(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20240904BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240904BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240904BHJP
【FI】
H04B1/38
H04W84/12
H04W76/10
(21)【出願番号】P 2024024292
(22)【出願日】2024-02-21
【審査請求日】2024-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514257723
【氏名又は名称】アルテリア・ネットワークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼澤 重守
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-093432(JP,A)
【文献】特表2010-532635(JP,A)
【文献】特開2005-079977(JP,A)
【文献】特開2013-102323(JP,A)
【文献】特開2001-109717(JP,A)
【文献】特開2005-117488(JP,A)
【文献】特開2013-038498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38
H04W 84/12
H04W 76/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末との間で無線通信のアクセスポイントとして機能し、前記通信端末がアクセスするためのパスワードを制御する通信制御部と、
前記通信制御部を収容する筐体と、
前記筐体の前面に設けられる、現在のパスワードを表示する表示部と、
表示部に表示される又は前記筐体に設けられる、ユーザにより操作される操作部と、
を備え、
前記通信制御部は、
前記パスワードと、前記パスワードに対応するネットワークのアクセスポイントの識別コードと、を制御し、
前記操作部に対するユーザの操作を受け付けた場合、所定の変更手段を用いて、
前記現在のパスワードを、第1のパスワードから、前記第1のパスワードとは異なる第2のパスワードに変更
し、現在の識別コードを、第1の識別コードから、前記第1の識別コードとは異なる第2の識別コードに変更する、
無線通信装置。
【請求項2】
通信端末との間で無線通信のアクセスポイントとして機能し、前記通信端末がアクセスするためのパスワードを制御する通信制御部と、
前記通信制御部を収容する筐体と、
前記筐体の前面に設けられる、現在のパスワードを表示する表示部と、
表示部に表示される又は前記筐体
の背面ではない面に設けられる、ユーザにより操作される操作部と、
壁面に設けられるコンセントと電気的に接続される状態において、前記筐体の前面に対する反対側の背面が前記壁面と対向し得るように、前記筐体に設けられる接続部と、
前記筐体の背面に設けられる窪み部と、
を備え、
前記通信制御部は、前記操作部に対するユーザの操作を受け付けた場合、所定の変更手段を用いて、前記現在のパスワードを、第1のパスワードから、前記第1のパスワードとは異なる第2のパスワードに変更
し、
前記コンセントは、前記接続部と電気的に接続可能な第1の端子と、前記第1の端子と所定の距離を隔てて設けられる、所定の接続部が接続可能な第2の端子と、を備え、
前記窪み部は、前記筐体に設けられる前記接続部が前記第1の端子と電気的に接続される状態において、前記第2の端子と重なるように設けられる、
無線通信装置。
【請求項3】
前記窪み部は、前記接続部が前記第1の端子と電気的に接続される状態において、前記第1の端子から前記第2の端子への方向の、前記コンセントの端部を超えて形成される、
請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記窪み部は、前記接続部が前記第1の端子と電気的に接続される状態において前記第2の端子と対向する面の深さが、前記第2の端子と対向しない面の深さよりも深く形成される、
請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記窪み部は、前記筐体の下面まで延伸して形成される、
請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記通信制御部は、前記操作部に対するユーザの操作を受け付けた場合、ランダムに生成される文字列に基づいて、前記第2のパスワードを生成する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記通信制御部は、前記操作部に対するユーザの操作入力を所定の時間継続して受け付けた場合、または、操作画面に表示される指示に応じたユーザの操作入力を受け付けた場合、前記第1のパスワードを前記第2のパスワードに変更する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記通信制御部は、前記操作部に対するユーザの操作入力を前記所定の時間よりも短い時間継続して受け付けた場合、または、操作画面に表示される指示に応じたユーザの操作入力を受け付けた場合、前記現在のパスワードを前記表示部に表示させる、
請求項7に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記接続部は、前記コンセントに差し込み可能なプラグであり、
前記筐体は、前記接続部が前記コンセントに接続された状態における水平方向において、前記プラグの前記水平方向の幅よりも長く、65mm以下の前記水平方向の幅を有して形成される、
請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記接続部は、前記水平方向と鉛直に交わる上下方向において、前記筐体の上面から下方向に5mm以上で60mm以下の位置に設けられる、
請求項9に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記操作部は、
前記筐体の前面に設けられ、
前記筐体の背面における前記接続部の位置に対応するように、前記筐体の前面の中央部よりも上方向の前記筐体の前面の所定の領域に設けられる、
請求項10に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信のアクセスポイントの設置の自由度が高い無線通信装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の無線通信装置は、アクセスポイントとして機能する無線通信部が壁内に固定された筐体に収容される。筐体の前面は、壁面と面一となるよう配置され、塵埃、水分、油分または外力などから筐体を保護するためのカバーで覆われている。また、無線通信装置は、複数のアクセスポイントの一つとして機能する。この場合、無線通信装置は、親機と子機とでSSID(Service Set Identifier)およびパスワードを共有する。このように、当該無線通信装置は、周辺環境の影響を受けにくい構成を有し、据え置くためのスペースが不要となる。これにより、当該無線通信装置は、設置の自由度が高いアクセスポイントを実現できる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の無線通信装置では、パスワードを容易に変更できず、壁内へ設置するための施工も煩雑となるという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、パスワードの変更および設置が容易な無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る無線通信装置は、通信端末との間で無線通信のアクセスポイントとして機能し、前記通信端末がアクセスするためのパスワードを制御する通信制御部と、前記通信制御部を収容する筐体と、前記表示部に表示される又は前記筐体の前面に設けられる、現在のパスワードを表示する表示部と、前記筐体に設けられる、ユーザにより操作される操作部と、を備え、前記通信制御部は、前記操作部に対するユーザの操作を受け付けた場合、所定の変更手段を用いて、前記現在のパスワードを、第1のパスワードから、前記第1のパスワードとは異なる第2のパスワードに変更する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パスワードの変更が容易な無線通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】無線通信装置の外形の一例を示す斜視図である。
【
図2】無線通信装置の外形に係る構成の一例を示す図である。
【
図3】無線通信装置の構成要素の配置関係の一例を示す図である。
【
図4】第1の変形例に係る無線通信装置の外形の一例を示す斜視図である。
【
図5】第1の変形例に係る無線通信装置をコンセントに接続した状態の一例を示す図である。
【
図6】第2の変形例に係る無線通信装置の外形の一例を示す斜視図である。
【
図7】無線通信装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】無線通信装置の処理手順の一例を示すフロー図である。
【
図10】無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態において、「部」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、一つの「部」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されてもよく、二つ以上の「部」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0011】
===無線通信装置100===
<<概要>>
本実施形態に係る無線通信装置100は、通信端末200と無線通信を行うアクセスポイントとしての機能を有する装置である。無線通信とは、電波を伝送媒体として非接触で行う通信である。例えば、通信端末200は、Wi-Fi(登録商標)などの規格に準拠した無線通信によってアクセスポイントである無線通信装置100に接続されることで、LAN(Local Area Network)や外部ネットワーク(例えばインターネット)などに接続される。なお、無線通信装置100は、後述するルーター300と一体型のアクセスポイントであってもよい。
【0012】
無線通信装置100には、SSID(Service Set Identifier)(識別コード)およびパスワードが設定される。無線通信装置100は、例えばユーザによる簡易な操作入力によってSSIDおよびパスワードを変更可能な機能を有する。これにより、無線通信装置100は、例えば賃貸の集合住宅の所定の部屋の住人が変更された場合、次の住人または管理者がSSIDおよびパスワードを簡易迅速に変更できる。
【0013】
SSIDとは、例えばWi-Fiにおけるアクセスポイントの識別名をいう。SSIDは、例えば英数字の羅列で示される識別名である。無線通信装置100では、SSIDが一致する端末としか通信できないよう構成されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0014】
パスワードとは、例えば、秘密鍵や証明書を保護するためのコードであり、アクセスポイントである無線通信装置100にアクセスするためのコードである。無線通信装置100は、SSIDとパスワードとをセットで管理する。
【0015】
無線通信装置100は、例えば、壁面に埋め込まれるように構成されていてもよいし、電源コンセントに差し込み可能な接続部102(例えばプラグやUSBコネクター)が本体から突出するように構成されていてもよい。以下、一例として、無線通信装置100は、接続部102が本体から突出するように構成されることとして説明する。すなわち、以下において、無線通信装置100は、本体を露出させつつ、床面に載置することを要しない構成を有することとして説明する。この構成により、無線通信装置100は、放熱効果を高めつつ、設置するためのスペースを小さくすることができる。
【0016】
また、この場合、無線通信装置100は本体を電源コンセントに差し込むプラグにより壁面に固定されるため、本体の交換を容易に行うことができる。また、天井近くに設けられるエアコン用のコンセントに差し込み設置が可能であるため、この場合、無線通信装置100は、他の物体による電波の遮りの影響を受けにくく電波伝搬効率を改善できる。
【0017】
また、無線通信装置100は、本体の前面にSSIDおよびパスワードを表示する表示部を有する。これにより、無線通信装置100は設定状況をユーザに容易に表示することができる。
【0018】
なお、通信端末200は、無線通信装置100と無線通信を行う機能を有する端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末若しくはウェアラブル端末等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、コンピュータゲーム機、設備機器又は家電機器などである。通信端末200は、例えば、タッチパネルディスプレイや外付けの操作デバイス(キーボード及びポインティングデバイスなど)などのユーザの操作入力を受け付ける機能を有する。また、通信端末200は、例えばディスプレイに情報を表示する表示機能を有する。
【0019】
<<外形に係る構成>>
図1から
図3を参照して、無線通信装置100の外形に係る構成について説明する。
図1は、無線通信装置100の外形の一例を示す斜視図である。
図2は、無線通信装置100の外形に係る構成の一例を示す図である。
図3は、無線通信装置100の構成要素の配置関係の一例を示す図である。
【0020】
図1および
図2に示すように、無線通信装置100は、筐体101と、接続部102と、表示部103と、操作部104とを含む。無線通信装置100は、インターネットに接続するためのルーター300(例えば光回線終端装置であってもよい)に接続されるLANコネクタ105と、端末装置とネットワーク接続されるためのネットワークインタフェース106とを有する。
【0021】
以下、
図1に示すように、筐体101における一つの辺に沿う方向をX方向(水平方向)といい、X方向と直交する方向をY方向(上下方向)といい、X方向およびY方向と直交する方向をZ方向という。Y方向は、後述する接続部102を壁面の電源端子に接続した状態において、天井側を+Y方向とし、地面側を-Y方向とする。Z方向は、接続部102を壁面の電源コンセントに接続した状態において、壁面に対して鉛直方向であり、壁面に向かう方向を+Z方向とし、壁面から遠ざかる方向を-Z方向とする。そして、筐体101の+Z方向側のXY平面を「前面」といい、-Z方向側のXY平面を「背面」という。また、筐体101の+Y方向側のXZ平面を「上面」といい、-Y方向側のXZ平面を「下面」という。筐体101のX方向側のYZ平面を「側面」という。
【0022】
筐体101は、通信制御部111(後述するプロセッサ1001)を収容する。筐体101は、例えば直方体形状を呈し、樹脂材料で形成される。なお、筐体101は、直方体形状に限定されない。例えば、筐体101は、上面から、上面と反対側の下面に向かうにしたがって、厚みが小さくなるように形成されていてもよい。言い換えると、筐体101は、無線通信装置100をコンセントに接続した状態において、後述する前面が壁面に対して傾斜するように形成されていてもよい。これにより、無線通信装置100を天井近くに設置する場合に、表示部103に対するユーザの視認性を向上できる。また、筐体101は、樹脂材料に限定されず金属材料で形成されていてもよい。なお、筐体101の下面には、有線接続が可能なLAN端子が設けられていてもよい(
図3(a)を参照)。
【0023】
接続部102は、コンセント400(例えば電源端子401)と電気的に接続される部材である。
図1に示すように、接続部102は、金属製部材で形成されるプラグである。接続部102は、筐体101の背面に固定して突出するように設けられていてもよい。また、接続部102は、筐体101の背面に収納可能な可動部(不図示)を有し、コンセント400と電気的に接続される際に背面から突出するようにセットされ得るものであってもよい。また、接続部102は、筐体101の上面においてYZ平面に沿うように回転可能に設けられていてもよい。なお、接続部102は、USBコネクターであってもよい。以下では、一例として、接続部102は筐体101の背面に固定して突出するように設けられることとして説明する。すなわち、
図2(a)に示すように、無線通信装置100は、接続部102を電源端子401に差し込んだ状態で固定される。電源端子401は、例えば単相100Vで60Hzまたは50Hzの商用の交流電源(系統電源)に接続するための部材である。
【0024】
表示部103は、筐体101の前面に設けられ、各種情報を表示するディスプレイである。
図2(a)に示すように、表示部103は、例えばパスワード(PASS)およびSSIDを表示する。表示部103は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどである。表示部103は、例えばタッチパネル式のディスプレイであってもよい。
【0025】
操作部104は、筐体101に設けられる、ユーザによって操作されるボタンである。操作部104は、例えば、筐体101の前面に対する反対側の面である背面ではない面に設けられる。具体的には、操作部104は、筐体101の前面に設けられてもよいし、筐体101の側面に設けられてもよいし、筐体101の上面または下面に設けられてもよい。また、操作部104は、例えばタッチパネル式のディスプレイである表示部に表示される表示オブジェクトであってもよい。操作部104は、例えば、パスワードおよびSSIDを表示する表示部103と同一の画面内に表示される表示オブジェクトであってもよいし、当該表示部103とは異なる、タッチパネル式のディスプレイである表示部に表示される表示オブジェクトであってもよい。以下では、一例として、操作部104は筐体101の前面に設けられることとして説明する。操作部104を前面に設けることにより、ユーザの操作性を向上できる。なお、
図1~
図3では、操作部104は、一例として、二つ設けられるように示しているがこれに限定されず、一つのみで構成されていてもよいし、三つ以上で構成されていてもよい。
【0026】
次に、
図3を参照して、筐体101の大きさ、筐体101上における接続部102、表示部103および操作部104の配置について説明する。
【0027】
筐体101は、接続部102がコンセント400の電源端子401に電気的に接続された状態において、X方向にある他の電源端子や通信端子(
図3(a)では通信端子402)と干渉しない大きさである。具体的には、
図3(a)に示すように、筐体101のX方向(水平方向)の長さL1は、接続部102のX方向(水平方向)の長さよりも長く、65mm以下である。例えば、接続部102がコンセントプラグである場合、筐体101のX方向の長さL1は、コンセントプラグのX方向の幅である15mmよりも長く65mm以下の長さである。これにより、無線通信装置100は、電源端子401に電気的に接続された状態で、コンセント400におけるX方向の他の端子と干渉しないよう構成される。
【0028】
接続部102は、筐体101の背面におけるX方向の中央部に配置される。また、接続部102は、壁面に設けられるコンセントと電気的に接続された状態において、筐体101が+Y方向の端子(
図3(a)では電源端子403)と干渉しないように配置される。具体的には、
図3(b)に示すように、接続部102は、例えば、上面から-Y方向に5mm以上であり60mm以内の長さL2であって、上面からプラグの+Y方向の端部までの長さL2の位置に設けられることが望ましい。これにより、無線通信装置100は、電源端子401に電気的に接続された状態で、コンセント400におけるY方向の他の端子と干渉しない。
【0029】
表示部103は、筐体101の前面におけるX方向の中央部に設けられる。また、表示部103は、筐体101の前面の中央部から+Y方向側に設けられることが望ましい。これにより、無線通信装置100は、表示部103の表示内容をユーザが確認しやすくなる。なお、表示部103は、前面の中央部から-Y方向側に設けられていてもよい。これにより、無線通信装置100は、天井付近のコンセント(例えばエアコン用のコンセント)に設置される場合、表示部103を下から見上げるユーザの視認性を向上できる。
【0030】
操作部104は、接続部102の位置に対応するように筐体101の前面に設けられる。具体的には、
図3(a)に示すように、操作部104は、接続部102が筐体101の上面から-Y方向に40mmの位置に設けられる場合、例えば上面から操作部104の中心が-Y方向に40mmの長さL3となる位置付近(例えば30mm~75mm付近)に配置される。これにより、無線通信装置100は、操作部104に対するユーザの操作入力を受け付けたときに、操作入力による+Z方向への押圧力によって接続部102がコンセントから外れる方向に移動しない。
【0031】
<<第1の変形例>>
図4および
図5を参照して、変形例に係る無線通信装置100aの外形の一例について説明する。
図4は、第1の変形例に係る無線通信装置100aの外形の一例を示す斜視図である。
図5は、第1の変形例に係る無線通信装置100aをコンセント500に接続した状態の一例を示す図である。
【0032】
なお、本変形例において、コンセント500は、接続部102と電気的に接続可能な電源端子501(第1の端子)と、電源端子501の-Y方向に電源端子501と所定の距離を隔てて設けられる、通信ケーブルCbl(例えばLANケーブルや光ケーブルなど)のコネクタと接続可能な通信端子502(第2の端子)とを備えるものとする。
【0033】
図4に示すように、無線通信装置100aは、無線通信装置100とは異なり、窪み部107をさらに備える。
【0034】
窪み部107は、例えば、筐体101の接続部102がコンセント500の電源端子501に電気的に接続された状態において、通信ケーブルCblを収容可能な窪みである。これにより、
図5(a)に示すように、無線通信装置100aは、電源端子501に電気的に接続された状態において窪み部107に通信ケーブルCblを収容することができるため、電源端子501の-Y方向に設けられる通信端子502に通信ケーブルCblを電気的に接続させることができる。
【0035】
具体的には、窪み部107は、筐体101の接続部102が電源端子501と電気的に接続される状態において、通信端子502と平面視(Z方向からの平面視)で重なるように、筐体101の接続部102の-Y方向に設けられる。
【0036】
また、
図5(b)に示すように、窪み部107は、接続部102が電源端子501と電気的に接続される状態において、コンセント500における通信端子502の-Y方向の端部を超えて形成される。すなわち、窪み部107は、電源端子501に接続された状態においてZ方向から見たときに、窪み部107の-Y方向の端部がコンセント500の-Y方向の端部よりも-Y方向側にはみ出す大きさの窪みである。具体的には、窪み部107は、接続部102が筐体101の上面から-Y方向に5mmの位置にその+Y方向の端部が重なるように設けられている場合、例えば、接続部102の-Y方向の端部から-Y方向に10mmから-Y方向に50mmまでの範囲で筐体101の背面に形成される。
【0037】
これにより、一端が通信端子502に接続された通信ケーブルCblについて、窪み部107とコンセント500の端部との隙間に通して、その他端を無線通信装置100aのLANコネクタ105に接続することができる。すなわち、窪み部107を備えることにより、無線通信装置100aは、電源端子501と電気的に接続された状態において、電源端子501の-Y方向に設けられる通信端子502とも電気的に接続することができるため、設置の利便性が向上される。
【0038】
また、
図5(b)に示すように、窪み部107は、接続部102が電源端子501と電気的に接続される状態において通信端子502と対向する面S1の深さL4が、通信端子502と対向しない面S2の深さL5よりも深く形成される。具体的には、窪み部107は、面S1の深さL4は例えば12mmであり、面S2の深さL5は例えば8mmであってもよい。これにより、通信端子502に通信ケーブルCblの一端を接続させた状態において、接続部102を電源端子501と電気的に接続させたとしても、通信ケーブルCblを面S1に接触させずに、通信ケーブルCblを窪み部107とコンセントの端部との隙間に通して、当該通信ケーブルCblの他端を無線通信装置100aのLANコネクタ105に接続することができる。
【0039】
これにより、無線通信装置100aでは、例えば、電源端子501の直下に通信端子502が配置されているコンセントに接続された状態においても、通信端子502を利用することが可能となる。
【0040】
なお、窪み部107のX方向の幅は、通信ケーブルCblの端子と干渉しない長さであればよく、例えば10mm以上であればよい。
【0041】
また、上記において、窪み部107は、筐体101に設けられる窪みであるとして説明したがこれに限定されず、例えば筐体101の下面に延伸して形成されてもよい。すなわち、筐体101の下面には、-Y方向から平面視したときに窪み部107のX方向の幅およびZ方向の幅(面S2の深さL5)と同じ大きさの穴が形成されていてもよい。これにより、無線通信装置100aは、筐体101の下面のLAN端子への通信ケーブルCblを接続する作業者の作業性を向上することができる。
【0042】
また、上記において、窪み部107は、筐体101に設けられる窪みであるとして説明したがこれに限定されず、例えば筐体101の下面に-Y方向から平面視したときに穴部(不図示)が形成され、当該穴部が窪み部107と連通するように形成されていてもよい。当該穴部は、-Y方向から平面視したときの面積が通信ケーブルCblの断面積以上の大きさを有していればよい。この場合、窪み部107は、電源端子501に接続された状態においてZ方向から見たときに、窪み部107の-Y方向の端部がコンセント500の-Y方向の端部よりも-Y方向側にはみ出るように形成されていなくてもよい。これにより、無線通信装置100aは、小型化できるとともに、筐体101の下面のLAN端子への通信ケーブルCblを接続する作業者の作業性を向上することができる。
【0043】
また、無線通信装置100aは、
図5(a)に示すように、操作部104aを筐体101の前面における表示部103aのX方向に沿った左右のいずれかに設けてもよい。この場合、操作部104aは、例えば無線通信装置100aがコンセント500に接続されている状態において、コンセント500とZ方向から平面視したときに重なるように設けられる。これにより、無線通信装置100aは、操作部104aに対するユーザの操作入力を受け付けたときに、操作入力による+Z方向への押圧力によって接続部102がコンセント500から外れる方向に移動しない。
【0044】
<<第2の変形例>>
図6を参照して、変形例に係る無線通信装置100bの外形の一例について説明する。
図6は、第2の変形例に係る無線通信装置100bの外形の一例を示す斜視図である。
【0045】
図6に示すように、無線通信装置100bは、無線通信装置100とは異なり、壁に埋め込まれて設置される埋込式の無線通信装置である。無線通信装置100bは、筐体101bと、表示部103bと、操作部104bとを含む。なお、表示部103bは、無線通信装置100の表示部103と同じであるため、その説明を省略する。また、無線通信装置100bは、無線通信装置100の接続部102のような筐体101bの面から突出する構成を有さず、例えば壁内において電源(不図示)に電気的に接続されて電力が供給される。
【0046】
筐体101bは、例えば壁面埋込式のスイッチボックスなどの部材を用いて壁面に埋め込まれて設置される。例えば、筐体101bは、-Z方向からの正面視において壁面に固定される矩形枠状の取付枠600の壁面の内側に配置される。なお、筐体101bは当該取付枠と一体的に形成されていてもよい。これにより、無線通信装置100bは、ユーザ(例えば賃貸マンションの賃借人)によって持ち出されることを防止しつつ、SSIDおよびパスワードを簡易迅速に変更できる。操作部104bは、筐体101の前面に設けられる。操作部104bを筐体101の前面に設けることにより、ユーザの操作性を向上できる。
【0047】
なお、無線通信装置100bは、
図6に示すような無線通信装置100bを単体で壁面に設置されるものに限定されず、例えば電源コンセントやLAN端子などとともにスイッチボックスに収容されて壁面に埋め込まれて設置されてもよい。
【0048】
<<機能に係る構成>>
図7を参照して、無線通信装置100の機能構成について説明する。
図7は、無線通信装置100の機能構成を示す図である。
図7に示すように、無線通信装置100は、記憶部110と、通信制御部111と、表示処理部112とを含む。
【0049】
記憶部110は、設定情報D110を含む。
図8を参照して、設定情報D110について説明する。
図8は、設定情報D110の一例を示す図である。設定情報D110は、例えば、SSIDを主キーとして、パスワードおよびMACアドレスを関連づけて格納する。MACアドレスの項目には、無線通信装置100にアクセス中の通信端末200のMACアドレスが格納される。例えば、SSID「1a2b3c4d5f」に対応するMACアドレスの項目には、「12:34:56:78:90:ab」および「34:56:78:90:cd:12」を示す二つの通信端末200のMACアドレスが格納される。
【0050】
通信制御部111は、通信端末200との間で無線通信を行うアクセスポイントとして機能し、パスワードおよびSSIDの管理および変更などの制御を行う。通信制御部111は、パスワードおよびSSIDを設定情報D110に格納して管理する。そして、通信制御部111は、接続部102が電源端子と電気的に接続された状態で操作部104(例えばいずれか一つの操作部104)に対するユーザの操作入力を受け付けた場合、当該ユーザの操作入力を受け付けた時点(現在)で設定されているパスワード(以下、「第1のパスワード」という。)を、第1のパスワードとは異なるパスワード(以下、「第2のパスワード」という。)に変更する。通信制御部111は、変更した第2のパスワードを設定情報D110に格納する。これにより、無線通信装置100は、パスワードを簡易迅速に変更することができるため、例えば賃貸マンションの賃借人が変更した場合、パスワードを迅速に変更してセキュリティを確保することができる。なお、SSIDを変更せずパスワードのみ変更させる場合、SSIDについては、例えば、筐体101の外面にSSIDを示すシールを貼付してもよいし、SSIDの情報を含む二次元コード(例えば
図1の上面に示される二次元コード)を示すシールを貼付してもよい。
【0051】
また、通信制御部111は、第1のパスワードを第2のパスワードに変更することとともに、当該ユーザの操作を受け付けた時点(現在)で設定されているSSID(以下、「第1のSSID」という。)を、第1のSSIDとは異なるSSID(以下、「第2のSSID」という。)に変更してもよい。これにより、無線通信装置100は、パスワードとともにSSIDを簡易迅速に変更することができるため、例えば賃貸マンションの賃借人が変更した場合、パスワードとともにSSIDを変更してセキュリティを確保することができる。
【0052】
ここで、通信制御部111は、ランダムに生成される文字列に基づき第2のパスワードを生成する。
【0053】
具体的には、通信制御部111は、ランダムに生成される文字列を第2のパスワードとして生成してもよいし、記憶部110に記憶された複数のパスワードの候補を含むテーブルから、ランダムに生成される文字列(例えば乱数)に基づき選択されるパスワードを第2のパスワードとして生成してもよい。これにより、無線通信装置100は、セキュリティの高いパスワードを容易に生成可能となる。
【0054】
ランダムに生成される文字列とは、例えば、数字の列(例えば乱数)、記号の列、アルファベットの列、または、これらを組み合わせた列である。通信制御部111は、当該文字列を発生させる関数(例えば乱数を発生させるrand関数など)を用いて文字列を発生させてもよいし、予め生成された複数の文字列を含むテーブルを用いて文字列を発生させてもよい。
【0055】
また、通信制御部111は、ランダムに生成される文字列に基づき第2のSSIDを生成してもよい。
【0056】
具体的には、通信制御部111は、ランダムに生成される文字列を第2のSSIDとして生成してもよいし、記憶部110に記憶された複数のSSIDの候補を含むテーブルから、文字列(例えば乱数)に基づき選択されたSSIDを第2のSSIDとして生成してもよい。なお、第2のSSIDは、一部にMACアドレスの一部を含んでいてもよい。具体的には、第2のSSIDは、例えば、8桁のうちの上位5桁をMACアドレスの下位5桁としてもよく、この場合、下位3桁をランダムに生成される文字列としてもよい。
【0057】
また、通信制御部111は、第2のパスワードおよび第2のSSIDを生成する場合、ランダムに生成される文字列に基づいて第2のパスワードを生成する一方、第2のSSIDについては第2のパスワードを生成する手法とは別の手法を用いて生成してもよい。具体的には、通信制御部111は、ランダムに生成される文字列を第2のパスワードとして生成し、複数のSSIDの候補を含むテーブルから所定の手段(例えばテーブル内の候補を優先順など予め設定された規則で選択する手段)に基づき選択されたSSIDを第2のSSIDとして生成してもよい。
【0058】
また、通信制御部111は、操作部104(例えばいずれか一つの操作部104)に対するユーザの操作入力を所定の第1時間(例えば3秒)継続して受け付けた場合、第1のパスワードを第2のパスワードに変更してもよい。また、通信制御部111は、操作部104に対するユーザの操作入力を所定の第1時間継続して受け付けた場合、パスワードの変更を実行するか否かを確認する画面を表示部に表示させた後に、操作部104に対するユーザの操作入力をさらに受け付けた場合、第1のパスワードを第2のパスワードに変更してもよい。これにより、無線通信装置100は、ユーザが予期しないパスワード変更を防止できる。
【0059】
さらに言うと、通信制御部111は、操作部104に対するユーザの操作入力を第1時間よりも短い時間継続して受け付けた場合、現在のパスワードを表示部103に表示させてもよい。これにより、無線通信装置100は、ユーザの予期せぬパスワード変更を防止しつつ、現在のパスワードをユーザが容易に確認することができるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0060】
また、通信制御部111は、接続部102がコンセントの電源端子(例えば
図3(a)の電源端子401)に接続された場合、パスワードを制御可能に動作する。これにより、無線通信装置100は、コンセント400の電源端子401への接続と同時に、ユーザの操作入力なしにパスワードを変更可能とするため、ユーザの利便性を向上できる。
【0061】
表示処理部112は、各種画面を表示部103に表示させる。具体的には、表示処理部112は、
図2(a)に示す設定確認画面T1を表示部103に表示させる。設定確認画面T1は、SSIDが表示されるSSID表示領域T11と、パスワードが表示されるパスワード表示領域T12とを含む。
【0062】
<<処理手順>>
図9を参照して、無線通信装置100の処理手順の一例について説明する。
図9は、無線通信装置100の処理手順の一例を示すフロー図である。
【0063】
ステップS100において、無線通信装置100は、ユーザによりコンセント400の電源端子に接続部102が挿入されて電源が供給される。
【0064】
ステップS101において、無線通信装置100は、SSIDおよびパスワードを変更可能な設定確認画面T1を表示部103に表示させる。例えば、設定確認画面TIには、現在時点で設定されているSSIDおよびパスワードが表示される。
【0065】
ステップS102において、無線通信装置100は、ユーザによる操作部104に対するSSIDおよびパスワードを変更するための操作入力を受け付ける。
【0066】
ステップS103において、無線通信装置100は、例えば乱数である文字列を生成する。無線通信装置100は、当該文字列に基づきSSIDおよびパスワードを生成する。無線通信装置100は、生成したSSIDおよびパスワードを記憶部110に格納する。
【0067】
ステップS104において、無線通信装置100は、生成したSSIDおよびパスワードを設定確認画面T1に表示させる。これにより、簡易な方法でSSIDおよびパスワードが変更される。
【0068】
===ハードウェア構成===
無線通信装置100をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。
図10は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0069】
図10に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006とを含む。
【0070】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する通信制御部である。
【0071】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0072】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0073】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)、LANまたはWi-Fi等(以下、「LAN等」という。)のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0074】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばLAN等のインターフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0075】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばLAN等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0076】
===まとめ===
<1>無線通信装置100は、通信端末200との間で無線通信のアクセスポイントとして機能し、通信端末200がアクセスするためのパスワードを制御する通信制御部111と、通信制御部111を収容する筐体101と、筐体101の前面に設けられる、現在のパスワードを表示する表示部103と、表示部103に表示される又は筐体101に設けられる、ユーザにより操作される操作部104と、を備え、通信制御部111は、操作部104に対するユーザの操作を受け付けた場合、所定の変更手段(例えば乱数やテーブルを用いた手段)を用いて、現在のパスワードを、第1のパスワードから、第1のパスワードとは異なる第2のパスワードに変更する。これにより、無線通信装置100は、パスワードを簡易迅速に変更することができるため、例えば賃貸マンションの賃借人が変更した場合、パスワードを迅速に変更してセキュリティを確保することができる。
【0077】
<2>また、無線通信装置100は、壁面に設けられるコンセント400(例えば電源端子401)と電気的に接続される状態において、筐体101の前面に対する反対側の背面が壁面と対向し得るように、筐体101に設けられる接続部102をさらに備え、操作部104は、筐体101の背面ではない面に設けられる。これにより、無線通信装置100は、パスワードを容易に変更することができ、さらに、壁内に埋め込むことなく容易に設置することが可能となる。
【0078】
<3>無線通信装置100aにおいて、コンセント500は、接続部102と電気的に接続可能な電源端子501(第1の端子)と、電源端子501(第1の端子)と所定の距離を隔てて設けられる、LANコネクタ105や光コンセントなど(所定の接続部)と接続可能な通信端子502(第2の端子)と、を備え、無線通信装置100aは、筐体101に設けられる接続部102が電源端子501(第1の端子)と電気的に接続される状態において、通信端子502(第2の端子)と重なるように、筐体101の背面に設けられる窪み部107をさらに備える。これにより、無線通信装置100aは、電源端子501と電気的に接続された状態において、電源端子501の-Y方向に設けられる通信端子502とも電気的に接続することができるため、設置の利便性が向上される。すなわち、電源端子501の直下に通信端子502が配置されているコンセントに接続された状態においても通信端子502を利用することが可能となる。
【0079】
<4>無線通信装置100aにおける窪み部107は、接続部102が電源端子501(第1の端子)と電気的に接続される状態において、電源端子501(第1の端子)から通信端子502(第2の端子)への方向の、コンセント500の端部(
図5のコンセント500の-Y方向の端部)を超えて形成される。これにより、無線通信装置100aにおける設置の利便性が向上され、通信端子502を有効に利用することが可能となる。
【0080】
<5>無線通信装置100aにおける窪み部107は、接続部102が電源端子501(第1の端子)と電気的に接続される状態において通信端子502(第2の端子)と対向する面の深さが、通信端子502(第2の端子)と対向しない面の深さよりも深く形成される。これにより、無線通信装置100aにおける設置の利便性が向上され、通信端子502を有効に利用することが可能となる。
【0081】
<6>無線通信装置100aにおける窪み部107は、筐体101の下面(
図5の筐体101におけるLANコネクタ105が設けられている-Y方向の面)まで延伸して形成される。これにより、無線通信装置100aにおける設置の利便性が向上され、通信端子502を有効に利用することが可能となる。
【0082】
<7>また、無線通信装置100における通信制御部111は、パスワードと、パスワードに対応するネットワークのアクセスポイントのSSID(識別コード)と、を制御し、操作部104に対するユーザの操作を受け付けた場合、所定の変更手段を用いて、現在のSSID(識別コード)を、第1のSSID(第1の識別コード)から、第1のSSID(第1の識別コード)とは異なる第2のSSID(第2の識別コード)に変更する。これにより、無線通信装置100は、パスワードとともにSSIDを簡易迅速に変更することができるため、例えば賃貸マンションの賃借人が変更した場合、パスワードとともにSSIDを変更してセキュリティを確保することができる。
【0083】
<8>また、無線通信装置100における通信制御部111は、操作部104に対するユーザの操作を受け付けた場合、ランダムに生成される文字列に基づいて、第2のパスワードを生成する。これにより、無線通信装置100は、セキュリティの高いパスワードを容易に生成可能となる。
【0084】
<9>また、無線通信装置100における通信制御部111は、操作部104に対するユーザの操作入力を第1時間(所定の時間)継続して受け付けた場合、第1のパスワードを第2のパスワードに変更する。これにより、無線通信装置100は、ユーザが予期しないパスワード変更を防止できる。
【0085】
<10>また、無線通信装置100における通信制御部111は、操作部104に対するユーザの操作入力を第1時間(所定の時間)よりも短い第2時間継続して受け付けた場合、現在のパスワードを表示部103に表示させる。これにより、無線通信装置100は、ユーザの予期せぬパスワード変更を防止しつつ、現在のパスワードをユーザが容易に確認することができるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0086】
<11>また、無線通信装置100における接続部102は、コンセント400に差し込み可能なプラグであり、筐体101は、接続部102がコンセント400に接続された状態におけるX方向(水平方向)において、プラグのX方向(水平方向)の幅よりも長く、65mm以下のX方向(水平方向)の幅を有して形成される。これにより、無線通信装置100は、電源端子401に電気的に接続された状態で、コンセント400におけるX方向の他の端子と干渉しないよう構成される。
【0087】
<12>また、無線通信装置100における接続部102は、X方向(水平方向)と鉛直に交わるY方向(上下方向)において、筐体101の上面から-Y方向(下方向)に5mm以上で60mm以下の位置に設けられる。これにより、無線通信装置100は、電源端子401に電気的に接続された状態で、コンセント400におけるY方向の他の端子と干渉しない。
【0088】
<13>また、無線通信装置100における操作部104は、筐体101の前面に設けられ、筐体101の背面における接続部102の位置に対応するように、筐体101の前面の中央部よりも+Y方向(上方向)の筐体101の前面の所定の領域に設けられる。これにより、無線通信装置100は、操作部104に対するユーザの操作入力を受け付けたときに、操作入力による+Z方向への押圧力によって接続部102がコンセントから外れる方向に移動しない。
【0089】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0090】
100…無線通信装置、101…筐体、102…接続部、103…表示部、104…操作部、105…LANコネクタ、106…ネットワークインタフェース、107…窪み部、110…記憶部、111…通信制御部、112…表示処理部。
【要約】
【課題】 パスワードの変更が容易な無線通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 通信端末との間で無線通信のアクセスポイントとして機能し、前記通信端末がアクセスするためのパスワードを制御する通信制御部と、前記通信制御部を収容する筐体と、前記表示部に表示される又は前記筐体の前面に設けられる、現在のパスワードを表示する表示部と、前記筐体に設けられる、ユーザにより操作される操作部と、を備え、前記通信制御部は、前記操作部に対するユーザの操作を受け付けた場合、所定の変更手段を用いて、前記現在のパスワードを、第1のパスワードから、前記第1のパスワードとは異なる第2のパスワードに変更する。
【選択図】
図1