部材520に付着された抵抗部材530は、駆動ホイール420の前端420Fに当たりながら、接続部材520の移動方向の反対方向に抵抗力を生成させる。薬液Dは、抵抗力を克服する程度の十分な高圧が生成されなければリザーバー210に注入されない。また、リザーバー210に注入された薬液Dは高い圧力を維持するようになる。
【0285】
薬液が注入されると、リザーバー210の内部に残留した空気は、プライミングされることができる。詳細には、リザーバーユニット200の組み立て過程において、リザーバー210とプランジャー230との間に空気が残留する。空気がリザーバー210に残留した状態で薬液を注入すると、空気も一緒にユーザに注入される危険性があるため、空気を除去する動作(プライミング動作)が必要である。
【0286】
薬液が薬液注入器からリザーバー210に流入し始めると、リザーバー210の内面とプランジャー230との間に流入しながら残留気体を針Nに押し出す。このとき、案内溝211に沿って気体が移動することができる。すなわち、リザーバー210の内部に残留した気体は、流入される薬液Dによって案内溝211の案内に沿って針Nに排出される。針Nを通過した気体は、針カバー組立体700に移動し、針カバー組立体700のフィルタ部材730を通過して外部に排出される。案内溝211のガイドにより、リザーバー210の内部に残留した気体は速やかに外部に排出され、リザーバー210の気体を除去することができる。
【0287】
薬液Dがリザーバー210に注入される量に応じて、第1センサユニット910Aが駆動されることができる。
【0288】
薬液Dの注入によってプランジャー230がP-1点を通過すると、コネクタ部材233は第1位置P1で第1接触端911と接触する。その後、プランジャー230がP-2地点を通過すると、コネクタ部材233は第2位置P2で第2接触端912と接触する。
【0289】
一実施形態として、コネクタ部材233が第1接触端911と第2接触端912を電気的に接続させると、第1モードが駆動される。第1モードは、薬液注入装置10を起こす(AWAKE)モードであり、その後、薬液注入装置10がユーザに付着されると直ちに駆動されるように薬液注入装置10を予め予熱することができる。また、ユーザ端末20などを介して、ユーザにリザーバー210に薬液Dが既定の第1基準量で貯蔵されていることを知らせ、ユーザが薬液注入装置10を使用するように予め知らせることができる。
【0290】
他の実施形態として、コネクタ部材233が第1接触端911に接続されると制御モジュール16が第1イベントとして認識し、第2接触端912に接続されると制御モジュール16が第2イベントとして認識することができる。すなわち、コネクタ部材233がそれぞれの他の接触端と接触すると、互いに異なるイベントを認識し、前記イベントをユーザに送信することができる。
【0291】
<付着段階>
図14に示すように、リザーバー210に薬液Dが貯蔵されると、薬液注入装置10がユーザに付着される。前述した薬物貯蔵段階で針カバー組立体700を介してリザーバー210にあった気体が除去(プライミング動作が完了)されたため、針カバー組立体700は薬液注入装置10から除去される。
【0292】
ユーザは薬液注入装置10をユーザに付着し、針組立体100を回転させて針N及びカニューレを皮膚に挿入する。針Nはカニューレと共に皮膚に挿入され、カニューレが皮膚に挿入されることを誘導することができる。
【0293】
その後、針Nは皮膚から引き出されるが、カニューレに接続された状態を維持する。ユーザが針組立体100をさらに回転させると、針Nはカニューレが皮膚に挿入された状態で上部に移動する。カニューレ及び針Nは、少なくとも一部が接続され、薬液が移動する経路を形成及び維持する。
【0294】
<薬物注入段階-第2モード>
カニューレと針Nがユーザに挿入される動作と実質的に同時に、駆動モジュール300及び駆動ユニット400が駆動される。薬液注入装置10は、第2モードで薬液Dを設定した周期及び注入量に応じてユーザに注入することができる。
【0295】
ユーザが針Nとカニューレを皮膚に挿入するために針組立体100を回転させると、トリガ部材600は駆動モジュール300を駆動させることになる。駆動モジュール300が駆動されると、コネクタCNは回動軸を中心に回転しながら駆動ホイール420を回転させる。コネクタCNは、第1接続端421及び第2接続端422を交互に加力しながら駆動ホイール420を1歯単位で回転させることができる。
【0296】
ユーザが針組立体100を回転させると、トリガ部材600が
図7に示すようにカプラー510を活性化させることができる。カプラー510が接続部材520の外側をグリップすると、駆動ホイール420、カプラー510及び接続部材520は一体のボディに一体化される。したがって、駆動ホイール420が回転すると、接続部材520も一緒に回転し、ロッド410は前方に移動するようになる。
【0297】
ロッド410が前方に移動すると、プランジャー230も一緒に前方に移動しながら、薬液を針Nに排出することができる。したがって、設定された駆動モジュール300の駆動周期、駆動速度に応じて薬物がユーザに注入されることができる。
【0298】
このとき、第2センサユニット920は、コネクタCNの回動を測定することができる。第2センサユニット920の第1A接触端921と第2A接触端922は、対応するコネクタCNの端部と交互に接触する。第2センサユニット920は、第1A接触端921とコネクタCNの一端が接触することをセンシングし、第2A接触端922とコネクタCNの他端が接触することをセンシングする。
【0299】
一実施形態として、第2センサユニット920の接触端とコネクタCNが接触すると、第2センサユニット920は電気的信号をセンシングすることができる。他の実施形態として、第2センサユニット920の接触端とコネクタCNが接触すると、第2センサユニット920は接触によるインパクト信号をセンシングすることができる。
【0300】
第2センサユニット920は、コネクタの回動を測定したデータに基づいて駆動モジュール300とコネクタCNの駆動有無を測定したり、コネクタCNで駆動ホイール420の駆動有無を測定したり、駆動ホイール420の回転角及び/または回転速度を測定したり、駆動ホイール420の回転でプランジャー230の移動距離及び薬液の注入量を測定することができる。
【0301】
駆動ホイール420が回転すると、エンコーダユニット930は、駆動ホイール420の回転角、回転速度などを測定することができる。第1B接触端931はカバー端933Aと電気的接触を維持し、第2B接触端932は歯端933Bと電気的接触を維持するが、歯端933Bを離れると電気的接触が解除されることができる。
【0302】
エンコーダユニット930は、電気的に接続信号及び/または電気的に解除信号を測定し、駆動ホイール420の回転に関するデータを測定することができる。制御モジュール16は、エンコーダユニット930で測定されたデータに基づいて駆動ホイール420の回転角、回転速度を算出し、これに基づいてプランジャー230の移動距離及び薬液の吐出量を算出することができる。
【0303】
<薬物注入段階-第3モード>
プランジャー230がP-2位置に位置し、コネクタ部材233が第2位置P2に位置すると、第1センサユニット910Aで第1接触端911と第2接触端912が電気的に分離される。制御モジュール16は、第1センサユニット910Aが電気的に解除されると第3モードが活性化されることができる。
【0304】
第3モードでは、制御モジュール16は、ユーザ端末20、コントローラ30、及び/またはアラームユニット800を介してユーザに貯蔵された薬液の量が第2基準量に該当するというアラーム信号を送信することができる。第2基準量は、第3モードの駆動時点で駆動モジュール300が認識する薬液の量であると定義することができる。制御モジュール16は、リザーバー210に残った薬液の量が既定の第2基準量であることをユーザに送信し、ユーザは薬液注入装置10を交換する準備をすることができる。
【0305】
一実施形態として、第1基準量は、第2基準量と同じ薬液貯蔵量に設定されることができる。プランジャー230が前進または後退移動することにより、コネクタ部材233が第2接触端912と接触または接触解除する際に、リザーバー210におけるプランジャー230の位置は同じであるため、第1基準量と第2基準量は同じく設定されることができる。
【0306】
他の実施形態として、第1基準量は、第2基準量より大きい薬液貯蔵量に設定されることができる。第1基準量は、第1モードの駆動のために設定される基準値であり、リザーバー210に貯蔵される薬液の量と実質的に同じように設定されることができる。第2基準量は、第3モードの開始時点に駆動モジュール300が認識する薬液の量であり、リザーバー210に実際に残っている薬液の量より少なく設定されてマージンを有することができる。
【0307】
実際リザーバー210に貯蔵された薬液の量より第2基準量が少なく設定されるため、実際リザーバー210には、実際の薬液残留量と第2基準量との差に該当するマージンを有するようになる。たとえ薬液注入装置10で薬液がないと知らせても、リザーバー210に残された薬液をさらに利用することができ、突然の薬液の断絶や事故をなくし、薬液注入装置10の安全性を高めることができる。
【0308】
第3モードでは薬液の残留量が重要であるため、制御モジュール16は第3モードで非常に精密に薬液の注入量、リザーバー210の薬液の残留量を算出することができる。第3モードになると、第2センサユニット920とエンコーダユニット930で取得したデートに基づいて、制御モジュール16は駆動ホイール420の回転角、プランジャー230の移動距離を正確に測定し、薬液の吐出量及びリザーバー210に残された薬液量を厳密に算出することができる。第3モードで正確に算出された薬液の残留量はリアルタイムでユーザに送信し、ユーザが危険性を認識することができる。
【0309】
一実施形態として、薬液注入装置10は、第3モードでのみリザーバー210に残された薬液の量を正確に算出することができる。第2モードでは、リザーバー210に貯蔵された薬液の量が既定の範囲(すなわち、第2基準量)を超えるため、リザーバー210にある薬液の量は精密に測定しないが、第3モードではリザーバー210に貯蔵された薬液の量を定量的に算出することができる。薬液注入装置10に貯蔵された薬液の量は、アラームが必要な水準でのみ薬液の貯蔵量を精密に算出するため、薬液注入装置10の制御負荷を減らすことができる。
【0310】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、針Nに排出された気体を外部に排出し、安全性を高めることができる。針カバー組立体700のフィルタ部材730は、リザーバー210から針Nに排出された気体を外部に排出することができる。また、針カバー組立体700のフィルタ部材730は薬液Dを通過させず、薬液Dが針カバー組立体700に充填されると凸状に突出し、薬液Dの貯蔵有無を確認することができる。
【0311】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、薬液を注入するために既定の正確な位置に注入針が挿入されるように案内し、薬物を安全にリザーバー210に貯蔵することができる。薬物を注入するために薬液注入器NIの注入針をリザーバー210に挿入する際、薬液注入器NIの針はガイドキャップ250の案内に従って既定の正確な位置に安定的に挿入されることができる。
【0312】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、薬液を注入するために注入針を挿入する際、傷による異物が生成されず、薬液注入装置の高い安全性を確保することができる。ガイドキャップ250の剛性は、薬液注入器NIの注入針の剛性より大きく設定される。前記注入針がガイドキャップ250を掻いてもガイドキャップ250に削りくずなどの異物が発生しないため、薬液をリザーバー210に安全に貯蔵することができる。
【0313】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、外部異物の接触を最小限に抑え、ユーザが容易に薬液注入器NIの注入針をリザーバー210に挿入することができる。ガイドキャップ250は、薬液注入装置10の下面に所定の深さに設けられ、外部環境の異物が流入されるのを遮断することができる。また、ガイドキャップ250が外部からユーザが見られるように露出されるため、ユーザが容易かつ簡単に薬液注入器NIの注入針を挿入することができる。
【0314】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、薬液を注入するために既定の正確な位置に注入針が挿入されるように案内し、薬物を安全にリザーバー210に貯蔵することができる。薬物を注入するために薬液注入器NIの注入針をリザーバー210に挿入する際、薬液注入器NIの針はガイドキャップ250Aの案内に従って既定の正確な位置に安定的に挿入されることができる。
【0315】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、薬液を注入するために注入針を挿入する際、傷による異物が生成されず、薬液注入装置の高い安全性を確保することができる。ガイドキャップ250Aの剛性は、薬液注入器NIの注入針の剛性より大きく設定される。前記注入針がガイドキャップ250Aを掻いてもガイドキャップ250Aに削りくずなどの異物が発生しないため、薬液をリザーバー210に安全に貯蔵することができる。
【0316】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置10は、ユーザが容易に薬液注入器NIの注入針をリザーバー210に挿入することができる。シール部材260が透明または半透明の材質で形成され、ガイドキャップ250Aが外部からユーザが見られるように露出されるため、ユーザは容易かつ簡単に薬液注入器NIの注入針を挿入することができる。
【0317】
本発明の思想は、前記説明した実施形態に限定されて決められてはならず、後述する特許請求の範囲のみならず、この特許請求の範囲と均等またはこれから等価的に変更された全ての範囲は、本発明の思想の範疇に属すると言えよう。
【産業上の利用可能性】
【0318】
本発明の一実施形態によれば、薬液注入装置は様々な産業上利用可能な装置に適用されることができる。様々な薬物を送達する装置に適用されることができる。