IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピルキントン グループ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-03
(45)【発行日】2024-09-11
(54)【発明の名称】スイッチングデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20240904BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20240904BHJP
【FI】
H01H35/00 Z
H01H35/00 C
H01H13/00 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020534263
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 GB2018053736
(87)【国際公開番号】W WO2019122913
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】1721722.5
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】591229107
【氏名又は名称】ピルキントン グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195556
【弁理士】
【氏名又は名称】柿沼 公二
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン ローランド デイ
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-521353(JP,A)
【文献】実開昭49-53261(JP,U)
【文献】特開2017-162749(JP,A)
【文献】実開昭59-104430(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/00
H01H 13/00
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主表面および反対側の第2の主表面を有する、少なくとも第1のグレイジング材シートと、前記第1のグレイジング材シートの前記第1の主表面に取り付けられたスイッチと、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面に面するセンサアセンブリと、を備える、スイッチングデバイスであって、前記スイッチは、前記センサアセンブリと動作可能に結合された可動部を備え、該スイッチの操作時に、当該可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、該可動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動が前記センサアセンブリによって検出可能であり、前記可動部が少なくとも1つの音響信号によって前記センサアセンブリに動作可能に結合され、当該少なくとも1つの音響信号は、前記可動部が前記第1の位置から前記第2の位置に移動することにより生成され、当該音響信号は、前記センサアセンブリによって検出可能である、スイッチングデバイス。
【請求項2】
第1の主表面および反対側の第2の主表面を有する、少なくとも第1のグレイジング材シートと、前記第1のグレイジング材シートの前記第1の主表面に取り付けられたスイッチと、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面に面するセンサアセンブリと、を備える、スイッチングデバイスであって、前記スイッチは、前記センサアセンブリと動作可能に結合された可動部を備え、該スイッチの操作時に、当該可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、該可動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動が前記センサアセンブリによって検出可能であり、前記可動部が、少なくとも第1の電磁放射ビームによって前記センサアセンブリと動作可能に結合され、前記第1の電磁放射ビームは、前記第1のグレイジング材シートを透過し、前記可動部が前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記第1の電磁放射ビームが乱される、スイッチングデバイス。
【請求項3】
前記センサアセンブリがセンサおよび基板を備え、当該基板は、第1の主表面および第2の反対側の主表面を有し、当該センサは、前記可動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動を検出するように構成されている、請求項1または2のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項4】
前記センサが、前記基板の前記第1または第2の主表面上に取り付けられ、かつ/あるいは、前記基板の前記第1の主表面が、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面に面している、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項5】
前記センサが、前記基板の前記第1の主表面上に取り付けられ、当該基板の当該第1の主表面が、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面に面しており、または、前記センサが、前記基板の前記第2の主表面上に取り付けられ、当該基板の前記第1の主表面が、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面に面している、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項6】
前記センサアセンブリが、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面上に取り付けられたセンサを備え、当該センサが、前記可動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動に起因する、当該可動部と前記センサアセンブリとの間の結合における変動を検出するように構成されている、請求項1または2のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項7】
前記センサが感知部を備え、当該感知部は、前記第1のグレイジング材シートの前記第2の主表面に面している、請求項のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項8】
前記センサアセンブリが、前記スイッチの前記可動部の前記第1の位置から前記第2の位置への移動を検出する近接センサとして機能する、請求項1~のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項9】
前記第1の電磁放射ビームが、300nm~3000nmの範囲の少なくとも1つの波長を有する電磁放射を含む、請求項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項10】
前記センサアセンブリが、(i)前記第1の電磁放射ビームを前記第1のグレイジング材シートを通して前記可動部に向けて放出するトランスミッタ部と、(ii)電磁放射を検出するための感知部と、を備え、前記可動部は、前記トランスミッタ部によって放出された電磁放射を反射する部分を備え、前記可動部が前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記第1の電磁放射ビームからの電磁放射が前記感知部に反射される、請求項またはのいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項11】
前記第1のグレイジング材シートから離間した第2のグレイジング材シートをさらに備え、前記センサアセンブリが前記第1および第2のグレイジング材シートの間にある、請求項1~10のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項12】
前記第1のグレイジング材シートが、少なくとも1つの接着性層間材シートによって、前記第2のグレイジング材シートに接合されており;または、前記第1のグレイジング材シートは、当該第1および第2のグレイジング材シートの間に少なくとも1つの空気空間が存在するように、外周シールによって、前記第2のグレイジング材シートに接合される、請求項11に記載のスイッチングデバイス。
【請求項13】
第2のグレイジング材シートをさらに備え、前記基板が第1の接着性層間材シートと第2の接着性層間材シートとの間にあり、当該第1および第2の接着性層間材シートが前記第1および第2のグレイジング材シートの間にある、請求項のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項14】
前記スイッチの前記可動部が、手動で生成された力によって前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させられ、および/または当該スイッチの当該可動部が、前記第1の主表面に平行または垂直である手動で生成された力によって前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させられ;または、前記スイッチの前記可動部が、前記第1のグレイジング材シートの前記第1の主表面に対して摺動可能または回転可能であり;または、前記スイッチの前記可動部が押し下げ可能な部分である、請求項1~13のいずれか一項に記載のスイッチングデバイス。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の少なくとも1つのスイッチングデバイスを備える窓またはドアであって、当該窓またはドアは、内部を有する車両または内部を有する建物の一部であり、前記第1のグレイジング材シートの前記第1の主表面が、前記車両の内部または前記建物の内部とは反対側を向いている、窓またはドア。
【請求項16】
前記スイッチングデバイスが電気的に動作可能なデバイスに操作可能に連結され、当該電気的に動作可能なデバイスは、少なくとも部分的に、車両の窓、車両のドア、車両の後部窓、車両のボンネット、車両のトランクカバー、および車両の給油口キャップの1つまたは複数の動作状態を制御する、請求項15に記載の窓を有する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレイジング材のシートを備えるスイッチングデバイスに関し、スイッチングデバイスは、該スイッチングデバイスと通信する電気的に動作可能なデバイスを作動させるために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
スイッチを使用して電動デバイスに電流を流し、それにより電動デバイスを作動させることは周知である。
【0003】
多くの用途において、スイッチは、作動される電動デバイスから離れて配置されており、例えば、室内灯は、通常、壁に配置されたスイッチによってオンまたはオフに切り替えられる。
【0004】
別の用途では、スイッチは、電動デバイスと一体化されていてもよく、例えば、テレビまたは携帯電話の「オン/オフ」プッシュボタンタイプのスイッチは、通常、画面を囲うハウジングに配置されている。
【0005】
特定の用途では、スイッチを電動デバイスと一体化することが困難である。例えば、ドアを開閉または施錠/解錠する電気的に動作可能な機構を含むドアの用途では、ドアフレームにスイッチを組み込むのが通常である一方で、ドアリーフ自体にスイッチを配置することがしばしば望ましい。これは特定のタイプのドアリーフでは許容できる場合があるが、ガラス製のドアリーフの場合、ドアリーフを形成しているガラスシートにスイッチを組み込むことは難しい。1つの既知の解決策は、ガラス製のドアリーフに(通常は、ドリルで)適切なサイズの穴を設け、その穴に適切なスイッチを組み込むことである。しかしながら、そのような解決策はドアリーフを脆弱化させる場合があり、また、熱強化ガラスを必要とする用途では、ガラスシートを熱強化する前に穴を開けなければならない。この状況は、グレイジング材のペインを備える窓の場合も同様であり、特定の状況では、グレイジング材のペインにスイッチを配置することが望ましい場合がある。
【0006】
コントロールシャフト開口部がない固体パネルで使用するための制御装置は、米国特許第4233593号に記載されている。
【0007】
スイッチ/ディスプレイユニットは、英国特許出願公開第2157078(A)号に記載されている。
【0008】
電気調理器の制御装置は、米国特許第5920131号、米国特許第6498326(B1)号、独国特許第102004013947(B3)号に記載されている。カバーパネルを有する電気器具を切り替えて制御するための制御要素は、米国特許第6294906(B1)号に記載されている。
【0009】
リモートでアクティブ化されるワイヤレススイッチを使用することも知られている。そのようなスイッチは、自動車分野で知られており、トランクカバー(トランクの蓋)を遠隔操作で開くために車両で使用されている。
【0010】
通常、車両のキーフォブは、車両内のセンサに信号を無線で送信するための適切な回路を含み、センサがトランクカバーの開放機構を作動させる。
【0011】
しかしながら、そのようなシステムの操作が困難な場合もあり、例えば、キーフォブをさらに作動させる必要がある場合などである。
【0012】
より多くの車両がキーレスエントリー(ユーザのキーフォブの存在を検出すると、車両のドアのロックが解除されることが知られている)に移行するにつれて、車両を運転するために実際のキーを車両のイグニッションシステムに物理的に挿入する必要がないため、キーフォブのアクセス可能性がさらに問題になっている。そのようなシステムでは、ユーザのキーフォブの存在を検出することでドアおよび/またはトランクカバー機構のロックが解除されるが、スイッチ(ドアハンドル、トランク開放機構)を手動で操作して車両にアクセスする必要があり、このようなスイッチの位置は、主に車体の設計によって決まっている。
【0013】
車両のキーレスエントリーシステムは、米国特許第6617975(B1)号に記載されている。
【0014】
例えば、国際公開第2008/113978(A1)号に記載されているように、積層グレイジングに組み込まれた容量性スイッチを使用することが知られている。容量性スイッチは、車両の窓の外面の雨滴の影響を受けたり、かつ/あるいは車両のユーザが手袋を着用したりして、このタイプのスイッチを手動で操作することが困難になる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前述の問題を少なくとも部分的に克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明は、第1の態様から、第1の主表面および反対側の第2の主表面を有する、少なくとも1つの(第1の)グレイジング材シートと、第1のグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられたスイッチと、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面するセンサアセンブリと、を備える、スイッチングデバイスを提供する。スイッチは、センサアセンブリと動作可能に結合された可動部を備え、該スイッチの操作時に、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、該可動部の第1の位置から第2の位置への移動がセンサアセンブリによって検出可能である。
【0017】
スイッチの可動部の動きをセンサアセンブリと連関させることにより、スイッチをグレイジング材シートの一方側に配置し、センサアセンブリを反対側に配置することができる。これにより、グレイジング材シートに、該グレイジング材シートを脆弱化させる可能性のある穴またはボア(すなわち、貫通穴または止まり穴)を使用する必要がなくなる。さらに、第1のグレイジング材シートの第1の主表面にスイッチを取り付けることにより、該スイッチを人が容易に見えるように配置し、またその操作をより簡単にするのにより都合よく配置することができる。可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、可動部とセンサアセンブリとの間の結合にパータベーションが生じ、それはセンサアセンブリによって第1のグレイジング材シートを通して遠隔で感知され得る。
【0018】
本発明は、グレイジング材シートの一方側に取り付けられたスイッチと、グレイジング材シートの他方側に取り付けられたセンサアセンブリと、を備える異なる実施形態で実行することができる。すなわち、スイッチは、少なくともグレイジング材シートによってセンサアセンブリから離間されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリがセンサおよび基板を備え、基板は、第1の主表面および第2の反対側の主表面を有し、センサは、可動部の第1の位置から第2の位置への移動を検出するように構成されている。
【0020】
好ましくは、センサは、基板の第1または第2の主表面上に取り付けられている。
【0021】
好ましくは、基板の第1の主表面は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。
【0022】
好ましくは、センサは、基板の第1の主表面上に取り付けられ、当該基板の第1の主表面が、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。
【0023】
好ましくは、センサは、基板の第2の主表面上に取り付けられ、当該基板の第1の主表面が、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。
【0024】
好ましくは、基板は光学的に透明である。
【0025】
好ましくは、基板は、センサおよび/またはセンサアセンブリによる、可動部の第1の位置から第2の位置への移動の検出を妨げない。
【0026】
好ましくは、基板に開口部があり、センサが基板の当該開口部に配置される。
【0027】
好ましくは、基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはガラスシート、好ましくはソーダ石灰シリカガラスシートを含む。
【0028】
好ましくは、センサアセンブリは、基板の第1および/または第2の主表面上に少なくとも1つの導電性経路を備え、当該少なくとも1つの導電性経路がセンサと電気的に連通している。
【0029】
好ましくは、基板の第1および/または第2の主表面上の少なくとも1つの導電性経路は、導電性コーティング、特に、印刷されたインク、またはITOもしくはフッ素ドープ酸化スズの層などの透明導電性コーティングを含む。
【0030】
好ましくは、基板は、少なくとも1つの接着層によって第1のグレイジング材シートに取り付けられている。基板を第1のグレイジング材シートに取り付けるために使用する少なくとも1つの接着層は、センサおよび/またはセンサアセンブリの、可動部の第1の位置から第2の位置への移動を検出する能力を妨げないことが好ましい。
【0031】
好ましくは、センサが感知部を備え、当該感知部は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。
【0032】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面上に取り付けられたセンサを備え、当該センサは、可動部の第1の位置から第2の位置への移動を検出するように構成されている。
【0033】
好ましくは、センサアセンブリは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面上に少なくとも1つの導電性経路を備え、当該第1のグレイジング材シートの第2の主表面上の少なくとも1つの導電性経路は、好ましくは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面上に取り付けられたセンサと電気的に連通している。
【0034】
好ましくは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面上の少なくとも1つの導電性経路は、導電性コーティング、特に、印刷されたインク、またはITOもしくはフッ素ドープ酸化スズの層などの透明導電性コーティングを含む。
【0035】
好ましくは、センサが感知部を備え、当該感知部は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。
【0036】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリは感知部を有するセンサを備え、当該感知部は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。感知部によって検出可能な信号は、第1のグレイジング材シートを通過して感知部に到達する。
【0037】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面上に取り付けられたセンサを備え、当該センサは、可動部の第1の位置から第2の位置への移動に起因する、可動部とセンサアセンブリとの間の結合にけるパータベーションを検出するように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリがセンサおよび基板を備え、当該基板が第1の主表面および第2の反対側の主表面を有し、センサが感知部を有し、当該センサは、基板の第1または第2の主表面上に取り付けられ、さらに、感知部は、基板の第1または第2の主表面に面し、基板の第1または第2の主表面は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面している。
【0039】
好ましくは、基板は、感知部によって検出可能な信号に対して透明である。これらの実施形態では、感知部によって検出可能な信号が基板と通過して感知部に達するように、感知部が基板の第1または第2の主表面に面していることが好ましい。
【0040】
好ましくは、基板に開口部があり、感知部は、該感知部によって検出可能な信号が基板の開口部を通過して感知部に達するように、基板の開口部に面するように配置される。
【0041】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、感知部を有するセンサを備え、該感知部は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面とは反対側を向いている。
【0042】
いくつかの実施形態では、センサアセンブリは、スイッチの可動部の第1の位置から第2の位置への移動を検出する近接センサとして機能する。
【0043】
いくつかの実施形態では、可動部が電場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されている。
【0044】
好ましくは、センサアセンブリ静電容量センサを備え、可動部の動きにより、センサアセンブリによって検出可能な静電容量の変化が引き起こされる。
【0045】
好ましくは、スイッチの可動部が少なくとも1つの導電性プレートを備え、センサアセンブリが第1および第2の導電性プレートを備え、可動部の導電性プレートの少なくとも一部とセンサアセンブリの第1の導電性プレートとの間に第1の静電容量が存在し、かつ可動部の導電性プレートの少なくとも一部とセンサアセンブリの第2の導電性プレートとの間に第2の静電容量が存在するように、可動部の導電性プレートがセンサアセンブリの第1および第2の導電性プレートと容量結合されており、可動部の導電性プレートが、センサアセンブリの第1の導電性プレートに対する第1の位置から、当該センサアセンブリの当該第1の導電性プレートに対する第2の位置まで移動すると、第1および/または第2の静電容量が変化する。第1および/または第2の静電容量の変化は、測定可能であり、スイッチが作動されたことを示す信号を提供するために使用することができる。好ましくは、センサアセンブリの第1および第2の導電性プレートは、それらの間の間隔が一定、または実質的に一定であるように固定される。
【0046】
いくつかの実施形態では、可動部が磁場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されている。
【0047】
好ましくは、可動部が磁石を備え、センサアセンブリが磁場センサ、特にはホール効果センサを備える。
【0048】
好ましくは、可動部は、第1の位置から第2の位置に移動可能な透磁性要素を備え、センサアセンブリが、磁石および磁場センサ、特にはホール効果センサを備える。
【0049】
好ましくは、センサアセンブリが導電性センサを備える。
【0050】
可動部が磁場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されるいくつかの実施形態では、好ましくは、可動部が透磁性要素を備え、センサアセンブリが誘導性センサを備える。
【0051】
可動部が磁場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されるいくつかの実施形態では、好ましくは、可動部が導電性ループまたは閉回路コイルを備え、センサアセンブリが誘導性センサを備える。
【0052】
可動部が磁場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されるいくつかの実施形態では、好ましくは、可動部が少なくとも1つの閉回路コイルを備え、センサアセンブリが第1のコイルを備え、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、当該可動部の少なくとも1つの閉回路コイルとセンサアセンブリの第1のコイルとの間の誘導結合が、センサアセンブリの第1のコイルの第1および第2の電気接点間で測定可能であるように、当該センサアセンブリの第1のコイルが第1および第2の電気接点を有する。
【0053】
可動部が磁場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されるいくつかの実施形態では、好ましくは、可動部が少なくとも1つの閉回路コイルを備え、センサアセンブリが第1および第2のコイルを備え、当該センサアセンブリの第1のコイルが第1および第2の電気コネクタを有し、当該センサアセンブリの第2のコイルが、該センサアセンブリの第2のコイルに交流磁場を生成するために交流電源と電気的に連通しており、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、当該可動部の少なくとも1つの閉回路コイル、センサアセンブリの第1のコイル、およびセンサアセンブリの第2のコイル間の誘導結合が、当該センサアセンブリの第1のコイルの第1および第2の電気接点間で測定可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、可動部が少なくとも1つの音響信号によってセンサアセンブリに動作可能に結合され、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、センサアセンブリによる検出のために音響信号が生成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、可動部が、少なくとも1つの(第1の)電磁放射ビーム、より好ましくは少なくとも1つの光ビームおよび/または少なくとも1つの赤外線ビームによってセンサアセンブリと動作可能に結合される。これらの実施形態では、電磁放射ビームは、第1のグレイジング材シートを透過して可動部に向かい、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、当該可動部の少なくとも一部から反射された電磁放射ビームが乱される。
【0056】
第1の電磁放射ビームは、少なくとも1つの(第1の)波長を有する電磁放射を含む。好ましくは、センサアセンブリは、少なくとも第1の波長を有する電磁放射に感応する感知部を有するセンサを備える。
【0057】
好ましくは、第1の電磁放射ビームは、300nm~3000nmの範囲の少なくとも1つの波長を有する電磁放射を含む。
【0058】
好ましくは、第1の電磁放射ビームは、可視領域、すなわち380nm~780nmの範囲の少なくとも1つの波長を有する電磁放射を含む。
【0059】
好ましくは、赤外線領域、すなわり、780nm以上、好ましくは780nm~3000nm、より好ましくは800nm~1500nmの範囲の少なくとも1つの波長を有する電磁放射を含む。
【0060】
好ましくは、センサアセンブリは、(i)第1の電磁放射ビームを第1のグレイジング材シートを通して可動部に向けて放出するトランスミッタ部と、(ii)電磁放射、好ましくはトランスミッタ部によって放出された電磁放射を検出するための感知部と、を備え、可動部は、トランスミッタ部によって放出された電磁放射を反射する部分を備え、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、第1の電磁放射ビームからの電磁放射が感知部に反射される。好ましくは、可動部が第2の位置から第1の位置に移動すると、第1の電磁放射ビームからの電磁放射が感知部に反射されない。
【0061】
好ましくは、センサアセンブリは、(i)第1の電磁放射ビームを、第1のグレイジング材シートを介して可動部に向けて放出するトランスミッタ部と、(ii)電磁放射、好ましくはトランスミッタ部から放出された電磁放射を検出するセンサ部と、を備え、可動部は、トランスミッタ部により放出された電磁放射を反射する反射部を備え、当該反射部は、第1の電磁放射ビームをセンサ部に反射し、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、反射部から反射される電磁放射の偏光および/または振幅および/または方向が変わる。反射部から反射された電磁放射の偏光および/または振幅および/または方向の変化を利用して、スイッチが作動されたことを示すことができる。
【0062】
好ましくは、センサアセンブリは、(i)電磁放射ビームを可動部に向けて放出するトランスミッタ部と、電磁放射、好ましくはトランスミッタ部により放出された電磁放射を検出するセンサ部と、を備え、第1の電磁放射ビームは、第1のグレイジング材シートの第1の主表面の第1の部分から内部反射してセンサ部に向かい、可動部は、第1のグレイジング材シートの第1の主表面の第1の部分に接触する接触部を備え、可動部が第1の位置から第2の位置に移動すると、可動部の接触部が第1のグレイジング材シートの第1の主表面の少なくとも第1の部分と接触し、第1の電磁放射ビームからの電磁放射のセンサ部への到達が防止される。
【0063】
センサアセンブリがトランスミッタ部を備える実施形態では、好ましくは、トランスミッタ部は、発光ダイオードおよび/または赤外線発光ダイオードを備える。
【0064】
センサアセンブリが感知部を有するセンサを備える実施形態では、好ましくは、感知部は、可視光および/または赤外線の波長に対して感度がよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、スイッチングデバイスは、可動部が第1の位置から第2の位置に移動したとき、および/または第2の位置から第1の位置に移動したときを示すためのフィードバック手段を備える。これらの実施形態では、フィードバック手段を使用して、スイッチが操作されたことを示すことができる。
【0066】
好ましくは、フィードバッグ手段は、少なくとも1つの照明源、特には発光ダイオードを備える。
【0067】
好ましくは、フィードバック手段は、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面する。
【0068】
いくつかの実施形態では、スイッチングデバイスは、第1のグレイジング材シートから離間した第2のグレイジング材シートを備える。
【0069】
好ましくは、センサアセンブリは、第1および第2のグレイジング材シートの間にある。
【0070】
第2のグレイジング材シートが第1の主表面および第2の主表面を有し、スイッチングデバイスは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面が第2のグレイジング材シートの第1の主表面に面するように構成することができる。好ましくは、センサアセンブリは、第1のグレイジング材シートの第2の主表面に面する。
【0071】
好ましくは、第1のグレイジング材シートが、少なくとも1つの接着性層間材シート、特には、ポリビニルブチラール(PVB)、遮音改善PVB、酢酸エチレンなどのエチレンのコポリマー、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、またはエチレンとメタクリル酸のコポリマーによって、第2のグレイジング材シートに接合されている。
【0072】
好ましくは、第1のグレイジング材シートは、当該第1および第2のグレイジング材シートの間に少なくとも1つの空気空間が存在するように、外周シールによって、第2のグレイジング材シートに接合されている。センサアセンブリは、空気空間内に配置することができる。空気空間は、低圧空間とすることができる。
【0073】
好ましくは、第2のグレイジング材シートは、第3のグレイジング材シートから離間している。
【0074】
切り替え可能なデバイスは、3つ以上の離間したグレイジング材シートを備えることができる。
【0075】
実施形態では、第1および第2のグレイジング材シートを有し、センサアセンブリがセンサおよび基板を備え、好ましくは、基板が第1の接着性層間材シートと第2の接着性層間材シートとの間にあり、当該第1および第2の接着性層間材シートが第1および第2のグレイジング材シートの間にある。
【0076】
実施形態では、第1および第2のグレイジング材シートを有し、センサアセンブリがセンサおよび基板を備え、好ましくは、基板が第1の接着性層間材シートと第2の接着性層間材シートとの間にあり、当該基板が第3の接着性層間材シートの切り欠き領域内に配置され、第1、第2および第2の接着性層間材シートが第1および第2のグレイジング材シートの間にある。
【0077】
他の実施形態は、他の好ましい特性を有する。
【0078】
好ましくは、スイッチの可動部は、手動で生成された力によって第1の位置と第2の位置との間で移動させられる。
【0079】
好ましくは、スイッチの可動部は、第1のグレイジング材シート第1の主表面に平行または垂直である手動で生成された力によって第1の位置と前記第2の位置との間で移動させられる。
【0080】
好ましくは、スイッチの可動部は、第1の主表面に対して摺動可能である。
【0081】
好ましくは、スイッチの可動部は、押し下げ可能な部分である。
【0082】
好ましくは、スイッチが弾性部を備え、当該弾性部は、スイッチの可動部の少なくとも一部である。
【0083】
好ましくは、スイッチは、可動部を第1または第2の位置に付勢するばね付勢スイッチを備える。
【0084】
好ましくは、スイッチが本体部を備え、当該本体部は、第1のグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられ、可動部が該本体部に対して移動可能である。好ましくは、本体部は、少なくとも1つの接着剤によってグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられる。適切な接着剤には、感圧接着剤およびエポキシ樹脂が含まれる。
【0085】
好ましくは、スイッチがハウジングを備え、当該ハウジングは、第1のグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられ、可動部がハウジングに対して移動可能である。好ましくは、ハウジングは、少なくとも1つの接着剤によってグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられている。適切な接着剤には、感圧接着剤およびエポキシ樹脂が含まれる。
【0086】
好ましくは、スイッチが少なくとも1つの足を備え、当該少なくとも1つの足は、第1のグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられ、可動部が少なくとも1つの足に対して移動可能である。好ましくは、少なくとも1つの足が少なくとも1つの接着剤によってグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられている。適切な接着剤には、感圧接着剤およびエポキシ樹脂が含まれる。
【0087】
好ましくは、スイッチが少なくとも1つの接着剤によってグレイジング材シートの第1の主表面に取り付けられている。適切な接着剤には、感圧接着剤およびエポキシ樹脂が含まれる。
【0088】
好ましくは、スイッチングデバイスは、電気的に動作可能なデバイスと動作可能に結合されている。
【0089】
好ましくは、スイッチングデバイスは、可動部が第1の位置から第2の位置に、および/または第2の位置から第1の位置に移動すると、電気的に動作可能なデバイスに供給される電力、特に電流および/または電圧が変化する。好ましくは、可動部が第1および第2の位置の間で移動すると、電気的に動作可能なデバイスは、通電状態から非通電状態に変化する。
【0090】
電力は、直流電力供給および/または交流電力供給によって電気的に動作可能なデバイスに供給することができる。
【0091】
好ましくは、スイッチングデバイスは、電源と動作可能に結合されている。
【0092】
好ましくは、スイッチングデバイスは、窓またはドアの一部である。窓またはドアは、建物または車両の一部であり得る。
【0093】
スイッチングデバイスが車両の窓またはドアの一部である場合、車両が内部を有し、好ましくは、第1のグレイジング材シートの第1の主表面は、当該車両の内部とは反対側を向いている。そのような実施形態では、スイッチは、(従来の命名法を使用して)窓の「表面1(surface one)」上にあると称することができる。
【0094】
スイッチングデバイスが建物の窓またはドアの一部である場合、建物が内部を有し、好ましくは、第1のグレイジング材シートの第1の主表面は、建物の内部とは反対側を向いている。そのような実施形態では、スイッチは、(従来の命名法を使用して)窓の「表面1(surface one)」上にあると称することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、スイッチングデバイスは、車両の窓またはドアの一部であり、当該スイッチングデバイスは、電気的に動作可能なデバイスに動作可能に結合され、電気的に動作可能なデバイスは、車両の窓、車両のドア、車両の後部窓、車両のボンネット、車両のトランクカバー、および車両の給油口キャップの1つまたは複数の動作状態を少なくとも部分的に制御する。例えば、電気的に動作可能なデバイスを使用して、車両の給油口キャップを開閉することができる。
【0096】
ここで、以下の図面(縮尺通りではない)を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1】本発明による切り替え可能なデバイスの概略図である。
図2】本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略図である。
図3】本発明による切り替え可能なデバイス用のセンサアセンブリの概略等角図である。
図4図3に示すセンサアセンブリの平面図である。
図5図3および4に示すセンサアセンブリが組み込まれた積層グレイジングの概略的な分解等角図である。
図6】X-X’線を通る、図5に示す積層グレイジングの概略断面図である。
図7図3および4に示すセンサアセンブリが組み込まれた別の積層グレイジングの概略的な分解等角図である。
図8】Y-Y’を通る、図7に示す積層グレイジングの概略断面図である。
図9】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図10】第2の構成にある図9の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図11】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図12】第2の構成にある図11の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図13】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図14】第2の構成にある図13の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図15図13および14に示す切り替え可能なデバイスで使用されるセンサアセンブリの平面図である。
図16】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図17】第2の構成にある図16の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図18】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図19】第2の構成にある図18の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図20】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図21】第2の構成にある図20の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図22図20および21に示す切り替え可能なデバイスで使用されるセンサアセンブリの平面図である。
図23】切り替え可能なデバイスが第1の構成にある、本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図24】第2の構成にある図23の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図25】本発明による別の切り替え可能なデバイスの概略断面図である。
図26】本発明による切り替え可能なデバイスである後部窓が組み込まれた自動車を、該自動車の後ろから見た概略図である。
図27】後部窓が開いており、任意に給油口キャップが開いている、図26に示す自動車の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0098】
図1は、本発明による概略的なスイッチング(切り替え)デバイスを示し、その一般的な動作を説明している。スイッチングデバイス1は、ガラスなどのグレイジング材シート2を含む。適切なガラス組成物は、ソーダ石灰シリカガラスである。ガラスは、アニールされ、熱的に強化され、半強化され、または化学的に強化されていてもよい。
【0099】
典型的なソーダ石灰シリカガラスの組成は(重量で)、SiO 69~74%;Al 0~3%;NaO 10~16%;KO 0~5%;MgO 0~6%;CaO 5~14%;SO 0~2%;Fe 0.005~2%である。ガラス組成物は、別の添加剤、例えば、通常2%以下の量で存在する精製補助剤を含有していてもよい。
【0100】
グレイジング材シート2は、第1の主表面2aおよび反対側の第2の主表面2bを有する。第1の主表面2aには、本体部3aと可動部4とを備えるスイッチ3が取り付けられている。可動部4は、本体部3aに対して移動可能である。本体部3aは、ハウジングであってもよい。スイッチ3は、適切な接着剤(不図示)で、第1の主表面2aに取り付けられている。この例では、本体部3aと第1の主表面2aとの間に接着剤の層がある。したがって、本体部3aは、第1の主表面2aに対して基本的に静止している。
【0101】
可動部4は、第1の主表面2aに対して、該第1の主表面2aの法線に垂直な方向、および/または該第1の主表面2a上の法線に平行な方向に移動することができる。グレイジング材シートが平面(すなわち、図のように平坦)であるか、実質的に平面である場合、スイッチの可動部は、グレイジング材シート2の第1の主表面2aに対して平行または垂直に手動で生成された力により、第1の位置と第2の位置との間を移動することができる。
【0102】
例えば、スイッチ3は、押しボタン式とすることができ、この場合、可動部4は、第1の主表面2aの法線に平行な方向に移動し、あるいは、グレイジング材が平坦である場合、可動部4は、第1の主表面2aに対して垂直な方向に移動する。
【0103】
第1の主表面2aに対して角度の付いた移動も可能である。
【0104】
代替的に、スイッチ3は、例えば、直線的に摺動可能な部分または回転自在に摺動可能な部分を備えるスライド式とすることができ、この場合、可動部4は、第1の主表面2aの法線に垂直な方向に、すなわち第1の主表面2aに平行な平面内を移動する。このような摺動可能なタイプのスイッチの場合、可動部4は、グレイジング材シート2の第1の主表面2aに取り付けられたハウジング内に配置することができ、該ハウジングに対して移動可能であってもよい。
【0105】
グレイジングのシートの反対側で第2の主表面2bに面しているのは、センサ5である。センサ5の出力は、適切なケーブル9a,9bによって、コントローラ7および電気的に動作可能なデバイス8と電気的に連通している。ケーブル9a,9bの代わりに、ワイヤレス通信を使用してもよい。コントローラ7もまた、電気的に動作可能なデバイスである。
【0106】
スイッチ3を使用して、電気的に動作可能なデバイス8を作動させる。スイッチ3を操作し、すなわち、スイッチ3を手動で押して、可動部4を第1の主表面2aに対して移動させる。可動部4の動きは、センサ5によって感知され、これにより出力信号がコントローラ7に送信される。コントローラ7を使用して、電気的に動作可能なデバイス8に電力を供給する。すなわち、電気的に動作可能なデバイス8は、「オン」(または通電)状態に切り替えられる。スイッチ3を再び操作すると、可動部4が第1の主表面2aに対して移動する。この動きは、別の出力信号がコントローラ7に送信されるようにするセンサ5により感知され、その結果、コントローラは、電気的に動作可能なデバイス8への電力供給を停止する。すなわち、電気的に動作可能なデバイス8は、「オフ」(または非通電)状態に切り替えられる。
【0107】
第1の位置と第2の位置との間での移動に加えて、スイッチ3の可動部4は、1つまたは複数のさらなる位置の間で移動可能であってもよい。例えば、スイッチの可動部は、単一の操作または複数の目立たないステップで、第1の位置と第2の位置との間を移動可能であってもよい。スイッチの可動部が第1の位置にあるとき、センサは第1の信号(ヌル信号であり得る)を提供し、スイッチの可動部が第2の位置にあるとき、センサは第2の信号を提供する。スイッチ3は、第1の位置と第2の位置との間の可動部の位置が、第1の信号と第2の信号との間の差に比例する信号を提供するためにセンサによって検出可能であるように、比例スイッチとすることができ、そのようなスイッチの場合、電気的に動作可能なデバイスに供給される電力(電圧および/または電流)の量は、多くの異なるレベルの間で制御可能である。
【0108】
コントローラ7はまた、電気的に動作可能なデバイス8を作動させるのに十分な電力を供給してもよく、または電気的に動作可能なデバイス8に電力を提供する別個の電源があって、コントローラ7が別個の電源から電気的に動作可能なデバイス8への電力の流れを制御してもよい。
【0109】
コントローラ7は、スイッチ3が操作されることによるスイッチング操作を検出すると、適切なケーブル9cによって(またはワイヤレスで)、フィードバックインジケータ6にフィードバック信号が送信されるにように構成することができる。フィードバックインジケータ6を使用して、電気的に動作可能なデバイス8の動作状態を示すことができる。例えば、スイッチ3を最初に操作して電気的に動作可能なデバイスを「オン」状態に切り替え、フィードバックインジケータ6を使用してスイッチが押されたことを示すことができる。スイッチを離すと、該スイッチを再度操作して、スイッチが押されていたことをフィードバックインジケータ6が示さなくなるまで、電気的に動作可能なデバイス8は「オン」状態のままとなる。
【0110】
代替的に、スイッチを再度操作するまで電気的に動作可能なデバイスが「オン」状態にあったことを示すために、フィードバックインジケータはアクティブ状態のままであってもよい。
【0111】
別の代替的操作では、スイッチ3を操作して電気的に動作可能なデバイス8を「オン」状態に切り替えると、フィードバックインジケータ6が作動する。しかしながら、スイッチが操作されなくなると、電気的に動作可能なデバイスの動作状態は「オフ」状態に戻り、フィードバックインジケータが非アクティブになる。
【0112】
バイナリオン/オフタイプのスイッチで使用できる多くの既知のスイッチング操作がある。
【0113】
例えば、可動部4が第1の位置にある状態で、電気的に動作可能な装置8に電力が供給されない実施形態では、少なくとも以下のスイッチング操作が可能である:
(a)可動部を第1の位置から第2の位置に切り替えると、電気的に動作可能なデバイスに電力が供給される。可動部を第2の位置から第1の位置に移動すると、電気的に動作可能なデバイスへの電力の供給が停止される。
(b)可動部を第1の位置から第2の位置に切り替えると、電気的に動作可能なデバイスに電力が供給される。
その後のある時点で、可動部が依然として第2の位置にある状態で、電気的に動作可能なデバイスへの電力の供給が停止される。電気的に動作可能なデバイスへの電力の供給を停止するタイミングを制御するために、適切なタイミング回路を使用することができる。
(c)可動部を第1の位置から第2の位置に動かすと、その後、可動部が第1の位置に戻る。可動部が第2の位置にあるときに、電気的に動作可能なデバイスに電力が供給される。可動部が第1の位置に戻ると(可動部が第2の位置にある持続時間は、1~2秒以下であり得る)、その後、しばらくの間、電気的に動作可能なデバイスに電力が供給され続ける。適切なタイミング回路などを使用して、可動部が第2の位置から第1の位置に移動した後のある時点で、電気的に動作可能なデバイスへの電力の供給を停止することができる。
(d)可動部を第1の位置から第2の位置に動かし、次に、第2の位置から第1の位置に動かす(可動部が第2の位置にある持続時間は、1~2秒以下であり得る)。第2の位置から第1の位置に戻ると、電気的に動作可能なデバイスに電力が供給される。電気的に動作可能なデバイスへの電力の供給は、可動部を第1の位置から第2の位置に動かし、次に、第1の位置に戻すことによって停止することができる。
(e)可動部を第1の位置から第2の位置に動かし、次に、第2の位置から第1の位置に動かす(可動部が第2の位置にある持続時間は、1~2秒以下であり得る)。第2の位置から第1の位置に戻すと、その後、一定期間、電気的に動作可能なデバイスに電力が供給される。電気的に動作可能なデバイスへの電力の供給は、適切なタイミング回路などによって停止することができる。
【0114】
上記のスイッチング操作(a)~(e)のいずれにおいても、電気的に動作可能なデバイスへの電力が供給されるか、または供給が停止される前に、可動部が第1および/または第2の位置にあることを確認する、追加のポーリング回路があってもよい。
【0115】
本発明は、グレイジング材の複数のペイン、例えば、図2に示されるような積層されたグレイジングペインと共に使用することができる。
【0116】
図2には、別の切り替え可能なデバイス11が示されている。切り替え可能なデバイス11は、図1に示される切り換え可能なデバイス1と同様であり、図2では、センサ5が第1のグレイジング材シート2と第2のグレイジング材シート12との間に配置されている点を除いて、図1を参照して同様のラベルが付された部品を備える。この例では、第1および第2のグレイジング材シート2,12は、該第1および第2のグレイジング材シート2,12と同延であるポリビニルブチラール(PYB)などの接着性層間材シート10によって互いに接合されている。当技術分野では、PVBのシート10によって第2のグレイジング材シート12に接合された第1のグレイジング材シート2のアセンブリは、積層グレイジングペイン(a laminated glazing pane)として知られている。
【0117】
図示された実施形態の代替的な実施形態では、第1のグレイジング材シート2は、第2のグレイジング材シート12から空気層によって離間しており、第1および第2のグレイジング材シートが外周シールによって互いに接合されている。当技術分野では、そのようなアセンブリは、複層グレイジングペイン(an insulated glazing pane)として知られている。空気空間は、低圧空間とすることができる。
【0118】
切り替え可能なデバイス11は、スイッチ3の操作により、切り替え可能なデバイス1と同様に機能する。
【0119】
図3は、本発明によるスイッチングデバイスで使用するタイプのセンサアセンブリ100を示している。センサアセンブリ100は、窓またはドア、特には積層グレイジングに組み込むことができる。図4は、図3に示すセンサアセンブリ100の平面図である。すなわち、基板103の第1の主表面105に垂直な矢印102の方向から見たときの図である。
【0120】
図3および4を参照すると、センサアセンブリ100は、第1の主表面105およびその反対側の第2の主表面107を有する基板103を備える。この例では、基板103は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、光学的に透明である。基板103の厚さは約0.2mmであり、基板は比較的柔軟である。別の実施形態では、基板103は、光学的に不透明であってもよい。基板の厚さは、25μm~1mmとすることができる。
【0121】
基板103の第1の主表面105には、センサ109が取り付けられている。この実施形態では、センサ109は、磁場および磁束方向を感知することができるホール効果センサである。適切なホール効果センサは、Allegro(商標)MicroSystems,LLC(www.allegromicro.com)から入手可能な「A1171:マイクロパワー超高感度ホール効果スイッチ」である。
【0122】
また、基板103の第1の主表面105には、可視光を生成するように動作可能な発光ダイオード(LED)111が取り付けられている。
【0123】
基板103の第1の主表面105には、第1、第2および第3の電気接点113,115,117が配置されている。第1の電気接点113は、導電性トラック119を介して、センサ109の第1の入力と電気的に連通している。第2の電気接点115は、導電性トラック121を介して、センサ109の第2の入力と電気的に連通している。第1および第2の電気接点113,115を使用して、センサ109に電力を供給することができる。
【0124】
第2の電気接点115はまた、導電性トラック123を介して、LED111の第1の入力と電気的に連通し、導電性トラック123はまた、導電性トラック121と電気的に連通している。
【0125】
第3の電気接点117は、導電性トラック125を介して、LED111の第2の入力と電気的に連通している。
【0126】
第2および第3の電気接点115,117を適切な電源に電気的に接続することにより、LED111に電力を供給することができる。
【0127】
第2の電気接点115は、共通の接点であり、ゼロボルトであり得る。
【0128】
また、基板103の第1の主表面105には、第4および第5の電気接点133,135が配置されている。
【0129】
センサ109は、2つの出力端子109aおよび109bを有する。導電性トラック127は、その一方端で第1の出力端子109aに、その他方端で第4の電気接点133に電気的に連通している。導電性トラック129は、その一方端で第2の出力端子109bに、その他方端で第5の電気接点135に電気的に連通している。第4および第5の電気接点133,135もまた、第1、第2および第3の電気接点113,115,117と同様に、第1の主表面105に配置されている。
【0130】
特に、「A1171:マイクロパワー超高感度ホール効果スイッチ」を参照すると、デフォルトの条件下では、デバイスは出力109a,109bをアクティブにして、十分な強度の北極または南極磁場を切り替える。磁気作動は、外部選択ピンを介して単極モードで動作するように設定でき、出力109aまたは109bのいずれかを十分な強度の北極または南極検出で切り替える。
【0131】
例えば、図2に示す積層グレイジングなどの、グレイジング材の2つのペイン間にセンサアセンブリ100を組み込む場合、センサアセンブリ100の一部139はグレイジング材の外周を超えて延在し、第1、第2および第3の電気接点113,115,117に電力を供給してセンサ109およびLED11に電極を供給するようにすること、ならびに第4および第5の電気接点133,135からの信号を測定することによってセンサ109の出力を測定できるようにすることができる。
【0132】
トラック119,121,123,125,127,129の各々は、基板103の第1の主表面103上に印刷された導電性インクとすることができる。あるいは、トラックは、従来の回路基板に見られるタイプの銅トラックであってもよい。
【0133】
図3に示す実施形態の代替的な実施形態では、導電性トラック119,121,123,125,127,129の少なくとも1つは、基板103の第2の主表面107にあってもよい。そのような実施形態では、導電性経路は、センサ109および/またはLED111と電気的に接続するために、基板の第2の主表面と第1の主表面との間に延びることができる。
【0134】
センサアセンブリ100を動作させるために、第1および第2の電気接点113,115は、適切な電源と電気的に連通してセンサ109に電力を供給する。この例において、センサは、磁場を検出すると、出力信号が第1および第2の出力端子109a,109bで生成されるように構成されたホール効果センサである。第4および第5の電気接点は、適切なコントローラ(不図示)と電気的に連通しており、該コントローラは、センサ109からの出力信号を受信すると、電気的に動作可能なデバイス(不図示)に電流を流すことを可能にすることによって、すなわち、電気的に動作可能なデバイスを「オン」状態に切り替えることによって、電気的に動作可能なデバイスを作動させるように構成されている。さらに、コントローラは、第2および第3の電気接点115,117への電流の流れを可能にし、それにより、LED111に電力を供給してLED111を点灯することができる。ホール効果センサが磁場の変化を検出すると、コントローラは、電気的に動作可能なデバイスおよびLED111への電力供給を停止する。すなわち、その両方が「オフ」状態に切り替えられる。コントローラは、磁場の別の変化がホール効果センサ109によって感知されるまで、LED111および/または電気的に動作可能なデバイスに電力を供給し続けるように構成することができる。
【0135】
図3および4に示す実施形態の代替的な実施形態では、基板103は、ガラス、特にはソーダ石灰シリカガラスのシートである。ガラスシートは、アニーリング、熱強化、または化学強化されていてもよい。別の代替的実施形態では、上記のガラス基板に加えて、ガラス基板103の第1の主表面105上に印刷された導電性インクスクリーンの例によって形成された個別のトラックの代わりに、ガラス基板103は、第1の主表面105上に堆積された導電性コーティングを含むことができる。次に、そのような導電性コーティングを区分して、センサアセンブリの様々な構成要素をそこに電気的に接続するための個別の導電性領域を提供することができる。そのような導電性コーティングは、大気圧化学蒸着によって堆積させることができる。
【0136】
図5および6は、センサアセンブリ100を積層グレイジング130に組み込むことができる1つの方法を示している。
【0137】
図5は、積層グレイジング130の概略的な分解等角図を示す。図6は、図5の積層グレイジング130のX-X’線に沿った概略断面図を示す。
【0138】
図5および6を参照すると、積層グレイジング130は、第1のガラスシート132と、第2のガラスシート142と、を含む。第1のガラスシート132は、第1の主表面132aおよび反対側の第2の主表面132bを有する。第2のガラスシート142は、第1の主表面142aおよび反対側の第2の主表面142bを有する。
【0139】
第1のガラスシートと第2のガラスシートとの間には、2つの接着性層間プライ154および156がある。図5に示されるガラスシートおよび接着性層間プライが一致して積み重ねられるように、各接着性層間プライは、互いに、およびガラスシート132、142と同延である。当技術分野では、接着性層間プライは、接着性層間材シートとして知られていることがある。
【0140】
ガラスシート132,142はそれぞれ厚さが2.1mmであり、接着性層間プライはそれぞれ厚さが0.38mmである。ガラスシート132,142および/または接着性層間プライは、異なる厚さを有していてもよい。ガラスシート132,142のそれぞれの厚さは、0.7mm~25mmとすることができる。ガラスシートのそれぞれの厚さは、12mm未満、または10mm未満、または8mm未満であってもよい。接着性層間プライ154,156のそれぞれの厚さは、0.3mm~1.2mmとすることができ、例えば、0.76mmであってもよい。
【0141】
センサアセンブリ100は、該アセンブリの一部139が積層グレイジング130の外周を超えて延在し、センサアセンブリ100の基板上の電気接点113,115,117,133,135への電気接続を可能にするように、接着性層間プライ154と接着性層間プライ156との間に配置される。
【0142】
図5および6に示される例の変形例では、1つの接着性層間材プライ(154または156のいずれか)だけが、ガラスシート132,142の間に提供される。
【0143】
図7は、別の積層グレイジング230の概略的な分解斜視図を示す。図8は、図7の積層グレイジング230のY-Y’線に沿った概略断面図を示す。
【0144】
この例では、積層グレイジング230は、層間構造258によって第2のガラスペイン242に接合された第1のガラスペイン232を含む。層間構造258は、3つの接着性層間材プライ(すなわち、PYB、EVAまたはその組み合わせ)243,256および257を含む。第1の接着性層間材プライ254は、第1のガラスシート232と同延である。第2の接着性層間材プライ256は、第2のガラスシート242と同延である。第3の接着性層間材プライ257は、第1および第2の接着性層間材シート254,256の間に配置され、センサアセンブリ100を収容するための切り欠き領域を有する。切り欠き領域は、第3の接着性層間材シートの1つの縁に沿っており、残りの3つの縁は、第1および第2の接着性層間材プライのそれぞれの縁と整列している。
【0145】
図7は、従来の積層プロセス、例えば、適切な高温および高圧を使用して一緒に積層することができる、積層されていない構成要素のスタックの代表である。
【0146】
図8に示されるような最終的な積層グレイジングにおいて、センサアセンブリ100は、第1および第2の接着性層間材プライ254,256の間にあり、かつ第3の接着性層間材プライ257の切り欠き領域内に配置されている。このような構造では、追加の第3の接着性層間材プライが、第1および第2の接着性層間材プライの間にセンサアセンブリの厚さを収容することを容易にするため、(積層グレイジング130の2プライの接着性層間構造と比較して)積層が簡単になる。
【0147】
最終的な積層グレイジング230において、第1の接着性層間材プライ254は、第1のガラスシート232に隣接して接触し、第2の接着性層間材プライ256は、第2のガラスシート242に隣接して接触している。第3の接着性層間材プライ257は、第1および第2の接着性層間材プライ254,256の両方と接触している。
【0148】
センサアセンブリ100の一部139は、積層グレイジング230の外周を超えて延在し、センサアセンブリ100の基板上の電気接点113,115,117,133,135への電気接続を可能にする。
【0149】
図7および8に示す実施形態の変形例では、層間構造258中により多くの接着性層間材プライが存在していてもよい。
【0150】
図7および8に示す実施形態の別の変形例では、第1および/または第2の接着性層間材プライ254,256と、それぞれのガラスシート232,242との間に、少なくとも1つのさらなる接着性層間材プライが存在していてもよい。そのような実施形態では、少なくとも1つのさらなる接着性層間材プライが、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの少なくとも1つの非接着性層間プライによって、第1および第2の接着性層間材プライから分離されていることが好ましい。
【0151】
図7および8に示す実施形態の別の変形例では、接着性層間材プライ254または256の1つが存在しない場合がある。別の変形例では、接着性層間材プライ254,256の両方が存在していなくてもよい。
【0152】
別の変形例では、層間構造258は、PETなどの少なくとも1つの非接着性層間材プライを含み、接着性層間材プライがその対向する主表面と接触している。
【0153】
図9は、本発明による切り替え可能なデバイス31の概略断面図を示す。
【0154】
この実施形態では、切り替え可能なデバイス31は、ばね付勢スイッチ33を備える。ばね付勢スイッチ33は、ピボット部34と、該ピボット部34上で回転するように取り付けられた本体部35と、を備える。ピボット部34は、ピボット軸を提供するように本体部35に近接する一方端と、適切な接着剤によってガラスシート32の主表面32aに取り付けられる足部34aを含む他方端と、を有する。
【0155】
ガラスシート32は、積層グレイジング30の第1のペインである。積層グレイジング30は、PVBのシートなどの接着性層間材プライ43によって第2のガラスシート42に接合された第1のガラスシート32を含む。第1および第2のガラスシート32,42は、例えば図6および8に示されるように、2つ以上の接着性層間材プライによって互いに接合することができる。
【0156】
第1のガラスシート32と第2のガラスシート42との間に配置されているのは、図3および4を参照して前述したように、センサアセンブリ100の少なくとも一部である。
【0157】
スイッチ33の本体部35は、ピボット部34に近接する近位端部35aと、遠位端部35と、を有する。ピボット部34に連結されたばねは、「静止状態」で本体部35の遠位端部35bが第1のガラスシート32の主表面32aと接触しないように本体部35を付勢する。スイッチ33の本体部35は、第1の位置にある。
【0158】
永久磁石37は、本体部35の遠位端部35bの凹部に配置されている。スイッチを人の指で押すことにより、本体部35の遠位端部35bの上面35cが第1のガラスシート32に向かって、すなわち矢印38の方向に押されると、本体部35はピボット部34を中心に回転し、それにより、永久磁石37がセンサ109(ホール効果センサである)に向かって動かされる。本体部35は、図示のように第2の位置に移動する。ホール効果センサは、永久磁石が第1のガラスシート32の第1の主表面32aに向かって移動することによる磁場の変化を検出することができ、電気的に動作可能なデバイスを作動させるために、前述のように、出力信号がホール効果センサからコントローラに送信される。
【0159】
この例では、本体部35はまた、センサアセンブリ100のLED111と整列する切り欠き領域38を含む(LED111は、第1のガラスシート32と第2のガラスシート42との間にある)。(図10に示すように)スイッチ33が押されて、電気的に動作可能なデバイスが「オン」になる、すなわち通電されると、コントローラは、LED111をオンにする制御信号も送信し、これにより、(矢印113で示すように)LED111に可視光を放射させる。
【0160】
LED111によって放射された可視光は、本体部35の切り欠き領域38を通して観察可能である。適切な光学ディフューザを本体部の切り欠き領域38に組み込んで、LED111によって放出された光を拡散させることができる。
【0161】
スイッチを離すと、ばね36の付勢力により、本体部35が図9に示す構成に、すなわち「静止状態」(第1の位置)に戻る。コントローラは、スイッチがこの構成に戻ったら、電気的に動作可能なデバイスがオフになり、かつLED111もオフになるように構成することができる。あるいは、電気的に動作可能なデバイスがオンにされたままであり、かつ電気的に動作可能なデバイスがオンにされていることを示すためにLED111も点灯されたままにすることができる。この実施形態では、電気的に動作可能なデバイスは、本体部35を再度押して、適切に構成されたコントローラを使用することによってオフにされる。
【0162】
図9に示される実施形態の代替例では、ばね付勢スイッチ33は、本体部35の遠位端部35bの凹部に配置された永久磁石を有しない。代わりに、ばね付勢スイッチ33は、矢印38の方向に第1のガラスシートに向かって押されると、音響信号(すなわち「クリック」)を生成するように構成される。この音響信号を検出するために、センサ109は、ホール効果センサではなく、代わりに音響信号を検出するように動作可能な適切な音響センサに置き換えられる。スイッチを離すと、同じまたは別の音響信号が生成されてもされなくてもよい。
【0163】
図10は、本体部35が指39によって押されているとき、すなわち、本体部35が第2の位置にあるときのスイッチングデバイス31の構成を示す。
【0164】
図11は、スイッチングデバイス31と同様であるが、押圧可能なスイッチの代わりに、スイッチが直線的に摺動可能な部分を有する別のスイッチングデバイス61を示す。
【0165】
スイッチングデバイス61は、第1のガラスシート62および第2のガラスシート69を含む。第1および第2のガラスシート62,69の間には、第1および第2の接着性層間材プライ66,68(すなわち、PVB)がある。第1および第2の接着性層間材プライ66,68の間には、センサアセンブリ150の一部がある。
【0166】
第1の接着性層間材プライ66は、第1のガラスシート62とセンサアセンブリ150との間にある。第2の接着性層間材プライ68は、第2のガラスシート69とセンサアセンブリ150との間にある。
【0167】
センサアセンブリ150は、センサアセンブリ100と同様であり、その主表面上にホール効果センサ155を有する基板153を備える。(前述した)適切な導電性経路および電気接触領域もまた基板153上にあり、ホール効果センサに電力を供給したり、磁場および/または変化する磁場を感知したときにホール効果センサから信号を取得したりすることができる。
【0168】
第1および第2のガラスシート62,69のアセンブリ、第1および第2の接着性層間材プライ66,68、ならびにセンサアセンブリは、積層されて、積層グレイジングを形成している。センサアセンブリ150の一部159は、図3,4,9および10の部分139を参照して前述したように、積層グレイジングの外周を超えて延在し、電気接点へのアクセスを可能にしている。
【0169】
第1のガラスシート62の主表面62aに取り付けられているのは、スイッチ63である。スイッチ63は、適切な接着剤によって主表面62aに固定されたハウジング64を含む。ハウジング64の内側に配置されたスイッチは、ハウジング64内で、矢印65’の方向に直線的に摺動可能な摺動部65を備える。
【0170】
摺動部65の凹部には、永久磁石67が取り付けられている。
【0171】
摺動部65を、図11に示す位置(すなわち、第1の位置)から図12に示す位置(すなわち、第2の位置)に摺動させると、ホール効果センサは、該ホール効果センサに対する永久磁石67の動きに起因する磁場の変化を検出することができる。すなわち、摺動部65は、センサアセンブリ150と磁気的に結合されている。
【0172】
次に、ホール効果センサ155からの出力を使用して、前述のように電気的に動作可能なデバイスを作動させることができる。
【0173】
図11および12に示す実施形態の変形例では、スイッチ63は、直線的に摺動可能な部分の代わりに、(適切なハウジング内の)回転自在に摺動可能な部分を有する。
【0174】
直線的または回転自在に摺動可能な部分の場合、その部分の相対位置(すなわち、第1および第2の位置の間の相対位置)を利用して、その部分が第1および第2の位置にあるときのセンサからの信号間の差に比例する、センサからの出力信号を提供することができる。
【0175】
図13には、スイッチの可動部がセンサアセンブリと光学的に結合されている、本発明による別のスイッチングデバイス71を示す。
【0176】
スイッチングデバイス71は、第1のガラスシート72および第2のガラスシート79を備える。第1および第2のガラスシート72,79の間には、第1および第2の接着性層間材プライ76,78がある。第1および第2の接着性層間材プライ76,78の間には、センサアセンブリ160の一部がある。
【0177】
第1の接着性層間材プライ76は、第1のガラス板72とセンサアセンブリ160との間にある。第2の接着性層間材プライ78は、第2のガラス板79とセンサアセンブリ160との間にある。
【0178】
図15をさらに参照すると、センサアセンブリ160は、その主表面上に、発光ダイオード(LED)165と、LED165によって放出された波長を有する光を検出するように動作可能なフォトダイオード166と、を有する基板163を備える。適切な導電性経路および電気接触領域もまた基板163上にあり、LEDおよびフォトダイオードに電力を供給したり、後述するようにLED165からの光を感知したときにフォトダイオード166から信号を取得したりすることができる。
【0179】
第1および第2のガラスシート72,79のアセンブリ、第1および第2の接着性層間材プライ76,78、ならびにセンサアセンブリ160は、積層されて、積層グレイジングを形成している。センサアセンブリ160の一部169は、図3,4,9および10の一部139を参照して前述したように、積層グレイジングの外周を超えて延在し、電気接点へのアクセスを可能にしている。
【0180】
第1のガラスシート72の主表面72aに取り付けられているのは、スイッチ73である。スイッチ73は、前述したスイッチ63と同様である。スイッチ73は、適切な接着剤によって主表面72aに固定されたハウジング74を含む。ハウジング74の内側に配置されたスイッチは、ハウジング74内で、第1の位置と第2の位置との間を矢印75’の方向に直線的に摺動可能な部分(直線摺動部)75を備える。直線摺動部75は、スイッチ73の可動部である。
【0181】
直線摺動部75は、人の指と接触する上面と、主表面72aに対向する下面と、を有している。直線摺動部75の下面の一部は、LED165から発せられた光を反射するミラー77である。
【0182】
LED165は、第1のガラスシートの主表面72aに向けて光ビーム167を発するように構成されている。図13に示すように、ミラー77は、光ビーム167を反射する位置にはない。したがって、フォトダイオード166から信号は出力されない。
【0183】
フォトダイオード166は、直線摺動部75が図13に示す第1の位置から図14に示す第2の位置に移動すると、図14にビーム168として示されるLED165からの光を反射する位置にミラー部77が移動するように基板163上に配置されている。反射ビーム168がフォトダイオード166に到達すると、フォトダイオード166は、反射光の変化を検出して、電気的に動作可能なデバイスをオン(またはオフ)にするために適切なコントローラに送信する出力信号を生成する。直線摺動部75を図13に示す位置(すなわち、第2の位置から第1の位置)に戻すことにより、LED165からの光167がミラー部77から反射されなくなるため、フォトダイオード166によって検出される信号に変化が生じる。フォトダイオード166からの信号におけるこの変化を利用して、電気的に動作可能なデバイスをオフに切り替えることができる。
【0184】
直線摺動部の代わりに、回転可能な部分を代わりに使用することができる。回転可能な部分を回転させることによりミラーを動かし、LEDからの光がミラーからフォトダイオードに反射されるようにする。
【0185】
図15は、図13および14に示すスイッチングデバイスに組み込まれて示されたセンサアセンブリ160の平面図を示す。
【0186】
センサアセンブリ160は、PETの基板163を備え、該基板は、光学的に透明であり、厚さが約0.2mmである。
【0187】
基板163の第1の主表面163aには、可視光を生成するように動作可能な発光ダイオード(LED)165が取り付けられている。基板163の第1の主表面163aには、LED165によって発せられた光に感応するセンサ部を有するフォトダイオード166も取り付けられている。
【0188】
第1および第2の電気接点161a,161bは、基板163の第1の主表面163a上に配置されている。第1の電気接点161aは、導電性トラック161cを介して、LEDの第1の入力と電気的に連通している。第2の電気接点161bは、導電性トラック161dを介して、LEDの第2の入力と電気的に連通している。第1および第2の電気接点161a,161bは、当該第1および第2の電気接点161a,161bを適切な電源に接続するとLED165が可視光を放射するように、LED165に電力を供給するために使用することができる。
【0189】
また、基板163の第1の主表面163a上には、第3および第4の電気接点162a,162bが配置されている。
【0190】
フォトダイオードは、該フォトダイオードが光を検出したときに出力信号を提供するための第1および第2の出力端子を有する。第3の電気接点162aは、導電性トラック162cを介して、フォトダイオード166の第1の出力と電気的に連通している。第4の電気接点162bは、導電性トラック162dを介して、フォトダイオード166の第2の出力と電気的に連通している。第3および第4の電気接点162a,162bもまた、第1および第2の電気接点161a,161bと同じ方法で第1の主表面163a上に配置されている。
【0191】
導電性トラック161c、161d、162c、162dは、基板163の第1の主表面163a上にスクリーン印刷されていてもよい。
【0192】
センサアセンブリの領域169が示されているが、この領域169は、図13および14に示されるように、センサアセンブリ160が組み込まれることになる積層グレイジングの外周の外側にあるように配置される。
【0193】
図16は、光学的手段によってスイッチ信号も取得する別のスイッチングデバイス81を示す。この例では、弾性ボタン83がガラスシート82の主表面82aに取り付けられている。弾性ボタンは、指が接触する上面とガラスシート82に面する下面とを有する中空ドーム形の本体部84を有する。中空ドーム形の本体部84の下面と主表面82aの一部との間には、反射材料85が配置されている。この例では、反射材料85は、金属、特にステンレス鋼またはベリリウム銅合金などのボタン形状の反射素材であり、弾性ボタン83が押されたとき、すなわち中空ドーム形の本体部84がガラスシート82に向けて押圧されたときに圧縮可能である。ボタン形状の反射材料85は、中空ドーム形の本体部84の内側に嵌合している。反射材料85は、例えば、水への曝露による腐食に対して適切に耐性があることが好ましい。図示の実施形態の代替例では、中空ドーム形の本体部84の下面に反射材料コーティングが代わりにあってもよい。
【0194】
スイッチングデバイス81は、第1のガラスシート82および第2のガラスシート89を含む。第1および第2のガラスシート82,89の間には、第1および第2の接着性層間材プライ86,88がある。第1および第2の接着性層間材プライ86,88の間には、センサアセンブリ170の一部がある。
【0195】
第1の接着性層間材プライ86は、第1のガラスシート82とセンサアセンブリ170との間にある。第2の接着性層間材プライ88は、第2のガラスシート89とセンサアセンブリ170との間にある。
【0196】
センサアセンブリ170は、基板173、LED175およびフォトダイオード176を備え、前述したセンサアセンブリ160と同様である。この例では、LED175およびフォトダイオード176の両方が基板173上に取り付けられているが、その一方または両方が、第1または第2のガラスシート82,89の一方に直接取り付けられていてもよい。
【0197】
図示の例では、適切な導電性経路および電気接点領域もまた基板173上にあり、LED175およびフォトダイオード176に電力を供給したり、以下により詳細に説明するように、フォトダイオード176から信号を取得したりすることができる。LED175は、ボタン形状の反射材料85での反射のために、第1のガラス板82を介して反射材料85に向けて光ビーム177を放射する。反射材料85は、中空ドーム形の本体部84の下面に隣接している。(ビーム178として示す)光は、ボタン形状の反射材料85で反射され、フォトダイオード176によって検出され、それにより、フォトダイオード176から出力信号が生成される。
【0198】
図17に示すように、弾性ボタンを押すと、すなわち指で押して中空ドーム形の本体部84を圧縮すると、ボタン形状の反射材料85が変形し、および/または第1のガラスシート82の第1の主表面82aに向かって移動し、これにより、そこから反射されてフォトダイオード176に到達する光の量に影響を与える。図17では、反射光ビーム178は、圧縮されたときの反射材料85の動きにより反射光ビーム178の方向が変化したため、もはやフォトダイオード176に到達しない。フォトダイオード176がこの変化を検出して適切な信号が適切なコントローラに送られ、電気的に動作可能なデバイスを作動させる。
【0199】
弾性ボタンを解放すると、すなわち中空ドーム形の本体部84を押さなくなると、その形状は元の形状に戻り、フォトダイオード176に到達する光ビーム178は元の「静止」状態に戻る。すなわち、反射光ビーム178の方向は、フォトダイオード176に入射するように再び変化する。
【0200】
基板173は、例えば図16に示されるように、フォトダイオード176に到達しないLEDからの光を吸収するために、LED175とフォトダイオード176との間に光学的に不透明な領域を有することができる。
【0201】
図16では、中空ドーム形の本体部84が第1の位置で示され、図19では、中空のドーム形の本体部84が第2の位置で示されている。
【0202】
反射光ビーム178の方向は、出射光ビーム177と反射光ビーム178との間の角度に関して定義することができる。反射光ビーム178の方向は、主表面82a上の法線に対して定義することができる。
【0203】
図18は、切り替え可能なデバイスが光学的手段によって切り替え信号を取得する別の例を示す。
【0204】
スイッチングデバイス91は、第1のガラスシート92および第2のガラスシート99を含む。第1および第2のガラスシート92,99の間には、第1および第2の接着性層間材プライ96,98がある。第1および第2の接着性層間材プライ96,98の間には、センサアセンブリ180の一部がある。センサアセンブリ180は、前述したセンサアセンブリ160,170と同様である。
【0205】
第1の接着性層間材プライ96は、第1のガラスシート92とセンサアセンブリ180との間にある。第2の接着性層間材プライ98は、第2のガラスシート99とセンサアセンブリ180との間にある。
【0206】
第1のガラスシート92は、センサアセンブリ180の一部がその間にある第1および第2の接着性層間材プライ96,98によって、第2のガラスシート99に接合されている。センサアセンブリの一部189は、第1および第2の接着性層間材プライ96,98の縁を超えて延びている。
【0207】
センサアセンブリ180は、その主表面上に、発光ダイオード(LED)185とフォトダイオード186とを有する基板183を備える。適切な導電性経路および電気接触領域もまた基板183上にあり、LEDおよびフォトダイオードに電力を供給したり、後述するようにLED185からの光を感知したときにフォトダイオード186から信号を取得したりすることができる。
【0208】
この例では、光ビーム187はLED185によって放出され、第1の主表面92aに衝突してそこから光ビーム188として全内部反射し、フォトダイオード186に衝突している。
【0209】
第1のガラスシート92の第1の主表面92aに取り付けられているのは、中空ドーム形の本体部94と、中空ドーム形の本体部94の内側にある平坦な接触部95と、を有する弾性ボタン93である。平坦な接触部95は、中空ドーム形の本体部94と一体成形されており、第1の主表面92aに実質的に平行な平坦面95aを有する。図18では、中空ドーム形の本体部94は、第1の位置で示されている。
【0210】
図19に示すように、弾性ボタン93を押すことによって中空ドーム形の本体部94が変形し、接触部95が、全内部反射が生じる領域で第1の主表面92aと接触すると、それにより、ガラスと空気の界面から全内部反射される光の量が乱される。フォトダイオード186に到達する光の量は変化する(図19に示す例では、スイッチ93の中空ドーム形の本体部94を押すと、光はフォトダイオードに到達しない)。平坦面95aは、接触部95および/または平坦面95aを形成する材料の屈折率を、第1のガラスシート92を形成するガラスの屈折率と適切に一致させることにより、全内部反射される光を代わりに逃がすことができる部分を備えることができる。
【0211】
図20,21および22を参照すると、摺動可能なスイッチを使用する切り替え可能なデバイスの別の例が示されている。この例では、摺動可能なスイッチ263は、その中に摺動可能な部分265を有するハウジング部分264を備える。摺動可能な部分265は、該摺動可能な部分265の凹部に配置された金属部267を備える。
【0212】
ハウジング264は、積層グレイジング266に取り付けられている。積層グレイジング266は、2つの接着性層間プライ266,268によって第2のガラスシート269に接合された第1のガラスシート262を備える。接着性プライ266,268の間には、センサアセンブリ350の一部が配置されている。センサアセンブリ350の一部359は、積層グレイジング266の外周を超えて延びている。
【0213】
センサアセンブリ250は、PETとすることができる基板353を備える。基板353上に取り付けられ、第1および第2のガラスシート262,269の間に配置されているのは、第1および第2のコイル355,357である。
【0214】
摺動可能なスイッチ263は、金属部267が第1および第2のコイル355,357の中心を結ぶ直線に沿って移動できるように、第1および第2のコイル355,357に対して配置されている。センサアセンブリ350は、図22により詳細に示されている。
【0215】
金属部267が第1のコイル355と第2のコイル357との間で動かされると、検出可能な相互インダクタンスが変化する。そのような切り替え可能なデバイスは、トランスミッタコイルおよびレシーバコイルを利用することができ、トランスミッタコイル(すなわち、第1のコイル355)は、磁場を生成するために使用される。第1のコイル355によって生成された磁場に金属部267を移動させると、該金属部267内にレシーバコイル(第2のコイル357)によって検出される2次磁場が生成される。
【0216】
図20では、摺動可能な部分265は第1の位置に示され、図21では、摺動可能な部分21は第2の位置に示されてる。
【0217】
図22は、図20および21に示すスイッチングデバイス261に組み込まれて示されたセンサアセンブリ360の平面図を示す。
【0218】
センサアセンブリ350は、PETの基板353を備え、該基板は、光学的に透明であり、厚さが約0.2mmである。基板353は、光学的に不透明であってもよく、および/またはポリイミドを含んでいてもよい。
【0219】
基板353の第1の主表面353aには、第1および第2の入力端子を有する第1のコイル355が取り付けられている。また、第1の主表面353aには、第1および第2の出力端子を有する第2のコイル357が取り付けられている。
【0220】
第1および第2のコイル355,357のそれぞれは、実質的に円形であり、対称軸を有する。第1および第2のコイルの他の構成、例えば、矩形コイルを使用してもよい。
【0221】
第1および第2のコイルの対称軸は、P-P’線に沿って整列している。図20および21を参照すると、金属部は、P-P’線と位置合わせされ、金属部と平行関係で摺動することができる。
【0222】
第1および第2の電気接点351a,351bは、基板353の第1の主表面353a上に配置されている。第1の電気接点351aは、導電性トラック351cを介して、第1のコイル355の第1の入力端子と電気的に連通している。第2の電気接点351bは、導電性トラック351dを介して、第1のコイル355の第2の入力端子と電気的に連通している。
【0223】
第1および第2の電気接点351a,351bを使用して、当該第1および第2の電気接点を積雪な交流電源に接続すると、第1のコイル355によって交流磁場が生成されるように、第1のコイル355に電力を提供することができる。
【0224】
また、基板353の第1の主表面353a上には、第3および第4の電気接点352a,352bが配置されている。
【0225】
第3の電気接点352aは、導電性トラック352cを介して、第2のコイル357の第1の出力端子と電気的に連通している。第4の電気接点352bは、導電性トラック352dを介して、第2のコイル357の第2の出力端子と電気的に連通している。第3および第4の電気接点162a,162bもまた、第1および第2の電気接点161a,161bと同様の方法で第1の主表面163a上に配置されている。
【0226】
第2のコイル357を使用して、金属部267に誘導された磁場を検出することができる。
【0227】
導電性トラック351c,351dおよび352c,352dは、基板353の第1の主表面353a上にスクリーン印刷することができる。
【0228】
センサアセンブリの領域359が示されているが、この領域359は、図20および21に示されるように、センサアセンブリ350が組み込まれることになる積層グレイジングの外周の外側にあるように配置される。
【0229】
図23は、本発明による別のスイッチングデバイス411の概略断面図を示す。スイッチングデバイス411は、ポリビニルブチラール(PVB)の2つのプライ417,419によって第2のガラスシート415に接合された第1のガラスシート413を備える。PVBの第1および第2のプライ417,419の間には、基板463を備えるセンサアセンブリ460の一部がある。基板463には、第1および第2のコンデンサ極板を備える容量センサ465が取り付けられている。
【0230】
この例では、基板463は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートである。PETシート463上の導電性経路を使用して、容量センサ465に電力を供給することができる。センサアセンブリ460の一部469は、PVBのシート417,419の外周を超えて延びている。
【0231】
第1のガラスシート413の主表面413aには、ゴムボタン424を含むスイッチ413が取り付けられている。ゴムボタン424は、別の弾性材料で作られていてもよい。ゴムボタン424は、適切な接着剤で、主表面413aに取り付けられる。
【0232】
ゴムボタン424は中空であり、主表面413aと、ゴムボタン424の内面、すなわち空間425に面するゴムボタンの表面と、の間の空間425を画定している。主表面413aに面するゴムボタン424の内面には、導電性コーティング、金属箔または金属メッシュである導電性要素426などの導電層426が配置されている。導電性要素は、容量センサ465の一部である第1および第2のコンデンサ極板と動作可能に結合されたコンデンサ極板である。容量センサ465の第1のコンデンサ極板と導電層426との間に第1の静電容量が形成される。容量性センサ465の第2のコンデンサ極板と導電層426との間に第2の静電容量が形成される。
【0233】
図24に示すように、ゴムボタン424を指39で矢印438の方向、すなわち主表面413aに向けて押すと、導電層426が主表面413aに向かって移動し、容量センサの第1および第2のコンデンサ極板間の静電容量の変化を引き起こす。これは、マイクロコントローラ(基板463に含まれ得る)によって測定することができる。
【0234】
電磁シールド421(仮想線で示す)、例えば、導電性プレートは、第2のガラスシート415の主表面415aに任意に取り付けることができる。電磁シールド421は、容量性センサ465が主表面415aの方向における静電容量変化を検出することを防止する。
【0235】
図23では、ゴムボタン424は第1の位置に示され、図24では、ゴムボタン424は第2の位置に示されている。
【0236】
図25は、本発明による別のスイッチングデバイス470の概略断面図を示す。この実施形態では、スイッチングデバイス470は、複層グレイジングユニット471を備える。
【0237】
複層グレイジングユニット471は、外周シール476およびスペーサバー477によって第2のガラスシート473から離間された第1のガラスシート472を備える。第1のガラスシート472は、少なくとも外周シール476によって第2のガラスシート473に接合されている。
【0238】
第1のガラスシート472と第2のガラスシート473との間には、低圧空間であり得る空気空間479がある。
【0239】
第2のガラスシート473は、第1の主表面473aおよび反対側の第2の主表面473bを有する。第2のガラスシート473の第1の主表面473aには、図9および10を参照して前述したスイッチ31が取り付けられている。第2のガラスシート473の第2の主表面473bには、図3および4を参照して説明したセンサアセンブリ100が取り付けられている。
【0240】
ホール効果センサ109は、スイッチ31の一部である永久磁石37と動作可能に結合されている。LED111は、前述したように、スイッチ31を照らすことができる。「押された」状態、すなわち図10に示す構成にあるスイッチ31は仮想線で示している。
【0241】
前述の例では、それぞれのセンサアセンブリは、スイッチの可動部分以外の部品の動きからの漂遊信号の影響を受けやすい場合がある。そのような漂遊信号に対するセンサアセンブリの感度を低下させるために、センサアセンブリによって検出され得る漂遊信号の強度を下げる手段を含むことができる。例えば、光学センサを含むセンサアセンブリの場合、光学センサの周りに黒色塗料を使用して、迷光信号に対する光学センサの感度を低下させてもよい。同様に、スイッチの可動部が磁場によってセンサアセンブリに動作可能に結合されている場合、スイッチの可動部以外の他の潜在的に可動な部分は、磁気結合に影響を及ぼさない材料で作ることができる。
【0242】
図26および27は、自動車500の後部の概略図を示す。自動車500は、「バックライト」としばしば呼ばれる後部窓501を備える。後部窓501は、ソーダ石灰シリカガラスなどのグレイジング材シートを含み、モノリシックまたは積層であり得る。図26では、後部窓501は、自動車のトランクにアクセスできないように閉位置にある。
【0243】
後部窓501は、本発明によるスイッチングデバイスである。
【0244】
後部窓501の外側に面する表面502に取り付けられているのは、可動部を含む第1のスイッチ503であり、前述のタイプのスイッチである。スイッチ503を操作すると、後部窓501は、適切な電動機構(不図示)の作動により、図27に示すように開位置に移動する。後部窓が図27に示す開位置にある場合、後部窓501の内側に面する表面505と同様に、車500の内部504にアクセスできる。スイッチ503を後部窓のグレイジング材に取り付けることにより、スイッチをユーザによる操作に都合よく配置することができる。これは、金属フレームに組み込まれていないリアウィンドウに特に役立つ。
【0245】
また、後部窓501には、可動部を含む第2のスイッチ513が配置されているが、これは、前述のタイプのスイッチである。第2のスイッチ513は、スイッチ503の代わりであってもよく、またはスイッチ503と同様であってもよい。
【0246】
第2のスイッチ513を操作すると、給油口キャップ514が開き(図26に、仮想線で開放位置に示される)、燃料タンクへのアクセスが可能になる。
【0247】
代替的な実施形態では、第2のスイッチ513は、自動車の側窓に配置される。
【0248】
本発明は、スイッチングデバイスが自動車用グレイジングまたは建築用グレイジングの一部であり得る、自動車および建築用途における特定の用途を見出す。グレイジングは窓またはドアの一部である場合があり、一般的な命名規則を使用して、スイッチをグレイジングの「表面1(surface one)」に取り付けることができる。グレイジング上に手動操作可能なスイッチを設けることにより、スイッチをより便利に操作できる位置に該スイッチを配置することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27