(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】情報提供方法、情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240904BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20240904BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2020148377
(22)【出願日】2020-09-03
【審査請求日】2023-06-12
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】山田 昭男
(72)【発明者】
【氏名】小倉 周人
(72)【発明者】
【氏名】濱田 樹
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0310013(US,A1)
【文献】特表2011-517966(JP,A)
【文献】特開平11-056819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0086500(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0214443(US,A1)
【文献】特開2017-224267(JP,A)
【文献】特開2006-350638(JP,A)
【文献】特開2011-198184(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0027052(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0055758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が使用する表示部を備えるクライアント装置と、クライアント装置が通信接続するサーバ装置との間でデータを送受信し、クライアント装置にて情報を利用者へ提供する情報提供方法であって、
前記サーバ装置は、
複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録をクライアント装置から受け付け、
前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、
複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを蓄積し、
前
記チーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、
前記複数の利用者夫々に対し、
前記利用者のアバターと、前記コーチのアバターとが登場し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位で
、前記コーチのアバターが前記利用者のアバターに対して語りかける様子を俯瞰する動画である指導情報を
、前記クライアント装置の前記表示部に表示させ
、
前記動画を、蓄積した行動変容に関するデータに基づき、前記コーチのアバターから前記利用者のアバターへのアドバイス又は叱咤激励のセリフを含むように作成し、
前記セリフへの前記利用者の回答を受け付けるインタフェースを前記表示部に表示し、
前記インタフェースを介して前記回答を受け付ける
情報提供方法。
【請求項2】
前記
動画には、前記利用者が所属するチーム内の他の利用者のアバター
も登場する
請求項
1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記行動変容に対する目標の設定を受け付け、
前記利用者のアバターの表示態様を、設定された目標に対する達成度に応じて変更する
請求項
1又は請求項
2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記コーチのアバターの表示態様を、設定された目標に対する前記利用者の行動変容の達成度に応じて変更する
請求項
3に記載の情報提供方法。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前
記チームを、前記複数の利用者それぞれの属性データ、又は、前記複数の利用者の前記行動変容に関するデータの類似性によって分別する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項6】
前記行動変容は、健康状態の増進のための行動変容であって、
前記行動変容に関するデータは、利用者の健康状態に関するヘルスケアデータである
請求項
5に記載の情報提供方法。
【請求項7】
同一の利用者に対し、異なるコミュニティへの参加を受け付ける
請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項8】
チーム毎に、及び、利用者毎に個別に、前記行動変容に対する目標に対する達成度に基づく成績を算出し、
算出された成績をクライアント装置の表示部に表示させる
請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項9】
前記指導情報における前記チーム毎のコーチの表示態様を、前記チームに対して算出された成績に応じて変更する
請求項
8に記載の情報提供方法。
【請求項10】
表示部を介して情報を提供する処理を実行する処理部を備える情報提供装置において、
前記処理部は、
複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録を受け付け、
前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、
複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを記憶媒体に蓄積し、
前
記チーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記コミュニティにおける前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、
前記複数の利用者夫々に対し、
前記利用者のアバターと、前記コーチのアバターとが登場し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位で
、前記コーチのアバターが前記利用者のアバターに対して語りかける様子を俯瞰する動画である指導情報を
、前記表示部に表示させ
、
前記動画を、蓄積した行動変容に関するデータに基づき、前記コーチのアバターから前記利用者のアバターへのアドバイス又は叱咤激励のセリフを含むように作成し、
前記セリフへの前記利用者の回答を受け付けるインタフェースを前記表示部に表示させ、
前記インタフェースを介して前記回答を受け付ける
情報提供装置。
【請求項11】
コンピュータに、情報を提供する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録を受け付け、
前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、
複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを記憶媒体に蓄積し、
前
記チーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、
前記複数の利用者夫々に対し、
前記利用者のアバターと、前記コーチのアバターとが登場し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位で
、前記コーチのアバターが前記利用者のアバターに対して語りかける様子を俯瞰する動画である指導情報を
、出力
し、
前記動画を、蓄積した行動変容に関するデータに基づき、前記コーチのアバターから前記利用者のアバターへのアドバイス又は叱咤激励のセリフを含むように作成し、
前記セリフへの前記利用者の回答を受け付けるインタフェースを出力し、
前記インタフェースを介して前記回答を受け付ける
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
表示部を備えるコンピュータに、前記表示部に情報を提供する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
該コンピュータの利用者の行動変容に関するデータを受け付け、
受け付けたデータに基づいて作成され、前記利用者のアバター及び前記利用者に対して決定される前記行動変容を促すコーチのアバターが登場
し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位で、前記コーチのアバターが前記利用者のアバターに対して語りかける様子を俯瞰する動画を含む指導情報を前記表示部に表示
し、
前記動画には、蓄積した前記利用者の行動変容に関するデータに基づき、前記コーチのアバターから前記利用者のアバターへのアドバイス又は叱咤激励のセリフが含まれ、
前記セリフへの前記利用者の回答を受け付けるインタフェースを前記表示部に表示し、
前記インタフェースを介して前記回答を受け付ける
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記行動変容は、健康状態の増進のための行動変容であって、
前記行動変容に関するデータは、利用者の健康状態に関するヘルスケアデータである
請求項
12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
利用者が使用する表示部を備えるクライアント装置と、クライアント装置が通信接続するサーバ装置との間でデータを送受信し、クライアント装置にて情報を利用者へ提供する情報提供システムであって、
前記サーバ装置は、
複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録をク
ライアント装置から受け付け、
前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、
複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを蓄積し、
前
記チーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、
前記複数の利用者夫々に対し、
前記利用者のアバターと、前記コーチのアバターとが登場し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位で
、前記コーチのアバターが前記利用者のアバターに対して語りかける様子を俯瞰する動画である指導情報を
、前記クライアント装置に表示させ
、
前記動画を、蓄積した行動変容に関するデータに基づき、前記コーチのアバターから前記利用者のアバターへのアドバイス又は叱咤激励のセリフを含むように作成し、
前記セリフへの前記利用者の回答を受け付けるインタフェースを前記表示部に表示する
情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの行動変容及びモチベーション維持に寄与する情報提供方法、情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
健康促進、学力向上、あるいは社会構造の改革といった目標に対して各人は、それまでの習慣、慣例からの脱却、目標に見合った行動変容が求められる。新たな文化、新たな生活習慣、学習習慣、社会活動における新たな慣習へ各人がモチベーションを維持し、定着するために、各人が所有するスマートフォン等の電子デバイスでの情報提供が大きく寄与してきた。
【0003】
特許文献1には、健康促進事業に関し、患者個人の趣味嗜好に合わせたコメント又はアドバイスを提示するエージェントを使用し、運動習慣や生活習慣の改善に対するモチベーションを向上させ、維持することを意図した技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
行動変容を促し、その後の習慣の定着へのモチベーションを維持するために、個人の嗜好に合わせた総合的な判断に基づくコメント又はアドバイスが有用であることは勿論であるが、依然として個人的な取り組みである。
【0006】
しかしながら、精神的苦痛を伴いかねない目標に対する行動変容及びその行動の定着には、課題及びそれに伴う苦痛を他者と共有することがモチベーションの維持につながる場合がある。
【0007】
本発明は、掛かる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザの行動変容及びモチベーション維持に寄与する情報提供方法、情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供システムを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態の情報提供方法は、利用者が使用する表示部を備えるクライアント装置と、クライアント装置が通信接続するサーバ装置との間でデータを送受信し、クライアント装置にて情報を利用者へ提供する情報提供方法であって、前記サーバ装置は、複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録をクライアント装置から受け付け、前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを蓄積し、前記複数のチーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、前記複数の利用者夫々に対し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位での指導情報を前記クライアント装置の前記表示部に表示させる。
【0009】
本開示の一実施態様の情報提供装置は、表示部を介して情報を提供する処理を実行する処理部を備える情報提供装置において、前記処理部は、複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録を受け付け、前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを記憶媒体に蓄積し、前記複数のチーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記コミュニティにおける前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、前記複数の利用者夫々に対し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位での指導情報を前記表示部に表示させる。
【0010】
本開示の一実施態様のコンピュータプログラムは、コンピュータに、情報を提供する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録を受け付け、前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを記憶媒体に蓄積し、前記複数のチーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、前記複数の利用者夫々に対し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位での指導情報を出力する処理を実行させる。
【0011】
本開示の一実施態様の情報提供システムは、利用者が使用する表示部を備えるクライアント装置と、クライアント装置が通信接続するサーバ装置との間でデータを送受信し、クライアント装置にて情報を利用者へ提供する情報提供システムであって、前記サーバ装置は、複数の利用者からのデータを利用した行動変容に関するコミュニティへの参加登録をクライアント装置から受け付け、前記複数の利用者の一部で編成されるチームのデータを作成し、複数の利用者から提供される前記行動変容に関するデータを蓄積し、前記複数のチーム毎、又は前記複数の利用者毎に、前記データの利用に基づく行動変容を促すコーチのデータを作成し、前記複数の利用者夫々に対し、前記コーチからの利用者別及びチーム単位での指導情報を前記クライアント装置に表示させる。
【0012】
本開示の情報提供方法、情報提供装置、コンピュータプログラム及び情報提供システムでは、利用者がデータを利用したコミュニティへの参加登録をした場合に、複数の利用者でチームが編成され、チーム毎又は利用者毎にコーチのデータが設定され、コーチからの指導情報として、蓄積されたデータを用いた情報が提供される。
【0013】
本開示の情報提供方法では、データバンクに蓄積されたデータを活用しつつ、コーチからの指導情報によって、クライアント装置からのデータの集約も増加し、行動変容に関するデータの更なる蓄積も可能になる。
【0014】
本開示の一実施形態の情報提供方法では、前記指導情報は、前記コーチのアバター及び利用者のアバターを含む。
【0015】
本開示の情報提供方法では、指導情報はコーチのアバター及び利用者のアバターを含んで表示される。利用者に対して直接的な指導情報が提示されるよりも、表示部に表示されるアバターを介して間接的に指導情報が受け止められ、行動変容に対する心理的な障壁の緩和が期待される。
【0016】
本開示の一実施形態の情報提供方法では、前記指導情報は、前記利用者が所属するチーム内の他の利用者のアバターを含む。
【0017】
本開示の情報提供方法では、利用者は、他の利用者も共に行動変容に向き合っていることを視覚的に感じて共感によってモチベーションを向上させることが期待できる。
【0018】
アバターを介した間接的な指導、同一のチームに所属する他の利用者を対象とする指導等と、利用者向けのメッセージによる指導とで、指導の選択肢が用意される。これにより、間接的な叱咤激励・アドバイスと、利用者に対する直接的な叱咤激励・アドバイスとを適宜組み合わせることが可能である。組み合わせは利用者の性格・特性に応じて変更されるように処理されるとよい。
【0019】
本開示の一実施形態の情報提供方法では、前記サーバ装置は、前記行動変容に対する目標の設定を受け付け、前記利用者のアバターの表示態様を、設定された目標に対する達成度に応じて変更する。
【0020】
本開示の情報提供方法では、行動変容に対する目標及びその達成度に応じてアバターの表示態様が変更される。達成度が高い場合にアバターの体型等が変わってもよいがそれに加え、表情が輝くなどしてもよい。表示態様に変更がみられることで、利用者に達成感を生じさせることができる。利用者は自分のアバターをキャラクタとして楽しみ、モチベーションを維持することができる。
【0021】
本開示の一実施形態の情報提供方法は、前記コーチのアバターの表示態様を、設定された目標に対する前記利用者の行動変容の達成度に応じて変更する。
【0022】
本開示の情報提供方法では、コーチのアバターも、チームの達成度又は利用者個別の達成度に応じて態様が変更される。達成度の高さに応じてコーチの表情が変更されるとよい。これにより、利用者に達成感を生じさせ、利用者は自分のアバターをキャラクタとして楽しみ、モチベーションを維持することができる。
【0023】
本開示の一実施形態の情報提供方法では、前記指導情報は、前記アバターが登場する動画である。
【0024】
本開示の情報提供方法では、上述したアバターは動画中に表示される。例えばコーチのアバターが利用者又はチーム全体に対する指導をする動画が表示される。利用者は自分のアバターが1人の登場人物として登場するコンテンツとして指導情報を楽しむことができる。動画は、再生、停止といった操作のみを受け付けるものとは限らず、選択肢を提示して利用者から選択を受け付けるゲームコンテンツのようなインタラクティブな動画も含む。これにより、指導情報を楽しむモチベーションの更なる向上が期待される。
【0025】
本開示の一実施形態の情報提供方法では、前記サーバ装置は、前記複数のチームを、前記複数の利用者それぞれの属性データ、又は、前記複数の利用者の前記行動変容に関するデータの類似性によって分別する。
【0026】
本開示の情報提供方法では、利用者は自動的にチームに振り分けられる。チームは、利用者の属性データ、又は行動変容に関するデータ(例えばヘルスケアデータ)の類似性で分別されてよい。目標値の設定の共有化が進み、同一の目標に対する利用者のモチベーションの維持・向上が期待できる。
【0027】
本開示の一実施形態の情報提供では、前記行動変容は、健康状態の増進のための行動変容であって、前記行動変容に関するデータは、利用者の健康状態に関するヘルスケアデータである。
【0028】
本開示の情報提供方法では、コミュニティにおける活動に関するデータは、各利用者のバイタルデータ等のヘルスケアデータであり、健康増進に関する行動変容が各コミュニティに対して求められている。利用者の健康増進・維持についてのデータバンクを利用した情報提供が実現される。
【0029】
本開示の一実施形態の情報提供方法では、同一の利用者に対し、異なるコミュニティへの参加を受け付ける。
【0030】
本開示の情報提供方法では、利用者は異なるコミュニティへの参加が可能である。コミュニティ別に行動変容に関する適切な目標の設定が可能になる。
【0031】
本開示の一実施形態の情報提供方法は、チーム毎に、及び、利用者毎に個別に、前記行動変容に対する目標に対する達成度に基づく成績を算出し、算出された成績をクライアント装置の表示部に表示させる。
【0032】
本開示の情報提供方法では、達成度に基づく成績が評価されて提示される。成績が表示されることで、利用者のアバターを育成するゲーム感覚で行動変容に関する活動の持続が期待できる。
【0033】
本開示の一実施形態の情報提供方法は、前記指導情報における前記チーム毎のコーチの表示態様を、前記チームに対して算出された成績に応じて変更する。
【0034】
本開示の情報提供方法では、コーチの表示態様は、チームの成績に応じて変化する。これにより利用者は、コーチに対して責任感を覚えて行動変容に対するモチベーションとすることができる。
【0035】
本開示の一実施形態のコンピュータプログラムは、表示部を備えるコンピュータに、前記表示部に情報を提供する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータに、該コンピュータの利用者の行動変容に関するデータを受け付け、受け付けたデータに基づいて作成され、前記利用者のアバター及び前記利用者に対して決定される前記行動変容を促すコーチのアバターが登場する動画を含む指導情報を前記表示部に表示する処理を実行させる。
【0036】
利用者が用いるクライアント装置では、行動変容に関するデータが利用者から入力された場合に、データに応じて作成された利用者のアバター及び利用者に対して行動変容を促すコーチのアバターが登場する動画を含む指導情報が表示される。行動変容に応じて利用者のアバター及び/又はコーチのアバターの表示態様が変わる動画によって、利用者に行動変容へのモチベーションを向上させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本開示における情報提供方法では、行動変容に係るモチベーションを向上・維持させることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本実施形態の情報提供システムの概要図である。
【
図2】情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】情報提供システムにおける口座開設手続きに係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】アバター登録受付処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】サーバ装置における口座開設手続きに関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】コミュニティ及びチームの構成例を示す図である。
【
図10】サーバ装置の初期的な情報提供に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】クライアント装置における進捗トレース処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】サーバ装置における分析処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】ヘルスケアアプリの通知(お知らせ)欄の表示例を示す図である。
【
図16】他の利用者に対するアクションの表示例を示す図である。
【
図21】変形例におけるコミュニティ及びチームの構成例を示す図である。
【
図22】変形例のサーバ装置における分析処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図23】コミュニティの総監督が登場する動画の内容例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示の情報提供方法を健康促進に関する情報提供システムに適用した例を挙げて説明する。
【0040】
図1は、本実施形態の情報提供システム100の概要図である。情報提供システム100は、各利用者が用いるクライアント装置1、利用者へ情報を提供するサーバ装置2、及び、各種データのデータベースを保有する記憶装置3を含む。
【0041】
情報提供システム100では、クライアント装置1を通して得られたデータ及び他のシステムから得られるデータを記憶装置3が受信し、各種データベースとして記憶してデータバンクとして機能する。サーバ装置2が、記憶装置3にて作成され、適宜更新されるデータベースのデータ、及びクライアント装置1を通して得られる対象ユーザの個別データを用いて行動変容及びモチベーション維持のための情報を作成し、クライアント装置1へ提供する。提供される情報は、データの入力に対して利用者にインセンティブを与えるものであることが望まれる。
【0042】
健康促進に関するデータを扱う本実施の形態において記憶装置3は、利用者の識別データに対応付けて健康診断データ、特定の検査結果のデータ、問診回答、行動履歴、ヘルスケアデバイスを介したバイタルデータ等を記憶する。カルテのデータ等も入力を受け付けられることが望ましい。ヘルスケアデバイスは例えば、加速度センサを用いて歩数、消費カロリー、睡眠状況を計測する。ヘルスケアデバイスは、心拍の計測又は位置情報の測定が可能であってもよい。
【0043】
サーバ装置2は、クライアント装置1又は検査会社等で使用されるクライアント装置1からのデータ入力を受け付ける受付部としての機能と、記憶装置3のデータバンクに対する分析処理を実行する分析部としての機能とを有する。サーバ装置2は、分析部での結果を含め、データバンクに集約されたデータを用いてクライアント装置1へ情報を適切な態様で提供する情報提供装置としての機能を発揮する。
【0044】
以下、情報提供システム100によるデータ分析及び情報提供について具体的内容を説明する。
【0045】
図2は、情報提供システム100の構成を示すブロック図である。クライアント装置1は、パーソナルコンピュータである。クライアント装置1は、スマートフォン、タブレット端末であってもよい。クライアント装置1は、処理部10、記憶部11、通信部12、表示部13、操作部14、及び位置情報取得部15を備える。
【0046】
処理部10は、CPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。処理部10は、プロセッサ、メモリ、記憶部11及び通信部12を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。処理部10は、記憶部11に記憶されているヘルスケアアプリ1Pに基づいてサーバ装置2と通信接続することが可能であり、後述する情報提供を受けて適切に表示する。
【0047】
記憶部11は、フラッシュメモリを用いる。記憶部11は、ヘルスケアアプリ1Pを含む処理部10が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部11には、利用者を識別する利用者IDが記憶されている。処理部10は、利用者ID及び対応するパスワード等のアクセス権限を示すデータ、並びにヘルスケアアプリ1Pに基づき、利用者用のアプリケーションとしてサーバ装置2とデータを送受信する。
【0048】
通信部12は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を含むネットワークNを介したサーバ装置2との無線通信を含む通信を実現する通信デバイスである。通信部12は、ネットワークカード、Wi-Fi に対応する無線通信デバイス、又はキャリア通信用モジュールである。また通信部12は、ヘルスケアデバイスと近距離無線通信によって通信接続し、ヘルスケアデバイスで得られるヘルスケアデータを取得してもよい。ヘルスケアデバイスは例えば、心拍、血圧等を測定できるウェアラブルデバイスである。ヘルスケアデバイスは、クライアント装置1自身であってもよい。
【0049】
表示部13は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部14は、利用者の操作を受け付けるインタフェースであり、キーボード及びマウスを用いる。操作部14は、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いてもよい。操作部14は、キーボード、マウス、タッチパネルにて表示部13で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
【0050】
位置情報取得部15は、クライアント装置1の位置情報を取得するデバイスである。位置情報取得部15は、GPS(Global Positioning System)受信デバイスを用いるか、又は通信部12のWi-Fi によって位置情報を特定してもよい。位置情報取得部15は、クライアント装置1と通信接続されるヘルスケアデバイスにて測定される位置データを取得してもよい。
【0051】
サーバ装置2は、サーバコンピュータを用いる。本実施の形態において以下の説明では、サーバ装置2は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよい。
【0052】
サーバ装置2は、処理部20、記憶部21、通信部22及び入出力部23を備える。処理部20は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するメモリを用いて各構成部を制御して処理を実行する。処理部20は、記憶部21に記憶されている情報提供プログラム2Pを含む各種プログラムに基づく情報処理を実行する。
【0053】
記憶部21は、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive)を用いる。記憶部21は、情報提供プログラム2Pを記憶しているほか、処理部20が参照する他のプログラム及びデータを記憶する。
【0054】
通信部22は、クライアント装置1との通信接続を実現するネットワークカードである。処理部20は、ネットワークNを介し、通信部22によってクライアント装置1と通信接続することが可能である。
【0055】
入出力部23は、記憶装置3との接続インタフェースである。処理部20は、入出力部23を介して接続された記憶装置3に対しデータの書き込み、データの読み出しが可能である。入出力部23は、ローカルネットワーク又は通信媒体を介した通信接続に代替されてもよい。
【0056】
記憶装置3は、データベース及びデータベースに対するデータの入出力処理を行なう処理部30、記憶部31及び入出力部32を備える。処理部30は、CPUを用い、データベース処理に関するプログラムに基づいて記憶部31に記憶されているデータに対する処理を実行する。
【0057】
記憶部31は、大容量記憶媒体である。記憶部31は例えばハードディスク、又はSSDを用いる。記憶部31には、データベースが構築される。
【0058】
入出力部32は、サーバ装置2との接続インタフェースである。処理部30は、入出力部32を介してサーバ装置2からのデータの書き込み若しくは読み出し、又は、データ演算を実行する。入出力部32は、ローカルネットワーク又は通信媒体を介した通信接続に代替されてもよい。
【0059】
以下、情報提供システム100におけるクライアント装置1及びサーバ装置2の間で実行されるデータの授受及びその際のクライアント装置1で提供される情報の態様について、フローチャート及び画面例を参照しながら説明する。情報提供システム100では、記憶装置3がデータバンクとして機能するために、クライアント装置1にてデータの入力を受け付ける。データバンクに個人の健康に関するデータを預け、預けたデータの運用に基づく情報提供を受けるため、利用者は情報提供システム100の利用者IDの発行を受けるために口座開設手続きを行なう。
【0060】
図3は、情報提供システム100における口座開設手続きに係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3のフローチャートに示す処理手順は、ヘルスケアアプリ1Pの初回起動時に実行される。
【0061】
クライアント装置1の処理部10は、ヘルスケアアプリ1Pを起動すると(ステップS101)、画面データに基づいて、登録画面を表示部13に表示させる(ステップS102)。処理部10は、登録画面上で利用者名、性別、年齢、メールアドレス等の属性データを受け付ける(ステップS103)。
【0062】
処理部10は、属性データを通信部12からサーバ装置2へ送信し(ステップS104)、サーバ装置2へのデータ送信に対する応答として、発行された利用者IDを受信する(ステップS105)。
【0063】
処理部10は、登録画面上にてヘルスケアデータの入力を受け付ける(ステップS106)。ステップS106において処理部10は、健康診断の結果に基づくデータ入力、又は健康診断の健診者IDの入力、カルテIDの入力、ヘルスケアデバイスとの連携に必要なデータの入力を受け付ける。ステップS106において処理部10は、アンケート形式で表示部13に表示させる画面上で問診内容を受け付けてもよい。チャット形式で受け付けてもよい。
【0064】
ステップS106では、データの受け付けと共に、データ利用の許諾を受け付けることが好ましい。
【0065】
処理部10は、登録画面上で、情報提供システム100によって提供される情報提供空間における利用者のデジタルツイン(以下、アバターともいう)の登録受付処理を実行する(ステップS107)。アバター登録受付処理手順については詳細を後述する。
【0066】
処理部10は、ステップS105で受信した利用者IDに対応付けて、ステップS106で受け付けたヘルスケアデータ、及び、ステップS107で受け付けられたアバターのデータを、通信部12からサーバ装置2へ送信する(ステップS108)。
【0067】
処理部10は、利用者IDに対応付けて、利用者の属性データ(利用者名、ニックネーム)と共に記憶する(ステップS109)。
【0068】
処理部10は、利用者IDに対応付けてサーバ装置2から送信される登録結果のデータを表示部13に表示させ(ステップS110)、初回起動時における口座開設手続きの処理を終了する。
【0069】
図4は、アバター登録受付処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4のフローチャートに示す処理手順は、
図3のフローチャートに示したステップS107の処理手順の詳細に対応する。
【0070】
処理部10は、ステップS103で入力された属性データ、及び、ステップS106で入力されたヘルスケアデータの内、内面的特徴に関連するデータを抽出してサーバ装置2へ送信する(ステップS701)。
【0071】
サーバ装置2の処理部20は、クライアント装置1から送信されるデータを受信し(S201)、受信したデータを用い、予め記憶してある内面的特徴の決定要素(「外向性」「情緒安定性」「開放性」「勤勉性」「協調性」といったビッグファイブと呼ばれる尺度等)について演算を実行する(ステップS202)。処理部20は、内面的特徴の指標データを算出し(ステップS203)、クライアント装置1へ送信する(ステップS204)。内面的特徴の指標データは、例えば性格の決定要素それぞれに関する尺度に対応する数値群、タイプを示す数値群を含むとよい。
【0072】
クライアント装置1の処理部10は、サーバ装置2から送信される指標データを受信し、一時的に記憶する(ステップS702)。
【0073】
処理部10は、内面的特徴、診断に関する選択肢又は入力欄を含む画面を表示し(ステップS703)、利用者からの内面的特徴に関する選択又は入力を受け付ける(ステップS704)。ステップS703及びステップS704において処理部10は、サーバ装置2から送信される指標データをベースに、予め選択肢、入力欄にテキスト等を初期的に入力しておいてもよい。
【0074】
内面的特徴(性格、行動特性)の入力を受け付け、内面的特徴の指標データを作成することにより、サーバ装置2の処理部20は、利用者のアバターに対する指導(アドバイス、叱咤激励)を適切に選択、決定することが可能になる。
【0075】
処理部10は、アバターの外見について、選択肢及びプレビュー表示を含む画面を表示し(ステップS705)、利用者からのアバターの外見について選択及び調整を受け付ける(ステップS706)。ステップS705及びステップS706において処理部10は、サーバ装置2から送信される指標データをベースに、自動的にアバターの体型、スタイル等を決定して初期的にプレビューとして表示させてもよい。処理部10は、選択及び調整された内容に基づき、利用者のアバターの体型について「やせ型」「標準」「太り気味」といった体型を示すデータ、顔の形、目などの形・色、髪型、性別、眼鏡の有無、服装等を示すデータを決定する(ステップS707)。
【0076】
処理部10は、ステップS707の決定後に
図3のフローチャートのステップS108へ処理を戻す。
【0077】
図5は、サーバ装置2における口座開設手続きに関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートに示す処理手順は、
図3のフローチャートに示したクライアント装置1における口座開設手続きに対するサーバ装置2側での処理手順の一例を示す。
【0078】
サーバ装置2の処理部20は、クライアント装置1にて受け付けられた属性データを受信し(ステップS211)、属性データについて利用者IDを発行し、属性データの送信元のクライアント装置1へ応答する(ステップS212)。
【0079】
処理部20は、発行した利用者IDに対応付けてクライアント装置1から送信されるヘルスケアデータ及びアバターのデータを受信し(ステップS213)、利用者IDに対応付けて記憶装置3のデータベースに記憶する(ステップS214)。
【0080】
処理部20は、利用者の属性データ及びヘルスケアデータに基づき、参加コミュニティの候補を決定し(ステップS215)、選択肢をクライアント装置1にて表示させ(ステップS216)、いずれのコミュニティへ参加するかの意思決定を受け付ける(ステップS217)。
【0081】
コミュニティは、ヘルスケアデータに基づく行動変容を異なるアプローチで分別した集合である。コミュニティは例えば、「認知症予防」、「生活習慣病予防」、「食生活改善」、「メタボ対策」等に、予め分別されており記憶装置3又は記憶部21に記憶されている。記憶装置3又は記憶部21には、各コミュニティの特徴と、性別及び年齢、健康状態のデータとの相関度を記憶しておく。
【0082】
処理部20はステップS215において、利用者の属性データに含まれる性別及び年齢等のデータと、ヘルスケアデータに含まれる健康状態のデータとに基づき、リスクが高いと医学的に判断されるアプローチのコミュニティを、候補として抽出する。このコミュニティは、例えば、疾病(未病)への対策を目的(テーマ)としたアプローチのコミュニティである。ステップS217にて利用者自身にコミュニティを選択させることで、利用者の意思と利用者のヘルスケアデータとに基づいたコミュニティへの配置が適切になされる。ステップS217において処理部20は、複数のコミュニティへの参加を受け付けてよい。つまり処理部20は、1人の利用者に対して「食生活改善」のコミュニティと「認知症予防」のコミュニティとの両方への参加を受け付けてもよい。
【0083】
処理部20は、利用者の属性データ、ヘルスケアデータ等に基づいて、参加コミュニティ内での利用者のコーチの決定及び所属チームの決定処理を実行する(ステップS218)。コーチは、ヘルスケアに関してデータ提供に協力する実在の複数の人物のデジタルツイン、及び、複数の架空のキャラクタから、又は、いずれか一方から、処理部20が決定する。処理部20は、利用者に対して1対1でコーチを決定してもよいし、決定される所属チームに対し1チーム1コーチでコーチを決定してもよい。処理部20は、利用者個別の専属コーチ及びチームのヘッドコーチを両方決定してもよい。処理部20は、利用者に対して1つの所属チームを決定してもよいし、複数の異なる所属チームを決定してもよい。異なる規模のチームは、大人数のチームと、そのチーム内の少人数のチーム(ペア)とであってもよい。
【0084】
図6は、コミュニティ及びチームの構成例を示す図である。
図6に示す例では、利用者が所属するコミュニティは、生活習慣病予防コミュニティである。生活習慣病予防コミュニティには、3つのチームが含まれている。
図6の構成例では、処理部20はメンバーに個別にコーチを決定し、且つ、チームに対してもコーチを決定した。
図6の構成例では、処理部20は、決定したチーム内に、メンバーが2人ずつのペアを決定した。なおペアは必須ではない。
【0085】
図5のフローチャートに戻り説明を続ける。処理部20は、ステップS218において、属性データ及びヘルスケアデータが類似する他の利用者を抽出してチームを編成又は決定する。新たに編成したチームについて処理部20はチームID及びチーム名を決定し、既存のチームに対象利用者を所属させる場合、対象のチームのチームIDを所属チームのチームIDとして決定する。処理部20は例えば、類似する血圧範囲、血糖、その他指標値を含む健康診断のデータの利用者を同一のチームに編成するか、それらの利用者を含むチームを選択して利用者を編入させる。処理部20は他の例では、類似する生活習慣(運動習慣、食事習慣)の利用者、年齢、性別等の属性データが類似する利用者を抽出してチームを編成する。チームの編成は基本的に変更されないが、利用者からの申請によってサーバ装置2にて再決定してもよい。
【0086】
処理部20はステップS218において、チームの複数の候補を決定し、クライアント装置1にていずれかの選択を受け付けて決定してもよい。
【0087】
処理部20は、決定したコーチ及び所属チームの他の利用者のデータを含む画面データを作成し(ステップS219)、作成した画面データを登録結果としてクライアント装置1へ送信し(ステップS220)、処理を終了する。
【0088】
図3から
図5のフローチャートに示した処理手順によって、利用者によるヘルスケアデータの入力、アバター及び利用者の口座開設手続きが完了する。
【0089】
図3から
図5のフローチャートに示した一例の処理手順では、ステップS106にてヘルスケアデータの入力がされた後に、アバターの登録を受け付ける(S107)とした。そのため、ヘルスケアデータ、属性データを、アバターの設定に使用した。しかしながら処理部10は、ステップS106のヘルスケアデータの入力に先んじてステップS107のアバターの登録を受け付けてもよい。この場合、クライアント装置1の処理部10は、ヘルスケアデータを使用せずに、利用者の操作にしたがって内面的特徴及び外見についてデータを受け付ける。
【0090】
図3から
図5のフローチャートに示した処理の内、クライアント装置1の処理部10によって実行される画面の表示、入力の受け付けは、ブラウザプログラムにて実行されるバックグラウンド処理に基づいてサーバ装置2にて実行されてもよいし、ブラウザプログラム上でクライアント装置1にて実行されてもよい。
【0091】
図7から
図9は、口座開設手続き中におけるクライアント装置1での画面表示例を示す図である。
図7は、登録画面300の一例を示す図である。
図7に示すように登録画面300は、属性データの入力欄を表示するためのメニュー301、各種ヘルスケアデータの入力欄を表示するためのメニュー302、及びアバターの設定画面(
図8)を表示するためのメニュー303を含む。属性データの入力欄は例えば、氏名、ニックネーム、メールアドレス等の入力欄を含む。属性データの入力欄の表示は、別画面で表示され、属性データの送信ボタンが含まれてもよい。
【0092】
図7の登録画面300の例では、ヘルスケアデータの入力欄を表示するためのメニュー302の下位層のメニューとして、検査データの入力に関するメニューを含む。検査データの入力に関するメニューは、
図7の例では、健康診断の結果のデータ、その他検査データ、既往症のカルテのデータを入力するためのメニューである。なお、これらのデータは、健康診断の受診者を識別する受診者ID、カルテのID等の入力により、ヘルスケアデータのデータバンクと連携する健康診断施設、クリニック、病院からデータを自動的にサーバ装置2で取得できるようにしてもよい。
【0093】
図7の登録画面300は、ヘルスケアデータの入力欄を表示するためのメニュー302の下位層のメニューとして、行動データの入力に関するメニューを含む。行動データの入力に関するメニューは、
図7の例では、ヘルスケアデバイスとの連携のための設定項目を入力するためのメニュー、食事に関するデータを入力するためのメニュー、運動に関するデータを入力するためのメニュー、睡眠に関するデータを入力するためのメニューを含む。その他、ヘルスケアに関する様々なデータの入力が可能であってよい。
【0094】
図7の登録画面300は、健康状態について問診回答を入力するための入力欄を表示するためのメニュー、ストレスチェックに関する問診回答を入力するための入力欄を表示するためのメニューを含む。
【0095】
図7の登録画面300においてヘルスケアデータの入力を表示するためのメニューが選択された場合、クライアント装置1の処理部10は、ヘルスケアアプリ1Pに基づき、メニュー毎に入力欄を非表示状態から表示させて受け付け、データの入力が完了すると非表示とさせる。処理部10は、入力欄を含む別画面を重畳表示させ、入力が完了すると非表示とさせてもよい。
【0096】
図8は、アバター設定画面304の一例を示す図である。アバター設定画面304は、
図7の登録画面300におけるメニュー303が選択された場合に表示される画面である。アバター設定画面304は、入力済みのヘルスケアデータを読み込むためのメニュー、内面的特徴についての選択肢又は入力欄を表示するためのメニュー、外見についての選択肢又は入力欄を表示するためのメニューを含む。アバター設定画面304は、その他、リアルなつながりがある他の利用者のデータの入力欄を表示するためのメニューを含んでもよい。
【0097】
入力済みのヘルスケアデータを読み込むためのメニューが操作部14によって選択された場合、処理部10は、
図7の登録画面300のヘルスケアデータの入力欄のメニュー302にて選択又は入力されたデータ(S106)に基づいて自動的に算出される指標データをサーバ装置2から取得する処理を実行する(S701,S702)。
【0098】
内面的特徴についての選択肢又は入力欄を表示するためのメニューは、思考・行動特性の診断用のメニュー、所謂ビッグファイブの尺度に基づく性格診断用のメニュー、その他のアンケート用のメニューを含む。これらのメニューが選択された場合、処理部10はヘルスケアアプリ1Pと共に予め記憶されている診断データに基づき、又はサーバ装置2からの診断データに基づき、質問及びそれに対する選択肢又は回答欄を表示して回答を受け付ける。
【0099】
外見についての選択肢又は入力欄を表示するためのメニューは、顔及び顔のパーツの選択肢を表示するためのメニュー、体格・体型・スタイルの選択肢を表示するためのメニュー、並びに、服装・眼鏡等の服飾の選択肢を表示するためのメニューを含む。メニューが選択された場合、処理部10はヘルスケアアプリ1Pと共に予め記憶されている外見のデータに基づき、又はサーバ装置2から提供されるデータに基づき、質問及びそれに対する選択肢又は回答欄を表示して回答を受け付ける。
【0100】
図9は、登録結果の一例を示す図である。
図9には登録結果として、利用者のアバター305、利用者が参加しているコミュニティ、所属チームのチーム名(チームID)、並びに、担当コーチのアバター306が表示されている。利用者は、異なるコミュニティ毎に異なるチームに所属するようにしてもよく、コミュニティ毎のチーム名が表示されてもよい。
図9の例においてアバター305,306は、人物キャラクタを線図で表現されているが、これに限らず、他の生き物であってもよいし、架空のキャラクタであってもよい。外見の変化が分かるように服装、表情が視覚的に確認できるように表現されていることが好ましい。クライアント装置1に備えられるカメラ(図示せず)で撮影した利用者自身の画像データ、可能であれば三次元画像データを他のアプリケーションプログラムで加工し、ゲームのキャラクタのようにデフォルメし、アバター305,306として利用してもよい。
【0101】
ヘルスケアデータのデータバンクに対する口座開設手続きが完了した後は、利用者のヘルスケア活動の進捗に応じて、サーバ装置2の情報提供機能によって適宜、アドバイス、指導等が実行される。利用者がヘルスケアアプリ1Pに、新たなヘルスケアデータを入力する都度、又はクライアント装置1に連動するヘルスケアデバイスでデータが取得される都度、サーバ装置2へデータが送信される。送信されたデータは、利用者IDに対応付けて時間情報と共に記憶装置3のデータベースに蓄積される。サーバ装置2の分析機能によって、蓄積されたデータが分析され、分析結果に基づき、情報提供機能によって利用者に対し、クライアント装置1へアドバイス、叱咤激励等の情報提供がされる。
【0102】
サーバ装置2は、チームが編成されると、チームに所属する利用者の初期的なヘルスケアデータに基づく行動指針に関する情報提供を実施する。
図10は、サーバ装置2の初期的な情報提供に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0103】
処理部20は、新たに編成されたチーム、又は新たに利用者が編入されたチームのチームIDを選択する(ステップS301)。
【0104】
処理部20は、選択したチームIDのチームに所属する利用者のヘルスケアデータを抽出し(ステップS302)、チームとしてのヘルスケアに関する改善行動の指針を決定する(ステップS303)。ステップS303において処理部20は、具体的には、チームの編成の基準となるデータ(健康診断データ、生活習慣のデータ、属性データ)の内、チームを構成する利用者同士で類似し、且つ改善する必要がある項目についての行動変容が必要な事項を決定する。処理部20は例えば、運動習慣が少ない利用者を含むチームでは、運動習慣を増加させることを行動指針とする。処理部20は他の例では、肥満傾向がある利用者を編成させたチームでは、肥満状態の改善を行動指針とする。
【0105】
処理部20は、決定した行動指針に対応する項目及び項目に対する目標値を決定し、チームIDと対応付けて記憶装置3に記憶する(ステップS304)。ステップS304において処理部20は、行動指針を運動習慣とした場合には、項目を運動回数、運動時間又は運動頻度を項目とし、項目に対する目標値を決定する。処理部20は他の例では、行動指針を肥満状態の改善とした場合には、摂取カロリーを項目とし、項目に対する目標値を利用者の状態に応じて決定する。
【0106】
処理部20は、選択したチームのコーチのアバターに、決定した行動指針及び対応する項目について話をさせた動画であるキックオフ動画を作成する(ステップS305)。ステップS305において処理部20は、選択したチームに所属している複数の利用者のアバターがコーチの話を聞いている様子を含む動画を作成してもよい。ステップS305において処理部20は例えば、コーチのアバターを立たせて少し動かし、セリフ(アドバイス)は吹き出し状にテキスト表示させ、利用者のアバターをコーチに面して座らせ、少し動かした動画を作成する。セリフについては、予め記憶されている行動指針に応じた複数のパターンのセリフからいずれかを選択してよい。処理部20は、予めシナリオとして音声で作成されたセリフを記憶部21又は記憶装置3から選択してもよい。このように、動画には、選択肢を提示して利用者から選択を受け付けるゲームコンテンツのようなインタラクティブな動画も含まれる。
【0107】
処理部20は、作成した動画をチームID及び時間情報を対応付けて記憶装置3に記憶させ(ステップS306)、動画へのリンクを含み視聴を求める通知を、選択したチームに所属する利用者の利用者IDに対応付けてクライアント装置1へ送信する(ステップS307)。
【0108】
処理部20は、選択されたチームに所属する利用者に対して個別のアドバイス動画を作成する(ステップS308)。ステップS308において処理部20は、コーチのアバター及びコーチの吹き出し状のセリフを動かしたアニメーション動画を作成する。
【0109】
処理部20は、作成した動画を利用者ID及び時間情報を対応付けて記憶装置3に記憶させる(ステップS309)。処理部20は、作成した動画へのリンクを含み視聴を求める通知を、対象の利用者の利用者IDに対応付けてクライアント装置1へ送信し(ステップS310)、初期的な情報提供に関する処理を終了する。
【0110】
ステップS307及びステップS310において処理部20は、通知を属性データに含まれる電子メールアドレス宛に送信してもよいし、クライアント装置1で実行されるメッセージアプリのIDへ向けて送信してもよい。処理部20は、利用者が次にヘルスケアアプリ1Pをクライアント装置1で起動させたときにメインメニューに動画へのリンクが表示されるようにしてもよい。この場合、クライアント装置1の処理部10が、ヘルスケアアプリ1Pの起動時にサーバ装置2から利用者IDへの通知を取得する。この場合、ヘルスケアアプリ1Pに基づいて処理部10が、ヘルスケアデバイスへ通知してもよい。
【0111】
図10のフローチャートに示した処理手順に応じてクライアント装置1では、ヘルスケアアプリ1Pが起動すると、通知を表示部13に表示させ、利用者の操作に従ってチーム向けのキックオフ動画、個別の利用者向けの動画を表示部13に表示させる。利用者は、初期設定として、ヘルスケアに関する行動変容の目標を、ヘルスケアアプリ1Pで設定してもよい。この場合、クライアント装置1の処理部10は、ヘルスケアアプリ1Pに基づいて目標設定メニューを表示し、目標設定メニューが選択された場合に、サーバ装置2からの通知に基づいて設定されるべき目標の候補リストを表示させる。処理部10は、いずれかを選択させ、回数、頻度等の数値については入力を受け付けて記憶部11へ記憶する。処理部10は、行動変容の目標として選択又は入力された回数、頻度等の数値をサーバ装置2へ送信するとよい。
【0112】
以後、クライアント装置1は、利用者の改善行動に応じてヘルスケアデータを取得し、サーバ装置2へ逐次、利用者IDと対応付けて送信する。ヘルスケアデータは、ヘルスケアデバイスで検知された運動量(歩数)のデータ、心拍等のバイタルデータであってもよいし、利用者自身でクライアント装置1の操作部14を用いて入力したデータであってもよい。
【0113】
クライアント装置1の処理部10は、ヘルスケアアプリ1Pに基づき、上述のヘルスケアデータが入力される都度、又は、1日、1週間若しくは1ヶ月といった定期的に、利用者の行動変容に対する進捗を追う処理を実行する。
図11は、クライアント装置1における進捗トレース処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0114】
処理部10は、利用者のヘルスケアデータに基づき、設定された行動変容の目標に対する進捗度合を決定する(ステップS401)。
【0115】
処理部10は、利用者のアバターのデータと、コーチのアバターのデータとに基づいて、進捗度合に応じた指導又はアドバイスの動画を作成する(ステップS402)。処理部10は、利用者のアバターのデータは記憶部11に記憶しておいたものを用い、コーチのアバターのデータをサーバ装置2から取得して、進捗度合に応じた指導又はアドバイスの動画を作成するとよい。動画の作成は、サーバ装置2にて実行し、処理部10はこれを取得するようにしてもよい。記憶部11には、達成度とその達成度で選択されるべき表情との関係が記憶されており、処理部10はこれを読み出して動画を作成する。進捗度合に応じて体型を変化させてもよい。ステップS402において処理部10は、各利用者の運動目標(例えば歩数)に対するチームに所属する利用者の進捗が、チームとしての目標に対してどれほどの割合に達しているか(達成度)に応じて、コーチのアバターの表情を明るくした動画を作成してもよい。処理部10は例えば、歩数の達成度に基づいて動画を作成する場合、達成度が高いチームのコーチのアバターの脚部分をキラキラとさせ、達成度が低いチームのコーチのアバターの脚部分を細くさせたような動画を作成する。カロリー制限の目標を設けて達成度を測る例では、処理部10は例えば、利用者の達成度の平均が所定値以上であれば、コーチのアバターの表情を明るくし、所定値未満であればコーチのアバターの表情を暗くする動画を作成する。セリフについて処理部10は、予め記憶されている行動指針に応じた複数のパターンのセリフからいずれかを選択してよい。処理部10は、予めシナリオとして音声で作成されたセリフを記憶部11から選択してもよい。
【0116】
処理部10は、ステップS402の動画を表示部13に表示させ(ステップS403)、指導又はアドバイスに応じて利用者からの回答を受け付ける(ステップS404)。ステップS404において処理部10は、コーチのアバターを表示部13に表示させて会話方式で回答を受け付けるとよい。処理部10は選択肢及び入力欄をコーチのアバター、又は問診用のドクターのアバターと共に表示させ、操作部14にて入力を受け付ける。処理部10は、受け付けた回答をサーバ装置2へ送信する(ステップS405)。
【0117】
ステップS405において処理部10は、利用者からの回答を、ドクターのアバターと、表示部13上の画面を見つめる利用者との会話として、チャット式に受け付けてもよい。この場合、利用者は、情報提供システム100から提供される専門家であるドクターと、直接的にコミュニケーションする感覚を得られる。
【0118】
処理部10は、サーバ装置2から、所属するチームの他の利用者の進捗度合のデータ及びアバターのデータを取得し(ステップS406)、他の利用者のアバターと共に表示部13に表示させる(ステップS407)。このとき、他の利用者のアバターの進捗度合によっては、他の利用者へのチームのコーチからの指導又はアドバイスが表示されるとよい。他の利用者への叱咤激励が表示されることで、利用者のモチベーションが向上することが期待できる。処理部10は、他の利用者に対するアクションをクライアント装置1の利用者から受け付ける(ステップS408)。ステップS408において処理部10は、他の利用者の進捗度合に対する「いいね」といった評価を受け付ける。処理部10は、利用者のアバターが、他の利用者へ話しかける動画を作成してもよい。
【0119】
ステップS407の表示において処理部10は、各利用者の進捗度合のデータに応じて利用者のアバターの表示態様を変化させることが好ましい。処理部10は例えば、アバターの顔の表情、顔色、体型等を変化させる。記憶部11には、達成度とその達成度で選択されるべき表情との関係が記憶されており、処理部10はこれを読み出して動画を作成する。処理部10は、進捗度合即ち達成度が所定値以上である利用者のアバターは、明るい表情とし、達成度が所定値以下である利用者のアバターは、暗い表情若しくは健康的でないことを示す効果線を重ねて表現した動画を作成する。
【0120】
処理部10は、受け付けたアクションの結果をサーバ装置2へ送信し(ステップS409)、進捗トレース処理を終了する。ステップS403及びステップS404における問診及び回答を、最後に実行してもよい。
【0121】
図10及び
図11のフローチャートに示す処理手順における「動画」は、各々が独立した動画として作成されてもよいが、ゲームのようにチーム内の利用者及びコーチ、並びに、問診を行なうドクター夫々のアバターとして登場するゲームのようなコンテンツとして作成されてもよい。行動指針に応じて複数のパターンで用意されるセリフ、アバターの動きから選択されて作成される。この場合、ヘルスケアアプリ1Pを起動すると、利用者は、ヘルスケアデータに関するデータバンクへの口座を有する利用者間のソーシャル育成ゲームのプレイヤーとしてコンテンツを楽しむことが可能である。
【0122】
コーチのみならず、ドクターを含む専門スタッフのキャラクタを登場させることにより、行動変容の必要性を利用者に向けて発信し、納得させることができる。この場合、ドクターのアバターから利用者のアバターへのデータを提示するのみならず、ドクターのアバターが、表示部13上の画面を見つめる利用者自身へ語りかけるような直接的な指導が可能になる。
【0123】
サーバ装置2は、データ受付部として機能して各利用者のクライアント装置1から送信されるヘルスケアデータを逐次受信し、受信したデータを利用者ID及び時間情報を対応付けて記憶装置3に記憶する。蓄積されるヘルスケアデータは、そのヘルスケアデータの所有者である利用者向けに処理されて提供されるだけでなく、他の利用者のヘルスケアデータと併せて処理され、分析結果に基づく情報提供に利用される。このため、利用者の登録時には、データ利用について許諾を受けておくが好ましい。
【0124】
続いてサーバ装置2は、1週間、1ヶ月、又は3ヶ月といった周期で、分析機能を発揮して例えば以下のような処理を実行する。
図12は、サーバ装置2における分析処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0125】
サーバ装置2の処理部20は、記憶装置3に各クライアント装置1から受信して蓄積されるヘルスケアデータに基づき、各利用者の行動変容に関する活動の達成度に関する数値を算出する(ステップS501)。
【0126】
処理部20は、チーム毎の達成度に関する数値を算出する(ステップS502)。ステップS502において処理部20は、同一チームに所属する利用者夫々の達成度に対して統計処理(合算、平均、中央値又は偏差の算出)等を実行して数値を算出する。
【0127】
処理部20は、算出した数値によってランキングを作成し(ステップS503)、ランキングに基づいて利用者及びチームに対して段位、称号、ポイント等の報奨を付与し、記憶する(ステップS504)。ステップS503において処理部20は、異なる規模のチームについては規模別にランキングを作成するとよい。
【0128】
処理部20は、作成されたランキングに基づいてチーム、及び、利用者個々を表彰する動画を作成する(ステップS505)。ステップS505において処理部20は、ヘルスケアに関する口座を有する利用者全体におけるチームを表彰する動画、チーム内で利用者を表彰する動画等、複数パターンを作成するとよい。ステップS505において処理部20は例えば、全体におけるチームの表彰動画として、チームの代表者の利用者又はコーチのアバターが、データバンクの代表者に対応する架空のキャラクタのアバターから表彰される動画を作成する。処理部20は、チームのアバター全員が表彰される動画を作成してもよい。個人の表彰がある場合に処理部20は、利用者のアバターが表彰される動画を作成する。処理部20は、チーム内で利用者を表彰する動画として、所属するチーム内の利用者のアバターと、コーチのアバターとを含み、表彰対象の利用者のアバターがコーチのアバターから表彰を受ける動画、又は、表彰対象の利用者をフォーカスした動画等を作成するとよい。
【0129】
処理部20は、作成した動画をチームID及び時間情報を対応付けて記憶装置3に記憶させ(ステップS506)、動画へのリンクを含み視聴を求める通知を、各利用者のクライアント装置1へ送信する(ステップS507)。
【0130】
ステップS507において処理部20は、通知を属性データに含まれる電子メールアドレス宛に送信してもよいし、クライアント装置1で実行されるメッセージアプリのIDへ向けて送信してもよい。処理部20は、利用者が次にヘルスケアアプリ1Pをクライアント装置1で起動させたときにメインメニューに動画へのリンクが表示されるようにしてもよい。この場合、クライアント装置1の処理部10が、ヘルスケアアプリ1Pの起動時にサーバ装置2から利用者IDへの通知を取得する。この場合、ヘルスケアアプリ1Pに基づいて処理部10が、ヘルスケアデバイスへ通知してもよい。
【0131】
処理部20は、表彰されたチーム及び利用者のヘルスケアデータに基づいて、行動変容に関する行動記録を作成し、記憶装置3に記憶する(ステップS508)、分析処理を終了する。
【0132】
ステップS508において処理部20は、利用者の初期的なヘルスケアデータ、設定された目標、その後の実績データ、改善がみられたデータ等を集約してまとめた、いわばプレゼン資料のようなデータを作成する。処理部20は、初期的な状態から現状に至るまでの動画等をストーリー仕立てにした動画を作成してもよい。例えば処理部20は、アバターの表情、体型等の変化と、行動変容に関するヘルスケアデータとを時系列に併せて表示させた動画を作成する。ステップS508において処理部20は、クライアント装置1にて編集を受け付けてもよい。
【0133】
クライアント装置1の処理部10は、通知を受けてヘルスケアアプリ1Pに基づいて動画へのリンクを含む画面を表示部13に表示させる。表示される画面例を挙げて、サーバ装置2からクライアント装置1へ提供される情報の表示について説明する。
【0134】
図13は、ヘルスケアアプリ1Pの通知(お知らせ)欄の表示例を示す図である。
図13に示すように表示部13には、利用者向けに送信された通知が表示されている。
図13の画面例に含まれる通知には、キックオフ動画の視聴を求める通知が含まれており、この通知には、動画を視聴するためのリンクが含まれている。
【0135】
図14は、キックオフ動画の内容例を示す図である。
図14では、動画の一場面を線画で示している。
図14に示すように、キックオフ動画はチームのコーチのアバター306と、利用者のアバター305と、同一チームの他の利用者のアバター307とを含む。キックオフ動画では、コーチのアバター306がチームの利用者のアバター305及び他の利用者のアバター307に対して語りかける様子を俯瞰する動画である。コーチのアバター306のセリフは、
図14中の符号308で示すように、吹き出し状に表示されている。その他、音声としてクライアント装置1から出力されてもよい。
【0136】
図15は、個別動画の内容例を示す図である。
図15では、動画の一場面を線画で示している。
図15に示すように、個別動画は、チームのコーチのアバター306と、利用者のアバター305と、コーチの吹き出し状のセリフ308とが表示されている。
図15では、動画に対し、利用者の回答を受け付けるインタフェース309が表示されている。
図15の例では、インタフェース309は、コーチのセリフ308に表示されている言葉への回答の選択肢を含む。利用者は、操作部14にて選択肢のいずれかを選択する。クライアント装置1の処理部10は選択肢の選択を表示している動画への回答として受け付け、サーバ装置2へ送信する。
【0137】
利用者にとっては、利用者自身に向けたアドバイスよりも、自分のアバターに対するアドバイスを客観的にとらえて、チームの成績に寄与する活動を実施するモチベーションを得ることが期待できる。
【0138】
図15に示した個別動画のように表示部13に選択肢又は入力欄を表示させつつ、利用者のヘルスケアデータを対話形式で処理部10が受け付けるようにしてもよい。各利用者は、自分がプレイヤーになりつつアバター305のコーチのアバター306との会話によって自然にヘルスケアデータの入力が可能になる。
【0139】
図16は、他の利用者に対するアクションの表示例を示す図である。
図16は、他の利用者のアバター307を含み、各利用者の進捗度合をアバター307の表情で表している。
図16の例では、1人の利用者の達成度は高いために表情は明るく、もう一人の利用者の達成度は低いために表情は暗い。
【0140】
図16において各アバター307の下方には、進捗度合の具体的内容を示すテキストと、「いいね」の評価を受け付けるアイコン310が表示されている。利用者が操作部14によってアイコン310を選択した場合、処理部10がこれをアクションとして受け付け、サーバ装置2へ送信する。サーバ装置2からは、「いいね」の評価があったことが利用者へ通知されるとよい。処理部10は、「いいね」の評価以外に、メッセージを受け付けてもよい。
【0141】
図17は、ランキングの表示例を示す図である。
図17の例で処理部20は、1週間の周期で
図12のフローチャートに示した処理手順を実行し、チーム毎、及び利用者個別の達成度を算出し、ランキングを作成し、報奨を付与し、動画を作成する。
図17では、チーム毎の達成度に関する数値の多い順で付与したランキングが示されている。
図17では、チームと別の規模のグループ(集団)、例えば2人によるペアの達成度のランキングも示されている。
図17では、利用者個別の達成度に関する数値に基づくランキングも示されている。ランキングの表示によって、モチベーションの維持が期待される。
【0142】
図18は、チーム実績の表示例を示す図である。
図18に示す例では、チームに対する項目、項目毎の目標、目標に対する実績及び達成度が表示されている。
図18には、利用者(自分自身)の実績を表示する画面へ遷移するためのアイコン311も含まれている。個別の取り組みでは行動変容へのモチベーションの維持が困難なところ、
図18に示すように、チームとして行動変容に関する達成度が表示されることによって各利用者のモチベーションの維持が期待できる。
【0143】
図18には、チーム名と共に既に付与されて記憶されている報奨に対応するアイコン312が表示されている。同一のチームに所属する他の利用者と共に獲得した報奨が表示されことで、利用者は達成感を得ることができる。
【0144】
図19は、表彰の動画の内容例を示す図である。
図19の例では、チームの表彰動画の一場面を線図で示している。
図19では、チームを代表するコーチのアバター306が報奨のトロフィーを受け取る場面が表示されている。
図19に示されているように、表彰されたチームに所属する利用者が喜ぶアクションを取っていることが表示されている。
図19には、表彰であることを演出するための拍手の音声及び手の動きが表示されているとよい。
【0145】
図20は、表彰の動画の他の内容例を示す図である。
図20の例では、チーム内の達成度が高かった利用者が個別に表彰されている一場面を線図で示している。
図20の例においても、表彰であることを演出するための拍手の音声及び手の動きが表示されている。利用者個別のみならず、コミュニティ内での表彰として、
図20のような動画が再生されてもよい。
【0146】
このように、利用者にとっては自分の分身であるアバター305が表彰されることで、喜びを感じることができる。自分に向けて直接、コーチのアバター306が正面を向いて表彰をしてくれる動画であってもよい。しかしながら、アバター305が間接的に表彰されることで、ゲーム感覚で行動変容のモチベーションを持ち続けることができる。叱咤激励される場合であっても、自分自身が直接叱咤されることと比べて、心理的なダメージも少なく、モチベーションの維持が期待できる。
【0147】
図19及び
図20では、表彰の動画を示しているが、逆に、叱咤激励の動画を作成し、クライアント装置1にて各利用者にて表示させてもよい。
図12のフローチャートの処理手順のうち、ステップS508に示した行動記録として、動画を作成し、行動変容の成功事例及び失敗事例として記憶装置3に記憶しておいてもよい。これにより、このままの習慣で予想される結果を推測することが容易になり、利用者への叱咤激励に使用することも可能になる。
【0148】
(変形例)
変形例においては、ヘルスケアデータに基づいて異なるアプローチでの行動変容を目指すコミュニティ毎に、監督のアバターが設定される。
図21は、変形例におけるコミュニティ及びチームの構成例を示す図である。
図21におけるコミュニティは、生活習慣病予防コミュニティである。変形例では、チーム毎に決定されるコーチ以外に、各チームのコーチによる指導方針を束ねるコミュニティ毎の総監督が決定される。コミュニティの総監督は、生活習慣病予防に関してデータ提供に協力する実在の専門家のデジタルツイン、及び、複数の架空のキャラクタから、又は、いずれか一方から、処理部20が決定する。
【0149】
コミュニティは予め、上述の実施の形態で説明したように、「認知症予防」、「生活習慣病予防」、「食生活改善」、「メタボ対策」等に、複数に分別されて、各コミュニティに相関する利用者の属性データ及び健康状態のデータと対応付けて記憶されている。コミュニティ監督のアバターは、予め作成されて記憶装置3又はサーバ装置2の記憶部21に記憶されている。
【0150】
図22は、変形例のサーバ装置2における分析処理手順の一例を示すフローチャートである。サーバ装置2の処理部20は、
図22のフローチャートに示す処理手順を、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、又は1年といった周期(例えばチーム毎の成績を算出する周期と同一又はそれよりも長い周期)で、記憶装置3のデータバンクに蓄積されたデータに基づいて実行する。サーバ装置2の処理部20は、複数のコミュニティ夫々について実行する。
【0151】
サーバ装置2の処理部20は、コミュニティを選択する(ステップS601)。処理部20は、選択されたコミュニティ全体に対して予め設定している行動変容の目標を記憶部21又は記憶装置3から読み出す(ステップS602)。
【0152】
処理部20は、選択中のコミュニティに所属している利用者の行動変容に関するデータ(ヘルスケアデータ)に基づき、ステップS602で読み出した目標に対する達成度を各利用者について算出する(ステップS603)。
【0153】
処理部20は、各利用者の達成度に基づき、コミュニティ全体での行動変容の目標に対する達成度を算出する(ステップS604)。ステップS604において処理部20は、選択中のコミュニティに所属する利用者の達成度に対して統計処理(合算、平均、中央値又は偏差の算出)等を実行して数値を算出する。
【0154】
処理部20は、コミュニティの総監督の態様を、算出した数値に応じた態様で表した動画であって、コミュニティにおける今周期の活動の報告動画である動画を作成する(ステップS605)。ステップS605において処理部20は、コミュニティの総監督のアバターと、コミュニティに属するチーム夫々のコーチ(ヘッドコーチ)のアバターとを登場させ、総監督のアバターが、チームを代表する複数のコーチのアバターに対して報告、叱咤激励等を行なう動画を作成する。記憶部21には、達成度とその達成度で選択されるべき表情との関係が記憶されており、処理部20はこれを読み出して動画を作成する。
図23で示すように、処理部20は、達成度が高い場合は明るい表情、達成度が低い場合は暗い表情の動画を作成する。処理部20は、達成度に応じてアバターの大きさを変更してもよい。処理部20は、総監督のアバターに、各チームのコーチへ助言させる動画を作成してもよい。セリフはテキスト又は音声である。
【0155】
処理部20は、作成した動画を、コミュニティを識別するデータ(名称又はID等)及び時間情報を対応付けて記憶装置3に記憶する(ステップS606)。処理部20は、動画へのリンクを含み視聴を求める通知を、各利用者のクライアント装置1へ送信し(ステップS607)、処理を終了する。
【0156】
続いて処理部20は、
図12のフローチャートに示した処理手順を実行し、チーム毎及び利用者個別の成績を算出し、それに応じたランキング及び動画を作成するとよい。
【0157】
図23は、コミュニティの総監督が登場する動画の内容例を示す図である。
図23は、動画の一場面を線図で示している。
図23に示すコミュニティの動画は、総監督のアバター313と、複数のコーチのアバター306とを含む。
図23に示すように、コミュニティの動画は一例では、総監督のアバター313が複数のコーチに対して語りかける様子を俯瞰する動画である。
図23の例では、達成度が良好であったため、総監督のアバター313の表情はやや明るい。
【0158】
本実施の形態では、情報提供の対象のデータはヘルスケアデータとして説明した。しかしながらデータバンクで蓄積し、それに基づいて情報提供の根拠となるデータは、行動変容に係るデータであればよい。例えば、学習習慣のデータ(勉強時間、成績等)、車両の燃費(時間、運転の仕方)、企業の二酸化炭素排出のデータ(使用エネルギー量)、あるいは推奨されるべき新たな行動習慣(人同士の距離、手洗い等)、多様なデータに適用が可能である。
【0159】
なお上述の実施形態での説明では、1つのデータバンク及び複数の利用者について説明した。利用者のクライアント装置1はいずれも同一のデータバンクの口座を持っている。しかしながら、サーバ装置2の機能は、複数のデータバンク及びその複数の利用者に対して実現されてよい。この場合、サーバ装置2は、異なるデータバンクに対して開設された口座のクライアント装置1から同様にデータを受け付ける。ヘルスケアアプリ1Pに基づいて処理部10は、異なるデータバンク(銀行A,銀行B)のいずれかと連携して動作する。利用者IDを、異なるデータバンクのいずれかと対応付けて区別し、サーバ装置2で処理することで、N個のデータバンクと、1つのサーバ装置2からの情報提供が可能である。サーバ装置2は、クライアント装置1を介してデータを受け付けた場合、クライアント装置1の利用者に対応するデータバンク用のデータベースにデータを記憶する。サーバ装置2は、利用者に対応するデータバンクのデータベースに、その利用者からのヘルスケアデータを記憶する。サーバ装置2は、記憶装置3に記憶するデータベースを互いに混合しない。またこの場合、異なるデータバンクに口座を開設した複数の利用者は、同一のコミュニティ、同一のチームに所属可能である。異なるデータバンクの口座を介して提供されるデータはそのまま外部のデータバンクで記憶するデータとしつつ、データを匿名化して記憶装置3で記憶されて大きなビックデータベースとして使用されてもよい。
【0160】
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0161】
1 クライアント装置
10 処理部
11 記憶部
12 通信部
13 表示部
14 操作部
1P ヘルスケアアプリ
2 サーバ装置(情報提供装置)
20 処理部
21 記憶部
2P 情報提供プログラム(コンピュータプログラム)
3 記憶装置
31 記憶部